JP3239244B2 - 単層型電子写真感光体 - Google Patents

単層型電子写真感光体

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JP3239244B2
JP3239244B2 JP20992893A JP20992893A JP3239244B2 JP 3239244 B2 JP3239244 B2 JP 3239244B2 JP 20992893 A JP20992893 A JP 20992893A JP 20992893 A JP20992893 A JP 20992893A JP 3239244 B2 JP3239244 B2 JP 3239244B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機電子写真感光体に関
し、詳しくは、電子写真複写機やプリンタなどで特に正
帯電プロセスに有用な単層型の(感光層が一層からな
る)電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来技術】電子写真プロセスは静電力による潜像の可
視化を原理として用いたものであるため、そのプロセス
に用いられる電子写真用感光体には暗所での良好な帯電
性と光照射による迅速な表面電位の減衰とが必要とな
る。これらプロセス上必要な特性は、固体物性値である
暗抵抗の高さと良好な量子効率、高い電荷移動度に依存
している。
【0003】これらの物性値を満足するものとして、従
来より、セレン、セレン−テルル合金、砒化セレン等の
無機化合物から構成された感光体が採用され、多くの複
写機、プリンタなどで用いられてきた。しかし、これら
の材料は、環境面で幾分問題があり、またアモルファス
状態で用いられるため取扱いが厄介である、数十μmの
厚さに真空蒸着する必要があるためコストが高い等の欠
点があり、感光体としての条件を十分満たしているとは
いえないものであった。
【0004】これらの欠点を改良するため、有機材料を
用いた電子写真感光体(OPC)の開発が積極的になさ
れ実用に供されるようになってきた。そして、実用化さ
れたOPCのほとんどは電荷発生機能を有する層(CG
L)と電荷輸送機能を有する層(CTL)とからなる積
層構成であり、もっぱら負帯電プロセスに用いられてい
る。
【0005】その理由は、使用される材料を混合し単
層として形成された感光体では、帯電性、感度、静電的
性質の疲労現象が実用の程度以下まで低下する欠点が露
呈してしまう場合が多いのに対し、積層型ではこれらの
欠点が極力抑えられ、且つ、機械的強度に富み、厚膜の
設計が可能なCTLを表面に配置することでプロセスに
供された状態で十分な機械的耐久性を感光体に保持させ
ることが可能となるからである。また、高速複写プロ
セスにおいても支障のない程度の高い電荷移動度を示す
有機材料は現在のところほとんど正孔移動の性質のみを
有するドナー化合物に限られているため、ドナー化合物
で形成されたCTLを表面側に配置した感光体では、そ
の帯電極性は負帯電になるからである。しかしながら、
このような機能分離構造は新たな問題を生じさせてい
る。
【0006】その1つ目は感光体への負帯電に由来する
ものである。電子写真プロセスにおける信頼性の高い帯
電方式はコロナ放電によるものであり、ほとんどの複写
機、プリンタにはこの方式が採用されている。しかしな
がら周知のごとく、正極性と較べ負極性のコロナ放電は
不安定であって、それ故にスコロトロンによる帯電方式
が採用されコストアップの一要因となっている。また、
負極性のコロナ放電はオゾン発生をより多く伴うため、
その外部排出を防ぐべく負帯電方式の複写機、プリンタ
にはオゾンフィルタが用いられていてこれも装置のコス
トアップの要因となっている。正帯電方式であればオゾ
ン発生量はもともと非常に少なく抑えられる。さらに、
現状で広く用いられている二成分系現像剤の使用では感
光体が正帯電の方が環境変動が少なく安定な画像が得ら
れ、この面からも正帯電用感光体の採用が望ましい。
【0007】その2つ目は感光層の積層型構造に由来す
るものである。有機材料を用いた感光体では真空蒸着法
と較べ安価な溶液塗布法を用いることが可能であるが、
この様な積層型感光体を製造するためには少なくとも2
回の塗布、通常は感光体の帯電性の確保のため基板のす
ぐ上(基板と感光層との間)に下引き層を設けるため3
回の塗布が必要である。これら溶液塗布工程の回数の増
加は感光体のコストアップを引き起こす。さらに、感
度、耐久性のバランスを保ち、また良好な画像を得るた
め、CGLの厚さを相当の正確さをもってサブミクロン
の範囲にしなければならないことは製造コストを引き上
げる要因となっている。
【0008】以上の問題を考慮すると、感光体として
は、有機材料を用いた、特に正帯電プロセスに用いられ
る単層型の感光体が望ましいことが理解される。さら
に、感光体がそのまま或いは若干の変更で負帯電プロセ
スに用いることが可能であれば、安価で使用環境の自由
度が高い利点を有する感光体を作製できることも理解さ
れる。しかし、こうした条件を満足する感光体の例は非
常に少ない。単層型の感光体としてポリビニルカルバゾ
ールとトリニトロフルオレノンとの電荷移動錯体感光
体、チアピリリウム染料とポリカーボネートとからなる
共晶錯体感光体、ペリレン系顔料及びヒドラゾンドナー
が樹脂中に分散された感光体を数えるのみである。この
うち、前2つの例は感度が低い、繰り返し使用の点で問
題があり、また、もっぱら負帯電プロセスに用いられて
いるため、オゾン発生の欠点を伴っている。最後の例は
感光体の感度が低いため、高速の複写プロセスには不適
な欠点を伴っている。さらに、実用化されている積層型
感光体の成分を単に分散した場合には、帯電電位及び感
度がともに低く、特に、繰り返し複写操作ではそれらが
大きく変動する欠点も克服できないでいるのが実情であ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、帯電
性及び感度に優れ、また複写プロセスの繰り返しに対し
静電特性の安定性に富んだ、特に正帯電用として有用な
単層型有機電子写真感光体を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、導電性
基体上に直接又は下引き層を介して単層の有機感光層を
設けた単層型電子写真感光体において、該感光層が少な
くとも電荷発生物質(顔料)、有機正孔移動物質及び有
機アクセプタ性化合物が結着剤中に分散され、かつ、該
電荷発生顔料としてその酸化電位値(Eox値)が該正
孔移動物質のEox値と同程度もしくはそれより小さな
ものであることを特徴としている。
【0011】本発明の第2は、導電性基体上に直接又は
下引き層を介して単層の有機感光層を設けた単層型電子
写真感光体において、該感光層が少なくともp型の電荷
発生物質(顔料)、有機正孔移動物質及び有機アクセプ
タ性化合物が結着剤中に分散され、かつ、該電荷発生顔
料としてその酸化電位値(Eox値)が該正孔移動物質
のEox値と同程度もしくはそれより小さく、更に、該
電荷発生物質の還元電位(Ered)値が該有機アクセ
プタ性化合物のEred値と同程度もしくはそれより小
さなものであることを特徴としている。
【0012】本発明者らは、単層型で特に正帯電性に適
した有機電子写真感光体についていろいろな角度から検
討を重ねてきた結果、感光層形成成分として、特定な電
荷発生物質を使い、これとともに電荷発生物質と一定の
関連をもつ有機正孔移動物質、及び有機アクセプタ性化
合物を用いることによって望ましい感光体が得られるこ
とを確かめた。即ち、従来の単層型感光体のうち電荷発
生顔料を樹脂に分散した形態のものでは電荷発生顔料が
電荷移動機能も兼ねており、且つ正孔及び電子の両方の
電荷とも移動特性が良好な顔料がないため、感度が低
い、少数電荷が蓄積し繰り返しにより帯電性が低下する
等の欠点や、光照射後直ちに帯電電位が減少しない誘導
期が存在し静電潜像ラチチュードが狭い等の欠点があっ
た。また、この様な感光体の正孔移動度を向上させるた
め、単に正孔移動物質を添加した感光体では帯電性が低
い、繰り返しで帯電電位が激しく低下する等の欠点が克
服できないでいた。さらに電荷発生顔料、有機正孔移動
物質、有機アクセプタ性化合物を分散した感光体では本
発明のような考慮が意識されていなかったため、帯電
性、繰り返し特性等に少なからず欠点を有していたのに
対し、本発明ではEox値、更にはEred値に対する
考慮の結果、適切な顔料、正孔移動物質、アクセプタ性
化合物の選択がなされ上記欠点が改良されるのである。
本発明はこれによりなされたものである。
【0013】以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
図面において、1は導電性基体、2は感光層、21は
(p型の)電荷発生物質、22は結着剤中に有機正孔移
動物質と有機アクセプタ性化合物とが分子状に分散され
た状態のマトリックスをそれぞれ表わしている。
【0014】本発明のこのような感光体は帯電性と感度
に優れ、低速から高速の複写プロセスまで好適であり、
また、電荷発生顔料(電荷発生物質)を変えることで分
光感度域が制御できモノクロ用のアナログ複写機から光
書き込み用にLD光を使用したページプリンタの感光体
にまで適用することが可能となる。先に触れたとおり、
本発明で特に重要なことは(p型の)電荷発生顔料とし
て、そのEox値が正孔移動物質のEox値よりも小さ
な値で、望ましくは更に、そのEred値が有機アクセ
プタ性化合物のEred値よりも小さな値を有する材料
を用いたことである。この関係の確保により特に帯電性
の確保が実現され、更に感度、静電特性の長寿命化が実
現される。ここで「p型」とは該型を担う物質中を移動
する電荷担体が主として正孔であるものをさし、その判
定は例えば、電荷発生物質を電気絶縁性結着剤に分散し
た感光体を作製し、この感光体を正あるいは負極性の同
程度の表面電位に帯電させて光感度を測定した場合に正
極性の帯電の方が高い感度を示すことでなされる。本発
明者らの検討によれば、本発明のすぐれた静電特性の実
現の確保の機構は次のように推定される。
【0015】本発明の構成の単層感光体を正帯電した場
合、その帯電電位は用いる正孔移動材料によって異なっ
てくる。酸化電位(Eox)値が電荷発生物質より正孔
移動材料の方が小さい組合せ(A)では帯電電位が低
く、そうでない組み合わせ(B)で帯電電位は高い。帯
電電位を支配する要因は、主として、感光層中の内部電
荷の存在と電極基板からの電子注入性の程度である。こ
のうち後者は主に電子移動物質である有機アクセプタ化
合物が関与しているため、前述した正孔移動材料の帯電
性に及ぼす効果は感光層中の内部電荷の存在により引き
起こされることになる。内部電荷は電荷発生物質中に存
在していると考えられる。ところで、電荷発生物質から
正孔移動材料への正孔注入性は、上記(A)の組み合わ
せにおいては注入障壁がなく容易となり、(B)の組み
合わせでは注入障壁が存在するため悪くなる。従って、
電荷発生物質に存在する内部正孔に対する障壁の有無が
単層感光体の帯電性を決定していると結論される。
【0016】正孔移動物質はもともと有機材料の中では
Eox値が小さくp型であるため、更に小さなEox値
の電荷発生顔料はp型になる。この様な電荷発生物質で
は電子の移動は正孔に較べ極めて悪く、また通常、Er
ed値の準位は高いレベルにある(Eredとしては小
さな値をとる)。従って、光照射により発生した電子は
顔料粒子中に蓄積し、光感度の低下や繰り返しの低下を
来すものと考えられる。
【0017】有機アクセプタ性化合物を導入し、電荷発
生顔料粒子から有機アクセプタ性化合物への電子注入を
可能にすれば電子蓄積の生成を抑え、高感度化と繰り返
し性の向上につながる。(p型の)電荷発生物質では電
子移動の効率が悪いため、もともと内在するフリーな電
子の濃度は帯電電位を顕著には低下させない程度である
と考えられる。従って、電荷発生物質のEred値と有
機アクセプタ性化合物のEred値と関係は、電荷発生
物質から有機アクセプタ性化合物へ電子が注入され易い
序列であるEred(電荷発生物質)≦Ered(有機
アクセプタ性化合物)が好ましいものとなる。
【0018】感光体における結着剤の役割は、電荷発生
顔料の良好な分散と有機正孔移動物質の分子状の分散ば
かりでなく、複写プロセスで必要とされる感光体の機械
的強度も担っている。このため、感光層に占める結着剤
の割合が低い場合にはこれらの諸性質が損なわれること
になる。従って、結着剤の配合割合はむやみに低くはで
きない。本発明で用いることができる結着剤としては、
ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、メタク
リル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ
樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステ
ル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリ
コーン樹脂、メラミン樹脂等の付加重合型樹脂、重付加
型樹脂、重縮合型樹脂、並びにこれらの繰り返し単位の
うち2つ以上を含む共重合体樹脂、例えば塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無
水マレイン酸共重合体樹脂などを挙げることができる。
これらの結着剤の感光層全体に占める量は30〜90重
量%、好ましくは40〜70重量%、更に好ましくは5
0重量%程度である。
【0019】本発明の単層型感光体における有機アクセ
プタ性化合物の役割は、残留電位の低下と感光体の静電
的特性の長寿命化である。これらの改良の原因は明確で
はないが、その1つとして光照射により電荷発生顔料で
発生した正孔と電子のうち電子を引き抜くことで電荷発
生顔料の内部電界の低減の防止と電気抵抗の低下を防止
することが考えられる。さらに別の有機アクセプタ性化
合物の役割は帯電電位を高くすることである。通常の複
写プロセスでは感光体が被る帯電過程では帯電ユニット
の能力で決定される感光体の電子受容能までは帯電され
ず、過渡的な電位レベルで帯電が打ち切られる。この様
な状況では、感光体の帯電速度の変化は感光体の帯電電
位に大きな影響を与える。電位受容能が高い感光体でも
帯電速度が変化すると繰り返し複写で帯電電位が変化し
てしまう。しかし、本発明の感光体では有機アクセプタ
性化合物の添加で添加しない感光体よりも帯電電位の繰
り返しの一層の安定化が図られる。これも前記した電子
の引き抜きが関係していると推測される。このように、
本発明に係わる単層感光体では有機アクセプタ性化合物
は必須の成分である。本発明で用いることができる有機
アクセプタ性化合物としては、キノン化合物、ニトリル
基を有するπ電子化合物、ニトロ基を有するπ電子化合
物等が挙げられる。このものの感光層に占める量は1〜
40重量%、好ましくは5〜40重量%である。
【0020】本発明における有機正孔移動物質としては
分子中にトリフェニルアミン部位を有する化合物、ヒド
ラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、オキサジア
ゾール化合物、カルバゾール基を含む化合物、ピラゾリ
ン系化合物、スチリル系化合物、ブタジエン系化合物、
線状の主鎖がSiよりなるポリシラン化合物、ポリビニ
ルカルバゾールなどの高分子ドナー化合物が挙げられ
る。感光層全体に占める有機正孔移動物質の量は15重
量%以上好ましくは20〜50重量%、更には好ましく
は25〜40重量%が適当である。
【0021】これらの有機正孔移動物質と組み合わせて
使用が可能な電荷発生顔料としてはビスアゾ顔料、トリ
スアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、
インジゴ顔料が挙げられる。これらのうち、アゾ顔料の
中心骨格としてはカルバゾール基やスチリル基、ジフェ
ニルアミン基、トリフェニルアミン基のような電子供与
性基が好適である。電荷発生顔料の感光層全体に占める
量は0.1〜40重量%好ましくは0.3〜25重量%
が適当である。
【0022】本発明の感光層の厚さは5〜100μmが
好ましい。これより薄いと帯電性が低下し厚いと感度の
低下を来す。
【0023】本発明で用いることができる導電性基体と
しては、アルミニウム、ニッケル、銅、ステンレス等の
金属板、金属ドラムまたは金属箔、アルミニウム、酸化
錫、ヨウ化銅の薄膜を蒸着あるいは塗布したプラスチッ
クフィルムあるいはガラス等が挙げられる。
【0024】本発明の感光体では帯電性を改良する目的
で、感光層と導電性基体との間に下引き層を設けること
ができる。下引き層の材料としては前記結着剤材料の他
に、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、カゼイ
ン、ポリビニルピロリドン等を用いることができる。
【0025】本発明の感光体をつくるには、前記の材料
を有機溶媒中に溶解またはボールミル、超音波等で分散
して調製した感光層形成液を浸漬法やブレード塗布法、
スプレー塗布法等で基体上に塗布し感光層を形成すれば
よい。
【0026】
【実施例】本発明を実施例により具体的に説明するが、
これにより本発明の態様が限定されるものではない。
【0027】実施例1〜5 有機正孔移動物質の種類をいろいろ変えて5種類の感光
体を作製した。即ち、下記のアゾ顔料0.5gをポリカ
ーボネートZ(PC−Z)溶液10g(テトラヒドロフ
ラン中に10重量%となるように溶解したもの)、テト
ラヒドロフラン9gとともにボールミリングした後、顔
料成分が6重量%、PC−Z成分が50重量%、下記の
有機アクセプタ性化合物が12重量%、下記の有機正孔
移動物質が32重量%となるように10重量%のPC−
Z溶液、有機アクセプタ性化合物、有機正孔移動物質を
加え感光体層形成液を調製した。この液をアルミニウム
基体上に塗布し加熱乾燥して約15μm厚の単層型感光
体を作製した。更に、前記のアゾ顔料をPC−Z中に分
散しITOガラス上に塗布した膜及びアセトニトリルに
溶解した正孔移動物質の酸化電位(Eox)を参照電極
SCEに対して測定した。前記アゾ顔料値のEoxは約
0.76Vであった。
【0028】これらの感光体を川口電機社製静電複写紙
試験装置(SP−428)で帯電電位Vs(帯電開始後
20秒後の表面電位値)と光照射後表面電位が1/2に
減衰するのに必要な露光量(E1/2)を測定した。表
1に示される結果が得られ、有機正孔移動物質のEox
値が電荷発生物質よりも低くなると帯電性が非常に低下
することが判明した。
【化1】
【化2】 (実施例1)
【化3】 (実施例2)
【化4】 (実施例3)
【化5】 (実施例4)
【化6】 (実施例5)
【化7】
【0029】実施例6〜10 有機アクセプタ性化合物又は有機正孔移動物質の種類を
変えて5種類の感光体を作製した。即ち、実施例1で用
いたのと同じアゾ顔料0.5gをポリカーボネートZ
(PC−Z)溶液10g(テトラヒドロフラン中に10
重量%となるように溶解したもの)、テトラヒドロフラ
ン9gとともにボールミリングした後、顔料成分が2重
量%、PC−Z成分が50重量%、下記の有機アクセプ
タ性化合物が20重量%、下記の有機正孔移動物質が2
8重量%となるように10重量%のPC−Z溶液、有機
アクセプタ性化合物、有機正孔移動物質を加え感光体層
形成液を調製した。この液をアルミニウム基体上に塗布
し加熱乾燥して約15μm厚の単層型感光体を作製し
た。更に、前記のアゾ顔料をPC−Z中に分散しITO
ガラス上に塗布した膜の還元電位(Ered)、アセト
ニトリルに溶解した有機正孔移動物質のEedを参照電
極SCEに対して測定した。前記アゾ顔料のEredは
約−1.2V以下であり、また、有機アクセプタ化合物
のEredは約−0.5Vであった。
【0030】実施例1と同様に、これらの感光体を川口
電機社製静電複写紙試験装置(SP−428)で帯電電
位Vs(帯電開始後20秒後の表面電位値)と光照射後
表面電位が1/2に減衰するのに必要な露光量(E1/
2)を測定した。表1に示される結果が得られ、ここで
も有機正孔移動物質のEox値が電荷発生物質よりも低
くなると帯電性が非常に低下することが判明した。ま
た、これらの感光体を線速260mm/sのドラムに張
り付けてプラス帯電、露光、光クエンチを繰り返した。
表2に示される結果が得られ、有機正孔移動物質のEo
x値が電荷発生物質よりも低くなると繰り返し性が低下
することが判明した。
【化8】 (実施例6)
【化9】 (実施例7)
【化10】 (実施例8)実施例3と同じ有機正孔移動物質。 (実施例9)実施例4と同じ有機正孔移動物質。 (実施例10)実施例5と同じ有機正孔移動物質。
【0031】実施例11〜13 実施例1の顔料を下記アゾ顔料0.5gに代え顔料組成
を5重量%に、下記の有機正孔移動物質を30重量%
に、下記の有機アクセプタ性化合物を15重量%となる
ように変えた以外は実施例1と同様にして単層型感光体
を作製した。また、前記のアゾ顔料をPC−Z中に分散
した膜のEox、Ered、有機正孔移動物質のEo
x、有機アクセプタ性化合物のEredをそれぞれ測定
した。このアゾ顔料のEoxは0.7Vであり、Ere
dは約−0.8Vであった。これらの感光体を実施例1
と同様にVs値とE1/2を測定し、また、繰り返し性
を測定した。その結果、有機アクセプタ性化合物のEr
ed値が電荷発生物質よりも高くなると感度および繰り
返し性が低下することが判明した。測定結果をまとめて
表1、表2に示す。
【化11】
【化12】 (実施例11)
【化13】 (実施例12)
【化14】 (実施例13)
【化15】
【0032】
【表1】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例 Eox(V) Ered(V) Vs(V) E1/2(lux・s) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1 0.4 110 5.6 2 0.5 260 2.6 3 0.7 1380 0.9 4 0.8 1420 1.3 5 0.8 1550 1.1 6 150 5.6 7 240 2.6 8 1410 0.9 9 1420 1.2 10 1510 1.1 11 -0.4 1080 2.8 12 -0.8 1360 5.1 13 -1.0 1580 6.4 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0033】
【表2】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例 帯電電位(V) 露光後電位(V) 初回 5000回後 初回 5000回後 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 6 260 50 40 40 7 510 190 140 160 8 830 760 160 180 9 800 700 160 180 10 840 760 180 250 11 810 760 190 210 12 800 610 190 230 13 830 550 240 250 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0034】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、少なくとも電
荷発生顔料、有機正孔移動物質、有機アクセプタ性化合
物が結着剤中に分散され、該電荷発生材料として、その
酸化電位値が該有機正孔移動材料の酸化電位値と同等か
それより小さいものを用いたことで、帯電性に優れた単
層型電子写真感光体が得られる。請求項2の発明によれ
ば、少なくとも(p型の)電荷発生顔料、有機正孔移動
物質、有機アクセプタ性化合物が結着剤中に分散され、
該電荷発生顔料として、その酸化電位値が該有機正孔移
動物質の酸化電位値と同等かそれより小さく、その還元
電位値として該有機アクセプタ性化合物の還元電位より
小さな材料を用いたことで、帯電性及び感度に優れ、更
に静電特性の長寿命化が図られた単層型電子写真感光体
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる単層型電子写真感光体の代表的
なものの概略図である。
【符号の説明】
1 導電性基体 2 感光層 21 電荷発生物質 22 結着剤中に有機正孔移動物質と有機アクセプタ性
化合物とが分子状に分散された状態のマトリックス
フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平4−339815 (32)優先日 平成4年11月25日(1992.11.25) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 小島 明夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 下田 昌克 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 河原 恵美 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 寺村 薫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 平1−292350(JP,A) 特開 平1−243065(JP,A) 特開 平2−178668(JP,A) 特開 平3−39749(JP,A) 特開 平5−297611(JP,A) 特開 平5−297610(JP,A) 特開 平5−45908(JP,A) 特開 平6−59487(JP,A) 特開 昭64−35449(JP,A) 特開 昭62−160453(JP,A) 特開 平5−113677(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に直接又は下引き層を介し
    て単層の有機感光層を設けてなり、その感光層は少なく
    とも電荷発生物質、有機正孔移動物質及び有機アクセプ
    タ性化合物が結着剤中に分散され、かつ、該電荷発生物
    質の酸化電位(Eox)値が該有機正孔移動物質のEo
    x値と同程度もしくはそれより小さいものであることを
    特徴とする単層型電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 導電性基体上に直接又は下引き層を介し
    て単層の有機感光層を設けてなり、その感光層は少なく
    ともp型の電荷発生物質、有機正孔移動物質及び有機ア
    クセプタ性化合物が結着剤中に分散され、かつ、該電荷
    発生物質の酸化電位(Eox)値が該有機正孔移動物質
    のEox値と同程度もしくはそれより小さく、更に、該
    電荷発生物質の還元電位(Ered)値が該有機アクセ
    プタ性化合物のEred値と同程度もしくはそれより小
    さいものであることを特徴とする単層型電子写真感光
    体。
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