JP2018163338A - 電子写真感光体および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面層の成膜段階においては、基体端部から膜が剥離・脱落する等の異常の発生を抑制することができ、製品化後の使用段階においても、安定した印画品質を維持・再現することのできる電子写真感光体およびそれを用いた画像形成装置を提供する。【解決手段】電子写真感光体は、基体外周面1aと基体端面1dとの間に、2段階の面取り面を有する円筒状基体1と、基体外周面1a上に位置している表面層とを備え、円筒状基体1は、外側面取り面1bと、外側面取り面1bよりも端面1dの側に位置する内側面取り面1cとを含み、円筒状基体1の回転軸線を通る側断面視において、内側面取り面1cの長さL2が、外側面取り面1bの長さL1より長い(L1<L2)。【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真感光体およびこれを備えた画像形成装置に関するものである。
画像形成装置に用いられる電子写真感光体は、たとえば、円筒状の基体などの外周面の表面(外表面)に、電荷注入阻止層,光導電層,表面保護層等からなる表面層を形成した構成をとる。この電子写真感光体に関し、本出願人は、特許文献1において、電子写真感光体の円筒状基体の端部の面取り部を2段以上の複数段(複数の面取り面)にして、表面層の成膜時に、面取り面にも表面層を付着させることにより、この成膜時に円筒状基体の外周面に形成した表面層に発生する微小突起などの成膜欠陥を抑制することができる電子写真感光体を、提案している。
特開2008−14964号公報
ところで、電子写真感光体を作製する過程において、表面層(電荷注入阻止層,光導電層,表面保護層)を形成する成膜中に、形成途中の膜の一部が基体の端部、特に面取り面から剥離すると、この剥離片が成膜チャンバー内で飛散して、最終製品において印画部となる基体の外周面に付着し、印画部表面の平坦性不良を引き起こして、印画後に異常スジが発生する等の画像異常の原因となってしまう場合があった。
そこで、表面層の成膜段階において、基体端部から膜が剥離・脱落する等の異常の発生を抑制することができ、製品化後の使用段階においても、安定した印画品質を維持・再現することのできる電子写真感光体およびそれを用いた画像形成装置が求められている。
本発明の実施形態に係る電子写真感光体は、外周面と端面との間に面取り面を有する円筒状基体と、前記外周面上に位置している表面層と、を備え、
前記円筒状基体は、外側面取り面と、前記外側面取り面よりも前記端面の側に位置する内側面取り面と、を含み、
前記円筒状基体の回転軸線を通る側断面視において、前記内側面取り面の長さが、前記外側面取り面の長さより長い。
一方、本発明の実施形態に係る画像形成装置は、前記電子写真感光体を備える。
本発明の実施形態に係る電子写真感光体および画像形成装置は、表面層の成膜時における、円筒状基体の端部の面取り面からの膜の剥離や脱落等が抑制されているため、これらに起因する製品化後の異常の発生を抑制することができる。その結果、製品化後の使用段階においても、安定した印画品質を維持・再現することができる。
(a)は本発明の実施形態に係る電子写真感光体を示す半断面図であり、(b)は(a)のQ部を拡大した模式的断面図である。 (a)は本発明の実施形態の電子写真感光体に用いられる円筒状基体の半断面図であり、(b)は(a)のR部を拡大した模式的断面図、(c)はさらにその一部を拡大した模式図である。 電子写真感光体の製造に用いられる堆積膜形成装置の概略構成図である。 堆積膜形成装置中における電子写真感光体の積み重ねの様子を示す半断面図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る電子写真感光体およびこれを備えた画像形成装置について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の内容は、本発明の実施形態を例示するものであって、本発明はこれらの実施形態の例に限定されるものではない。
図1に示す電子写真感光体10は、図3に示す堆積膜形成装置(20)を用いて、図2に示す円筒状基体1を、図4に示すように堆積膜形成装置の中で縦(鉛直)方向に積み重ねた状態で、これら2本の円筒状基体1の表面(主に基体外周面1a)に、耐圧層11,電荷注入阻止層12,光導電層13,表面保護層14からなる表面層2を順次積層(成膜)したものである。なお、電荷注入阻止層12と光導電層13とを合わせて「感光層」と呼ぶ場合もある。また、図1,図4に記載の表面層2は、各層(膜)の厚みを強調して描いているため、膜厚比や凹凸比は実際のものとは異なる(図3,図5も同様)。
図2に示す成膜前の円筒状基体1は、表面層2の支持体となるものであり、少なくとも円筒状基体1の表面は導電性を有する。円筒状基体1は、たとえばアルミニウム(Al),ステンレススチール(SUS),亜鉛(Zn),銅(Cu),鉄(Fe),チタン(Ti),ニッケル(Ni),クロム(Cr),タンタル(Ta),スズ(Sn),金(Au),銀(Ag),マグネシウム(Mg)およびマンガン(Mn)などの金属材料、あるいはこれら例示した金属材料を含む合金によって、全体が導電性を有するものとして形成されている。
また、円筒状基体1は、樹脂,ガラスあるいはセラミックスなどの表面に、例示した金属材料ならびにITO(Indium Tin Oxide)あるいはSnO(2酸化すず)などの透明導電性材料による導電性膜を被着したものであってもよい。
これらの例示した材料のうち、円筒状基体1を形成するための材料としては、アルミニウム(Al)系材料を用いればよく、円筒状基体1の全体をアルミニウム(Al)系材料で形成すればよい。そうすれば、電子写真感光体10を軽量かつ低コストで製造可能であり、その上、電荷注入阻止層12および光導電層13をアモルファスシリコン(a−Si)系材料で形成する場合には、それらの層と円筒状基体1との間の密着性が高くなって信頼性を向上させることができる。
円筒状基体1の表面(基体外周面1a)は、粗面化されていてもよい。基体外周面1aの表面粗さは、粗面化後で、たとえば算術平均高さSaが50nm以上140nm以下となるようにすればよい。また、粗面化を行なう方法としては、たとえば、ウェットブラスト、スパッタエッチング、ガスエッチング、研磨、旋削加工、ウェットエッチング、ガルバニック電喰などを用いればよい。上記表面粗さ(Sa値)を満たす抽伸管であれば、表面形状を調整するための表面処理をせずにそのまま用いることもできる。なお、本実施形態においては、表面の算術平均高さSaが25nm以上の部位(面領域)を「粗面」と呼ぶ。
また、基体外周面1aは、上述の粗面化の前に、鏡面加工を行なってもよい。その場合には鏡面加工の後で粗面化の前に油分除去を行なうようにすればよい。さらに、円筒状基体1の表面粗さは、鏡面加工後で、たとえば、算術平均高さSaが25nm未満となるようにすればよい。なお、本実施形態においては、表面の算術平均高さSaが25nm未満の部位(面領域)を「鏡面」という。
なお、本明細書において用いる算術平均高さSaとは、ISO25178によって定義される3次元の表面性状を表すパラメータの一つであって、測定対象領域中の表面の平均面からの高さの絶対値の算術平均(単位:nm)を示す。また、当該測定は、オリンパス株式会社製3次元測定レーザ顕微鏡OLS4100により、ISO25178に準拠した3次元粗さパラメータにて表面形状を計測した。なお、電子写真感光体10(表面層)の測定は、そのまま製品表面を計測し、表面層2下の円筒状基体1の外表面(基体外周面1a)の測定は、電子写真感光体の製品からClFやCF等を用いたドライエッチングで表面層を除去した後、計測を行った。
また、電子写真感光体10の表面性状は、必ずしも表面保護層14の全面において、所定の範囲を満たす必要はない。たとえば、円筒状基体1の軸方向両端部等においては、表面性状が範囲外の値となってもよい。
表面層2を構成する各層を簡単に説明すると、図1(b)に示すように、最も円筒状基体1側でかつ円筒状基体1に密着する耐圧層11は、表面被覆層における耐電圧特性を向上させるためのものであり、アモルファス窒化シリコン(a−SiN)を含有する層である。耐圧層11(アモルファス窒化シリコン含有層)における窒素原子数とシリコン原子数との合計に対する窒素原子数の比率(N/(Si+N))は、0.32以下とされる。このような範囲にシリコン原子と窒素原子の比率を設定することにより、表面層における耐電圧特性を適切に確保することができるとともに、残留電位の発生を適切に抑制することができる。たとえばアモルファスシリコン(a−Si)に、ドーパントとして少なくとも窒素(N)を含有するものを用いることができ、その厚さは0.5〜15μmとされている。なお、耐圧層は、耐電圧層または耐圧保持層とも呼ばれる。
電荷注入阻止層12は、円筒状基体1からのキャリア(電子)の注入を阻止する役割を有するものであり、たとえばアモルファスシリコン(a−Si)系材料で形成されている。この電荷注入阻止層12は、たとえばアモルファスシリコン(a−Si)に、ドーパントとしてホウ素(B)と場合により窒素(N)か酸素(O)またはその両方を含有させたもの、あるいはリン(P)と場合により窒素(N)か酸素(O)またはその両方を含有させたものを用いることができ、その厚さは2〜10μmとされている。
光導電層13は、レーザ光などの光照射によってキャリアを発生させる役割を有するものであり、たとえばアモルファスシリコン(a−Si)系材料ならびにSe−TeあるいはAsSeなどのアモルファスセレン(a−Se)系材料で形成されている。本例の光導電層13は、アモルファスシリコン(a−Si)ならびにアモルファスシリコン(a−Si)に炭素(C),窒素(N)および酸素(O)などを加えたアモルファスシリコン(a−Si)系材料で形成されており、ドーパントとしてホウ素(B)あるいはリン(P)が含有されている。アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いて光導電層13を形成する場合、その厚さは5〜100μm程度、より具体的には10〜80μmに設定すればよい。
表面保護層14は、光導電層13の表面を保護する役割を有するものであり、たとえばアモルファス炭化シリコン(a−SiC)あるいはアモルファス窒化シリコン(a−SiN)などのアモルファスシリコン(a−Si)系材料または、アモルファスカーボン(a−C)を用いるか、あるいはそれらの多層構造とすればよい。本例では、成膜後に最外表面となる表面保護層14は、画像形成装置内での摺擦に対する耐摩耗性の観点から、耐性の高いアモルファスカーボン(a−C)が採用されている。表面保護層14の厚さは、電子写真感光体10の必要耐久枚数に合わせて調整すればよく、必要以上に厚くする必要はない。たとえば、その厚さは0.1〜2μm、より具体的には0.5〜1.5μmに設定すればよい。
つぎに、図2を用いて、電子写真感光体10の円筒軸線方向の角部、すなわち、成膜前の円筒状基体1の基体外周面1aと基体端面1dとの間に、エッジ角度を緩和する2段階の面取り面(図中の1b,1c)が形成された円筒状基体1について説明する。なお、先にも述べたように、図2に記載の円筒状基体1は、後記するプラズマCVD(化学気相成長:Chemical Vapor Deposition)装置20等を用いて、基体表面上に表面層2が形成される前の状態を示している。なお、本実施形態では、2段階の面取り面を有する電子写真感光体10を例にとって説明するが、3段階以上の面取り面を有するようにしてもよい。
図2(b)に拡大して示す円筒状基体1の軸方向端部には、基体外周面1aと基体端面1dとの間に、異なる傾斜角を有する、斜面(C面)状の外側面取り面1bと、同様の斜面状の内側面取り面1cとが、切削等を用いた面取り加工により形成されている。
外側面取り面1bは、基体外周面1aに連続して形成されており、図2(b)のように円筒状基体1の回転軸線を通る側断面視で見た場合、その長さL1(mm)は、たとえば0.03〜0.20mmとなっている。なお、本実施形態では、基体外周面1aと外側面取り面1bとが連続している構成であるが、両者が完全に連続していない構成を採用してもよい。
また、内側面取り面1cは、一端(図示上側)が外側面取り面1bに連続しており、他端(図示下側)が基体端面1dに連続するよう形成されている。さらに、内側面取り面1cは、図2(b)のように円筒状基体1の回転軸線を通る側断面視で見た場合、その長さL2(mm)が、たとえば0.2〜0.5mm程度となっている。なお、本実施形態では、外側面取り面1bと内側面取り面1cとが連続している構成であるが、両者が完全に連続していない構成を採用してもよい。同様に、内側面取り面1cと基体端面1dとが両者が完全に連続していない構成を採用してもよい。
ここで、内側面取り面1cの傾斜方向の長さL2と、外側面取り面1bの傾斜方向の長さL1とを比較すると、本実施形態の円筒状基体1では、内側面取り面1cの長さL2が、外側面取り面1bの長さL1より長く形成されている(L1<L2)。
また、同じ円筒状基体1の回転軸線を通る側断面視で見た場合、基体端面1dの円筒径方向の長さL3は、内側面取り面1cの傾斜方向の長さL2より長く形成されている(L2<L3)。
すなわち、本実施形態の円筒状基体1は、これら側断面視で見た場合、基体端面1dの長さL3,内側面取り面1cの長さL2,外側面取り面1bの長さL1の3者の間に、下記式(1)の関係が成り立つように形成されている。
L1 < L2 < L3 ・・・・・(1)
以上の構成により、本実施形態の電子写真感光体10は、図3に示すようなプラズマCVD装置20中で、図4に示すように縦方向に積み重ねた状態で表面層2を形成(成膜)する場合でも、基体端部の2段面取り面1b,1cからの膜の剥離や脱落等が少なく、これに起因する製品化後の画像異常の発生を、抑制することができる。また、剥離や脱落等が発生したとしても、その脱落片等が大きなものとはならず、小片であるため、製品化後の画像異常の発生を、抑制することができる。
一方、円筒状基体1の端部を、各面どうしの交差角度の観点から見ると、同じく円筒の回転軸線を通る側断面視〔図2(b)〕で見た場合の、基体外周面1aと最も外径側に位置する外側面取り面1bとのなす内角をθ1、外側面取り面1bとそれに連続する内側面取り面1cとのなす内角をθ2、内側面取り面1cと最も内径側に位置する基体端面1dとのなす内角をθ3、とした場合、円筒状基体1は、内角θ1が内角θ2より小さくなるよう形成されている(θ1<θ2)。
また、円筒状基体1において、基体外周面1aと外側面取り面1bとのなす内角θ1の角度は、90°を超え135°以下になっている。なお、図2(c)に示すように、内角θ1を基体外周面1aを基準として見た場合、すなわち、外側面取り面1bの基体外周面1aに対する交差角(交差角度)θ4は、45°以上90°未満になっている。
これらの構成によっても、先に述べた式(1)の構成と同様、成膜中における、基体端部の2段面取り面1b,1cからの膜の剥離や脱落等を抑制することができる。また、脱落片等が小片となるため、製品化後の画像異常の発生を抑制することができる。
なお、円筒状基体1の端部は、2段階の面取り加工(あるいは鏡面加工)に続いて、先に述べたウェットブラスト等のよる粗面化加工が施される。そのため、外側面取り面1bの表面粗さ(算術平均高さSa)は、基体外周面1aの算術平均高さSaより大きく、かつ、内側面取り面1cの算術平均高さSaは、基体外周面1aの算術平均高さSaより大きくなっている。
これにより、円筒状基体1の各面取り面(特に、外側面取り面1b)は、面荒れによるアンカー効果により、表面層2に対する密着性が、より向上している。したがって、表面層2の成膜段階における、基体端部からの膜の剥離や脱落が、より抑制されている。
つぎに、前記のような端部構成を有する円筒状基体1を用いた、表面層2の成膜方法について説明する。
表面層2は、先にも述べたように、耐圧層11,電荷注入阻止層12,光導電層13,表面保護層14を順次積層して形成されており、その積層には、たとえば図3に示したプラズマCVD装置20が用いられる。
図3に示すプラズマCVD装置20は、支持体3を真空反応室4に収容したものであり、回転部5、原料ガス供給部6および排気部7等をさらに備えている。
支持体3は、円筒状基体1(図中では成膜後の電子写真感光体10,10’で表示)を積み重ねた状態で支持する役割を有するものである。この支持体3は、フランジ部30を有する中空状に形成されているとともに、円筒状基体1と同様な導電性材料で全体が導体として形成されている。
導電性支柱31は、円筒状基体1と同様な導電性材料で全体が導体として形成されており、真空反応室4(後述する円筒状電極40)の中心において、後述するプレート42に対して絶縁材32を介して固定されている。導電性支柱31には、導板33を介して直流電源34が接続されている。制御部35は、直流電源34を制御することにより、導電性支柱31を介して、支持体3にパルス状の直流電圧を供給するように構成されている。
導電性支柱31の内部には、セラミックパイプ36を介してヒータ37が収容されている。
ここで、支持体3の温度は、ヒータ37をオン・オフさせることによって、たとえば200℃以上400℃以下から選択される一定の範囲に維持される。
真空反応室4は、円筒状基体1に対して堆積膜を形成するための空間であり、円筒状電極40および絶縁部材43,44を介して接合された一対のプレート41,42によって規定されている。
円筒状電極40は、支持体3に支持させた円筒状基体1(図では電子写真感光体10,10’)と円筒状電極40との間の距離が10mm以上100mm以下となるような大きさに形成されている。
円筒状電極40は、ガス導入口45a,45bおよび複数のガス吹き出し孔46が設けられているとともに、その一端において接地されていてもよく、接地されていない場合は、直流電源34とは別の基準電源に接続してもよい。
ガス導入口45aは、真空反応室4に供給すべき光導電層13のドーパント専用の原料ガスを導入する役割を有するものであり、ガス導入口45bは、真空反応室4に供給すべき原料ガスを導入する役割を有するものである。いずれのガス導入口45a,45bも原料ガス供給部6に接続されている。
複数のガス吹き出し孔46は、円筒状電極40の内部に導入された原料ガスを円筒状基体1に向けて吹き出す役割を有するものであり、図の上下方向に等間隔になるように配置されているとともに、円筒状電極40の周方向にも等間隔で配置されている。
プレート41を開閉することによって真空反応室4に対する支持体3の出し入れが可能とされている。プレート41は、下面側に防着板47が取着され、プレート41に対して堆積膜が形成されるのを防止している。
プレート42は、真空反応室4のベースとなるものである。プレート42と円筒状電極40との間に介在する絶縁部材44は、円筒状電極40とプレート42との間にアーク放電が発生するのを抑える役割を有するものである。
プレート42および絶縁部材44には、ガス排出口42A,44Aおよび圧力計49が設けられている。ガス排出口42A,44Aは、真空反応室4の内部の気体を排出する役割を有するものであり、排気部7に接続されている、圧力計49は、真空反応室4の圧力をモニタリングする役割を有するものであり、公知の種々のものを使用することができる。
回転部5は、支持体3を回転させる役割を有するものであり、回転モータ50および回転力伝達機構51を有している。
回転モータ50は、円筒状基体1に回転力を付与するものである。回転モータ50としては、公知の種々のものを使用することができる。
回転力伝達機構51は、回転モータ50からの回転力を円筒状基体1に伝達・入力する役割を有するものであり、回転導入端子52、絶縁軸部材53および絶縁平板54を有している。
回転導入端子52は、真空反応室4内の真空を保ちながら回転力を伝達する役割を有するものである。
絶縁軸部材53および絶縁平板54は、支持体3とプレート41との間の絶縁状態を維持しつつ、回転モータ50からの回転力を支持体3に入力する役割を有するものであり、たとえば絶縁部材44などの同様な絶縁材料で形成されている。
絶縁平板54は、プレート41を取り外しするときに上方から落下するゴミや粉塵などの異物が円筒状基体1へ付着するのを防止する役割を有するものである。
原料ガス供給部6は、複数の原料ガスタンク60,61,62,63、光導電層13のドーパント専用ガスタンク64、複数の配管60A,61A,62A,63A,64A、バルブ60B,61B,62B,63B,64B,60C,61C,62C,63C,64Cおよび複数のマスフローコントローラ60D,61D,62D,63D,64Dを備えたものであり、配管65a,65bおよびガス導入口45a,45bを介して円筒状電極40に接続されている。
各原料ガスタンク60〜64は、たとえばB(またはPH)、H(またはHe)、CHあるいはSiHが充填されたものである。バルブ60B〜64B,60C〜64Cおよびマスフローコントローラ60D〜64Dは、真空反応室4に導入する各原料ガス成分または光導電層13のドーパント専用ガス成分の流量、組成およびガス圧を調整する役割を有する。
排気部7は、真空反応室4のガスをガス排出口42A,44Aを介して外部に排出する役割を有するものであり、メカニカルブースタポンプ71およびロータリーポンプ72を備えている。これらのポンプ71,72は、圧力計49でのモニタリング結果に応じて動作制御されるものである。
このようなプラズマCVD装置20は、1つの装置にて真空反応室4内の真空状態を維持したまま連続的に粗面化処理、および各層の形成処理を行なうことが可能である。
つぎに、プラズマCVD装置20を用いた堆積膜の形成方法について説明する。
まず、円筒状基体1に堆積膜(a−Si膜)を形成するにあたっては、プラズマCVD装置20のプレート41を取り外した上で、複数の円筒状基体1(図面上は2つ)を支持した支持体3を真空反応室4の内部にセットし、再びプレート41を取り付ける。なお、円筒状基体1どうしの接続部分を図4に示す。
支持体3に対する2つの円筒状基体1の支持にあたっては、フランジ部30上に、支持体3の主要部を覆って下ダミー基体38A、円筒状基体1、中間ダミー基体38B、円筒状基体1および上ダミー基体38Cが順次積み上げられる。なお、ここでは円筒状基体1どうしの間に、中間ダミー基体38Bを配置した例を示しているが、この中間ダミー基体38Bは、必ずしも必要ではない。図4に示すように、円筒状基体1どうしを直接、積み上げてもよい。
各ダミー基体38A〜38Cとしては、製品の用途に応じて、導電性または絶縁性基体の表面に導電処理を施したものが選択されるが、通常は、円筒状基体1と同様な材料で円筒状に形成されたものが使用される。
ここで、下ダミー基体38Aは、円筒状基体1の高さ位置を調整する役割を有する。中間ダミー基体38Bは、隣接する円筒状基体1の端部間で生じるアーク放電に起因する円筒状基体1に成膜不良が発生するのを抑制する役割を有する。上ダミー基体38Cは、支持体3に堆積膜が形成されるのを防止し、成膜中に一旦被着した成膜体の剥離に起因する成膜不良の発生を抑制する役割を有する。
ついで、真空反応室4を密閉状態とし、回転部5によって支持体3を介して円筒状基体1を回転させるとともに、円筒状基体1を加熱し、排気部7によって真空反応室4を減圧する。
円筒状基体1の加熱は、たとえばヒータ37に対して外部から電力を供給してヒータ37を発熱させることによって行う。円筒状基体1の温度は、たとえばアモルファスシリコン(a−Si)膜を形成する場合には250℃以上300℃以下の範囲に設定される。
一方、真空反応室4の減圧は、排気部7によってガス排出口42A,44Aを介して真空反応室4からガスを排出することによって行う。真空反応室4の減圧の程度は、圧力計49でモニタリングしつつ、たとえば10−3Pa程度とすればよい。
ついで、円筒状基体1の温度が所望温度となり、真空反応室4の圧力が所望圧力となった後、原料ガス供給部6によって真空反応室4に原料ガスを供給するとともに、円筒状電極40と支持体3との間にパルス状の直流電圧を印加する。これにより、円筒状電極40と円筒状基体1との間にグロー放電が起こり、原料ガス成分が分解され、原料ガスの分解成分が円筒状基体1の表面に堆積する。
一方、排気部7においては、真空反応室4におけるガス圧を目的範囲に維持する。真空反応室4におけるガス圧は、たとえば1Pa以上100Pa以下とすればよい。
真空反応室4への原料ガスの供給は、バルブ60B〜64B,60C〜64Cの開閉状態を適宜制御しつつ、マスフローコントローラ60D〜64Dを制御することにより、原料ガスタンク60〜64の原料ガスを所望の組成および流量で配管60A〜64A,65a,65bおよびガス導入口45a,45bを介して円筒状電極40の内部に導入することによって行う。そして、原料ガスの組成を適宜切り替えることによって、円筒状基体1の表面には、耐圧層11,電荷注入阻止層12,光導電層13,表面保護層14が順次積層形成される。
円筒状電極40と支持体3との間へのパルス状の直流電圧の印加は、制御部35によって直流電源34を制御することによって行う。
円筒状基体1側が負の極性になるようなパルス状の直流電圧を印加してカチオンを加速させて円筒状基体1に衝突させ、その衝撃によって表面の微細な凹凸をスパッタリングしながらアモルファスシリコン(a−Si)の成膜を行なった場合には、大きな突起状の成長が抑制された均一性の高い凹凸を有する表面を備えるアモルファスシリコン(a−Si)が得られる。なお、全ての電圧が正負いずれかの極性になるように調整された交流電圧などでも同様の効果が得られる。
また、耐圧層11を、アモルファス窒化シリコン(a−SiN)の堆積膜として形成する場合には、原料ガスとして、SiH(シランガス)などのシリコン(Si)含有ガス、NHやNなどの窒素(N)含有ガス、および水素(H)あるいはヘリウム(He)などの希釈ガスの混合ガスが用いられる。
電荷注入阻止層12をアモルファスシリコン(a−Si)系の堆積膜として形成する場合には、原料ガスとして、SiH(シランガス)などのシリコン(Si)含有ガス、BやPHなどのドーパント含有ガスおよび水素(H)あるいはヘリウム(He)などの希釈ガスの混合ガスが用いられる。ドーパント含有ガスとしては、ホウ素(B)含有ガスと場合により窒素(N)含有ガスか酸素(O)含有ガスまたはその両方を含有させたもの、あるいはリン(P)含有ガスと場合により窒素(N)含有ガスか酸素(O)含有ガスまたはその両方を含有させたものを用いることもできる。
光導電層13をアモルファスシリコン(a−Si)系の堆積膜として形成する場合には、原料ガスとして、SiH(シランガス)などのシリコン(Si)含有ガスおよび水素(H)あるいはヘリウム(He)などの希釈ガスの混合ガスが用いられる。光導電層13においては、ダングリングボンド終端用に水素(H)あるいはハロゲン元素(フッ素(F)、塩素(Cl))を膜中に1原子%以上40原子%以下含有させるように、希釈ガスとして水素ガスを用い、あるいは原料ガス中にハロゲン化合物を含ませておいてもよい。
表面保護層14は、a−SiC層とa−C層との多層構造として形成する。この場合、原料ガスとしては、SiH(シランガス)などのシリコン(Si)含有ガスおよびC(アセチレンガス)あるいはCH(メタンガス)などの炭素(C)含有ガスが用いられる。ここで、表面保護層14の第3層であるa−C層は、その膜厚が、通常0.01μm以上2μm以下、具体的には0.02μm以上1μm以下、より具体的には0.03μm以上0.8μm以下に設定すればよい。また、表面保護層14は、その膜厚が、通常0.1μm以上6μm以下、具体的には0.25μm以上3μm以下、より具体的には0.4μm以上2.5μm以下に設定すればよい。
以上のようにして膜形成が終了した場合の、円筒状基体1どうしの接続部(端部)の様子を、図4に示す。図4に示す例においては、円筒状基体1どうしを直接積み上げている。そして、支持体3から円筒状基体1(成膜後の電子写真感光体10,10’)を抜き取ることにより、図1に示したような電子写真感光体10を得ることができる。
つぎに、本発明の実施形態に係る画像形成装置について、図5を用いて説明する。
図5に示す画像形成装置は、画像形成方式としてカールソン法を採用したものであり、電子写真感光体10、帯電器111、露光器112、現像ローラ113Aおよび未使用トナー撹拌用のトナー搬送スクリュー113Cを含む現像器113、転写器114、定着器115(115Aおよび115B)と、電子写真感光体に接触するクリーニングローラ116Bとクリーニングブレード116Aと残留トナー排出用のトナー搬送スクリュー116Cとを含むクリーニング器116、および、除電器117を備えている。なお、図中の矢印xは、記録媒体Pである用紙の移動方向を示す。
帯電器(帯電ローラ)111は、電子写真感光体10の表面を負極性に帯電させる役割を有するものである。本実施形態において帯電器111は、たとえば芯金を導電性ゴムあるいはPVDF(ポリフッ化ビニリデン)によって被覆して構成される接触型帯電器が採用されている。
露光器112は、電子写真感光体10に静電潜像を形成する役割を有するものである。露光器112としては、たとえば複数のLED素子(波長:680nm)を配列させてなるLED(発光ダイオード:Light Emitting Diode)ヘッドを採用することができる。
現像器113は、電子写真感光体10の静電潜像を現像してトナー像を形成する役割を有するものである。本例における現像器113は、現像剤(以下、トナー)Tを磁気的に保持する磁気ローラ113Aを備えている。
トナーTは、電子写真感光体10の表面上に形成されるトナー像を構成するものであり、現像器113において摩擦帯電する。トナーTとしては、たとえば、磁性キャリアおよび絶縁性トナーを含んでなる2成分系現像剤と、磁性トナーを含んでなる1成分系現像剤とが挙げられる。
磁気ローラ113Aは、電子写真感光体10の表面(現像領域)にトナーTを搬送する役割を有するものである。磁気ローラ113Aは、現像器113において摩擦帯電したトナーTを一定の穂長に調整された磁気ブラシの形で搬送する。この搬送されたトナーTは、電子写真感光体10の現像領域において、静電潜像との静電引力によって電子写真感光体10の表面に付着してトナー像を形成する(静電潜像を可視化する)。
なお、現像器113は、本例においては乾式現像方式を採用しているが、液体現像剤を用いた湿式現像方式を採用してもよい。また、現像器113内には、未使用トナーT撹拌用の搬送スクリュー113C(スパイラル形)が配設される場合もある。
転写器114は、電子写真感光体10と転写器114との間の転写領域に供給された、紙等の記録媒体Pに、電子写真感光体10のトナー像を転写する役割を有するものである。本例における転写器114は、転写用チャージャ114Aおよび分離用チャージャ114Bを備えている。
転写器114としては、電子写真感光体10の回転に従動し、かつ、電子写真感光体10とは微小間隙(たとえば0.5mm以下)を介して配置された転写ローラを用いることも可能である。この転写ローラは、たとえば直流電源により、電子写真感光体10上のトナー像を記録媒体P上に引きつけるような転写電圧を印加するように構成される。
定着器115は、記録媒体Pに転写されたトナー像を記録媒体Pに定着させる役割を有するものであり、一対の定着ローラ115A、115Bを備えている。定着ローラ115A、115Bは、たとえば金属ローラ上に四フッ化エチレンなどで表面被覆したものである。
クリーニング器116は、電子写真感光体10の表面に残存するトナーTを除去する役割を有するものであり、クリーニングローラ116Bおよびクリーニングブレード116Aを備えている。クリーニングローラ116Bは、中央部が太径となるクラウン状であり、電子写真感光体10の外周に摺接して、これらの間に、残留トナーTからなる表面掃除用のトナー膜を形成する。クリーニングブレード116Aは、電子写真感光体10の表面から残留トナーを掻きとる役割を有するものである。クリーニングブレード116Aは、たとえばポリウレタン樹脂を主成分としたゴム材料で形成されている。
除電器117は、電子写真感光体10の表面電荷を除去する役割を有するものであり、特定波長(たとえば630nm以上)の光を出射可能とされている。除電器117は、たとえばLEDなどの光源によって電子写真感光体10の表面の軸方向全体を光照射することにより、電子写真感光体10の表面電荷(残余の静電潜像)を除去するように構成されている。
本実施形態の画像形成装置100では、電子写真感光体10の有する上述の効果を奏することができる。
(実施例)
つぎに、円筒状基体1の端部の2段階面取りの形状を種々変更して、その形状による、成膜時に基体端部で発生する膜の剥離や脱落等への寄与を評価した。
円筒状基体1は、アルミニウム合金の素管(外径:30mm、長さ360mm)を用いて作製した。まず、この素管に対して、面取り加工、鏡面加工を行ない、洗浄した。
面取り加工は、旋削チップを用いた切削加工により、円筒状基体1の両端部に、図2に示すような2段階の面取り面として、外側面取り面1bと内側面取り面1cとを形成した。ここで、加工旋盤のプログラムを変更することによって、円筒状基体1の外側面取り面1bの傾斜に沿った長さL1(mm)、内側面取り面1cの傾斜に沿った長さL2(mm)、基体端面1dの円筒径方向の長さL3(mm)、基体外周面1aと外側面取り面1bとのなす内角θ1(角度°)、および、外側面取り面1bと内側面取り面1cとのなす内角θ2(角度°)を変化させて、円筒状基体1の面取り面および端面が調整されたサンプル1〜9を作製した。
ついで、円筒状基体1の表面の鏡面加工として、円筒状基体1を両端保持し、1500〜8000rpmにて高速回転させた状態で、ダイヤモンドバイトを押し当てて、送り0.08〜0.5mmにてバニシング(Vanishing)加工した。すなわち、バイトの仕上げ面に、ワーク回転方向に奥行きを持たせたダイヤモンドバイトを円筒状基体1の表面に押し当てることで、滑らかな仕上げ面(鏡面)を得た。
このようにして用意された円筒状基体1を、クリーンルーム内に搬送し、油分等を取り除く精密洗浄を経た後、図3に示すプラズマCVD装置20にセットし、実施形態に記載の成膜方法を用いて、前記各形状の端部を有する円筒状基体1(サンプルNo.1からNo.9)の表面に、表面層2を形成(積層)した。
各層の具体的な構成はつぎの通りである。
<耐圧層>
耐圧層11は、アモルファス窒化シリコン(a−SiN)の堆積膜である。耐圧層11の膜厚は6μmとした。
<電荷注入阻止層>
電荷注入阻止層12は、アモルファスシリコン(a−Si)に窒素(N)および酸素(O)を加えたアモルファスシリコン(a−Si)系材料に、ドーパントとしてホウ素(B)を含有させたものである。電荷注入阻止層12の膜厚は4μmとした。
<光導電層>
光導電層13は、アモルファスシリコン(a−Si)に、ドーパントとしてホウ素(B)を含有させたものである。光導電層13の膜厚は14μmとした。
<表面保護層>
表面保護層14は、アモルファス炭化シリコン(a−SiC)とアモルファスカーボン(a−C)とを積層した2層構成である。表面保護層14の膜厚は、2層合計1μmとした。
以上のようにして得られた電子写真感光体10のサンプル1〜9について、円筒の回転軸線を通る側断面視〔図2(a)〜図2(c)を参照〕における円筒状基体の端部の各寸法(サイズ)、すなわち、外側面取り面1bの長さL1(mm)、内側面取り面1cの長さL2(mm)、基体端面1dの長さL3(mm)、基体外周面1aと外側面取り面1bとのなす内角θ1(角度°)、および、外側面取り面1bと内側面取り面1cとのなす内角θ2(角度°)、を測定した。
また図1(b)に示すように、基体外周面1aと外側面取り面1bとの境界部(θ1に対応する部位:θ1部)における基体外周面1aに垂直な方向であるD1−D1’の膜厚(μm)、および、外側面取り面1bと内側面取り面1cとの境界部(θ2に対応する部位:θ2部)における外側面取り面1bに垂直な方向であるD2−D2’の膜厚(μm)を測定した。当該測定は、オリンパス株式会社製3次元測定レーザ顕微鏡OLS4100により、倍率10倍のレンズを使用し、形状寸法の評価を実施した。
得られたサンプルごとの、各面の長さL1,L2,L3(mm)と内角θ1,θ2(°)を以下の表1に、各部における膜厚D1−D1’,D2−D2’(μm)を後記の表2に示す。
ついで、電子写真感光体10のサンプル1〜9について、欠陥の個数(個)を以下の方法で評価した。
作製した電子写真感光体10の各サンプルを、京セラドキュメントソリューションズ株式会社製のカラー複合機TASKalfa 3550ci改造装置に組み込み、印画を実施した。その印画結果から画像欠陥を判定し、画像欠陥の画像位置と、その画像位置に対応する電子写真感光体10の欠陥位置とを照合して、表面層の剥離・脱落による欠陥を検出した。
検出した欠陥について、オリンパス株式会社製3次元測定レーザ顕微鏡OLS4100により、倍率10倍のレンズを使用して、欠陥のサイズを測定した。欠陥のサイズは、その欠陥で一番長い部分の長さとした。また、欠陥のサイズ毎にクラス分けしてカウントし、0.04mm以上0.06mm未満,0.06mm以上0.08mm未満,0.08mm以上0.10mm未満,0.10mm以上,の4クラスに分けて分類した。なお、0.04mm未満の欠陥は、集合しない限り製品品質(印画画質)に影響しないため、カウントしていない。
この結果から電子写真感光体としての品質を判定した。評価は、膜剥がれによる欠陥の発生がほとんど見られない製品を「A」で、膜剥がれによる小さな欠陥が見られるが印画品質に問題のない製品を「B」で、膜剥がれの痕跡が見られるが印画品質に問題のない製品を「C」、膜剥がれが発生し印画品質に影響が及んでいる物を「F」で評価した。
評価結果と、膜厚の計測結果とを表2にまとめて示す。
これらの評価結果によると、電子写真感光体10は、成膜前の円筒状基体1の端部が、側断面視で見た場合、基体端面1dの長さL3,内側面取り面1cの長さL2,外側面取り面1bの長さL1の3者の間に、〔L1<L2、さらにはL2<L3〕の関係式が成り立つように形成されていると、円筒状基体の端部からの膜の剥離や脱落等が少なく、これに起因する製品化後の画像異常の発生を、抑制することができる。また、剥離や脱落等が発生したとしても、その脱落片等が大きなものとはならず、小片であるため、製品化後の画像異常の発生を、抑制することができる。
さらに、電子写真感光体10は、成膜前の円筒状基体1の端部が、側断面視で見た場合に、基体外周面1aと外側面取り面1bとのなす内角θ1が、外側面取り面1bとそれに連続する内側面取り面1cとのなす内角θ2より小さくなる(θ1<θ2)よう形成されていると、円筒状基体の端部からの膜の剥離や脱落等がより少なくなる。θ1<θ2の場合には、外側面取り面1bと内側面取り面1cとによって形成される部分であるθ2部のエッジが緩やかになり、膜応力の集中が少なくなるため、膜の剥離や脱落等をより効果的に抑制することができる。
以上のように、上記実施例において、サンプルNo.6は最大径0.10mm以上の欠陥が複数存在し、不良(F)と判定された。サンプルNo.1,7,8では最大径0.10mm以上の欠陥が1つ見つかったものの、サンプルNo.2からNo.5およびNo.9のサンプルでは小さな欠陥が少数見つかっただけであり、サンプルNo.6以外は製品使用に耐える良品であった。
また、本発明は上述の実施形態に示したものだけに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で改良や変更ができることは言うまでもない。
1 円筒状基体
1a 基体外周面
1b 外側面取り面
1c 内側面取り面
1d 基体端面
2 表面層
10 電子写真感光体
11 耐圧層
12 電荷注入阻止層
13 光導電層
14 表面保護層
3 支持体
4 真空反応室
5 回転部
6 原料ガス供給部
7 排気部
20 プラズマCVD装置
30 フランジ部
31 導電性支柱
32 絶縁材
33 導板
34 直流電源
35 制御部
36 セラミックパイプ
37 ヒータ
38 ダミー基体
38A 下ダミー基体
38B 中間ダミー基体
38C 上ダミー基体
40 円筒状電極
41,42 プレート
43,44 絶縁部材
42A,44A ガス排出口
45a,45b ガス導入口
46 ガス吹き出し孔
49 圧力計
50 回転モータ
51 回転力伝達機構
52 回転導入端子
53 絶縁軸部材
54 絶縁平板
60〜63 原料ガスタンク
64 ドーパント専用ガスタンク
60A〜64A,65a,65b 配管
60B〜64B,60C〜64C バルブ
60D〜64D マスフローコントローラ
71 メカニカルブースタポンプ
72 ロータリーポンプ
100 画像形成装置
111 帯電器
112 露光器
113 現像器
113A 磁気ローラ
113C トナー撹拌用搬送スクリュー
114 転写器
114A 転写用チャージャ
114B 分離用チャージャ
115 定着器
115A,115B 定着ローラ
116 クリーニング器
116A クリーニングブレード
116B クリーニングローラ
116C トナー排出用搬送スクリュー
117 除電器
P 記録媒体
T トナー(現像剤)

Claims (12)

  1. 外周面と端面との間に面取り面を有する円筒状基体と、
    前記外周面上に位置している表面層と、を備え、
    前記円筒状基体は、
    外側面取り面と、
    前記外側面取り面よりも前記端面の側に位置する内側面取り面と、を含み、
    前記円筒状基体の回転軸線を通る側断面視において、前記内側面取り面の長さが、前記外側面取り面の長さより長い、電子写真感光体。
  2. 前記円筒状基体の回転軸線を通る側断面視において、前記端面の円筒径方向の長さが、前記内側面取り面の長さより長い、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記外周面と前記外側面取り面とは連続している、請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記外側面取り面と前記内側面取り面とは連続している、請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  5. 前記内側面取り面と前記端面とは連続している、請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  6. 前記円筒状基体の回転軸線を通る側断面視において、前記外周面と前記外側面取り面とがなす内角は、前記外側面取り面と前記内側面取り面とがなす内角より小さい、請求項1〜5のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  7. 前記円筒状基体の回転軸線を通る側断面視において、前記外周面と前記外側面取り面とがなす内角の角度は、90°を超え135°以下である、請求項1〜6のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  8. 前記外側面取り面および前記内側面取り面上にも表面層が位置しており、
    前記外側面取り面および前記内側面取り面上に位置している表面層の厚さは、前記外周面上に位置している表面層の厚さより薄い、請求項1〜7のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  9. 前記表面層は、前記円筒状基体の側から順に位置している、耐圧層,電荷注入阻止層,光導電層,および表面保護層を有する、請求項1〜8のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  10. 前記表面層は、アモルファスシリコン(a−Si)を含む、請求項1〜9のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  11. 前記表面層は、有機材料を含む、請求項1〜10のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の電子写真感光体を備える画像形成装置。
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