JPH05142846A - 電子写真法及びそれに用いる感光体 - Google Patents

電子写真法及びそれに用いる感光体

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JPH05142846A
JPH05142846A JP30799091A JP30799091A JPH05142846A JP H05142846 A JPH05142846 A JP H05142846A JP 30799091 A JP30799091 A JP 30799091A JP 30799091 A JP30799091 A JP 30799091A JP H05142846 A JPH05142846 A JP H05142846A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の表面保護体における欠点が解消され、
コロナ帯電特性を損うことなしに、優れた光感度と画像
の鮮明さとが得られ、しかも静電的繰返し特性も顕著に
向上させ得る電子写真法及びこれに用いる電子写真感光
体を提供し、暗時には表面保護層が高抵抗で安定して帯
電するが、明時(露光時)には表面保護層の抵抗が低下
して電子輸送が生じる特性を利用する新規電子写真法及
びそれに用いる表面保護感光体を提供する。 【構成】 導電性基体上に感光層及び表面保護層を設け
た感光体を用いる電子写真法において、該表面保護層と
して非線形の電圧−電流特性を有するバリスタ型表面保
護層を使用し、表面保護層の電界がそのスレッショール
ド電界以下となる条件下に帯電を行ない且つ表面保護層
の電界がそのスレッショールド電界を越える条件下に露
光除電を行う電子写真法であり、導電性基体上に感光層
及び表面保護層を設けた電子写真用表面保護感光体にお
いて、該表面保護層が非線形な電圧−電流特性を有する
バリスタ型表面保護層から成る表面保護感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、レーザプリン
タ等に使用される電子写真法及びそれに用いる表面保護
感光体に関するもので、より詳細には、コロナ帯電特性
を損うことなく、優れた光感度と画像の鮮明さとが得ら
れ、しかも静電的繰り返し特性も顕著に向上した電子写
真法及びそれに用いる表面保護感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法に使用する感光体の一種とし
て、機能分離型積層感光体があり、例えば導電性基体上
に電荷発生層(CGL)及び電荷輸送層(CTL)を順
次積層したものや、逆に導電性基体上に電荷輸送層(C
TL)及び電荷発生層(CGL)を順次積層したものが
知られている。これら積層感光体の内、後者のものはオ
ゾンの発生の少ない正帯電が可能であるという利点を有
するが、電荷発生層が最外表面に位置するため、機械的
(物理的)な意味でもまた化学的な意味でも耐刷性に劣
るという欠点がある。これを防止する目的で、電荷発生
層上に、更に表面保護層(OCL)を設けることが一般
的に行われている。
【0003】この表面保護層としては、電気絶縁性型の
ものや、低抵抗型のもの、更に電子輸送型のもの等が知
られており、例えば特開昭57−30846号公報に
は、結着樹脂中に金属酸化物微粉末を分散した保護層を
光導電層上に設けた感光体が記載されている。また、特
公昭63−40311号公報には、金属酸化物として、
酸化スズと酸化アンチモンが共存しているものを用いる
ことが記載されている。更に特公平2−3171号公報
には、上記金属酸化物微粉末として、平均粒径が0.3
μm以下のものを、保護層における割合いが40〜90
重量%となるように使用することが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】上記先行技術の内、
絶縁性の表面保護層を用いるものは、材料の選択幅は広
く、設計は比較的容易であるが、感光層の静電気的特性
の低下を防ぐためにはかなり薄く(約5μm程度)しな
ければならなく、保護層としての機能と本来の電子写真
感光体としての機能とを両立させることがなかなか難し
い。また、電子輸送型の表面保護層は、この保護層中に
電子輸送物質を含有させ、感光層中で光生成した電子の
注入を受け、保護層表面迄電子を輸送し、コロナ正帯電
を中和させようとするものであるが、優れた電子輸送物
質が未だ開発されていない現状では、実用化の点で未だ
しの感じがある。
【0005】更に、前述した低抵抗型の表面保護層は、
保護層中に導電性物質を大量に含有させることで、その
体積抵抗を1014Ω・cm以下、特に1013〜1011に低
下させ、コロナ放電で与えた電荷を保護層表面ではなく
保護層と感光層との界面に蓄積させることで帯電させ、
感光層表面で発生した反対電荷をより速やかに放電させ
ることを眼目としたものであるが、この場合、帯電の安
定性を確保するため、保護層と感光層との界面に電荷を
トラップする中間層、即ちブロッキング層を設けなけれ
ばならないという煩わしさがある。更に、静電潜像が保
護層表面ではなく、これより下の前記界面に形成される
ため、トナー現像の際の解像度が低下するという問題が
あると共に、表面層の電気抵抗が低いので所謂画像流れ
が生じる等の不具合がある。
【0006】従って、本発明の目的は、従来の表面保護
体における上記欠点が解消され、コロナ帯電特性を損う
ことなしに、優れた光感度と画像の鮮明さとが得られ、
しかも静電的繰返し特性も顕著に向上させ得る電子写真
法及びこれに用いる電子写真感光体を提供するにある。
本発明の他の目的は、暗時には表面保護層が高抵抗で安
定して帯電するが、明時(露光時)には表面保護層の抵
抗が低下して電子輸送が生じる特性を利用する新規電子
写真法及びそれに用いる表面保護感光体を提供するにあ
る。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明によれば、導電
性基体上に感光層及び表面保護層を設けた感光体を用い
る電子写真法において、該表面保護層として非線形の電
圧−電流特性を有するバリスタ型表面保護層を使用し、
表面保護層の電界がそのスレッショールド電界以下とな
る条件下に帯電を行ない、且つ表面保護層の電界がその
スレッショールド電界を越える条件下に露光除電を行う
ことを特徴とする電子写真法が提供される。本発明によ
ればまた、導電性基体上に感光層及び表面保護層を設け
た電子写真用表面保護感光体において、該表面保護層が
非線形の電圧−電流特性を有するバリスタ型表面保護層
から成ることを特徴とする表面保護感光体が提供され
る。
【0008】本発明に用いる表面保護層は、バリスタ型
の特性、即ち非線形の電圧−電流特性を有し、スレッシ
ョールド電界が2×105 V/cm以上、特に4×105
乃至1×106 V/cmの範囲にあり、且つ式
【数1】I=a*Vb 式中、Iは電流であり、Vは電圧であり、aは比例定数
であり、bは電圧非直線性係数である。で定義される電
圧非直線性係数(b)が3以上、特に5乃至50の範囲
にあるのがよい。
【0009】この表面保護層は、一つの例として、熱硬
化性樹脂と該樹脂中に分散した全体当り10乃至40重
量%、特に20乃至30重量%の導電性微粉末とから成
り且つスレッショールド電界よりも低い電界、例えば1
×105 V/cmの電界で測定した体積固有抵抗率が1×
1014Ω・cmよりも大である。特に1×1015乃至1×
1017Ω・cmの範囲にある樹脂組成物から成る。この樹
脂組成物において、導電性微粉末が電子顕微鏡で測定し
て平均粒子間距離が100乃至500Åとなる分散状態
を有するものであることが望ましい。
【0010】本発明は、任意の感光層を備えた感光体に
適用できるが、特に感光層が導電性基体側の電荷輸送層
と表面保護層側の電荷発生層との積層体から成る正帯電
型積層感光体に対して顕著な利点を示す。この場合、導
電性微粉末が電荷発生層中の電荷発生物質に比して0.
05乃至1.00eV高い電子エネルギー・レベル差を
有するのが好ましい。
【0011】
【作用】本発明では、表面保護層として、非線形の電圧
−電流特性を有するバリスタ型表面保護層を備えた感光
体を使用するのが第一の特徴である。バリスタ(Varist
or) とは、電圧の変化に敏感な非直線抵抗体として定義
される。すなわち、ある臨界電圧以下では非常に抵抗が
高く、ほとんど電流は流れないが、この臨界電圧を越え
ると、急激に抵抗が低くなり、電流を流すような素子で
ある。
【0012】添付図面図1は、本発明に用いる表面保護
層の一例(詳細は後述する実施例1参照)について印加
電圧(V)と電流密度 (A/cm2 )との関係をプロット
したものであり、曲線Aは、この層をアルミ箔とステン
レススチール板との間に位置させて、曲線Bはアルミ箔
上の電荷発生層と及びステンレススチール板との間にこ
の層を位置させ測定した結果を示している。図1による
と、何れの場合も印加電圧が臨界(スレッショールド)
電圧Vcr迄は殆んど電流が流れないが、この臨界電圧を
越えて印加電圧が増大するにつれて、電流は指数極数的
に増大することが明らかとなる。また、図1を参照する
と、導体間に単にバリスタ層を設けたもの(A)に比し
て、導体間に電荷発生層を介して設けたもの(B)で
は、臨界電圧(Vcr)が2倍乃至それ以上に増大してお
り、電荷発生層の厚みの影響を考慮しても尚、臨界電圧
の向上効果のあることが了解される。
【0013】本発明の電子写真法では、感光層上にバリ
スタ型表面保護層を有する感光体を使用し、この表面保
護層の電界がスレッショールド電界以下である条件下に
帯電を行ない、且つ表面保護層の電界がそのスレッショ
ールド電界を越える条件下に露光除電を行うことが顕著
な他の特徴である。即ち、暗時に感光体に印加される電
圧では、表面保護層はスレッショールド電界以下で、高
抵抗であるので、その表面に安定に高電位に帯電する
が、明時(露光除電時)には、感光層表面に過渡的に光
生成するキャリア(反対電荷)と表面保護層の表面電荷
との間に形成される増大した電界、つまりスレッショー
ルド電界を越えた電界が形成され、表面保護層の電気抵
抗が低下して、表面保護層を通して感光層との界面との
間で電荷の移動が行われ、その結果として、帯電特性を
損うことなしに、光感度の増大とコントラストの増大と
がもたらされるのである。
【0014】本発明の電子写真法の原理を、好適感光体
の一例を示す図2において、Aは帯電工程を示し、Bは
露光除電工程を示す。この感光体1は導電性基板2、導
電性基板上に設けられた電荷輸送層(正孔輸送層)3、
この電荷輸送層上に設けられた電荷発生層4、及び電荷
発生層上に設けられたバリスタ型表面保護層5から成
る。
【0015】帯電工程Aにおいて、この感光体表面を正
コロナ帯電機構6により正帯電する。これにより、バリ
スタ型表面保護層5の表面には、飽和帯電電位と暗減衰
率とに応じて一定電圧VS の正帯電が行われる。本発明
では、この帯電をバリスタ型表面保護層5の電界Eがそ
のスレッショールド電界Ecr以下であるように行う。こ
の関係は、感光層の厚み(電荷輸送層+電荷発生層の厚
み)をtp バリスタ型表面保護層の厚みをt0 としたと
き、表面保護層に加わる電界強度E0 は近似的に式
【数2】 の関係で表わされる。
【0016】次いで、露光除電工程において、帯電後の
感光体を画像露光機構7を介して画像露光する。この画
像露光により明部Lでは電荷発生層4で光生成した電荷
のうち正孔は電荷輸送層3の作用により基板電極の鏡像
電荷(負)と速やかに中和するが、電子は電荷発生層4
中に過渡的に滞留するため、表面保護層に加わる電界強
度E1 は近似的に式
【数3】 の関係で表わされる。
【0017】表面保護層の厚みt0 は、感光層と表面保
護層との合計厚みtp +t0 に比べればかなり小さいの
で、式
【数4】E1 >Ecr≧E0 を満足する帯電除電を十分に満足させることができ、感
光層から表面保護層5への電子注入と表面保護層中での
電子輸送とを十分に行わせて、表面正電荷の中和を十分
に行わせることができる。
【0018】しかも感光体の暗部Dでは、表面に十分な
電位が保持されると共に、その電気抵抗が十分に高いた
め、現像に際しても、解像力とコントラストとに優れた
高濃度画像の形成が可能となるのである。図3は、帯電
−露光時の表面電位を示している。
【0019】本発明では、バリスタ型表面保護層を用い
ることにより、帯電・露光除電を反復したときの露光部
(L)における残留電位の蓄積を防止し、しかも初期飽
和電位の低下を抑制し得るという予想外の作用がある。
図4は、帯電・露光除電の反復回数を横軸に、有効初期
電位及び露光部残留電位を縦軸に、両者の関係をプロッ
トしたものであり、破線は通常の電気絶縁性樹脂を表面
保護層としたもの、実線は本発明によりバリスタ型表面
保護層を用いたものについての値である。この図4か
ら、従来の表面保護感光体では繰返し使用により、電荷
のトラップによる残留電位の増大及び有効表面電位の減
少があるのに対して、本発明によればこれらの傾向が殆
んど完全に解消されていることが明らかとなる。
【0020】本発明において、バリスタ型表面保護層の
スレッショールド電界は前述した範囲にあることが、帯
電性を向上させ、且つ表面保護層の表面に電荷を保持す
るために重要であり、また電圧非直線性係数も前記範囲
内にあることが、光感度を増大させ、残留電位を減少さ
せるために重要であり、これらを満足するバリスタ型表
面保護層を感光層、特に正帯電型積層感光層上に設ける
ことにより、十分な耐摩耗性、耐刷性等の効果を発現さ
せながら、優れた帯電特性、画像形成能等が得られるも
のである。
【0021】
【発明の好適態様】バリスタ型表面保護層 本発明において、バリスタ型表面保護層の前記特性は、
電気絶縁性樹脂の連続相とこれに分散した導電性微粉末
の分散相とから分散系において、配合比と同時に両者の
分散の程度を調節することにより得られる。即ち、導電
性微粉末の配合比が或る範囲より多くなると、導電性微
粒子が連鎖或いは房状となった分散構造をとるため、導
電剤の影響が電気特性上支配的となり電圧−電流特性が
直線に近いものとなったり、スレッショールド電界が小
さくなって、本発明の特性は得られなくなる傾向があ
る。また導電性微粉末の配合比が或る範囲よりも少なく
なると、導電性微粒子間に介在する電気絶縁性樹脂の影
響が電気特性の上で支配的となるため、むしろ電気絶縁
性に近い保護層となる。
【0022】本発明の表面保護層における非線形の電圧
−電流特性は、上記2つの場合とは対比的に、導電性微
粒子と電気絶縁性樹脂との界面の影響が電気特性の光で
支配的となっている分散系で達成されるものであり、両
者の配合比及び分散状態には一定の制限がある。先ず、
導電性微粉末は、その種類によっても相違するが、被覆
全体当り10乃至40重量%、特に20乃至30重量%
の量で存在することが、上記見地から望ましい。また、
本発明者等の電子顕微鏡による研究によると、非線形の
電圧−電流特性を示す保護層の分散系では、導電性微粒
子は、実質上、前述した鎖或いは房状構造をとることな
く独立した分散構造として存在すると共に、それらの平
均粒子間距離は100乃至500オングストロームの範
囲にあることが見出された。
【0023】樹脂としては、この種の表面保護層の形成
に使用されているものは全て使用され、例えばメラミン
系樹脂、尿素系樹脂、シリコーン系樹脂等の熱硬化性樹
脂や、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ
素系樹脂、ポリアリレート樹脂等の熱可塑性樹脂が単独
または2種以上の組合せで使用されるが、導電性微粉末
の濡れ性、分散性に優れたものが望ましい。強靱で耐摩
耗性に優れた保護層を形成し得ると共に、非線状の電圧
−電流特性のバリスタを形成し得るのに適した樹脂とし
て高度架橋型のシリコーン樹脂、即ち熱硬化性シリコー
ン樹脂を挙げることができる。
【0024】熱硬化性シリコーン樹脂の形成に用いるシ
ランとしては、例えば式
【化1】R4-n Si(R1 n 式中、Rは炭素数4迄の一価炭化水素基であり、R1
加水分解可能な一価の基、例えば炭素数4以下のアルコ
キシ基またはハロゲン原子等であり、nは1乃至4の数
である。で表わされるシランの1種または2種以上の組
合せが挙げられる。一価炭化水素基としては、メチル
基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、ビニル基等
のアルケニル基、フェニル基、トリル基、エチルフェニ
ル基等のアリール基等が挙げられる。これらのシラン類
は、ダイマー、トリマー、テトラマー或いはその他の線
状乃至環状のオリゴマーの形でシリコーン樹脂の形成に
用いることができる。
【0025】「化1」のシラン類の適当な例は、これに
制限されないが、モノメチルトリエトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、エ
チルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、ジフェニルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、エチルシリケート、ジメチルジクロロシラン等
である。これらの内でも2〜4官能のアルコキシシラン
が好ましく、特に3官能のアルコキシシランを主体とす
るものが好ましい。
【0026】本発明に用いるシリコーン樹脂は、上記シ
ラン類あるいはそのオリゴマー等から誘導されるシロキ
サン単位単独から成っていてもよく、また樹脂全体の4
0重量%を越えない範囲内でメラミン樹脂、ベンゾグア
ナミン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の改質用樹
脂で変性されていてもよい。
【0027】本発明に用いるシリコーン樹脂は、前述し
た電気特性の点で、分子内にシラノール基、即ち式
【化2】 の基を含んでいるのがよく、このシラノール基の濃度
は、一般的に30ミリモル/100g樹脂以下、特に1
乃至10ミリモル/100g樹脂の範囲にあることが、
本発明の目的に関して望ましい。
【0028】導電性微粉末としても、従来この種の低抵
抗表面保護層の形成に用いられている導電性微粉末任意
のものを使用し得るが、単独で測定して、体積抵抗率が
10 6 Ω・cm以下のものが好適に使用される。また、粒
径は可及的に微細であることが好ましく、その平均粒径
は0.3μm以下であることが望ましい。非線形の電圧
−電流特性のバリスタ型表面保護層を形成するのに適し
た導電性微粉末の適当な例として、酸化スズ系導電剤、
特に酸化アンチモン、リン、フッ素等でドーピングされ
た酸化スズ系導電剤を挙げることができる。特に好適な
ものは、酸化スズ当り酸化アンチモンを2乃至20重量
%の量で含む導電剤である。
【0029】導電剤微粉末と樹脂とは、相互に分散性に
優れた組合せであると共に、両者の濡れ性、即ち界面で
の密着性に優れていることも電気特性に重大な影響を与
える。この意味で、導電性微粉末を、それ自体公知のシ
ラン系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング
剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カッ
プリング剤、スズ系カップリング剤等で処理しておくこ
とが特に望ましい。カップリング剤は、導電性微粉末1
00重量部当り0.1乃至5重量部の量で用いるのがよ
い。
【0030】保護被覆層の厚みは、樹脂によっても相違
するが、一般に0.5乃至10μm、特に1乃至5μm
の範囲が適当である。表面保護層の被覆形成も、上記樹
脂の溶液乃至分散液を調製し、これを塗布し、乾燥し、
必要によりこれを焼付処理することにより行うことがで
きる。使用する溶媒は、感光層に影響を与えない溶剤を
選定するのがよい。
【0031】本発明において、表面保護層には、それ自
体公知の配合剤を配合し得る。例えば、ヒンダードフェ
ノール類、パラフェニレンジアミン類、ハイドロキノン
類、有機硫黄化合物類、有機燐化合物類等の酸化防止剤
を、樹脂100重量部当り0.5乃至10重量部の量で
含有させることができる。また、ヒンダードアミン類特
【0032】
【化3】
【0033】
【化4】 または
【0034】
【化5】 〔 但し、上記「化3」「化4」「化5」中、R1 〜R
4 は各独立した炭素数1〜4のアルキル基、R5 は水素
原子またはアルキル基、R1 は水素原子またはアルキル
基、Rは下記一般式「化5」で表わされる基を表わす。
但し、一般式「化6」中、R11〜R14は各独立した炭素
数1〜4のアルキル基、R5 は水素原子またはアルキル
基を表わす。〕
【0035】
【化6】 で表わされるヒンダードアミン類を光安定剤として樹脂
100重量部当り0.5乃至10重量部の量で含有させ
ることもできる。
【0036】感光体 本発明は、導電性基板上に任意の有機感光層を有する感
光体に適用される。この感光層は単層でも積層でもよい
が、導電性基板上に電荷輸送層(CTL)及びその上に
電荷発生層を有する正帯電積層感光体に適用したときに
有効がある。
【0037】正帯電積層型感光層は、まず、電荷輸送材
料、結着樹脂、必要に応じて溶剤等を含有する電荷輸送
層用塗布液を用いて電荷輸送層を導電性基材上に塗布形
成した後、この電荷輸送層上に、電荷発生材料、結着樹
脂、必要に応じて溶剤等を含有する電荷発生層用塗布液
を塗布して電荷発生層を形成することにより作製され
る。
【0038】電荷輸送材料としては、クロラニル、テト
ラシアノエチレン、2,4,7−トリニトロ−9−フル
オレノン等のフルオレノン系化合物、2,4,8−トリ
ニトロチオキサントン、ジニトロアントラセン等のニト
ロ化化合物、N,N−ジエチルアミノベンズアルデヒ
ド、N,N−ジフェニルヒドラゾン、N−メチル−3−
カルバゾリルアルデヒド、N,N−ジフェニルヒドラゾ
ン等のヒドラゾン系化合物、2,5−ジ(4−ジメチル
アミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等の
オキサジアゾール系化合物、9−(4−ジエチルアミノ
スチリル)アントラセン等のスチリル系化合物、N−エ
チルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、1−フェ
ニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン
等のピラゾリン系化合物、2−(p−ジエチルアミノフ
ェニル)−4−(p−ジメチルアミノフェニル)−5−
(2−クロロフェニル)オキサゾール等のオキサゾール
系化合物、イソオキサゾール系化合物、2−(p−ジエ
チルアミノスチリル)−6−ジエチルアミノベンゾチア
ゾール等のチアゾール系化合物、トリフェニルアミン、
4,4′−ビス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フ
ェニルアミノ〕ジフェニルなどのアミン誘導体、スチル
ベン系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール
系化合物、ピラゾール系化合物、インドール系化合物、
トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物、縮合多環
族化合物、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無
水マレイン酸、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビ
ニルピレン、ポリビニルアントラセン、エチルカルバゾ
ール−ホルムアルデヒド樹脂が例示される。なお、ポリ
−N−ビニルカルバゾールなどの光導電性ポリマーは、
後述する結着樹脂としても用い得るものである。これら
の電荷輸送材料は一種単独で用いてもよく、二種以上併
用してもよい。
【0039】また、電荷発生材料としては、従来公知の
種々の材料、例えば、セレン、セレン−チルル、アモル
ファスシリコン、ビリリウム塩、アゾ系化合物、ジスア
ゾ系化合物、トリスアゾ系化合物、アンサンスロン系化
合物、フタロシアニン系化合物、インジゴ系化合物、ト
リフェニルメタン系化合物、スレン系化合物、トルイジ
ン系化合物、ピラゾリン系化合物、ペリレン系化合物、
キナクリドン系化合物が例示され、これらは一種単独で
用いてもよく、二種以上併用してもよい。
【0040】結着樹脂(バインダー)としては、スチレ
ン系重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン
−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共
重合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、
アルキッド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ
樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホ
ン、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ケトン
樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、
フェノール樹脂等の他、エポキシアクリレート、ウレタ
ンアクリレート等の光硬化型樹脂等、各種の重合体が例
示され、これらは一種単独で用いてもよく、二種以上併
用してもよい。
【0041】電荷輸送層を形成する場合、電荷輸送材料
と結着樹脂との割合は適宜選定すればよい。通常、電荷
輸送材料100重量部に対して、結着樹脂等30〜50
0重量部使用される。電荷輸送層は、適宜の厚みに形成
すればよい。通常、膜厚2〜100μm程度に形成され
る。
【0042】また、電荷発生層を形成する場合、結着樹
脂を併用してもよく、結着樹脂を用いることなく電荷輸
送層上に電荷発生材料を直接、蒸着、スパッタリング等
の膜形成方法を用いて形成してもよい。
【0043】結着樹脂を用いて電荷発生層を形成する場
合、通常、電荷発生材料100重量部に対して結着樹脂
1〜300重量部使用される。電荷発生層は、適宜の厚
みに形成すればよい。通常、膜厚0.01〜5μm程度
に形成される。
【0044】上記電荷発生層用塗布液および電荷輸送層
用塗布液の調製においては、各層中に含有させる樹脂の
種類に応じて塗布性の向上を図るべく、必要に応じて適
宜の有機溶媒を用いることができ、保護層用塗布液の調
製の際に用いる前述した溶剤の中から適宜選択して用い
ることができる。
【0045】なお、感光層に、ターフェニル、ハロナフ
トキノン類、アセナフチレン類、従来公知の増感剤、可
塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの劣化防止剤等、
種々の添加剤を含有させてもよい。また、電荷発生層と
電荷輸送層との両層間の電荷の移層を円滑にするための
中間層が両層間に形成されていてもよい。電荷発生層用
塗布液又は電荷輸送層用塗布液の調製においても、保護
層用塗布液の調製の膜に用いる。前記した従来慣用の混
合手段および塗布方法を用いることができる。
【0046】上記電荷輸送層および電荷発生層等からな
る感光層をその上に積層させる導電性基材としては、ア
ルミニウム、アルミニウム合金、鋼、すず、白金、金、
銀、パナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チ
タン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス
鋼、真鍮などの金属単体、及びこれら列挙した金属又は
その金属酸化物の膜が蒸着等の手段により形成されたガ
スラ基板、プラスチック基板が例示される。導電性基材
の形状は、シート状またはドラム状のいずれであっても
よい。このようにして形成されたCTL/CGLから成
る感光層上に、前述した表面保護層(OCL)を形成す
る。
【0047】電子写真法 本発明によれば、上記感光体を使用し、表面保護層の電
界がそのスレッショールド電界以下となる条件下に帯電
を行ない、且つ表面保護層の電界がそのスレッショール
ド電界を越える条件下に露光除電を行なう。
【0048】先ず、感光体の表面保護層の電界制御は、
図2に示した機構により行われるが、t0 /(t0 +t
P )の比は一般に0.01乃至0.5、特に0.03乃
至0.2の範囲に設定しておくのがよい。感光体に対す
る表面電位は、400乃至1500V、特に600乃至
1000Vの範囲から上記条件を満足するように設定す
るのがよく、帯電は正帯電コロナを用いて行う。
【0049】次いで、画像露光により(除電)を行う。
表面保護層として非線状の電圧−電流特性のバリスタを
使用し、帯電電位及び感光層と表面保護層の厚み比〔t
0 /(t0 +tP )〕を前述した範囲に設定しておく
と、この露光時における表面保護層に加わる電界がスレ
ッショールド電界Ecrを越え、有効に除電が行われる。
露光は、原稿からのスリット露光でもレーザーを用いた
走査露光でもよくその露光量は一般に2 lux・sec(0.
6μJ/cm2 )乃至10 lux・sec(3μJ/cm2
程度が適当である。
【0050】本発明の電子写真法によれば、これに制限
されないが半減露光量で表わして1乃至3Lux・se
c程度の感度が容易に得られる。本発明の電子写真法に
おける画像形成は、上記の点を除けば、それ自体公知の
任意の方式で行うことができる。例えば現像には、二成
分系磁性現像剤や一成分系磁性現像剤を使用する磁気ブ
ラシ現像方式、非接触式振動電界現像方式、或いは一成
分系非磁性現像剤による現像方式等を用いることがで
き、感光体上に形成されるトナー像は複写紙等に公知の
方式で転写し、定着させることができる。
【0051】
【実施例】本発明を次の例で説明する。 <実施例1>1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニ
ル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン(アナ
ン、T−405)〔100重量部〕とp−ジエチルアミ
ノベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン〔50重量
部〕とポリアリレート樹脂(ユニチカ社製、U−10
0)〔100重量部〕を、ジクロロメタン〔900重量
部〕に溶解させ、この溶液を外径78mm(内径75m
m)のアルミニウム製シリンダー・パイプ上に塗布し1
00℃で乾燥させてキャリア輸送層とした。この時、乾
燥後の膜厚が25μmになるように塗工条件を設定し
た。次に、ジブロモアンサンスロン〔70重量部〕とオ
キソチタニウムフタロシアニン〔30重量部〕をポリビ
ニルブチラール(電気化学工業社製,3000K)〔5
0重量部〕とともに、n−ブチルアルコール〔3500
重量部〕に攪拌・混合した分散液を前記のキャリア輸送
層の上に塗布し110℃で乾燥させてキャリア発生層と
した。この際、乾燥後の膜厚が0.3μmになるように
塗工条件を設定した。
【0052】次に、オーバーコート層のバリスタ型表面
保護層の作製方法について説明する。まず、メチルトリ
エトキシシラン〔100重量部〕と0.1規定濃度の塩
酸水溶液〔1重量部〕をエチルアルコール〔800重量
部〕に溶解させて30分還流する。このようにして合成
されたメチルトリエトキシシランのオリゴマーの溶液の
溶媒をイソプロピルアルコールで置換し、その固形成分
〔100重量部〕に対して、アクリル樹脂(三菱レーヨ
ン、BR−105)〔5重量部〕および酸化防止剤(チ
バガイギー、チヌビン144)〔3重量部〕を加える。
一方、アンチモンドープ(10wt%)の酸化スズ〔1
00重量部〕とγ−グリシドキシプロピルメチルジエト
キシシラン〔0.5重量部〕をイソプロピルアルコール
〔200重量部〕に投入し、2時間還流する。そして、
冷却後、この分散液と前記のメチルトリエトキシシラン
のオリゴマーなどを含む溶液を混合・攪拌する。その際
に、メチルトリエトキシシラン・オリゴマーの固形成分
〔100重量部〕に対して、アンチモンドープの酸化ス
ズ〔40重量部〕の割合になるように、調合する。さら
にイソプロピルアルコールを適量加えて、溶液粘度が
4.5cpsになるように調整する。最後に、キャリア
発生層の上に、乾燥後の膜厚が2.2μmになるように
塗工し、熱処理を120℃、80分という条件で施し、
バリスタ型表面保護層を形成した。
【0053】<実施例2>ジブロモアンサンスロン〔8
重量部〕と1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニ
ル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン(アナ
ン、T−405)〔120重量部〕とビスフェノールZ
型ポリカーボネート樹脂(三菱瓦斯化学社製、Z−30
0)〔100重量部〕を、テトラヒドロフラン〔900
重量部〕に溶解させ、この溶液を外径78mm(内径7
5mm)のアルミニウム製シリンダー・パイプ上に塗布
し110℃で乾燥させて感光層とした。この時、乾燥後
の膜厚が約26μmになるように塗工条件を設定した。
このようにして単層正帯電型有機感光層を形成した。こ
の上に、実施例1とまったく同じバリスタ型表面保護層
を設けた。
【0054】<比較例1>実施例1の表面保護層の処方
において、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシ
シランで処理したアンチモンドープの酸化スズを除い
て、単なる電気絶縁性の表面保護層に替えた以外は、実
施例1と同様の有機感光体。
【0055】<比較例2>実施例1の表面保護層の処方
において、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシ
シランで処理したアンチモンドープの酸化スズの添加量
〔40重量部〕を〔100重量部〕に変更した、言わば
低抵抗型の表面保護層に替えた以外は、実施例1と同様
の有機感光体。
【0056】<比較例3>実施例2の表面保護層の処方
において、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシ
シランで処理したアンチモンドープの酸化スズを除い
て、単なる電気絶縁性の表面保護層に替えた以外は、実
施例2と同様の有機感光体。
【0057】<比較例4>実施例2の表面保護層の処方
において、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシ
シランで処理したアンチモンドープの酸化スズの添加量
〔40重量部〕を〔100重量部〕に変更した、言わば
低抵抗型の表面保護層に替えた以外は、実施例2と同様
の有機感光体。
【0058】このようにして作製した正帯電型有機感光
体は、市販の普通紙複写機(三田工業社製、DC−32
85)を用いて、静電特性を評価した。露光は、露光量
が感光体表面上で、0〜6Lux ・sec の範囲で0.2Lu
x ・sec 毎に変化させて行なった。露光に対する表面電
位の減衰は現像部位置(露光開始後300msec後)の電
位をもって評価した。このようにして得られた露光量と
露光部電位との関係から、半減露光量および露光量6Lu
x ・sec のときの露光部残留電位を感度として取り扱っ
た。感光体のコロナ帯電能力は、表面電位を800Vに
帯電させるのに要するコロナ放電電流量をもって評価し
た。また、静電特性の繰り返し安定性は、初期暗部帯電
電位を650V、露光量3.5Lux ・sec に設定して、
300回の帯電・露光除電の反復により評価した。
【0059】
【表1】
【0060】また、電気物性値確認のため、アルミニウ
ム・シート上に、実施例1のバリスタ型表面保護層だけ
を形成した試料A(表面保護層中のアンチモンドープ
(10wt%)の酸化スズの含有率=27wt%)、ア
ンチモンドープ(10wt%)の酸化スズを添加してい
ない樹脂成分だけの、言わば、電気絶縁性の表面保護層
(比較例1に相当する)をアルミニウム・シート上に形
成した試料B(表面保護層中のアンチモンドープ(10
wt%)の酸化スズの含有率=0wt%)、実施例1の
γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランで処
理したアンチモンドープ(10wt%)の酸化スズの添
加量〔40重量部〕を〔100重量部〕に変更した、言
わば低抵抗型の表面保護層(比較例2に相当する)をア
ルミニウム・シート上に形成した試料C(表面保護層中
のアンチモンドープ(10wt%)の酸化スズ含有率=
48wt%)を作製した。膜厚は、試料Aが2.1μ
m、試料Bが1.8μm、試料Cが2.0μmであっ
た。
【0061】そして、高抵抗率測定装置(アドバンテス
ト社製、TR42〔試料測定ボックス〕、TR300C
〔直流安定化電源〕、TR8652〔微少電流計〕)を
用いて、電界強度が1×105 V/cmにおける、体積抵
抗率を測定したところ、試料Aが6×1015Ω・cm、試
料Bが3×1017Ω・cm、試料Cが2×1015Ω・cmで
あった。さらに、試料Aと試料Cの断面を透過型電子顕
微鏡で観察したところ、試料Aでは、アンチモンドープ
(10wt%)の酸化スズの微粒子がほぼ200〜50
0Åの距離を隔てて分散しているのに対して、試料Cで
は、アンチモンドープ(10wt%)の酸化スズの微粒
子がある部分では房状に凝集していたりまたある部分で
は鎖状に連なっていたりしているのが観察された。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、表面保護層として、非
線形の電圧−電流特性を有するバリスタ型表面保護層を
有する感光体を使用し、表面保護層の電界がそのスレッ
ショールド電界以下となる条件下に帯電を行ない、且つ
表面保護層の電界がそのスレッショールド電界を越える
条件下に露光除電を行なうことにより、暗時には表面保
護層が高抵抗で安定して帯電が行われ、明時には抵抗が
低下して表面電荷の除電が有効に行われ、コロナ帯電特
性を損うことなしに、優れた光感度と画像の鮮明さと高
いコントラストを得ることが可能となった。また、初期
電位を高く維持しながら、残留電位を有効に減少させ得
る等、繰返し特性乃至耐刷性を顕著に向上させることが
できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる表面保護層について印加電圧と
電流密度との関係を示すグラフである。
【図2】本発明の原理を示す説明図であり、Aは帯電工
程、Bは露光除電工程を示す。
【図3】表面保護感光体についての帯電露光時の表面電
位を示すグラフである。
【図4】帯電、露光除電の反復回数と有効初期電位及び
露光部残留電位との関係を示すグラフである。
【記号の説明】
1は感光体、2は導電性基数、3は電荷輸送層、4は電
荷発生層、5はバリスタ型表面保護層、6はコロナ帯電
機構、7は画像露光機構。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に感光層及び表面保護層を
    設けた感光体を用いる電子写真法において、該表面保護
    層として非線形の電圧−電流特性を有するバリスタ型表
    面保護層を使用し、表面保護層の電界がそのスレッショ
    ールド電界以下となる条件下に帯電を行ない且つ表面保
    護層の電界がそのスレッショールド電界を越える条件下
    に露光除電を行うことを特徴とする電子写真法。
  2. 【請求項2】 表面保護層が2×105 V/cm以上のス
    レッショールド電界と3以上の電圧非直線性係数とを有
    する請求項1記載の電子写真法。
  3. 【請求項3】 前記感光層が導電性基体側の電荷輸送層
    と表面保護層側の電荷発生層との積層体から成る感光体
    であり、且つ帯電を正帯電で行う請求項1記載の電子写
    真法。
  4. 【請求項4】 導電性基体上に感光層及び表面保護層を
    設けた電子写真用表面保護感光体において、該表面保護
    層が非線形な電圧−電流特性を有するバリスタ型表面保
    護層から成ることを特徴とする表面保護感光体。
  5. 【請求項5】 表面保護層が2×105 V/cm以上のス
    レッショールド電界と3以上の電圧非直線性係数とを有
    する請求項4記載の感光体。
  6. 【請求項6】 表面保護層が熱硬化性または熱可塑性樹
    脂と該樹脂中に分散した全体当り10乃至40重量%の
    導電性微粉末とから成り且つ1×105 V/cmの電界で
    測定した体積固有抵抗率が1×1014Ω・cmよりも大き
    い樹脂組成物で形成されている請求項4記載の感光体。
  7. 【請求項7】 前記熱硬化性樹脂が熱硬化性シリコーン
    樹脂である請求項4記載の感光体。
  8. 【請求項8】 前記樹脂組成物において、導電性微粉末
    が電子顕微鏡で測定して平均粒子間距離が100乃至5
    00Åとなる分散状態を有するものである請求項4記載
    の感光体。
  9. 【請求項9】 前記感光層が導電性基体側の電荷輸送層
    と表面保護層側の電荷発生層との積層体から成ることを
    特徴とする請求項4記載の正帯電型表面保護感光体。
  10. 【請求項10】 導電性微粉末が電荷発生層中の電荷発
    生物質に比して0.05乃至1.00eV高い電子エネ
    ルギー・レベル差を有する請求項9記載の感光体。
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