JP5440068B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、像形成装置に関する。
引用文献1には、像保持体の表面に向かいあうように設けられた帯電制御部材に、像保持体への放電の開始される放電開始電圧の絶対値の2倍以下の振幅値の交流電圧Vppを印加して放電を行わせることで、像保持体上に残留したトナーの極性をそろえることが提案されている。そして、引用文献1では、帯電制御部材より像保持体の回転方向の下流側に設けられた部材に、該そろえられたトナーの極性と逆極性の電圧を印加することで、該トナーを回収することが提案されている。なお、引用文献1では、帯電制御部材の像保持体に向かい合う表面は、面状またはブラシ状とされている。
引用文献2には、不織布を像保持体の表面に接触配置し、像保持体の表面の残留トナーを不織布に保持させることで残留トナーを正規の極性に帯電させることが提案されている。
特開2006−189503号 特開2007−034258号
本発明は、本発明における放電部材の像保持体に向かい合う領域が凹凸を有する面状とされず、且つ電圧印加装置から放電部材に印加される重畳電圧が本発明の関係を満たさない場合に比べて、帯電を調整する能力を維持しつつ、且つ像保持体の表面に付着した放電生成物が除去される清掃装置を備える画像形成装置を提供することを課題とする。
請求項1の発明は、像保持体、前記像保持体を帯電させる帯電装置、前記帯電装置によって帯電された前記像保持体に静電潜像を形成する潜像形成装置、前記潜像形成装置によって前記像保持体上に形成された静電潜像をトナーによって現像する現像装置、前記現像装置によって前記像保持体上に形成されたトナー像を被転写体へ転写する転写装置、及び清掃装置を備え、
前記像保持体が、
円柱状の基体と、前記基体上に設けられた感光層と、前記感光層上に設けられ、酸素及びガリウムを含有し、外側に存在する第1の領域、及び該第1の領域よりも前記基体に近い側に存在し、前記第1の領域に比べてガリウムに対する酸素の原子数比が大きい第2の領域を有する保護層と、を有し、
前記清掃装置が、
回転される前記像保持体の外側の面に向かい合うように配置され、該像保持体に向かい合う領域が凹凸を有する面状であり、印加された電圧に応じた電界を前記像保持体との間に形成し、且つ該電圧に応じた放電を行う放電部材と、
前記像保持体と前記放電部材との間に形成された電界の向きを変化させ、且つ該放電部材から該像保持体に向かって予め定められた極性の放電が行なわれるように、直流電圧と交流電圧とを重畳させた重畳電圧を前記電界形成装置に印加する電圧印加装置と、
を備え、
前記電圧印加装置から前記放電部材に印加される前記重畳電圧に含まれる交流電圧の電圧波形の振幅の最大から最小までの振幅値Vppと、該重畳電圧に含まれる直流電圧の電圧値Vdcが、下記式(1)及び式(2)に示す関係を満たす清掃装置である、画像形成装置である。
|Vth|≦Vpp/2+|Vdc|−|Vpr| (1)
Vpp≦2|Vth| (2)
上記式(1)及び式(2)中、Vthは、前記像保持体の表面電位が0Vのときに、前記放電部材に直流電圧のみが印加されたときに前記放電部材から前記像保持体に向かって放電が開始される電圧値であり、式(1)中、Vprは、前記像保持体の表面電位を示す。
請求項に係る発明は、前記清掃装置の放電部材における前記像保持体に向かい合う領域が、導電性を有する布からなる請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項に係る発明は、前記清掃装置が、前記放電部材より前記像保持体の回転方向下流側に設けられ、前記像保持体の表面に付着した付着物を除去する除去部材を備え請求項1又は請求項に記載の画像形成装置である。
請求項1に係る発明は、本発明における放電部材の像保持体に向かい合う領域が凹凸を有する面状とされず、且つ電圧印加装置から放電部材に印加される重畳電圧が本発明の関係を満たさない場合に比べて、帯電を調整する能力を維持しつつ、且つ像保持体の表面に付着した放電生成物が除去される。
また、請求項に係る発明は、像保持体が本発明における保護層を有する構成である場合であっても、帯電を調整する能力を維持しつつ、且つ像保持体の表面に付着した放電生成物が除去される。
請求項に係る発明は、本発明における除去部材を備えない構成である場合に比べて、像保持体上に付着したトナーが除去される。
本実施の形態に係る画像形成装置を示す概略図である。 本実施の形態の画像形成装置の一部を拡大した模式図である。 放電部材に印加した直流電圧の電圧値と、像保持体の該電圧を印加された領域の表面電位と、の関係を示す線図である。 放電部材に印加した重畳電圧に含まれる交流電圧のピークトゥピーク電圧Vppと、像保持体の該電圧を印加された領域の表面電位と、の関係を示す模式図である。 (A)は、像保持体と放電部材との向かい合う領域を拡大した模式図であり、(B)は、放電部材に重畳電圧を印加したときに、該放電部材によって帯電された像保持体の表面電位の時間推移を示す概念図である。 (A)は、従来の放電部材の表面のブラシ状とされた領域の断面を示す模式図であり、(B)は、本実施の形態における放電部材の表面の凹凸を示す領域を該領域の外側から見たときの状態を示す模式図である。 本実施の形態の画像形成装置の一部を拡大した模式図である。 本実施の形態の画像形成装置の一部を拡大した模式図である。 本実施の形態の画像形成装置の図1とは異なる形態を示す模式図である。 本実施の形態の画像形成装置の図1及び図9とは異なる形態を示す模式図である。 本実施の形態の画像形成装置に搭載された像保持体の一例を模式的に示した断面図である。 本実施の形態の画像形成装置に搭載された像保持体の一例を模式的に示した断面図である。 本実施の形態の画像形成装置に搭載された像保持体の一例を模式的に示した断面図である。 本実施の形態の画像形成装置に搭載された像保持体の一例を模式的に示した断面図である。 (A)(B)本実施の形態に係る像保持体の保護層の形成に用いるプラズマ発生装置の一例を示す模式図である。 本実施の形態に係る像保持体の保護層の形成に用いるプラズマ発生装置の一例を示す模式図である。 実施例において画像形成試験に用いた画像を示す模式図である。 実施例において、走行枚数と、像保持体上の放電部材と除去部材との間の領域に付着しているトナー全体におけるプラス極のトナーの割合(WST率)と、の関係を示す線図である。 実施例において、走行枚数と、放電部材に保持されたトナーの保持量と、の関係を示す線図である。
以下、一の実施の形態について詳細に説明する。
図1に示すように、本実施の形態の画像形成装置10には、矢印A方向に回転する像保持体12が備えられている。
像保持体12の周辺には、該像保持体12の回転方向にそって順に、帯電装置14、露光装置16、現像装置18、転写部材22、及び清掃装置32が順に設けられている。清掃装置32は、放電部材34、及び除去部材36を含んで構成されている。
なお、清掃装置32が、本発明の清掃装置に相当し、放電部材34が、本発明の放電部材に相当し、除去部材36が、本発明の除去部材に相当する。
帯電装置14は、像保持体12表面に接触または非接触で設けられ、像保持体12の表面を帯電する。帯電装置14としては、コロトロン帯電器やスコロトロン帯電器が挙げられる。
露光装置16は、帯電装置14により帯電された像保持体12の表面に、形成する対象となる画像の画像データに基づいて変調したレーザ光Lを照射して、像保持体12上に画像データの画像に応じた静電潜像を形成する。
現像装置18内には、トナーを含む公知の一成分現像剤、またはトナーとキャリアを含む二成分現像剤が貯留されており、これらの現像剤に含まれるトナーによって上記静電潜像を現像してトナー像とする。本実施の形態では、現像装置18は、シアン(C)のトナー像を現像する現像器18C、マゼンタ(M)のトナー像を現像する現像器18M、イエロー(Y)のトナー像を現像する現像器18Y、及びブラック(K)のトナー像を現像する現像器18Kを含んだ構成とされている。例えば、Y色の画像データに対応したトナー像を現像する場合、現像装置18が回転することにより現像器18Yが像保持体12に近接し、現像器18Yによる現像処理により像保持体12上にY色のトナー像が形成される。なお、本実施の形態では、現像装置18は、ロータリー方式である場合を説明するが、この方式に限られず、単色のトナーを供給する現像装置であってもよい。
現像装置18より像保持体12の回転方向下流側には、中間転写体20が設けられている。中間転写体20は、中間転写体20の内側の面に接触して配置された支持部材24A、支持部材24B、支持部材24C、及び支持部材24Dに巻き掛けられており、矢印B方向に搬送される。この中間転写体20と像保持体12とが接触する部分には転写部材22が配置されている。転写部材22は、中間転写体20の内側に配置され、該内側から中間転写体20を像保持体12の外側の面に押しつけるように配置されている。転写部材22は、像保持体12の回転方向(図1中、矢印A方向)に対して反対方向(図1中、矢印E方向)に回転される。この転写部材22は、中間転写体20を介して像保持体12に向かって電圧を印加することで、像保持体12に保持されていたトナー像を中間転写体20側へ転写させる。
また、画像形成装置10には、給紙部材26が設けられている。この給紙部材26に装填された記録媒体Pは、1枚ずつ給紙部材26から図示を省略する支持部材によって搬送されて(図1中、矢印C方向)、転写部28へ搬送される。
この転写部28には、中間転写体20を支持する支持部材24Aと、中間転写体20を介して支持部材24Aに向かう方向に圧力を加えるように配置された二次転写部材28Aと、が設けられている。二次転写部材28Aは、中間転写体20の回転方向(図1中、矢印B方向)に対して反対方向に回転される(図1中、矢印D方向)。すなわち、支持部材24Aと、二次転写部材28Aと、によって挟まれる領域には、中間転写体20が挟まれており、記録媒体Pは、この領域を通過することで、中間転写体20からトナー像を転写される。
この転写部28より、記録媒体Pの搬送方向(図1中、矢印C方向)の下流側には、定着装置30が配置されている。定着装置30には、加熱部材30Aと、加熱部材30Aに押しつけられて配置された支持部材30Bと、が配置されている。記録媒体Pが、この加熱部材30Aと支持部材30Bとによって挟まれる領域を通過すると、該記録媒体Pにトナー像が定着される。トナー像の定着により画像を形成された記録媒体Pは、定着装置30より記録媒体Pの搬送方向下流側に配置された図示を省略する排紙部材によって、排紙される。
清掃装置32は、転写部材22より像保持体12の回転方向下流側で、且つ帯電装置14より像保持体12の回転方向上流側に設けられている(図1及び図2参照)。
清掃装置32は、放電部材34と、除去部材36と、を含んで構成されている。除去部材36は、放電部材34より像保持体12の回転方向下流側に設けられている。
放電部材34には、交流電圧と直流電圧とを重畳した重畳電圧を該放電部材34に印加する電圧印加装置38が電気的に接続されている。放電部材34は、前記電圧印加装置38から重畳電圧を印加されることによって、像保持体12との間の領域に向きの変化する電界(所謂、振動電界)を形成すると共に、像保持体12に向かって予め定められた単一の極性の放電を起こし、像保持体12の回転によって、放電部材34と像保持体12との向かい合う領域に突入してくるマイナス極性及びプラス極性のトナーの全てを単一の極性(プラスまたはマイナスの単一の極性)に揃える(詳細後述)。
なお、この重畳電圧に含まれる交流電圧は、周期変化を生じる電圧であればよく、この周期変化が矩形である矩形波にかぎられず、正弦波、三角波等でもよい。
なお、本実施の形態では、放電部材34は、予め定められた単一の極性として、像保持体12に向かってマイナス放電を起こす場合を説明するが、プラス放電を起こす構成であってもよい。この場合には、電圧印加装置38から印加される重畳電圧を調整すればよい。
除去部材36は、放電部材34によって極性をマイナス極性に揃えられたトナーを像保持体12の表面から除去する装置である。この除去部材36としては、本実施の形態では、図2に示すように、周囲に多数の毛体が植毛されたブラシ形状である場合を説明するが、板状の部材であってもよい。この除去部材36は、本実施の形態では、円柱状に形成され、像保持体12の回転方向と反対回りに回転され、像保持体12との接触部分において互いに逆方向に相対移動するように回転される。この除去部材36には、この除去部材36に直流電圧を印加する電源40が接続されており、電源40によって直流電圧が印加されることにより、像保持体12との電位差によって、該像保持体12上のマイナス極性のトナーを吸着するようになっている。
また、この除去部材36の周辺には、この除去部材36の外側の面に接するように、回収部材42が配置されている。この回収部材42は、除去部材36に付着したトナーを回収する。この回収部材42には、この回収部材42上に回収されたトナーを掻き落とす板状部材44が設けられており、回収部材42に回収されたトナーを回収部材42から掻き落とすように構成されている。この掻き落とされたトナーは、図示を省略する部材によって清掃装置32の外部へ搬送される。
ここで、電圧印加装置38から放電部材34へ印加される重畳電圧に含まれる交流電圧の電圧波形の振幅の最大から最小までの振幅値(所謂、peak to peak 電圧、以下、ピークトゥピーク電圧と称する)Vppと、該重畳電圧に含まれる直流電圧の電圧値Vdcは、下記式(1)及び式(2)に示す関係を満たしている。
|Vth|≦Vpp/2+|Vdc|−|Vpr| (1)
Vpp≦2|Vth| (2)
上記式(1)及び式(2)中、Vthは、像保持体の表面電位が0Vのときに、放電部材34に直流電圧のみが印加されたときに、該直流電圧の印加によって放電部材34から像保持体12に向かって放電が開始される電圧値であり、式(1)中、Vprは、像保持体12の表面の放電部材34に向かい合う領域における、該放電部材34に重畳電圧が印加される前の該像保持体12の表面電位を示す。すなわち、Vprは、像保持体12の表面における、放電部材34に向かい合う領域に突入する前の表面電位を示している。
なお、前記式(1)及び式(2)に示す関係を満たす、とは、像保持体12の有効画像領域の全領域について、この式(1)及び式(2)に示す関係を満たすことを意味している。なお、この有効画像領域とは、像保持体12の外側の面の全領域の内の、像保持体12の搭載された画像形成装置10において画像を形成しうる最大の大きさの記録媒体の全領域に画像を形成するときにトナー像が保持されうる領域を意味している。
図3には、像保持体12の表面における、放電部材34に向かい合う領域に突入する前の表面電位が0Vのときに、放電部材34に直流電圧のみを印加し、該印加電圧を増加させていったときの印加電圧と像保持体12表面電位との関係が示した。なお、この放電部材34に直流電圧のみを印加し、該放電部材34と像保持体12との間で放電が開始されるときの印加電圧(直流電圧)の電圧値を、放電開始電圧(Vth)と定義する。
図3に示す例では、この放電開始電圧Vthは、−600Vであった(図3中、矢印3A参照)。
また、図4には、放電部材34へ印加する重畳電圧に含まれる直流電圧の電圧値を−500Vとし、この電圧値の直流電圧に周波数1KHzの交流電圧を重畳した重畳電圧を印加し、該重畳電圧に含まれる交流電圧のピークトゥピーク電圧Vppを増加させたときの該Vppと、像保持体12の表面電位(Vh)と、の関係を示した。
なお、この表面電位(Vh)とは、像保持体12の表面に該重畳電圧を印加した後の該像保持体12の表面の電位を示している。
図4に示されるように、上記放電開始電圧Vth(−600V)の絶対値の2倍の値、すなわち1200V以上にピークトゥピーク電圧Vppを増加させると、像保持体12の表面電位(Vh)が、該重畳電圧に含まれる直流電圧の電圧値である−500Vに飽和することがわかる。すなわち、この表面電位(Vh)は、放電開始電圧Vthの絶対値の2倍の値に飽和していく。この飽和した領域では、プラス放電とマイナス放電とが交互に発生しており、飽和される前の領域ではマイナス放電のみが発生している。
そこで、本実施の形態では、電圧印加装置38から放電部材34へ印加される重畳電圧に含まれる交流電圧のピークトゥピーク電圧Vppを、上記式(1)及び式(2)に示す関係を満たすように調整する。すなわち、図4の飽和する前の領域を積極的に利用している。
また、図5(A)には、像保持体12と放電部材34との向かい合う領域を拡大して示した。この向かい合う領域の、像保持体12の回転方向の上流側には、放電部材34から像保持体12への放電が起こる放電領域12Uがある。また、該向かい合う領域の、像保持体12の回転方向の下流側には、放電部材34から像保持体12への放電が起こる放電領域12Lがある。
図5(B)には、Vth=−600Vとして、Vdc=−550Vの直流電圧と、Vpp=−1100Vの矩形波で周波数1KHzの交流電圧と、を重畳させた重畳電圧を放電部材34に印加したときの、該放電部材34により帯電された像保持体12の表面電位の時間推移の概念を示した。なお、像保持体12の放電部材34と向かい合う領域に突入する領域の表面電位(Vpr)は0Vとした。
該重畳電圧が放電部材34に印加されると、放電部材34から像保持体12に向かってマイナス極の放電が生じる。このとき、像保持体12の表面電位は、図5(B)に示すように、放電領域12Uにおける放電部材34からの断続的なマイナス放電により、断続的にマイナス側に増加し、収束する。このため、該マイナス放電により、像保持体12上に保持されているトナーのうちのマイナス極性のトナーはさらに帯電量の大きいマイナス極性とされ、プラス極性のトナーはマイナス極性に帯電されることになる。このため、像保持体12と放電部材34との向かい合う領域では、ほとんどのトナーがマイナス極性となる。なお、前記式(1)および式(2)に示す関係を満たすときは、放電領域12Lでは放電は発生しない。また、図5(B)に示すように像保持体12の表面電位に対して放電部材34に印加される電圧は振動しているので(すなわち、振動電界が発生しているので)、像保持体12と放電部材34の間の電界の向きは変化していることになる。
なお、電圧印加装置38から放電部材34へ印加される重畳電圧に含まれる交流電圧のピークトゥピーク電圧Vppが、前記式(2)を満たさない場合には、前記式(1)を満たす満たさないにかかわらず、放電領域12Uと放電領域12Lの両方で、放電部材34から像保持体12に向かってプラス極性の放電とマイナス極性の放電が交互に発生し、像保持体12と放電部材34との向かい合う領域のトナーが、単一の極性に帯電されず、両電極のトナーが存在することとなる。
また、前記式(1)を満たさない場合には、前記式(2)を満たしたとしても、放電は発生せずトナーの極性を揃えることができない。
なお、放電部材34から単一の極性としてプラス放電を生じさせる場合にも、上記放電開始電圧Vth、重畳電圧に含まれる交流電圧のピークトゥピーク電圧Vpp、及び重畳電圧に含まれる直流電圧の電圧値Vdcや極性を前記式(1)及び前記式(2)を満たす範囲で調整すればよい。
上述のように、本実施の形態の画像形成装置10では、電圧印加装置38から放電部材34へ印加される重畳電圧に含まれる交流電圧のピークトゥピーク電圧Vppと、該重畳電圧に含まれる直流電圧の電圧値Vdcと、が前記式(1)及び前記式(2)に示す関係を満たすことで、像保持体12と放電部材34との間の電界の向きが変化し、且つ予め定められた極性(マイナス及びプラスの何れか一方)の放電が生じることとなる。
このように、放電部材34から像保持体12にむかって、マイナス及びプラスの何れか一方の単一の極性の放電が生じるため、像保持体12上にプラス極及びマイナス極の両極性のトナーが混在して付着していたとしても、該トナーの極性が、マイナスまたはプラスの何れかの単一の極性に統一されて、帯電が調整される。なお、「帯電が調整される」とは、像保持体12上のトナーの極性が単一の極性(プラス極またはマイナス極)に調整されることを示している。
また、電圧印加装置38から放電部材34へ、前記式(1)及び前記式(2)の関係を満たす重畳電圧が印加されることで、像保持体12と放電部材34との間に形成される電界の向きが変化することから、該像保持体12と放電部材34との間には、振動電界が形成されることとなる。このため、該振動電界に応じて、像保持体12と放電部材34との間でトナーが振動して、放電部材34に付着したり離れたりが繰り返される。このため、該トナーが放電部材34に付着したままとなることで、放電部材34が汚れ、上記「帯電を調整」する能力が低下することが抑制される。
そして、この放電部材34より像保持体12の下流側に設けられた除去部材36に、放電部材34によって単一の極性とされたトナーを引きつける電圧を印加することで、像保持体12側から除去部材36側へトナーが移行し、像保持体12の表面からトナーが除去される。
例えば、上記図5に挙げた例において、除去部材36に−200Vの直流電圧を印加すると、放電部材34に帯電されたあとの像保持体12の表面電位は−500Vとなっているため、この電位差によって、除去部材36側にマイナスの単一の極性とされたトナーが移行し、像保持体12の表面から除去される。
ここで、放電部材34の像保持体12に向かい合う領域が平坦な面状である従来の放電部材を用いた場合には、該放電部材はトナーで汚れ難い。これは、該面が平坦な面状である事や、上記の振動電界の効果によるものと考えられる。このため、放電部材34の像保持体12に向かい合う領域が平坦な面状である従来の放電部材を用いた場合には、帯電を調整する能力の低下が抑制されると考えられる。
しかしながら、像保持体12の表面には、放電によって空気中の酸素や窒素などを化学変化させたオゾンや窒素酸化物等の放電生成物が付着するが、像保持体12に向かい合う領域が平坦な面状である従来の放電部材では、トナーを保持することが出来ないため、この放電生成物を除去することは難しい。
一方、周囲に多数の繊維状の部材が植毛されたブラシ形状の放電部材も知られている(図6(A)参照)。しかし、このような、像保持体12に向かい合う領域が面状ではないブラシ形状の従来の放電部材35では、放電部材35と像保持体12との間に形成される電界が、各繊維状の部材70Aの先端部には形成されるものの、ブラシ形状71を構成する各繊維状の部材70A間によって形成される領域の底部に近い領域ほど、放電部材34と像保持体12との間に形成される電界が形成されにくいことが分かった。このため、ブラシを構成する各繊維状の部材70Aによって形成される凹部の内部に入り込んだトナーは、該内部から外部へ出にくい状態となって貯留されると考えられる。このため、このブラシ形状の従来の放電部材35では、内部にトナーを保持しやすいことから、帯電を調整する能力が低下すると考えられる。
そこで、本実施の形態の放電部材34では、少なくとも像保持体12に向かい合う領域が凹凸を有する面状とされている。なお、この「向かい合う領域」とは、像保持体12と放電部材34とが向かい合う領域であればよく、接触している領域及び非接触の領域を含んでおり、必ずしも接触した領域のみを指すものではない。なお、非接触である場合には、放電部材34と像保持体12の表面との距離は、像保持体12との間に上記振動電界が形成され、且つ像保持体12上のトナーが放電部材34の表面に保持され、また保持されたトナーが像保持体12側に戻る程度の距離であればよい。
また、この「凹凸を有する面状」とは、放電部材34の像保持体12に向かい合う領域が凹凸を有する面であることを示している。
この放電部材34の凹凸を有する面状の領域の凹凸は、詳細は後述するが、放電部材34の該凹凸を有する領域にトナーを保持し、且つ像保持体12との間に形成された振動電界によって該保持したトナーを放出しうる、という双方の機能が実現される程度の凹凸である。
放電部材34の像保持体12に向かい合う領域が、上記凹凸を有する面状とされ、且つ、電圧印加装置38から放電部材34に印加される電圧が前記式(1)及び前記式(2)を満たす重畳電圧とされていることで、像保持体12上のトナーが、像保持体12上の放電生成物を除去しうる程度に放電部材34に保持され、また、放電部材34の帯電を調整する能力の低下が生じない程度に保持されると考えられる。
従って、放電部材34の像保持体12に向かい合う領域が、凹凸を有する面状とされていることで、放電部材34の像保持体12に向かい合う領域が、凹凸を有する面状ではなく、且つ電圧印加装置38から放電部材34に印加される電圧が前記式(1)及び前記式(2)を満たす重畳電圧ではない場合に比べて、像保持体12の表面に付着した放電生成物を除去する能力に優れ、且つ帯電を調整する能力の低下も抑制された清掃装置32が提供されると考えられる。
本実施の形態では、放電部材34は、図2に示すように、円柱状で導電性の基体34C上に、弾性層34B、及び凹凸部材34Aが順に設けられた構成である場合を説明する。なお、放電部材34は、少なくとも像時体12に向かい合う領域が凹凸を有する構成とされていればよく、弾性層23Bを設けない構成であってもよい。なお、本実施の形態において、「導電性」及び「導電」とは、体積抵抗率が1012Ω・cm未満を意味している。
弾性層34Bは、導電性を有し、弾性を有する層である。この弾性層34Bとしては、導電性を有するウレタンスポンジ等が挙げられる。なお、放電部材34は、弾性層34Bを有さない構成であってもよいが、弾性層34Bを有する構成であるほうが、その上に設けられた上記凹凸部材34Aが、像保持体12の外側の面に沿って接触することから良い。
凹凸部材34Aは、少なくとも像保持体12に向かい合う領域に設けられた凹凸を有する部材である。この凹凸部材34Aの像保持体12に向かい合う面が、前述した、「放電部材34の像保持体12に向かい合う領域」に相当する。すなわち、この凹凸部材34Aの像保持体12に向かい合う面が、前述の「凹凸を有する面状とされた領域」に相当する。
このため、放電部材34が棒状に構成されており、軸方向に回転させる構成とする場合には、その外側の面を覆うように凹凸部材34Aを設けた構成とすればよい。また、放電部材34を四角柱として構成して回転させずに画像形成装置10に固定する場合には、該四角柱の像保持体12に向かいあう側の面に、この凹凸部材34Aを設けた構成とすればよい。
この凹凸部材34Aの表面の凹凸は、前述のように、該凹凸を有する領域にトナーを保持し、且つ該保持したトナーを像保持体12との間に形成された振動電界によって放出しうる、という双方の機能が実現される程度の凹凸である。具体的には、この凹凸部材34Aの表面の凹凸は、電圧印加装置38から上記重畳電圧を印加されることで、放電部材34と像保持体12との間に振動電界が形成されたときに、この形成された振動電界が凹凸部材34Aの各凹み部内の底部にまで形成される程度の凹凸であればよい。このため、この凹凸の程度は、像保持体12上に保持されるトナーの大きさや、重畳電圧に含まれる直流電圧の電圧値や、該重畳電圧に含まれる交流電圧の電圧波形の振幅の最大と最小との差(所謂、ピークトゥピーク電圧)等に応じて異なる。
一例としては、この凹凸部材34Aの表面(像保持体12に向かい合う領域)の算術平均表面粗さRaは、10μm以上500μm以下の範囲や、50μm以上200μm以下の範囲が挙げられる。
なお、この算術平均表面粗さRaは、東京精密社製(サーフコム1400A−3DF)で、JIS B 0601(2001)に準じて測定される。詳しくは、触針先端2μmR、測定速度0.3mm/s、カットオフ値0.8mm、測定長さ4.0mmの測定条件にて、周方向3箇所×軸方向3箇所の計9箇所を軸方向に向かい測定し、平均値を計算して求められるものである。
ただし、凹凸部材34Aが後述する繊維から成る布部材等の場合には、上記触針が繊維にひっかかってしまい測定できない場合があるので、その場合は、KEYENCE社製のレーザー顕微鏡VK8510にて非接触にて粗さRaを測定した。
上記規定を満たす凹凸部材34Aとしては、具体的には、導電性を有するゴムを研磨にて凹凸をつけた部材や、導電性を有するゴムの表層に微粒子を分散させて凹凸をつけた部材や、導電性を有する布状部材が挙げられる。この布状部材としては、導電性の繊維の集合体が挙げられ、導電性の繊維の集合体としては、導電性の繊維を寄せ集めた塊状のものや、導電性の繊維を配列したもの、導電性の繊維をよって成る糸を編成した編み物、或いは製織してなる織物状のもの、繊維同士が一部有着したり互いに絡み合ったりしてなる不織布状のもの、ウェブ状のもの等が挙げられる(図6(B)参照)。なお、図6(B)中、80は、繊維を表し、72は、トナーを表す。
この導電性の繊維の集合体としては、具体的には、編み物、織り物、不織布、高分子フィルム、布、紙等が挙げられる。これらの中でも、繊維径と、繊維間の距離とが独立に設計されることから、編み物や織り物が特に良い。
この導電性の繊維の集合体を構成する導電性の繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアクリル、ポリプロピレン、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素化樹脂等から構成される繊維の表面に、コロナ帯電等により帯電処理を施したものや、該繊維の表面を、導電性を有する材料によって被覆したものが挙げられる。この導電性を有する材料としては、被覆対象の繊維状の部材の構成材料等に応じて適宜選択すればよい。
導電性の繊維の集合体を構成する繊維の径としては、0.1μm以上20μm以下の範囲、0.1μm以上3μm以下の範囲が挙げられる。また、導電性の繊維の集合体の密度は、上述のように、繊維によって形成された凹凸が、放電部材34(詳細には、放電部材34の凹凸部材34A)と像保持体12の外側の面との間に電界が形成されたときに、この形成された電界が凹凸部材34Aの各凹み部内の底部にまで形成される程度の凹凸となる観点から調整されればよい。この密度としては、例えば、繊維目付け10g/m以上70g/m以下の範囲や、20g/m以上50g/m以下の範囲が挙げられる。
なお、本実施の形態の、放電部材34の像保持体12に向かい合う領域が凹凸を有する面状とされ、電圧印加装置38から放電部材34に印加される電圧が前記式(1)及び前記式(2)を満たす重畳電圧である画像形成装置10の像保持体12の構成としては、どのような構成であってもよいが、特に、耐摩耗性等を向上させるために表面に保護層を用いた像保持体12においては、表面が削れにくいことから放電生成物が除去されにくい。
しかし、本実施の形態の清掃装置32によれば、上述のように、放電部材34の像保持体12に向かい合う領域が凹凸を有する面状とされ、且つ電圧印加装置38から放電部材34に印加される電圧が前記式(1)及び前記式(2)を満たす重畳電圧である。このため、本実施の形成の清掃装置32によれば、表面に保護層の設けられた像保持体12についても、放電生成物を除去し、且つ帯電を調整する能力の低下も抑制されると考えられる。
表面に保護層を有する像保持体12としては、表面に架橋構造を有する樹脂層を保護層として備えた像保持体や、下記構成の像保持体12が挙げられる。本実施の形態の清掃装置32によれば、下記構成の像保持体12に適用した場合であっても、効果的に、放電生成物を除去し、且つ帯電を調整する能力の低下も抑制されると考えられる。
このような特性を有する像保持体12としては、基体と、感光層と、酸素及びガリウムを含有する保護層であって、外側に存在する第1の領域、及び、前記第1の領域よりも前記基体に近い側に存在し、前記第1の領域に比べて原子数比〔酸素/ガリウム〕(以下、「原子数比〔O/Ga〕」とも表記する)が大きい第2の領域を有する保護層と、をこの順に有するものが挙げられる。
即ち、上記保護層は、層厚方向についての原子数比〔酸素/ガリウム〕の分布において、外側に存在する第1の領域と、前記第1の領域よりも前記基体に近い側に存在し、前記第1の領域に比べて原子数比〔酸素/ガリウム〕が大きい第2の領域と、を有する構成とされている。上記保護層は、必要に応じ、第1の領域及び第2の領域以外の領域を有していてもよい。
一般に、像保持体の感光層表面に、酸素及びガリウムを有する保護層を形成すると、保護層形成により像保持体の感度が低下する傾向がある。特に、前記保護層において、原子数比〔酸素/ガリウム〕を小さくし、層の抵抗を低くし残留電位を小さくすると、可視域全体での光吸収のため層が着色し、感度の低下が大きくなる傾向がある。ところが、酸素及びガリウムを含む領域(第2の領域)の基体から離れた側に、相対的に原子数比〔酸素/ガリウム〕が小さい領域(第1の領域)を配置させることで、保護層形成による感度の低下が抑制されると考えられる。このため、像保持体12を、上記構成とすることにより、保護層が、外側に存在する第1の領域よりも原子数比〔酸素/ガリウム〕が大きい第2の領域を有しない場合と比較して、保護層形成による感度の低下が抑制され、また、残留電位が低減されると考えられる。
なお、上述のように、この構成の像保持体12は、耐摩耗性や感度の低下の抑制の観点から望ましいものの、表面が硬いことから、表面の放電生成物を像保持体12の表面と共に削り取ることで除去することは難しい。しかしながら、本実施の形態の清掃装置32によれば、このような構成の像保持体12であっても、効果的に、放電生成物を除去しつつ、且つ、帯電を調整する能力の低下も抑制された清掃装置32が提供されると考えられる。
なお、第1の領域及び第2の領域は、それぞれ、隣接する領域との界面が明確であっても、隣接する領域との界面が不明確であってもよい。
以下、隣接する領域との界面が明確である場合の第1の領域を「第1の層」といい、隣接する領域との界面が明確である場合の第2の領域を「第2の層」という。
即ち、前記保護層は、外側に存在する第1の層と、前記第1の層よりも基体に近い側に存在し、前記第1の層に比べて原子数比〔酸素/ガリウム〕が大きい第2の層と、を有する形態であってもよい。
また、保護層が前記第1の層と前記第2の層とを有する場合、保護層形成による残留電位増加の抑制及び感度の低下抑制の観点から、前記第1の層と前記第2の層との間に、原子数比〔酸素/ガリウム〕が、前記第1の層の原子数比〔酸素/ガリウム〕以上であり前記第2の層の原子数比〔酸素/ガリウム〕以下である中間層を有する形態であってもよい。
保護層の組成や、原子数比〔酸素/ガリウム〕は、層厚方向の分布も含め、例えば、ラザフォードバックスキャタリング(RBS)により求められる。
RBSは、例えば、加速器としてNEC社 3SDH Pelletron、エンドステーションとしてCE&A社 RBS−400、システムとして3S−R10が用いられる。解析にはCE&A社のHYPRAプログラム等が用いられる。
なお、RBSの測定条件は、He++イオンビームエネルギーは2.275eV、検出角度160°、入射ビームに対してGrazing Angleは109°である。
RBS測定は、具体的には以下のようにして行う。
まず、He++イオンビームを試料に対して垂直に入射し、検出器をイオンビームに対して、160°にセットし、後方散乱されたHeのシグナルを測定する。検出したHeのエネルギーと強度から組成比と膜厚を決定する。組成比及び膜厚を求める精度を向上させるために二つの検出角度でスペクトルを測定してもよい。深さ方向分解能や後方散乱力学の異なる二つの検出角度で測定しクロスチェックすることにより精度が向上する。
ターゲット原子によって後方散乱されるHe原子の数は、1)ターゲット原子の原子番号、2)散乱前のHe原子のエネルギー、3)散乱角度の3つの要素により決まる。
測定された組成から密度を計算によって仮定して、これを用いて層厚を算出する。密度の誤差は20%以内である。
なお、感光層上に第2の領域と第1の領域とが連続して形成されている場合でも、上記測定方法により表層部分(第1の領域)の破壊を抑制しつつ、第1の領域、第2の領域の各々の元素組成が測定される。
また、保護層全体中における各元素の含有量については、例えば、二次電子質量分析法やXPS(X線光電子分光法)で測定される。
また、保護層は、必要に応じ、第1の領域及び第2の領域以外のその他の領域を有していてもよい。例えば、前記第2の領域よりも前記基体に近い側に存在し、前記第2の領域に比べて原子数比〔酸素/ガリウム〕が小さい第3の領域を有していてもよい。
第3の領域を有する形態では、保護層の層厚方向についての原子数比〔酸素/ガリウム〕の分布は、外側の第1の領域から、一旦、原子数比〔酸素/ガリウム〕が大きくなり(第2の領域)、再び原子数比〔酸素/ガリウム〕が小さくなり(第3の領域)、そして感光層に至る分布となる。
前記第3の領域を有する形態によれば、繰り返し使用時における残留電位が抑制される。即ち、像保持体の繰り返し特性が向上すると考えられる。また、前記第3の領域は、他の領域との界面が明確な、第3の層であってもよい。
また、一般に、保護層の層厚を厚くすると像保持体としての耐久性が向上する反面、保護層形成による感度の低下が大きくなる傾向がある。上記保護層は、前述の通り、保護層形成による感度の低下を抑制する効果を有するため、保護層の層厚が厚い形態に好適である。即ち、本実施形態によれば、層厚を厚くしたときでも、保護層形成による感度の低下が抑制されると考えられる。
保護層の層厚は、耐久性向上と、保護層形成による感度の低下抑制と、を両立させる観点から、1.0μm以上、1.5μm以上、2.0μm以上、または2.5μm以上が挙げられる。保護層の層厚の上限には特に限定はないが、保護層形成による感度低下と、残留電位上昇と、をより低減する観点から、6.0μmが挙げられる。
像保持体12の耐久性の確認方法としては、例えば、画像形成を繰り返し行った際の像保持体の表面の傷の有無を調べる方法が挙げられる(傷が少ない程、耐久性が高い)。
また、画像形成を繰り返し行った際、形成された画像中に、像保持体12の表面の傷に起因する色筋状の画像欠陥があるかどうかを調べてもよい(色筋状の画像欠陥が少ない程、耐久性が高い)。
また、保護層における第2の領域の、原子数比〔酸素/ガリウム〕としては、1.30以上1.50以下が挙げられる。この範囲であれば、第2の領域の着色が抑制され(即ち、透明性が向上し)、紫外から赤外までの波長領域(例えば、350nm以上800nm以下の波長領域)の光の透過率が向上すると考えられる。その結果、帯電された像保持体を除電するために、像保持体12外部から光を照射した際、保護層における該光の吸収が抑制されると考えられる。
更に、第2の領域における原子数比〔酸素/ガリウム〕を1.30以上1.50以下としても、第2の領域よりも基体から離れた側には、前述の第1の領域が存在するため、前述のとおり残留電位は抑制されると考えられる。
また、保護層における第2の領域は、更に、亜鉛(Zn)を含有することが良い。第2の領域が亜鉛を含有することにより、感度の低下がより抑制され、残留電位が更に抑制されると考えられる。これは、第2の領域に亜鉛を含有させることにより、該第2の領域の電荷輸送性が向上するためと推測される。ただし、本実施形態はこの原因によって限定されない。
残留電位抑制の観点から、第2の領域における亜鉛の含有量としては、0.4原子%以上25原子%以下、0.5原子%以上20原子%以下、または10原子%以上20原子%以下が挙げられる。
ここで、第2の領域における亜鉛の含有量は、第2の領域が、ガリウムと酸素と亜鉛とからなる場合には、これらの合計の原子数に対する亜鉛の原子数の割合(%)である。
また、感度の低下抑制の観点から、第2の領域における原子数比〔酸素/(ガリウム+亜鉛)〕としては、1.00以上1.40以下が挙げられる。
また、感度の低下抑制の観点から、第2の領域における原子数比〔亜鉛/ガリウム〕は、1.00以下、0.01以上0.50以下、または0.20以上0.50以下が挙げられる。また、感度の低下抑制の観点から、第2の領域における亜鉛の含有量は、0.4原子%以上25原子%以下、0.5原子%以上20原子%以下、または1原子%以上15原子%以下が挙げられる。
以下、上記構成の像保持体12について、図11〜図14を参照して説明するが、本実施形態は図11〜図14によって限定されることはない。
図11は、本実施形態の像保持体12の層構成の一例を示す模式断面図である。
図11中、1は基体、2は感光層、2Aは電荷発生層、2Bは電荷輸送層、3は保護層、3Bは第1の領域、3Aは第2の領域を表す。4は下引層である。
図11に示す像保持体12は、基体1上に、下引層4、電荷発生層2A、電荷輸送層2B、保護層3がこの順に積層された層構成を有し、感光層2は電荷発生層2Aおよび電荷輸送層2Bの2層から構成される。
保護層3は、外側に存在する第1の領域3B、及び、前記第1の領域3Bよりも前記基体1に近い側に存在する第2の領域3Aを有して構成されている。
図11では、図示の都合上、第1の領域3Bと第2の領域3Aとの境界が明確となっている(即ち、第1の領域3Bが第1の層であり、第2の領域3Aが第2の層である形態となっている)が、この境界は明確であることに限定されない。下記、図12及び図13中の第1の領域3Bと第2の領域3Aとの境界、図13中の第2の領域3Aと第3の領域3Cとの境界についても同様である。
図12は、本実施形態の像保持体12の層構成の他の例を示す模式断面図であり、図12中、6は感光層を表し、他は、図11中に示したものと同様である。
図12に示す像保持体12は、基体1上に、下引層4、感光層6、保護層3がこの順に積層された層構成を有し、感光層6は、図11に示す電荷発生層2Aおよび電荷輸送層2Bの機能が一体となった層である。
なお、感光層2及び感光層6は、有機高分子から形成されたものでもよいし、無機材料から形成されたものでもよいし、それらが組み合わされたものでもよい。
図13は、本実施形態の像保持体の層構成の他の例を示す模式断面図であり、図13中、53は保護層を、3Bは第1の領域を、3Aは第2の領域を、3Cは第3の領域を、それぞれ表し、他は、図11中に示したものと同様である。
図13に示す像保持体12は、基体1上に、下引層4、感光層2、第3の領域3C、第2の領域3A、第1の領域3Bがこの順に積層された層構成を有している。
保護層53は、外側に存在する第1の領域3B、前記第1の領域3Bよりも前記基体1に近い側に存在する第2の領域3A、及び、第2の領域よりも前記基体1に近い側に存在する第3の領域3C、を有して構成されている。
図14は、本実施形態の像保持体12の層構成の他の例を示す模式断面図であり、図14中、63は保護層を、5Bは第1の層を、5Cは第2の層を、5Aは中間層を、それぞれ表し、他は、図11中に示したものと同様である。
図14に示す像保持体は、基体1上に、下引層4、感光層2、第2の層5C、中間層5A、第1の層5Bがこの順に積層された層構成を有している。
保護層63は、外側に存在する第1の層5B、前記第1の層5Bよりも前記基体1に近い側に存在する第2の層5C、第1の層5Bと第2の層5Cとの間に存在する中間層5Aを有して構成されている。
図14に示す像保持体は、更に、感光層2と第2の層5Cとの間に、前述の第3の領域を有していてもよい。
以下、本実施形態の像保持体12の構成要素である、保護層、感光層、基体について説明する。
上記保護層は、前述のとおり、酸素(O)及びガリウム(Ga)を含有する層であり、基体上に設けられた感光層の更に上に設けられる層である。
前記保護層は、例えば、像保持体12の表面の傷を抑制すること、研磨バラツキを抑制すること、窒素酸化物などの吸着を抑制すること、オゾンや窒素酸化物による酸化雰囲気に対する耐性を向上すること、等の目的で設けられる層である。保護層は、透明性が高く緻密で硬度に優れた膜であることが良い。
この保護層は、表面電荷を表面に保持しても、また内部に保持するものでもよい。また表面電荷を積極的に注入させるものでもよい。保護層の内部に電荷を注入する場合には感光層との界面に電荷が保持される構成を有することが良い。また、負帯電で保護層が電子を注入する場合には正孔輸送層の表面が電荷トラップの機能を果たしてもよいし、電荷注入阻止とトラップのための層を設けてもよい。正帯電性の場合にも同様に構成される。
上記保護層は、酸素(O)及びガリウム(Ga)を含有する、微結晶膜、多結晶膜、非晶質膜などの非単結晶膜であることが良い。これらの中で非晶質は表面の平滑性で良いが、微結晶膜は硬度の点で良い。
さらに、保護層の成長断面は柱状構造をとっていてもよいが、滑り性の観点からは平坦性の高い構造が好ましく、非晶質が良い。
感光層との密着性を高めつつ、表面の滑りを良くするためには、感光層との界面側の領域(例えば、第2の領域)を微結晶膜とし、表面側の領域(例えば、第1の領域)を非晶質膜としてもよい。
保護層中には、さらに導電型の制御のために、例えば、n型の場合、C、Si、Ge、Snから選ばれる1つ以上の元素を含んでいてもよい。また、例えば、p型の場合、N、Be、Mg、Ca、Srから選ばれる1つ以上の元素を含んでいてもよい。
また、前記保護層は、酸素(O)及びガリウム(Ga)以外に、水素及びハロゲン元素の少なくとも1種を含むことが良い。
保護層が、微結晶、多結晶、非晶質の場合には、結合欠陥や転位欠陥や結晶粒界の欠陥などが多くなる傾向があるが、層中に水素やハロゲン元素を含むことで、結合欠陥の不活性化が行われるため良い。
水素やハロゲン元素は、結晶内の結合欠陥や結晶粒界の欠陥などに取り込まれ、電気的な補償を行う。このため、光キャリア発生やキャリアの拡散や移動に関係する電荷の保持が少なくなり、反応活性点が少なくなり、より安定な保護層が構成されると考えられる。
保護層中における「水素及びハロゲン元素の少なくとも1種」の含有量は、例えば、5原子%以上25原子%以下、または10原子%以上25原子%以下である。
保護層中における水素の含有量は、例えば、ハイドロジェンフォワードスキャタリング(HFS)により絶対値を測定することにより求める。また、赤外吸収スペクトルによって推定してもよい。
HFSは、加速器としてNEC社の3SDH Pelletronを用い、エンドステーションとしてCE&A社のRBS−400を用い、システムとしてCE&A社の3S−R10を用いる。
解析にはCE&A社のHYPRAプログラムを用いる。
HFSの測定条件は、以下の通りである。
He++イオンビームエネルギー:2.275eV
検出角度160°入射ビームに対してGrazing Angle30°である。
HFS測定は、He++イオンビームに対して検出器が30°に、試料が法線から75°になるようにセットすることにより、試料の前方に散乱する水素のシグナルを拾う。この時検出器をアルミ箔で覆い、水素とともに散乱するHe原子を取り除くことがよい。定量は参照用試料と被測定試料との水素のカウントを阻止能で規格化した後に比較することによっておこなう。参照用試料としてSi中にHをイオン注入した試料と白雲母を使用する。
白雲母は水素濃度が6.5原子%であることが知られている。
最表面に吸着しているHは、例えば、清浄なSi表面に吸着しているH量を差し引くことによって補正を行う。
−第1の領域−
本実施形態における第1の領域は、保護層のうち、外側(支持体から離れた側)に存在する領域である。
第1の領域の組成には特に限定はないが、例えば、ガリウム及び酸素を含有する組成が挙げられる。
第1の領域がガリウム及び酸素を含有する場合、原子数比〔O/Ga〕は、1.00以上1.35未満、または1.10以上1.30以下である。
また、第1の領域は、像保持体の感度の低下をより効果的に低減する観点から、水素を含んでいてもよい。
第1の領域における水素の含有量は、5原子%以上25原子%以下、または10原子%以上25原子%以下である。その他、第1の領域の望ましい形態は、保護層の望ましい形態として前述したとおりである。
第1の領域は、前述のとおり、導電型の制御のためにn型の元素やp型の元素を含むことがあるが、この場合、第1の領域を、電荷注入阻止層としてもよいし、電荷注入層としてもよい。電荷注入層とした場合には、第2の領域や感光層表面で電荷がトラップされる。負帯電の場合、n型層は電荷注入層として機能し、p型層は電荷注入阻止層として機能する。正帯電の場合、n型層は電荷注入阻止層として機能し、p型層は電荷注入層として機能する。
−第2の領域−
第2の領域は、保護層のうち、前記第1の領域よりも基体に近い側に存在し、前記第1の領域に比べて原子数比〔酸素/ガリウム〕が大きい領域である。
第2の領域の組成は、前述の通り、ガリウム及び酸素(及び、必要に応じ亜鉛)を含有する組成である。第2の領域は、更に、像保持体の感度の低下をより効果的に低減する観点から、水素を含んでいてもよい。
第2の領域における水素の含有量は、5原子%以上25原子%以下、または10原子%以上25原子%以下である。その他、第2の領域の望ましい形態は、保護層の望ましい形態として前述したとおりである。
−第3の領域−
第3の領域は、保護層中、必要に応じて設けられる領域であり、前記第2の領域よりも基体に近い側に(好ましくは感光層と接して)存在する領域であり、前記第2の領域に比べて原子数比〔酸素/ガリウム〕が小さい領域である。
第3の領域の組成には特に限定はないが、例えば、ガリウム及び酸素を含有する組成が挙げられる。第3の領域がガリウム及び酸素を含有する場合、原子数比〔O/Ga〕は、例えば、1.00以上1.40未満、または1.10以上1.35以下である。
また、第3の領域は、像保持体の感度の低下をより効果的に低減する観点から、水素を含んでいてもよい。
第3の領域における水素の含有量は、5原子%以上25原子%以下、または10原子%以上25原子%以下である。その他、第3の領域の好ましい形態は、保護層の好ましい形態として前述したとおりである。
−中間層−
中間層は、保護層中、必要に応じて設けられる層であり、保護層が第1の層と第2の層とを有する場合において、前記第1の層と前記第2の層との間に、原子数比〔酸素/ガリウム〕が前記第1の層の原子数比〔酸素/ガリウム〕以上であり前記第2の層の原子数比〔酸素/ガリウム〕以下である組成で設けられる層である。
中間層の組成は、ガリウム及び酸素(及び、必要に応じ亜鉛)を含有する組成である。
中間層は、更に、像保持体の感度の低下をより効果的に低減する観点から、水素を含んでいてもよい。中間層における水素の含有量は、5原子%以上25原子%以下、または10原子%以上25原子%以下である。その他、中間層の好ましい形態は、保護層の好ましい形態として前述したとおりである。
本実施形態における保護層は、第1の領域、第2の領域、第3の領域、中間層以外にも、必要に応じ、その他の層又は領域を有していてもよい。
上記保護層の形成には、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法、有機金属気相成長法、分子線エキタピシー法、蒸着、スパッタリング等の公知の気相成膜法が利用される。
図15は、図11〜図14に示す像保持体12の保護層の形成に用いる成膜装置の一例を示す概略模式図であり、図15(A)は、成膜装置を側面から見た場合の模式断面図を表し、図15(B)は、図15(A)に示す成膜装置のA1−A2間における模式断面図を表す。図15中、100は成膜室、110は排気口、120は基材回転部、130は基材支持部材、140は基体、150はガス導入管、160はガス導入管150Aから導入したガスを噴射する開口を有するシャワーノズル、170はプラズマ拡散部、180は高周波電力供給部、190は平板電極、200はガス導入管、210は高周波放電管部である。
図15に示す成膜装置において、成膜室100の一端には、不図示の真空排気装置に接続された排気口110Aが設けられており、成膜室100の排気口110Aが設けられた側と反対側に、高周波電力供給部180、平板電極190Aおよび高周波放電管部210からなるプラズマ発生装置が設けられている。
このプラズマ発生装置は、高周波放電管部210と、高周波放電管部210内に配置され、放電面が排気口110A側に設けられた平板電極190Aと、高周波放電管部210外に配置され、平板電極190Aの放電面と反対側の面に接続された高周波電力供給部180とから構成されたものである。なお、高周波放電管部210には、高周波放電管部210内にガスを供給するためのガス導入管200が接続されており、このガス導入管200のもう一方の端は、不図示の第1のガス供給源に接続されている。
なお、図15に示す成膜装置に設けられたプラズマ発生装置の代わりに、図16に示すプラズマ発生装置を用いてもよい。図16は、図15に示す成膜装置において利用されるプラズマ発生装置の他の例を示す概略模式図であり、プラズマ発生装置の側面図である。図16中、220が高周波コイル、230が石英管を表し、200は、図15中に示すものと同様である。このプラズマ発生装置は、石英管230と、石英管230の外周面沿って設けられた高周波コイル220とからなり、石英管230の一方の端は成膜室100(図16中、不図示)と接続されている。また、石英管230のもう一方の端には、石英管230内にガスを導入するためのガス導入管200が接続されている。
図15において、平板電極190Aの放電面側には、放電面と略平行な棒状のシャワーノズル160が接続されており、シャワーノズル160の一端は、ガス導入管150Aと接続されており、このガス導入管150Aは成膜室100外に設けられた不図示の第2のガス供給源と接続されている。
また、成膜室100内には、基材回転部120が設けられており、円筒状の基材140が、シャワーノズルの長手方向と基材140の軸方向とが対面するように基材支持部材130を介して基材回転部120に取りつけられるようになっている。成膜に際しては、基材回転部120が回転することによって、基材140が周方向に回転する。なお、基材140としては、例えば、予め感光層まで積層された像保持体、感光層上に第2の領域までが積層された像保持体、感光層上に第3の領域までが積層された像保持体、等が用いられる。
保護層の形成は、例えば、以下のように実施する。
まず、酸素ガス(または、ヘリウム(He)希釈酸素ガス)、ヘリウム(He)ガス、及び必要に応じ水素(H)ガスを、ガス導入管200から高周波放電管部210内に導入すると共に、高周波電力供給部180から平板電極190Aに、13.56MHzのラジオ波を供給する。この際、平板電極190Aの放電面側から排気口110A側へと放射状に広がるようにプラズマ拡散部170が形成される。ここで、ガス導入管200から導入されたガスは成膜室100を平板電極190A側から排気口110A側へと流れる。平板電極190Aは電極の周りをアースシールドで囲んだものでもよい。
次に、トリメチルガリウムガスをガス導入管150A、活性化手段である平板電極190Aの下流側に位置するシャワーノズル160を介して成膜室100に導入することによって、基材140表面にガリウムと酸素とを含む非単結晶膜を成膜する。
基材140としては、例えば、感光層が形成された基体を用いる。
また、第2の領域として、亜鉛を含む形態の第2の領域を成膜する際には、ガス導入管15から導入するガスとして、例えば、トリメチルガリウムガスと有機亜鉛(例えば、ジメチル亜鉛またはジエチル亜鉛)ガスとを用いる。このとき、トリメチルガリウムと、有機亜鉛と、は別々の容器から気体としてガス導入管15に導入する。
保護層の成膜時の基材140表面の温度は、有機感光層を有する有機像保持体を用いる場合には、150℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましく、30℃以上100℃以下が特に好ましい。
基材140表面の温度が成膜開始当初は150℃以下であっても、プラズマの影響で150℃より高くなる場合には有機感光層が熱で損傷を受ける場合があるため、この影響を考慮して基材140の表面温度を制御することが好ましい。
また、アモルファスシリコン像保持体を用いる場合には、保護層の成膜時の基材140表面の温度は、例えば、30℃以上350℃以下とされる。
基材140表面の温度は加熱および/または冷却手段(図中、不図示)によって制御してもよいし、放電時の自然な温度の上昇に任せてもよい。基材140を加熱する場合にはヒータを基材140の外側や内側に設置してもよい。基材140を冷却する場合には基材140の内側に冷却用の気体または液体を循環させてもよい。
放電による基材140表面の温度の上昇を避けたい場合には、基材140表面に当たる高エネルギーの気体流を調節することが効果的である。この場合、ガス流量や放電出力、圧力などの条件を所要温度となるように調整する。
また、トリメチルガリウムガスの代わりにアルミニウムを含む有機金属化合物やジボラン等の水素化物を用いることもでき、これらを2種類以上混合してもよい。
例えば、保護層の形成の初期において、トリメチルインジウムをガス導入管150A、シャワーノズル160を介して成膜室100内に導入することにより、基材140上に窒素とインジウムとを含む膜を成膜すれば、この膜が、継続して成膜する場合に発生し、感光層を劣化させる紫外線を吸収する。このため、成膜時の紫外線の発生による感光層へのダメージが抑制される。
また、保護層には、その導電型を制御するためにドーパントを添加してもよい。
成膜時におけるドーパントのドーピングの方法としては、n型用としてはSiH,SnHを、p型用としては、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム、ジメチルカルシウム、ジメチルストロンチウム、などをガス状態で使用する。また、ドーパント元素を表面層中にドーピングするには、熱拡散法、イオン注入法等の公知の方法を採用してもよい。
具体的には、例えば、少なくとも一つ以上のドーパント元素を含むガスをガス導入管15、シャワーノズル160を介して成膜室100内に導入することによって、n型、p型等の導電型の保護層を得る。
図15及び図16を用いて説明した成膜装置では、放電エネルギーにより形成される活性窒素又は活性水素を、活性装置を複数設けて独立に制御してもよいし、NHなど、窒素原子と水素原子を同時に含むガスを用いてもよい。さらにHを加えてもよい。また、有機金属化合物から活性水素が遊離生成する条件を用いてもよい。
このようにすることで、基材140表面上には、活性化された、炭素原子、ガリウム原子、窒素原子、水素原子、等が制御された状態で存在する。そして、活性化された水素原子が、有機金属化合物を構成するメチル基やエチル基等の炭化水素基の水素を分子として脱離させる効果を有する。
このため、三次元的な結合を構成する硬質膜(保護層)が形成される。
図15及び図16に示す成膜装置のプラズマ発生手段は、高周波発振装置を用いたものであるが、これに限定されるものではなく、例えば、マイクロ波発振装置を用いたり、エレクトロサイクロトロン共鳴方式やヘリコンプラズマ方式の装置を用いてもよい。また、高周波発振装置の場合は、誘導型でも容量型でもよい。
さらに、これらの装置を2種類以上組み合わせて用いてもよく、あるいは、同種の装置を2つ以上用いてもよい。プラズマの照射によって基材140表面の温度上昇を抑制するためには高周波発振装置が好ましいが、熱の照射を防止する装置を設けてもよい。
2種類以上の異なるプラズマ発生装置(プラズマ発生手段)を用いる場合には、同じ圧力で同時に放電が生起されるようにすることが好ましい。また、放電する領域と、成膜する領域(基体が設置された部分)とに圧力差を設けてもよい。これらの装置は、成膜装置内をガスが導入される部分から排出される部分へと形成されるガス流に対して直列に配置してもよいし、いずれの装置も基体の成膜面に対向するように配置してもよい。
例えば、2種類のプラズマ発生手段をガス流に対して直列に設置する場合、図15に示す成膜装置を例に上げれば、シャワーノズル160を電極として成膜室100内に放電を起こさせる第2のプラズマ発生装置として利用される。この場合、例えば、ガス導入管150Aを介して、シャワーノズル160に高周波電圧を印加して、シャワーノズル160を電極として成膜室100内に放電を起こさせる。あるいは、シャワーノズル160を電極として利用する代わりに、成膜室100内の基材140と平板電極190Aとの間に円筒状の電極を設けて、この円筒状電極を利用して、成膜室100内に放電を起こさせる。
また、異なる2種類のプラズマ発生装置を同一の圧力下で利用する場合、例えば、マイクロ波発振装置と高周波発振装置とを用いる場合、励起種の励起エネルギーを大きく変えることができ、膜質の制御に有効である。また、放電は大気圧近傍(70000Pa以上110000Pa以下)で行ってもよい。大気圧近傍で放電を行う場合にはキャリアガスとしてHeを使用することが望ましい。
なお、表面層等の形成に際しては、上述した方法以外にも、通常の有機金属気相成長法や分子線エピタキシー法が使用されるが、これらの方法による成膜に際しても、活性窒素および/または活性水素、活性酸素を使用することは低温化に有効である。この場合、窒素原料としてはN,NH,NF,N、メチルヒドラジンなどの気体、液体を気化したり、あるいは、キャリアガスでバブリングしたものが利用される。酸素原料としては酸素、HO,CO,CO,NO,NOなどが使用される。
本実施形態における保護層の形成は、例えば、成膜室100に、基体上に感光層を形成した基材140を設置し、各々組成の異なる混合ガスを導入して、第2の領域、第1の領域を連続的に形成する。必要に応じ、第2の領域の形成前に第3の領域を形成する。また、必要に応じ、第2の領域と第1の領域との間に中間層を形成する。
また、各領域(または各層)の形成を別個独立に行ってもよい。
また、成膜条件としては、例えば高周波放電により放電する場合、低温で良質な成膜を行うには、周波数として10kHz以上50MHz以下の範囲とすることが望ましい。また、出力は基体の大きさに依存するが、基体の表面積に対して0.01W/cm以上0.2W/cm以下の範囲とすることが望ましい。基体の回転速度は0.1rpm以上500rpm以下の範囲が望ましい。
各領域(または各層)の成膜条件は同一としてもよいが、例えば、第2の領域の形成を低温で行うため出力を低めとし、第1の領域の形成を、出力を高めにして行ってもよい。
(基体及び感光層)
感光層は、本実施形態の像保持体12において、基体と保護層との間に設けられる層である。本実施形態の像保持体12は、基体と感光層の間に必要に応じて下引層等を設けてもよい。また、感光層は、2層以上であってもよく、更に、機能分離型であってもよい。さらに、本実施形態の像保持体12は、感光層がシリコン原子を含むいわゆるアモルファスシリコン像保持体であってもよい。
アモルファスシリコン像保持体の場合には、表層部として本実施形態における保護層を用いれば、高湿時の画像ボケが防止され、耐久性と高画質とが両立される。
特に、感光層が、有機感光材料等の有機材料を含むいわゆる有機像保持体であることが好ましい。有機像保持体の場合、磨耗が起こりやすいが、表層部に本実施形態における保護層を用いれば、磨耗が抑制される。
まず、本実施形態の像保持体が、有機像保持体である場合の好ましい構成について、その概要を説明する。
感光層を形成する有機高分子化合物は熱可塑性であっても熱硬化性のものであっても、また2種類の分子を反応させて形成するものでもよい。感光層と第1の領域との間に設けられる第2の領域は、硬度や膨張係数、弾力性の調整、密着性の向上などの観点から、第1の領域の物性および感光層(機能分離型の場合は電荷輸送層)の物性の両者に対して、中間的な特性を示すものが好適である。また、第2の領域は、電荷をトラップする領域として機能してもよい。
有機像保持体の場合には、感光層は、図7、図9、及び図10に示すように電荷発生層と電荷輸送層に分かれた機能分離型でもよいし、図8に示すように機能一体型であってもよい。機能分離型の場合には像保持体の表面側に電荷発生層を設けたものでもよいし、表面側に電荷輸送層を設けたものでもよい。
次に、像保持体12がアモルファスシリコン像保持体である場合には、このアモルファスシリコン像保持体は、正帯電用でも負帯電用の像保持体でもよい。例えば、基体上に、電荷注入阻止層(下引層)と、光導電層と、電荷注入阻止表面層と、をこの順に設けたものが使用される。そして、上記保護層は、電荷注入阻止表面層上に形成されることとなる。
また、感光層の最上層(保護層側の層)としては、例えば、p型アモルファスシリコン層、n型アモルファスシリコン層、Si1−X:H層、Si1−X:H層、Si1−X:H層、アモルファスカーボン層、などが用いられる。
−基体−
基体としては、導電性基体が用いられる。
なお、本明細書中において「導電性」とは、体積抵抗率が1013Ω・cm未満である性質を指し、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ω・cm以上である性質を指す。
導電性基体としては、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、亜鉛、ニッケル等の金属ドラム;シート、紙、プラスチック、ガラス等の基材上にアルミニウム、銅、金、銀、白金、パラジウム、チタン、ニッケル−クロム、ステンレス鋼、銅−インジウム等の金属を蒸着したもの;酸化インジウム、酸化スズ等の導電性金属化合物を上記基材に蒸着したもの;金属箔を上記基材にラミネートしたもの;カーボンブラック、酸化インジウム、酸化スズ−酸化アンチモン粉、金属粉、ヨウ化銅等を結着樹脂に分散し、上記基材に塗布することによって導電処理したもの等が挙げられる。また、基体の形状は、円筒形であることが良い。
−下引層−
下引層を構成する材料としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂;ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物のほかに、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコン原子などを含有する有機金属化合物などが挙げられる。
これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いる。これらの中でも、ジルコニウムもしくはシリコンを含有する有機金属化合物は、残留電位が低く環境による電位変化が少なく、また繰り返し使用による電位の変化が少ないため好ましく使用される。また、有機金属化合物は、これを単独または2種以上を混合して用いてもよいし、さらに上述の結着樹脂と混合して用いてもよい。
−感光層−
感光層を構成する電荷輸送層及び電荷発生層としては、電子写真方式の画像形成装置の像保持体に用いられる公知の電荷輸送層及び電荷発生層の構成を用いればよい。
なお、上記に説明した放電部材34と、除去部材36と、を備えた構成の清掃装置32は、像保持体12の表面に付着した放電生成物を除去するとともに、像保持体12の表面のトナーの帯電を調整する位置に設けられた形態限られず、その他の回転される回転部材の表面に付着した放電生成物の除去や該表面に向かって帯電の調整を行う位置に設けてもよい。
具体的には、転写部材22に付着した放電生成物の除去や該表面に向かって帯電の調整を行う位置に設けても良い。この場合には、図1及び図7に示すように、中間転写体20の内側に設けられた転写部材22の、中間転写体20を介して像保持体12に向かい合う領域(転写領域)より、転写部材22の回転方向下流側に、清掃装置32と同じ構成の清掃装置64を設けた構成とすればよい。
詳細には、図7に示すように、清掃装置64は、放電部材60と、除去部材62と、を含んで構成されている。除去部材62は、放電部材60より転写部材22の回転方向下流側に設けられている。放電部材60には、交流電圧と直流電圧とを重畳した重畳電圧を該放電部材60に印加する電圧印加装置61が電気的に接続されている。この重畳電圧は、上記に説明した式(1)及び式(2)を満たす電圧であるため、詳細な説明を省略する。放電部材60は、電圧印加装置61から重畳電圧を印加されることによって、転写部材22との間の領域に向きの変化する電界を形成すると共に、転写部材22に向かって単一の極性の放電を起こし、転写部材22の回転によって、放電部材60と転写部材22との向かい合う領域に突入してくるマイナス極性及びプラス極性のトナー極性を単一の極性に揃える。
また、この放電部材60の、少なくとも転写部材22に向かい合う領域は、凹凸を有する構成とされている。この放電部材60の凹凸を有する領域の凹凸は、上記に説明した放電部材34の凹凸と同じであるため詳細な説明を省略する。この放電部材60の構成としては、放電部材34と同じ構成が挙げられる。
除去部材62は、放電部材60によって極性を揃えられたトナーを転写部材22の表面から除去する。この除去部材62には、該除去部材62に直流電圧を印加する電源63Aが接続されており、電源40によって直流電圧が印加されることによって、転写部材22との電位差によって、該転写部材22のトナーを吸着する。この除去部材62の周辺には、該除去部材62の外側の面に接するように、回収部材66が配置されている。この回収部材66には、この回収部材66上に回収されたトナーを掻き落とす板状部材67が設けられており、回収部材66に回収されたトナーを回収部材66から掻き落とす。
なお、放電部材60、電圧印加装置38、除去部材62、電源40、回収部材66、及び板状部材44は、上記説明した放電部材34、電圧印加装置61、除去部材36、電源63A、回収部材42、及び板状部材67の各々と同じ構成であるため、詳細な説明を省略する。
清掃装置64では、上記に説明した清掃装置32と同様に、放電部材60の転写部材22に向かい合う領域が凹凸を有する構成とされ、且つ電圧印加装置61から放電部材60に印加される電圧が上記式(1)及び式(2)を満たす重畳電圧である。このため、清掃装置64によれば、転写部材22についても、放電生成物を除去し、且つ帯電を調整する能力の低下も抑制されると考えられる。
また、上記清掃装置32は、二次転写部材28Aに付着した放電生成物の除去や該表面に向かって帯電の調整を行う位置に設けても良い。この場合には、図1及び図8に示すように、中間転写体20の外側に設けられた二次転写部材28Aの、中間転写体20を介して支持部材24Aに向かい合う領域より、二次転写部材28Aの回転方向下流側に、清掃装置32と同じ構成の清掃装置46を設けた構成とすればよい。
詳細には、図8に示すように、清掃装置46は、放電部材48と、除去部材50と、を含んで構成されている。除去部材50は、放電部材48より二次転写部材28Aの回転方向下流側に設けられている。放電部材48には、交流電圧と直流電圧とを重畳した重畳電圧を該放電部材48に印加する電圧印加装置52が電気的に接続されている。この重畳電圧は、上記に説明した式(1)及び式(2)を満たす電圧であるため、詳細な説明を省略する。放電部材48は、電圧印加装置52から重畳電圧を印加されることによって、二次転写部材28Aとの間の領域に向きの変化する電界を形成すると共に、二次転写部材28Aに向かって単一の極性の放電を起こし、二次転写部材28Aの回転によって、放電部材48と二次転写部材28Aとの向かい合う領域に突入してくるマイナス極性及びプラス極性のトナー極性を、単一の極性(プラス極またはマイナス極)に揃える。
また、この放電部材48の、少なくとも二次転写部材28Aに向かい合う領域は、凹凸を有する構成とされている。この放電部材48の凹凸を有する領域の凹凸は、上記に説明した放電部材34の凹凸と同じであるため詳細な説明を省略する。この放電部材48の構成としては、放電部材34と同じ構成が挙げられる。
除去部材50は、放電部材48によって極性を揃えられたトナーを二次転写部材28Aの表面から除去する。この除去部材50には、該除去部材50に直流電圧を印加する電源54が接続されており、電源54によって直流電圧が印加されることによる二次転写部材28Aとの電位差によって、該二次転写部材28Aのトナーを吸着する。この除去部材50の周辺には、該除去部材50の外側の面に接するように、回収部材56が配置されている。この回収部材56には、この回収部材56上に回収されたトナーを掻き落とす板状部材58が設けられており、回収部材56に回収されたトナーを回収部材56から掻き落とす。
なお、放電部材48、電圧印加装置52、除去部材50、電源54、回収部材56、及び板状部材58は、上記説明した放電部材34、電圧印加装置61、除去部材36、電源63A、回収部材42、及び板状部材67の各々と同じ構成であるため、詳細な説明を省略する。
清掃装置46では、上記に説明した清掃装置32と同様に、放電部材48の二次転写部材28Aに向かい合う領域が凹凸を有する構成とされ、且つ電圧印加装置52から放電部材48に印加される電圧が上記式(1)及び式(2)を満たす重畳電圧である。このため、清掃装置46によれば、二次転写部材28Aについても、放電生成物を除去し、且つ帯電を調整する能力の低下も抑制されると考えられる。
なお、上記実施の形態では、像保持体12を1つ備えた構成の画像形成装置10に、本実施の形態の清掃装置32、清掃装置46、及び清掃装置64を備えた構成を説明したが、像保持体を複数ならべた、所謂、タンデム型の構成の画像形成装置に、本実施の形態の清掃装置を提供してもよい。
具体的には、図9に示す画像形成装置110の構成としても良い。画像形成装置110は、シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックの各々のトナー像が形成される像保持体12C、像保持体12M、像保持体12Y、及び像保持体12Kが中間転写体20に面して並列して配置され、中間転写体20が1周する間に4色のトナー像を重ね合せる、タンデム式の画像形成装置である。像保持体12C、像保持体12M、像保持体12Y、及び像保持体12Kとしては、上記図1を用いて説明した像保持体12と同じ構成が挙げられる。
なお、図1に示す画像形成装置10と同じ構成及び作用については、図1と同じ符号を付与して詳細な説明を省略する。また、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色を区別する必要がない場合や、これらの各色のトナー像を形成するための部材を総称する場合には、符号の後のC、M、Y、Kは省略して説明する。
画像形成装置110に設けられた各色の像保持体12(像保持体12C、像保持体12M、像保持体12Y、及び像保持体12K)の各々の周辺には、該像保持体12の回転方向にそって順に、帯電装置14(帯電装置14C、帯電装置14M、帯電装置14Y、及び帯電装置14K)、露光装置16(露光装置16C、露光装置16M、露光装置16Y、露光装置16K)、現像装置18(現像装置18C、現像装置18M、現像装置18Y、現像装置18K)、転写部材22(転写部材22C、転写部材22M、転写部材22Y、転写部材22K)、及び清掃装置32(清掃装置32C、清掃装置32M、清掃装置32Y、清掃装置32K)が設けられている。
また、画像形成装置110には、中間転写体20が設けられている。中間転写体20は、中間転写体20の内側の面に接触して配置された支持部材24A、支持部材24B、支持部材24C、及び支持部材24Dに巻き掛けられており、矢印B方向に搬送される。この中間転写体20と各色の像保持体12(像保持体12C、像保持体12M、像保持体12Y、及び像保持体12K)とは、各々、転写部材22(転写部材22C、転写部材22M、転写部材22Y、転写部材22K)によって接触されている。
また、各色の転写部材22(転写部材22C、転写部材22M、転写部材22Y、転写部材22K)には、清掃装置64(清掃装置64C、清掃装置64M、清掃装置64Y、清掃装置64K)が設けられている。
これらの各色像保持体12によって中間転写体20の外周面には、該中間転写体20の搬送によって、各色のトナー像が順次転写される。
画像形成装置110には、給紙部材26が設けられており、該給紙部材26に貯留された記録媒体Pは、図示を省略する支持部材によって搬送されて、転写部28へ搬送される。この転写部28には、中間転写体20を支持する支持部材24Aと、中間転写体20を介して支持部材24Aに向かう方向に圧力を加えるように配置された二次転写部材28Aと、が設けられている。記録媒体Pは、この領域を通過することで、中間転写体20からトナー像を転写される。
この構成の画像形成装置110においても、回転する回転部材に接触するように上記放電部材が設けられている。
具体的には、上述のように、各色の像保持体12(像保持体12C、像保持体12M、像保持体12Y、及び像保持体12K)の各々の、帯電装置14(帯電装置14C、帯電装置14M、帯電装置14Y、及び帯電装置14K)より各像保持体12の回転方向上流側で、現像装置18(現像装置18C、現像装置18M、現像装置18Y、現像装置18K)より各像保持体12の回転方向下流側に、清掃装置32(清掃装置32C、清掃装置32M、清掃装置32Y、清掃装置32K)が設けられている。
このため、各色の像保持体12に対応して設けられた清掃装置32によって、各色の像保持体12の放電生成物が除去され、且つ清掃装置32による帯電の調整能力の低下も抑制されると考えられる。
また、各色の転写部材22(転写部材22C、転写部材22M、転写部材22Y、転写部材22K)には、清掃装置64(清掃装置64C、清掃装置64M、清掃装置64Y、清掃装置64K)が設けられている。このため、各色の転写部材22に対応して設けられた清掃装置64によって、各色の転写部材22の放電生成物が除去され、且つ清掃装置32による帯電調整能力の低下も抑制されると考えられる。
またさらに、中間転写体20の外側の面に接触するように、清掃装置を設けた構成であってもよい。具体的には、図9に示すように、中間転写体20の外側の面の、二次転写部材28Aより中間転写体20の回転方向下流側で、且つ複数の像保持体12の配列された領域より、中間転写体20の回転方向上流側に、清掃装置32と同じ構成の清掃装置132を設けた構成が挙げられる。
詳細には、図9に示すように、清掃装置132は、放電部材134と、除去部材136と、を含んで構成されている。除去部材136は、放電部材134より中間転写体20の回転方向下流側に設けられている。放電部材134には、交流電圧と直流電圧とを重畳した重畳電圧を該放電部材134に印加する電圧印加装置138が電気的に接続されている。この重畳電圧は、上記に説明した式(1)及び式(2)を満たす電圧であるため、詳細な説明を省略する。放電部材134は、電圧印加装置138から重畳電圧を印加されることによって、中間転写体20との間の領域に向きの変化する電界を形成すると共に、中間転写体20に向かって単一極性の放電を起こし、中間転写体20の回転によって、放電部材134と中間転写体20との向かい合う領域に突入してくるマイナス極性及びプラス極性のトナーの極性を単一の極性に揃える。
また、この放電部材134の、少なくとも中間転写体20に向かい合う領域は、凹凸を有する構成とされている。この放電部材134の凹凸を有する領域の凹凸は、上記に説明した放電部材34の凹凸と同じであるため詳細な説明を省略する。この放電部材134の構成としては、放電部材34と同じ構成が挙げられる。
除去部材136は、放電部材134によって極性を揃えられたトナーを中間転写体20の表面から除去する。この除去部材136には、該除去部材136に直流電圧を印加する電源141が接続されており、電源141によって直流電圧が印加されることによる、中間転写体20との電位差によって、該中間転写体20上のトナーを吸着する。この除去部材136の周辺には、該除去部材136の外側の面に接するように、回収部材142が配置されている。この回収部材142には、この回収部材142上に回収されたトナーを掻き落とす板状部材144が設けられており、回収部材142に回収されたトナーを回収部材142から掻き落とす。
なお、放電部材134、電圧印加装置138、除去部材136、電源141、回収部材142、及び板状部材144は、上記説明した放電部材34、電圧印加装置61、除去部材36、電源63A、回収部材42、及び板状部材67の各々と同じ構成であるため、詳細な説明を省略する。
清掃装置132では、上記に説明した清掃装置32と同様に、放電部材134の中間転写体20に向かい合う領域が凹凸を有する構成とされ、且つ電圧印加装置138から放電部材134に印加される電圧が上記式(1)及び式(2)を満たす重畳電圧である。このため、本実施の形成の清掃装置132によれば、中間転写体20についても、放電生成物を除去し、且つ清掃装置132による帯電の調整能力の低下も抑制されると考えられる。
なお、上記実施の形態では、像保持体12によって形成されたトナー像を中間転写体20に転写した後に、記録媒体Pに転写する方式の画像形成装置10及び画像形成装置110に本実施の形態を適用した場合を説明したが、像保持体12に形成されたトナー像を記録媒体Pに直接転写する方式の画像形成装置にも適用される。
具体的には、図10に示すように、画像形成装置171は、シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックの各々のトナー像が形成される像保持体12C、像保持体12M、像保持体12Y、及び像保持体12Kが中間転写体20に面して並列して配置され、中間転写体20が1周する間に4色のトナー像を重ね合せる、タンデム式の画像形成装置である。像保持体12C、像保持体12M、像保持体12Y、及び像保持体12Kとしては、上記図1を用いて説明した像保持体12と同じ構成が挙げられる。
なお、図1に示す画像形成装置10と同じ構成及び作用については、図1と同じ符号を付与して詳細な説明を省略する。また、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色を区別する必要がない場合や、これらの各色のトナー像を形成するための部材を総称する場合には、符号の後のC、M、Y、Kは省略して説明する。
画像形成装置171に設けられた各色の像保持体12(像保持体12C、像保持体12M、像保持体12Y、及び像保持体12K)の各々の周辺には、該像保持体12の回転方向にそって順に、帯電装置14(帯電装置14C、帯電装置14M、帯電装置14Y、及び帯電装置14K)、露光装置16(露光装置16C、露光装置16M、露光装置16Y、露光装置16K)、現像装置18(現像装置18C、現像装置18M、現像装置18Y、現像装置18K)、転写部材22(転写部材22C、転写部材22M、転写部材22Y、転写部材22K)、及び清掃装置32(清掃装置32C、清掃装置32M、清掃装置32Y、清掃装置32K)が設けられている。
また、画像形成装置171には、搬送部材70が設けられている。搬送部材70は、中間転写体20の内側の面に接触して配置された支持部材74A、支持部材74B、支持部材74C、及び支持部材74Dに巻き掛けられており、矢印B方向に搬送される。この搬送部材70と各色の像保持体12(像保持体12C、像保持体12M、像保持体12Y、及び像保持体12K)とは、各々、転写部材22(転写部材22C、転写部材22M、転写部材22Y、転写部材22K)によって接触されている。
また、各色の転写部材22(転写部材22C、転写部材22M、転写部材22Y、転写部材22K)には、清掃装置64(清掃装置64C、清掃装置64M、清掃装置64Y、清掃装置64K)が設けられている。
画像形成装置171には、給紙部材26が設けられており、該給紙部材26に貯留された記録媒体Pは、図示を省略する支持部材によって搬送されて、各色の像保持体12の配列されている領域に達する。そして、記録媒体Pが、搬送部材70によって搬送されて各色像保持体12と各色転写部材22上の搬送部材70とによって挟まれながら搬送されることで、記録媒体Pには、各色のトナー像が順次転写される。トナー像を転写された記録媒体Pは、搬送部材70及び図示を省略する支持部材によって搬送されて定着装置30の設けられている位置に達すると、定着装置30によってトナー像を定着される。
このように、像保持体12上に保持されたトナー像を記録媒体Pに直接転写する方式の画像形成装置171においても、回転する回転部材に接触するように上記放電部材が設けられている。
具体的には、上述のように、各色の像保持体12(像保持体12C、像保持体12M、像保持体12Y、及び像保持体12K)の各々の、帯電装置14(帯電装置14C、帯電装置14M、帯電装置14Y、及び帯電装置14K)より各像保持体12の回転方向上流側で、現像装置18(現像装置18C、現像装置18M、現像装置18Y、現像装置18K)より各像保持体12の回転方向下流側に、清掃装置32(清掃装置32C、清掃装置32M、清掃装置32Y、清掃装置32K)が順に設けられている。
このため、各色の像保持体12に対応して設けられた清掃装置32によって、各色の像保持体12の放電生成物が除去され、且つ清掃装置32による帯電調整能力の低下も抑制されると考えられる。
また、各色の転写部材22(転写部材22C、転写部材22M、転写部材22Y、転写部材22K)には、清掃装置64(清掃装置64C、清掃装置64M、清掃装置64Y、清掃装置64K)が設けられている。このため、各色の転写部材22に対応して設けられた清掃装置64によって、各色の転写部材22の放電生成物が除去され、且つ清掃装置32による帯電調整能力の低下も抑制されると考えられる。
またさらに、搬送部材70の外側の面に接触するように、清掃装置を設けた構成であってもよい。
具体的には、図10に示すように、搬送部材70の外側の面の、複数の像保持体12の配列された領域より、搬送部材70の回転方向上流側に、清掃装置32と同じ構成の清掃装置192を設けた構成が挙げられる。
清掃装置192は、放電部材184と、除去部材186と、を含んで構成されている。除去部材186は、放電部材184より搬送部材70の回転方向下流側に設けられている。放電部材184には、交流電圧と直流電圧とを重畳した重畳電圧を該放電部材184に印加する電圧印加装置188が電気的に接続されている。この重畳電圧は、上記に説明した式(1)及び式(2)を満たす電圧であるため、詳細な説明を省略する。放電部材184は、電圧印加装置188から重畳電圧を印加されることによって、搬送部材70との間の領域に向きの変化する電界を形成すると共に、搬送部材70に向かって単一極性の放電(マイナスまたはプラスの何れかの極性の放電)を起こし、搬送部材70の回転によって、放電部材1¥84と搬送部材70との向かい合う領域に突入してくるマイナス極性及びプラス極性のトナー極性を単一の極性に揃える。
また、この放電部材184の、少なくとも搬送部材70に向かい合う領域は、凹凸を有する構成とされている。この放電部材184の凹凸を有する領域の凹凸は、上記に説明した放電部材34の凹凸と同じであるため詳細な説明を省略する。この放電部材184の構成としては、放電部材34と同じ構成が挙げられ、図示は省略するが、円柱状で導電性の基体上に、弾性層、及び凹凸部材を順に設けた構成が挙げられる。
除去部材186は、放電部材184よって極性を揃えられたトナーを搬送部材70の表面から除去する。この除去部材186には、該除去部材186に直流電圧を印加する電源190が接続されており、電源190によって直流電圧が印加されることによる、搬送部材70との電位差によって、該搬送部材70上のトナーを吸着する。この除去部材186の周辺には、該除去部材186の外側の面に接するように、回収部材192Aが配置されている。この回収部材192Aには、この回収部材192A上に回収されたトナーを掻き落とす板状部材194が設けられており、回収部材192Aに回収されたトナーを回収部材192Aから掻き落とす。
なお、放電部材184、電圧印加装置188、除去部材186、電源190、回収部材192A、及び板状部材194は、上記説明した放電部材34、電圧印加装置61、除去部材36、電源63A、回収部材42、及び板状部材67の各々と同じ構成であるため、詳細な説明を省略する。
清掃装置182では、上記に説明した清掃装置32と同様に、放電部材184の搬送部材70に向かい合う領域が凹凸を有する構成とされ、且つ電圧印加装置188から放電部材184に印加される電圧が上記式(1)及び式(2)を満たす重畳電圧である。このため、本実施の形成の清掃装置182によれば、搬送部材70についても、放電生成物を除去し、且つ清掃装置182による帯電の調整能力の低下も抑制されると考えられる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、以下の実施例において「部」は質量部を意味する。
―像保持体の調整―
[像保持体1]
まず、以下に説明する手順により、アルミニウム(Al)基体上に、下引層と電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に積層形成した有機像保持体を作製した。
<下引層の形成>
ジルコニウム化合物(商品名:オルガノチックスZC540、マツモト製薬社製)20質量部、シラン化合物(商品名:A1100、日本ユニカー社製)2.5質量部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−S、積水化学社製)10質量部及びブタノール45質量部を攪拌混合して得た溶液を、外径84mmのAl製基体表面に塗布し、150℃10分間加熱乾燥することにより、層厚1.0μmの下引層を形成した。
<電荷発生層の形成>
次に、電荷発生材料としてクロロガリウムフタロシアニン1質量部を、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBM−S、積水化学社製)1質量部及び酢酸n−ブチル100質量部と混合して得られた混合物をガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間分散し、電荷発生層形成用分散液を得た。
この分散液を浸漬法により下引層の上に塗布した後、100℃で10分間乾燥させ、層厚0.15μmの電荷発生層を形成した。
<電荷輸送層の形成>
次に、下記構造式(1)で表される化合物を2質量部、及び、繰り返し単位が下記構造式(2)で表される高分子化合物(粘度平均分子量:39000)3質量部をクロロベンゼン20質量部に溶解させて電荷輸送層形成用塗布液を得た。
この塗布液を、浸漬法により電荷発生層上に塗布し、110℃で40分間加熱して層厚20μmの電荷輸送層を形成し、Al基体上に、下引層と電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に積層形成した有機像保持体(以下、「ノンコート像保持体(1)」と称す場合がある)を得た。このノンコート像保持体(1)を、像保持体1として調整した。
[像保持体2]
まず基材を調整した。まず、長さ340mm、内径φ82mm、外径φ85mmの円筒状のアルミ素管(材質A3003)を用意し、その素管を旋盤にて切削加工を行った。その時の切削条件は、回転数3000rpm、1回転当たりの旋盤の送り速度0.4mmとすることができる。この切削加工により、例えば、長さ340mm、内径φ82mm、外径φ84mmの円筒状のアルミ切削管を得た。
次に、上記アルミ切削管に対し、ホーニング処理によりRa0.2μmの粗面化処理
を行い、その後界面活性剤と共にブラシ洗浄、及び純水により洗浄を行い、その水を乾燥させるため135℃5分の乾燥を行った。その後、24度の冷却エアーを10m/secで5分間吹き付けた。一方、4質量部のポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−S、積水化学社製)を溶解したn−ブチルアルコール170質量部、有機ジルコニウム化合物(アセチルアセトンジルコニウムブチレート)20質量部および有機シラン化合物の混合物(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)10質量部を混合撹拌し、これを下引き層の塗布液とした。この塗布液を上記冷却エアーを吹き付けたアルミ切削管に塗布し、室温で5分間の風乾を行った後、10分間で50℃に昇温した。その後、50℃、85%RHの恒温恒湿槽中に入れて20分間加湿硬化促進処理を行う。次いで、熱風乾燥機中で、150℃で10分間乾燥させた。これにより、下引き層を得た。
電荷発生材料として、クロロガリウムフタロシアニン15質量部、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂(商品名:VMCH、日本ユニカー)10質量部、n−ブチルアルコール300質量部からなる混合物をサンドミルを用いて4時間分散させた。この液を上記下引き層上に浸漬塗布・乾燥して、帯電有効領域が少なくとも含まれる、感光体塗布上端側から62mmから380mmの間に膜厚0.2μmの均一な電荷発生層を形成した。
次に、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン4質量部と、ビスフェノールZポリカーボネート樹脂(分子量4万)6質量部と、をクロルベンゼン60質量部を加えて溶解した。この溶液を粘度250mPa・sに調整し、150mm/minの一定速度で浸漬塗布装置を用いて塗布するとともに、110℃、40分の乾燥処理を行った。これにより、膜厚20μmの電荷輸送層が形成された。
そして、下記化学式(1)に示す化合物(架橋型電荷輸送剤)を7部、スーパーベッカミン(R)13−535(メチル化ベンゾグアナミン樹脂:大日本インキ社製)7部、硬化触媒NACURE2501(キングインダストリー社製)0.1部をイソプロパノール10部、メタノール5部に溶解させ、リング型浸漬塗布法で塗布し、6μmの均一な膜を形成し、150℃で40分乾燥させ、像保持体2とした。
[像保持体3]
まず、上記像保持体1として調整したノンコート像保持体(1)を調整した。
<保護層の形成>
(第2の層の形成)
次に、ノンコート像保持体(1)表面への第2の層の形成は、図15に示す構成を有する成膜装置を用いて行った。
まず、ノンコート像保持体(1)を、成膜装置の成膜室100内の基材支持部材130に載せ、排気口110Aを介して成膜室100内を、圧力が0.1Paになるまで真空排気した。
次に、He希釈20%酸素ガス(20sccm)、Heガス(100sccm)、及びHガス(500sccm)を、ガス導入管200から直径50mmの平版電極190Aが設けられた高周波放電管部210内に導入し、高周波電力供給部180及びマッチング回路(図15中不図示)により、13.56MHzのラジオ波を出力100Wにセットしチューナでマッチングを取り平版電極219から放電を行った。この時の反射波は0Wであった。
次に、トリメチルガリウムガス(3sccm)を、ガス導入管150Aを介してシャワーノズル160から成膜室100内のプラズマ拡散部170に導入した。この時、バラトロン真空計で測定した成膜室100内の反応圧力は40Paであった。
この状態で、ノンコート像保持体(1)を100rpmの速度で回転させながら120分間成膜し、ノンコート像保持体(1)の電荷輸送層表面に層厚3.5μmの第2の層を形成した。
(第1の層の形成)
次に、高周波放電を停止し、He希釈20%酸素ガスの流量を1sccmに変更した後、再び高周波放電を開始した。
この状態で、第2の層を形成したノンコート像保持体(1)を100rpmの速度で回転させながら30分間成膜し、第2の層上に、層厚0.3μmの第1の層を形成した。
以上により、ノンコート像保持体(1)の電荷輸送層上に、保護層として、第2の層及び第1の層をこの順に有する像保持体3(保護層付き像保持体)を得た。
なお、保護層(第2の層及び第1の層)の成膜に際しては、ノンコート像保持体(1)の加熱処理は行わなかった。また、成膜時の温度をモニターするために、成膜前に予めノンコート像保持体の表面に貼り付けておいた温度測定用ステッカー(Wahl社製、テンプ・プレート P/N101)の色を、第1の層の成膜後に確認したところ、45℃であった。
また、第1の層の層厚及び第2の層の層厚は、以下の分析用試料膜を用いて、触針段差測定によって求めた。
分析用試料膜を形成する基板としては、5mm×10mmにカットされた厚さ400μmのSiウェハーを用いた。
Siウェハー表面の一部にポリイミド製粘着テープを貼り付け、該粘着テープを貼り付けた側の面に、第1の層の成膜と同条件にて、第1の層の分析用試料膜を形成した。
次に、粘着テープを剥がし、Siウェハー表面に、非着膜部(粘着テープを貼り付けた箇所)と、着膜部(粘着テープを貼り付けていない箇所)と、を設けた。
次に、非着膜部と着膜部との段差を、触針段差測定器(東京精密社製サーフコム550A)により測定し、第1の層の層厚を求めた。
第2の層の層厚も、第1の層の層厚と同様の方法によって求めた。
(第1の層の分析・評価)
厚さ300μmのSi基板上に、第1の層の成膜と同条件にて分析用の試料膜を形成した。
形成された第1の層(試料膜)について、膜の組成をラザフォード・バック・スキャタリング(RBS)とハイドロジェン・フォワードスキャタリング(HFS)とを用いて測定した。
原子数比〔O/Ga〕及び水素含有量(GaとOとHとの総原子数に対するHの原子数の比率;原子%)は表1に示すとおりであった。
また、RHEED(反射高速電子線回折)測定により得られた回折像にはまったく点や線が見られず、第1の層は非晶質であることがわかった。
更に、第1の層(試料膜)の表面はステンレス鋼で擦っても傷がつかなかった。
次に、厚さ0.5mmの石英基板上に、第1の層の成膜と同条件にて試料膜を形成し、目視で着色を確認したところ、第1の層は薄い茶色に着色していた。
また、石英基板上に成膜した第1の層について、780nmにおける透過率を、紫外−可視自記分光光度計(日立社製)により測定したところ、95%であった。
(第2の層の分析・評価)
第1の層の分析・評価と同様の手法により、第2の層の分析・評価を行った。
原子数比〔O/Ga〕及び水素含有量(GaとOとHとの総原子数に対するHの原子数の比率;原子%)は表1に示すとおりであった。
また、RHEED(反射高速電子線回折)測定により得られた回折像にはまったく点や線が見られず、第2の層は非晶質であることがわかった。
また、紫外−可視吸収測定を行った結果、第2の層のバンドギャップは4.4eVであった。
更に、第2の層の表面はステンレス鋼で擦っても傷がつかなかった。
石英基板上に形成された第2の層は透明であり、780nmにおける透過率は、95%であった。
≪評価≫
上記で作製した、保護層付きの像保持体3について以下の評価を行った。
評価結果を表1に示す。
<残留電位>
まず、上述の保護層形成前の像保持体(ノンコート像保持体)(1)と、保護層付き像保持体と、に対して、露光用の光(光源:半導体レーザー、波長780nm、出力5mW)を用い、像保持体の表面を走査しながら40rpmで回転させながら、スコロトロン帯電器により−700Vに負帯電させた状態で照射した後の、表面の残留電位を測定した。
その結果、ノンコート像保持体の残留電位が−10Vであるの対し、保護層付きの像保持体2の残留電位は−70V以下であった。
<保護層形成による感度の低下>
まず、保護層付きの像保持体2に対して、上述の方法によりスコロトロン帯電器により−700Vに負帯電させた。
次に、負帯電した保護層付き像保持体2に対し、露光用の光(光源:半導体レーザー、波長780nm、出力5mW)を照射して除電を行い、単位光量当りの電位減衰率(V・m/mJ)を求め、保護層付きの像保持体2の感度A(V・m/mJ)とした。
保護層付きの像保持体2の感度の測定と同様にして、保護層形成前の像保持体(ノンコート像保持体)の感度B(V・m/mJ)を測定した。
下記式3により保護層形成による感度の低下率を求めた。
保護層形成による感度の低下率(%)=((感度B−感度A)/感度B)×100 ・・・式3
次に、露光用の光の波長を400nmから800nmまで100nm間隔で変化させ、各波長について、保護層形成による感度の低下率(%)を求めた。
以上で得られた、各波長における感度の低下率(%)から、下記評価基準に従って、保護層形成による感度の低下を評価した。
(評価基準)
A:波長領域全域にわたり、保護層形成による感度の低下率は10%未満であり、保護層形成による感度の低下が抑制されていた。
B:波長領域全域にわたり、保護層形成による感度の低下率が、10%以上30%未満であるが、保護層形成による感度の低下が、実用上の許容範囲内であった。
C:波長800nmにおける感度の低下率が30%以上35%以下であり、保護層形成による感度の低下が実用上の許容範囲内であった。
D:波長800nmにおける感度の低下率が35%を超えており、保護層形成による感度の低下が実用上の許容範囲を超えていた。
<耐摩耗性評価>
像保持体2を、富士ゼロックス社製DocuCentre Color 500に取り付けて、高温高湿環境(28℃、80%RH)下で、連続2万枚のプリントテストを行った。なお、画質評価を行うためのリファレンスとして、ノンコート像保持体(1)についてもDocuCentre Color 500に取り付けて、同様の画像を形成した。
そして、2万枚プリントテスト後の像保持体の表面を目視により観察し、表面の傷の有無を調べた。評価基準は以下のとおりである。
(評価基準)
A:表面の傷が全くみられない。
B:表面の傷がわずかに見られるものの、実用上許容範囲内である。
C:一見して表面の傷が確認でき、実用上の許容範囲を超えていた。
<繰り返し使用時の残留電位(RP)の増加>
まず、上記2万枚のプリントテスト前に、像保持体1について、波長780nmにおける残留電位を測定した。次に、上記2万枚のプリントテスト後に、像保持体2について、波長780nmにおける残留電位を測定した。
これらの結果に基づき、繰り返し使用時の残留電位の増加(増加率(%))を、下記評価基準に従って評価した。
(評価基準)
A:2万枚のプリントテストによる残留電位の増加が10%未満であり、繰り返し使用時の残留電位の低下が抑制されていた。
B:2万枚のプリントテストによる残留電位の増加が10%以上30%未満であり、繰り返し使用時の残留電位の増加が、実用上の許容範囲内であった。
C:2万枚のプリントテストによる残留電位の増加が30%以上であり、繰り返し使用時の残留電位の増加が、実用上の許容範囲を超えていた。
[像保持体4]
像保持体3の作製中、第2の層の形成において、He希釈20%酸素ガスの流量を10sccmに変更した以外は像保持体3と同様にして保護層付きの像保持体4を作製し、像保持体2と同様の分析及び評価を行った。
分析及び評価の結果を下記表1に示す。
また、RHEED(反射高速電子線回折)測定により得られた回折像にはまったく点や線が見られず、第2の層は非晶質であることがわかった。
更に、第2の層の表面はステンレス鋼で擦っても傷がつかなかった。
石英基板上に形成された第2の層は薄く黄色に着色しており、780nmにおける透過率は85%であった。
[像保持体5]
像保持体3の作製中、第2の層の形成において、He希釈20%酸素ガス(20sccm)、Heガス(100sccm)、及びH2ガス(500sccm)を、He希釈20%酸素ガス(7sccm)及びHeガス(200sccm)に変更し、さらに、成膜時間を60分間に変更した以外は像保持体2と同様にして保護層付きの像保持体5を作製し、像保持体2と同様の分析及び評価を行った。
分析及び評価の結果を下記表1に示す。
また、RHEED(反射高速電子線回折)測定により得られた回折像にはまったく点や線が見られず、第2の層は非晶質であることがわかった。
更に、第2の層の表面はステンレス鋼で擦っても傷がつかなかった。
石英基板上に形成された第2の層はうすく黄色に着色しており、780nmにおける透過率は80%であった。
[像保持体6]
像保持体3の作製中、第2の層の形成において、He希釈20%酸素ガスの流量を40sccmに、トリメチルガリウムガス(3sccm)をトリメチルガリウムガス(2.4sccm)及びジエチル亜鉛(0.6sccm)に、それぞれ変更した以外は像保持体2と同様にして保護層付きの像保持体6を作製し、像保持体3と同様の分析及び評価を行った。
分析及び評価の結果を下記表1に示す。
また、RHEED(反射高速電子線回折)測定により得られた回折像にはまったく点や線が見られず、第2の層は非晶質であることがわかった。
更に、第2の層の表面はステンレス鋼で擦っても傷がつかなかった。
石英基板上に形成された第2の層は透明であり、780nmにおける透過率は95%であった。
[像保持体7]
像保持体3の作製中、第2の層の形成後であって第1の層形成前に、中間層を形成した以外は像保持体3と同様にして保護層付きの像保持体7を作製し、像保持体3と同様の分析及び評価を行った。
分析及び評価の結果を下記表1に示す。
ここで、中間層の成膜条件は、He希釈20%酸素ガスの流量を8sccmに変更し、成膜時間を層厚0.1μmとなるように変更した以外は第2の層と同様の条件である。
[像保持体8]
像保持体3の作製中、ノンコート像保持体(1)表面への第2の層の形成前に、ノンコート像保持体(1)表面へ第3の層を形成した以外は像保持体3と同様にして保護層付きの像保持体8を作製し、像保持体3と同様の分析及び評価を行った。
分析及び評価の結果を下記表1に示す。
なお、中間層の成膜条件は、He希釈20%酸素ガスの流量を8sccmに変更し、成膜時間を層厚0.05μmとなるように変更した以外は第2の層と同様の条件である。
〔像保持体9〕
像保持体3の作製中、第2の層の形成において、He希釈20%酸素ガスの流量を1sccmに、成膜時間を240分間に、それぞれ変更した以外は像保持体2と同様にして保護層付きの像保持体9を作製し、像保持体3と同様の分析及び評価を行った。
分析及び評価の結果を下記表1に示す。
また、石英基板上に成膜した第2の層(分析用の試料膜)は、茶色く着色しており、780nmにおける透過率は40%であった。
〔像保持体10〕
像保持体3の作製中、第1の層の形成において、He希釈20%酸素ガスの流量を2sccmに変更し、かつ、第2の層の形成において、He希釈20%酸素ガスの流量を1sccmに成膜時間を180分間に、それぞれ変更した以外は像保持体3と同様にして保護層付きの像保持体10を作製し、像保持体3と同様の分析及び評価を行った。
分析及び評価の結果を下記表1に示す。
また、石英基板上に成膜した第2の層(分析用の試料膜)は、茶色く着色しており、780nmにおける透過率は50%であった。




表1に示すように、保護層を設けた像保持体2〜像保持体9は、保護層の設けられていない像保持体1に比べて、傷が付きにくい構成であった。
また、表1に示すように、保護層の構成を、最表面を含む第1の領域と第1の領域に比べて原子数比〔酸素/ガリウム〕が大きい第2の領域とを有する構成とした像保持体2〜像保持体7では、該構成とされなかった像保持体8及び像保持体9に比べて、保護層形成による感度の低下が抑制されており、感度低下に伴う画像濃度低下も抑制されていた。
また、像保持体2〜像保持体7では、残留電位も低減されていた。なお、像保持体8及び像保持体9は、像保持体2〜像保持体7に比べて、成長速度(成膜速度)も遅く、生産性も低いことがわかった。
(実施例1)
―清掃装置1の調整―
まず、清掃装置1として、放電部材と、除去部材と、を用意した。
放電部材として、導電性で円柱状の金属シャフト(アルミニウム製、径6mm)の外側の面に、Inoac社製の導電性のウレタンスポンジ層を設けて、その上に、凹凸部材として、平織りの布(2デニールの太さの導電性ナイロンからなる布,厚み300μm,)をスパイラル巻きして設け、外径12mmの円柱状の放電部材1を作製した。なお、導電性ナイロンおよびそれから成る布はKBセーレン製のものを使用した。
この放電部材1の外側の面(不織布の表面)の表面粗さRaを、KEYENCE社製のレーザー顕微鏡VK8510を用いて測定したところ、70μmであった。
そして、この放電部材1には、Vdc=−550V,周波数1.6KHzの交流電圧に、Vpp=1.1kVの直流電圧を重畳させた重畳電圧を印加した。
除去部材としては、下記構成のブラシ状の除去部材1を用意した。
導電性の金属シャフト(径5mm)上に、繊維の太さが2デニール、長さが3.5mmの導電性のナイロンからなる繊維が密度120Kf/inchとなるように配置されたブラシ状の除去部材を用意した。このブラシ状の除去部材1には、−200Vの直流電圧のみを印加する構成とした。
―画像形成装置の準備―
富士ゼロックス社製DocuCentre Color 500に、上記作製した像保持体1を搭載した。また、上記用意した清掃装置1を、帯電装置より像保持体1の回転方向上流側で、且つ転写装置より像保持体1の回転方向下流側に設けた。
なお、清掃装置1における、放電部材1の不織布が像保持体1に接触した領域の不織布の食い込み量(凹み量)の最大値が、0.5mmとなるように、放電部材1を配置した。
また、除去部材1については、除去部材1のブラシを構成する繊維の先端が、像保持体1に0.5mm食い込むように設置した。
この構成の画像形成装置1における像保持体1の放電開始電圧Vthを測定したところ、−600Vであった。また、画像形成時における、像保持体1の、像保持体1と放電部材1との間の領域の電位(清掃装置1によって電圧が印加されていない状態での電位)である表面電位VprをTREC社製のModell344表面電位計によって測定したところ、画像パターンにより分布をもつが0Vから−200Vの範囲内であった。
このため、前記式(1)及び式(2)の関係を満たしていた。
なお、該画像形成装置における帯電電位は−600Vとし、現像電位は−450Vとした。
<<評価>>
―WST率の評価―
この構成の画像形成装置について、10℃15%RHの環境下で、図17に示す画像150(100%の濃度の帯状のベタ画像152が2本形成されているもの)を記録媒体(富士ゼロックス社製,商品名C2紙)に15000枚連続して印刷する走行試験を行った。
そして、上記走行試験において、定期的に、像保持体1上の放電部材と除去部材との間の領域に付着しているトナー全体におけるプラス極のトナーの割合(図18中のWST率に相当)を、細川ミクロン社製のE−Spartアナライザーを用いて調べた。調べた結果を図18に線図300Aで示した。
―トナー保持量の評価―
上記15000枚連続して印刷する走行試験において、定期的に、放電部材1の不織布に保持されているトナーの量をポンプを使用し吸引することによってその質量を測定した。測定結果を図19に線図300Bで示した。
―クリーニング不良(色筋)評価―
画像上の色筋欠陥を15000枚プリント終了後の画像について確認することによって、除去部材によるトナーの除去状況を評価した。評価基準は以下の通りである。評価結果を表2に示した。
−評価基準−
A:色筋状の画像欠陥は全く見られない。
B:清掃不良に起因すると考えられる色筋がわずかに見られるものの、実用上許容範囲内である。
C:清掃不良に起因すると考えられる色筋が見られる多数見られ、実用上の許容範囲を超えていた。
―放電生成物の除去状態評価―
上記15000枚プリント終了後の画像について、画像の白抜け(デリーション)の発生の有無を確認することにより、放電生成物の除去状態を評価した。画像の白抜けは、白抜け発生部と未発生部との濃度差を濃度計X−riteにより測定して評価した。評価基準は以下の通りである。なお、画像形成装置の設置環境は、28℃RH85%とした。なお、評価結果は表2に示した。
−評価基準−
AAA:白抜け・濃度低下はまったく無く実使用上問題が無い。
AA:ごく若干の白抜けまではいかない濃度低下が評価サンプル上の面積で5パーセント以下で実使用上問題が無い。
A:ごく若干の白抜けまではいかない濃度低下が評価サンプル上の面積で10パーセント以下で実使用上の許容範囲内。
B:部分的にだが、一見して白抜けがわかり問題がある。
C:評価サンプル上のほとんどの領域が完全に白抜けしていて問題がある。
(比較例1)
上記実施例1で用いた画像形成装置1に搭載した清掃装置1に代えて、下記比較清掃装置1を用いた以外は、画像形成装置1と同じ条件及び同じ構成の比較画像形成装置1とし、画像形成装置1と同じ条件で走行試験及び評価を行った。
―比較清掃装置1の調整―
まず、比較清掃装置1として、上記実施例1の清掃装置1で用いた放電部材1に代えて、下記比較放電部材1を用いた以外は、清掃装置1と同じ構成のものを比較清掃装置1として用意した。
比較放電部材1としては、導電性で円柱状の金属シャフト(アルミニウム製、径8mm)の外側を、導電性のNBR層(厚み2mm)で覆ったものを用意した。
この比較放電部材1の外側の面(NBR層の表面)の表面粗さRaを、東京精密社製(サーフコム1400A−3DF)にて測定したところ、0.2μmであり、表面に凹凸は無かった。
そして、この比較放電部材1には、実施例1の放電部材1と同じ、Vdc=−550V,周波数1.6KHzの交流電圧に、Vpp=1.1kVの直流電圧を重畳させた重畳電圧を印加した。なお、比較画像形成装置1の構成及び条件は、清掃装置1に代えて比較清掃装置1を用いた以外は同じとしたので、像保持体1のVpp、及びVdcは、上記式(1)及び式(2)の関係を満たしていた。
この構成の比較画像形成装置1について、実施例1の画像形成装置1と同じ条件で、WST率の評価,トナー保持量の評価,クリーニング不良(色筋)評価,及び放電生成物の除去状態評価を行った。WST率の評価結果は図18に線図302Aで示した。また、トナー保持量の評価結果は、図19に線図302Bで示した、クリーニング不良(色筋)評価、及び放電生成物の除去状態評価は、表2に示した。
(比較例2)
上記実施例1で用いた画像形成装置1に搭載した清掃装置1に代えて、下記比較清掃装置2を用いた以外は、画像形成装置1と同じ条件及び同じ構成の比較画像形成装置2とし、画像形成装置1と同じ条件で走行試験及び評価を行った。
―比較清掃装置2の調整―
まず、比較清掃装置2として、上記実施例1の清掃装置1で用いた放電部材1に代えて、下記比較放電部材2を用いた以外は、清掃装置1と同じ構成のものを比較清掃装置2として用意した。
比較放電部材2としては、導電性で円柱状の金属シャフト(アルミニウム製、径5mm)に、導電性で太さ2デニールのナイロンからなる繊維(長さ 3.5mm)が、密度 120Kf/inchとなるように該シャフトの外側に設けられたブラシ状の構成とした。
そして、この比較放電部材2には、実施例1の放電部材1と同じ、Vdc=−550V,周波数1.6KHzの交流電圧に、Vpp=1.1kVの直流電圧を重畳させた重畳電圧を印加した。なお、比較画像形成装置2の構成及び条件は、清掃装置1に代えて比較清掃装置2を用いた以外は同じとしたので、像保持体1のVpp、及びVdcは、上記式(1)及び式(2)の関係を満たしていた。
この構成の比較画像形成装置2について、実施例1の画像形成装置1と同じ条件で、WST率の評価,トナー保持量の評価,クリーニング不良(色筋)評価,及び放電生成物の除去状態評価を行った。WST率の評価結果は図18に線図304Aで示した。また、トナー保持量の評価結果は、図19に線図304Bで示した、クリーニング不良(色筋)評価、及び放電生成物の除去状態評価は、表2に示した。
(実施例1,比較例1〜比較例2について)
図18に示すように、比較放電部材1(表面がゴム層)を用いた比較例1(図18では線図302A)では、像保持体1上の放電部材と除去部材との間の領域におけるトナー全体におけるプラス極のトナーの割合、すなわち、放電部材によって帯電調整された後のトナーにおけるプラス極のトナーの割合は、5%前後のレベルであり、表2に示すように、トナーのクリーニング不良による色筋の発生も抑制されていた。しかしながら、表2に示されるように、放電生成物の除去状態を示す白抜けが発生しており、放電生成物の除去が十分に行われなかった。これは、図19の線図302Bに示されるように、比較放電部材1におけるトナーの保持量が10g/m程度と実施例1に比べて少ない量で推移していることから、比較放電部材1による像保持体1の表面の放電生成物の除去がなされなかったためと考えられる。
また、比較放電部材2(表面がブラシ状)を用いた比較例2では、表2に示されるように、放電生成物の除去状態の評価は良好であったものの、トナーのクリーニング不良による色筋が発生した。詳細には、図18の線図304Aに示されるように、プリント枚数の増加に伴い、放電部材によって帯電調整された後のトナーにおけるプラス極のトナーの割合が増加しており、目視観察でも、比較放電部材2のトナーによる汚れが観察された。15000枚プリント終了後に、該比較放電部材のブラシに蓄積したトナーの極性を調べたところ、プラス極に帯電したトナーとマイナス極に帯電したトナーとがほぼ同じ割合で存在していた。
これは、プラス極及びマイナス極の何れの極に帯電したトナーも、振動電界(直流電圧に交流電圧を重畳させることによって形成された電界)が形成された状態で比較放電部材2のブラシの内部に入り込むと、ブラシ内部では電界がかからないために、像保持体1側にトナーが戻されることが無く、プラス極及びマイナス極の双方のトナーが比較放電部材2のブラシの内部に保持されたためと考えられる。このため、比較放電部材2のトナーによる汚れがひどくなり、像保持体1に向かう単一の極性の放電が弱まって帯電調整能力が低下したと考えられる。そして、この帯電調整能力の低下により、さらに、プラス極及びマイナス極の双方のトナーが極性を単一極性とされない状態で比較放電部材2のブラシの内部に入り込んだことから、ブラシには、プラス極に帯電したトナーとマイナス極に帯電したトナーとがほぼ同じ割合で存在していたと考えられる。
一方、表面に不織布を設けた放電部材1を用いた以外は比較例1及び比較例2と同じ構成の実施例1では、図18の線図300Aに示されるように、放電部材によって帯電調整された後のトナーにおけるプラス極のトナーの割合は、10%前後のレベルであり、表2に示すように、トナーのクリーニング不良による色筋の発生も抑制されていた。また、表2に示されるように、放電生成物の除去状態を示す白抜けの発生も抑制されており、放電生成物の除去が十分に行われたといえる。これは、図19の線図300Bに示されるように、トナーの保持量が比較例1を示す線図304B及び比較例2を示す線図302Bの間の量である30g/m程度で推移していることから、像保持体1上に保持されたトナーに対する帯電調整能力を維持しつつ、且つ適度にトナーを保持して該保持したトナーによって放電生成物が除去されたためと考えられる。
(実施例2)
実施例1で用いた画像形成装置1において用いた像保持体1に代えて像保持体2を用いた以外は、実施例1の画像形成装置1と同じ条件で、WST率の評価,トナー保持量の評価,クリーニング不良(色筋)評価,及び放電生成物の除去状態評価を行った。WST率の評価結果は図18の線図300Aと略同じ結果であった。また、トナー保持量の評価結果は、図19に線図300Bと略同じ結果であった。クリーニング不良(色筋)評価、及び放電生成物の除去状態評価は、表2に示した。
(比較例3)
比較例1で用いた比較画像形成装置1において用いた像保持体1に代えて像保持体2を用いた以外は、比較例1の比較画像形成装置1と同じ条件で、クリーニング不良(色筋)評価,及び放電生成物の除去状態評価を行った。クリーニング不良(色筋)評価、及び放電生成物の除去状態評価は、表2に示した。
(比較例4)
比較例2で用いた比較画像形成装置2において用いた像保持体1に代えて像保持体2を用いた以外は、比較例2の比較画像形成装置2と同じ条件で、クリーニング不良(色筋)評価,及び放電生成物の除去状態評価を行った。クリーニング不良(色筋)評価、及び放電生成物の除去状態評価は、表2に示した。
(実施例3)
実施例1で用いた画像形成装置1において用いた像保持体1に代えて像保持体3を用いた以外は、実施例1の画像形成装置1と同じ条件で、WST率の評価,トナー保持量の評価,クリーニング不良(色筋)評価,及び放電生成物の除去状態評価を行った。WST率の評価結果は図18の線図300Aと略同じ結果であった。また、トナー保持量の評価結果は、図19に線図300Bと略同じ結果であった。クリーニング不良(色筋)評価、及び放電生成物の除去状態評価は、表2に示した。
(比較例5)
比較例1で用いた比較画像形成装置1において用いた像保持体1に代えて像保持体3を用いた以外は、比較例1の比較画像形成装置1と同じ条件で、クリーニング不良(色筋)評価,及び放電生成物の除去状態評価を行った。クリーニング不良(色筋)評価、及び放電生成物の除去状態評価は、表2に示した。
(比較例6)
比較例2で用いた比較画像形成装置2において用いた像保持体1に代えて像保持体3を用いた以外は、比較例2の比較画像形成装置2と同じ条件で、クリーニング不良(色筋)評価,及び放電生成物の除去状態評価を行った。クリーニング不良(色筋)評価、及び放電生成物の除去状態評価は、表2に示した。
(実施例2〜実施例3、比較例3〜比較例6について)
実施例2及び実施例3においては、放電部材によって帯電調整された後のトナーにおけるプラス極のトナーの割合は、図18の線図300Aに示される実施例1と略同じ結果が得られた。また、表2に示されるように、実施例2〜実施例3共に、トナーのクリーニング不良による色筋の発生も抑制されていた。また、表2に示されるように、放電生成物の除去状態を示す白抜けの発生も抑制されており、放電生成物の除去が十分に行われていたといえる。
比較放電部材1(表面がゴム層)を用いた比較例3(像保持体2)及び比較例5(像保持体3)については、トナーのクリーニング不良による色筋の発生は抑制されていたものの、放電生成物の除去が不十分であることに起因する白抜けの発生が見られ、像保持体が異なっていても比較例1と同様の結果が得られた。
一方、比較放電部材2(表面がブラシ状)を用いた比較例4(像保持体2)及び比較例6(像保持体3)については、トナーのクリーニング不良による色筋の発生がみられ、また、放電生成物の除去が不十分であることに起因する白抜けの発生が見られ、像保持体1を用いた以外は同じ構成の比較例2とは異なる結果が見られた。
このように、表面がブラシ状の比較放電部材2を用いた場合には、トナーを保持する能力が高いので、保護層を有しない像保持体1を用いた場合には、放電生成物除去が行われるが、表面に保護層を有する像保持体2及び像保持体3を用いた場合には、表面がブラシ状の比較放電部材2を用いた場合には、放電生成物除去の不良に起因する白抜けが発生した。
これは、次のように推測される。図6(A)に示すように、ブラシは、不織布に比べて繊維(図6(A)中、繊維状の部材70A)と繊維との隙間が大きいために、電界の寄与しない領域に保持されやすく、トナーが内部に蓄えられて像保持体の表面に接触しにくくなると考えられる。また、ブラシは、その構造上、不織布等の布状の部材に比べて隙間が多く、像保持体に向かい合う領域の単位面積当たりの繊維の存在確率が少ないと考えられる。このため、ブラシは、トナーを保持しても、該トナーによって像保持体の表面に付着した放電生成物の除去は難しいと考えられる。像保持体2や像保持体3のように表面に保護層を有する像保持体の場合には、特に、表面が削れ難い構成であることから、放電生成物を除去することは難しいと考えられる。
これに対して、実施例1、実施例2、及び実施例3において用いた放電部材1の表面の不織布等の布状の部材は、図6(B)等に示すように繊維(図6(B)中、繊維80)の長手方向が像保持体の表面に沿うように接触する面構造をしていることから、保持されているトナー(図6(B)中、トナー72)が像保持体の表面に接触して放電生成物を除去するために有効に使用されると考えられる。また、その構造上、ブラシに比べて、像保持体の表面に向かい合う領域の単位面積当たりの繊維の存在確率が高い。このため、表面の保護層を有し耐摩耗性の高い像保持体2や像保持体3のような像保持体を用いた場合でも、放電生成物が良好に除去されたと考えられる。
(実施例4〜実施例10)
実施例1で用いた画像形成装置1において用いた像保持体1に代えて像保持体4〜像保持体10の各々を用いた画像形成装置4〜画像形成装置10の各々を、実施例4〜実施例10とした。そして、実施例1の画像形成装置1と同じ条件で、WST率の評価,トナー保持量の評価,クリーニング不良(色筋)評価,及び放電生成物の除去状態評価を行った。クリーニング不良(色筋)評価、及び放電生成物の除去状態評価は、表2に示した。
(比較例7)
実施例1において、Vppを800Vとした以外は、実施例1における画像形成装置1と同じ構成及び同じ条件の比較画像形成装置7とし、画像形成装置1と同じ条件で走行試験及び評価を行った。結果を表2に示した。像保持体の表面電位は前記したように0から−200Vの範囲であるので、この比較例では、そのうちの‐50Vから‐200Vの範囲においては、前記式(1)を満たしていないので放電が発生しない。従って、トナーの極性を揃えることができずクリーニング不良が発生してしまう。
(比較例8)
実施例1において、Vdcを−550Vとし、Vppを1500Vとした以外は、実施例1における画像形成装置1と同じ構成及び同じ条件の比較画像形成装置8とし、画像形成装置1と同じ条件で走行試験及び評価を行った。結果を表2に示した。この比較例では、前記式(2)を満たさないので、プラス放電とマイナス放電が交互に発生してしまい、両極性のトナーに帯電調整されてしまう。従って、下流側配置の除去部材でプラストナーは除去できずクリーニング不良が発生してしまう。
(実施例11)
実施例1で用いた画像形成装置1に搭載した清掃装置1に代えて、下記清掃装置2を用いた以外は、画像形成装置1と同じ条件及び同じ構成の画像形成装置11とし、画像形成装置1と同じ条件で走行試験及び評価を行った。
―清掃装置2の調整―
まず、清掃装置2として、上記実施例1の清掃装置1で用いた放電部材1に代えて、下記放電部材2を用いた以外は、清掃装置1と同じ構成のものを清掃装置2として用意した。
放電部材2としては、導電性で円柱状の金属シャフト(アルミニウム製、径8mm)の外側を、導電性のNBR層(厚み2mm)で覆い、研磨により凹凸をつけたものを用意した。
この放電部材2の外側の面の表面粗さRaを、東京精密社製(サーフコム1400A−3DF)にて測定したところ、100μmであった。
この構成の画像形成装置11について、実施例1の画像形成装置1と同じ条件で、クリーニング不良(色筋)評価,及び放電生成物の除去状態評価を行った。評価結果は、表2に示した。
(実施例12)
実施例1で用いた画像形成装置1に搭載した清掃装置1に代えて、下記清掃装置3を用いた以外は、画像形成装置1と同じ条件及び同じ構成の画像形成装置12とし、画像形成装置1と同じ条件で走行試験及び評価を行った。
―清掃装置3の調整―
まず、清掃装置3として、上記実施例1の清掃装置1で用いた放電部材1に代えて、下記放電部材3を用いた以外は、清掃装置1と同じ構成のものを清掃装置3として用意した。
放電部材3としては、導電性で円柱状の金属シャフト(アルミニウム製、径8mm)の外側を、導電性のNBR層(厚み2mm)で覆い、その上に絶縁性のナイロン系樹脂からなる微粒子を分散させた導電性のナイロン樹脂によりコートしたものを用意した。微粒子を分散させることで凹凸をつけている。
この放電部材3の外側の面の表面粗さRaを、東京精密社製(サーフコム1400A−3DF)にて測定したところ、50μmであった。
この構成の画像形成装置11について、実施例1の画像形成装置1と同じ条件で、クリーニング不良(色筋)評価,及び放電生成物の除去状態評価を行った。評価結果は、表2に示した。
(実施例13)
実施例1において、Vdcを−600Vとし、Vppを900Vとした以外は、実施例1における画像形成装置1と同じ構成及び同じ条件の画像形成装置13とし、画像形成装置1と同じ条件で走行試験及び評価を行った。結果を表2に示した。
なお、放電部材3通過後の像保持体の電位は−450Vになるので下流配置の除去部材には−150Vを印加した。
(実施例14)
実施例1において、Vdcを−400Vとし、Vppを−1000Vとした以外は、実施例1における画像形成装置1と同じ構成及び同じ条件の画像形成装置14とし、画像形成装置1と同じ条件で走行試験及び評価を行った。結果を表2に示した。
なお、放電部材3通過後の像保持体の電位は−300Vになるので下流配置の除去部材には0Vを印加した。
表2に示す結果から、本実施例によれば、像保持体として耐摩耗性の高い像保持体を用いた場合であっても、トナーのクリーニング不良による色筋の発生が抑制され、放電生成物の除去状態を示す白抜けの発生も抑制されており、放電生成物の除去が十分に行われていることがわかる。
10,110,160 画像形成装置、12,12C,12M,12Y,12K 像保持体,14,14C,14M,14Y,14K 帯電装置、16,16C,16M,16Y,16K 露光装置、18,18C,18M,18Y,18K 現像装置、20 中間転写体、22,22C,22M,22Y,22K 転写部材、28A 二次転写部材、30 定着装置、32,32C,32M,32Y,32K,46,64,64C,64M,64Y,64K,132,182,192 清掃装置、34A 凹凸部材、34,35,48,60,134,184 放電部材、36,50,62,136,186 除去部材、38,52,61,138,188 電圧印加装置、53,63 保護層、70 搬送部材

Claims (3)

  1. 像保持体、前記像保持体を帯電させる帯電装置、前記帯電装置によって帯電された前記像保持体に静電潜像を形成する潜像形成装置、前記潜像形成装置によって前記像保持体上に形成された静電潜像をトナーによって現像する現像装置、前記現像装置によって前記像保持体上に形成されたトナー像を被転写体へ転写する転写装置、及び清掃装置を備え、
    前記像保持体が、
    円柱状の基体と、前記基体上に設けられた感光層と、前記感光層上に設けられ、酸素及びガリウムを含有し、外側に存在する第1の領域、及び該第1の領域よりも前記基体に近い側に存在し、前記第1の領域に比べてガリウムに対する酸素の原子数比が大きい第2の領域を有する保護層と、を有し、
    前記清掃装置が、
    回転される前記像保持体の外側の面に向かい合うように配置され、該像保持体に向かい合う領域が凹凸を有する面状であり、印加された電圧に応じた電界を前記像保持体との間に形成し、且つ該電圧に応じた放電を行う放電部材と、
    前記像保持体と前記放電部材との間に形成された電界の向きを変化させ、且つ該放電部材から該像保持体に向かって予め定められた極性の放電が行なわれるように、直流電圧と交流電圧とを重畳させた重畳電圧を前記電界形成装置に印加する電圧印加装置と、
    を備え、
    前記電圧印加装置から前記放電部材に印加される前記重畳電圧に含まれる交流電圧の電圧波形の振幅の最大から最小までの振幅値Vppと、該重畳電圧に含まれる直流電圧の電圧値Vdcが、下記式(1)及び式(2)に示す関係を満たす清掃装置である、画像形成装置。
    |Vth|≦Vpp/2+|Vdc|−|Vpr| (1)
    Vpp≦2|Vth| (2)
    (上記式(1)及び式(2)中、Vthは、前記像保持体の表面電位が0Vの状態で、前記放電部材に直流電圧のみが印加されたときに、前記放電部材から前記像保持体に向かって放電が開始される電圧値であり、式(1)中、Vprは、前記像保持体の表面電位を示す。)
  2. 前記清掃装置の放電部材における前記像保持体に向かい合う領域が、導電性を有する布からなる請求項1に記載の画像形成装置
  3. 前記清掃装置が、前記放電部材より前記像保持体の回転方向下流側に設けられ、前記像保持体の表面に付着した付着物を除去する除去部材を備え請求項1又は請求項に記載の画像形成装置
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