JP4807838B2 - 電子写真装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高耐久性を有し、かつ高画質化を実現した電子写真感光体に関する。また、それらの感光体を使用した電子写真方法、電子写真装置、電子写真用プロセスカートリッジに関する。
近年、電子写真方式を用いた情報処理システム機の発展には目覚ましいものがある。特に、情報をデジタル信号に変換して光によって情報記録を行うレーザープリンターやデジタル複写機は、そのプリント品質、信頼性において向上が著しい。さらに、それらは高速化技術との融合によりフルカラー印刷が可能なレーザープリンターあるいはデジタル複写機へと応用されてきている。そのような背景から、要求される感光体の機能としては、高画質化と高耐久化を両立させることが特に重要な課題となっている。
これらの電子写真方式のレーザープリンターやデジタル複写機等に使用される感光体としては、有機系の感光材料を用いたものが、コスト、生産性及び無公害性等の理由から一般に広く応用されている。有機系の電子写真感光体には、ポリビニルカルバゾ−ル(PVK)に代表される光導電性樹脂、PVK−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に代表される電荷移動錯体型、フタロシアニン−バインダ−に代表される顔料分散型、そして電荷発生材料と電荷輸送材料とを組み合わせて用いる機能分離型の感光体などが知られている。
機能分離型の感光体における静電潜像形成のメカニズムは、感光体を帯電した後光照射すると、光は電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電荷発生材料により吸収され電荷を生成する。それによって発生した電荷が電荷発生層及び電荷輸送層の界面で電荷輸送層に注入され、さらに電界によって電荷輸送層中を移動し、感光体の表面電荷を中和することにより静電潜像を形成するものである。
しかし、有機系の感光体は、繰り返し使用によって膜削れが発生しやすく、感光層の膜削れが進むと、感光体の帯電電位の低下や光感度の劣化、感光体表面のキズなどによる地汚れ、画像濃度低下などの画質劣化が促進される傾向が強く、従来から感光体の耐摩耗性が大きな課題として挙げられていた。さらに、近年では電子写真装置の高速化あるいは装置の小型化に伴う感光体の小径化によって、感光体の高耐久化がより一層重要な課題となっている。
感光体の高耐久化を実現する方法としては、感光体の最表面に保護層を設け、その保護層に潤滑性を付与したり、硬化させたり、フィラーを含有させる方法が広く知られている。
特に、保護層にフィラーを含有させる方法は、感光体の高耐久化に対して非常に有効な方法の一つである。しかし、保護層にフィラーを含有させることにより耐摩耗性向上など機械的耐久性が改善されるが、いわゆる電子写真方式では帯電、露光などの繰返しにより機械的耐久性だけでなく、帯電電位や露光部電位の安定性などの電気的耐久性も非常に重要である。なぜなら仮に機械的耐久性が向上し膜削れの量が大幅に減少したとしても、帯電電位が低下したり、露光部電位が上昇したりすれば、十分な静電コントラストが得られなくなり画質劣化を生ずるからである。
このような帯電性の低下を抑制し帯電電位を安定させる方法として特許文献1などに記載されているように感光層に酸化防止剤を添加する手法が用いられている。
しかしながら、このように感光層に酸化防止剤を添加しただけでは、十分な効果を発現させるためにはある程度の残留電位の増加、電子写真装置内では露光部電位の上昇が避けられなかった。それでも感光層のみの場合ではそれでも実用に耐えうる残留電位の増加の範囲であるものの、耐摩耗性の向上、即ち機械的耐久性を向上させる目的で上記のフィラー入りの保護層を感光層の上に設けた場合、さらに残留電位が上昇するという問題が生じる。
このフィラーを含有する保護層を設ける場合、フィラー種の影響を大きく受け電気絶縁性の高いフィラーを含有させた場合には、抵抗が高くなり、保護層を設けない場合に比較し、残留電位の上昇が顕著に見られる。これらの残留電位上昇は、フィラーが含有されていることによって引き起こされる抵抗の増加や電荷トラップサイトの増加による影響が大きい。絶縁性の高いフィラーを用いた場合に多く見られる残留電位の増加は、電子写真装置内では露光部電位が高いことにつながり、画像濃度や階調性の低下を招くことになる。
つまり耐摩耗性を向上させるため保護層を設けることは電気的な特性、即ち暗部電位と露光部電位の差を保つことが困難となるという問題があった。
それを補うためには暗部電位を高くする必要があるが、暗部電位を高くすると電界強度が高くなり、地肌汚れ等の画像欠陥を生じさせるだけでなく、感光体の寿命をも低下させることにつながる。一方、従来技術において残留電位上昇を抑制させる方法としては、保護層を光導電層とする方法(特許文献2〜4)が開示されている。しかし、保護層による光の吸収によって感光層へ到達する光量が減少するため、感光体の感度が低下する問題が生じ、その効果はわずかであった。
一方、導電性フィラーを用いた場合には、残留電位の上昇は小さくなるものの暗抵抗が低下したり、画像出力をおこなった場合、画像の輪郭がぼやけ解像度が低下する、所謂画像ボケが発生し、画像品質が低下する。
従って、従来技術では、絶縁性の高いフィラーは使用しにくく、比較的残留電位の影響が少ない絶縁性の低いフィラーを用いる。それによって発生する画像ボケに対しては、感光体を加熱するドラムヒーターを搭載する手段が用いられている。感光体を加熱することによって画像ボケの発生は抑制できるものの、ドラムヒーターを搭載するには感光体の径が大きくなければならないため、電子写真装置の小型化に伴って、現在主流となりつつある小径感光体には適用できず、小径感光体の高耐久化が困難とされてきた。さらに、ドラムヒーターの搭載によって装置が大型にならざるを得ず、消費電力が顕著に増加する上、装置の立ち上げ時には多くの時間を要する等、多くの課題を残しているのが実状であった。
保護層を設けることによる残留電位上昇を抑制する別の手段としては、保護層中にルイス酸等を添加する方法(特許文献5)、保護層に有機プロトン酸を添加する方法(特許文献6)、電子受容性材料を含有させる方法(特許文献7)、酸価が5(mgKOH/g)以下のワックスを含有させる方法(特許文献8)が開示されている。これらの方法は、保護層/電荷輸送層界面での電荷の注入性を向上させ、また保護層に低抵抗部分が形成されることにより、電荷が表面にまで到達しやすくなることに起因していると考えられている。この方法は、残留電位の低減効果が認められるが、それによって画像ボケを引き起こしやすくなり、画像への影響が顕著に現れる副作用を有する。
また耐摩耗性といった機械的耐久性が向上しても、長期間の繰り返し使用時においては帯電時の放電時に発生するオゾンなどの活性ガス、及び周辺環境に存在する活性ガス、例えば暖房器具などから発生する窒素酸化物ガスなどに感光体が曝されることにより、感光体表面が影響を受けて画像劣化を生じる場合が多々見られた。
この現象は特に耐摩耗性が大幅に向上した場合、即ち膜削れ量が大幅減少した感光体においては、旧来の摩耗量の多い感光体のように、表面から順次摩耗していくことにより、活性ガスや付着したコロナ生成物、及びそれらによって反応等を生じ汚染された最表面が序々に摩耗、研磨されることにより、自ずと新たな最表面へとリフェイスされるといった効果が期待出来ない。したがってこのような表面汚染に起因する画像劣化、即ち異常画像が発生しやすくなる問題を有している。
つまり耐摩耗性の高い感光体においては、そうでない感光体に比較して画像劣化、異常画像の発生がしやすくなる問題を有していた。換言すれば単に耐摩耗性を向上させるだけでは感光体の高耐久化が可能になるわけではなく、耐摩耗性向上といった機械的耐久性だけでなく、残留電位抑制持続といったような静電的耐久性、及びコロナ生成物や活性ガスなどに対しての安定性などの化学的耐久性を向上させなければ感光体の高耐久化をはかったとはいえないのである。
つまり、機械的耐久性を向上させるとともに電気的耐久性、及び化学的耐久性を向上させた、長期間の繰り返し使用においても高画質画像が安定して得られる高耐久な電子写真感光体は得られていなかった。
特開昭57−12244号公報 特公昭44−834号公報 特公昭43−16198号公報 特公昭49−10258号公報 特開昭53−133444号公報 特開昭55−157748号公報 特開平2−4275号公報 特開2000−66434号公報
本発明の目的は、繰り返しの使用にわたっても残留電位上昇、あるいは画像ボケなどの異常画像が発生せず、長期にわたり高画質な画像が安定に得られる高耐久の感光体を提供することにある。また、それらの感光体を用いることにより、感光体の交換が不要で、かつ高速印刷あるいは感光体の小径化に伴う装置の小型化を実現し、さらに繰り返し使用においても高画質画像が安定に得られる電子写真方法、電子写真装置、ならびに電子写真用プロセスカートリッジを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、フィラー分散型の保護層を有する電子写真感光体において感光層と保護層に特定の化合物を含有させることにより、長期間の繰り返し使用時においても優れた耐摩耗性を有し、且つ帯電電位を低下させずに、また残留電位の増加や異常画像を発生をも抑制することを見いだした。
具体的にはフィラー分散型の保護層を有する電子写真感光体において感光層中と保護層中に特定の電荷輸送材料を含有させることにより、繰返し使用時における耐摩耗性、即ち機械的な耐久性を向上させるとともに、帯電電位及び露光部電位といった機内電位を安定させるという静電的な耐久性を向上させることを両立した。
即ち特定の化合物を保護層、及び感光層に加えることにより従来の保護層を設けることにより耐摩耗性を向上させただけの電子写真感光体では困難であった安定した電位特性を保持することを始めて可能にしたものである。
即ち、本願発明は以下に記載するとおりのものであり、この構成要件を満足することにより、高耐久性と高画質化の両立を可能とし、長期間の繰り返し使用に対しても高画質画像を安定に得られる電子写真感光体を提供し、また、繰り返し使用においても高画質画像を安定に得られる電子写真装置、ならびに電子写真用プロセスカートリッジを提供することによって本発明を完成するに至った。
本発明は、少なくとも感光体と、この感光体の表面を一様に帯電する帯電装置と、一様帯電後に像露光を行い静電潜像を形成する像露光装置と、前記静電潜像にトナーを現像する現像装置と、現像像を転写する装置とを具備してなる画像形成要素から成る電子写真装置において、前記感光体が少なくとも感光層、及びフィラーを含有する保護層を順次形成してなる感光体であり、且つ前記感光層中と前記保護層中に、少なくとも前記一般式(I)で表される電荷輸送材料を含み、さらに下記一般式(IV)で表される電荷輸送材料を含有することを特徴とする電子写真装置である。
Figure 0004807838
(式中、R1、R2は、それぞれ独立に水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基からなる群より選ばれる基を表し、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、水酸基、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基からなる群より選ばれる基を表す。)
Figure 0004807838
(式中、R15、R16は、それぞれ独立に水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基からなる群より選ばれる基を表し、R17、R18、R19、R20はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、水酸基、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基からなる群より選ばれる基を表す。)
一般に電荷輸送材料は正孔輸送材料と電子輸送材料とに分けられるが、この一般式(I)で表される化合物は非常に高い電子輸送能を有する化合物であり、感光層が支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順で設けられる場合の積層構成においては正帯電感光体として用いられる。逆に感光層が支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順で設けられる場合の積層構成においては負帯電感光体として用いられる。また感光層が単層構成で用いられる場合には、正孔輸送材料を併用することで正負両帯電において用いることが可能である。
いずれにせよこの一般式(I)で表される化合物を保護層、及び感光層に含有させることにより、これまでの電子写真装置では不可能であった耐摩耗性向上による機械的耐久性と、帯電電位と露光部電位の差、所謂静電コントラストを安定に保ち続ける電気的な耐久性を両立させ、その結果長期の繰返し使用においても安定的に高画質な画像を得ることが出来る電子写真装置が実現可能となった。
またこの一般式(I)で表される化合物は、オゾンや窒素酸化物ガスといった活性ガスに対して非常に安定性が高く、帯電器からこのような活性ガスが発生する電子写真装置に用いるには非常に有利となっている。これは分子構造的にN位の塩基性が強いため、上述のようなガスに対して耐性を有するものと考えられる。即ち前述の機械的耐久性、電気的耐久性に加え化学的な耐久性に関しても非常に優れた電子写真装置を得ることが出来る。
一般式(I)で表される化合物の中でも下記式(1)で表される化合物が好ましく用いることができる。
Figure 0004807838
また、前記一般式(III)、(IV)で表される化合物は非常に高い電荷輸送能を有する化合物であり、感光層が支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順で設けられる場合の積層構成においては正帯電感光体として用いられる。逆に感光層が支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順で設けられる場合の積層構成においては負帯電感光体として用いられる。また感光層が単層構成で用いられる場合には、正孔輸送材料を併用することで正負両帯電において用いることが可能である。
この一般式(III)、(IV)で表される化合物を保護層、及び感光層に含有させることにより、これまでの電子写真装置では不可能であった耐摩耗性向上による機械的耐久性と、帯電電位と露光部電位の差、所謂静電コントラストを安定に保ち続ける電気的な耐久性を両立させ、その結果長期の繰返し使用においても安定的に高画質な画像を得ることが出来る電子写真装置が実現可能となった。
またこの一般式(III)、(IV)で表される化合物は、オゾンや窒素酸化物ガスといった活性ガスに対して非常に安定性が高く、帯電器からこのような活性ガスが発生する電子写真装置に用いるには非常に有利となっている。これは分子構造的にN位の塩基性が強いため、上述のようなガスに対して耐性を有するものと考えられる。即ち前述の機械的耐久性、電気的耐久性に加え化学的な耐久性に関しても非常に優れた電子写真装置を得ることが出来る。
また前記保護層に含まれるフィラーが、少なくとも1種の無機顔料であることで、有機顔料に比べ耐摩耗性を向上させることが可能となり、さらに無機顔料が、少なくとも1種の金属酸化物とすることでよりいっそう耐摩耗性を向上することが可能となる。
加えて前記保護層に含まれる少なくとも1種の金属酸化物を、少なくとも1種の表面処理剤で表面処理することで残留電位の低減をはかることが可能となる。
中でも前記保護層に含まれる表面処理が施された金属酸化物の表面処理剤が、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、Al、TiO、ZrO及び高級脂肪酸からなる群から選ばれる少なくとも1種、又はそれとシランカップリング剤との混合物である場合、その効果はさらに顕著なものとなる。その処理量は概ね金属酸化物に対して3〜30wt%であるとより好ましい結果が得られる。
また前記保護層に含まれるフィラーの平均一次粒径が、0.01μm〜0.5μmであることが耐摩耗性と静電特性を両立させる上で好ましい。フィラー粒径が0.01μmより小さくなると、耐摩耗性を発現させるのに効果が小さくなり、また0.5μmより大きくなると分散性が低下し均一な膜質を得られにくくなり、また経時での残留電位の蓄積性が大きくなるためである。
加えて前記感光層に下記一般式(II)で表される化合物を含有することで繰返し使用時に帯電装置などから発生するオゾンや窒素酸化物ガス(例えばNO、NO)といった活性ガスの感光層への浸入に起因する帯電性の低下よる画像品質の低下が抑制され、より長期にわたり高画質な画像を得ることが出来る。
Figure 0004807838
更に前記保護層に下記構造式(A)で表される化合物を含有することで、繰返し使用時に発生する画像の解像度低下、所謂画像ボケを低減させることが可能となる。画像ボケは上記のオゾンやNOxといった酸化性のガスに起因して発生する表面への酸化物堆積が原因で、特に高湿下において表面抵抗値が低下することによって発生するが、下記構造式(A)で表される化合物を併用することで効果的に画像ボケを抑制することが可能となる。
Figure 0004807838
また前記保護層に用いるバインダー樹脂として、少なくともポリカーボネート樹脂及び/又はポリアリレート樹脂を含有させることにより成膜性、及び耐摩耗性を両立することが可能となる。
またこれらの電子写真装置は少なくとも電子写真感光体を具備してなる電子写真装置用プロセスカートリッジとして、該電子写真感光体が前述のいずれかのものであることを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリッジとして提供することが出来る。
本発明の感光体は、繰り返し使用しても残留電位上昇、あるいは画像ボケなどの異常画像が発生せず、長期にわたり高画質な画像が安定に得られるという効果を奏する。
以下に本発明について詳細に説明する。
まず、本発明に用いられる電子写真感光体を図面に沿って説明する。
図1は、導電性支持体31上に、電荷発生材料と電荷輸送材料を主成分とする単層の感光層33が設けられ、更にこの感光層の上に保護層39が設けられてなる。この場合、感光層33と保護層39には前記一般式(I)で表される化合物を含有され、保護層にはフィラーが含有される。
図2は、導電性支持体31上に、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層35と電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層37とが順に積層された感光層をもつ構成をとっており、この電荷輸送層の上に保護層39が設けられてなる。この場合、電荷発生層35、電荷輸送層37のいずれか、もしくは両方には前記一般式(I)で表される化合物が含有され、また保護層39には少なくともフィラー、及び前記一般式(I)で表される化合物が含有されてなる。また図示していないが導電性支持体31上に電荷輸送層37、電荷発生層35、保護層39の順で感光体を構成することも可能である。
導電性支持体31としては、体積抵抗1010 Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体31として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体31として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などがあげられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体31として良好に用いることができる。
次に感光層について説明する。
本発明の電子写真装置の感光体における感光層と保護層には前記一般式(I)で表される電荷輸送材料が用いられる。好ましくは前記式(1)表される電荷輸送材料が用いられる
該置換又は無置換のアルキル基としては、炭素数1〜25、好ましくは炭素数1〜10の炭素原子を有するアルキル基、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ペプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基といった直鎖状のもの、i―プロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、メチルプロピル基、ジメチルプロピル基、エチルプロピル基、ジエチルプロピル基、メチルブチル基、ジメチルブチル基、メチルペンチル基、ジメチルペンチル基、メチルヘキシル基、ジメチルヘキシル基等の分岐状のもの、アルコキシアルキル基、モノアルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルキルカルボニルアルキル基、カルボキシアルキル基、アルカノイルオキシアルキル基、アミノアルキル基、エステル化されていてもよいカルボキシル基で置換されたアルキル基、シアノ基で置換されたアルキル基等が例示できる。なお、これらの置換基の置換位置については特に限定されず、上記置換又は無置換のアルキル基の炭素原子の一部がヘテロ原子(N、O、S等)に置換された基も置換されたアルキル基に含まれる。
該置換又は無置換のシクロアルキル基としては、炭素数3〜25、好ましくは炭素数3〜10の炭素原子を有するシクロアルキル環、具体的には、シクロプロパンからシクロデカンまでの同属環、メチルシクロペンタン、ジメチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、テトラメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、t−ブチルシクロヘキサン等のアルキル置換基を有するもの、アルコキシアルキル基、モノアルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、カルボキシアルキル基、アルカノイルオキシアルキル基、アミノアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、エステル化されていてもよいカルボキシル基、シアノ基等で置換されたシクロアルキル基等が例示できる。なお、これらの置換基の置換位置については特に限定されず、上記置換又は無置換のシクロアルキル基の炭素原子の一部がヘテロ原子(N、O、S等)に置換された基も置換されたアルキル基に含まれる。
置換または無置換のアラルキル基としては、上述の置換または無置換のアルキル基に芳香族環が置換した基が挙げられ、炭素数6〜14のアラルキル基が好ましい。より具体的には、ベンジル基、ペルフルオロフェニルエチル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、ターフェニルエチル基、ジメチルフェニルエチル基、ジエチルフェニルエチル基、t−ブチルフェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、4−フェニルブチル基、5−フェニルペンチル基、6−フェニルヘキシル基、ベンズヒドリル基、トリチル基などが例示できる。
前記式(1)で表される電荷輸送材料の製造方法としては、下記の方法が例示できる。
ナフタレンカルボン酸若しくはその無水物をアミン類と反応させ、モノイミド化する方法、ナフタレンカルボン酸若しくはその無水物を緩衝液によりpH調整してジアミン類と反応させる方法等により得られる。モノイミド化は無溶媒、若しくは溶媒存在下でおこなう。溶媒としては特に制限はないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロナフタレン、酢酸、ピリジン、メチルピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルエチレンウレア、ジメチルスルホキサイド等原料や生成物と反応せず50℃〜250℃の温度で反応させられるものを用いるとよい。pH調整には水酸化リチウム、水酸化カリウム等の塩基性水溶液をリン酸等の酸との混合により作製した緩衝液を用いる。カルボン酸とアミン類やジアミン類とを反応させて得られたカルボン酸誘導体脱水反応は無溶媒、若しくは溶媒存在下でおこなう。溶媒としては特に制限は無いがベンゼン、トルエン、クロロナフタレン、ブロモナフタレン、無水酢酸等原料や生成物と反応せず50℃〜250℃の温度で反応させられるものを用いるとよい。いずれの反応も、無触媒若しくは触媒存在下でおこなってよく、特に限定されないが例えばモレキュラーシーブスやベンゼンスルホン酸やp-トルエンスルホン酸等を脱水剤として用いることが例示できる。
式(1)で表される化合物としては、具体的には、下記式(2)乃至式(6)で表される電荷輸送材料が、得られるが画像が高品質である点で好ましい。尚、式中Meはメチル基を示す。
Figure 0004807838
Figure 0004807838
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Figure 0004807838
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本発明で用いられる一般式(1)で表される化合物の合成方法の一例をあげる。ナフタレンカルボン酸もしくはその無水物をアミン類と反応させ、モノイミド化する方法、ナフタレンカルボン酸もしくはその無水物を緩衝液によりpH調整してジアミン類と反応させる方法などにより得られる。モノイミド化は無溶媒、もしくは溶媒存在下でおこなう。溶媒としては特に制限はないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロナフタレン、酢酸、ピリジン、メチルピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルエチレンウレア、ジメチルスルホキサイドなど原料や生成物と反応せず50℃〜250℃の温度で反応させられるものを用いるとよい。pH調整には水酸化リチウム、水酸化カリウムなどの塩基性水溶液をリン酸などの酸との混合により作製した緩衝液を用いる。カルボン酸とアミン類やジアミン類とを反応させて得られたカルボン酸誘導体脱水反応は無溶媒、もしくは溶媒存在下でおこなう。溶媒としては特に制限は無いがベンゼン、トルエン、クロロナフタレン、ブロモナフタレン、無水酢酸など原料や生成物と反応せず50℃〜250℃の温度で反応させられるものを用いるとよい。いずれの反応も、無触媒もしくは触媒存在下でおこなってよく、特に限定されないが例えばモレキュラーシーブスやベンゼンスルホン酸やp-トルエンスルホン酸などを脱水剤として用いることができる。
上記式(2)〜(6)で表される化合物の合成方法については後述する。
次に上記一般式(III)で表される電荷輸送材料について説明する。
一般式(III)で表される電荷輸送材料は主に以下の2通りの合成方法によって合成される。
Figure 0004807838
Figure 0004807838
一般式(III)で表される電荷輸送材料の繰り返し単位nは1から100の整数である。
繰り返し単位nは、重量平均分子量(Mw)から求められる。すなわち化合物は分子量に分布をもった状態で存在する。nが100をこえると化合物の分子量が大きくなり、各種溶媒に対する溶解性が落ちるため、100以下が好ましい。
一方、例えばnが1の場合はナフタレンカルボン酸の三量体であるが、R1、R2の置換基を適切に選択することにより、オリゴマーでも優れた電子移動特性が得られる。このように繰り返し単位nの数により、オリゴマーからポリマーまで幅広い範囲のナフタレンカルボン酸誘導体が合成される。
オリゴマー領域の分子量が小さい範囲では、段階的に合成することで、単分散の化合物を得ることができる。分子量が大きい化合物の場合は、分子量に分布をもった化合物が得られる。
一般式(III)で表される電荷輸送材料としては具体的に以下の化合物が例示できる(ただし、いずれも式中、両端の末端基はMe(メチル基)を表す。)。
Figure 0004807838
尚、上述の構造式(III−1)で表される電荷輸送材料は、下記の方法により製造した。
第一工程
200ml4つ口フラスコに、1,4,5,8―ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.0g(18.6mmol)、DMF50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノペンタン1.62g(18.6mmol)とDMF25mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶し、モノイミド体E 3.49g(収率45.8%)を得た。
第二工程
100ml4つ口フラスコに、モノイミド体E 3.0g(7.33mmol)と、1,4,5,8―ナフタレンテトラカルボン酸二無水物0.983g(3.66mmol)、ヒドラジン一水和物0.368g(7.33mmol)、p−トルエンスルホン酸10mg、トルエン50mlを入れ、5時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて2回精製した。更に回収品をトルエン/酢酸エチルにより再結晶し、構造式(1−○A)で表される化合物 0.939g(収率13.7%)を得た。
質量分析(FD−MS)において、M/z=934のピークが観測されたことにより目的物であると同定した。元素分析は計算値、炭素66.81%、水素3.67%、窒素8.99%に対し、実測値で炭素66.92%、水素3.74%、窒素9.05%であった。
またこれらの電荷輸送材料に加えて、上記一般式(IV)で表される電荷輸送物質をさらに加えることにより、電荷輸送能を低下させることなく成膜時における収縮を緩和し、アルミ蒸着したPETシートやニッケルベルト等のフレキシブルなシートを支持体とした場合、一般にカールと称される反りが減少させることが可能となる。また添加により膜が緻密となるため酸性ガスによる影響をさらに受けにくくなるという利点、即ち耐ガス性が向上するという効果がある。
加えて膜が緻密になることにより耐摩耗性も向上する。
一般式(IV)で表される電荷輸送材料としては具体的に以下の化合物が例示できる。
Figure 0004807838
これらの電荷輸送材料の添加量としては特に限定されるものではないが、好ましくは電荷輸送材料全体量に対して1%から50%程度であり、より好ましくは5%〜30%である。添加量が1%未満であると膜質改善が軽微で明確な効果が見られず、50%以上となると電荷輸送能がやや低下する傾向がみられる場合があるからである。
本発明で用いられる感光体の感光層は単層構成でも積層構成でもよいが、説明の都合上、先ず電荷発生層35と電荷輸送層37で構成される積層構成の場合から述べる。
電荷発生層35は、電荷発生材料を主成分とする層である。電荷発生層35には、公知の電荷発生材料を用いることが可能であり、その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ用いられる。本発明に用いられる電荷発生材料としては、特に限定されるものではないがフタロシアニン系の顔料が本件発明に必要な諸特性の面から特に好ましい。その中でも中心金属としてチタンを有するチタニルフタロシアニンであることによって、特に感度が高い感光層とすることが出来、電子写真装置として小型化と高速化をよりいっそうはかることが可能となる。
さらに各種の結晶形のうち、ブラッグ角2θの27.2°に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンが特に優れた感度特性を示し、良好に使用される。特に、特開2001−19871号公報に記載されている27.2°に最大回析ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回析ピークとして7.3°にピークを有し、該7.4゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さないチタニルフタロシアニンを用いることで、高感度を失うことなく、繰り返し使用しても帯電性の低下を生じない安定した電子写真感光体を得ることができる。これら電荷発生材料は単独でも、2種以上混合してもかまわない。
電荷発生層35は、電荷発生材料を必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。
必要に応じて電荷発生層35に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
結着樹脂の量は、電荷発生材料100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。結着樹脂の添加は、分散前あるいは分散後どちらでも構わない。
ここで用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。これらは単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
電荷発生層35は、電荷発生材料、溶媒及び結着樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等が含まれていても良い。
塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
電荷発生層35の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
次に電荷輸送層37であるが電荷輸送層37は、前記一般式(I)で表される電荷輸送材料および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。
電荷輸送材料は、前記一般式(I)で表される化合物以外に、公知の材料を併用することが出来る。
電荷輸送材料は、大きく電子輸送材料と正孔輸送材料に分類される。
例えば電子輸送材料としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性材料が挙げられる。
また正孔輸送材料としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
また、必要により単独あるいは2種以上の可塑剤、レベリング剤等を添加することもできる。
電荷輸送材料の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は解像度・応答性の点から、25μm以下とすることが好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)に異なるが、5μm以上が好ましい。
ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。これらは単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。
次に感光層が単層構成の場合について述べる。
単層の感光層には、上述した電荷発生材料、電荷輸送材料、結着樹脂などが全て使用できる。
感光層は、電荷発生材料および電荷輸送材料、および結着樹脂などを適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤等を添加することもできる。結着樹脂100重量部に対する電荷発生材料の量は1〜40重量部が好ましく、電荷輸送材料の量は0〜190重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150重量部である。感光層は、電荷発生材料、結着樹脂を電荷輸送材料とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。感光層の膜厚は、10〜40μm程度が適当である。
また感光層には帯電安定性、及び活性ガスに対する耐性の向上目的で酸化防止剤を添加することが出来る。これらの酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤がいずれも好適に用いられるが、中でも有機硫黄系化合物が好ましい。とりわけ下記一般式(II)で表される構造のものが特性上好ましい。
Figure 0004807838
nが8より小さいと昇華しやすくnが25より大きいと感光層中での相溶性が悪化し、析出するようになってしまう。一般式(II)で表される有機硫黄系化合物の具体例を以下に示すが本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
Figure 0004807838
次に保護層39について説明する。
保護層39はフィラー材料を結着樹脂とともに適当な溶剤を介して分散せしめるとともにこれを感光層上に塗布、乾燥することにより形成される。
保護層39に使用されるフィラ−とは一般に有機性フィラーと無機性フィラーに分類される。有機性フィラ−材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコ−ン樹脂粉末、a−カ−ボン粉末等が挙げられ、無機性フィラ−材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをド−プした酸化錫、錫をド−プした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などが挙げられる。これらのフィラーの中で、フィラーの硬度の点から無機フィラーである無機顔料を用いることが耐摩耗性の向上に対し有利であり、中でも金属酸化物が特性的に優れる。
さらに、これらのフィラーは少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、そうすることがフィラーの分散性の面から好ましい。フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤すべてを使用することができるが、フィラーの絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。
例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸等、あるいはこれらとシランカップリング剤との混合処理や、Al、TiO、ZrO、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、あるいはそれらの混合処理がフィラーの分散性及び画像ボケの点からより好ましい。シランカップリング剤による処理は、画像ボケの影響が強くなるが、上記の表面処理剤とシランカップリング剤との混合処理を施すことによりその影響を抑制できる場合がある。表面処理量については、用いるフィラーの平均一次粒径によって異なるが、3〜30wt%が適しており、5〜20wt%がより好ましい。表面処理量がこれよりも少ないとフィラーの分散効果が得られず、また多すぎると残留電位の著しい上昇を引き起こす。
また保護層に用いられる結着樹脂材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリール樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリアリレート、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。フィラーの分散性、残留電位、塗膜欠陥の点から、特にポリカーボネートあるいはポリアリレートが有効かつ有用である。
保護層に用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなど、電荷輸送層37で使用されるすべての溶剤を使用することができる。但し、分散時には粘度が高い溶剤が好ましいが、塗工時には揮発性が高い溶剤が好ましい。これらの条件を満たす溶剤がない場合には、各々の物性を有する溶剤を2種以上混合させて使用することが可能であり、フィラーの分散性や残留電位に対して大きな効果を有する場合がある。
前記フィラ−材料は、ボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などの従来方法を用いて分散することができる。この中でも、外界からの不純物の混入が少ないボールミルによる分散が分散性の点からより好ましい。使用されるメディアの材質については、従来使用されているジルコニア、アルミナ、メノウ等すべてのメディアを使用することができる。
また、フィラ−の平均一次粒径は、0.01〜0.5μmであることが保護層の光透過率や耐摩耗性の点から好ましい。フィラーの平均一次粒径が0.01μm未満の場合は、耐摩耗性の低下、分散性の低下等を引き起こし、0.5μmを超える場合には、フィラーの沈降性が促進されたり、トナーのフィルミングが発生したりする可能性がある。
保護層の形成法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビードコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の従来方法を用いることができるが、特に塗膜の均一性の面からスプレーコートがより好ましい。さらに、保護層の必要膜厚を一度で塗工し、保護層を形成することも可能であるが、2回以上重ねて塗工し、保護層を多層にする方が膜中におけるフィラーの均一性の面からより好ましい。そうすることによって、残留電位の低減、解像度の向上、及び耐摩耗性の向上に対しより一層の効果が得られる。なお、保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。
また本発明においては感光体の最表層である保護層には帯電安定性、及び活性ガスに対する耐性の向上目的で酸化防止剤を添加することが出来る。酸化防止剤としては公知のものを使用することが可能であるが、中でもヒンダードアミン構造とヒンダードフェノール構造の両構造を有する化合物を併用することにより長期間の繰り返し使用によるオゾン等の活性ガスから感光体の劣化を大幅に抑制することが可能となる。
ここで言うヒンダードアミン構造とはアミノ窒素原子近傍に嵩高い原子団が存在する構造を示す。いわゆる芳香族アミン、脂肪族アミン系材料もこれに該当する。またヒンダードフェノール構造とは、フェノール性水酸基のオルト位に嵩高い原子団が存在する構造を示す。これら両構造を有する化合物の作用メカニズムの詳細は明らかになっていないが嵩高い原子団が存在することにより生じる立体障害によりアミノ窒素原子、フェノール性水酸基の熱振動を抑制し、外部からの活性ガスなどの影響を抑制すると推定される。
ヒンダードアミン構造とヒンダードフェノール構造の両構造を有する化合物の例としては種々のものが有り、その全てを用いることが出来るが、中でも下記構造式(A)で表される1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジンが好ましい。
Figure 0004807838
フィラー材料と、ヒンダードアミン構造とヒンダードフェノール構造の両構造を有する化合物の比率は、フィラーに対して0.01wt%〜50wt%、さらに好ましくは0.1wt%〜20wt%であるが、添加量を必要以上に多くすると、耐摩耗性の低下が現れることがあり、添加量が少なすぎると異常画像抑制効果が十分に発揮されなくなる。
本発明の感光体においては、図示していないが導電性支持体31と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Al23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
次に図面を用いて本発明の電子写真方法ならびに電子写真装置を詳しく説明する。
図3は、本発明の電子写真プロセス及び電子写真装置を説明するための概略図であり、下記のような例も本発明の範疇に属するものである。
図3において、感光体1はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。帯電チャージャー3、転写前チャージャー7、転写チャージャー10、分離チャージャー11、クリーニング前チャージャー13には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラ等が用いられ、公知の手段がすべて使用可能である。
転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、図に示されるように転写チャージャーと分離チャージャーを併用したものが効果的である。
また、画像露光部5、除電ランプ2等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
光源等は、図3に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。
さて、現像ユニット6により感光体1上に現像されたトナーは、転写紙9に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体1上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、ファーブラシ14およびブレード15により、感光体より除去される。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
図4には、本発明による電子写真プロセスの別の例を示す。感光体21は駆動ローラ22a,22bにより駆動され、帯電器23による帯電、光源24による像露光、現像(図示せず)、帯電器25を用いる転写、光源26によるクリーニング前露光、ブラシ27によるクリーニング、光源28による除電が繰返し行なわれる。図4においては、感光体21(勿論この場合は支持体が透光性である)に支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行なわれる。
以上の図示した電子写真プロセスは、本発明における実施形態を例示するものであって、もちろん他の実施形態も可能である。例えば、図4において支持体側よりクリーニング前露光を行っているが、これは感光層側から行ってもよいし、また、像露光、除電光の照射を支持体側から行ってもよい。
一方、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、およびその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行うこともできる。
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として、図5に示すものが挙げられる。
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明が実施例により制約を受けるものではない。なお、部はすべて重量部である。
<合成例1> 式(2)で示される化合物の合成
上述の式(2)で表される電荷輸送材料を、下記の方法により製造した。
(第一工程)
200ml4つ口フラスコに、1,4,5,8―ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.0g(18.6mmol)、DMF50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノヘプタン2.14g(18.6mmol)とDMF25mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶し、モノイミド体A 2.14g(収率31.5%)を得た。
(第二工程)
100ml4つ口フラスコに、モノイミド体A 2.0g(5.47mmol)と、ヒドラジン一水和物0.137g(2.73mmol)、p−トルエンスルホン酸10mg、トルエン50mlを入れ、5時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/酢酸エチルにより再結晶し、式(2)で表される化合物 0.668g(収率33.7%)を得た。
<合成例2> 式(3)で示される化合物の合成
上述の式(3)で表される電荷輸送材料を、下記の方法により製造した。
(第一工程)
200ml4つ口フラスコに、1,4,5,8―ナフタレンテトラカルボン酸二無水物10g(37.3mmol)とヒドラジン一水和物0.931g(18.6mmol)、p−トルエンスルホン酸20mg、トルエン100mlを入れ、5時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/酢酸エチルにより再結晶し、二量体C 2.84g(収率28.7%)を得た。
(第二工程)
100ml4つ口フラスコに、二両体C 2.5g(4.67mmol)、DMF30mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノプロパン0.278g(4.67mmol)とDMF10mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、モノイミド体C 0.556g(収率38.5%)を得た。
(第三工程)
50ml4つ口フラスコに、モノイミド体C 0.50g(1.62mmol)、DMF10mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノヘプタン0.186g(1.62mmol)とDMF5mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶し、上記式(3)で表される化合物0.243g(収率22.4%)を得た。
<合成例3> 式(4)で示される化合物の合成
上述の式(4)で表される電荷輸送材料を、下記の方法により製造した。
(第一工程)
200ml4つ口フラスコに、1,4,5,8―ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.0g(18.6mmol)、DMF50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノプロパン1.10g(18.6mmol)とDMF25mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶し、モノイミド体B 2.08g(収率36.1%)を得た。
(第二工程)
100ml4つ口フラスコに、モノイミド体B 2.0g(6.47mmol)と、ヒドラジン一水和物0.162g(3.23mmol)、p−トルエンスルホン酸10mg、トルエン50mlを入れ、5時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/酢酸エチルにより再結晶し、式(4)で表される電荷輸送材料 0.810g(収率37.4%)を得た。
<合成例4> 式(5)で示される化合物の合成
上述の式(5)で表される電荷輸送材料を、下記の方法により製造した。
(第一工程)
200ml4つ口フラスコに、上述した二量体C 5.0g(9.39mmol)、DMF50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノヘプタン 1.08g(9.39mmol)DMF25mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、モノイミド体D 1.66g(収率28.1%)を得た。
(第二工程)
100ml4つ口フラスコに、モノイミド体D 1.5g(2.38mmol)、DMF50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノオクタン0.308g(2.38mmol)とDMF10mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶し、式(5)で表される電荷輸送材料 0.328g(収率18.6%)を得た。
<合成例5> 式(6)で示される化合物の合成
上述の式(6)で表される電荷輸送材料を、下記の方法により製造した。
(第一工程)
200ml4つ口フラスコに、上述した二量体C 5.0g(9.39mmol)、DMF50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノヘプタン 1.08g(9.39mmol)DMF25mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、モノイミド体D 1.66g(収率28.1%)を得た。
(第二工程)
100ml4つ口フラスコに、モノイミド体D 1.5g(2.38mmol)、DMF50mlを入れ、加熱還流させた。これに、6−アミノウンデカン0.408g(2.38mmol)とDMF10mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶し、上述した式(6)で表される電荷輸送材料 0.276g(収率14.8%)を得た。
参考例1]
直径30mm、長さ340mmのアルミニウムドラム上に下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、浸漬塗工によって順次塗布、乾燥し、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、26μmの電荷輸送層を形成した。
<下引き層塗工液>
二酸化チタン粉末:400部
メラミン樹脂(大日本インキ工業株式会社:スーパーベッカミンG821-60): 40部
アルキッド樹脂(大日本インキ工業株式会社:ベッコライトM6401-50): 60部
2−ブタノン:500部
<電荷発生層塗工液>
無金属フタロシアニン顔料 : 12部
(大日本インキ工業株式会社:Fastogen Blue8120B)
ポリビニルブチラール樹脂 : 5部
(積水化学工業株式会社:エスレックBX−1)
2−ブタノン: 200部
シクロヘキサノン: 400部
<電荷輸送層塗工液>
ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製): 8.5部
下記式(2)の電荷輸送材料: 10部
テトラヒドロフラン: 100部
Figure 0004807838
続いて電荷輸送層上に、下記組成の保護層塗工液をスプレー塗工法によって約3.5μmの保護層を形成し、参考例1の電子写真感光体を作製した。
<保護層塗工液>
アルミナ(平均一次粒径:0.3μm、住友化学工業製): 3部
前記式(2)で表される電荷輸送材料: 4部
ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製): 5.5部
テトラヒドロフラン: 220部
シクロヘキサノン: 80部
分散剤(BYKP-104、BYK Chemie社製): 0.03部
以上のように作製した参考例1の電子写真感光体を電子写真プロセス用カートリッジ(ただし、クリーニング前露光は無し)に装着し、画像露光光源を 780nm の半導体レーザーを用いたリコー製レーザープリンタ改造機にて、まず連続して1万枚の印刷を行い、その際初期画像及び1万枚印刷後の暗部電位、明部電位、画像品質について評価を行った。暗部電位、明部電位、画像品質については以下のようにして評価した。
参考例2]
参考例1において、保護層塗工液に用いたフィラーを下記の材料に変更した以外は、すべて[参考例1と同様にして参考例2用の電子写真感光体を作製し、参考例1と同様の評価をおこない参考例2とした。
酸化チタン(平均一次粒径0.3μm、石原産業製):3部
参考例3]
参考例1において電荷発生材料をFastogen Blue8120Bに代えて下記合成例6に従って作製したチタニルフタロシアニンを用いた以外は参考例1と全く同様にして参考例3用の電子写真感光体を作製し、参考例1と同様の評価をおこない参考例3とした。
(合成例6)
特開2001−19871号公報に準じて、顔料を作製した。すなわち、1,3−ジイミノイソインドリン29.2gとスルホラン200mlを混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド20.4gを滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行なった。反応終了後、放冷した後析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、つぎにメタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶を濾過、ついで洗浄液が中性になるまで水洗いを繰り返し(洗浄後のイオン交換水のpH値は6.8であった)、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキ(水ペースト)を得た。得られたこのウェットケーキ(水ペースト)40gをテトラヒドロフラン200gに投入し、4時間攪拌を行なった後、濾過を行い、乾燥して、チタニルフタロシアニン粉末を得た。これを顔料1とする。
上記ウェットケーキの固形分濃度は、15wt%であった。結晶変換溶媒のウェットケーキに対する重量比は33倍である。尚、合成例6の原材料には、ハロゲン化物を使用していない。
得られたチタニルフタロシアニン粉末を、下記の条件によりX線回折スペクトル測定したところ、Cu−Kαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θが27.2±0.2°に最大ピークと最低角7.3±0.2°にピークを有し、かつ7.3°のピークと9.4°のピークの間にピークを有さず、かつ26.3°にピークを有さないチタニルフタロシアニン粉末を得られた。その結果を図6に示す。
(X線回折スペクトル測定条件)
X線管球 :Cu
電圧 :50kV
電流 :30mA
走査速度 :2°/分
走査範囲 :3°〜40°
時定数 :2秒
なおこのチタニルフタロシアニンを用いた電荷発生層用塗工液中での平均粒子サイズを堀場製作所製CAPA-700で測定したところ0.29μmであった
参考例4]
参考例4で用いる感光体を以下のように作製した。
まず、電荷発生材料として無金属フタロシアニン顔料(大日本インキ工業株式会社:FastogenBlue8120B)を30重量部、シクロヘキサンノン970重量とともにボールミル装置にて2時間分散せしめ、電荷発生材料分散液とした。これとは別にテトラヒドロフラン340重量部に、ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、粘度平均分子量;4.0万、帝人化成社製) 49重量部、前記式(2)の化合物20重量部、下記構造式(B)の化合物29.5重量部、及びシリコーンオイル(KF50-100CS信越化学工業社製)0.1重量部を溶解せしめ、これに前述の電荷発生材料分散液66.6重量部を添加し撹拌して感光層塗工液とした。
Figure 0004807838
次いで、直径30mm、長さ340mmのアルミニウムドラム上に、前記感光層塗工液を用いて浸漬塗工をおこない成膜して、乾燥120℃で15分乾燥した。
なお感光層は25.6μmの厚さとなるような浸漬塗工条件で作製した。
以上のようにして作製した感光層上に参考例1と同様の保護層塗工液をスプレー塗工法によって約3.8μmの保護層を形成し、参考例4用の電子写真感光体を作製し、参考例1と同様の評価をおこない参考例4とした。
参考例5]
参考例4において電荷発生材料として無金属フタロシアニン顔料(大日本インキ工業株式会社:Fastogen Blue8120B)に代えて、前記合成例6に従って作製したチタニルフタロシアニンを用いた以外は参考例4と全く同様にして参考例5用の電子写真感光体を作製し、参考例1と同様の評価をおこない参考例5とした。
参考例6]
参考例5において保護層塗工液にヒンダードアミン構造とヒンダードフェノール構造を有する前記構造式(A)の化合物を0.22部加えた以外は参考例5と全く同様にして参考例6用の電子写真感光体を作製し、参考例1と同様の評価をおこない参考例6とした。
参考例7]
参考例6において感光層塗工液に下記構造式(C)の有機硫黄系化合物(住友化学工業製):0.15部を加えた以外は参考例6と全く同様にして参考例7用の電子写真感光体を作製し、参考例1と同様の評価をおこない参考例7とした。
Figure 0004807838
参考例8]
参考例5において感光層塗工液に用いた電荷輸送材料に代えて下記式(3)の電荷輸送材料を用いた以外は参考例5と全く同様にして参考例8用の電子写真感光体を作製し、参考例1と同様の評価をおこない参考例8とした。
Figure 0004807838
参考例9]
参考例5において感光層塗工液に用いた電荷輸送材料に代えて下記式(4)の電荷輸送材料を用いた以外は参考例5と全く同様にして参考例9用の電子写真感光体を作製し、参考例1と同様の評価をおこない参考例9とした。
Figure 0004807838
参考例10]
参考例7において感光層塗工液に用いた構造式(C)の有機硫黄系化合物に代えて下記構造式(D)の有機硫黄系化合物を用いた以外は参考例7と全く同様にして参考例10用の電子写真感光体を作製し、参考例1と同様の評価をおこない参考例10とした。
Figure 0004807838
参考例11]
参考例7において保護層塗工液に用いたヒンダードアミン構造とヒンダードフェノール構造を有する構造式(A)の化合物に代えて下記構造式(E)のヒンダードアミン構造とヒンダードフェノール構造を有する化合物を用いた以外は参考例7と全く同様にして参考例11用の電子写真感光体を作製し参考例1と同様の評価をおこない参考例11とした。
Figure 0004807838
参考例12]
参考例7において、保護層塗工液に用いたフィラーを下記の材料に変更した以外は、すべて参考例7と同様にして、参考例12用の電子写真感光体を作製し、参考例1と同様の評価をおこない参考例12とした。
アルミナ処理酸化チタン(平均一次粒径0.035μm、テイカ製)
参考例13]
参考例7において、保護層塗工液に用いたフィラーを下記の材料に変更した以外は、すべて参考例7と同様にして、1参考例3用の電子写真感光体を作製し、参考例1と同様の評価をおこない参考例13とした。
シリカ(平均粒径0.015μm、信越シリコーン製)
参考例14]
参考例5において、保護層塗工液に用いた電荷輸送材料を下記式(5)であらわされる化合物に変更した以外は、すべて参考例5と同様にして、参考例14用の電子写真感光体を作製し、参考例1と同様の評価をおこない参考例14とした。
Figure 0004807838
参考例15]
参考例5において、保護層塗工液に用いた電荷輸送材料を下記式(6)であらわされる化合物に変更した以外は、すべて参考例5と同様にして、参考例15用の電子写真感光体を作製し、参考例1と同様の評価をおこない参考例15とした。
Figure 0004807838
参考例16]
参考例7において、保護層塗工液に用いたバインダー樹脂を下記の材料に変更した以外は、すべて参考例7と同様にして、参考例16用の電子写真感光体を作製し、参考例1と同様の評価をおこない参考例16とした。
ポリアリレート樹脂(Uポリマー100、ユニチカ製):10部
参考例17]
参考例5において、保護層塗工液に用いた式(2)であらわされる電荷輸送材料を下記構造式(III−1)であらわされる化合物に変更した以外はすべて参考例5と同様にして、参考例17用の電子写真感光体を作製し、参考例1と同様の評価をおこない参考例17とした。
Figure 0004807838
参考例18]
参考例5において、保護層塗工液に用いた式(2)であらわされる電荷輸送材料を下記構造式(III−2)であらわされる化合物に変更した以外はすべて参考例5と同様にして、参考例18用の電子写真感光体を作製し、参考例1と同様の評価をおこない参考例18とした。
Figure 0004807838
参考例19]
参考例5において、保護層塗工液に用いた式(2)であらわされる電荷輸送材料を下記構造式(III−3)であらわされる化合物に変更した以外はすべて参考例5と同様にして、参考例19用の電子写真感光体を作製し、参考例1と同様の評価をおこない参考例19とした。
(式中nは1〜100まで数値を表し、これらのものの混合体である。)
Figure 0004807838
[実施例
参考例5おいて、保護層塗工液に用いた式(2)であらわされる電荷輸送材料を3部として、新たに下記構造式(IV−1)であらわされる電荷輸送材料を1部加えた以外はすべて参考例5と同様にして、実施例用の電子写真感光体を作製し、参考例1と同様の評価をおこない実施例とした。
Figure 0004807838
[比較例1]
参考例1において、保護層を設けなかった以外は、すべて参考例1と同様にして、比較例1用の電子写真感光体を作製し、参考例1と同様の評価をおこない比較例1とした。
[比較例2]
参考例1において、保護層塗工液にアルミナを加えなかった以外は、すべて参考例1と同様にして、比較例2用の電子写真感光体を作製し、参考例1と同様の評価をおこない比較例2とした。
[比較例3]
参考例1において、保護層塗工液に用いた前記式(2)で表される化合物を加えず、代わりに下記構造式(F)で表される化合物とした以外は、すべて参考例1と同様にして、比較例3の電子写真感光体を作製し、参考例1と同様の評価をおこない比較例3とした。
Figure 0004807838
[比較例4]
参考例1において、電荷輸送層塗工液に用いた前記式(2)で表される化合物を加えず、代わりに前記構造式(F)で表される化合物とした以外は、すべて参考例1と同様にして、比較例4用の電子写真感光体を作製し、参考例1と同様の評価をおこない比較例4とした。
[比較例5]
参考例1において、電荷輸送層塗工液に用いた前記式(2)で表される化合物を加えず、代わりに前記構造式(F)で表される化合物とし、保護層塗工液に前記式(2)で表される化合物を加えず、代わりに前記構造式(F)で表される化合物とした以外は、すべて参考例1と同様にして、比較例5用の電子写真感光体を作製し、参考例1と同様の評価をおこない比較例5とした。
参考例1〜19、実施例1、及び比較例1〜5の結果を表1、表2に示す。
Figure 0004807838
Figure 0004807838
表1、表2の評価結果より、長期の繰返し使用後においても実施例の感光体は暗部電位、明部電位ともに変化が少なく優れた静電安定性を示し、活性ガスに対しても優れた化学的安定性を示し、かつ高い耐摩耗性を有しており、安定して高画質な画像が得られることがわかる。
本発明の電子写真装置における感光体は高耐久性を有し、かつ高画質化を実現することができるので、感光体を使用した電子写真方法、電子写真装置、電子写真用プロセスカートリッジに好適に用いることができる。
感光体の感光層の層構成を示す図である。 感光体の感光層の他の層構成を示す図である。 本発明の電子写真プロセス及び電子写真装置を説明するための概略図である。 本発明による電子写真プロセスの他の例を示す概略図である。 本発明のプロセスカートリッジの構成例を示す図である。 チタニルフタロシアニン粉末のX線回折スペクトルを示す図である。
符号の説明
1 感光体
2 除電ランプ
3 帯電チャージャー
4 イレーサ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャー
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャー
11 分離チャージャー
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャー
14 ファーブラシ
15 クリーニングブラシ
22 駆動ローラ
23 帯電器
24 像露光源
25 転写チャージャ
26 光源
27 クリーニングブラシ
28 除電光源

Claims (11)

  1. 少なくとも感光体と、この感光体の表面を一様に帯電する帯電装置と、一様帯電後に像露光を行い静電潜像を形成する像露光装置と、前記静電潜像にトナーを現像する現像装置と、現像像を転写する装置とを具備してなる画像形成要素から成る電子写真装置において、前記感光体が少なくとも感光層、及びフィラーを含有する保護層を順次形成してなる感光体であり、且つ前記感光層中と前記保護層中に、少なくとも下記一般式(I)で表される電荷輸送材料を含み、さらに下記一般式(IV)で表される電荷輸送材料を含有することを特徴とする電子写真装置。
    Figure 0004807838
    (式中、R1、R2は、それぞれ独立に水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基からなる群より選ばれる基を表し、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、水酸基、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基からなる群より選ばれる基を表す。)
    Figure 0004807838
    (式中、R15、R16は、それぞれ独立に水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基からなる群より選ばれる基を表し、R17、R18、R19、R20はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、水酸基、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基からなる群より選ばれる基を表す。)
  2. 前記一般式(I)で表される電荷輸送材料が下記式(1)で表される電荷輸送材料であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真装置。
    Figure 0004807838
    {但し、上記式(1)中、R1、及びR2はそれぞれ独立に以下のものを表す。:水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基からなる群より選ばれる基を表す。}
  3. 前記保護層に含まれるフィラーが、少なくとも1種の無機顔料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真装置。
  4. 前記保護層に含まれる無機顔料が、少なくとも1種の金属酸化物であることを特徴とする請求項記載の電子写真装置。
  5. 前記保護層に含まれる少なくとも1種の金属酸化物が、少なくとも1種の表面処理剤で表面処理されていることを特徴とする請求項記載の電子写真装置。
  6. 前記表面処理剤が、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、Al、TiO、ZrO及び高級脂肪酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種またはそれとシランカップリング剤との混合物であることを特徴とする請求項記載の電子写真装置。
  7. 前記保護層に含まれるフィラーの平均一次粒径が、0.01μm〜0.5μmであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電子写真装置。
  8. 前記感光層に下記一般式(II)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電子写真装置。
    Figure 0004807838
  9. 前記保護層に下記構造式(A)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電子写真装置。
    Figure 0004807838
  10. 前記保護層に、すくなくともポリカーボネート樹脂及び/又はポリアリレート樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電子写真装置。
  11. 少なくとも電子写真感光体を具備してなる電子写真装置用プロセスカートリッジであって、該電子写真感光体が請求項1〜10のいずれかに記載のものであることを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリッジ。
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