JP2015200756A - 電子写真感光体および電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体および電子写真感光体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表面層の応力に起因する画像ボケ、光メモリーに代表されるゴースト画像、画像濃度ムラを低減し、画像品質も向上することのできる負帯電用の電子写真感光体およびその製造方法を提供する。【解決手段】光導電層、光導電層の上の中間層、および、中間層上の表面層を有する電子写真感光体において、光導電層が、ケイ素原子を含有する非晶質材料で形成されており、表面層および中間層が、アモルファスシリコンカーバイドで形成されており、中間層におけるケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比(C/(Si+C))が、0.05以上0.75以下であり、中間層が、その層厚方向に周期表第13族に属する原子を含有する領域と含有しない領域とを有しており、各領域が特定の膜構造、膜組成変化を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真感光体および電子写真感光体の製造方法に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置は、オフィス等で数枚から数十枚程度プリントすることが主な使われ方であったが、近年、オフセット印刷機が主流であったプロダクション市場へも参入し始めている。
プロダクション市場へ電子写真方式の画像形成装置が参入するためには対策しなければならない課題も多い。
例えば、高画質が求められるプロダクション市場のポスターやグラフィックアート等では画像濃度ムラが問題となる場合がある。画像濃度ムラの原因の一つとしては、感度の不均一が挙げられる。感度が不均一になる理由の一つとしては、感光体が繰り返し使用され、感光体の表面が、用紙、トナー、現像器、クリーナー等との摺擦で不均一に削られることで、反射率の変動にムラが発生するためである。このため、画像濃度ムラを抑制するために反射率のムラが発生しない感光体を得ることは重要な課題となっている。
また、高解像度で高精細な高画質が要求されるために、今まで問題なかったレベルの画像ボケが問題になる場合がある。画像ボケの原因の一つとしては、高解像度で高精細な画像を得るために露光のドットが小さくなってきていることが挙げられる。ドットが小さくなることで、潜像の崩れる量が今までと同じ場合でも、1つのドットに対する割合が増加し画像ボケと判断されるためである。したがって、画像ボケのない感光体を得ることも重要な課題となっている。
さらに、生産性向上のために高速化の要求も強く、上記プロセスの時間がさらに短くなっていく傾向にある。これに伴い、前のプロセスで形成された静電潜像の履歴が時間経過により消去される前に、次のプロセスが行われて次のプロセスで形成される静電潜像に影響をおよぼし、残像を生じさせる、いわゆるゴースト画像という問題が発生しやすくなっている。
このゴースト画像とは、感光体の表面に静電潜像を形成する際、前回のプロセスで露光された前回露光部分と、未露光の前回未露光部分との両方が露光されたときに、前回露光部分と前回未露光部分とで露光後電位に差が生じる、いわゆる光メモリーである。光メモリーは、露光からの時間経過により減少するが、光メモリーに起因する露光後電位の差が画像上目視で確認できるレベルであると、ゴースト画像が発生する。このため、プロセス時間が短いほどゴースト画像の問題は顕著になる。したがって、生産性向上のためにはゴースト画像がでない感光体を得ることは重要な課題となっている。
そして、今まで上記のような反射率のムラに起因する画像濃度ムラ、画像ボケ、光メモリーに起因するゴースト画像に対して様々な対策が行われている。
反射率のムラに起因する画像濃度ムラに対しては、例えば、感光層と表面層との界面における屈折率および光学的バンドギャップ(Egopt)差を適正化し、画像濃度むらを抑える技術が開示されている(特許文献1参照)。
画像ボケ抑制するためには、例えば、表面層と光導電層との間に、周期表第13族原子を含有したアモルファス炭化ケイ素(以下、「a−SiC」とも表記する。)を設け、13族原子の含有量が光導電層側界面より増加し、厚さ方向で最大値を持つように分布させる技術が開示されている(特許文献2参照)。
光メモリーに起因するゴースト画像に対しては、例えば、表面層中の炭素原子を積層方向に対して不均一に分布させ、炭素原子含有量の積層方向に対する分布に極大値を存在させる技術が開示されている(特許文献3参照)。
また、近年、上記の高画質と生産性向上とともに印刷物の一枚当たりの価格、ランニングコストを抑制することが求められている。このため、消耗品の交換頻度を抑制し、メンテナンス回数を減らすことが大きな課題となっている。これは、消耗品の一つである感光体についても当てはまり、感光体の高耐久性、長寿命化は重要な課題となっている。そして、このような状況の中で、有機光導電体を用いた感光体(以下、「OPC」とも表記する。)に対し高耐久で長寿命なアモルファスシリコン(以下「a−Si」ともいう)系材料で構成された光導電層を有するa−Si感光体が注目されている。
特公平5−73232号公報 特開2002−236379号公報 特開2002−123020号公報
従来、上記のような技術により、電子写真感光体の電気的、光学的、光導電的特性が向上し、それに伴って、画像濃度ムラ、光メモリーに起因するゴースト画像、画像ボケ等の画像品質も向上してきた。
しかしながら、上記のようにカラー機、特にプロダクション市場で用いられる画像形成装置に要求されるスペックは厳しく、今までは問題にならなかったレベルが問題視される場合がある。
このため、従来のa−Si感光体は、さらなる画像品質の向上のために、光感度、光応答性等の電気的、光学的、光導電特性の点、さらには経時安定性および耐久性の点において、総合的な特性向上、改良されるべき余地が存在する。
従来の負帯電用a−Si感光体を用いた場合には、次のような課題がある。
まず、負帯電用a−Si感光体における画像ボケの課題は以下である。負帯電用a−Si感光体における画像ボケの原因は、表面層側から電荷注入を阻止し、帯電特性を得るために設けた上部電荷阻止層と光導電層、または表面層と上部電荷阻止層との界面近傍で生じる電荷の横流れである。
このような電荷の横流れに起因する画像ボケは、上記の阻止能を持たせるために含有させる原子(以下、ドーピング原子とも表記する。)、例えば、周期表第13族原子の含有量の分布、光導電層と表面層を接続する層の炭素原子の分布で改善を行ってきた。
しかしながら、露光によって発生する光キャリアの移動度(以下、「走行性」とも表記する。)は、ドーピング原子の含有量や分布だけでは決まらず、同様に、炭素原子の分布や膜組成だけでは決まらず膜構造で異なる。
このため、使用条件によっては、画像ボケを低減するために、他の特性、例えば、ゴースト画像が悪化する場合もあり、ドーピング原子を含有させる膜構造、膜組成を適切に制御することが、画像ボケ抑制の課題である。
次に、光メモリーに起因するゴースト画像を改善するための課題は以下である。光メモリーに起因するゴースト画像の原因は、光導電層で生成された光キャリアが、次のプロセスまでに再結合で消えないことである。
光メモリー低減対策としては、感光体の表面層の炭素原子の積層方向の分布、画像形成装置の露光波長や露光量、除電露光条件の最適化等により改善を図ってきた。
しかしながら、プロセスの高速化により光キャリアの再結合に費やせる時間が短縮される場合、上記の対策だけではゴースト画像の発生の抑制が充分ではない。また、プロダクション市場のような1ジョブ当りのプリントボリュームが膨大で光メモリーが蓄積しやすい条件では、さらなる特性向上が必要である。
このため画像ボケ同様に、膜構造、膜組成で、露光によって発生する光キャリアの移動度、再結合までの時間(以下、「キャリアのライフタイム」とも表記する。)を適切に制御することが、ゴースト画像を改善するための課題である。
さらに、反射率のムラに起因する画像濃度ムラの課題は以下である。上記のように反射率のムラは、繰り返し使用の摺擦で起きる表面層削れムラが原因である。
このような表面層削れに起因する反射率のムラは、反射防止膜の技術、屈折率および光学的バンドギャップ(Egopt)差の最適化、露光波長の工夫によって改善を行ってきた。
しかしながら、高画質な写真やプロダクション市場のポスターやグラフィックアート等では画像濃度ムラに対する要求レベルは高く、反射率のムラをさらに抑制する必要がある。また、プロセスが高速化され、単位面積あたりに露光できる時間が短縮され、露光の光量が厳しくなるために感度が重要になっている。
このため、負帯電用電子写真感光体の画像濃度ムラでは、反射率ムラの抑制と、光導電層の上に積層される表面層、電荷阻止層、中間層の透過率を向上させることが課題である。中間層は、光導電層と電荷阻止層とを接続する層、または電荷阻止層と表面層とを接続する層である。
また、上述のようにランニングコストの低減が求められ、メンテナンス回数を抑制するためにも感光体の長寿命化は必須条件である。
そして、長寿命化のためには、表面層の膜厚を厚くする、もしくは耐摩耗性高くする必要があるが、これはいずれも膜応力を増大する方向である。特に、a−Si感光体の光導電層と表面層では、膜組成が大きく異なるため、熱膨張率にも大きな違いがある。このため、室温または感光体の実使用温度より、200度以上高い温度で成膜される負帯電用a−Si感光体においては、感光体を構成する各層の熱膨張率の差により応力が発生しやすい。
特に、上述のように表面層の膜厚を厚くする場合や耐摩耗性が高い表面層を設ける場合には、各層の間で発生する応力が大きくなる傾向があるため、長寿命化において膜応力は大きな課題である。
このように、長寿命化において、表面層の厚膜化や耐摩耗性の向上に起因する応力の増加は、負帯電用a−Si感光体の上部電荷阻止層に対して影響をおよぼす場合があり、電荷の阻止能の低下や画像品質における解像度の低下を引き起こす要因となることがある。
このため、表面層の厚膜化や耐摩耗性が高い表面層を積層する場合、膜剥れを抑制するとともに電荷の阻止能を維持し、画像の解像度を損なわないことが重要であり、長寿命化の大きな課題である。
従って、本発明の目的は、長寿命化可能で、光メモリーに代表されるゴースト画像、画像ボケ、画像濃度ムラを低減し、画像品質を向上することのできる負帯電用電子写真感光体およびその製造方法を提供することである。
上述した目的を達成するため、本発明の電子写真感光体は、
光導電層、前記光導電層の上の中間層、および、前記中間層の上の表面層を有する電子写真感光体において、
前記光導電層が、ケイ素原子を含有する非晶質材料で形成されており、
前記表面層および前記中間層が、アモルファスシリコンカーバイドで形成されており、
前記中間層におけるケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比(C/(Si+C))が、0.05以上0.75以下であり、
前記中間層が、その層厚方向に周期表第13族に属する原子を含有する領域と前記周期表第13族に属する原子を含有しない領域とを有しており、
前記周期表第13族に属する原子を含有しない領域の赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の範囲におけるピークが1つであり、かつ前記比(C/(Si+C))が層厚方向に漸次変化しており、
前記周期表第13族に属する原子を含有する領域の赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが2つであり、かつ前記比(C/(Si+C))が層厚方向に漸次変化していることを特徴とする。
本発明によれば、長寿命化が可能で、光メモリーに代表されるゴースト画像、画像ボケ、画像濃度ムラを低減し、画像品質も向上することのできる電子写真感光体およびその製造方法を提供することが可能である。
本発明の中間層の赤外吸収スペクトルのピークを模式的に示した図である。 本発明の電子写真感光体の層構成の一例を模式的に示した図である。 プラズマCVD法による堆積層形成装置の一例を示した図である。 実施例7のBガスのガス導入プロファイルを模式的に示した図である。 実施例8のBガスのガス導入プロファイルを模式的に示した図である。 ゴースト評価に用いた画像を模式的に示した図である。
本発明者らは上記の目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、中間層として、非晶質炭化ケイ素(アモルファスシリコンカーバイド。以下、「a−SiC」とも表記する。)を特定の膜構造および膜組成で設けることで、光メモリーに起因するゴースト画像を低減し、電荷の横流れに起因する画像ボケを抑制し、反射率のムラを抑制しながら感度を保つことが可能であることを見出した。
さらに、特定の膜構造および膜組成で中間層を設けることで、厚膜化された表面層または耐摩耗性に優れた表面層を積層することが可能であることを見出した。
具体的には、中間層のa−SiCを構成するケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比(C/(Si+C))が、0.05以上0.75以下である膜組成を有する。
そして、周期表第13族に属する原子を含有しない場合に、赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが1つのみである膜構造で、上述の膜組成の範囲内において、層厚方向に膜組成を漸次変化させる。
また、周期表第13族に属する原子を含有する場合に、赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが2つである膜構造で、上述の膜組成の範囲内において、層厚方向に膜組成を漸次変化させる。
このような膜構造および膜組成で構成された中間層を負帯電用電子写真感光体に設けることで、上記の目的を達成できる知見を得た。現時点で詳細は不明であるが、この理由は以下のように推察される。
赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域は、a−SiCを構成する炭素原子に結合する水素原子に由来する。主に、炭素原子に水素原子が3個結合したメチル基(「−CH」)の構造、炭素原子に水素原子が2個結合したメチレン基(「−CH−」)の構造、炭素原子に水素原子が1個結合したメチン基(「>CH−」)の構造の3種類の構造が挙げられる。これらの構造は、異なる物質では各原子の置かれる環境が違うためピークシフトするが、同一物質内については、エネルギーの準位的には「−CH」>「−CH−」>「>CH−」の順番となり、ピークが現れる波数は最も高い波数に「−CH」が現れる。
そして、赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域にピークが1つのみである場合、エネルギー準位が近い構造を多く含むと考えられる。このことから、バンドギャップ内に形成される局在準位がブロードに存在すると推測される。
また、シリコン材料のような間接遷移型半導体のキャリアは、伝導帯と価電子帯を直接遷移しないで、局在準位を介した間接再結合で消失する。このため、伝導帯近傍のエネルギー準位に局在準位がある方が、伝導帯にあるキャリアは局在準位に遷移しやすく、同様に局在準位と価電子帯が近い方が、局在準位にあるキャリアが価電子帯に遷移しやすい。また、局在準位と局在準位の間においても、エネルギー準位が近いほど遷移が起きやすいと考えられる。
これらのことから、赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域にピークが1つのみという局在準位がブロードである場合、露光により伝導帯に遷移したキャリアが、伝導帯近傍の局在準位に遷移する。その後、局在準位間を遷移し、さらに局在準位から価電子帯に遷移する一連の遷移が円滑に起きると考えられる。このことが結果的に、光キャリアのトラップである光メモリーが抑制され、ゴースト画像の発生を抑制することに寄与していると推測している。したがって、赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域にピークが1つのみとすることが本発明の効果を得る上で非常に重要である。
また、光導電層と表面層の間を層厚方向に組成を漸次変化させた中間層で接続することで、中間層内の層厚方向で隣接する位置においてもエネルギー準位の近い構造が存在する。このため、キャリアの局在準位でのトラップに起因する停滞を防ぎ、光メモリーが低減できると考えている。
周期表第13族に属する原子を含有する領域においては、赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが2つである膜構造を用いる。このようにすることで、厚膜化された表面層または耐摩耗性に優れた応力の強い表面層を積層した場合でも電荷の横流れが生じず画像ボケを抑制できる。その理由は以下である。
一般的に、膜が応力で圧縮される場合、各原子間の距離が狭まることで、低抵抗化する。言い換えると、圧電効果により電気分極のしやすい状態、誘電率の大きな状態になる。このことは、周期表第13族元素を膜中に含有させホールを形成している場合も同様と考えられる。
膜中に周期表第13族元素を含有した場合に、13元素の最外殻軌道を埋めるために周囲の原子の持つ電子が移動し、移動した電子が元いた位置にホールが発生する。膜全体としては中性であるが、周期表第13族元素の最外殻が、パウリの排他律によってより安定化するために電子を引き寄せるため生じるものである。
そして、ホールは外部電界により周囲の電子がホールを埋めることで膜中を伝搬していく。このため、電子がホールへ移動して埋める速度が速ければ、ホールの移動も速くなりホール移動度が大きくなる。
したがって、上述のような厚膜化された表面層、または耐摩耗性に優れた応力の強い表面層を積層することで発生する応力で膜が低抵抗化する場合、膜中に周期表第13族に属する原子を有する領域では特に、ホールの移動度も大きくなる。このことによって、阻止能の低下、画像品質における解像度の低下を引き起こす場合がある。
ここで、周期表第13族に属する原子を有する領域において、赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが2つである膜構造を用いることで画像ボケを抑制できる理由としては以下のように考えている。
まず、各ピークの膜構造中の帰属としては「−CH」は末端部分、「−CH−」は直鎖の一部分、「>CH−」は網の目状の構造の一部分と考えられる。
そして、赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが2つである膜構造は、直鎖を示す−CH−のピークが少ないために、立体構造的には、直線的な構造が少ないため、密な網の目状の構造と考えられる。 このため、構造的な強度としては強く、破断し難い傾向にあると考えられる。 また、直線部分が少ないため、応力を多方向に伝搬でき、応力を緩和する能力に優れていると考えられる。
一方、赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが1つである膜構造は、直鎖を示す−CH−のピークを多く含んでいるために、立体構造的には、直線的な構造により、粗い網の目状の構造と考えられる。このため、構造的な強度としては弱い傾向にあると考えられる。また、直線部分が多いため、応力を特定の方向に伝搬が集中し、応力を緩和する能力に乏しくなると考えられる。
これらのことから、厚膜化された表面層、または耐摩耗性に優れた応力の強い表面層を積層する場合には、ピークが2つの膜質を持つことで、膜自体が圧縮されにくくなり、この結果、低抵抗化も起こりにくく、画像ボケを抑制できると考えている。
さらに、層厚方向に組成を漸次変化させた中間層で接続することで、表面層側から露光された光が反射されることを低減し、表面層削れに起因した経時的な反射率の変動を抑制することが可能となる。これは、組成を漸次変化することで連続した逆位相が形成され、入射光が相殺されるため反射光が低減すると考えている。したがって、上記のピークが1つである膜構造の領域において層厚方向に膜組成を漸次変化させることが重要である。同様に、上記のピークが2つである膜構造の領域においても層厚方向に膜組成を漸次変化させることが重要である。
また、中間層のa−SiCを構成するケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比(C/(Si+C))を、0.05以上0.75以下とすることで、帯電能を向上させ、ゴースト画像を抑制できる。
上記(C/(Si+C))を0.05以上とすることで、フリーキャリア、サーマルキャリアを抑制することができ、帯電特性が向上する。
また、上記(C/(Si+C))が0.75より大きい領域においては、前述の光キャリアのトラップに起因する光メモリーが原因であるゴーストに加えて、キャリア全体の移動度が低下することで発生するゴーストが出る場合がある。このため、(C/(Si+C))を0.75以下とすることでで、上記ゴーストの発生を抑制することができる。
したがって、上記の中間層のa−SiCを構成するケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比(C/(Si+C))は、0.05以上0.75以下とすることで本発明の効果が得られる。
以上の構成により、光メモリーに起因するゴースト画像、画像ボケを低減し、かつ反射率のムラに起因する濃度ムラを抑制することが可能となる。
また、本発明者らは、中間層の層厚が、250nm以上1000nm以下とすることで、感光体の実使用上、中間層の光吸収が感度に対して問題にならない程度に抑えられ、かつ反射率の変動が効果的に得られることも見出した。これは、電子写真装置で用いられる露光の光に対して、逆位相が生成されるために必要になる層厚が250nm以上であり、実使用上の露光量で問題なく感度が得られる層厚が1000nm以下となるためである。したがって、中間層の層厚が、250nm以上1000nm以下とすることが好ましい。
さらに、上記ピークが2つである膜構造の領域における導電性を調整する周期表第13族に属する原子の濃度を、層厚方向に変化させることで、さらにゴースト画像の低減ができる。
これは、a−SiCを構成するケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比(C/(Si+C))によって、周期表第13族に属する原子の効果が異なり、キャリアの走行性への影響も違うためと考えている。このため、上記ピークが2つである膜構造の領域における周期表第13族に属する原子の含有を層厚方向に変化させることで、光メモリーに起因するゴースト画像をさらに抑制することが可能となる。したがって、上記ピークが2つである膜構造の領域における周期表第13族に属する原子の含有量を層厚方向に変化させることが好ましい。
そして、本発明者らは、上記ピークが1つである膜構造の中間層は、内圧26.6Pa以下に調整された反応容器内の原料ガスに周波数13.56MHz以下の電力を与えて発生するプラズマCVD法で成膜することで得られることを見出した。
これについても詳細は不明であるが、上記プラズマCVD法の成膜条件により、バンドギャップの幅とキャリアの捕獲準位の数、キャリアの熱速度、キャリアの捕獲断面積の関係が、キャリアの消失に有利に働く状態になると考えている。
これは、周波数13.56MHz以下の電力によるグロー放電分解により生成された活性種は、内圧26.6Pa以下で堆積させた場合に、気相中のエネルギー状態の分布を反映したまま堆積しやすく、ブロードなエネルギー分布となるからである。その結果、キャリアの消失を促進すると考えている。また、欠陥や原子密度がキャリアの熱速度に影響し、再結合を円滑にしていると推測している。したがって、内圧26.6Pa以下で周波数13.56MHz以下の電力を与えて発生するプラズマCVD法で成膜することがより好ましい。
また、上記ピークが2つである膜構造の中間層は、内圧53.3Pa以上に調整された反応容器内の原料ガスに周波数13.56MHz以下の電力を与えて発生するプラズマCVD法で成膜することで得られる。
これについても詳細は不明であるが、成膜時の内圧を53.3Pa以上にすることで、衝突周波数が高くなり、気相中のエネルギー状態の分布が、直鎖構造の基となる−CH−を形成する活性種を抑制する方向になっていると考えている。
また、本発明で言う、ピークが1つのみである1ピークとは次のことを意味している。
実際に測定で得られる赤外吸収スペクトルの吸光度の波形について、測定時の誤差やノイズを除去するため、波数2700cm−1〜3000cm−1の領域で、任意の波数を中心とした波数25cm−1の領域毎に二乗平均平方根を計算し吸光度の波形とする。
そして、誤差やノイズを除去した吸光度の波形について、波数2700cm−1〜3000cm−1の領域で、極大値を1つのみ持つとき1ピークとする。または、極大値が2つ以上ある場合においては、図1に示すような隣り合う吸光度の極大値をMaxAと極小値をMinBと定義したとき、隣接する極大値MaxAが両方とも、次に示す関係を満たす場合には、1ピークとする。
(MaxA) ≦ 1.2×(MinB)
同様に、上記の定義において隣接する極大値MaxAが両方とも、次に示す関係を満たす場合には、2ピークとする。
(MaxA) > 1.2×(MinB) 以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照し、さらに詳細に説明する。
<負帯電用電子写真感光体>
図2は、円筒状基体2101の表面に下部電荷阻止層2201、光導電層2301、中間層2401、表面層2501を順次積層した負帯電用電子写真感光体2000の模式図である。
図2を使用して電負帯電用子写真感光体を構成する各層について説明する。
(円筒状基体)
まず、堆積膜を形成する円筒状基体2101の材質としては、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、鉄、クロム、モリブデン、チタンやこれらの合金を用いることができる。中でも、加工性や製造コストを考慮すると、アルミニウムが優れている。この場合、Al−Mg系合金、Al−Mn系合金のいずれかを用いることが好ましい。円筒状基体2101は、基体洗浄装置で処理される前に、例えば表面を鏡面切削加工することがある。
<光導電層>
光導電層2301は、一定極性の帯電処理では電荷を保持し、受光した際には導電する働きがある。光導電層2301は、ケイ素原子を含有する(母体とする)非晶質材料(アモルファスシリコン系材料)で形成されており、光導電性および電荷保持特性を向上させるための原子や、伝導性を制御するための原子を含有させても良い。光導電性および電荷保持特性を向上させるための原子としては、水素原子やハロゲン原子を用いることができる。
水素原子やハロゲン原子は、ケイ素原子の未結合手に結合し、層品質の向上、特に光導電性および電荷保持特性を向上させ得る。水素原子の含有量は、特に制限はなく、露光系の波長に合わせて適宜変化させることができ、例えばケイ素原子の原子数と水素原子の原子数との和に対して10〜40原子%などとすることができる。また、その分布形状に関しても、露光系の波長に合わせて適宜調整することが好ましい。特に、水素原子やハロゲン原子の含有量をある程度多くすると、光学的バンドギャップが大きくなり、感度のピークが短波長側にシフトすることが知られている。
伝導性を制御する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、周期表第13族に属する原子(以下、第13族原子とも略記する)、または周期表第15族に属する原子(以下、第15族原子とも略記する)を用いることができる。
第13族原子としては、具体的には、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特にBが好適である。
第15族原子として、具体的には、窒素(N)、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等があり、特にPが好適である。
伝導性を制御する原子の光導電層中の含有量は、特に制限されないが、一般的には0.01〜1000atmppmとすることができる。また、画像露光の到達する範囲においては、伝導性を制御する原子を実質的に含有しないものであってもよい。
光導電層2301の層厚は所望の電子写真特性が得られることおよび製造上の効率や経済的効果等の点から適宜所望にしたがって決定され、例えば10〜80μm、好ましくは15〜60μm、より好ましくは20〜50μmである。層厚が10μm以上であれば、帯電能や感度等の電子写真特性が実用上使用可能となり、80μm以下であれば、光導電層2301を効率よく製造することができる。
<下部電荷阻止層>
次に下部電荷阻止層2201について説明する。下部電荷阻止層2201は、円筒状基体2101側からの電荷の注入を阻止する働きがある。下部電荷阻止層2201は光導電層2202が一定極性の帯電処理をその自由表面に受けた際、円筒状基体2101側より光導電層2202側に電荷が注入されるのを阻止する。また、光導電層2301で発生したキャリアを円筒状基体2101側へ通過させる整流性を有している。
下部電荷阻止層2201には、水素原子やハロゲン原子を含有するケイ素原子を母材とし、さらに導電性を制御する不純物を含有させても良い。
また、負帯電用電子写真感光体の場合、下部電荷阻止層2201に含有される不純物元素としては、第15族原子を用いることができる。
下部電荷阻止層2201中に含有される第13族原子および第15族原子の含有量は、所望にしたがって適宜決定される。好ましくは下部電荷阻止層中の構成原子の総量に対して10atmppm以上10000atmppm以下、より好適には50atmppm以上7000atmppm以下、最適には100atmppm以上5000atmppm以下とされるのが好ましい。
さらに、下部電荷阻止層には、窒素原子、酸素原子および炭素原子を少なくとも1つを含有させることによって、該下部電荷阻止層と円筒状基体との間の密着性の向上を図ることが可能となる。また、負帯電用電子写真感光体の場合には、下部電荷阻止層に不純物元素をドープしなくても窒素原子、酸素原子および炭素原子を最適に含有させることで優れた電荷注入阻止能を有することも可能となる。
具体的には、下部電荷阻止層の全層領域に含有される窒素原子、酸素原子および炭素原子の含有量は、窒素原子、酸素原子および炭素原子の和を下部電荷阻止層中の構成原子の総量に対して、0.1atm%以上40atm%以下が好ましい。より好ましくは1.2atm%以上20atm%以下とすることにより、電荷注入阻止能が向上する。
下部電荷阻止層の層厚は、100nm以上10μm以下とすることで、円筒状基体2101からの電荷の注入阻止能が充分となり、充分な帯電能が得られ、電子写真特性の向上が期待でき、残留電位の上昇などの弊害を抑制できるため好ましい。
<中間層>
次に、中間層2401について説明する。
中間層2401は非晶質炭化ケイ素(a−SiC)で形成される。中間層2401のa−SiCを構成するケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比(C/(Si+C))が、0.05以上0.75以下である。
また、赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが1つである膜構造を持つ領域とピークが2つである膜構造を持つ。
そして、周期表第13族に属する原子を含有しない場合に、赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが1つのみである膜構造で、上述の膜組成の範囲内において、層厚方向に膜組成を漸次変化させる。
また、周期表第13族に属する原子を含有する場合に、赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが2つである膜構造で、上述の膜組成の範囲内において、層厚方向に膜組成を漸次変化させる。
p型の伝導性を付与し阻止能を持たせるために含有される第13族原子の含有量は、中間層2401の層厚方向の各々箇所で適宜決定される。好ましくは中間層2401の任意の箇所における構成原子の総量に対して1atmppm以上5000atmppm以下である。好適には5atmppm以上3000atmppm以下の範囲とするのが好ましい。
なお、本発明において13族原子を含まないとはSIMS分析で測定した値がおおむね0.1ppm以下であることを意味しコンタミネーションは除外する。
上記のように、中間層2401に含有される第13族原子の濃度としては、中間層2401に万偏なく均一に分布されていても良いが、層厚方向に変化させることで、帯電能および感度、ゴーストの向上ができる。しかしながら、いずれの場合にも基体の表面と平行面内方向においては、均一な分布で万偏なく含有されることが面内方向における特性の均一化を図る点からも必要である。
また、中間層2401のa−SiCに含有される水素原子の含有量は、中間層2401中の構成原子の総量に対して通常の場合5atm%以上70atm%以下が好ましい。より好ましくは10atm%以上65atm%以下、最適には15atm%以上60atm%以下とするのが好ましい。
<表面層>
次に、表面層2501について説明する。表面層2501は、連続繰り返し使用耐性、耐湿性、使用環境耐性、電気特性に関して良好な特性を得るために設けられる。
前述のように、ランニングコストを抑制することが求められ、消耗品の交換頻度を抑制し、メンテナンス回数を減らすためにも、高耐久性、特に耐摩耗性が優れた表面層が好ましい。
表面層2501は、アモルファスシリコン系の材料であればいずれの材質でも可能である。例えば、水素原子(H)および/またはハロゲン原子(X)を含有し、さらに炭素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiC:H,X」と表記する)材料も好適に用いられる。または、酸素原子や窒素原子を含有するa−SiO:X、a−SiN:Xも好適に用いられる。
具体的な耐摩耗性に優れた表面層の一例としては、
ケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度との和に対する炭素原子の原子密度の比が、0.61以上0.75以下であり、かつ
ケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度との和が6.60×1022原子/cm以上のa−SiC:Hである表面層が挙げられる。
また、一般的にアモルファスシリコン系の材料において耐摩耗性に優れた表面層は、原子間の結合力が強く、欠陥が少ない、高密度な膜構造となる。
そして、耐摩耗性が優れた表面層は、プラズマを用いた堆積膜の形成では、堆積する基板を高温に加熱して成膜する方法や、原料ガスの分解を制御し堆積速度を遅くする方法で、低欠陥、高密度な膜構造が得られことが多い。
このため、低欠陥、高密度な膜構造で耐摩耗性に優れた表面層は、成膜終了後に常温に戻す際に、円筒状基体2201および光導電層2301との熱膨張率の差により、応力が発生し膜剥れを引き起こす場合がある。このため、表面層2501の膜厚調整や、中間層2401による応力緩和が必要となる。
表面層2501の層厚は、求められる電子写真感光体の寿命や表面層2501の膜質により異なるが、耐摩耗性に優れた表面層で通常0.3μm以上2.5μnm以下であり、0.5μm以上2.0μm以下とされるのが好ましい。
層厚は0.3μm以上にすることで、光受容部材を使用中に摩耗等の理由により表面層が失われるリスクを回避することができる。また、層厚は2.5μnm以下にすることで、表面層の応力に起因する膜剥れや、例えば感度や残留電位の悪化を防ぐことができる。
表面層の膜厚の増加は膜応力の増加につながるため、膜剥れと寿命とのバランスの見極めと適宜調整が必要である。
以上が電子写真感光体を構成する各層に求められる特性および役割である。
次に、堆積膜形成の流れについて、プラズマCVD法で説明する。
<堆積膜形成装置>
図3は、本発明の電子写真感光体の製造に使用できる、高周波電源を用いたRFプラズマCVD法により堆積膜を形成する装置の一例の模式図である。
この装置は主として、減圧可能な反応容器3110を有する堆積膜形成装置3100、原料ガス供給装置3200、および、反応容器3110の中を減圧するための排気装置(図示せず)から構成されている。
反応容器3110の中にはアースに接続された円筒状基体3112、円筒状基体加熱用ヒーター3113および原料ガス導入管3114が設置されている。円筒状基体加熱用ヒーター3113は、円筒状基体の長軸方向の各位置に対応するヒーターを設置し、長軸方向の各位置で加熱量を制御可能とする。また、ガス導入管3114に設けられたガス導入口3115の位置により、反応容器3110内おける原料ガスの導入量の分布を制御する。煩雑になるため、図3ではガス導入口3115は5個しか記載していないが、実際にはガス導入口3115の数は適宜調整するのが好ましい。
そして、カソード電極3111には高周波マッチングボックス3122を介して高周波電源3120が接続されている。
原料ガス供給装置3200は、原料ガスボンベ3221〜3225であるSiH,H,CH,NO,B,CF等のボンベを具備する。また、ガス量調整のバルブとして、バルブ3231〜3235、流入バルブ3241〜3245、流出バルブ3251〜3255を具備する。そして、圧力調整器3261〜3265およびマスフローコントローラ3211〜3215を具備する。
次にこの装置を使った堆積膜の形成方法について説明する。まず、円筒状基体3112を反応容器3110に受け台3123を介して設置する。次に、排気装置(図示せず)を運転し、反応容器3110の中を排気する。真空計3119の表示を見ながら、反応容器3110の中の圧力がたとえば1Pa以下の所定の圧力になったところで、円筒状基体加熱用ヒーター3113に電力を供給し、円筒状基体3112を例えば100℃から350℃の所望の温度に加熱する。このとき、ガス供給装置3200より、Ar、He等の不活性ガスを反応容器3110に供給して、不活性ガス雰囲気中で加熱を行うこともできる。
負帯電用電子写真感光体を構成する各層、例えば下部電荷阻止層、光導電層、中間層、表面層、に応じてガス供給装置3200より各堆積膜の形成に用いるガスを反応容器3110に供給する。すなわち、必要に応じバルブ3231〜3235、流入バルブ3241〜3245、流出バルブ3251〜3255を開き、マスフローコントローラ3211〜3215に流量設定を行う。各マスフローコントローラの流量が安定したところで、真空計3119の表示を見ながらメインバルブ3118を操作し、反応容器3110の中の圧力が所望の圧力になるように調整する。所望の圧力が得られたところで高周波電力導入手段としての高周波電源3120より高周波電力を印加すると同時に高周波マッチングボックス3122を操作し、反応容器3110の中にプラズマ放電を生起する。その後、速やかに高周波電力を所望の電力に調整し、堆積膜の形成を行う。
光導電層の水素原子の含有率を調整する場合は、例えば、円筒状基体加熱用ヒーター3113により円筒状基体3112の長軸方向での加熱を制御する。または、ガス導入口3115の位置により原料ガスの導入量の分布を制御する。水素含有率の調整方法は、堆積膜形成装置や導入するガス流量、ガスの混合比、容器内圧力、高周波電力等で異なるため、適宜、最適な手法により調整する。
多層膜を形成する場合には、各層の堆積膜が所望の膜厚になった時点で高周波電力の印加を停止し、再び上記の手順を繰り返してそれぞれの層を形成すれば良い。また、連続的に高周波電力、原料ガスの種類、流量設定、円筒状基体加熱用ヒーター3113の電力、反応容器3110の中の圧力を再設定して堆積膜を形成してもよい。
前述のピークが1つである膜構造の中間層2401は内圧26.6Pa以下で、上記ピークが2つである膜構造の中間層2401は内圧53.36Pa以上で形成を行う。
また、中間層2401は、原料ガス流量、圧力、高周波電力等を変化させることで、ケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比(C/(Si+C))を制御することができる。その結果、前記比(C/(Si+C))を0.05以上0.75以下の範囲内で、層厚方向に漸次変化させることができる。
さらに、HやAr、He等の不活性ガスを希釈ガスとして用いることで、赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが1つの膜構造に制御できる。
また、前記ピークが1つである領域とピークが2である領域の間や、周期表第13族に属する原子の含有量が変化する領域間で放電を一旦切っても良い。
以上のようにして、所定の層だけ堆積膜の形成が終わったところで、高周波電力の印加を停止する。そして、バルブ3231〜3235、流入バルブ3241〜3245、流出バルブ3251〜3255、および補助バルブ3260を閉じる。そして、原料ガスの供給を終えると同時に、メインバルブ3118を開き、反応容器3110の中を1Pa以下の圧力まで排気する。
このようにして、すべての堆積膜形成が終わった後は、メインバルブ3118を閉じ、反応容器3110の中に不活性ガスを導入し大気圧に戻した後、円筒状基体3112を取り出す。
以上が、RFプラズマCVD法による堆積膜形成を用いた電子写真感光体の製造方法である。
また、前述のように周波数13.56MHz以下の電力を与え原料ガスを励起させてグロー放電を発生させるプラズマCVD法であれば、同様に周波数3kHz以上300kHz以下のLF(低周波)プラズマCVD法でも良い。
このように製造された電子写真感光体は、電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、レーザー製版機などの電子写真応用分野にも広く用いることができる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。
<実施例1>
導電性の基体として、外径φ84mm、長さ381mm、肉厚3mmのアルミニウム材料の表面に鏡面加工を施したシリンダーを用い、上記の手順で電子写真感光体を作製した。なお、本実施例では図2に示した、下部電荷阻止層、光導電層、中間層、表面層の層構成からなる電子写真感光体を採用した。
表面層は、ケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度との和に対する炭素原子の原子密度の比が、0.61以上0.75以下であり、かつ
ケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度との和が6.60×1022原子/cm以上の耐摩耗性に優れたa−SiC:Hを表面層として用いた。
下部電荷阻止層、光導電層の形成条件を表1に示す。以下、全ての実施例、比較例で下部電荷阻止層、光導電層は表1の条件を用いている。また、中間層および表面層の成膜条件を表2に示す。
なお、実施例および比較例の中間層の成膜において、中間層の形成条件をA〜Fの6個のポイントに分け、ホウ素原子を含有する領域と含有しない領域のポイント間、およびホウ素原子の濃度を急峻に変化するポイント間では、プラズマ放電用電力を一度切った。
プラズマ放電用電力を切るポイント間では、プラズマ放電用電力を一度切った後に、圧力と原料ガスの設定を変更し、安定した後にプラズマ放電用電力を再度投入した。なお、その他のポイント間では連続放電とした。
また、プラズマ放電用電力を切らないポイント間では成膜条件を直線的に漸次変化させている。
さらに、プラズマ放電用電力を切るポイント間では、反射防止効果が得られるように両者の屈折率が一致するように調整した。
表2の実施例1では、中間層の膜厚方向においての中央部分、表2のCおよびDの領域にホウ素原子を含有させた。
ホウ素原子を含有するCおよびDの領域は、赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが2つになる成膜条件にした。
ホウ素原子を含有しない表2の他の領域は、赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが1つになる成膜条件にした。
成膜は、ホウ素原子を含む領域と含まない領域の境界である表2のBとCの領域の間、およびDとEの領域の間で、プラズマ放電用電力を一度切り、圧力と原料ガスの設定を変更し、安定した後にプラズマ放電用電力を再度投入した。
具体的には、Aの領域の圧力と原料ガス流量でプラズマ放電用電力を投入し、Bの領域の成膜条件になるまで、成膜条件を直線的に補間するように漸次変化させ、Bの領域の成膜条件になったところでプラズマ放電用電力を切った。
そして、Cの領域における圧力と原料ガス流量に設定を変更し、安定した後にプラズマ放電用電力を再度投入し、Dの領域の成膜条件になるまで、成膜条件を直線的に補間するように漸次変化させた。そして、Dの領域の成膜条件になったところでプラズマ放電用電力を切った。
次に、Eの領域における圧力と原料ガス流量に設定を変更し、安定した後にプラズマ放電用電力を再度投入し、Fの領域の成膜条件になるまで、成膜条件を直線的に補間するように漸次変化させた。そして、Eの領域の成膜条件になったところでプラズマ放電用電力を切った。
最後に、表面層の圧力と原料ガス流量に設定を変更し、安定した後にプラズマ放電用電力を再度投入し表面層を成膜した。
なお、BとC、DとEの領域の成膜条件は、反射防止効果が得られるように屈折率を調整した。
<実施例2>
実施例2では、表3に示したように、実施例1と同様に、中間層の膜厚方向においての中央部分であるCおよびDの領域に実施例1と同様のホウ素原子を含有させた。
さらに、実施例2ではAおよびBの領域に、CおよびDの領域より低い含有量でホウ素原子を含有させた。
ホウ素原子を含有するA〜Dの領域は、赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが2つになる成膜条件にした。ホウ素原子を含有しない表3の他の領域は、赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが1つになる成膜条件にした。
成膜は、実施例1と同様に表3のホウ素原子の濃度が急峻に変化するBとCの領域の間、およびホウ素原子を含む領域とホウ素原子を含まない領域の境界であるDとEの領域の間で、プラズマ放電用電力を一度切る。そして、圧力と原料ガス流量の設定を変更し、安定した後にプラズマ放電用電力を再度投入した。
また、DとEの領域の成膜条件は、反射防止効果が得られるように屈折率を調整した。
<比較例1>
比較例1では、表4に示したように、実施例1と異なりホウ素原子を含有する領域においても赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが1つになる成膜条件にした。
ホウ素原子については、実施例1と同様に、中間層の膜厚方向においての中央部分、表4のCおよびDの領域にホウ素原子を含有させた。
成膜は、実施例1と同様に、ホウ素原子を含む領域と含まない領域の境界である表4のBとCの領域の間、およびDとEの領域の間で、プラズマ放電用電力を一度切り、圧力と原料ガス流量の設定を変更し、安定した後にプラズマ放電用電力を再度投入した。
<比較例2>
比較例2では、表5に示したように、実施例2と異なり、ホウ素原子を含有するA〜Dの領域においても、赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが1つになる成膜条件にした。
ホウ素原子については、実施例2と同様に、中間層の膜厚方向においての中央部分である表5のCおよびDの領域にホウ素原子を含有させ、さらに、AおよびBの領域に、CおよびDの領域より低い含有量のホウ素原子を含有させた。
成膜は、表5のホウ素原子の濃度が急峻に変化するBとCの領域の間、およびホウ素原子を含む領域とホウ素原子を含まない領域の境界であるDとEの領域の間で、実施例1と同様の方法で、プラズマ放電用電力を一度切る。そして、圧力と原料ガス流量の設定を変更し、安定した後にプラズマ放電用電力を再度投入した。
<比較例3>
比較例3では、表6に示したように、実施例2と異なり、ホウ素原子を含有しないE〜Fの領域においても、赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが2つになる成膜条件にした。
ホウ素原子については、実施例2と同様に、中間層の膜厚方向においての中央部分である表6のCおよびDの領域にホウ素原子を含有させ、さらに、AおよびBの領域に、CおよびDの領域より低い含有量のホウ素原子を含有させた。
成膜は、表6のホウ素原子を含む領域とホウ素原子を含まない領域の境界であるBとCおよびCとDの間で、プラズマ放電用電力を一度切り、圧力と原料ガス流量の設定を変更し、安定した後にプラズマ放電用電力を再度投入した。
<比較例4>
比較例4では、表7に示したように、中間層を漸次変化させずに形成条件を一定にして均一の膜構造とした。
比較例4は、ホウ素原子を含有し、膜構造としては赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが2つになる成膜条件にした。
<比較例5>
比較例5では、表8に示したように、中間層に用いる膜質について、C/(Si+C))が0.05未満の膜組成を含むようにした。
そして、中間層の膜厚方向においての中央部分、表8のCおよびDの領域にホウ素原子を含有させた。
ホウ素原子を含有するCおよびDの領域は、赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが2つになる成膜条件にした。ホウ素原子を含有しない表8の他の領域は、赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが1つになる成膜条件にした。
成膜は、実施例1と同様に、ホウ素原子を含む領域と含まない領域の境界である表8のBとCの領域の間およびDとEの領域の間で、プラズマ放電用電力を一度切り、圧力と原料ガス流量の設定を変更し、安定した後にプラズマ放電用電力を再度投入した。
また、BとCの領域、およびDとEの領域の成膜条件は、反射防止効果が得られるように屈折率を調整した。
<比較例6>
比較例6では、表9に示したように、中間層に用いる膜質について、C/(Si+C))が0.75以上の膜組成を含むようにした。
そして、中間層の膜厚方向において、表9のCおよびDの領域にホウ素原子を含有させた。
ホウ素原子を含有するCおよびDの領域は、赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが2つになる成膜条件にした。
ホウ素原子を含有しない表9の他の領域は、赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが1つになる成膜条件にした。
成膜は、実施例1と同様に、ホウ素原子を含む領域と含まない領域の境界である表9のBとCの領域の間およびDとEの領域の間で、プラズマ放電用電力を一度切り、圧力と原料ガス流量の設定を変更し、安定した後にプラズマ放電用電力を再度投入した。
また、BとCの領域、およびDとEの領域の成膜条件は、反射防止効果が得られるように屈折率を調整した。
以上のように実施例1〜2、比較例1〜6を成膜した。
なお、表の中間層における層厚は、漸次変化させている領域であるA〜B間、C〜D間、E〜F間の各々の層厚とA〜Fの中間層全体の層厚を示している。
中間層の層厚については、まず前述のように中間層の形成条件をA〜Fの6個のポイントに分けた各ポイントの成膜条件と同様の条件下で、コーニング社製のガラス(商品名:1737)上に膜厚0.5μmの膜を形成した中間層個別測定用サンプルを作製した。同様に、赤外吸収スペクトル測定およびRBS(ラザフォード後方散乱法)のために、シリコンウェハ基板上に膜厚1.0μmの膜を形成した中間層個別測定用サンプルを作製した。
そして、中間層個別測定用サンプルの堆積速度を計算し堆積膜の形成時間を調整した。
また、表面層についても中間層と同様に、コーニング社製のガラス(商品名:1737)上に膜厚0.5μmの膜を形成した測定用サンプルを作製した。同様に、RBS(ラザフォード後方散乱法)のために、シリコンウェハ基板上に膜厚1.0μmの膜を形成した。
このように作製した負帯電用電子写真感光体および中間層個別測定用サンプルおよび表面層の測定用サンプルを用いて、中間層および表面層のC/(Si+C)、中間層の赤外吸収スペクトル、中間層のホウ素原子の含有量を以下の分析方法で測定した。
(中間層および表面層のC/(Si+C)の測定)
前述の中間層のA〜Fの6個のポイントに分けたシリコンウェハ基板上の個別測定用試料を、RBS(ラザフォード後方散乱法)(日新ハイボルテージ(株)製:後方散乱測定装置 AN−2500)を用いて測定した。RBSの測定面積における中間層の各ポイントのケイ素原子および炭素原子の原子数を測定した。表面層も中間層の各ポイント同様に測定した。
こうして得られた値を用いてC/(Si+C)を算出した。
(中間層の赤外吸収スペクトル)
中間層の赤外吸収スペクトルの測定は、前述の中間層のA〜Fの6個のポイントに分けたシリコンウェハ基板上の個別測定用試料を用い、赤外分光光度計(Jasco製、FT/IR−615)で測定した。
そして、前述の方法で2700cm−1〜3000cm−1の領域のピーク数を算出した。
(中間層のホウ素原子の含有量の測定)
中間層のホウ素原子の含有量の測定は、下部電荷阻止層、光導電層および中間層を形成した電子写真感光体を作製し、任意の周方向における長手方向の中央部を5mm四方で切り出し、測定用試料を作製した。この測定用試料を用いて、上部電荷阻止層のケイ素原子に対するホウ素原子の含有量をSIMS(2次イオン質量分析)(CAMECA社製、商品名:IMS−4F)を用いて測定した。
測定の結果を表10および表11に示す。表面層のC/(Si+C)の測定結果を表10に、中間層の各測定結果を表11Aおよび表11Bに示す。
また、各々の電子写真感光体を用いて以下の評価を行った。
耐摩耗性に優れた表面層を積層した場合に影響が現れやすい評価項目と考えられる、画像ボケ、帯電能について以下の方法で評価した。その他の評価項目としては、感光体ゴースト、長期使用時の感度ムラ、感度について以下の方法で評価した。
(画像ボケ評価)
画像ボケの評価は以下のように実施した。
まず、1200dpiの解像度において、45度170lpi(1インチあたり170線)の線密度で面積階調ドットスクリーンを用い、全階調範囲を18段階に均等配分した階調データを作成した。このとき最も濃い階調を17、最も薄い階調を0として各階調に番号を割り当て、階調段階とした。
次に、キヤノン(株)製複写機iRC6800を実験用に改造した電子写真装置に電子写真感光体を設置し、前述の階調データを用いて、テキストモードを用いてA3用紙に出力した。このとき、高湿流れが発生すると画像ボケの評価に影響が出るため、温度22℃、相対湿度50%の環境下で、感光体ヒーターをONにして、電子写真感光体の表面を温度約40℃に保った条件で出力した。
そして、得られた画像を各階調ごとに反射濃度計(X−Rite Inc製:504 分光濃度計)により画像濃度を測定した。反射濃度測定では各々の階調毎に3枚の画像を出力して、それら濃度の平均値を評価値とした。
次に、こうして得られた評価値と階調段階との相関係数を算出し、各階調の反射濃度が完全に直線的に変化する階調表現が得られた場合である相関係数=1.00からの差分を画像ボケとして評価した。
相関係数の算出は、ある階調段階Yiでの評価値をXi、評価値の平均Xave、階調段階の平均をYaveとした場合、次に示す式で計算した。
この評価方法では、数値が小さいほど画像ボケが少なく直線に近い階調表現がなされていることを示している。
また、画像ボケについては、2.30未満では、ほとんどのコピー画像上で実用上問題のない階調性が得られ、1.8以下であれば画像上でトーンジャンプが認識できない良好な階調性であるといえる。また、1.50以下では、特に優れた階調表現が可能であるといえるが、1.50を下回る数値のものは実質的に画像で差は認識できず、測定上のばらつきの範囲といえる。
評価結果は、比較例1で作製した電子写真感光体を搭載した場合の相関係数を基準とし、相対値として評価した。画像ボケ評価に対しては、数値が小さいほど良く、EランクからAランクへ向かうほど良好である。
A‥1.5未満。
B‥1.5以上、1.8未満。
C‥1.8以上、2.0未満。
D‥2.0以上、2.3未満。
E‥2.3以上
(帯電能評価)
帯電能評価は、キヤノン(株)製複写機iRC6800を実験用にマイナス帯電方式に改造した電子写真装置において、プロセススピードを500mm/秒として実施した。
像露光を切った状態で主帯電器に印加する電流量を−1600μAに調整して電子写真感光体の長手方向中央位置における現像器位置での電子写真感光体の表面電位を測定し、その表面電位の値を帯電能とした。
評価結果は比較例2で作製した成膜条件No.4の電子写真感光体を搭載した場合の帯電能を1.00とした相対比較で示した。なお、帯電能評価に対して、C以上であれば良好であると判断した。
A‥比較例2で作製した成膜条件No.4の電子写真感光体の帯電能に対する評価感光体の帯電能の比が1.20以上。
B‥比較例2で作製した成膜条件No.4の電子写真感光体の帯電能に対する評価感光体の帯電能の比が1.05以上1.20未満。
C‥比較例2で作製した成膜条件No.4の電子写真感光体の帯電能に対する評価感光体の帯電能の比が0.95以上1.05未満。
D‥比較例2で作製した成膜条件No.4の電子写真感光体の帯電能に対する評価感光体の帯電能の比が0.95未満。
(ゴースト評価)
ゴースト評価は、キヤノン(株)製複写機iRC6800を実験用にマイナス帯電方式に改造した電子写真装置において、プロセススピードを500mm/秒で、図6に示すようなテストチャートを用いて以下のように実施した。
まず、実験用に改造した電子写真装置を温度22℃、相対湿度50%の環境下に設置し、感光体ヒーターをONにして、電子写真感光体の表面を温度約40℃に保った条件で前記テストチャートを出力した。
テストチャートは、画像左端部側にA3チャートの短辺の中央位置、左端から40mm位置を中心に40mm□の範囲に反射濃度1.4の黒色四角を有している。そして、左端から80mmの位置から右端から5mmの位置まで反射濃度0.4のハーフトーン(HT)を有している。
次に、出力したテストチャートを用い、テストチャート左端側を原稿先端として原稿台に置き、現像バイアスを調整して、出力された画像におけるテストチャートのHT部の反射濃度が0.4となるように設定した。その状態でA3の電子写真画像を出力し、出力された画像の反射濃度を測定した。
反射濃度の測定は、反射濃度計(X−Rite Inc製:504 分光濃度計)を用いて測定した。測定位置は、以下の合計5点である。
基準位置:A3の画像短辺の中央位置で、A3の画像左端から303mm位置(前述の黒色四角の中心から電子写真用感光体1周分の位置)
比較位置:基準位置に対してA3の画像短辺方向±30mm、長辺方向±30mmの4点
そして、4点の比較位置で測定した反射濃度の平均値Yを算出した。
さらに、基準位置での反射濃度Fと比較位置での反射濃度の平均値Gの差(F−G)を算出し、この差を用いてゴーストの評価を行った。
なお、評価結果は比較例4で作製した電子写真感光体を搭載した場合の前記基準位置での反射濃度Fと前記比較位置での反射濃度の平均値Gの差(F−G)を1.00とした相対比較で示した。
ゴーストが発生した場合、比較位置での反射濃度の平均値Gよりも基準位置での反射濃度Fが高くなる。よって、この評価においては、数値が小さいほどゴーストに対して良好である。
A‥上記(F−G)の値が比較例4で作製した電子写真感光体に対して0.70未満。
B‥上記(F−G)の値が比較例4で作製した電子写真感光体に対して0.70以上、0.80未満。
C‥上記(F−G)の値が比較例4で作製した電子写真感光体に対して0.80以上、0.95未満。
D‥上記(F−G)の値が比較例4で作製した電子写真感光体に対して0.95以上、1.05未満。
E‥上記(F−G)の値が比較例4で作製した電子写真感光体に対して1.05以上。
(長期使用時の感度ムラ評価)
長期使用時の感度ムラ評価には、キヤノン(株)製複写機iRC6800を実験用にマイナス帯電方式に改造した電子写真装置において、プロセススピードを500mm/秒として実施した。
作製した電子写真感光体を、電子写真装置に設置し、像露光を切った状態で電子写真感光体の長手方向中央位置における現像器位置の暗部電位が−450Vになるように主帯電器に供給する電流量を調整する。その後、像露光光を照射し、現像器位置の明部電位が−50Vになるように像露光光の光量を調整した。この状態において、電子写真感光体における暗部電位と明部電位との電位差(暗部電位−明部電位)の分布を以下の位置で測定し、その最大値の最小値に対する比(%)と100(%)との差を電位ムラとして測定した。
電位分布の測定位置は電子写真感光体の長手方向9点(電子写真感光体の長手方向中央を基準として、0mm、±50mm、±90mm、±130mm、±150mm)とした。
この、9点の測定値の最大値と最小値の比から、以下に示す判断基準によってランク判定を行った。
また、感度ムラの評価は25万枚ごとに実施し、100万枚画像出力までの感度ムラを評価し、その最悪値を採用した。感度ムラの評価に対しては、数値が小さいほど良く、DランクからAランクへ向かうほど良好である。
A:1.0%未満の電位ムラ
B:1.0%以上2.0%未満の電位ムラ
C:2.0%以上4.0%未満の電位ムラ
D:4.0%以上の電位ムラ
(感度評価)
感度評価には、キヤノン(株)製複写機iRC6800を実験用にマイナス帯電方式に改造した電子写真装置において、プロセススピードを500mm/秒として実施した。
作製した電子写真感光体を、電子写真装置に設置し、像露光を切った状態で電子写真感光体の長手方向中央位置における現像器位置の電位が−450Vになるように主帯電器に供給する電流量を調整した。その後、像露光を照射し現像器位置の電位が−50Vになるように像露光の光量を調整した。その際の像露光の光量を用いて評価を行った。
感度評価で用いた電子写真装置の像露光光源は、発振波長が658nmの半導体レーザーである。評価結果は比較例4で作製した成膜条件No.6の電子写真感光体を搭載した場合の像露光の光量を1.00とした相対比較で示した。感度評価に対しては、数値が小さいほど良く、EランクからAランクへ向かうほど良好である。
A‥比較例4で作製した成膜条件No.6の電子写真感光体での像露光光の光量に対する像露光光の光量の比が0.6未満。
B‥比較例4で作製した成膜条件No.6の電子写真感光体での像露光光の光量に対する像露光光の光量の比が0.6以上0.80未満。
C‥比較例4で作製した成膜条件No.6の電子写真感光体での像露光光の光量に対する像露光光の光量の比が0.80以上0.95未満。
D‥比較例4で作製した成膜条件No.6の電子写真感光体での像露光光の光量に対する像露光光の光量の比が0.95以上1.10未満。
E‥比較例4で作製した成膜条件No.6の電子写真感光体での像露光光の光量に対する像露光光の光量の比が1.10以上。
(総合評価)
総合評価は、画像ボケ、帯電能、ゴースト、長期使用時の感度ムラ、感度の各評価結果における最も評価のランクが低いものを各実施例、比較例の総合評価の結果とした。
総合評価において、C以上であれば本発明の効果が得られたと判断した。
画像ボケ、帯電能、ゴースト、長期使用時の感度ムラ、および感度の各評価結果を表12に示す。
表12の結果から、以下のことが判った。
実施例2は、実施例1に対し、ホウ素原子含有量が異なる領域を設けた。
実施例1および実施例2の結果から、ホウ素原子の含有量が異なる領域を設けることで帯電能を向上させられことがわかった。
比較例1および比較例2は、実施例1および実施例2に対し、中間層において周期表第13族に属する原子を含有する領域の赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークを1つにした。
実施例1および実施例2、比較例1および比較例2の結果から、以下のことが判った。
中間層において周期表第13族に属する原子を含有する領域の赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークを2つにすることで、耐摩耗性に優れた表面層を積層した場合でも画像ボケを抑制でき、帯電能も維持できる。
比較例3は、実施例1に対し、中間層において周期表第13族に属する原子を含有しない領域の赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークを2つにした。
実施例1および比較例3の結果から、中間層において周期表第13族に属する原子を含有しない領域の赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークを1つとすることでゴースト画像が抑制されることが判った。
比較例4は、実施例1に対し、中間層におけるケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比C/(Si+C)が中間層の層厚方向に漸次変化させない均一の膜にした。
実施例1および比較例4の結果から、以下のことが判った。
中間層におけるケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)の和に対する炭素原子の原子数(C)の比C/(Si+C)を中間層の層厚方向に漸次変化させることで、感度ムラが抑制され、長期使用時の表面層削れに起因する画像濃度ムラが抑制される。
比較例5は、実施例1に対して、中間層におけるケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比(C/(Si+C))が、0.05未満である膜組成を含むようにした。
実施例1と比較例5の結果から、中間層におけるケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比(C/(Si+C))が0.05以上とすることで、帯電能が向上することが判った。
比較例6は、実施例1に対して、中間層におけるケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比(C/(Si+C))が、0.75超である膜組成を含むようにした。
実施例1と比較例6の結果から、中間層におけるケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比(C/(Si+C))が0.75以下とすることで、ゴースト画像が抑制されることが判った。
<実施例3〜7>
実施例2のA〜Gの7点におけるホウ素量および膜構造と膜特性で、中間層の膜厚だけ変更した負帯電用電子写真感光体を作製した。中間層および表面層の形成条件を表13〜17に示す。
実施例1と同様に各々の電子写真感光体を用いて、画像ボケ、帯電能、ゴースト、長期使用時の感度ムラ、および感度のそれぞれについて評価した。評価の結果を表18に示す。
表18の結果から、中間層の層厚が、250nm以上の場合に感度ムラが良好となり、1000nm以下の場合に感度が良好となる。
このことから、中間層の層厚が250nm以上1000nm以下で、耐摩耗性に優れた表面層を積層した場合でも膜剥れを抑制し、表面層削れに起因する長期使用時の感度ムラで発生する画像濃度ムラを抑制しながら、良好な感度を得られることが判った。
<実施例8、9>
実施例8、9では、ホウ素原子の含有量の分布を変更した負帯電用電子写真感光体を実施例1と同様にして作製した。中間層および表面層の形成条件を表19〜20に示す。
表19の実施例8では、表19のAからDの領域にホウ素原子を含有させた。
実施例8は、実施例2に対し、CおよびDの領域より低い含有量のホウ素原子を含有させるAおよびBの領域について、ホウ素原子の含有量を傾斜させた。
ホウ素原子を含有するA〜Dの領域は、赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが2つになる成膜条件にした。ホウ素原子を含有しない表18の他の領域は、赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが1つになる成膜条件にした。
成膜は、表19のホウ素原子の濃度が急峻に変化するBとCの領域の間、およびホウ素原子を含む領域とホウ素原子を含まない領域の境界であるDとEの領域の間で、実施例1と同様の方法で、プラズマ放電用電力を一度切る。そして、圧力と原料ガス流量の設定を変更し、安定した後にプラズマ放電用電力を再度投入した。
また、DとEの領域の成膜条件は、反射防止効果が得られるように屈折率を調整した。
図4に実施例7のBガスのガス導入プロファイルを示した。
表20の実施例9では、表20のAからDの領域にホウ素原子を含有させた。
実施例9は、実施例2に対し、ホウ素原子の含有量の分布について、ホウ素原子の含有量が低い領域の層厚を厚くし、含有量の高い領域の層厚を薄くした。
ホウ素原子を含有するA〜Dの領域は、赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが2つになる成膜条件にした。ホウ素原子を含有しない表20の他の領域は、赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが1つになる成膜条件にした。
成膜は、表20のホウ素原子の濃度が急峻に変化するBとCの領域の間、およびホウ素原子を含む領域とホウ素原子を含まない領域の境界であるDとEの領域の間で、実施例1と同様の方法で、プラズマ放電用電力を一度切る。そして、圧力と原料ガス流量の設定を変更し、安定した後にプラズマ放電用電力を再度投入した。
また、DとEの領域の成膜条件は、反射防止効果が得られるように屈折率を調整した。
図5に実施例8のBガスのガス導入プロファイルを示した。
実施例8および実施例9で作製した負帯電用電子写真感光体のサンプルを実施例1と同様に作製し、C/(Si+C)、赤外吸収スペクトル、ホウ素原子の含有量を実施例1と同様に測定した。結果を表21に示す。
実施例1と同様に各々の負帯電用電子写真感光体を用いて、画像ボケ、帯電能、ゴースト、長期使用時の感度ムラ、および感度について評価した。評価の結果を表22に示す。
表22の結果から、中間層が周期表第13族に属する原子の濃度が異なる2つ以上の領域を有し、かつ
濃度の低い領域で、周期表第13族に属する原子の含有量を層厚方向に傾斜させたり、濃度の高い領域の層厚を薄くすることで、良好な帯電能と感度が得られると同時に、画像ボケがさらに良化することがわかった。
以上、説明したように本発明の負帯電用電子写真感光体は、耐摩耗性に優れた表面層を積層した場合においても、画像ボケ、ゴーストを抑制しながら、良好な帯電能および感度が得られ、長期使用時の画像濃度ムラを抑制し、画像品質を向上できる。
2000‥‥電子写真感光体
2101‥‥円筒状基体
2201‥‥下部電荷阻止層
2301‥‥光導電層
2401‥‥中間層
2501‥‥表面層

Claims (7)

  1. 光導電層、前記光導電層の上の中間層、および、前記中間層の上の表面層を有する電子写真感光体において、
    前記光導電層が、ケイ素原子を含有する非晶質材料で形成されており、
    前記表面層および前記中間層が、アモルファスシリコンカーバイドで形成されており、
    前記中間層におけるケイ素原子の原子数(Si)と炭素原子の原子数(C)との和に対する炭素原子の原子数(C)の比(C/(Si+C))が、0.05以上0.75以下であり、
    前記中間層が、その層厚方向に周期表第13族に属する原子を含有する領域と前記周期表第13族に属する原子を含有しない領域とを有しており、
    前記周期表第13族に属する原子を含有しない領域の赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の範囲におけるピークが1つであり、かつ前記比(C/(Si+C))が層厚方向に漸次変化しており、
    前記周期表第13族に属する原子を含有する領域の赤外吸収スペクトルの2700cm−1〜3000cm−1の領域におけるピークが2つであり、かつ前記比(C/(Si+C))が層厚方向に漸次変化している
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記中間層の層厚が、250nm以上1000nm以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記中間層が、
    前記周期表第13族に属する原子を含有する領域と前記光導電層との間、および、
    前記周期表第13族に属する原子を含有する領域と前記表面層との間に、
    前記周期表第13族に属する原子を含有しない領域を有する請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記中間層が、前記周期表第13族に属する原子を含有する領域に、前記周期表第13族に属する原子の濃度が異なる2つ以上の領域を有し、かつ
    前記周期表第13族に属する原子の濃度が、前記中間層の層厚方向に変化している請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記表面層の層厚が、0.3μm以上2.5μnm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記表面層が、
    表面層に含まれるケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度との和に対する炭素原子の原子密度の比が、0.61以上0.75以下であり、かつ
    ケイ素原子の原子密度と炭素原子の原子密度との和が6.60×1022原子/cm以上のアモルファスシリコンカーバイドである請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  7. 減圧可能な反応容器内に、原料ガスを導入し、高周波電力導入手段から前記反応容器内に導入された高周波電力によって前記原料ガスを分解し、前記反応容器内に置かれた基体の上に堆積膜を形成して請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法において、
    前記中間層における前記周期表第13族に属する原子を含有しない領域は、内圧26.6Pa以下に調整された前記反応容器内の原料ガスに、周波数13.56MHz以下の電力を与えて前記原料ガスを励起させて、前記反応容器内にグロー放電を発生させるプラズマCVD法によって形成され、
    前記中間層における前記周期表第13族に属する原子を含有する領域は、内圧53.3Pa以上に調整された前記反応容器内の原料ガスに、周波数13.56MHz以下の電力を与えて前記原料ガスを励起させて、前記反応容器内にグロー放電を発生させるプラズマCVD法によって形成されることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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