JP3281604B2 - 電子写真感光体用基板および電子写真感光体ならびに該電子写真感光体を用いた画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体用基板および電子写真感光体ならびに該電子写真感光体を用いた画像形成装置

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JP3281604B2 JP21690098A JP21690098A JP3281604B2 JP 3281604 B2 JP3281604 B2 JP 3281604B2 JP 21690098 A JP21690098 A JP 21690098A JP 21690098 A JP21690098 A JP 21690098A JP 3281604 B2 JP3281604 B2 JP 3281604B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム合金
からなりアモルファスシリコンを感光層とする電子写真
感光体用基板および電子写真感光体ならびに該電子写真
感光体を搭載した画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アモルファスシリコン(a−Si)を感
光層とする電子写真感光体用基板の素材としては、主と
してアルミニウム合金が使用されている。基板の形状は
円筒状、板状、ベルト状などであるが、主流は円筒形状
である。感光体の製造は、アルミニウム合金を押出、引
抜き加工することにより円筒形状に成形し、さらに切削
により所定の基板形状に加工し、脱脂、洗浄工程を経
て、基板表面にプラズマCVD法によってa−Si感光
層を10〜100μmの厚さで成膜形成することより行
われ、このa−Si感光体を搭載した画像形成装置の電
子写真プロセスは、一般にカールソン法が多く用いら
れ、複写機、プリンタなどとして商品化されている。
【0003】近年、電子写真技術は飛躍的に進歩してお
り、画像形成装置の高速化、軽量化、高分解能化が進
み、これらの高性能を達成するためには、感光層の特性
向上のみでなく、感光体の精度や感光体を装置に組付け
る際の機械的寸法精度が要求されるようになっている。
【0004】アモルファスシリコン(a−Si)を感光
層とする電子写真感光体用アルミニウム合金基板の場合
には、前記のように、押出、引抜き加工により、図1に
示すような円筒形状の素管1に形成され、例えばNC旋
盤などにより、図2に示すように、外周部4、内周部
5、端部6を粗切削し、インロー内径部3を切削加工し
て、円筒形状の中間基板2とする。さらに、アルミニウ
ム合金中間基板に所定の表面性状を与えるために、仕上
げ切削、各種のブラスト処理、化学処理などを行い、基
板に付着した油分や汚れなどを除去するために、有機溶
剤や水系洗浄剤を用いて洗浄を行う。
【0005】感光体の寸法特性を向上させるためには、
まず、押出、引抜き工程での寸法精度、粗切削加工、仕
上げ切削加工における寸法精度を上げる必要があるが、
アルミニウム合金の押出、引抜き加工における寸法精度
は、押出、引抜き技術の進歩とともに十分に向上してお
り、アルミニウム合金基板の切削加工についても、これ
まで種々の加工方式が研究された結果として、最近では
基板の高精度加工が可能となっている。
【0006】つぎに、作製されたアルミニウム合金中間
基板2に、図3に示すように、a−Si感光層8を成膜
形成して感光体7とする。感光層は、例えば、基板側か
らキャリア注入阻止層、光導電層、表面保護層を順次積
層して感光層を形成する。成膜形成方法としては、主と
してプラズマCVD法が使用されるが、真空蒸着法、イ
オンプレーティイング法、スパッタ法なども用いられ
る。
【0007】感光層の成膜形成においては、アルミニウ
ム合金基板とa−Si感光層との密着性を向上させ、ま
た良好なa−Si感光層形成を目的として、基板温度を
高温にして感光層の成膜を行う。このために、基板が変
形する(以下、熱変形という)という問題が生じる。さ
らに、高温で感光層を成膜形成した基板を室温まで冷却
する際、a−Si感光層とアルミニウム合金基板の線膨
張係数の違いにより感光体に変形が生じる(以下、成膜
変形という)という問題がある。
【0008】上記基板の変形は、基板の肉厚が薄くなる
ほど顕著であり、基板形状が円筒形状のものでは、図4
に示すように、両端部および両端部に近い部分9、10
の外径部4、内径部5およびインロー内径部3において
熱変形、成膜変形が大きい。とくに感光体の両端部に設
けられたインロー内径部3は、画像形成装置と感光体を
つなぎ合わせる重要な部分で高寸法精度が要求されるか
ら、変形を生じるのは好ましくない。変形を防ぐため
に、予めアルミニウム合金基板に軟化処理を行い、残留
応力を除去することも行われているが十分な対策とはな
っていない。
【0009】従来、a−Si感光層を成膜するアルミニ
ウム合金基板の材質として、Mgの添加により強度向上
を図り、不純物元素の混入を少なくして晶出物を生成を
抑制したAl−Mg合金が提案、使用されているが(特
公昭62−32261号公報など)、この合金からなる
基板は、感光層を成膜するための下地として、超精密仕
上げ面を得るには適しているものの、a−Si感光層を
成膜形成した後の寸法精度については配慮されていない
ため、切削加工などで高寸法精度に加工されても、a−
Si感光層を形成する際の熱変形、成膜変形により寸法
精度が低下していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、a−Siを
感光層とする電子写真感光体用アルミニウム合金基板に
おける上記従来の問題点を解消するために、熱変形およ
び成膜変形のメカニズムを解析し、とくに変形とアルミ
ニウム合金の内部性状、成分組成などとの関連性につい
て、実験、検討を繰り返した結果としてなされたもので
あり、その目的は、切削加工により高寸法精度が得られ
るとともに、熱変形および成膜変形が顕著に軽減される
電子写真感光体用基板および電子写真感光体、ならびに
当該電子写真感光体を用い高速複写、高速印字を可能と
する軽量、高耐久の画像形成装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の請求項1に係る電子写真感光体用基板は、
アモルファスシリコンを感光層とするアルミニウム合金
からなる円筒形状の電子写真感光体用基板で、該基板の
両端部に薄肉のインロー内径部を形成したものにおい
て、前記アルミニウム合金からなる円筒形状の電子写真
感光体用基板の表面および円周方向断面における平均結
晶粒度を0.1mm以上2mm未満としたことを特徴と
し、請求項2に係る電子写真感光体用基板は、前記アル
ミニウム合金からなる円筒形状の電子写真感光体用基板
の表面および円周方向断面における平均結晶粒度を0.
2mm以上2mm未満としたことを特徴とする。
【0012】本発明の請求項3に係る電子写真感光体用
基板は、上記のアルミニウム合金が、Mn:0.5〜
2.0%を含有するAl−Mn系合金であることを特徴
とする。
【0013】本発明の請求項4に係る電子写真感光体用
基板は、上記のアルミニウム合金が、Mg:1.0〜
8.0%を含有するAl−Mg系合金であることを特徴
とする。
【0014】本発明の請求項5に係る電子写真感光体用
基板は、上記のアルミニウム合金が、Mg:0.3〜
1.5%、Si:0.15〜1.0%を含有するAl−
Mg−Si系合金であることを特徴とする。
【0015】本発明の請求項6に係る電子写真感光体
は、請求項1〜5のいずれかに記載の基板の表面にアモ
ルファスシリコンの感光層を形成してなることを特徴と
する。
【0016】本発明の請求項7に係る画像形成装置は、
請求項6に記載された電子写真感光体と、該感光体の表
面に電荷を付与する帯電手段と、感光体の帯電領域に対
して光照射する露光手段とからなり、これら帯電手段と
露光手段とにより感光体の表面に静電潜像を形成すると
ともに、該静電潜像に対応したトナー像を感光体の表面
に形成する現像手段と、該トナー像を被転写体に転写す
る転写手段と、該転写手段による転写後に感光体表面の
残留トナーを除去するクリーニング手段と、転写後に残
余静電潜像を除去する除電手段とを配設したことを特徴
とする。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の電子写真感光体用基板お
いては、基板を形成するアルミニウム合金の平均結晶粒
度を0.1mm以上2mm未満とすることが重要であ
る。平均結晶粒度が0.1mm未満では熱変形、成膜変
形が生じ易く、2mm以上になると、基板の製造が難し
くなり製造コストが上昇する。切削加工に供する基板素
材は、押出管でも抽伸管もよく、抽伸により所定の外径
および内径に加工した後、熱処理を行う。
【0018】結晶粒度は、抽伸加工率および熱処理条件
を調整することによって制御する。例えば、5〜25%
の比較的低い加工率で抽伸加工を行い、300℃以上の
温度で30分以上の時間熱処理することにより再結晶さ
せることによって上記の平均結晶粒径が得られる。より
好ましい平均結晶粒度は0.2mm以上2mm未満、さ
らに好ましい平均結晶粒度は0.4mm以上2mm未満
である。
【0019】基板表面の平滑性を得るために、アルミニ
ウム合金基板の表面の結晶粒径を1cm以下とするもの
(特公平5−14903号公報)も提案されているが、
本発明の目的とする変形防止は、表面の結晶粒のみを制
御しても効果を達成することはできない。
【0020】本発明においては、平均結晶粒度は所定の
範囲にあれば、とくにアルミニウム合金の組成は問わ
ず、すべてのアルミニウム合金の使用が可能であるが、
とくに本発明では、アルミニウム合金のうち以下に示す
組成を有するアルミニウム合金を使用するのが好まし
い。
【0021】Mn0.5〜2.0%を含有するAl−M
n系合金:Mnは強度向上のために機能する。0.5%
未満では強度向上の効果が小さく変形が生じ易くなり、
2.0%を越えると、鋳造時に粗大な晶出物が生成し、
基板表面の切削時に良好な切削面が得難くなる。さらに
好ましいMnの含有範囲は0.6〜1.5%である。A
l−Mn系合金には、Mnの他、0.2〜1.5%のM
g、0.05〜1.5%のCu、0.5%以下のCr、
1%以下のZn、0.2%以下のTi、0.5%以下の
V、0.5%のZr、0.05%以下のB、不純物とし
てのSiおよびFeが含まれていてもよい。
【0022】Mg1.0〜8.0%を含有するAl−M
g系合金:Mgは切削性および強度向上に寄与する。
1.0%未満では強度向上の効果が小さく変形が生じ易
くなり、8.0%を越えて含有されると、基板となる管
製造における熱間加工において割れが生じ易くなる。さ
らに好ましいMgの含有量は1.5〜5.0%の範囲で
ある。Al−Mg系合金には、Mgの他、0.1〜1.
0%のCu、0.05〜0.5%Mn、0.5%以下の
Cr、1%以下のZn、0.2%以下のTi、0.5%
以下のV、0.5%のZr、0.05%以下のB、不純
物としてのSiおよびFeが含まれていてもよい。
【0023】Mg0.3〜1.5%、Si:0.15〜
1.0%を含有するAl−Mg−Si系合金:MgとS
iは共存して強度を向上させる。MgおよびSiの含有
量がそれぞれ0.3%未満および0.15%未満では、
強度向上の効果が小さく変形が生じ易くなり、Mgおよ
びSiの含有量がそれぞれ1.5%および1.0%を越
えると、鋳造時に粗大な晶出物が生成し、基板表面の切
削時に良好な切削面が得難くなる。Al−Mg−Si系
合金には、Mg、Siの他、0.1〜1.0%のCu、
0.05〜0.5%のMn、0.5%以下のCr、1%
以下のZn、0.2%以下のTi、0.5%以下のV、
0.5%のZr、0.05%以下のB、不純物としての
SiおよびFeが含まれていてもよい。
【0024】図5は、上記の基板にa−Si感光層を成
膜形成した本発明の電子写真加工体を搭載した複写機構
成の画像形成装置11を示すものである。感光体12の
周面に帯電手段であるコロナ帯電器13と、帯電後に原
稿から反射光を通すレンズやミラーを配設した露光手段
である露光器14と、トナー像を感光体12の表面に形
成するためのトナー15を備えた現像手段である現像器
16と、トナー像を被転写材17に転写する転写手段で
ある転写器18と、転写後に感光体表面の残留トナーを
除去するクリーニング手段19と、転写後に残余静電潜
像を除去する除電手段20を配設することにより構成さ
れる。21は、被転写材17に転写されたトナー像を熱
もしくは圧力により固着するための定着器である。
【0025】上記の装置構成になる画像形成装置の電子
写真プロセス(カールソン法)は、以下の工程を繰り返
す。 感光体12の周面をコロナ帯電器13により帯電する
工程。 露光器14により画像を露光することにより感光体1
2の表面上に電位コントラストとして静電潜像を形成す
る工程。 静電潜像を現像器16により現像し、現像により黒色
のトナーが静電潜像として静電引力により感光体表面に
付着し、可視化する工程。
【0026】感光体表面のトナー像を紙などの被転写
材17の裏面よりトナーと逆極性の電界を加えて静電転
写し、これにより画像を被転写材17の上に得る工程。 感光体表面の残留トナーを、クリーニング手段によっ
て機械的に除去する工程。 感光体表面を強い光で全面露光し、除電手段20によ
り残余の静電潜像を除去する工程。
【0027】なお、画像形成装置11は、複写機構成で
あるが、露光手段14に代えてLEDヘッドなどを用い
て光照射を行えば、プリンタ構成の画像形成装置とな
る。この画像形成装置11では、通常の乾式現像を用い
ているが、湿式現像に使用される液体現像剤も適用でき
る。
【0028】本発明による画像形成装置の大きな特徴と
しては、搭載する感光体の寸法精度向上により、感光体
の振れを抑えるためのコロなどの部品が不要となり、画
像形成装置の軽量化が実現できる。他の特徴としては、
搭載する感光体の寸法精度向上によって、画像形成装置
の構成部品の配置精度が向上し、均一な画像出力が実現
できることである。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。 実施例1 表1に示す組成のアルミニウム合金をDC鋳造で造塊
し、得られた鋳塊を常法に従ってソーキング処理後、管
形状に熱間押出加工を行い、抽伸加工を行って、切削加
工に供する素管寸法(外径80.5mm、内径74m
m)とした。この際、結晶粒度を変えるために抽伸加工
度を変化させた。
【0030】ついで、400℃で1時間の熱処理を施し
切削加工に供した。切削加工としては、まずNC旋盤
で、外径(D1)80mm、内径(D2)74mm、全
長(L1)350mm、インロー内径(D3)76m
m、インロー内径深さ(L2)10mm(図2参照)
に、高寸法精度の粗切削加工を行い、さらに、外径仕上
げ切削用精密旋盤で、天然ダイヤモンド切削バイトを用
いて、管の外周面を0.05mm程度切り込む鏡面切削
仕上げを行った。
【0031】その後、油分や切削屑などを除去するため
に、水系洗浄剤で基板を洗浄し、この段階で、各基板の
諸寸法、とくにインロー内径(D3)を内径測定用高精
度プラグゲージで0.001mm単位まで正確に測定す
る。また、基板の表面近傍および円周方向に切断してみ
られる断面を顕微鏡で観察して、JIS H0501
(比較法)に従い平均結晶粒度を測定した。
【0032】寸法測定後、アルミニウム合金基板を反応
炉内に装入して、プラズマCVD法によりa−Si感光
層を成膜形成する。a−Si感光層の形成は、ホウ素1
500ppm、酸素1.0%、窒素0.7%を含むa−
Siのキャリア注入阻止層、ホウ素0.5ppを含むa
−Siの光導電層、a−SiC(アモルファスシリコン
カーバイド)の表面保護層を順次積層することにより行
われる。感光層形成時の基板温度は300℃、a−Si
感光層の厚さは40μmとした。
【0033】プラズマCVD法によれば、出発原料ガス
としてシランガス、メタンガス、水素ガス、ジボランガ
ス、酸化窒素ガスを用い、各層の成膜形成に応じて上記
各種ガスを適宜反応炉内に導入て、高電圧でプラズマを
発生させることにより、順次各層が形成される。
【0034】得られたa−Si感光層を形成したアルミ
ニウム合金感光体基板を、図5に示す画像形成装置に搭
載して画像出力を行い、出力画像特性を評価した。な
お、この画像形成装置では、高画質画像を得るために各
部品は高精度寸法となっており、さらに画像形成装置の
軽量化を図るために搭載する感光体の振れを抑えるため
の部品や制御系は削除あるいは簡略化されている。
【0035】基板の抽伸加工度、平均結晶粒度を表2に
示す。また、切削性、寸法変化量、および画像特性を表
3に示す。切削性は、基板の表面仕上げ切削で得られる
切削面状態を平滑性と外観から総合判断した。寸法変化
量は、a−Si感光層形成の前後のインロー内径(D
3)の寸法値の変化量であり、インロー内径深さ方向2
個所(A:端部から3mmの個所、B:端部から5mm
に個所)における測定値の変化量を示す。正の値は拡大
変形、負の値は収縮変形である。熱変形および成膜変形
は顕著に確認できる部分はインロー内径部であり、イン
ロー内径部の変形が大きくなると、画像形成装置への搭
載時に感光体の振れが大きくなって、出力画像に濃度ム
ラが発生する。画像特性は、出力画像の濃度ムラの有無
から評価する。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】 《表注》切削性 ○:良好 △:若干の不良部有り ×:不良 画像特性 ○:濃度ムラ無し △:若干の濃
度ムラ有り ×:濃度ムラ有り
【0039】表3にみられるように、本発明に従う試験
材はいずれも、加熱変形および成膜変形が軽減されて寸
法変化量が少なく、感光体の寸法特性が向上し、画像形
成装置搭載時の振れが小さくなる結果、濃度ムラの無い
高画質画像が得られた。
【0040】比較例1 表4に示す組成のアルミニウム合金をDC鋳造で造塊
し、得られた鋳塊を常法に従ってソーキング処理後、管
形状に熱間押出加工を行い、抽伸加工を行って、切削加
工に供する素管寸法(外径80.5mm、内径74m
m)とした。この際、結晶粒度を変えるために抽伸加工
度を変化させた。
【0041】ついで、400℃で1時間の熱処理を施
し、実施例1と同様の切削加工を行って、実施例1と同
じ寸法に仕上げ、水系洗浄剤で洗浄した後、実施例1と
同じ方法でa−Si感光層を成膜形成した。洗浄後、実
施例1と同様に、基板の諸寸法、とくにインロー内径
(D3)を内径測定用高精度プラグゲージで0.001
mm単位まで正確に測定した。また、基板の表面近傍お
よび円周方向に切断してみられる断面を顕微鏡で観察し
て、JIS H0501(比較法)に従い平均結晶粒度
を測定した。さらに、実施例1と同じ方法で、基板の切
削性を評価し、作製された感光体について、寸法変化
量、画像特性の評価を行った。結果を表5、表6に示
す。
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】表6に示すように、試験材No.7〜9
は、平均結晶粒度が小さいため、寸法変化量が大きく、
従って、感光体の振れに起因して画像に濃度ムラが生
じ、高画質画像が得られない。試験材No.10はMn
の含有量が多いため、鋳造時に生成するMn系晶出物に
より鏡面切削仕上げが阻害され、画像に黒点状の欠陥が
生じた。
【0046】試験材No.11は、Mgの含有量が少な
いため、基板の強度が十分でなく、寸法変化量が大きく
なって、感光体の振れの影響により画像に濃度ムラが生
じ、高画質画像が得られなかった。試験材No.12
は、Siの含有量は多いため、鋳造時に生成するSi系
晶出物により鏡面切削仕上げが阻害され、画像に黒点状
の欠陥が生じた。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、切削特性に優れること
で高寸法精度が得られ且つ熱変形および成膜変形が顕著
に軽減される電子写真感光体用基板および電子写真感光
体、ならびに当該電子写真感光体を用いる画像形成装置
が提供される。この画像形成装置は軽量、高耐久性をそ
なえ高速複写、高速印字を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】押出、引抜き加工により成形された基板材の縦
断面図である。
【図2】図1の基板材を切削加工したものの縦断面図で
ある。
【図3】a−Si感光層を成膜形成した感光体の縦断面
図である。
【図4】a−Si感光層を成膜形成した感光体の変形状
態を示す縦断面図である。
【図5】本発明の画像形成装置の構成図である。
【符号の説明】
1 素管 2 中間基板 3 インロー内径部 4 外周部 5 内周部 6 端部 7 感光体 8 感光層 9 変形部 10 変形部 11 画像形成装置 12 感光体 13 コロナ帯電器 14 露光器 15 トナー 16 現像器 17 被転写材 18 転写器 19 クリーニング手段 20 除電手段 21 定着器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 眞一 東京都港区新橋5丁目11番3号 住友軽 金属工業株式会社内 (72)発明者 駒澤 真一 東京都港区新橋5丁目11番3号 住友軽 金属工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−248635(JP,A) 特開 昭61−159544(JP,A) 特開 平5−14903(JP,A) 特開 昭60−28662(JP,A) 特開 昭59−193463(JP,A) 特開 平2−310369(JP,A) 特開 昭60−262936(JP,A) 特開 平2−306251(JP,A) 特開 昭62−15554(JP,A) 特開 平5−346677(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アモルファスシリコンを感光層とするア
    ルミニウム合金からなる円筒形状の電子写真感光体用基
    板で、該基板の両端部に薄肉のインロー内径部を形成し
    たものにおいて、前記アルミニウム合金からなる円筒形
    状の電子写真感光体用基板の表面および円周方向断面に
    おける平均結晶粒度を0.1mm以上2mm未満とした
    ことを特徴とする電子写真感光体用基板。
  2. 【請求項2】 アモルファスシリコンを感光層とするア
    ルミニウム合金からなる円筒形状の電子写真感光体用基
    板で、該基板の両端部に薄肉のインロー内径部を形成し
    たものにおいて、前記アルミニウム合金からなる円筒形
    状の電子写真感光体用基板の表面および円周方向断面に
    おける平均結晶粒度を0.2mm以上2mm未満とした
    ことを特徴とする電子写真感光体用基板。
  3. 【請求項3】 アルミニウム合金がMn:0.5〜2.
    0%(重量%、以下同じ)を含有するAl−Mn系合金
    であることを特徴とする請求項1または2記載の電子写
    真感光体用基板。
  4. 【請求項4】 アルミニウム合金がMg:1.0〜8.
    0%を含有するAl−Mg系合金であることを特徴とす
    る請求項1または2記載の電子写真感光体用基板。
  5. 【請求項5】 アルミニウム合金がMg:0.3〜1.
    5%、Si:0.15〜1.0%を含有するAl−Mg
    −Si系合金であることを特徴とする請求項1または2
    記載の電子写真感光体用基板。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の基板の
    表面にアモルファスシリコンの感光層を形成してなるこ
    とを特徴とする電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載された電子写真感光体
    と、該感光体の表面に電荷を付与する帯電手段と、感光
    体の帯電領域に対して光照射する露光手段とからなり、
    これら帯電手段と露光手段とにより感光体の表面に静電
    潜像を形成するとともに、該静電潜像に対応したトナー
    像を感光体の表面に形成する現像手段と、該トナー像を
    被転写体に転写する転写手段と、該転写手段による転写
    後に感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手
    段と、転写後に残余静電潜像を除去する除電手段とを配
    設したことを特徴とする画像形成装置。
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