JPH10240017A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH10240017A
JPH10240017A JP9046748A JP4674897A JPH10240017A JP H10240017 A JPH10240017 A JP H10240017A JP 9046748 A JP9046748 A JP 9046748A JP 4674897 A JP4674897 A JP 4674897A JP H10240017 A JPH10240017 A JP H10240017A
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JP
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layer
charged
charging
image
magnetic
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JP9046748A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Ebara
俊幸 江原
Masaya Kawada
将也 河田
Takaaki Kashiwa
孝明 栢
Tetsuya Karaki
哲也 唐木
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)
  • Magnetic Brush Developing In Electrophotography (AREA)
  • Dry Development In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真方式の画像形成装置の総合性能を向
上すること。 【解決手段】 2成分現像方式とオゾンレス帯電器を組
み合わせる。この場合、以下の条件を満たすように装置
を構成する。接触型帯電部材の磁気ブラシの抵抗と粒径
を、現像用キャリアの抵抗と粒径に対して最適化する
(帯電部材の抵抗値が1×104 〜1×109 Ωcm、
磁性粉体の粒径が20〜50μm、現像スリーブの磁力が10
0 〜10000 G、現像キャリア粒子の粒径が20〜200 μ
m、現像キャリアの抵抗値が1×102 〜1×108 Ω
cm)。帯電時間を最適化する(10msec以上)。特
性に優れた感光体を使用する(表面層の抵抗値が1×1
10〜1×1015Ωcm、光導電層のEuが50〜60me
V、D.O.Sが1×1014〜1×1016cm-3、Si
‐H2 /Si‐Hが0.2 〜0.5 )。接触型帯電部材と感
光体との相対スピード比を最適化する(110 %以上)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性粉体を有する
帯電部材に電圧を印加し、該磁性粉体を被帯電体に接触
させて帯電する帯電装置を用いた画像形成装置に関す
る。より具体的には、放電を伴わない新しい帯電方式に
よリエコロジー面に優れているばかりでなく、良好な画
質を長期にわたって供給することが可能な画像形成装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】
[1] 画像形成装置 画像形成装置は従来の原稿を複写するいわゆる複写機の
みならず、近年需要の伸びの著しいコンピュータ、ワー
ドプロセッサの出力手段としてのプリンターを加え、広
く利用されている。こうしたプリンターは従来のオフィ
スユースのみならず、パーソナルユースが増大したた
め、低コスト、メンテナンスフリーといった経済性が重
視される。更に、エコロジーの観点から、両面コピー、
再生紙利用等紙の消費低減、消費電力低減の省エネルギ
ー、オゾン量低減等近隣生物への影響対策が、経済性と
同様の重要度で求められている。
【0003】ところで、従来の帯電方式の主流であった
コロナ帯電器は、φ50〜100μm程度の金属ワイヤ
ーに5〜10kV程度の高電圧を印加し、雰囲気を電離
し対向物に帯電を付与する。その過程において、ワイヤ
ー自身も汚れを吸着し、定期的な清掃、交換が必要であ
った。また、コロナ放電に伴い、オゾンが大量に発生し
てしまうという問題があった。
【0004】省エネルギーに関しては、感光体ヒータの
問題もある。近年使用される電子写真感光体は、耐刷枚
数の増大をはかる為表面硬度が高くなっている。また、
繰り返し使用により帯電器から発生するオゾンから派生
するオゾン生成物の影響で、被帯電体である感光体の表
面が湿度に敏感となり水分を吸着し易くなっている。高
湿環境下においてはこれが感光体表面の電荷の横流れの
原因となり、画像流れといわれる画像品質低下を引き起
こしていた。
【0005】このような画像流れを防止する為に、実公
平1−34205号公報に記載されている様なヒーター
による加熱や、特公平2−38956号公報に記載され
ている様なマグネットローラーと磁性トナーから形成さ
れたブラシにより被帯電体である所の像担持体(例えば
感光体表面)を摺擦しオゾン生成物を取り除く方法が用
いられてきた。また、特開昭61−100780号公報
に記載されている様に、弾性ローラーによって感光体表
面を摺擦することで、オゾン生成物を取り除く方法等が
用いられてきた。
【0006】感光体表面を摺擦する方法は、極めて硬度
の高いアモルファスシリコン感光体に対して適用されて
いる。しかし、この方法では、画像形成装置の小型化が
困難であった。また、ヒーターによる常時加熱方法は、
前述の様に消費電力量の増大を招く。こうしたヒーター
の容量は通常15Wから80W程度であり、大電力量と
いった印象を得ない。しかし、夜間も含め常時通電され
ているケースがほとんどであり、一日あたりの消費電力
量としては、画像形成装置全体の消費電力量の5〜15
%にも達する。
【0007】また、こうした画像流れの元凶であるオゾ
ンは、画像形成装置周囲の人や生物への健康障害のおそ
れがあるため、従来からオゾン除去フィルターで分解無
害化して排出していた。特にパーソナルユースの場合、
排出オゾン量は極力低減しなければならない。このよう
に経済面からも帯電時の発生オゾン量を大幅に低減する
方式が求められている。
【0008】こうした状況から、新たな帯電部材、帯電
装置、画像形成装置としての発生オゾン量が皆無、ある
いは低減された帯電装置が求められている。以下、帯電
装置、感光体、ヒータについての従来技術を、さらに詳
細に説明する。 [2] 帯電装置 前述の問題点を解決すべく、各種帯電装置が提案されて
いる。
【0009】特開昭63−208878号公報等に記載
されている接触帯電は、電圧を印加した帯電部材を被帯
電体に当接させて被帯電面を所用の電位に帯電するもの
である。これらは、帯電部装置として広く利用されてい
るコロナ帯電装置に比べ下記長所1,2,3を有してい
る。
【0010】長所1. 被帯電体面に所望の電位を得る
のに必要とされる印加電圧の低電圧化が可能である。
【0011】長所2. 帯電過程で発生するオゾン量が
無乃至極微量であり、オゾン除去フィルターが不要であ
る。そのため装置の排気系の構成が簡素化できる。ま
た、メンテンナンスフリーにできる。
【0012】長所3. 画像流れを防止するための加熱
ヒーターによる除湿が不要である。そのため、夜間通電
等の電力消費の大幅に低減できる。
【0013】以上のような長所を有する接触帯電は、複
写機、レーザービームプリンター、静電記録装置等の画
像形成装置において、感光体、誘電体等の像担持体、そ
の他の被帯電体を帯電処理する手段として、コロナ放電
装置に代わるものとして注目を集めており、実用化もさ
れている。
【0014】従来からの周知な接触帯電手段としては、
ブレードやシート状の固定式の帯電部材を被帯電体に当
接させ、これにバイアスを印加して帯電を行うものが代
表的である。図27にその一例を示す。
【0015】感光ドラム801は、矢印Aの時計方向に
所定のドラム面移動速度(以下、“プロセススピード”
と称す)にて回転駆動されるドラム型の電子写真感光体
である。
【0016】接触帯電部材802は、電極802‐1、
及びその帯電面に形成した抵抗層802‐2とを備えて
いる。電極802‐1は、通常アルミニウム、アルミニ
ウム合金、真鍮、銅、鉄、ステンレス等の金属や、樹
脂、セラミック等の絶縁材料に導電処理(例えば、金属
のコーティング、導電性塗料の塗布)を施したものを用
いる。抵抗層802‐2は、ポリプロピレン、ポリエチ
レン等の樹脂や、シリコンゴム、ウレタンゴム等のエラ
ストマーに、酸化チタン、炭素粉、金属粉等の導電性フ
ィラーを分散したものが一般的に用いられる。該抵抗層
802−2の抵抗値は、例えば、1×10 3〜1×10
12 Ωcm程度にされる。なお、該抵抗値は、HIOK
I社製のMΩテスターを用いて、250〜1kVの電圧
を印加した状態で測定した値である。
【0017】電圧印加電源803が、接触帯電部材80
2の電極802‐2に所定の電圧を印加することで、回
転駆動されている感光ドラム801の外周面を均一に帯
電する。この印加電圧は、例えば、帯電開始電圧の2倍
以上のピーク間電圧Vppを有する交流電圧Vacに、
直流電圧Vdcを重畳した電圧(Vac+Vdc)であ
る。
【0018】そして、該感光ドラム801上において、
画像信号に応じて強度変調されるレーザービームプリン
ター光805を走査させることで、該感光ドラム801
上に静電潜像を形成する。
【0019】この潜像は、現像剤が塗布された現像スリ
ーブ806によって顕像化された後、転写ローラー80
8によって、転写材807に転写される。この後、該転
写像は、定着装置(不図示)によって定着される。この
後、該転写材807は機外に排出される。なお、転写さ
れずに感光ドラム801上に残ったトナーは、クリーニ
ングブレード809によって感光ドラム801上から除
去される。
【0020】しかし、この方式では、感光ドラム801
と接触帯電部材802とが直接接触している、長期間使
用していると接触帯電部材802が摩耗してしまう。そ
のため、接触帯電部材802は、定期的に交換しなけれ
ばならなかった。これに対し、近年画像形成装置に広く
用いられ始めたアモルファスシリコン感光体は、半永久
的な寿命を有している。そのため、接触帯電部材の交換
は、メンテンナンスフリーの実現を阻む大きな問題とな
っていた。
【0021】その解決策として、接触帯電部材のさまざ
まな改善がなされている。例えば、特開昭59−133
569号公報、特開昭63−187267号公報には、
磁性体と磁性粉体(或いは粒子)とからなる磁気ブラシ
状の接触帯電部材を、像担持体に接触させることで、こ
れを帯電させる機構が提案されている。この方式によ
り、像担持体と接触帯電部材の接触性、摩擦特性が向上
し、耐久劣化に対して機械的摩耗等の格段の向上が図ら
れた。
【0022】該機構を図28を用いて説明する。
【0023】像担持体たる感光ドラム101´は、矢印
Aの時計方向に所定のプロセススピードにて回転駆動さ
れるドラム型の電子写真感光光体である。
【0024】接触型帯電部材102´は、多極磁性体1
04´及びその帯電面に磁性粉体により形成した磁気ブ
ラシ層103´とからなる。
【0025】該磁気ブラシの側面からの該略図を図28
(b)に示す。
【0026】多極磁性体104´は、通常、フェライト
磁石、ゴムマグネット等の磁性材料を用い、円筒状の、
いわゆるマグネットローラーのごとく構成される。
【0027】磁気ブラシ層103´は、磁性酸化鉄(フ
ェライト)粉、マグネタイト粉、周知の磁性トナー材等
が一般的に用いられる。
【0028】該接触型帯電部材102´の抵抗値は、そ
の使用される環境、高帯電効率、或いは該感光体の表面
層の耐圧特性等に応じて適宜選択されることが望まし
い。
【0029】像担持体101´と接触帯電部材の最近接
間隙は、該磁気ブラシ層103´のニップを安定に制御
する為、一定の距離に安定的に設定される必要がある。
該距離は50〜2000μmの範囲が好ましく、より好
ましくは100〜1000μmである。
【0030】電圧印加電源105´は、直流電圧Vdc
を、帯電部材の多極磁性体104´、磁気ブラシ層10
3´に印加することで、回転駆動されている感光ドラム
101´の外周面を均一に帯電する。
【0031】更に、画像信号に応じて強度変調されるレ
ーザービームプリンター光rが走査させることによって
該感光ドラム上に静電潜像を形成する。
【0032】この潜像は、現像剤が塗布された現像スリ
ーブ106´によって顕像化された後、転写ローラー1
08´により転写材107´上に転写される。この後、
該転写像は、定着装置(不図示)によって定着された
後、機外に排出される。なお、転写材107´に転写さ
れずに感光ドラム上に残ったトナーは、クリーニングブ
レード109´によって感光ドラム101´上から除去
される。 [3] 感光体 3−1 有機光導電体(OPC) 電子写真感光体の光導電材料として、近年種々の有機光
導電材料の開発が進んでいる。特に、電荷発生層と電荷
輸送層とを積層した機能分離型感光体は、既に実用化さ
れ複写機やレーザービームプリンターに搭載されてい
る。
【0033】しかしながら、これらの感光体は一般的に
耐久性が低いことが1つの大きな欠点であるとされてき
た。耐久性には、電子写真物性面での耐久性(例えば、
感度、残留電位、帯電能、画像ぼけ)と、機械的耐久性
(例えば、摺擦による感光体表面の摩擦や引っ掻き傷
等)とがあり、いずれも感光体の寿命を決定する大きな
要因となっている。
【0034】このうち、電子写真物性面の耐久性、特に
画像ぼけに関しては、コロナ帯電器から発生するオゾ
ン、NOx等の活性物質により感光体表面層に含有され
る電荷輸送物質が劣化することが原因であることが知ら
れている。
【0035】また機械的耐久性に関しては、感光層に対
して紙、ブレード/ローラー等のクリーニング部材、ト
ナー等が物理的に接触して摺擦することが原因であるこ
とが知られている。
【0036】電子写真物性面の耐久性を向上させる為に
は、オゾン、NOx等の活性物質により劣化されにくい
電荷輸送物質を用いることが重要である。そして、その
ためには、酸化電位の高い電荷輸送物質を選択すること
が知られている。
【0037】また、機械的耐久性を上げるには、紙やク
リーニング部材による摺擦に耐えるために表面の潤滑性
を高めて摩擦を小さくすること、また、トナーのフィル
ミング融着等を防止するために表面の離形性をよくする
ことが重要である。そして、そのためには、フッ素系樹
脂粉体、フッ化黒鉛、ポリオレフィン系樹脂粉体等の潤
滑材を表面層に配合することが知られている。
【0038】しかしながら、摩擦が著しく小さくなると
オゾン、NOx等の活性物質により生成した吸湿性物質
が感光体表面に堆積して、表面抵抗が下がってしまう。
その結果、表面電荷が横方向に移動しやすくなり、いわ
ゆる画像流れを生ずるという問題があった。
【0039】3−2 アモルファスシリコン系感光体
(a−Si) 電子写真において、感光体における感光層を形成する光
導電材料としては、高感度で、SN比〔光電流(Ip)
/暗電流(Id)〕が高く、照射する電磁波のスペクト
ル特性に適合した吸収スペクトルを有すること、光応答
性が早く、所望の暗抵抗値を有すること、使用時におい
て人体に対して無害であること、等の特性が要求され
る。特に、事務機としてオフィスで使用される画像形成
装置内に組み込まれる画像形成装置用感光体の場合に
は、この無公害性が重要な点である。この様な点に優れ
た性質を示す光導電材料として、水素化アモルファスシ
リコン(以下、「a−Si:H」と表記する)がある。
この水素化アモルファスシリコンを、画像形成装置用感
光体として利用することが、例えば、特公昭60−35
059号公報に記載されている。
【0040】このような画像形成装置用感光体は、一般
的には、導電性支持体を50℃〜400℃に加熱し、該
支持体上に、所定の成膜法(例えば、真空蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、
光CVD法、プラズマCVD法)によって、a−Siか
らなる光導電層を形成する。なかでも、プラズマCVD
法、すなわち、原料ガスを直流または高周波あるいはマ
イクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−S
i堆積膜を形成する方法が好適なものとして実用に付さ
れている。
【0041】また、特開昭54−83746号公報に
は、導電性支持体と、ハロゲン原子を構成要素として含
むa−Si(以下、「a−Si:X」と表記する)光導
電層からなる画像形成装置用感光体が提案されている。
該公報においては、a−Siにハロゲン原子を1〜40
原子%含有させることにより、耐熱性が高く、画像形成
装置用感光体の光導電層として良好な電気的、光学的特
性を得ることができる旨が記載されている。
【0042】また、特開昭57−11556号公報に
は、a−Si堆積膜で構成された光導電層を有する光導
電部材の、暗抵抗値、光感度、光応答性等の電気的、光
学的、光導電的特性及び耐湿性等の使用環境特性、さら
には経時的安定性について改善を図る技術が開示されて
いる。該技術は、具体的には、シリコンを母材としたア
モルファス材料で構成された光導電層上に、シリコン原
子及び炭素原子を含む非光導電性のアモルファス材料で
構成された表面層を設けるというものである。
【0043】更に、特開昭60−67951号公報に
は、アモルファスシリコン、炭素、酸素及び弗素を含有
してなる透光絶縁性オーバーコート層を積層する感光体
についての技術が記載されている。
【0044】特開昭62−168161号公報には、表
面層として、シリコン原子と炭素原子と41〜70原子
%の水素原子を構成要素として含む非晶質材料を用いる
技術が記載されている。
【0045】また更に、特開昭57−158650号公
報には、水素を10〜40原子%含有しており、その赤
外吸収スペクトルの2100cm-1の吸収ピークと、2
000cm-1の吸収ピークとの吸収係数比が、0.2〜
1.7であるa−Si:Hを光導電層に用いることが記
載されている。そして、このような材料を光導電層に用
いた場合、より高感度で高抵抗な画像形成装置用感光体
が得られことが記載されている。
【0046】特開昭60−95551号公報には、感光
体表面近傍の温度を30〜40℃に維持して帯電、露
光、現像及び転写といった画像形成行程を行う技術が記
載されている。そして、該技術によれば、アモルファス
シリコン感光体の画像品質向上、具体的には、感光体表
面での水分の吸着による表面抵抗の低下とそれに伴って
発生する画像流れを防止できる旨が述べられている。
【0047】これらの技術により、画像形成装置用感光
体の電気的、光学的、光導電的特性および使用環境特性
が向上し、それに伴って画像品質も向上してきた。 [4] 環境対策ヒータ 前述した感光体の高湿画像流れを防止、除去する為に、
感光体内面に熱源を設ける技術が知られている。最も一
般的なのは、面状あるいは棒状の電熱ヒータを円筒状感
光体内面に配設する技術である。また、実公平1−34
205号公報には、画像流れを防止する為に、ヒーター
等の加熱手段を使用する技術が記載されている。しか
し、ヒーターによる常時加熱は、前述したとおり消費電
力量の増大を招く。 [5] 現像方式 現像方式は、モノクロ・カラー等、そのニーズに応じて
1成分現像・2成分ブラシ現像の様々な方式が考案若し
くは採用されている。一般に、画像再現特性は、1成分
現像よりも2成分ブラシ現像の方が優れていると言われ
ている。主な現像方式それぞれの特徴は以下の通りであ
る。
【0048】(a)BMT方式・FEED方式(1成分
・絶縁性・磁性・接触) 特にFEED方式は、2成分ブラシ現像とほぼ同等の画
像特性である。
【0049】(b)タッチダウン方式(1成分・絶縁性
・非磁性・接触) 接触現像によるカブリが問題である。
【0050】(c)ジャンピング方式(1成分・絶縁性
・磁性・非接触) 非接触のため、カブリ・傷の問題が少ない。
【0051】(d)プロジェクション方式(1成分・絶
縁性・非磁性・非接触) 非接触のため、カブリ・傷の問題が少ない。非磁性のた
め、カラー化も可能である。
【0052】(e)マグネダイナミック方式(1成分・
導電性・磁性・接触) 潜像電界による誘導帯電、ブラシ現像。正、負いずれの
潜像でも現像できるが、転写が困難である。
【0053】(f)IMB方式(2成分・絶縁性・非磁
性・接触) 絶線性キャリアのため、現像後に逆極性電荷が蓄積され
る。ベタ部の再現性は良くないが、細線の再現性は良
い。
【0054】(g)CMB方式(2成分・導電性・非磁
性・接触) 導電性キャリアのため、現像後に逆極性電荷が蓄積され
ない。ベタ部の再現性は良いが、低濃度の細線の再現性
が劣る。
【0055】特開昭60−146252号公報では、電
気抵抗が100Ωcm以上で、飽和磁化が10emv/
g以上、平均粒径が5〜1000μmのキャリアを含む
2成分現像剤に関する技術が記載されている。
【0056】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の様な
電圧印加式の磁性粒子をブラシとして用いた帯電装置
を、像担持体の帯電手段として利用した場合、以下のよ
うな問題点があった。 問題点1: 帯電部材の耐久性の不足 磁気ブラシ層を構成する磁性粉体等が、感光体の回転中
に感光体表面へ移動することがある。さらには、その磁
性粉体が現像器内に混入すると、現像器内の現像キャリ
アの成分が変化し、画質が悪化する。特に画像濃度低下
や、かぶり等が見られる様になる。この問題は、特に感
光体の回転速度が高い場合に顕著である。また、印加さ
れる帯電電位(以下“Vp”と称する)と、帯電前の感
光体表面(あるいは、非帯電部)の電位と、の電位差が
大きい時に顕著である。帯電部材の耐久性不足に起因し
た画質低下は、サービスコストの増加をまねき、メンテ
ナンスフリー化を阻害する問題である。該問題は、アモ
ルファスシリコン感光体の様に高速で使用され、極めて
長い寿命を有する感光体を用いた画像形成装置におい
て、特に大きい。 問題点2: 長期使用時における縦スジの発生 縦スジ(以下“まだらスジ”と呼ぶ)の発生メカニズム
としては以下の様なメカニズムが考えられる。
【0057】機械的力(例えば、感光体の回転による摩
擦力)、クーロン力(注:これは磁気ブラシ層と感光体
表面の非帯電部の電位差により生じている)等によっ
て、多極磁性体と磁気ブラシ層を構成する帯電用磁性粉
体との間に作用している磁気的吸引力に逆らって、帯電
用磁性粉体が感光体に移動する。そして、そのいくらか
は、現像器のスリーブ(現像スリーブ)に磁気的に吸引
される。耐刷枚数が増加するに従い、現像スリーブに吸
引される該帯電用磁性粉体の累積が増加して、現像材が
感光体表面に現像される際の妨げとなる。その結果、ま
だらスジが発生する。更には、転写材(例えば、コピー
用紙)に現像、転写され、いわゆる“かぶり”が発生す
る場合もあった。
【0058】特開昭59−133569号公報では、感
光体の回転方向における帯電器の下流側にブレードを設
けて、帯電キャリアの再捕獲を行なう機構が開示されて
いる。しかし、ブレード部に滞留する帯電用磁性紛体に
よって、感光体表面が研磨され、画質低下を招く場合も
ある。また、該帯電用磁性粉体が現像スリーブにも捕獲
されず、転写紙に転写されると、いわゆるキャリア付着
といった現象、即ち出力画像上に不快なザラツキが発生
してしまうこともあった。
【0059】一方、昨今のOA市場においては、情報の
多様化・高度化から、オフィスでとられるコピーのカラ
ー化が進んでおり、2成分ブラシ現像である必要性が高
い。さらにはシステムの高速化・安定性が求められてい
る。このような要望に応えるべく、現在は、安定性・耐
摩耗性等に極めて優れ超高速のヘビーデューティーマシ
ン用として最も適したアモルファスシリコン系感光体の
カラー複写装置への搭載が進められている。カラー用現
像剤の開発状況から勘案するに、2成分ブラシ現像との
組み合わせが必要になると考えられる。
【0060】しかし、前述のとおり、画像流れに対し、
特公平2‐38956号公報に記載されている方法(マ
グネットローラーと磁性トナーから形成されたブラシに
より感光体表面を摺擦することでオゾン生成物を取り除
く方法)は、2成分ブラシ現像においては、ブラシを構
成する磁性トナーの供給ができないため、成立しない。
【0061】特開昭61−100780号公報に記載さ
れている方法(弾性ローラーによる感光体表面の摺擦で
コロナ生成物を取り除く方法)では、感光ドラムが削れ
てしまうため、OPC感光体はもとより、アモルファス
シリコン系感光体においても好ましくないといった状況
にあった。又、特に表面硬度がそれほど高く無い感光体
においては、その影響は更に大きくなる。
【0062】本発明は、画像形成装置用感光体の電子写
真物性、構械的耐久性など総合的な観点からの改良を図
るとともに、帯電部材、帯電装置、画像形成装置の一段
の改良を図ることを目的としてなされたものである。
【0063】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたものであり、被帯電面を備えた像坦
持体たる被帯電体と、その表面に磁性粉体を有する帯電
部材を備え、該磁性粉体に電圧を印加した状態で該磁性
粉体を前記被帯電面に接触させることで前記被帯電面を
帯電させる帯電手段と、帯電された前記被帯電面上に静
電潜像を形成する静電潜像形成手段と、現像剤を保持す
る多極磁性材を有する現像スリーブを有し、該現像スリ
ーブに保持した現像剤を用いて前記静電潜像を可視化す
る現像手段と、を備え、前記現像手段は、前記現像剤に
トナー粒子と該トナー粒子を前記被帯電面に搬送する現
像キャリア粒子とを含んだ、2成分現像方式であり、前
記現像キャリア粒子は、抵抗が1×102 〜1×10 8
Ωcm且つ粒径が20〜200μmであり、前記磁性粉
体は、抵抗が1×10 4〜1×10 7Ωcm且つ粒径が
20〜50μmであり、前記現像スリーブは、その磁力
が1000〜10000Gであること、を特徴とする画
像形成装置が提供される。
【0064】前記被帯電体は、前記帯電手段による帯電
に際して前記被帯電面を移動されており、前記帯電手段
は、前記帯電部材を回転させつつ、前記磁性粉体を前記
被帯電体に接触させるものであり、下記相対スピード比
は、110%以上であることが好ましい。
【0065】前記被帯電体は、導電性支持体と、光受容
層と、を備えた感光体であり、前記光受容層は、シリコ
ンを母材とし水素原子および/またはハロゲン原子を含
有した非単結晶材料を含んで構成された光導電性を示す
光導電層と、電荷を保持する機能を有する表面層と、を
有し、前記光導電層は、10〜30原子%の水素を含有
し、Si‐H2 /Si‐Hが0.2〜0.5であり、少
なくとも光の入射する部分において、サブバンドギャッ
プ光吸収スペクトルから得られる指数関数裾の特性エネ
ルギーが50〜60meV、かつ、局在状態密度が1×
1014以上1×1016cm -3 未満であり、前記表面層
は、抵抗値が1×10 10 〜1×1015Ωcmであるこ
とが好ましい。
【0066】前記被帯電体の各部位が前記磁性粉体と接
している時間が、10sec以上であることが好まし
い。
【0067】以下、本発明の手段と作用の関係を説明す
る。
【0068】第1に、現像方式としては2成分現像方式
を用いる。そして、現像用キャリア粒子の抵抗を1×1
2 〜1×108 Ωcmにするとともに、その粒径を2
0〜200μmとする。また、帯電用の磁性粉体の抵抗
を1×104 〜1×10 7Ωcmにするとともに、その
粒径を20〜50μmにする。さらに、現像スリーブの
磁力を1000〜10000Gにする。以上のような構
成を採ることで、該帯電用の磁性粉体が漏れた場合にも
すべて現像器内に捕獲してキャリア付着を防止できる。
また、該帯電用の磁性粉体が現像器内に混入しても、現
像用キャリア粒子の構成に大きな影響を与えることがな
くなり、画質低下を防止できる。
【0069】第2に、被帯電体の表面移動速度をA、円
筒状の該被帯電部材の表面移動速度をBとしたとき、相
対スピード比(=100・(A−B)/A)を110%
以上にすることにより、画像流れのない高品質の画像が
得られるようになる。なお、2成分ブラシ現像を採用し
ている本発明においては、マグネットローラと磁性トナ
ーから形成されたブラシにより感光体表面を摺擦しオゾ
ン生成物を取り除く方法は使用できない。
【0070】第3に、被帯電体として、導電性支持体
と、シリコンを母材とし水素原子および/またはハロゲ
ン原子を含有する非単結晶材料からなり光導電性を示す
光導電層、および電荷を保持する機能を有する表面層を
有する光受容層とを備えた感光体を採用する。そして、
この光導電層は、10〜30原子%の水素を含有し、S
i‐H2 /Si‐Hが0.2〜0.5であり、少なくと
も光の入射する部分において、光吸収スペクトルから得
られる指数関数裾の特性エネルギーが50〜60me
V、かつ、局在状態密度が1×1014以上1×1016
-3未満とする。このような構成を採用することによ
り、アモルファスシリコン感光体特有の問題である光メ
モリーを軽減できる。また、電気特性の温度依存性が低
減して、感光体の温度制御が不要になった。さらに、被
帯電体の部位が前記磁性粉体と接している時間を10s
ec以上とすることにより、高い帯電効率が得られ十分
な地ならし効果が得られる。上述した光導電層と組み合
わせることにより、除電光が不要になる。あるいは、強
い除電光を与えても十分な帯電が得られるため、帯電能
の低下を伴うことなく光メモリーを低減できる。
【0071】以下、さらに詳しく作用について述べる。 [1] 帯電部材 図1は、本発明にかかる帯電部材、被帯電体、画像形成
装置の概略図である。像担持体たる感光ドラム101
は、矢印Aの時計方向に所定のプロセススピードにて回
転駆動されるドラム型の電子写真感光体である。
【0072】接触型帯電部材102は、多極磁性体10
4と、その帯電面を磁性紛体により構成された磁気ブラ
シ層103とを備えている。接触型帯電部材102の側
面からの該略図を図1(b)に示す。
【0073】多極磁性体104は、通常、フェライト磁
石、ゴムマグネット等の磁性材料を用い、円筒状の、い
わゆるマグネットローラーのごとく構成される。その磁
力線密度は、その使用するプロセススピード、印加電圧
と非帯電部との電位差による電界、被帯電体の誘電率,
表面性等多くの要因により異なり、これらの条件に応じ
て適宜選択される。該多極磁性体104の表面から1m
mの距離において測定される、磁極位置における磁力線
密度が、500ガウス(G)以上であること好ましい。
より好ましくは1000G以上である。
【0074】磁気ブラシ層103には、磁性酸化鉄(フ
ェライト)粉、マグネタイト粉、周知の磁性トナー材等
が一般的に用いられる。又、流動性向上のため上記粒径
の範囲内で異なる粒径の帯電キャリアを混合して使用し
ても良い。
【0075】該接触型帯電部材102の抵抗値は、その
使用される環境、高帯電効率、或いは該感光体の表面層
の耐圧特性等に応じて適宜選択されることが望ましい。
【0076】像担持体たる感光ドラム101と接触型帯
電部材102との最近接間隙は、該磁気ブラシ層103
のニップを安定に制御する為、一定の距離に安定的に設
定される必要がある。該距離は50〜2000μmの範
囲であることが好ましい。さらには、100〜1000
μmがより好ましい。
【0077】磁気ブラシ層103の被帯電体上における
ニップは、帯電効率に影響する。ニップを安定的に制御
することにより、被帯電体の電位を制御することが可能
である。ニップの制御は、例えば、磁気ブラシ層103
の厚さの調整によって、また、接触型帯電部材102と
被帯電体とのギャップの調整によって、可能である。す
でに述べたとおり、接触型帯電部材102と被帯電体と
のギャップは、50〜2000μmの範囲が好ましい。
さらには、100〜1000μmであるのがより好まし
い。
【0078】被帯電体表面に微小欠陥、あるいは、リー
クによる被帯電体の部分的絶縁破壊があると、被帯電体
長軸方向の一部にのみ集中的に電流が流れる状況が発生
する。このような状況において、該磁気ブラシ層103
の抵抗が低すぎると、帯電部材長軸方向全域を十分に帯
電することができなくなる。一方、該磁気ブラシ層10
3の抵抗が高すぎると、帯電効率が悪化する。従って、
磁気ブラシ層103の抵抗値は、1×103 〜1×10
12 Ωcmであることが好ましい。さらには、1×10
4〜1×10 9Ωcmであるのがより好ましい。なお、
ここにあげた具体的な抵抗値は、HIOKI社(メーカ
ー)製のMΩテスターを用いて、250〜1kVの電圧
を印加して測定した結果に基づいたものである。
【0079】電圧印加電源105は、直流電圧Vdc
を、接触型帯電部材102の多極磁性体104および磁
気ブラシ層103に印加する。これにより、回転駆動さ
れている感光ドラム101の外周面が均一に帯電され
る。本発明においては、感光体等の被帯電体として後述
する新規な感光体を用いている。
【0080】本発明では、上記の様な磁気ブラシ層10
3を用いた接触型帯電部材102を、後述の感光体と組
み合わせて使用するとともに、該接触型帯電部材102
の被帯電体に対する相対スピード比を110%以上とす
ることによって、“高湿流れ”対策としての磁気ブラシ
等を用いたクリーナーによる摺擦が不要になる。
【0081】また、感光体のある部位が帯電部材と接し
ている時間を、10msec以上とすることによって、
帯電効率を高めて十分な地ならし効果が得られる。
【0082】さらに、該光導電層との組み合わせること
で、除電光が不要になる。また、強い除電光を与えた場
合でも十分な帯電が得られる。すなわち、帯電能を低下
させることなく、光メモリーを低減できる。さらには、
装置の小型化が可能である。また、エコロジーにマッチ
し、かつ画質の非常に向上した画像形成システムが可能
となる。 [2] 感光体 前述問題を解決する為の、一つの手段として、本発明者
らは光メモリー及び温度依存性が小さくかつ表面耐久性
に優れた感光体を見いだした。そして、これを用いれ
ば、長期にわたり極めて好適な画像安定化が達成される
ことを見いだした。
【0083】2−1 有機光導電体(OPC) 本発明に用いた好適な感光体の一形態である画像形成装
置用のOPC感光体について以下に述べる。
【0084】図2に画像形成装置用OPC感光体の一例
を示す。OPC感光体900は、感光体用としての支持
体901の上に、感光層902が設けられている。該感
光層902は電荷発生層903、電荷輸送層904を備
えており、必要に応じて、保護層ないし表面層905、
及び支持体901と電荷発生層903との間に中間層を
設けて構成されている。
【0085】本発明に用いられるOPC感光体(すなわ
ち表面層、光導電層、必要に応じて設けられる中間
層)、特にその表面層は、接触帯電部材からの電荷注入
を効率的に受容し、該電荷を有効に保持することが必要
である。本発明者らは、特に表面層で、高抵抗樹脂中
(例えば、高融点ポリエステル樹脂と硬化樹脂の混成
材)に電荷保持粒子(例えば、 SnO2 など金属酸化
物等)を分散させた材料が、それぞれの樹脂成分の特性
を相乗的に作用させあい、こうした条件を満足すること
を見いだした。
【0086】本発明の電子写真感光体の表面層、光導電
層、電荷輸送層及び電荷発生層の形成に用いる樹脂の1
例を説明する。
【0087】ポリエステルとは、酸成分とアルコール成
分との結合ポリマーであり、ジカルボン酸とグリコール
との縮合あるいはヒドロキシ安息香酸のヒドロキシ基と
カルボキシ基とを有する化合物の縮合によって得られる
重合体である。
【0088】酸成分として、テレフタル酸、イソフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、
コハク酸、アジピン酸、セバチン酸等の脂肪族等ジカル
ボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等の脂環族ジカルボ
ン酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン
酸等を用いることが出来る。
【0089】グリコール成分としては、エチレングリコ
ール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコ
ール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジメ
チロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール等を使用することが出来る。
【0090】尚、前記ポリエステル樹脂が実質的に線状
である範囲でペンタエリスリトール、ロリメチロールプ
ロパン、ピロメリット酸およびこれらのエステル形成誘
導体等の多官能化合物を共重合させても良い。
【0091】本発明に用いるポリエステル樹脂として
は、高融点ポリエステル樹脂を用いる。
【0092】高融点ポリエステル樹脂としては、オルソ
クロロフェノール中36℃で測定した極限粘度が0.4
dl/g以上、好ましくは0.5dl/g以上、更に好
ましくは0.65dl/g以上のものが用いられる。
【0093】好ましい高融点ポリエステル樹脂として
は、ポリアルキレンテレフタレート系樹脂が挙げられ
る。ポリアルキレンテレフタレート系樹脂は酸成分とし
て、テレフタール酸、グリコール成分として、アルキレ
ングリコールから主としてなるものである。
【0094】その具体例としては、テレフタル酸成分と
エチレングリコール成分とから主としてなるポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、テレフタル酸成分と1、
4−テトラメチレングリコール(1、4−ブチレングリ
コール)成分とから主としてなるポリブチレンテレフタ
レート(PBT)、テレフタル酸成分とシクロヘキサン
ジメチロール成分とから主としてなるポリシクロヘキシ
ルジメチレンテレフタレート(PCT)等をあげること
が出来る。他の好ましい高分子量ポリエステル樹脂とし
ては、ポリアルキレンナフタレート系樹脂を例示出来
る。ポリアルキレンナフタレート系樹脂は酸成分として
ナフタレンジカルボン酸成分とグリコール成分としてア
ルキレングリコール成分とから主としてなるものであっ
て、その具体例としては、ナフタレンジカルボン酸成分
とエチレングリコール成分とから主としてなるポリエチ
レンナフタレート(PEN)等を挙げることが出来る。
【0095】高融点ポリエステル樹脂としては、その融
合が好ましくは160℃以上、特に好ましくは200℃
以上のものである。
【0096】ポリエステル樹脂の他に、アクリル樹脂を
使用しても良い。
【0097】バインダとしては2官能アクリル、6官能
アクリル、ホスファゼン等が使用される。
【0098】これらの樹脂は、比較的結晶性が高く、硬
化樹脂ポリマー鎖と高融点ポリマー鎖との相互の絡み合
いが均一かつ密になって、高耐久性の表面層を形成出来
るものと考えられる。低融点ポリエステル樹脂等の場合
には、結晶性が低いので、硬化樹脂ポリマー鎖との絡み
合いの程度が大きいところと小さいところが生じ、耐久
性が劣るものと考えられる。
【0099】表面層には、SnO2 等の電荷保持材を分
散させたものを用いた。使用条件等に応じて、その分散
量を適宜変更することで、抵抗値、帯電効率を制御する
ことが好ましい。
【0100】2−2 アモルファスシリコン系感光体
(a−Si) 本発明に用いた好適な感光体の一形態であるアモルファ
スシリコン感光体について以下に述べる。
【0101】本願発明者は、アモルファスシリコン感光
体の光導電層のキャリアの挙動に着目し、バンドギャッ
プ内の局在状態分布と、帯電能の温度依存性,光メモリ
ーとの関係について鋭意検討した。その結果、光導電層
の少なくとも光の入射する部分において、特定のエネル
ギー範囲の局在状態密度を一定範囲に制御することによ
り、上記目的を達成できるという知見を得た。すなわ
ち、シリコンを母材とし、水素原子とハロゲン原子との
少なくとも一方を含有する非単結晶材料で構成された光
導電層を有する感光体において、その層構造を特定化す
るように設計されて作成された感光体は、実用上著しく
優れた特性を示す。また、従来の感光体と比べてみて
も、あらゆる点において凌駕している。特に画像形成装
置用の感光体として優れた特性を有していることを見い
だした。
【0102】本発明の画像形成装置用感光体は、導電性
支持体と、シリコンを母材とする非単結晶材料から成る
光導電層を有する感光層とを備え、光導電層は10〜3
0原子%の水素を含み、少なくとも光の入射する部分に
おいて、光吸収スペクトルから得られる指数関数据の特
性エネルギーが50〜60meV、かつ局在状態密度が
1×1014〜1×10 16 cm-3であることを特徴とし
ている。このような本発明の画像形成装置用感光体は、
極めて優れた電気的、光学的、光導電的特性、画像晶
質、耐久性及び使用環境特性を示し、前記した諸問題点
の全てを解決し得るものである。
【0103】一般に、a‐Si:Hのバンドギャップ内
には、Si‐Si結合の構造的な乱れにもとづくティル
(据)準位と、Siの未結合手(ダングリングボンド)
等の構造欠陥に起因する深い準位が存在する。これらの
準位は電子、正孔の捕獲、再結合中心として働き素子の
特性を低下させる原因になることが知られている。
【0104】このようなバンドギャップ中の局在準位の
状態を測定する方法として、一般に深準位分光法、等温
容量過渡分光法、光熱傭向分光法、一定光電流法等が用
いられている。なかでも一定光電流法(Constan
t PhotocurrentMethod:以下、
“CPM”と略記する)は、a‐Si:Hの局在準位に
基くサブギャップ光吸収スぺクトルを簡便に測定する方
法として有用である。
【0105】本発明者らは、CPMによって測定された
光吸収スぺクトルから求められる指数関数据(アーバッ
クティル)の特性エネルギー(以下、“Eu”と略記す
る)や局在状態密度(以下、“D.O.S”と略記す
る)と、感光体特性と、の相関を種々の条件に渡って調
べた。その結果、EuおよびD.O.Sがa‐si感光
体の温度特性や光メモリーと密接な関係にあることを見
いだし、本発明を完成するに至った。
【0106】ドラムヒーター等で感光体を加熱したとき
に帯電能が低下する原因として、熱励起されたキャリア
(以下“熱励起キャリア”と呼ぶ)が帯電時の電界に引
かれてバンド据の局在準位やバンドギャップ内の深い局
在準位への捕獲,放出を繰り返しながら表面に走行し、
表面電荷を打ち消してしまうことが挙げられる。
【0107】帯電器を通過する間に表面に到達する熱励
起キャリアについては帯電能の低下にはほとんど影響が
ない。しかし、深い準位に捕獲された熱励起キャリア
は、帯電器を通過した後に表面へ到達し表面電極荷を打
ち消すために、これが温度特性として観測される。ま
た、帯電器を通過した後に熱励起された熱励起キャリア
も表面電荷を打ち消し、帯電能の低下を引さ起こす。従
って、温度特性を向上するには、感光体の使用温度領域
における熱励起キャリアの生成を抑え、なおかつ該熱励
起キャリアの走行性を向上させることが必要である。
【0108】さらに、光メモリーはブランク露光や像露
光によって生じた光キャリアがバンドギャップ内の局在
準位に捕獲され、光導電層内に該光キャリアが残留する
ことによって生じる。つまり、ある複写行程において生
じた光キャリアのうち光導電層内に残留した光キャリア
が、次回の帯電時(あるいはそれ以降)に表面電荷によ
る電界によって掃き出されることで、光の照射された部
分の電位が他の部分よりも低くなる。そして、その結
果、画像上に濃淡が生じる。従って、光メモリーを防止
するには、光キャリアが光導電層内に残留することな
く、1回の複写行程で走行するように、光キャリアの走
行性を改善することが必要である。
【0109】本発明ではEuおよび特定のエネルギー範
囲のD.O.Sを制御することにより、熱励起キャリア
の生成を抑えることができるとともに、熱励起キャリア
や光キャリアが局在準位に捕獲される割合を小さくする
ことができる。そのため、上記キャリア(以下“電荷キ
ャリア”と呼ぶ)の走行性が著しく改善される。その結
果、感光体の使用温度領域での温度特性を飛躍的が改善
されるとともに、光メモリーの発生も抑制される。これ
により、感光体の使用環境に対する安定性が向上する。
また、ハーフトーン部分の画像が鮮明にでるとともに、
かつ、解像力の高い高品質の画像を安定して得ることが
できる。
【0110】以下、本発明におけるアモルファスシリコ
ン系感光体(a−Si)を採用した画像形成装置用の感
光体(光導電部材)の基本構造を図3を用いて説明す
る。
【0111】図3は、本発明の画像形成装置用感光体の
層構成を説明するための模式的構成図である。
【0112】図3(a)に示した画像形成装置用感光体
1100は、感光体用としての支持体1101の上に、
感光層1102が設けられている。該感光層1102は
a‐Si:H、Xを含有した、光導電性を有する光導電
層1103を備えている。
【0113】図3(b)に示した画像形成装置用感光体
1100は、感光体用としての支持体1101の上に、
感光層1102が設けられている。該感光層1102は
a−Si:H,Xを含有して光導電性を有する光導電層
1103と、アモルファスシリコン系表面層1104
と、を備えている。
【0114】図3(c)に示した画像形成装置用感光体
1100は、感光体用としての支持体1101の上に、
感光層1102が設けられている。該感光層1102は
a−Si:H,Xを含有して光導電性を有する光導電層
1103と、アモルファスシリコン系表面層1104
と、アモルファスシリコン系電荷注入阻止層1105と
を備えている。
【0115】図3(d)に示した画像形成装置用感光体
1100は、感光体用としての支持体1101の上に、
感光層1102が設けられている。該感光層1102
は、光導電層1103を構成するa−Si:H,Xを含
有した電荷発生層1107ならびに電荷輸送層1108
と、アモルファスシリコン系表面層1104とを備えて
いる。
【0116】以下、本発明におけるアモルファスシリコ
ン系感光体(a−Si)の感光体を部分毎に詳細に説明
する。
【0117】2−2−1 支持体 支持体は、導電性でも電気絶縁性であってもよい。導電
性を備えた支持体としては、Al、Cr、Mo、Au、
In、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金
属、およびこれらの合金、例えばステンレス等が挙げら
れる。また、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボ
ネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ
塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂の
フィルムまたはシート、ガラス、セラミツク等の電気絶
縁性支持体の少なくとも感光層を形成する側の表面を導
電処理した支持体も用いることができる。
【0118】支持体1101は、その表面が平滑(ある
いは凹凸)に構成された、円筒状または板状無端ベルト
状であってもよい。
【0119】支持体1101の厚さは、所望通りの画像
形成装置用感光体1100を形成し得るように適宜決定
する。画像形成装置用の感光体1100としての可撓性
が要求される場合には、支持体1101としての機能が
充分発揮できる範囲内で可能な限り薄くすることができ
る。しかしながら、支持体1101は、製造上および取
り扱い上における機械的強度等の点から通常は10μm
以上とされる。
【0120】特にレーザー光などの可干渉性光を用いて
像記録を行う場合には、可視画像において現われるいわ
ゆる干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消する
ために、帯電キャリアの減少が実質的にない範囲で支持
体1101の表面に凹凸を設けてもよい。支持体110
1の表面に設けられる凹凸は、特開昭60−16815
6号公報、同60−178457号公報、同60−22
5854号公報、同61−231561号公報等に記載
された公知の方法により作成される。
【0121】また、レーザー光などの可干渉光を用いた
場合の干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消す
る別の方法として、帯電キャリアの減少が実質的にない
範囲で支持体1101の表面に複数の球状痕跡窪みによ
る凹凸形状を設けてもよい。即ち、支持体1101の表
面が画像形成装置用感光体1100に要求される解像力
よりも微少な凹凸を有し、しかも凹凸は、複数の球状痕
跡窪みによるものである。支持体1101の表面に設け
られる複数の球状痕跡窪みによる凹凸は、特開昭61−
231561号公報に記載された公知の方法により作成
される。
【0122】又、レーザー光等の可干渉光を用いた場合
の干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消するさ
らに別の方法として、感光層1102内、或いは該感光
層1102の下側に光吸収層等の干渉防止層或いは領域
を設けても良い。
【0123】2−2−2 光導電層 感光層1102の一部を構成する光導電層1103は、
支持体1101上(場合によっては下引き層(不図示)
上)に、真空堆積膜形成方法によって形成される。この
場合、所望特性が得られるように、適宜、成膜パラメー
ターの数値条件が設定されるのは言うまでもない。
【0124】具体的には、グロー放電法(例えば、低周
波CVD法、高周波CVD法またはマイクロ波CVD法
等の交流放電CVD法、あるいは直流放電CVD法
等)、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーテ
ィング法、光CVD法、熱CVD法などの数々の薄膜堆
積法によって形成できる。これらの薄膜堆積法は、製造
条件、設備資本投資下の負荷程度、製造規模、作成され
る画像形成装置用感光体に要求される特性等の要因によ
って適宜選択されて採用される。実際には、条件の制御
が比較的容易である、グロー放電法、特にRF帯、μW
帯またはVHF帯の電源周波数を用いた高周波グロー放
電法が好適である。
【0125】グロー放電法による光導電層1103の形
成については、基本的には周知のとおりである。すなわ
ち、シリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用の原
料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原料
ガスおよび/またはハロゲン原子(X)を供給し得るX
供給用の原料ガスとを、内部が減圧にし得る反応容器内
に所望のガス状態で導入する。そして、該反応容器内に
おいてグロー放電を生起させることで、あらかじめ所定
の位置に設置した支持体1101上にa−Si:H,X
からなる層を形成する。
【0126】また、シリコン原子の未結合手を補償し、
層品質(特に、光導電性及び電荷保持特性)を向上させ
るためには、光導電層1103中に水素原子および/ま
たはハロゲン原子が含有されることが必要である。水素
原子(またはハロゲン原子)の含有量、あるいは、水素
原子とハロゲン原子との和の量は、シリコン原子と、水
素原子および/またはハロゲン原子と、の和に対して1
0〜30原子%、より好ましくは15〜25原子%とさ
れるのが望ましい。
【0127】本発明において使用されるSi供給用ガス
となり得る物質としては、SiH 4、Si26 、Si
38 、Si 410等のガス状態の、またはガス化し得
る水素化珪素(シラン類)が有効に使用されるものとし
て挙げられられる。このなかでも、層作成時の取り扱い
易さ、Si供給効率の良さ等の点で、SiH4 、Si2
6 が好ましいものとして挙げられる。
【0128】形成される光導電層1103中に水素原子
を構造的に導入するとともに、その導入割合の制御を容
易にするには、これらのガスに更にH 2および/または
Heあるいは水素原子を含む珪素化合物のガスも所望量
混合して層形成することが必要である。また、各ガスは
単独種のみでなく所定の混合比で複数種混合しても差し
支えない。
【0129】本発明において使用されるハロゲン原子供
給用の原料ガスとしては、例えば、ハロゲンガス、ハロ
ゲン化合物、ハロゲンをふくむハロゲン間化合物、ハロ
ゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状のまたはガス
化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げられる。また、
さらにはシリコン原子とハロゲン原子とを構成要素とす
るガス状の(またはガス化し得る)、ハロゲン原子を含
む水素化珪素化合物も挙げることができる。
【0130】本発明に於て好適に使用し得るハロゲン化
合物としては、具体的には弗素ガス(F2 )、BrF、
ClF、ClF3 、BrF3 、BrF5 、IF3 、IF
7 等のハロゲン間化合物を挙げることができる。
【0131】ハロゲン原子を含む珪素化合物、いわゆる
ハロゲン原子で置換されたシラン誘導体としては、具体
的には、たとえばSiF4 、Si26 等の弗化珪素を
挙げることができる。
【0132】光導電層1103中に含有される水素原子
および/またはハロゲン原子の量を制御するには、例え
ば支持体1101の温度、放電電力等を制御すればよ
い。さらには、水素原子および/またはハロゲン原子を
含有させるために使用される原料物質の反応容器内への
導入量を制御すればよい。
【0133】本発明においては光導電層1103には、
必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させることが
好ましい。伝導性を制御する原子は、光導電層1103
中に満遍なく均一に分布した状態で含有されても良い
し、あるいは層厚方向には不均一な分布状態で含有して
いる部分があってもよい。前記伝導性を制御する原子と
しては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げる
ことができ、p型伝導特性を与える周規律表第III b族
に属する原子(以後”第III b族原子”と略記する)ま
たはn型伝導特性を与える周規律表Vb族に属する原子
(以後”第Vb族原子”と略記する)を用いることがで
きる。
【0134】第III b族原子としては、具体的には、硼
素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、
インジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特に
B、Al、Gaが好適である。第Vb族原子としては、
具体的には燐(P)、砒素(As)、アンチモン(S
b)、ビスマス(Bi)等があり、特にP、Asが好適
である。
【0135】光導電層1103に含有される伝導性を制
御する原子の含有量としては、好ましくは1×10-2
1×104 原子ppm、より好ましくは5×10-2〜5
×103 原子ppm、最適には1×10 -1 〜1×10
3原子ppmとされるのが望ましい。
【0136】光導電層1103に含有される伝導性を制
御する原子(例えば、第III b族原子あるいは第Vb族
原子)を構造的に導入するには、層形成の際に、第III
b族原子導入用の原料物質あるいは第Vb族原子導入用
の原料物質を、ガス状態で、光導電層103を形成する
ための他のガスとともに反応容器中に導入してやればよ
い。
【0137】第III b族原子導入用の原料物質あるいは
第Vb族原子導入用の原料物質としては、常温常圧でガ
ス状のもの、または、少なくとも層形成条件下で容易に
ガス化し得るもの、が採用されるのが望ましい。
【0138】そのような第III b族原子導入用の原料物
質として具体的には、硼素原子導入用としては、B2
6 、B410、B59 、B511、B610、B6
12、B614等の水素化硼素、BF3 、BCl3 、BB
3 等のハロゲン化硼素等が挙げられる。この他、Al
Cl3 、GaCl3 、Ga(CH33 、InCl3
TlCl3 等も挙げることができる。
【0139】第Vb族原子導入用の原料物質として、例
えば燐原子導入用としてはPH3 、P24 等の水素化
燐、PH4 I、PF3 、PF 5、PCl3 、PCl5
PBr3 、PBr5 、PI3 等のハロゲン化燐が挙げら
れる。この他、AsH3 、AsF3 、AsCl3 、As
Br3 、AsF5 、SbH3 、SbF3 、SbF5 、S
bCl3 、SbCl5 、BiH3 、BiCl3 、BiB
3 等も第Vb族原子導入用の出発物質として有効なも
のとして挙げることができる。
【0140】これらの伝導性を制御する原子導入用の原
料物質を、必要に応じてH2 および/またはHeにより
希釈して使用してもよい。
【0141】さらに本発明においては、光導電層110
3に、炭素原子、酸素原子および窒素原子からなる群の
うちのうちの少なくとも一つを含有させることも有効で
ある。これら(炭素原子,酸素原子,窒素原子)の含有
量は、シリコン原子、炭素原子、酸素原子及び窒素原子
の和に対して、好ましくは1×10-5〜10原子%、よ
り好ましくは1×10-4〜8原子%、最適には1×10
-3〜5原子%が望ましい。これら(炭素原子,酸素原
子,窒素原子)は、光導電層中に満遍なく均一に含有さ
れても良いし、光導電層の層厚方向に含有量が変化する
ような不均一な分布をもたせた部分があっても良い。
【0142】本発明における光導電層1103の層厚
は、所望の電子写真特性が得られること及び経済的効果
等の点から適宜所望にしたがって決定される。好ましく
は20〜50μm、より好ましくは23〜45μm、最
適には25〜40μmとされるのが望ましい。
【0143】本発明の目的を達成し、所望の膜特性を有
する光導電層1103を形成するには、Si供給用のガ
スと希釈ガスとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電
力ならびに支持体温度を適宜設定することが必要であ
る。
【0144】希釈ガスとして使用するH2 および/また
はHeの流量は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選
択されるが、Si供給用ガスに対しH 2および/または
Heを、通常の場合3〜20倍、好ましくは4〜15
倍、最適には5〜10倍の範囲に制御することが望まし
い。
【0145】反応容器内のガス圧も同様に層設計にした
がって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合1×1
-4〜10Torr、好ましくは5×10-4〜5Tor
r、最適には1×10-3〜1Torrとするのが好まし
い。
【0146】放電電力もまた同様に層設計にしたがって
適宜最適範囲が選択されるが、Si供給用のガスの流量
に対する放電電力を、通常の場合2〜7倍、好ましくは
2.5〜6倍、最適には3〜5倍の範囲に設定すること
が望ましい。
【0147】支持体1101の温度は、層設計にしたが
って適宜最適範囲が選択される。通常の場合、好ましく
は200〜350℃、より好ましくは230〜330
℃、最適には250〜310℃とするのが望ましい。
【0148】光導電層を形成するための支持体温度、ガ
ス圧等の条件は通常は独立的に別々に決められるもので
はない。従って、所望の特性を有する感光体を形成すべ
く、相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決める
のが望ましい。
【0149】2−2−3 表面層 本発明においては、上述のようにして支持体1101上
に形成された光導電層1103の上に、更にアモルファ
スシリコン系の表面層1104を形成することが好まし
い。この表面層1104は自由表面1106を有し、主
に耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気的耐圧性、使用
環境特性、耐久性において本発明の目的を達成するため
に設けられる。
【0150】又、本発明においては、感光層1102を
構成する光導電層1103と表面層1104とを形成す
る非品質材料の各々がシリコン原子という共通の構成要
素を有しているので、積層界面において化学的な安定性
の確保が十分成されている。表面層1104は、アモル
ファスシリコン系の材料であればいずれの材質でも可能
である。例えば、水素原子(H)及び/またはハロゲン
原子(X)を含有し、更に炭素原子を含有するアモルフ
ァスシリコン(以下「a−SiC:H,X」と表記す
る)でもよい。水素原子(H)及び/またはハロゲン原
子(X)を含有し、更に酸素原子を含有するアモルファ
スシリコン(以下「a−SiO:H,X」と表記する)
でもよい。水素原子(H)及び/またはハロゲン原子
(X)を含有し、更に窒素原子を含有するアモルファス
シリコン(以下「a−SiN:H,X」と表記する)で
もよい。さらには、水素原子(H)及び/またはハロゲ
ン原子(X)を含有し、更に炭素原子、酸素原子、窒素
原子のうちの少なくとも一つを含有するアモルファスシ
リコン(以下「a−SiCON:H,X」と表記する)
等の材料が好適に用いられる。
【0151】表面層1104は真空堆積膜形成方法によ
って、所望特性が得られるように適宜成膜パラメーター
の数値条件が設定されて作成される。該表面層1104
は、例えばグロー放電法(低周波CVD法、高周波CV
D法またはマイクロ波CVD法等の交流放電CVD法、
あるいは直流放電CVD法等)、スパッタリング法、真
空蒸着法、イオンプレーティング法、光CVD法、熱C
VD法などの周知の薄膜堆積法によって形成することが
できる。これらの薄膜堆積法は、製造条件、設備資本投
資下の負荷程度、製造規模、作成される画像形成装置用
感光体に所望される特性等の要因によって適宜選択され
て採用されるが、感光体の生産性から光導電層と同様の
堆積法によることが好ましい。
【0152】例えば、グロー放電法によってa−Si
C:H,Xよりなる表面層1104を形成するには、基
本的には、シリコン原子(Si)を供給し得るSi供給
用の原料ガスと、炭素原子(C)を供給し得るC供給用
の原料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の
原料ガスおよび/またはハロゲン原子(X)を供給し得
るX供給用の原料ガスとを、内部を減圧し得る反応容器
内に所望のガス状態で導入する。そして、該反応容器内
にグロー放電を生起させることで、あらかじめ所定の位
置に設置された光導電層1103の形成された支持体1
101上に、a−SiC:H,Xからなる表面層110
4を形成できる。
【0153】本発明における表面層1104の材質とし
てはシリコンを含有するアモルファス材料なら何れでも
良いが、炭素、窒素、酸素より選ばれた元素を少なくと
も1つ含む、シリコン原子との化合物が好ましい。特
に、a―SiCを主成分としたものが好ましい。
【0154】表面層1104をa−SiCを主成分とし
て構成する場合の炭素量は、シリコン原子と炭素原子と
の和に対して30%〜90%の範囲が好ましい。
【0155】シリコン原子の未結合手を補償し、層品質
(特に光導電性特性および電荷保持特性)を向上させる
ためには、表面層1104中に水素原子または/及びハ
ロゲン原子が含有されることが必要である。水素含有量
は、構成原子の総量に対して通常の場合30〜70原子
%、好適には35〜65原子%、最適には40〜60原
子%とするのが望ましい。また、弗素原子の含有量とし
て、通常の場合は0.01〜15原子%、好適には0.
1〜10原子%、最適には0.6〜4原子%とするのが
望ましい。これらの水素及び/または弗素含有量の範囲
内で形成される感光体は、実際面に於いて従来にない格
段に優れたものとして充分適用させ得るものである。
【0156】すなわち、表面層内に存在する欠陥(主に
シリコン原子や炭素原子のダングリングボンド)は、画
像形成装置用感光体としての特性に悪影響を及ぼすこと
が知られている。この悪影響としては、例えば、自由表
面から光導電層への電荷の注入による帯電特性の劣化、
使用環境(例えば高い湿度環境)に応じた表面構造の変
化に起因した帯電特性の変動が挙げられる。更には、コ
ロナ帯電時や光照射時に光導電層から表面層に電荷が注
入されて、前記表面層内の欠陥に電荷がトラップされる
ことにより、繰り返し使用時に残像現象が発生すること
が挙げられる。しかしながら、表面層内の水素含有量を
30原子%以上に制御することで表面層内の欠陥が大幅
に減少し、その結果、従来に比べて電気的特性面及び高
速連続使用性において飛躍的な向上を図ることができ
る。一方、前記表面層中の水素含有量が71原子%以上
になると表面層の硬度が低下するために、繰り返し使用
に耐えられなくなる。従って、表面層中の水素含有量を
前記の範囲内に制御することが格段に優れた所望の電子
写真特性を得る上で非常に重要な因子の1つである。表
面層中の水素含有量は、H2 ガスの流量、支持体温度、
放電パワー、ガス圧等によって制御できる。
【0157】また、表面層中の弗素含有量を0.01原
子%以上にすることで、表面層内のシリコン原子と炭素
原子との結合の発生をより効果的に達成できる。さら
に、表面層中の弗素原子の働きとして、コロナ等のダメ
ージによってシリコン原子と炭素原子の結合が切断され
るのを、効果的に防止できる。一方、表面層中の弗素含
有量が15原子%を超えると、表面層内のシリコン原子
と炭素原子との結合の発生の効果およびシリコン原子と
炭素原子の結合の切断を防止する効果がほとんど認めら
れなくなる。さらに、過剰の弗素原子が表面層中のキャ
リアの走行性を阻害するため、残留電位や画像メモリー
が顕著に認められてくる。従って、表面層中の弗素含有
量を前記範囲内に制御することが所望の電子写真特性を
得る上で重要な因子の一つである。表面層中の弗素含有
量は、水素含有量と同様にH2 ガスの流量、支持体温
度、放電パワー、ガス圧等によって制御し得る。
【0158】本発明の表面層1104の形成において使
用されるシリコン(Si)供給用ガスとなり得る物質と
しては、SiH4 、Si26 、Si38 、Si4
10等のガス状態の、またはガス化し得る水素化珪素(シ
ラン類)が挙げられれる。このなかでも、特に、層作成
時の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH
4 、Si26 が好ましい。また、これらのSi供給用
の原料ガスを必要に応じてH2 、He、Ar、Ne等の
ガスにより希釈して使用してもよい。
【0159】炭素供給用ガスとなり得る物質としては、
CH4 、C26 、C38 、C410等のガス状態
の、またはガス化し得る炭化水素が挙げられる。この中
でも特に、層作成時の取り扱い易さ、Si供給効率の良
さ等の点で、CH4 、C26が好ましい。また、これ
らのSi供給用の原料ガスを必要に応じてH2 、He、
Ar、Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。
【0160】窒素または酸素供給用ガスとなり得る物質
としては、NH3 、NO、N2 O、NO2 、H2 O、O
2 、CO、CO2 、N2 等のガス状態の、またはガス化
し得る化合物が挙げられる。また、これらの窒素、酸素
供給用の原料ガスを必要に応じてH2 、He、Ar、N
e等のガスにより希釈して使用してもよい。
【0161】また、表面層1104への水素原子の導入
割合の制御を容易にするためには、これらのガスに更に
水素ガスまたは水素原子を含む珪素化合物のガスも所望
量混合して層形成することが好ましい。また、各ガスは
単独種のみでなく所定の混合比で複数種混合しても差し
支えない。
【0162】ハロゲン原子供給用の原料ガスとして有効
なのは、たとえばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲ
ンをふくむハロゲン間化合物、ハロゲンで置換されたシ
ラン誘導体等のガス状のまたはガス化し得るハロゲン化
合物が好ましく挙げられる。また、さらにはシリコン原
子とハロゲン原子とを構成要素とするガス状のまたはガ
ス化し得る、ハロゲン原子を含む水素化珪素化合物も有
効なものとして挙げることができる。本発明に於て好適
に使用し得るハロゲン化合物としては、具体的には弗素
ガス(F2 )、BrF、ClF、ClF3 、BrF3
BrF5 、IF3 、IF7 等のハロゲン間化合物を挙げ
ることができる。ハロゲン原子を含む珪素化合物、いわ
ゆるハロゲン原子で置換されたシラン誘導体としては、
具体的には、たとえばSiF4 、Si26 等の弗化珪
素が好ましいものとして挙げることができる。
【0163】表面層1104中に含有される水素原子お
よび/またはハロゲン原子の量を制御するには、例えば
支持体1101の温度、放電電力等を制御すればよい。
さらには、水素原子および/またはハロゲン原子を含有
させるために使用される原料物質の反応容器内へ導入す
る量を制御すればよい。
【0164】炭素原子,酸素原子,窒素原子は、表面層
中に満遍なく均一に含有されても良いし、表面層の層厚
方向に含有量が変化するような不均一な分布をもたせた
部分があっても良い。
【0165】さらに本発明においては、表面層1104
には必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させるこ
とが好ましい。伝導性を制御する原子は、表面層110
4中に満遍なく均一に分布した状態で含有されても良い
し、あるいは層厚方向には不均一な分布状態で含有して
いる部分があってもよい。
【0166】表面層1104に含有される伝導性を制御
する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純
物を挙げることができ、 p型伝導特性を与える第III
b族原子、または、n型伝導特性を与える第Vb族原子
を用いることができる。
【0167】第III b族原子としては、具体的には、硼
素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、
インジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特に
B、Al、Gaが好適である。第Vb族原子としては、
具体的には燐(P)、砒素(As)、アンチモン(S
b)、ビスマス(Bi)等があり、特にP、Asが好適
である。
【0168】表面層1104に含有される伝導性を制御
する原子の含有量としては、好ましくは1×10-3〜1
×103 原子ppm、より好ましくは1×10-2〜5×
102 原子ppm、最適には1×10-1〜1×102
子ppmとされるのが望ましい。伝導性を制御する原
子、たとえば、第III b族原子あるいは第Vb族原子を
構造的に導入するには、層形成の際に、第III b族原子
導入用の原料物質あるいは第Vb族原子導入用の原料物
質をガス状態で反応容器中に、表面層1104を形成す
るための他のガスとともに導入してやればよい。第III
b族原子導入用の原料物質あるいは第Vb族原子導入用
の原料物質となり得るものとしては、常温常圧でガス状
のまたは、少なくとも層形成条件下で容易にガス化し得
るものが採用されるのが望ましい。そのような第III b
族原子導入用の原料物質として具体的には、棚素原子導
入用としては、B26 、B410、B59 、B5
11、B610、B612、B614等の水素化硼素、B
3 、BCl3 、BBr3 等のハロゲン化硼素等が挙げ
られる。この他、AlCl3 、GaCl3 、Ga(CH
33 、InCl3 、TlCl3 等も挙げることができ
る。
【0169】第Vb族原子導入用の原料物質として、有
効に使用されるのは、燐原子導入用としては、PH3
24 等の水素化燐、PH4 I、PF3 、PF5 、P
Cl3 、PCl5 、PBr3 、PBr5 、PI3 等のハ
ロゲン化燐が挙げられる。この他、AsH3 、AsF
3 、AsCl3 、AsBr3 、AsF5 、SbH3 、S
bF3 、SbF5 、SbCl3 、SbCl5 、BiH
3 、BiCl3 、BiBr3 等も第Vb族原子導入用の
出発物質の有効なものとして挙げることができる。ま
た、これらの伝導性を制御する原子導入用の原料物質を
必要に応じてH2 、He、Ar、Ne等のガスにより希
釈して使用してもよい。
【0170】本発明に於ける表面層1104の層厚とし
ては、通常0.01〜3μm、好適には0.05〜2μ
m、最適には0.1〜1μmとされるのが望ましい。層
厚が0.01μmよりも薄いと、感光体の使用中に摩耗
等の理由により表面層1104が失われてしまう。逆
に、3μmを超えると、残留電位の増加等の電子写真特
性の低下がみられる。
【0171】本発明による表面層1104は、その要求
される特性が所望通りに与えられるように注意深く形成
される。即ち、Si、C及び/またはN及び/または
O、H及び/またはXを構成要素とする物質は、その形
成条件によって、構造的には結晶からアモルファスまで
の形態をとる。また、電気物性的には導電性から半導体
性、絶縁性までの間の性質を、さらには、光導電的性質
から非光導電的性質までの間の性質を各々示す。
【0172】本発明においては、目的に応じた所望の特
性を有する化合物が形成される様に、その形成条件の選
択が厳密になされる。例えば、耐圧性の向上を主な目的
として表面層1104を設ける場合には、想定される使
用環境に於いて電気絶縁性的挙動の顕著な非単結晶材料
として作成される。また、連続繰り返し使用特性や使用
環境特性の向上を主たる目的として表面層1104を設
ける場合には、上記の電気絶縁性の度合はある程度緩和
され、照射される光に対してある程度の感度を有する非
単結晶材料として形成される。更に、本発明にかかる帯
電機構においては、表面層の低抵抗による画像流れ、残
留電位等の影響を防止する為に、一方では帯電効率を良
好にする為に、層作成に際して、その抵抗値を適宜に制
御することが好ましい。
【0173】本発明の目的を達成し得る特性を有する表
面層1104を形成するには、支持体1101の温度、
反応容器内のガス圧を所望にしたがって、適宜設定する
必要がある。
【0174】支持体1101の温度(Ts)は、層設計
にしたがって適宜最適範囲が選択される。通常の場合、
好ましくは200〜350℃、より好ましくは230〜
330℃、最適には250〜300℃とするのが望まし
い。
【0175】反応容器内のガス圧も同様に層設計にした
がって適宜最適範囲が選択される。通常の場合、好まし
くは1×10-4〜10Torr、より好ましくは5×1
-4 〜5Torr、最適には1×10-3〜1Torr
とするのが好ましい。
【0176】表面層1104を形成するための支持体温
度、ガス圧等は、前述した範囲にするのが好ましい。し
かし、これらの条件は通常は独立的に別々に決められる
ものではない。従って、所望の特性を有する感光体を形
成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決
めるのが望ましい。
【0177】本発明に於いては、光導電層1103と表
面層1104との間に、炭素原子、酸素原子および窒素
原子からなる群のうちの少なくとも一つの含有量を表面
層1104より減らしたブロッキング層(下部表面層)
を設けることも帯電能等の特性を更に向上させるために
は有効である。
【0178】また表面層1104と光導電層1103と
の間に、炭素原子、酸素原子および窒素原子からなる群
のうちの少なくとも一つの含有量が、光導電層1103
に向かって減少するように変化している領域を設けても
良い。これにより表面層と光導電層の密着性を向上さ
せ、界面での光の反射による干渉の影響をより少なくで
きる。
【0179】2−2−4 電荷注入阻止層 本発明の画像形成装置用感光体においては、導電性を備
えた支持体1101と光導電層1103との間に、支持
体1101側からの電荷の注入を阻止する働きのある電
荷注入阻止層1105を設けるのがいっそう効果的であ
る。すなわち、電荷注入阻止層1105は、感光層11
02が一定極性の帯電処理をその自由表面に受けた際に
は、支持体1101側から光導電層1103側に電荷が
注入されるのを阻止する機能を有する。また、逆の極性
の帯電処理を受けた際にはそのような機能は発揮しな
い。つまり、電荷注入阻止層1105は、いわゆる極性
依存性を有している。このような機能を付与するため
に、電荷注入阻止層1105には伝導性を制御する原子
を光導電層1103に比べ比較的多く含有させる。
【0180】該電荷注入阻止層1105に含有される伝
導性を制御する原子は、該電荷注入阻止層1105中に
満遍なく均一に分布されても良いし、あるいは層厚方向
には満遍なく含有されてはいるが、不均一に分布する状
態で含有している部分があってもよい。分布濃度が不均
一な場合には、支持体1101側に多く分布するように
含有させるのが好適である。いずれの場合にも支持体1
101の表面と平行面内方向においては、均一な分布で
満遍なく含有されることが面内方向における特性の均一
化を図る点からも必要である。
【0181】電荷注入阻止層1105に含有される伝導
性を制御する原子としては、半導体分野における、いわ
ゆる不純物を挙げることができ、p型伝導特性を与える
周期律表第III 族原子、または、n型伝導特性を与える
周期律表第V族原子を用いることができる。
【0182】第III 族原子としては、具体的には、B
(硼素),Al(アルミニウム),Ga(ガリウム),
In(インジウム),Tl(タリウム)等があり、特に
B,Al,Gaが好適である。第V族原子としては、具
体的にはP(リン),As(砒素),Sb(アンチモ
ン),Bi(ビスマス)等があり、特にP,Asが好適
である。
【0183】本発明において電荷注入阻止層1105中
に含有される伝導性を制御する原子の含有量としては、
本発明の目的が効果的に達成できるように所望にしたが
って適宜決定されるが、好ましくは10〜1×104
子ppm、より好適には50〜5×103 原子ppm、
最適には1×102 〜1×103 原子ppmとされるの
が望ましい。
【0184】さらに、電荷注入阻止層1105には、炭
素原子,窒素原子および酸素原子のうちの少なくとも一
種を含有させることによって、該電荷注入阻止層に直接
接触して設けられる他の層との間の密着性を向上でき
る。
【0185】該電荷注入阻止層1105に含有されてい
る、炭素原子,窒素原子および酸素原子のうちの一つ
は、該層中に万偏なく均一に分布されても良い。あるい
は、層厚方向には万偏なく含有されてはいるが、不均一
に分布する状態で含有している部分があってもよい。し
かしながら、いずれの場合にも、支持体の表面と平行面
内方向においては、均一な分布で万偏なく含有されるこ
とが面内方向における特性の均一化をはかる点からも必
要である。
【0186】本発明における電荷注入阻止層1105の
全層領域に含有させる、炭素原子,窒素原子、酸素原子
の量は、本発明の目的が効果的に達成されるように適宜
決定されるが、炭素原子,窒素原子および酸素原子のう
ちの一種類のみが含有される場合にはその含有量とし
て、二種以上が含有される場合はその総和として、好ま
しくは1×10-3〜50原子%、より好適には5×10
-3〜30原子%、最適には1×10-2〜10原子%とさ
れるのが望ましい。
【0187】また、本発明における電荷注入阻止層に含
有される水素原子および/またはハロゲン原子は、層内
に存在する未結合手を補償し膜質の向上に効果を奏す
る。電荷注入阻止層中の、水素原子またはハロゲン原子
の含有量、あるいは、水素原子とハロゲン原子との和の
含有量は、好適には1〜50原子%、より好適には5〜
40原子%、最適には10〜30原子%とするのが望ま
しい。
【0188】本発明において、電荷注入阻止層1105
の層厚は、所望の電子写真特性が得られること及び経済
的効果等の点から、好ましくは0.1〜5μm、より好
ましくは0.3〜4μm、最適には0.5〜3μmとさ
れるのが望ましい。
【0189】本発明において電荷注入阻止層1105を
形成するには、前述の光導電層を形成する方法と同様の
真空堆積法が採用される。
【0190】本発明の目的を達成し得る特性を有する電
荷注入阻止層1105を形成するには、光導電層110
3と同様に、Si供給用のガスと希釈ガスとの混合比、
反応容器内のガス圧、放電電力ならびに支持体1101
の温度を適宜設定することが必要である。
【0191】希釈ガスであるH2 および/またはHeの
流量は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択され
る。Si供給用ガスに対し、H2 および/またはHe
を、通常の場合1〜20倍、好ましくは3〜15倍、最
適には5〜10倍の範囲に制御することが望ましい。
【0192】反応容器内のガス圧も同様に層設計にした
がって適宜最適範囲が選択される。通常の場合1×10
-4〜10Torr、好ましくは5×10-4〜5Tor
r、最適には1×10-3〜1Torrとするのが好まし
い。
【0193】放電電力もまた同様に層設計にしたがって
適宜最適範囲が選択される。Si供給用のガスの流量に
対する放電電力を、通常の場合1〜7倍、好ましくは2
〜6倍、最適には3〜5倍の範囲に設定することが望ま
しい。
【0194】支持体1101の温度も、層設計にしたが
って適宜最適範囲が選択される。通常の場合、好ましく
は200〜350℃、より好ましくは230〜330
℃、最適には250〜300℃とするのが望ましい。
【0195】本発明においては、電荷注入阻止層110
5を形成するための希釈ガスの混合比、ガス圧、放電電
力、支持体温度の望ましい数値範囲として前記した範囲
が挙げられる。但し、これらの層作成ファクターは通常
は独立的に別々に決められるものではなく、所望の特性
を有する表面層を形成すべく相互的且つ有機的関連性に
基づいて各層作成ファクターの最適値を決めるのが望ま
しい。
【0196】このほかに、本発明の画像形成装置用感光
体においては、感光層1102の前記支持体1101側
に、アルミニウム原子,シリコン原子,水素原子および
ハロゲン原子のうちの少なくとも一つが、層厚方向に不
均一な分布状態で含有する層領域を有することが望まし
い。
【0197】また、本発明の画像形成装置用感光体に於
いては、支持体1101と光導電層1103あるいは電
荷注入阻止層1105との間の密着性の一層の向上を図
る目的で、例えば、Si34 、SiO2 、SiO、あ
るいはシリコンを母材とし、水素原子及び/またはハロ
ゲン原子と、炭素原子及び/または酸素原子及び/また
は窒素原子とを含む非晶質材料等を含んで構成される密
着層を設けてもよい。更に、前述のごとく、支持体11
01からの反射光による干渉模様の発生を防止するため
の光吸収層を設けてもよい。
【0198】これまでに述べた上記各層(例えば、表面
層、光導電層、電荷注入阻止層)を形成するための装置
及び膜形成方法について図4、図5を用いて説明する。
【0199】上述した各層は、例えば図4や図5に示さ
れるような周知の装置及び膜形成方法にて製造できる。
【0200】図4に示したのは、電源周波数としてRF
帯を用いた高周波プラズマCVD法(以後“RF−PC
VD”と略記する)による画像形成装置用感光体の製造
装置である。
【0201】この装置は大別すると、堆積装置210
0、原料ガスの供給装置2200、反応容器2111内
を減圧にするための排気装置(不図示)を備えている。
【0202】堆積装置2100中の反応容器2111内
には円筒状支持帯2112、支持体加熱用ヒーター21
13、原料ガス導入管2114が設置され、更に高周波
マッチングボックス2115が接続されている。
【0203】原料ガス供給装置2200は、SiH4
GeH4 、H2 、CH4 、B26、PH3 等の原料ガ
スのボンベ2221〜2226と、バルブ2231〜2
236,2241〜2246,2251〜2256、及
びマスフローコントローラー2211〜2216を備え
ている。各原料ガスのボンベは、バルブ2260を介し
て反応容器2111内の原料ガス導入管2114に接続
されている。
【0204】この装置を用いた堆積膜の形成は、例えば
以下のように行なうことができる。まず、反応容器21
11内に円筒状支持体2112を設置し、不図示の排気
装置(例えば真空ポンプ)により反応容器2111内を
排気する。続いて、支持体加熱用ヒーター2113によ
り円筒状支持体2112の温度を200℃〜350℃の
所定の温度に制御する。
【0205】堆積膜形成用の原料ガスを反応容器211
1に流入させるには、ガスボンベのバルブ2231〜2
237、反応容器のリークバルブ2117が閉じられて
いることを確認する。又、流入バルブ2241〜224
6、流出バルブ2251〜2256、補助バルブ226
0が開かれていることを確認する。そして、まずメイン
バルブ2118を開いて反応容器2111およびガス配
管内2116を排気する。
【0206】次に真空計2119の読みが約5×10-6
Torrになった時点で、補助バルブ2260および流
出バルブ2251〜2256を閉じる。
【0207】その後、バルブ2231〜2236を開い
て、ガスボンベ2221〜2226より各ガスを導入す
る。この場合、圧力調整器2261〜2266によっ
て、各ガス圧を2Kg/cm2 に調整する。次に、流入
バルブ2241〜2246を徐々に開けて、各ガスをマ
スフローコントローラー2211〜2216内に導入す
る。
【0208】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、以下の手順で各層の形成を行う。円筒状支持体21
12が所定の温度になったところで、流出バルブ225
1〜2256のうちの必要なものおよび補助バルブ22
60を徐々に開き、ガスボンベ2221〜2226から
所定のガスを原料ガス導入管2114を介して反応容器
2111内に導入する。次にマスフローコントローラー
2211〜2216によって各原料ガスが所定の流量に
なるように調整する。その際、反応容器2111内の圧
力が1Torr以下の所定の圧力になるように真空計2
119を見ながらメインバルブ2118の開口を調整す
る。
【0209】内圧が安定したところで、周波数13.5
6MHzのRF電源(不図示)を所望の電力に設定し
て、高周波マッチングボックス2115を通じて反応容
器2111内にRF電力を導入し、グロー放電を生起さ
せる。この放電エネルギーによって反応容器内2111
に導入された原料ガスが分解され、円筒状支持体211
2上に所定のシリコンを主成分とする堆積膜が形成され
る。所望の膜厚の形成が行われた後、RF電力の供給を
止め、流出バルブ2251〜2256を閉じて反応容器
2111へのガスの流入を止め、堆積膜の形成を終え
る。
【0210】同様の操作を複数回繰り返すことによっ
て、所望の多層構造の感光層が形成される。
【0211】それぞれの層を形成する際には必要なガス
以外の流出バルブ2251〜2256はすべて閉じられ
ていることは言うまでもない。また、それぞれのガスが
反応容器2111内、流出バルブ2251〜2256か
ら反応容2111に至る配管内に残留することを避ける
ために、流出バルブ2251〜2256を閉じ、補助バ
ルブ2260を開き、さらにメインバルブ2118を全
開にして系内を一旦高真空に排気する操作を必要に応じ
て行う。
【0212】膜形成の均一化を図るために、層形成を行
なっている間は、円筒状支持体2112を駆動装置(不
図示)によって所定の速度で回転させることも有効であ
る。さらに、上述のガス種およびバルブ操作は各々の層
の作成条件にしたがって変更が加えられることは言うま
でもない。
【0213】次に、電源にVHF帯の周波数を用いた高
周波プラズマCVD(以後“VHF―PCVD”と略記
する)法によって形成される画像形成装置用感光体の製
造方法について説明する。
【0214】この装置は、RF−PCVD法による製造
装置(図4参照)における堆積装置2 100に代わっ
て、図5に示す堆積装置3100を、原料ガス供給装置
2200と接続することで得ることができる。この装置
は、真空気密化構造を成した減圧にし得る反応容器31
11、原料ガスの供給装置2200、および反応容器内
3111を減圧にするための排気装置(不図示)を備え
ている。
【0215】反応容器3111内には円筒状支持体31
12、支持体加熱用ヒーター3113、原料ガス導入管
3115、電極が設置され、電極には更に高周波マッチ
ングボックス3120が接続されている。また、反応容
器3111内は排気管3121を通じて不図示の拡散ポ
ンプに接続されている。
【0216】原料ガス供給装置2200は、SiH4
GeH4 、H2 、CH4 、B26、PH3 等の原料ガ
スのガスボンベ2221〜2226と、バルブ2231
〜2236,2241〜2246,2251〜225
6、及びマスフローコントローラー2211〜2216
から構成される。各原料ガスのボンベは、バルブ226
0を介して反応容器3111内の原料ガス導入管311
5に接続されている。また、円筒状支持体3112によ
って取り囲まれた空間3130が放電空間を形成してい
る。
【0217】VHF―PCVD法によるこの装置での堆
積膜の形成は、以下のように行なうことができる。
【0218】まず、反応容器3111内に円筒状支持体
3112を設置し、駆動装置3120によって円筒状支
持体3112を回転し、不図示の排気装置(例えば真空
ポンプ)により反応容器3111内を排気管3121を
介して排気し、反応容器3111内の圧力を1×10-7
Torr以下に調整する。続いて、支持体加熱用ヒータ
ー3116により円筒状支持体3112の温度を200
℃〜350℃の所定の温度に加熱保持する。
【0219】堆積膜形成用の原料ガスを反応容器311
1に流入させるには、ガスボンベのバルブ2231〜2
236、反応容器のリークバルブ(不図示)が閉じられ
ていることを確認し、又、流入バルブ2241〜224
6、流出バルブ2251〜2256、補助バルブ226
0が開かれていることを確認して、まずメインバルブ
(不図示)を開いて反応容器3111およびガス配管3
122内を排気する。
【0220】次に真空計(不図示)の読みが約5×10
-6Torrになった時点で補助バルブ2260、流出バ
ルブ2251〜2256を閉じる。
【0221】その後、ガスボンベ2221〜2226よ
り各ガスをバルブ2231〜2236を開いて導入し、
圧力調整器2261〜2266により各ガス圧を2Kg
/cm2 に調整する。次に、流入バルブ241〜224
6を徐々に開けて、各ガスをマスフローコントローラー
2211〜2216内に導入する。
【0222】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、以下のようにして円筒状支持体3112上に各層の
形成を行う。
【0223】円筒状支持体3112が所定の温度になっ
たところで流出バルブ2251〜2256のうちの必要
なものおよび補助バルブ2260を徐々に開き、ガスボ
ンベ2221〜2226から所定のガスを原料ガス導入
管3115を介して反応容器3111内の放電空間31
30に導入する。次にマスフローコントローラー221
1〜2216によって各原料ガスが所定の流量になるよ
うに調整する。その際、放電空間3130内の圧力が1
Torr以下の所定の圧力になるように真空計(不図
示)を見ながらメインバルブ(不図示)の開口を調整す
る。
【0224】圧力が安定したところで、周波数500M
HzのVHF電源(不図示)を所望の電力に設定して、
マッチングボックス3120を通じて放電空間3130
にVHF電力を導入し、グロー放電を生起させる。かく
して円筒状支持体3112により取り囲まれた放電空間
3130において、導入された原料ガスは、放電エネル
ギーにより励起されて解離し、円筒状支持体3112上
に所定の堆積膜が形成される。この時、層形成の均一化
を図るため支持体回転用モーター3120によって、所
望の回転速度で回転させる。
【0225】所望の膜厚の形成が行われた後、VHF電
力の供給を止め、流出バルブ2251〜2256を閉じ
て反応容器へのガスの流入を止め、堆積膜の形成を終え
る。同様の操作を複数回繰り返すことによって、所望の
多層構造の感光層が形成される。それぞれの層を形成す
る際には必要なガス以外の流出バルブはすべて閉じられ
ていることは言うまでもない。また、それぞれのガスが
反応容器3111内、流出バルブ2251〜2256か
ら反応容器3111に至る配管内に残留することを避け
るために、流出バルブ2251〜2256を閉じ、補助
バルブ2260を開き、さらにメインバルブ(不図示)
を全開にして系内を―旦高真空に排気する操作を必要に
応じて行う。
【0226】上述のガス種およびバルブ操作は各々の層
の作成条件にしたがって変更が加えられることは言うま
でもない。
【0227】いずれの方法においても、推積膜形成時の
支持体温度は、特に200℃以上350℃以下、好まし
くは230℃以上330℃以下、より好ましくは250
℃以上300℃以下が好ましい。
【0228】支持体の加熱方法は、真空仕様である発熱
体であればよく、より具体的にはシース状ヒーターの巻
き付けヒーター、板状ヒーター、セラミックヒーター等
の電気抵抗発熱体、ハロゲンランプ、赤外線ランプ等の
熱放射ランプ発熱体、液体、気体等を温媒とし熱交換手
段による発熱体等が挙げられる。加熱手段の表面材質
は、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、銅等の金属
類、セラミックス、耐熱性高分子樹脂等を使用すること
ができる。それ以外にも、反応容器以外に加熱専用の容
器を設け、加熱した後、反応容器内に真空中で支持体を
搬送する等の方法が用いられる。
【0229】特にVHF―PCVD法において、放電空
間の圧力として、好ましくは1mTorr以上500m
Torr以下、より好ましくは3mTorr以上300
mTorr以下、最も好ましくは5mTorr以上10
0mTorr以下に設定することが望ましい。
【0230】VHF―PCVD法において放電空間に設
けられる電極の大きさ及び形状は、放電を乱さないなら
ばいずれのものでも良いが、実用上は直径1mm以上1
0cm以下の円筒状が好ましい。この時、電極の長さ
も、支持体に電界が均―にかかる長さであれば任意に設
定できる。
【0231】電極の材質としては、表面が導電性となる
ものならばいずれのものでも良い。例えば、ステンレ
ス,Al,Cr,Mo,Au,In,Nb,Te,V,
Ti,Pt,Pb,Fe等の金属、これらの合金または
表面を導電処理したガラス、セラミック、プラスチック
等が通常使用される。
【0232】以上述べてきた手段,構成を、単独で、あ
るいは、組み合わせて用いることにより、優れた効果を
引き出すことが可能である。
【0233】
【発明の実施の形態】
[実験例1]実験例1では、磁気ブラシ層の抵抗値につ
いて検討した。 1.実験 1.1 実験装置 実験は、図1に示した装置を用いて行った。図1におい
て、符号“101”を付したのは、感光体等の被帯電体
である。同様に、符号“102”を付したのは接触型帯
電部材である。符号“105”を付したのは帯電部材に
電圧を印加する高圧電源、“r”は画像形成光線、“1
06”は現像器、“107”は転写紙給送系、“10
8”は転写ローラー、“109”はクリーナーである。 1.2 帯電部材(評価対象) 接触型帯電部材102は、磁気ブラシ層103と、多極
磁性体104とを備えている。
【0234】多極磁性体104は、フェライト磁石であ
り、該多極磁性体104の表面から1mmの距離におい
て測定される、磁極位置における磁力線密度を磁力とす
る。多極磁性体104は、φ18mmのローラー状に構
成されたプラスチックマグネットである。その磁極数は
ニップ幅内で複数存在する様に構成することが好まし
い。本実験例では6〜18極の複数の磁極数を設定して
作成した。
【0235】磁気ブラシ層103は、粒径10〜50μ
mの、磁性酸化鉄等のキャリアと、マグネタイト等の磁
性粉と、を所定の比で混合したものを、帯電キャリアと
して使用した。該帯電キャリアは、一般にトナーに利用
される周知のキャリアと同成分の物でも良い。
【0236】被帯電体101に対する多極磁性体104
の距離、および、磁気ブラシ層103の厚さを調整する
ことで、接触型帯電部材102と感光体とのギャップに
おけるニップ幅を調整できる。本実験例では、該ニップ
幅を、6〜7mmとした。 1.3 実験方法 磁気ブラシ層103の抵抗は、帯電効率に影響する。そ
のため、抵抗値の異なる数種類の磁気ブラシ層103を
用意し、それぞれについて、上記の帯電装置で帯電能力
を検討した。
【0237】磁気ブラシ層103の抵抗値は、HIOK
I社製のMΩテスターを用い、500Vの電圧を印加し
て測定した。 2.実験結果 実験結果を図6に示した。図6からわかるように、良好
な帯電効率の保持、また、ピンホール防止の為には、磁
気ブラシ層103の抵抗を1×103 〜1×1012Ωc
mとするのが好ましい。さらには、1×104 〜1×1
9 Ωcmとするのがより好ましいことがわかった。 [実験例2]実験例2では、帯電キャリアの粒径、多極
磁性体の磁力について検討した。 1.実験 実験には、実験例1と同様の装置を用いた。帯電キャリ
アには、粒径の異なるものを数種類用意した。また、多
極磁性体104についても、磁力の異なるものを数種類
を用意した。そして、それぞれについて、これらを用い
た場合におけるキャリア漏れ、画像流れ、ブラシ掃きむ
らを、上記装置を用いて評価した。なお、磁気ブラシ層
103の抵抗値は、1×107 Ωcmとした。 2.実験結果 実験結果を図7、図8に示した。図7、図8からわかる
ように、キャリア漏れの防止、画像流れの防止、ブラシ
掃きむらの防止の為には、帯電キャリアの粒径は、5〜
80μmであることが好ましい。さらには、20〜50
μmであるのがより好ましいことがわかった。多極磁性
体104の磁力は、500G以上であることが好ましい
ことがわかった。さらには、1000Gがより好ましい
ことがわかった。 [実験例3]実験例3では、帯電時間について検討し
た。
【0238】実験には、実験例1と同様の装置を用い
た。磁気ブラシ層103の抵抗は、1×107 Ωcmと
した。被帯電体が接触型帯電部材102の磁気ブラシ層
103と接する時間(以後、“帯電時間”)を変化させ
て、帯電能力の違いを検討した。該帯電時間の変更は、
被帯電体の回転スピードを変更することで行った。ま
た、帯電工程の前に行う除電のための露光(以後、“前
露光”)の有無による、帯電能力への影響についても検
討した。
【0239】実験結果を図9、図10に示した。図9、
図10からわかるように、帯電時間は、10msec以
上であることが好ましい。 [実験例4]実験例4では、被帯電体と接触型帯電部材
102との相対スピード比について検討した。
【0240】該実験4には、実験例1と同様の装置を用
いた。被帯電体の回転スピードに対する接触型帯電部材
102の回転スピードを変更することで、被帯電体と対
向する部位でのスピード比(以後、“相対スピード
比”)を変化させた。そして、各相対スピード比におけ
る、画像流れ、融着を検討した。
【0241】なお、本明細書中において相対スピード比
とは、下記数1で定義されるものである。
【0242】
【数1】 相対スピード比=((A−B)/A )・100 但し、A:被帯電体の表面移動速度(図11参照) B:接触型帯電部材の表面移動速度(図11参照) 検討結果を図12に示した。図12からわかるように、
画像流れ、融着を改善するには、相対スピード比が11
0%以上とするのが好ましい。 [実験例5]実験例5では、現像用キャリアの粒径,抵
抗と、画像濃度,濃度均一性およびキャリア寿命と、の
関係について検討した。 1.実験 実験には、実験例1と同様の装置を用いた。
【0243】現像手段としては、多極磁性体を円筒状の
金属で覆った部材(総称:現像スリーブ106)の表面
に形成した現像キャリア粒子の穂と、現像キャリア粒子
の穂によって像担持体101に搬送されるトナー粒子
と、からなる2成分ブラシ現像を用いた。
【0244】現像用キャリアには、粒径、抵抗値が異な
る数種類を用意した。そして、各現像用キャリアについ
て、画像濃度及び濃度均一性、キメの細かさ、現像キャ
リアの寿命、キャリア付着を検討した。なお、使用した
現像用キャリアの粒径の範囲は、10〜300μmであ
る。また、抵抗値の範囲は、1×101 〜1×109Ω
cmである。 2.実験結果 検討結果を図13、図14に示した。図13からわかる
ように、画像濃度、キメの細かさ、現像キャリアの寿命
を維持するためには、現像用キャリアの粒径を200μ
m以下にすることが好ましいことがわかった。また、キ
ャリア付着を防止するためには、粒径を20μm以上に
することが好ましいことがわかった。図14からわかる
ように、画像濃度均一性を維持するためには、現像用キ
ャリアの抵抗を1×108 Ωcm以下にすることが好ま
しいことがわかった。現像キャリアの寿命を維持するた
めには、抵抗を1×102 Ωcm以上にすることが好ま
しいことがわかった。 [実験例6]実験例6では、帯電用キャリアの粒径,現
像スリーブの磁力と、キャリア付着との関係について検
討した。 1.実験 実験には、実験例1と同様の装置を用いた。
【0245】現像手段としては多極磁性体を円筒状の金
属で覆った部材(総称:現像スリーブ106)の表面に
形成した現像キャリア粒子の穂と、現像キャリア粒子の
穂によって像担持体101に搬送されるトナー粒子とか
らなる2成分ブラシ現像を用いた。磁気ブラシ層103
および現像用キャリアの抵抗は、1×106 Ωcmとし
た。
【0246】現像用キャリアには、粒径が20、200
μmのものを用意した。帯電キャリアには、粒径の異な
るものを数種類(10〜100μm)用意した。また、
現像スリーブ106には、磁力の異なるものを数種類
(500〜15000G )用意した。
【0247】上記装置を用いて、帯電部材の多極磁性体
の磁力を下げるとともに、帯電キャリアを漏れさせた状
態で実験を行い、キャリア付着の様子を検討した。 2.実験結果 結果を図15、図16に示した。図15からわかるよう
に、現像キャリアの粒径が20〜200μmの場合、キ
ャリア付着防止の為には、帯電キャリアの粒径が20μ
m以上であるのが好ましい。
【0248】図16からわかるように、キャリア付着防
止の為には、現像スリーブの磁力は1000G以上であ
ることが好ましい。また、濃度均一性の点から磁力は1
0000G以下であることが好ましい。 [実験例7]実験例7では、現像スリーブの磁力,現像
キャリアの粒径と、帯電キャリアの寿命,濃度均一性と
の関係について検討した。 1.実験 実験には実験例1と同様の装置を用いた。
【0249】現像手段としては多極磁性体を円筒状の金
属で覆った部材(総称:現像スリーブ106)の表面に
形成した現像キャリア粒子の穂と、現像キャリア粒子の
穂によって像担持体101に搬送されるトナー粒子とか
らなる2成分ブラシ現像を用いた。
【0250】現像用キャリアには、抵抗値の異なる2種
類(1×102 Ωcm、1×108Ωcm)を使用し
た。帯電キャリアには、抵抗の異なる数種類を使用し
た。使用した帯電キャリアの抵抗値の範囲は、1×10
1 〜1×109 Ωcmである。なお、磁気ブラシ層の粒
径及び現像用キャリアの粒径は、40μmとした。
【0251】これらを用いて、上記装置で検討を行っ
た。 2.実験結果 実験結果を図17に示した。現像キャリアの抵抗が1×
102 〜1×108 Ωcmの場合、画像濃度均一性を維
持するためには、帯電キャリアの抵抗が1×107 Ωc
m以下であることが好ましい。また、現像キャリアの寿
命を維持するためには、抵抗が1×104 Ωcm以上で
あるのが好ましい。 [実験例8]実験例8では、感光体の各種特性と、温度
特性,光メモリー,画像流れ,ハーフトーン画像の濃度
ムラと、の関係について検討した。
【0252】実験には、実験例1と同様の装置を用い
た。
【0253】被帯電体としては、次のような、種々の感
光体を使用した。すなわち、RF一PCVD法による画
像形成装置用感光体の製造装置(図4参照)を用い、直
径108mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダ
ー上に、図21に示す条件で電荷注入阻止層、光導電
層、表面層からなる感光体を作製した。光導電層につい
てはSiH4 とH2 との混合比ならびに放電電力を変え
ることによって、種々の感光体を作製した。
【0254】上述した感光体を用いて、温度特性、光メ
モリー、画像流れ、ハーフトーン画像の濃度ムラ(以
後、“ガサツキ”)について実験、評価を行った。温度
特性は、感光体の温度を室温から約45℃まで変えて帯
電能を測定し、このときの温度1℃当たりの帯電能の変
化を測定して、2V/deg以下を合格と判定した。メ
モリー、画像流れ、ガサツキについては、画像を目視に
より判定し、5:非常に良好、4:良好、3:実用上問
題なし、2:実用上やや難あり、1:実用上難ありの5
段階にランク分けした。
【0255】一方、円筒形のサンプルホルダーに設置し
たガラス基板(コーニング社7059)ならびにSiウ
エハー上に、光導電層の作成条件で膜厚約1μmのa―
Si膜を推積した。ガラス基板上の推積膜にはAlの櫛
型電極を蒸着した上で、CPMにより指数関数裾の特性
エネルギー(Eu)と局在状態密度(D.O.S)を測
定した。Siウエハー上の推積膜については、FTIR
によって含有水素量ならびにSi‐H2 結合とSi‐H
結合との吸収ピーク強度比を測定した。
【0256】Si‐H2 /Si―Hとガサツキとの関係
を図18に、Euと温度特性との関係を図19に、D.
O.Sと、メモリー,画像流れと、の関係を図20に示
す。いずれのサンプルも水素含有量は10〜30原子%
の間であった。
【0257】図18、図19および図20からわかるよ
うに、Si‐H2 /Si‐Hが0.2〜0.5の場合
に、画像ムラ(以下“ガサツキ”という)が改善され
る。また、少なくとも光の入射する部分において、サブ
バンドギャップ光吸収スベクトルから得られる指数関数
裾の特性エネルギーが50〜60meV、局在状態密度
が1×1014〜1×1016cm-3の場合には、温度特
性、メモリー、画像流れを改善できる。
【0258】同様に表面層のサンプルを作成し、櫛型電
極を用いて抵抗値の測定を行なった。その結果、電気的
特性(例えば、電荷保持能、帯電効率)が良好で、且
つ、電圧により表面層が損傷するいわゆるピンホールリ
ークを防止する為には、該感光体の表面層の抵抗値を1
×1010〜5×1015Ωcmとするのが好ましいことが
わかった。さらには、1×1012〜1×1014Ωcmと
するのがより好ましい。なお、該抵抗値の測定は、HI
OKI社(メーカー)製のMΩテスターを用いて、25
0〜1kVの電圧を印加して行なった。
【0259】以下、実施例により本発明の効果を具体的
に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。 [実施例1]本実施例1は、図1に示した構成の、接触
型帯電システムを用いた画像形成装置である。
【0260】像担持体たる感光ドラム101は、矢印A
の時計方向に所定の周速度(プロセススピード)にて回
転駆動されるドラム型の電子写真感光体である。その内
部には、感光体を加熱可能なヒーター等が設けられい
る。感光体の温度を―定に保つための制御も必要に応じ
て可能になっている。
【0261】接触型帯電部材102は、多極磁性体10
4及びその面上に形成した帯電キャリアからなる磁気ブ
ラシ層103とを備えている。帯電キャリアには、粒径
が異なる数種類(10〜100μm)を用意した。
【0262】磁気ブラシ層103は、前述のごとく磁性
フェライトや磁性マグネタイト、磁性トナー等の帯電キ
ャリアで構成される。磁気ブラシ層103には、抵抗値
が異なる数種類(1×103 〜1×1012Ωcm)を用
意した。なお、該抵抗値は、HIOKI社(メーカー)
製のMΩテスターを用いて、250〜1kVの電圧を印
加して測定した値である。
【0263】像担持体101と接触帯電部材102の多
極磁性体104との最近接間隙は、そのニップ制御の為
に100〜1000μmの範囲にスベーサー(不図示)
等で安定的に設定した。
【0264】電圧印加電源105によって磁気ブラシ層
103に直流電圧Vdcを印加することで、回転駆動さ
れている感光ドラム101の外周面が均一に帯電され
る。更に、該感光ドラム101に画像形成光線rを照射
することによって、該感光ドラム101上に静電潜像を
形成する。この潜像は、現像剤が塗布された現像スリー
ブ106によって顕画像化された後、転写材107上に
転写ローラー108を介して転写される。
【0265】また、現像手段としては、多極磁性体を円
筒状の金属で覆った部材(総称:現像スリーブ106)
の表面に形成した現像キャリア粒子の穂と、現像キャリ
ア粒子の穂によって像担持体101に搬送されるトナー
粒子と、からなる2成分ブラシ現像を用いた。
【0266】現像スリーブ106には、磁力が異なる数
種類(500〜15000G)を、また、現像キャリア
粒子には、粒径,抵抗値の異なるものを数種類用意し
た。粒径の範囲は、10〜100μm、また、抵抗値の
範囲は1×101 〜1×109Ωcmである。なお、該
抵抗値は、HIOKI社(メーカー)製のMΩテスター
を用いて、250〜1kVの電圧を印加して測定した値
である。
【0267】転写残トナーは、クリーニングブレード1
09によって感光ドラム上から除去される。転写材10
7は、その転写像が定着装置(不図示)によって定着さ
れた後、機外に排出される。
【0268】一方、RF―PCVD法による画像形成装
置用感光体の製造装置(図4参照)を用い、直径108
mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー上に、
図21に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層
からなる感光体を作製した。また、光導電層のSiH4
とH2 との混合比ならびに放電電力を変えることによっ
て、種々の感光体を作製した。さらに、同様に表面層の
抵抗値の測定を変えることによって、種々の感光体を作
製した。
【0269】また、円簡形のサンプルホルダーに設置し
たガラス基板(コーニング社7059)ならびにSiウ
エハー上に、光導電層の作成条件で膜厚約1μmのa―
Si膜を推積した。ガラス基板上の推積膜には、Alの
櫛型電極を蒸着した上で、CPMによって指数関数裾の
特性エネルギー(Eu)と局在状態密度(D.O.S)
を測定した。一方、Siウエハー上の推積膜はFTIR
により含有水素量を測定した。
【0270】さらに、同様に表面層のサンプルを作成
し、櫛型電極を用いて抵抗値の測定を行なった。
【0271】作製した感光体と帯電部材を、前述の画像
形成装置(図1参照)にセットした。帯電部材の感光体
に対する相対スピード比は、110%に設定した。そし
て、感光体を加熱した状態で、プロセススピードを変化
させて帯電時間を変え、帯電能、温度特性、メモリー、
画像流れ、ガサツキ等その他の画質を評価した。
【0272】帯電能は、帯電直後電位を表面電位計にて
測定し、印加電圧に対する帯電直後電位の比率(帯電効
率)を計算し、その値が90%以上を合格と判定した。
【0273】温度特性は、感光体の温度を室温から約4
5℃まで変えて帯電能を測定し、このときの温度1℃当
たりの帯電能の変化を測定した。そして、2V/deg
以下を合格と判定した。
【0274】メモリー、画像流れ、画質については、画
像を目視により判定し、☆:非常に良好、◎:良好、
〇:実用上問題なし、△:実用上やや難あり、×:実用
上難ありの5段階にランク分けした。
【0275】評価結果を図22に示した。図22からわ
かるように、下記の条件1〜条件10が成立していると
きに、良好な帯電、良好な温度特性、良好なメモリー、
良好な画像流れ、良好なガサツキ等その他の画質が得ら
れていた。すなわち、これらの条件を満たすことで、ト
ータル的な品質の高い画像形成装置が実現できる。
【0276】条件1:帯電部材の磁性粉体の抵抗値が1
×104 〜1×109 Ωcm 条件2:帯電部材の磁性粉体の粒径が20〜50μm 条件3:現像スリーブの磁力が100〜10000G 条件4:現像キャリア粒子の粒径が20〜200μm 条件5:現像キャリア粒子の抵抗値が1×102 〜1×
108 Ωcm 条件6:帯電時間が10msec以上 条件7:表面層の抵抗値が1×1010〜1×1015Ωc
m 条件8:光導電層のEuが50〜60meV、 条件9:光導電層のD.O.Sが1×1014〜1×10
16cm-3 条件10:Si‐H2 /Si‐Hが0.2〜0.5[実
施例2]感光体の製造には、VHF―PCVD法による
画像形成装置用感光体の製造装置(図5参照)を用い
た。該装置を用いて、実施例1と同様に鏡面加工を施し
たアルミニウムシリンダー(支持体)上に、図23に示
す条件で、電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる
感光体を作製した。また、光導電層のSiH4 とH2
の混合比、放電電力、支持体温度ならびに内圧を変える
ことにより、種々の感光体を作製した。さらに、同様に
表面層の抵抗値の測定を変えることによって、種々の感
光体を作製した。
【0277】円筒形のサンプルホルダーに設置したガラ
ス基板(コーニング社7059)ならびにSiウエハー
上に、光導電層の作成条件で膜厚約1μmのa―Si膜
を推積した。
【0278】ガラス基板上の推積膜にはAlの櫛型電極
を蒸着し、CPMにより指数関数裾の特性エネルギー
(Eu)と局在状態密度(D.O.S)を測定した。S
iウエハー上の推積膜については、FTIRにより含有
水素量を測定した。さらに、同様に表面層のサンプルを
作成し、櫛型電極を用いて抵抗値の測定を行なった。
【0279】作製した感光体を実施例1と同様の画像形
成装置にセットして、帯電部材の感光体に対する相対ス
ピード比を110%とし、感光体を加熱した状態で、プ
ロセススピードを変化させて帯電時間を変え、帯電能、
温度特性、メモリー、画像流れ、ガサツキ等その他の画
質を評価した。
【0280】帯電能、温度特性、メモリー、画像流れ、
画質についての評価は実施例1と同様の方法で評価し
た。
【0281】評価結果を図24に示す。図24からわか
るように、下記条件が成立しているときに、良好な帯
電、良好な温度特性、良好なメモリー、良好な画像流
れ、良好なガサツキ等その他の画質が得られ、トータル
的な品質の高い画像形成装置が可能となった。
【0282】条件1:帯電部材の磁性粉体の抵抗値が1
×104 〜1×109 Ωcm 条件2:帯電部材の磁性粉体の粒径が20〜50μm 条件3:現像スリーブの磁力が100〜10000G 条件4:現像キャリア粒子の粒径が20〜200μm 条件5:現像キャリア粒子の抵抗値が1×102 〜1×
108 Ωcm 条件6:帯電時間が10msec以上 条件7:表面層の抵抗値が1×1010〜1×1015Ωc
m 条件8:光導電層のEuが50〜60meV 条件9:光導電層のD.O.Sが1×1014〜1×10
16cm-3 条件10:Si‐H2 /Si‐Hが0.2〜0.5[実
施例3]外径80mm×長さ358mmのアルミニウム
シリンダーを基体とし、これにアルコキシメチル化ナイ
ロンの5%メタノール溶液を浸漬法で塗布して、膜厚1
μmの下引き層(中間層)を設けた。
【0283】次にチタニルフタロシアニン顔料を10部
(重量部、以下同様)、ポリビニルブチラール8部、及
びシクロヘキサノン50部を直径1mmのガラスビーズ
100部を用いたサンドミル装置で20時間混合分散し
た。この分散液にメチルエチルケトン70〜120(適
宜)部を加えて下引き層上に塗布し、100℃で5分間
乾燥して0.2μmの電荷発生層を形成させた。
【0284】次にこの電荷発生層の上に図25に示す構
造のスチリル化合物10部とビスフェノールZ型ポリカ
ーボネート10部をモノクロルベンゼン65部に溶解し
た。この溶液をディッビング法によって基体上に塗布
し、120℃で60分間の熱風乾燥させて、20μm厚
の電荷輸送層を形成させた。
【0285】次にこの電荷輸送層の上に以下の方法で膜
厚上1.0μmの表面層を設けた。酸成分としてテレフ
タル酸を、またグリコール成分としてエチレングリコー
ルを用いて得られた高融点ポリエチレンテレフタレート
(A)[極限粘度0.70dl/g、融点258℃(示
差熱測定器を用いて10℃/minの昇温速度で測定し
た。また、測定サンプルは5mgで、測定しようとする
ポリエステル樹脂を280℃で溶融後、0℃の氷水で急
冷して作成した)、ガラス点移転温度70℃]100部
とエポキシ樹脂(B)[エポキシ当量160;芳香族エ
ステルタイプ;商品名:エピコート190P(油化シェ
ルエポキシ社製)]30部とをフェノールとテトラクロ
ロエタン(1:1)混合液100mlに溶解させた。更
に上記溶液中に電荷保持粒子として、SnO2 粉を60
wt%混入した。次いで光重合開始剤としてトリフェニ
ルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネート(C)
3部を添加して樹脂組成物溶液を調製した。
【0286】光の照射条件としては、2kW高圧水銀灯
(30W/cm)を20cm離した位置から130℃で
8秒間照射して硬化させた。
【0287】作製した感光体を実施例1と同様の画像形
成装置にセットして、帯電部材の感光体に対する相対ス
ピード比を110%とし、感光体を加熱した状態で、プ
ロセススピードを変化させて帯電時間を変え、帯電能、
温度特性、メモリー、画像流れ、ガサツキ等その他の画
質を評価した。
【0288】帯電能、温度特性、メモリー、画像流れ、
画質についての評価は実施例1と同様にした。
【0289】評価結果を図26に示す。図26からわか
るように、下記条件が成立しているときに良好な帯電、
良好な温度特性、良好なメモリー、良好な画像流れ、良
好なガサツキ等その他の画質が得られ、トータル的な品
質の高い画像形成装置が可能となった。
【0290】条件1:帯電部材の磁性粉体の抵抗値が1
×104 〜1×109 Ωcm 条件2:帯電部材の磁性粉体の粒径が20〜50μm 条件3:現像スリーブの磁力が100〜10000G 条件4:現像キャリア粒子の粒径が20〜200μm 条件5:現像キャリア粒子の抵抗値が1×102 〜1×
108 Ωcm 条件6:帯電時間が10msec以上 条件7:表面層の抵抗値が1×1010〜1×1015Ωc
m [比較例1]上述した条件1〜10のうち少なくとも一
つが成立していない場合、すなわち、下記の条件a〜条
件jのがすべて成立している場合について、実験を行っ
た。実験方法については、実施例1、実施例2と同様で
ある。
【0291】条件a:帯電部材の磁性粉体の抵抗値が1
×104 〜1×109 Ωcmではない 条件b:帯電部材の磁性粉体の粒径が20〜50μmで
はない 条件c:現像スリーブの磁力が100〜10000Gで
はない 条件d:現像キャリア粒子の粒径が20〜200μmで
はない 条件e:現像キャリア粒子の抵抗値が1×102 〜1×
108 Ωcmではない 条件f:帯電時間が10msec以上ではない 条件g:表面層の抵抗値が1×1010〜1×1015Ωc
mではない 条件h:光導電層のEuが50〜60meVではない 条件i:光導電層のD.O.Sが1×1014〜1×10
16cm-3ではない 条件j:Si‐H2 /Si‐Hが0.2〜0.5ではな
い その結果は図22及び図24に示したとおり、トータル
的に高い品質が十分に得られなかった。 [比較例2]上述した条件1〜7のうち少なくとも一つ
が成立していない場合、すなわち、下記の条件a〜条件
gのがすべて成立している場合、について、実験を行っ
た。実験方法については、実施例3と同様である。
【0292】条件a:帯電部材の磁性粉体の抵抗値が1
×104 〜1×109 Ωcmではない 条件b:帯電部材の磁性粉体の粒径が20〜50μmで
はない 条件c:現像スリーブの磁力が100〜10000Gで
はない 条件d:現像キャリア粒子の粒径が20〜200μmで
はない 条件e:現像キャリア粒子の抵抗値が1×102 〜1×
108 Ωcmではない 条件f:帯電時間が10msec以上ではない 条件g:表面層の抵抗値が1×1010〜1×1015Ωc
mではない その結果は図26に示してあるように、トータル的に高
い品質が十分に得られなかった。
【0293】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明では、2成分
方式を採用するとともに、接触型帯電部材の磁気ブラシ
の抵抗と粒径を、現像用キャリアの抵抗と粒径に対して
最適化し、現像スリーブの磁力、接触型帯電部材と感光
体の接触部における相対スピード比を最適化した。さら
に、感光体を、メモリーの少ない温度特性の少ない高性
能の材料で構成した。そして、接触型帯電部材と感光体
の接触部における帯電時間を最適化した。以上のような
構成を採用した結果、オゾンレス帯電装置の採用による
高湿画像流れレスを両立したトータル的に極めて良好な
画像形成装置が達成された。
【0294】具体的には、第1に現像方式としては2成
分ブラシを用い、該現像用キャリア粒子の抵抗を1×1
2 〜1×108 Ωcmにし、かつ粒径を20〜200
μmとする―方、該帯電用磁性粉体の抵抗を1×104
〜1×107 Ωcmかつ粒径を20〜50μmにし、該
現像スリーブの磁力を1000〜10000Gにするこ
とにより、該帯電用磁性粉体が漏れた場合にも全て現像
器内に捕獲することでキャリア付着を防止できる。ま
た、該帯電用磁性粉体が混入しても、該現像用キャリア
粒子の構成に大ぎな影響がないため、画質低下にはつな
がらない。
【0295】第2に被帯電体の表面と帯電部材の表面と
の相対スピード比を110%以上にすることにより、2
成分ブラシ現像であるがために使えない、マグネットロ
ーラーと磁性トナーから形成されたブラシにより感光体
表面を摺擦しオゾン生成物を取り除く方法、を使わずし
て、画像流れのない高品質の画像が得られる。
【0296】第3に被帯電体として、導電性支持体と、
シリコンを母材として水素原子及び/またはハロゲン原
子を含有する非単結晶材料から成り光導電性を示す光導
電層、及び電荷を保持する機能を有する表面層を有する
光受容層から構成されるアモルファスシリコン感光体を
用いることにより、高耐久性を確保できると。これに加
えて、さらに、該光導電層が10〜30原子%の水素を
含有し、少なくとも光の入射する部分において、光吸収
スベクトルから得られる指数関数裾の特性エネルギーが
50〜60meV、かつ局在状態密度が1×1014〜1
×1016cm-3である感光体を用いることによって、ア
モルファスシリコン感光体特有の問題である光メモリー
を軽減できる。また、電気特性の温度依存性が低減し
て、感光体の温度制御が不要になる。これに加えてさら
に、該表面層の電気抵抗値を1×1010〜1×1015Ω
cmとするとともに、該被帯電体のある部位が帯電部材
と接している時間を10msec以上とすることによっ
て、高い帯電効率が得られ十分な地ならし効果が得られ
る。そのため、適当な光導電層と組み合わせることで、
除電光が不要になる。あるいは、強い除電光を与えても
十分な帯電が得られるため、帯電能の低下なくして、光
メモリーを低減できる。
【0297】このように、2成分現像方式とオゾンレス
帯電器を組み合わせることにより、画質を低下させるこ
となく(特に、高湿画像流れを招くことなく)、省エネ
ルギー化、及び装置の小型化が可能となった。
【0298】さらに温度特性や電気的特性を向上させた
新規な感光体を組合せることで、帯電能を低下させるこ
となく光メモリーを低減, 解消して、より高品質化が
可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の帯電部材、帯電装置、画像形成装置の
好適な実施態様例の構成を説明するための模式的構成図
である。
【図2】本発明の画像形成装置用OPC感光体の好適な
実施態様例の層構成を説明するための模式的層構成図で
ある。
【図3】本発明の画像形成装置用a―Si感光体の好適
な実施態様例の層構成を説明するための模式的層構成図
である。
【図4】本発明の画像形成装置用感光体の光受容層を形
成するための装置の一例で、RF帯の高周波を用いたグ
ロー放電法による画像形成装置用感光体の製造装置の模
式的説明図である。
【図5】本発明の画像形成装置用感光体の光受容層を形
成するための装置の一例で、VHF帯の高周波を用いた
グロー放電法による画像形成装置用感光体の製造装置の
模式的説明図である。
【図6】本発明にかかわる帯電部材のブラシ層の抵抗と
帯電状態を示す図である。
【図7】本発明にかかわる帯電部材の磁性粉体の粒径及
び多極磁性体の磁力とキャリア漏れ、ブラシ掃きむら、
画像流れの関係を示す図である。
【図8】本発明にかかわる帯電部材の磁性粉体の粒径及
び多極磁性体の磁力とキャリア漏れ、ブラシ掃きむら、
画像流れの関係を示す図である。
【図9】本発明にかかわる感光体の帯電時間と帯電状
態、光メモリーの関係を示す図である。
【図10】本発明にかかわる感光体の帯電時間と帯電状
態、光メモリーの関係を示す図である。
【図11】速度A,Bの意味を示す図である。
【図12】本発明にかかわる感光体に対する帯電部材の
相対スピード比と画像流れ及び融着の関係を示す図であ
る。
【図13】本発明にかかわる現像キャリアの粒径および
抵抗と画像濃度、濃度均一性、キメの細かさ、現像キャ
リアの寿命、キャリア付着の関係を示す図である。
【図14】本発明にかかわる現像キャリアの粒径および
抵抗と画像濃度、濃度均一性、キメの細かさ、現像キャ
リアの寿命、キャリア付着の関係を示す図である。
【図15】本発明にかかわる帯電部材の磁性粉体の粒径
及び現像スリーブの磁力とキャリア付着、濃度均一性の
関係を示す図である。
【図16】本発明にかかわる帯電部材の磁性粉体の粒径
及び現像スリーブの磁力とキャリア付着、濃度均一性の
関係を示す図である。
【図17】本発明にかかわる帯電部材の磁性粉体の抵抗
と現像キャリアの寿命、濃度均一性の関係を示す図であ
る。
【図18】本発明の画像形成装置用感光体における光導
電層のSi‐H2 結合とSi‐H結合の吸収ピーク強度
比とハーフトーン濃度ムラ(ガサツキ)との関係を示す
図である。
【図19】本発明の画像形成装置用感光体における光導
電層のアーバックテイルの特性エネルギー(Eu)と温
度特性との関係を示す図である。
【図20】本発明の画像形成装置用感光体における光導
電層の局在状態密度(D.O.S)と光メモリー、画像
流れとの関係を示す図である。
【図21】実験例8における感光体作成条件を示す図で
ある。
【図22】実施例1における評価結果を示す図である。
【図23】実施例2における感光体作成条件を示す図で
ある。
【図24】実施例2における評価結果を示す図である。
【図25】スチリル化合物の構造を示す図である。
【図26】実施例3における評価結果を示す図である。
【図27】従来の接触帯電の帯電部材、帯電装置、画像
形成装置の構成を示す模式的構成図である。
【図28】従来からの画像形成装置の基本構造を示す図
である。
【符号の説明】 101 被帯電体 102 接触帯電部材 104 多極磁性体 103 磁気ブラシ層 105 帯電用電源 106 現像器 107 転写材 108 転写ローラー 109 クリーニングブレード 900 感光体 901 支持体 902 感光層 903 電荷発生層 904 電荷輸送層 905 表面層 1100 感光体 1101 支持体 1102 感光層 1103 光導電層 1104 表面層 1105 電荷注入阻止層 1106 自由表面 r 画像形成光線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 唐木 哲也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被帯電面を備えた像坦持体たる被帯電体
    と、 その表面に磁性粉体を有する帯電部材を備え、該磁性粉
    体に電圧を印加した状態で該磁性粉体を前記被帯電面に
    接触させることで前記被帯電面を帯電させる帯電手段
    と、 帯電された前記被帯電面上に静電潜像を形成する静電潜
    像形成手段と、 現像剤を保持する多極磁性材を有する現像スリーブを有
    し、該現像スリーブに保持した現像剤を用いて前記静電
    潜像を可視化する現像手段と、を備え、 前記現像手段は、前記現像剤にトナー粒子と該トナー粒
    子を前記被帯電面に搬送する現像キャリア粒子とを含ん
    だ、2成分現像方式であり、 前記現像キャリア粒子は、抵抗が1×102 〜1×10
    8 Ωcm且つ粒径が20〜200μmであり、 前記磁性粉体は、抵抗が1×104 〜1×107 Ωcm
    且つ粒径が20〜50μmであり、 前記現像スリーブは、その磁力が1000〜10000
    Gであること、 を特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記被帯電体は、前記帯電手段による帯
    電に際して前記被帯電面を移動されており、 前記帯電手段は、前記帯電部材を回転させつつ、前記磁
    性粉体を前記被帯電体に接触させるものであり、 下記相対スピード比は、110%以上であること、 相対スピード比=100・((A−B)/A) 但し、A:被帯電体の表面移動速度 B:帯電部材の表面移動速度 を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記被帯電体は、導電性支持体と、光受
    容層と、を備えた感光体であり、 前記光受容層は、シリコンを母材とし水素原子および/
    またはハロゲン原子を含有した非単結晶材料を含んで構
    成された光導電性を示す光導電層と、電荷を保持する機
    能を有する表面層と、を有し、 前記光導電層は、10〜30原子%の水素を含有し、S
    i‐H2 /Si‐Hが0.2〜0.5であり、少なくと
    も光の入射する部分において、サブバンドギャップ光吸
    収スペクトルから得られる指数関数裾の特性エネルギー
    が50〜60meV、かつ、局在状態密度が1×10
    14 以上1×10 16 cm-3未満であり、 前記表面層は、抵抗値が1×1010〜1×1015Ωcm
    であること、 を特徴とする請求項2記載の画像形成装
    置。
  4. 【請求項4】 前記被帯電体の各部位が前記磁性粉体と
    接している時間が、10sec以上であること、 を特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
JP9046748A 1997-02-28 1997-02-28 画像形成装置 Pending JPH10240017A (ja)

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