JPH0844094A - 電子写真感光体用支持体 - Google Patents
電子写真感光体用支持体Info
- Publication number
- JPH0844094A JPH0844094A JP17415794A JP17415794A JPH0844094A JP H0844094 A JPH0844094 A JP H0844094A JP 17415794 A JP17415794 A JP 17415794A JP 17415794 A JP17415794 A JP 17415794A JP H0844094 A JPH0844094 A JP H0844094A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- chlorine
- support
- molten metal
- supporting body
- aluminum
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
Abstract
支持体を提供する。 【構成】 表面に感光層を有する電子写真用アルミニウ
ム支持体において、該支持体の表面に含まれる塩素の含
有量が5(ppm)以下、であることを特徴とする電子
写真感光体用支持体。
Description
影響を最小限に押さえるため電子写真感光体用アルミニ
ウム支持体に関する。
れた感光体による欠陥と感光体を塗布する支持体自体に
原因する欠陥とに大別される。このうち、後者について
は例えば画像上に現れる白点や黒スジ、白スジなどがあ
り、アルミニウム支持体上にあるキズや異物、また腐食
が影響していることがわかっている。こういったアルミ
表面上の欠陥のうち、キズは取扱いを注意すればその数
は減少し、異物についても洗浄をきちんとすればそれほ
ど問題にならない。というのは、素管の傷などについて
は、良品といわれているものでも、実際にはごく微少な
傷が何カ所も発生しているのが実状で、その大きさや濡
れ性などによって影響の出るものと出ないものがあるか
らである。
具合を防止するためには感光体塗布前に、アルミニウム
支持体にあらかじめ導電性の下引き層を設け、素管上の
欠陥をマスキングしてしまう方法があり、特開昭60−
32054号公報などで取り上げられている。しかしこ
ういった方法では下引き層を設けるための設備を必要と
すること、また逆に下引き層自体の電気的性能が感光体
に影響すること等の問題点が挙げられる。一方で、下引
き層なしの場合の対策はほとんどされておらず、目視に
よる欠陥検査などにより、不良を排除しているのでコス
ト的にも問題がある。また、支持体自体の濡れ性が違う
場合などでは下引き層自体がはじかれてしまい、性能に
影響する場合もあるので問題である。
き層なしでも感光体への影響の少ないアルミニウム支持
体を提供すること、特に腐食による表面上の変質のない
アルミニウム支持体を提供することにある。
支持体上に発生する傷は前述の通り異物、傷、腐食が挙
げられる。異物については切削時に発生した切り粉が切
削油とともに表面に残り、そのまま固着してとれなくな
ってしまったものや、唾液、空気中の塵や埃がある。傷
については、切削時に発生する切り粉の巻き込みによる
傷、取り扱い傷、ビビリなどがある。腐食については従
来、表面仕上げ後の支持体表面が水濡れした場合や、急
激な気温変化等により支持体表面に結露した場合等に発
生することが知られていた。
マクロ的に発生し、感光体を塗布する前に支持体を目視
検査することによって、容易に除去することができる。
このようなマクロ的な腐食とは別に電子写真感光体用支
持体の場合には最大径数10(μm)程度の微小腐食が
問題となる。腐食自体は微小であってもその上に塗布さ
れる感光体のムラが欠陥を拡大し、結果としてその支持
体を使った電子写真感光体によるコピー画像上に数ミリ
もの欠陥が現出する場合があるからである。
ミニウム支持体を光学顕微鏡により観察、さらに株式会
社日立製作所製S−570型走査電子顕微鏡およびED
AXLABORATORIES社製EDAX PV91
00/40STDを用いて欠陥部分の拡大観察およびE
DX分析を行い、腐食変質層には塩素が含まれているこ
とを見いだした。さらに腐食変質層の存在する支持体、
存在しない支持体についてVG−マイクロトレース社製
グロー放電質量分析装置VG−9000を用いて塩素量
を比較した結果、腐食変質層の存在する支持体は塩素量
が5(ppm)以上であるのに対し、塩素量が5(pp
m)以下である支持体には腐食変質層が存在しないこと
を見いだした。さらに、光学顕微鏡および走査電子顕微
鏡による観察により腐食変質層には必ず支持体表面に微
細な傷をともなうことを見いだした。傷の大きさによ
り、腐食変質層の大きさも異なる。即ち、傷が小さけれ
ば生成される腐食変質層も小さく、傷が大きいと腐食変
質層も大きい。
より腐食変質層の生成機構として、支持体表面の傷中に
存在する塩素が、主に空気中の水分を触媒として反応す
ることにより生成されることを発見した。また、傷の大
きさとコピー画像上に現れる欠陥との関係を調べた結
果、傷の最大長さが5(μm)以下であれば、腐食変質
層が生成してもその大きさはコピー画像上の画像欠陥に
はならぬ程度であることを見いだした。
量、傷の大きさ、コピー画像上の画像欠陥の3者の関連
について検討した結果、傷の最大長さが5〜10(μ
m)の場合であっても支持体中の塩素含有量が10(p
pm)以下であれば、発生する腐食変質層はコピー画像
上の欠陥とならない程度の大きさにしか成長しないこと
を見いだした。
ニウム合金としてはJIS(日本工業規格)に示される
展伸用アルミニウム及びその合金の1000系、200
0系、3000系、4000系、5000系、6000
系、7000系が挙げられ、好ましくは1000系、3
000系、5000系、6000系であり、さらに好ま
しくは1050、3003、6063系アルミニウム合
金であることが知られている。本発明の支持体にはこれ
らのうち何れのアルミニウム合金にも適用できる。
いて、本発明を実施する方法について述べる。前述のよ
うに、本発明のポイントの1つは、該支持体中に含有す
る塩素量を規制することにある。通常、アルミニウム製
品の製造工程では、その溶製工程において、塩素を含ん
だフラックスを用いて、溶湯表面をカバーする事が行な
われる。
原因となる水素を除去する工程において、塩素を含んだ
気体のバブリング、又は塩素を含んだ固体又は粉体を投
入する操作が通常行なわれる。本発明者等は、アルミニ
ウム支持体中に塩素が混入する原因が、これらの工程で
あることを見出した。これらの工程において、塩素を含
んだ気体、固体等を用いない事により、アルミニウム支
持体中の塩素含有量を5ppm以下にできる。
素を含んだ気体又は固体を使用した場合は、溶湯中に残
留する塩素は、主にAl、Mg等の金属との化合物とな
って存在し、これは時間と共に溶湯表面に浮上する。本
発明の様に、アルミニウム支持体中の塩素量を5ppm
以下にするためには、上記処理後、少なくとも1時間以
上鎮静することによっても塩素量を5ppm以下とする
ことができる。
ミニウム支持体の表面仕上げには、切削加工、研削加
工、バニシング加工、しごき加工、化学研磨、電解研
磨、エッチング等の表面仕上げ加工方法が使用できる。
また、表面仕上げ加工の後、感光体を塗布する前に陽極
酸化処理、化成処理等を行う場合にも有効である。以下
実施例をもって本発明をさらに詳細に説明する。但し、
本発明は以下の実施例によって拘束されるものではな
い。
ニウム合金を10t容量の反射路で溶解した。これにフ
ラックスによる脱滓処理を行わずにArガスを吹き込ん
で脱水素処理を行った。この溶湯を30分鎮静処理した
後、東京高級炉材(株)製「メタロフィルタ」を使って
濾過した後、半連続鋳造法により178(mm)φ×
6,000(mm)Lのビレットを鋳造した。このビレ
ットに熱間押出し加工、冷間引抜き加工、天然単結晶ダ
イヤモンドバイトを用いた切削加工を順次施し外径80
(mm)φ、内径76(mm)φ、長さ340(mm)
の鏡面管を製造した。
部とフェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製PKH
H)5部、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業社
製BH−3)5部に4−メトキシ−4−メチルペンタノ
ン−2/100部を加え、サンドグラインドミルにて粉
砕分散処理を行った。得られた分散液に前述の鏡面管を
浸漬塗布と、乾燥後の膜厚が0.4(μm)となる様電
荷発生層を設けた。
アルミパイプをN−メチルカルバゾール−3−アルデヒ
ドジフェニルヒドラゾン90部、ポリカーボネート樹脂
100部、下記構造のシアノ化合物4.5部を1,4−
ジオキサン900部に溶解した溶液に
となるように電荷移動層を設けた。
素処理を塩素で実施したことおよび溶湯の鎮静時間を1
時間にしたことおよび半連続鋳造時の冷却水量を実施例
1に比較して2倍としたこと以外実施例1と同様にして
電子写真感光体を製作した。
素処理を塩素で実施したことおよび溶湯の鎮静時間を1
時間にしたことおよび半連続鋳造時の冷却水量を実施例
1に比較して1.5倍にしたこと以外実施例1と同様に
して電子写真感光体を製作した。
水素処理を塩素で実施したこと以外実施例1と同様にし
て電子写真感光体を製作した。
水素処理を塩素で実施したことおよび溶湯の鎮静時間を
15分としたことおよび半連続鋳造時の冷却水量を1.
5倍にしたこと以外実施例1と同様にして電子写真感光
体を製作した。
水素処理を塩素で実施したことおよび溶湯の鎮静時間を
10分としたこと以外実施例1と同様にして電子写真感
光体を製作した。以上のようにして製作した実施例1、
2、3および比較例1、2、3の電子写真感光体を各々
市販の複写機に組み込んで複写し、コピー画像上の欠陥
を比較するとともに、各々に使用した支持体表面の傷の
最大長さおよび各々の支持体に含まれる塩素の含有量を
測定した。その結果を表1に示す。この結果から本発明
の効果が実証された。
写真感光体用支持体を提供し得る。
Claims (4)
- 【請求項1】 表面に感光層を有する電子写真用アルミ
ニウム支持体において、該支持体の表面に含まれる塩素
の含有量が5(ppm)以下であることを特徴とする電
子写真感光体用支持体。 - 【請求項2】 表面に感光層を有する電子写真用アルミ
ニウム支持体において、該支持体表面に存在する傷の大
きさが最大長さ5(μm)以下であることを特徴とする
電子写真感光体用支持体。 - 【請求項3】 表面に感光層を有する電子写真用アルミ
ニウム支持体において、該支持体に含まれる塩素の含有
量が10(ppm)以下であり、かつ該支持体表面に存
在する傷が最大長さ10(μm)以下であることを特徴
とする電子写真感光体用支持体。 - 【請求項4】 表面に感光層を有する電子写真用アルミ
ニウム支持体の製造工程中の、溶製及び脱水素工程にお
いて、塩素含有物質を実質的に使用しないことを特徴と
する電子写真感光体用支持体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17415794A JP3776468B2 (ja) | 1994-07-26 | 1994-07-26 | 電子写真感光体用支持体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17415794A JP3776468B2 (ja) | 1994-07-26 | 1994-07-26 | 電子写真感光体用支持体 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002250380A Division JP3878894B2 (ja) | 2002-08-29 | 2002-08-29 | 電子写真感光体用支持体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0844094A true JPH0844094A (ja) | 1996-02-16 |
JP3776468B2 JP3776468B2 (ja) | 2006-05-17 |
Family
ID=15973694
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17415794A Expired - Lifetime JP3776468B2 (ja) | 1994-07-26 | 1994-07-26 | 電子写真感光体用支持体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3776468B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001051437A (ja) * | 1998-11-27 | 2001-02-23 | Canon Inc | 電子写真感光体の製造方法 |
-
1994
- 1994-07-26 JP JP17415794A patent/JP3776468B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001051437A (ja) * | 1998-11-27 | 2001-02-23 | Canon Inc | 電子写真感光体の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3776468B2 (ja) | 2006-05-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Greaves et al. | Practical microscopical metallography | |
JPH0844094A (ja) | 電子写真感光体用支持体 | |
JP2010146027A (ja) | ペリクル枠 | |
JP2003084470A (ja) | 電子写真感光体用支持体 | |
JPS6232261B2 (ja) | ||
JPH0428773B2 (ja) | ||
JPH07319192A (ja) | 電子写真感光体用アルミニウム基体の製造方法 | |
JP2004340851A (ja) | 試料研磨方法 | |
JPS61139634A (ja) | 電子写真用光導電部材 | |
JPH0353377B2 (ja) | ||
JPS6232262B2 (ja) | ||
JPH0670270B2 (ja) | アモルファスシリコン感光体用アルミニウム合金サブストレートの製造方法 | |
JP2830933B2 (ja) | 電子写真用光導電部材の製造方法 | |
JPS61199046A (ja) | 電子複写機の感光ドラム用アルミニウム合金材 | |
JPH02306251A (ja) | 光導電部材 | |
JPH07319191A (ja) | 感光体基盤用アルミニウム管およびその製造方法 | |
JP2006349881A (ja) | ペリクル枠及びペリクル枠製造用板材の製造方法 | |
JPS61159546A (ja) | 精密加工用アルミニウム合金、これを用いた管材及び光導電部材 | |
JP2000047413A (ja) | 電子写真感光体用基板および電子写真感光体ならびに該電子写真感光体を用いた画像形成装置 | |
JP2533858B2 (ja) | 精密切削性に優れたアルミニウム合金製感光体ドラム用素材とその製造方法 | |
JPS6033562A (ja) | 電子写真用感光体の製造方法 | |
Barger | The daguerreotype: image structure, optical properties, and a scientific interpretation of daguerreotypy | |
JPH02222964A (ja) | 光導電部材 | |
JP3215830B2 (ja) | 感光ドラム用アルミニウム基体の製造方法 | |
JPH0376746B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20060123 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Effective date: 20060223 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 3 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090303 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100303 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 5 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110303 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120303 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 7 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130303 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 8 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140303 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |