JP3224652B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP3224652B2
JP3224652B2 JP27190593A JP27190593A JP3224652B2 JP 3224652 B2 JP3224652 B2 JP 3224652B2 JP 27190593 A JP27190593 A JP 27190593A JP 27190593 A JP27190593 A JP 27190593A JP 3224652 B2 JP3224652 B2 JP 3224652B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単層型あるいは複層型
の感光層を有する電子写真感光体の改良に関するもの
で、複写機、レーザープリンター、レーザーファクシミ
リ等に好適に利用される。
【0002】
【従来の技術】有機電子写真感光体においては、その高
感度化が実用化の重要なポイントとなる。そこで本出願
は、先に電荷発生物質の蛍光寿命を規定することにより
高感度化を図った発明をした(特開平5−80543
号)。しかしながら、これによっても初期特性は満足す
るものの、繰返し使用後においては、帯電性の低下や残
留電位の発生という問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高感度で、
しかも繰返し使用時における帯電性の低下と残留電位の
発生を抑制した電子写真感光体を提供することを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、感光層における電荷発生物質の発光寿命が特定
の条件を満たす時に、上記目的が達成されることを見出
し、本発明に至った。即ち、本願の第一の発明は単層型
についてであって、導電性支持体上に、少なくとも電荷
発生物質と電荷輸送物質を同時に含有する感光層を有し
てなる単層型電子写真感光体において、該感光層中に含
有される電荷発生物質の発光寿命が下記(1)式を満足
することを特徴とする電子写真感光体であって、 10ps<τ1<100ps …(1) 但し、τ1:上記感光体における感光層から電荷輸送物
質を除いた層の電荷発生物質の発光寿命。特に、感光層
の発光寿命が下記(2)式を満足する態様を含む。 τ2<τ1 …(2) 但し、τ1:上記感光体における感光層の電荷発生物質
の発光寿命。
【0005】本願の第二の発明は、積層型についてであ
って、導電性支持体上に、少なくとも電荷発生物質を含
有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層
を積層してなる積層型電子写真感光体において、該電荷
発生層中に含有される電荷発生物質の発光寿命が下記
(3)式を満足することを特徴とする電子写真感光体。 10ps<τ3<100ps …(3) 但し、τ3:電荷発生層単独での電荷発生物質の発光寿
命。特に、電荷発生層の発光寿命が下記(4)式を満足
する態様を含む。 τ4<τ3 …(4) 但し、τ4:上記感光体における電荷発生層と電荷輸送
層を積層した場合の電荷発生物質の発光寿命。
【0006】まず感光体の高耐久化について説明する。
有機電子写真感光体の場合、高耐久化するためには二つ
のポイントが挙げられる。一つは感光体の電気特性の劣
化を防止することであり、もう一つは耐摩耗性を大きく
することである。本発明は以上挙げたうちの前者を狙っ
たものである。本発明者らは有機電子写真感光体の繰返
し使用時における電気特性の劣化について、種々の検討
を行った結果、材料の組合せにより電気特性の劣化状況
が大きく変化することが明らかになった。電気特性の劣
化のうち、特に残留電位の発生、および帯電性の低下つ
いては電荷発生物質の発光寿命に関連することが明らか
となった。
【0007】この理由については今だ明確になっていな
いが、残留電位、帯電性の低下については、感光体中に
おける電荷のトラップのようなものが作用しているもの
と思われる。感光体の光キャリア発生機構から考える
と、少なくとも電荷発生物質が光吸収した後、電荷発生
物質の励起状態を経由することで光キャリアが生成する
ことを考えると、繰返し使用によって、何らかの形でこ
の過程が阻害されるか、あるいはトラップのようなもの
が形成されるかのいずれかと考えられる。ところが発光
寿命の非常に短い材料、もしくはそのような状態になる
構成にすることによって、前記のような不具合点をカバ
ーできるものと考えられる。次に先に示したτ1〜τ4
測定方法を説明する。
【0008】電荷発生物質の蛍光量子効率によって異な
るが、蛍光量子効率の比較的大きい材料は、市販の蛍光
寿命測定装置を用いることができる。適当な基板(例え
ば、無蛍光石英ガラス)上に、感光層および感光層から
電荷輸送物質を除いた感光層のサンプルをそれぞれ作製
し(この場合、電荷発生物質の付着量は両者同じにす
る)、電荷発生物質のみを励起する波長の光で励起し、
蛍光寿命を測定し、比較を行えばよい。蛍光量子効率の
比較的小さな材料の場合、上記と同様にサンプルを作製
し、適当なパワーの強いパルス光源(例えばレーザーの
ようなもの)と、適当な高感度なdetectorを併
用することにより測定できる。
【0009】上記の測定の際には特にサンプルに電界を
印加する必要はない。むしろ内部電界が生じないような
サンプル構成にて蛍光スペクトルを測定することが好ま
しい。ここで言う内部電界とは、例えばAlとX−Me
tal−Free Phthalocyanineとが
接合している際に、両者の界面に生成するショットキー
バリア等がその一例として挙げられる。また、好ましく
は感光層の支持体側、表面のいずれも電極と接しておら
ず、外部からの電界をかけない状態にて蛍光寿命を測定
するものである。さらに、基板を透明なものを使用し、
蛍光寿命測定の際の、励起光を感光層の支持体側、表面
のいずれかの方向から照射しても測定が可能なことがよ
り好ましい。次に図面を用いて本発明を説明する。
【0010】図1〜3は、本願の第一の発明である感光
層型単層型の例である。図1は、本発明の感光体の構成
を示す断面図であり、導電性支持体11上に感光層13
を設けた構成になっている。図2は別の構成例を示す断
面図であり、感光層13上に保護層17を設けたもので
ある。図3は更に別の構成例を示す断面図であり、導電
性支持体11と感光層13の間に中間層19を設けたも
のである。図4〜7は、本願の第二の発明である感光層
が積層型の例である。図4は本発明の感光体の構成を示
す断面図であり、導電性支持体11上に電荷発生層21
と電荷輸送層23が積層された構成になっている。図5
は別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体11上
に電荷輸送層23と電荷発生層21が積層された構成に
なっている。図6は更に別の構成例を示す断面図であ
り、電荷輸送層23上に保護層17を設けたものであ
る。図7はまた更に別の構成例を示す断面図であり、導
電性支持体11と電荷発生層21の間に中間層19を設
けたものである。
【0011】導電性支持体11としては、体積抵抗10
10Ωcm以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウ
ム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金な
どの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸化物を、
蒸着またはスパッタリングによりフィルム状もしくは円
筒状のプラスチック、紙等に被覆したもの、あるいはア
ルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス
などの板およびそれらをD.I.,I.I.,押出し、
引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨
などで表面処理した管などを使用することができる。次
に単層型の感光層13について説明する。
【0012】感光層13は電荷発生物質と電荷輸送物質
を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を用
いることもある。バインダー樹脂としてはポリアミド、
ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボ
ネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブ
チラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、
ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリア
クリルアミドなどが用いられる。これらのバインダー樹
脂は単独または2種以上の混合物として用いることがで
きる。電荷発生物質としては公知の材料を用いることが
できる。例えば金属フタロシアニン、無金属フタロシア
ニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔
料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を
有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ
顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベン
ゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格
を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ
顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリ
ルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリル
カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、
アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミ
ン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系
顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン
及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベン
ズイミダゾール系顔料などが上げられる。これらの電荷
発生物質は単独または2種以上の混合物として用いるこ
とができる。
【0013】電荷輸送物質には正孔輸送物質と電子輸送
物質とがある。電子輸送物質としては、例えばクロルア
ニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシ
アノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フル
オレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオ
レノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、
2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−
トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン
−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン
−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げら
れる。これらの電子輸送物質は単独または2種以上の混
合物として用いることができる。正孔輸送物質としては
以下に表わされる電子供与性物質が挙げられ、良好に用
いられる。例えばポリ−N−ビニルカルバゾールおよび
その誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルメター
トおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物
およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェ
ナントレン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘
導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導
体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセ
ン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニ
ル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾ
リン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン
誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェ
ナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導
体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体など
が挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2
種以上の混合物として用いることができる。
【0014】また、ここで言う感光層とは、(1)バイ
ンダー樹脂+電荷発生物資+低分子電荷輸送物質、
(2)バインダー樹脂+電荷発生物質+高分子電荷輸送
物質のいずれの場合も含む。さらに高分子電荷輸送物質
とは、ポリビニルカルバゾール、ポリシラン等に代表さ
れるポリマー(製膜前にポリマーになっているもの)と
反応性の官能基を持った電荷輸送物質を製膜中もしくは
製膜後にポリマー化したもののいずれをも含む。
【0015】これら感光層を形成するにあたっては、湿
式法を用いる場合には上記の材料を適当な溶媒に溶解あ
るいは分散し、これを適当な方法(浸漬塗工法、スプレ
ー法、ロールコーター法等)により製膜することができ
る。また、乾式法を用いる場合には、蒸着法、スパッタ
法等、材料に応じた方法を用いることにより製膜でき
る。バインダー樹脂を併用する場合には、バインダー樹
脂をそのまま蒸発させてもよいが、バインダー樹脂のモ
ノマー成分あるいはオリゴマー成分を蒸発、製膜した後
に、加熱重合の操作を行っても構わない。次に積層型の
感光層について説明する。電荷発生層21は電荷発生物
質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を
用いることもある。バインダー樹脂としてはポリアミ
ド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカ
ーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニ
ルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケト
ン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポ
リアクリルアミドなどが用いられる。これらのバインダ
ー樹脂は単独または2種以上の混合物として用いること
ができる。
【0016】電荷発生物質としては上記の材料を用いる
ことができる。これら電荷発生層を形成するにあたって
は、湿式法を用いる場合には上記の材料を適当な溶媒に
溶解あるいは分散し、これを適当な方法(浸漬塗工法、
スプレー法、ロールコーター法等)により製膜すること
ができる。また、乾式法を用いる場合には、蒸着法、ス
パッタ法等、材料に応じた方法を用いることにより製膜
できる。バインダー樹脂を併用する場合には、バインダ
ー樹脂をそのまま蒸発させてもよいが、バインダー樹脂
のモノマー成分あるいはオリゴマー成分を蒸着、製膜し
た後に、加熱重合の操作を行っても構わない。電荷輸送
層23は電荷輸送物質及びバインダー樹脂を適当な溶剤
に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより
製膜する湿式法、または乾式法(いわゆる減圧下におけ
る薄膜形成法であり、例えば蒸着法、スパッタリング
法、CVD法等)を用いることにより形成できる。
【0017】電荷輸送物質には正孔輸送物質と電荷輸送
物質とがあり、上記の材料を用いることができる。電荷
輸送層23に用いられるバインダー樹脂としては、ポリ
カーボネート(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノー
ルZタイプ)、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリエチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリ
スチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタ
ン、ポリ塩化ビニリデン、アルキッド樹脂、シリコン樹
脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、
ポリビニルホルマール、ポリアクリレート、ポリアクリ
ルアミド、フェノキシ樹脂などが用いられる。これらの
バインダーは、単独または2種以上の混合物として用い
ることができる。また、ここで言う電荷輸送層とは、 バインダー樹脂+低分子電荷輸送物質 バインダー樹脂+高分子電荷輸送物質 のいずれの場合も差す。
【0018】さらに、高分子電荷輸送物質とは、ポリビ
ニルカルバゾール、ポリシラン等に代表されるポリマー
(製膜前にポリマーになっているもの)と反応性の官能
基を持った電荷輸送物質を製膜中もしくは製膜後にポリ
マー化したもののいずれをも含む。バインダー樹脂とし
ては電荷発生層のところにも記したように、バインダー
樹脂をそのまま用いたもの、反応性の官能基を持ったバ
インダー樹脂のモノマー成分あるいはオリゴマー成分を
製膜した後に、加熱重合の操作を行ってポリマー化した
もののいずれをも含む。
【0019】導電性支持体11と感光層13の間、又は
導電性支持体11と電荷発生層21との間に設けられる
中間層19は、接着性を向上する目的で設けられ、その
材料としてはSiO2,Al23、シランカップリング
剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤など
の無機材料やポリアミド樹脂、アルコール可溶性ポリア
ミド樹脂、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブ
チラール、PVAなどの接着性のよいバインダー樹脂な
どが使用される。その他、前記接着性のよいバインダー
樹脂にZnO,TiO2,ZnSなどを分散したものも
使用できる。中間層の形成法としては、無機材料単独の
場合はスパッタリング、蒸着などの方法が、また有機材
料を用いた場合は通常の塗布法が採用される。なお、中
間層の膜厚は5μm以下が適当である。保護層17は感
光体表面保護の目的で設けられ、これに使用される材料
としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン〜ビニル
モノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、
ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリ
アクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエ
ーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルペンテ
ン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリス
ルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレ
ン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、エポキシ
樹脂など、またこれらの内、硬化可能な材料と硬化剤と
の硬化物が挙げられる。保護層にはその他、耐摩耗性を
向上する目的でポリテトラフルオロエチレンのようなフ
ッ素樹脂、シリコーン樹脂、およびこれらの樹脂に酸化
チタン、酸化錫、チタン酸カリウムなどの無機材料を分
散したものなどを添加することができる。保護層の形成
法としては通常の塗布法が採用される。なお、膜厚は
0.5〜10μm程度が適当である。
【0020】
【実施例】次に実施例によって本発明を更に詳細に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。実施例1〜4、比較例1〜4は感光層が単層型であ
り、実施例5〜8、比較例5〜8は感光層が積層型であ
る。なお、実施例中使用する部は、すべて重量部を表わ
す。
【0021】実施例1 アルミニウムを蒸着したポリエチレンテレフタレートフ
ィルム上に、下記組成の感光層塗工液、塗布・乾燥し
て、25μm厚の感光層を形成し、本発明の電子写真感
光体を作製した。 感光層塗工液 下記構造の電荷発生物質 1部
【0022】
【化1】
【0023】 下記構造の電荷輸送物質 10部
【0024】
【化2】
【0025】 ポリカーボネート〔帝人化成(株):パンライトC−1400〕 10部 テトラヒドロフラン 100部 更に無蛍光石英ガラス基板上に、上記感光体の感光層か
ら電荷輸送物質を除いたもの(サンプル1)、上記感光
体と同じ構成の感光層(サンプル2)をそれぞれ作製し
た。
【0026】実施例2 実施例1と同じ支持体上に、下記組成の下引き層塗工
液、感光層塗工液を順次、塗布・乾燥して、それぞれ
0.3μm厚の下引き層、20μm厚感光層を形成し、
本発明の電子写真感光体を作製した。 下引き層塗工液 アルコール可溶性ナイロン(東レ:アミランCM4000) 4部 メタノール 70部 ブタノール 30部 感光層塗工液 下記構造の電荷発生物質 0.9部
【0027】
【化3】
【0028】 下記構造の電荷輸送物質 9部
【0029】
【化4】
【0030】 ポリカーボネート(出光石油化学:A2200) 10部 塩化メチレン 100部 更に無蛍光石英ガラス基板上に、上記感光体の感光層か
ら電荷輸送物質を除いたもの(サンプル3)、上記感光
体と同じ構成の感光層(サンプル4)をそれぞれ作製し
た。
【0031】実施例3 ハステロイ導電層を設けたポリエチレンテレフタレート
フィルム上に、下記組成の下引き層塗工液、感光層塗工
液を順次、塗布・乾燥して、それぞれ2μm厚の下引き
層、19μm厚の感光層を形成し、本発明の電子写真感
光体を作製した。 下引き層塗工液 二酸化チタン 4部 ポリエステル〔東洋紡績(株)バイロン200〕 1部 トルイレン−2,4−ジイソシアネート 0.02部 2−ブタノン 100部 4−メチル−2−ペンタノン 100部 感光層塗工液 下記構造の電荷発生物質 1部
【0032】
【化5】
【0033】 下記構造の電荷輸送物質 9部
【0034】
【化6】
【0035】 ポリカーボネート(三菱ガス化学:ユーピロンS−2000) 11部 テトラヒドロフラン 18部 更に無蛍光石英ガラス基板上に、上記感光体の感光層か
ら電荷輸送物質を除いたもの(サンプル)、上記感光
体と同じ構成の感光層(サンプル)をそれぞれ作製し
た。
【0036】実施例4 実施例3と同じ支持体上に、下記組成の感光層塗工液を
塗布・乾燥して、24μm厚の感光層を形成し、本発明
の電子写真感光体を作製した。 感光層塗工液 下記構造の電荷発生物質 1部
【0037】
【化7】
【0038】 下記構造の電荷輸送物質 11部
【0039】
【化8】
【0040】 ポリカーボネート(三菱ガス化学:ノバレックスA) 10部 塩化メチレン 80部 更に無蛍光石英ガラス基板上に、上記感光体の感光層か
ら電荷輸送物質を除いたもの(サンプル7)、上記感光
体と同じ構成の感光層(サンプル8)をそれぞれ作製し
た。
【0041】比較例1 実施例1における感光層塗工液を以下の組成のものに換
えた以外は、実施例1と全く同様に作製した。 感光層塗工液 下記構造の電荷発生物質 0.2部
【0042】
【化9】
【0043】 下記構造の電荷輸送物質 10部
【0044】
【化10】
【0045】 ポリカーボネート(帝人化成(株):パンライトC−1400) 10部 テトラヒドロフラン 100部 比較例2 実施例2における感光層塗工液を以下の組成のものに換
えた以外は、実施例2と全く同様に作製した。 感光層塗工液 下記構造の電荷発生物質 5部
【0046】
【化11】
【0047】 下記構造の電荷輸送物質 9部
【0048】
【化12】
【0049】 ポリカーボネート(出光石油化学:A2200) 10部 塩化メチレン 100部 比較例3 実施例3における感光層塗工液を以下の組成のものに換
えた以外は、実施例3と全く同様に作製した。 感光層塗工液 下記構造の電荷発生物質 1部
【0050】
【化13】
【0051】 下記構造の電荷輸送物質 9部
【0052】
【化14】
【0053】 ポリカーボネート(三菱ガス化学:S−2000) 21部 テトラヒドロフラン 18部 比較例4 実施例4における感光層塗工液を以下の組成のものに換
えた以外は、実施例4と全く同様に作製した。 感光層塗工液 下記構造の電荷発生物質 6部
【0054】
【化15】
【0055】 下記構造の電荷輸送物質 11部
【0056】
【化16】
【0057】 ポリカーボネート(三菱ガス化学:ノバレックスA) 10部 塩化メチレン 80部 以上、作製した各感光体の特性を静電複写紙試験装置
(川口電気製作所:SP−428型)を用いて次のよう
に評価した。まず、6.2Vの放電電圧にて、コロナ放
電を20秒間行い、次いで暗減衰させて表面電位が80
0Vになったところで、4.5luxのタングステン光
を照射した。上記の条件で帯電20秒、暗減衰20秒、
露光30秒を1サイクルとして、4000サイクルの疲
労試験を行った。感光体の電気特性は上記疲労試験前後
において、帯電開始2秒後の電位V2(V)、光照射の
際、表面電位が400Vになるのに必要な露光量E400
(lux・sec)、露光開始後30秒後の表面電位V
30(V)を測定した。次にサンプル1〜16の発光寿命
測定条件を記す。
【0058】 励起光源:レーザーダイオード(670nm) 検出器:ピコ秒蛍光寿命測定装置(浜松ホトニクス) を用いた。なお、得られた発光スペクトルから、発光寿
命を得た。この際、(1)式における発光寿命は、それ
ぞれの電荷発生物質の蛍光ピーク付近の寿命とした。感
光体の特性およびτ1,τ2を表1に示す。なお、表1に
おける電気特性の上段は初期(疲労前)の特性であり、
下段は疲労後の特性である。
【0059】
【表1】
【0060】実施例5 ハステロイ導電層を設けたポリエチレンテレフタレート
フィルム上に、下記組成の電荷発生層塗工液、電荷輸送
層塗工液を順次、塗布・乾燥して、0.3μm厚の電荷
発生層および22μm厚の電荷輸送層を形成し、本発明
の電子写真感光体を作製した。 電荷発生層塗工液 下記構造の電荷発生物質 5部
【0061】
【化17】
【0062】 ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学工業(株):エスレック BM−1〕 2部 シクロヘキサノン 250部 2−ブタノン 100部 電荷輸送層塗工液 下記構造の電荷輸送物質 8部
【0063】
【化18】
【0064】 ポリカーボネート〔帝人化成(株):パンライトL−1250〕 10部 テトラヒドロフラン 100部 更に無蛍光石英ガラス基板上に、上記感光体と同じ構成
の電荷発生層のみ(サンプル17)、電荷発生層と電荷
輸送層の積層(サンプル18)をそれぞれ作製した。
【0065】実施例6 実施例5と同じ支持体上に、下記組成の下引き層塗工
液、電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液を順次、塗布
・乾燥して、それぞれ0.3μm厚の下引き層、0.2
μm厚の電荷発生層および20μm厚の電荷輸送層を形
成し、本発明の電子写真感光体を作製した。 下引き層塗工液 アルコール可溶性ナイロン(東レ:アミランCM8000) 4部 メタノール 70部 ブタノール 30部 電荷発生層塗工液 下記構造の電荷発生物質 10部
【0066】
【化19】
【0067】 ポリビニルブチラール(UCC:XYHL) 1部 シクロヘキサノン 200部 2−ブタノン 100部 電荷輸送層塗工液 下記構造の電荷輸送物質 9部
【0068】
【化20】
【0069】 ポリカーボネート〔出光石油化学:A3000〕 10部 塩化メチレン 100部 更に無蛍光石英ガラス基板上に、上記感光体と同じ構成
の電荷発生層のみ(サンプル19)、電荷発生層と電荷
輸送層の積層(サンプル20)をそれぞれ作製した。
【0070】実施例7 アルミニウムを蒸着したポリエチレンテレフタレートフ
ィルム上に、下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗
工液、電荷輸送層塗工液を順次、塗布・乾燥して、それ
ぞれ2μm厚の下引き層、0.3μm厚の電荷発生層お
よび19μm厚の電荷輸送層を形成し、本発明の電子写
真感光体を作製した。 下引き層塗工液 二酸化チタン 4部 ポリエステル〔東洋紡績(株):バイロン3000〕 1部 トルイレン−2,4−ジイソシアネート 0.02部 2−ブタノン 100部 4−メチル−2−ペンタノン 100部 電荷発生層塗工液 下記構造の電荷発生物質 5部
【0071】
【化21】
【0072】 ポリサルホン(日産化学:P−1700) 1部 テトラヒドロフラン 300部 電荷輸送層塗工液 下記構造の電荷輸送物質 1部
【0073】
【化22】
【0074】 ポリカーボネート〔三菱ガス化学:ユーピロン Z−200〕 1部 テトラヒドロフラン 18部 更に無蛍光石英ガラス基板上に、上記感光体と同じ構成
の電荷発生層のみ(サンプル21)、電荷発生層と電荷
輸送層の積層(サンプル22)をそれぞれ作製した。
【0075】実施例8 実施例7と同じ支持体上に、下記組成の電荷輸送層塗工
液、電荷発生層塗工液を順次、塗布・乾燥して、それぞ
れ24μm厚の下引き層、0.5μm厚の電荷発生層を
形成し、本発明の電子写真感光体を作製した。 電荷輸送層塗工液 下記構造の電荷輸送物質 9部
【0076】
【化23】
【0077】 ポリアリレート(ユニチカ:Uポリマー U−100) 10部 塩化メチレン 80部 電荷発生層塗工液 下記構造の電荷発生物質 1部
【0078】
【化24】
【0079】 テトラヒドロフラン 30部 更に無蛍光石英ガラス基板上に、上記感光体と同じ構成
の電荷発生層のみ(サンプル23)、電荷発生層と電荷
輸送層の積層(サンプル24)をそれぞれ作製した。
【0080】比較例5 実施例5における電荷発生層塗工液を以下の組成のもの
に換えた以外は、実施例5と全く同様に作製した。 電荷発生層塗工液 下記構造の電荷発生物質 5部
【0081】
【化25】
【0082】 シクロヘキサノン 250部 2−ブタノン 100部 比較例6 実施例6における電荷発生層塗工液を以下の組成のもの
に換えた以外は、実施例6と全く同様に作製した。 電荷発生層塗工液 下記構造の電荷発生物質 10部
【0083】
【化26】
【0084】 ポリビニルブチラール(UCC:XYHL) 10部 シクロヘキサノン 250部 2−ブタノン 100部 比較例7 実施例7における電荷発生層塗工液を以下の組成のもの
に換えた以外は、実施例7と全く同様に作製した。 電荷発生層塗工液 下記構造の電荷発生物質 5部
【0085】
【化27】
【0086】 テトラヒドロフラン 300部 比較例8 実施例8における電荷発生層塗工液を以下の組成のもの
に換えた以外は、実施例8と全く同様に作製した。 電荷発生層塗工液 下記構造の電荷発生物質 1部
【0087】
【化28】
【0088】 ポリサルホン(日産化学:P−1700) 2部 テトラヒドロフラン 30部 以上、作製した各感光体の特性を実施例1〜4、比較例
1〜4と同様に評価した。感光体の特性およびτ 3 ,τ4
を表2に示す。なお、表2における電気特性の上段は初
期(疲労前)の特性であり、下段は疲労後の特性であ
る。
【0089】
【表2】
【0090】
【発明の効果】上記のとおり、本発明の電子写真感光体
は、高感度で、かつ、繰返し使用時における帯電性の低
下と残留電位の発生の少ない、高耐久化が達成されてい
る。このため、繰返し使用後においても、黒ポチ、白ヌ
ケ等の不良画像のない良好な画像が形成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の層構成の一例の説明図である。
【図2】本発明の層構成の他の例の説明図である。
【図3】本発明の層構成の他の例の説明図である。
【図4】本発明の層構成の他の例の説明図である。
【図5】本発明の層構成の他の例の説明図である。
【図6】本発明の層構成の他の例の説明図である。
【図7】本発明の層構成の他の例の説明図である。
【符号の説明】
11 導電性支持体 13 感光層 17 保護層 19 中間層 21 電荷発生層 23 電荷輸送層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−321051(JP,A) 特開 平4−323662(JP,A) 特開 平4−133064(JP,A) 特開 平2−190863(JP,A) 特開 平4−182441(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、少なくとも電荷発生
    物質と電荷輸送物質を同時に含有する感光層を有してな
    る単層型電子写真感光体において、該感光層中に含有さ
    れる電荷発生物質の発光寿命が下記(1)式を満足する
    ことを特徴とする電子写真感光体。 10ps<τ1<100ps …(1) 但し、τ1:上記感光体における感光層から電荷輸送物
    質を除いた層の電荷発生物質の発光寿命。
  2. 【請求項2】 感光層の発光寿命が下記(2)式を満足
    することを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。 τ2<τ1 …(2) 但し、τ2:上記感光体における感光層の電荷発生物質
    の発光寿命。
  3. 【請求項3】 導電性支持体上に、少なくとも電荷発生
    物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電
    荷輸送層を積層してなる積層型電子写真感光体におい
    て、該電荷発生層中に含有される電荷発生物質の発光寿
    命が下記(3)式を満足することを特徴とする電子写真
    感光体。 10ps<τ3<100ps …(3) 但し、τ3:電荷発生層単独での電荷発生物質の発光寿
    命。
  4. 【請求項4】 電荷発生層の発光寿命が下記(4)式を
    満足することを特徴とする請求項3記載の電子写真感光
    体。 τ4<τ3 …(4) 但し、τ4:上記感光体における電荷発生層と電荷輸送
    層を積層した場合の電荷発生物質の発光寿命。
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