JPH10301314A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

Info

Publication number
JPH10301314A
JPH10301314A JP11231097A JP11231097A JPH10301314A JP H10301314 A JPH10301314 A JP H10301314A JP 11231097 A JP11231097 A JP 11231097A JP 11231097 A JP11231097 A JP 11231097A JP H10301314 A JPH10301314 A JP H10301314A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
electrophotographic photoreceptor
undercoat layer
image
photosensitive layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11231097A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiichi Inagaki
圭一 稲垣
Mitsutoshi Sakamoto
光俊 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Minolta Co Ltd filed Critical Minolta Co Ltd
Priority to JP11231097A priority Critical patent/JPH10301314A/ja
Publication of JPH10301314A publication Critical patent/JPH10301314A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性支持体上に少なくとも下引層と感光層
とを設けた電子写真感光体において、下引層によって電
子写真感光体における静電特性が低下するということが
なく、導電性支持体から電荷が感光層に注入されるのが
十分に抑制され、形成される画像にノイズやカブリが発
生するということが少なく、良好な画像が安定して得ら
れる電子写真感光体を提供する。 【解決手段】 導電性支持体上に少なくとも下引層と感
光層とが設けられた電子写真感光体において、上記の下
引層として一般式RSi(OR’)3 (式中、Rは炭素
数が1〜8の有機基であり、R’は炭素数が1〜5のア
ルキル基又は炭素数が1〜4のアシル基である。)で示
されるオルガノアルコキシシランにコロイド状アルミナ
が混合された組成物を加熱硬化させて構成されたものを
用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複写機やプリン
ター等の電子写真装置に使用される電子写真感光体に係
り、特に、導電性支持体上に少なくとも下引層と感光層
とが設けられた電子写真感光体において、その下引層を
改善し、電子写真感光体における静電特性を低下させる
ことが少なく、画像ノイズの発生を十分に抑制できるよ
うにした点に特徴を有するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、複写機やプリンター等の電子
写真装置において画像形成を行なうにあたっては、一般
にアルミニウム等の導電性材料で構成された導電性支持
体の表面に感光層を形成した電子写真感光体が用いられ
ていた。
【0003】ここで、このような電子写真感光体を用い
て画像形成を行なうにあたっては、この感光体の表面を
帯電装置により帯電させた後、この感光体の表面に対し
て適当な露光手段から画像情報に対応した光を照射し
て、この感光体上に静電潜像を形成し、この静電潜像を
トナーにより現像し、このように現像されたトナー像を
転写紙等の転写部材に転写させて画像形成を行なうよう
にしていた。
【0004】また、近年においては、デジタル信号のデ
ータ処理システムの目覚ましい進歩に伴い、レーザービ
ームプリンタ、デジタル複写機等が特に注目されてき
た。これらの装置に用いられる画像形成方法としては、
光の有効利用あるいは解像力を上げる目的から、レーザ
ービーム等の光を照射した部分にトナー像が形成され、
未露光部分にはトナー像が形成されない反転現像方式が
採用されている。
【0005】しかし、反転現像方式において、未露光部
で導電性支持体から感光層への電荷の注入が起こると、
表面電荷が微視的に消失または減少し、本来トナー像が
形成されるべきでないところに形成されて、所謂「黒ポ
チ」と呼ばれる画像ノイズが発生する。この黒ポチは白
地にトナーが局所的に付着した状態であるから、黒字部
分が白くぬける場合と比べて非常に目立ち画像品質を著
しく低下させるものである。
【0006】こうした問題を解決する方法として、導電
性支持体と感光層との間に下引層を設けることが行なわ
れていた。
【0007】そして、このような下引層としては、ポリ
アミド,ポリビニールアルコール,ポリビニールブチラ
ール,メチルセルロース,ポリウレタン,カゼイン,エ
ポキシ樹脂,フェノール樹脂等の樹脂を用いたものや、
このような樹脂に誘電率の高い酸化チタン等を分散させ
たものが一般に使用されている。
【0008】しかし、このような下引層を設けるにあた
り、導電性支持体から電荷が感光層に注入されるのを抑
制するため、この下引層の膜厚を厚くした場合には、こ
の下引層における電気抵抗が高くなり、除電時に感光層
における電荷が導電性支持体に流れるのが抑制されて、
感光層における残留電位が高くなり、形成される画像カ
ブリが発生するという問題があった。
【0009】また、上記のように樹脂に誘電率の高い酸
化チタンを分散させてブロッキング性を向上させた下引
層を設けた場合においても、依然として、導電性支持体
から電荷が感光層に注入されるのを十分に抑制すること
ができず、形成される画像にノイズが発生する等の問題
があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、複写機や
プリンター等の電子写真装置に使用される電子写真感光
体における上記のような問題を解決することを課題とす
るものである。
【0011】すなわち、この発明においては、導電性支
持体上に、少なくとも下引層と感光層とを設けた電子写
真感光体において、導電性支持体から電荷が感光層に注
入される下引層によって十分に抑制することができ、形
成される画像にノイズが発生するのが防止されると共
に、除電時において感光層における電荷が導電性支持体
にスムーズに流れ、感光層における残留電位が高くなる
ということも少なく、形成される画像にカブリが発生す
るのも防止されて、良好な画像が安定して得られる電子
写真感光体を提供することを課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明における電子写
真感光体においては、上記のような課題を解決するた
め、導電性支持体上に、少なくとも下引層と感光層とが
設けられてなる電子写真感光体において、上記の下引層
として、一般式RSi(OR’)3 (式中、Rは炭素数
が1〜8の有機基であり、R’は炭素数が1〜5のアル
キル基又は炭素数が1〜4のアシル基である。)で示さ
れるオルガノアルコキシシランにコロイド状アルミナが
混合された組成物が加熱硬化されて構成されたものを用
いるようにした。
【0013】ここで、この発明における電子写真感光体
のように、下引層として、上記の一般式RSi(O
R’)3 で示されるオルガノアルコキシシランとコロイ
ド状アルミナとを混合して得られる組成物を加熱硬化さ
せたものを用いると、この下引層によって導電性支持体
から電荷が感光層に注入されるのが十分に抑制され、形
成される画像にノイズが発生するのが防止されると共
に、除電時において感光層における電荷がこの下引層を
通して導電性支持体にスムーズに流れるようになり、感
光層における残留電位の上昇も少なくなり、形成される
画像にカブリが発生するのも防止され、良好な画像が安
定して得られるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る電子写真感
光体の実施形態について具体的に説明する。
【0015】ここで、この発明における電子写真感光体
においては、その導電性支持体として、銅,アルミニウ
ム,金,銀,白金,鉄,パラジウム,ニッケル等の箔な
いし板をシート状又はドラム状に形成したものや、これ
らの金属をプラスチックフィルム等に真空蒸着,無電解
メッキ等によって付着させたもの、あるいは導電性ポリ
マー,酸化インジウム,酸化スズ等の導電性化合物の層
を同じく紙,プラスチックフィルム或いはガラス等の支
持体上に塗布もしくは蒸着によって形成したもの等を用
いることができる。
【0016】そして、この導電性支持体上に上記のよう
な下引層を形成するにあたり、この下引層に使用する前
記の一般式RSi(OR’)3 で示されるオルガノアル
コキシシランは、水の存在により加水分解反応及び重縮
合反応を生起して高分子量化し、さらに塗膜となった場
合に加熱又は常温での放置により硬化するもので、結着
剤としての働きをするものである。
【0017】そして、上記のオルガノアルコキシシラン
中におけるRは、上記のように炭素数が1〜8の有機基
であって、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基等のアルキル基、その他、γ―クロ
ロプロピル基、ビニル基、3,3,3−トリフロロプロ
ピル基、γ―グリシドキシプロピル基、γ―メタクリル
オキシプロピル基、γ―メルカプトプロピル基、フェニ
ル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−
アミノプロピル基等が挙げられる。
【0018】また、上記のオルガノアルコキシシラン中
におけるR’は、上記のように炭素数が1〜5のアルキ
ル基又は炭素数が1〜5のアシル基であって、例えば、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert―ブチ
ル基、アセチル基等が挙げられる。
【0019】そして、上記のオルガノアルコキシシラン
の具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメ
トキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−
プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキ
シシラン、γ―クロロプロピルトリメトキシシラン、γ
―クロロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3,3,3−
トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−
トリフロロプロピルトリエトキシシラン、γ―グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γ―メタクリルオキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ―メタクリルオキシプロピ
ルトリエトキシシラン、γ―メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、γ―メルカプトプロピルトリエトキシシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエト
キシシラン、γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、
3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシ
ラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエト
キシシラン等を用いることができ、このようなオルガノ
アルコキシシランを2以上組み合わせて使用することも
できる。特に、これらのオルガノアルコキシシランのう
ちメチルトリメトキシシランが好ましい。
【0020】なお、上記のオルガノアルコキシシラン
は、酸性溶液中での加水分解反応によってアルコールを
遊離し、対応するシラノールを生成すると共に、重縮合
反応が生じてオルガノポリシロキサン化合物を生成す
る。
【0021】また、上記のようなオルガノアルコキシシ
ランと混合させるコロイド状アルミナは、ゲル化防止、
増粘及び充填剤の分散並びに得られる膜の耐熱性、硬度
及び密着性の向上、さらに静電防止、その他加水分解に
必要な水を提供することを目的として使用されるもので
ある。
【0022】ここで、このコロイド状アルミナは、市販
の水を分散媒とするpH2.5〜6の範囲のアルミナゾ
ルであり、アルミナを2〜25重量%含有し、安定剤と
して硝酸、塩酸、酢酸等の酸が加えられ、その平均粒径
が10〜200nmのものである。
【0023】そして、このコロイド状アルミナとして
は、無水塩化アルミニウムの高温加水分解によって製造
されたものや、一般式Al(OR”)n(式中、R”
は炭素数1〜4のアルキル基で、例えば、メチル基、エ
チル基、n−ブチル基等であり、nは1〜4の整数を示
す。)で表されるアルミニウムアルコキシドを加水分解
して製造されたもので、平均粒径が10〜200nmの
超微粒子アルミナを5〜25重量%、水を75〜95重
量%、酢酸,塩酸等の酸を0.05〜5重量%含むコロ
イド状アルミナが使用される。
【0024】そして、このコロイド状アルミナは強く正
に帯電するものであり、このコロイド状アルミナは溶液
中において充填剤と安定した凝集物を形成する他、オル
ガノアルコキシシランの加水分解の進行を妨げて長期間
安定化させるものである。
【0025】また、上記のオルガノアルコキシシランに
酸を加えると、酸によってオルガノアルコキシシランの
加水分解が促進されると共に、形成される下引層の硬化
が促進される。
【0026】ここで、このような酸としては、硝酸,塩
酸等の無機酸、酢酸,蟻酸,プロピオン酸,マレイン
酸,クロロ酢酸,クエン酸,安息香酸,ジメチルマロン
酸,グルタル酸,グリコール酸,マロン酸.トルエンス
ルホン酸,シュウ酸等の有機酸を用いることができ、こ
れらの酸を2以上組み合わせて使用することも可能であ
る。
【0027】そして、上記のようなオルガノアルコキシ
シランとコロイド状アルミナとを混合させて得られる組
成物を加熱硬化させるにあたっては、その加熱温度を7
0〜250℃の範囲にして硬化させることができる。
【0028】また、上記のような下引層を設けるにあた
り、その膜厚が薄いと、導電性支持体から感光層への電
荷の注入を十分にブロッキングすることができない一
方、その厚みが厚くなりすぎると、除電時において感光
層に発生した電荷がこの下引層を通して導電性支持体に
流れるのが抑制されて、感光層における残留電位が高く
なるため、この下引層の厚みを1〜5μm、好ましくは
1〜3μmの範囲になるようにする。
【0029】そして、このように形成した下引層の上に
感光層を設けるにあたっては、公知の方法によって感光
層を設けることができ、この感光層を構成する材料に
は、公知の有機及び無機材料を使用することができ、ま
た感光層の構造も特に限定されず、電荷発生材料と電荷
輸送材料とが含有された単層型の感光層であっても、電
荷発生材料が含有された電荷発生層と電荷輸送材料が含
有された電荷輸送層とが積層された機能分離型の感光層
であってもよく、さらにこの感光層の表面に保護層等を
設けるようにしてもよい。
【0030】ここで、上記の電荷発生材料としては、例
えば、モノアゾ系顔料,ビスアゾ系顔料,トリスアゾ系
顔料,テトラキスアゾ顔料,トリアリールメタン系染
料,チアジン系染料,オキサジン系染料,キサンテン系
染料,シアニン系色素,スチリル系色素,ピリリウム系
染料,キナクリドン系顔料,インジゴ系顔料,ペリレン
系顔料,多環キノン系顔料,ビスベンズイミダゾール系
顔料,インダスロン系顔料,スクアリリウム系顔料,フ
タロシアニン系顔料等の有機系顔料及び染料や、セレ
ン,セレン−ヒ素,セレン−テルル,硫化カドミウム,
酸化亜鉛,酸化チタン,アモルファスシリコン等の無機
材料を使用することができる。
【0031】また、上記の電荷輸送材料としては、例え
ば、アントラセン誘導体,ピレン誘導体,カルバゾール
誘導体,テトラゾール誘導体,メタロセン誘導体,フェ
ノチアジン誘導体,ピラゾリン化合物,ヒドラゾン化合
物,スチリル化合物,スチリルヒドラゾン化合物,エナ
ミン化合物,ブタジエン化合物,ジスチリル化合物,オ
キサゾール化合物,オキサジアゾール化合物,チアゾー
ル化合物,イミダゾール化合物,トリフェニルアミン誘
導体,フェニレンジアミン誘導体,アミノスチルベン誘
導体,トリフェニルメタン誘導体等を使用することがで
きる。
【0032】また、上記の感光層を形成するのに使用す
る結着樹脂としては、電気絶縁性であり、それ自体公知
の熱可塑性樹脂,熱硬化性樹脂,光硬化性樹脂及び光導
電性樹脂等を使用することができ、適当な結着樹脂とし
ては、例えば、ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体,塩化ビニル−酢酸ビ
ニル−無水マレイン酸共重合体,エチレン−酢酸ビニル
共重合体,ポリビニルブチラール,ポリビニルアセター
ル,ポリエステル,フェノキシ樹脂,(メタ)アクリル
樹脂,ポリスチレン,ポリカーボネ−ト,ポリアリレー
ト,ポリスルホン,ポリエーテルスルホン,ABS樹脂
等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂,エポキシ樹脂,ウ
レタン樹脂,メラミン樹脂,イソシアネート樹脂,アル
キッド樹脂,シリコーン樹脂,熱硬化性アクリル樹脂等
の熱硬化性樹脂、ポリビニルカルバゾール,ポリビニル
アントラセン,ポリビニルピレン等の光導電性樹脂を挙
げることができるが、特に、これらのものに限定される
ものではない。
【0033】なお、本発明の感光体は反転現像方式、正
規現像方式のどちらの現像方式でも使用可能であるが、
画像ノイズの点から見て、反転現像方式で使用する場合
に大変有効である。
【0034】
【実施例】以下、この発明に係る電子写真感光体につい
て実施例を挙げて具体的に説明すると共に、比較例を挙
げ、この発明の実施例に係る電子写真感光体を用いた場
合に、感光層における残留電位の上昇が抑制されると共
に、形成される画像にノイズが発生するのも防止される
ことを明らかにする。
【0035】(実施例1)この実施例においては、外径
80mm、長さ350mmの円筒状になったアルミニウ
ム管で構成された導電性支持体を用いるようにした。
【0036】そして、この導電性支持体上に下引層を形
成するにあたり、コロイド状アルミナが混合されたアル
コキシシラン溶液(日板研究所社製:GS−92)をこ
の導電性支持体上に塗布し、これを150℃で30分間
加熱硬化させて乾燥させ、膜厚が1μmになった下引層
を形成した。
【0037】次に、テトラヒドロフラン100重量部に
対して、ブチラール樹脂(積水化学工業社製:エスレッ
クBX−1)を1重量部、m型チタニルフタロシアニン
(東洋インキ製造社製:am−TiOPC)を1重量部
加え、これらをサンドミルで5時間分散させて電荷発生
層用塗液を調製し、この電荷発生層用塗液を上記の下引
層上に塗布して膜厚が0.2μmになった電荷発生層を
形成した。
【0038】そして、塩化メチレン100重量部に対し
て、ポリカーボネート樹脂(帝人化成社製:パンライト
K−1300)を15重量部、下記の化1に示す電荷輸
送材料を10重量部の割合で溶解させて電荷輸送層用塗
液を調製し、この電荷輸送層用塗液を上記の電荷発生層
上に塗布し、これを100℃で45分間乾燥させて膜厚
が30μmになった電荷輸送層を形成し、導電性支持体
上に上記の下引層と電荷発生層と電荷輸送層とが積層さ
れた機能分離型の電子写真感光体を得た。
【0039】
【化1】
【0040】(実施例2)この実施例の電子写真感光体
においては、上記の導電性支持体上に下引層を形成する
にあたり、上記の実施例1と同じ下引層用塗液を用いて
膜厚が3μmになった下引層を形成し、それ以外につい
ては、上記の実施例1の場合と同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0041】(実施例3)この実施例の電子写真感光体
においては、上記の導電性支持体上に下引層を形成する
にあたり、上記の実施例1と同じ下引層用塗液を用いて
膜厚が5μmになった下引層を形成し、それ以外につい
ては、上記の実施例1の場合と同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0042】(実施例4)この実施例の電子写真感光体
においては、上記の実施例1において電荷輸送層を形成
するにあたり、その電荷輸送材料として、下記の化2に
示した電荷輸送材料を用いるようにし、それ以外につい
ては、上記の実施例1の場合と同様にして電子写真感光
体を作製した。
【0043】
【化2】
【0044】(比較例1)この比較例の電子写真感光体
においては、導電性支持体上に下引層を設けないように
し、それ以外については、上記の実施例1の場合と同様
にして電子写真感光体を作製した。
【0045】次に、上記のようにして作製した実施例1
〜4及び比較例1の各電子写真感光体を用い、図1に示
すように、各電子写真感光体1をそれぞれ周速130m
m/secで回転させながら、帯電器2に−5kVの電
圧を印加させて、各電子写真感光体1をそれぞれコロナ
帯電させ、各電子写真感光体1における初期表面電位V
0 (V)を電位プローブ3によって測定し、また各電子
写真感光体1をそれぞれ露光させてその初期表面電位V
0 が半減するのに要する露光量である半減露光量E1/2
(lux・sec)を測定し、また各電子写真感光体1
に対してそれぞれ除電装置4から50lux・secの
光を照射して除電を行なった後における残留電位Vr
(V)を測定し、さらに各電子写真感光体1を暗中に5
秒間放置した場合における初期表面電位V0 の減衰率D
DR5 (%)を求め、これらの結果を下記の表1に示し
た。
【0046】また、上記の実施例1〜4及び比較例1の
各電子写真感光体を市販のデジタル複写機(ミノルタ社
製:Di−30)に搭載して反転現像を行なって画像特
性を調べるようにした。ここで、画像特性については、
白ベタ画像中における黒ポチの発生状態を調べ、白ベタ
画像100cm2 中における黒ポチの個数が5個未満の
場合を◎、10個未満の場合を○、10個以上の場合を
×で下記の表1に合わせて示した。
【0047】
【表1】
【0048】この結果から明らかなように、導電性支持
体上にオルガノアルコキシシランにコロイド状アルミナ
が混合されて加熱硬化された下引層を設けた実施例1〜
4の各電子写真感光体は、初期表面電位V0 や半減露光
量E1/2 や減衰率DDR5 の値が、下引層を設けていな
い比較例1の電子写真感光体と同程度であり、また残留
電位Vrも比較例1の電子写真感光体に比べて僅かに増
加しているだけで、電子写真感光体における感度等の静
電特性が低下するということがなく、反転現像方式によ
り形成される画像においてもカブリが発生するというこ
とがない一方、形成された画像における黒ポチの発生
は、比較例1の電子写真感光体に比べて非常に少なくな
っており、ノイズやカブリのない良好な画像が得られる
ようになった。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明における
電子写真感光体においては、導電性支持体と感光層との
間に下引層を設けるにあたり、その下引層として、前記
の一般式RSi(OR’)3 で示されるオルガノアルコ
キシシランとコロイド状アルミナとを混合して得られる
組成物を加熱硬化させたものを設けるようにしたため、
この下引層によって導電性支持体から電荷が感光層に注
入されるのが十分に抑制されると共に、除電時において
感光層における電荷がこの下引層を通して導電性支持体
にスムーズに流れるようになり、感光層において残留電
位が上昇するのも抑制されるようになった。
【0050】この結果、この発明における電子写真感光
体を複写機やプリンター等の電子写真装置に使用して画
像形成を行なうと、形成される画像にノイズが発生する
のが防止されると共に、形成される画像にカブリが発生
するということもなくなり、良好な画像が安定して得ら
れるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の各実施例及び各比較例の電子写真感
光体の特性を調べる状態を示した概略説明図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、少なくとも下引層と
    感光層とが設けられてなる電子写真感光体において、上
    記の下引層が一般式RSi(OR’)3 (式中、Rは炭
    素数が1〜8の有機基であり、R’は炭素数が1〜5の
    アルキル基又は炭素数が1〜4のアシル基である。)で
    示されるオルガノアルコキシシランにコロイド状アルミ
    ナが混合された組成物が加熱硬化されて構成されている
    ことを特徴とする電子写真感光体。
JP11231097A 1997-04-30 1997-04-30 電子写真感光体 Pending JPH10301314A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11231097A JPH10301314A (ja) 1997-04-30 1997-04-30 電子写真感光体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11231097A JPH10301314A (ja) 1997-04-30 1997-04-30 電子写真感光体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10301314A true JPH10301314A (ja) 1998-11-13

Family

ID=14583484

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11231097A Pending JPH10301314A (ja) 1997-04-30 1997-04-30 電子写真感光体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10301314A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6777150B2 (en) 2001-03-06 2004-08-17 Ricoh Company, Ltd. Coating liquid for an intermediate layer of electrophotographic photoconductor, manufacturing method thereof, electrophotographic photoconductor, electrophotographic apparatus, and electrophotographic photoconductor process cartridge using same
US6864027B2 (en) 2001-09-17 2005-03-08 Ricoh Company Limited Coating liquid for electrophotographic photoreceptor, electrophotographic photoreceptor, and image forming method and apparatus using the photoreceptor
DE102015111021A1 (de) 2014-07-09 2016-01-14 Canon Kabushiki Kaisha Elektrophotographisches photosensitives Element, Verfahren zum Herstellen eines elektrophotographischen photosensitiven Elements, Prozesskartusche und elektrophotographischer Apparat
WO2019069913A1 (ja) * 2017-10-03 2019-04-11 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6777150B2 (en) 2001-03-06 2004-08-17 Ricoh Company, Ltd. Coating liquid for an intermediate layer of electrophotographic photoconductor, manufacturing method thereof, electrophotographic photoconductor, electrophotographic apparatus, and electrophotographic photoconductor process cartridge using same
US7005006B2 (en) 2001-03-06 2006-02-28 Ricoh Company, Ltd. Coating liquid for an intermediate layer of electrophotographic photoconductor, manufacturing method thereof, electrophotographic photoconductor, electrophotographic apparatus, and electrophotographic photoconductor process cartridge using same
US7010247B2 (en) 2001-03-06 2006-03-07 Ricoh Company, Ltd. Coating liquid for an intermediate layer of electrophotographic photoconductor, manufacturing method thereof, electrophotographic photoconductor, electrophotographic apparatus, and electrophotographic photoconductor process cartridge using same
US6864027B2 (en) 2001-09-17 2005-03-08 Ricoh Company Limited Coating liquid for electrophotographic photoreceptor, electrophotographic photoreceptor, and image forming method and apparatus using the photoreceptor
US7105259B2 (en) 2001-09-17 2006-09-12 Ricoh Company Limited Coating liquid for electrophotographic photoreceptor, electrophotographic photoreceptor, and image forming method and apparatus using the photoreceptor
DE102015111021A1 (de) 2014-07-09 2016-01-14 Canon Kabushiki Kaisha Elektrophotographisches photosensitives Element, Verfahren zum Herstellen eines elektrophotographischen photosensitiven Elements, Prozesskartusche und elektrophotographischer Apparat
WO2019069913A1 (ja) * 2017-10-03 2019-04-11 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP2019066734A (ja) * 2017-10-03 2019-04-25 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
US11112706B2 (en) 2017-10-03 2021-09-07 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3336846B2 (ja) 電子写真感光体
JP2000275886A (ja) 電子写真感光体、それを用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置
US20010044063A1 (en) Electrophotoreceptor, image forming apparatus and processing cartridge
JP3264119B2 (ja) 画像形成方法
JPH08160651A (ja) 電子写真感光体および画像形成方法
JP3780909B2 (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置
JP2003186227A (ja) 電子写真感光体、電子写真装置及びプロセスカートリッジ
JPH10301314A (ja) 電子写真感光体
JP3123733B2 (ja) 電子写真感光体及び電子写真装置
JP4103305B2 (ja) 電子写真感光体と電子写真感光体の製造方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2005234321A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP4356228B2 (ja) 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP4144860B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2001166522A (ja) 電子写真感光体と、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2001100441A (ja) 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP3848153B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2003316047A (ja) 有機感光体、画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP2001005207A (ja) 画像形成方法、画像形成装置、及び該装置に用いられるプロセスカートリッジ、電子写真感光体
JP2005141119A (ja) 電子写真感光体
JP4124923B2 (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP3879946B2 (ja) 電子写真感光体
JPH09101651A (ja) 画像形成方法、画像形成装置及び装置ユニット
JP6622553B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP2001051576A (ja) 電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、該装置に用いられるプロセスカートリッジ及び電子写真感光体
JP2002268330A (ja) 画像形成方法及び画像形成装置