JP4668121B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
本発明は、複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ、ダイレクトデジタル製版機等に応用される。
特に上述のように感光層を電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離した積層型は高感度化に有利であり、加えて、高感度化や高耐久化に対する設計上の自由度が高いこともあって、現在、有機感光体の多くがこの層構成を採っている。
しかしながら電子輸送物質は感光体材料として優れたものが極めて少ないのが実状である。単体の材料として優れた電子輸送性を有するものの、細胞に突然変異を起こさせる変異原性を示すなど安全性に問題を有するものも多く、実用化に至らないものが多く存在した。
このため従来は、初期的には優れた画質が得られても長期間の使用には耐えられないという課題があった。このため感光体の層中に各種の添加剤を添加する等の技術が開示されている(特許文献1参照)。
しかしながら、これら添加剤の添加により、電子輸送物質自体が本来有する電子輸送能を阻害し、その結果感度特性の劣化などの副作用を生じていた。また添加量を多くすることによりバインダー樹脂に対して脆化をもたらし、強度低下による耐摩耗性の低下を引き起こしており、現在まで長期間の繰り返し特性を持続する安定した画像品質を得られる画像形成装置は見いだされていなかった。
(1)感光体と、この感光体の表面を一様に帯電する帯電装置と、一様帯電後に像露光をおこない静電潜像を形成する像露光装置と、前記静電潜像を現像する現像装置と、現像像を転写する転写装置とを備える画像形成装置において、前記感光体の感光層が導電性基体上に形成された少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とから構成され、且つ前記電荷輸送層中に、下記式(2)〜(6)で表される電荷輸送物質の群から選ばれる少なくとも1つの電荷輸送物質を含み、且つ前記像露光装置の光源の波長が600nm以上であり、且つ画像形成装置内において600nmより波長の短い光が前記感光体上に照射されることがないようにしたことを特徴とする画像形成装置。
(3)前記像露光装置の光源が、波長600nm以上である半導体レーザー(LD)もしくは発光ダイオード(LED)であることを特徴とする前記(1)、(2)記載の画像形成装置。
(4)前記電荷発生層中に含まれる電荷発生物質がフタロシアニンであることを特徴とする前記(1)〜(3)記載の画像形成装置。
(5)前記フタロシアニンがチタニルフタロシアニンであることを特徴とする前記(4)記載の画像形成装置。
(6)前記チタニルフタロシアニンが、CuKα(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有することを特徴とする前記(5)記載の画像形成装置。
(7)前記チタニルフタロシアニンがCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2°に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さないことを特徴とする前記(6)に記載の画像形成装置。
(8)前記感光層にポリカーボネート樹脂を含むことを特徴とする前記(1)〜(7)に記載の画像形成装置。
(9)前記画像形成装置が、前記感光体上に現像されたトナー画像を中間転写体上に一次転写したのち、該中間転写体上のトナー画像を記録材上に二次転写する中間転写手段を有する画像形成装置であって、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録材上に一括で二次転写することを特徴とする(1)〜(8)に記載の画像形成装置。
(10)前記(1)(9)に記載の画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジであって、少なくとも、前記感光体と、帯電手段、現像手段、もしくはクリ−ニング手段より選ばれる一つの手段とを一体に支持したことを特徴とする着脱自在なプロセスカートリッジ。
(11)前記(10)記載のプロセスカートリッジを複数個具備することを特徴とする画像形成装置。
前記一般式(A)で表される特定の電荷輸送物質は優れた電子輸送能を有し、有機溶媒に希釈して塗工し成膜して感光体を設けた場合、初期特性的には非常に優れた特性を示す。しかしながら、画像形成装置内での使用を長期にわたり繰り返すと徐々に残留電位が上昇してくるという問題が生じてくることが判明した。このように感光体の残留電位の上昇が生じると露光部電位(ポジ−ポジ現像では地肌部電位、ネガ−ポジ現像では画像部電位)の上昇につながり、これは出力画像としては異常な画像となってしまう。
すなわち上述の一般式(A)で表される化合物を用いた場合においての優れた初期特性を長期間にわたり維持するために感光体の構成材料のみならず、像露光に用いる光源の波長を制限することにより、はじめて特異な効果を発現し画像形成装置として長期の繰り返し使用が可能となる。
加えて感光層に用いるバインダー樹脂をポリカーボネート樹脂とすることで本発明の画像形成装置の感光体が持つ優れた電子写真特性を損なうことなく耐久性が向上する。
本発明の画像形成装置で用いられる感光体では導電性支持体として、導電体あるいは導電処理をした絶縁体、例えばAl、Fe、Cu、Auなどの金属あるいはそれらの合金の他、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ガラス等の絶縁性基体上にAl、Ag、Au等の金属あるいはIn2O3、SnO2等の導電材料の薄膜を形成したもの、導電処理をした紙等が使用できる。導電性支持体の形状は特に制約はなくドラム状あるいはベルト状のいずれのものも使用できる。
本発明における感光層は、感光層が電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離された一般に積層型と称される構成である。はじめに、電荷発生層について説明する。電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じて結着樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、公知の材料を用いることが出来る。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾ−ル系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることが出来る。
その中でも特に中心金属としてチタンを有する下記式(1)に示すようなチタニルフタロシアニンとすることによって、特に感度が高い感光層とすることが出来、電子写真装置として小型化と高速化をよりいっそうはかることが可能となる。
加えて平均粒子サイズが0.60μm以下であるチタニルフタロシアニン結晶であることによって、高感度を失うことなく繰り返し使用によっても帯電性の低下を生じない安定な電子写真感光体を得ることができ、さらに地肌汚れ特性が著しく改善できる。これは平均粒子サイズが0.60μmより大きくなると接触面積が低下し電荷発生効率が低下するためである。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
電荷輸送層は、電荷輸送物質及び結着樹脂をテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いて溶解、塗工し成膜することにより形成される。塗工方法としては浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などを用いて行なうことができる。
電荷輸送層として使用できる結着樹脂としてはフィルム性の良いポリカーボネート(ビスフェノ−ルAタイプ、ビスフェノ−ルZタイプ、ビスフェノールCタイプ、あるいはこれら共重合体)、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリエステル、メタクリル樹脂、ポリスチレン、酢酸ビニル、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂などがあるが、中でも耐摩耗性の優れるポリカーボネート樹脂がその性質上好ましい。またこれらのバインダ−は、単独または2種以上の混合物として用いることが出来る。
一般式(A)で表される化合物を感光層に含有させることにより、これまでの電子写真装置では不可能であった速やかな電子輸送性、即ち明確な帯電電位と露光部電位の差が発現し高画質な画像を得ることが出来る電子写真装置が実現可能となる。またこの一般式(A)で表される化合物は、オゾンや窒素酸化物ガスといった活性ガスに対して非常に安定性が高く、帯電器からこのような活性ガスが発生する電子写真装置に用いるには非常に有利となっている。これは分子構造的にN位の塩基性が強いため、上述のようなガスに対して耐性を有するものと考えられる。即ち前述の機械的耐久性、電気的耐久性に加え化学的な耐久性に関しても非常に優れた電子写真装置を得ることが出来る。従って各種電子写真方式画像形成装置を設計する上では大型化や高コスト化を防止でき、安価で設置性の良い機械をユーザーに提供する事が可能となる。
更に具体的には、下記式(2)〜(6)で表される電荷輸送物質が、繰返し使用時の帯電電位、及び露光部電位の安定性の面から特に好ましい。尚、式中Meはメチル基を示す。
なお、下記の方法で原料として用いるナフタレンカルボン酸は公知の合成方法(例えば、米国特許第6794102号明細書、Industrial Organic Pigments 2nd edition, VCH, 485 (1997) など)に従い、下記反応式より合成される。
尚、前記の式(2)〜(6)で表される電荷輸送物質は、それぞれ下記の方法により製造した。
(第一工程)
200ml4つ口フラスコに、1,4,5,8―ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.0g(18.6mmol)、DMF50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノヘプタン2.14g(18.6mmol)とDMF25mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶し、モノイミド体A 2.14g(収率31.5%)を得た。
(第二工程)
100ml4つ口フラスコに、モノイミド体A 2.0g(5.47mmol)と、ヒドラジン一水和物0.137g(2.73mmol)、p−トルエンスルホン酸10mg、トルエン50mlを入れ、5時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/酢酸エチルにより再結晶し、式(2)で表される化合物 0.668g(収率33.7%)を得た。
(第一工程)
200ml4つ口フラスコに、1,4,5,8―ナフタレンテトラカルボン酸二無水物10g(37.3mmol)とヒドラジン一水和物0.931g(18.6mmol)、p−トルエンスルホン酸20mg、トルエン100mlを入れ、5時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/酢酸エチルにより再結晶し、二量体C 2.84g(収率28.7%)を得た。
(第二工程)
100ml4つ口フラスコに、二量体C 2.5g(4.67mmol)、DMF30mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノプロパン0.278g(4.67mmol)とDMF10mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、モノイミド体C 0.556g(収率38.5%)を得た。
(第三工程)
50ml4つ口フラスコに、モノイミド体C 0.50g(1.62mmol)、DMF10mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノヘプタン0.186g(1.62mmol)とDMF5mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶し、上記式(3)で表される化合物 0.243g(収率22.4%)を得た。
(第一工程)
200ml4つ口フラスコに、1,4,5,8―ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.0g(18.6mmol)、DMF50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノプロパン1.10g(18.6mmol)とDMF25mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶し、モノイミド体B 2.08g(収率36.1%)を得た。
(第二工程)
100ml4つ口フラスコに、モノイミド体B 2.0g(6.47mmol)と、ヒドラジン一水和物0.162g(3.23mmol)、p−トルエンスルホン酸10mg、トルエン50mlを入れ、5時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/酢酸エチルにより再結晶し、式(4)で表される電荷輸送物質 0.810g(収率37.4%)を得た。
(第一工程)
200ml4つ口フラスコに、上述した二量体C 5.0g(9.39mmol)、DMF50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノヘプタン 1.08g(9.39mmol)DMF25mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、モノイミド体D 1.66g(収率28.1%)を得た。
(第二工程)
100ml4つ口フラスコに、モノイミド体D 1.5g(2.38mmol)、DMF50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノオクタン0.308g(2.38mmol)とDMF10mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶し、式(5)で表される電荷輸送物質 0.328g(収率18.6%)を得た。
(第一工程)
200ml4つ口フラスコに、上述した二量体C 5.0g(9.39mmol)、DMF50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノヘプタン 1.08g(9.39mmol)DMF25mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、モノイミド体D 1.66g(収率28.1%)を得た。
(第二工程)
100ml4つ口フラスコに、モノイミド体D 1.5g(2.38mmol)、DMF50mlを入れ、加熱還流させた。これに、6−アミノウンデカン0.408g(2.38mmol)とDMF10mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶し、上述した式(6)で表される電荷輸送物質 0.276g(収率14.8%)を得た。
以上のようにして設けられる電荷輸送層の膜厚は5〜100μmが適当であり、好ましくは10〜35μmである。
本発明に用いることができる酸化防止剤として、下記のものが挙げられる。
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ−ル、ブチル化ヒドロキシアニソ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノ−ル、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−トなど。
2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)など。
1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]グリコ−ルエステル、トコフェノ−ル類など。
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネ−ト、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネ−ト、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネ−トなど。
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
図1は、本発明における画像形成装置の画像形成装置の一例を説明するための概略図であり、後述するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
感光体11はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
帯電手段12は、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。
転写手段16には、一般に上記の帯電器を使用できるが、転写チャージャーと分離チャージャーを併用したものが効果的である。
また、13は露光手段を表し、本発明の画像形成装置においては波長600nm以上の光源を有するものであればいずれも使用できる。一般の光源に600nm以上の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを単独、もしくは組み合わせて用いることができる。中でも半導体レーザー(LD)、発光ダイオード(LED)などを用いることが光源波長の安定性の面からより好ましい。
現像手段14により感光体上に現像されたトナー15は、受像媒体18に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、クリーニング手段17により、感光体より除去される。クリーニング手段は、ゴム製のクリーニングブレードやファーブラシ、マグファーブラシ等のブラシ等を用いることができる。
図2には、本発明における画像形成装置の別の一例を説明するための例を示す。図2において、感光体11は、本発明の要件を満たす電子写真感光体であり、エンドレスベルト状のものである。
駆動手段1Cにより駆動され、帯電手段12による帯電、露光手段13による像露光、現像(図示せず)、転写手段16による転写、クリーニング前露光手段1Bによるクリーニング前露光、クリーニング手段17によるクリーニング、除電手段1Aによる除電が繰返し行なわれる。図2においては、感光体(この場合は支持体が透光性である)の支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行なわれる。
本発明では図2に示すような画像形成装置を複数具備しても良く、この場合これらの画像形成装置を水平、もしくは斜めに複数並べて用いる。
一方、本発明においては光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、およびその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行なうこともできるがいずれも600nm以上の波長の光である必要がある。このように露光や除電などの光照射をおこなう過程で600nm以下の光を照射しないことにより繰り返し特性が格段に良くなる。
これらのプロセスカートリッジは着脱自在でありメンテナンスが容易となる特徴がある。
本発明では図3に示すようなプロセスカートリッジ形態の画像形成要素を複数具備しても良く、その場合これらの画像形成装置を水平、もしくは斜めに複数並べて用いる。
また、直線上に配設された各感光体11Y,11M,11C,11Bkの各転写位置に接離する転写材担持体としての搬送転写ベルト1Gが駆動手段1Cにて掛け渡されている。この搬送転写ベルト1Gを挟んで各感光体1Y,1M,1C,1Bkに対向する転写位置には転写手段16が配設されている。
図4、図5の形態のような画像形成装置においても、各色毎の画像形成要素に前述のような着脱自在なプロセスカートリッジを用いることが可能である。
まず実施例1で用いる感光体を以下のようにして作製した。
各層塗工用の塗工液を以下に示すような方法で調製した。
(中間層用塗工液)
下記に示す樹脂等をボールミル装置(メディアとしてφ5mmのアルミナボールを使用)にて5日間ボールミルをおこない混合し下引き層用塗工液とした。
アルキッド樹脂 11重量部
(ベッコライト M-6401-50,大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 6重量部
(スーパーベッカミン G−821-60,大日本インキ化学工業製)
酸化チタン 48重量部
(CR−EL 石原産業社製)
メチルエチルケトン 186重量部
下記に示す樹脂等をビーズミル分散機(メディアとしてφ0.5mmのPSZボールを使用)にて120分間ボールミルをおこない混合し電荷発生層用塗工液とした。
無金属フタロシア二ン顔料 12重量部
(大日本インキ工業株式会社:Fastogen Blue8120B)
ポリビニルブチラール 9重量部
(積水化学製:BL-1)
シクロヘキサノン 270重量部
下記に示す樹脂等を撹拌、溶解せしめ電荷輸送層用塗工液とした。
前記の方法で合成した式(2)で表される電荷輸送物質 10重量部
ポリカーボネート樹脂 10重量部
(Zポリカ、粘度平均分子量;5.0万、帝人化成社製)
テトラヒドロフラン 120重量部
1%シリコーンオイルテトラヒドロフラン溶液 0.2重量部
(シリコーンオイル=KF50-100CS:信越化学工業社製)
前記のようにして作製した実施例1用の電子写真感光体を実装用とした後、デジタル複合機imagioMF2230[(株)リコ−製]をベースとしてパワーパックを変更し帯電極性を正帯電に改造した画像形成装置を用いて評価をおこなった。
なお本画像形成装置の像露光部(書込光照射部)には780nmのLDを使用し、転写装置後から帯電装置前までの間の除電目的の光照射装置(以下除電装置と簡略表記する)には660nmのLEDを使用した。
このような画像形成装置を用いて、通紙コピー試験を実施し、初期と1万枚印刷後に以下の項目について評価をおこなった。
初期の感光体表面電位(帯電電位)を800Vとしたときの全ベタ画像書込時の露光部電位について評価した。
〔画像品質〕
出力された画像について黒ベタ部分の画像濃度、黒ポチ、白ポチ、黒スジ、白スジなどの異常画像の有無等を総合的に評価した。
これらの評価結果を以下の表1に示す。
実施例1用感光体において、電荷発生層用塗工液に用いる無金属フタロシアニン顔料に代えて下記に示す合成例1の方法に従って作製したチタニルフタロシアニン顔料に変更した以外は実施例1と全く同様にして実施例2用感光体を作製した。
特開2001−19871号公報に準じて、顔料を作製した。すなわち、1,3−ジイミノイソインドリン29.2gとスルホラン200mlを混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド20.4gを滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行なった。反応終了後、放冷した後析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、つぎにメタノールで数回洗浄し、更に80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶を濾過、ついで洗浄液が中性になるまで水洗いを繰り返し(洗浄後のイオン交換水のpH値は6.8であった)、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキ(水ペースト)を得た。得られたこのウェットケーキ(水ペースト)40gをテトラヒドロフラン200gに投入し、4時間攪拌を行なった後、濾過を行い、乾燥して、チタニルフタロシアニン粉末を得た。これを[顔料1]とする。
上記ウェットケーキの固形分濃度は、15wt%であった。結晶変換溶媒のウェットケーキに対する重量比は33倍である。得られたチタニルフタロシアニン粉末を、下記の条件によりX線回折スペクトル測定したところ、Cu−Kαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θが27.2±0.2°に最大ピークと最低角7.3±0.2°にピークを有し、かつ7.3°のピークと9.4°のピークの間にピークを有しないチタニルフタロシアニン粉末であった。そのX線回折の結果を図6に示す。
なおこのチタニルフタロシアニンを用いた電荷発生層用塗工液中での平均粒子サイズを堀場製作所製CAPA−700で測定したところ0.29μmであった。
X線管球:Cu
電圧:50kV
電流:30mA
走査速度:2°/分
走査範囲:3°〜40°
時定数:2秒
実施例2用感光体において、電荷輸送層用塗工液に用いる式(2)で表される電荷輸送物質に代えて、前述の方法に従って合成した式(3)で表される電荷輸送物質に変更した以外は全く同様にして実施例3用感光体を作製した。
実施例2用感光体において、電荷輸送層用塗工液に用いる式(2)で表される電荷輸送物質に代えて、前述の方法に従って合成した式(4)で表される電荷輸送物質に変更した以外は全く同様にして実施例4用感光体を作製した。
実施例2用感光体において、電荷輸送層用塗工液に用いる式(2)で表される電荷輸送物質に代えて、前述の方法に従って合成した式(5)で表される電荷輸送物質に変更した以外は全く同様にして実施例5用感光体を作製した。
実施例2用感光体において、電荷輸送層用塗工液に用いる式(2)で表される電荷輸送物質に代えて、前述の方法に従って合成した式(6)で表される電荷輸送物質に変更した以外は全く同様にして実施例6用感光体を作製した。
実施例2用感光体において、電荷輸送層用塗工液に用いる式(2)で表される電荷輸送物質に代えて、下記構造式(B)で表される電荷輸送物質に変更した以外は全く同様にして比較例1用感光体を作製した。
実施例2用感光体において、電荷輸送層用塗工液に用いる式(2)で表される電荷輸送物質に代えて、下記構造式(C)で表される電荷輸送物質に変更した以外は全く同様にして比較例2用感光体を作製した。
実施例4用感光体において、電荷輸送層用塗工液に用いる式(2)で表される電荷輸送物質に代えて、下記構造式(D)で表される電荷輸送物質に変更した以外は全く同様にして比較例3用感光体を作製した。
このようにして作製した実施例2〜6用、及び比較例1〜3用の電子写真感光体を実装用とした後、デジタル複合機imagioMF2230[(株)リコ−製]をベースとしてパワーパックを変更し帯電極性を正帯電に改造した画像形成装置を用いて評価をおこなった。
なお本画像形成装置の像露光部(書込光照射部)には780nmのLDを使用し、転写装置後から帯電装置前までの間の除電目的の光照射装置(以下除電装置と簡略表記する)には660nmのLEDを使用した。
(ただし初期画像より異常をきたしているものについては通紙コピー試験による評価を中止した。)
〔露光部電位〕
初期の感光体表面電位(帯電電位)を800Vとしたときの全ベタ画像書込時の露光部電位について評価した。
〔画像品質〕
出力された画像について黒ベタ部分の画像濃度、黒ポチ、白ポチ、黒スジ、白スジなどの異常画像の有無等を総合的に評価した。
これら実施例2〜6、及び比較例1〜3の評価結果を以下の表2に示す。
実施例2において、評価用画像形成装置の像露光用光源を780nmから655nmの波長のLDユニットに変更した以外は実施例2と全く同様にして評価をおこない実施例7とした。
[実施例8]
実施例2において、評価用画像形成装置の像露光用光源を780nmから637nmの波長のLDユニットに変更した以外は実施例2と全く同様にして評価をおこない実施例8とした。
[実施例9]
実施例2において、評価用画像形成装置の像露光用光源を780nmから740nmの波長のLDユニットに変更した以外は実施例2と全く同様にして評価をおこない実施例9とした。
実施例2において、評価用画像形成装置の像露光用光源の波長を780nmから760nmのLDユニットに変更した以外は実施例2と全く同様にして評価をおこない実施例10とした。
[実施例11]
実施例2において、評価用画像形成装置の除電装置の光源を波長660nmのLEDから、波長610nmのLEDに変更した以外は実施例2と全く同様にして評価をおこない実施例11とした。
[実施例12]
実施例2において、評価用画像形成装置の除電装置の光源を波長660nmのLEDから、波長760nmのLEDに変更した以外は実施例2と全く同様にして評価をおこない実施例12とした。
実施例2において、評価用画像形成装置の除電装置の光源を波長660nmのLEDから、ハロゲンランプ(白色光)によるスリット光照射方式に変更した以外は実施例2と全く同様にして評価をおこない比較例4とした。
[比較例5]
比較例4において、評価用画像形成装置の除電装置のハロゲンランプにフィルターを用いて波長を540±10nm(ピーク波長の半値幅における値)とした以外は比較例4と全く同様にして評価をおこない比較例5とした。
[比較例6]
比較例4において、評価用画像形成装置の除電装置のハロゲンランプにフィルターを用いて波長を590±10nm(ピーク波長の半値幅における値)とした以外は比較例4と全く同様にして評価をおこない比較例6とした。
[比較例7]
実施例2において、評価用画像形成装置をアナログ複写機であるSpirio1510[(株)リコ−製]をベースとしてパワーパックを変更し帯電極性を正帯電に改造した画像形成装置に変更した。
このような画像形成装置を用いて、通紙コピー試験を実施し、初期と1万枚印刷後に以下の項目について評価をおこなった。
〔露光部電位〕
初期の感光体表面電位(帯電電位)を800Vとしたときの露光部電位(白部(地肌部分))について評価した。
〔画像品質〕
出力された画像について黒ベタ部分の画像濃度、黒ポチ、白ポチ、黒スジ、白スジなどの異常画像の有無等を総合的に評価し比較例7とした。
これら実施例7〜12、及び比較例4〜7の評価結果を以下の表3に示す。
12・・・帯電手段
13・・・露光手段
14・・・現像手段
15・・・トナー
16・・・転写手段
17・・・クリーニング手段
18・・・受像媒体
19・・・定着手段
20・・・現像ローラ
1A・・・除電手段
1B・・・クリーニング前露光手段
1C・・・駆動手段
1D・・・第1の転写手段
1E・・・第2の転写手段
1F・・・中間転写体
1G・・・受像媒体担持体
Claims (11)
- 前記転写装置と前記帯電装置との間において、光源から波長が600nm以上の光を感光体表面上に一様に照射することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記像露光装置の光源が、波長600nm以上である半導体レーザー(LD)もしくは発光ダイオード(LED)であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
- 前記電荷発生層中に含まれる電荷発生物質がフタロシアニンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記フタロシアニンがチタニルフタロシアニンであることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
- 前記チタニルフタロシアニンが、CuKα(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記チタニルフタロシアニンがCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2°に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さないことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記感光層にポリカーボネート樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜7に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置が、前記感光体上に現像されたトナー画像を中間転写体上に一次転写したのち、該中間転写体上のトナー画像を記録材上に二次転写する中間転写手段を有する画像形成装置であって、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録材上に一括で二次転写することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成装置。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジであって、少なくとも、前記感光体と、帯電手段、現像手段、もしくはクリ−ニング手段より選ばれる一つの手段とを一体に支持したことを特徴とする着脱自在なプロセスカートリッジ。
- 請求項10記載のプロセスカートリッジを複数個具備することを特徴とする画像形成装置。
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