JPH11174705A - 電子輸送性材料を下引き層に含有する電子写真感光体 - Google Patents

電子輸送性材料を下引き層に含有する電子写真感光体

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JPH11174705A
JPH11174705A JP34594097A JP34594097A JPH11174705A JP H11174705 A JPH11174705 A JP H11174705A JP 34594097 A JP34594097 A JP 34594097A JP 34594097 A JP34594097 A JP 34594097A JP H11174705 A JPH11174705 A JP H11174705A
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JP
Japan
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group
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undercoat layer
resin
electrophotographic
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JP34594097A
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Hiroshi Nakamura
博史 中村
Masahiko Miyamoto
昌彦 宮本
Ichiro Takegawa
一郎 竹川
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な電子写真特性を保持し、環境安定性及
び耐久性の優れており、接触帯電方式に用いても、長期
に亘り電気特性の優れた電子写真感光体を提供する。 【解決手段】 導電性基体上に下引き層及び感光層を有
する電子写真感光体において、その導電性基体と感光層
との間に設ける下引き層が、下記一般式(1)及び/又
は一般式(2)で示されるオキサジアゾール系化合物か
らなる電子輸送性材料を含有するものである。 【化1】 (式中、R1 及びR2 は、同一でも異なっていてもよ
く、それぞれ無置換の芳香族炭化水素基又はアルキル
基、アルコキシル基、アリール基、ニトロ基、シアノ基
又はハロゲン原子で置換された芳香族炭化水素基。Ar
はアリーレン基。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体に
関し、詳しくは電子輸送性材料を含む下引き層を設けた
電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真感光体は、基体の導電
性表面に感光層が形成されるものであるが、感光層と基
体との接着性の改善、感光層の塗工性向上、基体表面の
保護、基体上の欠陥の被覆、感光層の電気的破壊に対す
る保護及び基体から感光層への電荷注入性の向上等を目
的として、基体と感光層との間に感光性を有しない下引
き層或いは中間層と呼ばれる層が設けられる。この下引
き層の形成材料としては、ポリウレタン、ポリアミド、
ポリビニルアルコール、エポキシエチレン−アクリル酸
共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、カゼイン、
メチルセルロース、ニトロセルロース、フェノール樹
脂、有機金属化合物等が使用されている。
【0003】しかしながら、電荷発生層の組成によって
は、基体側に流入する電荷担体の移動が妨げられて、電
荷担体が電荷発生層中で他の極性を有する電荷担体と再
結合したり、下引き層と電荷発生層との境界に蓄積した
りして空間電荷による障壁を形成し、繰り返し使用によ
る帯電電位の低下、残留電位の上昇等の現象を引き起こ
す場合があった。また、これらの下引き層は、主に電荷
の輸送を下引き層中に含まれる水分が担っているため
に、湿度により感光体特性が大きく変化するという欠点
があった。
【0004】これらの問題を解決する手段として、下引
き層中に、酸化チタン、酸化スズ等の無機導電性フィラ
ーを分散させる方法又はイミダゾール、ヒドラゾン、カ
ルバゾール等の電子供与性物質を含有させる方法が知ら
れている。一方、これとは逆に、下引き層に、トリニト
ロフルオレノン、テロラシアノキノジメタン等の電子受
容性物質を含有させて電子が通過し易いようにすること
により、それらの問題を解決する方法も知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、下引き層中
に無機導電性フィラーを分散させる場合、そのフィラー
を塗布液中に分散させる必要があるが、フィラーが均一
に分散した塗布液を調製することは困難であり、加え
て、その塗布液の安定性等にも問題がある。また、下引
き層に電子供与性物質を含有させた場合、感光層で発生
した電子はトラップとなり易く、電子が正孔と再結合し
て感度低下を引き起こし、下引き層としての充分な機能
を果たすことができなくなるという問題がある。さら
に、下引き層に電子受容性物質を含有させた場合、電子
受容性物質の電子の移動度が十分でないため、下引き層
として充分な機能を有するとは言い難い。すなわち、電
子の移動度が小さいものでは、特に下引き層が厚膜に形
成されると、電荷が下引き層中に蓄積されて残留電位が
大きく上昇するから、下引き層の厚膜化が困難になる
し、また耐久性及び感度が低下するという問題がある。
【0006】本発明は、従来の技術における上記した実
情に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目
的は、良好な電子写真特性を有するとともに環境安定性
及び耐久性の優れた電子写真感光体を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、電子写真特性を損なうことな
く高耐圧性を有し、接触帯電方式を採用した場合にも、
長期に亘り電気特性の優れた電子写真感光体を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、電子写真
感光体に使用される種々の材料について、電子写真特性
という観点から鋭意検討を行った結果、下引き層に特定
のオキサジアゾール系化合物からなる電子輸送性材料を
用いることにより、優れた電子写真特性を示す電子写真
感光体が得られることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0008】すなわち、本発明の電子写真感光体は、導
電性基体上に下引き層及び感光層を有するものであり、
その導電性基体と感光層との間に設ける下引き層が、下
記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)で示される
オキサジアゾール系化合物からなる電子輸送性材料を含
有することを特徴とするものである。
【化5】 (式中、R1 及びR2 は、同一でも異なっていてもよ
く、それぞれ無置換の芳香族炭化水素基であるか又はア
ルキル基、アルコキシル基、アリール基、ニトロ基、シ
アノ基又はハロゲン原子で置換された芳香族炭化水素基
を表す。)
【化6】 (式中、Arはアリーレン基を表し、R1 及びR2 は、
同一でも異なっていてもよく、それぞれ無置換の芳香族
炭化水素基であるか又はアルキル基、アルコキシル基、
アリール基、ニトロ基、シアノ基又はハロゲン原子で置
換された芳香族炭化水素基を表す。)
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。図1〜図4は、本発明の電子写真感光体の層構成
の一例を示す模式的断面図である。図1及び図2は、感
光層が積層構造の場合を示すものであって、図1におい
ては、導電性基体4上に、下引き層1、電荷発生層2及
び電荷輸送層3が順次設けられている。図2において
は、図1の感光体に、さらに保護層5が設けられてい
る。また、図3及び図4は、感光層が単層構造の場合を
示すものであって、図3においては、導電性基体4上
に、下引き層1及び感光層6が順次設けられている。図
4においては、図3の感光体に、さらに保護層5が設け
られている。
【0010】以下、本発明における電子写真感光体を構
成する各層について説明する。導電性基体としては、ア
ルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属
類、アルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ス
テンレス、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、
ITO等の薄膜を設けたプラスチックフィルム、導電性
付与剤を塗布或いは含浸させた紙又はプラスチックフィ
ルム等が挙げられる。これらの導電性基体は、ドラム
状、シート状、プレート状等の適宜の形状のものが使用
される。さらに、導電性基体の表面は、必要に応じて、
画質に影響のない範囲で各種の処理を行ったものを使用
することができ、例えば、酸化処理、薬品処理、着色処
理又は砂目立て等の乱反射処理を行ったもの等が使用で
きる。
【0011】下引き層は、主として(1)基体からの不
必要なキャリアの注入を阻止し、画像品質を向上させ
る、(2)感光体の光減衰曲線の環境変動を防止し、安
定した画像品質を得る、(3)適度な電荷輸送能を持た
せて、長期に亘って繰り返し使用しても電荷の蓄積がな
く、感度変動を生じさせない、(4)帯電電圧に対する
適度な耐圧性があり、絶縁破壊による画像欠陥の発生を
防止する、(5)感光層と基体とを一体的に接着保持さ
せる接着層として作用する、或いは(6)場合により、
基体からの反射光を防止する、ために設ける。
【0012】本発明においては、下引き層は、結着樹脂
中に特定の電子輸送性材料を含有させて形成される。本
発明における下引き層の電子輸送性材料としては、下記
一般式(1)で表されるオキサジアゾール系化合物及び
/又は下記一般式(2)で表されるオキサジアゾール系
化合物の少なくとも1種が用いられる。すなわち、本発
明においては、一般式(1)又は一般式(2)に含まれ
るオキサジアゾール系化合物を、単独で又はそれらの中
から2種以上を混合して用いることができる。
【0013】
【化7】
【0014】一般式(1)及び一般式(2)中のR1
びR2 としては、同一のものでも異なっていてもよく、
それぞれ無置換の芳香族炭化水素基であるか又はアルキ
ル基、アルコキシル基、アリール基、ニトロ基、シアノ
基又はハロゲン原子で置換された芳香族炭化水素基であ
る。その無置換の芳香族炭化水素基としては、フェニ
ル、ナフチル、アントリル、フェナントリル等が挙げら
れる。また、その芳香族炭化水素基の置換基としては、
メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブ
チル、t−ブチル(t−Bu)等のアルキル基、メトキ
シ、エトキシ、プロピルオキシ、ブトキシ等のアルコキ
シル基、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、アン
トリル、フェナントリル等のアリール基、ニトロ基、シ
アノ基、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子が挙げら
れる。また、一般式(2)中のArとしては、アリーレ
ン基であり、フェニレン、ビフェニレン、ナフチレン、
アントリレン、フェナントレン等が挙げられる。
【0015】本発明で用いられる一般式(1)で表され
るオキサジアゾール系化合物の具体例について、それぞ
れの化学構造式とともに表1〜表6に示す。これらの化
学構造式中のRa及びRbは、それぞれ上記した芳香族
炭化水素基の置換基を意味し、また、k及びlは、それ
ぞれ0〜2の整数である。
【0016】
【化8】
【表1】
【0017】
【化9】
【表2】
【0018】
【化10】
【表3】
【0019】
【化11】
【表4】
【0020】
【化12】
【表5】
【0021】
【化13】
【表6】
【0022】
【化14】
【0023】また、一般式(2)で表されるオキサジア
ゾール系化合物の具体例について、それぞれの化学構造
式とともに表7〜表24に示す。これらの化学構造式中
のRc及びRdは、それぞれ上記した芳香族炭化水素基
の置換基を意味し、また、m及びnは、それぞれ0〜2
の整数である。
【0024】
【化15】
【表7】
【0025】
【化16】
【表8】
【0026】
【化17】
【表9】
【0027】
【化18】
【表10】
【0028】
【化19】
【表11】
【0029】
【化20】
【表12】
【0030】
【化21】
【0031】
【化22】
【表13】
【0032】
【化23】
【表14】
【0033】
【化24】
【表15】
【0034】
【化25】
【表16】
【0035】
【化26】
【表17】
【0036】
【化27】
【表18】
【0037】
【化28】
【0038】
【化29】
【表19】
【0039】
【化30】
【0040】
【表20】
【0041】
【化31】
【表21】
【0042】
【化32】
【表22】
【0043】
【化33】
【0044】
【表23】
【0045】
【化34】
【表24】
【0046】
【化35】
【0047】本発明において、下引き層に用いられる一
般式(1)及び一般式(2)で表されるオキサジアゾー
ル系化合物は、市場から容易に入手可能であるか、公知
の方法により容易に合成することが可能なものである。
一般式(1)で示されるオキサジアゾール系化合物は、
例えば、下記化学反応式(A)に示すように、R1 で表
される基を有するカルボン酸クロライドとR2で表され
る基を有するカルボン酸ヒドラジドを反応させ、次い
で、生成したカルボン酸ジヒドラジンを脱水環化反応さ
せることにより得ることができる。
【化36】
【0048】また、一般式(2)で示されるオキサジア
ゾール系化合物は、例えば、下記化学反応式(B)に示
すように、R1 で表される基を有するカルボン酸クロラ
イドとベンゼンジカルボン酸ヒドラジドを反応させ、次
いで、生成したベンゼンカルボン酸ジヒドラジンを脱水
環化反応させることにより得ることができる。
【化37】
【0049】上記一般式(2)で示されるオキサジアゾ
ール系化合物の中で、R1 とR2 が異なるものを合成す
る場合には、R1 で表される基を有するカルボン酸クロ
ライドに大過剰のベンゼンジカルボン酸ヒドラジドを反
応させて、ベンゼンジカルボン酸ヒドラジドの一方のカ
ルボン酸ヒドラジドのみをカルボン酸ヒドラジンとし、
その後、他のカルボン酸ヒドラジドをR2 で表される基
を有するカルボン酸クロライドと反応させ、このように
して生成したベンゼンカルボン酸ジヒドラジンを脱水環
化反応させることにより、R1 とR2 が異なるオキサジ
アゾール系化合物を容易に合成することができる。
【0050】本発明において、下引き層に用いる電子輸
送性材料は、分子分散状態であっても、顔料分散状態で
あってもよい。また、下引き層に用いる結着樹脂として
は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタク
リル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩
化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセ
テート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニ
リデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイ
ン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッ
ド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン
−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の
公知の樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。ま
た、これらの結着樹脂は、単独で又は2種以上を混合し
て用いることができる。
【0051】下引き層の形成用塗布液に使用する溶剤と
しては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼ
ン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等の
ケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン
等のハロンゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラ
ン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル
類等の通常の有機溶剤が挙げられ、これらを単独で又は
2種以上を混合して用いることができる。また、下引き
層を形成する塗布方法としては、ブレードコーティング
法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティン
グ法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エ
アーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等
の通常の方法が用いられる。また、その塗布層を乾燥さ
せることにより下引き層が得られるが、その乾燥は、通
常、溶剤を蒸発させて良好な塗膜が形成される温度が採
択される。本発明において、下引き層の厚さは、0.1
〜20μm、好ましくは0.5〜10μmの範囲が適当
である。
【0052】本発明において、下引き層の上に形成され
る感光層は、基本的には単層構造であっても、電荷発生
層と電荷輸送層とに機能分離された積層構造であっても
よい。積層構造の場合、電荷発生層と電荷輸送層の積層
順序はいずれが上層であっても良く、またその上には必
要に応じて表面保護層が形成される。
【0053】電荷発生層は、電荷発生物質を真空蒸着に
より形成されるか、電荷発生物質を有機溶剤及び結着樹
脂とともに分散させた塗布液を塗布することにより形成
される。その電荷発生物質としては、非晶質セレン、結
晶性セレン、セレンーテルル合金、セレンーヒ素合金、
その他のセレン化合物又はセレン合金、酸化亜鉛、酸化
チタン等の無機系光導電体、無金属フタロシアニン又は
チタニルフタロシアニン、銅タロシアニン、錫フタロシ
アニン、ガリウムフタロシアニン等の金属フタロシアニ
ンの各種フタロシアニン系顔料、スクエアリウム系、ア
ントアントロン系、ペリレン系、アゾ系、アントラキノ
ン系、ピレン系、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の
各種有機顔料又は染料が用いられる。また、これらの有
機顔料は、一般に数種の結晶型を有しており、特にフタ
ロシアニン顔料ではα型、β型をはじめとして各種の結
晶型が知られているが、その使用目的に適合する感度が
得られる顔料であれば、いずれの結晶型も使用可能であ
る。
【0054】本発明において、下引き層に用いるオキサ
ジアゾール系電子輸送性材料との関連において、電荷発
生層に使用することにより特に優れた性能が得られる電
荷発生材料としては、以下の(1)〜(3)に示すフタ
ロシアニン化合物が挙げられる。 (1)Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッ
グ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも7.4
°、16.6°、25.5°、28.3°の位置に回折
ピークを有するクロルガリウムフタロシアニン (2)Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッ
グ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも7.5
°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、
25.1°、28.1°の位置に回折ピークを有するヒ
ドロキシガリウムフタロシアニン (3)Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッ
グ角度(2θ±0.2°)において、少なくとも9.5
°、11.7°、15.0°、24.1°、及び27.
3°の位置に回折ピークを有するチタニルフタロシアニ
ン また、電荷発生層に用いる結着樹脂としては、広範な絶
縁性樹脂から選択されるが、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポ
リシラン等の有機光導電性ポリマーも使用することがで
きる。好ましい結着樹脂としては、ポリビニルブチラー
ル樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールA−フタ
ル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエス
テル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリル
アミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹
脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニ
ルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁
性樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。これらの結着樹脂は、単独で又は2種以上を混合し
て用いられる。
【0055】電荷発生材料と結着樹脂の配合比(重量
比)は、10:1〜1:10の範囲が好ましい。これら
を分散させる方法としては、ボールミル分散法、アトラ
イター分散法、サンドミル分散法等の通常の方法を用い
ることができるが、この際、分散によって電荷発生材料
の結晶型が変化しない条件が必要とされる。因みに、本
発明においては、前記の分散法のいずれについても分散
前と結晶型が変化していないことが確認されている。さ
らに、この分散処理において、粒子を0.5μm以下、
好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.15
μm以下の粒子径にすることが有効である。またこれら
の分散に用いる溶剤としては、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアル
コール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセト
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチ
ル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼ
ン、トルエン等の通常の有機溶剤を、単独で又は2種以
上を混合して用いる。また、電荷発生層の形成に用いる
塗布法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバ
ーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コー
ティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコー
ティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法が
挙げられる。電荷発生層の厚さは、通常0.1〜5μ
m、好ましくは0.2〜2.0μmの範囲が適当であ
る。
【0056】本発明の電子写真用感光体における電荷輸
送層は、公知の電荷輸送材料を適当なバインダー樹脂中
に含有させて、あるいは電荷輸送性ポリマーを単独で、
あるいは電荷輸送性ポリマーと公知の電荷輸送材料やバ
インダー樹脂と混合して形成される。
【0057】本発明において、電荷輸送層の電荷輸送材
料には、下引き層で用いられるオキサジアゾール系電子
輸送材料との関連において特に優れた性能が得られる電
荷輸送材料として、下記するベンジジン系化合物及びト
リアリールアミン系化合物を用いることが好ましい。下
記一般式(3)で示されるベンジジン系化合物として
は、下記のものが挙げられる。
【化38】 (式中、R31、R32は、同一でも異なっていてもよく、
それぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はハロ
ゲン原子を表し、R33、R34、R35及びR36は、同一で
も異なっていてもよく、それぞれ水素原子、アルキル
基、アルコキシ基、ハロゲン原子又は置換アミノ基を表
す。また、p、q、r及びsは、それぞれ1又は2を意
味する)
【0058】一般式(3)で示されるベンジジン化合物
の具体的な化合物例を、表25〜27に示す。
【表25】
【0059】
【表26】
【0060】
【表27】
【0061】また、下記一般式(4)で示されるトリア
リールアミン系化合物としては、下記のものが挙げられ
る。
【化39】 (式中、R41及びR42は、同一でも異なっていてもよ
く、それぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハ
ロゲン原子を表し、t及びuは、それぞれ1又は2を意
味する。R43は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基
又は炭素数6〜12のアリール基を表す。)
【0062】一般式(4)で表されるトリアリールアミ
ン系化合物の具体的な化合物例を、表28、表29に示
す。
【表28】
【0063】
【表29】
【0064】その他に、電荷輸送材料として、1−[ピ
リジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリ
ル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン
等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ジ
ベンジルアニリン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,
N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニ
ル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン
等の芳香族第3級ジアミノ化合物、4−ジエチルアミノ
ベンズアルデヒド−1,1′−ジフェニルヒドラゾン等
のヒドラゾン誘導体、p−(2,2′−ジフェニルビニ
ル)−N,N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン
誘導体等の公知の電荷輸送材料を用いることができる。
また、ポリ−N−ビニルカルバゾール又はその誘導体、
ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリビニ
ルアクリジン、ポリ−9−ビフェニルアントラセン、ピ
レン−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホ
ルムアルデヒド樹脂等の半導性高分子化合物も用いるこ
とができるが、これらに限定されるものではない。ま
た、これらの電荷輸送材料は、単独で又は2種以上を混
合して用いられる。
【0065】また、電荷輸送層に用いる結着樹脂として
は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタク
リル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩
化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセ
テート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニ
リデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイ
ン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッ
ド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン
−アキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の公
知の樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。これらの結着樹脂は、単独で又は2種以上を混合
して用いられる。電荷輸送材料と結着樹脂との配合比
(重量比)は、10:1〜1:5の範囲が好ましい。電
荷輸送層形成用の塗布液の溶剤及びその塗布液を塗布す
る方法は、前記した電荷発生層の形成に用いる溶媒及び
塗布方法と同様のものが使用できる。電荷輸送層の厚さ
は、通常5〜50μm、好ましくは10〜30μmの範
囲が適当である。
【0066】本発明の電子写真感光体において、表面層
を前記したような電荷輸送層又は単層感光層とする場合
に、さらに必要に応じて、それらの層の上に保護層を設
けてもよい。この保護層は、感光層の帯電時の化学的変
質を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する
ために設けられる。この保護層は、導電性材料を適当な
結着樹脂中に含有させて形成される。その導電性材料と
しては、N,N′−ジメチルフェロセン等のメタロセン
化合物、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−
メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,
4′−ジアミン等の芳香族アミン化合物、酸化アンチモ
ン、酸化スズ、酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ
−酸化アンチモン等の金属酸化物等が用いられるが、こ
れらに限定されるものではない。また、この保護層に用
いる結着樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン
樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポ
リスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリイミド
樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂
等の公知の樹脂が挙げられる。
【0067】また、この保護層は、その電気抵抗が10
9 〜1014Ω・cmとなるように構成することが好まし
い。電気抵抗が1014Ω・cmより大きくなると、残留
電位が上昇してカブリの多い複写画像になり、また、1
9 Ω・cmより小さくなると、画像のボケ、解像力の
低下が発生する。また、保護層は、像露光に用いられる
光の透過を実質上妨げないように構成されなければなら
ない。保護層の膜厚は、0.5〜20μm、好ましくは
1〜10μmの範囲が適当である。その塗布には、感光
層の形成に用いられる方法と同様の方法が適用できる。
【0068】また、本発明の電子写真感光体には、電子
写真装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは
光、熱による感光体の劣化防止を目的として、感光層中
に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の添加剤を配合す
ることができる。その酸化防止剤には、例えば、ヒンダ
ードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジ
アミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロク
ロマン、スピロインダノン及びそれらの誘導体、有機硫
黄化合物、有機燐化合物等が用いられる。また、光安定
剤には、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾー
ル、ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジン又は
それらの誘導体等が用いられる。
【0069】さらに、感度の向上、残留電位の低減及び
繰り返し使用時の疲労低減等を目的として、必要に応じ
て1種以上の電子受容性物質を含有させることができ
る。本発明の感光体に使用可能な電子受容物質として
は、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム
無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタ
ル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタ
ン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、ク
ロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオ
レノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ
安息香酸、フタル酸等が挙げられる。これらの中で、フ
ルオレノン系化合物、キノン系化合物、Cl、CN又は
NO2 等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が
特に好ましい。
【0070】本発明の電子写真感光体は、従来のコロナ
放電方式の帯電用部材のほかに、接触帯電方式を使用し
た場合にも優れた特性を発揮する。この接触帯電用部材
は、感光体表面に接触するように配置され、電圧を感光
体に直接、均一に印加し、感光体表面を所定の電位に帯
電させるものである。この接触帯電用部材には、アルミ
ニウム、鉄、銅等の金属、ポリアセチレン、ポリピロー
ル、ポリチオフェンなどの導電性高分子材料、ポリウレ
タンゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、
エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、
スチレンーブタジエンゴム、ブタジエンゴム等のエラス
トマー材料にカーボンブラック、沃化銅、沃化銀、硫化
亜鉛、炭化けい素、金属酸化物等の導電性粒子を分散さ
せたもの等が用いられる。その金属酸化物の例として
は、Z2 O、SnO2 、TiO2 、In2 3 、MoO
3 等又はこれらの複合酸化物が挙げられる。また、エラ
ストマー材料中には、過塩素酸塩を含有させて導電性を
付与してもよいし、その表面に被覆層を設けることもで
きる。この被覆層を形成する材料としては、N−アルコ
キシメチル化ナイロン、セルロース樹脂、ビニルピリジ
ン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、ポリビニルブ
チラール、メラミン等を、単独で又はそれらを併用して
用いられる。また、エマルジョン樹脂系材料、例えば、
アクリル樹脂エマルジョン、ポリエステル樹脂エマルジ
ョン、ポリウレタン、特にソープフリーのエマルジョン
重合により合成されたエマルジョン樹脂を用いることも
できる。これらの樹脂には、さらに抵抗率を調整するた
めに、導電剤粒子を分散してもよいし、劣化を防止する
ために酸化防止剤を含有させることもできる。また、被
覆層を形成する時の成膜性を向上させるために、エマル
ジョン樹脂にレベリング剤又は界面活性剤を含有させる
こともできる。
【0071】上記の接触帯電用部材の形状としては、ロ
ーラー型、ブレード型、ベルト型、ブラシ型等が用いら
れる。また、この接触帯電用部材の抵抗は、好ましくは
100 〜1014Ω・cm、さらに好ましくは102 〜1
12Ω・cmの範囲のものが好ましい。この接触帯電用
部材への印加電圧は、直流及び交流のいずれも用いるこ
とができる。また、直流と交流とを重畳させて印加する
こともできる。
【0072】次に、本発明の電子写真装置について説明
する。本発明の電子写真感光体は、前記したように、そ
の感光体の帯電に、コロナ放電の帯電用部材を用いるも
の又は接触帯電用部材を用いるもののいずれの方式にも
使用できるが、ここには接触帯電型の電子写真方式に用
いた例について示す。図5は、本発明の電子写真感光体
を接触帯電型の電子写真装置に用いた概略構成図であ
る。図5において、7は感光体であって、帯電には接触
帯電用部材8が設けられている。この帯電用部材8は電
源9から電圧が供給される。感光体の周囲には、画像入
力装置10、現像装置11、転写装置12、クリーニン
グ装置13及び除電器14が設けられている。なお、1
5は定着装置である。この接触型電子写真装置では、除
電器14が設けられていなくてもよい。
【0073】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。 実施例1 D50が30μmのアルミナ球状粉末を用いて液体ホーニ
ング処理を行うことにより、中心線平均粗さRaが0.
18μmに粗面化されたアルミニウムパイプを基体と
し、その上に、電子輸送性材料として化合物番号A−4
6で示される2,5−ビス(3−メトキシフェニル)−
1,3,4−オキサジアゾール1重量部及びビスフェノ
ールA型ポリカーボネート樹脂(ユーピロン、三菱ガス
化学社製)3重量部を塩化メチレン27重量部に加えて
溶解させた。得られた下引き層用塗布液を浸漬コーティ
ング法で塗布し、120℃において30分加熱乾燥させ
て膜厚3.0μmの下引き層を形成した。
【0074】次いで、電荷発生材料として、Cukα線
を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±
0.2°)において、少なくとも7.4°、16.6
°、25.5°、28.3°の位置に明瞭なX線回折ピ
ークを有するクロルガリウムフタロシアニン3重量部、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(VMCH、日本ユニ
カー社製)2重量部及び酢酸ブチル180重量部からな
る混合物をサンドミルにより4時間分散処理して得られ
た塗布液を、上記下引き層の上に浸漬塗布法により塗布
し、これを乾燥させて膜厚0.2μmの電荷発生層を形
成した。次に、化合物番号3−1に示すN,N′−ジフ
ェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−
[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン4重量
部とビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(三菱ガ
ス化学社製、分子量約4万)6重量部とを塩化メチレン
80重量部に加えて溶解させて得られた塗布溶液を用い
て、上記電荷発生層の上に塗布し、これを120℃にお
いて40分間乾燥させて膜厚25μmの電荷輸送層を形
成することにより3層からなる電子写真感光体を作製し
た。
【0075】得られた電子写真用感光体の電子写真特性
を、レーザープリンター改造スキャナー(XP−15改
造機、富士ゼロックス社製)を用いて、(1)常温常湿
(20℃、40%RH)の環境下、グリッド印加電圧−
700Vのスコロトロン帯電器で帯電し(A)、780
nmの半導体レーザーを用いて、1秒後に10.0er
g/cm2 の光を照射して放電を行い(B)、その3秒
後に50.0erg/cm2 の赤色LED光を照射して
除電を行う(C)というプロセスによって、各部の電位
を測定した。一般に、(A)の電位VH が高いほど、感
光体の受容電位が高いのでコントラストを高くすること
ができ、(B)の電位VL は低いほど、高感度であり、
(C)のVRPの電位は低いほど、残留電位が少なく、画
像メモリーやカブリが少ない感光体であると評価され
る。また、1万回の繰り返し帯電、露光後の各部の電位
の測定も行った。また、この測定を(2)低温低湿(1
0℃、15%RH)、(3)高温高湿(28℃、85%
RH)の各環境下でも行い、(1)〜(3)の環境間に
おける各部の電位の変動量(VH 、VL 、VRP)につい
て測定し、環境安定性の評価を行った。
【0076】さらにまた、この電子写真用感光体をパー
ソナルコンピューター用プリンター(商品名:PR10
00、日本電気社製)に装着し、常温常湿(20℃、4
0%RH)、低温低湿(10℃、15%RH)、高温高
湿(28℃、85%RH)の各環境下において1万枚の
印字耐久テストを実施し、画像評価を行った。その際の
帯電部材として、スコロトロンとロール型帯電部材を用
いた評価をそれぞれ行った。ロール型帯電部材には、5
mmφの18.8ステンレス鋼シャフトの外周に、弾性
層及び樹脂層を形成したものを用いた。すなわち、シャ
フトの外周に過塩素酸リチウム0.5%を加えて弾性を
持たせたポリエーテル系ポリウレタンゴムよりなる弾性
層を15mmφになるように形成し、その表面に0.0
01%のメチルフェニルシリコーンからなるレベリング
剤を添加したポリエステル系ポリウレタンエマルジョン
樹脂水溶液からなる塗布液を浸漬塗布法により塗布し、
120℃で20分間乾燥させて、膜厚20μmの被覆層
を形成したものを用いた。 実施例2 実施例1において、下引き層の電子輸送性材料として、
化合物番号A−65で示される2−(4−ビフェニル)
−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキ
サジアゾールを用いたこと以外は、実施例1と同様にし
て電子写真用感光体を作製し、評価した。 実施例3 実施例1において、下引き層の電子輸送性材料として、
化合物番号A−77で示される2,5−ビス(4−ビフ
ェニル)−1,3,4−オキサジアゾールを用いたこと
以外は、実施例1と同様にして電子写真用感光体を作製
し、評価した。
【0077】実施例4 実施例1において、下引き層の電子輸送性材料として、
化合物番号A−89で示される2−(4−メトキシフェ
ニル)−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジ
アゾールを用いたこと以外は、実施例1と同様にして電
子写真用感光体を作製し、評価した。 実施例5 実施例1において、下引き層の電子輸送性材料として、
化合物番号A−109で示される2,5−ビス(4−メ
トキシナフチル)−1,3,4−オキサジアゾールを用
いたこと以外は、実施例1と同様にして電子写真用感光
体を作製し、評価した。
【0078】実施例6 実施例1に用いた電荷輸送層における電荷輸送材料を、
化合物番号4−33で示されるトリアリールアミンに代
えたこと以外は、実施例1と同様にして電子写真用感光
体を作製し、評価した。 実施例7 実施例1に用いた電荷発生材料を、Cukα線を用いた
X線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)
において、少なくとも7.5°、9.9°、12.5
°、16.3°、18.6°、25.1°、28.1°
の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロ
シアニンに代えたこと以外は、実施例1と同様にして電
子写真用感光体を作製し、評価した。 実施例8 実施例1に用いた電荷発生材料を、Cukα線を用いた
X線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)
において、少なくとも9.5°、11.7°、15.0
°、24.1°、及び27.3°の位置に回折ピークを
有するチタニルフタロシアニンに代えたこと以外は、実
施例1と同様にして電子写真用感光体を作製し、評価し
た。
【0079】比較例1 実施例1における下引き層用塗布液を、水溶性ポリビニ
ルアセタール樹脂(エスレックKW−1、積水化学社
製)1重量部を蒸留水9重量部に混合し溶解させて調製
した塗布液に代えたこと以外は、実施例1と同様にして
電子写真用感光体を作製し、評価した。 比較例2 実施例1における下引き層用塗布液を、8−ナイロン樹
脂(ラッカマイド5003、大日本インキ社製)1重量
部をメタノールとブタノール(重量比2:1)の混合液
9重量部に混合し溶解させて調製した塗布液に代えたこ
と以外は、実施例1と同様にして電子写真用感光体を作
製し、評価した。
【0080】比較例3 実施例1において下引き層に用いた電子輸送性材料に代
えて、下記構造式で示される3,5−ジメチル−3′,
5′−ビス(t−ブチル)−4,4′−ジフェノキノン
からなる電子供与性物質を用いたこと以外は、実施例1
と同様にして電子写真用感光体を作製し、評価した。
【化40】
【0081】上記実施例1〜8及び比較例1〜3で得ら
れた結果を、表30に示す。
【表30】
【0082】実施例9 実施例1において、下引き層の電子輸送性材料として、
化合物番号B−46で示されるオキサジアゾールに代え
たこと以外は、実施例1と同様にして電子写真用感光体
を作製し、評価した。 実施例10 実施例1において、下引き層の電子輸送性材料として、
化合物番号B−77で示されるオキサジアゾールに代え
たこと以外は、実施例1と同様にして電子写真用感光体
を作製し、評価した。
【0083】実施例11 実施例1において、下引き層の電子輸送性材料として、
化合物番号C−46で示されるオキサジアゾールに代え
たこと以外は、実施例1と同様にして電子写真用感光体
を作製し、評価した。 実施例12 実施例1において、下引き層の電子輸送性材料として、
化合物番号C−66で示されるオキサジアゾールに代え
たこと以外は、実施例1と同様にして電子写真用感光体
を作製し、評価した。
【0084】実施例13 実施例1において、下引き層の電子輸送性材料として、
化合物番号D−46で示されるオキサジアゾールに代え
たこと以外は、実施例1と同様にして電子写真用感光体
を作製し、評価した。 実施例14 実施例1において、下引き層の電子輸送性材料として、
化合物番号D−77で示されるオキサジアゾールに代え
たこと以外は、実施例1と同様にして電子写真用感光体
を作製し、評価した。
【0085】実施例15 実施例1における下引き層の電子輸送性材料に代えて、
化合物番号A−46で示されるオキサジアゾール0.5
重量部及び化合物番号B−46で示されるオキサジアゾ
ール0.5重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様
にして電子写真用感光体を作製した。得られた電子写真
用感光体は、環境安定性及び耐久性等について実施例1
のものと同様の特性を有していた。
【0086】上記実施例9〜15で得られた結果を表3
1に示す。
【表31】
【0087】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、特定のオキ
サジアゾール系化合物からなる電子輸送性材料を下引き
層に用いるから、上記実施例の結果からも明らかなよう
に、環境安定性及び耐久性に優れた電気特性を有する信
頼性の高いものであり、接触帯電方式の電子写真装置に
用いても、長期に亘り良好な電気特性を保持できるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる積層型電子写真感光体の一例
の層構成を示す模式的断面図である。
【図2】 本発明にかかる積層型電子写真感光体の他の
一例の層構成を示す模式的断面図である。
【図3】 本発明にかかる単層型電子写真感光体の他の
一例の層構成を示す模式的断面図である。
【図4】 本発明にかかる単層型電子写真感光体の他の
一例の層構成を示す模式的断面図である。
【図5】 本発明に用いられる接触帯電型の電子写真装
置の概略図である。
【符号の説明】
1…下引き層、2…電荷発生層、3…電荷輸送層、4…
導電性基体、5…保護層、6…感光層、7…感光体、8
…接触帯電用部材、9…電源、10…画像入力装置、1
1…現像装置、12…転写装置、13…クリーニング装
置、14…除電器、15…定着装置。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に下引き層及び感光層を有
    する電子写真感光体において、該導電性基体と感光層と
    の間に設ける下引き層が、下記一般式(1)及び/又は
    下記一般式(2)で示されるオキサジアゾール系化合物
    からなる電子輸送性材料を含有することを特徴とする電
    子写真感光体。 【化1】 (式中、R1 及びR2 は、同一でも異なっていてもよ
    く、それぞれ無置換の芳香族炭化水素基であるか又はア
    ルキル基、アルコキシル基、アリール基、ニトロ基、シ
    アノ基又はハロゲン原子で置換された芳香族炭化水素基
    を表す。) 【化2】 (式中、Arはアリーレン基を表し、R1 及びR2 は、
    同一でも異なっていてもよく、それぞれ無置換の芳香族
    炭化水素基であるか又はアルキル基、アルコキシル基、
    アリール基、ニトロ基、シアノ基又はハロゲン原子で置
    換された芳香族炭化水素基を表す。)
  2. 【請求項2】 感光層が、下記一般式(3)で示される
    ベンジジン系化合物からなる電荷輸送材料を含有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。 【化3】 (式中、R31、R32は、同一でも異なっていてもよく、
    それぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はハロ
    ゲン原子を表し、R33、R34、R35及びR36は、同一で
    も異なっていてもよく、それぞれ水素原子、アルキル
    基、アルコキシ基、ハロゲン原子又は置換アミノ基を表
    す。また、p、q、r及びsは、それぞれ1又は2を意
    味する)
  3. 【請求項3】 感光層が、下記一般式(4)で示される
    トリアリールアミン系化合物からなる電荷輸送材料を含
    有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光
    体。 【化4】 (式中、R41及びR42は、同一でも異なっていてもよ
    く、それぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハ
    ロゲン原子を表し、t及びuは、それぞれ1又は2を意
    味する。R43は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基
    又は炭素数6〜12のアリール基を表す。)
  4. 【請求項4】 感光層が、電荷発生材料として、Cuk
    α線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ
    ±0.2°)において、少なくとも7.4°、16.6
    °、25.5°、28.3°の位置に回折ピークを有す
    るクロルガリウムフタロシアニン、少なくとも7.5
    °、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、
    25.1°、28.1°の位置に回折ピークを有するヒ
    ドロキシガリウムフタロシアニン又は少なくとも9.5
    °、11.7°、15.0°、24.1°、及び27.
    3°の位置に回折ピークを有するチタニルフタロシアニ
    ンから選ばれる1種以上のフタロシアニンを含有するこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電
    子写真感光体。
  5. 【請求項5】 接触帯電装置により帯電される電子写真
    装置において、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電
    子写真感光体を用いることを特徴とする電子写真装置。
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