JP2830933B2 - 電子写真用光導電部材の製造方法 - Google Patents

電子写真用光導電部材の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム合金
で形成された支持体上に光導電層を形成した電子写真用
光導電部材を製造する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】アルミニウム合金は建材、自動車部品等
各種構造体に幅広く利用されているが、とりわけ、光導
電部材の支持体等精密加工を要求される電気乃至電子デ
バイスの構成部材として、その利用動が高まりつつあ
る。 【0003】しかしながら、例えば日本工業規格(JI
S)により規格化された展伸材、鋳物用、ダイカスト等
の汎用のアルミニウム合金には、Mg,Cu,Mn,S
i,Zn等の積極的に添加される成分をはじめとする各
種組成成分と共に各種不純物成分が含有されており、こ
れらが介在物として組織中に析出して粒界段差を生起さ
せたり、あるいは水素ガスが組織中に空孔(Blist
er)として存在して、精密加工の際の加工性を損な
い、延いてはアルミニウム合金を構成部材とする電子部
品等の特性を劣化させることになる。 【0004】この様な事状を、光導電部材を1例とし
て、更に詳しく説明すると、例えば電子写真感光体は、
通常、アルミニウム合金から成る円筒状等の支持体表面
上に光導電層を設けて構成される。 【0005】光導電層の材料としては有機乃至無機の各
種光導電物質が用いられているが、例えば1価の元素で
ダングリングボンドが修飾されたアモルファスシリコン
(以下、a−Siという)は、その優れた光導伝性、耐
擦性、耐熱性のために光導電層の材料としての応用が期
待されている。このa−Siを実用に供するためには、
a−Siの光導電層に加えて、支持体からの電荷の注入
を阻止する電荷注入阻止層、SiNX ,SiCX 等の表
面保護層等を用い、目的に応じた多層構成とする必要が
ある。そしてこの際の光導電部材の均一性は極めて重要
であり、光導電的特性の不均一やピンホール等の欠陥が
存在すると美麗な画像が提供できないばかりでなく、実
用に耐えないものとなる。 【0006】特にa−Siは、膜の形態が支持体の表面
形状に大きく左右されることが知られている。とりわ
け、殆どの部分でほぼ均一の光導電特性が必要となる大
面積の電子写真感光体ドラムにおいては、支持体の表面
状態は極めて重要であり、支持体表面に欠陥が存在する
と膜の均一性が悪くなり、柱状構造や球状突起が形成さ
れるため、光導電的不均一さの生じる原因となる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】ところが、アルミニウ
ム合金の管材等を支持体として使用する場合、その表面
に鏡面仕上げ、エンボス加工等精密な各種切削乃至は研
摩加工を施す過程において、前述した各種介在物によ
り、例えばハードスポットと呼ばれる固い部分が存在し
たり、水素ガスによる空孔(Blister)が存在し
たりすると、例えば切削加工による鏡面化過程におい
て、切削バイトに対する切削抵抗となり、アルミニウム
シリンダー表面に欠陥部分を生ずる原因となり、アルミ
ニウム支持体表面上に1〜10μm程度のひび割れ、エ
グレ状の傷、更には微細な凹凸あるいは空孔(Blis
ter)より発生するスジ状キズを発生させる要因とな
っている。 【0008】そこで、本発明者らは、アルミニウム合金
における不純物成分及び空孔(Blister)に着目
し、特に含有される水素の量を規制することにより、前
述した従来の問題点が解決されることを見出し、本発明
を完成するに至った。 【0009】本発明の電子写真用光導電部材の製造方法
は、アルミニウムを基質とし、含有する水素の量がアル
ミニウム100グラムに対して1.0cc以下であるア
ルミニウム合金で形成された電子写真用光導電部材とし
て必要な平面状態であるRmax が1.0μm以下とされ
たドラム状支持体を用意し、該支持体上に光導電層を形
成する工程を有することを特徴とする。 【0010】 【発明の実施の形態】汎用のアルミニウム合金には、一
般に、電解精錬から圧延、押出等の塑性加工に至るまで
の過程等において生成し、混入し、残存する水素が、ア
ルミニウム100グラムに対して1ccを超えて含有さ
れている。これにより、合金体の組織中に空孔状の組織
異常を生起させ、精密加工の際の加工性を損じたり、精
密加工により得られる電子部品等の特性を劣化させる原
因となっていた。本発明においては、かかる不都合を生
ずる水素の含量がアルミニウム100グラムに対して
1.0cc前後で組織異常の状況が大きく変わり、水素
含量を1.0cc以下に抑制することにより、前記組織
異常による不都合が解消されることを見出した。水素の
含量が、アルミニウム100グラムに対して1.0cc
を超えると、前述した様に、合金体の組織中に欠陥が生
成され、精密加工の時、例えば生成された表面の鏡面仕
上時にバイトによって欠陥を生じさせる空孔(Blis
ter)の大きさと存在密度が大きくなり、5μm以上
の空孔(Blister)が在する様になり、好ましく
ない。水素の更に好ましい含量は、アルミニウム100
グラムに対して0.7cc以下である。アルミニウム合
金中の水素含量を本発明に規定している範囲に抑制する
具体的な方法としては、例えば、アルミニウム合金溶解
時に、脱ガス工程として塩素ガスを溶湯中に吹込み、合
金組織中に存在する水素ガスをHClとして除去する
法、あるいは溶解したアルミニウム合金を真空炉中に一
定時間保持し合金組織中に存在する水素ガスを真空中に
拡散除去する方法などが挙げられる。 【0011】この様に、本発明においてはアルミニウム
合金中に含有される水素量を規定したが、基質アルミニ
ウムをはじめとするその他の合金成分については、特に
制限はなく、成分の種類、組成等については任意に選択
することができる。従って、本発明のアルミニウム合金
には、日本工業規格(JIS)、AA規格、BS規格、
DIN規格、国際合金登録等に展伸材、鋳物用、ダイカ
スト等として規格化あるいは登録されている、純アルミ
ニウム系、Al−Cu系、Al−Mn系、Al−Si
系、Al−Mg系、Al−Mg−Si系、Al−Zn−
Mg系等の組成の合金、Al−Cu−Mg系(ジュラル
ミン、超ジュラルミン等)、Al−Cu−Si系(ラウ
タル等)、Al−Cu−Ni−Mg系(Y合金、RR合
金等)、アルミニウム粉末焼結体(SAP)等が包含さ
れる。 【0012】本発明においてアルミニウム合金の組成を
選択するには、使用目的に応じた特性として、例えば機
械的強度、耐食性、加工性、耐熱性、寸法精度等を考慮
して適宜に選択すれば良いが、例えば精密加工に際し
て、鏡面化切削加工等を伴なう場合には、アルミニウム
合金中にマグネシウム及び銅を共存させることによっ
て、アルミニウム合金の快削性が向上する。マグネシウ
ムあるいは銅の含量は、それぞれ0.5〜10重量%の
範囲が好ましく、特に1〜7重量%の範囲が望ましい。
マグネシウム含量が余りにも高過ぎると結晶粒界部分に
粒界腐食が生じ易くなるため、10重量%を超えて添加
することは望ましくない。 【0013】また、アルミニウム合金中に含有される鉄
は、共存するアルミニウムやケイ素とFe−Al系やF
e−Al−Si系の金属間化合物を形成し、アルミニウ
ムマトリックス中にハードスポットとして現れる。特に
このハードスポットは鉄含量2000ppmを境にして
鉄が増加すると急激に増加し、例えば鏡面切削加工等の
際に悪影響を及ぼす。従って、本発明のアルミニウム合
金における好ましい鉄含量は、2000ppm以下、更
には1000ppm以下である。 【0014】因みに、本発明のアルミニウム合金の具体
的組成を以下に例示する。 [Al−Mg系] Mg 0.5〜10重量% Si 0.5重量%以下 Fe 0.25重量%以下(好ましくは2000pp
m以下) Cu 0.04〜0.2重量% Mn 0.01〜1.0重量% Cr 0.05〜0.5重量% Zn 0.03〜0.25重量% Ti Tr又は0.05〜0.20重量% H2 Al 100グラムに対して1.0cc以下 Al 実質的に残部 [Al−Mn系] Mn 0.3〜1.5重量% Si 0.5重量%以下 Fe 0.25重量%以下(好ましくは2000pp
m以下) Cu 0.05〜0.3重量% Mg 0.2〜1.3重量% Cr 0又は0.1〜0.2重量% Zn 0.1〜0.4重量% Ti Tr又は0.1重量%程度 H2 Al 100グラムに対して1.0cc以下 Al 実質的に残部 [Al−Cu系] Cu 1.5〜6.0重量% Si 0.5重量%以下 Fe 0.25重量%以下(好ましくは2000pp
m以下) Mn 0又は0.2〜1.2重量% Mg 0.2〜1.8重量% Cr 0.1重量%程度 Zn 0.2〜0.3重量% Ti Tr又は0.15〜0.2重量% H2 Al 100グラムに対して1.0cc以下 Al 実質的に残部 [Al−Mg−Si系] Mg 0.35〜1.5重量% Si 0.5〜10重量% Fe 0.25重量%以下(好ましくは2000pp
m以下) Cu 0.1〜0.4重量% Mn 0.03〜0.8重量% Cr 0.03〜0.35重量% Zn 0.1〜0.25重量% Ti Tr又は0.1〜0.15重量% H2 Al 100グラムに対して1.0cc以下 Al 実質的に残部 [純アルミニウム系] Mg 0.05〜0.5重量% Si 0.3重量%以下 Fe 0.25重量%以下(好ましくは2000pp
m以下) Cu 0.03〜0.1重量% Mn 0.02〜0.05重量% Cr Tr Zn 0.03〜0.1重量% Ti Tr又は0.03〜0.1重量% H2 Al 100グラムに対して1.0cc以下 Al 実質的に残部 但し、前記Trとは積極的に添加しない場合の痕跡量を
意味する。 【0015】本発明のアルミニウム合金は、圧延、押出
等の塑性加工を経た後、切削乃至は研摩等の機械的方
法、乃至は化学エッチング等化学的乃至物理的方法を伴
なう精密加工を施し、必要に応じて熱処理、調質等を随
時組合せて、使用目的に応じた適宜の形状に賦形され
る。例えば電子写真感光体ドラム等の厳格な寸法精度を
要求される管状の構成部材に賦形する場合、通常の押出
加工により得られるポートホール押出管あるいはマンド
レル押出管を、更に冷間引抜加工して得られる引抜管を
使用するのが好ましく、この様な管を用い、例えば管表
面に鏡面仕上げ、エンボシング等のための切削乃至は研
摩等の機械的方法、乃至は化学エッチング等化学的乃至
物理的方法を伴なう精密加工を施した場合に、本発明の
アルミニウム合金の特長が特に顕著に現われる。 【0016】本発明のアルミニウム合金は、電子写真感
光体等の光導電部材の支持体、コンピューターメモリー
用磁気ディスクの基板、レーザースキャン用のポリゴン
ミラー基体に最的である、ダイヤバイトによる鏡面仕上
げ、円筒研削仕上げ、ラッピング仕上げ等の手段を用い
て、Rmax =1μm以下の表面粗さ、好ましくはRma x
=0.05μm以下の平面度に仕上げられる各種電気乃
至は電子デバイスの構成部品として有用である。 【0017】以下、本発明のアルミニウム合金を支持体
として用い、光導電物質としてa−Siを用いた電子写
真用の光導電部材について、本発明の光導電部材の構成
例を説明する。 【0018】この様な光導電部材は、例えば支持体上に
電荷注入阻止層、光導電層(感光層)及び表面保護層を
順次積層した構成を有している。 【0019】支持体の形状は、所望によって決定される
が、例えば電子写真用として使用するのであれば、連続
高速複写の場合には、無端ベルト状又は円筒状とするの
が望ましい。支持体の厚みは、所望通りの光導電部材が
形成される様に適宜決定されるが、光導電部材として可
撓性が要求される場合には、支持体としての機能が十分
発揮される範囲内であれば可能な限り薄くされる。しか
しながら、この様な場合にも、支持体の製造上及び取扱
い上、更には機械的強度等の点から、通常は、10μm
以上とされる。 【0020】支持体表面は、光導電部材の均一性を保つ
ために例えば鏡面化切削加工等により鏡面仕上げが施さ
れ、また、感光体を光源としてレーザー光等の可干渉性
単色光を使用するデジタル画像情報記録に使用する場合
に、干渉縞模様を防止するためなどに、例えば旋盤、フ
ライス盤等を用いたダイヤモンド切削等機械的精密加工
あるいは化学エッチング等他の精密加工により規則的乃
至は不規則の例えば螺旋状の微細な凹凸が付される。 【0021】電荷注入阻止層は、例えば水素原子及び/
又はハロゲン原子を含有するa−Siで構成されると共
に、伝導性を支配する物質として、通常半導体の不純物
として用いられる周期律表第III 族乃至は第V族に属す
る元素の原子が含有される。電荷注入阻止層の層厚は、
好ましくは0.01〜10μm、より好適には0.05
〜8μm、最適には0.07〜5μmとされるのが望ま
しい。 【0022】電荷注入阻止層の代りに、例えばAl2
3 ,SiO2 ,Si34 ,ポリカーボネート等の電気
絶縁材料から成る障壁層を設けてもよいし、あるいは電
荷注入阻止層と障壁層とを併用することもできる。 【0023】光導電層は、例えば水素原子とハロゲン原
子を含有するa−Siで構成され、所望により電荷注入
阻止層に用いるのとは別種の伝導性を支配する物質が含
有される。光導電層の層厚は、好ましくは1〜100μ
m、より好適には1〜80μm、最適には2〜50μm
とされるのが望ましい。 【0024】表面保護層は、例えばSiCX ,SiNX
等で構成され、層厚は、好ましくは0.01〜10μ
m、より好適には0.02〜5μm、最適には0.04
〜5μmとされるのが望ましい。 【0025】本発明において、a−Siで構成される光
導電層等を形成するには、例えばグロー放電法、スパッ
タリング法、あるいはイオンプレーティング法等の従来
公知の種々の放電現象を利用する真空堆積法が適用され
る。 【0026】次にグロー放電分解法による光導電部材の
製造法の1例について説明する。 【0027】図1にグロー放電分解法による光導電部材
の製造装置を示す。堆積槽1は、ベースプレート2と槽
壁3とトッププレート4から構成され、この堆積槽1内
には、カソード電極5が設けられており、a−Si堆積
膜が形成される特定の組成を有するアルミニウム合金製
のドラム状支持体6はカソード電極5の中央部に設置さ
れ、アノード電極としての役割も兼ねている。 【0028】この製造装置を使用してa−Si堆積膜を
ドラム状支持体上に形成するには、まず、原料ガス流入
バルブ7及びリークバルブ8を閉じ、排気バルブ9を開
け、堆積槽1内を排気する。真空計10の読みが約5×
10-6torrになった時点で原料ガス流入バルブ7を
開いて、マスフローコントローラー11内で所定の混合
比に調整された、例えばSiH4 ガス、Si26
ス、SiF4 ガス等の原料混合ガスを堆積槽1内に流入
させる。このとき、堆積槽1内の圧力が所望の値になる
様に真空計10の読みを見ながら、排気バルブ9の開口
度を調整する。そしてドラム状支持体6の表面温度が加
熱ヒーター12により所定の温度に設定されていること
を確認した後、高周波電源13を所望の電力に設定して
堆積槽1内にグロー放電を生起させる。 【0029】また、層形成を行なっている間は、層形成
の均一化を図るためにドラム状支持体6をモータ14に
より一定速度で回転させる。このようにしてドラム状支
持体6上に、a−Si堆積膜を形成することができる。 【0030】 【実施例】以下、本発明を実施例に基きより詳細に説明
する。 【0031】(実施例1〜3、比較例1,2) 精密切削用のエアーダンパー付旋盤 (PNEUMO PRECISION INC.製)
に、先端部曲率0.01(mm-1)のダイヤモンドバイ
トを、シリンダー中心角に対して5°の負のすくい角を
得る様にセットした。次にこの旋盤の回転軸フランジ
に、表1に示した水素含量の異なる5種のAl−Mg系
アルミニウム合金製シリンダー(Mg含量はいずれも4
重量%、Fe含量は2000ppm以下)を真空チャッ
クし、付設したノズルからの白燈油噴霧、同じく付設し
た真空ノズルからの切り粉の吸引を併用しつつ、周速1
000(m/min)、送り速度0.01(mm/R)
の条件で、外径が80mmΦとなる様鏡面切削を施し
た。このようにして鏡面加工したシリンダーにつき、鏡
面加工後に生じている表面欠陥(エグレ状の傷、ひび割
れ、空孔により生ずるスジ状キズ)を目視及び金属顕微
鏡により検査し、その数を調べた。なお、シリンダーに
含有される水素の量は作製したシリンダーの一部を切り
とり、これをサンプルとし、ラボラトリー・イクイップ
メンツ・コーポレーション製RH−1E型を用い、その
仕様書に従って測定した。 【0032】次に、これらの鏡面加工したアルミニウム
合金製シリンダーのそれぞれの上に、図1に示した光導
電部材の製造装置を用い、先に詳述したグロー放電分解
法に従い、下記の条件により光導電部材を作製した。 【0033】 堆積膜の積層順序 使用原料ガス 膜厚(μm) ───────── ───────── ─────── 電荷注入阻止層 SiH4 /B26 0.6 光導電層 SiH4 20 表保護層 SiH4 /C24 0.1 アルミニウムシリンダー温度:250℃ 堆積膜形成時の堆積室内内圧:0.3Torr 放電周波数:13.56MHz 堆積膜形成速度:20Å/sec 放電電力:0.18W/cm2 こうして得られた各電子写真感光体ドラムを、キヤノン
(株)製400RE複写装置に設置して画出しを行な
い、白点状の画像欠陥(0.3mmΦ以上)の評価を施
した。これらの評化結果を表1に示した。 【0034】なお、実施例1〜3の各電子写真感光体ド
ラムについては、更に100万枚の耐久試験を、23℃
/相対湿度50%、30℃/相対湿度90%、5℃/相
対湿度20%の各環境下で実施したが、画像欠陥、特に
白抜け等の欠陥の増加もなく、良好な耐久性を有してい
ることが確認された。 【0035】 【表1】 (*1:欠陥数は目視検査による(顕微鏡観察では5μmで あるものがスジ状となって目視できる。) (実施例4〜6、比較例3〜5)Al−Mg系アルミニ
ウム合金の代りに、Al−Mn系、Al−Mg−Si
系、及び、純アルミニウム系のアルミニウム合金(Fe
含量は何れも1000ppm以下)を用いた以外は、実
施例1と同一のアルミニウム合金製シリンダー並びに光
導電部材を作製した。 【0036】かくして得られたシリンダーの鏡面化過程
で発生した欠陥数並びに画出しを行なった際の画像欠陥
を実施例1と同様に評価し、結果を表2に示した。 【0037】 【表2】 (*1:欠陥数は目視検査による(顕微鏡観察では5μmで あるものがスジ状となって目視できる。) 【0038】 【発明の効果】本発明のアルミニウム合金によれば、含
有する水素による空孔(Blister)等の組織異常が抑制
され、乃至は全くなくなり、精密加工による加工性の低
下や加工製品の所望される特性の劣化が抑えられるた
め、精密加工が必要とされる電子写真用光導電部材、つ
まり、精密加工による正確な表面形状が望まれる電子写
真用光導電部材の構成部材として好適である。 【0039】また、このアルミニウム合金を引抜加工し
て得られる管材は、正確な表面形状並びに高い寸法精度
が得られるため、とりわけ電子写真感光体(電子写真用
光導電部材)ドラムの支持体のような精密な管状構成部
材を構成するのに好適である。 【0040】加えて、本発明のアルミニウム合金を使用
することによって切削加工を施しても表面欠陥を生じる
ことがなくなり、ひび割れ、エグレ状の傷、微細な凹凸
あるいは空孔により発生するスジ状傷の発生がなくなり
アモルファスシリコン膜の均一性が向上し、柱状構造や
球状突起の形成の問題を解決することができる。更に、
本発明のアルミニウム合金をドラム状支持体として用い
た光導電部材は、電気的、光学的乃至は光導電的特性の
均一性に優れ、電子写真用として用いた場合、画像欠陥
が少なく、高品質な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】グロー放電分解法による光導電部材の製造工程
を示した図である。 【符号の説明】 1 堆積槽 2 ベースプレート 3 槽壁 4 トッププレート 5 カソード電極 6 ドラム状支持体 7 原料ガス流入バルブ 8 リークバルブ 9 排気バルブ 10 真空計 11 マスフローコントローラ 12 加熱ヒーター 13 高周波電源 14 モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−193463(JP,A) 特開 昭58−35544(JP,A) 「アルミニウムおよびアルミニウム合 金の溶湯処理について」1980年3月、軽 金属学会研究委員会、p.1−3

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.アルミニウムを基質とし、含有する水素の量がアル
    ミニウム100グラムに対して1.0cc以下であるアル
    ミニウム合金の表面を切削加工工程を経て形成された電
    子写真用光導電部材として必要な平面状態であるRma
    xが1.0μm以下とされたドラム状支持体上にグロー
    放電分解法によって形成されたアモルファスシリコンを
    有する光導電層を形成する工程を有することを特徴とす
    る電子写真用光導電部材の製造方法。 2.ドラム状支持体がアルミニウム合金を塑性加工する
    工程を経て形成されることを含む請求項1に記載の電子
    写真用光導電部材の製造方法。 3. ドラム状支持体がアルミニウム合金を精密加工す
    る工程を経て形成されることを含む請求項1に記載の電
    子写真用光導電部材の製造方法。 4.塑性加工が圧延加工または押し出し加工である請求
    項2に記載の電子写真用光導電部材の製造方法。 5.ドラム状支持体がアルミニウム合金を鏡面仕上加工
    する工程を経て形成されることを含む請求項1に記載の
    電子写真用光導電部材の製造方法。
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