JPH0830007A - 電子写真感光体およびそれを用いた電子写真法 - Google Patents

電子写真感光体およびそれを用いた電子写真法

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JPH0830007A
JPH0830007A JP6189058A JP18905894A JPH0830007A JP H0830007 A JPH0830007 A JP H0830007A JP 6189058 A JP6189058 A JP 6189058A JP 18905894 A JP18905894 A JP 18905894A JP H0830007 A JPH0830007 A JP H0830007A
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resin
electrophotographic
layer
polyimide resin
photoreceptor
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JP6189058A
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English (en)
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Hidemi Nukada
秀美 額田
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 容易に形成可能な下引き層を有する、環境安
定性、長期耐久性に優れ、接触帯電による耐絶縁破壊性
にも優れた電子写真感光体、およびそれを用いる電子写
真法を提供する。 【構成】 導電性基体上に下引き層および感光層が積層
された電子写真感光体であって、下引き層が有機溶剤に
可溶なポリイミド樹脂を用いて形成された層からなる。
ポリイミド樹脂として、芳香族テトラカルボン酸から得
られるポリイミド樹脂が使用される。この電子写真感光
体に、電圧を印加した帯電部材を接触させることにより
感光体を帯電させ、以下常法の電子写真法によって、複
写画像を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機溶剤に可溶なポリ
イミド樹脂を含有する下引き層を有する電子写真感光体
およびそれを用いる電子写真法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体は、支持体の導電性表面
に感光層を形成してなるが、一般に感光層と支持体との
接着性、感光層の塗工性等の向上、支持体表面の保護、
支持体上の欠陥の被覆、感光層の電気的破壊からの保
護、感光層のキャリア注入性向上等のために感光性を有
していない下引き層、或いは中間層と呼ばれる層を介在
させる。この層を形成する材料としては、ポリウレタ
ン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、エポキシエチ
レン−アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、カゼイン、メチルセルロース、ニトロセルロー
ス、フェノール樹脂、有機金属化合物等が知られている
(例えば、特開昭48−47332号公報、同51−1
14132号公報、同52−42123号公報、同59
−23439号公報、同62−284362号公報
等)。また、特開昭63−271465号公報には、ト
リメリト酸またはその反応性誘導体と芳香族ジアミンの
反応により得られるポリエーテルアミドイミド樹脂を含
有する下引き層が記載されている。しかしながら、これ
らの材料では上記目的のすべてを満足する下引き層を得
ることはできず、次のような問題があった。すなわち、
(1)該下引き層用材料の吸湿性が高いため、光減衰曲
線の環境変動が大きく、安定した画像が得られない。
(2)電荷輸送能が低いため、長期繰り返し使用時に電
荷が蓄積され、感度の変動を生じる。(3)帯電電圧に
対する耐圧が低いため、絶縁破壊による画像欠陥の発生
が生じやすい。 一方、特開昭64−6962号公報には、蒸着重合によ
り形成されるポリイミド、ポリアミド、ポリ尿素、ポリ
ウレタンよりなる下引き層が記載されている。また、特
開平3−33856号公報には、電荷発生材料として特
定の結晶型のチタニルフタロシアニンを含有する電子写
真感光体において、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メ
ラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂
等の熱硬化性樹脂よりなる下引き層を設けることが記載
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載の方法は、下引き層の形成には蒸着或いは高温
加熱を必要とするため、製造性の面から好ましくなかっ
た。特にポリイミド樹脂の場合には、一般にポリイミド
樹脂が有機溶剤に不溶或いは難溶であるため、塗布適性
に乏しく、したがって、従来、下引き層に用いる場合に
は、蒸着重合によるか、ポリアミック酸溶液を塗布し、
加熱して重合させる方法等が使用されるが、250℃以
上の非常に高温をかける必要があるため、製造性が悪い
という問題があった。本発明は、上記のような事情に鑑
みてなされたものである。したがって、本発明の目的
は、容易に形成が可能な下引き層を有する、環境安定
性、長期耐久性に優れ、接触帯電による耐絶縁破壊性に
も優れた電子写真感光体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、種々の材
料を用いて下引き層と電子写真特性という観点で検討を
行った結果、有機溶剤に可溶なポリイミド樹脂を下引き
層の形成に用いた場合、容易に下引き層を形成すること
が可能であり、形成された電子写真感光体は、優れた電
子写真特性を示し、耐圧性が高いこと、そしてその電子
写真感光体について接触帯電方式を採用した場合にも、
絶縁破壊を起こしにくいことを発見し、本発明を完成す
るに至った。本発明の電子写真感光体は、導電性支持体
上に下引き層および感光層が積層されたものであって、
その下引き層が有機溶剤に可溶なポリイミド樹脂を用い
て形成された層からなることを特徴とする。また、本発
明の電子写真法は、感光体を帯電する帯電工程、静電潜
像を形成する潜像形成工程、現像剤で現像する現像工程
およびトナー像を転写する転写工程を有するものであっ
て、感光体として、導電性支持体上に有機溶剤に可溶な
ポリイミド樹脂を用いて形成された層からなる下引き層
を有する電子写真感光体を使用し、帯電工程が、感光体
に電圧を印加した帯電部材を接触させることよりなるこ
とを特徴とする。
【0005】以下に、本発明による電子写真感光体の詳
細について説明する。図1ないし図4は、本発明の電子
写真用感光体の断面を示す模式図である。図1および図
2は、感光層が積層構造の場合を示し、図3および図4
は、感光層が単層構造の場合を示している。図1におい
ては、導電性支持体4上に下引き層1が設けられ、その
上に電荷発生層2および電荷輸送層3が設けられてい
る。図2においては、さらに表面に保護層5が設けられ
ている。また、図3においては、導電性支持体4上に下
引き層1が設けられ、その上に光導電層6が設けられて
いる。また、図4においては、さらに表面に保護層5が
設けられている。
【0006】導電性支持体としては、アルミニウム、ニ
ッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、およびアル
ミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス
鋼、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、ITO
等の薄膜を設けたプラスチックフィルム等、或いは導電
性付与剤を塗布または含浸させた紙およびプラスチック
フィルム等があげられる。これらの導電性支持体は、ド
ラム状、シート状、プレート状等、適宜の形状のものと
して使用されるが、これらに限定されるものではない。
更に必要に応じて導電性支持体の表面は、画質に影響の
ない範囲で各種の処理を行うことができる。例えば、表
面の酸化処理や薬品処理および着色処理等、または砂目
立て等の乱反射処理を行うことができる。
【0007】下引き層は、主として次のような目的で設
けられる。すなわち、(1)支持体からの不必要なキャ
リアの注入を阻止し、画像品質を向上させる、(2)感
光体の光減衰曲線が環境により変動を起こさず、安定し
た画像品質が得られる、(3)適度な電荷輸送能を持
ち、長期繰り返し使用時にも電荷が蓄積されず、感度変
動を生じさせない、(4)帯電電圧に対する適度な耐圧
を持ち、絶縁破壊による画像欠陥の発生を生じさせな
い、(5)感光層を支持体に対して一体的に接着保持さ
せる接着層としての作用をする、(6)或いは場合によ
っては支持体の光の反射光防止作用をさせるために設け
るものである。
【0008】本発明においては、下引き層は、有機溶剤
に可溶なポリイミド樹脂を用いて形成される。本発明に
おける下引き層の形成のために用いるポリイミド樹脂
は、有機溶剤に可溶なものであれば公知の何如なるもの
でも使用可能であるが、特に芳香族テトラカルボン酸か
ら得られるポリイミド樹脂は、電子受容性が高く電子輸
送性を有するため好ましい。本発明において用いる有機
溶剤に可溶なポリイミド樹脂は、キャリア注入阻止能が
高く、電子輸送性を有し、また、絶縁破壊にも非常に強
い性質を有するものであり、また、塗布適性、製造適性
の面から特に優れているものである。
【0009】有機溶剤に可溶なポリイミド樹脂として
は、例えば、芳香族テトラカルボン酸ジイミド、マレイ
ミドおよびそれらの変成体を単位成分としてもつ樹脂が
あげられ、一般に分子量は1,000〜100,00
0、特に5,000〜30,000の範囲のものが好ま
しい。代表的には、次式(I)で示される繰り返し構造
単位を有するものがあげられ、それらの具体例を表1な
いし表10に示す。
【化1】 (R1 は、4価の芳香族炭化水素基を示し、R2 は芳香
族環が異種原子で連結されていてもよい2価の多環芳香
族基であり、nは重合度で、前記分子量の範囲になる整
数である。)
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】
【表3】
【0013】
【表4】
【0014】
【表5】
【0015】
【表6】
【0016】
【表7】
【0017】
【表8】
【0018】
【表9】
【0019】
【表10】
【0020】また、市販されているものとしては、マト
リミド5218(チバ・ガイギー社製)リカコートPN
−20、SN−20(新日本理化社製)、Upilex
R(宇部興産社製)、PI2080(Upjohn社
製)、PISO(Celanese社製)等があげられ
る。上記ポリイミド樹脂は、変成体であってもよく、変
成体としてはフッ素変成体、シラン変成体等があげられ
る。これらの変成体は、例えば、(1)芳香族テトラカ
ルボン酸と含フッ素芳香族ジアミンとを有機溶媒中で反
応させる、(2)芳香族テトラカルボン酸とアミノ基末
端を有するポリシロキサンを反応させることによって製
造することができる。市販品としては、PABL−GF
(セントラル硝子社製)、Pyraline PI−2
540およびPI−2525(DuPont社製)、M
&T2065およびM&T3500(M&T社製)、S
IM−20X0(Occidental社製)、NSP
−2010(新日鉄化学社製)等があげられる。また、
上記したポリイミド樹脂およびその変成体は、単独或い
は2種以上混合して用いることができる。
【0021】本発明において、溶解度向上、吸水率改
善、成膜性向上等の目的で、上記ポリイミド樹脂を相溶
可能な他の樹脂と混合したり、改質して使用することも
可能である。具体的には、上記ポリイミド樹脂とポリベ
ンズイミダゾールまたは芳香族ポリエーテルケトンとの
混合物、他のポリイミド樹脂との混合物または共重合
物、シランカップリング剤等による改質物等があげられ
る。
【0022】また、より一層電子輸送性を向上させる目
的で、上記ポリイミド樹脂に少なくとも1種の電子受容
性物質を含有させることができる。本発明において使用
可能な電子受容性物質としては、例えば、無水コハク
酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フ
タル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチ
レン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼ
ン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアン
トラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o
−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等を
あげることができる。これらのうち、フルオレノン系、
キノン系やCl、CN、NO2 等の電子吸引性置換基を
有するベンゼン誘導体が特に好ましい。また、同じくよ
り一層電子輸送性を向上させる目的で、上記ポリイミド
樹脂に少なくとも1種の電子移動性顔料/染料を含有さ
せることもできる。本発明において使用可能な電子移動
性顔料/染料としては、例えば、ペリレン顔料、多環キ
ノン顔料、ビスベンズイミダゾール顔料、インジゴ顔
料、キナクリドン顔料等の有機顔料、酸化亜鉛、酸化チ
タン等の無機顔料、トリフェニルメタン染料、ジフェニ
ルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、アジ
ン染料、チアジン染料、チアゾール染料、オキサジン染
料、アゾ染料等があげられる。また、より一層残留電位
を低下させる目的で、上記ポリイミド樹脂に少なくとも
1種の電子供与性物質を含有させ、電荷輸送錯体を形成
させることができる。本発明において使用可能な電子供
与性物質としては、一般に、電子輸送材料として用いら
れるものであれば、何如なるものでも使用することがで
きるが、例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフ
ェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジ
アゾール誘導体、1−[ピリジル−(2)]−3−(p
−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミ
ノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフ
ェニルアミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級ア
ミノ化合物、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス−
(3−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−
4,4′−ジアミン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、
4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェ
ニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、p−(2,2−
ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリン等の
α−スチルベン誘導体等をあげることができる。
【0023】下引き層は、上記ポリイミド樹脂を有機溶
剤に溶解し、得られた塗布液を導電性支持体に塗布して
形成することができる。有機溶剤としては、上記ポリイ
ミド樹脂を溶解する有機溶剤であれば、何如なるもので
も使用可能であるが、ゲル化速度が速いものは塗布液の
寿命を短くするため、製造性の面から好ましくない。好
ましい有機溶剤としては、例えば、メチレンクロライ
ド、エチレンクロライド、クロロホルム、テトラクロロ
エタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトフェ
ノン、シクロヘキサノン、クレゾール、N−メチルピロ
リドン、ジメチルホルムアミド、ジグライム、パラクロ
ロフェノール等があげられる。塗布液濃度は、塗布方
法、有機溶剤の種類、膜厚等によって、適当な条件に設
定される。塗布方法としては、ブレードコーティング
法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティン
グ法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エ
アーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、
スピンコーティング法等の通常使用される方法を用いる
ことができる。
【0024】塗布した後、乾燥させて下引き層を形成す
ることができるが、通常、乾燥は有機溶剤を蒸発させ、
成膜可能な温度で行われる。また、更に電気的特性の向
上、強度向上の目的で、有機溶剤を蒸発させた後、更に
加熱して熱架橋させることもできる。上記のようにし
て、常に均一で電気的に欠陥のない下引き層を形成する
ことができ、導電性支持体から効果的なキャリア注入の
阻止、安定した環境特性、繰り返し特性、絶縁破壊耐圧
を持った下引き層が得られる。
【0025】次に、電荷発生層について説明する。電荷
発生層は公知の電荷発生材料および結着樹脂から構成さ
れる。結着樹脂は、広範な絶縁樹脂から選択することが
でき、また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニ
ルアントラセン、ポリビニルピレン等の有機光導電性ポ
リマーから選択することもできる。好ましい結着樹脂と
しては、ポリビニルブチラール、ポリアリレート(ビス
フェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネ
ート、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢
酸共重合体、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリアク
リルアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、
ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン等の絶縁性樹脂をあげ
ることができる。
【0026】電荷発生材料は、公知のものならば何如な
るものでも使用することができるが、特に金属および無
金属フタロシアニン顔料が好ましい。その中でも、下記
式(II)で示されるガリウムフタロシアニン顔料および
下記式(III )で示される錫フタロシアニン顔料が好ま
しい。中でもブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5
°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、
25.1°および28.3°に強い回折ピークを有する
ヒドロキシガリウムフタロシアニン(図5参照)、ブラ
ッグ角(2θ±0.2°)の7.4°、16.6°、2
5.5°および28.3°に強い回折ピークを有するク
ロロガリウムフタロシアニン(図6参照)、およびブラ
ッグ角(2θ±0.2°)の8.5°、11.2°、1
4.5°および27.2°に強い回折ピークを有するジ
クロロズズフタロシアニン(図7参照)が特に好まし
い。これら特定のフタロシアニン顔料を含む感光層と該
ポリイミド樹脂より形成された下引き層を組み合わせた
感光体の場合、特に優れた電子写真特性を示すものとな
る。
【0027】
【化2】 (式中、Xは水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基また
はアリールオキシ基を表し、Yはハロゲン原子を表し、
j〜mは、それぞれ独立に0〜4の整数を表す。)
【0028】これらのフタロシアニン結晶は、公知の合
成方法で製造されるヒドロキシガリウムフタロシアニン
結晶、クロロガリウムフタロシアニン結晶、ジクロロス
ズフタロシアニン結晶を、ボールミル、乳鉢、サンドミ
ル等を用いて湿式粉砕することによって製造することが
できる。粉砕の際に食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を用いる
ことにより非常に効率よく、粒径の整った結晶型に転移
させることができる。磨砕助剤は、フタロシアニン顔料
に対し0.5〜20倍、好ましくは1〜10倍用いる。
クロロガリウムフタロシアニン結晶の場合、粉砕後の結
晶をトルエン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン
(THF)、メチルエチルケトン(MEK)、フェノー
ル、ベンジルアルコール等の有機溶剤で処理し、更に結
晶性、粒径を整え、最も好ましいクロロガリムフタロシ
アニン結晶を得ることができる。溶剤処理は必要に応じ
てガラスビーズ、スチールビーズ等の磨砕メディア等で
ミリングしながら行ってもよい。
【0029】結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から
選択することができる。また、ポリ−N−ビニルカルバ
ゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、
ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択すること
もできる。好ましい結着樹脂としては、ポリビニルブチ
ラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAと
フタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリ
エステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアク
リルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース
樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビ
ニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶
縁性樹脂をあげることができる。これらの結着樹脂は、
単独或いは2種以上混合して用いることができる。
【0030】電荷発生材料と結着樹脂の配合比は(重量
比)は10:1〜1:10の範囲が好ましい。またこれ
らを分散させる方法としては、ボールミル分散法、アト
ライター分散法、サンドミル分散法等の通常使用されて
いる方法を用いることができるが、この際、分散によっ
て該結晶型が変化しない条件が必要とされる。ちなみに
本発明で実施した前記の分散法のいずれについても分散
前と結晶型が変化していないことが確認されている。更
にこの分散の際、粒子を0.5μm以下、好ましくは
0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下の粒
径にすることが有効である。またこれらの分散に用いる
溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノ
ール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチル
ケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチ
ル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロラ
イド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通
常使用されている有機溶剤を単独或いは2種以上混合し
て用いることができる。また、本発明で用いる電荷発生
層の厚みは一般的には、0.1〜5μm、好ましくは
0.2〜2.0μmが適当である。また、電荷発生層を
設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーテ
ィング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコー
ティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング
法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティン
グ法等の通常の方法を用いることができる。
【0031】本発明の電子写真用感光体における電荷輸
送層は、電荷輸送層材料を適当な結着樹脂中に含有させ
て形成されている。電荷輸送材料としては、2,5−ビ
ス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキ
サジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1−[ピリ
ジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)
−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン等の
ピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、ジベンジルア
ニリン等の芳香族第3級アミン化合物、N,N′−ジフ
ェニル−N,N′−ビス−(3−メチルフェニル)−
[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン等の芳
香族第3級ジアミン化合物、4−ジエチルアミノベンズ
アルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラ
ゾン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,
N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体等の
公知の電荷輸送材料を用いることができる。また、ポリ
−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリビニ
ルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリ
ジン、ポリ−9−ビフェニルアントラセン、ピレン−ホ
ルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアル
デヒド樹脂等の半導電性高分子も用いることができる
が、これらに限定されるものではない。また、これらの
電荷輸送材料は単独或いは2種以上混合して用いること
ができる。 電荷輸送層に用いる結着樹脂としては、ポ
リカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹
脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニ
リデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート
樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン
−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共
重合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フ
ェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッ
ド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の公知の樹脂
があげられるが、これらに限定されるものではない。ま
たこれらの結着樹脂は単独或いは2種以上混合して用い
ることができる。
【0032】電荷輸送材料と結着樹脂との配合比(重量
比)は10:1〜1:5の範囲が好ましい。本発明にお
いて電荷輸送層の厚みは、一般には、5〜50μmであ
り、好ましくは10〜30μmの範囲である。塗布方法
としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコー
ティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティン
グ法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティン
グ法、カーテンコーティング法等の通常使用されている
方法を用いることができる。更に電荷輸送層を設けると
きに用いる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、
2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホル
ム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テ
トラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直
鎖状のエーテル類等の通常使用される有機溶剤を単独或
いは2種以上混合して用いることができる。
【0033】また、複写機中で発生するオゾンや酸化性
ガス、或いは光、熱による感光体の劣化を防止する目的
で、感光層中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の添
加剤を添加することができる。例えば、酸化防止剤とし
ては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラ
フェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノ
ン、スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれらの
誘導体、有機硫黄化合物、有機隣化合物等があげられ
る。光安定剤の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾト
リアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピぺリ
ジン等の誘導体があげられる。また、感度の向上、残留
電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的とし
て、少なくとも1種の電子受容性物質を含有させること
ができる。使用可能な電子受容物質としては、例えば、
無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン
酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラ
シアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニ
トロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジ
ニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピク
リン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フ
タル酸等をあげることができる。これらのうち、フルオ
レノン系、キノン系やCl、CN、NO2 等の電子吸引
性置換基を有するベンゼン誘導体が特に好ましい。
【0034】更に必要に応じて電荷輸送層の上に保護層
を設けてもよい。この保護層は、積層構造からなる感光
層の帯電時の電荷輸送層の化学的変質を防止すると共
に、感光層の機械的強度を改善するために用いられる。
この保護層は、導電性材料を適当な結着樹脂中に含有さ
せて形成されている。導電性材料としては、N,N′−
ジメチルフェロセン等のメタロセン化合物、N,N′−
ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−
[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン等の芳
香族アミン化合物、酸化アンチモン、酸化錫、酸化チタ
ン、酸化インジウム、酸化錫−酸化アンチモン等の金属
酸化物等の材料を用いることができるが、これらに限定
されるものではない。また、この保護層に用いる結着樹
脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ
エステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン
樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ
アミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂等の公知の
樹脂があげられる。また、この保護層はその電気抵抗が
109 〜1014Ω・cmとなるように構成することが好
ましい。電気抵抗が1014Ω・cm以上になると、残留
電位が上昇しカブリの多い複写物となり、また、109
Ω以下になると画像のボケ、解像力の低下が生じる。ま
た、保護層は像露光に用いられる光の透過を実質上妨げ
ないように構成されなければならない。保護層の膜厚
は、0.5〜20μm、好ましくは1〜10μmの範囲
に設定される。塗布方法としては、ブレードコーティン
グ法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティ
ング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、
エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法
等の通常使用されている方法を用いることができる。
【0035】本発明の電子写真感光体は、従来のコロナ
放電方式の帯電用部材を用いる電子写真法に使用するこ
とができるが、特に、接触帯電方式を採用する電子写真
法に使用する場合に、優れた特性を発揮するので好まし
い。接触帯電方式に使用する接触帯電用部材は、感光体
表面に接触するように配置され、電圧を感光体に直接、
均一に印加し、感光体表面を所定の電位に帯電させるも
のである。この接触帯電用部材としては、アルミニウ
ム、鉄、銅等の金属、ポリアセチレン、ポリピロール、
ポリチオフェン等の導電性高分子材料、ポリウレタンゴ
ム、シリコーンゴム、エピクロルヒドリンゴム、エチレ
ンプロピレンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、スチレ
ン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等のエラストマー
材料にカーボンブラック、沃化銅、沃化銀、硫化亜鉛、
炭化けい素、金属酸化物等の導電性粒子を分散したもの
等を用いることができる。金属酸化物の例としては、Z
nO、SnO2 、TiO2 、In2 3 、MoO3 等、
或いはこれらの複合酸化物があげられる。また、エラス
トマー材料中に過塩素酸塩を含有させて導電性を付与し
てもよい。更に、接触帯電用部材はその表面に被覆層を
設けることもできる。被覆層を形成する材料としては、
N−アルコキシメチル化ナイロン、セルロース樹脂、ビ
ニルピリジン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、ポ
リビニルブチラール、メラミン樹脂等が単独で、或いは
併用して用いられる。また、エマルジョン系樹脂材料、
例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリエステル樹脂
エマルジョン、ポリウレタンエマルジョン、特に、ソー
プフリーのエマルジョン重合により合成されたエマルジ
ョン樹脂を用いることもできる。これらの樹脂には抵抗
率を調整するために導電性粒子を分散してもよいし、劣
化を防止するために酸化防止剤を含有させることもでき
る。また、被覆層を形成するときの成膜性を向上させる
ために、エマルジョン樹脂にレベリング剤または界面活
性剤を含有させることもできる。
【0036】また、この接触帯電用部材の形状として
は、ローラー型、ブレード型、ベルト型、ブラシ型等が
あげられる。更に、この接触帯電用部材の抵抗は、好ま
しくは100 〜1014Ω・cm、更に好ましくは102
〜1012Ω・cmの範囲に設定される。また、この接触
帯電用部材への印加電圧は、直流、交流のいずれをも用
いることができる。また、直流+交流の形で印加するこ
ともできる。上記のように接触帯電により一様帯電され
た電子写真感光体は、周知の方法によって静電潜像が形
成され、現像剤によって現像される。次いで、現像され
たトナー像は、転写・定着されて、複写画像が形成され
る。
【0037】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明する。 実施例1 ホーニング処理を施したアルミニウムパイプを支持体と
して、その上に下記構造式(IV)で示されるMatri
mid5218(Ciba−Geigy社製)1重量部
およびTHF10重量部からなる溶液を浸漬コーティン
グ法で塗布し、200℃において60分加熱乾燥して、
膜厚0.5μmの下引き層を形成した。次いで、図5に
示したような粉末X線回折パターンを示すヒドロキシガ
リウムフタロシアニン結晶0.1部をポリビニルブチラ
ール樹脂(エスレックBM−S、積水化学社製)0.1
部および酢酸n−ブチル10部と混合し、ガラスビーズ
とともにペイントシェーカーで1時間処理して分散した
後、得られた塗布液を上記下引き層上に浸漬コーティン
グ法で塗布し、100℃において10分間加熱乾燥し
て、膜厚約0.15μmの電荷発生層を形成した。また
分散後の前記ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の
結晶形はX線回折によって分散前の結晶形と比較して変
化していないことを確認した。次に、下記構造式(V)
で示される化合物2部と式(VI)で示される構造単位よ
りなるポリカーボネート樹脂3部を、モノクロロベンゼ
ン20部に溶解し、得られた塗布液を、電荷発生層が形
成されたアルミニウムパイプ上に浸漬コーティング法で
塗布し、120℃において1時間加熱乾燥して、膜厚2
0μmの電荷輸送層を形成した。
【化3】
【0038】このようにして得られた電子写真用感光体
の電子写真特性を、レーザープリンター改造スキャナー
(XP−15改造機、富士ゼロックス社製)を用いて、
(1)常温常湿(20℃、40%RH)の環境下、グリ
ッド印加電圧−700Vのスコロトロン帯電器で帯電し
(A)、780nmの半導体レーザーを用いて、1秒後
に10.0erg/cm2 の光を照射して放電を行い
(B)、3秒後に50.0erg/cm2 の赤色LED
光を照射して除電を行う(C)というプロセスによっ
て、各部の電位を測定した。(A)の電位VH が高いほ
ど感光体の受容電位が高いので、コントトラストを高く
とることができ、(B)の電位VL は低いほど高感度で
あり、(C)のVRPの電位は低いほど、残留電位が少な
く、画像メモリーやカブリが少ない感光体と評価され
る。また、1万回繰り返し帯電、露光後の各部の電位の
測定も行った。更にこの測定を(2)低温低湿(10
℃、15%RH)、(3)高温高湿(28℃、85%R
H)の環境下でも行い、(1)〜(3)の環境間での各
部の電位の変動量(ΔVH 、ΔVL 、ΔVRP)を測定
し、環境安定性の評価を行った。また、同一条件でドラ
ム型の電子写真感光体を作製し、この電子写真感光体を
パーソナルコンピューター用プリンター(PR100
0、日本電気社製)に装着し、常温常湿(20℃、40
%RH)、低温低湿(10℃、15%RH),高温高湿
(28℃、85%RH)の各環境下で1万枚の印字耐久
テストを実施し、画像評価を行った。このときの接触帯
電部材として、5mmφの18.8ステンレス鋼シャフ
トの外周に、弾性層および樹脂層を形成したものを用い
た。すなわち、シャフトの外周に過塩素酸リチウム0.
5%を加えて弾性を持たせたポリエーテル系ポリウレタ
ンゴムよりなる弾性層を15mmφになるように形成
し、その表面に0.001%のメチルフェニルシリコー
ンレベリング剤を添加したポリエステル系ポリウレタン
樹脂水性エマルジョンからなる塗布液を浸漬塗布法によ
り塗布し、120℃で20分間乾燥し、膜厚20μmの
被覆層を形成して作製された、ロール型帯電部材を用い
た。その結果を表11に示す。
【0039】実施例2 下引き層に下記構造式(VII )で示されるリカコートS
P−20(新日本理化社製)を用いた以外は実施例1と
同様に電子写真用感光体を作製し、評価した。結果を表
11に示す。
【化4】
【0040】実施例3 下引き層におけるポリイミド樹脂として、例示化合物1
−12(分子量8000)を用いた以外は、実施例1と
同様に電子写真用感光体を作製し、評価した。結果を表
11に示す。 実施例4 下引き層形成用塗布液として、N−フェニル−γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン(KBM573、信越シ
リコーン社製)を0.01重量部添加したものを用いた
以外は、実施例1と同様に電子写真用感光体を作製し、
評価した。結果を表11に示す。 実施例5 下引き層形成用塗布液として、トリニトロフルオレノン
を0.01重量部添加したものを用いた以外は、実施例
1と同様に電子写真用感光体を作製し、評価した。結果
を表11に示す。 実施例6 電荷発生材料として、図6の粉末X線回折パターンを示
すクロロガリウムフタロシアニン結晶を用いた以外は、
実施例1と同様に電子写真用感光体を作製し、評価し
た。結果を表11に示す。 実施例7 電荷発生材料として、図7の粉末X線回折パターンを示
すジクロロスズフタロシアニン結晶を用いた以外は、実
施例1と同様に電子写真用感光体を作製し、評価した。
結果を表11に示す。
【0041】比較例1 下引き層形成用塗布液として、8−ナイロン樹脂(ラッ
カマイド5003、大日本インキ社製)のメタノール/
ブタノール(2/1重量比)溶液を用いた以外は、実施
例1と同様に電子写真用感光体を作製し、評価した。結
果を表11に示す。 比較例2 下引き層形成用塗布液において、4元共重合ナイロン樹
脂(CN8000、東レ社製)を用いた以外は、比較例
1と同様に電子写真用感光体を作製し、評価した。結果
を表11に示す。 比較例3 下引き層形成用塗布液において、ポリイミドイソインド
ロキナゾリンジオンの前駆体溶液(PIQ、日立化成社
製)を用い、100℃で30分間、300℃で1時間加
熱硬化させて、膜厚3μmの下引き層を得た以外は、比
較例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価し
た。結果を表11に示す。なお、上記パーソナルコンピ
ューター用プリンターにおける帯電部材をスコロトロン
に代え、感光体の表面電位が同じになるように調整し
て、比較例1および2の感光体について上記と同様に画
像評価を行ったところ、放電絶縁破壊による黒点の発生
はなかった。
【0042】
【表11】
【0043】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、下引き層を
有機溶剤に可溶なポリイミド樹脂を用いて形成したこと
により、下引き層の形成を容易に行うことができ、そし
て上記実施例の結果からも明らかなように、環境安定
性、長期耐久性に優れ、接触帯電による耐絶縁破壊性に
も優れたものとなる。また、本発明の電子写真感光体
は、接触帯電方式を採用する電子写真法に使用した場
合、絶縁破壊による画像欠陥の発生を生じることがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真感光体の一例の模式的断面
図。
【図2】 本発明の電子写真感光体の一例の模式的断面
図。
【図3】 本発明の電子写真感光体の一例の模式的断面
図。
【図4】 本発明の電子写真感光体の一例の模式的断面
図。
【図5】 ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉
末X線回折図。
【図6】 クロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X
線回折図。
【図7】 ジクロロスズフタロシアニン結晶の粉末X線
回折図。
【符号の説明】
1…下引き層、2…電荷発生層、3…電荷輸送層、4…
導電性支持体、5…保護層、6…光導電層。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 15/02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に下引き層および感光層
    が積層された電子写真感光体において、該下引き層が有
    機溶剤に可溶なポリイミド樹脂を用いて形成された層か
    らなることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 該ポリイミド樹脂が、芳香族テトラカル
    ボン酸から得られるポリイミド樹脂であることを特徴と
    する請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 感光体を帯電する帯電工程、静電潜像を
    形成する潜像形成工程、現像剤で現像する現像工程およ
    びトナー像を転写する転写工程を有する電子写真法にお
    いて、感光体として、導電性支持体上に有機溶剤に可溶
    なポリイミド樹脂を用いて形成された層からなる下引き
    層を有する電子写真感光体を使用し、帯電工程が、感光
    体に電圧を印加した帯電部材を接触させることよりなる
    ことを特徴とする電子写真法。
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