JP3398767B2 - 電子写真感光体及びその製造方法 - Google Patents

電子写真感光体及びその製造方法

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JP3398767B2
JP3398767B2 JP07264092A JP7264092A JP3398767B2 JP 3398767 B2 JP3398767 B2 JP 3398767B2 JP 07264092 A JP07264092 A JP 07264092A JP 7264092 A JP7264092 A JP 7264092A JP 3398767 B2 JP3398767 B2 JP 3398767B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、PPC複写機やレーザ
ープリンターなどに用いられる電子写真感光体の改良に
関し、特に高感度で長期繰返し特性が安定している電子
写真用感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、導電性基体上に電荷発生層と
電荷輸送層からなる感光層を設けたいわゆる積層型電子
写真用感光体が知られている。この積層型電子写真用感
光体は種々の点において単層型の感光体よりも優れてい
るが、さらに高感度化が望まれているのが現状であり、
感光体の高感度化に関し種々の観点に基づいて改良が進
められている。例えば、特開昭63−281167号公
報には電荷発生層中に電荷輸送物質を含有させた積層感
光体が開示されているが、電荷発生層用塗工液に電荷輸
送物質を添加すると一般的には液工液の分散系がくず
れ、分散不安定な状態になりやすく、液寿命(ポットラ
イフ)が短くなり、このため長期にわたり同一の液を使
用する浸漬塗工法には適さず、塗工液の経時変化により
安定した品質を維持しながら製造することがむずかし
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高感度で残留電位の少
ない、かつ高耐久性のある電子写真感光体を提供するこ
とを目的とする。特に支持体上に、電荷発生層、電荷輸
送層を順に積層してなる積層感光体において電荷輸送物
質を含まない電荷発生層塗布した乾燥させた後、電荷輸
送層を塗布する方法で、なんらかの手段で電荷輸送中の
電荷輸送物質を電荷発生層に移行させことにより上記目
的を達成しようとするものである。
【0004】
【課題を解決しようとする手段】本発明によれば以下の
発明が提供される。導電性支持体上に、少なくとも電荷
発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有す
る電荷輸送層を順に積層してなる電子写真感光体におい
て、該電荷発生層の膜厚が、電荷輸送物質の電荷輸送層
から電荷発生層への移行により変化して、下記(1)式
を満足することを特徴とする電子写真感光体。
【式1】 d2/d1>1.1・・・(1) 式中、d1:電荷輸送層積層前の電荷発生層の膜厚 d2:電荷輸送層積層後の電荷発生層の膜厚
【0005】また、前記電荷輸送層が、少なくとも低分
子電荷輸送物質を含有する電荷輸送層であり、かつ下記
(2)式を満足する構成の電子写真感光体。
【式2】w2/w1≧0.7・・・(2) 式中、w1:電荷輸送層中に含有されるバインダー樹脂
および高分子電荷輸送物質の重量の合計 w2:電荷輸送層中に含有される低分子電荷輸送物質の
重量
【0006】さらに又、前記電荷輸送層が、少なくとも
2層以上であり、少なくとも該電荷発生層と接触する電
荷輸送層が低分子電荷輸送物質を含有する電荷輸送層で
あり下記(3)式を満足し、かつ電荷発生層から最も離
れた電荷輸送層が下記(4)式を満足する構成とする電
子写真感光体により有効性が増大することを見出した。
【式3】 w4/w3>0.7・・・(3) w4/w3≦0.4・・・(4) 式中、w3:電荷輸送層中に含有される物質の重量の合計 w4:電荷輸送層中に含有される低分子電荷輸送物質の重量
【0007】積層型有機電子写真感光体においては、そ
の高感度化がポイントになっている。感光体の高感度化
技術は、量子効率(キャリア発生効率、キャリア注入効
率)を大きくするか、あるいは移動度(キャリア輸送効
率)を大きくするかに集約される。本発明者らは、前者
に注目して検討を重ねた。その結果、電荷発生層(CG
L)のバルク状態により量子効率が大きく変化すること
を突き止めた。
【0008】すなわち、積層感光体作製時において電荷
発生層の膜厚が前記(1)式を満足させることが、高感
度化させることの1つの条件であることがわかった。こ
の原因については明らかではないが、おそらく電荷輸送
層の成分の一部が電荷輸送層塗工時もしくは電荷輸送層
塗工後に、電荷発生層が入り込んでいるためと思われ
る。好ましくは、d2/d1>1.3である。
【0009】電荷輸送層積層前後での電荷発生層の膜厚
については、例えば両者の断面を走査型電子顕微鏡など
により直接観察するか、もしくは写真撮影の後膜厚を測
定する事により求めることが出来る。電荷輸送層積層後
の電荷発生層の膜厚を大きくする方法としては、(i)
電荷発生層と接触する電荷輸送層用塗工液の低分子電荷
輸送物質濃度が高いこと、(ii)電荷輸送層用塗工液の
液粘度が低いこと(固形分濃度が小さいこと)、(iii)
電荷発生層と接触する電荷輸送層用塗工液の溶媒が、電
荷発生層に含有されるバインダー樹脂を溶解もしくは膨
潤変形することのできるものであること、(iv)電荷輸
送層を形成した後、該電荷輸送層中に含有される低分子
電荷輸送物質の融点以上に加熱処理すること等が挙げら
れる。
【0010】(i)については、電荷輸送層が単層の場
合には、低分子電荷輸送物質濃度が低いと感度が低くな
る。、残留電位が発生する等の問題点が発生する。前記
(2)式を満足させることにより、上記問題点は解決さ
れるものである。但し、あまり低分子電荷輸送物質濃度
が高過ぎると、膜の摩耗量が多くなる等の問題が発生す
る。この場合は、電荷輸送層上に保護層を設けるか、あ
るいは予備実験により濃度の上限を決定すれば良い。ま
た、ここで言う単層の電荷輸送層とは、低分子電荷輸送
物質濃度の異なる数種の塗工液を用い、連続的に塗工を
行い、電荷輸送層の低分子電荷輸送物質濃度を連続的に
変化させた一つの電荷輸送層を含むものである。この際
にも電荷発生層に最も近い(接触する)部位の電荷輸送
層には式(2)が適用されるものである。
【0011】電荷輸送層が2層以上の場合には、膜の摩
耗性については、最も表面に近い電荷輸送層の耐摩耗性
で決定されるため、電荷発生層に接触する電荷輸送層の
低分子電荷輸送物質濃度は、かなり高く設定することが
可能である。したがって、電荷発生層に接触する電荷輸
送層は前記(3)式を満足し、かつ電荷発生層から最も
離れた電荷輸送層が前記(4)式を満足させれば良い。
【0012】電荷発生層に接触する電荷輸送層の低分子
電荷輸送物質濃度が前記(3)式を満足することにより
前記(1)式を大きくしやすい方向となる。また、最も
表面に近い電荷輸送層の低分子電荷輸送物質濃度によ
り、耐摩耗性が異なる(濃度が小さいほど摩耗量も小さ
い)。したがって、前記(4)式を満足させることによ
り耐摩耗性の優れた感光体を得ることが出来る。この
際、前記(3)式に関しては、最も好ましくはw4/w3
は1(すなわち、低分子電荷輸送物質のみ)であり、
(4)式に関しては、好ましくはw4/w3<0.05で
ある。
【0013】(ii)については、電荷輸送層塗工液の液
粘度が低いこと(固形分濃度が小さいこと)により、電
荷発生層に電荷輸送層の成分が含浸しやすい条件とな
る。液粘度の大きさは、およそ150mPa・s以下程度が良好
であり、好ましくは100mPa・s以下程度である。実際に
は、製膜性、生産性、コストなどに影響を及ぼすため、
予備的な試験により電荷輸送層用塗工液の液粘度(固形
分濃度)を決定すればよい。
【0014】(iii)については、電荷発生層に含有さ
れるバインダー樹脂により、使用する溶媒が異なるた
め、予備的な試験により溶媒の選択を行なえばよい。も
ちろん、使用する溶媒は1種類に限定されるわけではな
く、2種類以上を混合して用いることも有効な手段であ
る。
【0015】(iv)については、電荷輸送層に含有され
る低分子電荷輸送物質により、加熱処理温度が異なるた
め、予備的な試験により温度の設定を行なえばよい。ま
た、低分子電荷輸送物質の種類によっては非常に酸化あ
るいは分解を起こしやすい材料も存在する。そのような
材料を用いる場合には、融点以上の加熱処理を出来るだ
け短時間で行なえばよく、その際には加熱温度を2段階
以上(例えば、1段階目において、電荷輸送層塗工液の
溶媒が乾燥できる温度で行なった後、2段階目で融点以
上の加熱処理を短時間おこなう)にすることは有効な手
段である。
【0016】さらに、感光体の耐摩耗性については前述
のように、最も表面に近い電荷輸送層の耐摩耗性で決定
される。一方、電荷輸送層の耐摩耗性については、電荷
輸送層中のバインダー樹脂の分子量に大きく影響を受
け、分子量が大きいほど耐摩耗性が向上することがわか
った。したがって、最も表面に近い電荷輸送層のバイン
ダー樹脂の分子量が20000よりも小さい領域におい
ては摩耗量が多く、実用的ではない。
【0017】これらを突き止めることにより、本発明を
完成するに至った。次に、図面を用いて本発明を説明す
る。図1は、導電性支持体上11上に、電荷発生層21
と電荷輸送層23が積層されたものである。図2は、電
荷輸送層23が2層以上の多層構造となっている。図3
は、電荷輸送層23上に保護層17を設けたものであ
る。図4は、導電性支持体上11と電荷発生層21の間
に中間層19を設けたものである。
【0018】導電性支持体11としては、体積抵抗10
10Ω以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニ
ッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金などの金
属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸化物を、蒸着ま
たはスパッタリングによりフィルム状もしくは円筒状の
プラスチック、紙等に被覆したもの、あるいはアルミニ
ウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの
板およびそれらをD.I.、I.I.、押出し、引き抜きな
どの工法で素管化後、切削、超仕上け、研磨などで表面
処理した管などを使用することが出来る。
【0019】次に電荷発生層21について説明する。電
荷発生層21は電荷発生物質を主成分とする層で、必要
に応じてバインダー樹脂を用いることもある。バインダ
ー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ
樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹
脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニル
ホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ-N
-ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用い
られる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以
上の混合物として用いることが出来る。
【0020】電荷発生物質としては、公知の材料を用い
ることが出来る。例えば、金属フタロシアニン、無金属
フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニ
ウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾー
ル骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有
するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔
料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、ジフエ
ニルアミン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨
格を有するアゾ材料、ビススチルベン骨格を有するアゾ
顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔
料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペ
リレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔
料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフ
ェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系
顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系
顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが上げられ
る。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混
合物として用いることが出来る。
【0021】次に、電荷輸送層23について説明する。
電荷輸送層23は、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を
適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥する
ことにより形成できる。電荷輸送物質には、正孔輸送物
質と電子輸送物質とがある。電子輸送物質としては、た
とえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチ
レン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7-トリニトロ-9
-フルオレノン、2,4,5,7-テトラニトロ-9-フルオレノ
ン、2,4,5,7-テトラニトロキサントン、2,4,8-トリニト
ロチオキサントン、2,6,4-トリニトロ-4H-インデノ〔1,
2-b〕チオフェン-4オン、1,3,7-トリニトロジベンゾチ
オフェン-5,5-ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙
げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以
上の混合物として用いることが出来る。
【0022】正孔輸送物質としては以下に表わされる電
子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。たとえ
ば、ポリ-N-ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポ
リ-γ-カルバゾリルエチルグルメタートおよびその誘導
体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導
体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オ
キサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾ
ール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9-(p-ジエチ
ルアミノスチリルアントラセン)、1,1-ビス-(4-ジベ
ンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセ
ン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−
フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリア
ゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、
ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオ
フェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質
は、単独または2種以上の混合物として用いることが出
来る。
【0023】また、低分子電荷輸送物質としては、上記
電子輸送物質および正孔輸送物質の中から低分子化合物
が選ばれるものである。
【0024】電荷輸送層23に用いられるバインダー樹
脂としては、ポリカーボネート(ビスフェノールAタイ
プ、ビスフェノールZタイプ)、ポリエステル、メタク
リル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、塩化ビニル樹
脂、酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ア
ルキッド樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルカルバゾー
ル、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポ
リアクリレート、ポリアクリルアミド、フェノキシ樹脂
などが用いられる。これらのバインダーは、単独または
2種以上の混合物として用いることが出来る。
【0025】導電性支持体11と電荷発生層21との間
に設けられる中間層19は、接着性を向上する目的で設
けられ、その材料としてはSiO2、Al23、シラン
カップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップ
リング剤などの無機材料やポリアミド樹脂、アルコール
可溶性ポリアミド樹脂、水溶性ポリビニルブラチール、
ポリビニルブチラール、PVAなどの接着性のよいバイ
ンダー樹脂などが使用される。その他、前記接着性のよ
いバインダー樹脂に、ZnO、TiO2、ZnSなどを分散
したものも使用できる。中間層の形成法としては、無機
材料単独の場合はスパッタリング、蒸着などの方法が、
また有機材料を用いた場合は、通常の塗布法が採用され
る。なお、中間層の膜厚は5μm以下が適当である。
【0026】保護層17は、感光体表面保護の目的で設
けられ、これに使用される材料としてはABS樹脂、A
CS樹脂、オレフィン〜ビニルモノマー共重合体、塩素
化ポリエーテル、アリル樹脂、ポリアセタール、ポリア
ミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリ
ルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエ
チレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ア
クリル樹脂、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、ポ
リフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、
AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタ
ン、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂など、またこれらの
内、硬化可能な材料と硬化剤との硬化物が挙げられる。
保護層には、その他、耐摩耗性を向上する目的でポリテ
トラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂、シリコーン
樹脂、およびこれらの樹脂に酸化チタン、酸化錫、チタ
ン酸カリウムなどの無機材料を分散したものなどを添加
することが出来る。保護層の形成法としては通常の塗工
法が採用される。なお、膜厚0.5〜10μm程度が適当
である。
【0027】
【実施例】次に、実施例によって本発明を更に詳細に説
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。なお、実施例中使用する部はすべて重量部を表わ
す。
【0028】〔実施例1〕アルミニウムを蒸着したポリ
エチレンテレフタレートフィルム上に、下記組成の電荷
発生層塗工液、電荷輸送層塗工液を順次、ロールコート
法により塗布し、乾燥し、それぞれ、0.3μmの電荷発
生層、22μmの電荷輸送層を形成し、本発明の電子写
真感光体を作成した。 〔電荷発生層塗工液〕 下記構造の電荷発生物質 5部
【化1】 ポリビニルブチラール樹脂 0.5部 (電気化学工業(株):デンカブチラール#4000) シクロヘキサノン 250部 2−ブタノン 90部 〔電荷輸送層塗工液〕 下記構造の電荷輸送物質 9部
【化2】 ポリカーボネート 10部 (帝人化成:パンライト K−1300) 塩化メチレン 110部
【0029】〔実施例2〕ハステロイ導電層を設けたポ
リエチレンテレフタレートフィルム上に、下記組成の電
荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液を順次、ロールコー
ト法により塗布、乾燥し、それぞれ、0.4μmの電荷発
生層、20μmの電荷輸送層を形成し、本発明の電子写
真感光体を作成した。 〔電荷発生層塗工液〕 下記構造の電荷発生物質 5部
【化3】 ポリエステル(東洋紡績:バイロン200) 1部 シクロヘキサノン 300部 テトラヒドロフラン 200部 〔電荷輸送層塗工液〕 下記構造の電荷輸送物質 7部
【化4】 ポリカーボネート(GE社:レキサン L−141) 10部 テトラヒドロフラン 150部
【0030】〔実施例3〕厚さ0.2mmのA1板(JI
S1080)上に、下記組成の下引き層塗工液、電荷発
生層塗工液、電荷輸送層塗工液を順次、dipping法によ
り塗布し、乾燥しそれぞれ、0.2μmの下引き層、0.
3μmの電荷輸送層を形成し、本発明の電子写真感光体
を作成した。 〔下引き層塗工液〕 可溶性ナイロン(東レ:アミラン CM4000) 2.5部 メタノール 70部 ブタノール 30部
【化5】 〔電荷発生層塗工液〕 下記構造の電荷発生物質 10部 ポリビニルブチラール(UCC:XYHL) 1部 シクロヘキサノン 500部 〔電荷輸送層塗工液〕 下記構造の電荷輸送物質 8部
【化6】 ポリアリレート(ユニチカ:Uポリマー U−100) 10部 テトラヒドロフラン 200部
【0031】〔実施例4〕実施例3と同じ支持体上に、
下記組成の電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液を順
次、浸積法により塗布し、乾燥しそれぞれ、0.2μmの
電荷発生層、25μmの電荷輸送層を形成し、本発明の
電子写真感光体を作成した。 〔電荷発生層塗工液〕 下記構造の電荷発生物質 5部
【化7】 ポリカーボネート(Aタイプ) 2部 シクロヘキサノン 100部 テトラヒドロフラン 100部 〔電荷輸送層塗工液〕 下記構造の電荷輸送物質 8部
【化8】 ポリカーボネート(Zタイプ 分子量20000) 10部 テトラヒドロフラン 200部
【0032】〔実施例5〕実施例1と同じ支持体上に、
下記組成の電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液を順
次、ロールコート法により塗布し、乾燥しそれぞれ、
0.2μmの電荷発生層、18μmの電荷輸送層を形成
し、本発明の電子写真感光体を作成した。 〔電荷発生層塗工液〕 下記構造の電荷発生物質 6部
【化9】 フェノキシ樹脂(UCC:VYHH) 2部 シクロヘキサノン 400部 テトラヒドロフラン 150部 〔電荷輸送層塗工液〕 下記構造の電荷輸送物質 10部
【化10】 下記構造のポリメチルフェニルシラン 10部
【化11】 テトラヒドロフラン 300部
【0033】〔実施例6〕アルミニウムを蒸着したポリ
エチレンテレフタレートフィルム上に、下記組成の電荷
発生層塗工液、電荷輸送層塗工液1、電荷輸送層塗工液
2を順次ロールコート法により塗布乾燥しそれぞれ、
0.4μmの電荷発生層、28μmの電荷輸送層1、2μm
の電荷輸送層2を形成し、本発明の電子写真感光体を作
成した。 〔電荷発生層塗工液〕 下記構造の電荷発生物質 5部
【化12】 ポリビニルブチラール樹脂 2部 (積水化学工業:エスレック BL−S) シクロヘキサノン 100部 2−ブタノン 100部 〔電荷輸送層1塗工液〕 下記構造の電荷輸送物質 8部
【化13】 ポリカーボネート(Aタイプ) 2部 塩化メチレン 30部 〔電荷輸送層2塗工液〕 下記構造の電荷輸送物質 8部
【化14】 ポリカーボネート(Aタイプ) 12部 塩化メチレン 100部
【0034】〔実施例7〕アルミニウムを蒸着したポリ
エチレンテレフタレートフィルム上に、下記組成の電荷
発生層塗工液、電荷輸送層塗工液を順次、スプレー法に
より塗布し、乾燥し、それぞれ、0.3μmの電荷発生
層、22μmの電荷輸送層を形成し、本発明の電子写真
感光体を作成した。 〔電荷発生層塗工液〕 下記構造の電荷発生物質 5部
【化15】 ポリエステル(東洋紡績:バイロン300) 1部 シクロヘキサノン 300部 テトラヒドロフラン 200部 〔電荷輸送層塗工液〕 下記構造の電荷輸送物質 9部
【化16】 (MP 139〜140℃) ポリカーボネート(Aタイプ) 10部 (帝人化成:パンライト K−1300) テトラヒドロフラン 150部 電荷輸送層を積層し、溶媒を乾燥した後、160℃−2
0分加熱処理を行ない、本発明の感光体とした。
【0035】〔実施例8〕アルミニウムを蒸着したポリ
エチレンテレフタレートフィルム上に、下記組成の電荷
発生層塗工液、電荷輸送層塗工液1、電荷輸送層塗工液
2を順次、ロールコート法により塗布乾燥しそれぞれ、
0.2μmの電荷発生層、18μmの電荷輸送層1、5μm
の電荷輸送層2を形成し、本発明の電子写真感光体を作
成した。 〔電荷発生層塗工液〕 下記構造の電荷発生物質 5部
【化17】 シクロヘキサノン 100部 2−ブタノン 100部 〔電荷輸送層1塗工液〕 下記構造の電荷輸送物質 9部
【化18】 ポリカーボネート(Zタイプ 分子量15000) 1部 塩化メチレン 30部 〔電荷輸送層2塗工液〕 下記構造の電荷輸送物質 0.5部
【化19】 ポリカーボネート(Zタイプ 分子量20000) 9.5部 塩化メチレン 100部
【0036】〔比較例1〕実施例1における電荷輸送層
塗工液を下記のものに変更し、スプレー法により塗布し
た以外は、全く同様に作製した。 〔電荷輸送層塗工液〕 下記構造の電荷輸送物質 9部
【化20】 ポリカーボネート(帝人化成:パンライト K−1300) 10部 塩化メチレン 100部
【0037】〔比較例2〕実施例2における電荷輸送層
塗工液を以下のものに変えた以外は、全く同様に作製し
た。 〔電荷輸送層塗工液〕 下記構造の電荷輸送物質 5部
【化21】 ポリカーボネート(GE社:レキサン L−141) 10部 テトラヒドロフラン 150部
【0038】〔比較例3〕実施例3における電荷発生層
塗工液を下記のものに変更した以外は、全く同様に作製
した。 〔電荷発生層塗工液〕 下記構造の電荷発生物質 10部
【化22】 トルイレンジイソシアネート 0.1部 ポリビニルブチラール(UCC:XYHL) 1部 シクロヘキサノン 50部
【0039】〔比較例4〕実施例4における電荷輸送層
塗工液を以下のものに変えた以外は、全く同様に作製し
た。 〔電荷輸送層塗工液〕 下記構造の電荷輸送物質 8部
【化23】 ポリカーボネート(Zタイプ 分子量20000) 10部 トルエン 200部
【0040】〔比較例5〕実施例5における電荷輸送層
塗工液を以下のものに変えたた以外は、全く同様に作製
した。 〔電荷輸送層塗工液〕 下記構造のポリメチルフェニルシラン(分子量30000) 10部
【化24】 テトラヒドロフラン 300部
【0041】〔比較例6〕実施例6における電荷輸送層
1塗工液を以下のものに変えた以外は、全く同様に作製
した。 〔電荷輸送層1塗工液〕 下記構造の電荷輸送物質 0.8部
【化25】 ポリカーボネート(Aタイプ) 2部 塩化メチレン 30部
【0042】〔実施例9〕 実施例6における電荷輸送層2塗工液を以下のものに変
えたた以外は、全く同様に作製した。 〔電荷輸送層2塗工液〕 下記構造の電荷輸送層物質 15.5部
【化26】 ポリカーボネート(Aタイプ) 9.5部 塩化メチレン 100部
【0043】〔比較例8〕実施例7における加熱処理を
行なわない他は、全く同様に作製した。
【0044】〔実施例10〕 実施例8における電荷輸送層2塗工液を以下のものに変
えた以外は、全く同様に作製した。 〔電荷輸送層2塗工液〕 下記構造の電荷輸送物質 0.5部
【化27】 ポリカーボネート(Zタイプ 分子量15000) 9.5部 塩化メチレン 100部
【0045】実施例1〜8、9及び10及び比較例1〜
6及び8の感光体は、各感光体の特性を静電複写紙試験
装置(川口電気製作所:SP−428型)を用いて次の
ように評価した。まず、−6.5kVの放電電圧にて、
コロナ放電を20秒間行ない、次いで暗減衰させて表面
電位が−800Vになったところで、4,51uxのタ
ングステン光を照射した。この時の光照射の際、表面電
位が−800Vから−400Vになるのに必要な露光量
400(lux・sec)、タングステン光照射20秒
間の電位V20(V)を測定した。
【0046】また、電荷発生層の膜厚d1(電荷輸送層
積層前の電荷発生層の膜厚)、d2(電荷輸送層積層後
の電荷発生層の膜厚)は、以下のように測定した。実施
例1〜8、9及び10及び比較例1〜6及び8の感光体
(電荷輸送層積層後)および電荷輸送層積層前の電荷発
生層の一部をサンプリングし、樹脂(エポキシ樹脂)中
に埋め込み硬化(50℃程度)させた後、ダイヤモンド
カッターを用いて超薄切片を作製する。これを走査型電
子顕微鏡により観察および写真撮影を行なって、膜厚を
測定した。
【0047】結果を表1に示す。
【表1】表1
【0048】実施例6、8および実施例9、10の感光
体は、ベルト接合を行なって実装用の感光体とした。両
者を複写機マイリコピーM10(リコー社製)に搭載
し、2000枚のランニングテストを行なった。その結
果、実施例6、8の感光体は2000枚目においても正
常な形成した。実施例9、10の感光体は、膜削れによ
る異常画像(黒スジ、画像濃度低下)が発生した。
【0049】
【発明の効果】本発明により、非常に高感度で、残留電
位が少なく、非常に耐摩耗性の高い感光体を容易にかつ
安価に得ることが出来る。特に、ポジ−ポジ現像におけ
る地肌汚れ、ネガ−ポジ現像における画像濃度低下。更
には、黒スジ等の画像欠陥を防止できることが特徴であ
る。
【0050】
【図面の簡単な説明】 次に、図面を用いて本発明の説明する。図1は、本発明
において使用する感光体の構成例を示す断面図であり、
導電性支持体11上に、電荷発生層21と電荷輸送層2
3が積層されたものである。図2は、電荷輸送層23が
2層以上の多層構造となっている。図3は、更に別の構
成例を示す断面図であり、電荷輸送層23上に保護層1
7を設けたものである。図4は、また更に別の構成例を
示す断面図であり、導電性支持体11と電荷発生層21
の間に中間層19を設けたものである。
【0051】
【図面の付号】
11…導電性支持体 17…保護層 19…中間層 21…電荷発生層 23…電荷輸送層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/047 - 5/05

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、少なくとも電荷発生
    物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電
    荷輸送層を順に積層してなる電子写真感光体において、
    該電荷発生層の膜厚が、電荷輸送物質の電荷輸送層から
    電荷発生層への移行により変化して、下記(1)式を満
    足することを特徴とする電子写真感光体。 d2/d1>1.1・・・(1) 式中、d1:電荷輸送層積層前の電荷発生層の膜厚 d2:電荷輸送層積層後の電荷発生層の膜厚
  2. 【請求項2】 前記電荷輸送層が、少なくとも低分子電
    荷輸送物質を含有する電荷輸送層であり、かつ下記
    (2)式を満足することを特徴とする請求項1に記載の
    電子写真感光体。 w2/w1≧0.7・・・(2) 式中、w1:電荷輸送層中に含有されるバインダー樹脂および 高分子電荷輸送物質の重量の合計 w2:電荷輸送層中に含有される低分子電荷輸送物質の重量
  3. 【請求項3】 前記電荷輸送層が、少なくとも低分子電
    荷輸送物質と高分子輸送物質を含有する電荷輸送層であ
    り、かつ前記(2)式を満足することを特徴とする請求
    項1に記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記電荷輸送層が、少なくとも2層以上
    であり、少なくとも該電荷発生層と接触する電荷輸送層
    が低分子電荷輸送物質を含有する電荷輸送層であり下記
    (3)式を満足し、かつ電荷発生層から最も離れた電荷
    輸送層が下記(4)式を満足することを特徴とする請求
    項1に記載の電子写真感光体。 w4/w3>0.7・・・(3) w4/w3<0.4・・・(4) 式中、w3:電荷輸送層中に含有される物質の重量の合計 w4:電荷輸送層中に含有される低分子電荷輸送物質の重量
  5. 【請求項5】 請求項1〜の電子写真感光体を用いた
    電子写真装置。
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