JP3879946B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機やプリンター等の電子写真装置に使用される電子写真感光体に係り、特に、導電性支持体上に少なくとも下引層と感光層とが設けられた電子写真感光体において、その下引層を改善してノイズの発生を少なくした点に特徴を有するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複写機やプリンター等の電子写真装置において画像形成を行なうにあたっては、一般にアルミニウム等の導電性材料で構成された導電性支持体の表面に感光層を形成した電子写真感光体が用いられていた。
【0003】
ここで、このような電子写真感光体を用いて画像形成を行なうにあたっては、この感光体の表面を帯電装置により帯電させた後、この感光体の表面に対して適当な露光手段から画像情報に対応した光を照射して、この感光体上に静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーにより現像し、このように現像されたトナー像を転写紙等の転写部材に転写させて画像形成を行なうようにしていた。
【0004】
また、近年においては、デジタル信号のデータ処理システムの目覚ましい進歩に伴い、レーザービームプリンタ、デジタル複写機等が特に注目されてきた。これらの装置に用いられる画像形成方法としては、光の有効利用あるいは解像力を上げる目的から、レーザービーム等の光を照射した部分にトナー像が形成され、未露光部分にはトナー像が形成されない反転現像方式が採用されている。
【0005】
しかし、反転現像方式において、未露光部で導電性支持体から感光層への電荷の注入が起こると、表面電荷が微視的に消失または減少し、本来トナー像が形成されるべきでないところに形成されて、所謂「黒ポチ」と呼ばれる画像ノイズが発生する。この黒ポチは白地にトナーが局所的に付着した状態であるから、黒字部分が白くぬける場合と比べて非常に目立ち画像品質を著しく低下させるものである。
【0006】
こうした問題を解決する方法として、導電性支持体と感光層との間に下引層を設けることが行なわれていた。
【0007】
ここで、このように導電性支持体と感光層との間に設ける下引層としては、一般に、ポリアミド,ポリビニールアルコール,ポリビニールブチラール,メチルセルロース,ポリウレタン,カゼイン,エポキシ,フェノール等の各種の樹脂を用いたものが知られており、特に、成膜性に優れる等の点からポリアミド系樹脂を用いた下引層が広く利用されている。
【0008】
しかし、このように下引層にポリアミド系樹脂だけを使用した場合、感光層を形成する際に、この感光層中に含まれる電荷輸送材料がこの下引層に浸透しやすく、これにより下引層におけるブロッキング性能が低下して、導電性支持体から電荷が感光層に注入され、形成される画像にノイズが発生するという問題があった。
【0009】
このため、上記のようなポリアミド樹脂を用いた下引層の膜厚を厚くして、下引層におけるブロッキング性能を高めることが考えられるが、このように下引層の膜厚を厚くすると、この電子写真感光体を除電させる際に、感光層において発生した電荷が導電性支持体に流れにくくなり、この電子写真感光体における残留電位が高くなって、形成される画像にカブリが発生するという問題があった。
【0010】
このため、近年においては、特開昭63−216059号公報に示されるように、銅や鉄の無機塩によって架橋されたポリビニールアルコールを用いて下引層を形成したものや、特開昭61−254951号公報に示されるように、アルコール可溶性の電解質等を加えたポリアミド系樹脂で下引層を形成したものが提案されている。
【0011】
ここで、下引層を銅や鉄の無機塩により架橋されたポリビニールアルコールを用いて構成した場合、比較的イオン化ポテンシャルの大きい電荷輸送材料を用いた感光層を形成した際には、導電性支持体から電荷が感光層に注入されるのをある程度抑制することができた。
【0012】
しかし、近年においては、電子写真感光体の感度を高めるために、感光層に電荷注入特性に優れたイオン化ポテンシャルの小さい電荷輸送材料が用いられるようになり、上記のような下引層では導電性支持体から電荷が感光層に注入されるのを十分に抑制することができず、依然として、形成される画像にノイズが発生するという問題があった。
【0013】
また、アルコール可溶性の電解質等を加えたポリアミド系樹脂で下引層を構成した場合においても、その使用する電解質の種類等によって、導電性支持体から電荷が感光層に注入されるのを十分に抑制することができず、このような下引層を設けた場合においても、依然として形成される画像にノイズが発生するという問題があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、複写機やプリンター等の電子写真装置に使用される電子写真感光体における上記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0015】
すなわち、この発明においては、導電性支持体と感光層との間に下引層を設けた電子写真感光体において、感光層にイオン化ポテンシャルの小さい電荷輸送材料を用いた場合においても、この電荷輸送材料が下引層に浸透して、電荷が下引層を通して導電性支持体から感光層に注入されやすくなるということがなく、形成される画像にノイズが発生するのが抑制されると共に、除電時において感光層における電荷が導電性支持体にスムーズに流れ、感光層における残留電位が高くなるということも抑制されて、形成される画像にカブリが発生するということも少なく、良好な画像が安定して得られる電子写真感光体を提供することを課題とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明における電子写真感光体においては、上記のような課題を解決するため、導電性支持体上に少なくとも下引層と感光層とが設けられた電子写真感光体において、上記の下引層として、ポリアミド系樹脂に四塩化チタン及び/又は塩化バナジウムを添加させた塗液を加熱乾燥させたものを用いるようにした。
【0017】
そして、この発明における電子写真感光体のように、下引層として、ポリアミド系樹脂に対して四塩化チタンや塩化バナジウムを添加させた塗液を加熱乾燥させたものを使用すると、添加した四塩化チタンや塩化バナジウムによって除電時に感光層における電荷がこの下引層を通して導電性支持体に流れやすくなり、残留電位が上昇するのが抑制されると共に、感光層にイオン化ポテンシャルの小さい電荷輸送材料を用いた場合においても、この電荷輸送材料が浸透して下引層を通して導電性支持体から電荷が感光層に流れ込むのが抑制され、カブリやノイズの発生の少ない良好な画像が安定して得られるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態に係る電子写真感光体について具体的に説明する。
【0019】
ここで、この発明における電子写真感光体においては、上記のように導電性支持体と感光層との間に、下引層としてポリアミド系樹脂に四塩化チタン及び/又は塩化バナジウムを添加させて加熱硬化させたものを設けるようにしている。
【0020】
そして、このようにポリアミド系樹脂に四塩化チタン及び/又は塩化バナジウムを添加して加熱硬化させた下引層を設けるにあたり、ポリアミド系樹脂に対して添加する四塩化チタンや塩化バナジウムの量が少ないと、この下引層における電荷の移動性が悪くなって、除電時における残留電位が高くなり、形成される画像にカブリが生じやすくなる一方、これらの量が多くなり過ぎると、下引層としての効果が十分に得られず、イオン化ポテンシャルの小さい電荷輸送材料を用いた場合に、導電性支持体から電荷が下引層を通して感光層に注入され、形成される画像にノイズが発生しやすくなる。このため、ポリアミド系樹脂10重量部に対して、四塩化チタンや塩化バナジウムを添加させる量を0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜1重量部の範囲になるようにする。
【0021】
また、ポリアミド系樹脂に対して四塩化チタンや塩化バナジウムを添加させて加熱硬化させるにあたり、その硬化温度が高くなり過ぎると、この下引層における電気抵抗値が高くなり、除電時における感光層の残留電位が高くなって形成される画像にカブリが生じやすくなる一方、その硬化温度が低すぎると、この硬化が不十分になって感光層における感度が低下したり、電荷輸送材料が下引層に浸透して、形成される画像にノイズが発生しやすくなるため、この硬化温度を130〜230℃、好ましくは150〜180℃の範囲に設定する。
【0022】
また、上記のような下引層を形成するにあたっては、ポリアミド系樹脂に対して四塩化チタンや塩化バナジウムの他にルチル型の非導電性酸化チタン等を添加させるようにしてもよい。ここで、ルチル型の非導電性酸化チタンを添加する場合、上記のポリアミド系樹脂100重量部に対して、この非導電性酸化チタンを10〜200重量部の割合で添加させることが好ましい。
【0023】
また、上記のような下引層を設けるにあたり、その膜厚が薄すぎると、導電性支持体から感光層への電荷の注入を十分にブロッキングすることができなくなって形成される画像にノイズが発生しやすくなる一方、その膜厚が厚くなりすぎると、感光層から導電性支持体への電荷の流れが抑制されて残留電位が高くなり、形成される画像にカブリが生じやすくなるため、この下引層の厚みが0.5〜4μm、好ましくは1〜3μmの範囲になるようにする。
【0024】
ここで、上記の下引層に用いるポリアミド系樹脂としては、6/66/610三元共重合体ナイロン、6/66/610/12四元共重合体ナイロン、ナイロンのアミド結合の一部がアルコキシメチル基で置換されているN−アルコキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性ナイロンや、これらのナイロンを任意の割合で混合させた混合物等を使用することができる。なお、下引層に用いる樹脂としては、本発明の効果を阻害しない範囲において他の公知の樹脂と併用してもよい。
【0025】
また、このような下引層を形成する上記の導電性支持体としては、銅,アルミニウム,金,銀,白金,鉄,パラジウム,ニッケル等の箔ないし板をシート状又はドラム状に形成したものや、これらの金属をプラスチックフィルム等に真空蒸着,無電解メッキ等によって付着させたもの、あるいは導電性ポリマー,酸化インジウム,酸化スズ等の導電性化合物の層を同じく紙,プラスチックフィルム或いはガラス等の支持体上に塗布もしくは蒸着によって形成したもの等を用いることができる。
【0026】
また、このような導電性支持体上に上記のような下引層を形成し、この下引層の上に感光層を設けるにあたっては、公知の方法によって感光層を設けることができ、この感光層を構成する材料には、公知の有機及び無機材料を使用することができ、また感光層の構造も特に限定されず、電荷発生材料と電荷輸送材料とが含有された単層型の感光層であっても、電荷発生材料が含有された電荷発生層と電荷輸送材料が含有された電荷輸送層とが積層された機能分離型の感光層であってもよく、さらにこの感光層の表面に保護層等を設けるようにしてもよい。
【0027】
ここで、上記の電荷発生材料としては、例えば、モノアゾ系顔料,ビスアゾ系顔料,トリスアゾ系顔料,テトラキスアゾ顔料,トリアリールメタン系染料,チアジン系染料,オキサジン系染料,キサンテン系染料,シアニン系色素,スチリル系色素,ピリリウム系染料,キナクリドン系顔料,インジゴ系顔料,ペリレン系顔料,多環キノン系顔料,ビスベンズイミダゾール系顔料,インダスロン系顔料,スクアリリウム系顔料,フタロシアニン系顔料等の有機系顔料及び染料や、セレン,セレン−ヒ素,セレン−テルル,硫化カドミウム,酸化亜鉛,酸化チタン,アモルファスシリコン等の無機材料を使用することができる。
【0028】
また、上記の電荷輸送材料としては、例えば、アントラセン誘導体,ピレン誘導体,カルバゾール誘導体,テトラゾール誘導体,メタロセン誘導体,フェノチアジン誘導体,ピラゾリン化合物,ヒドラゾン化合物,スチリル化合物,スチリルヒドラゾン化合物,エナミン化合物,ブタジエン化合物,ジスチリル化合物,オキサゾール化合物,オキサジアゾール化合物,チアゾール化合物,イミダゾール化合物,トリフェニルアミン誘導体,フェニレンジアミン誘導体,アミノスチルベン誘導体,トリフェニルメタン誘導体等を使用することができる。
【0029】
また、上記の感光層を形成するのに使用する結着樹脂としては、電気絶縁性であり、それ自体公知の熱可塑性樹脂,熱硬化性樹脂,光硬化性樹脂及び光導電性樹脂等を使用することができ、適当な結着樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体,塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重合体,ポリビニルブチラール,ポリビニルアセタール,ポリエステル,フェノキシ樹脂,(メタ)アクリル樹脂,ポリスチレン,ポリカーボネ−ト,ポリアリレート,ポリスルホン,ポリエーテルスルホン,ABS樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂,エポキシ樹脂,ウレタン樹脂,メラミン樹脂,イソシアネート樹脂,アルキッド樹脂,シリコーン樹脂,熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリビニルカルバゾール,ポリビニルアントラセン,ポリビニルピレン等の光導電性樹脂を挙げることができるが、特に、これらのものに限定されるものではない。
【0030】
なお、本発明の感光体は反転現像方式、正規現像方式のどちらの現像方式でも使用可能であるが、画像ノイズの点から見て、反転現像方式で使用する場合に大変有効である。
【0031】
【実施例】
以下、この発明に係る電子写真感光体の実施例について具体的に説明すると共に、比較例を挙げ、この発明の実施例に係る電子写真感光体を用いた場合に形成される画像にノイズが発生するのが抑制されることを明らかにする。
【0032】
(実施例1)
この実施例の電子写真感光体においては、導電性支持体として、外径80mm、長さ350mmの円筒状になったアルミニウム管を用いるようにした。
【0033】
そして、この導電性支持体上に下引層を形成するにあたっては、メタノール10重量部に対して、共重合ナイロンからなるポリアミド系樹脂(東レ社製:CM8000)を10重量部溶解させ、これに四塩化チタンを1重量部添加させて下引層用塗液を調製し、この下引層用塗液を上記の導電性支持体上に塗布し、これを150℃で30分間加熱硬化させて乾燥させ、膜厚が3μmになった下引層を形成した。
【0034】
次いで、テトラヒドロフラン100重量部に対して、ブチラール樹脂(積水化学工業社製:エスレックBX−1)を1重量部、m型チタニルフタロシアニン(東洋インキ製造社製:am−TiOPC)を1重量部加え、これらをサンドミルで5時間分散させて電荷発生層用塗液を調製し、この電荷発生層用塗液を上記の下引層上に塗布して膜厚が0.2μmになった電荷発生層を形成した。
【0035】
そして、塩化メチレン100重量部に対して、ポリカーボネート樹脂(帝人化成社製:パンライトK−1300)を15重量部、下記の化1に示すイオン化ポテンシャルが5.13eVの電荷輸送材料を10重量部の割合で加え、これらを溶解させて電荷輸送層用塗液を調製し、この電荷輸送層用塗液を上記の電荷発生層上に塗布し、これを100℃で1時間乾燥させて膜厚が30μmになった電荷輸送層を形成し、導電性支持体上に上記の下引層と電荷発生層と電荷輸送層とが積層された機能分離型の感光体を得た。
【0036】
【化1】
Figure 0003879946
【0037】
(実施例2)
この実施例の電子写真感光体においては、導電性支持体上に下引層を形成するにあたり、上記の実施例1において用いた四塩化チタンに代えて塩化バナジウムを1重量部加えるようにし、それ以外については、上記の実施例1の場合と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0038】
(実施例3)
この実施例の電子写真感光体においては、導電性支持体上に下引層を形成するにあたり、上記の実施例1において用いた四塩化チタンに代えて塩化バナジウムを5重量部加えるようにし、それ以外については、上記の実施例1の場合と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0039】
(実施例4)
この実施例の電子写真感光体においては、導電性支持体上に下引層を形成するにあたり、上記の実施例2の場合と同様に、塩化バナジウムを1重量部加えるようにすると共に、この下引層用塗液を100℃で30分間加熱硬化させて乾燥させるようにし、それ以外については、上記の実施例1の場合と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0040】
(比較例1)
この比較例の電子写真感光体においては、導電性支持体上に下引層を形成するにあたり、メタノール10重量部に対して共重合ナイロンである上記のポリアミド系樹脂を1重量部溶解させただけで四塩化チタンを加えていない下引層用塗液を使用し、それ以外については、上記の実施例1の場合と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0041】
(比較例2)
この比較例の電子写真感光体においては、導電性支持体上に下引層を形成するにあたり、上記の実施例1において用いた四塩化チタンに代えて塩化鉄を1重量部加えるようにし、それ以外については、上記の実施例1の場合と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0042】
(比較例3)
この比較例の電子写真感光体においては、導電性支持体上に下引層を形成するにあたって、上記の比較例2の場合と同様に塩化鉄を加えるようにし、また電荷輸送層を形成するにあたり、その電荷輸送材料として、下記の化2に示すイオン化ポテンシャルが5.28eVの電荷輸送材料を用いるようにし、それ以外については、上記の実施例1の場合と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0043】
【化2】
Figure 0003879946
【0044】
次に、上記のようにして作製した実施例1〜4及び比較例1〜3の各電子写真感光体を用い、図1に示すように、各電子写真感光体1をそれぞれ周速130mm/secで回転させながら、帯電器2に−5kVの電圧を印加させて各電子写真感光体1をそれぞれコロナ帯電させ、各電子写真感光体1における初期表面電位V0 (V)を電位プローブ3によって測定し、また各電子写真感光体1をそれぞれ露光させてその初期表面電位V0 が半減するのに要する露光量である半減露光量E1/2 (lux・sec)を測定し、また各電子写真感光体1に対してそれぞれ除電装置4から50lux・secの光を照射して除電を行なった後における残留電位Vr(V)を測定し、さらに各電子写真感光体1を暗中に5秒間放置した場合における初期表面電位V0 の減衰率DDR5 (%)を求め、これらの結果を下記の表1に示した。
【0045】
また、上記の実施例1〜4及び比較例1〜3の各電子写真感光体を市販のデジタル複写機(ミノルタ社製:Di−30)に搭載して反転現像を行なって画像特性を調べるようにした。ここで、画像特性については、白ベタ画像中における黒ポチの発生状態を調べ、白ベタ画像100cm2 中における黒ポチの個数が5個未満の場合を◎、10個未満の場合を○、10個以上の場合を×で下記の表1に合わせて示した。
【0046】
【表1】
Figure 0003879946
【0047】
この結果から明らかなように、導電性支持体上に下引層を形成するにあたり、ポリアミド系樹脂中に四塩化チタンや塩化バナジウムを加えて加熱硬化させた下引層を設けた実施例1〜4の各電子写真感光体においては、感度が低下したり、残留電位が上昇するということが少なく、また反転現像方式にて形成された画像における黒ポチの発生も少なくなっていた。
【0048】
これに対して、ポリアミド系樹脂だけで構成された下引層を設けた比較例1の電子写真感光体においては、感度が低下すると共に残留電位も高くなり、また黒ポチも多く発生しており、またポリアミド系樹脂に対して塩化鉄を添加した下引層を設けた比較例2の電子写真感光体においても、形成された画像における黒ポチが多く発生し、また比較例2と同様に塩化鉄を加え下引層を設ける一方、電荷輸送材料にイオン化ポテンシャルがある程度大きい電荷輸送材料を使用した比較例3の電子写真感光体においては、黒ポチの発生がある程度抑制されたが、この感光層における感度が低下すると共に、残留電位も高くなっていた。
【0049】
また、上記の実施例1〜4の電子写真感光体を比較した場合、塩化バナジウムの添加量を5重量部以上にした実施例3のものや、下引層の加熱硬化温度を100℃と低くした実施例4のものに比べ、四塩化チタンや酸化バナジウムの添加量を1重量部にすると共に、その加熱硬化温度を150℃にした実施例1,2のものにおいては、更に黒ポチの発生が少なくなっていた。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明における電子写真感光体においては、導電性支持体上に少なくとも下引層と感光層とを設けるにあたり、この下引層として、ポリアミド系樹脂に四塩化チタン及び/又は塩化バナジウムを添加させた塗液を加熱乾燥させたものを用いるようにしたため、添加した四塩化チタンや塩化バナジウムによって除電時に感光層における電荷がこの下引層を通して導電性支持体に流れやすくなり、残留電位が上昇するのが抑制されると共に、感光層にイオン化ポテンシャルの小さい電荷輸送材料を用いた場合においても、この電荷輸送材料が浸透して下引層を通して導電性支持体から電荷が感光層に流れ込むのが抑制されるようになった。
【0051】
この結果、この発明における電子写真感光体を複写機やプリンター等の電子写真装置に使用して画像形成を行なうと、カブリやノイズの発生の少ない良好な画像が安定して得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の各実施例及び各比較例の電子写真感光体の特性を調べる状態を示した概略説明図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体

Claims (1)

  1. 導電性支持体上に少なくとも下引層と感光層とが設けられた電子写真感光体において、上記の下引層として、ポリアミド系樹脂に四塩化チタン及び/又は塩化バナジウムを添加させた塗液を加熱乾燥させたものを用いたことを特徴とする電子写真感光体。
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