JP3811201B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、電子写真用感光体に関し、詳しくは感光層中或いは表面保護層中に特定の化合物を含有させた電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式において使用される感光体の光導電性素材として用いられるものに、セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛などの無機物質がある。ここにいう「電子写真方式」とは、一般に、光導電性の感光体をまず暗所で、例えばコロナ放電によって帯電せしめ、次いで像露光し、露光部のみの電荷を選択的に逸散せしめて静電潜像を得、この潜像部を染料、顔料などの着色剤と高分子物質などの結合剤とから構成される検電微粒子(トナー)で現像し可視化して画像を形成するようにした画像形成法の1つである。
このような電子写真法において感光体に要求される基本的な特性としては、(1)暗所で適当な電位に帯電できること、(2)暗所において電荷の逸散が少ないこと、(3)光照射によって速やかに電荷を逸散せしめうることなどが挙げられる。
ところで、前記の無機物質はそれぞれが多くの長所を持っていると同時に、さまざまな欠点を有しているのが実情である。例えば、現在広く用いられているセレンは、前記(1)〜(3)の条件は十分に満足するが、製造する条件が難しく、製造コストが高くなり、可とう性がなく、ベルト状に加工することが難しく、熱な機械的な衝撃に鋭敏なため、取扱いに注意を要するなどの欠点もある。また、硫化カドミウムや酸化亜鉛は、結合剤としての樹脂に分散させて感光体として用いられているが、平滑性、硬度、引っ張り強度、耐摩耗性などの機械的な欠点があるためにそのままでは反復して使用することができない。
【0003】
近年、これら無機物質の欠点を排除するためにいろいろな有機物質を用いた電子写真感光体が提案され、実用に供されているものもある。例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾールと2,4,7−トリニトロフルオレノン−9−オンとからなる感光体(米国特許第3484237号明細書に記載)、ポリ−N−ビニルカルバゾールをピリリウム塩系色素で増感してなる感光体(特開昭48−25658号公報に記載)、有機顔料を主成分とする感光体(特開昭47−37543号公報に記載)、染料と樹脂からなる共晶錯体を主成分とする感光体(特開昭47−10735号公報に記載)、トリフェニルアミン化合物を色素増感してなる感光体(米国特許第3180730号明細書に記載)、アミン誘導体を電荷輸送材料として用いる感光体(特開昭57−195254号公報に記載)、ポリ−N−ビニルカルバゾールとアミン誘導体を電荷輸送材料として用いる感光体(特開昭58−1155号公報に記載)、多官能第3アミン化合物なかでもべンジジン化合物を光導電材料として用いる感光体(米国特許第3265496号、特開昭39−11546号公報、特開昭53−27033号公報)などである。これらの感光体は優れた特性を有しており、実用的にも価値が高いと思われるものであるが、電子写真法において、感光体に対するいろいろな要求を考慮すると、まだ、これらの要求を十分に満足するものが得られていないのが実状である。
【0004】
一方、従来技術として感光体用保護層のバインダー樹脂に、光あるいは熱硬化性樹脂を用いることは知られているが、光硬化性樹脂の場合、紫外光を照射するため、感光体の光劣化は避けられない。
又、熱硬化性樹脂の場合、さまざまな樹脂が検討されており、汎用性、下層との接着性、硬化反応の種類の多様性の点で、エポキシ樹脂が多く用いられている(例、特開昭56−51749号)。
しかしながら、半導体封止用に用いられている硬化剤との組み合わせの例が多く、そのうちほとんどが2官能の硬化剤のため、感光体に必要な耐摩耗性はあまり高くない。また、硬化剤の未反応基による副作用が大きいものであった。
【0005】
更に、硬化材料を感光層あるいは保護層に用いた場合、それ自身光キャリアの輸送能を有しないため、残留電位などさまざまな不具合点を有するものであった。
また、これを解決するため、光キャリア輸送材料を感光層あるいは保護層に添加する方法も提案されたが(特開平4−281461号)、一般に光キャリア輸送材料が低分子化合物であるため、得られた膜の耐摩耗性は、未添加の膜と比べ、著しく低下してしまい、当初の目的(耐摩耗性向上)は達成できなくなってしまうものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、先に述べた従来の感光体の持つ種々の欠点を解消し、電子写真法において要求される条件を十分に満足でき、更に、製造が容易でかつ、比較的安価に行なえ、耐摩耗性、耐久性にも優れた、高感度な電子写真感光体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、導電性支持体上に、感光層を設けた電子写真感光体において、該感光層中に、下記一般式(I)で表されるエポキシ基を1個有するオキシラン化合物Aの少なくとも1種を含有させたことを特徴とする電子写真感光体
【化1】
(式中、R1、R2は、それぞれフェニル基、メチル基もしくはメトキシ基で置換されたフェニル基を表し、R1、R2は、同一でも異なっていても良い。Arは、パラフェニレン基を表す。nは、0、1、2の整数を表す。)
が提供され、
また、前記感光層中に、更に、エポキシ基を2個以上有するオキシラン化合物Bの少なくとも1種を含有させたことを特徴とする前記電子写真感光体が提供される。
また、導電性支持体上に、感光層及び表面保護層を順次設けた電子写真感光体において、該表面保護層に、下記一般式(I)で表されるエポキシ基を1個有するオキシラン化合物Aの少なくとも1種を含有させたことを特徴とする電子写真感光体
【化1】
(式中、R1、R2は、それぞれフェニル基、メチル基もしくはメトキシ基で置換されたフェニル基を表し、R1、R2は、同一でも異なっていても良い。Arは、パラフェニレン基を表す。nは、0、1、2の整数を表す。)
が提供され、
また、前記表面保護層に、更にエポキシ基を2個以上有するオキシラン化合物Bの少なくとも1種を含有させたことを特徴とする前記電子写真感光体が提供される。
更に、前記感光層中に、前記オキシラン化合物Bと共に、更にエポキシ基と反応する官能基を3個以上有するオキシラン化合物Bの硬化剤を同時に含有させたことを特徴とする前記電子写真感光体が提供される。
また、特に前記オキシラン化合物Bのエポキシ当量が、1000以上であることを特徴とする前記電子写真感光体が提供され、
また特に、前記オキシラン化合物A及びBのエポキシ基の合計と、前記硬化剤の官能基との比が、エポキシ基:官能基=1:0.3〜2.0であることを特徴とする前記電子写真感光体が提供される。
【0008】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
有機電子写真感光体においては、その高耐久性(主に機械的な耐久性−耐摩耗性)が重要なポイントになっている。
感光体の高耐久性(耐摩耗性)については、感光体の最上層を耐摩耗特性の優れた構成にする試みが行なわれているが、必ずしも出来上った感光体の電子写真特性は満足のいくものが得られることは少ない。特に、最上層のバインダーとして硬化型材料を用いた場合には顕著であり、硬化剤あるいはバインダーの硬化型官能基の未反応部が悪影響を及ぼす場合が多い。
本発明者らはこの点について検討を行なった結果、前記一般式(I)で表されるオキシラン化合物Aを用いることにより、電子写真特性に及ぼす悪影響を最小限に押さえ、満足の行く機械的な耐久性−耐摩耗性を有する感光体を作製できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明において用いる前記一般式(I)で表されるオキシラン化合物Aは、例えば、下記一般式(II)
【化2】
(式中、R1、R2は、それぞれフェニル基、メチル基もしくはメトキシ基で置換されたフェニル基を表し、R1、R2は、同一でも異なっていても良い。Arは、パラフェニレン基を表す。nは、0、1、2の整数を表す。)
で表されるヒドロキシ体と、エピクロルヒドリンとを反応させることによって製造される。
【0010】
本発明の前記一般式(I)で表されるオキシラン化合物Aの具体例を表1に示す。
【表1−(1)】
【0011】
【表1−(2)】
【0012】
【表1−(3)】
【0013】
【表1−(4)】
【0014】
【表1−(5)】
【0015】
【表1−(6)】
【0016】
【表1−(7)】
【0017】
【表1−(8)】
【0018】
【表1−(9)】
【0019】
【表1−(10)】
【0020】
【表1−(11)】
【0021】
【表1−(12)】
【0022】
本発明において、感光層中に、前記一般式(I)で表されるオキシラン化合物Aを含有させることにより、良好な感光体が得られる理由については明確でないが、該オキシラン化合物Aがキャリアを移動することができる構造を有するため、電荷輸送物質として用いることができ、かつ硬化型官能基成分を含んでいるため、耐摩耗性が向上し、かつ良好な電気特性が得られるものと推定される。
【0023】
また、本発明においては、感光層中に、前記オキシラン化合物Aに、エポキシ基を2個以上有するオキシラン化合物Bを併用することにより、前記効果、特に耐摩耗性を向上させることができる。
該オキシラン化合物Bとしては、エポキシ当量が、1000以上のものが好ましい。エポキシ当量が余り小さい場合、製膜硬化後の膜の耐摩耗性が悪くなる。その理由として、硬化後の主鎖の絡み合いが小さくなってしまうためと考えられる。
【0024】
更に、本発明においては、前記オキシラン化合物Bに、硬化剤を併用することにより、前記効果(耐摩耗性等)をより一層向上させることができる。その際、硬化剤は官能基数が3個以上のものが好ましい。
【0025】
また、硬化剤を用いる場合、前記オキシラン化合物Aと前記オキシラン化合物Bの有するエポキシ基の合計と硬化剤の官能基の比は、感光体の耐摩耗性を大きく左右する重要な因子であり、該比が釣り合わないと、さまざまな不具合点を有する。
官能基がエポキシ基の0.3倍より少ないと、硬化不十分な膜になり十分な耐摩耗性が得られず、官能基がエポキシ基の2倍より多く存在すると、硬化不良あるいは過剰官能基による電気特性への悪影響が出てくるものである。従って、
0.3≦硬化剤の官能基/エポキシ基の合計≦2
の範囲であることが好ましい。
この場合、官能基の数としてエポキシ基1個に反応する官能基を1と数える。例えば、NH2の場合には2、COOHの場合には1とカウントする。
【0026】
本発明の電子写真感光体においては、前記一般式(I)で表されるオキシラン化合物Aを、電荷輸送物質として感光層に含有させることができる。即ち、単層型の場合は電荷発生物質と共に感光層に含有させ、積層型の場合は電荷輸送層に含有させことができる。その際、他の電荷輸送物質を併用してもよいことは勿論である。
また、耐摩耗性の向上を目的とする場合は、前記一般式(I)で表されるオキシラン化合物Aを、或いはオキシラン化合物Bと共に、或いは更に硬化剤と共に、最上層に含有させることが好ましい。
即ち、単層型電子写真感光体の場合は、感光層へ、また積層型電子写真感光体の場合は、電荷発生層と電荷輸送層の積層順序によって、最上層となる電荷輸送層或いは電荷発生層へ、更に電子写真感光体が表面保護層を有する場合は、最上層となる表面保護層に含有させることが望ましい。
【0027】
次に、図面に基づいて本発明を説明する。
図1は、本発明において使用する感光体の構成例を示す断面図であり、導電性支持体11上に、感光層15を設けたものである。
図2は、別の構成例を示す断面図であり、感光層が電荷発生層21と電荷輸送層23の2層構成となっている。
図3は、別の構成例を示す断面図であり、感光層が電荷輸送層23と電荷発生層21の2層構成となっている。
図4は、別の構成例を示す断面図であり、感光層15上に保護層17を設けたものである。
図5は、別の構成例を示す断面図であり、感光層が電荷発生層21と電荷輸送層23の2層構成になっている。
図6は、更に別の構成例を示す断面図であり、感光層が電荷輸送層23と電荷発生層21の2層構成になっている。
図7は、また更に別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体11と感光層15の間に中間層19を設けたものである。
【0028】
以下、本発明の感光体の、各層を構成するオキシラン化合物A以外の各成分について説明する。
本発明において使用するエポキシ基を2個以上含有するオキシラン化合物Bは、分子内にエポキシ基を2個以上含有する化合物、即ち、所謂エポキシ樹脂であればどのようなものでもよく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物、これらのハロゲン化物、これらの水素添加物等がある。
これらオキシラン化合物Bのエポキシ当量は、前記したように1000以上のものが好ましい。
【0029】
本発明において使用できる硬化剤としては、一般にエポキシ樹脂の硬化剤として公知であるものは、すべて使用することが可能である。例えば、脂肪族アミン、有機ポリアミン(アダクトを含む)、ポリアミド樹脂、芳香族アミン、複合アミン化合物、アミン塩、アミン錯化合物、有機酸及び酸無水物、有機酸無水物予備縮合物、尿素樹脂、メラミン樹脂、アニリン類、ホルムアルデヒド樹脂、アミノ樹脂、フェノール樹脂及びフェノール樹脂予備縮合物、脂肪酸エステル、ロジン変性エステル、アルキド樹脂、イソシアネート類などが挙げられる。
前記したように、該硬化剤は、官能基を3つ以上含有するものは特に有効に使用でき、また使用量は、オキシラン化合物A及びBのエポキシ基の合計に対して、硬化剤の官能基が0.3〜2倍となる範囲が好ましい。
【0030】
また、これらオキシラン化合物A,B、硬化剤を用いた場合の硬化条件としては特に限定されるものでないが、感光層を構成する材料が熱に弱い場合には、分解等の劣化を起こす温度以下で硬化させる必要がある。いずれの場合にも、予備的な試験を行なって硬化条件を決定することが望ましい。
【0031】
導電性支持体11としては、体積抵抗1010Ω以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸化物を、蒸着またはスパッタリングによりフィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙等に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらをD.I.,I.I.,押出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨などで表面処理した管などを使用することができる。
【0032】
次に電荷発生層21について説明する。
電荷発生層21は、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。
電荷発生物質としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0033】
バインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0034】
次に、電荷輸送層23について説明する。
電荷輸送層23は、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0035】
正孔輸送物質としては、以下に表される電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルメタート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0036】
電荷輸送層23に用いられるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールZタイプ)、ポリエステル、メタクリル樹脂、ポリアクリレートやポリアクリルアミド等のアクリル樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、フェノキシ樹脂などが用いられる。これらのバインダーは、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0037】
次に、単層型の感光層15について説明する。該感光層15は、少なくとも電荷発生物質を含有する層であり、一般には、電荷輸送物質を共存させ、キャリア発生とキャリア輸送のいずれもが可能な層である。感光層15に用いられる、電荷発生物質、電荷輸送物質、バインダー樹脂は、電荷発生層21、あるいは電荷輸送層23の説明において記載された材料がいずれも良好に使用できる。
【0038】
保護層17は、感光体表面保護の目的で設けられ、前記一般式(I)で表されるオキシラン化合物A、或いは該オキシラン化合物Aと前記オキシラン化合物Bとから形成される。
また、更にエポキシ基と反応する官能基を有する前記硬化剤を併用することにより耐摩耗性を向上させることができる。
これらオキシラン化合物A、B、硬化剤の具体例はすでに説明したとおりである。
【0039】
更に、以下に示すような材料を併用することも可能であり、例えば、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフイン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリレート等のアクリル樹脂、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリアリールスルホンやポリエーテルスルホン等のポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルなど、またこれらの内、硬化可能な材料と硬化剤との硬化物が挙げられる。
保護層には、その他、耐摩耗性を向上する目的でポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂、シリコーン樹脂、及びこれらの樹脂に酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウムなどの無機材料を分散したものなどを添加することができる。
保護層の形成法としては通常の塗布法が採用される。
なお、膜厚は0.5〜10μm程度が適当である。
【0040】
導電性支持体11と感光層15、電荷発生層21又は電荷輸送層23との間に設けられる中間層19は、接着性を向上する目的で設けられ、その材料としてはSiO2、Al2O3、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤などの無機材料やポリアミド樹脂、アルコール可溶性ポリアミド樹脂、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、PVAなどの接着性の良いバインダー樹脂などが使用される。その他、前記接着性の良いバインダー樹脂に、ZnO、TiO2、ZnSなどを分散したものも使用できる。
中間層の形成法としては、無機材料単独の場合はスパッタリング、蒸着などの方法が、また、有機材料を用いた場合は、通常の塗布法が採用される。
なお、中間層の膜厚は5μm以下が適当である。
【0041】
【実施例】
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中使用する部は、すべて重量部を表す。
【0042】
実施例1
アルミ蒸着したポリエチレンテレフタレートフィルム上に、下記組成の電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次塗布乾燥して、0.3μmの電荷発生層、20μmの電荷輸送層を形成し、本発明の電子写真感光体を作製した。
・電荷発生層用塗工液
下記構造の電荷発生物質 3部
【化3】
ポリエステル(東洋紡績:バイロン200) 1部
テトラヒドロフラン 200部
メチルエチルケトン 100部
・電荷輸送層用塗工液
表1の化合物No.1の化合物 10部
ポリカーボネート(帝人化成:パンライトK−1300) 10部
塩化メチレン 200部
【0043】
実施例2〜10
電荷発生物質及び電荷輸送物質(オキシラン化合物)を表2に示したものに変えた以外は実施例1と全く同様にして、本発明の電子写真感光体を作製した。
【0044】
【表2−(1)】
【0045】
【表2−(2)】
【0046】
実施例11
厚さ0.3mmのアルミ板上に、下記組成の電荷輸送層用塗工液、電荷発生層用塗工液を順次塗布乾燥して、22μmの電荷輸送層、0.5μmの電荷発生層を形成し、本発明の電子写真感光体を作製した。
・電荷輸送層用塗工液
表1の化合物No.1の化合物 10部
ポリカーボネート(三菱ガス化学:ユーピロンZ300) 10部
塩化メチレン 200部
・電荷発生層用塗工液
下記構造の電荷発生物質 5部
【化4】
ポリエステル(東洋紡績:バイロン200) 1部
テトラヒドロフラン 200部
メチルエチルケトン 100部
【0047】
実施例11〜15
電荷発生物質及び電荷輸送物質(オキシラン化合物)を表3に示したものに変えた以外は実施例1と全く同様にして、本発明の電子写真感光体を作製した。
【0048】
【表3】
【0049】
実施例16
厚さ0.3mmのアルミ板上に、電荷発生層としてセレンを約1μmの膜厚で真空蒸着法により形成した。ついで下記の電荷輸送層用塗工液を用いて23μmの電荷輸送層を積層して本発明の電子写真感光体を作製した。
・電荷輸送層用塗工液
表1の化合物No.1の化合物 10部
ポリカーボネート(出光石油化学:A2500) 10部
塩化メチレン 200部
【0050】
実施例17
実施例16における電荷発生物質としてのセレンの代わりに、下記構造の電荷発生物質を用い、かつ電荷輸送物質を表1の化合物No.11の化合物に変えた以外は実施例16と全く同様にして本発明の電子写真感光体を作製した。
【化5】
【0051】
以上のように作製した各感光体の静電特性を静電複写紙試験装置(川口電気:SP−428)を用いて次のように評価した。
まず、6.0もしくは−6.0kVの放電電圧にてコロナ放電を20秒間行い、次いで暗減衰させて表面電位が800もしくは−800Vになったところで、4.5luxのタングステン光を照射した。
感光体の静電特性は、光照射の際表面電位が800Vから400Vもしくは−800Vから−400Vになるのに必要な露光量E400(lux・sec)、露光開始後の20秒の表面電位V20(V)を測定した。
結果を表4に示す。
【表4】
【0052】
実施例18
φ80mmのアルミ円筒状支持体上に、下記組成の電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次塗布乾燥して、0.3μmの電荷発生層、20μmの電荷輸送層を形成し、本発明の電子写真感光体を作製した。
・電荷発生層用塗工液
下記構造の電荷発生物質 3部
【化6】
ポリビニルブチラール(UCC:XYHL) 1部
テトラヒドロフラン 200部
メチルエチルケトン 100部
・電荷輸送層用塗工液
表1の化合物No.1の化合物 10部
ポリカーボネート(バイエル:マクロロン3100) 7部
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:2640) 5部
(三井石油化学:R309)
テトラヒドロフラン 200部
【0053】
実施例19
φ80mmのアルミ円筒状支持体上に、下記組成の電荷輸送層用塗工液、電荷発生層用塗工液を順次塗布乾燥して、22μmの電荷輸送層、2.0μmの電荷発生層を形成し、本発明の電子写真感光体を作製した。
・電荷輸送層用塗工液
下記構造の電荷輸送物質 10部
【化7】
ポリカーボネート(帝人化成:パンライトL−1250) 10部
塩化メチレン 200部
・電荷発生層用塗工液
下記構造の電荷発生物質 5部
【化3】
表1の化合物No.10の化合物 5部
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:2640) 10部
(三井石油化学:R309)
テトラヒドロフラン 200部
メチルエチルケトン 100部
【0054】
実施例20
φ80mmのアルミ円筒状支持体上に、下記組成の感光層用塗工液を塗布乾燥することにより20μmの感光層を形成して、本発明の電子写真感光体を作製した。
・感光層用塗工液
表1の化合物No.7の化合物 10部
下記構造の電荷発生物質 2部
【化8】
ポリアリレート(ユニチカ:U−100) 8部
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:2640) 5部
(三井石油化学:R309)
テトラヒドロフラン 200部
【0055】
実施例21
実施例18における電荷輸送層用塗工液に下記構造の硬化剤を2.1部添加した以外は実施例18と全く同様にして、本発明の電子写真感光体を作製した(官能基/エポキシ基=1/1)。
硬化剤
【化9】
【0056】
実施例22
実施例19における電荷発生層用塗工液に下記構造の硬化剤を0.38部添加した以外は実施例19と全く同様にして、本発明の電子写真感光体を作製した(官能基/エポキシ基=0.3/1)。
硬化剤
【化10】
【0057】
実施例23
実施例20における感光層用塗工液に下記構造の硬化剤を3.6部添加した以外は実施例20と全く同様にして、本発明の電子写真感光体を作製した(官能基/エポキシ基=2/1)。
硬化剤
【化11】
【0058】
実施例24
実施例18における電荷輸送層用塗工液を以下のものに変更した以外は実施例18と全く同様にして、本発明の電子写真感光体を作製した。
・電荷輸送層用塗工液
表1の化合物No.1の化合物 10部
ポリカーボネート(バイエル:マクロロン3100) 7部
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:1960) 5部
(三井石油化学:R307)
テトラヒドロフラン 200部
【0059】
実施例25
実施例18における電荷輸送層用塗工液を以下のものに変更した以外は実施例18と全く同様にして、本発明の電子写真感光体を作製した。
・電荷輸送層用塗工液
表1の化合物No.1の化合物 10部
ポリカーボネート(バイエル:マクロロン3100) 7部
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:927) 5部
(三井石油化学:R304)
テトラヒドロフラン 200部
【0060】
実施例26
実施例19における電荷発生層用塗工液を以下のものに変更した以外は実施例19と全く同様にして、本発明の電子写真感光体を作製した。
・電荷発生層用塗工液
下記構造の電荷発生物質 5部
【化3】
表1の化合物No.1の化合物 5部
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:1960) 10部
(三井石油化学:R307)
テトラヒドロフラン 200部
メチルエチルケトン 100部
【0061】
実施例27
実施例19における電荷発生層用塗工液を以下のものに変更した以外は実施例19と全く同様にして、本発明の電子写真感光体を作製した。
・電荷発生層用塗工液
下記構造の電荷発生物質 5部
【化3】
表1の化合物No.10の化合物 5部
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:927) 10部
(三井石油化学:R304)
テトラヒドロフラン 200部
メチルエチルケトン 100部
【0062】
実施例28
実施例20における感光層用塗工液を以下の組成のものに変更した以外は実施例20と全く同様にして、本発明の電子写真感光体を作製した。
・感光層用塗工液
表1の化合物No.7の化合物 10部
下記構造の電荷発生物質 2部
【化8】
ポリアリレート(ユニチカ:U−100) 8部
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:1960) 5部
(三井石油化学:R307)
テトラヒドロフラン 200部
【0063】
実施例29
実施例20における感光層用塗工液を以下の組成のものに変更した以外は実施例20と全く同様にして、本発明の電子写真感光体を作製した。
・感光層用塗工液
表1の化合物No.7の化合物 10部
下記構造の電荷発生物質 2部
【化8】
ポリアリレート(ユニチカ:U−100) 8部
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:927) 5部
(三井石油化学:R304)
テトラヒドロフラン 200部
【0064】
実施例30
実施例21における硬化剤の添加量を0.4部に変更した以外は実施例21と全く同様にして、本発明の電子写真感光体を作製した(官能基/エポキシ基=0.2/1)。
【0065】
実施例31
実施例21における硬化剤の添加量を6.4部に変更した以外は実施例21と全く同様にして、本発明の電子写真感光体を作製した(官能基/エポキシ基=3/1)。
【0066】
比較例1
実施例18における電荷輸送層から表1の化合物No.1の化合物を除いた以外は実施例18と全く同様にして、比較の電子写真感光体を作製した。
【0067】
比較例2
実施例19における電荷発生層から表1の化合物No.10の化合物を除いた以外は実施例19と全く同様にして、比較の電子写真感光体を作製した。
【0068】
比較例3
実施例20における感光層から表1の化合物No.7の化合物をのぞいた以外は実施例20と同様にして、比較の電子写真感光体を作製した。
【0069】
比較例4
実施例21における電荷輸送層中の表1の化合物No.1の化合物を下記構造の電荷輸送物質に変更した以外は実施例21と全く同様にして、比較の電子写真感光体を作製した。
・電荷輸送物質
【化12】
【0070】
比較例5
実施例22における電荷発生層中の表1の化合物No.10の化合物を下記構造の電荷輸送物質変更した以外は実施例22と全く同様にして、比較の電子写真感光体を作製した。
・電荷輸送物質
【化13】
【0071】
比較例6
実施例23における感光層中の表1の化合物No.7の化合物を下記構造の電荷輸送物質に変更した以外は実施例23と全く同様にして、比較の電子写真感光体を作製した。
・電荷輸送物質
【化14】
【0072】
以上のように作製した電子写真感光体は、電子写真複写装置(リコー:リコピーFT5500)にセットし、50000枚のランニングテストを行った。この際、10枚目と50000枚目の画像評価を行った。また、ランニングテストによる膜厚摩耗量も測定した。結果を表5に示す。
【表5】
【0073】
実施例32
φ80mmのAl円筒状支持体上に、下記組成の電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液、保護層用塗工液を、順次、塗布乾燥し、0.5μmの電荷発生層及び20μmの電荷輸送層及び1μmの保護層を形成し、本発明の電子写真感光体を作製した。
・電荷発生層用塗工液
下記構造の電荷発生物質 5部
【化15】
ポリエステル(東洋紡績バイロン200) 1部
メチルエチルケトン 300部
・電荷輸送層用塗工液
下記構造の電荷輸送物質 7部
【化7】
ポリカーボネート(パンライトC1400:帝人化成) 10部
塩化メチレン 80部
・保護層用塗工液
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:2640) 10部
(三井石油化学:R309)
表1の化合物No.1で表される化合物 10部
テトラヒドロフラン 200部
下記構造の硬化剤
【化9】
官能基/エポキシ基=0.5/1
保護層の硬化条件:150℃−1時間
【0074】
比較例7
実施例32における保護層用塗工液から表1中の化合物No.1で表される化合物を除いた以外は実施例32と全く同様にして、比較の電子写真感光体を作製した。
【0075】
実施例33
実施例32と同じ支持体上に、下記組成の電荷輸送層用塗工液、電荷発生層用塗工液、保護層用塗工液を順次塗布乾燥して、22μmの電荷輸送層及び0.5μmの電荷発生層及び1.5μmの保護層を形成し、本発明の電子写真感光体を作製した。
・電荷輸送層用塗工液
下記構造の電荷輸送物質 9部
【化13】
ポリカーボネート(パンライトL1250:帝人化成) 10部
塩化メチレン 81部
・電荷発生層用塗工液
下記構造の電荷発生物質 10部
【化3】
ポリビニルブチラール樹脂 1部
(デンカブチラール#4000−1:電気化学工業)
シクロヘキサノン 250部
テトラヒドロフラン 250部
・保護層用塗工液
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:2640) 10部
(三井石油化学:R309)
表1中の化合物No.54で表される化合物 9部
下記構造の硬化剤 1.6部
【化11】
テトラヒドロフラン 200部
官能基/エポキシ基=1/1
保護層の硬化条件:150℃−2時間
【0076】
比較例8
実施例33における保護層用塗工液から表1中の化合物No.54で表される化合物を除いた以外は実施例33と全く同様にして、比較の電子写真感光体を作製した。
【0077】
実施例34
φ60mmのAl円筒状支持体上に、下記組成の下引き層用塗工液、感光層用塗工液、保護層用塗工液を順次塗布乾燥し、0.3μmの下引き層及び25μmの感光層及び2μmの保護層を形成し、本発明の電子写真感光体を作製した。
・下引き層用塗工液
ポリアミド(アミランCM8000:東レ) 3部
メタノール 70部
ブタノール 30部
・感光層用塗工液
下記構造の電荷発生物質 0.5部
【化16】
下記構造の電荷輸送物質 1部
【化17】
ポリカーボネート(A2500:出光石油化学) 10部
塩化メチレン 100部
・保護層用塗工液
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:1960) 10部
(三井石油化学:R307)
表1中の化合物No.97で表される化合物 8部
下記構造の硬化剤 2.9部
【化18】
テトラヒドロフラン 200部
官能基/エポキシ基=2/1
保護層の硬化条件:140℃−1時間
【0078】
比較例9
実施例34における保護層用塗工液から表1中の化合物No.97で表される化合物を除いた以外は実施例34と全く同様にして、比較の電子写真感光体を作製した。
【0079】
実施例35
実施例34と同じ支持体上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液、保護層用塗工液を順次塗布乾燥し、0.3μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層及び18μmの電荷輸送層及び1μmの保護層を形成し、本発明の電子写真感光体を作製した。
・下引き層層用塗工液
ポリビニルアルコール 3部
(デンカポバールH−20:電気化学工業)
メタノール 100部
水 100部
・電荷発生層用塗工液
下記構造の電荷発生物質 10部
【化19】
ポリビニルブチラール樹脂 1部
(デンカブチラール#4000−1:電気化学工業)
シクロヘキサノン 250部
2−ブタノン 250部
・電荷輸送層用塗工液
下記構造の電荷輸送物質 8部
【化20】
ポリカーボネート(ユーピロンZ−200:三菱瓦斯化学) 10部
トルエン 100部
・保護層用塗工液
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:1960) 10部
(三井石油化学:R307)
表1中の化合物No.57で表される化合物 10部
下記構造の硬化剤 0.44部
【化21】
テトラヒドロフラン 200部
官能基/エポキシ基=0.3/1
保護層の硬化条件:140℃−2時間
【0080】
比較例10
実施例35における保護層用塗工液から表1中の化合物No.57で表される化合物を除いた以外は実施例35と全く同様にして、比較の電子写真感光体を作製した。
【0081】
実施例32〜35及び比較例7〜10で作製した感光体は実装用の感光体にした後、複写機に搭載しランニングテストを行った。
10000枚のランニングテスト後、実施例32〜35の感光体はすべて良好な画像を形成したが、比較例7〜16で作製した感光体は、膜削れに伴う電位帝下あるいは塗膜不良による不良画像を形成した。
【0082】
【発明の効果】
本発明の電子写真感光体は、耐摩耗性に優れており、繰り返し使用における膜削れに伴なう不具合、例えば電位低下、感度低下等による異常画像等の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において使用する感光体の構成例を示す断面図。
【図2】本発明において使用する感光体の構成例を示す断面図。
【図3】本発明において使用する感光体の構成例を示す断面図。
【図4】本発明において使用する感光体の構成例を示す断面図。
【図5】本発明において使用する感光体の構成例を示す断面図。
【図6】本発明において使用する感光体の構成例を示す断面図。
【図7】本発明において使用する感光体の構成例を示す断面図。
Claims (12)
- 前記感光層中に、更に、エポキシ基を2個以上有するオキシラン化合物Bの少なくとも1種を含有させたことを特徴とする電子写真感光体。
- 前記感光層が、電荷発生物質と電荷輸送物質を同時に含有させた単層型であることを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が、前記支持体上に、電荷発生層及び電荷輸送層を順次設けた積層型であり、該電荷輸送層中に、前記オキシラン化合物A、又はAとBを含有させたことを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が、前記支持体上に、電荷輸送層及び電荷発生層を順次設けた積層型であり、該電荷発生層中に、前記オキシラン化合物A、又はAとBを含有させたことを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真感光体。
- 前記表面保護層に、更にエポキシ基を2個以上有するオキシラン化合物Bの少なくとも1種を含有させたことを特徴とする請求項6記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が、電荷輸送物質と電荷発生物質とを同時に含有させた単層型であることを特徴とする請求項6又は7記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が、電荷発生層と電荷輸送層とからなる積層型であることを特徴とする請求項6又は7記載の電子写真感光体。
- 前記感光層中に、前記オキシラン化合物Bと共に、更に、エポキシ基と反応する官能基を3個以上有する該オキシラン化合物Bの硬化剤を同時に含有させたことを特徴とする請求項2又は7記載の電子写真感光体。
- 前記オキシラン化合物Bのエポキシ当量が、1000以上であることを特徴とする請求項2又は7記載の電子写真感光体。
- 前記オキシラン化合物A及びBのエポキシ基の合計と、前記硬化剤の官能基との比が、エポキシ基:官能基=1:0.3〜2.0であることを特徴とする請求項2又は7記載の電子写真感光体。
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