JP2507496B2 - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JP2507496B2 JP29802387A JP29802387A JP2507496B2 JP 2507496 B2 JP2507496 B2 JP 2507496B2 JP 29802387 A JP29802387 A JP 29802387A JP 29802387 A JP29802387 A JP 29802387A JP 2507496 B2 JP2507496 B2 JP 2507496B2
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    • G03G5/02Charge-receiving layers
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    • G03G5/06Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being organic
    • G03G5/0601Acyclic or carbocyclic compounds
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は複写機などの画像形成装置において好適に使
用される電子写真用感光体に関する。
〈従来の技術〉 従来、カールソンプロセスを利用した複写機等の画像
形成装置が広く使用されている。上記カールソンプロセ
スは、通常、電子写真用感光体をコロナ放電により均一
に帯電させる帯電工程と、帯電した感光体に原稿像を露
光し、原稿像に対応した静電潜像を形成する露光工程
と、露光工程により形成された静電潜像をトナーを含有
する現像剤で現像し、トナー像を形成する現像工程と、
必要によりトナー像を紙などの基材に転写する転写工程
と、基材上に転写したトナー像を定着させる定着工程
と、上記転写工程の後、感光体上に残留するトナーを除
去するクリーニング工程とを基本工程として含んでい
る。
上記カールソンプロセスにおいては、電気的、光学
的、機械的負荷が繰返し電子写真用感光体に作用するの
で、高品質の画像を長期に亘り形成するには、電子写真
用感光体の感度が高く、残留電位が小さく、しかも繰返
し使用により上記特性が劣化しないことが要求される。
上記のような特性を有する感光体として、例えば、導電
性基材上に、電子供与性物質としてのポリ−N−ビニル
カルバゾールと電子受容性物質としての2,4,7−トリニ
トロフルオレンとの電荷移動錯体を含有する感光層が形
成された感光体が提案されている。
〈発明が解決しようとする問題点〉 上記電荷移動錯体を含有する感光層は、感度が高く、
錯体の形成により可視光領域まで分光感度を有してお
り、フィルム形成能を有するので、耐磨耗性などに優れ
る他、導電性基材に上記電荷移動錯体を含有する塗布液
を塗布し、乾燥するだけで電子写真用感光体を製造する
ことができるという利点がある。
しかしながら、上記電荷移動錯体を含有する感光体
は、未だ十分な感度を示さず、電子写真特性が十分でな
い。また、上記電荷移動錯体を構成する2,4,7−トリニ
トロフルオレンは、光照射により脱ニトロ化反応が生じ
易く、光劣化性、光分解性を有するため、感光特性、帯
電特性などの電子写真特性が徐々に低下してしまい、長
期に亘り安定した画像を形成することが困難である。さ
らには、2,4,7−トリニトロフルオレノンは突然変異原
性、皮膚刺激性を示し、毒性を有するため、前記電荷移
動錯体を含有する塗布液の調製に際して、取扱いを慎重
にしなければならないという問題がある。
〈目的〉 本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、毒
性がなく、光安定性および感度に優れ、長期に亘り安定
した高品質の画像を形成することができる電子写真用感
光体を提供することを目的とする。
〈問題点を解決するための手段〉 上記目的を達成するため、本発明の電子写真用感光体
は、導電性基材上に、感光層が形成された感光体におい
て、上記感光層が少なくとも1,4−ジフルオロ−2,3,5,6
−テトラシアノベンゼンを含有することを特徴とする。
なお、本発明にいう電子写真用感光体は、ゼログラフィ
およびエレクトロファックス方式により画像を形成する
感光体、より具体的には、導電性基材上に形成された感
光層に直接画像を形成する直接方式の電子写真用感光体
や、トナー転写方式または静電転写方式などの転写方式
の電子写真用感光体を含む意味に用いる。
上記構成の電子写真用感光体によれば、感光層が、電
子受容性物質として機能する1,4−ジフルオロ−2,3,5,6
−テトラシアノベンゼンを含有しているため、直接方式
の電子写真用感光体として構成すると、感度が高く、帯
電性などの電気的特性に優れ、鮮明な画像を直接形成す
ることができる。また、上記1,4−ジフルオロ−2,3,5,6
−テトラシアノベンゼンは、キャリア輸送能が大きく、
光安定性に優れているため、転写方式の電子写真用感光
体を構成すると、高感度であり、残留電位が低く、繰返
し使用しても安定した画像を長期に亘り形成することが
できる。また、1,4−ジフルオロ−2,3,5,6−テトラシア
ノベンゼンは、毒性がないため、取扱いが容易である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の電子写真用感光体は、導電性基材に、電子受
容性物質としての1,4−ジフルオロ−2,3,5,6−テトラシ
アノベンゼン(以下、DFTCBと称する)を含有する感光
層が形成されている。なお、電子写真用感光体が、直接
方式の感光体であるとき、感光層は、少なくともDFTCB
および電子供与性物質を含有していればよく、転写方式
の感光体であるとき、感光層は、上記DFTCBと、電子供
与性物質および電荷発生物質のうち少なくともいずれか
一方の材料とを含有していればよい。また、上記直接方
式または転写方式の感光体の感光層は、成膜性などを確
保するため、必要に応じて結着樹脂を含有していてもよ
い。
上記導電性基材としては、導電性を有するフィルム、
シート状やドラム状のいずれであってもよく、導電性を
有する種々の材料、例えば、アルミニウム、アルミニウ
ム合金、銅、錫、白金、金、銀、バナジウム、モリブデ
ン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウ
ム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮などの金属単体、
導電性高分子や、蒸着等の手段による上記金属、酸化イ
ンジウム、酸化錫等の導電層や上記導電性高分子層が形
成されたプラスチック材料、ガラス、紙などが例示され
る。上記導電性基材は、画像形成方式に応じて適宜形状
のものが使用でき、直接方式により画像を形成する場合
には、フィルムまたはシート状のものが好適に使用さ
れ、転写方式により画像を形成する場合には、シート状
またはドラム状のものが好適に使用される。また、転写
方式により画像を形成する感光体にあっては、感光層と
の密着性を高めるため、上記導電性基材は、酸化物表面
を有するもの、特に、アルマイト処理されたアルミニウ
ム、中でもアルマイト処理層の膜厚が5〜12μmであ
り、表面粗さが1.5S以下のアルマイト処理されたアルミ
ニウムが好ましい。
上記DFTCBは電子吸引性が強く、電子受容性物質とし
て機能するので、電子供与性物質と併用することによ
り、キャリア移動性に優れた電荷移動錯体を形成するこ
とが可能であり、高感度の直接方式の電子写真用感光体
を形成することができる。また、DFTCBはキャリア輸送
能が大きく電荷輸送物質としても機能するため、DFTCB
と、上記電子供与性物質および電荷発生物質のうち少な
くともいずれか一方の材料と、必要に応じて結着樹脂と
併用し、転写方式の電子写真用感光体を形成することに
より、高感度で残留電位が低く、安定した高品質画像を
形成することができる。なお、上記転写方式の電子写真
用感光体の感光層は、DFTCBと、電子供与性物質および
/または電荷発生物質と、必要に応じて結着樹脂とを含
有する単層型感光層であってもよく、電荷発生物質を含
有する電荷発生層と、DFTCB、電子供与性物質および/
または結着樹脂とを含有する電荷輸送層とが適宜の順序
に積層された積層型感光層であってもよい。
なお、上記DFTCBは、従来公知の化合物であり、前記
従来の2,4,7−トリニトロフルオレノン(以下、TNFと称
する)に比べて毒性が小さく、光安定性に優れている。
より詳細には、皮膚刺激性を例にとって説明すると、薬
用テープに付着させた試料を腕に3時間貼り、皮膚の状
態変化を調べるパッチテストにおいて、TNFでは腕の試
料付着部全体が濃く赤く腫れるのに対して、DFTCBは、
ほのかに赤変する程度の皮膚刺激性しか示さない。ま
た、試料0.1モルを含有するテトラヒドロフラン溶液に1
000Lux.の螢光灯で10時間照射して吸光度の変化に基づ
き光劣化性を調べたところ、TNFでは脱ニトロ化が生
じ、吸光度の低下度から0.3%程度の光劣化が生じるの
に対して、DFTCBでは光劣化が生じなかった。
上記DFTCBは、感光特性などを阻害しない範囲で他の
電子受容性物質と併用してもよい。上記他の電子受容性
物質としては、例えば、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ
基、カルボニル基、ハロゲン原子などの電気吸引性基を
有する電子受容性物質、例えば、テトラシアノエチレ
ン、テトラシアノベンゼン、テトラシアノ−p−キノジ
メタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、p−
ベンゾキノン、1,3,5−トリニトロベンゼン、ジニトロ
アントラセン、2,4,8−トリニトロチオキサントン等の
ニトロ化化合物、クロルアニル、無水コハク酸、無水マ
レイン酸、テトラクロロ無水マレイン酸、ジブロモ無水
マレイン酸などが例示され、これらの他の電子受容性物
質は一種または二種以上併用してもよい。
なお、上記他の電子受容性物質は、転写方式の感光体
における電荷輸送物質としても機能する。
また、上記電子供与性物質としては、アルキル基、フ
ェニル基、置換されていてもよいアミノ基、イミノ基、
ヒドロキシ基、アルコキシ基などの電子供与性基を有す
る化合物、例えば、ジュレン、ヘキサメチルベンゼン、
ペンタメチルベンゼン、trans−スチルベン、ナフタリ
ン、アントラセン、クリセン、フルオレン、ピレン、ベ
ンズピレン、ペリレン、フェロセン、アズレン、フェノ
チアジン、2,4,6−トリ(ジメチルアミノ)−1,3,5−ト
リアジン、1,3,5−トリアミノベンゼン、N,N,N′,N′−
テトラメチル−p−フェニレンジアミン、レゾルシノー
ル、p−クロロフェノール、8−ヒドロキシキノリン、
ベンジジン、N,N,N′,N′−テトラメチルベンジジンな
どの他、転写方式の電子写真用感光体において好適な電
荷輸送物質、例えば、4−(N,N−ジエチルアミノ)ベ
ンズアルデヒド N,N−ジフェニルヒドラゾン、N−メ
チル−3−カルバゾリルアルデヒド N,N−ジフェニル
ヒドラゾン等のヒドラゾン系化合物、2,5−ジ(4−N,N
−ジメチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾー
ル、2,5−ジ(4−N,N−ジエチルアミノフェニル)−1,
3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合
物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン
等のスチリル系化合物、N−エチルカルバゾール等のカ
ルバゾール化合物、1−フェニル−3−(4−ジメチル
アミノフェニル)ピラゾリン、1−フェニル−3−(4
−ジメチルアミノスチリル)−5−(4−ジメチルアミ
ノフェニル)ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ジ
エチルアミノスチリル)−5−(4−ジエチルアミノフ
ェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、2−(4
−ジエチルアミノフェニル)−4−(4−ジメチルアミ
ノフェニル)−5−(2−クロロフェニル)オキサゾー
ル等のオキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合
物、2−(4−ジエチルアミノスチリル)−6−ジエチ
ルアミノベンゾチアゾール等のチアゾール系化合物、4,
4′,4″−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニ
ルアミン、4,4′−ビス[N−フェニル−N−(3−メ
チルフェニル)アミノ]ジフェニルなどの芳香族アミン
誘導体、1,1−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−
4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンなどの共役不飽和化
合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合
物、ピラゾール系化合物、インドール系化合物、トリア
ゾール系化合物等の含窒素環式化合物、ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアント
ラセン、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂な
どが例示される。上記電子供与性物質は、電子写真用感
光体の用途、特性に応じて、適宜のものが選択される
が、前記電荷輸送物質が好ましい。また、上記電荷輸送
物質のうち、光導電性ポリマー、例えば、ポリ−N−ビ
ニルカルバゾールは、前記DFTCBと組合せることによ
り、電荷移動錯体を形成するとともに、フィルム形成能
を有し、感度の高い電子写真用感光体が得られる。ま
た、DFTCBは、電子供与性物質との間で電荷移動錯体を
形成し、吸収波長領域が長波長領域に拡がり、可視光領
域にも感度を有する。なお、上記電子供与性物質は一種
または二種以上使用される。
DFTCBと電子供与性物質とを組合せて使用する場合、D
FTCBと電子供与性物質との割合は、特に限定されず、電
子供与性物質の種類などに応じて適宜設定することがで
きるが、DFTCB1重量部に対して電子供与性物質0.5〜10
重量部であるのが好ましい。電子供与性物質の量が上記
範囲を外れると、帯電性および感度が低下する傾向にあ
る。なお、上記DFTCBとの間で電荷移動錯対を形成する
場合、DFTCBと電子供与性物質とは、DFTCB1モルに対し
て、電子供与性物質のモノマー単位0.5〜1.5モル、好ま
しくは0.75〜1.25モル、中でも略等モルの割合で使用さ
れる。
なお、上記DFTCBと電子供与性物質との混合物がフィ
ルム形成能を有する場合、DFTCBと電子供与性物質との
混合物単独で感光層を形成してもよいが、フィルム形成
能を有しない場合、DFTCBおよび電子供与性物質は、結
着樹脂とともに感光層を形成するのが好ましい。
上記結着樹脂としては、種々のもの、例えば、スチレ
ン系重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン
−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共
重合体、アアクリ系重合体、スチレン−アクリル系共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、
アルキッド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ
樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホ
ン、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ケトン
樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、
フェノール樹脂や、エポキシアクリレート、ウレタンア
クリレート等の光硬化型樹脂等、各種の重合体が例示さ
れる。なお、電荷輸送物質としての光導電性ポリマー、
例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール等は結着樹脂と
しても使用できる。
上記感光層中の結着樹脂と、DFTCBおよび電子供与性
物質との割合は、特に制限されず、電子供与性物質の種
類などに応じて適宜設定することができるが、通常、結
着樹脂100重量部に対して、DFTCBおよび電子供与性物質
10〜500重量部、特に25〜300重量部の割合が好ましい。
DFTCBおよび電子供与性物質の量が10重量部未満である
と感度が十分でなく、残留電位が高くなり、500重量部
を越えると感光層の機械的強度が低下する。
また、前記DFTCBは、上記電子供与性物質および電荷
発生物質のうち少なくともいずれか一方の材料と、必要
により結着樹脂と組合せることにより、転写方式の電子
写真用感光体としてもよい。なお、転写方式の電子写真
用感光体を、DFTCBと電子供与性物質と必要により結着
樹脂とで構成する場合、上記各材料は、前記と同様の割
合で使用される。
上記電荷発生物質としては、セレン、セレン−テル
ル、アモルファスシリコン、ピリリウム塩、アゾ系化合
物、ジスアゾ系化合物、トリスアゾ系化合物、アンサン
スロン系化合物、ジベンズピレンキノン系化合物、フタ
ロシアニン系化合物、インジゴ系化合物、トリフェニル
メタン系化合物、スレン系化合物、トルイジン系化合
物、ピラゾリン系化合物、ペリレン系化合物、キナクリ
ドン系化合物、ピロロピロール系化合物などが例示され
る。これらの電荷発生物質は一種または二種以上混合し
て用いられる。なお、上記電荷発生物質は、適宜選択す
ることができるが、分光感度を高めるため、フタロシア
ニン系化合物、例えば、α型、β型、γ型など、種々の
結晶型を有するアルミニウムフタロシアニン、銅フタロ
シアニン、中でもメタルフリーフタロシアニンおよび/
またはチタニルフタロシアニンを含有するものが好まし
い。
前記単層型感光層を、電荷発生物質と、フィルム形成
能を有するDFTCBと電子供与性物質との混合物で構成す
る場合、電荷発生物質と上記混合物とは、適宜の割合で
含有されるが、電荷発生物質10重量部に対して、上記混
合物20〜300重量部、特に50〜200重量部含有するのが好
ましい。前記混合物が上記範囲を外れると感光体の感度
が低下する。また、混合物の量が300重量部を越えると
感光層の機械的強度が低下する。
また、電荷発生物質とDFTCBと結着樹脂とで単層型感
光層を構成する場合、電荷発生物質と、DFTCBと、結着
樹脂との割合は、特に限定されず、電荷発生物質の種類
などに応じて適宜設定することができるが、結着樹脂10
0重量部に対して電荷発生物質2〜20重量部、特に3〜1
5重量部、DFTCB40〜200重量部、特に50〜100重量部から
なるものが好ましい。電荷発生物質およびDFTCBが上記
量よりも少ないと、感光体の感度が十分でないばかり
か、残留電位が大きくなる。また上記範囲を越えると感
光体の耐摩耗性等が十分でなくなる。
さらには、単層型感光層を、電荷発生物質と、DFTCB
および電子供与性物質と、結着樹脂とで構成する場合、
上記各材料は適宜の割合で含有されるが、前記電荷発生
物質とDFTCBと結着樹脂とで構成される単層型感光層と
同様、結着樹脂100重量部に対して、電荷発生物質2〜2
0重量部、特に3〜15重量部、DFTCBおよび電子供与性物
質40〜200重量部、特に50〜100重量部含有するのが好ま
しい。
単層型感光層は、適宜の厚みを有していてもよいが、
10〜50μm、特に15〜25μmの厚みを有するものが好ま
しい。
また、積層型感光層における電荷発生層は、導電性基
材上または電荷輸送層上に形成されてもよく、前記セレ
ン、セレン−テルル、アモルファスシリコンなどの電荷
発生物質からなる蒸着膜、スパッタリング膜などで形成
されていてもよい。また、電荷発生層が結着樹脂ととも
に形成される場合、電荷発生層における電荷発生物質と
結着樹脂との割合は特に限定されず、適宜設定すること
ができるが、結着樹脂100重量部に対して電荷発生物質
5〜5000重量部、特に10〜2500重量部からなるものが好
ましい。電荷発生物質が5重量部未満であると電荷発生
能が小さく、5000重量部を越えると密着性が低下する等
の問題がある。上記電荷発生層は、適宜の厚みを有して
いてもよいが、0.01〜30μm、特に0.1〜20μm程度の
厚みを有するものが好ましい。
また、電荷輸送層におけるDFTCBと結着樹脂との割合
は適宜設定することができるが、結着樹脂100重量部に
対して、DFTCB10〜500重量部、特に25〜200重量部から
なるものが好ましい。DFTCBが、10重量部未満であると
電荷輸送能が十分でなく、500重量部を越えると電荷輸
送層の機械的強度等が低下する。
なお、上記電荷輸送層は、DFTCBとともに前記電子供
与性物質を含有していてもよく、この場合、DFTCBと電
子供与性物質との割合は、前記DFTCBと電子供与性物質
とで感光層を構成する場合と同様、DFTCB1重量部に対し
て電子供与性物質0.5〜10重量部の割合で含有するのが
好ましい。
上記電荷輸送層は、適宜の厚みを有していてもよい
が、2〜100μm、特に5〜30μm程度の厚みを有する
ものが好ましい。
さらには、積層型感光層における電荷発生層は、前記
DFTCBや、DFTCBおよび電子供与性物質を含有していても
よい。電荷発生層がDFTCBなどを含有する場合、電荷発
生物質とDFTCBなどとの割合や、電荷発生物質とDFTCBな
どと結着樹脂との割合は、前記単層型感光層と同様の範
囲内で適宜選択される。なお、上記電荷発生層は、DFTC
Bを含有しているため、前記電荷発生物質だけを含有す
る電荷発生層と異なり、膜厚を大きくすることができ、
感光体の表層に形成すると、表面保護層を必要としない
という利点がある。上記DFTCBを含有する電荷発生層
は、適宜の厚みに形成することができるが、通常、0.1
〜50μm程度に形成される。
なお、直接方式または転写方式の感光体における感光
層は、ターフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチ
レン、メチレンブルー、クリスタルバイオレット、ロー
ダミンB、ローズベンガル、エオシン、メロシアニン、
ベンゾピリリウム塩などの増感剤や、9−(N,N−ジフ
ェニルヒドラジノ)フルオレン、9−カルバゾリルイミ
ノフルオレンなどのフルオレン系化合物、酸化防止剤、
紫外線吸収剤などの劣化防止剤等、種々の添加剤を含有
していてもよい。
直接方式の感光体は、帯電、露光工程により原稿像に
対応した静電潜像を感光体に形成し、液体現像剤や粉体
現像剤で現像し、トナー像を上記感光体に定着させるこ
とにより画像を直接形成することができる。また、転写
方式の感光体は、帯電、露光工程により原稿像に対応し
た静電潜像を形成した後、液体現像剤や粉体現像剤で現
像し、形成されたトナー像を紙などの基材に転写した
り、前記静電潜像を静電記録紙などの静電記録体に転写
した後、上記現像剤で現像してトナー像を形成した後、
トナー像を定着させることにより、間接的に画像を形成
することができる。
前記直接方式の感光体は、感光層を構成する材料を含
有する塗布液を調製し、導電生基材に上記塗布液を塗布
し乾燥させることにより形成するこができる。
また、転写方式の感光体における上記単層型感光層
は、DFTCBなどの感光層を構成する材料を含有する感光
層用塗布液を調製し、該塗布液を前記導電性基材に塗布
し、加熱乾燥または硬化させることにより形成すること
ができる。また、積層型感光層は、電荷発生層を構成す
る材料を含有する電荷発生層用塗布液と、前記電荷輸送
層を構成する材料を含有する電荷輸送層用塗布液をそれ
ぞれ調製し、導電性基材に、電荷発生層用塗布液および
電荷輸送層用塗布液のうちいずれか一方の塗布液を塗布
した後、他方の塗布液を塗布し、加熱乾燥または硬化さ
せることにより形成することができる。なお、電荷発生
層は、前記のように蒸着またはスパッタリングなどの手
段で形成してもよい。
また、上記塗布液の調製に際しては、使用される電子
供与性物質、結着樹脂等の種類に応じて種々の有機溶剤
を使用することができる。上記溶剤としては、n−ヘキ
サン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水
素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、ク
ロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテ
ル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレン
グリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエ
チルエーテル、ジエチレエングリコールジメチルエーテ
ル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸メチル
等のエステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド等、種々の溶剤が例示され、一種または二種以
上混合して用いられる。なお、上記塗布液などを調製す
る際、分散性、塗工性等をよくするため、界面活性剤、
レベリング剤等を併用してもよい。
また、上記塗布液は、従来慣用の方法、例えば、ミキ
サ、ボールミル、ペイントシェーカー、サンドミル、ア
トライター、超音波分散器等を用いて調製することがで
き、得られた塗布液を前記のようにして導電性基材に塗
布し、加熱乾燥などすることにより、本発明の電子写真
用感光体を得ることができる。
なお、前記導電性基材と感光層との密着性を高めるた
め、導電性基材と感光層との間に下引き層を形成しても
よい。該下引き層は、天然または合成高分子を含有する
溶液を塗布し、乾燥後の膜厚が0.01〜1μm程度になる
ように形成される。また、導電性基材と感光層との密着
性を高めるため、導電性基材は、シランカップリング
剤、チタンカップリング剤などの表面処理材で処理され
ていてもよい。さらには、前記感光層を保護するため、
感光層上に表面保護層を形成してもよい。前記表面保護
層は、前記種々の結着樹脂や、該結着樹脂と劣化防止剤
等の添加剤との混合液を通常、乾燥後の膜厚0.1〜10μ
m、好ましくは0.2〜5μm程度に塗布することにより
形成される。
本発明の電子写真用感光体は、感光層が、電子受容性
物質として機能するDFTCBを含有しているため、直接方
式の電子写真用感光体として構成すると、感度が高く、
帯電性などの電気的特性に優れ、鮮明な画像を直接形成
することができる。また、上記DFTCBは、キャリア輸送
能が大きく、光安定性に優れているため、転写方式の電
子写真用感光体を構成すると、高感度であり、残留電位
が低く、繰返し使用しても安定した画像を長期に亘り形
成することができる。また、上記DFTCBは毒性がないた
め、取扱いが容易であり、感光体の製造作業性に優れて
いる。従って、本発明の電子写真用感光体は、エレクト
ロファックス方式の画像形成装置で使用される直接方式
の感光体や、複写機、レーザビームプリンターなどで使
用される転写方式の感光体として有用である。
〈実施例〉 以下に、実施例に基づき、この発明をより詳細に説明
する。
実施例1 DFTCB17.12g(0.8モル)、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール19.3g(モノマー換算1.0モル)、アクリル樹脂(三
井東圧社製、OXL-102)2.0g、テトラヒドロフラン200g
からなる感光層用塗布液を調製した後、50μmのアルミ
ニウム基板にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃の温
度にて30分間乾燥させ、膜厚12μmの感光層を形成し
た。
比較例1 上記実施例1のDFTCBに代えてTNF25.2g(0.8モル)を
用い、上記実施例1と同様にして電子写真感光体を作製
した。
実施例2 DFTCB17.12g(0.8モル)、1,1−ビス(4−ジエチル
アミノフェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン
50g(1.0モル)、ポリカーボネート樹脂(帝人化成社
製、パンライトL-1225)100g、テトラヒドロフラン500g
からなる感光層用塗布液を調製した後、50μmのアルミ
ニウム基板にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃の温
度にて30分間乾燥させ、膜厚12μmの感光層を形成し
た。
比較例2 上記実施例2のDFTCBに代えて、TNF25.2g(0.8モル)
を用い、上記実施例2と同様にして電子写真感光体を作
製した。
実施例3 DFTCB6.42g(0.3モル)、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール19.3g(モノマー換算1.0モル)、β型銅フタロシア
ニン顔料(BASF社製、商品名7800)1.0g、アクリル樹脂
(三井東圧社製、商品名OXL-102)4.0gおよびテトラヒ
ドロフラン200gからなる感光層用塗布液を調製した後、
50μmのアルミニウム基板にワイヤーバーを用いて塗布
し、100℃の温度にて30分間乾燥させ、膜厚18μmの感
光層を形成した。
比較例3 上記実施例3のDFTCBに代えて、TNF9.45g(0.3モル)
を用い、上記実施例3と同様にして電子写真用感光体を
作製した。
そして、上記の電子写真感光体の帯電特性、感光特性
を調べるため、静電複写紙試験装置(川口電機社製、SP
-428型)を用いて、+6.0KVの条件でコロナ放電を行な
うことにより、前記各感光体を正に帯電させた。
なお、上記の帯電条件において各感光体の当初の表面
電位Viは、約+700Vであった。また、前記表面電位Viを
測定した後、5秒経過後の表面電位VR5(V)を残留電
位とした。
次いで、タングステンランプを用いて、感光体表面の
照度が10ルックスとなるように調整すると共に、タング
ステンランプにより露光し、上記表面電位Viが1/2とな
るまでの時間を求め、半減露光量E1/2(Lux.・sec.)を
算出した。
また上記の帯電、露光工程を1000回繰返した後の感光
体の表面電位をV1000とし、V1000/Viの百分率(%)を
もって、繰返し安定性の指標とした。さらに、1000ルッ
クスの白色蛍光燈を用いて各感光体を30分間露光した後
の感光体の表面電位をVfとし、Vf/Viの百分率(%)を
もって、光疲労、光劣化の指標とした。
各感光体の感光特性および帯電特性等の測定結果を表
に示す。
表より明らかなように、TNFを含有する感光層を備え
た電子写真用感光体は、感度が十分でないだけでなく、
残留電位が高く、しかも光劣化性を有しているため、長
期に亘り高品質の画像を形成することが困難である。
これに対して、実施例の感光体は、いずれも感度が高
く、残留電位が小さいだけでなく、光安定性に優れてい
るため、長期に亘り高品質の画像を形成すできることが
判明した。
実施例4 アルミニウム蒸着のポリエステルフィルムに、DFTCB1
7.12g、ポリ−N−ビニルカルバゾール19.3gおよびテト
ラヒドロフラン200gからなる感光層用塗布液を塗布、乾
燥し、膜厚約10μmの感光層を形成することにより直接
方式の感光体を作製した。
上記感光体を+6.0KVの条件でコロナ放電して帯電さ
せ、所定の原稿像を露光した後、液体現像剤で現像し、
乾燥したところ、カブリのない鮮明な画像が形成される
ことが判明した。
〈発明の効果〉 以上のように、本発明の電子写真用感光体によれば、
感光層が、電子受容性物質として機能するDFTCBを含有
しているため、直接方式の電子写真用感光体として構成
すると、感度が高く、帯電性などの電気的特性に優れ、
鮮明な画像を直接形成することができる。また、上記DF
TCBは、キャリア輸送能が大きく、光安定性に優れてい
るため、転写方式の電子写真用感光体を構成すると、高
感度であり、残留電位が低く、繰返し使用しても安定し
た画像を長期に亘り形成することができる。さらには、
上記DFTCBは毒性がないため、取扱いが容易であり、感
光体の製造作業性に優れているという特有の効果を奏す
る。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基材上に、感光層が形成された感光
    体において、上記感光層が少なくとも1,4−ジフルオロ
    −2,3,5,6−テトラシアノベンゼンを含有することを特
    徴とする電子写真用感光体。
  2. 【請求項2】感光層が、1,4−ジフルオロ−2,3,5,6−テ
    トラシアノベンゼンと、電子供与性物質とを含有する上
    記特許請求の範囲第1項記載の電子写真用感光体。
  3. 【請求項3】1,4−ジフルオロ−2,3,5,6−テトラシアノ
    ベンゼンと電子供与性物質との割合が、1,4−ジフルオ
    ロ−2,3,5,6−テトラシアノベンゼン1重量部に対し
    て、電子供与性物質0.5〜10重量部である上記特許請求
    の範囲第2項記載の電子写真用感光体。
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