JP2014178406A - 画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】低温環境での初期クリーニング性悪化およびブレードの鳴きを防止することができる画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供すること。
【解決手段】少なくとも電子写真感光体、クリーニングブレード部を有する画像形成装置において、該電子写真感光体が導電性支持体上に、少なくとも感光層及び表面層をこの順に有する電子写真感光体であって、前記表面層が電荷輸送性を有しない樹脂と無機微粒子とを少なくとも含有し、前記表面層中の無機微粒子の含有量が、7体積%〜40体積%であり、且つクリーニングブレード部が短冊形状の弾性ブレードを有し構成され、該弾性ブレードの電子写真感光体接触部が、基材と、該基材を構成する材料とアクリルまたは/及びメタクリル樹脂とからなる膜厚1.0μm以上の混合層と、膜厚0.1μm以上のアクリル又は/及びメタクリル表面樹脂層と、からなる積層構成のクリーニングブレードであることを特徴とする画像形成装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真感光体、並びに該電子写真感光体を用いた画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジに関する。
電子写真プロセスでは、被清掃部材たる像担持体などの像担持体について、転写紙や中間転写体へトナー像を転写した後の表面に付着した不必要な転写残トナーはクリーニング手段たるクリーニング装置によって除去している。
このクリーニング装置のクリーニング部材として、一般的に構成を簡単にでき、クリーニング性能も優れていることから、短冊形状のクリーニングブレードを用いたものがよく知られている。このクリーニングブレードは、ポリウレタンゴムなどの弾性体で構成されている。そして、クリーニングブレードの基端を支持部材で支持して像担持体接触部を像担持体の周面に押し当て、像担持体上に残留するトナーをせき止めて掻き落とし除去する。
また、近年の高画質化の要求に応えるべく、重合法等により形成された小粒径で球形に近いトナー(以下、重合トナー)を用いた画像形成装置が知られている。この重合トナーは、従来の粉砕トナーに比べて転写効率が高いなどの特徴があり、上記要求に応えることが可能である。しかし、重合トナーは、クリーニングブレードを用いて像担持体表面から除去しようとしても十分に除去することが困難であり、クリーニング不良が発生してしまうという問題を有している。これは、小粒径で且つ球形度に優れた重合トナーが、ブレードと像担持体との間に形成される僅かな隙間をすり抜けるからである。重合トナーのクリーニング性を向上させる方法として、クリーニングブレードの改良と電子写真感光体表面の改良がある。
まず、クリーニングブレードの改良について述べる。かかるすり抜けを抑えるには、電子写真感光体とクリーニングブレードとの当接圧力を高めてクリーニング能力を高める必要がある。しかし、クリーニングブレードの当接圧を高めると、図9(a)に示すように、電子写真感光体123とクリーニングブレード62との摩擦力が高まり、クリーニングブレード62が電子写真感光体123の移動方向に引っ張られて、クリーニングブレード62の電子写真感光体接触部62cがめくれてしまう。このめくれたクリーニングブレード62が、そのめくれに抗して原形状態に復元する際に異音が発生することがある。
さらに、クリーニングブレード62の電子写真感光体接触部62cがめくれた状態でクリーニングをし続けると、図9(b)に示すように、クリーニングブレード62のブレード先端面62aの電子写真感光体接触部62cから数[μm]離れた箇所に局所的な摩耗が生じてしまう。このような状態で、さらにクリーニングを続けると、この局所的な摩耗が大きくなり、最終的には、図9(c)に示すように、電子写真感光体接触部62cが欠落してしまう。電子写真感光体接触部62cが欠落してしまうと、トナーを正常にクリーニングできなくなり、クリーニング不良を生じてしまう。
特許文献1(特許第3602898号公報)には、ポリウレタンエラストマーからなるクリーニングブレードの少なくとも電子写真感光体接触部に、鉛筆硬度B〜6Hの皮膜硬度を有する樹脂からなる表面層を設けたものが記載されている。ゴム部材よりも硬い鉛筆硬度B〜6Hの皮膜硬度を有する表面層を設けることで、クリーニングブレード当接部の摩擦係数を下げることができ、クリーニングブレードの耐摩耗性を高めることができる。また、電子写真感光体とクリーニングブレードとの摩擦力を低減させることができ、クリーニングブレードの電子写真感光体接触部のめくれを良好に抑制することができる。さらに、鉛筆硬度B〜6Hの鉛筆硬度の表面層は、硬くて変形しにくいので、クリーニングブレードの電子写真感光体接触部のめくれをより一層抑制することができる。
また、特許文献2(特開2004−233818号公報)には、シリコーンを含有した紫外線硬化材料を弾性ブレードのゴム部材に含浸させて膨潤させた後、紫外線照射処理してこの紫外線硬化材料を硬化させたクリーニングブレードが記載されている。このクリーニングブレードでは、ゴム部材の表面に含浸させた紫外線硬化材料によって表面が覆われている。このように、弾性ブレードよりも高硬度の紫外線硬化材料で表面を覆うことでも、耐摩耗性を向上でき、クリーニングブレードの電子写真感光体接触部のめくれを抑制することができる。さらに、ゴム部材に紫外線硬化材料を含浸させて硬化させることで、経時使用において弾性ブレードの表面を覆う紫外線硬化材料の層が摩耗しても、ゴム部材の基材と紫外線硬化材料とが混在したゴム部材よりも硬度が高い含浸部分が電子写真感光体と接触する。
従来技術である表面層や含浸部分を設けたクリーニングブレードでも、電子写真感光体に形成される粉体量が非常に多い連続的なベタ画像形成時等のクリーニングに対して厳しい条件では、クリーニング不良を生じてしまうことがあった。これは、以下の理由によるものと考えられる。
すなわち、上記ゴム部材の先端面の長手方向にわたって表面層や含浸部分を設けているため、表面層や含浸部分の影響によりゴム部材の弾性が阻害されることがある。ゴム部材の弾性が阻害されると、電子写真感光体が偏心していたり、電子写真感光体表面に微小なうねりがあったりした場合、電子写真感光体表面に当接するクリーニングブレードの長手方向で当接圧が変動し、クリーニングブレードの電子写真感光体接触部の電子写真感光体表面への追随性が低下してしまう。連続的なベタ画像形成時など、クリーニングブレードによって、多くのトナーが堰き止められているとき、堰き止められているトナーによるクリーニングブレードへの押圧力が高くなる。そのため、クリーニングブレードの電子写真感光体に対する当接圧が低い部分では、クリーニングブレードが当接する力よりも電子写真感光体上のトナーによるクリーニングブレードへの押圧力が勝ると、その部分で当接状態が維持できなくなり、クリーニングブレードをトナーがすり抜けてしまう。その結果、電子写真感光体に形成される粉体量が非常に多い連続的なベタ画像形成時等の厳しい条件では、クリーニング不良が生じてしまったと考えられる。
そして、特許文献1に記載の表面層のみを設ける構成で硬度が高い表面層の層厚が厚いと、表面層の剛性によってゴム部材の弾性が阻害され、電子写真感光体接触部の電子写真感光体表面への追随性が低下する。このため、表面層のみを設ける構成では、電子写真感光体接触部の電子写真感光体表面への追随性を維持するために硬度が高い表面層の層厚を薄くする必要がある。表面層を薄くすると、経時使用において短時間で弾性ブレードの基材であるゴム部材が露出する程度に表面層が摩耗する。硬度の低いゴム部材が露出して電子写真感光体の表面に直接接触すると、クリーニングブレードと電子写真感光体表面との摩擦係数が大きくなり、異常摩耗や異音が発生する。
上記特許文献1には、表面層のみを設ける構成、又は、弾性ブレードの基材に樹脂材料を含浸させるのみの構成が記載されている。表面層のみを設ける構成であると、上述した不具合が生じる。また、樹脂材料を含浸させるのみの構成であると、使用開始当初のクリーニングブレードの電子写真感光体と当接する部分の硬度が表面層を設けるものほどの硬度を得ることが出来ず、耐磨耗性が不十分となる。また、使用する樹脂が鉛筆硬度B〜6Hのものであり、これを表面層として用いても鉛筆硬度が十分ではなく、耐久性に劣る。この耐久性を補うために、表面層を厚膜にすると、エッジ(電子写真感光体接触部)の姿勢制御が損なわれ、耐久性が低下する。
また、特許文献2に記載の紫外線硬化材料をゴム部材に含浸させ、紫外線照射処理をして含浸部分を形成する構成では、次のような課題がある。すなわち、電子写真感光体接触部の最表面の硬度が表面層をゴム部材の表面に設ける構成と同等となるように、含浸部分を形成しようとすると、ゴム部材の表面を覆うことができる程度に多量の紫外線硬化材料を含浸させる必要がある。このように多量の紫外線硬化材料を含浸させると、ゴム部材の内部に染み込んだ紫外線硬化材料の量も多くなる。多量の紫外線硬化材料が染み込んだゴム部材に紫外線を照射すると、含浸部分が過剰に硬く且つ過剰に深く形成されて、ゴム部材の弾性が阻害されることにより、電子写真感光体接触部の電子写真感光体表面への追随性が低下する。一方、電子写真感光体接触部の電子写真感光体表面への追随性を維持するために、ゴム部材に対する紫外線硬化材料の含浸量を少なくすると、ゴム部材の表面を紫外線硬化材料で覆い切れなくなり、電子写真感光体接触部の最表面がゴム部材の基材と架橋樹脂とが混在した状態となり、表面層を設けるものに比べて使用開始当初の電子写真感光体接触部の最表面の硬度が低くなって、クリーニングブレードと電子写真感光体との摩擦力が大きくなる。電子写真感光体との摩擦力が大きくなると、クリーニングブレードの電子写真感光体接触部にめくれが生じ易くなる。また電子写真感光体の表面層摩耗や異音発生なども問題も発生することがあきらかとなった。
上記特許文献2には、弾性ブレードの基材にシリコーン含有架橋樹脂が傾斜性をもって含浸され、弾性ブレードの表面が同樹脂で覆われた構成が記載されている。特許文献2に記載のクリーニングブレードは、含浸させる架橋樹脂で弾性ブレードの表面を覆っている。また、シリコーン含有架橋樹脂は、アクリル又は/及びメタクリル樹脂に比べ、耐久性に劣る。さらに、特許文献2に記載の含浸操作のように、含浸を12時間も行うと、架橋樹脂の含浸量が過剰となり、基材ゴムが膨潤しすぎてゴムの網目構造が破壊され、機械強度が低下し、耐久性が低下する。
また、特許文献2に記載の紫外線硬化材料をゴム部材に含浸させ、紫外線照射処理をして含浸部分を形成する構成では、次のような課題がある。すなわち、電子写真感光体接触部の最表面の硬度が表面層をゴム部材の表面に設ける構成と同等となるように、含浸部分を形成しようとすると、ゴム部材の表面を覆うことができる程度に多量の紫外線硬化材料を含浸させる必要がある。このように多量の紫外線硬化材料を含浸させると、ゴム部材の内部に染み込んだ紫外線硬化材料の量も多くなる。多量の紫外線硬化材料が染み込んだゴム部材に紫外線を照射すると、含浸部分が過剰に硬く且つ過剰に深く形成されて、ゴム部材の弾性が阻害されることにより、電子写真感光体接触部の電子写真感光体表面への追随性が低下する。一方、電子写真感光体接触部の電子写真感光体表面への追随性を維持するために、ゴム部材に対する紫外線硬化材料の含浸量を少なくすると、ゴム部材の表面を紫外線硬化材料で覆い切れなくなり、電子写真感光体接触部の最表面がゴム部材の基材と架橋樹脂とが混在した状態となり、表面層を設けるものに比べて使用開始当初の電子写真感光体接触部の最表面の硬度が低くなって、クリーニングブレードと電子写真感光体との摩擦力が大きくなる。電子写真感光体との摩擦力が大きくなると、クリーニングブレードの電子写真感光体接触部にめくれが生じ易くなる。また電子写真感光体の表面層摩耗や異音発生なども問題も発生することがあきらかとなった。
上記特許文献2には、弾性ブレードの基材にシリコーン含有架橋樹脂が傾斜性をもって含浸され、弾性ブレードの表面が同樹脂で覆われた構成が記載されている。特許文献2に記載のクリーニングブレードは、含浸させる架橋樹脂で弾性ブレードの表面を覆っている。また、シリコーン含有架橋樹脂は、アクリル又は/及びメタクリル樹脂に比べ、耐久性に劣る。さらに、特許文献2に記載の含浸操作のように、含浸を12時間も行うと、架橋樹脂の含浸量が過剰となり、基材ゴムが膨潤しすぎてゴムの網目構造が破壊され、機械強度が低下し、耐久性が低下する。
電子写真感光体接触部の含浸部分の深さを計る方法としては、特許文献3(特開2011−138110号公報)記載の方法が上げられる。これは顕微IRを用いた手法であり、クリーニングブレード由来のピーク値と含浸材料由来のピーク値を測定し、その比率で含浸深さを検出するものである。
このように、クリーニングブレードの改質により、各種特性を改善する試みがある。しかしながら、これらのクリーニングブレードを用いたとしても、高硬度の保護層を有すると低温環境での初期のクリーニング不良やブレードの鳴きが発生する。低温環境ではクリーニングブレードの弾性が低下する。そのためにブレードと感光体接触部分でのブレード引き込みが大きくなる。このようにブレードの当接が安定しないために低温環境に電子写真装置が放置された際、これらの課題が発生する。これらの課題は特に感光体の最表層が高硬度である場合に発生しやすい傾向にある。それはブレードエッジ、感光体が共に高硬度である場合に駆動時に大きなエネルギーが必要となるためこのエネルギーにより当接部が不安定になるためであると考えられる。特に感光体最表層とブレードエッジの樹脂成分が同一である場合に、この傾向は顕著である。このように、エッジ部に改良を施したクリーニングブレードとはいえ完全ではなく、組み合わせる感光体によっては不具合が発生する。
上記従来技術に鑑みて、本発明は、特定の電子写真感光体と特定のクリーニングブレードの組合せが、低温環境での初期クリーニング性悪化およびブレードの鳴きを防止することができることを知見し、これに基いて本発明を達成した。
而して、本発明の目的は、低温環境での初期クリーニング性悪化およびブレードの鳴きを防止することができる画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供することにある。
上記課題は、本発明の(1)〜(11)記載の「画像形成装置」、「画像形成方法」、「プロセスカートリッジ」により、解決される。
(1) 少なくとも電子写真感光体、クリーニングブレード部を有する画像形成装置において、該電子写真感光体が導電性支持体上に、少なくとも感光層及び表面層をこの順に有する電子写真感光体であって、前記表面層が電荷輸送性を有しない樹脂と無機微粒子とを少なくとも含有し、前記表面層中の無機微粒子の含有量が、7体積%〜40体積%であり、且つクリーニングブレード部が短冊形状の弾性ブレードを有し構成され、該弾性ブレードの電子写真感光体接触部が、基材と、該基材を構成する材料とアクリルまたは/及びメタクリル樹脂とからなる膜厚1.0μm以上の混合層と、膜厚0.1μm以上のアクリル又は/及びメタクリル表面樹脂層と、からなる積層構成のクリーニングブレードであることを特徴とする画像形成装置。
(2) 前記電子写真感光体の前記表面層に含有される前記無機微粒子が、第13族元素をドープした酸化亜鉛であり、前記表面層における電界強度が1×10V/cmであるときの表面固有抵抗率R1が、1013Ω/cm以上であり、前記表面固有抵抗率R1と、前記表面層における電界強度が1.5×10V/cmであるときの表面固有抵抗率R15との比(R1/R15)が、100〜5,000であることを特徴とする前記(1)に記載の画像形成装置。
(3) 前記表面固有抵抗率R1と、表面層における前記電界強度が3×10V/cmであるときの表面固有抵抗率R3との比(R1/R3)が、0.1〜10である前記(2)に記載の画像形成装置。
(4) 前記第13族元素をドープした酸化亜鉛が、ガリウム元素をドープした酸化亜鉛である前記(2)又は(3)に記載の画像形成装置。
(5) 前記電荷輸送性を有しない樹脂が、架橋構造を有する前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の画像形成装置。
(6) 前記表面層が電荷輸送性化合物を更に含有し、電荷輸送性化合物の含有量が、前記表面層100質量部に対して40質量部以下である前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の画像形成装置。
(7) 前記該弾性ブレードの電子写真感光体接触部のアクリル又は/及びメタクリル表面樹脂層の厚さが、0.5μm以上1.0μm以下であることを特徴とする前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の画像形成装置。
(8) 前記該弾性ブレードの電子写真感光体接触部の基材を構成する材料とアクリル又は/及びメタクリル樹脂との混合層の厚さが、10μm以上30μm以下であることを特徴とする前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の画像形成装置。
(9) 少なくとも電子写真感光体と、電子写真感光体表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段とを一体に備えた画像形成装置用プロセスカートリッジを脱着自在に搭載し、
帯電手段によって帯電させられた前記電子写真感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、潜像形成手段によって形成された静電潜像の画像部にトナーを付着させる現像手段と、転写プロセス後に電子写真感光体表面に残留したトナーを除去する前記クリーニング手段とを有することを特徴とする前記(1)乃至(8)のいずれかに記載の画像形成装置。
(10)電子写真感光体と、クリーニングブレードを用いて、少なくとも該電子写真感光体を帯電させる帯電プロセスと、帯電プロセスによって帯電させられた電子写真感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成プロセスと、潜像形成プロセスによって形成された静電潜像の画像部に前記トナーを付着させる現像プロセスと、現像プロセスによって形成された顕像を被転写体に転写する転写プロセスと、転写プロセス後に電子写真感光体表面に残留したトナーを除去するクリーニングプロセスとを繰り返し行う画像形成方法であって、前記電子写真感光体は、導電性支持体上に、少なくとも感光層及び表面層をこの順に有し、前記表面層が電荷輸送性を有しない樹脂と無機微粒子とを少なくとも含有し、前記表面層中の無機微粒子の含有量が、7体積%〜40体積%のものであり、前記クリーニングブレードは、クリーニングブレード部が短冊形状の弾性ブレードを有し構成され、該弾性ブレードの電子写真感光体接触部が、基材と、該基材を構成する材料とアクリルまたは/及びメタクリル樹脂とからなる膜厚1.0μm以上の混合層と、膜厚0.1μm以上のアクリル又は/及びメタクリル表面樹脂層と、からなる積層構成のものであることを特徴とする画像形成方法。
(11) 少なくとも、クリーニングブレード部材を有し、かつ電子写真感光体、帯電、露光、現像、転写、除電の各部材から選択された1つ以上の部材が一体化されていてもよいプロセスカートリッジであって、該クリーニング部材は、クリーニングブレード部が短冊形状の弾性ブレードを有し構成され、該弾性ブレードの電子写真感光体接触部が、基材と、該基材を構成する材料とアクリルまたは/及びメタクリル樹脂とからなる膜厚1.0μm以上の混合層と、膜厚0.1μm以上のアクリル又は/及びメタクリル表面樹脂層と、からなる積層構成のものであり、前記電子写真感光体は、導電性支持体上に、少なくとも感光層及び表面層をこの順に有し、する電子写真感光体であって、前記表面層が電荷輸送性を有しない樹脂と無機微粒子とを少なくとも含有し、前記表面層中の無機微粒子の含有量が、7体積%〜40体積%のものであり、前記(1)乃至(8)のいずれかに記載の画像形成装置に着脱可能としたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
以下の詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明の電子写真感光体とクリーニングブレードの組合せを用いることにより、低温環境での初期クリーニング性悪化およびブレードの鳴きを防止することができる。その理由としては、本発明の電子写真感光体は無機成分が多いために、樹脂であるクリーニングブレードの接触部との親和性がさほど強くないことが挙げられる。このために、保護層とクリーニングブレード接触部との低温環境での接着性が弱められた結果、本発明の効果が発現したと考えられる。
クリーニングブレードの拡大断面図であり、(a)は、クリーニングブレードが電子写真感光体表面に当接している状態の説明図、(b)は、クリーニングブレード62の電子写真感光体接触部62c近傍の拡大説明図である。 本実施形態に係るクリーニングブレードの斜視図である。 本発明で用いられる電子写真感光体の一例を示す概略断面図であり、(a)は最表層が感光層であり、(b)は最表層が保護層である。 本発明の実施形態に係るプリンタの概略構成図である。 本発明の実施形態に係る作像ユニットの概略構成図である。 (a)及び(b)は、トナーの円形度の測定方法を説明するための説明図である。 弾性ブレードの摩耗幅の測定箇所を示した模式図である。 実施例と比較例とを比較する概念図である。 (a)は、クリーニングブレード電子写真感光体接触部がめくれた状態を示す図、(b)は、クリーニングブレードの先端面の局所的な摩耗について説明する図、(c)は、クリーニングブレードの電子写真感光体接触部が欠落した状態を示す図である。
本発明の画像形成装置、及びプロセスカートリッジは、表面層が電荷輸送性を有しない樹脂と無機微粒子とを少なくとも含有し、前記表面層中の無機微粒子の含有量が、7体積%〜40体積%である電子写真感光体と、且つクリーニングブレードが短冊形状の弾性ブレードを有し、該弾性ブレードの電子写真感光体接触部が、基材と、基材を構成する材料及びアクリル又は/並びにメタクリル樹脂からなる膜厚1.0μm以上の混合層と、膜厚0.1μm以上のアクリル又は/及びメタクリル表面樹脂層とからなる積層構成を有することにより、低温環境でのクリーニング不良やブレードの鳴きを低減し、良好な画像品質を長期間に渡り保つことができる。
<電子写真感光体>
前記電子写真感光体は、支持体と、該支持体上に感光層とを有し、表面層が電荷輸送性を有しない樹脂と無機微粒子とを少なくとも含有し、前記表面層中の無機微粒子の含有量が、7体積%〜40体積%である最表層を有してなる。
本発明の電子写真感光体は、その層構成について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、支持体と、該支持体上に少なくとも感光層をこの順に有してなり、必要に応じて下引き層や保護層を有していてもよい。
ここで、図3(a)は、本発明で用いられる電子写真感光体の一例を示す概略断面図である。支持体21上に感光層22を設けられたものであり、感光層22は、電荷発生層25と、電荷輸送層26との機能分離型積層構造であり、支持体21と感光層22の間に下引き層24を有している。なお、下引き層24は、設けられてなくてもよい。
図3(b)の電子写真感光体は、支持体21上に感光層22を設け、最表面に耐摩耗性に優れた保護層28が設けられたものであり、感光層22は、電荷発生層25と、電荷輸送層26との機能分離型積層構造であり、支持体21と感光層22の間に下引き層24を有している。なお、下引き層24は、設けられてなくてもよい。
<<最表層>>
前記電子写真感光体における最表層は電荷輸送性を有しない樹脂と無機微粒子とを少なくとも含有し、前記表面層中の無機微粒子の含有量が、7体積%〜40体積%である。これにより、低温環境であってもクリーニング性が悪化したり、ブレード鳴きが発生したりすることがなく、環境によらず良好にクリーニングを行うことができる。
前記最表層が、表面層中の無機微粒子の含有量が、7体積%〜40体積%である場合に優れた効果が得られる要因としては、樹脂であるブレードエッジと表面との親和性が小さくなっていることが考えられる。樹脂成分と無機成分とは親和性が小さく、付着しにくくなるために優れた効果があるものと考えられる。表面に露出した無機成分がブレードエッジとの親和性を小さくすることに寄与している可能性がある。無機微粒子の含有量が7体積%に満たない場合、ブレードエッジとの親和性が小さくならず、効果が得られない可能性がある。また、40体積%より多い場合には、膜の凹凸が大きくなり過ぎたり、膜が不均一になること等で画像品質に問題が出ることがある。
前記無機微粒子の前記表面層における含有量を定量する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、元素分析及びそのマッピングを用いて定量する方法などが挙げられる。前記元素分析及びそのマッピング方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エネルギー分散型X線検出器/走査型電子顕微鏡(EDS−SEM)などを用いて測定する方法などが挙げられる。なお、前記EDS−SEMは、被観察体を細く絞られた電子線で走査し、放出される二次電子量を検出することによって被観察体表面像を詳細(一般に50倍〜30万倍)に観察すると同時に、電子線照射により発生する特性X線を検出することにより、表面の微小領域の元素比率の分析や、特定元素のマッピングなどを行う装置である。
<表面層>
前記表面層は、電荷輸送性を有しない樹脂と無機微粒子とを少なくとも含有し、更に必要に応じて添加剤を含有し、本発明で規定する表面固有抵抗率を有し、好ましくは本発明で規定する硬度及び弾性仕事率を有する。
<<表面固有抵抗率>>
前記表面層の電荷輸送材料を極力低減した場合であっても、優れた電子写真感光体特性を有させるためには、一般の電子写真感光体と同様に、帯電性、電荷輸送性、潜像維持性を持たせることが重要である。この帯電性に関しては、感光層に代替機能として持たせることが可能であるため、特に、前記表面層に必要とされる機能としては、電荷輸送性、潜像維持性などが重要な要件と考えられる。本発明者は、前記表面層の電荷輸送性材料を極力低減した場合であっても、これらの機能を十分に有する電子写真感光体とするために、電子写真感光体の駆動時よりも低い電界強度(1×10V/cm〜3×10V/cm)のときには感光体の表面層が高い抵抗値を示し、電子写真感光体の駆動時と同程度の電界強度(1.5×10V/cm)の時には感光体の表面層が低い抵抗値を示すことが重要であることを突き止めた。
−表面固有抵抗率R1−
前記表面固有抵抗率R1は、前記表面層における電界強度が1×10V/cmであるときの表面固有抵抗率である。
前記表面固有抵抗率R1としては、1013Ω/cm以上であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、優れた潜像維持性を有する点で、1014Ω/cm以上が好ましい。前記表面固有抵抗率R1が、1×1013Ω/cm未満であると、潜像維持性が十分ではなく、出力画像のドットの細りや画像ボケが発生することがある。また、前記表面層においては、潜像維持に対して寄与の大きな電界が前記電界強度近傍であることに由来すると考えられ、この電界強度範囲において比較的高抵抗とすることによって、電荷の移動を阻害し潜像維持性が高くすることが可能となる。
−表面固有抵抗率R3−
前記表面固有抵抗率R3は、前記表面層における電界強度が3×10V/cmであるときの表面固有抵抗率である。
前記表面固有抵抗率R3としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、優れた潜像維持性を有する点で、1014Ω/cm以上が好ましい。前記表面層においては、潜像維持に対して寄与の大きな電界が前記電界強度近傍であることに由来すると考えられ、この電界強度範囲において比較的高抵抗とすることによって、電荷の移動を阻害し潜像維持性が高くすることが可能となる。
−表面固有抵抗率R15−
前記表面固有抵抗率R15は、前記表面層における電界強度が1.5×10V/cmであるときの表面固有抵抗率である。
前記表面固有抵抗率R15としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、駆動時の電子写真の露光部電位低減の点で、1×10Ω/cm〜1×1011Ω/cmが好ましい。
−表面固有抵抗率R1と表面固有抵抗率R3との比−
前記表面固有抵抗率R1と前記表面固有抵抗率R3との比(R1/R3)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、抵抗変動を小さくすることができる点で、0.1〜10が好ましく、0.1〜2がより好ましい。前記比(R1/R3)が、0.1未満であるときは、電荷輸送性が低下し、残留電位の上昇などが発生することがあり、10を超えると、潜像維持性が十分とはならず、出力画像のドットの細りが発生することがある。
−表面固有抵抗率R1と表面固有抵抗率R15との比−
前記表面固有抵抗率R1と前記表面固有抵抗率R15との比(R1/R15)としては、100〜5,000であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100〜1,000が好ましい。前記比(R1/R15)が100未満であると、表面層の電荷輸送性が十分ではなく、残留電位上昇に伴う画像欠陥の発生などが生じることがあり、5,000を超えると、電子写真感光体の帯電性が不足し、時汚れの発生、階調性低下などの懸念が生じることがある。前記表面固有抵抗率R1と比較して前記表面固有抵抗率R15を十分小さくすることにより、優れた電荷輸送性を示すことが本発明者により明らかとなった。本発明の表面層においては、電荷輸送機能に対して寄与の大きな電界強度が1.5×10V/cm以上の範囲であることがわかり、この電界強度範囲において比較的高抵抗である表面層とすることによりスムーズな電荷輸送を促すことができる。
−表面固有抵抗率の測定方法−
前記表面固有抵抗率の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、JIS−C2139:2008(固体電気絶縁材料−体積抵抗率及び表面抵抗率の測定方法)などに準拠して測定する方法などが挙げられる。一般に電子写真感光体はシリンダー形状を示すものが多く、JIS−C2139:2008に記載の方法で測定が困難な場合は、下記に示す方法を用いてもよい。
前記電圧印加時の試料通過電流を測定する際に用いる電流−電圧計としては、本発明に記載の電界強度(1×10V/cm)の測定ができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、微少電流計(Keithley社製 ソースメジャーユニット タイプ2410)により測定する方法などが挙げられる。
前記表面固有抵抗率の測定に用いる電極の作成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電子写真感光体の構成成分の変質が生じにくい点で、真空蒸着法が好ましい。
前記電極を構成する金属としては、電子写真感光体表面に電極を形成することができる金属であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、プラチナ、クロム、亜鉛、炭素などが挙げられ、前記対抗電極としては、前記電極と互いに同種の金属により構成されることが好ましい。
前記電極の形状としては、特に制限はなく、測定に使用する直流電圧源の容量及び電流計の精度に基づき決定することができ、例えば、既知の長さ(10mm〜30mm)を有し、かつ既知の電極間隙(25μm〜100μm)を有する対抗電極などが挙げられる。
前記電界印加電源としては、十分安定な直流電圧源であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記電圧印加極性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、負帯電用電子写真感光体を評価する場合は負電圧印加とし、正帯電用電子写真感光体評価する場合は正電圧印加とすることが好ましい。
前記電圧印加時の試料通過電流の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60秒間以上の測定を実施し、60秒間後の電流値から表面抵抗率を算出することが好ましい。
前記表面固有抵抗率R1を測定する際、前記表面層における電界強度を1×10V/cmに設定する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、被験サンプル上に作製した電極間の間隙にあわせて印加するバイアスを設定し、電界強度を1×10V/cmに設定する方法などが挙げられる。
前記表面固有抵抗率R1を測定する際の前記電子写真感光体の表面層の位置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
なお、前記表面固有抵抗率R1は、前記表面層のどの位置を測定しても同等の数値を示し、例えば、電子写真感光体の表面層における上端部から70mm、170mm、及び270mmの三箇所の位置で測定した値の平均値を用いてもよい。
前記表面固有抵抗率R3を測定する際、前記表面層における電界強度を3×10V/cmに設定する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、被験サンプル上に作製した電極間の間隙にあわせて印加するバイアスを設定し、電界強度を3×10V/cmに設定する方法などが挙げられる。
前記表面固有抵抗率R3を測定する際の前記電子写真感光体の表面層の位置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
なお、前記表面固有抵抗率R3は、前記表面層のどの位置を測定しても同等の数値を示し、例えば、電子写真感光体の表面層における上端部から70mm、170mm、及び270mmの三箇所の位置で測定した値の平均値を用いてもよい。
前記表面固有抵抗率R15を測定する際、前記表面層における電界強度を1.5×10V/cmに設定する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、被験サンプル上に作製した電極間の間隙にあわせて印加するバイアスを設定し、電界強度を1.5×10V/cmに設定する方法などが挙げられる。
前記表面固有抵抗率R15を測定する際の前記電子写真感光体の表面層の位置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
なお、前記表面固有抵抗率R15は、前記表面層のどの位置を測定しても同等の数値を示し、例えば、電子写真感光体の表面層における上端部から70mm、170mm、及び270mmの三箇所の位置で測定した値の平均値を用いてもよい。
<<硬度>>
前記電子写真感光体の機械的耐久性や耐汚染性は、表面のごく狭い領域での物性に左右される。そのため、前記電子写真感光体の表面層における機械的耐久性や耐汚染性の指標として、ユニバーサル硬度を用いることが好ましい。
前記電子写真感光体の表面層におけるユニバーサル硬度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、200N/mm以上が好ましく、250N/mm以上がより好ましい。前記ユニバーサル硬度が、200N/mm以上であると、トナー等に含有されるシリカ微粒子が表面層に刺さりにくくなり、耐汚染性及び機械的耐久性が飛躍的に向上する。なお、前記ユニバーサル硬度の上限値としては、特に規定はないが、表面層と下層との接着性を考慮すると、500N/mm以下が好ましい。
前記ユニバーサル硬度は、最大試験荷重Fで圧子を試料に接触させた際に生成した圧子と測定対象物との接触表面積をAとしたとき、F/Aと定義されるものであり、超微小硬度計により測定することができる。前記接触表面積Aは、押し込み深さhをもとに算出する。前記圧子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、四角錐形のビッカース圧子、三角錐形のベルコビッチ(バーコビッチ)圧子などが挙げられる。前記測定器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィッシャースコープ H−100(フィッシャー・インストルメンツ社製)などを用いることができる。
前記ユニバーサル硬度の測定は、例えば、電子写真感光体の状態で下記条件において5回測定することにより行い、それらの平均値を電子写真感光体のユニバーサル硬度とすることができる。
〔条件〕
装置:フィッシャースコープ H−100(フィッシャー・インストルメンツ社製)
ソフト:WIN−HCU(フィッシャー・インストルメンツ社製)
最大試験荷重:1mN
荷重アプリケーション時間:30秒間
荷重の増加:1mN/30秒間
最大試験荷重でのクリープ:5秒間
荷重の減少:荷重の増加と同条件
徐荷後のクリープ:5秒間
圧子:SMC117
<<弾性仕事率>>
前記弾性仕事率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50%以上が好ましく、55%以上がより好ましい。前記弾性仕事率の測定は、例えば、前記ユニバーサル硬度と同様の方法により測定することができる。前記弾性仕事率は、下記数式(1)を用いて算出することができる。

弾性仕事率(%)=100×(最大変位−塑性変位)/最大変位 ・・・数式(1)
前記電子写真感光体の表面層における、前記ユニバーサル硬度が200N/mm以上、好ましくは250N/mm以上であって、前記弾性仕事率が50%以上、好ましくは55%以上である場合、電子写真感光体の耐汚染性、及び機械的耐久性共に向上する。
前記無機微粒子の前記表面層における含有量の測定について具体的に説明する。まず、電子写真感光体の断面構造をミクロトーム、FIB等の一般に用いられる方法で露出させた後に、前記記載の方法で電子写真感光体断面の無機微粒子の構成元素のマッピングを行い、無機微粒子構成元素検出面積を観察面積で除することによって、観察断面における有機無機複合微粒子の占める面積割合を得る。次いで、その面積比率を体積比率に換算(面積比率の3/2乗)することにより、該有機無機複合微粒子の表面層に占める割合を得ることができる。
最表層に含有される無機微粒子としては、例えば、酸化チタン、シリカ、酸化錫、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛などが挙げられる。前記無機微粒子は、分散性の向上などの理由から無機物又は有機物で表面処理されてもよい。前記有機物処理としては、例えば、シランカップリング剤で処理したもの、あるいはフッ素系シランカップリング剤処理したもの、高級脂肪酸処理したものなどが挙げられる。前記無機物処理としては、金属酸化物表面をアルミナ、ジルコニア、酸化スズ、シリカ処理したものなどが挙げられる。前記金属酸化物粒子は、粉砕、分散したのち、塗工液と混合し、塗工される。これらの中でもまた、前記第13族元素をドープした酸化亜鉛を用いることにより、表面層の表面抵抗率を制御することができ、比較的導電性が高く、大気中で長期に亘って安定した電気特性を維持することができ、経時安定性に優れた表面層を形成することができる。
前記無機微粒子としては、第13族元素をドープした酸化亜鉛であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガリウム元素をドープした酸化亜鉛、ホウ素元素をドープした酸化亜鉛、アルミニウム元素をドープした酸化亜鉛、インジウム元素をドープした酸化亜鉛などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、電荷輸送性及び潜像維持性に優れ、表面層の電気的特性を維持できる点で、ガリウム元素をドープした酸化亜鉛が好ましい。
前記酸化亜鉛に前記第13族元素をドープする方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、「バルク母体である酸化亜鉛」又は「焼成することにより酸化亜鉛となる前駆体」と「ドープ金属」とを固体状態で混合して混合物を調製し、この混合物を高温雰囲気で焼成することにより形成する焼成法などが挙げられる。
ここで、ドープするとは、前記第13族元素を制御された濃度だけ前記酸化亜鉛に添加することをいう。
前記無機微粒子(第13族元素をドープした酸化亜鉛)において、前記第13族元素がドープされていることを確認する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、X線光電子分光法(XPS)、オージェ分光分析法(AES)、エネルギー分散型X線分光法(EDX)等の一般に知られる元素分析方法により確認する方法などが挙げられる。
前記第13族元素の前記無機微粒子(第13族元素をドープした酸化亜鉛)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、酸化亜鉛1モルに対して、元素換算で、0.001モル〜0.2モルが好ましく、0.01モル〜0.1モルがより好ましく、0.02モル〜0.1モルが特に好ましい。前記含有量が、0.001モル未満であると、酸化亜鉛の電気特性安定性が低下することがある。また、前記含有量が、0.2モルを超えると、電気特性安定性や微粒子導電性向上効果が飽和することが多く、効果的な位置に拡散されない過剰の添加元素が粒界に化合物となって析出しやすくなるため、各種電子写真感光体特性が低下することがある。
前記第13族元素の前記無機微粒子(第13族元素をドープした酸化亜鉛)における含有量の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、X線光電子分光法(XPS)、オージェ分光分析法(AES)、エネルギー分散型X線分光法(EDX)等の一般に知られる元素分析方法により測定する方法などが挙げられる。
前記無機微粒子(第13族元素をドープした酸化亜鉛)の平均一次粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、表面層の光透過率及び耐摩耗性に優れる点で、10nm〜50nmが好ましい。前記平均一次粒径が、10nm未満であると、無機微粒子の凝集が生じやすく、本発明に記載した表面抵抗率の制御が安定して行うことができないなどの不具合を生じやすくなることがある。前記平均一次粒径が、50nmを超えると、前記表面層における電荷輸送機能が不均質となりやすく、所望の潜像形成が困難となることがある。また、前記表面層の表面粗さが大きくなり、後述するブレードクリーニング部材の摩耗が速やかに進行するため、早期にトナークリーニング不良などが発生することがある。また、前記無機微粒子の比重にもよるが、分散液中において前記無機微粒子の沈降性が促進されるなどの塗工液寿命に関わる問題を生じることがある。
前記無機微粒子(第13族元素をドープした酸化亜鉛)の平均一次粒径の測定は、走査型電子顕微鏡により3,000倍〜10,000倍の観察像を得た後、ランダムに選択した200個の粒子を画像解析ソフトにより算出することにより測定することができる。
前記無機微粒子の表面層中への分散方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する表面層用塗工液中で一般に用いられる分散方法などが挙げられる。前記分散方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ボールミル、サンドミル、KDミル、3本ロールミル、圧力式ホモジナイザー、超音波分散などが挙げられる。
<<電荷輸送性を有しない樹脂と無機微粒子との組合せ>>
前記電荷輸送性を有しない樹脂と無機微粒子との組み合わせとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電気的特性に優れ、かつ高画質な画像出力を維持することができる点で、アクリル樹脂とガリウム元素をドープした酸化亜鉛との組合せ、ポリカーボネート樹脂とガリウム元素をドープした酸化亜鉛との組合せ、ポリアリレート樹脂とガリウム元素をドープした酸化亜鉛との組合せ、スチレン樹脂とガリウム元素をドープした酸化亜鉛との組合せ、フェノール樹脂とガリウム元素をドープした酸化亜鉛との組合せ、ウレタン樹脂とガリウム元素をドープした酸化亜鉛との組合せ、シリコーン樹脂とガリウム元素をドープした酸化亜鉛との組合せが好ましい。
<<保護層>>
本発明の最表層は、感光層上に設けられた保護層であっても良い。
保護層の樹脂としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などが挙げられる。これらの高分子化合物は単独又は2種以上の混合物として、或いはそれらの原料モノマーの2種以上からなる共重合体として、保護層中に電荷輸送物質を含有する場合は、電荷輸送物質と共重合化して用いることができる。
耐摩耗性の観点から重合性化合物を重合することにより形成される硬化性樹脂を用いたものが好ましい。機械的耐久性の観点から重合性官能基の数が分子内に2つ以上である重合性化合物が好ましく用いられる。即ち、2官能以上の重合性化合物を重合することで三次元の網目構造が発達し、架橋密度が非常に高硬度、かつ高弾性な保護層が得られ、高い耐摩耗性、及び耐傷性が達成される。
前記硬化樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、3官能以上のラジカル重合性モノマーを含有するUV硬化型アクリル樹脂が耐摩耗性の点から特に好ましい。これらの中でも特に官能基当量分子量350以下の重合性化合物は、特に三次元の網目構造が発達するため、より望ましい。
前記官能基当量分子量350以下、かつ3官能以上のラジカル重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシ変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシ変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセリンプロポキシトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記保護層の形成においては、前記重合性化合物に加え、電荷輸送性化合物(重合性官能基の有無は問わないが、機械的耐久性の観点からは重合性官能基を有するものの方が好ましく使用できる)を含有することも可能である。重合性官能基を有する電荷輸送性化合物としては硬化樹脂構造の歪み、架橋表面層の内部応力の観点から官能基数が少ない方が好ましく、1官能の電荷輸送性化合物が良好に用いることができる。
前記保護層の塗工溶媒に使用できる分散溶媒としては、例えば、ケトン類、エーテル類、芳香族化合物類、ハロゲン化合物類、エステル類などが挙げられる。
これらの中でも、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノンは、クロロベンゼンやジクロロメタン、トルエン及びキシレンと比較して環境負荷の程度が低いため好ましい。
本発明においては、必要に応じてこの硬化反応を効率よく進行させるために重合開始剤を含有させてもよい。前記重合開始剤としては、熱重合開始剤と光重合開始剤とがある。
前記熱重合開始剤としては、例えば、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシ)プロパン等の過酸化物系開始剤;アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸等のアゾ系開始剤などが挙げられる。
前記光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のアセトフェノン系又はケタール系光重合開始剤;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル系光重合開始剤;ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン等のベンゾフェノン系光重合開始剤;2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、例えば、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、光重合促進効果を有するものを単独又は前記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、などが挙げられる。
前記重合開始剤の含有量は、重合性官能基を有する総含有物100質量部に対し、0.1質量部〜40質量部が好ましく、0.5質量部〜20質量部がより好ましい。
また、必要により適当な酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤などの低分子化合物及びレベリング剤を添加することもできる。これらの化合物は、1種単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
前記低分子化合物の使用量は、樹脂成分100質量部に対して0.1質量部〜50質量部が好ましく、0.1質量部〜20質量部がより好ましい。前記レベリング剤の使用量は、樹脂成分100質量部に対して0.001質量部〜5質量部が好ましい。
前記保護層の形成方法としては、例えば、浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等で塗布後、外部からエネルギーを与え硬化させ、保護層を形成する方法等がある。
このとき用いられる外部エネルギーとしては熱、光、放射線等があり、用いる樹脂によって選択される。
熱のエネルギーを加える方法としては、空気、窒素等の気体、蒸気、又は各種熱媒体、赤外線、電磁波を用い塗工表面側あるいは支持体側から加熱することによって行われる。
加熱温度は100℃以上、170℃以下が好ましい。前記加熱温度が、100℃未満であると、反応速度が遅く、完全に硬化反応が終了しないことがあり、170℃を超えると、硬化反応が不均一に進行し保護層中に大きな歪みや多数の未反応残基、反応停止末端が発生することがある。
硬化反応を均一に進めるために、100℃未満の比較的低温で加熱後、更に100℃以上に加温し反応を完結させる方法も有効である。
光のエネルギーとしては、主に紫外光に発光波長をもつ高圧水銀灯、メタルハライドランプ等のUV照射光源が利用できるが、ラジカル重合性含有物、光重合開始剤の吸収波長に合わせ可視光光源の選択も可能である。
照射光量は50mW/cm2以上、1,000mW/cm2以下が好ましい。前記照射光量が、50mW/cm2未満であると、硬化反応に時間を要することがあり、1,000mW/cm2を超えると、反応の進行が不均一となり、保護層表面に局部的な皺が発生したり、多数の未反応残基、反応停止末端が生ずることがある。
また、急激な架橋により内部応力が大きくなり、クラック及び膜剥がれの原因となる。放射線のエネルギーとしては電子線を用いるものが挙げられる。
これらのエネルギーの中で、反応速度制御の容易さ、装置の簡便さから熱及び光のエネルギーを用いたものが有用である。
また、保護層の厚みとしては、0.5〜10μmが好ましく、保護層の耐久性や解像度品質の点で0.8〜5μmが特に好ましい。
<<添加剤>>
前記添加剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属微粒子、反応性有機基を有する化合物、分散剤、界面活性剤、電荷輸送性化合物、可塑剤、レベリング剤などが挙げられる。
−金属微粒子−
前記金属微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化カルシウム、ITO、酸化シリコン、コロイダルシリカ、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化鉄、酸化マンガン、酸化ニオブ、酸化バナジウム、酸化セレン、窒化硼素、窒化珪素などが挙げられる。
−反応性有機基を有する化合物−
前記反応性有機基を有する化合物は、本発明で規定する表面抵抗率を有する表面層とするために、また、電子写真感光体の機能増強や分散性向上等を目的として、第13族元素をドープした酸化亜鉛を表面修飾するために添加される。
前記反応性有機基を有する化合物としては、無機微粒子表面の水酸基等と反応性を有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機金属カップリング剤などが挙げられ、具体的には、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤;イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート等のチタネートカップリング剤;アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウムカップリング剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記反応性有機基を有する化合物により前記第13族元素をドープした酸化亜鉛の表面を修飾する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記第13族元素をドープした酸化亜鉛をヘンシェルミキサーなどの高速攪拌機にいれて攪拌しながら、前記有機金属カップリング剤を含有する水又はアルコール溶液を添加し、均一となるように攪拌した後に乾燥する乾式法;前記第13族元素をドープした酸化亜鉛を水又はアルコール溶液中に分散させたスラリーを準備し、攪拌しながら前記有機金属カップリング剤又は前記有機金属カップリング剤を含有する水やアルコール溶液に添加し、十分に攪拌した後に濾過、洗浄、乾燥する湿式法などが挙げられる。
前記反応性有機基を有する化合物の被覆量としては、特に制限はなく、有機金属カップリング剤の被覆量は増強したい機能や母体粒子の分散性等の目的に応じて適宜選択することができるが、無機微粒子の全量に対して、0.01質量%〜30質量%が好ましく、0.05質量%〜15質量%がより好ましい。前記被覆量が、0.01質量%未満であると、機能増強や分散性向上の効果が得にくくなり、30質量%を超えると、有機金属カップリング剤が余剰に無機微粒子に付着した状態となり、これにより電子写真感光体の電気特性が低下することがある。
−分散剤−
前記無機微粒子(第13族元素をドープした酸化亜鉛)を表面層中に良好に分散させる場合、分散剤を用いてもよい。前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記分散剤の含有量としては、特に制限はなく、無機微粒子の粒径等の目的に応じて適宜選択することができるが、無機微粒子の全量に対して、0.5質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜15質量%がより好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、前記無機微粒子の分散効果が得られないことがあり、30質量%を超えると、残留電位の著しい上昇を引き起こす等の不具合を生じることがある。
−界面活性剤−
前記無機微粒子(第13族元素をドープした酸化亜鉛)を表面層中に良好に分散させる場合、界面活性剤を用いてもよい。前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、無機微粒子の粒径等の目的に応じて適宜選択することができるが、無機微粒子の全量に対して、0.5質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜15質量%がより好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、前記無機微粒子の分散効果が得られないことがあり、30質量%を超えると、残留電位の著しい上昇を引き起こす等の不具合を生じることがある。
−電荷輸送性化合物−
前記電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾール等の正孔輸送性構造を有する公知の正孔輸送物質;電子吸引性芳香族環(縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基、ニトロ基等)などの電子輸送構造を有する公知の電子輸送物質などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記電荷輸送性を有しない樹脂として、前記架橋重合体を用いる場合には、前記架橋重合体に対して反応性を有する官能基、例えば、水酸基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等を有する電荷輸送材料を用いてもよい。
前記電荷輸送性化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電荷輸送性化合物による十分な電荷輸送機能発現のためには最表層の重量に対して5質量%以上40質量以下が好ましく、さらに好ましくは10質量%以上40質量%以下である。
前記電荷輸送性化合物の表面層における含有量を測定する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、X線光電子分光法(XPS)、エネルギー分散型X線分光法(EDX)、波長分散型X線分析装置(WDX)等の元素分析により測定する方法、試薬により染色された染色量に基づき測定する方法、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR)により測定する方法などが挙げられる。これらの中でも、定量が簡便であり汎用性が高い点で、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR)により測定された各ピーク強度の比をもとに作成した検量線に基づき定量することが好ましい。
前記検量線としては、例えば、前記電荷輸送性化合物を既知量配合して前記表面層を作製し、前記電荷輸送性化合物に特徴的な振動ピークの強度(ピーク高さ又はピーク面積)を前記FT−IRにより測定し、得られた各振動ピーク強度の比に基づき作成する。前記検量線の精度を高めるために、2水準〜5水準の配合量で作製した表面層を作製し、前記FT−IRにより測定して得られた振動ピーク強度をもとに検量線を作成してもよい。前記振動ピーク強度としては、前記電荷輸送性化合物に特徴的な振動ピークの強度(ピーク高さ又はピーク面積)を用いることが好ましく、反応性に乏しく膜中の配合比が既知である、カルボニル由来の振動ピーク強度を用いることがより好ましい。
前記電荷輸送性化合物の表面層における含有量の測定方法を具体的に説明する。
まず、前記検量線の作成について説明する。
前記検量線は、前記電荷輸送性化合物未添加の表面層におけるカルボニル由来の振動ピーク強度から算出された面積をα0とし、前記電荷輸送性化合物添加の表面層におけるカルボニル由来の振動ピーク強度から算出された面積をβ0とし、前記表面層全量に対して電荷輸送性化合物を20質量%、40質量%、及び60質量%を添加した場合の各振動ピーク強度から算出される面積を、それぞれα20、α40、及びα60、並びにβ20、β40、β60とした場合、振動強度比(βx/αx)と電荷輸送性化合物の添加量とをプロットすることにより作成する。
次に、電荷輸送性化合物含有量未知の表面層について、上述した方法と同様の方法により、前記FT−IRのATR法で測定を行い、前記振動強度比を算出し、検量線に基づいて電荷輸送性化合物含有量を算出する。前記表面層における電荷輸送性化合物の含有量を求める場合は、一般に知られるエッチング法や表面層断面形成手段(ミクロトームなど)により電荷輸送性化合物含有量を測定したい箇所を露出させ、上述した方法と同様の方法により電荷輸送性化合物の含有量を算出する。
−可塑剤−
前記可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記可塑剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記電荷輸送性を有しない樹脂100質量部に対して、0質量部〜30質量部が好ましい。
−レベリング剤−
前記レベリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類;側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー又はオリゴマー;などが挙げられる。前記レベリング剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記電荷輸送性を有しない樹脂100質量部に対して、0質量部〜1質量部が好ましい。
<<表面層の形成方法>>
前記表面層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電荷輸送性を有しない樹脂、前記無機微粒子、及び前記添加剤を含む塗工液を、電子写真感光体における感光層の表面に塗工した後、加熱乾燥を行い、硬化することにより形成する方法などが挙げられる。
前記塗工液の塗工方法としては、特に制限はなく、塗工液の粘性、所望とする表面層の膜厚等の目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法、リングコート法などが挙げられる。
前記塗工液は、常温で固体又は比較的高粘性液体であることから、溶媒に溶解して作製することが好ましい。前記溶媒としては、前記表面層を構成する上述した成分を溶解乃至分散させることができる溶媒であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテル等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記表面層中に残留する前記溶媒を除去するために、前記方法で表面層を形成した後に加熱乾燥処理することが好ましい。
前記加熱する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、空気、窒素等の気体、蒸気、各種熱媒体、赤外線、電磁波等の熱エネルギーを塗工面側又は前記導電性支持体側から加熱する方法などが挙げられる。
前記加熱する際の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃〜170℃が好ましい。前記温度が、100℃未満であると、前記表面層中に残留する溶媒が多くなりやすく、電子写真感光体特性に影響を与えることがあり、170℃を超えると、前記表面層に隣接する感光層中の低分子量成分が、前記表面層に移行しやすくなり、本発明に記載した表面抵抗率の制御やその他特性の低下を引き起こす恐れがある。
前記表面層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、解像度及び応答性に優れる点で、10μm以下が好ましく、8μm以下がより好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)により異なるが、帯電性及び摩耗耐久性の観点から、3μm以上が好ましい。
<感光層>
前記感光層としては、積層型感光層であってもよく、単層型感光層であってもよい。
<<単層型感光層>>
前記単層型感光層は、電荷発生機能と電荷輸送機能とを同時に有する層である。
前記単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、及び結着樹脂を含有し、更に必要に応じて可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等のその他の成分を含有する。
−電荷発生物質−
前記電荷発生物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する積層型感光層で用いられるものと同様の物質などが挙げられる。前記電荷発生物質の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結着樹脂100質量部に対し、5質量部〜40質量部が好ましい。
−電荷輸送物質−
前記電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する積層型感光層で用いられるものと同様の物質などが挙げられる。前記電荷輸送物質の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結着樹脂100質量部に対し、190質量部以下が好ましく、50質量部〜150質量部がより好ましい。
−結着樹脂−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する積層型感光層で用いられるものと同様の結着樹脂などが挙げられる。
−単層型感光層の形成方法−
前記単層型感光層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電荷発生物質、電荷輸送物質、結着樹脂、その他の成分等を分散機を用いて適当な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等)に溶解乃至分散して得られた塗工液を、塗布乃至乾燥することにより形成する方法などが挙げられる。
前記塗工液を塗工する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート、ビードコート、リングコートなどが挙げられる。また、必要に応じて、可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加してもよい。
前記単層型感光層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm〜25μmが好ましい。
<<積層型感光層>>
前記積層型感光層は、電荷発生機能及び電荷輸送機能をそれぞれ独立した層が担うため、少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層とをこの順に有し、更に必要に応じてその他の層を有する。なお、前記電荷発生層、前記電荷輸送層、及び前記その他の層は、従来公知のものを使用することができる。
前記積層型感光層において、前記電荷発生層と前記電荷輸送層との積層順としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、多くの電荷発生材料は化学的安定性に乏しく、電子写真作像プロセスにおける帯電器周辺での放電生成物のような酸性ガスにさらされると電荷発生効率の低下などを引き起こす。このため、前記電荷発生層の上に前記電荷輸送層を積層することが好ましい。
−電荷発生層−
前記電荷発生層は、電荷発生物質を含み、結着樹脂を含むことが好ましく、更に必要に応じて上述の酸化防止剤等のその他の成分を含む。
−−電荷発生物質−−
前記電荷発生物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機系材料、有機系材料などが挙げられる。
−−−無機系材料−−−
無機系材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶セレン、アモルファス−セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物、アモルファス−シリコン(例えば、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子等でターミネートしたもの;ホウ素原子、リン原子等をドープしたものなどが好適)などが挙げられる。
−−−有機系材料−−−
前記有機系材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料;アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−結着樹脂−−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結着樹脂としては、上述の結着樹脂の他に、電荷輸送機能を有する電荷輸送性高分子材料を含んでもよく、例えば、アリールアミン骨格、ベンジジン骨格、ヒドラゾン骨格、カルバゾール骨格、スチルベン骨格、ピラゾリン骨格等を有する、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリシロキサン、アクリル樹脂等の高分子材料、ポリシラン骨格を有する高分子材料などを用いることができる。
−−その他の成分−−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低分子電荷輸送物質、溶媒、レベリング剤などが挙げられ、上述の酸化防止剤を含んでもよい。
前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、添加する層の総質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましい。
−−−低分子電荷輸送物質−−−
前記低分子電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子輸送物質、正孔輸送物質などが挙げられる。
前記電子輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記正孔輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−溶媒−−−
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−レベリング剤−−−
前記レベリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−電荷発生層の形成方法−−
前記電荷発生層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電荷発生物質及び前記結着樹脂を前記溶媒等の前記その他の成分に溶解乃至分散して得られた塗工液を、前記導電性支持体上に塗布して乾燥することにより形成する方法などが挙げられる。なお、前記塗工液は、前述のキャスティング法により塗布することができる。
前記電荷発生層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01μm〜5μmが好ましく、0.05μm〜2μmがより好ましい。
−電荷輸送層−
前記電荷輸送層は、帯電電荷を保持させ、かつ、露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的を達成するためには、電気抵抗が高いことが要求される。また、保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さく、かつ、電荷移動性がよいことが要求される。
前記電荷輸送層は、電荷輸送物質を含み、結着樹脂を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含む。
−−電荷輸送性物質−−
前記電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子輸送物質、正孔輸送物質、高分子電荷輸送物質などが挙げられる。
前記電荷輸送物質の電荷輸送層全量における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20質量%〜80質量%が好ましく、30質量%〜70質量%がより好ましい。前記含有量が、20質量%未満であると、電荷輸送層の電荷輸送性が小さくなることにより所望の光減衰特性が得られないことがあり、80質量%を超えると、画像形成工程から感光体が受ける各種ハザードによって必要以上に摩耗することがある。一方、前記電荷輸送物質の電荷輸送層における含有量が、前記特に好ましい範囲内であると、所望の光減衰性が得られるとともに、使用によっても摩耗量が少ない電子写真感光体を得ることができる点で有利である。
−−−電子輸送物質−−−
前記電子輸送物質(電子受容性物質)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−−−正孔輸送物質−−−
前記正孔輸送物質(電子供与性物質)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プ
パン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−−−高分子電荷輸送物質−−−
前記高分子電荷輸送物質は、後述する結着樹脂の機能と電荷輸送物質の機能を併せ持材料である。特に、本発明に記載している非晶質酸化物を中間層に適用した場合には、電荷輸送物質として高分子電荷輸送物質を適用することにより、帯電性低下や地汚れの発生が抑制されることが本発明者らの検討からわかっており、好適である。
前記高分子電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルバゾール環を有する重合体、ヒドラゾン構造を有する重合体、ポリシリレン重合体、トリアリールアミン構造を有する重合体(例えば、特許第3852812号公報、特許第3990499号公報等に記載のトリアリールアミン構造を有する重合体等)、電子供与性基を有する重合体、その他の重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよく、摩耗耐久性や製膜性の点で、後述する結着樹脂と併用してもよい。
前記高分子電荷輸送物質の電荷輸送層全質量における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電荷輸送性の両立の観点から、前記高分子電荷輸送物質と前記結着樹脂とを併用する場合、40質量%〜90質量%が好ましく、50質量%〜80質量%がより好ましい。
−−結着樹脂−−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、フェノキシ樹脂などが用いられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、前記電荷輸送層は、架橋性のバインダー樹脂と架橋性の電荷輸送物質との共重合体を含むこともできる。
−−その他の成分−−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶媒、可塑剤、レベリング剤などが挙げられ、上述した酸化防止剤を含んでもよい。
前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、添加する層の総質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましい。
−−−溶媒−−−
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記電荷発生層と同様なものが使用できるが、前記電荷輸送物質及び前記結着樹脂を良好に溶解する溶媒が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
−−−可塑剤−−−
前記可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般樹脂の可塑剤などが挙げられる。
−−−レベリング剤−−−
前記レベリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類;側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー乃至オリゴマーなどが挙げられる。
−−電荷輸送層の形成方法−−
前記電荷輸送層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電荷輸送物質及び前記結着樹脂を前記溶媒等の前記その他の成分に溶解乃至分散して得られた塗工液を、前記電荷発生層上に塗布して加熱乃至乾燥することにより形成する方法などが挙げられる。
前記電荷輸送層形成の際に用いる前記塗工液の塗工方法としては、特に制限はなく、塗工液の粘性、所望とする電荷輸送層の厚み等の目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法、リングコート法などが挙げられる。
前記電荷輸送層は、電子写真特性や膜粘性の観点から、何らかの手段を用いて加熱を行い、前記溶媒を前記電荷輸送層中から取り除く必要がある。
前記加熱する方法としては、例えば、空気、窒素等の気体、蒸気、各種熱媒体、赤外線、電磁波等の熱エネルギーを塗工面側又は支持体側から加熱する方法などが挙げられる。
前記加熱する際の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃〜170℃が好ましい。前記温度が、100℃未満であると、膜中の有機溶媒を十分取り除くことができず、電子写真特性の低下や摩耗耐久性低下が生じることがあり、170℃を超えると、表面にゆず肌状の欠陥や亀裂の発生、隣接層との界面で剥離の発生などが生じるだけでなく、感光層中の揮発性成分が外部に霧散した場合、所望の電気特性が得られなくなることがある。
前記電荷輸送層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、解像度乃至応答性の点から、50μm以下が好ましく、45μm以下がより好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)により異なるが、5μm以上が好ましい。
−その他の層−
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下引き層、中間層などが挙げられる。
−−下引き層−−
前記下引き層は、前記導電性支持体と前記感光層との間に設けることができる。
前記下引き層は、樹脂を含み、更に必要に応じて上述の酸化防止剤、微粉末顔料、カップリング剤等のその他の成分を含む。
前記下引き層に含まれる樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。
これらの中でも、前記樹脂の上に感光層を溶媒で塗布する点で、一般の有機溶媒に対して耐溶媒性の高い樹脂が好ましい。
前記下引き層に含まれる微粉末顔料としては、モアレ防止、残留電位の低減等を図ることができる顔料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の
金属酸化物などが挙げられる。
前記下引き層に含まれるカップリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜
選択することができ、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカ
ップリング剤などが挙げられる。
前記下引き層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単層であってもよく、上記種類の組合せで2層以上の積層であってもよい。
前記下引き層の形成方法としては、特に制限はなく、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができ、例えば、Al2O3を陽極酸化して形成する方法、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物;SiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物;を真空薄膜作製法にて形成する方法などが挙げられる。
前記下引き層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜5μmが好ましい。
−−中間層−−
前記中間層は、前記電荷輸送層と前記架橋型電荷輸送層との間に、前記架橋型電荷輸送層への電荷輸送層成分の混入を抑える又は両層間の接着性を改善することを目的として設けることができる。
前記中間層は、架橋型電荷輸送層塗工液に対し不溶性又は難溶性であるものが適しており、結着樹脂を含み、更に必要に応じて上述の酸化防止剤等のその他の成分を含む。
前記中間層に含まれる結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
前記中間層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記感光層と同様の適当な溶媒及び塗工法を用いて形成する方法などが挙げられる。
前記中間層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05μm〜2μmが好ましい。
<導電性支持体>
前記導電性支持体としては、体積抵抗値が1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスベルト(エンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルト等)を用いてもよい。
前記導電性支持体の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属(アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等)又は金属酸化物(酸化スズ、酸化インジウム等)を蒸着又はスパッタリングして、支持体(フィルム状、円筒状等のプラスチック、紙等)に被覆することにより形成する方法;金属(アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等)の板を押出し、引抜き等を行い、表面処理(素管化後、切削、超仕上げ、研摩等)を施して形成する方法などが挙げられる。
前記導電性支持体は、前記導電性支持体上に導電性層を設けてもよい。
前記導電性層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性粉体及び結着樹脂を、必要に応じて溶媒に分散乃至溶解して得られた塗工液を前記導電性支持体上に塗布することにより形成する方法、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)等の素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブを用いて形成する方法などが挙げられる。
前記導電性粉体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素微粒子;アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀等の金属粉;導電性酸化スズ、ITO等の金属酸化物粉体などが挙げられる。
前記導電性層に用いる結着樹脂として、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂などが挙げられ、具体的には、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
前記導電性層に用いる溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどが挙げられる。
<クリーニングブレード>
図2は、本発明に係るクリーニングブレードの一例の斜視図であり、図1は、クリーニングブレードの一例の拡大断面図である。図1(a)は、クリーニングブレード62が電子写真感光体3の表面に当接している状態の説明図であり、図1(b)は、クリーニングブレード62の電子写真感光体接触部62c近傍の拡大説明図である。
クリーニングブレード62は、金属や硬質プラスチックなどの剛性材料からなる短冊形状のホルダー621と、短冊形状の弾性ブレード622とで構成されている。
該弾性ブレード622の電子写真感光体接触部62cは、基材と、基材を構成する物質並びにアクリル又は/及びメタクリル樹脂からなる膜厚1.0μm以上の混合層と、膜厚0.1μm以上のアクリル又は/及びメタクリル表面樹脂層とからなる積層構成を有する。前記混合層とアクリル又は/及びメタクリル表面樹脂層は、弾性ブレード622の電子写真感光体接触部62cの全域に設けられていることが好ましい。
弾性ブレード622は、ホルダー621の一端側に接着剤などにより固定されており、ホルダー621の他端側は、クリーニング装置6のケースに片持ち支持されている。
弾性ブレード622の基材を構成する物質としては、電子写真感光体3の偏心や電子写真感光体3の表面の微小なうねりなどに追随できるように、高い反発弾性体率を有するものが好ましく、アクリルゴム、ニトリルゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴムなどの一般的な合成ゴム材料が用いられる。好ましくは、ウレタン基を含むゴムであるウレタンゴムなどが用いられる。
弾性ブレードの基材の硬度としては、耐摩耗性の観点から25℃において55度から85度が好ましい。また、弾性ブレードの基材の反発弾性率としては微細凹凸への追従性の観点から、25℃において10%〜60%が好ましい。
弾性ブレード622の電子写真感光体接触部62cの基材を構成する物質並びにアクリル又は/及びメタクリルとの混合層は、含浸処理により形成することが好ましく、含浸処理は、アクリル又は/及びメタクリル系モノマーを含有するアクリル又は/及びメタクリル系架橋性樹脂液を用い、ハケ塗り、スプレー塗工、ディップ塗工などによって、基材にアクリル又は/及びメタクリル系モノマーを含浸させ、次いで架橋させることにより形成可能である。アクリル又は/及びメタクリル系モノマーは、熱、光、電子線などのエネルギーを加えることにより、架橋反応を行なう。
アクリル又は/及びメタクリル系架橋性樹脂液には、前記保護層の塗工溶媒として挙げた溶媒と同じ溶媒を用いることができ、また、前記保護層と同様に重合開始剤を含有させてもよい。
本発明において使用するアクリル及びメタクリル系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、PO変性グリセロールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられ、これらは単独又は2種類以上を併用しても差し支えない。
これにより、当接する弾性ブレード622の電子写真感光体接触部62cが電子写真感光体3表面移動方向に変形するのを抑制することができる。さらに、経時表面層摩耗によって内部が露出したときも内部への含浸作用により、同様に変形を抑制することができる。
表面樹脂層623は、弾性ブレード622の基材をアクリル又は/及びメタクリル系架橋性樹脂液に所定時間浸漬させて風乾させた後に、アクリル又は/及びメタクリル系架橋性樹脂液をスプレー塗工、ディップ塗工、あるいはスクリーン印刷等によって、クリーニングブレード62の電子写真感光体接触部62cを被覆することにより設けうることが出来る。このようにアクリル又は/及びメタクリル系架橋性樹脂液に浸漬させる工程で、基材を構成する物質とアクリル又は/及びメタクリル樹脂との混合層を製膜し、その後の塗工において、アクリル又は/及びメタクリル表面樹脂層を設けうることが出来る。
架橋樹脂を硬化させるために熱及び光エネルギーを加えるタイミングとしては、アクリル又は/及びメタクリル系架橋性樹脂液に所定時間浸漬させた後、もしくは更にアクリル又は/及びメタクリル表面樹脂層を形成させた後のどちらでもかまわない。
アクリル又は/及びメタクリル系架橋性樹脂液に所定時間浸漬させ、形成された基材を構成する物質とアクリル又は/及びメタクリル樹脂との混合層膜厚は、樹脂液を構成するアクリル又はメタクリル系モノマーや溶媒種、固形分濃度、浸漬時間、温度等で制御することが可能である。
基材を構成する物質並びにアクリル又は/及びメタクリル樹脂からなる混合層の膜厚は、1.0μm以上であり、5μm以上100μm以下が好ましく、さらに好ましくは、10μm以上30μm以下である、基材を構成する物質とアクリル又は/及びメタクリル樹脂との混合層膜厚が薄い場合は、クリーニングブレードの電子写真感光体表面への追随性機能が発現できず、逆に厚い場合は、クリーニングブレード硬度が大きくなり、電子写真感光体への負荷が増加し、電子写真感光体摩耗が大きくなったり、低温環境下で異音が発生したりする。さらにはクリーニングブレード自体に微小なクラックが入りやすくなる。
基材を構成する物質とアクリル又は/及びメタクリル樹脂との混合層は、アクリル又は/及びメタクリル表面樹脂層を塗工した際にも形成できる。この場合、膜厚測定限界以下になることが多く、また膜厚が1μm未満の場合、本発明の効果を発現しない。
基材を構成する物質とアクリル又は/及びメタクリル樹脂との混合層膜厚の測定方法は、特開2011−138110号公報で用いられている顕微IRを用いた手法で求めることができる。
アクリル又は/及びメタクリル表面樹脂層は、基材をアクリル又は/及びメタクリル系架橋性樹脂液に所定時間浸漬させた状態でも形成できるが、この場合は、表面樹脂層膜厚が薄いことがある。そのため基材をアクリル又は/及びメタクリル系架橋性樹脂液に所定時間浸漬させ、基材を構成する物質とアクリル又は/及びメタクリル樹脂との混合層を形成させた後、該混合層上にアクリル又は/及びメタクリル系架橋性樹脂液を塗工し、形成することが好ましい。
アクリル又は/及びメタクリル表面樹脂層は、前記混合層を形成する含侵材料と同種のアクリル又は/及びメタクリル系モノマー、溶媒、重合開始剤等を含有する架橋性樹脂液を塗工し、熱、光、電子線などのエネルギーを加えることにより、形成される。
アクリル又は/及びメタクリル表面樹脂層膜厚は、0.1μm以上であり、0.5μm以上1.0μm以下であることが好ましい。膜厚が薄い場合は、クリーニングブレードの電子写真感光体表面への追随性機能が発現できず、膜厚が厚い場合は、長期的使用時にブレードエッジの捲れやクラックなどの問題が発生する。
アクリル又は/及びメタクリル表面樹脂層は、基材を構成する物質並びにアクリル又は/及びメタクリル樹脂との混合層の製膜時にも薄膜が形成される。膜厚が0.1μm未満の場合は、本発明の効果が発現しない。
アクリル又は/及びメタクリル表面樹脂層膜厚の測定方法は、断面を切断し、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡画像により、測定することが可能である。
<画像形成装置>
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタ500という)の一実施形態について説明する。まず、本実施形態に係るプリンタ500の基本的な構成について説明する。
図4は、プリンタ500を示す概略構成図である。プリンタ500は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す)用の四つの作像ユニット1Y,C,M,Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。
四つの作像ユニット1の上方には、中間転写体としての中間転写ベルト14を備える転写ユニット60が配置されている。詳細は後述する各作像ユニット1Y,1C,1M,1Kが備える電子写真感光体3Y,3C,3M,3Kの表面上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト14の表面上に重ね合わせて転写される構成である。
また、四つの作像ユニット1の下方に光書込ユニット40が配設されている。潜像形成手段たる光書込ユニット40は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、各作像ユニット1Y,C,M,Kの電子写真感光体3Y,C,M,Kに照射する。これにより、電子写真感光体3Y,C,M,K上にY,C,M,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット40は、光源から発したレーザ光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー41によって偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して電子写真感光体3Y,C,M,Kに照射するものである。かかる構成のものに代えて、LDEアレイによる光走査を行うものを採用することもできる。
光書込ユニット40の下方には、第一給紙カセット151、第二給紙カセット152が鉛直方向に重なるように配設されている。これら給紙カセット内には、それぞれ、記録媒体である転写紙Pが複数枚重ねられた紙束の状態で収容されており、一番上の転写紙Pには、第一給紙ローラ151a、第二給紙ローラ152aがそれぞれ当接している。第一給紙ローラ151aが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられると、第一給紙カセット151内の一番上の転写紙Pが、カセットの図中右側方において鉛直方向に延在するように配設された給紙路153に向けて排出される。また、第二給紙ローラ152aが図示しない駆動手段によって図4中反時計回りに回転駆動せしめられると、第二給紙カセット152内の一番上の転写紙Pが、給紙路153に向けて排出される。
給紙路153内には、複数の搬送ローラ対154が配設されている。給紙路153に送り込まれた転写紙Pは、これら搬送ローラ対154のローラ間に挟み込まれながら、給紙路153内を図4中下側から上側に向けて搬送される。
給紙路153の搬送方向下流側端部には、レジストローラ対55が配設されている。レジストローラ対55は、転写紙Pを搬送ローラ対154から送られてくる転写紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、転写紙Pを適切なタイミングで後述の二次転写ニップに向けて送り出す。
図5は、四つの作像ユニット1のうちの一つの概略構成を示す構成図である。
図5に示すように、作像ユニット1は、電子写真感光体としてのドラム状の電子写真感光体3を備えている。電子写真感光体3はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
電子写真感光体3の周囲には、帯電ローラ4、現像装置5、一次転写ローラ7、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10及び不図示の除電ランプ等が配置されている。帯電ローラ4は、帯電手段としての帯電装置が備える帯電部材であり、現像装置5は、電子写真感光体3の表面上に形成された潜像をトナー像化する現像手段である。一次転写ローラ7は、電子写真感光体3の表面上のトナー像を中間転写ベルト14に転写する一次転写手段としての一次転写装置が備える一次転写部材である。クリーニング装置6は、トナー像を中間転写ベルト14に転写した後の電子写真感光体3上に残留するトナーをクリーニングするクリーニング手段である。潤滑剤塗布装置10は、クリーニング装置6がクリーニングした後の電子写真感光体3の表面上に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段である。本発明において潤滑剤塗布手段は必ずしも必要ではなく、なくてもよい。不図示の除電ランプは、クリーニング後の電子写真感光体3の表面電位を除電する除電手段である。
帯電ローラ4は、電子写真感光体3に所定の距離を持って非接触で配置され、電子写真感光体3を所定の極性、所定の電位に帯電するものである。帯電ローラ4によって一様帯電された電子写真感光体3の表面は、潜像形成手段である光書込ユニット40から画像情報に基づいてレーザ光Lが照射され静電潜像が形成される。
現像装置5は、現像剤担持体としての現像ローラ51を有している。この現像ローラ51には、図示しない電源から現像バイアスが印加されるようになっている。現像装置5のケーシング内には、ケーシング内に収容された現像剤を互いに逆方向に搬送しながら攪拌する供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53が設けられている。また、現像ローラ51に担持された現像剤を規制するためのドクタ54も設けられている。供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53の二本スクリュによって撹拌・搬送された現像剤中のトナーは、所定の極性に帯電される。そして、現像剤は、現像ローラ51の表面上に汲み上げられ、汲み上げられた現像剤は、ドクタ54により規制され、電子写真感光体3と対向する現像領域でトナーが電子写真感光体3上の潜像に付着する。
クリーニング装置6は、ファーブラシ101、クリーニングブレード62などを有している。クリーニングブレード62は、電子写真感光体3の表面移動方向に対してカウンタ方向で電子写真感光体3に当接している。なお、クリーニングブレード62は前述の弾性ブレードを有する。
潤滑剤塗布装置10は、固形潤滑剤103や潤滑剤加圧スプリング103a等を備え、固形潤滑剤103を電子写真感光体3上に塗布する塗布ブラシとしてファーブラシ101を用いている。固形潤滑剤103は、ブラケット103bに保持され、潤滑剤加圧スプリング103aによりファーブラシ101側に加圧されている。そして、電子写真感光体3の回転方向に対して連れまわり方向に回転するファーブラシ101により固形潤滑剤103が削られて電子写真感光体3上に潤滑剤が塗布される。電子写真感光体への潤滑剤塗布により電子写真感光体3表面の摩擦係数が非画像形成時に0.2以下に維持される。
本実施形態の帯電装置は、帯電ローラ4を電子写真感光体3に近接させた非接触の近接配置方式であるが、帯電装置としては、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)を始めとする公知の構成を用いることができる。これらの帯電方式のうち、特に接触帯電方式、あるいは非接触の近接配置方式がより望ましく、帯電効率が高くオゾン発生量が少ない、装置の小型化が可能である等のメリットを有する。
光書込ユニット40のレーザ光Lの光源や除電ランプ等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザは照射エネルギーが高く、また600〜800[nm]の長波長光を有するため、良好に使用される。
転写手段たる転写ユニット60は、中間転写ベルト14の他、ベルトクリーニングユニット162、第一ブラケット63、第二ブラケット64などを備えている。また、四つの一次転写ローラ7Y,C,M,K、二次転写バックアップローラ66、駆動ローラ67、補助ローラ68、テンションローラ69なども備えている。中間転写ベルト14は、これら8つのローラ部材に張架されながら、駆動ローラ67の回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。四つの一次転写ローラ7Y,C,M,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト14を電子写真感光体3Y,C,M,Kとの間に挟み込んでそれぞれ一次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト14の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト14は、その無端移動に伴ってY,C,M,K用の一次転写ニップを順次通過していく過程で、そのおもて面に電子写真感光体3Y,C,M,K上のY,C,M,Kトナー像が重ね合わせて一次転写される。これにより、中間転写ベルト14上に四色重ね合わせトナー像(以下、四色トナー像という)が形成される。
二次転写バックアップローラ66は、中間転写ベルト14のループ外側に配設された二次転写ローラ70との間に中間転写ベルト14を挟み込んで二次転写ニップを形成している。先に説明したレジストローラ対55は、ローラ間に挟み込んだ転写紙Pを、中間転写ベルト14上の四色トナー像に同期させ得るタイミングで、二次転写ニップに向けて送り出す。中間転写ベルト14上の四色トナー像は、二次転写バイアスが印加される二次転写ローラ70と二次転写バックアップローラ66との間に形成される二次転写電界や、ニップ圧の影響により、二次転写ニップ内で転写紙Pに一括二次転写される。そして、転写紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト14には、転写紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニングユニット162によってクリーニングされる。なお、ベルトクリーニングユニット162は、ベルトクリーニングブレード162aを中間転写ベルト14のおもて面に当接させており、これによって中間転写ベルト14上の転写残トナーを掻き取って除去するものである。
転写ユニット60の第一ブラケット63は、図示しないソレノイドの駆動のオンオフに伴って、補助ローラ68の回転軸線を中心にして所定の回転角度で揺動するようになっている。プリンタ500は、モノクロ画像を形成する場合には、前述のソレノイドの駆動によって第一ブラケット63を図中反時計回りに少しだけ回転させる。この回転により、補助ローラ68の回転軸線を中心にしてY,C,M用の一次転写ローラ7Y,C,Mを図中反時計回りに公転させることで、中間転写ベルト14をY,C,M用の電子写真感光体3Y,C,Mから離間させる。そして、四つの作像ユニット1Y,C,M,Kのうち、K用の作像ユニット1Kだけを駆動して、モノクロ画像を形成する。これにより、モノクロ画像形成時にY,C,M用の作像ユニット1を無駄に駆動させることによる作像ユニット1を構成する各部材の消耗を回避することができる。
二次転写ニップの図中上方には、定着ユニット80が配設されている。この定着ユニット80は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加圧加熱ローラ81と、定着ベルトユニット82とを備えている。定着ベルトユニット82は、定着部材たる定着ベルト84、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加熱ローラ83、テンションローラ85、駆動ローラ86、図示しない温度センサ等を有している。そして、無端状の定着ベルト84を加熱ローラ83、テンションローラ85及び駆動ローラ86によって張架しながら、図中反時計回り方向に無端移動せしめる。この無端移動の過程で、定着ベルト84は加熱ローラ83によって裏面側から加熱される。このようにして加熱される定着ベルト84の加熱ローラ83への掛け回し箇所には、図中時計回り方向に回転駆動される加圧加熱ローラ81がおもて面側から当接している。これにより、加圧加熱ローラ81と定着ベルト84とが当接する定着ニップが形成されている。
定着ベルト84のループ外側には、図示しない温度センサが定着ベルト84のおもて面と所定の間隙を介して対向するように配設されており、定着ニップに進入する直前の定着ベルト84の表面温度を検知する。この検知結果は、図示しない定着電源回路に送られる。定着電源回路は、温度センサによる検知結果に基づいて、加熱ローラ83に内包される発熱源や、加圧加熱ローラ81に内包される発熱源に対する電源の供給をオンオフ制御する。
上述した二次転写ニップを通過した転写紙Pは、中間転写ベルト14から分離した後、定着ユニット80内に送られる。そして、定着ユニット80内の定着ニップに挟まれながら図中下側から上側に向けて搬送される過程で、定着ベルト84によって加熱され、押圧されることによりフルカラートナー像が転写紙Pに定着される。
このようにして定着処理が施された転写紙Pは、排紙ローラ対87のローラ間を経た後、機外へと排出される。プリンタ500本体の筺体の上面には、スタック部88が形成されており、排紙ローラ対87によって機外に排出された転写紙Pは、このスタック部88に順次スタックされる。
転写ユニット60の上方には、Y,C,M,Kトナーを収容する四つのトナーカートリッジ100Y,C,M,Kが配設されている。トナーカートリッジ100Y,C,M,K内のY,C,M,Kトナーは、作像ユニット1Y,C,M,Kの現像装置5Y,C,M,Kに適宜供給される。これらトナーカートリッジ100Y,C,M,Kは、作像ユニット1Y,C,M,Kとは独立してプリンタ本体に脱着可能である。
次に、プリンタ500における画像形成動作を説明する。
図示しない操作部などからプリント実行の信号を受信したら、帯電ローラ4及び現像ローラ51にそれぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。同様に、光書込ユニット40及び除電ランプなどの光源にもそれぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。また、これと同期して、駆動手段としての電子写真感光体駆動モータ(不図示)により電子写真感光体3が図中矢印方向に回転駆動される。
電子写真感光体3が図中矢印方向に回転すると、まず電子写真感光体3表面が、帯電ローラ4によって所定の電位に一様帯電される。そして、光書込ユニット40から画像情報に対応したレーザ光Lが電子写真感光体3上に照射され、電子写真感光体3表面上のレーザ光Lが照射された部分が除電され静電潜像が形成される。
静電潜像の形成された電子写真感光体3の表面は、現像装置5との対向部で現像ローラ51上に形成された現像剤の磁気ブラシによって摺擦される。このとき、現像ローラ51上の負帯電トナーは、現像ローラ51に印加された所定の現像バイアスによって、静電潜像側に移動し、トナー像化(現像)される。各作像ユニット1において、同様の作像プロセスが実行され、各作像ユニット1Y,C,M,Kの各電子写真感光体3Y,C,M,Kの表面上に各色のトナー像が形成される。
このように、プリンタ500では、電子写真感光体3上に形成された静電潜像は、現像装置5によって、負極性に帯電されたトナーにより反転現像される。本実施形態では、N/P(ネガポジ:電位が低い所にトナーが付着する)の非接触帯電ローラ方式を用いた例について説明したが、これに限るものではない。
各電子写真感光体3Y,C,M,Kの表面上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト14の表面上で重なるように、順次一次転写される。これにより、中間転写ベルト14上に四色トナー像が形成される。
中間転写ベルト14上に形成された四色トナー像は、第一給紙カセット151又は第二給紙カセット152から給紙され、レジストローラ対55のローラ間を経て、二次転写ニップに給紙される転写紙Pに転写される。このとき、転写紙Pはレジストローラ対55に挟まれた状態で一旦停止し、中間転写ベルト14上の画像先端と同期を取って二次転写ニップに供給される。トナー像が転写された転写紙Pは中間転写ベルト14から分離され、定着ユニット80へ搬送される。そして、トナー像が転写された転写紙Pが定着ユニット80を通過することにより、熱と圧力の作用でトナー像が転写紙P上に定着されて、トナー像が定着された転写紙Pはプリンタ500装置外に排出され、スタック部88にスタックされる。
一方、二次転写ニップで転写紙Pにトナー像を転写した中間転写ベルト14の表面は、ベルトクリーニングユニット162によって表面上の転写残トナーが除去される。
また、一次転写ニップで中間転写ベルト14に各色のトナー像を転写した電子写真感光体3の表面は、クリーニング装置6によって転写後の残留トナーが除去され、潤滑剤塗布装置10によって潤滑剤が塗布された後、除電ランプで除電される。
プリンタ500の作像ユニット1は、図5に示すように電子写真感光体3と、プロセス手段として帯電ローラ4、現像装置5、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10などとが枠体2に収められている。そして、作像ユニット1は、プロセスカートリッジとしてプリンタ500本体から一体的に着脱可能となっている。プリンタ500では、作像ユニット1がプロセスカートリッジとしての電子写真感光体3とプロセス手段とを一体的に交換するようになっているが、電子写真感光体3、帯電ローラ4、現像装置5、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10のような単位で新しいものと交換するような構成でもよい。
本発明は、このような画像形成手段を用いた画像形成装置である。前記画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、以下に説明するようにプロセスカートリッジの形態で画像形成装置内に組み込まれ、着脱可能としたものであってもよい。
<プロセスカートリッジ>
本発明のプロセスカートリッジは、電子写真感光体と弾性ブレードの先端稜線部を前記電子写真感光体の表面に当接してトナーを除去するクリーニング手段とを少なくとも有してなる。
前記プロセスカートリッジは、各種電子写真方式の画像形成装置、ファクシミリ、プリンタに着脱可能に備えさせることができ、本発明の前記画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが特に好ましい。
ここで、図5は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。
図5のプロセスカートリッジは、電子写真感光体(感光ドラム)3を内蔵し、帯電手段4、露光手段L、現像手段51、転写手段14、並びにクレーニング手段としてクリーニングブレード62を含み、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
次に、図5に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、電子写真感光体3は、矢印方向に回転しながら、帯電手段4「による帯電、露光手段Lにより、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。
この静電潜像は、現像手段51で現像され、得られた可視像は転写手段14により、転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の電子写真感光体表面は、クリーニングブレード62によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
<トナー>
次に、本発明を適用したプリンタ500に好適なトナーについて説明する。
プリンタ500に用いるトナーとしては、画質向上のために、高円形化、小粒径化がし易い懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法により製造された重合トナーを用いるのが好ましい。特に、円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5[μm]以下の重合トナーを用いるのが好ましい。平均円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5[μm]以下のものを用いることにより、より高解像度の画像を形成することができる。
ここでいう「円形度」は、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子株式会社製、商品名)により計測した平均円形度である。具体的には、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150[ml]中に、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜0.5[ml]加え、更に測定試料(トナー)を0.1〜0.5[g]程度加える。その後、このトナーが分散した懸濁液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、分散液濃度が3000〜1[万個/μl]となるようにしたものを上述の分析装置にセットして、トナーの形状及び分布を測定する。そして、この測定結果に基づき、図6(a)に示す実際のトナー投影形状の外周長をC1、その投影面積をSとし、この投影面積Sと同じ図6(b)に示す真円の外周長をC2としたときのC2/C1を求め、その平均値を円形度とした。
体積平均粒径については、コールターカウンター法によって求めることが可能である。具体的には、コールターマルチサイザー2e型(コールター社製)によって測定したトナーの個数分布や体積分布のデータを、インターフェイス(日科機社製)を介してパーソナルコンピューターに送って解析するのである。より詳しくは、1級塩化ナトリウムを用いた1%NaCl水溶液を電解液として用意する。そして、この電解水溶液100〜150[ml]中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5[ml]加える。更に、これに被検試料としてのトナーを2〜20[mg]加え、超音波分散器で約1〜3[分間]分散処理する。そして、別のビーカーに電解水溶液100〜200[ml]を入れ、その中に分散処理後の溶液を所定濃度になるように加えて、上記コールターマルチサイザー2e型にかける。アパーチャーとしては、100[μm]のものを用い、50,000個のトナー粒子の粒径を測定する。チャンネルとしては、2.00〜2.52[μm]未満;2.52〜3.17[μm]未満;3.17〜4.00[μm]未満;4.00〜5.04[μm]未満;5.04〜6.35[μm]未満;6.35〜8.00[μm]未満;8.00〜10.08[μm]未満;10.08〜12.70[μm]未満;12.70〜16.00[μm]未満;16.00〜20.20[μm]未満;20.20〜25.40[μm]未満;25.40〜32.00[μm]未満;32.00〜40.30[μm]未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00[μm]以上32.0[μm]以下のトナー粒子を対象とする。そして、「体積平均粒径=ΣXfV/ΣfV」という関係式に基づいて、体積平均粒径を算出する。但し、「X」は各チャンネルにおける代表径、「V」は各チャンネルの代表径における相当体積、「f」は各チャンネルにおける粒子個数である。
本発明の前記画像形成装置に好適に用いられるトナーとしては、トナー母体粒子として、樹脂、着色剤、荷電制御剤、及び離型剤を溶融混練し、冷却した後に粉砕、分級する混練粉砕法も用いることが可能であるが、粒径、形状を均一にするため、乳化重合法、溶解懸濁法といった重合トナー工法を用いて作製されたものを用いることがより好ましい。
以下に、一例としてポリエステル重合法トナーの構成材料について、具体的に説明する。
−ポリエステル樹脂−
前記ポリエステル樹脂は、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)及び3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、又は(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。
前記2価アルコール(DIO)としては、例えば、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど)、アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど)、脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど)、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)、上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物、上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物等が挙げられる。
これらのうち、好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、及びこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
前記3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど)、3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど)、上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)及び3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、及び(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。
前記2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など)、アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など)、芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)等が挙げられる。このうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
前記3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)等が挙げられる。
なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物又は低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
前記多価アルコール(PO)と前記多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、2/1〜1/1が好ましく、1.5/1〜1/1がより好ましく、1.3/1〜1.02/1が更に好ましい。
前記多価アルコール(PO)と前記多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイド等、公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。
前記ポリエステル樹脂の水酸基価は5mgKOH/g以上が好ましく、ポリエステルの酸価は通1mgKOH/g〜30mgKOH/gが好ましく、5mgKOH/g〜25mgKOH/gがより好ましい。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、更には記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30mgKOH/gを超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。
前記ポリエステルの重量平均分子量は、1万〜40万が好ましく、2万〜20万がより好ましい。前記重量平均分子量が、1万未満であると、耐オフセット性が悪化することがあり、40万を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記ポリエステル樹脂には、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステル樹脂の他に、ウレア変性ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。ウレア変性ポリエステル樹脂は、上記の重縮合反応で得られるポリエステル樹脂の末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得、これとアミン類との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られるものである。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、例えば、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど)、脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど)、芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど)、芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど)、イソシアネート類、前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの、又はこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、更に好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、0.5質量%〜40質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましく、2質量%〜20質量%が更に好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、1個以上が好ましく、好ましくは平均1.5〜3個、更に好ましくは平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、及びB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)等が挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタンなど)、脂環式ジアミン(4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど)、及び脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)等が挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等が挙げられる。
アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン等が挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸等が挙げられる。(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記(B1)〜(B5)のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物等が挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、(B1)及び(B1)と少量の(B2)の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、更に好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満であったりすると、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、更に好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法等により製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150℃〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40℃〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。更にこの(A)にアミン類(B)を0℃〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
前記(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いてもよい。例えば、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、エーテル類(テトラヒドロフランなど)等のイソシアネート(PIC)に対して不活性な溶剤が適用できる。
また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、又はそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)等が挙げられる。
ウレア変性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、1万以上が好ましく、2万〜1000万がより好ましく、3万〜100万が更に好ましい。前記重量平均分子量が、1万未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。
ウレア変性ポリエステル樹脂を単独で使用する場合は、その数平均分子量は、2,000〜15,000が好ましく、2,000〜10,000がより好ましく、2,000〜8,000が更に好ましい。前記数平均分子量が、15,000を超えると、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化することがある。
未変性ポリエステル樹脂とウレア変性ポリエステル樹脂とを併用することで、低温定着性及びフルカラー画像形成装置に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステル樹脂を単独で使用するよりも好ましい。なお、未変性ポリエステル樹脂はウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでもよい。
未変性ポリエステル樹脂とウレア変性ポリエステル樹脂とは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステル樹脂とウレア変性ポリエステル樹脂とは類似の組成であることが好ましい。
また、未変性ポリエステル樹脂とウレア変性ポリエステル樹脂との質量比は、20/80〜95/5が好ましく、70/30〜95/5がより好ましく、75/25〜95/5が更に好ましく、80/20〜93/7が特に好ましい。前記ウレア変性ポリエステル樹脂の質量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
未変性ポリエステル樹脂とウレア変性ポリエステル樹脂とを含むバインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)は、45℃〜65℃が好ましく、45℃〜60℃がより好ましい。前記ガラス転移温度が、45℃未満であると、トナーの耐熱性が悪化することがあり、65℃を超えると、低温定着性が不十分となることがある。
また、ウレア変性ポリエステル樹脂は、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
<<着色剤>>
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の含有量は、トナーに対して1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。
マスターバッチの製造、又はマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<荷電制御剤>>
前記荷電制御剤としては、特に制限はなく、公知のものをいずれも使用できる。例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩等である。
具体的には、ニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージNX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、トナーを負極性に制御する物質が特に好ましい。
前記荷電制御剤の含有量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、前記バインダー樹脂100質量部に対し、0.1質量部〜10質量部が好ましく、0.2質量部〜5質量部がより好ましい。前記含有量が、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下、画像濃度の低下を招くことがある。
<<離型剤>>
前記離型剤としては、融点が50℃〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。
このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。
また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。
更に、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド、及び低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も適用できる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えてもよい。
<<外添剤>>
前記トナーを作製した後、流動性や帯電特性の向上、及びトナークリーニング性向上のため、外添剤をトナーと混合し、トナー表面に付着させる。
外添剤の少なくとも1つとしては、疎水性シリカ粒子を用いることが望ましい。
前記疎水性シリカ粒子は、表面処理を行って、疎水性を上げたものを意味し、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することが可能となる。前記表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、などが挙げられる。
前記疎水性シリカ粒子の一次平均粒径は、10nm〜200nmが好ましい。前記一次平均粒径が、10nm未満であると、トナーのクリーニング性が低下し、スジ状の異常画像が発生することがあり、200nmを超えると、トナー流動特性及び帯電特性が悪化し、地汚れ等が発生することがある。
ここで、前記疎水性シリカ粒子における一次平均粒径は、SEM、TEM等の電子写真顕微鏡を用いた観察像から50個の粒子の直径を測定し、平均値を導出することで求めることができる。
前記疎水性シリカ粒子の疎水化度は50%〜90%が好ましく、60%〜80%がより好ましい。前記疎水化度が、50%未満であると、高温高湿度下でのトナーの電荷のリークが大きくなり、トナー飛散や感光体カブリを引き起こしやすくなる。一方、前記疎水化度が、90%を超えると、低温低湿度下でのトナーの帯電が過剰にチャージアップしやすくなり、画像の濃度不良が発生したりすることがある。また余剰の疎水化剤が存在することによりトナーの流動性が悪くなるなどの悪影響を及ぼすことがある。
ここで、前記疎水化度の測定方法としては、以下に示すとおりである。
200mlのビーカーに水50mlを入れ、更に0.2gの疎水性シリカ粒子を添加する。そして、マグネットスターラーで緩やかに攪拌しつつ、滴下時に先端が水中に浸漬されたビューレットからメタノールを加え、浮かんでいる疎水性シリカ粒子が沈み始め、完全に沈んだ時の滴下メタノールのml数を読み、次式から求める。
疎水化度(%)
=(滴下メタノールのml数/(50+滴下メタノールのml数))×100・・・
数式(2)
前記疎水性シリカ粒子に加えて、その他の外添剤を併用することも可能であり、無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが挙げられる。
前記外添剤の前記トナーにおける含有量としては、0.01質量%〜5.0質量%が好ましく、0.01質量%〜2.0質量%がより好ましい。
<<その他の成分>>
トナーに含有されるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等が挙げられる。
近年、高画質化を達成するため、小粒径で球形に近い形状のトナーが用いられているが、トナークリーニングが困難になることから、外添剤として疎水性シリカ粒子などの外添剤をトナー表面に用いることによって、クリーニング性の向上、感光体とトナー間又は、中間転写ベルトとトナー間の付着力低減効果を図っている。更にトナー間の付着力を低減し、流動性や帯電特性の向上を図ることができる。
しかし、前記シリカ粒子などの外添剤は一旦トナーから離脱すると電子写真感光体表面に付着しやすく、更に付着した外添剤が徐々に蓄積したり、更に付着した外添剤にトナー樹脂が付着することで、付着物が増大し、付着物が画像として現れる異常画像を発生しやすい。特に、表面層を有するクリーニングブレードにおいては、外添剤が感光体に強く押し付けられることで、その結果、感光体に付着しやすい。
本発明においては、無機微粒子を有する電子写真感光体と、特定の積層構成を有する弾性ブレードを備えるクリーニングブレードを用いることにより、感光体とクリーニングブレードの高い耐久性を得ることが可能となり、更に感光体上にシリカ粒子付着を防止することが可能となるため、長期にわたって、高精細及び高画質な画像を形成することができる。
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、部及び%は質量基準である。まず、本発明において使用する電子写真感光体について記述する。
導電性支持体としての直径40mmのアルミニウムシリンダーに、下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液を、順次浸漬塗布・乾燥し、約3.5μmの下引き層、約0.2umの電荷発生層、約25μmの電荷輸送層を形成し、積層感光体を作製した。各層の塗工後に指触乾燥を行なった後、下引き層は130℃、電荷発生層は130℃、電荷輸送層は120℃で各々20分乾燥を行ない、導電性支持体/下引き層/電荷発生層/電荷輸送層からなる電子写真感光体を作製した。
(下引き層用塗工液)
・酸化チタン
(CR−EL 一次粒径0.25μm 粒子密度4.3g/cm 石原産業社製)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50部
・アルキッド樹脂
(ベッコライトM6401−50、固形分:50%、大日本インキ化学工業社製)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14部
・メラミン樹脂(L−145−60、固形分:60%、大日本インキ化学工業社製)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8部
・2−ブタノン:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・70部
(電荷発生層塗工液)
下引き層上に下記構造のビスアゾ顔料を含む電荷発生層塗工液に浸漬塗工し、加熱乾燥させ、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
電荷発生層塗工液
・ビスアゾ顔料;
Figure 2014178406

・ポリビニルブチラール(XYHL:UCC)
・シクロヘキサノン
混合比(質量):ビスアゾ顔料/ポリビニルブチラール/シクロヘキサノン
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・=5/1/300
(電荷輸送層塗工液)
・ビスフェノールZ型ポリカーボネート(パンライト TS2050、帝人化成社製)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10部
・下記構造の電荷輸送物質・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7部
Figure 2014178406
・テトラヒドロフラン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・68部
・1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液・・・・・・・・・・・・0.2部
(KF50−1CS、信越化学工業製)
[実施例1]
下記組成の表面層塗工液をスプレー塗布し、150℃、30分乾燥させて電子写真感光体を作製した。
(表面層塗工液)
・ビスフェノールZ型ポリカーボネート(パンライト TS2050、帝人化成社製)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11.0部
・Al2
(Nanotek Powder Al2O一次粒径31nm、粒子密度3.5g/cm3 CIKナノテック社製)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.9部
・溶媒テトラヒドロフラン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・97.2部
・ シクロヘキサノン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27.8部
表面層塗工液をスプレー塗布し、表2に示した条件で表面層を作製した。なお、試作条件にランプ出力、照度、時間の記載があるものについては、メタルハライドランプを用いて紫外線照射を行った。保護層の膜厚は約3μmであった。
[実施例2]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用い膜厚を約3μmに調節した表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、実施例2の電子写真感光体を作製した。
[実施例3]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用い膜厚を約3μmに調節した表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、実施例3の電子写真感光体を作製した。
[実施例4]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用い膜厚を約3μmに調節した表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、実施例4の電子写真感光体を作製した。
[実施例5]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、実施例5の電子写真感光体を作製した。
[実施例6]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、実施例6の電子写真感光体を作製した。
[実施例7]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、実施例7の電子写真感光体を作製した。
[実施例8]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、実施例8の電子写真感光体を作製した。
[実施例9]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表1に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、実施例9の電子写真感光体を作製した。
[実施例10]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、実施例10の電子写真感光体を作製した。
[実施例11]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、実施例11の電子写真感光体を作製した。
[実施例12]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、実施例12の電子写真感光体を作製した。
[実施例13]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、実施例13の電子写真感光体を作製した。
[実施例14]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、実施例14の電子写真感光体を作製した。
[実施例15]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、実施例15の電子写真感光体を作製した。
[実施例16]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、実施例16の電子写真感光体を作製した。
[実施例17]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、実施例17の電子写真感光体を作製した。
[実施例18]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、実施例18の電子写真感光体を作製した。
[実施例19]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、実施例19の電子写真感光体を作製した。
[実施例20]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、実施例20の電子写真感光体を作製した。
[実施例21]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、実施例21の電子写真感光体を作製した。
[実施例22]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、実施例22の電子写真感光体を作製した。
[実施例23]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を形成した他は、実施例1と同様に処理して、実施例23の電子写真感光体を作製した。
[実施例24]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、実施例24の電子写真感光体を作製した。
[実施例25]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、実施例25の電子写真感光体を作製した。
[実施例26]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、実施例26の電子写真感光体を作製した。
[比較例1]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、比較例1の電子写真感光体を作製した。
[比較例2]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、比較例2の電子写真感光体を作製した。
[比較例3]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、比較例3の電子写真感光体を作製した。
[比較例4]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、比較例4の電子写真感光体を作製した。
[比較例5]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、比較例5の電子写真感光体を作製した。
[比較例6]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、比較例6の電子写真感光体を作製した。
[比較例7]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、比較例7の電子写真感光体を作製した。
[比較例8]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表1に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、比較例8の電子写真感光体を作製した。
[比較例9]
実施例1で用いた積層感光体と全く同様に作製した感光体上に、表1に示される組成の表面層塗工液を用いた膜厚約3μmの表面層を、表2に示される試作条件に従って形成した他は、実施例1と同様に処理して、比較例9の電子写真感光体を作製した。
Figure 2014178406
表1に記載の材料を以下に示す。
≪樹脂≫
・ポリカーボネート;(ビスフェノールZ型ポリカーボネートパンライト TS2050、帝人化成社製)
・TMPTA;(トリメチロールプロパントリアクリレートKAYARAD TMPTA、日本化薬社製、分子量296 官能基数3 官能基当量分子量99 樹脂密度1.1g/cm3
・フェノールレジン;(PR−51206 住友ベークライト社製 固形分濃度70%
樹脂密度1.4g/cm3
・TMP;(トリメチロールプロパン、関東化学社製)
Figure 2014178406
・イソシアネート;(ポリイソシアネート ミリオネート MS−50 日本ポリウレタン工業社製)
・HDDA;(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート ダイセル・サイテック社)
・DPHA;(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートダイセル・サイテック社製)
・DPHA−2;(カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート DPCA−120 日本化薬社製)
・PETTA;(ペンタエリスリトールテトラアクリレート SR295 サートマー社製)
・DMPTA;(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートSR355 サートマー社製)
・PEITA;(ペンタエリスリトールトリアクリレート ダイセル・サイテック社製)
≪重合開始剤≫
・I−184 (イルガキュア I−184、即ち1−ヒドロキシヘキシルフエニルケトン、チバスペシャリティーケミカルズ社製)
≪無機微粒子≫
・Al2
(NanoTek Powder Al2O一次粒径31nm、粒子密度3.5g/cm3 CIKナノテック社製)
・TiO2
(NanoTek Powder TiO2 一次粒径36nm、粒子密度3.7g/cm3 CIKナノテック社製)
・Ga−ZnO
(Gaドープ酸化亜鉛Pazet GK−40 平均粒径32nm、粒子密度5.8g/cm3 ハクスイテック社製)
・Al−ZnO
(Alドープ酸化亜鉛、Pazet CK、平均粒径35nm、粒子密度5.8g/cm3 ハクスイテック社製)
≪電荷輸送剤≫
・電荷輸送剤A トリフェニル系電荷輸送材料
・電荷輸送剤B トリフェニル系電荷輸送材料
≪ブレード≫
・DPHA−1;(カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートDPCA−60 日本化薬社製 )
・TMPTA;(トリメチロールプロパントリアクリレート SR351 サートマー社製)
・PEITA;(ペンタエリスリトールトリアクリレート ダイセル・サイテック社製)
・PETTA;(ペンタエリスリトールテトラアクリレート SR295 サートマー社製)
・DMPTA;(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355 サートマー社製)
・TMP;(トリメチロールプロパン、関東化学社製)
Figure 2014178406

・イソシアネート;(ポリイソシアネート ミリオネート MS−50 日本ポリウレタン工業社製)
<フィラー体積含有率算出>
フィラー観察方法としては、感光体断片に導電性付与のために白金パラジウムをコートし、表面保護のため白金カーボンによるデポ(コート)を行ない、観察サンプルを作製した。サンプルを収束イオンビーム(FIB)を用いて断面加工を行ない、サーマルFE−SEMにて10000倍での観察を行なった。FIB装置としてはQuanta2000 3D(日本FEI株式会社製)、サーマルFE−SEMとしてULTRA55(カールツァイス社製)を用いた。
SEM画像を画像解析ソフトLMeye(レーザーテック社製)を用い、画像データをフィラー部と、フィラーが存在しない部分とで2値化した。2値化した部分の面積比を同ソフトで算出しフィラー部の占有面積をS1、フィラーが存在しない部分の面積をS2として観察断面における有機無機複合微粒子の占める面積割合を得た。次いで、その面積比率を体積比率に換算(面積比率の3/2乗)することにより、該有機無機複合微粒子の表面層に占める割合を算出した。なお、10枚SEM画像を取得し、それらの平均値をフィラー体積含有率とした。
−ユニバーサル硬度の測定−
前記ユニバーサル硬度の測定は、電子写真感光体の状態で下記条件において5回測定することにより行い、それらの平均値を電子写真感光体のユニバーサル硬度とした。
〔条件〕
装置:フィッシャースコープ H−100(フィッシャー・インストルメンツ社製)
ソフト:WIN−HCU(フィッシャー・インストルメンツ社製)
最大試験荷重:1mN
荷重アプリケーション時間:30秒間
荷重の増加:1mN/30秒間
最大試験荷重でのクリープ:5秒間
荷重の減少:荷重の増加と同条件
徐荷後のクリープ:5秒間
圧子:SMC117
−弾性仕事率の測定−
前記弾性仕事率の測定は、前記ユニバーサル硬度と同様の方法により測定した。
前記弾性仕事率は、下記数式(1)を用いて算出した。

弾性仕事率(%)=100×(最大変位−塑性変位)/最大変位 ・・・数式(1)
<表面抵抗率測定>
各電界強度における電子写真感光体の表面抵抗率を測定した。
前記表面固有抵抗率R1は、前記表面層における電界強度が1×10V/cmであるときの表面固有抵抗率を測定した。前記電界強度(1×10V/cm)の設定は、電極(長さ:10mm、電極間隙:25μm)を電子写真感光体表面に形成し、前記電極間隙から算出される適性バイアスを電極に印加することにより行った。前記表面固有抵抗率R1は、電子写真感光体の表面層における上端部から70mm、170mm、及び270mmの三箇所の位置で測定した値の平均値とした。
前記表面固有抵抗率R3は、前記表面層における電界強度が3×10V/cmであるときの表面固有抵抗率を測定した。前記電界強度(3×10V/cm)の設定は、電極(長さ:10mm、電極間隙:25μm)を電子写真感光体表面に形成し、前記電極間隙から算出される適性バイアスを電極に印加することにより行った。前記表面固有抵抗率R3は、電子写真感光体の表面層における上端部から70mm、170mm、及び270mmの三箇所の位置で測定した値の平均値とした。
前記表面固有抵抗率R15は、前記表面層における電界強度が1.5×10V/cmであるときの表面固有抵抗率を測定した。前記電界強度(1.5×10V/cm)の設定は、電極(長さ:10mm、電極間隙:25μm)を電子写真感光体表面に形成し、前記電極間隙から算出される適性バイアスを電極に印加することにより行った。前記表面固有抵抗率R15は、電子写真感光体の表面層における上端部から70mm、170mm、及び270mmの三箇所の位置で測定した値の平均値とした。
各表面抵抗率の測定は、下記条件にて行った。結果を表3に示す。
・電流−電圧計:Keithley社製 ソースメジャーユニット タイプ2410
・電極金属 :金
・電極長さ :10mm
・電極間隙 :25μm
・測定雰囲気 :25℃/50%RH
・測定時間 :70秒間(電圧印加後60秒後の電流値から表面抵抗を算出)
Figure 2014178406
−クリーニングブレード作製−
続いて、本発明において使用するクリーニングブレードについて記述する。
(ブレード作成例)
[基材弾性ブレード]
弾性ブレード622としては、25[℃]における物性が以下の物性となっている5つのウレタンゴムを用意した。
ウレタンゴム1:硬度66度、反発弾性率46[%](バンドー化学製)
ウレタンゴム2:硬度70度、反発弾性率50[%](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム3:硬度72度、反発弾性率31[%](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム4:硬度75度、反発弾性率21[%](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム5:硬度77度、反発弾性率19[%](シンジーテック製)
ウレタンゴムの硬度は、島津製作所製デュロメーターを用い、JIS K6253に準じて測定した。試料は厚さ12[mm]以上となるように約2[mm]のシートを重ね合わせたものとした。
ウレタンゴムの反発弾性は、東洋精機製作所製No.221レジリエンステスタを用い、JIS K6255に準じて測定した。試料は厚さ4[mm]以上となるように約2[mm]のシートを重ね合わせたものとした。
上記ウレタンゴムを用いて厚さ1.8[mm]の短冊形状の弾性ブレードを作成し、この弾性ブレードに以下の処理を加えて、電子写真感光体接触部全領域に、基材を構成する物質とアクリル又は/及びメタクリル樹脂との混合層及びアクリル又は/及びメタクリル樹脂表面層を作製した。
[ブレード混合層作製材料]
以下の混合層材料液中に基材弾性ブレードを所定時間浸漬し、基材とアクリル又は/及びメタクリル樹脂との混合層を設けた。
Figure 2014178406
[ブレード表面層作製材料]
以下の表面層材料液をスプレー塗工方法で、基材を構成する物質とアクリル又は/及びメタクリル樹脂との混合層表面上に塗工し、アクリル又は/及びメタクリル樹脂表面層を製膜した。表面層材料1〜4に関しては、紫外線照射により光架橋反応を行なった。また表面層材料5に関しては、加熱により熱架橋反応を行なった。表面層膜厚は、スプレー塗工条件(吐出量、塗工速度)を制御して所定膜厚の表面層を作製した。
Figure 2014178406
クリーニングブレード
Figure 2014178406
[各感光体とブレードの組合せに対する評価法]
作製した弾性ブレードをリコー製カラー複合機 imagio MP C4500に搭載できる板金ホルダーに接着剤により固定し、クリーニングブレードとした。これを同じくリコー製カラー複合機 imagio MP C4500に取り付けた。なお、クリーニングブレードは、線圧:20[g/cm]、クリーニング角:79[°]となるように取り付けた。使用した電子写真感光体とブレードの組み合わせを表6に示す。上記ブレード及び感光体をリコー製カラー複合機 imagio MP C4500に取り付け、画像形成装置を作製し、以下のように評価を行った。
評価には、重合法により作製したトナーを用いた。
トナー母体は円形度0.98、平均粒径4.9[μm]であった。
(トナー製造例1)
(母体粒子の作製)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部及びジブチルスズオキシド2部を投入し、常圧下、230℃で8時間反応させた。次に、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させた後、反応槽中に無水トリメリット酸44部を添加し、常圧下、180℃で2時間反応させて、未変性ポリエステル樹脂を合成した。
得られた未変性ポリエステル樹脂は、数平均分子量が2500、重量平均分子量が26000、ガラス転移温度が43℃、酸価が25mgKOH/gであった。
水1200部、カーボンブラックPrintex35(デクサ社製;DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5)540部及び未変性ポリエステル樹脂1200部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。二本ロールを用いて、得られた混合物を150℃で30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、未変性ポリエステル樹脂378部、カルナバワックス110部、サリチル酸金属錯体E−84(オリエント化学工業社製)22部及び酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下、80℃まで昇温し、80℃で5時間保持した後、1時間かけて30℃まで冷却した。次に、反応容器中に、マスターバッチ500部及び酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合して原料溶解液を得た。
得られた原料溶解液1324部を反応容器に移し、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填し、送液速度が1kg/時、ディスク周速度が6m/秒の条件で3パスして、カルナバワックスを分散させ、ワックス分散液を得た。
次に、ワックス分散液に未変性ポリエステル樹脂の65重量%酢酸エチル溶液1324部を添加した。上記と同様の条件でウルトラビスコミルを用いて1パスして得られた分散液200部に、少なくとも一部にベンジル基を有する第4級アンモニウム塩で変性した層状無機鉱物モンモリロナイト(クレイトンAPA Southern Clay Products社製)3部を添加し、T.K.ホモディスパー(特殊機化工業社製)を用いて、30分間攪拌し、トナー材料の分散液を得た。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部及びジブチルスズオキシド2部を仕込み、常圧下、230℃で8時間反応させた。次に、10〜15mHgの減圧下で、5時間反応させて、中間体ポリエステル樹脂を合成した。
得られた中間体ポリエステル樹脂は、数平均分子量が2100、重量平均分子量が9500、ガラス転移温度が55℃、酸価が0.5mgKOH/g、水酸基価が51mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、中間体ポリエステル樹脂410部、イソホロンジイソシアネート89部及び酢酸エチル500部を仕込み、100℃で5時間反応させて、プレポリマーを合成した。得られたプレポリマーの遊離イソシアネート含有量は、1.53重量%であった。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン170部及びメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応させ、ケチミン化合物を合成した。得られたケチミン化合物のアミン価は、418mgKOH/gであった。
反応容器中に、トナー材料の分散液749部、プレポリマー115部及びケチミン化合物2.9部を仕込み、TK式ホモミキサー(特殊機化製)を用いて5000rpmで1分間混合して、油相混合液を得た。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、水683部、反応性乳化剤(メタクリル酸のエチレンオキシド付加物の硫酸エステルのナトリウム塩)エレミノールRS−30(三洋化成工業社製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400rpmで15分間撹拌し、乳濁液を得た。乳濁液を加熱して、75℃まで昇温して5時間反応させた。次に、1重量%過硫酸アンモニウム水溶液30部を添加し、75℃で5時間熟成して、樹脂粒子分散液を調製した。
次に、水990部、樹脂粒子分散液83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5重量%水溶液エレミノールMON−7(三洋化成工業社製)37部、高分子分散剤カルボキシメチルセルロースナトリウムの1重量%水溶液セロゲンBS−H−3(第一工業製薬社製)135部及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、水系媒体を得た。
得られた水系媒体1200部に、油相混合液867部を加え、TK式ホモミキサーを用いて、13000rpmで20分間混合して、分散液(乳化スラリー)を調製した。
さらに、撹拌機及び温度計をセットした反応容器中に、乳化スラリーを仕込み、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、分散スラリーを得た。
続いて、分散スラリー100重量部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて12000rpmで10分間混合した後、濾過した。
得られた濾過ケーキに10重量%塩酸を加えて、pHを2.8に調整し、TK式ホモミキサーを用いて12000rpmで10分間混合した後、濾過した。
さらに、得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて12000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行い、最終濾過ケーキを得た。
得られた最終濾過ケーキを、循風乾燥機を用いて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。
(外添剤の添着)
得られたトナー母体粒子100部に対し、ヘキサメチルジシラザンで表面処理された疎水化度65%、平均一次粒子径140nmの疎水性シリカ1.5部を添加し、ヘンシェルミキサ(三井鉱山株式会社製)にて周速33m/sの条件の下、3分間混合した。混合後の粉体を目開き38μmのメッシュに通過させ、粗大粉を取り除き疎水化処理シリカを外添した静電荷像現像用トナー1を作製した。
トナー母体:円形度0.98、平均粒径4.9[μm]
<<評価>>
(感光体摩耗量)
上記評価は、実験室環境:23[℃]・55[%RH]、通紙条件:画像面積率5%チャートを100,000枚(A4横)、黒色で行った。そして、以下の基準で評価した。
(感光体摩耗量測定)
通紙終了後に感光体を取り出し、通紙試験前後の感光体の膜厚の差から、摩耗量を測定した。膜厚測定は、渦電流式膜厚計 フィッシャースコープMMS(フィッシャー社製)を用いた。
(画像品質)
上記通紙試験の前後で日本画像学会発行のテストチャートNo.3を出力し、下記基準にて画像品質の評価を行った。ランク3以上が実使用上問題のないレベルである。
5:異常なし
4:ごくわずかに画像欠陥がある
3:若干の画像欠陥があるが実用上問題なし
2:明らかに画像欠陥がある
(トナーすり抜け量評価、ブレードの鳴き評価)
10℃15%の温湿度条件に3時間放置後に通紙試験と同様の条件で画像面積率5%チャートにて100枚の通紙を行った。100枚通紙後にベタチャートを出力し、X−Rite938(エックスライト社製)にて測定した画像濃度(ID Image Density)が約1.4になるよう濃度の調整を行った。その後クリーニングブレードの下流にポリエチレン繊維で作製したトナーキャッチャー(東洋紡績製ダイニーマND−200)を装着し、クリーニング部をすり抜けたトナーをキャッチする機構を設けた。
続いてベタ画像を10枚出力し、トナーキャッチャーにキャッチされたトナーを、クリーニング部をすり抜けたトナーとし、このトナー量を定量化しクリーニング性の評価を行った。
クリーニング部をすり抜けたトナー量は以下の画像処理にて定量化した。トナーキャッチャーをスキャナー(EPSON ES−8500)を用い、24bit カラー 600dpiの条件で取り込んだ。取り込んだ画像をLMeye(レーザーテック社製)にて2値化の後に画像処理を行い、トナーの輝度データ及びトナーキャッチャー中のトナー面積を算出した。これらのデータからトナーキャッチャー中のトナー量を、トナーすり抜け量として定量化した。この値が小さいほどトナークリーニング性は良好である。
また、本試験において、通紙中のブレードの鳴きを下記基準にしたがって評価した。ランク以上が実使用上問題のないレベルである。
5:発生なし
4:わずかに発生
3:小音でまれに発生
2:大音量で発生
上記試験結果を表7に示す。
Figure 2014178406
上記試験結果より、本発明の電子写真装置は低温環境でも良好なクリーニング性を示し、ブレードの鳴きが少なく、長期間に渡り安定に使用することができる。
1 作像ユニット
2 枠体
3 電子写真感光体
4 帯電ローラ
5 現像装置
6 クリーニング装置
7 一次転写ローラ
10 潤滑剤塗布装置
14 中間転写ベルト
21 支持体
22 感光層
24 下引き層
25 電荷発生層
26 電荷輸送層
28 保護層
40 光書込ユニット
41 ポリゴンミラー
51 現像ローラ
52 供給スクリュ
53 撹拌スクリュ
54 ドクタ
55 レジストローラ対
60 転写ユニット
62 クリーニングブレード
62a ブレード先端面
62b ブレード下面
62c 電子写真感光体接触部
62d 含浸部分
63 第一ブラケット
64 第二ブラケット
66 二次転写バックアップローラ
67 駆動ローラ
68 補助ローラ
69 テンションローラ
70 二次転写ローラ
80 定着ユニット
81 加圧加熱ローラ
82 定着ベルトユニット
83 加熱ローラ
84 定着ベルト
85 テンションローラ
86 駆動ローラ
87 排紙ローラ対
88 スタック部
100 トナーカートリッジ
101 ファーブラシ
103 固形潤滑剤
103a 潤滑剤加圧スプリング
103b ブラケット
123 電子写真感光体
151 第一給紙カセット
151a 第一給紙ローラ
152 第二給紙カセット
152a 第二給紙ローラ
153 給紙路
154 搬送ローラ対
162 ベルトクリーニングユニット
162a ベルトクリーニングブレード
500 プリンタ
621 ホルダー
622 弾性ブレード
623 表面層
特許第3602898号公報 特開2004−233818号公報 特許第2795566号公報

Claims (11)

  1. 少なくとも電子写真感光体、クリーニングブレード部を有する画像形成装置において、該電子写真感光体が導電性支持体上に、少なくとも感光層及び表面層をこの順に有する電子写真感光体であって、前記表面層が電荷輸送性を有しない樹脂と無機微粒子とを少なくとも含有し、前記表面層中の無機微粒子の含有量が、7体積%〜40体積%であり、且つクリーニングブレード部が短冊形状の弾性ブレードを有し構成され、該弾性ブレードの電子写真感光体接触部が、基材と、該基材を構成する材料とアクリルまたは/及びメタクリル樹脂とからなる膜厚1.0μm以上の混合層と、膜厚0.1μm以上のアクリル又は/及びメタクリル表面樹脂層と、からなる積層構成のクリーニングブレードであることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記電子写真感光体の前記表面層に含有される前記無機微粒子が、第13族元素をドープした酸化亜鉛であり、前記表面層における電界強度が1×10V/cmであるときの表面固有抵抗率R1が、1013Ω/cm以上であり、前記表面固有抵抗率R1と、前記表面層における電界強度が1.5×10V/cmであるときの表面固有抵抗率R15との比(R1/R15)が、100〜5,000であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記表面固有抵抗率R1と、表面層における前記電界強度が3×10V/cmであるときの表面固有抵抗率R3との比(R1/R3)が、0.1〜10である請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記第13族元素をドープした酸化亜鉛が、ガリウム元素をドープした酸化亜鉛である請求項2又は3に記載の画像形成装置。
  5. 前記電荷輸送性を有しない樹脂が、架橋構造を有する請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記表面層が電荷輸送性化合物を更に含有し、電荷輸送性化合物の含有量が、前記表面層100質量部に対して40質量部以下である請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記該弾性ブレードの電子写真感光体接触部のアクリル又は/及びメタクリル表面樹脂層の厚さが、0.5μm以上1.0μm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記該弾性ブレードの電子写真感光体接触部の基材を構成する材料とアクリル又は/及びメタクリル樹脂との混合層の厚さが、10μm以上30μm以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 少なくとも電子写真感光体と、電子写真感光体表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段とを一体に備えた画像形成装置用プロセスカートリッジを脱着自在に搭載し、
    帯電手段によって帯電させられた前記電子写真感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、潜像形成手段によって形成された静電潜像の画像部にトナーを付着させる現像手段と、転写プロセス後に電子写真感光体表面に残留したトナーを除去する前記クリーニング手段とを有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 電子写真感光体と、クリーニングブレードを用いて、少なくとも該電子写真感光体を帯電させる帯電プロセスと、帯電プロセスによって帯電させられた電子写真感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成プロセスと、潜像形成プロセスによって形成された静電潜像の画像部に前記トナーを付着させる現像プロセスと、現像プロセスによって形成された顕像を被転写体に転写する転写プロセスと、転写プロセス後に電子写真感光体表面に残留したトナーを除去するクリーニングプロセスとを繰り返し行う画像形成方法であって、前記電子写真感光体は、導電性支持体上に、少なくとも感光層及び表面層をこの順に有し、前記表面層が電荷輸送性を有しない樹脂と無機微粒子とを少なくとも含有し、前記表面層中の無機微粒子の含有量が、7体積%〜40体積%のものであり、前記クリーニングブレードは、クリーニングブレード部が短冊形状の弾性ブレードを有し構成され、該弾性ブレードの電子写真感光体接触部が、基材と、該基材を構成する材料とアクリルまたは/及びメタクリル樹脂とからなる膜厚1.0μm以上の混合層と、膜厚0.1μm以上のアクリル又は/及びメタクリル表面樹脂層と、からなる積層構成のものであることを特徴とする画像形成方法。
  11. 少なくとも、クリーニングブレード部材を有し、かつ電子写真感光体、帯電、露光、現像、転写、除電の各部材から選択された1つ以上の部材が一体化されていてもよいプロセスカートリッジであって、該クリーニング部材は、クリーニングブレード部が短冊形状の弾性ブレードを有し構成され、該弾性ブレードの電子写真感光体接触部が、基材と、該基材を構成する材料とアクリルまたは/及びメタクリル樹脂とからなる膜厚1.0μm以上の混合層と、膜厚0.1μm以上のアクリル又は/及びメタクリル表面樹脂層と、からなる積層構成のものであり、前記電子写真感光体は、導電性支持体上に、少なくとも感光層及び表面層をこの順に有し、する電子写真感光体であって、前記表面層が電荷輸送性を有しない樹脂と無機微粒子とを少なくとも含有し、前記表面層中の無機微粒子の含有量が、7体積%〜40体積%のものであり、請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成装置に着脱可能としたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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