JP2014232152A - 電子写真感光体およびこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高階調で画像むらがないといった高画質が実現できる、帯電能の高い電子写真感光体を提供することを目的とする。【解決手段】 円筒状基体10と、円筒状基体10の周面上に形成された感光層11とを備え、感光層11は、円筒状基体10の周面上に設けられた第1電荷注入阻止層11aと、第1電荷注入阻止層11a上に形成された帯電層11bと、帯電層11b上に形成された光導電層11cとを少なくとも有し、帯電層11bの比誘電率は、光導電層11cの比誘電率よりも低いことから、高階調で画像むらがないといった高画質が実現できる、帯電能の高い電子写真感光体が実現される。【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真感光体およびこれを備えた画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真感光体は、例えば特許文献1に記載されているように円筒状などの基体の表面に、光導電層および表面層などを堆積膜として形成することによって製造されている。堆積膜の形成方法としては、高周波グロー放電によって原料ガスを分解したときの分解生成物を基体に被着させる方法(プラズマCVD法)が広く採用されている。
このような電子写真感光体は、電子写真方式の画像形成装置に用いられており、オフィス環境の急速なカラー化やプリント・オン・デマンド(POD)のニーズによって、このような画像形成装置においても高階調で画像むらがないといった高画質が求められるようになってきた。したがって、電子写真感光体の帯電能の更なる向上が必要であった。
特開昭63−129348号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、高階調で画像むらがないといった高画質が実現できる、帯電能の高い電子写真感光体を提供することを目的とする。
本発明の電子写真感光体は、円筒状基体と、該円筒状基体の周面上に形成された感光層とを備え、該感光層は、前記円筒状基体の周面上に設けられた第1電荷注入阻止層と、該第1電荷注入阻止層上に形成された帯電層と、該帯電層上に形成された光導電層とを少なくとも有し、前記帯電層の比誘電率は、前記光導電層の比誘電率よりも低いことを特徴とする。
また、本発明の電子写真感光体は、上記構成において、前記帯電層と前記光導電層との間に、第2電荷注入阻止層をさらに有することを特徴とする。
さらに、本発明の電子写真感光体は、上記構成において、前記第1電荷注入阻止層、前記第2電荷注入阻止層および光導電層は、アモルファスシリコン系材料からなり、帯電層は、アモルファスシリコン系材料またはアモルファスカーボンからなることを特徴とする。
また、本発明の電子写真感光体は、上記構成において、前記光導電層上に表面層および保護層が順次形成されたことを特徴とする。
さらに、本発明の電子写真感光体は、上記構成において、前記表面層がシリコンを主体とする非単結晶材料で構成されて、前記保護層が炭素を主体とする非単結晶材料で構成されていることを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、上記いずれかの電子写真感光体を備えることを特徴とする。
本発明の電子写真感光体によれば、円筒状基体と、該円筒状基体の周面上に形成された感光層とを備え、該感光層は、前記円筒状基体の周面上に形成された第1電荷注入阻止層と、該第1電荷注入阻止層上に形成された帯電層と、該帯電層上に形成された光導電層とを少なくとも有し、前記帯電層の比誘電率は、前記光導電層の比誘電率よりも低いことから、高階調で画像むらがないといった高画質が実現できる、帯電能の高い電子写真感光体が実現される。
(a)は本発明の電子写真感光体の実施の形態の例を示す断面図である。(b)は(a)の要部断面図である。 堆積膜形成装置の縦断面図である。 本発明の画像形成装置の実施の形態の例を示す断面図である。 図1に示した電子写真感光体の第1変形例の感光層の要部断面図である。 図1に示した電子写真感光体の第2変形例の感光層の要部断面図である。
以下、本発明の電子写真感光体およびこれを備えた画像形成装置の実施の形態の例について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の例は本発明の実施の形態を例示するものであって、本発明はこれらの実施の形態の例に限定されるものではない。
(電子写真感光体)
図1に示した電子写真感光体1は、円筒状基体10と、円筒状基体10の周面上に形成された感光層11とを備えている。感光層11は、円筒状基体10の周面上に形成された第1電荷注入阻止層11aと、第1電荷注入素子層11a上に形成された帯電層11bと、帯電層11b上に形成された光導電層11cとを有している。
円筒状基体10は、感光層11の支持体となるものであり、少なくとも表面に導電性を有するものとして形成される。この円筒状基体10は、例えばアルミニウム(Al)、ステンレス(SUS)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、スズ(Sn)、金(Au)および銀(Ag)などの金属材料あるいはこれら例示した金属材料を含む合金材料によって、全体が導電性を有するものとして形成されている。円筒状基体10は、樹脂、ガラスあるいはセラミックスなどの絶縁体の表面に、例示した金属材料ならびにITO(Indium Tin Oxide)あるいはSnOなどの透明導電性材料による導電性膜を被着したものであってもよい。例示した材料のうち、円筒状基体10を形成するための材料としては、アルミニウム(Al)系材料を用いるのが最も好ましく、また円筒状基体10の全体をアルミニウム(Al)系材料で形成するのが好ましい。そうすれば、電子写真感光体1を軽量かつ低コストで製造可能であり、その上、第1電荷注入阻止層11aをアモルファスシリコン(a−Si)系材料で形成する場合には、それらの層と円筒状基体10との間の密着性が高くなって信頼性を向上させることができる。
第1電荷注入阻止層11aは、円筒状基体10からのキャリア(電子)の注入を阻止するためのものであり、例えばアモルファスシリコン(a−Si)系材料で形成されている。アモルファスシリコン系材料とは、例えばアモルファスシリコン(a−Si)およびアモルファスシリコン(a−Si)にドーパントとしてホウ素(B)、窒素(N)および酸素(O)を含有させたものをいう。第1電荷注入阻止層11aの厚みは1μm以上10μm以下とされている。
帯電層11bは、後に説明する帯電器111などによって電子写真感光体1の表面に帯
電したプラスの電荷を保持するためのものであり、例えばアモルファスシリコン(a−Si)系材料またはアモルファスカーボン(a−C)で形成されている。さらに、これらの材料のいずれの場合にも、ドーパントとしてホウ素(B)あるいはリン(P)を含有していてもよい。本例の帯電層11bは、アモルファスシリコン(a−Si)系材料で形成されている。なお、帯電層11bは、アモルファスカーボン(a−C)で形成されていてもよい。
また、帯電層11bの厚みは、使用する光導電性材料および所望の電子写真特性に応じて適宜設定すればよく、アモルファスシリコン(a−Si)系材料またはアモルファスカーボン(a−C)を用いて帯電層11bを形成する場合には、帯電層11bの厚みは、例えば3μm以上100μm以下、好適には5μm以上80μm以下とされる。
光導電層11cは、レーザ光などの光照射によってキャリアを発生させるためのものであり、電荷生成層と呼ばれることもある。光導電層11cは、例えばアモルファスシリコン(a−Si)系材料、Se−TeあるいはAsSeなどのアモルファスセレン(a−Se)系材料で形成されている。本例の光導電層11cは、アモルファスシリコン(a−Si)に炭素(C)、窒素(N)および酸素(O)などを加えたアモルファスシリコン(a−Si)系材料で形成されており、ドーパントとしてホウ素(B)を含有している。
また、光導電層11cの厚みは、使用する光導電性材料および所望の電子写真特性に応じて適宜設定すればよく、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いて光導電層11cを形成する場合には、光導電層11cの厚みは、例えば3μm以上100μm以下、好適には5μm以上80μm以下とされる。
そして、帯電層11bおよび光導電層11cの比誘電率は、例えば、それぞれ3〜12および5〜14の範囲で設定されるとともに、帯電層11bの比誘電率は光導電層11cの比誘電率よりも低くされている。本例の電子写真感光体ではアモルファスシリコン(a−Si)系材料で形成されている帯電層11bおよび光導電層11cの比誘電率は、それぞれ9および11に設定されている。このように帯電層11bおよび光導電層11cの比誘電率を設定することで、感光層11の厚みを厚くすることなく電子写真感光体1の帯電能を向上させることができる。すなわち、従来の電子写真感光体の感光層の厚みと同等の厚みの感光層11であっても、帯電能は従来の電子写真感光体よりも高くすることができる。
帯電層11bを設けない従来の電子写真感光体の帯電能を向上させるには、一般的に光導電層の厚みを厚くすること、および光導電層の比誘電率を低くすることが考えられる。
しかしながら、光導電層の厚みを厚くすると、光導電層の成膜時間が長くなることによって、電子写真感光体の生産性が悪くなるばかりか、ひいては電子写真感光体の製造コストアップとなり好ましくない。また、光導電層の比誘電率を低くするためには、光導電層に用いる材料を変更する必要があるため、光導電層の光吸収スペクトルも異なる。よって、既に画像形成装置に組み込まれている電子写真感光体の帯電能の向上を目的として光導電層の比誘電率を低くすると、画像形成装置に組み込んだ露光器が発する光の波長を変更しなければならず、画像形成装置の大掛かりな設計変更を余儀なくされるため好ましくない。さらに、光導電層の光吸収スペクトルに適した露光器の光源が存在しない場合には、露光器の開発を余儀なくされるか、所望の露光特性が得られないという問題が発生するために好ましくない。
そこで、本願発明者は、電子写真感光体の生産性を高く維持しつつ、従来の画像形成装置に組み込まれている露光器などの大掛かりな設計変更を伴うことなく、電子写真感光体
の帯電能を向上させる手段として、光導電層11cは、既に画像形成装置に組み込まれている電子写真感光体の光導電層の光吸収スペクトルと同等の光吸収スペクトルを有するものとした。そして、光導電層11cと電荷注入素子層11aとの間に帯電層11bを配置した。帯電層11bの比誘電率は、光導電層11cの比誘電率よりも低くされているため、電子写真感光体1の表面に帯電したプラスの電荷を保持する能力を高くすることが可能となる。
電子写真感光体1における第1電荷注入阻止層11a、帯電層11bおよび光導電層11cは、例えば図2に示したプラズマCVD装置2を用いて形成される。
(プラズマCVD装置)
プラズマCVD装置2は、支持体3を真空反応室4に収容したものであり、回転手段5、原料ガス供給手段6および排気手段7をさらに備えている。
支持体3は、円筒状基体10を支持するためのものである。この支持体3は、フランジ部30を有する中空状に形成されているとともに、円筒状基体10と同様な導電性材料で全体が導体として形成されている。本例の場合において、支持体3は、2つの円筒状基体10を支持できる長さに形成されており、導電性支柱31に対して着脱自在とされている。そのため、支持体3では、支持した2つの円筒状基体10の表面に直接触れることなく、真空反応室4に対して2つの円筒状基体10の出し入れを行なうことができる。
導電性支柱31は、円筒状基体10と同様な導電性材料で全体が導体として形成されており、真空反応室4(後述する円筒状電極40)の中心において、後述するプレート42に対して絶縁材32を介して固定されている。導電性支柱31には、導板33を介して直流電源34が接続されている。この直流電源34は、制御部35によってその動作が制御されている。制御部35は、直流電源34を制御することにより、導電性支柱31を介して、支持体3にパルス状の直流電圧を供給させるように構成されている。
導電性支柱31の内部には、セラミックパイプ36を介してヒータ37が収容されている。セラミックパイプ36は、絶縁性および熱伝導性を確保するためのものである。ヒータ37は、円筒状基体10を加熱するためのものである。ヒータ37としては、例えばニクロム線あるいはカートリッジヒーターを使用することができる。
ここで、支持体3の温度は、例えば支持体3あるいは導電性支柱31に取り付けられた熱電対(図示を省略)によってモニタされており、この熱電対におけるモニタ結果に基づいてヒータ37をオン・オフさせることによって、円筒状基体10の温度が目的範囲、例えば200℃以上400℃以下から選択される一定の範囲に維持される。
真空反応室4は、円筒状基体10に対して堆積膜を形成するための空間であり、円筒状電極40および一対のプレート41、42によって規定されている。
円筒状電極40は、支持体3の周囲を囲む円筒状に形成される。この円筒状電極40は、円筒状基体10と同様な導電性材料で中空に形成されており、絶縁部材43、44を介して一対のプレート41、42に接合されている。
円筒状電極40は、支持体3に支持させた円筒状基体10と円筒状電極40との間の距離D1が10mm以上100mm以下となるような大きさに形成されている。これは、円筒状基体10と円筒状電極40との距離D1が10mmよりも小さい場合には、真空反応室4に対する円筒状基体10の出し入れなどにおいて作業性を充分に確保できず、また円筒状基体10と円筒状電極40との間で安定した放電を得ることが困難となるためである
。逆に、円筒状基体10と円筒状電極40との距離D1が100mmよりも大きい場合には、プラズマCVD装置2が大きくなってしまい、単位設置面積当たりの生産性が悪くなるためである。
円筒状電極40は、ガス導入口45a、45bおよび複数のガス吹き出し孔46が設けられているとともに、その一端において接地されている。なお、円筒状電極40は、必ずしも接地する必要はなく、直流電源34とは別の基準電源に接続してもよい。円筒状電極40を直流電源34とは別の基準電源に接続する場合には、基準電源における基準電圧は−1500V以上1500V以下とされる。
ガス導入口45aは、真空反応室4に供給すべき光導電層11cのドーパント専用の原料ガスを導入するためのものであり、ガス導入口45bは、真空反応室4に供給すべき原料ガスを導入するためのものであり、いずれのガス導入口45a、45bも原料ガス供給手段6に接続されている。ガス導入口45aは、真空反応室4の略中央の高さ位置に設置されていて、ガス導入口45bは、真空反応室4内に設置される支持体3の両端位置に相当する高さ位置にそれぞれ設置されている。
複数のガス吹き出し孔46は、円筒状電極40の内部に導入された原料ガスを円筒状基体10に向けて吹き出すためのものであり、図の上下方向に等間隔になるように配置されているとともに、周方向にも等間隔で配置されている。複数のガス吹き出し孔46は、同一形状の円形に形成されており、その孔径は、例えば0.5mm以上2mm以下とされている。
プレート41は、真空反応室4が開放された状態と閉塞された状態とを選択可能とするためのものであり、プレート41を開閉することによって真空反応室4に対する支持体3の出し入れが可能とされている。プレート41は、円筒状基体10と同様な導電性材料で形成されているが、下面側に防着板47が取着されている。これにより、プレート41に対して堆積膜が形成されるのを防止している。この防着板47もまた、円筒状基体10と同様な導電性材料で形成されているが、防着板47はプレート41に対して着脱自在とされている。そのため、防着板47は、プレート41から取り外すことによって洗浄が可能であり、繰り返し使用することができる。
プレート42は、真空反応室4のベースとなるものであり、円筒状基体10と同様な導電性材料で形成されている。プレート42と円筒状電極40との間に介在する絶縁部材44は、円筒状電極40とプレート42との間にアーク放電が発生するのを抑える役割を有するものである。このような絶縁部材44は、例えばガラス材料(ホウ珪酸ガラス、ソーダガラス、耐熱ガラスなど)、無機絶縁材料(セラミックス、石英、サファイヤなど)あるいは合成樹脂絶縁材料(四フッ化エチレンなどのフッ素樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ビニロン、エポキシ、マイラー、PEEK材など)で形成することができるが、絶縁性を有し、使用温度で充分な耐熱性があり、真空中でガスの放出が小さい材料であれば特に限定はない。ただし、絶縁部材44は、成膜体の内部応力あるいは成膜時の温度上昇に伴って生じるバイメタル効果に起因する応力によって反りが発生して使用できなくなるのを防止するために、一定以上の厚みを有するものとして形成されている。例えば、絶縁部材44を四フッ化エチレンのような熱膨張率が3×10−5/K以上10×10/K以下の材料で形成する場合には、絶縁部材44の厚みは10mm以上に設定される。このような範囲に絶縁部材44の厚みを設定した場合には、絶縁部材44と円筒状基体10上に成膜される10μm以上30μm以下のアモルファスシリコン(a−Si)系材料との界面に発生する応力に起因する反り量が、水平方向(円筒状基体10の軸方向に略直交する半径方向)の長さ200mmに対して、水平方向における端部と中央部との軸
方向における高さの差で1mm以下とすることができ、絶縁部材44を繰り返し使用することが可能となる。
プレート42および絶縁部材44には、ガス排出口42A、44Aおよび圧力計49が設けられている。排気口42A、44Aは、真空反応室4の内部の気体を排出するためのものであり、排気手段7に接続されている、圧力計49は、真空反応室4の圧力をモニタリングするためのものであり、公知の種々のものを使用することができる。
図2に示したように、回転手段5は、支持体3を回転させるためのものであり、回転モータ50および回転力伝達機構51を有している。回転手段5によって支持体3を回転させて成膜を行なった場合には、支持体3とともに円筒状基体10が回転するために、円筒状基体10の外周に対して均等に原料ガスの分解成分を堆積させることが可能となる。
回転モータ50は、円筒状基体10に回転力を付与するものである。この回転モータ50は、例えば円筒状基体10を1rpm以上10rpm以下で回転させるように動作制御される。回転モータ50としては、公知の種々のものを使用することができる。
回転力伝達機構51は、回転モータ50からの回転力を円筒状基体10に伝達・入力するためのものであり、回転導入端子52、絶縁軸部材53および絶縁平板54を有している。
回転導入端子52は、真空反応室4内の真空を保ちながら回転力を伝達するためのものである。このような回転導入端子52としては、回転軸を二重もしくは三重構造としてオイルシールあるいはメカニカルシールなどの真空シール手段を用いることができる。
絶縁軸部材53および絶縁平板54は、支持体3とプレート41との間の絶縁状態を維持しつつ、回転モータ50からの回転力を支持体3に入力するためのものであり、例えば絶縁部材44などの同様な絶縁材料で形成されている。ここで、絶縁軸部材53の外径D2は、成膜時において、支持体3の外径(後述する上ダミー基体38Cの内径)D3よりも小さくなるように設定されている。より具体的には、成膜時における円筒状基体10の温度が200℃以上400℃以下に設定される場合であれば、絶縁軸部材53の外径D2は、支持体3の外径(後述する上ダミー基体38Cの内径)D3よりも0.1mm以上5mm以下、好適には3mm程度大きくなるように設定される。この条件を満たすために、非成膜時(常温環境下(例えば10℃以上40℃以下))においては、絶縁軸部材53の外径D2と支持体3の外径(後述する上ダミー基体38Cの内径)D3との差は、0.6mm以上5.5mm以下に設定される。
絶縁平板54は、プレート41を取り外しするときに上方から落下するゴミや粉塵などの異物が円筒状基体10へ付着するのを防止するためのものであり、上ダミー基体38Cの内径D3より大きな外径D4を有する円板状に形成されている。絶縁平板54の直径D4は、円筒状基体10の直径D3の1.5倍以上3倍以下とされ、例えば円筒状基体10として直径D3が30mmのものを用いる場合には、絶縁平板54の直径D4は50mm程度とされる。
このような絶縁平板54を設けた場合には、円筒状基体10に付着した異物に起因する異常放電を抑制することができるため、成膜欠陥の発生を抑制することができる。これにより、電子写真感光体1を形成する際の歩留まりを向上させ、また電子写真感光体1を用いて画像形成する場合における画像不良の発生を抑制することができる。
図2に示したように、原料ガス供給手段6は、複数の原料ガスタンク60、61、62
、63、光導電層11cのドーパント専用ガスタンク64、複数の配管60A、61A、62A、63A、64A、バルブ60B、61B、62B、63B、64B、60C、61C、62C、63C、64Cおよび複数のマスフローコントローラ60D、61D、62D、63D、64Dを備えたものであり、配管65a、65bおよびガス導入口45a、45bを介して円筒状電極40に接続されている。各原料ガスタンク60〜64は、例えばB、H(またはHe)、CHあるいはSiHが充填されたものである。バルブ60B〜64B、60C〜64Cおよびマスフローコントローラ60D〜64Dは、真空反応室4に導入する各原料ガス成分または光導電層11cのドーパント専用ガス成分の流量、組成およびガス圧を調整するためのものである。もちろん、原料ガス供給手段6においては、各原料ガスタンク60〜64に充填すべきガスの種類、あるいは複数の原料タンク60〜64の数は、円筒状基体10に形成すべき膜の種類あるいは組成に応じて適宜選択すればよい。
排気手段7は、真空反応室4のガスをガス排出口42A、44Aを介して外部に排出するためのものであり、メカニカルブースタポンプ71およびロータリーポンプ72を備えている。これらのポンプ71、72は、圧力計49でのモニタリング結果に応じて動作制御されるものである。すなわち、排気手段7では、圧力計49でのモニタリング結果に基づいて、真空反応室4を真空に維持できるとともに、真空反応室4のガス圧を目的値に設定することができる。真空反応室4の圧力は、例えば1Pa以上100Pa以下とされる。
(感光層の形成方法)
次に、プラズマCVD装置2を用いて円筒状基体10に感光層11としてアモルファスシリコン(a−Si)系材料の膜が形成された電子写真感光体1(図1を参照)を作製する場合を例にとって説明する。
まず、円筒状基体10に堆積膜(a−Si系材料の膜)を形成するにあたっては、プラズマCVD装置2のプレート41を取り外した上で、複数の円筒状基体10(図面上は2つ)を支持した支持体3を真空反応室4の内部にセットし、再びプレート41を取り付ける。
支持体3に対する2つの円筒状基体10の支持にあたっては、フランジ部30上に、支持体3の主要部を覆って下ダミー基体38A、円筒状基体10、中間ダミー基体38B、円筒状基体10および上ダミー基体38Cが順次積み上げられる。
各ダミー基体38A〜38Cとしては、製品の用途に応じて、導電性または絶縁性基体の表面に導電処理を施したものが選択されるが、通常は、円筒状基体10と同様な材料で円筒状に形成されたものが使用される。
ここで、下ダミー基体38Aは、円筒状基体10の高さ位置を調整するためのものである。中間ダミー基体38Bは、隣接する円筒状基体10の端部間で生じるアーク放電に起因する円筒状基体10に成膜不良が発生するのを抑制するためのものである。この中間ダミー基体38Bとしては、その長さがアーク放電を防止できる最低限の長さ(本例では1cm)以上を有し、その表面側角部が曲面加工で曲率0.5mm以上または端面加工でカットされた部分の軸方向の長さおよび深さ方向の長さが0.5mm以上となるように面取りされたものが使用される。上ダミー基体38Cは、支持体3に堆積膜が形成されるのを防止し、成膜中に一旦被着した成膜体の剥離に起因する成膜不良の発生を抑制するためのものである。上ダミー基体38Cは、一部が支持体3の上方に突出した状態とされる。
次いで、真空反応室4を密閉状態とし、回転手段5によって支持体3を介して円筒状基
体10を回転させるとともに、円筒状基体10を加熱し、排気手段7によって真空反応室4を減圧する。
円筒状基体10の加熱は、例えばヒータ37に対して外部から電力を供給してヒータ37を発熱させることによって行なわれる。このようなヒータ37の発熱によって、円筒状基体10が目的とする温度に昇温される。円筒状基体10の温度は、その表面に形成すべき膜の種類および組成によって選択されるが、例えばアモルファスシリコン(a−Si)系材料の膜を形成する場合には250℃以上300℃以下の範囲に設定され、ヒータ37をオン・オフすることによって略一定に維持される。
一方、真空反応室4の減圧は、排気手段7によってガス排出口42A、44Aを介して真空反応室4からガスを排出させることによって行なわれる。真空反応室4の減圧の程度は、圧力計49(図2を参照)での真空反応室4の圧力をモニタリングしつつ、メカニカルブースタポンプ71(図2を参照)およびロータリーポンプ72(図2参照)の動作を制御することにより、例えば10−3Pa程度とされる。
次いで、円筒状基体10の温度が所望温度となり、真空反応室4の圧力が所望圧力となった場合には、原料ガス供給手段6によって真空反応室4に原料ガスを供給するとともに、円筒状電極40と支持体3との間にパルス状の直流電圧を印加する。これにより、円筒状電極40と支持体3(円筒状基体10)との間にグロー放電が起こり、原料ガス成分が分解され、原料ガスの分解成分が円筒状基体10の表面に堆積する。
一方、排気手段7においては、圧力計49のモニタリングをしつつ、メカニカルブースタポンプ71およびロータリーポンプ72の動作を制御することにより、真空反応室4におけるガス圧を目的範囲に維持する。すなわち、真空反応室4の内部は、原料ガス供給手段6におけるマスフローコントローラ60D〜63Dと排気手段7におけるポンプ71、72とによって安定したガス圧に維持される。真空反応室4におけるガス圧は、例えば1Pa以上100Pa以下とされる。
真空反応室4への原料ガスの供給は、バルブ60B〜64B、60C〜64Cの開閉状態を適宜制御しつつ、マスフローコントローラ60D〜64Dを制御することにより、原料ガスタンク60〜64の原料ガスを所望の組成および流量で配管60A〜64A、65a、65bおよびガス導入口45a、45bを介して円筒状電極40の内部に導入することによって行なわれる。円筒状電極40の内部に導入された原料ガスは、複数のガス吹き出し孔46を介して円筒状基体10に向けて吹き出される。そして、バルブ60B〜64B、60C〜64Cおよびマスフローコントローラ60D〜64Dによって原料ガスの組成を適宜切り替えることによって、円筒状基体10の表面には、第1電荷注入阻止層11a、帯電層11bおよび光導電層11cが順次積層形成される。
ここで、電荷注入阻止層11、帯電層11bおよび光導電層11cの形成にあたっては、原料ガス供給手段6におけるマスフローコントローラ60D〜64Dおよびバルブ60B〜64B、60C〜64Cを制御し、目的とする組成の原料ガスが真空反応室4に供給されるのは上述の通りである。
例えば、電荷注入阻止層11をアモルファスシリコン(a−Si)系の堆積膜として形成する場合には、原料ガスとして、SiH(シランガス)などのシリコン(Si)含有ガス、Bなどのドーパント含有ガスおよび水素(H)あるいはヘリウム(He)などの希釈ガスの混合ガスが用いられる。ドーパント含有ガスとしては、ホウ素(B)含有ガスの他に、窒素(N)および酸素(O)含有ガスを用いることもできる。
帯電層11bおよび光導電層11cをアモルファスシリコン(a−Si)系の堆積膜として形成する場合には、原料ガスとして、SiH4(シランガス)などのシリコン(Si
)含有ガスおよび水素(H)あるいはヘリウム(He)などの希釈ガスの混合ガスが用いられる。光導電層11cにおいては、ダングリングボンド終端用に水素(H)あるいはハロゲン元素(F、Cl)を膜中に1原子%以上40原子%以下含有させるように、希釈ガスとして水素ガスを用い、あるいは原料ガス中にハロゲン化合物を含ませておいてもよい。また、原料ガスには、暗導電率および光導電率などの電気的特性および光学的バンドギャップなどについて所望の特性を得るために、ドーパントとして周期表第12族、第13族元素(以下「第12族元素」、「第13族元素」と略す)あるいは周期表第15族、第16族元素(以下「第15族元素」、「第16族元素」と略す)を含有させ、上記諸特性を調整するために炭素(C)および酸素(O)などの元素を含有させてもよい。
例えば、第13族元素および第15族元素としては、それぞれホウ素(B)およびリン(P)が共有結合性に優れて半導体特性を敏感に変え得る点、および優れた光感度が得られるという点で望ましい。電荷注入阻止層11に対して第13族元素あるいは第15族元素を炭素(C)および酸素(O)などの元素とともに含有させる場合には、第13族元素の含有量は0.1ppm以上20000ppm以下、第15族元素の含有量は0.1ppm以上10000ppm以下となるように調整される。また、光導電層11cに対して第13族元素あるいは第15族元素を炭素(C)および酸素(O)などの元素とともに含有させる場合には、あるいは、電荷注入阻止層11および光導電層11cに対して炭素(C)および酸素(O)などの元素を含有させない場合には、第13族元素は0.01ppm以上200ppm以下、第15族元素は0.01ppm以上100ppm以下となるように調整される。なお、原料ガスにおける第13族元素あるいは第15族元素の含有量を経時的に変化させることによって、これらの元素の濃度について層厚方向にわたって勾配を設けるようにしてもよい。この場合には、光導電層11cにおける第13族元素あるいは第15族元素の含有量は、光導電層11cの全体における平均含有量が上記範囲内であればよい。
また、光導電層11cについては、アモルファスシリコン(a−Si)系材料に微結晶シリコン(μc−Si)を含んでいてもよく、この微結晶シリコン(μc−Si)を含ませた場合には、暗導電率および光導電率を高めることができるので、光導電層22の設計自由度が増すといった利点がある。このような微結晶シリコン(μc−Si)は、先に説明した成膜方法を採用し、その成膜条件を変えることによって形成することができる。例えば、グロー放電分解法では、円筒状基体10の温度および直流パルス電力を高めに設定し、希釈ガスとしての水素流量を増すことによって形成できる。また、微結晶シリコン(μc−Si)を含む光導電層11cにおいても、先に説明したのと同様な元素(第13族元素、第15族元素、炭素(C)および酸素(O)など)を添加してもよい。
円筒状電極40と支持体3との間へのパルス状の直流電圧を印加は、制御部35によって直流電源34を制御することによって行なわれる。
一般に、13.56MHzのRF帯域以上の高周波電力を使用した場合は、空間で生成されたイオン種が電界によって加速され、正負の極性に応じた方向に引き寄せられることになるが、高周波交流によって電界が連続して反転することから、前記イオン種が円筒状基体10あるいは放電電極に到達するよりも前に、空間中で再結合を繰り返し、再度ガスまたはポリシリコン粉体などのシリコン化合物となって排気される。
これに対して、円筒状基体10側が正負いずれかの極性になるようなパルス状の直流電圧を印加してカチオンを加速させて円筒状基体10に衝突させ、その衝撃によって表面の微細な凹凸をスパッタリングしながらアモルファスシリコン(a−Si)系材料の成膜を
行なった場合には、極めて凹凸の少ない表面を持ったアモルファスシリコン(a−Si)系材料の膜が得られる。本発明者らはこの現象を“イオンスパッタリング効果”と名付けた。
このようなプラズマCVD法において効率よくイオンスパッタリング効果を得るには、極性の連続的な反転を避けるような電力を印加することが必要であり、前記パルス状の矩形波の他には、三角波、極性の反転しない直流電圧が有用である。また、全ての電圧が正負いずれかの極性になるように調整された交流電圧などでも同様の効果が得られる。印加電圧の極性は、原料ガスの種類によってイオン種の密度および堆積種の極性などから決まる成膜速度などを考慮して自由に調整できる。
ここで、パルス状電圧によって効率よくイオンスパッタリング効果を得るには、支持体3(円筒状基体10)と円筒状電極40との間の電位差は、例えば50V以上3000V以下の範囲内とされ、成膜レートを考慮した場合には、好ましくは500V以上3000V以下の範囲内とされる。
より具体的には、制御部35は、円筒状電極40が接地されている場合には、支持体(導電性支柱31)に対して、−3000V以上−50V以下の範囲内の負のパルス状直流電位V1を供給し、あるいは50V以上3000V以下の範囲内の正のパルス状直流電位V1を供給する。
一方、円筒状電極40が基準電極(図示を省略)に接続されている場合には、支持体(導電性支柱31)に対して供給するパルス状直流電位V1は、目的とする電位差ΔVと基準電源から供給される電位V2との差の値(ΔV−V2)とされる。基準電源から供給する電位V2は、支持体3(円筒状基体10)に対して負のパルス状電圧を印加する場合には、−1500V以上1500V以下とされ、支持体3(円筒状基体10)に対して正のパルス状電圧を印加する場合には、−1500V以上1500V以下とされる。
制御部35はまた、直流電圧の周波数(1/T(sec))が300kHz以下に、duty比(T1/T)が20%以上90%以下になるように直流電源34を制御する。
なお、本発明におけるduty比とは、パルス状の直流電圧の1周期(T)(円筒状基体10と円筒状電極40との間に電位差が生じた瞬間から、次に電位差が生じた瞬間までの時間)における電位差発生T1が占める時間割合と定義される。例えば、duty比20%とは、パルス状の電圧を印加する際の、1周期に占める電位差発生(ON)時間が1周期全体の20%であることをいう。
このイオンスパッタリング効果を利用して得られたアモルファスシリコン(a−Si)系材料の光導電層11cは、その厚みが10μm以上となっても、表面の微細凹凸が小さく平滑性がほとんど損なわれない。
円筒状基体10に対する膜形成が終了した場合には、支持体3から円筒状基体10を抜き取ることにより、図1に示した電子写真感光体1を得ることができる。そして、成膜後は、成膜残渣を取り除くため、真空反応室4内の各部材を分解し、酸、アルカリあるいはブラストなどの洗浄を行ない、次回の成膜時に欠陥不良となる発塵が無いようにウエットエッチングを行なう。また、ウエットエッチングに代えて、ハロゲン系(ClF、CF、NF、SiFまたはこれらの混合ガス)のガスを用いてガスエッチングを行なうことも有効である。
(画像形成装置)
図3に示す画像形成装置は、画像形成方式としてカールソン法を採用したものであり、電子写真感光体1、帯電器111、露光器112、現像器113、転写器114、定着器115、クリーニング器116および除電器117を備えている。
帯電器111は、電子写真感光体1の表面を正極性に帯電する役割を担うものである。帯電電圧は、例えば200V以上1000V以下に設定される。本実施形態において帯電器111は、例えば芯金を導電性ゴムあるいはPVDF(ポリフッ化ビニリデン)によって被覆して構成される接触型帯電器が採用されているが、これに代えて、放電ワイヤを備える非接触型帯電器(例えばコロナ帯電器)を採用してもよい。
露光器112は、電子写真感光体1に静電潜像を形成する役割を担うものである。具体的には、露光器112は、画像信号に応じて特定波長(例えば650nm以上780nm以下)の露光光(例えばレーザ光)を電子写真感光体1に照射することによって、帯電状態にある電子写真感光体1の露光光照射部分の電位を減衰させて静電潜像を形成する。露光器112としては、例えば複数のLED素子(波長:680nm)を配列させてなるLEDヘッドを採用することができる。
もちろん、露光器112の光源としては、LED素子に代えてレーザ光を出射可能なものを使用することもできる。つまり、LEDヘッドなどの露光器112に代えて、ポリゴンミラーを含んでなる光学系を使用してもよい。あるいは、原稿からの反射光を通すレンズおよびミラーを含んでなる光学系を採用することによって、複写機の構成の画像形成装置とすることもできる。
現像器113は、電子写真感光体1の静電潜像を現像してトナー像を形成する役割を担うものである。本例における現像器113は、現像剤(トナー)Tを磁気的に保持する磁気ローラ113Aを備えている。
現像剤Tは、電子写真感光体1の表面上に形成されるトナー像を構成するものであり、現像器113において摩擦帯電する。現像剤Tとしては、例えば、磁性キャリアおよび絶縁性トナーを含んでなる2成分系現像剤と、磁性トナーを含んでなる1成分系現像剤とが挙げられる。
磁気ローラ113Aは、電子写真感光体1の表面(現像領域)に現像剤を搬送する役割を担うものである。磁気ローラ113Aは、現像器113において摩擦帯電した現像剤Tを一定の穂長に調整された磁気ブラシの形で搬送する。この搬送された現像剤Tは、電子写真感光体1の現像領域において、静電潜像との静電引力によって電子写真感光体1の表面に付着してトナー像を形成する(静電潜像を可視化する)。トナー像の帯電極性は、正規現像によって画像形成が行なわれる場合には電子写真感光体1の表面の帯電極性と逆極性とされ、反転現像によって画像形成が行なわれる場合には電子写真感光体1の表面の帯電極性と同極性とされる。
なお、現像器113は、本例においては乾式現像方式を採用しているが、液体現像剤を用いた湿式現像方式を採用してもよい。
転写器114は、電子写真感光体1と転写器114との間の転写領域に供給された記録媒体Pに、電子写真感光体1のトナー像を転写する役割を担うものである。本例における転写器114は、転写用チャージャ114Aおよび分離用チャージャ114Bを備えている。転写器114では、転写用チャージャ114Aにおいて記録媒体Pの背面(非記録面)がトナー像とは逆極性に帯電され、この帯電電荷とトナー像との静電引力によって、記録媒体P上にトナー像が転写される。また、転写器114では、トナー像の転写と同時的
に、分離用チャージャ114Bにおいて記録媒体Pの背面が交流帯電され、記録媒体Pが電子写真感光体1の表面から速やかに分離させられる。
転写器114としては、電子写真感光体1の回転に従動し、且つ、電子写真感光体1とは微小間隙(通常、0.5mm以下)を介して配置された転写ローラを用いることも可能である。この転写ローラは、例えば直流電源により、電子写真感光体1上のトナー像を記録媒体P上に引きつけるような転写電圧を印加するように構成される。転写ローラを用いる場合には、分離用チャージャ114Bのような転写分離装置は省略することもできる。
定着器115は、記録媒体Pに転写されたトナー像を記録媒体Pに定着させる役割を担うものであり、一対の定着ローラ115A、115Bを備えている。定着ローラ115A、115Bは、例えば金属ローラ上に四フッ化エチレンなどで表面被覆したものである。定着器115では、一対の定着ローラ115A、115Bの間を通過させる記録媒体Pに対して熱および圧力などを作用させることによって、記録媒体Pにトナー像を定着させることができる。
クリーニング器116は、電子写真感光体1の表面に残存するトナーを除去する役割を担うものであり、クリーニングブレード116Aを備えている。クリーニングブレード116Aは、電子写真感光体1の表面から残留トナーを掻きとる役割を担うものである。クリーニングブレード116Aは、例えばポリウレタン樹脂を主成分としたゴム材料で形成されている。
除電器117は、電子写真感光体1の表面電荷を除去する役割を担うものであり、特定波長(例えば780nm以上)の光を出射可能とされている。除電器117は、例えばLEDなどの光源によって電子写真感光体1の表面の軸方向全体を光照射することにより、電子写真感光体1の表面電荷(残余の静電潜像)を除去するように構成されている。
本例の画像形成装置100では、電子写真感光体1の有する上述の効果を奏することができる。
以上、本発明の具体的な実施形態を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨から逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、図4に示す第1変形例のように、帯電層11bと光導電層11cとの間に、第2電荷注入阻止層11dをさらに有していてもよい。このような構成とすることで、上述した転写機114によって、トナー像と逆極性に帯電された転写用チャージャ114Aおよび転写ローラから電子写真感光体1に対して電圧が印加された際のリーク電流を防止することが可能となる。なぜならば、第1電荷注入阻止層11aが円筒状基体10からのキャリア(電子)の注入を阻止するのと同様に、第2電荷注入阻止層11dが光導電層11c側から帯電層11b側へキャリア(電子)の注入を阻止するためである。すなわち、電子写真感光体1の耐電圧を高くすることができる。
また、図5に示す第2変形例のように、感光層11上に表面層12および保護層13を形成してもよい。表面層12は、感光層11の表面を保護するためのものであり、画像形成装置内での摺擦による摩耗に対して耐性の高い、シリコンを主体とする非単結晶材料で構成されている。例えばアモルファス炭化シリコン(a−SiC)あるいはアモルファス窒化シリコン(a−SiN)などのアモルファスシリコン(a−Si)系材料で形成されている。保護層13は、感光層11の耐摩耗性を高めるためのものであり、アモルファスカーボン(a−C)のような炭素を主体とする非単結晶材料で構成される。アモルファスカーボン(a−C)のような炭素を主体とする非単結晶材料は耐湿性に優れる材料である
ことから、円筒状基体10への水分の吸着を比較的抑制することができることから、画像特性、特に高温高湿環境下などにおける画像流れの発生を抑制することができる。
この表面層12および保護層13は、電子写真感光体1に照射されるレーザ光などの光が吸収されたり、反射されたりすることのないように透過性に優れており、また、画像形成における静電潜像を保持でき得る表面抵抗値(一般的には1011Ω・cm以上)を有していることが好ましい。
1 電子写真感光体
10 円筒状基体
11 感光層
11a 第1電荷注入阻止層
11b 導電層
11c 光導電層
11d 第2電荷注入阻止層
12 表面層
13 保護層
100 画像形成装置
111 帯電器
112 露光器
113 現像器
114 転写器
115 定着器
116 クリーニング器
117 除電器

Claims (6)

  1. 円筒状基体と、該円筒状基体の周面上に形成された感光層とを備え、
    該感光層は、前記円筒状基体の周面上に形成された第1電荷注入阻止層と、該第1電荷注入阻止層上に形成された帯電層と、該帯電層上に形成された光導電層とを少なくとも有し、
    前記帯電層の比誘電率は、前記光導電層の比誘電率よりも低いことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記帯電層と前記光導電層との間に、第2電荷注入阻止層をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記第1電荷注入阻止層、第2電荷注入阻止層および光導電層は、アモルファスシリコン系材料からなり、前記帯電層は、アモルファスシリコン系材料またはアモルファスカーボンからなることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記光導電層上に表面層および保護層が順次形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記表面層がシリコンを主体とする非単結晶材料で構成されて、前記保護層が炭素を主体とする非単結晶材料で構成されていることを特徴とする請求項4に記載の電子写真感光体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備えることを特徴とする画像形成装置。
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