JP3944134B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
電子写真装置に用いられる電子写真感光体には、電子写真プロセスに応じた所定の感度、電気特性、光学特性を備えていることが要求されるが、特に、電子写真感光体の表面層には、帯電、トナーによる現像、転写材への転写、残存トナーのクリーニングといった電気的、機械的外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。具体的には、摺擦による傷や摩耗に対する耐久性、特に放電を伴う帯電方式を採用する場合には、高湿下で顕著に発生するオゾンや窒素酸化物などによる化学的な劣化に対する耐久性が要求される。さらに、残存トナーのクリーニング時には、電子写真感光体表面へのトナー付着や、ブレードクリーニングを行う際のブレードめくれといった問題があるため、表面の滑り性、離型性、耐汚染性といった特性が要求される。
このような要求に応えるために、電子写真感光体の表面層の材料として、フッ素原子含有樹脂に代表されるような離型性、滑り性に優れた樹脂や、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和エステル材料などに代表されるような高硬度の樹脂材料を用いることが提案されている。
しかし、先に述べたような種々の特性を満たすような材料は、いまだ見いだされていない。例えば、フッ素原子含有樹脂単独では硬度が低く、傷の発生を抑えることは困難であるし、フッ素原子含有樹脂は一般溶剤に難溶であるため、成膜が容易ではない。
また、特開昭61−072257号公報には、アルコキシシランの高い反応性を利用した硬化性シリコーン樹脂のような高硬度な材料を電子写真感光体に用いる例が開示されているが、これらの硬化性材料は、滑り性や、高湿下での電気特性、離型性といった面で十分ではなかった。さらに、これらの硬化性材料は、水酸基との反応性が高いため、感光層を塗工により形成する際の溶剤の制約があり、また、水分の影響によって硬化反応が徐々に進行するため、塗布液の安定も劣っており、電子写真感光体の生産性という点においても問題があった。
また、特開昭62−014657号公報に開示されている、ジアリルフタレート樹脂のプレポリマーような不飽和結合の開裂を利用して硬化膜を形成する材料は、一般的にラジカル重合性であり、この材料を用いた塗布液は水分に対しては比較的安定なものの、空気中の酸素による重合阻害効果による膜表面での硬化不良、光開始剤を用いた場合に光照射による炭素−炭素結合の切断反応などにより、絶縁抵抗などの電気特性の不安定な硬化物しか得られない。そのため、電子写真感光体の表面自由エネルギーの上昇による転写効率の低下や吸湿による画像ボケといった問題があった。
一方、電子写真感光体の表面層に用いる材料としては、上述の硬度、耐摺擦性や滑り性といった表面的な特性のみならず、表面層内部においても電荷の移動を滞らせることがないような電気的特性が求められる。電子写真感光体の表面層に電荷を移動させる機能がない場合には、感光層内部に電荷の蓄積を生じ、帯電−露光の電子写真プロセスを繰り返すことで、残留電位の上昇を招き、出力画像の品位を低下させることになる。
この点を解決するため、表面層中に電荷輸送物質を含有させる方法が提案されているが、例えば、アルコキシシランに電荷輸送物質を添加して硬化を行った場合には、アルコキシシランのシロキサン成分と電荷輸送物質との相溶性が悪い場合が多く、また、ウレタン樹脂のような極性の高いユニットを含む樹脂中に電荷輸送物質を含有させた場合は、電荷輸送物質による電荷の移動度が低減し、満足な電子写真特性を得られないのが実情である。
さらに、熱硬化性樹脂の中には、加熱処理を施すだけでは不十分で、硬化促進剤や重合開始剤といった硬化触媒を添加させなければならない材料が種々見受けられる。しかし、このような硬化触媒が硬化膜中に残留した場合には、微量でも電荷の移動を阻害したり、あるいは、硬化膜の電気抵抗が低下したりするといった弊害を招く可能性がある。
また、硬化触媒を添加した塗布液は、常温においても徐々に反応が進行しやすい傾向にあり、結果として塗布液安定性が悪くなり、大量に塗布液を製造、保管することが困難となる弊害も発生する。
また、特開平10−228126号公報などには、ヒドロキシフェニル基やヒドロキシアルキル基を有する電荷輸送物質を電子写真感光体の表面層に含有する例が開示されてはいるが、これらの電子写真感光体においても、いまだ近年の高耐久、高生産性、高画質化の要求には応じられてはおらず、機械的強度や残留電位、生産性などの点の全てを十分に満足できていないのが実情である。
特開昭61−072257号公報 特開昭62−014657号公報 特開平10−228126号公報
本発明の目的は、硬化触媒を加えることなく、耐摩耗性に優れ、傷などが発生しないだけの硬度を有し、なおかつ、電子写真感光体本来の電荷輸送性を低下させない硬化型の表面層を有する電子写真感光体を提供することである。
また、本発明の別の目的は、高い生産性で塗工可能な表面層を有する電子写真感光体を提供することである。
また、本発明のさらに別の目的は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することである。
本発明は、支持体および該支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体において、
該電子写真感光体の表面層が、
電荷輸送物質および導電性粒子の少なくとも一方と、
下記式(1)で示される構造を有するポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、下記式(2)で示される構造を有するビスフェノールモノマーがメチレン基を介して縮合した構造を有しかつ2〜4個のヒドロキシメチル基を有するポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー、下記式(3)で示される構造を有するポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、および、下記式(4)で示される構造を有するトリスフェノールモノマーがメチレン基を介して縮合した構造を有しかつ2〜6個のヒドロキシメチル基を有するポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーからなる群より選択される少なくとも1種を重合して得られる重合物と
を含有することを特徴とする電子写真感光体である
Figure 0003944134
(式(1)中、X 11 は、単結合、カルボニル基、エーテル基、チオエーテル基、または、−CR 01 02 −基(R 01 およびR 02 は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基、または、置換もしくは無置換のフェニル基を示す、あるいは、R 01 とR 02 とが結合して形成される置換もしくは無置換の炭素原子数3〜6のシクロアルキリデン基を示す。ただし、R 01 およびR 02 の両方が置換もしくは無置換のフェニル基であることはない。)を示す。R 11 〜R 14 は、それぞれ独立に、ヒドロキシメチル基、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシメチル基以外の置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素原子数3〜6のシクロアルキル基、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示す。ただし、R 11 〜R 14 の少なくとも2個はヒドロキシメチル基である。)、
Figure 0003944134
(式(2)中、X 21 は、単結合、カルボニル基、エーテル基、チオエーテル基、または、−CR 01 02 −基(R 01 およびR 02 は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基、または、置換もしくは無置換のフェニル基を示す、あるいは、R 01 とR 02 とが結合して形成される置換もしくは無置換の炭素原子数3〜6のシクロアルキリデン基を示す。ただし、R 01 およびR 02 の両方が置換もしくは無置換のフェニル基であることはない。)を示す。R 21 〜R 24 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素原子数3〜6のシクロアルキル基、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示す。)、
Figure 0003944134
(式(3)中、Q 31 〜Q 36 は、それぞれ独立に、ヒドロキシメチル基、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシメチル基以外の置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルケニル基、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示す。ただし、Q 31 〜Q 36 の少なくとも2個はヒドロキシメチル基である。Y 31 は、下記式(31)で示される構造を有する3価基、下記式(32)で示される構造を有する3価基、または、下記式(33)で示される構造を有する3価基である。
Figure 0003944134
(式(31)中、X 311 〜X 313 は、それぞれ独立に、単結合、カルボニル基、エーテル基、チオエーテル基、または、−CR 01 02 −基(R 01 およびR 02 は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)を示す。Q 311 〜Q 313 は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)
Figure 0003944134
(式(32)中、Q 321 は、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)
Figure 0003944134
(式(33)中、X 331 は、単結合、カルボニル基、エーテル基、チオエーテル基、または、−CR 01 02 −基(R 01 およびR 02 は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)を示す。Q 331 は、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。))、
Figure 0003944134
(式(4)中、Q 41 〜Q 46 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルケニル基、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示す。Y 41 は、下記式(41)で示される構造を有する3価基、下記式(42)で示される構造を有する3価基、または、下記式(43)で示される構造を有する3価基である。
Figure 0003944134
(式(41)中、X 411 〜X 413 は、それぞれ独立に、単結合、カルボニル基、エーテル基、チオエーテル基、または、−CR 01 02 −基(R 01 およびR 02 は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)を示す。Q 411 〜Q 413 は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)
Figure 0003944134
(式(42)中、Q 421 は、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)
Figure 0003944134
(式(43)中、X 431 は、単結合、カルボニル基、エーテル基、チオエーテル基、または、−CR 01 02 −基(R 01 およびR 02 は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)を示す。Q 431 は、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。))
また、本発明は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置である。
本発明によれば、硬化触媒を加えることなく、耐摩耗性に優れ、傷などが発生しないだけの硬度を有し、なおかつ、電子写真感光体本来の電荷輸送性を低下させない硬化型の表面層を有する電子写真感光体を提供することができる。
また、本発明によれば、高い生産性で塗工可能な表面層を有する電子写真感光体を提供することができる。
また、本発明によれば、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の電子写真感光体の感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質を単一の層に含有させた単層型感光層であっても、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを積層した積層型感光層であってもよい。
図1に、本発明の電子写真感光体の層構成の例を示す。
図1(a)に示される層構成の電子写真感光体は、支持体4の上に電荷発生層3、電荷輸送層2が順に設けられており、さらにその上に表面層として、電荷輸送物質および導電性粒子の少なくとも一方と、2〜3個のベンゼン環および2〜4個のヒドロキシメチル基を有するポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー(本発明においては、単にポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマーともいう)、2〜3個のベンゼン環を有するビスフェノールモノマーが縮合した構造を有しかつ2〜4個のヒドロキシメチル基を有するポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー(本発明においては、単にポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマーともいう)、3〜4個のベンゼン環および2〜6個のヒドロキシメチル基を有するポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー(本発明においては、単にポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマーともいう)、3〜4個のベンゼン環を有するトリスフェノールモノマーが縮合した構造を有しかつ2〜6個のヒドロキシメチル基を有するポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマー(本発明においては、単にポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーともいう)を重合して得られる重合物とを含有する層1が設けられている。
また、図1(b)や(c)に示すように、支持体4と電荷発生層3の間に、バリア機能や接着機能を有する中間層(バリア層、接着層)5や、干渉縞防止などを目的とする導電層6などを設けてもよい。
また、図1(d)に示される層構成の電子写真感光体は、支持体4の上に電荷発生層3が設けられており、その上に表面層として、電荷輸送物質および導電性粒子の少なくとも一方と、ポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーを重合して得られる重合物とを含有する層1が直接設けられている。
その他、どのような層構成であっても、電子写真感光体の表面層に、電荷輸送物質および導電性粒子の少なくとも一方と、ポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーを重合して得られる重合物とが含有されていればよい。
本発明の電子写真感光体の支持体としては、導電性を有していればよく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属製の支持体を用いることができる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などを真空蒸着によって被膜形成された層を有する上記金属製支持体やプラスチック製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子を適当な結着樹脂と共にプラスチックや紙に含浸した支持体や、導電性結着樹脂を含有するプラスチックなどを用いることもできる。
上述のとおり、支持体上には、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。導電層は、カーボンブラック、金属粒子などの導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。導電層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることがより好ましい。
また、上述のとおり、支持体または導電層と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、バリア機能や接着機能を有する中間層を設けてもよい。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。中間層は、カゼイン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド、変性ポリアミド、ポリウレタン、ゼラチン、酸化アルミニウムなどの材料を用いて形成することができる。中間層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.1〜3μmであることがより好ましい。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料や、金属フタロシアニン、非金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料や、インジゴ、チオインジゴなどのインジゴ顔料や、ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドなどのペリレン顔料や、アンスラキノン、ピレンキノンなどの多環キノン顔料や、スクワリリウム色素や、ピリリウム塩およびチアピリリウム塩や、トリフェニルメタン色素や、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコンなどの無機物質や、キナクリドン顔料や、アズレニウム塩顔料や、シアニン染料や、キサンテン色素や、キノンイミン色素や、スチリル色素や、硫化カドミウムや、酸化亜鉛などが挙げられる。
感光層が積層型感光層の場合、電荷発生層に用いる結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂などが挙げられる。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷発生層用塗布液に用いる溶剤は、使用する結着樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択されるが、有機溶剤としてはアルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物などが挙げられる。
電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤と共に分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。分散方法としては、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルなどを用いた方法が挙げられる。電荷発生物質と結着樹脂との割合は、1:0.3〜1:4の範囲が好ましい。また、電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.01〜1μmであることがより好ましい。
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリールメタン化合物などが挙げられる。
例えば、図1(a)、(b)および(c)中の電荷輸送層2のように、電子写真感光体の表面層ではない電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリフェニレンオキシド、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、不飽和樹脂などが挙げられる。特には、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリルフタレート樹脂が好ましい。
この電荷輸送層は、電荷輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解して得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。電荷輸送物質と結着樹脂との割合は、2:1〜1:2(質量比)の範囲が好ましい。溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、クロロベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン原子で置換された炭化水素などが用いられる。電荷輸送層用塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法などの塗布方法を用いることができる。塗布後に乾燥させる際、乾燥温度は10℃〜200℃の範囲が好ましく、特には20℃〜150℃の範囲がより好ましい。また、乾燥時間は5分〜5時間の範囲が好ましく、特には10分〜2時間の範囲が好ましい。乾燥は、送風乾燥であっても静止乾燥であってもよい。
電子写真感光体の表面層ではない電荷輸送層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には7〜30μmであることがより好ましい。
また、電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
上述のとおり、感光層上(例えば電荷輸送層上)に設けられる電子写真感光体の表面層、または、電荷発生層上に直接設けられる電子写真感光体の表面層は、ポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーを重合して得られる重合物を含有する。
電子写真感光体の表面層におけるポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーを重合して得られる重合物の含有量は、表面層全質量に対して10〜80質量%が好ましく、特には30〜60質量%がより好ましい。
本発明に用いられるポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーは、加熱処理を施すことにより、ヒドロキシメチル基同士の縮合反応によりエーテル結合、もしくは、さらに縮合反応が進みメチレン結合を形成したり、あるいは、ヒドロキシフェニル基中のヒドロキシ基のオルト位やパラ位の水素原子とヒドロキシメチル基との縮合反応によりメチレン結合を形成したりするが、これらの縮合反応が種々の分子間で起こることにより、架橋密度の高い三次元硬化膜が得られる。これらの縮合反応は、空気中の水分や酸素により阻害されることもなく、電荷輸送物質を添加した系においても十分に進行する反応である。
また、本発明に用いられるポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーの加熱処理による架橋反応には、熱硬化性樹脂の硬化の際に一般的に用いられるような硬化触媒を特に添加する必要がないという特長を有する。したがって、ポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーを電子写真感光体の表面層に用いれば、残留硬化触媒に起因する残留電位の上昇や表面層の抵抗低下といった問題も発生しない。
また、本発明に用いられるポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーは、硬化触媒を加える必要がないことや、イソシアネートやシリコーン樹脂とは異なりヒドロキシメチル基が水分に対して十分に安定であることから、電子写真感光体の表面層用塗布液の安定性も優れている。
本発明に用いられるポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマーは、単結合、カルボニル基、エーテル基、チオエーテル基、または、−CR0102−基(R01、R02は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基、または、置換もしくは無置換のフェニル基を示す、あるいは、R01とR02とが結合して形成される置換もしくは無置換の炭素原子数3〜6のシクロアルキリデン基を示す。ただし、R01およびR02の両方が置換もしくは無置換のフェニル基であることはない。)を介して結合したベンゼン環を2〜3個有するポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマーであることが好ましく、特には、下記式(1)で示される構造を有するポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマーであることがより好ましい。
Figure 0003944134
(式(1)中、X11は、単結合、カルボニル基、エーテル基、チオエーテル基、または、−CR0102−基(R01、R02は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基、または、置換もしくは無置換のフェニル基を示す、あるいは、R01とR02とが結合して形成される置換もしくは無置換の炭素原子数3〜6のシクロアルキリデン基を示す。ただし、R01およびR02の両方が置換もしくは無置換のフェニル基であることはない。)を示す。R11〜R14は、それぞれ独立に、ヒドロキシメチル基、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシメチル基以外の置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素原子数3〜6のシクロアルキル基、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示す。ただし、R11〜R14の少なくとも2個はヒドロキシメチル基である。)
また、本発明に用いられるポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマーは、単結合、カルボニル基、エーテル基、チオエーテル基、または、−CR0102−基(R01、R02は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基、または、置換もしくは無置換のフェニル基を示す、あるいは、R01とR02とが結合して形成される置換もしくは無置換の炭素原子数3〜6のシクロアルキリデン基を示す。ただし、R01およびR02の両方が置換もしくは無置換のフェニル基であることはない。)を介して結合したベンゼン環を2〜3個有するビスフェノールモノマーが縮合した構造を有するポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマーであることが好ましく、特には、下記式(2)で示される構造を有するビスフェノールモノマーがメチレン基を介して縮合した構造を有するポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマーであることがより好ましい。
Figure 0003944134
(式(2)中、X21は、単結合、カルボニル基、エーテル基、チオエーテル基、または、−CR0102−基(R01、R02は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基、または、置換もしくは無置換のフェニル基を示す、あるいは、R01とR02とが結合して形成される置換もしくは無置換の炭素原子数3〜6のシクロアルキリデン基を示す。ただし、R01およびR02の両方が置換もしくは無置換のフェニル基であることはない。)を示す。R21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素原子数3〜6のシクロアルキル基、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示す。)
また、上記式(1)中のX11あるいは上記式(2)中のX21が、炭素原子数3以上の2価基であれば、ポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマーの溶解性が向上し、より生産性に優れる塗布液の調製が可能となり好ましい。
また、上記式(1)中のX11あるいは上記式(2)中のX11が、環状構造を有する炭素原子数5以上の2価基であれば、ポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマーの溶解性の向上と共に、ポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマーの重合物を含有する電子写真感光体の表面層の強度が一段と向上するため好ましい。
また、電子写真感光体の表面層に電荷輸送物質を含有させる場合、上記式(1)中のX11あるいは上記式(2)中のX21が、ベンゼン環を有する2価基であれば、ポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマーと電荷輸送物質との相溶性が向上し、さらに芳香族ユニットが増えることによる電子分極の高まりにより、電子写真感光体の表面層における電荷の輸送能力が一段と向上するため好ましい。
また、上記式(1)中のX11あるいは上記式(2)中のX21が、エーテル基、チオエーテル基、または、ジ(トリフルオロメチル)メチレン基であれば、これら基が有するヘテロ原子により、ポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマーの重合物を含有する電子写真感光体の表面層の強度が一段と向上するため好ましい。
また、本発明に用いられるポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマーは、下記式(3)で示される構造を有するポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマーであることが好ましい。
Figure 0003944134
(式(3)中、Q31〜Q36は、それぞれ独立に、ヒドロキシメチル基、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシメチル基以外の置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルケニル基、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示す。ただし、Q31〜Q36の少なくとも2個はヒドロキシメチル基である。Y31は、下記式(31)で示される構造を有する3価基、下記式(32)で示される構造を有する3価基、または、下記式(33)で示される構造を有する3価基である。
Figure 0003944134
(式(31)中、X311〜X313は、それぞれ独立に、単結合、カルボニル基、エーテル基、チオエーテル基、または、−CR0102−基(R01、R02は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)を示す。Q311〜Q313は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)
Figure 0003944134
(式(32)中、Q321は、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)
Figure 0003944134
(式(33)中、X331は、単結合、カルボニル基、エーテル基、チオエーテル基、または、−CR0102−基(R01、R02は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)を示す。Q331は、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。))
また、本発明に用いられるポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーは、下記式(4)で示される構造を有するトリスフェノールモノマーがメチレン基を介して縮合した構造を有するポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーであることが好ましい。
Figure 0003944134
(式(4)中、Q41〜Q46は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルケニル基、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示す。Y41は、下記式(41)で示される構造を有する3価基、下記式(42)で示される構造を有する3価基、または、下記式(43)で示される構造を有する3価基である。
Figure 0003944134
(式(41)中、X411〜X413は、それぞれ独立に、単結合、カルボニル基、エーテル基、チオエーテル基、または、−CR0102−基(R01、R02は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)を示す。Q411〜Q413は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)
Figure 0003944134
(式(42)中、Q421は、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)
Figure 0003944134
(式(43)中、X431は、単結合、カルボニル基、エーテル基、チオエーテル基、または、−CR0102−基(R01、R02は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)を示す。Q431は、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。))
また、上記式(31)中のX311〜X313の少なくとも1つが、あるいは、上記式(33)中のX331が、あるいは、上記式(41)中のX411〜X413の少なくとも1つが、あるいは、上記式(43)中のX431が、炭素原子数3以上の2価基であれば、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーの溶解性が向上し、より生産性に優れる塗布液の調製が可能となり好ましい。
また、上記式(31)中のX311〜X313の少なくとも1つが、あるいは、上記式(33)中のX331が、あるいは、上記式(41)中のX411〜X413の少なくとも1つが、あるいは、上記式(43)中のX431が、エーテル基、または、チオエーテル基であれば、これら基が有するヘテロ原子により、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーの重合物を含有する電子写真感光体の表面層の強度が一段と向上するため好ましい。
また、電子写真感光体の表面層に電荷輸送物質を含有させる場合、上記式(3)中のY31が上記式(31)で示される構造を有する3価基であれば、あるいは、上記式(4)中のY41が上記式(41)で示される構造を有する3価基であれば、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーと電荷輸送物質との相溶性が向上し、さらに芳香族ユニットが増えることによる電子分極の高まりにより、電子写真感光体の表面層における電荷の輸送能力が一段と向上するため好ましい。
以下に、本発明に用いられるポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、および、本発明に用いられるポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマーを縮合によって得る際に用いられるビスフェノールモノマー(2〜3個のベンゼン環を有するビスフェノールモノマー)の具体例をまとめて示す。
なお、下記式(B−1)〜(B−55)中、RB1〜RB4は、それぞれ独立に、ヒドロキシメチル基または水素原子を示す。
また、ポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマーの場合、RB1〜RB4の2〜4個はヒドロキシメチル基である。なお、下記式(B−1)〜(B−55)のうちRB1〜RB4の1個以上が欠落している式の場合、欠落していないもののうちの2〜3個がヒドロキシメチル基である。
また、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマーを縮合によって得る際に用いられるビスフェノールモノマーの場合、RB1〜RB4はいずれも水素原子であってもヒドロキシメチル基であってもよいが、そのビスフェノールモノマーが縮合した構造を有するポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマーは、ヒドロキシメチル基を2〜4個有することが必須であることは、上述のとおりである。
Figure 0003944134
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本発明に用いられるポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマーは、例えば、特開平6−282067号公報、特開平6−312947号公報などに開示されている。
次に、本発明に用いられるポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、および、本発明に用いられるポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーを縮合によって得る際に用いられるトリスフェノールモノマー(2〜3個のベンゼン環を有するトリスフェノールモノマー)の具体例をまとめて示す。
なお、下記式(T−1)〜(T−25)中、RT1〜RT6は、それぞれ独立に、ヒドロキシメチル基または水素原子を示す。
また、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマーの場合、RT1〜RT6の2〜6個はヒドロキシメチル基である。なお、下記式(T−1)〜(T−25)のうちRT1〜RT6の1個以上が欠落している式の場合、欠落していないもののうちの2〜5個がヒドロキシメチル基である。
また、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーを縮合によって得る際に用いられるトリスフェノールモノマーの場合、RT1〜RT6はいずれも水素原子であってもヒドロキシメチル基であってもよいが、そのトリスフェノールモノマーが縮合した構造を有するポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーは、ヒドロキシメチル基を2〜6個有することが必須であることは、上述のとおりである。
Figure 0003944134
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Figure 0003944134
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本発明で用いられるポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーは、例えば、それらが有するヒドロキシメチル基をすべて水素原子に置き換えた構造のビスフェノールモノマーまたはトリスフェノールモノマーを出発物質として、これとアルデヒドとをアルカリ条件下で縮合反応させることで合成することができる(以下、ヒドロキシメチル化反応ともいう)。この縮合反応において、出発物質であるビスフェノールモノマーまたはトリスフェノールモノマーとアルデヒドとの比率や、反応系内のアルカリ条件や、反応温度や、濃度などにより、ビスフェノールモノマー、ビスフェノールオリゴマーまたはトリスフェノールモノマー、トリスフェノールオリゴマー1個あたりに結合するヒドロキシメチル基の数を調整することが可能である。
上述のとおり、本発明に用いられるポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーは、1個あたりヒドロキシメチル基が2個以上であることが必須であり、特には、ヒドロキシメチル基が3個以上であることが好ましい。ヒドロキシメチル基を1個しか有さないポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーの重合体は、三次元架橋構造にはならず、十分な硬度を得ることができないからである。
また、ポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマーと比べて分子量が高いポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーは、ワニス状になりやすいため、成膜性が著しく向上し、また、架橋密度を上げやすく高強度な膜を得やすくなる。
ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーのビスフェノールユニット、トリスフェノールユニット(例えば、上記式(2)で示される構造を有するビスフェノールモノマー起源のユニット、上記式(4)で示される構造を有するトリスフェノールフェノールモノマー起源のユニット)の数は2〜5が好ましい。
上記式(2)で示される構造を有するビスフェノールモノマーまたは上記式(4)で示される構造を有するトリスフェノールモノマーがメチレン基を介して縮合した構造を有するビスフェノールオリゴマーまたはトリスフェノールオリゴマーを合成する方法(メチレン基を介して上記式(2)で示される構造を有するビスフェノールモノマーまたは上記式(4)で示される構造を有するトリスフェノールモノマーをオリゴマー化する方法:以下、オリゴマー化反応ともいう)としては、例えば、酸性条件下で、上記式(2)で示される構造を有するビスフェノールモノマーまたは上記式(4)で示される構造を有するトリスフェノールモノマーとホルムアルデヒドとを縮合させる方法が挙げられる。
また、上述したヒドロキシメチル化反応の過程で、すでにヒドロキシメチル化した部位のヒドロキシメチル基と、まだヒドロキシメチル化していない部位の水素原子との間の縮合反応を共に進行させることで、つまり、ヒドロキシメチル化反応とオリゴマー化反応を共に進行させることで、上記式(2)で示される構造を有するビスフェノールモノマーまたは上記式(4)で示される構造を有するトリスフェノールモノマーがメチレン基を介して縮合した構造を有し、かつ、ヒドロキシメチル基を2個以上有するビスフェノールオリゴマーまたはトリスフェノールオリゴマーを合成することもできる。
本発明の電子写真感光体の表面層に含有させる上記ポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーは電荷輸送能を有さない。したがって、電子写真感光体の表面層には、滞りなく電荷を移動させるために、電荷輸送物質または導電性粒子を含有させる必要がある。
まず、電子写真感光体の表面層に含有させる電荷輸送物質について説明する。
電子写真感光体の表面層における電荷輸送物質の含有量は、表面層全質量に対して20〜80質量%が好ましく、特には30〜60質量%がより好ましい。また、表面層に含有されるポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーの重合体に対して、20〜200質量%が好ましく、特には50〜150質量%がより好ましい。
また、電荷輸送物質と、ポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーとの相溶性を考えると、この電荷輸送物質は、ヒドロキシ基を有する電荷輸送物質であることが好ましく、特には、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルコキシ基またはヒドロキシフェニル基を有する電荷輸送物質であることがより好ましい。
電荷輸送物質がヒドロキシアルキル基またはヒドロキシアルコキシ基を有する場合には、電荷輸送物質の溶剤に対する溶解性を向上させることができるため、電子写真感光体の表面層中における電荷輸送能を高い状態に維持することが可能である。これらのヒドロキシアルキル基やヒドロキシアルコキシ基のアルキル鎖における炭素原子数は、これら電荷輸送物質を合成する上での操作性や溶解性から1〜8であることが好ましく、特には3〜5であることがより好ましい。
また、電荷輸送物質がヒドロキシフェニル基を有する場合には、ポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーの重合反応(縮合反応・架橋反応)過程において、架橋反応がこの電荷輸送物質とポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーとの間でも起こり、形成される電子写真感光体の表面層の強度がさらに向上する。
また、本発明の電子写真感光体の表面層に含有させる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン構造を有する電荷輸送物質(トリアリールアミン化合物)が好ましく、特には、トリフェニルアミン構造を有する電荷輸送物質(トリフェニルアミン化合物)がより好ましい。
以下に、ヒドロキシ基を有する電荷輸送物質の具体例を示す。
Figure 0003944134
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次に、電子写真感光体の表面層に含有させる導電性粒子について説明する。
電子写真感光体の表面層における導電性粒子の含有量は、表面層全質量に対して20〜70質量%が好ましく、特には30〜60質量%がより好ましい。また、表面層に含有されるポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーの重合体に対して、10〜60質量%が好ましく、特には20〜50質量%がより好ましい。
導電性粒子としては、金属粒子、金属酸化物粒子、導電性ポリマー粒子、カーボンブラックなどが挙げられる。金属としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、ステンレス、銀など、または、これらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸着したものが挙げられる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、タンタルをドープした酸化スズ、タングステンをドープした酸化スズ、アンチモンをドープした酸化スズ、酸化ジルコニウムなどが挙げられる。導電性ポリマーとしては、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリピロールなどが挙げられる。
これらの導電性粒子の中でも、特に、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、タンタルをドープした酸化スズ、タングステンをドープした酸化スズ、アンチモンをドープした酸化スズが好ましい。
これら導電性粒子は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて用いる場合、単に混合して用いてもよいし、固溶体や融着の形にして用いてもよい。
また、本発明に用いられるこの導電性粒子の平均粒径は、光散乱を防止するという点から、0.3μm以下であることが好ましく、特に0.1μm以下であることがより好ましい。また、透明度の点から金属酸化物がより好ましい。
電子写真感光体の表面層自体がある程度の導電性を有さなければ電子写真特性を満足する電子写真感光体が得られないため、以下に述べる抵抗値を得られるように、電荷輸送物質および導電性粒子の少なくとも一方を含有させることが必要となる。
本発明において、電子写真感光体の表面層の体積抵抗率は1010〜1015Ω・cmであることが好ましく、特には1011〜1014Ω・cmであることがより好ましい。体積抵抗率が1010Ω・cmに満たないと、電荷を保持しにくくなり、画像流れが発生してしまう場合がある。一方、体積抵抗率が1015Ω・cmを超えると、電荷が移動しにくくなり、濃度薄およびネガゴーストが発生してしまう場合がある。
体積抵抗率は以下のようにして測定することができる。
まず、電極間距離D=180[μm]、長さL=5.9[cm]のクシ型白金電極上に、厚さT=3[μm]の電子写真感光体の表面層に相当する層を設ける。次に、クシ型電極間に直流電圧V=100[V]を印加したときの電流値I[A]をpAメーター(ピコアンペアメーター)によって測定し、下記式によって体積抵抗率ρv[Ω・cm]を得る。
ρv=(V/I)×(T×L/D)
導電性粒子は表面処理して使用することが好ましい。この表面処理の際に用いることのできる表面処理剤としては、シランカップリング剤、シリコーンオイル、シロキサン化合物、界面活性剤などが挙げられる。導電性粒子の分散性、分散安定性の点から、特にフッ素原子含有表面処理剤を用いることが有効である。
以下に、フッ素原子含有シランカップリング剤の具体例を示す。
Figure 0003944134
以下に、フッ素原子含有シリコーンオイルの具体例を示す。
Figure 0003944134
以下に、フッ素原子含有界面活性剤の具体例を示す。
Figure 0003944134
ドープ化した酸化スズ粒子は導電性粒子として特に好ましいものであるが、その表面処理方法は、以下のとおりである。
まず、酸化スズ粒子と表面処理剤とを適当な溶剤中で混合、分散し、表面処理剤を酸化スズ粒子表面に付着させる。分散の手段としては、ボールミルやサンドミルなどの分散手段が用いられる。次に、この分散溶液から溶剤を除去し、酸化スズ粒子表面に表面処理剤を固着させればよい。また、必要に応じて、この後さらに熱処理を行ってもよい。また、処理液中には反応促進のための触媒を添加してもよい。さらに、必要に応じて、表面処理後の酸化スズ粒子にさらに粉砕処理を施してもよい。表面処理剤の割合は、酸化スズ粒子の粒径にもよるが、酸化スズ全質量に対し、1〜65質量%であることが好ましく、特には5〜50質量%であることがより好ましい。
また、本発明の電子写真感光体の表面層には、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子などのフッ素原子含有樹脂粒子やシリコーン樹脂粒子などの樹脂粒子を添加してもよい。
本発明の電子写真感光体の表面層の塗布液を作製する溶剤としては、ポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーや電荷輸送物質を十分に溶解し、さらに、表面層の塗布液と接触する下層(電荷輸送層、電荷発生層など)に悪影響を与えない溶剤が好ましい。
したがって、表面層用塗布液を作製する溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどのアルコールや、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトンなどのケトンや、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステルや、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテルや、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素や、クロロベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン原子で置換された炭化水素などが好ましい。これらの中でも、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどのアルコールがより好ましい。また、複数種の溶剤を混合して用いてもよい。
一般的な電荷輸送物質は、アルコールの溶剤には不溶または難溶であるため、アルコールの溶剤を用いて、ポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーと電荷輸送物質とを均一に溶解させることは難しい、そこで、電荷輸送物質として、上述したようなヒドロキシ基を有する電荷輸送物質を用いれば、それはアルコールの溶剤に可溶であるため、電荷輸送層などの下層に対する影響が少ないアルコールの溶剤を用いても、ポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーと電荷輸送物質とを均一に溶解させること容易になる。
本発明の電子写真感光体の表面層用塗布液を塗布する際には、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
本発明においては、加熱処理を施すことにより、リヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーの硬化反応を行うことができる。この加熱処理は、表面層の塗布後の表面層用塗布液の溶剤の乾燥工程と併せて行ってもよい。
加熱処理による硬化反応条件は、所望の表面層硬度や表面層の膜厚、モノマーの反応性、感光層自体の熱劣化などの因子により適宜調整することが可能であるが、加熱温度は100〜180℃であることが好ましく、特には120〜165℃であることがより好ましい。加熱時間は10〜120分であることが好ましく、特には20〜90分であることがより好ましく、さらには30〜70分であることがより一層好ましい。また、加熱温度に関して段階的な昇温/降温工程を設けてもよい。
本発明の電子写真感光体の表面層中には、帯電時に発生するオゾンや窒素酸化物などの活性物質の付着による表面層の劣化などを防止する目的で、酸化防止剤の添加剤を加えてもよい。
また、本発明の電子写真感光体の表面層の膜厚は、電子写真感光体の層構成にも依存するが、薄過ぎると電子写真感光体の耐久性を損ない、厚過ぎると表面層を設けたことによる残留電位が上昇するため、適度な厚さにする必要がある。具体的には、感光層(図1の(a)、(b)および(c)であれば電荷輸送層2)上に、ポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーの重合体と電荷輸送物質とを含有する層1を別途設ける場合は、0.1μm〜10μmであることが好ましく、特には0.5μm〜7μmであることがより好ましい。一方、図1(d)のように、電荷発生層3の上にポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、ポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーの重合体と電荷輸送物質とを含有する層1を設ける場合は、3μm〜40μmであることが好ましく、特には8μm〜20μmであることがより好ましい。
図2に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成を示す。
図2において、11はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸12を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体11は、回転過程において、帯電手段(一次帯電手段)13により、その周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)14を受ける。こうして電子写真感光体11の周面に、目的の画像情報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
形成された静電潜像は、次いで現像手段15によりトナー現像され、不図示の給紙部から電子写真感光体11と転写手段16との間に電子写真感光体11の回転と同期して取り出されて給送された紙などの転写材17に、電子写真感光体11の周面に形成担持されているトナー画像が転写手段16により順次転写されていく。
トナー画像の転写を受けた転写材17は、電子写真感光体の周面から分離されて定着手段18へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
像転写後の電子写真感光体11の周面は、クリーニング手段19によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光20により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段13が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
本発明においては、上述の電子写真感光体11、帯電手段13、現像手段15およびクリーニング手段19などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。例えば、帯電手段13、現像手段15およびクリーニング手段19の少なくとも1つを電子写真感光体11と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレールなどの案内手段22を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ21とすることができる。
また、露光光14は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号にしたがって行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動または液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光である。
本発明の電子写真感光体は、複写機やレーザービームプリンターに利用するのみならず、CRTプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶プリンター、レーザー製版などの電子写真応用分野にも幅広く適用し得るものである。
(実施例)
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS A3003アルミニウム合金)を支持体として、この上にポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)の5質量%メタノール溶液を浸漬コーティング法で塗布し、膜厚0.5μmの中間層を形成した。
次に、電荷発生物質としてCuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の28.1°に最も強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン3部とポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学(株)製)2部とをシクロヘキサノン100部に添加し、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで1時間分散し、これにメチルエチルケトン100部を加えて希釈して電荷発生層用塗布液を調製し、上記中間層上に、この電荷発生層用塗布液を浸漬コーティングし、90℃で10分間乾燥して、膜厚0.17μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式で示される構造を有する電荷輸送物質7.5部
Figure 0003944134
およびビスフェノールZ型ポリカーボネート(商品名:Z−200、三菱ガス化学(株)製)10部を、モノクロロベンゼン60部/ジクロロメタン20部の混合溶剤に溶解した。この溶液を、上記電荷発生層上に浸漬コーティングし、110℃で1時間熱風乾燥し、膜厚19μmの電荷輸送層を形成した。
次に、上記式(B−3)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべてヒドロキシメチル基)10部と、上記式(C−12)で示される構造を有する電荷輸送物質7部とをエチルアルコール40部(溶剤)に溶解させて表面層用塗布液を作製し、上記電荷輸送層の上に浸漬コーティングし、155℃で1時間熱風乾燥し、膜厚3μmの層(表面層)を設けた。膜厚の測定は、干渉膜厚計(大塚電子(株)製)を用いて行った。この表面層用塗布液の安定性は良好で温度23℃/湿度50%RHの環境下で塗布液を24時間循環させておいても、特に液性に大きな変化は見られなかった。
電子写真特性の評価は、図2で示される構成のレーザービームプリンター(商品名:LBP−NX:キヤノン(株)製、帯電ローラーを用いた接触帯電方式を採用、印加電圧として直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を使用)の改造機に取り付けて行った。暗部電位が−700Vになるように帯電設定をし、これに波長780nmのレーザー光を照射して−700Vの電位を−200Vまで下げるのに必要な光量を測定して感度とした。さらに、20μJ/cmの光量を照射した場合の電位を残留電位Vrとして測定した。さらに、同様のレーザービームプリンターを用いて10000枚の耐久による削れ量の測定を行った。
(実施例2)
実施例1において、以下のようにして電荷発生層を設けた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
すなわち、電荷発生物質としてCuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の9.5°および27.1゜に強いピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニン4部とポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学(株)製)2部とをシクロヘキサノン100部に添加し、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで4.5時間分散し、これに酢酸エチル130部を加えて希釈して電荷発生層用塗布液を調製し、上記中間層上に、この電荷発生層用塗布液を浸漬コーティングし、90℃で10分間乾燥して、膜厚0.18μmの電荷発生層を形成した。
(実施例3)
実施例1において、上記式(B−3)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべてヒドロキシメチル基)を、上記式(B−5)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべてヒドロキシメチル基)に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(実施例4)
実施例1において、上記式(B−3)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべてヒドロキシメチル基)を、上記式(B−14)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべてヒドロキシメチル基)に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(実施例5)
実施例1において、上記式(B−3)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべてヒドロキシメチル基)を、上記式(B−26)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべてヒドロキシメチル基)に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(実施例6)
実施例1において、上記式(B−3)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべてヒドロキシメチル基)を、上記式(B−28)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべてヒドロキシメチル基)に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(実施例7)
実施例1において、上記式(B−3)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべてヒドロキシメチル基)を、上記式(B−34)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべてヒドロキシメチル基)に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(実施例8)
実施例1において、上記式(B−3)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべてヒドロキシメチル基)を、上記式(B−35)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべてヒドロキシメチル基)に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(実施例9)
実施例1において、上記式(B−3)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべてヒドロキシメチル基)を、上記式(B−50)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB2、RB3がすべてヒドロキシメチル基)に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(実施例10)
実施例1において、上記式(B−3)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべてヒドロキシメチル基)を、上記式(B−53)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべてヒドロキシメチル基)に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(実施例11)
実施例1において、上記式(B−3)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべてヒドロキシメチル基)を、上記式(B−55)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべてヒドロキシメチル基)に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(実施例12〜20)
実施例5において、上記式(C−12)で示される構造を有する電荷輸送物質を、それぞれ順に、上記式(C−4)で示される構造を有する電荷輸送物質、上記式(C−14)で示される構造を有する電荷輸送物質、上記式(C−17)で示される構造を有する電荷輸送物質、上記式(C−30)で示される構造を有する電荷輸送物質、上記式(C−31)で示される構造を有する電荷輸送物質、上記式(C−35)で示される構造を有する電荷輸送物質、上記式(C−38)で示される構造を有する電荷輸送物質、上記式(C−48)で示される構造を有する電荷輸送物質、上記式(C−55)で示される構造を有する電荷輸送物質に変更した以外は、実施例5と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(実施例21)
実施例1において、上記式(B−3)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべてヒドロキシメチル基)を、以下のビスフェノールオリゴマーに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
すなわち、上記式(B−3)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべて水素原子)とホルムアルデヒドとをアルカリ条件下で反応させて得られるビスフェノールオリゴマーであって、メチレン基を介して縮合した構造を有し、ヒドロキシメチル基を2個以上(平均6個)有するビスフェノールオリゴマーである。ワニス状である。
(実施例22〜25)
実施例21において、上記式(B−3)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべて水素原子)を、それぞれ順に、上記式(B−14)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべて水素原子)、上記式(B−26)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべて水素原子)、上記式(B−28)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべて水素原子)、上記式(B−34)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべて水素原子)に変更した以外は、実施例21と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(実施例26)
実施例4において、表面層の膜厚を1μmに変更した以外は、実施例4と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(実施例27)
実施例4において、表面層の膜厚を6μmに変更した以外は、実施例4と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(実施例28)
実施例21において、以下の条件で表面層を設けた以外は、実施例21と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
すなわち、実施例21において、上記式(B−3)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべて水素原子)を、上記式(B−51)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB2〜RB4がすべて水素原子)に変更し、上記式(C−12)で示される構造を有する電荷輸送物質を、下記式で示される構造を有する電荷輸送物質に変更し、
Figure 0003944134
溶剤としてエチルアルコールをメチルエチルケトンに変更した。
(実施例29)
実施例1と同様に支持体上に中間層および電荷発生層を設けた。
次に、上記式(B−26)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべてヒドロキシメチル基)10部と、上記式(C−12)で示される構造を有する電荷輸送物質7部とをメチルエチルケトン40部(溶剤)に溶解させて表面層(電荷輸送層)用塗布液を作製し、上記電荷発生層の上に浸漬コーティングし、155℃で1時間熱風乾燥し、膜厚17μmの表面層(電荷輸送層)を設けた。
(比較例1)
実施例1において、表面層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(比較例2)
実施例8において、上記式(B−35)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべてヒドロキシメチル基)を、上記式(B−50)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB2、RB3がすべて水素原子)に変更した以外は、実施例8と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(比較例3)
実施例1において、以下のようにして表面層を設けた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
すなわち、下記式で示される構造を有するビュレットの変性体溶液(固形分67質量%)5部、
Figure 0003944134
および、上記式(C−50)で示される構造を有する電荷輸送物質7.44部をメチルエチルケトン50部に溶解して表面層用塗布液を調製し、上記電荷輸送層の上にスプレーコート法で塗布し、常温で5分間乾燥した後、155℃で60分間加熱乾燥し、膜厚3μmの表面層を形成した。なお、表面層用塗布液の混合比は〔上記式(C−50)で示される構造を有する電荷輸送物質のヒドロキシ基の総モル数〕:〔上記式のイソシアネート基の総モル数〕が47:53となるように調製した。
(比較例4)
実施例27において、表面層に上記式(C−12)で示される構造を有する電荷輸送物質を含有させなかった以外は、実施例27と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
実施例1〜29、比較例1〜4の評価結果を表1に示す。
Figure 0003944134
表1には、各実施例、各比較例の感度および残留電位の測定値、10000枚の耐久試験を行った後の表面層の削れ量、耐久試験後のプリント画像の画質および表面層用塗布液の安定性を示した。
(実施例30)
長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS A3003アルミニウム合金)を支持体として、この上にポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)の5質量%メタノール溶液を浸漬コーティング法で塗布し、膜厚0.5μmの中間層を形成した。
次に、電荷発生物質としてCuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の28.1°に最も強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン3部とポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学(株)製)2部とをシクロヘキサノン100部に添加し、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで1時間分散し、これにメチルエチルケトン100部を加えて希釈して電荷発生層用塗布液を調製し、上記中間層上に、この電荷発生層用塗布液を浸漬コーティングし、90℃で10分間乾燥して、膜厚0.16μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式で示される構造を有する電荷輸送物質7.5部
Figure 0003944134
およびビスフェノールZ型ポリカーボネート(商品名:Z−200、三菱ガス化学(株)製)10部を、モノクロロベンゼン60部/ジクロロメタン20部の混合溶剤に溶解した。この溶液を、上記電荷発生層上に浸漬コーティングし、110℃で1時間熱風乾燥し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
次に、上記式(T−2)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT1〜RT6がすべてヒドロキシメチル基)10部と、上記式(C−12)で示される構造を有する電荷輸送物質7部とをエチルアルコール40部(溶剤)に溶解させて表面層用塗布液を作製し、上記電荷輸送層の上に浸漬コーティングし、155℃で1時間熱風乾燥し、膜厚3μmの層(表面層)を設けた。膜厚の測定は、干渉膜厚計(大塚電子(株)製)を用いて行った。この表面層用塗布液の安定性は良好で温度23℃/湿度50%RHの環境下で塗布液を24時間循環させておいても、特に液性に大きな変化は見られなかった。
電子写真特性の評価は、図2で示される構成のレーザービームプリンター(商品名:LBP−NX:キヤノン(株)製、帯電ローラーを用いた接触帯電方式を採用、印加電圧として直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を使用)の改造機に取り付けて行った。暗部電位が−700Vになるように帯電設定をし、これに波長780nmのレーザー光を照射して−700Vの電位を−200Vまで下げるのに必要な光量を測定して感度とした。さらに、20μJ/cmの光量を照射した場合の電位を残留電位Vrとして測定した。さらに、同様のレーザービームプリンターを用いて10000枚の耐久による削れ量の測定を行った。
(実施例31)
実施例30において、以下のようにして電荷発生層を設けた以外は、実施例30と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
すなわち、電荷発生物質としてCuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の9.5°および27.1゜に強いピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニン4部とポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学(株)製)2部とをシクロヘキサノン110部に添加し、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで4.5時間分散し、これに酢酸エチル130部を加えて希釈して電荷発生層用塗布液を調製し、上記中間層上に、この電荷発生層用塗布液を浸漬コーティングし、90℃で10分間乾燥して、膜厚0.18μmの電荷発生層を形成した。
(実施例32)
実施例30において、上記式(T−2)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT1〜RT6がすべてヒドロキシメチル基)を、上記式(T−11)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT1〜RT6がすべてヒドロキシメチル基)に変更した以外は、実施例30と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(実施例33)
実施例30において、上記式(T−2)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT1〜RT6がすべてヒドロキシメチル基)を、上記式(T−12)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT2、RT4、RT6がすべてヒドロキシメチル基)に変更した以外は、実施例30と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(実施例34)
実施例30において、上記式(T−2)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT1〜RT6がすべてヒドロキシメチル基)を、上記式(T−13)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT1〜RT6がすべてヒドロキシメチル基)に変更した以外は、実施例30と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(実施例35)
実施例30において、上記式(T−2)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT1〜RT6がすべてヒドロキシメチル基)を、上記式(T−16)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT1〜RT6がすべてヒドロキシメチル基)に変更した以外は、実施例30と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(実施例36)
実施例30において、上記式(T−2)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT1〜RT6がすべてヒドロキシメチル基)を、上記式(T−17)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT2、RT4、RT6がすべてヒドロキシメチル基)に変更した以外は、実施例30と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(実施例37)
実施例30において、上記式(T−2)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT1〜RT6がすべてヒドロキシメチル基)を、上記式(T−18)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT2、RT4、RT6がすべてヒドロキシメチル基)に変更した以外は、実施例30と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(実施例38)
実施例30において、上記式(T−2)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT1〜RT6がすべてヒドロキシメチル基)を、上記式(T−19)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT2、RT4、RT6がすべてヒドロキシメチル基)に変更した以外は、実施例30と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(実施例39)
実施例30において、上記式(T−2)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT1〜RT6がすべてヒドロキシメチル基)を、上記式(T−25)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT1〜RT6がすべてヒドロキシメチル基)に変更した以外は、実施例30と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(実施例40)
実施例30において、上記式(T−2)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT1〜RT6がすべてヒドロキシメチル基)を、上記式(T−23)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT2、RT4、RT6がすべてヒドロキシメチル基)に変更した以外は、実施例30と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(実施例41〜49)
実施例35において、上記式(C−12)で示される構造を有する電荷輸送物質を、それぞれ順に、上記式(C−4)で示される構造を有する電荷輸送物質、上記式(C−14)で示される構造を有する電荷輸送物質、上記式(C−17)で示される構造を有する電荷輸送物質、上記式(C−30)で示される構造を有する電荷輸送物質、上記式(C−31)で示される構造を有する電荷輸送物質、上記式(C−35)で示される構造を有する電荷輸送物質、上記式(C−38)で示される構造を有する電荷輸送物質、上記式(C−48)で示される構造を有する電荷輸送物質、上記式(C−55)で示される構造を有する電荷輸送物質に変更した以外は、実施例35と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(実施例50)
実施例30において、上記式(T−2)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT1〜RT6がすべてヒドロキシメチル基)を、以下のトリスフェノールオリゴマーに変更した以外は、実施例30と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
すなわち、上記式(T−2)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT1〜RT6がすべて水素原子)とホルムアルデヒドとをアルカリ条件下で反応させて得られるトリスフェノールオリゴマーであって、メチレン基を介して縮合した構造を有し、ヒドロキシメチル基を2個以上(平均8個)有するトリスフェノールオリゴマーである。ワニス状である。
(実施例51〜54)
実施例50において、上記式(T−2)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT1〜RT6がすべて水素原子)を、それぞれ順に、上記式(T−11)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT1〜RT6がすべて水素原子)、上記式(T−13)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT1〜RT6がすべて水素原子)、上記式(T−16)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT1〜RT6がすべて水素原子)、上記式(T−19)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT2、RT4、RT6がすべて水素原子)に変更した以外は、実施例50と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(実施例55)
実施例35において、表面層の膜厚を1μmに変更した以外は、実施例35と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(実施例56)
実施例35において、表面層の膜厚を6μmに変更した以外は、実施例35と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(実施例57)
実施例54において、以下の条件で表面層を設けた以外は、実施例54と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
すなわち、実施例54において、上記式(C−12)で示される構造を有する電荷輸送物質を、下記式で示される構造を有する電荷輸送物質に変更し、
Figure 0003944134
溶剤としてエチルアルコールをメチルエチルケトンに変更した。
(実施例58)
長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS A3003アルミニウム合金)を支持体として、この上にポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)の5質量%メタノール溶液を浸漬コーティング法で塗布し、膜厚0.5μmの中間層を形成した。
次に、電荷発生物質としてCuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の28.1°に最も強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン3部とポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学(株)製)2部とをシクロヘキサノン100部に添加し、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで1時間分散し、これにメチルエチルケトン100部を加えて希釈して電荷発生層用塗布液を調製し、上記中間層上に、この電荷発生層用塗布液を浸漬コーティングし、90℃で10分間乾燥して、膜厚0.17μmの電荷発生層を形成した。
次に、上記式(T−16)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT1〜RT6がすべてヒドロキシメチル基)10部と、上記式(C−12)で示される構造を有する電荷輸送物質7部とをメチルエチルケトン40部(溶剤)に溶解させて表面層(電荷輸送層)用塗布液を作製し、上記電荷発生層の上に浸漬コーティングし、155℃で1時間加熱乾燥して膜厚17μmの表面層(電荷輸送層)を設けた。
(比較例5)
実施例30において、表面層を設けなかった以外は、実施例30と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(比較例6)
実施例37において、上記式(T−19)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT2、RT4、RT6がすべてヒドロキシメチル基)を、上記式(T−19)で示される構造を有するトリスフェノールモノマー(RT2、RT4、RT6がすべて水素原子)に変更した以外は、実施例37と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(比較例7)
実施例30において、以下のようにして表面層を設けた以外は、実施例30と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
すなわち、下記式で示される構造を有するビュレットの変性体溶液(固形分67質量%)5部、
Figure 0003944134
および、上記式(C−50)で示される構造を有する電荷輸送物質6.87部をメチルエチルケトン50部に溶解して表面層用塗布液を調製し、上記電荷輸送層の上にスプレーコート法で塗布し、常温で5分間乾燥した後、155℃で60分間加熱乾燥し、膜厚3μmの表面層を形成した。なお、表面層用塗布液の混合比は〔上記式(C−50)で示される構造を有する電荷輸送物質のヒドロキシ基の総モル数〕:〔上記式のイソシアネート基の総モル数〕が45:55となるように調製した。
(比較例8)
実施例56において、表面層に上記式(C−12)で示される構造を有する電荷輸送物質を含有させなかった以外は、実施例56と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
実施例30〜58、比較例5〜8の評価結果を表2に示す。
Figure 0003944134
表2には、各実施例、各比較例の感度および残留電位の測定値、10000枚の耐久試験を行った後の表面層の削れ量、耐久試験後のプリント画像の画質および表面層用塗布液の安定性を示した。
(実施例59)
長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS A3003アルミニウム合金)を支持体として、この上にポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)の5質量%メタノール溶液を浸漬コーティング法で塗布し、膜厚0.5μmの中間層を形成した。
次に、電荷発生物質としてCuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニン13部とポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学(株)製)10部とをシクロヘキサノン250部に添加し、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで1時間分散し、これに酢酸エチル50部を加えて希釈して電荷発生層用塗布液を調製し、上記中間層上に、この電荷発生層用塗布液を浸漬コーティングし、80℃で10分間乾燥して、膜厚0.25μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式で示される構造を有する電荷輸送物質10部
Figure 0003944134
およびビスフェノールZ型ポリカーボネート(商品名:Z−200、三菱ガス化学(株)製)10部を、モノクロロベンゼン40部/ジクロロメタン20部の混合溶剤に溶解した。この溶液を、上記電荷発生層上に浸漬コーティングし、100℃で80分熱風乾燥し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
次に、メチルヒドロキシシロキサン化合物(KF−99、信越化学(株)製)で表面処理(処理量8%)を行ったアンチモン含有酸化スズ粒子(商品名:T−1、三菱マテリアル(株)製)50部およびエタノール150部をサンドミルにて66時間かけて分散を行い、その後、上記式(B−3)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべてヒドロキシメチル基)23部を溶解させて表面層用塗布液を作製し、上記電荷輸送層の上に浸漬コーティングし、145℃で1時間熱風乾燥し、膜厚3μmの層(表面層)を設けた。膜厚の測定は、干渉膜厚計(大塚電子(株)製)を用いて行った。
(実施例60)
実施例59において、以下のように表面層用塗布液を作製した以外は、実施例59と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
すなわち、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン(信越化学(株)製)で表面処理(処理量7%)を行ったアンチモン含有酸化スズ粒子(商品名:T−1、三菱マテリアル(株)製)20部、メチルヒドロキシシロキサン化合物(KF−99、信越化学(株)製)で表面処理(処理量8%)を行ったアンチモン含有酸化スズ粒子(商品名:T−1、三菱マテリアル(株)製)30部およびエタノール150部をサンドミルにて66時間かけて分散を行い、その後、ポリテトラフルオロエチレン粒子(平均粒径0.18μm)20部を加えて分散を行った。その後、上記式(B−3)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべてヒドロキシメチル基)24部を溶解させて表面層用塗布液とした。
(実施例61〜91)
実施例60において、上記式(B−3)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべてヒドロキシメチル基)を表3に示すポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマーまたはポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマーに変更した以外は、実施例60と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
Figure 0003944134
(比較例9)
実施例59において、表面層を設けなかった以外は、実施例59と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(比較例10)
実施例59において、表面層にメチルヒドロキシシロキサン化合物(KF−99、信越化学(株)製)で表面処理(処理量8%)を行ったアンチモン含有酸化スズ粒子(商品名:T−1、三菱マテリアル(株)製)を含有させなかった以外は、実施例59と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(比較例11)
実施例60において、上記式(B−3)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB1〜RB4がすべてヒドロキシメチル基)を、上記式(B−51)で示される構造を有するビスフェノールモノマー(RB2、RB3が水素原子)に変更した以外は、実施例60と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
(比較例12)
実施例59において、以下のようにして表面層を設けた以外は、実施例59と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。
すなわち、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン(信越化学(株)製)で表面処理(処理量7%)を行ったアンチモン含有酸化スズ粒子(商品名:T−1、三菱マテリアル(株)製)20部、メチルヒドロキシシロキサン化合物(KF−99、信越化学(株)製)で表面処理(処理量8%)を行ったアンチモン含有酸化スズ粒子(商品名:T−1、三菱マテリアル(株)製)30部およびエタノール150部をサンドミルにて66時間かけて分散を行い、その後、ポリテトラフルオロエチレン粒子(平均粒径0.18μm)20部を加えて分散を行った。その後、下記式で示される構造を有するアクリル樹脂22部
Figure 0003944134
および光重合開始剤として2−メチルチオキサンソン5部を加えて表面層用塗布液を作製し、上記電荷輸送層の上に浸漬コーティングし、高圧水銀灯800mV/cmの光強度で60秒間光硬化を行った後、120℃で2時間熱風乾燥し、膜厚3μmの層(表面層)を設けた。
(体積抵抗率の測定)
ポリエチレンテレフタレートのシートの上に、180μmのギャップを持つ櫛型電極を金蒸着により形成し、その上に実施例59〜91および比較例8〜10で用いた表面層用塗布液を塗布し、145℃で1時間加熱処理を施して、膜厚3μmの膜を形成し、サンプルとした。体積抵抗率の測定は、サンプルを横河ヒューレットパッカード(株)製PAメーター4140Bに装着し、100Vを印加して行った。測定環境は、温度/湿度:23℃/50%RH、23℃/5%RH、30℃/80%RHの3環境である。
体積抵抗率の測定結果を表4に示す。
Figure 0003944134
(3000枚耐久試験)
次に、実施例59〜91および比較例8〜10で作製した電子写真感光体を、図2で示される構成のレーザービームプリンター(商品名:LBP−NX:キヤノン(株)製、帯電ローラーを用いた接触帯電方式を採用、印加電圧として直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を使用)の改造機に取り付け、気温23℃、湿度50%RHの環境下において、3000枚の耐久試験を行った。
耐久試験の評価項目は、3000枚耐久による電子写真感光体表面の削れ量の測定、耐久試験後の各電子写真感光体を気温30℃、湿度80%RHの環境下で24時間放置した後、再び上記レーザービームプリンターよる出力画像の品位の確認、上記レーザービームプリンターによる耐久試験前の残留電位の測定である。残留電位の測定は、温度23℃、湿度50%RHの環境下で行い、ジェンテック(株)製のドラム試験機により、−700Vに電子写真感光体表面を帯電し、強露光後0.2秒後の表面電位を残留電位とした。
3000枚耐久試験の結果を表5に示す。
Figure 0003944134
表4および5に示すように、本発明の実施例59〜91においては、電子写真感光体の表面層の電気抵抗(体積抵抗率)の環境安定性に優れ、残留電位の上昇が最も厳しい低湿度環境下においても残留電位が低く、さらに高湿度下での画像のボケ、流れが発生することなく、また強靱な表面層の膜強度を保ち、耐久による削れ量も少なく、高安定、高耐久で高品位の画像を得ることが可能である。
本発明の電子写真感光体の層構造の例を示す図である。 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
符号の説明
1 ポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー/オリゴマーの重合体と電荷輸送物質とを含有する層
2 電荷輸送層
3 電荷発生層
4 支持体
5 中間層
6 導電層
11 電子写真感光体
12 軸
13 帯電手段
14 露光光
15 現像手段
16 転写手段
17 転写材
18 定着手段
19 クリーニング手段
20 前露光光
21 プロセスカートリッジ
22 案内手段

Claims (17)

  1. 支持体および該支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体において、
    該電子写真感光体の表面層が、
    電荷輸送物質および導電性粒子の少なくとも一方と、
    下記式(1)で示される構造を有するポリヒドロキシメチルビスフェノールモノマー、下記式(2)で示される構造を有するビスフェノールモノマーがメチレン基を介して縮合した構造を有しかつ2〜4個のヒドロキシメチル基を有するポリヒドロキシメチルビスフェノールオリゴマー、下記式(3)で示される構造を有するポリヒドロキシメチルトリスフェノールモノマー、および、下記式(4)で示される構造を有するトリスフェノールモノマーがメチレン基を介して縮合した構造を有しかつ2〜6個のヒドロキシメチル基を有するポリヒドロキシメチルトリスフェノールオリゴマーからなる群より選択される少なくとも1種を重合して得られる重合物と
    を含有することを特徴とする電子写真感光体
    Figure 0003944134
    (式(1)中、X 11 は、単結合、カルボニル基、エーテル基、チオエーテル基、または、−CR 01 02 −基(R 01 およびR 02 は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基、または、置換もしくは無置換のフェニル基を示す、あるいは、R 01 とR 02 とが結合して形成される置換もしくは無置換の炭素原子数3〜6のシクロアルキリデン基を示す。ただし、R 01 およびR 02 の両方が置換もしくは無置換のフェニル基であることはない。)を示す。R 11 〜R 14 は、それぞれ独立に、ヒドロキシメチル基、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシメチル基以外の置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素原子数3〜6のシクロアルキル基、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示す。ただし、R 11 〜R 14 の少なくとも2個はヒドロキシメチル基である。)、
    Figure 0003944134
    (式(2)中、X 21 は、単結合、カルボニル基、エーテル基、チオエーテル基、または、−CR 01 02 −基(R 01 およびR 02 は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基、または、置換もしくは無置換のフェニル基を示す、あるいは、R 01 とR 02 とが結合して形成される置換もしくは無置換の炭素原子数3〜6のシクロアルキリデン基を示す。ただし、R 01 およびR 02 の両方が置換もしくは無置換のフェニル基であることはない。)を示す。R 21 〜R 24 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素原子数3〜6のシクロアルキル基、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示す。)、
    Figure 0003944134
    (式(3)中、Q 31 〜Q 36 は、それぞれ独立に、ヒドロキシメチル基、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシメチル基以外の置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルケニル基、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示す。ただし、Q 31 〜Q 36 の少なくとも2個はヒドロキシメチル基である。Y 31 は、下記式(31)で示される構造を有する3価基、下記式(32)で示される構造を有する3価基、または、下記式(33)で示される構造を有する3価基である。
    Figure 0003944134
    (式(31)中、X 311 〜X 313 は、それぞれ独立に、単結合、カルボニル基、エーテル基、チオエーテル基、または、−CR 01 02 −基(R 01 およびR 02 は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)を示す。Q 311 〜Q 313 は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)
    Figure 0003944134
    (式(32)中、Q 321 は、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)
    Figure 0003944134
    (式(33)中、X 331 は、単結合、カルボニル基、エーテル基、チオエーテル基、または、−CR 01 02 −基(R 01 およびR 02 は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)を示す。Q 331 は、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。))、
    Figure 0003944134
    (式(4)中、Q 41 〜Q 46 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルケニル基、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示す。Y 41 は、下記式(41)で示される構造を有する3価基、下記式(42)で示される構造を有する3価基、または、下記式(43)で示される構造を有する3価基である。
    Figure 0003944134
    (式(41)中、X 411 〜X 413 は、それぞれ独立に、単結合、カルボニル基、エーテル基、チオエーテル基、または、−CR 01 02 −基(R 01 およびR 02 は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)を示す。Q 411 〜Q 413 は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)
    Figure 0003944134
    (式(42)中、Q 421 は、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)
    Figure 0003944134
    (式(43)中、X 431 は、単結合、カルボニル基、エーテル基、チオエーテル基、または、−CR 01 02 −基(R 01 およびR 02 は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)を示す。Q 431 は、水素原子、または、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。))
  2. 前記式(1)中のX11が、炭素原子数3以上の2価基である請求項に記載の電子写真感光体。
  3. 前記式(1)中のX11が、環状構造を有する炭素原子数5以上の2価基である請求項に記載の電子写真感光体。
  4. 前記式(1)中のX11が、ベンゼン環を有する2価基である請求項のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 前記式(1)中のX11が、エーテル基、チオエーテル基、または、ジ(トリフルオロメチル)メチレン基である請求項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記式(2)中のX21が、炭素原子数3以上の2価基である請求項に記載の電子写真感光体。
  7. 前記式(2)中のX21が、環状構造を有する炭素原子数5以上の2価基である請求項に記載の電子写真感光体。
  8. 前記式(2)中のX21が、ベンゼン環を有する2価基である請求項1、6および7のいずれかに記載の電子写真感光体。
  9. 前記式(2)中のX21が、エーテル基、チオエーテル基、または、ジ(トリフルオロメチル)メチレン基である請求項に記載の電子写真感光体。
  10. 前記式(31)中のX311〜X313の少なくとも1つが、または、前記式(33)中のX331が、炭素原子数3以上の2価基である請求項に記載の電子写真感光体。
  11. 前記式(31)中のX311〜X313の少なくとも1つが、または、前記式(33)中のX331が、エーテル基、または、チオエーテル基である請求項に記載の電子写真感光体。
  12. 前記式(41)中のX411〜X413の少なくとも1つが、または、前記式(43)中のX431が、炭素原子数3以上の2価基である請求項に記載の電子写真感光体。
  13. 前記式(41)中のX411〜X413の少なくとも1つが、または、前記式(43)中のX431が、エーテル基、または、チオエーテル基である請求項に記載の電子写真感光体。
  14. 前記電子写真感光体の表面層に含有される電荷輸送物質が、ヒドロキシ基を有する電荷輸送物質である請求項1〜13のいずれかに記載の電子写真感光体。
  15. 前記ヒドロキシ基を有する電荷輸送物質が、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルコキシ基およびヒドロキシフェニル基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有する電荷輸送物質である請求項14に記載の電子写真感光体。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  17. 請求項1〜15のいずれかに記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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