JP2001242657A - 電子写真感光体、それを用いたプロセスカートリッジ、及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、それを用いたプロセスカートリッジ、及び電子写真装置

Info

Publication number
JP2001242657A
JP2001242657A JP2000056155A JP2000056155A JP2001242657A JP 2001242657 A JP2001242657 A JP 2001242657A JP 2000056155 A JP2000056155 A JP 2000056155A JP 2000056155 A JP2000056155 A JP 2000056155A JP 2001242657 A JP2001242657 A JP 2001242657A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrophotographic
layer
photosensitive member
electrophotographic photosensitive
photoreceptor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000056155A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Yao
健二 八百
Masahiko Miyamoto
昌彦 宮本
Ichiro Takegawa
一郎 竹川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2000056155A priority Critical patent/JP2001242657A/ja
Publication of JP2001242657A publication Critical patent/JP2001242657A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電、クリーニング等の外部から加えられる
ストレスを吸収し、機械的強度や電気的特性に極めて優
れ、長期にわたって高品質の画像が得られる電子写真感
光体、それを用いたプロセスカートリッジ及び電子写真
装置の提供。 【解決手段】 導電性支持体上に、少なくとも感光層を
有する電子写真感光体であって、該電子写真感光体が、
ビスフェノールA型ポリカーボネートの副分散エネルギ
ーをAとしたときに、B/Aが100〜100000と
なる副分散エネルギーBを示す高分子化合物を含有する
層を有することを特徴とする電子写真感光体である。ま
た、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、及び
クリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1
つの手段とを一体に支持し、電子写真装置に着脱自在で
あることを特徴とするプロセスカートリッジである。ま
た、上記電子写真感光体と、接触帯電手段とを備えるこ
とを特徴とする電子写真装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体、
それを用いたプロセスカートリッジ、及び電子写真装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真感光体(以下、単に「感
光体」と称する場合がある。)は、高速かつ高印字品質
が得られるという利点を有するため、複写機及びレーザ
ービームプリンター等の分野において著しく利用されて
いる。これら電子写真装置において用いられる電子写真
感光体として、従来からのセレン、セレン−テルル合
金、セレン−ヒ素合金、硫化カドミウム等の無機光導電
材料を用いた電子写真感光体に比べ、安価で製造性及び
廃棄性の点で優れた利点を有する有機光導電材料を用い
た電子写真感光体が主流を占める様になってきている。
中でも、露光により電荷を発生する電荷発生層と、電荷
を輸送する電荷輸送層とを積層する機能分離型積層有機
感光体は、感度・帯電性及びその繰り返し安定性等、電
子写真特性の点で優れており、種々の提案が成され、実
用化されている。
【0003】しかし、有機感光体は無機感光体に比べ、
一般に機械的強度が劣っており、クリーニングブレード
や、現像ブラシ、用紙等の機械的外力による摺擦傷、摩
耗により感光体の寿命が短いという問題がある。更に、
エコロジーの観点から近年使用されてきている接触帯電
方式を用いたシステムでは、コロトロンによる非接触帯
電方式に比べて大幅に感光体の摩耗が増加することも問
題となっている。この結果、感光体の感度が低減しコピ
ーにかぶりが生じたり、帯電電位が低下しコピー濃度が
低下するという問題があった。従って、十分な耐久性を
有する感光体が形成されるような材料の開発が望まれて
いた。これまで、感光体表面の摩耗を防ぐために、表面
層の結着樹脂として耐摩耗性の高い樹脂を用いた感光体
が提案されている(特開昭60−172044号公報、
特開昭62−247374号公報、特開昭63−148
263号公報、特開平8−110646号公報、特開平
9−22126号公報)。これら感光体は、耐摩耗性が
改善されているものの十分とは言えず、更なる向上が望
まれているのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける問題を解決し、以下の目的を達成することを課題
とする。即ち、本発明は、帯電、クリーニング等の外部
から加えられるストレスを吸収し、機械的強度や電気的
特性に極めて優れ、長期にわたって高品質の画像が得ら
れる電子写真感光体、それを用いたプロセスカートリッ
ジ及び電子写真装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、特定の高分子化合物を
含有する層を有する電子写真感光体が、帯電、クリーニ
ング等の外部から加えられるストレスを副分散で吸収す
ることができ、機械的強度に係わる耐久性に極めて優
れ、また、電気的特性にも優れ、電子写真装置中で長期
間繰り返し回転させた場合に、該電子写真感光体におけ
る機械的、電気特性的劣化の問題を解消することができ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】前記課題を解決するための手段は、以下の
通りである。即ち、 <1> 導電性支持体上に、少なくとも感光層を有する
電子写真感光体であって、該電子写真感光体が、ビスフ
ェノールA型ポリカーボネートの副分散エネルギーをA
としたときに、B/Aが100〜100000となる副
分散エネルギーBを示す高分子化合物(以下、「特定の
高分子化合物」と呼ぶことがある。)を含有する層(以
下、「ストレス吸収層」と呼ぶことがある。)を有する
ことを特徴とする電子写真感光体である。 <2> 前記高分子化合物を含有する層が、電子写真感
光体の表面層である前記<1>に記載の電子写真感光体
である。 <3> 前記高分子化合物が、下記一般式(1)で表さ
れる構成単位を含むポリエステル重合体、下記一般式
(1)で表される構成単位を含むポリアリレート重合
体、下記一般式(2)で表される構成単位を含むポリカ
ーボネート重合体、及びこれらの共重合体から選択され
る少なくとも1種である前記<1>又は<2>に記載の
電子写真感光体である。
【0007】
【化4】
【0008】(前記一般式(1)及び(2)中、Xは脂
環族基を含む基を表し、Yは主鎖上に2以上のフェニレ
ン基を含む基を表す。) <4> 前記一般式(1)で表される構成単位を含むポ
リエステル重合体が、下記構造式(1)から(3)で表
される構成単位の少なくとも1種を含むポリエステル重
合体である、あるいは前記一般式(1)で表される構成
単位を含むポリアリレート重合体が、下記構造式(4)
から(6)で表される構成単位の少なくとも1種を含む
ポリアリレート重合体である前記<3>に記載の電子写
真感光体である。
【0009】
【化5】
【0010】<5> 前記一般式(2)で表される構成
単位を含むポリカーボネート重合体が、下記構造式
(7)及び(8)で表される構成単位の少なくとも1種
を含み、かつ、下記構造式(9)及び(10)で表され
る構成単位の少なくとも1種を含むポリカーボネート重
合体である前記<3>に記載の電子写真感光体である。
【0011】
【化6】
【0012】<6> 前記高分子化合物の含有量が、前
記高分子化合物を含有する層における結着樹脂の総量に
対して、20重量%以上である前記<1>から<5>の
いずれかに記載の電子写真感光体である。 <7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子
写真感光体と、帯電手段、現像手段、及びクリーニング
手段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段とを
一体に支持し、電子写真装置に着脱自在であることを特
徴とするプロセスカートリッジである。 <8> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子
写真感光体と、接触帯電手段とを備えることを特徴とす
る電子写真装置である。
【0013】更に、前記課題を解決するための手段は、
以下の態様が好ましい。 <9> 前記導電性支持体上に、電荷発生層及び電荷輸
送層をこの順に有し、該電荷輸送層が、前記高分子化合
物を含有する前記<1>から<6>のいずれかに記載の
電子写真感光体である。 <10> 前記導電性支持体上に、電荷発生層、電荷輸
送層、及び保護層をこの順に有し、該保護層が、前記高
分子化合物を含有する前記<1>〜<6>、及び<9>
のいずれかに記載の電子写真感光体である。 <11> 前記電荷輸送層が、電荷輸送材料として下記
一般式(3)から(5)で表される化合物群から選択さ
れる少なくとも1種を含有する前記<9>又は<10>
に記載の電子写真感光体である。
【0014】
【化7】
【0015】(前記一般式(3)中、R31及びR32は、
各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又
はハロゲン原子を表し、R33〜R36は、各々独立に、水
素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又は
置換アミノ基を表す。また、k,l,m及びnは、各々
独立に1〜4の整数を表す。)
【0016】
【化8】
【0017】(前記一般式(4)中、R41及びR42は、
各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又
はハロゲン原子を表し、p及びqは、各々独立に1〜4
の整数を表す。R43は、水素原子、又は炭素数1〜4の
アルキル基もしくは炭素数6〜12のアリール基を表
す。)
【0018】
【化9】
【0019】(前記一般式(5)中、R51は、単結合又
はアルキレン基を表し、R52〜R55は、各々独立に、水
素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又は
ハロゲン原子を表し、r,s,t及びuは、各々独立に
1〜4の整数を表す。) <12> 前記電荷発生層が、電荷発生材料として、C
ukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度
(2θ±0.2°)において、少なくとも7.4°,1
6.6°,25.5°及び28.3°の位置に回折ピー
クを有するクロルガリウムフタロシアニン、少なくとも
7.5°,9.9°,12.5°,16.3°,18.
6°,25.1°及び28.1°の位置に回折ピークを
有するヒドロキシガリウムフタロシアニン、及び少なく
とも9.5°,11.7°,15.0°,24.1°及
び27.3°の位置に回折ピークを有するチタニルフタ
ロシアニンから選択される少なくとも1種を含有する前
記<9>から<11>のいずれかに記載の電子写真感光
体である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 [電子写真感光体]本発明の電子写真感光体は、前記ス
トレス吸収層を有することを特徴とし、これにより、帯
電による電気的ストレス、クリーニングブレードによる
機械的ストレス等の外部から感光体に加えられるストレ
スを、副分散によって構造破壊を伴わずに吸収すること
ができ、機械的強度に係わる耐久性に極めて優れ、ま
た、電気的特性にも優れ、電子写真装置中で長期間繰り
返し回転させた場合に、該電子写真感光体における機械
的、電気特性的劣化の問題を解消することができる。
【0021】(ストレス吸収層)前記ストレス吸収層と
は、結着樹脂として前記特定の高分子化合物を含有する
層を言う。前記特定の高分子化合物は、1種単独で用い
てもよく、2種以上を併用してもよい。前記ストレス吸
収層は、本発明の電子写真感光体における表面層に形成
されることが、帯電やクリーニングによるストレスの吸
収をストレス吸収層のみで行える点で好ましいが、これ
に限定されることはなく、該表面層と導電性支持体との
間に形成された層、例えば下引き層がストレス吸収層で
あってもよく、導電性支持体上に前記ストレス吸収層が
少なくとも1層存在すればよい。前記感光体の表面層と
は、導電性支持体上に、単層からなる感光層のみを有す
る場合には、該感光層が表面層である。また、感光層が
積層構造からなる場合には、その最表面にある層が表面
層である。例えば、積層構造が電荷発生層と電荷輸送層
とを含む場合、表面層は電荷輸送層であっても、電荷発
生層であってもよい。更に、これらの感光層の上に保護
層を有する場合には、該保護層が表面層となる。
【0022】−特定の高分子化合物− 前記特定の高分子化合物とは、ビスフェノールA型ポリ
カーボネートの副分散エネルギーをAとしたときに、B
/Aが100〜100000となる副分散エネルギーB
を示す高分子化合物である。ここで、副分散とは高分子
特有の転移現象であり、この転移に要するエネルギーを
副分散エネルギーと言う。副分散の具体的な現象は、例
えば、側鎖の微小な運動、主鎖結合のデイストーショ
ン、分子間力(ファンデスワールス力)の変化等であ
る。これらの微小運動によって、外部からのストレスを
構造破壊なしに受け取ることができる。尚、高分子化合
物の副分散エネルギーの測定方法については後述する。
【0023】前記B/Aが100未満となる副分散エネ
ルギーBを示す高分子化合物を用いると、副分散により
吸収できるエネルギーが極めて小さくなり、一方、前記
B/Aが100000を超える副分散エネルギーBを示
す高分子化合物を用いると、副分散が高分子全体で起こ
るため、成形体の変形を生じてしまう。本発明において
は、前記B/Aが300〜100000となる副分散エ
ネルギーBを示す高分子化合物を用いることが好まし
い。
【0024】本発明において、前記特定の高分子化合物
は、前記B/Aが100〜100000となる副分散エ
ネルギーBを示す高分子化合物であれば特に制限はない
が、なかでも下記一般式(1)で表される構成単位を含
むポリエステル重合体、下記一般式(1)で表される構
成単位を含むポリアリレート重合体、下記一般式(2)
で表される構成単位を含むポリカーボネート重合体、及
びこれらの共重合体から選択される少なくとも1種であ
ることが、電子写真成形体、感光体の電気特性の点で好
ましい。
【0025】
【化10】
【0026】但し、前記一般式(1)及び(2)中、X
は脂環族基を含む基を表し、Yは主鎖上に2以上のフェ
ニレン基を含む基を表す。
【0027】更に、前記一般式(1)で表される構成単
位を含むポリエステル重合体が、下記構造式(1)から
(3)で表される構成単位の少なくとも1種を含むポリ
エステル重合体である、あるいは、前記一般式(1)で
表される構成単位を含むポリアリレート重合体が、下記
構造式(4)から(6)で表される構成単位の少なくと
も1種を含むポリアリレート重合体であることが、副分
散はもちろんのこと、耐熱性や機械強度にも優れた感光
体を得ることができ、長期使用時の耐久性において特に
効果的である。
【0028】
【化11】
【0029】前記特定の高分子化合物が、ポリカーボネ
ート重合体であると、電気特性の面で特に優れた電子写
真感光体を得ることができる。しかし、ポリカーボネー
ト重合体は、一般的にポリエステル重合体やポリアリレ
ート重合体とは異なり、ソフトセグメントが少ないた
め、副分散エネルギーは大きくない。そこで、前記一般
式(2)に示すように脂環族ユニットを導入することに
より、副分散エネルギーを大きくすることができる。脂
環族ユニットとしては特に限定されるものではないが、
前記一般式(2)で表される構成単位を含むポリカーボ
ネート重合体は、下記構造式(7)及び(8)で表され
る構成単位の少なくとも1種を含むことが好ましい。更
に、これらに下記構造式(9)及び(10)で表される
剛直な構成単位の少なくとも1種を共重合させると、主
鎖変形のモーメントが大きくなり、より効果的である。
【0030】
【化12】
【0031】前記特定の高分子化合物の含有量は、前記
ストレス吸収層における結着樹脂の総量に対して、20
重量%以上が好ましく、40重量%以上がより好まし
い。該含有量が20重量%未満になると、前記ストレス
吸収層全体としての副分散に寄与する耐摩耗性の向上効
果が十分に発揮されないことがある。
【0032】次に、本発明の電子写真感光体の構成につ
いて説明する。本発明の電子写真感光体は、導電性支持
体上に、少なくとも感光層を有し、更に必要に応じて、
その他の層を有してなる。
【0033】〔感光層〕前記感光層が、前記ストレス吸
収層である場合には、少なくとも前記特定の高分子化合
物を含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有し
てなる。但し、前記感光層が、前記ストレス吸収層でな
い場合には、前記特定の高分子化合物を含有していなく
てもよい。
【0034】前記感光層は、単層構造であってもよい
し、電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離された積層構
造であってもよい。後者の場合、電気的特性(感度、繰
り返し安定性)の点で有利である。前記積層構造の感光
体の場合、前記電荷発生層及び電荷輸送層の前記導電性
支持体上への積層順序としては特に制限はなく、いずれ
の層が上層であってもよいが、電荷輸送層を上層とした
場合が、感度、繰り返し安定性、環境安定性の点で好ま
しい。
【0035】前記感光層は、前記単層構造の場合には、
例えば、電荷発生材料、電荷輸送材料又はそれらの両者
を含有する結着樹脂の塗膜により形成され、前記積層構
造の場合には、前記電荷発生層は、例えば、電荷発生材
料を含有する結着樹脂の塗膜により形成され、前記電荷
輸送層は、例えば電荷輸送材料を含有する結着樹脂の塗
膜により形成される。以下に、前記積層構造の感光層の
詳細について説明するが、該積層構造の感光層において
用いた結着樹脂等の素材は、前記単層構造の感光層にお
いて使用することもできる。
【0036】(電荷発生層)前記電荷発生層は、少なく
とも電荷発生材料を含有し、更に必要に応じて、結着樹
脂等のその他の成分を含有してなる。
【0037】−電荷発生材料− 前記電荷発生材料としては、例えば、非晶質セレン・結
晶性セレン・セレン−テルル合金・セレン−ヒ素合金・
その他のセレン化合物及びセレン合金、酸化亜鉛・酸化
チタン等の無機系光導電体、無金属フタロシアニン、チ
タニルフタロシアニン、銅フタロシアニン、錫フタロシ
アニン、ガリウムフタロシアニン等の各種フタロシアニ
ン顔料、スクエアリウム系、アントアントロン系、ペリ
レン系、アゾ系、アントラキノン系、ピレン系、ピリリ
ウム塩、チアピリリウム塩等の各種有機顔料及び染料等
が挙げられる。また、これらの有機顔料は、一般に、数
種の結晶型を有しており、特に、前記フタロシアニン顔
料では、α型、β型等の種々の結晶型が知られている
が、所望の感度が得られれば特に問題はなく、いずれの
結晶型の材料も、好適に用いることができる。また、こ
れらの電荷発生材料は、1種単独で用いてもよいし、2
種以上を併用してもよい。また、これらの電荷発生材料
の中でも、前記電荷発生層に、結着樹脂として前記特定
の高分子化合物を使用する場合には、以下の(1)から
(3)の化合物が好適である。
【0038】(1)Cukα線を用いたX線回折スペク
トルの測定において、ブラッグ角度(2θ±0.2°)
で、少なくとも、7.4°、16.6°、25.5°及
び28.3°に回折ピークを有するクロルガリウムフタ
ロシアニン。 (2)Cukα線を用いたX線回折スペクトルの測定に
おいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)で、少なくと
も、7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、1
8.6°、25.1°及び28.1°に回折ピークを有
するヒドロキシガリウムフタロシアニン。 (3)Cukα線を用いたX線回折スペクトルの測定に
おいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)で、少なくと
も、9.5°、11.7°、15.0°、24.1°及
び27.3°に回折ピークを有するチタニルフタロシア
ニン。
【0039】−結着樹脂等のその他の成分− 前記結着樹脂としては、例えば、前記特定の高分子化合
物、ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールZタイプ
等のポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル
樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビ
ニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹
脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、
塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコ
ーン樹脂、シリコーン−アルキド樹脂、フェノール−ホ
ルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ
−N−ビニルカルバゾール等が挙げられる。これらの結
着樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併
用してもよい。尚、前記電荷発生層を前記ストレス吸収
層とする場合には、少なくとも前記特定の高分子化合物
を結着樹脂として用いる。この際、本発明の効果を損な
わない範囲で、その他の樹脂を併用してもよく、その他
の樹脂としては、例えば、上記で挙げられた樹脂が挙げ
られる。この場合、前記特定の高分子化合物の含有量
は、前記電荷発生層における結着樹脂の総量に対して、
20重量%以上であることが、本発明の効果を達成する
上で好ましい。
【0040】前記電荷発生材料と前記結着樹脂との配合
比(電荷発生材料:結着樹脂)としては、重量比で、1
0:1〜1:10が好ましい。前記結着樹脂に対する前
記電荷発生材料の配合比が、前記数値範囲に満たない場
合には、前記電荷発生層の感度が不十分となることがあ
る一方、前記数値範囲を超える場合には、前記電荷発生
層の厚みが均一にならないことがある。
【0041】前記電荷発生材料を、前記結着樹脂中に分
散させる方法としては、特に制限はなく、ロールミル、
ボールミル、振動ボールミル、アトライター、ダイノー
ミル、サンドミル、コロイドミル等を用いた公知の方法
が挙げられる。
【0042】前記電荷発生層の厚みとしては、一般に
は、0.01〜5μmが好ましく、0.05〜2.0μ
mがより好ましい。前記厚みが、0.01μmに満たな
い場合には、前記電荷発生層の感度が不十分となること
がある一方、5μmを超える場合には、暗減衰が大きく
なることがある。
【0043】前記結着樹脂以外のその他の成分として
は、電子写真装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、あ
るいは光・熱による感光体の劣化を防止する目的で添加
させることができる、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤
等の添加剤が挙げられる。
【0044】前記酸化防止剤としては、特に制限はな
く、酸化防止剤として公知の化合物を適宜選択して使用
することができるが、例えば、フェノール系酸化防止
剤、ヒンダードアミン系化合物、有機硫黄系酸化防止
剤、有機燐系酸化防止剤等が好ましく挙げられる。前記
有機硫黄系酸化防止剤及び前記有機燐系酸化防止剤は、
2次酸化防止剤であるため、前記フェノール系酸化防止
剤又はアミン系の酸化防止剤等の1次酸化防止剤と併用
することにより、相乗効果を得ることができる。
【0045】前記光安定剤としては、特に制限はなく、
光安定剤として、公知の化合物を適宜選択して使用する
ことができるが、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾー
ル系、ジチオカルバメート系、テトラメチルピペリジン
系等の光安定剤が好適に挙げられる。
【0046】また、前記酸化防止剤として、そのほか、
2,4,ジ−t−ブチルフェニル3’、5’−ジ−t−
ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエートやニッケルジブ
チル−ジチオカルバメート等が挙げられる。
【0047】また、感度の向上、残留電位の低減、及
び、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として、電子受
容性物質を1種以上含有させることができる。前記電子
受容性物質としては、特に制限はなく、公知の電子受容
正物質を適宜選択して使用することができ、例えば、無
水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、
無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシア
ノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロ
ベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニト
ロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン
酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル
酸等が挙げられる。これらの中でも、フルオレノン系、
キノン系や、Cl、CN、NO2等の電子吸引性置換基
を有するベンゼン誘導体が、特に好適である。
【0048】前記電荷発生層の形成方法としては、前記
電荷発生材料を、真空蒸着により形成する方法、有機溶
剤及び前記結着樹脂と共に分散し塗布して形成する方法
等が好適に挙げられる。
【0049】(電荷輸送層)前記電荷輸送層は、少なく
とも電荷輸送材料と結着樹脂とを含有し、更に必要に応
じて、その他の成分を含有してなる。
【0050】−電荷輸送材料− 前記電荷輸送材料としては、例えば、2,5−ビス(p
−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジア
ゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリ
フェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3
−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチ
ルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、
トリフェニルアミン、トリ(p−メチル)フェニルアミ
ン、N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェ
ニル−4−アミン、ジベンジルアニリン、9,9−ジメ
チル−N,N−ジ(p−トリル)フルオレノン−2−ア
ミン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N’−ジフェ
ニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,
1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン等の芳香族第3
級ジアミノ化合物、3−(4’ジメチルアミノフェニ
ル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,
2,4,−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導
体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1,1
−ジフェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズ
アルデヒド−1,1,1−ジフェニルヒドラゾン、[p
−(ジエチルアミノ)フェニル](1−ナフチル)フェ
ニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−
4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体、6−
ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)−ベ
ンゾフラン等のベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジ
フェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリン等のα
−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカル
バゾール等のカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカ
ルバゾール及びその誘導体等の正孔輸送物質、クロラニ
ル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合
物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−
トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニト
ロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−
(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)
−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−
ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−
ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4オキサ
ジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン
系化合物、チオフェン化合物、ジフェノキノン化合物等
の電子輸送物質、又は以上に示した化合物からなる基を
主鎖又は側鎖に有する重合体等が挙げられる。これらの
電荷輸送材料は、1種単独で使用してもよいし、2種以
上を併用してもよい。
【0051】前記感光層が、前記積層構造の場合には、
前記電荷輸送材料の電荷輸送極性によって前記感光体の
帯電極性が異なる。即ち、前記電荷輸送材料として、正
孔輸送材料を用いた場合には、感光体は、負帯電で用い
られ、前記電子輸送材料を用いた場合には正帯電で用い
られる。また、前記正孔輸送材料と前記電子輸送材料と
を混合した場合には、両帯電極性の感光体とすることが
できる。
【0052】前記電荷輸送材料の中でも、前記結着樹脂
として、前記特定の高分子化合物を含有する場合には、
特に優れた性能を得るという観点から、下記一般式
(3)から(5)で表される化合物が好適に挙げられ
る。
【0053】
【化13】
【0054】前記一般式(3)中、R31及びR32は、各
々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又は
ハロゲン原子を表し、R33〜R36は、各々独立に、水素
原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又は置
換アミノ基を表す。また、k,l,m及びnは、各々独
立に1〜4の整数を表す。前記一般式(3)で表される
ベンジジン系化合物の具体例(化合物番号3−1〜3−
67)を下記表1から表3に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【化14】
【0059】前記一般式(4)中、R41及びR42は、各
々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又は
ハロゲン原子を表し、p及びqは、各々独立に1〜4の
整数を表す。R43は、水素原子、又は炭素数1〜4のア
ルキル基もしくは炭素数6〜12のアリール基を表す。
前記一般式(4)で表されるトリアリールアミン系化合
物の具体例(化合物番号4−1〜4−55)を下記表4
から表6に示す。
【0060】
【表4】
【0061】
【表5】
【0062】
【表6】
【0063】
【化15】
【0064】前記一般式(5)中、R51は、単結合又は
アルキレン基を表し、R52〜R55は、各々独立に、水素
原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はハ
ロゲン原子を表し、r,s,t及びuは、各々独立に1
〜4の整数を表す。前記一般式(5)で表される化合物
の具体例(化合物番号5−1〜5−35)を下記表7及
び表8に示す。
【0065】
【表7】
【0066】
【表8】
【0067】これらの中でも、下記構造式(11)から
(13)で表される化合物が、他の材料との組み合わせ
において、優れた電荷輸送機能を示し、特に好ましい。
【0068】
【化16】
【0069】−結着樹脂− 前記結着樹脂としては、例えば、前記特定の高分子化合
物、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタク
リル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリス
チレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブ
タジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリルニトリル
共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共
重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹
脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−ア
ルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール等が挙げ
られる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上
を併用してもよい。尚、前記電荷輸送層を前記ストレス
吸収層とする場合には、少なくとも前記特定の高分子化
合物を結着樹脂として用いる。この際、本発明の効果を
損なわない範囲で、その他の樹脂を併用してもよく、そ
の他の樹脂としては、例えば、上記で挙げられた樹脂が
挙げられる。この場合、前記特定の高分子化合物の含有
量は、前記電荷輸送層における結着樹脂の総量に対し
て、20重量%以上であることが、本発明の効果を達成
する上で好ましい。
【0070】本発明の電子写真感光体は、結着樹脂とし
て前記特定の高分子化合物を用いることにより、その大
きな副分散、即ちエネルギー吸収性により、感光層の破
壊を伴わずに、帯電、クリーニング等の外部ストレスを
吸収できるため、感光層、特に電荷輸送層を表面層とす
る円筒状感光体において、感光体の耐摩耗性の向上及び
表面傷の低減を実現することができる。また、ベルト型
感光体においては、上記特定の高分子化合物を含む結着
樹脂が感光層中の上下のいずれの位置に存在していて
も、可撓性に関する機械的寿命を向上させることができ
る。
【0071】前記電荷輸送材料と前記結着樹脂との配合
の比(電荷輸送材料:結着樹脂)としては、10:1〜
1:5が好ましい。前記結着樹脂に対する前記電荷輸送
材料の配合の比が、前記数値範囲に満たない場合には、
電荷輸送能力が不十分であるため、残留電位が大きくな
ることがある一方、前記数値範囲を超える場合には、電
荷輸送材料が析出したり、前記本発明の電子写真感光体
の機械的強度が不十分となることがある。
【0072】前記電荷輸送層は、前記導電性支持体上
に、前記電荷輸送材料と前記結着樹脂とを適当な溶媒中
に配合させた塗布液を塗布した後、乾燥して形成され
る。前記溶媒としては、特に制限はなく、公知の有機溶
媒、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類、ク
ロロホルム、ジクロルメタン、ジクロルエタン、四塩化
炭素、トリクロルエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水
素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド等のアミド類、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸n−ブチル等のエステル類、あるいはベンゼ
ン、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン、ジクロ
ルベンゼン等の芳香族類等が挙げられる。これらは、1
種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。ま
た、塗布液には平滑性向上のためのレベリング剤とし
て、シリコーンオイル等を微量添加することもできる。
これらの溶媒は、前記電荷発生層や後述する下引き層及
び表面保護層の塗布液にも用いることができる。
【0073】前記塗布の方法としては、特に制限はな
く、感光体の形状や用途に応じて、公知の塗布方法から
適宜選択することができる。例えば、浸漬塗布法、リン
グ塗布法、スプレー塗布法、ビード塗布法、ブレード塗
布法、ローラー塗布法等の塗布方法が挙げられる。前記
乾燥の方法としては、室温で指触乾燥した後、加熱乾燥
するのが好ましい。該加熱乾燥の温度としては、30〜
200℃が好ましく、また、該乾燥の時間としては、5
分〜2時間が好ましい。これらの塗布及び乾燥の方法
は、前記電荷発生層や後述する下引き層及び表面保護層
にも適用することができる。
【0074】前記電荷輸送層の厚みとしては、一般に
は、5〜50μmが好ましく、10〜30μmがより好
ましい。前記厚みが、5μm未満の場合には、リークが
起こりやすく、使用時に層の厚みが減少することによ
り、前記本発明の電子写真感光体の寿命が短くなること
がある一方、50μmを超える場合には、残留電位が増
加し、また、前記電荷輸送層の厚みが不均一となること
がある。
【0075】−その他の成分− 前記その他の成分としては、前記電荷発生層で述べた、
結着樹脂以外のその他の成分と同様の成分が好適に挙げ
られる。
【0076】〔導電性支持体〕前記導電性支持体として
は、一般に電子写真感光体の導電性支持体として用いら
れているものであれば特に制限はなく、公知の支持体、
例えば、アルミニウム、銅、鉄、亜鉛、ニッケル等の金
属類、蒸着により、アルミニウム、銅、金、銀、白金、
パラジウム、チタン、ニッケル−クロム、ステンレス
鋼、銅−インジウム、酸化インジウム、酸化錫等の薄膜
を設けた、紙、プラスチック又はガラス、金属箔をラミ
ネートしたり、カーボンブラック、酸化インジウム、酸
化錫−酸化アンチモン粉・金属粉・沃化銅等を結着樹脂
に分散した塗布液を塗布して導電処理した各種の支持体
が好適に挙げられる。
【0077】前記導電性支持体の形状としては、特に制
限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例え
ば、ドラム状、シート状、プレート状、パイプ状等が挙
げられる。
【0078】前記導電性支持体には、必要に応じて、鏡
面切削、エッチング処理、陽極酸化処理処理、粗切削処
理、センタレス研削処理、サンドブラスト処理、ウェッ
トホーニング処理等の各種の表面処理等を行うことがで
きる。前記表面処理によって、支持体表面を粗面化する
ことにより、レーザービームのような可干渉光源を用い
た場合に発生し得る感光体内での干渉光による木目状の
濃度斑を防止することができる。特に、前記導電性支持
体が、金属製のパイプ基材を用いる場合に、有効であ
る。
【0079】〔その他の層〕前記その他の層としては、
下引き層や表面保護層等が挙げられる。 (下引き層)前記下引き層に用いられる結着樹脂として
は、例えば、前記特定の高分子化合物、ポリビニルブチ
ラール等のアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹
脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラ
チン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリ
ル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニ
ルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレ
イン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド
樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹
脂等の高分子化合物や、ジルコニウム、チタン、アルミ
ニウム、マンガン又はシリコン化合物等の有機金属化合
物等が挙げられる。これらのうち、シリコーン化合物、
有機ジルコニウム化合物、有機チタン化合物、及び有機
アルミニウム化合物が好適に挙げられる。これらの化合
物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して
もよく、複数化合物の重縮合物として用いてもよい。
【0080】更に、これらの化合物の中でも、ジルコニ
ウム又はシリコンを含有する有機金属化合物を用いた場
合には、残留電位を低下させることができるため、環境
による電位変化が少なく、繰り返し使用による電位の変
化が少ない等、優れた性能を得ることができる。尚、前
記下引き層を前記ストレス吸収層とする場合には、少な
くとも前記特定の高分子化合物を結着樹脂として用い
る。この際、本発明の効果を損なわない範囲で、その他
の樹脂を併用してもよく、その他の樹脂としては、例え
ば、上記で挙げられた樹脂が挙げられる。この場合、前
記特定の高分子化合物の含有量は、前記下引き層におけ
る結着樹脂の総量に対して、20重量%以上であること
が、本発明の効果を達成する上で好ましい。
【0081】前記下引き層中には、電気特性の向上や光
散乱性の向上等を目的として、必要に応じて、各種の有
機又は無機微粉末を含有させることができる。前記有機
又は無機微粉末としては、特に制限はなく、公知の有機
又は無機微粉末から適宜選択して用いることができる
が、特に、前記無機微粉末の中では、酸化チタン、酸化
亜鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、リトポン等の白色顔料
や、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質
顔料としての無機顔料が好ましい。また、前記有機微粉
末の中では、テフロン(登録商標)樹脂粒子、ベンゾグ
アナミン樹脂粒子、スチレン樹脂粒子等が好ましい。前
記有機又は無機微粉末の粒径としては、0.01〜2μ
mが好ましい。前記無機微粉末の添加量としては、前記
下引き層の固形分に対して、重量比で10〜80重量%
が好ましく、30〜70重量%がより好ましい。
【0082】前記有機又は無機微粉末を、前記下引層中
に分散・含有させるには、前記有機又は無機微粉末を、
前記樹脂成分等が溶解された溶液中に添加した後、分散
処理して行う。前記分散処理は、ロールミル、ボールミ
ル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロ
イドミル、ペイントシェーカー等を用いて行う。
【0083】前記下引き層の厚みとしては、0.1〜1
0μmが好ましい。前記厚みが、0.1μm以下の場合
には、前記導電性支持体の隠蔽が不十分となるため、黒
点や白点が発生することがある一方、10μmを超える
場合には、残留電位が増加することがある。
【0084】(表面保護層)前記表面保護層としては、
絶縁性樹脂保護層や低抵抗保護層等が挙げられる。前記
低抵抗保護層としては、例えば、絶縁性樹脂中に導電性
微粒子等の抵抗調整剤等を分散した保護層が挙げられ
る。前記導電性微粒子としては、電気抵抗が、109Ω
・cm以下で、白色、灰色又は青白色を呈する微粒子が
好ましい。該導電性微粒子の平均粒径としては、0.3
μm以下が好ましく、0.1μm以下がより好ましい。
該導電性微粒子としては、例えば、酸化モリブデン、酸
化タングステン、酸化アンチモン、酸化錫、酸化チタ
ン、酸化インジウム、酸化錫と、アンチモン又は酸化ア
ンチモンとの固溶体の担体又はこれらの混合物、あるい
は単一粒子中にこれらの金属酸化物を混合したもの、あ
るいは被覆したものが挙げられる。これらの中でも、酸
化錫、酸化錫とアンチモン又は酸化アンチモンとの固溶
体は、電気抵抗を適切に調節することが可能で、かつ、
前記表面保護層を、実質的に透明にすることが可能であ
るため好ましい(特開昭57−30847号、特開昭5
7−128344号の各公報)。
【0085】前記絶縁性樹脂保護層及び低抵抗保護層に
用いられる絶縁性樹脂としては、例えば、前記特定の高
分子化合物、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステ
ル、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート等の
縮合樹脂や、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリア
クリルアミドのようなビニル重合体等が挙げられる。こ
れらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用し
てもよい。尚、前記保護層を前記ストレス吸収層とする
場合には、少なくとも前記特定の高分子化合物を結着樹
脂として用いる。この際、本発明の効果を損なわない範
囲で、その他の樹脂を併用してもよく、その他の樹脂と
しては、例えば、上記で挙げられた樹脂が挙げられる。
この場合、前記特定の高分子化合物の含有量は、前記保
護層における結着樹脂の総量に対して、20重量%以上
であることが、本発明の効果を達成する上で好ましい。
【0086】次に、本発明の電子写真感光体の構成につ
いて、図を用いて説明する。図1は、第1の実施形態の
電子写真感光体の構成を示す概略断面図である。この電
子写真感光体は、導電性支持体1上に電荷発生層3−a
が設けられ、その上に電荷輸送層3−bが設けられてい
る。図2は、第2の実施形態の電子写真感光体の構成を
示す概略断面図である。この電子写真感光体は、第1の
実施形態に対し、導電性支持体1と電荷発生層3−aと
の間に、下引き層2が設けられている。図3は、第3の
実施形態の電子写真感光体の構成を示す概略断面図であ
る。この電子写真感光体は、第1の実施形態に対し、電
荷輸送層3−b上に保護層4が設けられている。図4
は、第4の実施形態の電子写真感光体の構成を示す概略
断面図である。この電子写真感光体は、第3の実施形態
に対し、導電性支持体1と電荷発生層3−aとの間に、
下引き層2が設けられている。図5は、第5の実施形態
の電子写真感光体の構成を示す概略断面図である。この
電子写真感光体は、導電性支持体1上に単層の感光層3
−cが設けられている。図6は、第6の実施形態の電子
写真感光体の構成を示す概略断面図である。この電子写
真感光体は、第5の実施形態に対し、導電性支持体1と
単層の感光層3−cとの間に下引き層2が設けられてい
る。図7は、第7の実施形態の電子写真感光体の構成を
示す概略断面図である。この電子写真感光体は、第6の
実施形態に対し、単層の感光層3−c上に保護層4が設
けられている。
【0087】前記本発明の電子写真感光体は、ライトレ
ンズ系複写機、近赤外光もしくは可視光に発光するレー
ザービームプリンター、ディジタル複写機、LEDプリ
ンター、レーザーファクシミリ等の電子写真装置、ある
いは該電子写真装置に備えられるプロセスカートリッジ
に好適に用いることができる。また、前記本発明の電子
写真感光体は、一成分系、二成分系の正規現像剤あるい
は反転現像剤とも併用することができる。更に、前記本
発明の電子写真感光体は、帯電ローラーや帯電ブラシを
有する接触帯電器を備えた電子写真装置に用いても、電
流リークの発生が少なく、容易に良好な画質を得ること
ができる。
【0088】[電子写真装置]次に、前記本発明の電子
写真感光体を備えた電子写真装置について説明する。図
8は、本発明の電子写真感光体を備えた電子写真装置の
第1の実施形態を示す概略説明図である。この電子写真
装置は、電子写真感光体10と、帯電器11と、電源1
2と、画像入力器13と、現像器14と、転写器15
と、クリーニング器16と、除電器17と、定着器18
と、を有する。電子写真感光体10の上には、接触帯電
方式の帯電器11(接触帯電手段)が当接され、帯電器
11は、電源12から供給された電圧により作動する。
この接触帯電方式の帯電器としては、例えば、導電性を
付与したゴム状のロールであるBCRと呼ばれる部材等
がある。接触帯電では帯電装置が感光体と接触するた
め、コロナ放電式と比較してオゾンを発生しにくいとい
うメリットがある。しかし、感光体に与えるストレスが
強いため、感光体の摩耗を促進するという欠点もある。
上記接触帯電方式の帯電器11の代わりに、コロナ放電
方式(非接触帯電方式)の帯電器を配置することもでき
る。接触型の電子写真装置では、除電器17が設けられ
ていないものもある。
【0089】図9は、本発明の電子写真感光体を備えた
電子写真装置の第2の実施形態を示す概略説明図であ
る。図9において、図8と同じ符号は、図8と同様の部
材及び構成を示している。この電子写真装置では、第1
の実施形態の電子写真装置と異なり、電子写真感光体1
0、帯電器11、現像器14、及びクリーニング器16
が、カートリッジ19により一体に支持され、このカー
トリッジ19の外部には、画像入力器13及び除電器1
7が備えられている。また、カートリッジ19には取り
付けレール20が備えられている。図9に示すように、
前記本発明の電子写真感光体10と、帯電手段(帯電器
11)、現像手段(現像器14)、及びクリーニング手
段(クリーニング器16)からなる群より選ばれる少な
くとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置に着
脱自在である電子写真プロセスカートリッジを用いるこ
とにより、ユーザーはトナーにより手や衣服の汚れから
回避することができるという利点を有する。
【0090】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例によって何ら限定されるものではな
い。以下の説明において、「部」は「重量部」を意味す
る。
【0091】<副分散エネルギーの測定>本発明におい
て、高分子量化合物の副分散エネルギーの測定は以下の
方法で行った。固形状(ペレット状、粗粉末状等)高分
子量化合物を、ICI社製のMINIMAX MOLU
DERを用いて溶融押し出し成形し、幅×長さ×厚みが
20mm×40mm×5mmの試験片を得た。これを動
的粘弾性測定装置(東洋精機社製、レオグラフソリッド
S1)の試験片装着部に設置し、正弦的歪みを与え応力
を測定した。この結果から粘弾性曲線を描いて、損失弾
性係数が変曲する温度と、その始まりと終わりにおける
損失弾性率の差を副分散エネルギーの大きさとして評価
した。以下の実施例及び比較例において使用した高分子
量化合物の副分散エネルギーをBとし、ビスフェノール
A型ポリカーボネートの副分散エネルギーをAとしたと
きの、B/Aの値を下記表9〜表11に示す。
【0092】
【表9】
【0093】
【表10】
【0094】
【表11】
【0095】(実施例1)導電性支持体には、ED管ア
ルミニウム(84mmφ)の表面を、アルミナ球状微粉
末(D50=30μm)を用いて液体ホーニング法によ
り、中心線平均粗さRa=0.18μmに粗面化処理し
たものを用いた。ポリビニルブチラール樹脂(エスレッ
クBM−S、積水化学社製)4部を溶解させたn−ブチ
ルアルコール170部に、有機ジルコニウム化合物(ア
セチルアセトンジルコニウムブチレート)30部及び有
機シラン化合物の混合物(γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン)3部を混合攪拌し、得られた下引き層形成
用塗布液を用いて浸漬塗布法により、前記導電性支持体
上に塗布し、150℃において1時間の硬化処理を行
い、層厚1.2μmの下引き層を形成した。
【0096】次に、電荷発生材料として、Cukα線を
用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.
2°)において、7.4°、16.6°、25.5°及
び28.3°の位置に回折ピークを有するクロルガリウ
ムフタロシアニン3部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体(VMCH、日本ユニカー社製)2部及び酢酸ブチル
180部からなる混合物をサンドミルにより4時間分散
処理し、得られた分散液を用いて、上記下引き層の上に
浸漬塗布法により塗布し、これを乾燥させて層厚0.2
μmの電荷発生層を形成した。次に、電荷輸送材料とし
て、化合物番号(3−1)に示すN,N’−ジフェニル
−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’
−ビフェニル]−4,4’−ジアミン4部と、結着樹脂
として、上記表9に示す化合物No.(1)のポリエス
テル重合体(B/A=3000)6部とを、テトラヒド
ロフラン60部及び2,6−ジ−t−ブチル−4−メチ
ルフェノール0.2部に加えて溶解させた。得られた塗
布溶液を用いて、上記電荷発生層の上に塗布し、これを
120℃において40分間乾燥させて層厚25μmの電
荷輸送層を形成し、電子写真感光体を得た。
【0097】得られた電子写真感光体を、接触帯電方式
を有するプリンター(PC−PR1000/4R、日本
電気社製)に装着して、3万枚のプリントテストを行
い、1万枚プリント後の画質について、目視で評価を行
った。また、3万枚プリント後の感光体の残留電位、帯
電電位及び摩耗量について測定し、評価を行った。帯電
にはスコロトロン帯電器を用い、グリッド電圧を−65
0Vとした。露光(760nm、20mJ/m2)後、
0.5秒後の表面電位を測定し、残留電位とした。得ら
れた結果を下記表12に示す。
【0098】(実施例2〜8)実施例1において、電荷
輸送層の結着樹脂として用いた上記表9に示す化合物N
o.(1)のポリエステル重合体の代わりに、実施例2
〜3についてそれぞれ上記表9に示す化合物No.
(2)、(3)のポリエステル重合体、実施例4〜6に
ついてそれぞれ上記表10に示す化合物No.(4)、
(5)、(6)のポリアリレート重合体、実施例7〜8
についてそれぞれ上記表10に示す化合物No.
(7)、(8)のポリカーボネート重合体を用いた以外
は、実施例1と同様にしてそれぞれ電子写真感光体を得
た。得られた各電子写真感光体について、実施例1と同
様の評価を行った。評価結果を下記表12に示す。
【0099】(実施例9)実施例1において、電荷輸送
材料として用いた化合物番号(3−1)に示すN,N’
−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)
−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン4部
と、結着樹脂として用いた上記表9に示す化合物No.
(1)のポリエステル重合体(B/A=3000)6部
との代わりに、上記と同様の電荷輸送材料8部と、上記
と同様の結着樹脂2部とを用いた以外は、実施例1と同
様にして電子写真感光体を得た。得られた電子写真感光
体について、実施例1と同様の評価を行った。評価結果
を下記表12に示す。
【0100】(実施例10)実施例1において、電荷輸
送材料として用いた化合物番号(3−1)に示すN,
N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニ
ル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン
の代わりに、化合物番号(5−1)に示す化合物を用い
た以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を得
た。得られた電子写真感光体について、実施例1と同様
の評価を行った。評価結果を下記表12に示す。
【0101】(実施例11)実施例1において、電荷輸
送層の結着樹脂として用いた上記表9に示す化合物N
o.(1)のポリエステル重合体(B/A=3000)
の代わりに、上記表11に示す化合物No.(10)の
ビスフェノールZ型ポリカーボネート重合体(B/A=
18、三菱化学社製、ユーピロン300)を用い、電荷
輸送層の上に、化合物番号(3−1)に示すN,N’−
ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−
[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン4部
と、上記表9に示す化合物No.(1)のポリエステル
重合体(B/A=3000)6部とをメチルエチルケト
ン500部に溶解させた溶液を浸漬塗布し、層厚5μm
の保護層を形成した以外は、実施例1と同様にして電子
写真感光体を得た。得られた電子写真感光体について、
実施例1と同様の評価を行った。評価結果を下記表12
に示す。
【0102】(比較例1〜3)実施例1において、電荷
輸送層の結着樹脂として用いた上記表9に示す化合物N
o.(1)のポリエステル重合体の代わりに、比較例1
〜2についてそれぞれ上記表11に示す化合物No.
(9)、(10)のポリカーボネート重合体、比較例3
について上記表11に示す化合物No.(11)のポリ
エステル重合体を用いた以外は、実施例1と同様にして
それぞれ電子写真感光体を得た。得られた各電子写真感
光体について、実施例1と同様の評価を行った。評価結
果を下記表12に示す。
【0103】
【表12】
【0104】表12の結果から、実施例1〜11で得ら
れた本発明の電子写真感光体は、接触帯電装置により帯
電させる方式のプリンターを用いてプリントテストを行
っても、いずれも感光体のリーク放電等に起因する画質
異常は見られなかった。これは、前記特定の高分子化合
物が、大きな副分散エネルギーにより、帯電、クリーニ
ング等の工程で受けるストレスを、構造破壊なしに受け
取り、摩耗量が少なくなったためである。これに対し
て、比較例1〜3で得られた本発明範囲外の電子写真感
光体では、摩耗が大きく、暗減衰が上昇し帯電性が低下
して低濃度部分にかぶりの発生が見られた。
【0105】(実施例12)導電性支持体には、アルミ
ニウム基体(84mmφ)の表面に、液体ホーニング法
により中心線平均粗さRa=0.18μmに粗面化処理
したものを用いた。そのアルミニウム基体の上に、ポリ
ビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S、積水化学
社製)16部及びシクロヘキサノン550部を混合攪拌
し、次いで、この混合液にレゾール型フェノール樹脂
(フェノライトJ−325、大日本インキ化学社製)8
部を加えて攪拌し、更に、この混合液に酸化チタン顔料
60部を加えてサンドグラインドミルにより5時間分散
処理して得られた塗布液を用いて塗布し、170℃にお
いて1時間の硬化処理を行い、層厚4μmの下引き層を
形成した。
【0106】次に、電荷発生材料として、Cukα線を
用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.
2°)において、9.5°、11.7°、15.0°、
24.1°及び27.3°の位置に回折ピークを有する
チタニルフタロシアニン15部、ポリビニルブチラール
樹脂(エスレックBM−S、積水化学社製)10部及び
n−ブチルアルコール300部からなる混合物をサンド
グラインドミルにより4時間分散処理して得られた塗布
液を、上記下引き層の上に塗布し、これを乾燥させて層
厚0.2μmの電荷発生層を形成した。次に、電荷輸送
材料として、化合物番号(4−33)に示すN,N−ビ
ス(3、4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミ
ン40部と、結着樹脂として、上記表9に示す化合物N
o.(1)のポリエステル重合体(B/A=3000)
60部とを加えて溶解させ、得られた塗布溶液を用いて
上記電荷発生層の上に塗布し、これを乾燥させて層厚2
7μmの電荷輸送層を形成することにより、3層からな
る電子写真感光体を作製した。
【0107】得られた電子写真感光体を、カラー複写機
××××××××××××××××××××××に装着
し、光量を調整してプリントテストを行い、5000枚
プリント後の画質について、かぶりと黒点数の評価を行
った。かぶりは目視により評価した。黒点数の評価方法
は、プリント中任意に選んだ10箇所の1cm2当たり
の黒点数を目視でカウントし、平均値をとった。評価結
果を下記表13に示す。
【0108】(実施例13〜19)実施例12におい
て、電荷輸送層の結着樹脂として用いた上記表9に示す
化合物No.(1)のポリエステル重合体の代わりに、
実施例13〜14についてそれぞれ上記表9に示す化合
物No.(2)、(3)のポリエステル重合体、実施例
15〜17についてそれぞれ上記表10に示す化合物N
o.(4)、(5)、(6)のポリアリレート重合体、
実施例18〜19についてそれぞれ上記表10に示す化
合物No.(7)、(8)のポリカーボネート重合体を
用いた以外は、実施例12と同様にしてそれぞれ電子写
真感光体を得た。得られた各電子写真感光体について、
実施例12と同様の評価を行った。評価結果を下記表1
3に示す。
【0109】(実施例20)実施例12において、電荷
輸送材料として、化合物番号(4−33)に示すN,N
−ビス(3、4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−
アミン40部と、結着樹脂として、上記表9に示す化合
物No.(1)のポリエステル重合体(B/A=300
0)60部とを用いる代わりに、上記と同様の電荷輸送
材料80部と、上記と同様の結着樹脂20部とを用いた
以外は、実施例12と同様にして電子写真感光体を得
た。得られた電子写真感光体について、実施例12と同
様の評価を行った。評価結果を下記表13に示す。
【0110】(実施例21)実施例12において、電荷
輸送材料として用いた化合物番号(4−33)に示す
N,N−ビス(3、4−ジメチルフェニル)ビフェニル
−4−アミンの代わりに、化合物番号(5−1)に示す
化合物を用いた以外は、実施例12と同様にして電子写
真感光体を得た。得られた電子写真感光体について、実
施例12と同様の評価を行った。評価結果を下記表13
に示す。
【0111】(実施例22)実施例12において、電荷
輸送層の結着樹脂として用いた上記表9に示す化合物N
o.(1)のポリエステル重合体(B/A=3000)
の代わりに、上記表11に示す化合物No.(10)の
ビスフェノールZ型ポリカーボネート重合体(B/A=
18、三菱化学社製、ユーピロン300)を用い、電荷
輸送層の上に、化合物番号(4−33)に示すN,N−
ビス(3、4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−ア
ミン4部と、上記表9に示す化合物No.(1)のポリ
エステル重合体(B/A=3000)6部とをメチルエ
チルケトン500部に溶解させた溶液を浸漬塗布し、層
厚5μmの保護層を形成した以外は、実施例12と同様
にして電子写真感光体を得た。得られた電子写真感光体
について、実施例12と同様の評価を行った。評価結果
を下記表13に示す。
【0112】(比較例4〜6)実施例12において、電
荷輸送層の結着樹脂として用いた上記表9に示す化合物
No.(1)のポリエステル重合体の代わりに、比較例
4〜5についてそれぞれ上記表11に示す化合物No.
(9)、(10)のポリカーボネート重合体、比較例6
について上記表11に示す化合物No.(11)のポリ
エステル重合体を用いた以外は、実施例12と同様にし
てそれぞれ電子写真感光体を得た。得られた各電子写真
感光体について、実施例12と同様の評価を行った。評
価結果を下記表13に示す。
【0113】
【表13】
【0114】表13の結果から、実施例12〜22で得
られた本発明の電子写真感光体を用いた場合には、前記
特定の高分子化合物による副分散エネルギーの効果で、
ランニングに伴う感光体表面の摩耗が少なく、電気特性
の劣下が殆どない。これらの理由から、かぶりが発生せ
ず、また黒点の発生も少なく、良好な画質が得られた。
これに対して、比較例4〜6で得られた本発明範囲外の
感光体は、かぶりが発生し、更に黒点の発生が多く、画
質異常が認められた。
【0115】
【発明の効果】本発明によれば、帯電、クリーニング等
の外部から加えられるストレスを吸収し、機械的強度や
電気的特性に極めて優れ、長期にわたって高品質の画像
が得られる電子写真感光体、それを用いたプロセスカー
トリッジ及び電子写真装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の電子写真感光体の構成を示
す概略断面図である。
【図2】 第2の実施形態の電子写真感光体の構成を示
す概略断面図である。
【図3】 第3の実施形態の電子写真感光体の構成を示
す概略断面図である。
【図4】 第4の実施形態の電子写真感光体の構成を示
す概略断面図である。
【図5】 第5の実施形態の電子写真感光体の構成を示
す概略断面図である。
【図6】 第6の実施形態の電子写真感光体の構成を示
す概略断面図である。
【図7】 第7の実施形態の電子写真感光体の構成を示
す概略断面図である。
【図8】 第1の実施形態の電子写真装置を示す概略説
明図である。
【図9】 第2の実施形態の電子写真装置を示す概略説
明図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 下引き層 3−a 感光層(電荷発生層) 3−b 感光層(電荷輸送層) 3−c 感光層(単層) 4 保護層 10 電子写真感光体 11 帯電器(接触帯電手段) 12 電源 13 画像入力器 14 現像器(現像手段) 15 転写器 16 クリーニング器(クリーニング手段) 17 除電器 18 定着器 19 カートリッジ 20 取り付けレール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹川 一郎 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2H003 AA18 CC05 CC06 2H068 AA13 AA35 BA12 BA39 BB20 BB26 BB27 BB51 BB53 BB54 FA01 FA06 FC01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、少なくとも感光層を
    有する電子写真感光体であって、該電子写真感光体が、
    ビスフェノールA型ポリカーボネートの副分散エネルギ
    ーをAとしたときに、B/Aが100〜100000と
    なる副分散エネルギーBを示す高分子化合物を含有する
    層を有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記高分子化合物を含有する層が、電子
    写真感光体の表面層である請求項1に記載の電子写真感
    光体。
  3. 【請求項3】 前記高分子化合物が、下記一般式(1)
    で表される構成単位を含むポリエステル重合体、下記一
    般式(1)で表される構成単位を含むポリアリレート重
    合体、下記一般式(2)で表される構成単位を含むポリ
    カーボネート重合体、及びこれらの共重合体から選択さ
    れる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の電子
    写真感光体。 【化1】 (前記一般式(1)及び(2)中、Xは脂環族基を含む
    基を表し、Yは主鎖上に2以上のフェニレン基を含む基
    を表す。)
  4. 【請求項4】 前記一般式(1)で表される構成単位を
    含むポリエステル重合体が、下記構造式(1)から
    (3)で表される構成単位の少なくとも1種を含むポリ
    エステル重合体である、あるいは前記一般式(1)で表
    される構成単位を含むポリアリレート重合体が、下記構
    造式(4)から(6)で表される構成単位の少なくとも
    1種を含むポリアリレート重合体である請求項3に記載
    の電子写真感光体。 【化2】
  5. 【請求項5】 前記一般式(2)で表される構成単位を
    含むポリカーボネート重合体が、下記構造式(7)及び
    (8)で表される構成単位の少なくとも1種を含み、か
    つ、下記構造式(9)及び(10)で表される構成単位
    の少なくとも1種を含むポリカーボネート重合体である
    請求項3に記載の電子写真感光体。 【化3】
  6. 【請求項6】 前記高分子化合物の含有量が、前記高分
    子化合物を含有する層における結着樹脂の総量に対し
    て、20重量%以上である請求項1から5のいずれかに
    記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれかに記載の電子
    写真感光体と、帯電手段、現像手段、及びクリーニング
    手段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段とを
    一体に支持し、電子写真装置に着脱自在であることを特
    徴とするプロセスカートリッジ。
  8. 【請求項8】 請求項1から6のいずれかに記載の電子
    写真感光体と、接触帯電手段とを備えることを特徴とす
    る電子写真装置。
JP2000056155A 2000-03-01 2000-03-01 電子写真感光体、それを用いたプロセスカートリッジ、及び電子写真装置 Pending JP2001242657A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000056155A JP2001242657A (ja) 2000-03-01 2000-03-01 電子写真感光体、それを用いたプロセスカートリッジ、及び電子写真装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000056155A JP2001242657A (ja) 2000-03-01 2000-03-01 電子写真感光体、それを用いたプロセスカートリッジ、及び電子写真装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001242657A true JP2001242657A (ja) 2001-09-07

Family

ID=18577156

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000056155A Pending JP2001242657A (ja) 2000-03-01 2000-03-01 電子写真感光体、それを用いたプロセスカートリッジ、及び電子写真装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001242657A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7378212B2 (en) 2005-07-01 2008-05-27 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Image forming method, photoreceptor
US7514190B2 (en) 2004-01-29 2009-04-07 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Method for forming an electrophotographic image
KR101453153B1 (ko) 2011-11-30 2014-10-27 캐논 가부시끼가이샤 전자 사진 감광체, 전자 사진 감광체의 제조 방법, 프로세스 카트리지 및 전자 사진 장치

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7514190B2 (en) 2004-01-29 2009-04-07 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Method for forming an electrophotographic image
US7378212B2 (en) 2005-07-01 2008-05-27 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Image forming method, photoreceptor
KR101453153B1 (ko) 2011-11-30 2014-10-27 캐논 가부시끼가이샤 전자 사진 감광체, 전자 사진 감광체의 제조 방법, 프로세스 카트리지 및 전자 사진 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001066814A (ja) 電子写真感光体、その製造方法、電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2013231867A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
US5399452A (en) Electrophotographic photoreceptor
JP2010107923A (ja) 電子写真感光体及び電子写真装置
JP3587094B2 (ja) カラー画像形成装置
US20130052574A1 (en) Electrophotographic photoreceptor, image-forming apparatus, and electrophotographic cartridge
JPH09281728A (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカ−トリッジ及び電子写真装置
JP3738627B2 (ja) 電子写真感光体、それを有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP3797033B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真プロセスカートリッジ、及び電子写真装置
JP3722475B2 (ja) 単層型電子写真感光体、及びそれを使用した画像形成装置
JP3409540B2 (ja) 電子写真感光体およびそれを用いた画像形成装置
JP2001242657A (ja) 電子写真感光体、それを用いたプロセスカートリッジ、及び電子写真装置
JPH06214412A (ja) 電子写真感光体
JP3700421B2 (ja) 電子写真感光体及びそれを用いた電子写真装置
JP2001175010A (ja) 電子写真感光体及びそれを用いた電子写真装置
JPH0567232B2 (ja)
JP3728928B2 (ja) 電子写真感光体
JP3367318B2 (ja) 電子写真感光体およびそれを用いた画像形成装置
JP2001228642A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、電子写真装置、及び該電子写真感光体を用いた画像形成方法
JP2008256851A (ja) 電子写真感光体及び電子写真装置
JPH05224453A (ja) 電子写真感光体
JP3858588B2 (ja) 電子写真感光体及びその製造方法、並びに電子写真感光体を用いた電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2001051434A (ja) 電子写真用感光体
JP2002099103A (ja) 電子写真感光体
JPH11174698A (ja) 電子写真感光体及びそれを用いた電子写真装置