JP5181530B2 - 下引き層形成用塗布液、下引き層形成用塗布液の製造方法、電子写真感光体、画像形成装置及び電子写真カートリッジ - Google Patents
下引き層形成用塗布液、下引き層形成用塗布液の製造方法、電子写真感光体、画像形成装置及び電子写真カートリッジ Download PDFInfo
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Description
通常、有機感光体は、導電性支持体上に感光層を形成してなる。感光体のタイプとしては、光導電性材料をバインダー樹脂中に溶解または分散させた単層の感光層(単層型感光層)を有する、いわゆる単層型感光体;電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を積層してなる複数の層からなる感光層(積層型感光層)を有する、いわゆる積層型感光体などが知られている。
有機感光体の有する層は、通常、その生産性の高さから、各種溶媒中に材料を溶解または分散した塗布液を、塗布、乾燥することにより形成される。この際、酸化チタン粒子とバインダー樹脂とを含有する下引き層では、酸化チタン粒子とバインダー樹脂とは下引き層中において相溶しない状態で存在しているため、当該下引き層形成用塗布液は、酸化チタン粒子を分散した塗布液により塗布形成される。
本発明は、前記の電子写真技術の背景を鑑みて創案されたもので、高い安定性を有する下引き層形成用塗布液及びその製造方法、様々な使用環境下でも高い画質の画像を形成することが可能で、しかも黒点や色点などの画像欠陥が発現し難い高性能の電子写真感光体、並びに、該電子写真感光体を用いた画像形成装置及び電子写真カートリッジを提供することを目的とする。
以上の知見に基づき、本発明者らは、本発明を完成させた。
1.10 ≦ Mv/Mp ≦ 1.40 (1)
1.20 ≦ Mv/Mp ≦ 1.35 (2)
また、前記湿式攪拌ボールミルとして、筒形のステータと、前記ステータの一端に設けられるスラリーの供給口と、前記ステータの他端に設けられる前記スラリーの排出口と、前記ステータ内に充填される前記メディア、及び、前記供給口より供給される前記スラリーを攪拌混合するロータと、前記排出口に連結すると共に、回転可能に設けられ、遠心力の作用により前記メディアと前記スラリーとを分離し、前記スラリーを前記排出口より排出するためのセパレータと、前記セパレータの回転軸となるシャフトとを備え、前記シャフトの軸心に、前記排出口と通ずる中空な排出路が形成された湿式攪拌ボールミルを用いることが好ましい(請求項5)。
また、前記メディアの平均粒子径が10〜100μmであることが好ましい(請求項7)。
1.10 ≦ Mv’/Mp’ ≦ 1.40 (3)
このとき、前記Mv’/Mp’が下記式(4)を満たすことが好ましい(請求項9)。
1.20 ≦ Mv’/Mp’ ≦ 1.35 (4)
また、該帯電手段が、該電子写真感光体に接触配置するようになっていることが好ましい(請求項12)。
さらに、前記像露光手段に用いられる光の波長が、350nm〜600nmであることが好ましい(請求項13)。
また、前記帯電手段が、前記電子写真感光体に接触配置するようになっていることが好ましい(請求項16)。
また、本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に下引き層と感光層とを有するものである。本発明に係る下引き層は、導電性支持体と感光層との間に設けられ、導電性支持体と感光層との接着性の改善、導電性支持体の汚れや傷のなどの隠蔽、不純物や表面物性の不均質化によるキャリヤ注入の防止、電気特性の不均一性の改良、繰り返し使用による表面電位低下の防止、画質欠陥の原因となる局所的な表面電位変動の防止等の機能の少なくともいずれか一つを有し、光電特性の発現に必須ではない層である。
本発明の下引き層形成用塗布液は、下引き層を形成するために用いられるもので、金属酸化物粒子と、バインダー樹脂とを含有する。また、通常、本発明の下引き層形成用塗布液は溶媒を含有している。さらに、本発明の下引き層形成用塗布液は、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、その他の成分を含有していてもよい。
[I−1−1.金属酸化物粒子の種類]
本発明に係る金属酸化物粒子としては、電子写真感光体に使用可能な如何なる金属酸化物粒子も使用することができる。
金属酸化物粒子を形成する金属酸化物の具体例を挙げると、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物などが挙げられる。これらの中でも、バンドギャップが2〜4eVの金属酸化物からなる金属酸化物粒子が好ましい。バンドギャップが小さすぎると、導電性支持体からのキャリア注入が起こりやすくなり、黒点や色点などの画像欠陥が発生しやすくなりる。また、バンドギャップが大きすぎると、電子のトラッピングにより電荷の移動が阻害されて、電気特性が悪化する可能性があるためである。
特に、金属酸化物粒子として酸化チタン粒子を用いる場合には、有機珪素化合物により表面処理されていることが好ましい。有機珪素化合物としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチル水素ポリシロキサン等のシリコーンオイル;メチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のオルガノシラン;ヘキサメチルジシラザン等のシラザン;ビニルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤等が挙げられる。
また、前記式(i)中、R3は、アルキル基又はアルコキシ基を表わす。R3の炭素数に制限は無いが、通常1以上、また、通常18以下、好ましくは10以下、より好ましくは6以下である。R3のうち好適なものの例を挙げると、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。
R1〜R3の炭素数が多くなりすぎると金属酸化物粒子との反応性が低下したり、処理後の金属酸化物粒子の下引き層形成用塗布液中での分散安定性が低下する可能性がある。
酸化チタン粒子の具体的な商品の例としては、表面処理を施していない超微粒子酸化チタン「TTO−55(N)」;Al2O3被覆を施した超微粒子酸化チタン「TTO−55(A)」、「TTO−55(B)」;ステアリン酸で表面処理を施した超微粒子酸化チタン「TTO−55(C)」;Al2O3とオルガノシロキサンで表面処理を施した超微粒子酸化チタン「TTO−55(S)」;高純度酸化チタン「CR−EL」;硫酸法酸化チタン「R−550」、「R−580」、「R−630」、「R−670」、「R−680」、「R−780」、「A−100」、「A−220」、「W−10」;塩素法酸化チタン「CR−50」、「CR−58」、「CR−60」、「CR−60−2」、「CR−67」;導電性酸化チタン「SN−100P」、「SN−100D」、「ET−300W」;(以上、石原産業株式会社製)等が挙げられる。また、「R−60」、「A−110」、「A−150」などの酸化チタン;をはじめ、Al2O3被覆を施した「SR−1」、「R−GL」、「R−5N」、「R−5N−2」、「R−52N」、「RK−1」、「A−SP」;SiO2、Al2O3被覆を施した「R−GX」、「R−7E」;ZnO、SiO2、Al2O3被覆を施した「R−650」;ZrO2、Al2O3被覆を施した「R−61N」;(以上、堺化学工業株式会社製)等も挙げられる。さらに、SiO2、Al2O3で表面処理された「TR−700」;ZnO、SiO2、Al2O3で表面処理された「TR−840」、「TA−500」の他、「TA−100」、「TA−200」、「TA−300」など表面未処理の酸化チタン;Al2O3で表面処理を施した「TA−400」(以上、富士チタン工業株式会社製);表面処理を施していない「MT−150W」、「MT−500B」;SiO2、Al2O3で表面処理された「MT−100SA」、「MT−500SA」;SiO2、Al2O3とオルガノシロキサンで表面処理された「MT−100SAS」、「MT−500SAS」(テイカ株式会社製)等も挙げられる。
さらに、酸化珪素粒子の具体的な商品の例としては、「200CF」、「R972」(日本アエロジル社製)、「KEP−30」(日本触媒株式会社製)等が挙げられる。
また、酸化スズ粒子の具体的な商品の例としては、「SN−100P」(石原産業株式会社製)等が挙げられる。
さらに、酸化亜鉛粒子の具体的な商品の例としては「MZ−305S」(テイカ株式会社製)等が挙げられる。
本発明の下引き層形成用塗布液中において動的光散乱法により測定される、金属酸化物粒子の体積平均径をMvとし、金属酸化物粒子の個数平均径をMpとした場合に、本発明に係る金属酸化物粒子は、その粒径分布に関し、次の条件を満たすものである。
本発明に係る金属酸化物粒子は、前記の体積平均径Mvが、0.1μm以下、好ましくは95nm以下、より好ましくは90nm以下である。
本発明の下引き層形成用塗布液中において、金属酸化物粒子は、一次粒子として存在するのが望ましい。しかし、通常は、そのようなことは少なく、凝集して凝集体二次粒子として存在するか、両者が混在する場合がほとんどである。したがって、その状態での粒度分布が如何にあるべきかは非常に重要である。
なお、金属酸化物粒子の体積平均径Mvの下限に制限は無いが、通常10nm以上、好ましくは20nm以上である。体積平均径Mvが過剰に小さい場合には、金属酸化物粒子の再凝集が起こる可能性があり、その場合には下引き層形成用塗布液の保存安定性が低下することがある。
本発明に係る金属酸化物粒子は、その体積平均径Mvと個数平均径Mpとの比Mv/Mpが、1.10以上、好ましくは1.20以上、また、1.40以下、好ましくは1.35以下である。したがって、本発明に係る金属酸化物粒子は、下記式(1)を満たすものであり、好ましくは下記式(2)を満たすものである。
1.10 ≦ Mv/Mp ≦ 1.40 (1)
1.20 ≦ Mv/Mp ≦ 1.35 (2)
本発明に係る金属酸化物粒子の前記体積平均径Mv及び前記個数平均径Mpは、本発明の下引き層形成用塗布液中において金属酸化物粒子を動的光散乱法により直接測定して得られる値である。この際、金属酸化物粒子がどのような存在形態であっても、前記動的光散乱法により測定された値を用いるものとする。
測定上限 :5.9978μm
測定下限 :0.0035μm
チャンネル数 :44
測定時間 :300sec.
粒子透過性 :吸収
粒子屈折率 :N/A(適用しない)
粒子形状 :非球形
密度 :4.20g/cm3(*)
分散媒種類 :下引き層形成用塗布液に用いた溶媒(**)
分散媒屈折率 :下引き層形成用塗布液に用いた溶媒の屈折率
(*)密度の値は二酸化チタン粒子の場合であり、他の粒子の場合は、前記取扱説明書に記載の数値を用いる。
(**)本発明においては、特に言及しない限り、分散媒(即ち、下引き層形成用塗布液に用いた溶媒)としては、メタノール/プロパノール=7/3の混合溶媒を使用することが好ましい。
このように希釈を行なったとしても、下引き層形成用塗布液中における金属酸化物粒子の体積粒子径は変化しないものと考えられるため、前記の希釈を行なった結果測定された体積平均径Mv及び個数平均径Mpは、本発明に係る「下引き層形成用塗布液中において動的光散乱法により測定される、金属酸化物粒子の体積平均径Mv及び個数平均径をMp」として取り扱うものとする。
また、動的光散乱による粒度の測定は、25℃で行なうものとする。
また、測定する際のセルサイズ(光路長)は、10mmのものを用いる。使用するセルは、400nm〜1000nmの範囲において実質的に透明であるものであればどのようなものを用いてもかまわないが、石英のセルを用いることが好ましく、特には試料セルと標準セルの透過率特性の差が特定範囲内にあるようなマッチドセルを用いることが好ましい。
本発明に係る金属酸化物粒子の平均一次粒子径に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、本発明に係る金属酸化物粒子の平均一次粒子径は、通常1nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常100nm以下、好ましくは70nm以下、より好ましくは50nm以下である。
なお、この平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(Transmission electron microscope:以下適宜「TEM」という)により直接観察される粒子の径の算術平均値によって求めることが可能である。
なお、金属酸化物粒子の屈折率は、各種の刊行物に記載されている文献値を用いることができる。例えば、フィラー活用辞典(フィラー研究会編,大成社,1994)によれば下記表1のようになっている。
本発明の下引き層形成用塗布液において使用されるバインダー樹脂としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを使用することができる。通常は、有機溶剤等の溶媒に可溶であって、且つ、形成後の下引き層が、感光層形成用の塗布液に用いられる有機溶剤等の溶媒に不溶であるか、溶解性の低く、実質上混合しないものを用いる。
また、R4〜R7で表される有機置換基の炭素数は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常20以下、好ましくは18以下、より好ましくは12以下、また、通常1以上である。炭素数が大きすぎると、溶解性が悪化し、また、溶解ができたとしても下引き層形成用塗布液としての保存安定性が悪化する傾向を示す。
なお、バインダー樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
本発明の下引き層形成用塗布液に用いる溶媒(下引き層用溶媒)としては、本発明に係るバインダー樹脂を溶解させうるものであれば、任意のものを使用することができる。この溶媒としては、通常は有機溶媒を使用する。溶媒の例を挙げると、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールまたはノルマルプロピルアルコール等の炭素数5以下のアルコール類;クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、トリクレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロプロパン等のハロゲン化炭化水素類;ジメチルホルムアミド等の含窒素有機溶媒類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類などが挙げられる。
本発明の下引き層形成用塗布液は、本発明の効果を著しく損なわない限り、上述した金属酸化物粒子、バインダー樹脂及び溶媒以外の成分を含有していてもよい。例えば、下引き層形成用塗布液には、その他の成分として添加剤を含有させてもよい。
本発明の下引き層形成用塗布液は、保存安定性が高い。保存安定性の指標としては様々なものがあるが、例えば、本発明の下引き層形成用塗布液は、作製時と室温120日保存後の粘度変化率(即ち、120日保存後の粘度と作製時との粘度の差を、作製時の粘度で除した値)が、通常20%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下である。なお、粘度は、E型粘度計(トキメック社製、製品名 ED)を用い、JIS Z 8803に準じた方法で測定できる。
また、本発明の下引き層形成用塗布液を用いれば、電子写真感光体を高品質に、且つ、高効率に製造することが可能である。
本発明の下引き層形成用塗布液の製造方法に制限は無い。ただし、本発明の下引き層形成用塗布液は上述したように金属酸化物粒子を含有するものであり、金属酸化物粒子は下引き層形成用塗布液中に分散されて存在する。したがって、本発明の下引き層形成用塗布液の製造方法は、通常、金属酸化物粒子を分散させる分散工程を有する。
金属酸化物粒子を分散させるには、例えば、ボールミル、サンドグラインドミル、遊星ミル、ロールミルなどの公知の機械的な粉砕装置(分散装置)で、溶媒(以下適宜、分散時に使用する溶媒を「分散溶媒」という)中にて湿式分散すれば良い。この分散工程により、本発明に係る金属酸化物粒子は分散し、上述した所定の粒径分布を有するようになるものと考えられる。また、分散溶媒は、下引き層形成用塗布液に用いる溶媒を使用してもよく、それ以外の溶媒を使用してもよい。ただし、分散溶媒として下引き層形成用塗布液に用いる溶媒以外の溶媒を用いる場合は、分散後に金属酸化物粒子と下引き層形成用塗布液に用いる溶媒とを混合したり溶媒交換したりすることになるが、この際には、金属酸化物粒子が凝集して所定の粒径分布を有さなくならないようにしながら、前記の混合や溶媒交換などをすることが好ましい。
分散メディアを利用して分散する分散装置としては、公知のどのような分散装置を用いて分散しても構わない。分散メディアを利用して分散する分散装置の例を挙げると、ペブルミル、ボールミル、サンドミル、スクリーンミル、ギャップミル、振動ミル、ペイントシェーカー、アトライター等が挙げられる。これらの中でも、金属酸化物粒子を循環させて分散できるものが好ましい。また、分散効率、到達粒径の細かさ、連続運転の容易さ等の点から、例えばサンドミル、スクリーンミル、ギャップミル等の湿式攪拌ボールミルが特に好ましい。なお、前記のこれらのミルは、縦型、横型いずれのものでもよい。また、ミルのディスク形状は、平板型、垂直ピン型、水平ピン型等任意のものを使用できる。好ましくは、液循環型のサンドミルが用いられる。
なお、これらの分散装置は1種のみで実施しても良く、2種以上を任意に組み合わせて実施しても良い。
ましくは5.9g/cm3以上、より好ましくは6.0g/cm3以上のものが用いられる。一般に、より高密度の分散メディアを使用して分散した方が短時間で均一な分散液を与える傾向がある。分散メディアの真球度としては、1.08以下のものが好ましく、より好ましくは1.07以下の真球度を持つ分散メディアを用いる。
なお、分散メディアは1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
ここで、スラリーは、少なくとも金属酸化物粒子と分散溶媒とを含有している。
ステータは、内部に中空部を有する筒形(通常は、円筒形)の容器で、その一端にはスラリーの供給口が形成され、その他端にはスラリーの排出口が形成されている。さらに、内部の中空部には分散メディアが充填され、当該分散メディアによってスラリー中の金属酸化物粒子が分散されるようになっている。また、供給口からはステータ内にスラリーが供給され、ステータ内のスラリーは排出口からステータの外に排出されるようになっている。
なお、セパレータは、前記のロータと一体をなして回転するようにしてもよく、ロータとは別個に独立して回転するようにしても良い。
その上、Oリングが嵌合する環状溝の下側部は、切込みにより下方に向かって拡開し、クリアランスが広がっているため、スラリーや分散メディアが入り込んで噛み込んだり、固化することによる詰まりを生じ難く、メイティングリングのシールリングへの追随が円滑に行なわれてメカニカルシールの機能維持が行なわれる。なお、Oリングが嵌合する嵌合溝の下側部は断面V形をなし、全体が薄肉となる訳ではないから、強度が損なわれることはないし、Oリングの保持機能が損なわれることもない。
図3は、この実施形態の湿式攪拌ボールミルの構成を模式的に表わす縦断面図である。図3において、スラリー(図示省略)は、縦型湿式攪拌ボールミルに供給され、該ミルで分散メディア(図示省略)と共に攪拌されることにより粉砕されたのち、セパレータ14で分散メディアを分離してシャフト15の軸心に形成された排出路19を通って排出され、戻される経路(図示省略)を辿り、循環粉砕されるようになっている。
スリットでの詰まりを解消するため、弁体35が短い周期で上限位置まで上昇する上下動を繰返して噛み込みを解消できるようにしてある。この弁体35の振動は、常時行なっておいてもよいし、スラリー中に粗粒子が多量に含まれる場合に行なってもよく、また詰まりによってスラリーの供給圧が上昇したとき、これに連動して行なわれるようにしてもよい。
なお、本実施形態で例示したような構造を有する湿式撹拌ボールミルとしては、具体的には例えば寿工業株式会社製のウルトラアペックスミルがあげられる。
分散溶媒としては、特に制限されないが、前記の下引き層形成用塗布液に用いる溶媒を用いれば、分散後に溶媒交換などの工程を経る必要が無くなり好適である。これらの分散溶媒は何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用し、混合溶媒として用いても良い。
また、機械的分散時の温度としては、溶媒(または混合溶媒)の凝固点以上、沸点以下で行なうことが可能であるが、製造時の安全性の面から、通常、10℃以上、200℃以下の範囲で行なわれる。
振動周波数等の超音波処理時の条件には特に制限はないが、通常10kHz以上、好ましくは15kHz以上、また、通常40kHz以下、好ましくは35kHz以下の周波数の発振器により超音波振動を加える。
また、超音波発振機の出力に特に制限はないが、通常100W〜5kWのものが用いられる。
本発明の下引き層形成用塗布液の製造方法によれば、本発明の下引き層形成用塗布液を効率よく生産できる上に、より保存安定性が高い下引き層形成用塗布液を得ることができる。したがって、より高品質の電子写真感光体を効率よく得ることができる。
本発明の下引き層形成用塗布液を導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより、電子写真感光体の下引き層を形成することができる。本発明の下引き層形成用塗布液を塗布する方法に制限は無いが、例えば、浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、スパイラル塗布、リング塗布、バーコート塗布、ロールコート塗布、ブレード塗布等が挙げられる。なお、これらの塗布法は1種のみで実施しても良く、2種以上を任意に組み合わせて実施しても良い。
浸漬塗布法の場合、通常、下引き層形成用塗布液の全固形分濃度は、通常1重量%以上、好ましくは10重量%以上であって、通常50重量%以下、好ましくは35重量%以下の範囲とし、粘度を好ましくは0.1cps以上、また、好ましくは100cps以下の範囲とする。なお、1cps=1×10-3Pa・sである。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に、下引き層と、前記下引き層上に形成される感光層とを有する。したがって、下引き層は、導電性支持体と感光層との間に設けられる。
以下、本発明の電子写真感光体の構成要素につき、実施形態を挙げて説明する。ただし、本発明の電子写真感光体の構成要素は以下の実施形態に限定されるものではない。
導電性支持体に特に制限は無いが、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料;金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を混合して導電性を付与した樹脂材料;アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫合金)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙などが主として使用される。
また、導電性支持体の形態としては、例えば、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。また、金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を持つ導電性材料を塗布したものでもよい。
例えば、クロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中で、陽極酸化処理することにより陽極酸化被膜が形成されるが、これらの酸性浴のうちでも特に硫酸中での陽極酸化処理がより良好な結果を与える。硫酸中での陽極酸化の場合、硫酸濃度は100〜300g/L、溶存アルミニウム濃度は2〜15g/L、液温は15〜30℃、電解電圧は10〜20V、電流密度は0.5〜2A/dm2の範囲内に設定されるのが好
ましいが、前記条件に限定されるものではない。
下引き層は、バインダー樹脂及び金属酸化物粒子を含有する層である。また、下引き層は、本発明の効果を著しく損なわない限りその他の成分を含有していてもよい。なお、これらのバインダー樹脂、金属酸化物粒子、及びその他の成分は、本発明の下引き層形成用塗布液の説明において述べたものと同様である。
また、本発明の電子写真感光体においては、体積平均径Mv’と個数平均径Mp’との比Mv’/Mp’が、通常は下記式(3)を満たし、好ましくは下記式(4)を満たす(〔体積平均径Mvと個数平均径Mpとの比Mv/Mpに関する条件〕の説明を参照)。
1.10 ≦ Mv’/Mp’ ≦ 1.40 (3)
1.20 ≦ Mv’/Mp’ ≦ 1.35 (4)
なお、前記の体積平均径Mv’及び個数平均径Mp’の測定方法は、下引き層形成用塗布液中の金属酸化物粒子を直接測定するものではなく、層形成された下引き層をメタノールと1−プロパノールとを7:3の重量比で混合した混合溶媒(これが、粒度測定時の分散媒となる)に分散して、その分散液中の金属酸化物粒子の粒度を動的光散乱法で測定する点で、上述した体積平均径Mv及び個数平均径Mpの測定方法とは異なるが、その他の点は同様である(〔体積平均径Mv及び個数平均径Mpの測定方法〕の説明を参照)。
本発明に係る下引き層の形成方法に制限は無いが、通常は、上述した本発明の下引き層形成用塗布液から形成することができる。
本発明に係る下引き層の面内算術平均粗さ(Ra)は、通常10nm以上、また、通常50nm以下の範囲にある。面内算術平均粗さ(Ra)が小さすぎると上層との接着性が悪化する可能性があり、大きすぎると上層の塗布膜厚均一性の悪化を招く可能性がある。
本発明に係る下引き層の面内最大粗さ(P−V)は、通常100nm以上、好ましくは300nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは800nm以下の範囲にある。面内最大粗さ(P−V)が小さすぎると上層との接着性が悪化する可能性があり、大きすぎると上層の塗布膜厚均一性の悪化を招く可能性がある。
なお、吸光度の値は、測定する液の固形分濃度に依存する。このため、吸光度の測定を行なう場合、前記分散液中の金属酸化物粒子の濃度が、0.003重量%〜0.0075重量%の範囲となるように分散することが好ましい。
一方、下引き層が含有する金属酸化物粒子の屈折率が2.0未満の場合には、該下引き層が2μmである場合に換算した、該導電性支持体の波長400nmの光に対する正反射に対する、該下引き層の波長400nmの光に対する正反射の比が、通常50%以上である。
特定の単色光が下引き層を通過し、導電性支持体上で正反射し、ふたたび下引き層を通過して検出される場合に、光に対して垂直な厚さdLの薄い層を仮定する。
厚さdLの薄い層を通過後の光の強度の減少量−dIは、前記の層を通過する前の光の強度Iと、層の厚さdLとに比例すると考えられ、式で表現すると次のように書くことができる(kは定数)。
式(C)を変形すると次の様になる。
−dI/I=kdL (D)
式(D)の両辺をそれぞれ、I0からIまで、0からLまでの区間で積分すると次の様
な式が得られる。なお、I0は入射光の強度を表わす。
log(I0/I)=kL (E)
式(E)を変形すると、
I=I0exp(−kL) (F)
となり、入射光が導電性支持体表面に到達するまでの挙動が式(F)で表される。
すると、式(F)に従って導電性支持体表面に到達した光は、反射率Rを乗じられた上で正反射し、ふたたび光路長Lを通って下引き層表面に出ていく。すなわち、
I=I0exp(−kL)・R・exp(−kL) (G)
となり、R=I1/I0を代入し、さらに変形することで、
I/I1=exp(−2kL) (H)
という関係式を得ることができる。これが、導電性支持体に対する反射率に対する、下引き層に対する反射率の値であり、これを正反射率と定義する。
T(L)=I/I1=exp(−2kL) (I)
が成立する。
一方、知りたい値はT(2)であるため、式(I)にL=2を代入して、
T(2)=I/I1=exp(−4k) (J)
となり、式(I)と式(J)を連立させてkを消去すると、
T(2)=T(L)2/L (K)
となる。
[IV−3−1.電荷発生物質]
本発明で電子写真感光体に用いる電荷発生物質としては、従来から本用途に用いることが提案されている任意の物質を用いることができる。このような物質としては例えば、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アントアントロン系顔料、キナクリドン系顔料、シアニン系顔料、ピリリウム系顔料、チアピリリウム系顔料、インジゴ系顔料、多環キノン系顔料、スクエアリック酸系顔料などが挙げられる。特にフタロシアニン顔料、またはアゾ顔料が好ましい。フタロシアニン顔料は、比較的長波長のレーザー光に対して高感度の感光体が得られる点で、また、アゾ顔料は、白色光及び比較的短波長のレーザー光に対し十分な感度を持つ点で、それぞれ優れている。
電荷輸送物質に制限は無い。電荷輸送物質の例を挙げると、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリグリシジルカルバゾール、ポリアセナフチレン等の高分子化合物;ピレン,アントラセン等の多環芳香族化合物;インドール誘導体、イミダゾール誘導体、カルバゾール誘導体、ピラゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアジアゾール誘導体等の複素環化合物;p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、N−メチルカルバゾール−3−カルバルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン系化合物;5−(4−(ジ−p−トリルアミノ)ベンジリデン)−5H−ジベンゾ(a,d)シクロヘプテン等のスチリル系化合物;p−トリトリルアミン等のトリアリールアミン系化合物;N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン等のベンジジン系化合物;ブタジエン系化合物;ジ−(p−ジトリルアミノフェニル)メタン等のトリフェニルメタン系化合物などが挙げられる。これらの中でも、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、スチリル系化合物、ブタジエン系化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、もしくはこれらが複数結合されたものが好適に用いられる。これらの電荷輸送物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
本発明の電子写真感光体に係る感光層は、光導電性材料を各種バインダー樹脂で結着した形で形成する。感光層用バインダー樹脂としては、電子写真感光体に用いることができる公知の如何なるバインダー樹脂も使用可能である。感光層用バインダー樹脂の具体例を挙げると、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリアクル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエステルポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール、ポリスルホン、ポリイミド、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニルなどのビニル重合体、及びその共重合体等が用いられる。またこれらの部分的架橋硬化物も使用できる。なお、感光層用バインダー樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
・積層型感光体
本発明の電子写真感光体がいわゆる積層型感光体である場合、電荷発生物質を含有する層は、通常、電荷発生層である。ただし、積層型感光体において、本発明の効果を著しく損なわない限り、電荷発生物質が電荷輸送層中に含まれていても構わない。
また、電荷発生層の膜厚は任意であるが、通常0.1μm以上、好ましくは0.15μm以上、また、通常2μm以下、好ましくは0.8μm以下が好適である。
本発明の電子写真感光体がいわゆる単層型感光体である場合、後に記載する電荷輸送層と同様の配合割合の感光層用バインダー樹脂と電荷輸送物質とを主成分とするマトリックス中に、前記電荷発生物質が分散される。
単層型の感光層に使用する場合には、電荷発生物質の粒子径は十分小さいことが望ましい。このため、単層型の感光層では、電荷発生物質の体積平均粒子径では、通常0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.15μm以下である。
単層型感光層の膜厚は任意であるが、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常50μm以下、好ましくは45μm以下である。
本発明の電子写真感光体がいわゆる積層型感光体である場合、電荷輸送物質を含有する層は、通常、電荷輸送層である。電荷輸送層は、電荷輸送機能を有する樹脂単独で形成されても良いが、前記電荷輸送物質が感光層用バインダー樹脂中に分散または溶解された構成がより好ましい。
電荷輸送層の膜厚は任意であるが、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上、また、通常60μm以下、好ましくは45μm以下、より好ましくは27μm以下である。
本発明の電子写真感光体は、上述した下引き層及び感光層以外にも、その他の層を有していてもよい。
例を挙げると、最表面層として従来公知の、例えば熱可塑性あるいは熱硬化性ポリマーを主体とする表面保護層やオーバーコート層を設けてもよい。
感光体が有する下引き層以外の各層の形成方法に制限は無く、任意の方法を用いることができる。例えば、本発明の下引き層形成用塗布液で下引き層を形成する場合のように、層に含有させる物質を溶媒に溶解又は分散させて得られた塗布液(感光層形成用塗布液、電荷発生層形成用塗布液、電荷輸送層形成用塗布液など)を、例えば浸漬塗布方法、スプレー塗布方法、リング塗布方法等の公知の方法を用いて順次塗布し、乾燥させて形成される。この場合、塗布液は、必要に応じて塗布性を改善するためのレベリング剤や酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
なお、塗布液に用いる溶媒の量に制限は無く、塗布液の組成や塗布方法などに応じて、適切な量を用いるようにすれば良い。
本発明の電子写真感光体は、様々な使用環境下でも高い画質の画像を形成することが可能である。また、耐久安定性に優れ、しかも黒点や色点などの画像欠陥が発現し難い。したがって、本発明の電子写真感光体は、画像形成に用いた場合、環境による影響を抑制しながら、高品質の画像を形成することが可能である。
また、従来の電子写真感光体では、下引き層に、金属酸化物粒子が凝集してなる粗大な金属酸化物粒子凝集体が含有され、当該粗大な金属酸化物粒子凝集体によって、画像形成時に欠陥が生じる可能性があった。さらに、帯電手段として接触式のものを用いた場合には、感光層に帯電を行なう際に当該金属酸化物粒子を通って感光層から導電性支持体に電荷が移動し、適切に帯電を行なうことができなくなる可能性もあった。しかし、本発明の電子写真感光体では、平均粒径が非常に小さく、且つ、良好な粒径分布を有する金属酸化物粒子を用いた下引き層を備えているため、欠陥や、適切に帯電できなくなることを抑制でき、高品質な画像形成が可能である。
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置(本発明の画像形成装置)の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
体積平均径Mv’及び比Mv’/Mp’が上記範囲を満たさない場合、本発明者らの検討によれば、感光体として、低温低湿下での露光−帯電繰り返し特性が安定しない。このため、本発明の画像形成装置を用いて得られる画像に黒点、色点などの画像欠陥が多発するようになり、画像形成装置として鮮明かつ安定的な画像形成が行なえなくなる可能性がある。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
体積平均径Mv’及び比Mv’/Mp’が上記範囲を満たさない場合、本発明者らの検討によれば、感光体として、低温低湿下での露光−帯電繰り返し特性が安定しない。このため、本発明の電子写真カートリッジを用いて得られる画像に黒点、色点などの画像欠陥が多発するようになり、鮮明かつ安定的な画像形成が行なえなくなる可能性がある。
本発明によれば、以下に説明する利点の少なくとも一つを得ることが可能である。
即ち、本発明によれば、下引き層形成用塗布液は安定した状態となり、ゲル化したり、分散された酸化チタン粒子が沈殿したりすることがなく、長期保存および使用が可能となる。また、該塗布液の使用時における粘性をはじめとする物性の変化が小さくなり、連続して支持体上に塗布し乾燥して感光層を形成する際に、製造されたそれぞれの感光層の膜厚が均一なものとなる。
そして、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置によれば、黒点や色点などの画像欠陥の極めて少ない良好な画像を形成することができ、特に該電子写真感光体に接触配置する帯電手段により帯電される画像形成装置において、黒点や色点などの画像欠陥の極めて少ない良好な画像を形成することができる。
また、本発明の電子写真感光体を用い、像露光手段に用いられる光の波長が350nm〜600nmである画像形成装置によれば、初期帯電電位および感度が高いことからして高品質の画像を得ることができる。
平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業株式会社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3重量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、ヘンシェルミキサーにて混合して得られた表面処理酸化チタン50部と、メタノール120部を混合してなる原料スラリー1kgを、直径約100μmのジルコニアビーズ(株式会社ニッカトー製 YTZ)を分散メディアとして、ミル容積約0.15Lの寿工業株式会社製ウルトラアペックスミル(UAM−015型)を用い、ロータ周速10m/秒、液流量10kg/時間の液循環状態で1時間分散処理し、酸化チタン分散液を作製した。
ウルトラアペックスミルで分散する際の分散メディアとして、直径約50μmのジルコニアビーズ(株式会社ニッカトー製 YTZ)を用いた以外は、実施例1と同様にして下引き層形成用塗布液Bを作製し、実施例1と同様にして物性を測定した。結果を表2に示す。
また、この下引き層形成用塗布液Bを、固形分濃度が0.015重量%(金属酸化物粒子濃度、0.011重量%)となるように、メタノール/1−プロパノール=7/3(重量比)混合溶媒分散液に希釈し、該希釈液の波長400nmの光に対する吸光度と波長1000nmの光に対する吸光度との差を、紫外可視分光光度計(島津製作所製 UV−1650PC)により測定した。結果を、表3に示す。
ウルトラアペックスミルで分散する際のロータ周速を、12m/秒とした以外は、実施例2と同様にして下引き層形成用塗布液Cを作製し、実施例1と同様にして物性を測定した。結果を表2に示す。
ウルトラアペックスミルで分散する際の分散メディアとして、直径約30μmのジルコニアビーズ(株式会社ニッカトー製 YTZ)を用いた以外は、実施例3と同様にして下引き層形成用塗布液Dを作製し、実施例1と同様にして物性を測定した。結果を表2に示す。
実施例2で用いた表面処理酸化チタン/共重合ポリアミドの重量比を2/1とした以外は、実施例2と同様にして下引き層形成用塗布液Eを作製し、その固形分濃度を0.015重量%(金属酸化物粒子濃度、0.01重量%)とした以外は、実施例2と同様にして波長400nmの光に対する吸光度と波長1000nmの光に対する吸光度との差を測定した。結果を表3に示す。
表面処理酸化チタン/共重合ポリアミドの重量比を4/1とした以外は、実施例2と同様にして下引き層形成用塗布液Fを作製し、その固形分濃度を0.015重量%(金属酸化物粒子濃度、0.012重量%)とした以外は、実施例2と同様にして波長400nmの光に対する吸光度と波長1000nmの光に対する吸光度との差を測定した。結果を表3に示す。
実施例1において使用した表面処理酸化チタンの代わりに、平均一次粒子径13nmの、酸化アルミニウム粒子(日本アエロジル社製 Aluminum Oxide C)を用い、含有する固形分の濃度が8.0重量%、該酸化アルミニウム粒子/共重合ポリアミドの重量比を1/1とした以外は、実施例2と同様にして、下引き層形成用塗布液Gを作製し、物性を測定した。結果を表2に示す。
また、その固形分の濃度を0.015重量%(金属酸化物粒子濃度、0.0075重量%)となるよう希釈した以外は、実施例2と同様にして波長400nmの光に対する吸光度と波長1000nmの光に対する吸光度との差を測定した。結果を表3に示す。
表面処理酸化チタン/共重合ポリアミドの重量比を6/1とした以外は、実施例2と同様にして下引き層形成用塗布液Hを作製し、物性を測定した。結果を表2に示す。
表面処理酸化チタン/共重合ポリアミドの重量比を8/1とした以外は、実施例2と同様にして下引き層形成用塗布液Iを作製し、物性を測定した。結果を表2に示す。
表面処理酸化チタン50部と、メタノール120部とを混合し、直径約5mmのアルミナボール(株式会社ニッカトー製 HD)を用いてボールミルで5時間分散して得た分散スラリー液をそのまま用いて、ウルトラアペックスミルを用いて分散しなかった以外は、実施例1と同様にして下引き層形成用塗布液Jを作製し、物性を測定した。結果を表2に示す。
また、その固形分濃度を0.015重量%(金属酸化物粒子濃度、0.011重量%)とした以外は、実施例2と同様にして物性を測定した。結果を表3に示す。
比較例1でボールミル分散に用いたボールを、直径約5mmのジルコニアボール(株式会社ニッカトー製 YTZ)を用いた以外は、比較例1と同様にして下引き層形成用塗布液Kを作製し、実施例1と同様にして物性を測定した。結果を表2に示す。
比較例1で用いた表面処理酸化チタン/共重合ポリアミドの重量比を2/1とした以外は、比較例1と同様にして下引き層形成用塗布液Lを作製し、その固形分濃度を0.015重量%(金属酸化物粒子濃度、0.01重量%)とした以外は、実施例2と同様にして波長400nmの光に対する吸光度と波長1000nmの光に対する吸光度との差を測定した。結果を表3に示す。
比較例1で用いた表面処理酸化チタン/共重合ポリアミドの重量比を4/1とした以外は、比較例1と同様にして下引き層形成用塗布液Mを作製し、その固形分濃度を0.015重量%(金属酸化物粒子濃度、0.012重量%)とした以外は、実施例2と同様にして波長400nmの光に対する吸光度と波長1000nmの光に対する吸光度との差を測定した。結果を表3に示す。
比較例1で用いた表面処理酸化チタン/共重合ポリアミドの重量比を6/1とした以外は、比較例1と同様にして下引き層形成用塗布液Nを作製した。
比較例1で用いた表面処理酸化チタン/共重合ポリアミドの重量比を8/1とした以外は、比較例1と同様にして下引き層形成用塗布液Oを作製した。
実施例2において使用した分散装置、寿工業株式会社製ウルトラアペックスミル(UAM−015型)の代わりに、ミル容積約1Lの寿工業株式会社製ウルトラアペックスミル(UAM−1型)を用いて、下引き層形成用塗布液の液流量を30kg/時間とした以外は、実施例2と同様にして下引き層形成用塗布液Pを作製し、実施例1と同様にして物性を測定した。結果を表2に示す。
実施例2において使用した分散装置、寿工業株式会社製ウルトラアペックスミル(UAM−015型)の代わりに、ミル容積約1Lの寿工業株式会社製ウルトラアペックスミル(UAM−1型)を用いて、分散メディアとして直径約30μmのジルコニアビーズ(株式会社ニッカトー製 YTZ)を用い、ロータ周速を12m/秒とし、下引き層形成用塗布液の液流量を30kg/時間とした以外は、実施例2と同様にして下引き層形成用塗布液Qを作製し、実施例1と同様にして物性を測定した。結果を表2に示す。
比較例1において使用した表面処理酸化チタンの代わりに、平均一次粒子径13nmの、日本アエロジル社製 Aluminum Oxide C(酸化アルミニウム粒子)を用いて、含有する固形分の濃度が8.0重量%、該酸化アルミニウム粒子/共重合ポリアミドの重量比を1/1として、ボールミルで分散する代わりに出力600Wの超音波発振器により6時間分散した以外は、比較例1と同様にして下引き層形成用塗布液Rを作製し、物性を測定した。結果を表2に示す。
また、その固形分濃度を0.015重量%(金属酸化物粒子濃度、0.0075重量%)とした以外は、実施例2と同様にして波長400nmの光に対する吸光度と波長1000nmの光に対する吸光度との差を測定した。結果を表3に示す。
実施例2、5〜7、および比較例1、3、4、7で作製した下引き層形成用塗布液を用いて導電性支持体上に形成した下引き層の、正反射の比を以下のようにして評価した。結果を表4に示す。
表4に示す外径30mm、長さ250mm、肉厚0.8mmのアルミニウム管(引抜鏡面管、および切削管)上に、乾燥後の膜厚が2μmになるように、表4に示す下引き層形成用塗布液をそれぞれ塗布、乾燥して下引き層を形成した。
下引き層形成用塗布液Aを、外径24mm、長さ236.5mm、肉厚0.75mmのアルミニウム切削管上に、浸漬塗布により、乾燥後の膜厚が2μmとなるように塗布し、乾燥させて下引き層を形成した。下引き層の表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ、凝集物は殆ど観察されなかった。
に塗布し、室温において25分間風乾した。
さらに125℃において20分間乾燥して電荷輸送層を設けて電子写真感光体を作製した。この電子写真感光体を感光体P1とする。
相対湿度50%(以下、NN環境ということがある)環境下、および温度5℃、相対湿度10%(以下、LL環境ということがある)で測定した。その結果を表5に示す。
下引き層の膜厚が3μmとなるように下引き層を設けた以外は、実施例12と同様にして感光体P2を作製した。この際の下引き層を、実施例12と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ凝集物は殆ど観察されなかった。
実施例12と同様にして感光体P2を評価した結果を表5に示す。
酸化チタンと共重合ポリアミドの重量比を、酸化チタン/共重合ポリアミド=2/1とした以外は、実施例1と同様にして下引き層形成用塗布液A2を作製した。
下引き層形成用塗布液として前記塗布液A2を用いた以外は、実施例12と同様にして感光体P3を作製した。この際の下引き層を、実施例12と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ凝集物は殆ど観察されなかった。
実施例12と同様にして感光体P3を評価した結果を表5に示す。
下引き層形成用塗布液として、前記実施例2に記載の下引き層形成用塗布液Bを用いた以外は、実施例12と同様にして感光体Q1を作製した。この際の下引き層を、実施例12と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ凝集物は殆ど観察されなかった。
この下引き層の表面形状を、株式会社菱化システムのMicromapによりWaveモードで、測定波長552nm、対物レンズ倍率40倍、測定面190μm×148μm、背景の形状補正(Term)円柱で測定したところ、面内2乗平均平方根粗さ(RMS)の値が、43.2nmであり、面内算術平均粗さ(Ra)の値が、30.7nmであり、面内最大粗さ(P−V)の値が、744nmであった。
実施例12と同様にして感光体Q1を評価した結果を表5に示す。
また、NN環境で、初期表面電位(−700V)を暗所で5秒間保持した際の表面電位低下率(DDR)を測定した。DDRは、初期表面電位に対する5秒保持後の表面電位の比を%表示した。結果を表6に示す。
下引き層の膜厚が3μmとなるように下引き層を設けた以外は、実施例15と同様にして感光体Q2を作製した。この際の下引き層を、実施例12と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ凝集物は殆ど観察されなかった。
実施例12と同様にして、感光体Q2を評価した結果を表5に示す。
下引き層形成用塗布液として前記塗布液Eを用いた以外は、実施例15と同様にして感光体Q3を作製した。この際の下引き層を、実施例12と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ凝集物は殆ど観察されなかった。
実施例12と同様にして感光体Q3を評価した結果を表5に示す。
下引き層形成用塗布液として、前記実施例3に記載の下引き層形成用塗布液Cを用いた以外は、実施例12と同様にして感光体R1を作製した。この際の下引き層を、実施例12と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ凝集物は殆ど観察されなかった。
実施例12と同様にして感光体R1を評価した結果を表5に示す。
下引き層の膜厚が3μmとなるように下引き層を設けた以外は、実施例18と同様にして感光体R2を作製した。この際の下引き層を、実施例12と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ凝集物は殆ど観察されなかった。
実施例12と同様にして、感光体R2を評価した結果を表5に示す。
酸化チタンと共重合ポリアミドの重量比を、酸化チタン/共重合ポリアミド=2/1とした以外は、実施例3と同様にして下引き層形成用塗布液C2を作製した。
下引き層形成用塗布液として前記塗布液C2を用いた以外は、実施例18と同様にして感光体R3を作製した。この際の下引き層を、実施例12と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ凝集物は殆ど観察されなかった。
実施例12と同様にして感光体R3を評価した結果を表5に示す。
下引き層形成用塗布液として、前記実施例4に記載の下引き層形成用塗布液Dを用いた以外は、実施例12と同様にして感光体S1を作製した。この際の下引き層を、実施例12と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ凝集物は殆ど観察されなかった。
また、実施例12と同様にして下引き層の表面形状を測定したところ、面内2乗平均平方根粗さ(RMS)の値が、25.5nmであり、面内算術平均粗さ(Ra)の値が、17.7nmであり、面内最大粗さ(P−V)の値が、510nmであった。
実施例12と同様にして感光体S1を評価した結果を表5に示す。
下引き層の膜厚が3μmとなるように下引き層を設けた以外は、実施例21と同様にして感光体S2を作製した。この際の下引き層を、実施例12と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ凝集物は殆ど観察されなかった。
実施例12と同様にして、感光体S2を評価した結果を表5に示す。
酸化チタンと共重合ポリアミドの重量比を、酸化チタン/共重合ポリアミド=2/1とした以外は、実施例4と同様にして下引き層形成用塗布液D2を作製した。
下引き層形成用塗布液として前記塗布液D2を用いた以外は、実施例21と同様にして感光体S3を作製した。この際の下引き層を、実施例12と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ凝集物は殆ど観察されなかった。
実施例12と同様にして感光体S3を評価した結果を表5に示す。
下引き層形成用塗布液として、前記実施例6に記載の下引き層形成用塗布液Fを用いた以外は、実施例12と同様にして感光体QA1を作製した。
下引き層形成用塗布液として、前記実施例8に記載の下引き層形成用塗布液Hを用いた以外は、実施例12と同様にして感光体QB1を作製した。
下引き層形成用塗布液として、前記実施例9に記載の下引き層形成用塗布液Iを用いた以外は、実施例12と同様にして感光体QC1を作製した。
下引き層形成用塗布液として、前記比較例1に記載の下引き層形成用塗布液Jを用いた以外は、実施例12と同様にして感光体T1を作製した。この際の下引き層を、実施例12と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ、多数の酸化チタン凝集物が見られた。
また、この際の下引き層の表面形状を実施例15と同様にして測定したところ、面内2乗平均平方根粗さ(RMS)の値が、148.4nmであり、面内算術平均粗さ(Ra)の値が、95.3nmであり、面内最大粗さ(P−V)の値が、2565nmであった。
実施例12と同様にして感光体T1を評価した結果を表5に示す。
下引き層の膜厚が3μmとなるように下引き層を設けた以外は、比較例8と同様にして感光体T2を作製した。この際の下引き層を、実施例12と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ、多数の酸化チタン凝集物が見られた。
実施例12と同様にして感光体T2を評価した結果を表5に示す。
下引き層形成用塗布液として前記塗布液Lを用いた以外は、比較例8と同様にして感光体T3を作製した。この際の下引き層を、実施例12と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ多数の酸化チタン凝集物が見られた。
実施例12と同様にして感光体T3を評価した結果を表5に示す。
下引き層形成用塗布液として、前記比較例2に記載の下引き層形成用塗布液Kを用いた以外は、実施例12と同様にして感光体U1を作製した。この際の下引き層を、実施例12と同様に、表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ、多数の酸化チタン凝集物が見られた。
感光体U1は、下引き層の成分および厚さのむらが激しく、電気特性を評価することはできなかった。
下引き層形成用塗布液として、前記比較例4に記載の下引き層形成用塗布液Mを用いた以外は、実施例12と同様にして感光体TA1を作製した。
下引き層形成用塗布液として、前記比較例5に記載の下引き層形成用塗布液Nを用いた以外は、実施例12と同様にして感光体TB1を作製した。
下引き層形成用塗布液として、前記比較例6に記載の下引き層形成用塗布液Oを用いた以外は、実施例12と同様にして感光体TC1を作製した。
下引き層形成用塗布液として、前記実施例2に記載の下引き層形成用塗布液Bを用い、外径30mm、長さ285mm、肉厚0.8mmのアルミニウム切削管上に、浸漬塗布により、乾燥後の膜厚が2.4μmとなるように塗布し、乾燥させて下引き層を形成した。下引き層の表面を走査型電子顕微鏡により観察をしたところ、凝集物は殆ど観察されなかった。
混合用液に浸漬し、出力600Wの超音波発振器により5分間超音波処理して下引き層分散液を得て、該分散液中の金属酸化物粒子の粒度分布を実施例1と同様にUPAで測定したところ、体積平均径Mvは0.078μm、個数平均径Mpは0.059μm、Mv/Mpは1.32であった。
次にこの電荷発生層の上に、電荷輸送物質として以下に示す構造を主体とする、特開2002−080432公報の実施例1に記載の組成物(A)を60部、
また、下引き層形成用塗布液を3ヵ月間保存し、3ヶ月後に、同様の操作によりフルカラー画像を形成した。得られた画像1.6cm四方中に観察される微小色点の数を、3ヵ月後の画像欠陥として表7に示す。
下引き層形成用塗布液として、前記実施例3に記載の下引き層形成用塗布液Cを用いた以外は、実施例27と同様にしてフルカラー画像を形成したところ、良好な画像を得ることができた。得られた画像1.6cm四方中に観察される微小色点の数を表7に示す。
また、実施例27と同様、3ヵ月後にもフルカラー画像を形成し、3ヶ月後の画像欠陥を計測した。この結果も表7に示す。
下引き層形成用塗布液として、前記実施例4に記載の下引き層形成用塗布液Dを用いた以外は、実施例27と同様にしてフルカラー画像を形成したところ、良好な画像を得ることができた。得られた画像1.6cm四方中に観察される微小色点の数を表7に示す。
また、実施例27と同様、3ヵ月後にもフルカラー画像を形成し、3ヶ月後の画像欠陥を計測した。この結果も表7に示す。
下引き層形成用塗布液として、前記比較例1に記載の下引き層形成用塗布液Jを用いた以外は、実施例27と同様にして電子写真感光体を作製した。
該電子写真感光層の下引き層94.2cm2を、メタノール70cm3、1−プロパノール30cm3の混合用液に浸漬し、出力600Wの超音波発振器により5分間超音波処理して下引き層分散液を得て、該分散液中の金属酸化物凝集体二次粒子の粒度分布を実施例1と同様の方法で測定したところ、体積平均径Mvは0.113μm、個数平均径Mpは0.075μm、Mv/Mpは1.51であった。
また、実施例27と同様、3ヵ月後にもフルカラー画像を形成し、3ヶ月後の画像欠陥を計測した。この結果も表7に示す。
実施例15で作製した感光体Q1を温度25℃、湿度50%の環境下に固定し、体積抵抗率が約2MΩ・cmでドラム長より両端が約2cmずつ短い帯電ローラを該感光体Q1に押し当て、直流電圧−1kVを1分間印加した後、直流電圧−1.5kVを1分間印加し、同様にして1分間印加する毎に−0.5kVずつ電圧を下げることを繰り返した場合、直流電圧−4.5kVを印加したところで、絶縁破壊が起こった。
実施例15で用いた下引き層形成用塗布液Bの代わりに、下引き層形成用塗布液Dを用いた以外は、実施例15と同様にして作製した感光体に、実施例30と同様の方法で直流電圧を印加したところ、直流電圧−4.5kVを印加したところで、絶縁破壊が起こった。
実施例15で作製した感光体Q1の代わりに、比較例8で作製した感光体T1を用いた以外は、実施例30と同様にして感光体に直流電圧を印加したところ、直流電圧−3.5kVを印加したところで、絶縁破壊が起こった。
実施例15で作製した感光体Q1を、Samsung社製のプリンターML1430(一体型カートリッジとして、接触帯電ローラ部材及びモノクロ現像部材を有する)に搭載して、印字濃度5%で絶縁破壊による画像欠陥が観察されるまで画像形成を繰り返したところ、50000枚の画像を形成してもなお、画像欠陥は観察されなかった。
比較例8で作製した感光体T1を、Samsung社製のプリンターML1430に搭載して、印字濃度5%で絶縁破壊による画像欠陥が観察されるまで画像形成を繰り返したところ、35000枚の画像を形成した時点で、画像欠陥が観察された。
下引き層形成用塗布液Bを、外径24mm、長さ236.5mm、肉厚0.75mmのアルミニウム切削管上に、浸漬塗布により、乾燥後の膜厚が2μmとなるように塗布し、乾燥させて下引き層を形成した。
以上で得られた電子写真感光体を、電子写真学会標準に従って作製された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)に装着し、以下の手順に従って、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性の評価を行なった。
下引き層形成用塗布液として、前記比較例1に記載の下引き層形成用塗布液Jを用いた以外は、実施例33と同様にして電子写真感光体を作製し、実施例33と同様にして電気特性を評価したところ、初期帯電電位は−696V、感度E1/2は3.304μJ/cm2であった。
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
14 セパレータ
15 シャフト
16 ジャケット
17 ステータ
19 排出路
21 ロータ
24 プーリ
25 ロータリージョイント
26 原料スラリーの供給口
27 スクリーンサポート
28 スクリーン
29 製品スラリー取出し口
31 ディスク
32 ブレード
35 弁体
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
100 シーリング
101 メイティングリング
102 バネ
103 嵌合溝
104 Oリング
105 シャフト
106 セパレータ
107 スペーサ
108 ロータ
109 ストッパー
110 ネジ
111 排出路
112 孔
113 スペーサ
114 ブレード嵌合溝
115 ディスク
116 ブレード
T トナー
P 転写材(用紙、媒体)
Claims (16)
- 金属酸化物粒子及びバインダー樹脂を含有する電子写真感光体の下引き層形成用塗布液であって、
該下引き層形成用塗布液中において動的光散乱法により測定される、該金属酸化物粒子の凝集体二次粒子の体積平均径をMvとし、該金属酸化物粒子の凝集体二次粒子の個数平均径をMpとした場合に、前記Mvが0.1μm以下であって、且つ、前記Mvと前記Mpとの比Mv/Mpが下記式(1)を満たす
ことを特徴とする、電子写真感光体の下引き層形成用塗布液。
1.10 ≦ Mv/Mp ≦ 1.40 (1) - 前記Mv/Mpが下記式(2)を満たす
ことを特徴とする、請求項1に記載の電子写真感光体の下引き層形成用塗布液。
1.20 ≦ Mv/Mp ≦ 1.35 (2) - 金属酸化物粒子及びバインダー樹脂を含有する電子写真感光体の下引き層形成用塗布液の製造方法であって、
前記金属酸化物粒子として、湿式攪拌ボールミル中で平均粒子径5〜200μmのメディアを用いて分散された金属酸化物粒子を使用し、
前記下引き層形成用塗布液中において動的光散乱法により測定される、前記金属酸化物粒子の体積平均径をMvとし、前記金属酸化物粒子の個数平均径をMpとした場合に、前記Mvが0.1μm以下であって、且つ、前記Mvと前記Mpとの比Mv/Mpが下記式(1)を満たす
ことを特徴とする、電子写真感光体の下引き層形成用塗布液の製造方法。
1.10 ≦ Mv/Mp ≦ 1.40 (1) - 前記Mv/Mpが下記式(2)を満たす
ことを特徴とする、請求項3に記載の電子写真感光体の下引き層形成用塗布液の製造方法。
1.20 ≦ Mv/Mp ≦ 1.35 (2) - 前記湿式攪拌ボールミルとして、
筒形のステータと、
前記ステータの一端に設けられるスラリーの供給口と、
前記ステータの他端に設けられる前記スラリーの排出口と、
前記ステータ内に充填される前記メディア、及び、前記供給口より供給される前記スラリーを攪拌混合するロータと、
前記排出口に連結すると共に、回転可能に設けられ、遠心力の作用により前記メディアと前記スラリーとを分離し、前記スラリーを前記排出口より排出するためのセパレータと、
前記セパレータの回転軸となるシャフトとを備え、
前記シャフトの軸心に、前記排出口と通ずる中空な排出路が形成された湿式攪拌ボールミルを用いる
ことを特徴とする、請求項3又は請求項4に記載の電子写真感光体の下引き層形成用塗布液の製造方法。 - 前記湿式攪拌ボールミルとして、
筒形のステータと、
前記ステータの一端に設けられるスラリーの供給口と、
前記ステータの他端に設けられる前記スラリーの排出口と、
前記ステータ内に充填される前記メディア、及び、前記供給口より供給されるスラリーを攪拌混合するロータと、
前記排出口に連結すると共に、前記ステータ内に回転可能に設けられ、遠心力の作用により前記メディアと前記スラリーとを分離し、前記スラリーを前記排出口より排出するためのセパレータとを備え、
前記セパレータが、
対向する内側面にブレードの嵌合溝を備えた二枚のディスクと、
前記嵌合溝に嵌合して前記ディスク間に介在する前記ブレードと、
前記ブレードを介在させた前記ディスクを両側より挟持する支持手段とを備える湿式攪拌ボールミルを用いる
ことを特徴とする、請求項3又は請求項4に記載の電子写真感光体の下引き層形成用塗布液の製造方法。 - 前記メディアの平均粒子径が10〜100μmである
ことを特徴とする、請求項3〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体の下引き層形成用塗布液の製造方法。 - 導電性支持体上に、バインダー樹脂及び金属酸化物粒子を含有する下引き層と、該下引き層上に形成される感光層とを有する電子写真感光体において、
メタノールと1−プロパノールとを7:3の重量比で混合した溶媒に該下引き層を分散させた液中において動的光散乱法により測定される、該金属酸化物粒子の凝集体二次粒子の体積平均径をMv’とし、該金属酸化物粒子の凝集体二次粒子の個数平均径をMp’とした場合に、前記Mv’が0.1μm以下であって、且つ、前記Mv’と前記Mp’との比Mv’/Mp’が下記式(3)を満たす
ことを特徴とする、電子写真感光体。
1.10 ≦ Mv’/Mp’ ≦ 1.40 (3) - 前記Mv’/Mp’が下記式(4)を満たす
ことを特徴とする、請求項8に記載の電子写真感光体。
1.20 ≦ Mv’/Mp’ ≦ 1.35 (4) - 電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行ない静電潜像を形成する像露光手段と、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段と、前記トナーを被転写体に転写する転写手段とを備える画像形成装置において、
該電子写真感光体が、
導電性支持体上に、バインダー樹脂及び金属酸化物粒子を含有する下引き層と、該下引き層上に形成される感光層とを有し、
メタノールと1−プロパノールとを7:3の重量比で混合した溶媒に該下引き層を分散させた液中において動的光散乱法により測定される、該金属酸化物粒子の凝集体二次粒子の体積平均径をMv’とし、該金属酸化物粒子の凝集体二次粒子の個数平均径をMp’とした場合に、前記Mv’が0.1μm以下であって、且つ、前記Mv’と前記Mp’との比Mv’/Mp’が下記式(3)を満たす
ことを特徴とする、画像形成装置。
1.10 ≦ Mv’/Mp’ ≦ 1.40 (3) - 前記Mv’/Mp’が下記式(4)を満たす
ことを特徴とする、請求項10に記載の画像形成装置。
1.20 ≦ Mv’/Mp’ ≦ 1.35 (4) - 該帯電手段が、該電子写真感光体に接触配置する
ことを特徴とする、請求項10又は請求項11に記載の画像形成装置。 - 前記像露光手段に用いられる光の波長が、350nm〜600nmである
ことを特徴とする、請求項10〜12のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した該電子写真感光体に対し像露光を行ない静電潜像を形成する像露光手段、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段、前記トナーを被転写体に転写する転写手段、被転写体に転写されたトナーを定着させる定着手段、及び、該電子写真感光体に付着した前記トナーを回収するクリーニング手段の少なくとも一つとを有する電子写真カートリッジにおいて、
該電子写真感光体が、
導電性支持体上に、バインダー樹脂及び金属酸化物粒子を含有する下引き層と、該下引き層上に形成される感光層とを有し、
メタノールと1−プロパノールとを7:3の重量比で混合した溶媒に該下引き層を分散させた液中において動的光散乱法により測定される、該金属酸化物粒子の凝集体二次粒子の体積平均径をMv’とし、該金属酸化物粒子の凝集体二次粒子の個数平均径をMp’とした場合に、前記Mv’が0.1μm以下であって、且つ、前記Mv’と前記Mp’との比Mv’/Mp’が下記式(3)を満たす
ことを特徴とする、電子写真カートリッジ。
1.10 ≦ Mv’/Mp’ ≦ 1.40 (3) - 前記Mv’/Mp’が下記式(4)を満たす
ことを特徴とする、請求項14に記載の電子写真カートリッジ。
1.20 ≦ Mv’/Mp’ ≦ 1.35 (4) - 前記帯電手段が、前記電子写真感光体に接触配置する
ことを特徴とする、請求項14又は請求項15に記載の電子写真カートリッジ。
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