JP2005136027A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 幅広いプラズマ処理条件における、処理品質と処理安定性の向上。
【解決手段】 減圧可能な反応容器101と反応容器101内に基体を設置する基体支持体106と反応容器101内にガスを供給するガス供給手段109と反応容器101内を排気する排気手段119と反応容器101内に供給されたガスのプラズマを生成するための高周波電力供給手段111を備えたプラズマ処理装置100において、少なくともガス供給手段109はプラズマ放電空間中に配置され、プラズマに曝される表面部が導電性材料で、反応容器101内にガスを突出するガス孔部が誘電体で、かつ、表面部を接地する。
【選択図】 図1

Description

本発明は半導体デバイス、電子写真用感光体、画像入力用ラインセンサー、撮影デバイス、光起電力デバイス等を作製するプラズマ処理装置に関する。
従来、半導体デバイス、電子写真用感光体、画像入力用ラインセンサー、撮影デバイス、光起電力デバイス等を作製する真空処理方法として、プラズマCVD法、反応性スパッタ法、熱CVD法、光CVD法等の処理方法が知られており、多くの装置・方法が実用化されている。
例えば、プラズマCVD法を用いたプラズマ処理装置を用いることによって、原料ガスをグロー放電中で分解し、基体上に堆積膜を形成するいことができる。例えば、原料ガスにSiHを用いることで水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)堆積膜を形成することが可能である。プラズマ処理装置では、プラズマの均一性・安定性・再現性が処理の均一性・再現性を決定する要素である。一般的に、プラズマCVD法では、原料ガスを供給しながら排気を行い、反応容器内の雰囲気条件を保持しながら、電力・光・熱などによって原料ガスのプラズマを生成して被処理体に処理を施す。したがって、ガスの供給方法、排気方法、および電力・光・熱の供給方法がプラズマの均一性・安定性・再現性に大いに影響することになる。
例えば、反応容器に高周波電力を供給するための電極として高周波電力供給手段の導入部が複数の部材からなり、前記高周波電力導入部が原料ガス導入手段を兼ねる構成の堆積膜形成装置が開示されている。(例えば、特許文献1参照)
特開平08−232070号公報
上記方法によって、プラズマの均一性・長時間安定性が向上し、構造欠陥の少ない堆積膜を形成できる。
しかしながら、近年、例えば、電子写真装置に対する市場の要求レベルは日々高まっており、印刷並の高画質を実現していくためには、これまで問題とならなかったレベルの膜質むらや微小な球状突起に起因する画像欠陥ならびにその他の電気的特性を向上していく必要があり、それらを実現させるためには、従来に比べて幅広いプラズマ処理条件に対しても、プラズマの均一性、プラズマの安定化を図る必要が出てきた。
例えば、電力供給手段とガス導入手段を共通にしただけの装置では、ガス濃度分布および高周波電力供給効率により生じるプラズマ特性の均一性が不十分な場合や、ガス孔近傍での異常放電によって堆積膜の異常成長を誘発する可能性があった。その結果、処理特性の不均一性、異常放電による堆積膜の異常成長を誘発し、堆積膜に欠陥を形成してしまう場合があった。例えば、a−Si:Hを母材とする電子写真感光体を形成する場合、こうした膜の欠陥は画像欠陥の原因となってしまう。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、プラズマ処理装置の反応容器にガスを供給するガス供給手段の材質および構成によって幅広いプラズマ処理条件において、処理品質と処理安定性が向上することを見出した。
すなわち、減圧可能な反応容器と反応容器内に基体を設置する基体支持体と反応容器内にガスを供給するガス供給手段と反応容器内を排気する排気手段と反応容器内に供給されたガスのプラズマを生成するための高周波電力供給手段を備えたプラズマ処理装置において、少なくともガス供給手段はプラズマ放電空間中に配置され、反応容器内にガスを噴出するガス孔部が誘電体で、ガス孔部を除くプラズマに曝される表面部が導電性材料で、表面部を接地する。
上記構成において、ガス供給手段のプラズマに曝される主表面を導電性材料とし接地することによって、プラズマ生成のための高周波電力がガス供給手段にも伝播され、伝播された高周波電力が放電空間に放射されることによって、ガス供給手段近傍への高周波電力の供給効率が高まり、ガス濃度分布により生じる処理特性の不均一性を改善することができる。さらに、ガスが噴出するガス孔を誘電体で形成することによって、ガス孔での異常放電を抑制し、処理安定性を向上することができる。
その具体的方法として、ガス供給手段の母体を導電性材料で形成し、ガス孔部を誘電体で形成し、かつ、母体が接地する。または、ガス供給手段の母体を誘電体で形成し、ガス孔部を除くプラズマに曝される表面部を導電性材料で被覆し、表面部を接地する。または、ガス供給手段を誘電体からなる第1の部材と導電性材料からなる第2の部材から構成し、第1の部材には反応容器内のガス分布を決定するガス孔を設け、第2の部材にはガス孔から突出されるガスの流れを実質的に阻害しない開口部を設け、第2の部材は開口部を除いて第1の部材をプラズマに曝されないように配置し、接地する。こうすることによって、同様の効果が得られる。
なお、処理均一性の観点から、基体とガス供給手段の最近接面が略平行であることが好ましい。
また、基体およびガス供給手段が円筒状の場合、ガス供給手段のガス孔は基体の数、基体とガス供給手段の配置に応じて、軸方向および周方向に所望の数、所望の間隔、所望の穴径で分布された構成であることが好ましい。
反応容器の少なくとも一部が誘電体で形成され、高周波電力供給手段の高周波電極が反応容器の外側に設置した装置においてガス供給部材近傍での高周波電力の供給効率が改善されるので上記構成で顕著な効果が得られる。
以上説明したように、本発明は、プラズマ処理装置のガス供給手段のプラズマに曝される表面を導電性材料とすることによって、プラズマ空間内に設置されるガス供給手段近傍における高周波電力の供給効率を高め、処理特性の向上が図れる。また、ガスが噴出するガス孔を誘電体とすることによって、ガス管方向での堆積膜の異常成長を防止し、安定性の高い処理を施すことができる。さらに、ガス供給手段を接地することによって、長時間の処理においても安定性を維持できるようになる。
本発明のプラズマ処理装置の一例として、a−Si:H系電子写真感光体形成装置を以下に説明する。
図1は、同時に6本のa−Si:H系感光体を形成できるプラズマ処理装置の縦断面図を示している。図2は図1のプラズマ処理装置のA−B横断面図を示している。図1の装置は、大まかに、プラズマ処理装置100、ガス供給システム102、高周波電源103、真空ポンプ104から構成されている。
プラズマ処理装置100は、減圧可能な反応容器101、反応容器101内同一円周上等間隔に設置された基体支持体106、駆動装置114の駆動力を伝達し基体支持体106を自転させる回転軸シャフト107、反応容器101に加熱ガスや原料ガスを導入するガス供給手段となるガス管109、反応容器101内を減圧するために真空ポンプ104を接続するための排気配管118および排気口119、反応容器101内へ導入した原料ガスのプラズマを生成のための高周波電力を印加する高周波電極112、高周波電極112から放出される電磁波がプラズマ処理装置外に漏れないように遮蔽するシールド容器108等から構成されている。
図1に示す装置の反応容器101は円筒状で、反応容器101の上面および下面は基本的に平面で閉塞された構造になっている。なお、上下面は高周波電力を遮蔽するために導電性の材質であることが好ましい。特に制限は無いが、加工性、耐久性、コストの面から、アルミニウム合金あるいはステンレスが好適な材料として挙げられる。一方、側面部は外部に設けられた高周波電極112から放射される電磁波を反応容器101内に透過するために、少なくとも一部を誘電体で構成し、その材質にはアルミナ、二酸化チタン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ジルコン、コンジェラート、ジルコン−コンジェラート、酸化珪素酸化ベリリウムマイカ系セラミック等を用いることが好ましい。中でも加工性、耐久性に加え、高周波電力の吸収がより少ないという点からアルミナがより好適な材料である。
なお、反応容器101のプラズマに接触する内面は堆積膜の密着性を向上させるために、堆積膜が付着する面をJIS B0601(1994)に準じて測定される十点平均粗さRz(JIS)が10nm以上100nm以下の範囲とすることが好ましい。
続いて、ガス供給システム102は、処理に用いる加熱ガスや原料ガス、例えばSiH、GeH、H、B、PH、CH、NO、Ar、He、N等をマスフローコントローラー等により所定流量で供給可能な構成となっており、ガス管109を通じて反応容器101内へ供給する構成である。
高周波電源103から出力された高周波電力は、整合回路111、電力分岐板110を介して反応容器101外に複数設置された棒状の高周波電極112に供給する構成である。そして、電力分岐板110、高周波電極112ならびに反応容器101はシールド容器108内に収納されている。
反応容器101内は真空ポンプ104によって所望の圧力まで真空引きと、ガス供給システム102より所望のガスを所定流量で供給し、コンダクタンスバルブ113によって、真空ポンプ104の排気速度を調整することによって所望の圧力に調整することが可能になっている。
図1の装置に用いるガス管109の形態について、図3、図4および図5を参照しながら説明する。図3、図4および図5は本発明の装置に用いるガス管109の一例の拡大図である。図1の装置に用いるガス管109は、片端を閉塞したパイプ形状であって、他端よりガス供給システムから処理に用いるガスを導入する構成になっている。ガス管109には軸方向にガス孔が設けられ、表面部が導電性部材で形成され、ガス孔部分のみ誘電体で形成されている。図3に示す例は、ガス孔301を形成した誘電体のネジ302を導電性のガス管303に設置した構成である。図4に示す例は、誘電体で形成したガス管403にガス孔401を設け、ガス孔401部を除く表面に導電性材料404で被覆した構成である。または、図5に示す例は、誘電体で形成した第1のガス管502と第1のガス管よりも一回り大きい導電性材料で形成した導電性パイプ503を第1のガス管に被せた2重構造のガス管であり、ガス孔501は第1のガス管に設けられ、第2のガス管にはガス孔501より噴出するガスの流れを実質的に阻害しないように第1のガス管のガス孔501よりも広い開口部504が設けられた構成である。
ガス供給手段に使用する導電性材料には、高周波電力が伝播を促すために、低抵抗のものが好ましく、金属を用いることが好ましく、Al、Cu、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、およびこれらの合金、例えばアルミニウム合金、ステンレスが好適な材質として挙げられる。また、ガス供給手段に使用する誘電体には、アルミナ、二酸化チタン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ジルコン、コンジェラート、ジルコン−コンジェラート、酸化珪素酸化ベリリウムマイカ系セラミック等を用いることが好ましい。
プラズマ処理装置によって堆積膜を形成する場合には、ガス管表面にも堆積膜が付着する。特に連続した長時間の処理を行う場合や付着した堆積膜の除去工程を複数回の処理毎に施すような場合には反応容器101内に付着した堆積膜が各部材からはがれて、反応容器101内にダストを発生する可能性が高くなる。堆積膜の密着性は付着面の微細な表面形状に依存するため、堆積膜が付着する面JIS B0601(1994)に準じて測定される十点平均粗さRz(JIS)が10nm以上100nm以下の範囲とすることが好ましい。
ガス供給手段であるガス管の表面粗さを上記規定値にする方法として、ブラスト加工、溶射加工等が挙げられる。溶射加工を施す場合には、溶射材として、Al、Cu、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、およびこれらの合金、例えばアルミニウム合金、ステンレスの溶射で被覆することが好ましい。
次に、図1の装置で作製可能なa−Si:H系感光体の模式断面図の一例を図7に示す。図7のa−Si:H系感光体は、基体である導電性の基体701上に電荷の注入を阻止する第1層として電荷注入阻止層702、第2層として光導電層703、第3層として表面層704の順に積層し、第1層と第2層の間にキャリアの移動性や機械的な密着性を向上する目的で電荷注入阻止層の変化領域705を設けている。
さらに、図7には示していないが、第2層の光導電層703と第3層の表面層704の間にキャリアの移動性、光の透過性や機械的な密着性を改善する目的として表面層の変化領域を設けても良い。また、他のa−Si:H系感光体の層構成の例として、光導電層703を電荷発生層と電荷輸送層の2層に機能分離したものや、光導電層703と表面層704の間に上部電荷注入阻止層を積層し、負帯電極性を持たせた感光体等が挙げられる。
図1のプラズマ処理装置を用いて図7に示すa−Si:H系感光体を作製する手順を以下に説明する。a−Si:H系感光体の作製は、大まかに、基体の切削・洗浄を行う前処理工程、基体を堆積膜形成装置に投入する投入工程、基体を加熱する加熱工程、基体上に堆積膜を形成する堆積膜形成工程、堆積膜形成後、基体を取り出す搬出工程、堆積膜形成装置のクリーニングを行う後処理工程の順に行われるが、投入工程から搬出工程について以下に説明する。
初めに、投入工程では円筒状基体105を反応容器101内の基体支持体106に設置し、真空ポンプ104により反応容器101内を排気する。円筒状基体105設置後、真空ポンプ104によって所望の圧力まで排気するが、排気によって反応容器101内のダストを巻き上げないように、通常よりも遅い排気速度で所定圧力まで減圧した後、通常の排気速度で所望圧力まで排気する。排気速度の調整は、コンダクタンスバルブ113による排気コンダクタンス調整、真空ポンプの切り替え、真空ポンプの回転周波数の変更等が挙げられる。
続く加熱工程では、ガス供給システム102よりガス管109を通じて加熱ガスを反応容器101内に導入し、円筒状基体105、あるいは、基体支持体106内側の空間にも加熱ガスを導入する。なお、加熱ガスは反応性が低く、円筒状基体105や反応容器101内の部品に悪影響を及ぼさず、加熱工程終了後の堆積膜形成工程へ影響をしないガス種であることが必要である。そして、加熱ガスは熱伝導率が高く、コスト的に安価なガスであることが好ましいので、H、He、N、Arを用いることが好ましい。
加熱ガスが所定流量になったら、コンダクタンスバルブ113の開度を調整して反応容器101内を所定圧力に設定する。あるいは、真空ポンプ104の排気速度を調整して、反応容器101内を所定圧力に設定する。所定圧力は、発熱体115の発熱量、加熱ガス種、加熱設定温度等によって最適化することが好ましいが、ガス雰囲気の熱伝導率は数百Paから数MPaの範囲で圧力にほとんど依存しないので、数百Paから数kPa以下の圧力に設定すれば、十分な熱伝導率を得られる。
また、発熱体115は円筒状基体105、基体支持体106を加熱可能なものならば特に制限はなく、例えば、シース状ヒータの巻き付けヒータ、板状ヒータ、セラミックヒータ等の電気抵抗発熱体、ハロゲンランプ、赤外線ランプ等の熱輻射ランプ発熱体、液体、気体等を媒体とした熱交換手段による発熱体が挙げられる。本例ではシース状の巻き付けヒータを用いている。
円筒状基体105が所望温度に加熱・制御できたら、加熱ガスの供給を停止し、真空ポンプ104によって、反応容器101内のArガスを十分排気する。加熱ガスの排気が終了したら、続いて、ガス供給システム102よりガス管109を通じて電荷注入阻止層形成に用いるガス種を所定流量で反応容器101内に供給し、コンダクタンスバルブ113の開度を調整して反応容器101内を所定圧力に設定する。
反応容器101内の圧力が安定したら、高周波電源103より整合回路111、電力分岐板110を介して複数の高周波電極112に高周波電力を印加して反応容器101内に原料ガスのプラズマを生成し、円筒状基体105上に電荷注入阻止層を形成する。電荷注入阻止層形成中、基体温度は所定温度範囲に制御する。電荷注入阻止層形成時の基板温度は150〜300℃の範囲が好ましく、より好ましくは150〜250℃の範囲が好ましい。
電荷注入阻止層が所望の膜厚に到達したら、ガス種、ガス流量、印加電力、反応圧力等を光導電層形成条件まで、同時または別々に変化して電荷注入阻止層の変化領域を形成する。変化は各々連続的であっても良いし、段階的不連続な変化であっても良い。
反応容器101内が光導電層形成条件に設定できたら光導電層の形成を続けて行い、光導電層が所望の膜厚に到達したら、高周波電力の供給を停止し、光導電層の形成を終了する。光導電層形成中、基板温度は所定温度範囲に制御する。光導電層形成時の基板温度は、150〜300℃の範囲、より好ましくは、180〜250℃の範囲が好ましい。
その後、反応容器101内を、表面層形成条件にして、高周波電源103より整合回路111を介して高周波電極112に高周波電力を印加して原料ガスのプラズマを生成し、光導電層上に表面層を形成する。表面層が所望の膜厚に到達したら、高周波電力の供給を停止し、原料ガスの供給も停止してa―Si:H系感光体の形成を終了する。図7の電子写真感光体は光導電層703と表面層704の間に界面があるが、電荷注入阻止層702と光導電層703を変化領域705で形成したように変化領域を設けて、連続的な形成を行っても良い。
a−Si:H系感光体形成終了後、ガス供給システム102よりガス管109を通じてパージガス導入と真空ポンプ104による真空引きによって、反応容器101内を複数回パージし、冷却ガス用の不活性ガス例えばHeガスを反応容器101内に所定圧力で詰めて冷却を行う。円筒状基体105の温度が十分冷えたら冷却ガスを真空ポンプ104で排気した後、ガス管109よりベントガスを導入して反応容器101内を大気圧にして、反応容器101から円筒状基体105を取り出す。
(実験例および実施例)
以下に、実験例および実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら制限されるものではない。
(実験例1)
本実施例では図1の装置に図3に示す形状のガス管109を用いて、図7に示す層構成のa−Si:H系感光体の作製を行った。本実験例に用いたガス管109は、長さ500mm、直径10mm、内径6mmのSUS製パイプの片端をR5の曲面で閉塞し、アルミナ製のM4の六角留めネジに、直径1mm深さ2mmのガス孔を設けた部材を作製し、SUS製パイプの軸方向に等間隔10個取り付けている。また、SUS製パイプを反応容器と直流的に接地した。さらに、ガス管109の表面はブラスト処理によって、JIS B0601(1994)に準じて測定される十点平均粗さRz(JIS)を10nm以上20nm以下の範囲にした。なお、十点平均粗さRz(JIS)の測定はサーフテストSJ−400(株式会社ミツトヨ製)を用い、カットオフを2.5mm、測定長さを12.5mmとして測定した。また、高周波電源103の発信周波数は105MHzを選択した。
a−Si:H系感光体の作製手順を以下に説明する。まず、投入工程において、切削・脱脂洗浄した直径80mm、長さ358mmのアルミニウムを主原料とする円筒状基体105を基体支持体106に積載し、真空ポンプ104によって50Pa以下まで真空引きを行った。
加熱工程では、駆動装置114により回転軸シャフト107を介して基体支持体106及び基体支持体106に積載された円筒状基体105を1rpmで自転させながら、加熱用ガスとしてHeガスを500sccmで反応容器101に供給すると同時に真空ポンプ104で排気しながら、反応容器101内の圧力を100Paに維持し、発熱体115によって、120分で200℃に加熱・制御した。
加熱工程終了後、成膜工程では加熱ガスの供給と円筒状基体105の自転を停止し、反応容器101内を1Pa以下まで減圧した後、反応容器101内を表1の電荷注入阻止層条件として電荷注入阻止層を成膜した後、電荷注入層の変化領域、光導電層、表面層の順に堆積膜を順じ形成して、a−Si:H系感光体を作製した。
Figure 2005136027
搬出工程では、反応容器101内を1Pa以下まで一旦減圧した後、ガス管109よりArガスを供給して複数回パージを行った後、ガス管109より冷却ガスとしてHeガスを反応容器101内に供給し反応容器101の内圧を1×10Paとして円筒状基体105を自然冷却した。円筒状基体105の温度が十分下がったら、冷却用のHeガスを一旦排気した後、ガス管109よりNガスを供給し、反応容器101を大気圧に戻し反応容器101より円筒状基体105を取り出した。
(比較実験例1)
本比較実験例では、図1に示す装置に図6に示す形状の誘電体のガス管109を用いて、実施例1と同様の手順、同じ層構成のa−Si:H系感光体を作製した。なお、本比較例に用いたガス管109は、長さ500mm、直径10mm、内径6mmのアルミナ製パイプの片端をR5の曲面で閉塞し、直径1mm深さ2mmのガス孔を軸方向に等間隔10個設けている。また、ガス管109の表面はブラスト処理によって、JIS B0601(1994)に準じて測定される十点平均粗さRz(JIS)を10nm以上20nm以下の範囲にした。
実験例1および比較実験例1で作製したa−Si:H系感光体の周方向の特性について「帯電能の周方向むら」、「残電の周方向むら」、「球状突起の周方向むら」について、以下の具体的方法で評価した。
「帯電能の周方向むら」
電子写真感光体の帯電能は、電子写真感光体を本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機iR5000に設置し、上記複写機の主帯電器に一定電流を流した時の現像器位置での感光体表面の暗部電位を測定する。帯電能測定は電子写真感光体の軸方向中心位置で感光体周方向にわたって行い、各周方向について膜厚当たりの帯電能に換算し、帯電能の周方向むらはその最大値と最小値の差で定義した。したがって、数値が低いほど良好である。
「残電の周方向むら」
電子写真感光体の残電は、電子写真感光体を本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機iR5000に設置し、上記複写機の主帯電器に電流を流し、表面電位の平均値を設定値に帯電させ、像露光器位置で一定光量を照射した際の現像器位置での感光体表面の電位を測定する。残電測定は電子写真感光体の軸方向中心位置で感光体周方向にわたって行い、各周方向について膜厚当たりの残電に換算し、残電の周方向むらはその最大値と最小値の差で定義した。したがって、数値が低いほど良好である。
「球状突起の周方向むら」
電子写真感光体の表面を顕微鏡で観察し、一定面積にある直径10μm以上の球状突起数を数える。測定された球状突起数を膜厚当たりの球状突起数に換算し、球状突起の周方向むらはその最大値と最小値の差で定義した。したがって、数値が低いほど良好である。
評価の結果、誘電体のガス管を用いた比較実験例1に比べ、実験例1で作製した電子写真感光体は特にガス管方向の特性が向上し、「帯電能の周むら」が約50%良化し、「残電の周むら」は40%良化した。さらに、実験例1で作製した電子写真感光体の「球状突起」は比較実験例1で作製した電子写真感光体よりもガス管方向で50%程度少なく、本発明の優れた効果が確認された。
(実施例1)
本実施例では、実験例1と同じガス管を用いて、表2に示す成膜条件のa−Si:H系感光体を作製した。特に、本実施例では、成膜時も円筒状基体105を自転させた。
Figure 2005136027
(比較例1)
本比較例では、比較実験例1と同じガス管を用いて、実施例1と同様の手順、同じ層構成のa−Si:H系感光体を作製した。
実施例1および比較例1で作製したa−Si:H系感光体の周方向の特性について「帯電能」、「残電」、「球状突起」について、以下の具体的方法で評価した。
「帯電能」
電子写真感光体の帯電能は、電子写真感光体を本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機iR5000に設置し、上記複写機の主帯電器に一定電流を流した時の現像器位置での感光体表面の暗部電位を測定する。帯電能測定は電子写真感光体の軸方向中心位置で感光体周方向にわたって行い、その平均値で定義した。したがって、数値が高いほど良好である。
「残電」
電子写真感光体の残電は、電子写真感光体を本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機iR5000に設置し、上記複写機の主帯電器に電流を流し、表面電位の平均値を設定値に帯電させ、像露光器位置で一定光量を照射した際の現像器位置での感光体表面の電位を測定する。残電測定は電子写真感光体の軸方向中心位置で感光体周方向にわたって行い、その平均値で定義した。したがって、数値が低いほど良好である。
「球状突起」
電子写真感光体の表面を顕微鏡で観察し、一定面積にある直径10μm以上の球状突起数を数える。したがって、数値が小さいほど良好である。
評価の結果、誘電体のガス管を用いた比較例1に比べ、実施例1で作製した電子写真感光体は特にガス管方向の特性が向上し、「帯電能」が約20%良化し、「残電」は10%良化した。さらに、実施例1で作製した電子写真感光体の「球状突起」は比較例1で作製した電子写真感光体よりも20%程度少なく、本発明の優れた効果が確認された。
(実施例2)
本実施例では、図1の装置に図4に示す形状のガス管を用いて、実験例1と同様の手順、同じ層構成のa−Si:H系感光体を作製した。なお、本実施例で用いたガス管109は、長さ500mm、直径10mm、内径6mmのアルミナ製パイプの片端をR5の曲面で閉塞し、直径1mm深さ2mmのガス孔を軸方向に等間隔10個設け、このガス孔の周囲2.5mmの幅を除いてNi溶射にて導電性材料を被覆し、被覆部を反応容器と直流的に接地した。また、ガス管109の表面は、JIS B0601(1994)に準じて測定される十点平均粗さRz(JIS)を10nm以上20nm以下の範囲にした。
(比較例2)
本比較例では、図1に示す装置に図6に示す形状の導電性のガス管109を用いて、実施例1と同様の手順、同じ層構成のa−Si:H系感光体を作製した。なお、本比較例で用いたガス管109は、長さ500mm、直径10mm、内径6mmのSUS製パイプの片端をR5の曲面で閉塞し、直径1mmのガス孔を軸方向に等間隔10個設けたものである。また、SUS製パイプを反応容器の直流的に接地している。なお、ガス管109の表面はブラスト処理によって、JIS B0601(1994)に準じて測定される十点平均粗さRz(JIS)を10nm以上20nm以下の範囲にした。
実施例2および比較例2で作製したa−Si:H系感光体について「帯電能」、「残電」、「球状突起」について実施例1と同様の方法で評価した。
評価の結果、導電性のガス管を用いた比較例2に比べ、実施例2で作製した電子写真感光体は、「帯電能」および「残電」は、ほぼ同レベルであったものの、「球状突起」は比較例2で作製した電子写真感光体はガス管方向で大幅に悪化しており、本発明の優れた効果が確認された。
(実施例3)
本実施例では、図1に示す装置に図5に示すガス管109を用いて、実施例1と同様の手順、同じ層構成のa−Si:H系感光体を作製した。本実施例で用いたガス管109は、長さ505mm、直径14mm、内径12mmのSUS製パイプの片端をR7の曲面で閉塞し、直径6mmの開口部を軸方向に等間隔10個設けた第1の部材と長さ500mm、直径10mm、内径6mmのアルミナ製パイプの片端をR5の曲面で閉塞し、直径1mmのガス孔を軸方向に等間隔10個設けた第2の部材から構成した。また、第1の部材を反応容器と直流的に接地した。
また、第1の部材の表面はブラスト処理によって、JIS B0601(1994)に準じて測定される十点平均粗さRz(JIS)を10nm以上20nm以下の範囲にした。
(比較例3)
本比較例では、実施例1と同様の装置、手順で同じ層構成のa−Si:H系感光体を作製した。ただし、第1の部材は接地しなかった。
実施例3および比較例3で作製したa−Si:H系感光体について「帯電能」、「残電」、「球状突起」について実施例1と同様の方法で評価した。
評価の結果、ガス管を接地しなかった比較例3に比べ、実施例3で作製した電子写真感光体は、「帯電能」は10%良化し、「残電」は20%良化した。また、「球状突起」は比較例3で作製した電子写真感光体よりも10%程度少なく、本発明の優れた効果が確認された。
a−Si:H系感光体を形成可能な本発明のプラズマ処理装置の縦断面図 a−Si:H系感光体を形成可能な本発明のプラズマ処理装置の横断面図 本発明のガス供給手段の一例 本発明のガス供給手段の一例 本発明のガス供給手段の一例 従来のガス供給手段の一例 a−Si:H系感光体の層構成断面の模式図
符号の説明
100 プラズマ処理装置
101 反応容器
102 ガス供給システム
103 高周波電源
104 真空ポンプ
105 円筒状基体
106 基体支持体
107 回転軸シャフト
108 シールド容器
109 ガス供給手段
110 電力分岐板
111 整合回路
112 高周波電極
113 コンダクタンスバルブ
114 回転駆動装置
115 発熱体
116 減速ギヤ
117 同軸ケーブル
118 排気配管
119 排気口
120 プラズマ漏れ防止体
301 ガス孔
302 誘電体製の六角留めネジ
303 導電性材料のパイプ
401 ガス孔
402 誘電体露出部
403 誘電体のパイプ
404 導電性材料による被覆部
501 ガス孔
502 誘電体パイプの露出部
503 導電性材料のパイプ
504 導電性材料被覆部
601 ガス孔
602 誘電体または導電性材料のパイプ
701 基体
702 電荷注入阻止層
703 光導電層
704 表面層
705 電荷注入阻止層の変化領域

Claims (7)

  1. 減圧可能な反応容器と前記反応容器内に基体を設置する基体支持体と前記反応容器内にガスを供給するガス供給手段と前記反応容器内を排気する排気手段と前記反応容器内に供給されたガスのプラズマを生成するための高周波電力供給手段を備えたプラズマ処理装置において、
    少なくとも前記ガス供給手段はプラズマ放電空間中に配置され、前記反応容器内にガスを噴出するガス孔部が誘電体であり、前記ガス孔部を除くプラズマに曝される表面部が導電性材料であり、かつ、前記表面部が接地されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記ガス供給手段の母体が導電性材料であり、前記ガス孔部が誘電体であり、かつ、前記母体が接地されている請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記ガス供給手段の母体が誘電体であり、前記ガス孔部を除くプラズマに曝される表面部が導電性材料で被覆され、前記表面部が接地されている請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記ガス供給手段が誘電体からなる第1の部材と導電性材料からなる第2の部材から構成され、前記第1の部材は、前記反応容器内のガス吹き出し分布を決定するガス孔を有し、前記第2の部材は前記ガス孔から突出されるガスの流れを実質的に阻害しない開口部を有し、前記第2の部材は前記開口部を除いて前記第1の部材をプラズマに曝されないように配置され、接地されている請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記基体と前記ガス供給手段の最近接面が略平行である請求項1から4に記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記基体および前記ガス供給手段が円筒状であり、前記ガス供給手段のガス孔は軸方向および周方向に所望の数、所望の間隔、所望の穴径で分布されている請求項1から5に記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記反応容器の少なくとも一部が誘電体で形成され、前記高周波電力供給手段の高周波電極が前記反応容器の外側に設置されている請求項1から6に記載のプラズマ処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010001879A1 (ja) * 2008-07-01 2010-01-07 株式会社ユーテック プラズマcvd装置、薄膜の製造方法及び磁気記録媒体の製造方法

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