JP5010243B2 - 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関するものである。
近年、電子写真方式を用いた情報処理システム機の発展は目覚ましいものがある。特に情報をデジタル信号に変換して、光によって情報記録を行なう光プリンタは、そのプリント品質、信頼性において向上が著しい。このデジタル記録技術は、プリンタのみならず通常の複写機にも応用され、いわゆるデジタル複写機が開発されている。また、従来からあるアナログ複写にこのデジタル記録技術を搭載した複写機は、種々様々な情報処理機能が付加されるため、今後その需要性が益々高まっていくと予想される。さらに、パーソナルコンピュータの普及、及び性能の向上にともない、画像及びドキュメントのカラー出力を行うためのデジタルカラープリンタの進歩も急激に進んでいる。
これらの画像形成装置に用いられる電子写真感光体は有機感光体と無機感光体に大別されるが、有機感光体は、従来の無機感光体に比べて製造が容易であり、コストが安く、電荷輸送材料、電荷発生材料、結着樹脂等の感光体材料の選択肢が多様で、機能設計の自由度が高いという利点を有することから、近年、広く用いられている。
有機感光体には、電荷輸送材料(正孔輸送材料、電子輸送材料)を電荷発生材料とともに同一の感光層中に分散させた単層型感光体と、電荷発生材料を含有する電荷発生層と電荷輸送材料を含有する電荷輸送層とを積層した積層型感光体とがある。
積層感光体では、負帯電型のものがほとんどであり、正帯電型の積層型感光体は実用化には至っていない。その理由は、電子輸送能に優れ、毒性が少なく、バインダー樹脂との相溶性の高い電子輸送材料が実用化されていないためである。
ところが負帯電型では、正帯電型に比べて帯電時に用いるコロナ放電が不安定であり、また、オゾンや窒素酸化物などを発生させるために、これらが感光体表面に吸着して、物理的、化学的劣化を引き起こしやすく、さらに、環境を悪化するという問題がある。このような点から、感光体としては負帯電型感光体よりも使用条件の自由度の大きい正帯電型感光体の方が、その適用範囲が広く有利である。
このような正帯電型感光体として単層感光体がある。単層感光体は電荷輸送材料として電子輸送材料と正孔輸送材料の両方を含むものが主流であり、このため正負両極性の感度を有する。しかし電子輸送材料の電子輸送能が低いために正帯電の方が感度が良いことや、上述のような正帯電のメリットをいかすために、ほとんどが正帯電で使用されている。
これまでに提案されている単層感光体としては特許文献1〜5等が挙げられるが、これら単層型有機感光体は、機能分離型の積層感光体に比べ、残留電位が高く、静電的繰り返し疲労による帯電電位、露光後電位の変化も大きいという単層特有の問題点を有している。
このような単層型感光体の課題を解決するため、近年、新規電子輸送材料の開発が進められている。特に特許文献6に開示されているようなテトラカルボン酸誘導体、ナフタレンカルボン酸誘導体は、優れた電子輸送能を有するため、従来の単層型感光体の課題を解決し静電特性を大きく向上させることが可能である。
また近年、画像形成装置は装置の小型化や高速化が要望され、それに伴い感光体としては高感度なものが要望されている。近年のデジタル型画像形成装置の露光光源には一般に半導体レーザ(LD)や発光ダイオード(LED)が用いられており、その波長は680〜830nm前後の近赤外領域が主流である。それゆえ、近赤外領域で高感度なフタロシアニン類、とりわけチタニルフタロシアニン(TiOPc)を電荷発生材料として用いた電子写真感光体の開発が盛んに行われている。
チタニルフタロシアニンには種々の結晶型が知られているが、中でもCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶は非常に高いキャリア発生機能を有することが知られている(特許文献7〜9等)。
この高感度な結晶型のチタニルフタロシアニンを用いた電子写真感光体は、積層型では実用化されているものの、単層型においては優れたものが得られていない。これはCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶は非常に高感度ではあるものの、感光体の帯電性が低下してしまうという問題点を有しており、特に単層感光体に用いた場合には、この問題点が顕著に生じてしまうためである。
本発明に用いられる一般式(1)で表される電子輸送材料は前記特許文献6記載の電子輸送材料の範疇のものであるが、非常に優れた電子輸送能を有し、この電子輸送材料を用いた単層感光体は高感度であり、また繰り返し使用による感度低下なども少ない優れた単層感光体となる。更に電荷発生材料としてチタニルフタロシアニンを用いることで非常に高感度な単層感光体とすることができる。しかしながら、チタニルフタロシアニンを用いた単層感光体は、上記のように、帯電性が低く、また繰り返し使用により帯電電位が下がり、地汚れなどの異常画像を生じやすくなってしまう。
また単層感光体の場合には残像を発生しやすいが、チタニルフタロシアニンを電荷発生材料として用いた場合には特に残像が発生しやすくなってしまうことが明らかとなった。
特開平8−328275号公報 特開平7−64301号公報 特開平9−281729号公報 特開平6−130688号公報 特開平9−151157号公報 国際公開番号WO2005092901号国際公開明細書 特開2001−19871号公報 特開平11−5919号公報 特開平3−269064号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、高感度であり且つ帯電安定性に優れ、繰り返し使用しても残像などの異常画像の生じない単層感光体を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、単層感光体において下記一般式(1)で表される電子輸送材料と、チタニルフタロシアニン電荷発生材料のうち、特定の結晶型を有するチタニルフタロシアニンとを選択的に用いることで、高感度であり且つ帯電安定性に優れ、繰り返し使用しても残像などの異常画像が生じないことを見いだし本発明に至った。
したがって、本発明は以下の態様からなる。
(1)「少なくとも導電性支持体上に感光層を設けて成り、該感光層が少なくとも電荷発生材料と電子輸送材料を含む単一の層からなる単層型感光体であって、該電子輸送材料は、下記構造式1−2〜1−7及び構造式1−9〜1−14のいずれかで表される化合物であり、該電荷発生材料がCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、且つ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜と9.4゜の間にピークを有さず、更に23.0゜から25.0゜の間に24.0゜以外のピークを有さないチタニルフタロシアニンであることを特徴とする電子写真感光体;
Figure 0005010243
」、
(2)「前記チタニルフタロシアニンが、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さないチタニルフタロシアニンを、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、且つ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜と9.4゜の間にピークを有さず、更に23.0゜から25.0゜の間に24.0゜以外のピークを有さないチタニルフタロシアニンに変換したものであることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真感光体」、
(3)「前記第(1)項又は第(2)項に記載の電子写真感光体が搭載されたことを特徴とする画像形成装置」、
(4)「前記画像形成装置が複数の電子写真感光体を具備してなり、それぞれの電子写真感光体上に現像された単色のトナー画像を順次重ね合わせてカラー画像を形成することを特徴とする前記第(3)項に記載の画像形成装置」、
(5)「装置本体に対して着脱可能であり、少なくとも電子写真感光体を有する画像形成装置用のプロセスカートリッジであって、該電子写真感光体が前記第(1)項又は第(2)項に記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ」、
(6)「前記第(5)項に記載のプロセスカートリッジが搭載されたことを特徴とする画像成形装置」、
(7)「前記第(5)項に記載のプロセスカートリッジが複数搭載されたことを特徴とする画像成形装置」
残像は露光工程において光が照射された部分にチャージキャリアが滞留し、除電工程を経ても露光の影響が残り、次の帯電工程において電位差を生じた状態で再び露光されるため、その部分の露光後電位が周囲よりも低くなり、画像上に濃度むらとなって表われる。
単層感光体においては通常、電荷発生材料は感光層全層に亘って含有されるため、電荷発生領域は基本的に全層である。近年のデジタル型画像形成装置の露光光源には一般に半導体レーザ(LD)や発光ダイオード(LED)が用いられており、その波長は680〜830nm前後の近赤外領域が主流である。このような長波長領域の光源を用いた場合には照射光が感光層の深い領域まで進入するため、全層に亘って正孔−電子対が形成される。全層で正孔−電子対が形成されると、正孔、電子の移動度の違い、構造欠陥、再結合などにより、正孔及び電子の移動に支障が生じ易く、露光部でのキャリアの滞留が起こりやすくなってしまう。
従って残像を防止するためには電子輸送材料、正孔輸送材料ともに十分な電荷移動機能を有していることが必要である。
通常は電子輸送材料の電荷輸送能が十分でないためにキャリアが滞留しやすい状況になっているが、本発明に用いられる前記一般式(1)で表される電子輸送材料は非常に優れた電子輸送機能を有しているため、この材料を用いることで十分な電子輸送機能、正孔輸送機能を持った高感度な単層感光体とすることができる。
しかしこのような十分な電荷輸送機能を有する単層感光体でも繰り返し使用により残像が発生しやすくなってしまう。
チタニルフタロシアニンを電荷発生材料として用いる場合、帯電性の問題から含有量をあまり多くできない。含有量を多くすると帯電性が著しく下がり、地汚れなどの異常画像を生じてしまうためである。そのためチタニルフタロシアニンを電荷発生材料として用いた感光層は透過率が高くなり全層での電荷発生となるため、発生したキャリア同士の相互作用によりキャリア移動に支障を生じやすく、キャリアの滞留による残像が発生しやすくなると考えられる。
一方、本発明の特殊結晶構造のフタロシアニン、即ち、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、且つ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜と9.4゜の間にピークを有さず、更に23.0゜から25.0゜の間に24.0゜以外のピークを有さないチタニルフタロシアニンを用いた単層感光体の場合には、感光層の光透過率が大幅に低下する(後述の測定例参照)。そのため電荷発生が感光層の表面近傍のみに限られ、感光層内部での余計なキャリア発生が抑制されるため、キャリアの移動がスムーズになり、残像の発生を防ぐことができるものと思われる。
また電荷発生が表面近傍のみに限られる場合、静電潜像を形成する際に電荷発生から表面電荷を打ち消すまでのキャリアの走行距離が短くなるため、クーロン反発の影響を受けにくく、露光に忠実で高解像度な潜像形成が可能となるという利点もある。
更に本発明のCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、且つ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜と9.4゜の間にピークを有さず、更に23.0゜から25.0゜の間に24.0゜以外のピークを有さないチタニルフタロシアニンを用いた単層感光体は帯電性が良好であり、繰り返し使用しても地汚れなどの異常画像を生じにくい。
以下の詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明によれば、高感度であり且つ帯電安定性に優れ繰り返し使用しても残像などの異常画像の生じない単層感光体が提供される。また、これを用いることで、高画質な画像形成を長期間に亘り行うことの出来る画像形成装置が提供される。また、取り扱い時の利便性が高いプロセスカートリッジが提供されるいう極めて優れた効果を奏するものである。
以下、図面に沿って本発明の電子写真感光体を詳しく説明する。
図7は、本発明の層構成を有する電子写真感光体の一例を模式的に示す断面図であり、
導電性支持体(21)の上に感光層(22)が設けられている。
導電性支持体(21)としては、体積抵抗10^10Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸化物を、蒸着又はスパッタリングによりフィルム状又は円筒状のプラスチック、紙などに被覆したもの、或いはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板、及びそれらをDrawing Ironing法、Impact Ironing法、Extruded Ironing法、Extruded Drawing法、切削法等の工法により素管化後、切削、超仕上げ、研磨などにより表面処理した管状体などを使用することができる。
本発明における感光層(22)は、少なくともCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、且つ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜と9.4゜の間にピークを有さず、更に23.0゜から25.0゜の間に24.0゜以外のピークを有さないチタニルフタロシアニンと一般式(1)で表される電子輸送材料を含む。
まず本発明における電荷発生材料について説明する。
本発明における「CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、且つ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜と9.4゜の間にピークを有さず、更に23.0゜から25.0゜の間に24.0゜以外のピークを有さないチタニルフタロシアニン」は、特開2001−19871号公報に記載されている「CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さないチタニルフタロシアニン」を結晶変換することにより得ることができる。
具体的には、原料の27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さないチタニルフタロシアニンを有機溶媒中で強力なシェアをかけることにより結晶変換され、本発明に用いられる27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、且つ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜と9.4゜の間にピークを有さず、更に23.0゜から25.0゜の間に24.0゜以外のピークを有さないチタニルフタロシアニンを得ることができる。
一般に27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンは、溶媒中や機械的、熱的ストレスにより26.3゜に最大回折ピークを有する結晶型に変化しやすいことが知られている。本発明に用いるチタニルフタロシアニンもこの傾向は変わらず、結晶変換により26.3゜にもピークが生じる場合がある。
本発明においては、26.3゜にピークを生じると感度が低下してしまうため好ましくない。
本発明に用いるチタニルフタロシアニンの結晶変換に用いる溶媒としては、シクロヘキサノン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸nーブチルなどのエステル類が26.3゜にピークを生じにくいため好ましい。
また特にテトラヒドロフランと水の混合溶媒は結晶変換のために強力なシェアをかけても26.3゜のピークがほとんど生じないために特に好ましい。
テトラヒドロフラン(THF)と水の混合比はTHF/水=99/1〜80/20が好ましい。水の量が少ないと26.3゜のピークが生じやすくなり、逆に多すぎる場合には分散安定性が悪くなってしまう。
強力なシェアをかける方法としては、ボールミル、ビーズミル、振動ミル、サンドミル、超音波などの一般的な分散機を用いることができる。
本発明に用いるチタニルフタロシアニンを得るためには強力なシェアをかける必要があるため、例えば分散メディア径を小さくしたり、処理時間を長くする必要がある。これらの条件は使用する原料(結晶変換前のチタニルフタロシアニン)の状態(例えば粉末の大きさ、固さ等)によっても異なるため、予備的な実験により決定することが望ましい。
上記の結晶変換処理により、本発明で用いるチタニルフタロシアニンを分散液の状態で得ることができる。また分散液を濾過分別して、乾燥を行うことにより、目的とするチタニルフタロシアニンを粉末状態で得ることもできる。
また、有機溶媒を使用せず、機械的せん断力を与えることでも結晶変換は可能であるが、後述するように感光層塗工液を作製する際には、予め電荷発生材料を有機溶媒に分散した分散液を作製しておくことが好ましいため、結晶変換と分散液作製が同時にできる有機溶媒中での処理のほうが好ましい。

次に、電荷輸送材料について説明する。
本発明に用いる一般式(1)で表される電子輸送材料は、下記に示す構造骨格を有する。
Figure 0005010243
{式中、R1、R2は、それぞれ独立に水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基からなる群より選ばれる基を表し、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、水酸基、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基からなる群より選ばれる基を表し、nは繰り返し単位であり、0から100までの整数を表す。}
該置換又は無置換のアルキル基としては、炭素数1〜25、好ましくは炭素数1〜10の炭素原子を有するアルキル基、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ペプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基といった直鎖状のもの、i―プロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、メチルプロピル基、ジメチルプロピル基、エチルプロピル基、ジエチルプロピル基、メチルブチル基、ジメチルブチル基、メチルペンチル基、ジメチルペンチル基、メチルヘキシル基、ジメチルヘキシル基等の分岐状のもの、アルコキシアルキル基、モノアルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルキルカルボニルアルキル基、カルボキシアルキル基、アルカノイルオキシアルキル基、アミノアルキル基、エステル化されていてもよいカルボキシル基で置換されたアルキル基、シアノ基で置換されたアルキル基等が例示できる。なお、これらの置換基の置換位置については特に限定されず、上記置換又は無置換のアルキル基の炭素原子の一部がヘテロ原子(N、O、S等)に置換された基も置換されたアルキル基に含まれる。
該置換又は無置換のシクロアルキル基としては、炭素数3〜25、好ましくは炭素数3〜10の炭素原子を有するシクロアルキル環、具体的には、シクロプロパンからシクロデカンまでの同属環、メチルシクロペンタン、ジメチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、テトラメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、t−ブチルシクロヘキサン等のアルキル置換基を有するもの、アルコキシアルキル基、モノアルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、カルボキシアルキル基、アルカノイルオキシアルキル基、アミノアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、エステル化されていてもよいカルボキシル基、シアノ基等で置換されたシクロアルキル基等が例示できる。なお、これらの置換基の置換位置については特に限定されず、上記置換又は無置換のシクロアルキル基の炭素原子の一部がヘテロ原子(N、O、S等)に置換された基も置換されたシクロアルキル基に含まれる。
置換または無置換のアラルキル基としては、上述の置換または無置換のアルキル基に芳香族環が置換した基が挙げられ、炭素数6〜14のアラルキル基が好ましい。より具体的には、ベンジル基、ペルフルオロフェニルエチル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、ターフェニルエチル基、ジメチルフェニルエチル基、ジエチルフェニルエチル基、t−ブチルフェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、4−フェニルブチル基、5−フェニルペンチル基、6−フェニルヘキシル基、ベンズヒドリル基、トリチル基などが例示できる。
該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(1)で表される電子輸送材料は主に以下の2とおりの合成方法によって合成される。
Figure 0005010243
前記一般式(1)で表わされる電子輸送材料を製造するための出発原料の入手方法としては、下記の方法が例示できる。
すなわち、ナフタレンカルボン酸は公知の合成方法(例えば、米国特許6794102号明細書、Industrial Organic Pigments 2nd edition, VCH, 485 (1997)など)に従い、下記反応式より合成される。
Figure 0005010243
式中、RnはR3、R4、R7、R8を表わし、RmはR5、R6、R9、R10を表わす。
本発明に用いられる一般式(1)で表わされる電子輸送材料は、上記のナフタレンカルボン酸若しくはその無水物をアミン類と反応させ、モノイミド化する方法、ナフタレンカルボン酸若しくはその無水物を緩衝液によりpH調整してジアミン類と反応させる方法等により得られる。モノイミド化は無溶媒、若しくは溶媒存在下で行なう。溶媒としては特に制限はないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロナフタレン、酢酸、ピリジン、メチルピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルエチレンウレア、ジメチルスルホキサイド等原料や生成物と反応せず50℃〜250℃の温度で反応させられるものを用いるとよい。pH調整には水酸化リチウム、水酸化カリウム等の塩基性水溶液をリン酸等の酸との混合により作製した緩衝液を用いる。カルボン酸とアミン類やジアミン類とを反応させて得られたカルボン酸誘導体脱水反応は無溶媒、若しくは溶媒存在下で行なう。溶媒としては特に制限は無いが、ベンゼン、トルエン、クロロナフタレン、ブロモナフタレン、無水酢酸等原料や生成物と反応せず50℃〜250℃の温度で反応させられるものを用いるとよい。いずれの反応も、無触媒若しくは触媒存在下で行なってよく、特に限定されないが、例えばモレキュラーシーブスやベンゼンスルホン酸やp−トルエンスルホン酸等を脱水剤として用いることが例示できる。
一般式(1)で表される電子輸送材料の繰り返し単位nは0から100の整数である。繰り返し単位nは、重量平均分子量(Mw)から求められる。すなわちこの電子輸送材料は分子量に分布を持った状態で存在する。nが100を超えると該電子輸送材料の分子量が大きくなり、各種溶媒に対する溶解性が落ちるため、100以下が好ましい。特にnが0の二量体が溶解性及び感光体特性が優れており好ましい。
一方、例えばnが1の場合はナフタレンカルボン酸の三量体であるが、R1、R2の置換基を適切に選択することにより、オリゴマーでも優れた電子移動特性が得られる。このように繰り返し単位nの数により、オリゴマーからポリマーまで幅広い範囲のナフタレンカルボン酸誘導体が合成される。
オリゴマー領域の分子量が小さい範囲では、段階的に合成することで、単分散の化合物を得ることができる。分子量が大きいこの電子輸送材料の場合は、分子量に分布を持ったこの電子輸送材料混合物が得られる。
以下に一般式(1)で表される電子輸送材料の好ましい例を挙げる。但し本発明は、これらに限定されるものではない。
Figure 0005010243
Figure 0005010243
本発明においては電荷輸送材料として前述の一般式(1)の電子輸送材料を含むことが必須であるが、これに加えて公知の電荷輸送材料、即ち電子輸送材料、正孔輸送材料を併用することもできる。
電子輸送材料としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。
これらの電子輸送材料は、単独でも2種以上の混合物として用いてもよい。
正孔輸送材料としては、電子供与性物質が好ましく用いられる。
その例としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。
これらの正孔輸送材料は、単独でも2種以上の混合物として用いてもよい。
感光層のバインダー成分として用いることのできる高分子化合物としては、公知のものが使用できる。例えば、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの高分子化合物の中でも特にポリカーボネート樹脂が膜質の面から好ましい。
感光層を形成する方法としては、溶液分散系からのキャスティング法が好ましい。キャ
スティング法によって感光層を設けるには、電荷発生材料、電荷輸送材料、バインダー樹脂、更に必要に応じて他の成分を適当な溶媒に分散、又は溶解させて作製した塗工液を適当な濃度に調節して塗布すればよい。
電荷発生材料を感光層中(塗工液中)に均一に分散させるために、予め電荷発生材料を、必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散した分散液を作製しておくことが好ましい。
塗布は、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法などにより行なうことができる。
以上のようにして設けられる感光層塗工液を調製する際に使用できる分散溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、クロロベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類等を挙げることができる。これらの溶媒は単独としてまたは混合して用いることができる。
上記感光層において、電荷発生材料は感光層全体に対して0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜10重量%が適当である。電子輸送材料はバインダー樹脂成分100重量部に対して5〜300重量部、好ましくは10〜150重量部が適当である。ただし電子輸送材料全体に対し、一般式(1)で表わされる電子輸送材料が50〜100重量%であることが好ましい。また正孔輸送材料は、バインダー樹脂成分100重量部に対して5〜300重量部、好ましくは20〜150重量部が適当である。電子輸送材料と正孔輸送材料の総量は、バインダー樹脂成分100重量部に対して20〜300重量部、好ましくは30〜200重量部が適当である。
また、必要により、感光層中にその他の酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤などの低分子化合物およびレベリング剤を添加することもできる。これらの化合物は単独または2種以上の混合物として用いることができる。低分子化合物の使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは、0.1〜20重量部、レベリング剤の使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0.001〜5重量部程度が適当である。
感光層の膜厚は5〜40μm程度が適当であり、好ましくは15〜35μm程度が適当
である。
本発明に用いられる電子写真感光体には、図8に示すように、導電性支持体(21)と感光層(22)との間に下引き層(23)を設けることもできる。下引き層は、接着性の向上、上層の塗工性の改良、残留電位の低減、導電性支持体からの電荷注入の防止などの目的で設けられる。
下引き層は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に溶剤を用いて感光層を塗布することを考慮すると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましく、このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウムなどの水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロンなどのアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂など三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。
また、下引き層には、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物、或いは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を加えてもよい。これらの下引き層は、前述の感光層と同様、適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。
更に下引き層としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤などを使用して、例えばゾル−ゲル法などにより形成した金属酸化物層も有用である。この他に、アルミナを陽極酸化により設けたもの、ポリパラキシリレン(パリレン)などの有機物、酸化ケイ素、酸化スズ、酸化チタン、ITO、セリアなどの無機物を真空薄膜作製法にて設けたものも下引き層として良好に使用できる。
下引き層の膜厚は0.1〜10μmが適当であり、さらに好ましくは1〜5μmである。
次に本発明の画像形成装置について説明する。
図1は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図であり、後述するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図1において感光体(11)は本発明の要件を満たす感光体である。感光体(11)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
帯電手段(12)は、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。帯電手段(12)は、消費電力の低減の観点から、感光体に対し接触もしくは近接配置したものが良好に用いられる。中でも、帯電手段(12)への汚染を防止するため、感光体と帯電手段表面の間に適度な空隙を有する感光体近傍に近接配置された帯電機構が望ましい。
転写手段(16)には、一般に上記の帯電器を使用できるが、転写チャージャーと分離チャージャーを併用したものが効果的である。
また、露光手段(13)、除電手段(1A)等に用いられる光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を挙げることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
現像手段(14)により感光体上に現像されたトナー(15)は、受像媒体(18)に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、クリーニング手段(17)により、感光体より除去される。クリーニング手段は、ゴム製のクリーニングブレードやファーブラシ、マグファーブラシ等のブラシ等を用いることができる。
図2には、本発明による電子写真プロセスの別の例を示す。図2において、感光体(11)は、本発明の要件を満たし、エンドレスベルト状のものである。
駆動手段(1C)により駆動され、帯電手段(12)による帯電、露光手段(13)による像露光、現像(図示せず)、転写手段(16)による転写、クリーニング前露光手段(1B)によるクリーニング前露光、クリーニング手段(17)によるクリーニング、除電手段(1A)による除電が繰返し行なわれる。図2においては、感光体(この場合は支持体が透光性である)の支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行なわれる。
以上の電子写真プロセスは、本発明における実施形態を例示するものであって、もちろん他の実施形態も可能である。例えば、図2において支持体側よりクリーニング前露光を行なっているが、これは感光層側から行なってもよいし、また、像露光、除電光の照射を支持体側から行なってもよい。一方、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、およびその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行なうこともできる。
また、以上に示すような画像形成手段は、複写機、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として、図3に示すものが挙げられる。この場合も、感光体(11)は、本発明の要件を満たす感光体である。感光体(11)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
図4には本発明によるフルカラー画像形成装置の例を示す。この電子写真装置では、感光体(11)の周囲に帯電手段(帯電装置)(12)、露光手段(13)、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、およびイエロー(Y)の各色トナー毎の現像手段(14Bk,14C,14M,14Y)、中間転写体である中間転写ベルト(1F)、クリーニング手段(17)が順に配置されている。ここで、図中に示すBk、C、M、Yの添字は上記のトナーの色に対応し、必要に応じて添字を付けたり適宜省略する。
感光体(11)は、本発明の要件を満たす電子写真感光体である。各色の現像手段(14Bk,14C,14M,14Y)は各々独立に制御可能となっており、画像形成を行なう色の現像手段のみが駆動される。感光体(11)上に形成されたトナー像は中間転写ベルト(1F)の内側に配置された第1の転写手段(1D)により、中間転写ベルト(1F)上に転写される。第1の転写手段(1D)は感光体(11)に対して接離可能に配置されており、転写動作時のみ中間転写ベルト(1F)を感光体(11)に当接させる。各色の画像形成を順次行ない、中間転写ベルト(1F)上で重ね合わされたトナー像は第2の転写手段(1E)により、受像媒体(18)に一括転写された後、定着手段(19)により定着されて画像が形成される。第2の転写手段(1E)も中間転写ベルト(1F)に対して接離可能に配置され、転写動作時のみ中間転写ベルト(1F)に当接する。
転写ドラム方式の電子写真装置では、転写ドラムに静電吸着させた転写材に各色のトナー像を順次転写するため、厚紙にはプリントできないという転写材の制限があるのに対し、図4に示すような中間転写方式の画像形成装置では中間転写体(1F)上で各色のトナー像を重ね合わせるため、転写材の制限を受けないという特長がある。このような中間転写方式は図4に示す装置に限らず前述の図1、図2、図3および後述する図5(具体例を図6に記す。)に記す画像形成装置に適用することができる。
図5には本発明によるフルカラー画像形成装置の別の例を示す。この画像形成装置は、トナーとしてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の4色を用いるタイプとされ、各色毎に画像形成部が配設されている。また、各色毎の感光体(11Y,11M,11C,11Bk)が設けられている。この電子写真装置に用いられる感光体は、本発明の要件を満たす感光体である。各感光体(11Y,11M,11C,11Bk)の周りには、帯電手段(12Y,12M,12C,12Bk)、露光手段(13Y,13M,13C,13Bk)、現像手段(14Y,14M,14C,14Bk)、クリーニング手段(17Y,17M,17C,17Bk)等が配設されている。また、直線上に配設された各感光体(11Y,11M,11C,11Bk)の各転写位置に接離する転写材担持体としての搬送転写ベルト(1G)が駆動手段(1C)にて掛け渡されている。この搬送転写ベルト(1G)を挟んで各感光体(11Y,11M,11C,11Bk)に対向する転写位置には転写手段(16Y,16M,16C,16Bk)が配設されている。
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段等を含んだ1つの装置(部品)である。
以下、本発明を実施例によって説明する。なお、これによって本発明の範囲は限定され
るわけではない。部は全て重量部である。
(チタニルフタロシアニン合成例)
特開2001−19871号公報に準じて、顔料を作製した。すなわち、1,3−ジイミノイソインドリン29.2gとスルホラン200mlを混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド20.4gを滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃乃至180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行なった。反応終了後、放冷した後析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、つぎにメタノールで数回洗浄し、更に80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶を濾過、ついで洗浄液が中性になるまで水洗いを繰り返し(洗浄後のイオン交換水のpH値は6.8であった)、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキ(水ペースト)を得た。得られたこのウェットケーキ(水ペースト)40gをテトラヒドロフラン200gに投入し、4時間攪拌を行なった後、濾過を行い、乾燥して、チタニルフタロシアニン粉末を得た。
上記ウェットケーキの固形分濃度は、15wt%であった。結晶変換溶媒のウェットケーキに対する重量比は33倍である。
得られたチタニルフタロシアニン粉末を、下記の条件によりX線回折スペクトル測定したところ、Cu−Kαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さないチタニルフタロシアニン粉末が得られた。
X線回折スペクトル図を図9に示す。
(X線回折スペクトル測定条件)
X線管球:Cu
電圧:50kV
電流:30mA
走査速度:2°/分
走査範囲:3°乃至40°
時定数:2秒
(チタニルフタロシアニンの結晶変換及び分散液の作製)
(顔料分散液作製例1)
合成例で得られたチタニルフタロシアニンを下記組成の処方、条件で分散を行い、顔料分散液を調製した。
合成例で得られたチタニルフタロシアニン 3部
テトラヒドロフラン 92部
イオン交換水 5部
これらを直径2mmのPSZボールと共に30ccのサンプルビンに入れ、市販の振動分散機を用いて、モーター回転数1500r.p.m.にて1時間分散させた(顔料分散液1とする)。
以上により得られたチタニルフタロシアニンを、先の合成例の条件でX線回折スペクトルを測定した。
X線回折スペクトル図を図10に示すが、ブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として7.3゜、9.4゜、9.6゜、24.0゜、27.2゜に主要なピークを有し、また23.0゜から25.0゜の間に24.0゜以外の23.5゜、24.5゜にもピークを有しており、本発明で用いるチタニルフタロシアニンとは異なっていた。
(顔料分散液作製例2)
顔料分散液作製例1において用いた分散メディアを直径0.2mmのPSZボールに変更した以外は顔料分散液作製例1と同様にして分散液を作製した(顔料分散液2とする)。
以上により得られたチタニルフタロシアニンを、先の合成例の条件でX線回折スペクトルを測定した。
X線回折スペクトル図を図11に示すが、ブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として7.3゜、9.6゜、24.0゜、27.2゜に主要なピークを有し、また23.0゜から25.0゜の間に24.0゜以外ピークを有さない、本発明で用いるチタニルフタロシアニンであった。
(顔料分散液作製例3)
合成例で得られたチタニルフタロシアニンを下記組成の処方、条件で分散を行い、顔料分散液を調製した。
合成例で得られたチタニルフタロシアニン 3部
テトラヒドロフラン 92部
イオン交換水 5部
これらを直径2mmのPSZボールと共に直径9cmのガラスポットに入れ、回転数100r.p.m.にて5時間ボールミリングを行った(顔料分散液3とする)。
以上により得られたチタニルフタロシアニンを、先の合成例の条件でX線回折スペクトルを測定したところ、顔料分散液1と同様にブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として7.3゜、9.4゜、9.6゜、24.0゜、27.2゜に主要なピークを有し、また23.0゜から25.0゜の間に24.0゜以外の23.5゜、24.5゜にもピーク有しており、本発明で用いるチタニルフタロシアニンとは異なっていた。
(顔料分散液作製例4)
顔料分散液作製例3においてボールミリングの時間を30時間に変更した以外は顔料分散液作製例3と同様にして分散液を作製した(顔料分散液4とする)。
以上により得られたチタニルフタロシアニンを、先の合成例の条件でX線回折スペクトルを測定したところ、顔料分散液2と同様にブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として7.3゜、9.6゜、24.0゜、27.2゜に主要なピークを有し、また23.0゜から25.0゜の間に24.0゜以外ピークを有さない、本発明で用いるチタニルフタロシアニンであった。
(比較例1)
先に作製した顔料分散液を用いて下記組成の感光体用塗工液を調製した。
顔料分散液1 40部
例示化合物1−1の電子輸送材料 20部
下記構造の正孔輸送材料(HTM1) 30部
Figure 0005010243
Z型ポリカーボネート樹脂(帝人化成社製:パンライトTS−2050)
50部
シリコーンオイル(信越化学工業社製:KF50) 0.01部
テトラヒドロフラン 350部
こうして得られた感光層用塗工液を直径30mm、長さ340mmアルミニウムドラム
上に、浸漬塗工法により塗布、120℃で20分間乾燥し、25μmの感光層を形成し、
感光体を作製した(感光体1とする)。
参考例1
比較例1において用いた顔料分散液1を顔料分散液2に変更した以外は比較例1と同様にして感光体を作製した(感光体2とする)。
(比較例2)
比較例1において用いた顔料分散液1を顔料分散液3に変更した以外は比較例1と同様にして感光体を作製した(感光体3とする)。
参考例2
比較例1において用いた顔料分散液1を顔料分散液4に変更した以外は比較例1と同様にして感光体を作製した(感光体4とする)。
(実施例
参考例1において用いた電子輸送材料(例示化合物1−1の電子輸送材料)を例示化合物1−2の電子輸送材料に変更した以外は参考例1と同様にして感光体を作製した(感光体5とする)。
(実施例
参考例1において用いた電子輸送材料(例示化合物1−1の電子輸送材料)を例示化合物1−6の電子輸送材料に変更した以外は参考例1と同様にして感光体を作製した(感光体6とする)。
(実施例
参考例1において用いた電子輸送材料(例示化合物1−1の電子輸送材料)を例示化合物1−7の電子輸送材料に変更した以外は参考例1と同様にして感光体を作製した(感光体7とする)。
参考例3
参考例1において用いた電子輸送材料(例示化合物1−1の電子輸送材料)を例示化合物1−8の電子輸送材料に変更した以外は参考例1と同様にして感光体を作製した(感光体8とする)。
(実施例
参考例1において用いた電子輸送材料(例示化合物1−1の電子輸送材料)を例示化合物1−9の電子輸送材料に変更した以外は参考例1と同様にして感光体を作製した(感光体9とする)。
(実施例
参考例1において用いた電子輸送材料(例示化合物1−1の電子輸送材料)を例示化合物1−11の電子輸送材料に変更した以外は参考例1と同様にして感光体を作製した(感光体10とする)。
(実施例
参考例1において用いた電子輸送材料(例示化合物1−1の電子輸送材料)を例示化合物1−13の電子輸送材料に変更した以外は参考例1と同様にして感光体を作製した(感光体11とする)。
(比較例3)
参考例1において用いた電子輸送材料を下記構造の電子輸送材料(ETM1)に変更した以外は参考例1と同様にして感光体を作製した(感光体12とする)。
Figure 0005010243
(比較例4)
参考例1において用いた電子輸送材料を下記構造の電子輸送材料(ETM2)に変更した以外は参考例1と同様にして感光体を作製した(感光体13とする)。
Figure 0005010243
(実施例7〜12、参考例4〜6、比較例5〜8)
作製した感光体1〜13を実装用にした後、画像形成装置(リコー製imgio Neo 270改造機、パワーパックを交換し正帯電となるよう改造した装置)に搭載し、書き込み率5%チャート(A4全面に対して、画像面積として5%相当の文字が平均的に書かれている)を用い通算5万枚印刷する耐刷試験を行った。
トナーと現像剤はimgio Neo 270専用のものから極性が逆となるトナーと現像剤に交換し使用した。
また画像形成装置の帯電手段は外部電源を用いて、帯電ローラの印加電圧は試験開始時にそれぞれの感光体の帯電電位が+600Vとなるようなバイアスを設定し、試験終了に至るまでこの帯電条件で試験を行った。また現像バイアスは+450Vとした。試験環境は23℃、55%RHである。
耐刷試験の前後で残像評価、地汚れ評価、露光部電位の評価を行った。
■残像評価:図12に示すような黒ベタ部とハーフトーン部のある評価用画像を出力し、残像の評価を行った。評価はランク評価を行った。評価ランクは以下の通りである。
〈残像ランク〉
◎:残像発生せず
○:かすかに見える
△:残像発生
×:非常に悪い
■地汚れ評価:白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。評価はランク評価を行った。評価ランクは以下のとおりである。
〈地汚れランク〉
◎:非常に良好
○:良好
△:やや劣る
×:非常に悪い
■明部電位:感光体を+600Vに帯電させた後、画像露光(全面露光)を受け、現像部位置まで移動した際の感光体の表面電位。
感光体表面電位は現像部に表面電位計を搭載し、測定した。
結果を表2に示す。
Figure 0005010243
(実施例13〜18、参考例7〜9、比較例9〜12)
作製した感光体1〜13を実装用にした後、タンデム機構を有するフルカラーの画像形成装置(リコー製IPSiO Color8100改造機、パワーパックを交換し正帯電となるよう改造し、さらに書込みに用いるLDの波長を780nmのものに換装した装置)に搭載し、書き込み率5%チャート(A4全面に対して、画像面積として5%相当の文字が平均的に書かれている)を用い通算5万枚印刷する耐刷試験を行った。
トナーと現像剤はIPSiO Color8100専用のものから極性が逆となるトナーと現像剤に交換し使用した。
また画像形成装置の帯電手段は外部電源を用いて、帯電ローラの印加電圧はAC成分としてピーク間電圧1.9kV、周波数1.35kHzを選択した。また、DC成分は試験開始時の感光体の帯電電位が+600Vとなるようなバイアスを設定し、試験終了に至るまでこの帯電条件で試験を行なった。また、現像バイアスは+450Vとした。試験環境は23℃、55%RHである。
耐刷試験後に地汚れ評価、色再現性の評価を行った。
■地汚れ評価:白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施した。評価はランク評価を行った。評価ランクは以下のとおりである。
〈地汚れランク〉
◎:非常に良好
○:良好
△:やや劣る
×:非常に悪い
■色再現性:耐刷試験前後で同じカラー画像を出力して、カラー色の再現性について評価した。評価はランク評価を行った。評価ランクは以下のとおりである。
〈色再現性ランク〉
◎:非常に良好
○:良好
△:やや劣る
×:非常に悪い
結果を表3に示す。
Figure 0005010243

(測定例)
感光体1及び2について、感光層の吸光度を測定した。
結果を図13に示す。
吸光度は感光層をアルミ基板から剥がしたものをサンプルとし、UV3100(島津製作所社製)を用いて測定した。
図13からわかるようにチタニルフタロシアニンの結晶型の違いにより吸光度は大きく異なっており、チタニルフタロシアニンの含有量は同じであるにもかかわらず本発明の要件を満たす感光体2では、吸光度が非常に大きくなっていることがわかる。
以上の実施例から明らかなように、本発明の要件を満たす感光体は繰り返し使用によっても残像や地汚れが発生せず、また明部電位の変動も少ない。従って本発明の画像形成装置では長期にわたり残像などの異常画像の発生しない高画質な画像を出力することができる。また本発明の感光体をカラーの画像形成装置に用いた場合には繰り返し使用によっても色再現性に優れており、長期にわたり高画質なカラー画像を出力することができる。
また測定例の結果(図13)から、本発明のチタニルフタロシアニンを用いた感光体は感光層の吸光度が大きくなる(透過率が小さくなる)ため、電荷発生領域が感光層の表面近傍に限られ、感光層内で余計な電荷が発生しないためにキャリアの移動がスムーズになり、キャリアの滞留による残像が発生しにくいと考えられる。
本発明に係る画像形成装置の例を示す模式断面図である。 本発明に係る画像形成装置の別の例を示す模式断面図である。 本発明に係るプロセスカートリッジの例を示す模式断面図である。 本発明に係る画像形成装置の別の例を示す模式断面図である。 本発明に係る画像形成装置の更に別の例を示す模式断面図である。 本発明に係る画像形成装置の更に別の例を示す模式断面図である。 本発明に係る電子写真感光体の層構成の例を示す断面図である。 本発明に係る電子写真感光体の別の層構成の例を示す断面図である。 実施例で合成したチタニルフタロシアニンのX線回折スペクトル図である。 比較例1で用いた顔料分散液1のチタニルフタロシアニンのX線回折スペクトル図である。 実施例で用いた顔料分散液2のチタニルフタロシアニンのX線回折スペクトル図である。 実施例で用いた評価用画像を示す図である。 感光体1及び2の吸光度を示す図である。
符号の説明
11・・・電子写真感光体
12・・・帯電手段
13・・・露光手段
14・・・現像手段
15・・・トナー
16・・・転写手段
17・・・クリーニング手段
18・・・受像媒体
19・・・定着手段
1A・・・除電手段
1B・・・クリーニング前露光手段
1C・・・駆動手段
1D・・・第1の転写手段
1E・・・第2の転写手段
1F・・・中間転写体
1G・・・搬送転写ベルト
21・・・導電性支持体
22・・・感光層
23・・・下引き層

Claims (7)

  1. 少なくとも導電性支持体上に感光層を設けて成り、該感光層が少なくとも電荷発生材料と電子輸送材料を含む単一の層からなる単層型感光体であって、該電子輸送材料は、下記構造式1−2〜1−7及び構造式1−9〜1−14のいずれかで表される化合物であり、該電荷発生材料がCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、且つ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜と9.4゜の間にピークを有さず、更に23.0゜から25.0゜の間に24.0゜以外のピークを有さないチタニルフタロシアニンであることを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0005010243
  2. 前記チタニルフタロシアニンが、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さないチタニルフタロシアニンを、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、且つ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜と9.4゜の間にピークを有さず、更に23.0゜から25.0゜の間に24.0゜以外のピークを有さないチタニルフタロシアニンに変換したものであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 請求項1又は2に記載の電子写真感光体が搭載されたことを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記画像形成装置が複数の電子写真感光体を具備してなり、それぞれの電子写真感光体上に現像された単色のトナー画像を順次重ね合わせてカラー画像を形成することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 装置本体に対して着脱可能であり、少なくとも電子写真感光体を有する画像形成装置用のプロセスカートリッジであって、該電子写真感光体が請求項1又は2に記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  6. 請求項5に記載のプロセスカートリッジが搭載されたことを特徴とする画像成形装置。
  7. 請求項5に記載のプロセスカートリッジが複数搭載されたことを特徴とする画像成形装置。
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