JP3776468B2 - 電子写真感光体用支持体 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は感光体の性能に及ぼす悪影響を最小限に押さえるため電子写真感光体用アルミニウム支持体に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真感光体の欠陥としては、塗布された感光体による欠陥と感光体を塗布する支持体自体に原因する欠陥とに大別される。
このうち、後者については例えば画像上に現れる白点や黒スジ、白スジなどがあり、アルミニウム支持体上にあるキズや異物、また腐食が影響していることがわかっている。こういったアルミ表面上の欠陥のうち、キズは取扱いを注意すればその数は減少し、異物についても洗浄をきちんとすればそれほど問題にならない。というのは、素管の傷などについては、良品といわれているものでも、実際にはごく微少な傷が何カ所も発生しているのが実状で、その大きさや濡れ性などによって影響の出るものと出ないものがあるからである。
【0003】
このようなアルミニウム支持体表面上の不具合を防止するためには感光体塗布前に、アルミニウム支持体にあらかじめ導電性の下引き層を設け、素管上の欠陥をマスキングしてしまう方法があり、特開昭60−32054号公報などで取り上げられている。
しかしこういった方法では下引き層を設けるための設備を必要とすること、また逆に下引き層自体の電気的性能が感光体に影響すること等の問題点が挙げられる。一方で、下引き層なしの場合の対策はほとんどされておらず、目視による欠陥検査などにより、不良を排除しているのでコスト的にも問題がある。また、支持体自体の濡れ性が違う場合などでは下引き層自体がはじかれてしまい、性能に影響する場合もあるので問題である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、下引き層なしでも感光体への影響の少ないアルミニウム支持体を提供すること、特に腐食による表面上の変質のないアルミニウム支持体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用】
アルミニウム支持体上に発生する傷は前述の通り異物、傷、腐食が挙げられる。異物については切削時に発生した切り粉が切削油とともに表面に残り、そのまま固着してとれなくなってしまったものや、唾液、空気中の塵や埃がある。傷については、切削時に発生する切り粉の巻き込みによる傷、取り扱い傷、ビビリなどがある。腐食については従来、表面仕上げ後の支持体表面が水濡れした場合や、急激な気温変化等により支持体表面に結露した場合等に発生することが知られていた。
【0006】
しかし、これらの原因による腐食はかなりマクロ的に発生し、感光体を塗布する前に支持体を目視検査することによって、容易に除去することができる。このようなマクロ的な腐食とは別に電子写真感光体用支持体の場合には最大径数10(μm)程度の微小腐食が問題となる。腐食自体は微小であってもその上に塗布される感光体のムラが欠陥を拡大し、結果としてその支持体を使った電子写真感光体によるコピー画像上に数ミリもの欠陥が現出する場合があるからである。
【0007】
本発明者らは微小腐食欠陥の多発したアルミニウム支持体を光学顕微鏡により観察、さらに株式会社日立製作所製S−570型走査電子顕微鏡およびEDAXLABORATORIES社製EDAX PV9100/40STDを用いて欠陥部分の拡大観察およびEDX分析を行い、腐食変質層には塩素が含まれていることを見いだした。さらに腐食変質層の存在する支持体、存在しない支持体についてVG−マイクロトレース社製グロー放電質量分析装置VG−9000を用いて塩素量を比較した結果、腐食変質層の存在する支持体は塩素量が5(ppm)以上であるのに対し、塩素量が5(ppm)以下である支持体には腐食変質層が存在しないことを見いだした。さらに、光学顕微鏡および走査電子顕微鏡による観察により腐食変質層には必ず支持体表面に微細な傷をともなうことを見いだした。傷の大きさにより、腐食変質層の大きさも異なる。即ち、傷が小さければ生成される腐食変質層も小さく、傷が大きいと腐食変質層も大きい。
【0008】
本発明者らは顕微鏡VTRを用いた観察により腐食変質層の生成機構として、支持体表面の傷中に存在する塩素が、主に空気中の水分を触媒として反応することにより生成されることを発見した。また、傷の大きさとコピー画像上に現れる欠陥との関係を調べた結果、傷の最大長さが5(μm)以下であれば、腐食変質層が生成してもその大きさはコピー画像上の画像欠陥にはならぬ程度であることを見いだした。
【0009】
さらに、発明者らは支持体中の塩素含有量、傷の大きさ、コピー画像上の画像欠陥の3者の関連について検討した結果、傷の最大長さが5〜10(μm)の場合であっても支持体中の塩素含有量が10(ppm)以下であれば、発生する腐食変質層はコピー画像上の欠陥とならない程度の大きさにしか成長しないことを見いだした。
【0010】
電子写真用感光体用支持体に用いるアルミニウム合金としてはJIS(日本工業規格)に示される展伸用アルミニウム及びその合金の1000系、2000系、3000系、4000系、5000系、6000系、7000系が挙げられ、好ましくは1000系、3000系、5000系、6000系であり、さらに好ましくは1050、3003、6063系アルミニウム合金であることが知られている。本発明の支持体にはこれらのうち何れのアルミニウム合金にも適用できる。
【0011】
次に、アルミニウム支持体の製造工程において、本発明を実施する方法について述べる。前述のように、本発明のポイントの1つは、該支持体中に含有する塩素量を規制することにある。通常、アルミニウム製品の製造工程では、その溶製工程において、塩素を含んだフラックスを用いて、溶湯表面をカバーする事が行なわれる。
【0012】
さらに、溶湯中に存在し、凝固後に気泡の原因となる水素を除去する工程において、塩素を含んだ気体のバブリング、又は塩素を含んだ固体又は粉体を投入する操作が通常行なわれる。
本発明者等は、アルミニウム支持体中に塩素が混入する原因が、これらの工程であることを見出した。これらの工程において、塩素を含んだ気体、固体等を用いない事により、アルミニウム支持体中の塩素含有量を5ppm以下にできる。
【0013】
また、溶製工程又は脱水素工程において塩素を含んだ気体又は固体を使用した場合は、溶湯中に残留する塩素は、主にAl、Mg等の金属との化合物となって存在し、これは時間と共に溶湯表面に浮上する。本発明の様に、アルミニウム支持体中の塩素量を5ppm以下にするためには、上記処理後、少なくとも1時間以上鎮静することによっても塩素量を5ppm以下とすることができる。
【0014】
また、本発明による電子写真感光体用アルミニウム支持体の表面仕上げには、切削加工、研削加工、バニシング加工、しごき加工、化学研磨、電解研磨、エッチング等の表面仕上げ加工方法が使用できる。また、表面仕上げ加工の後、感光体を塗布する前に陽極酸化処理、化成処理等を行う場合にも有効である。
以下実施例をもって本発明をさらに詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例によって拘束されるものではない。
【0015】
[実施例1]
JIS6030成分のアルミニウム合金を10t容量の反射路で溶解した。これにフラックスによる脱滓処理を行わずにArガスを吹き込んで脱水素処理を行った。この溶湯を30分鎮静処理した後、東京高級炉材(株)製「メタロフィルタ」を使って濾過した後、半連続鋳造法により178(mm)φ×6,000(mm)Lのビレットを鋳造した。このビレットに熱間押出し加工、冷間引抜き加工、天然単結晶ダイヤモンドバイトを用いた切削加工を順次施し外径80(mm)φ、内径76(mm)φ、長さ340(mm)の鏡面管を製造した。
【0016】
次に下記構造を有するビスアゾ化合物10部とフェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製PKHH)5部、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業社製BH−3)5部に4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2/100部を加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行った。得られた分散液に前述の鏡面管を浸漬塗布と、乾燥後の膜厚が0.4(μm)となる様電荷発生層を設けた。
【0017】
【化1】
Figure 0003776468
【0018】
このようにして得られた電荷発生層を持つアルミパイプをN−メチルカルバゾール−3−アルデヒドジフェニルヒドラゾン90部、ポリカーボネート樹脂100部、下記構造のシアノ化合物4.5部を1,4−ジオキサン900部に溶解した溶液に
【0019】
【化2】
Figure 0003776468
【0020】
浸漬塗布し、乾燥後の膜厚が20(μm)となるように電荷移動層を設けた。
【0021】
[実施例2]
実施例1において溶湯の脱水素処理を塩素で実施したことおよび溶湯の鎮静時間を1時間にしたことおよび半連続鋳造時の冷却水量を実施例1に比較して2倍としたこと以外実施例1と同様にして電子写真感光体を製作した。
【0022】
[実施例3]
実施例1において溶湯の脱水素処理を塩素で実施したことおよび溶湯の鎮静時間を1時間にしたことおよび半連続鋳造時の冷却水量を実施例1に比較して1.5倍にしたこと以外実施例1と同様にして電子写真感光体を製作した。
【0023】
[比較例1]
実施例1において、溶湯の脱水素処理を塩素で実施したこと以外実施例1と同様にして電子写真感光体を製作した。
【0024】
[比較例2]
実施例1において、溶湯の脱水素処理を塩素で実施したことおよび溶湯の鎮静時間を15分としたことおよび半連続鋳造時の冷却水量を1.5倍にしたこと以外実施例1と同様にして電子写真感光体を製作した。
【0025】
[比較例3]
実施例1において、溶湯の脱水素処理を塩素で実施したことおよび溶湯の鎮静時間を10分としたこと以外実施例1と同様にして電子写真感光体を製作した。以上のようにして製作した実施例1、2、3および比較例1、2、3の電子写真感光体を各々市販の複写機に組み込んで複写し、コピー画像上の欠陥を比較するとともに、各々に使用した支持体表面の傷の最大長さおよび各々の支持体に含まれる塩素の含有量を測定した。その結果を表1に示す。この結果から本発明の効果が実証された。
【0026】
【表1】
Figure 0003776468
【0027】
【発明の効果】
本発明によりコピー画像欠陥のない電子写真感光体用支持体を提供し得る。

Claims (4)

  1. 表面に感光層を有する電子写真用アルミニウム支持体において、該支持体の表面に含まれる、グロー放電質量分析装置により測定した塩素の含有量が5(ppm)以下であることを特徴とする電子写真感光体用支持体。
  2. 表面に感光層を有する電子写真用アルミニウム支持体において、該支持体の表面に含まれる、グロー放電質量分析装置により測定した塩素の含有量が10(ppm)以下であり、かつ該支持体表面に存在する腐食変質層を伴う最大長さ10(μm)以下であることを特徴とする電子写真感光体用支持体。
  3. 請求項1または2に記載の電子写真感光体用支持体に感光層を形成してなる電子写真感光体。
  4. 請求項1または2に記載の電子写真感光体用支持体の製造方法であって、表面に感光層を有する電子写真用アルミニウム支持体の製造工程中の、溶製及び脱水素工程において、塩素含有物質を実質的に使用しないことを特徴とする電子写真感光体用支持体の製造方法。
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