JP6582712B2 - 画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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本発明は、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置としては、電子写真感光体を用いて帯電、露光、現像、転写、クリーニング等の工程を順次行う装置が広く知られている。
電子写真感光体としては、アルミニウム等の導電性を有する基体上に、露光により電荷を発生する電荷発生層と、電荷を輸送する電荷輸送層を積層する機能分離型の感光体や、電荷を発生する機能と電荷を輸送する機能を同一の層が果たす単層型感光体が知られている。
例えば、特許文献1には、Fe0.3〜1.0wt%、Si0.2〜0.8wt%を含有し、かつ、Fe/Si<3であり、板面の平均結晶粒径が35μm以下であり、絞り比(ブランク径/パンチ径)2で耳率3%以内であることを特徴とする感光ドラム用アルミニウム板材が開示されている。
また、特許文献2には、感光体基材として、インパクト加工した薄肉円筒管の両端部を切り落として得られた円筒管であり、感光体の回転駆動手段が、感光体基材のインパクト加工時におけるスラグが配置された側とは反対側の端部に設けられている画像形成装置が開示されている。
特許文献3には、感光体の作製において、インパクト加工した薄肉円筒管の両端部を切り落とし、加工時のビレットが配置された側と反対側を把持して表面塗料の浸漬塗布を実施することが開示されている。
特許文献4には、感光体基材として、インパクト加工した薄肉円筒管の両端部を切り落として得られた円筒管であり、感光体の回転駆動手段が、感光体基材のインパクト加工時におけるスラグが配置された側とは反対側の端部に設け、かつ、バックアップ部材の少なくとも感光体内面との接触部を感光体基材と同じ材料で構成した画像形成装置が開示されている。
特許文献5には、感光体基材として、スラグをインパクト加工した円筒管であり、プロセス部材軸線中心が基材軸線中心に対してスラグが配置された側とは反対にシフトしている円筒管が開示されている。
特許文献6には、軸線を有する柱状のパンチと、内部に金属スラグを収納可能なダイリングを有するプレスダイと、を有する衝撃押出成形装置を備える断面楕円形金属チューブの製造装置において、前記パンチは、パンチショルダーを有するパンチヘッドを備え、前記パンチヘッドは、断面楕円形状の基部と、基部よりも大径のパンチショルダーと、パンチショルダーから先端側に向けて徐々に縮径する断面楕円状の第1のテーパー面とを有し、前記テーパー面の長径側母線の軸線に対する角度及び短径側母線の軸線に対する角度が特定の範囲であり、前記パンチショルダー部外形及びダイリング内周面の長径に対する短径の寸法比が特定の範囲である、断面楕円形金属チューブの製造装置が開示されている。
特開昭61−044148号公報 特許3661416号明細書 特許3871003号明細書 特許3941238号明細書 特許3633287号明細書 特許4145594号明細書
本発明は、表面に点在した複数の凹部を有する導電性基体と、導電性基体上に配置された感光層と、を有する電子写真感光体と、帯電手段と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、電子写真感光体の表面に接触して電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、を備える画像形成装置において、導電性基体の表面に点在した複数の凹部の開口の平均長径が50μm未満である場合、又は、クリーニングブレードの少なくとも電子写真感光体との接触部のJIS−A硬度が60未満若しくは75を超える場合に比べ、クリーニングブレードの鳴きの発生を抑制し、かつ良好なクリーニング性を有する画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の手段により解決される。
に係る発明は、
表面に点在した複数の凹部を有し、前記凹部の開口の平均長径が50μm以上500μm以下である導電性基体と、前記導電性基体上に配置された感光層と、を有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記電子写真感光体の表面に接触し、前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードであって、少なくとも前記電子写真感光体との接触部がJIS−A硬度が60以上75以下のクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、
を備える画像形成装置。
に係る発明は、
前記凹部の単位面積あたりの数密度が、10個/cm以上100個/cm以下であるに記載の画像形成装置。
に係る発明は、
前記導電性基体の厚さが、0.25mm以上0.8mm以下である又はに記載の画像形成装置。
に係る発明は、
前記感光層が、下記一般式(CT1)で示される電荷輸送材料と、下記一般式(CT2)で示される電荷輸送材料と、分子量300以上のヒンダードフェノール系酸化防止剤およびベンゾフェノン系紫外線吸収剤よりなる群から選択される少なくとも1種と、を含むのいずれか1項に記載の画像形成装置。

(一般式(CT1)中、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基同士が結合して炭化水素環構造を形成してもよい。n及びmは、各々独立に、0、1又は2を表す。)

(一般式(CT2)中、RC21、RC22、及びRC23は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上10以下のアリール基を表す。)
に係る発明は、
表面に点在した複数の凹部を有し、前記凹部の開口の平均長径が50μm以上500μm以下である導電性基体と、前記導電性基体上に配置された感光層と、を有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面に接触し、前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードであって、少なくとも前記電子写真感光体との接触部がJIS−A硬度が60以上75以下のクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
又はに係る発明によれば、表面に点在した複数の凹部を有する導電性基体と、導電性基体上に配置された感光層と、を有する電子写真感光体と、帯電手段と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、電子写真感光体の表面に接触して電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、を備える画像形成装置において、導電性基体の表面に点在した複数の凹部の開口の平均長径が50μmm未満である場合、又は、クリーニングブレードの少なくとも電子写真感光体との接触部のJIS−A硬度が60未満若しくは75を超える場合に比べ、クリーニング部材の鳴きの発生を抑制し、かつ良好なクリーニング性を有する画像形成装置が提供される。
に係る発明によれば、前記凹部の単位面積あたりの数密度が、10個/cm未満の場合に比べ、クリーニング部材の鳴きの発生を抑制する画像形成装置が提供される。
に係る発明によれば、表面に点在した複数の凹部を有する導電性基体と、導電性基体上に配置された感光層と、を有する電子写真感光体と、帯電手段と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、電子写真感光体の表面に接触して電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、を備える画像形成装置において、導電性基体の表面に点在した複数の凹部の開口の平均長径が50μmm未満である場合、又は、クリーニングブレードの少なくとも電子写真感光体との接触部のJIS−A硬度が60未満若しくは75を超える場合に比べ、前記導電性基体の厚さが、0.25mm以上0.8mm以下であっても、クリーニング部材の鳴きの発生を抑制し、かつ良好なクリーニング性を有する画像形成装置が提供される。
に係る発明によれば、表面に点在した複数の凹部を有する導電性基体と、導電性基体上に配置された感光層と、を有する電子写真感光体と、電子写真感光体の表面に接触して電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、を備え、画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジにおいて、導電性基体の表面に点在した複数の凹部の開口の平均長径が50μmm未満である場合、又は、クリーニングブレードの少なくとも電子写真感光体との接触部のJIS−A硬度が60未満若しくは75を超える場合に比べ、クリーニング部材の鳴きの発生を抑制し、かつ良好なクリーニング性を有するプロセスカートリッジが提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の他の例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る電子写真感光体の構成の一例を示す概略部分断面図である。 本実施形態に係る電子写真感光体の他の構成例を示す概略部分断面図である。 本実施形態に係る電子写真感光体の他の構成例を示す概略部分断面図である。 本実施形態に係る導電性基体を製造する工程の一部(インパクトプレス加工)を示す概略図である。 本実施形態に係る導電性基体を製造する工程の一部(しぼり加工及びしごき加工)示す概略図である。 クリーニングブレードの損傷評価において、連続出力した画像の概略図である。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
[画像形成装置]
本実施形態に係る画像形成装置は、導電性基体と、導電性基体上に配置された感光層と、を有する電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により、電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、電子写真感光体の表面に接触し、電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、を備える。
そして、前記導電性基体は、表面に点在した複数の凹部を有し、凹部の開口の平均長径が50μm以上500μm以下である。また、前記クリーニングブレードは、少なくとも電子写真感光体との接触部がJIS−A硬度が60以上75以下である。
以下では、JIS−A硬度が60以上75以下のクリーニングブレードを「低硬度のクリーニングブレード」と表記し、JIS−A硬度が75を超えるクリーニングブレードを「高硬度のクリーニングブレード」と表記して説明する。
一般的に画像形成装置は、電子写真感光体(以下、単に「感光体」とも称する)をクリーニングするクリーニングブレードを備えている。クリーニングブレードとしては、摩耗を抑制する観点から、高硬度のクリーニングブレードが使用されることが多い。しかし、高硬度のクリーニングブレードを用いて感光体をクリーニングすると、クリーニングブレードに局所的な欠けが生じやすくなる。
一方、クリーニングブレードとして、低硬度のクリーニングブレードを用いると、局所的な欠けが抑制されるものの、感光体との摩擦が高まりやすくなり、この摩擦の高まりに起因して、クリーニングブレードが振動しやすくなり、クリーニングブレードの鳴きという現象が生じることがある。
ここで、感光体としては、導電性基体上に感光層を配置したものが一般的に使用されるが、この導電性基体は、低価格化及び低軽量化の観点から、薄肉化される傾向がある。導電性基体を薄肉化する方法としては、例えば、抽伸加工(引き抜き加工)により薄肉化する方法、インパクト加工により薄肉化する方法が挙げられる。
この薄肉化された導電性基体を有する感光体を、クリーニングブレードでクリーニングすると、クリーニングブレードは振動しやすくなり、クリーニングブレードの鳴きが発生しやすくなる。この鳴きの発生は、導電性基体が薄肉化される程、発生しやすくなる傾向がある。
これに対し、本実施形態に係る画像形成装置では、表面に複数の凹部を点在させると共に、これら凹部の開口の平均長径を特定の範囲とした導電性基体を有する感光体と、低硬度クリーニングブレードと、を組み合わせて採用する。これにより、クリーニングブレードの鳴きの発生が抑制され、かつ良好なクリーニング性が得られる。
この理由は、定かではないが以下の理由によるものと推測される。
本実施形態では、導電性基体の表面に、特定の平均長径を有する複数の凹部を点在させることにより、導電性基体上に配置される感光層表面も前記複数の凹部に追従した形状(以下、「凹部形状」とも称する)となり、感光体表面も凹部形状となる。本実施形態では、感光体表面が凹部形状であるがゆえ、クリーニングブレードとして、感光体との摩擦が高まりやすい低硬度のクリーニングブレードを採用しても、クリーニングする際のクリーニングブレードと感光体との摩擦が低減されやすくなる。この結果、クリーニングブレードが振動しにくくなり、クリーニングブレードの鳴きの発生が抑制される。
加えて、本実施形態では、表面が凹部形状である感光体を、低硬度のクリーニングブレードを用いてクリーニングするため、クリーニングブレードを感光体表面の凹部形状に追従させながらクリーニングすることが可能となる。つまり、クリーニングブレードの中でも低硬度のクリーニングブレードを採用することで、クリーニングブレードとしてのクリーニング性を確保する。
以上のことから、本実施形態に係る画像形成装置によれば、クリーニングブレードの振動が抑制され、クリーニングブレードの鳴きの発生が抑制されると共に、良好なクリーニング性が得られることとなる。
なお、本実施形態では、クリーニングブレードと感光体との摩擦が低減されやすくなるため、クリーニングブレードの摩耗も抑制される。
ここで、本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段を備える装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー像の転写後、帯電前に電子写真感光体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;電子写真感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための電子写真感光体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、電子写真感光体及びクリーニング手段を備える部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。
本実施形態に係るプロセスカートリッジにおいて、電子写真感光体は、表面に点在した複数の凹部を有し、凹部の開口の平均長径が50μm以上500μm以下である導電性基体と、導電性基体上に配置された感光層と、を有する。また、クリーニング手段は、電子写真感光体の表面に接触し、電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードであって、少なくとも電子写真感光体との接触部がJIS−A硬度が60以上75以下のクリーニングブレードを有する。
なお、プロセスカートリッジには、電子写真感光体及びクリーニング手段以外に、例えば、帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
以下、図面を参照しつつ、本実施形態に係る画像形成装置について詳細に説明する。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図1に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
図1におけるプロセスカートリッジ300は、ハウジング内に、電子写真感光体7、帯電装置8(帯電手段の一例)、現像装置11(現像手段の一例)、及びクリーニング装置13(クリーニング手段の一例)を一体に支持している。クリーニング装置13は、クリーニングブレード(クリーニング部材の一例)131を有しており、クリーニングブレード131は、電子写真感光体7の表面に接触するように配置されている。なお、クリーニング部材は、導電性又は絶縁性の繊維状部材であってもよく、これをクリーニングブレード131と併用してもよい。
なお、図1には、画像形成装置として、潤滑材14を電子写真感光体7の表面に供給する繊維状部材132(ロール状)、及び、クリーニングを補助する繊維状部材133(平ブラシ状)を備えた例を示してあるが、これらは必要に応じて配置される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の各構成について説明する。なお、電子写真感光体については後で説明する。
(帯電装置)
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
(露光装置)
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
(現像装置)
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像装置11に使用される現像剤は、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。これら現像剤は、周知のものが適用される。
(クリーニング装置)
クリーニング装置13は、感光体7の表面に接触して、残留トナーをクリーニングするクリーニングブレード131を有するブレード方式の装置である。
クリーニングブレード131について説明する。
クリーニングブレード131は、クリーニングブレードの鳴きの発生を抑制し、かつ良好なクリーニング性を得る観点から、少なくとも感光体7との接触部が、JIS−A硬度が60以上75以下であり、62以上75以下が好ましく、65以上73以下がより好ましい。
JIS−A硬度は、JIS K 7311に示される硬さ試験法に従い、JIS K 7215に規定されるタイプAデュロメータを用いて測定された値をいう。
クリーニングブレードのJIS−A硬度が上記範囲であることにより、クリーニングブレードを感光体表面の凹部形状に追従させながらクリーニングすることが可能となり、クリーニング性が良好となる。
なお、接触部とは、感光体7の回転が停止しているときにクリーニングブレード131が感光体7と接触している部分、および感光体7が回転しているときにクリーニングブレード131が感光体7と接触している部分の双方の部分を含む領域である。
クリーニングブレード131として、具体的には、少なくとも感光体7と接触する接触部を含む板状のゴム基材であって、JIS−A硬度が60以上75以下の板状のゴム基材を有する構成とすることがよい。そして、クリーニングブレード131は、このゴム基材の単層構造であってもよいし、ゴム基材の裏面(感光体7と対向しない側の面)に背面層を積層した積層構造であってもよい。なお、この背面層は、複層であってもよい。
ゴム基材について説明する。
ゴム基材は、その全体にゴムを含む。ゴムとしては、例えば、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム等が挙げられる。なお、特にポリウレタンゴムが好ましく、更には高結晶化されたポリウレタンゴムがより好ましい。
ポリウレタンゴムは、通常ポリイソシアネートとポリオールとを重合することで合成される。また、ポリオール以外にイソシアネート基と反応し得る官能基を有する樹脂を用いてもよい。なお、ポリウレタンゴムはハードセグメントとソフトセグメントとを有していることが好ましい。
ここで、「ハードセグメント」および「ソフトセグメント」とは、ポリウレタンゴム中で、前者を構成する材料の方が、後者を構成する材料よりも相対的に硬い材料からなり、後者を構成する材料の方が前者を構成する材料よりも相対的に柔らかい材料からなるセグメントを意味する。
ハードセグメントを構成する材料(ハードセグメント材料)とソフトセグメントを構成する材料(ソフトセグメント材料)との組み合わせとしては、特に限定されず、一方が他方に対して相対的に硬く、他方が一方に対して相対的に柔らかい組み合わせとなるよう公知の材料から選択し得るが、以下の組み合わせが好適である。
・ソフトセグメント材料
まず、ソフトセグメント材料としては、ポリオールとして、ジオールと二塩基酸との脱水縮合で得られるポリエステルポリオール、ジオールとアルキルカーボネートの反応により得られるポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。なお、ソフトセグメント材料として用いられる上記ポリオールの市販品としては、例えば、ダイセル社製のプラクセル205やプラクセル240などが挙げられる。
・ハードセグメント材料
また、ハードセグメント材料としては、イソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する樹脂を用いることが好ましい。また、柔軟性のある樹脂であることが好ましく、柔軟性の点から直鎖構造を有する脂肪族系の樹脂であることがより好ましい。具体例としては、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂や、2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂、2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂等を用いることが好ましい。
2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂の市販品としては、例えば、綜研化学社製のアクトフロー(グレード:UMB−2005B、UMB−2005P、UMB−2005、UME−2005等)が挙げられる。
2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂の市販品としては、例えば、出光興産社製、R−45HT等が挙げられる。
2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂としては、従来の一般的なエポキシ樹脂のごとく硬くて脆い性質を有するものではなく、従来のエポキシ樹脂よりも柔軟強靭性であるものが好ましい。上記エポキシ樹脂としては、例えば、分子構造の面では、その主鎖構造中に、主鎖の可動性を高くし得る構造(柔軟性骨格)を有するものが好適であり、柔軟性骨格としては、アルキレン骨格や、シクロアルカン骨格、ポリオキシアルキレン骨格等が挙げられ、特にポリオキシアルキレン骨格が好適である。
また、物性面では、従来のエポキシ樹脂と比べて、分子量に比して粘度が低いエポキシ樹脂が好適である。具体的には、重量平均分子量が900±100の範囲内であり、25℃における粘度が15000±5000mPa・sの範囲内であることが好ましく、15000±3000mPa・sの範囲内であることがより好ましい。この特性を有するエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、DIC製、EPLICON EXA−4850−150等が挙げられる。
ハードセグメント材料およびソフトセグメント材料を用いる場合、ハードセグメント材料およびソフトセグメント材料の総量に対するハードセグメントを構成する材料の質量比(以下「ハードセグメント材料比」と称す)が10質量%以上30質量%以下の範囲内であることが好ましく、13質量%以上23質量%以下の範囲内であることがより好ましく、15質量%以上20質量%以下の範囲内であることが更に好ましい。
ハードセグメント材料比が、10質量%以上であることにより、耐摩耗性が得られる。一方、ハードセグメント材料比が30質量%以下であることにより、硬くなり過ぎることがなく、柔軟性や伸張性が得られ、欠けの発生が抑制される。
・ポリイソシアネート
ポリウレタンゴムの合成に用いられるポリイソシアネートとしては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、1,6−ヘキサンジイソシアネート(HDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)および3,3−ジメチルフェニル−4,4−ジイソシアネート(TODI)などが挙げられる。
なお、求められる大きさ(粒子径)のハードセグメント凝集体の形成し易さという点から、ポリイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)がより好ましい。
ポリイソシアネートのイソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する樹脂100質量部に対する配合量は、20質量部以上40質量部以下が好ましく、更には20質量部以上35質量部以下がより好ましく、20質量部以上30質量部以下が更に好ましい。
20質量部以上であることにより、ウレタン結合量が多く確保されてハードセグメント成長し、求められる硬度が得られる。一方40質量部以下であることにより、ハードセグメントが大きくなり過ぎず、伸張性が得られ、摺擦部材の欠けの発生が抑制される。
・架橋剤
架橋剤としては、ジオール(2官能)、トリオール(3官能)、テトラオール(4官能)等が挙げられ、これらを併用してもよい。また、架橋剤としてアミン系化合物を用いてもよい。なお、3官能以上の架橋剤を用いて架橋されたものであることが好ましい。3官能の架橋剤としては、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。
架橋剤のイソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する樹脂100質量部に対する配合量は2質量部以下が好ましい。2質量部以下であることにより、分子運動が化学架橋で拘束されることなく、熟成によるウレタン結合由来のハードセグメントが大きく成長し、求められる硬度が得やすくなる。
・ゴム基材の成形方法
ゴムの一例であるポリウレタンゴムを含むゴム基材の製造は、プレポリマー法やワンショット法など、ポリウレタンの一般的な製造方法が用いられる。プレポリマー法は強度、耐摩耗性に優れるポリウレタンが得られるため好適であるが、製法により制限されるものではない。
ポリウレタンゴムは、上述したポリオールに、ポリイソシアネート化合物および架橋剤等を配合し混合して成形する。なお、ゴム基材の成形は、上記方法により調製されたゴム基材形成用の組成物を、例えば、遠心成形や押し出し成形等を利用して、シート状に形成し、切断加工等を施すことにより作製される。
・物性
ゴム基材に含有されるゴムがポリウレタンゴムである場合、ポリウレタンゴムの重量平均分子量は、1000以上4000以下の範囲内であることが好ましく、1500以上3500以下の範囲内であることがより好ましい。
クリーニングブレード131の少なくとも感光体7との接触部のJIS−A硬度を60以上75以下とするためには、例えば、ハードセグメント材料とソフトセグメント材料との組み合わせを調整する方法;ハードセグメント材料とソフトセグメント材料との材料比(配合比)を調整する方法;ゴム基材形成用の組成物(クリーニングブレード成形用組成物)の硬化条件(例えば熟成時間、熟成温度)を調整する方法;が挙げられる。
−転写装置−
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
−中間転写体−
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図2に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
(電子写真感光体)
以下、電子写真感光体について図面を参照して説明する。
図3は、電子写真感光体7Aの層構成の一例を示す模式断面図である。図3に示す電子写真感光体7Aは、導電性基体4上に、下引層1、電荷発生層2及び電荷輸送層3がこの順序で積層された構造を有し、電荷発生層2及び電荷輸送層3が感光層5を構成している。
図4及び図5はそれぞれ本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の他の例を示す模式断面図である。
図4及び図5に示す電子写真感光体7B,7Cは、図3に示す電子写真感光体7Aと同様に、電荷発生層2と電荷輸送層3とに機能が分離された感光層5を備えるものであり、最外層として保護層6が形成されている。図4に示す電子写真感光体7Bは導電性基体4上に下引層1、電荷発生層2、電荷輸送層3及び保護層6が順次積層された構造を有する。図5に示す電子写真感光体7Cは、導電性基体4上に下引層1、電荷輸送層3、電荷発生層2、保護層6が順次積層された構造を有する。
なお、各電子写真感光体7A乃至7Cは、下引層1は必ずしも設けられなくともよい。また、各電子写真感光体7A乃至7Cは、電荷発生層2と電荷輸送層3との機能が一体化した単層型感光層であってもよい。
以下、電子写真感光体の各層について詳細に説明する。なお、符号は省略して説明する。
−導電性基体−
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金
属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
これらの中でも、アルミニウム合金が好ましい。アルミニウム合金としては、アルミニウムのほかに、例えばSi、Fe、Cu、Mn、Mg、Cr、Zn、Tiを含むアルミニウム合金が挙げられる。アルミニウム合金は、いわゆる1000系合金が望ましく、加工性の観点から、アルミニウム含有率(質量比)が99.5%以上であることが望ましく、99.7%以上がより望ましい。
導電性基体は、表面に点在した複数の凹部を有する。導電性基体表面の凹部の開口の平均長径は、クリーニングブレードの鳴きの発生を抑制し、かつ良好なクリーニング性を得る観点から、50μm以上500μm以下であり、75μm以上500μm以下が好ましく、100μm以上400μm以下がより好ましい。
導電性基体表面の凹部の開口の平均長径が上記範囲であることにより、感光体表面に適度な凹部形状が形成されやすくなる。これにより、クリーニングブレードとして、感光体との摩擦が高まりやすい低硬度のクリーニングブレードを採用しても、クリーニングする際のクリーニングブレードと感光体との摩擦が低減されやすくなる。この結果、クリーニングブレードが振動しにくくなり、クリーニングブレードの鳴きの発生が抑制されると共に、クリーニング性が良好となる。
導電性基体表面の凹部の平均深さは、クリーニングブレードのクリーニング性を確保する観点から、1μm以上20μm以下が好ましい。
導電性基体表面の凹部の単位面積あたりの数密度(以下、単に「数密度」とも称する)は、クリーニングブレードの鳴きの発生を抑制し、かつ良好なクリーニング性を得る観点から、10個/cm以上100個/cm以下が好ましく、15個/cm以上80個/cm以下がより好ましく、20個/cm以上75個/cm以下がさらに好ましい。
導電性基体表面の凹部の開口の平均長径、凹部の平均深さ、及び数密度は、以下の方法で測定する。
凹部の開口の平均長径は、導電性基体表面に点在した複数の凹部の中から選んだ100個の凹部をレーザー顕微鏡(オリンパス社製:型番OLS1100)により表面観察して画像を撮影し、凹部ごとの最長径を測定し、その平均値を算出することで求める。
凹部の平均深さは、導電性基体表面に点在した複数の凹部の中から選んだ100個の凹部を上記レーザー顕微鏡により断面観察して画像を撮影し、凹部ごとの最大深さを測定し、その平均値を算出することで求める。
凹部の数密度については、導電性基体表面から選んだ0.2cm×0.2cmの領域(面積)を上記レーザー顕微鏡により表面観察して、0.2cm×0.2cmの面積中に存在する凹部の個数を測定する。これを前記面積(0.2cm×0.2cm)で割る。この操作を10箇所で行い、その平均値を凹部の数密度として算出する。
なお、凹部の形状は、特に制限されないが、断面形状において、例えば、楕円形状等の円形状;ひし形状、長方形状等の多角形状;不定形状;が挙げられる。
導電性基体表面に上記凹部を形成するためには、例えば抽伸加工(引き抜き加工)、インパクトプレス加工等の公知の方法で導電性基体を作製した後、導電性基体の表面に、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、ブラスト(例えばサンドブラスト)、湿式ホーニングなどの加工を施せばよい。
特に、導電性基体をインパクトプレス加工で作製する場合は、導電性基体を作製するための金属の塊、つまり被加工材料(以下「スラグ」という場合がある)の表面に予め傷(凹部)を付与することにより、表面に上記凹部が形成された導電性基体が得られる。
なお、導電性基体の凹部の開口の平均長径、及び数密度を上記範囲に調整する方法については後述する。
導電性基体の厚さ(肉厚)は、特に限定されないが、低価格化及び低軽量化の観点、並びにクリーニングブレードの鳴きの発生を抑制し、かつ良好なクリーニング性を得る観点から、0.25mm以上0.8mm以下が好ましく、0.4mm以上0.7mm以下がより好ましく、0.4mm以上0.5mm以下がさらに好ましい。
本実施形態では、導電性基体の厚さが上記範囲と薄く、クリーニングブレードが振動しやすくなるが、上述したように表面が凹部形状である感光体と、低硬度のクリーニングブレードとを組み合わせることにより、クリーニングブレードが振動しにくくなり、クリーニングブレードの鳴きの発生が抑制される。また、クリーニングブレードのクリーニング性も確保される。
以下、導電性基体を製造する工程の一例として、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる導電性基体を製造する工程について説明する。
図6は、アルミニウム又はアルミニウム合金の被加工材料(以下「スラグ」という場合がある)をインパクトプレス加工によって円筒形状に成形する工程の一例を示し、図7は、インパクトプレス加工によって成形した円筒状の成形体の外周面にしぼり加工及びしごき加工を施して導電性基体を製造する工程の一例を示している。
−インパクトプレス加工−
まず、潤滑材を塗布したアルミニウム又はアルミニウム合金のスラグ30を用意し、図6(A)に示すようにダイ(雌型)20に設けられている円形孔24にセットする。
ここで、スラグ30には、特定の範囲の平均長径、平均深さ、及び数密度を有する傷(凹部)を予め付与する。
次いで、図6(B)に示すように、ダイ20にセットしたスラグ30を円柱状のパンチ(雄型)21によりプレスする。これによりスラグ30がダイ20の円形孔からパンチ21の周囲を覆うように円筒状に伸びて成形される。
成形後、図6(C)に示すように、パンチ21を引き上げてストリッパー22の中央孔23を通すことによりパンチ21が引き抜かれて円筒状の成形体4Aが得られる。
このように表面に予め傷(凹部)を付与したスラグ30を用いたインパクトプレス加工によれば、厚さが薄く、かつ、表面に複数の凹部を有し凹部の開口の平均長径が50μm以上500μm以下である円筒状の成形体4A(導電性基体)が成形されやすくなる。さらに、成形体4A表面の凹部の数密度が10個/cm以上100個/cm以下の範囲を満たしやすくなる。
成形体4A表面の凹部の開口の平均長径、及び数密度は、スラグ30の表面に予め付与する凹部の大きさ(例えば深さ、長さ、太さ)や、数(数密度)などによって調整される。例えば、スラグ30の表面に予め付与する凹部の数を多くすれば、円筒状の成形体4Aに成形したときの凹部の数密度が増えやすい。また、スラグ30の表面に予め付与する凹部の長さを大きくすれば、円筒状の成形体4Aに成形したときの凹部の開口の平均長径が大きくなりやすい。
具体的に、成形体4A表面の凹部の開口の平均長径を上記範囲とするためには、例えば、スラグ表面に予め付与する凹部の開口の平均長径を、好ましくは10μm以上100μm以下、より好ましくは15μm以上50μm以下とし、スラグ表面に予め付与する凹部の平均深さを、好ましくは1μm以上10μm以下、より好ましくは1.5μm以上5μm以下とすればよい。また、成形体4A表面の凹部の数密度を上記範囲とするためには、例えば、スラグ表面に予め付与する凹部の数密度を、好ましくは1000個/cm以上20000個/cm以下、より好ましくは1000個/cm以上15000個/cm以下とすればよい。
なお、スラグ表面に予め付与する凹部の開口の平均長径、凹部の平均深さ、及び凹部の数密度は、上述した導電性基体表面の凹部の開口の平均長径、凹部の平均深さ、及び凹部の数密度と同様の測定方法で測定する。
スラグ表面から選んだ0.1cm×0.1cmの領域(面積)を上記レーザー顕微鏡により表面観察して、0.1cm×0.1cmの面積中に存在する凹部の個数を測定し、これを前記面積(0.1cm×0.1cm)で割る。この操作を10箇所で行い、その平均値を凹部の数密度として算出する。
−しぼり加工及びしごき加工−
次に、図7(A)に示すように、必要に応じて、インパクトプレス加工によって成形した円筒状の成形体4Aを、内部から円柱状のパンチ31によりダイス32に押し込んでしぼり加工を施して径を小さくした後、図7(B)に示すように、さらに径を小さくしたダイス33間に押し込んでしごき加工を施す。これにより、径が小さくなった成形体4Bが得られる。
なお、しぼり加工を経ずにしごき加工を施してもよいし、しごき加工を複数段階に分けて行ってもよい。また、しごき加工を施す前に、焼き鈍しを施して応力を開放してもよい。
以上の工程を経て、インパクト加工によりアルミニウム又はアルミニウム合金からなる導電性基体が得られる。なお、インパクト加工後の後処理として焼き鈍しを行ってもよい。
また、インパクトプレス加工後、しぼり加工後、しごき加工後、又は焼き鈍し後に、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、ブラスト(例えばサンドブラスト)、湿式ホーニングなどの方法を適用して成形体4A,4Bの表面の凹部の開口の平均長径、及び数密度を調整してもよい。
なお、導電性基体には、酸性処理液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
(下引層)
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
無機粒子としては、例えば、粉体抵抗(体積抵抗率)10Ωcm以上1011Ωcm以下の無機粒子が挙げられる。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子のBET法による比表面積は、例えば、10m/g以上がよい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
無機粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上80質量%以下である。
無機粒子は、表面処理が施されていてもよい。無機粒子は、表面処理の異なるもの、又は、粒子径の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が好ましく、アミノ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シランカップリング剤は、2種以上混合して使用してもよい。例えば、アミノ基を有するシランカップリング剤と他のシランカップリング剤とを併用してもよい。この他のシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面処理剤による表面処理方法は、公知の方法であればいかなる方法でもよく、乾式法又は湿式法のいずれでもよい。
表面処理剤の処理量は、例えば、無機粒子に対して0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
ここで、下引層は、無機粒子と共に電子受容性化合物(アクセプター化合物)を含有することが、電気特性の長期安定性、キャリアブロック性が高まる観点からよい。
電子受容性化合物としては、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;等の電子輸送性物質等が挙げられる。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
電子受容性化合物は、下引層中に無機粒子と共に分散して含まれていてもよいし、無機粒子の表面に付着した状態で含まれていてもよい。
電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着させる方法としては、例えば、乾式法、又は、湿式法が挙げられる。
乾式法は、例えば、無機粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接又は有機溶媒に溶解させた電子受容性化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させて、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。電子受容性化合物の滴下又は噴霧するときは、溶剤の沸点以下の温度で行うことがよい。電子受容性化合物を滴下又は噴霧した後、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に制限されない。
湿式法は、例えば、攪拌、超音波、サンドミル、アトライター、ボールミル等により、無機粒子を溶剤中に分散しつつ、電子受容性化合物を添加し、攪拌又は分散した後、溶剤除去して、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。溶剤除去方法は、例えば、ろ過又は蒸留により留去される。溶剤除去後には、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に限定されない。湿式法においては、電子受容性化合物を添加する前に無機粒子の含有水分を除去してもよく、その例として溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法が挙げられる。
なお、電子受容性化合物の付着は、表面処理剤による表面処理を無機粒子に施す前又は後に行ってよく、電子受容性化合物の付着と表面処理剤による表面処理と同時に行ってもよい。
電子受容性化合物の含有量は、例えば、無機粒子に対して0.01質量%以上20質量%以下がよく、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下である。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これらの中でも、下引層に用いる結着樹脂としては、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適であり、特に、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂が好適である。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
下引層には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
添加剤としてのシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物としては、例えば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの添加剤は、単独で、又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
下引層は、ビッカース硬度が35以上であることがよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から(1/2)λまでに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、ケトン系溶剤、ケトンアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
下引層形成用塗布液を調製するときの無機粒子の分散方法としては、例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が挙げられる。
下引層形成用塗布液を導電性基体上に塗布する方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
下引層の膜厚は、例えば、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上50μm以下の範囲内に設定される。
(中間層)
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
これらの中でも、中間層は、ジルコニウム原子又はケイ素原子を含有する有機金属化合物を含む層であることが好ましい。
中間層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた中間層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上3μm以下の範囲に設定される。なお、中間層を下引層として使用してもよい。
(電荷発生層)
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
これらの中でも、近赤外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、金属フタロシアニン顔料、又は無金属フタロシアニン顔料を用いることが好ましい。具体的には、例えば、特開平5−263007号公報、特開平5−279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン;特開平5−98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン;特開平5−140472号公報、特開平5−140473号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン;特開平4−189873号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンがより好ましい。
一方、近紫外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;チオインジゴ系顔料;ポルフィラジン化合物;酸化亜鉛;三方晶系セレン;特開2004−78147号公報、特開2005−181992号公報に開示されたビスアゾ顔料等が好ましい。
450nm以上780nm以下に発光の中心波長があるLED,有機ELイメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合にも、上記電荷発生材料を用いてもよいが、解像度の観点より、感光層を20μm以下の薄膜で用いるときには、感光層中の電界強度が高くなり、基体からの電荷注入による帯電低下、いわゆる黒点と呼ばれる画像欠陥を生じやすくなる。これは、三方晶系セレン、フタロシアニン顔料等のp−型半導体で暗電流を生じやすい電荷発生材料を用いたときに顕著となる。
これに対し、電荷発生材料として、縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、アゾ顔料等のn−型半導体を用いた場合、暗電流を生じ難く、薄膜にしても黒点と呼ばれる画像欠陥を抑制し得る。n−型の電荷発生材料としては、例えば、特開2012−155282号公報の段落[0288]〜[0291]に記載された化合物(CG−1)〜(CG−27)が挙げられるがこれに限られるものではない。
なお、n−型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn−型とする。
これらの中でも、電荷発生材料としては、電荷発生効率の点で、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料であることが好ましく、V型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がより好ましい。
特に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料としては、例えば、600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおいて、810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がより優れた分散性が得られる観点から好ましい。
また、上記の810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、平均粒径が特定の範囲であり、且つ、BET比表面積が特定の範囲であることが好ましい。具体的には、平均粒径が0.20μm以下であることが好ましく、0.01μm以上0.15μm以下であることがより好ましい。一方、BET比表面積が45m/g以上であることが好ましく、50m/g以上であることがより好ましく、55m/g以上120m/g以下であることが特に好ましい。平均粒径は、体積平均粒径(d50平均粒径)でレーザ回折散乱式粒度分布測定装置(LA−700、堀場製作所社製)にて測定した値である。また、BET式比表面積測定器(島津製作所製:フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定した値である。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の最大粒径(一次粒子径の最大値)は、1.2μm以下であることが好ましく、1.0μm以下であることがより好ましく、より好ましくは0.3μm以下である。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、平均粒径が0.2μm以下、最大粒径が1.2μm以下であり、且つ、比表面積値が45m/g以上であることが好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜に回折ピークを有するV型であることが好ましい。
電荷発生材料は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択され、また、結着樹脂としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択してもよい。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、質量比で10:1から1:10までの範囲内であることが好ましい。
電荷発生層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷発生層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷発生層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。なお、電荷発生層の形成は、電荷発生材料の蒸着により行ってもよい。電荷発生層の蒸着による形成は、特に、電荷発生材料として縮環芳香族顔料、ペリレン顔料を利用する場合に好適である。
電荷発生層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等が挙げられる。これら溶剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いる。
電荷発生層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式等が挙げられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷発生層形成用塗布液を下引層上(又は中間層上)に塗布する方法としては、例えばブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上5.0μm以下、より好ましくは0.2μm以上2.0μm以下の範囲内に設定される。
(電荷輸送層)
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物;キサントン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;シアノビニル系化合物;エチレン系化合物等の電子輸送性化合物が挙げられる。電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送性化合物も挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種を単独で又は2種以上で用いられるが、これらに限定されるものではない。
電荷輸送材料としては、電荷移動度の観点から、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)及びベンジジン系電荷輸送材料(CT2)が好ましい。
−電荷輸送材料−
ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)について説明する。
ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)は、下記一般式(CT1)で示される電荷輸送材料である。

一般式(CT1)中、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基同士が結合して炭化水素環構造を形成してもよい。
n及びmは、各々独立に、0、1又は2を表す。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すアルキル基としては、炭素数1以上20以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、イソウンデシル基、sec−ウンデシル基、tert−ウンデシル基、ネオウンデシル基、イソドデシル基、sec−ドデシル基、tert−ドデシル基、ネオドデシル基、イソトリデシル基、sec−トリデシル基、tert−トリデシル基、ネオトリデシル基、イソテトラデシル基、sec−テトラデシル基、tert−テトラデシル基、ネオテトラデシル基、1−イソブチル−4−エチルオクチル基、イソペンタデシル基、sec−ペンタデシル基、tert−ペンタデシル基、ネオペンタデシル基、イソヘキサデシル基、sec−ヘキサデシル基、tert−ヘキサデシル基、ネオヘキサデシル基、1−メチルペンタデシル基、イソヘプタデシル基、sec−ヘプタデシル基、tert−ヘプタデシル基、ネオヘプタデシル基、イソオクタデシル基、sec−オクタデシル基、tert−オクタデシル基、ネオオクタデシル基、イソノナデシル基、sec−ノナデシル基、tert−ノナデシル基、ネオノナデシル基、1−メチルオクチル基、イソイコシル基、sec−イコシル基、tert−イコシル基、ネオイコシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すアルコキシ基としては、炭素数1以上20以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基、イソウンデシルオキシ基、sec−ウンデシルオキシ基、tert−ウンデシルオキシ基、ネオウンデシルオキシ基、イソドデシルオキシ基、sec−ドデシルオキシ基、tert−ドデシルオキシ基、ネオドデシルオキシ基、イソトリデシルオキシ基、sec−トリデシルオキシ基、tert−トリデシルオキシ基、ネオトリデシルオキシ基、イソテトラデシルオキシ基、sec−テトラデシルオキシ基、tert−テトラデシルオキシ基、ネオテトラデシルオキシ基、1−イソブチル−4−エチルオクチルオキシ基、イソペンタデシルオキシ基、sec−ペンタデシルオキシ基、tert−ペンタデシルオキシ基、ネオペンタデシルオキシ基、イソヘキサデシルオキシ基、sec−ヘキサデシルオキシ基、tert−ヘキサデシルオキシ基、ネオヘキサデシルオキシ基、1−メチルペンタデシルオキシ基、イソヘプタデシルオキシ基、sec−ヘプタデシルオキシ基、tert−ヘプタデシルオキシ基、ネオヘプタデシルオキシ基、イソオクタデシルオキシ基、sec−オクタデシルオキシ基、tert−オクタデシルオキシ基、ネオオクタデシルオキシ基、イソノナデシルオキシ基、sec−ノナデシルオキシ基、tert−ノナデシルオキシ基、ネオノナデシルオキシ基、1−メチルオクチルオキシ基、イソイコシルオキシ基、sec−イコシルオキシ基、tert−イコシルオキシ基、ネオイコシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すアリール基としては、炭素数6以上30以下(好ましくは6以上20以下、より好ましくは6以上16以下)のアリール基が挙げられる。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニリル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
なお、一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、上記例示した原子および基(例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基など)が挙げられる。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16の隣接する二つの置換基同士(例えばRC11及びRC12同士、RC13及びRC14同士、RC15及びRC16同士)が連結した炭化水素環構造における、当該置換基同士を連結する基としては、単結合、2,2’−メチレン基、2,2’−エチレン基、2,2’−ビニレン基などが挙げられ、これらの中でも単結合、2,2’−メチレン基が好ましい。
ここで、炭化水素環構造として具体的には、例えば、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造、シクロアルカンポリエン構造等が挙げられる。
一般式(CT1)において、n及びmは、1であることが好ましい。
一般式(CT1)において、電荷輸送能の高い感光層(電荷輸送層)形成の点から、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が水素原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、又は炭素数1以上20以下のアルコキシ基を表し、m及びnが1又は2を表することが好ましく、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が水素原子を表し、m及びnが1を表すことがより好ましい。
つまり、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)は、下記構造式(CT1A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT1−3))であることがより好ましい。
以下に、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)の具体例を示すが、これに限定されるわけではない。
なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。また、置換基の前に付す番号は、ベンゼン環に対する置換位置を示している。
・CH:メチル基
・OCH:メトキシ基
ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)について説明する。
ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)は、下記一般式(CT2)で示される電荷輸送材料である。

一般式(CT2)中、RC21、RC22、及びRC23は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上10以下のアリール基を表す。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアルキル基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアルコキシ基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアリール基としては、炭素数6以上10以下(好ましくは6以上9以下、より好ましくは6以上8以下)のアリール基が挙げられる。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
なお、一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、上記例示した原子および基(例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基など)が挙げられる。
一般式(CT2)において、特に、電荷輸送能の高い感光層(電荷輸送層)形成の点から、RC21、RC22、及びRC23が、各々独立に、水素原子、又は、炭素数1以上10以下のアルキル基を表すことが好ましく、RC21、及びRC23が水素原子を表し、RC22が炭素数1以上10以下のアルキル基(特に、メチル基)を表すことがより好ましい。
具体的には、ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)は、下記構造式(CT2A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT2−2))であることが特に好ましい。
以下に、ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)の具体例を示すが、これに限定されるわけではない。
なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。また、置換基の前に付す番号は、ベンゼン環に対する置換位置を示している。
・CH:メチル基
・C:エチル基
・OCH:メトキシ基
・OC:エトキシ基
ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)及びベンジジン系電荷輸送材料(CT2)を含む電荷輸送層には、更に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤よりなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤について説明する。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、ヒンダードフェノール環を有し、且つ分子量が300以上の化合物であることが好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、ヒンダードフェノール環は、例えば、炭素数4以上8以下のアルキル基(例えば炭素数4以上8以下の分岐状のアルキル基)が少なくとも一つ置換されたフェノール環である。より具体的には、ヒンダードフェノール環は、例えば、フェノール性水酸基に対してオルトの位置が三級アルキル基(例えばtert−ブチル基)で置換されたフェノール環である。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、
1)ヒンダードフェノール環を1つ有する酸化防止剤、
2)ヒンダードフェノール環を2つ以上4つ以下有し、且つ直鎖又は分岐状の2価以上4価以下の脂肪族炭化水素基からなる連結基、又は2価以上4価以下の脂肪族炭化水素基の炭素−炭素の結合間に、エステル結合(−C(=O)O−)及びエーテル結合(−O−)の少なくとも一方が介在した連結基で、2つ以上4つ以下のヒンダードフェノール環が連結された酸化防止剤
3)2つ以上4つ以下のヒンダードフェノール環と、一つのベンゼン環(未置換、又はアルキル基等で置換された置換ベンゼン環)又はイソシアヌレート環とを有し、2つ以上4つ以下のヒンダードフェノール環が、各々、ベンゼン環又はイソシアヌレート環とアルキレン基を介して連結された酸化防止剤
等が挙げられる。
具体的には、ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、下記一般式(HP)で示される酸化防止剤が好ましい。

一般式(HP)中、RH1、及びRH2は、各々独立に、炭素数4以上8以下の分岐状のアルキル基を表す。
H3、及びRH4は、各々独立に、水素原子、又は、炭素数1以上10以下のアルキル基を表す。
H5は、炭素数1以上10以下のアルキレン基を表す。
一般式(HP)中、RH1、及びRH2が表すアルキル基としては、炭素数4以上8以下(好ましくは炭素数4以上6以下)の分岐状のアルキル基が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、tert−ブチル基、tert−ペンチル基が好ましく、tert−ブチル基がより好ましい。
一般式(HP)中、RH3、及びRH4としては、炭素数1以上10以下(好ましくは炭素数1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(HP)中、RH5は、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状アルキレン基を表す。
直鎖状のアルキレン基として具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、n−ヘプチレン基、n−オクチレン基、n−ノニレン基、n−デシレン基等が挙げられる。
分岐状のアルキレン基として具体的には、イソプロピレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基、イソヘキシレン基、sec−ヘキシレン基、tert−ヘキシレン基、イソヘプチレン基、sec−ヘプチレン基、tert−ヘプチレン基、イソオクチレン基、sec−オクチレン基、tert−オクチレン基、イソノニレン基、sec−ノニレン基、tert−ノニレン基、イソデシレン基、sec−デシレン基、tert−デシレン基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、ブチレン基等の低級アルキレン基が好ましい。
なお、一般式(HP)中、RH1、RH2、RH3、RH4、及びRH5が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子)、アルコキシ基(例えば炭素数1以上4以下のアルコキシ基)、アリール基(例えばフェニル基、ナフチル基等)等が挙げられる。
一般式(HP)において、RH1、及びRH2がtert−ブチル基を表すことが好ましく、RH1、及びRH2がtert−ブチル基を表し、RH3、及びRH4が炭素数1以上3以下のアルキル基(特にメチル基)を示し、RH5が炭素数1以上4以下のアルキレン基(特にメチレン基)を表すことが好ましい。
具体的には、ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、例示化合物(HP−3)で示されるヒンダードフェノール系酸化防止剤が特に好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の分子量は、300以上1000以下が好ましく、300以上900以下がより好ましく、300以上800以下が更に好ましい。
以下に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤の具体例を示すが、これに限定されるわけではない。



ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
次に、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤について説明する。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン骨格を有する化合物である。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、1)2つのベンゼン環が無置換の化合物、2)2つのベンゼン環に、各々に独立に、水酸基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、及びアリール基よりなる群から選択される少なくとも一つの置換基で置換された化合物が挙げられる。特に、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤は、2つのベンゼン環の一方に、少なくとも水酸基が置換(特に、−C(=O)−基に対してオルトの位置に置換)されている化合物がよい。
具体的には、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、下記一般式(BP)で示される紫外線吸収剤が好ましい。

一般式(BP)中、RB1、RB2、及びRB3は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上10以下のアリール基を表す。ただし、R B3 は、水酸基を表してもよい。
一般式(BP)において、RB1、RB2、及びRB3が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
一般式(BP)において、RB1、RB2、及びRB3が表すアルキル基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(BP)において、RB1、RB2、及びRB3が表すアルコキシ基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
一般式(BP)において、RB1、RB2、及びRB3が表すアリール基としては、炭素数6以上10以下(好ましくは6以上9以下、より好ましくは6以上8以下)のアリール基が挙げられる。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
なお、一般式(BP)において、RB1、RB2、及びRB3が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、上記例示した原子および基(例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基など)が挙げられる。
一般式(BP)において、特に、RB1、及びRB2が水素原子を表し、RB3が炭素数1以上3以下のアルコキシ基を表すことが好ましい。
具体的には、紫外線吸収剤は、下記構造式(BPA)で示されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例示化合物(BP−3))であることが特に好ましい。

以下に、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(一般式(BP)で示されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤)の具体例を示すが、これに限定されるわけではない。
なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。また、置換基の前に付す番号は、ベンゼン環に対する置換位置を示している。
・CH:メチル基
・C:エチル基
・(CH−CH:オクチル基
・OCH:メトキシ基
・OH:ヒドロキシ基
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
次に、電荷輸送材料、酸化防止剤および紫外線吸収剤の含有量について説明する。
ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)の含有量は、電荷輸送能の高い感光層(電荷輸送層)形成の点から、CT1と結着樹脂との配合比(質量比 CT1:結着樹脂)で0.1:9.9から4.0:6.0までの範囲内であることが好ましく、0.4:9.6から3.5:6.5までの範囲内であることがより好ましく、0.6:9.4から3.0:7.0の範囲内であることが更に好ましい。
ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)の含有量は、電荷輸送能の高い感光層(電荷輸送層)形成の点から、CT2と結着樹脂の配合比(質量比 CT2:結着樹脂)で1:9から7:3までの範囲内であることが好ましく、2:8から6:4までの範囲内であることがより好ましく、2:8から4:6の範囲内であることが更に好ましい。
ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)の含有量とベンジジン系電荷輸送材料(CT2)の含有量との質量比(ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)の含有量/ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)の含有量)は、電荷輸送能の高い感光層(電荷輸送層)形成の点から、1/9以上5/5以下が好ましく、1/9以上4/6以下がより好ましく、1/9以上3/7以下が更に好ましい。
なお、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)およびベンジジン系電荷輸送材料(CT2)以外の他の電荷輸送材料を併用してもよい。但し、その場合、全電荷輸送材料に占める他の電荷輸送材料の含有量は、10質量%以下(好ましくは5質量%以下)であることがよい。
ヒンダーフェノール系酸化防止剤の含有量は、全電荷輸送材料量100質量%に対して、0.5質量%以上30.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以上15質量%以下がより好ましく、0.5以上9.0質量%以下が更に好ましい。なお、このヒンダーフェノール系酸化防止剤の含有量は、全電荷輸送材料の含有量を100質量部としたときの部数(質量部)を示している。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の含有量は、全電荷輸送材料量100質量%に対して、0.5質量%以上30.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以上15質量%以下がより好ましく、0.5以上9.0質量%以下が更に好ましい。なお、このベンゾフェノン系紫外線吸収剤の含有量は、全電荷輸送材料の含有量を100質量部としたときの部数(質量部)を示している。
なお、ヒンダーフェノール系酸化防止剤およびベンゾフェノン系紫外線吸収剤の含有量は、共に、30.0質量%以下とすることで、酸化防止剤および紫外線吸収剤による電荷輸送材料の電荷輸送能力の阻害が抑制される。つまり、光照射による感光体表面への静電潜像形成の阻害が抑制され、目的とする濃度の画像が得られ易くなる。
電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの中でも、結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂が好適である。これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上で用いる。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
電荷輸送層には、その他、周知の添加剤(例えばフッ素含有樹脂粒子)が含まれていてもよい。
電荷輸送層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
電荷輸送層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状又は直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層の上に塗布する際の塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は、例えば、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下の範囲内に設定される。
(保護層)
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
1)反応性基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に有する反応性基含有電荷輸送材料を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり当該反応性基含有電荷輸送材料の重合体又は架橋体を含む層)
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
反応性基含有電荷輸送材料の反応性基としては、連鎖重合性基、エポキシ基、−OH、−OR[但し、Rはアルキル基を示す]、−NH、−SH、−COOH、−SiRQ1 3−Qn(ORQ2Qn[但し、RQ1は水素原子、アルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、RQ2は水素原子、アルキル基、トリアルキルシリル基を表す。Qnは1〜3の整数を表す]等の周知の反応性基が挙げられる。
連鎖重合性基としては、ラジカル重合しうる官能基であれば特に限定されるものではなく、例えば、少なくとも炭素二重結合を含有する基を有する官能基である。具体的には、ビニル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、スチリル基(ビニルフェニル基)、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基等が挙げられる。なかでも、その反応性に優れることから、連鎖重合性基としては、ビニル基、スチリル基(ビニルフェニル基)、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基であることが好ましい。
反応性基含有電荷輸送材料の電荷輸送性骨格としては、電子写真感光体における公知の構造であれば特に限定されるものではなく、例えば、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の含窒素の正孔輸送性化合物に由来する骨格であって、窒素原子と共役している構造が挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン骨格が好ましい。
これら反応性基及び電荷輸送性骨格を有する反応性基含有電荷輸送材料、非反応性の電荷輸送材料、反応性基含有非電荷輸送材料は、周知の材料から選択すればよい。
保護層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
保護層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた保護層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱等の硬化処理することで行う。
保護層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ系溶剤;イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
なお、保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
保護層形成用塗布液を感光層(例えば電荷輸送層)上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
保護層の膜厚は、例えば、好ましくは1μm以上20μm以下、より好ましくは2μm以上10μm以下の範囲内に設定される。
(単層型感光層)
単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、電荷発生材料と電荷輸送材料と、必要に応じて、結着樹脂、及びその他周知の添加剤と、を含む層である。なお、これら材料は、電荷発生層及び電荷輸送層で説明した材料と同様である。
そして、単層型感光層中、電荷発生材料の含有量は、全固形分に対して10質量%以上85質量%以下がよく、好ましくは20質量%以上50質量%以下である。また、単層型感光層中、電荷輸送材料の含有量は、電荷輸送層中での含有量と同様である。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。
単層型感光層の膜厚は、例えば、5μm以上50μm以下がよく、好ましくは10μm以上40μm以下である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りがない限り、「部」は、「質量部」を意味する。
<導電性基体の作製>
(導電性基体(1)の作製)
潤滑材を塗布したアルミニウム純度99.5%以上のJIS呼称1050合金のスラグを用意した。次にブラスト装置を用いてスラグの表面に平均深さ3μm、平均長径30μm、及び数密度が4520個/cmの凹部を形成した。その後インパクト加工によりΦ32mm、肉厚(厚さ)0.5mmのアルミ製円筒管を作製した。その後、Φ30のダイスとΦ29のパンチを用いて、しごき加工を行い、Φ30mm、厚さ0.4mmの円筒形のアルミニウム基材を作製した後、アルミニウム基材の両端をカットし長さ253mmの導電性基体(1)を作製した。このようにして作製された導電性基体(1)の表面を、既述の方法によりレーザー顕微鏡で観察したところ、表面に存在する凹部は、数密度が28個/cmで平均長径が150μmであった。以下の導電性基体の表面に存在する凹部の数密度及び平均長径についても同様の方法で求めた。
(導電性基体(2)の作製)
ブラスト装置を用いてスラグの表面に平均深さ5μm、平均長径50μm、及び数密度が1560個/cmの凹部を形成した以外は導電性基体(1)と同様に導電性基体(2)を作製した。導電性基体(2)の表面に存在する凹部は、数密度が10個/cmで平均長径は250μmであった。
(導電性基体(3)の作製)
ブラスト装置を用いてスラグの表面に平均深さ2μm、平均長径20μm、及び数密度が14520個/cmの凹部を形成した以外は導電性基体(1)と同様に導電性基体(3)を作製した。導電性基体(3)の表面に存在する凹部は、数密度が100個/cmで平均長径は100μmであった。
(導電性基体(4)の作製)
ブラスト装置を用いてスラグの表面に平均深さ3μm、平均長径30μm、及び数密度が1250個/cmの凹部を形成した以外は導電性基体(1)と同様に導電性基体(4)を作製した。導電性基体(4)の表面に存在する凹部は、数密度が8個/cmで平均長径は150μmであった。
(導電性基体(5)の作製)
潤滑材を塗布したアルミニウム純度99.5%以上のJIS呼称1050合金のスラグを用意した。次にブラスト装置を用いてスラグの表面に平均深さ3μm、平均長径30μm、及び数密度が3280個/cmの凹部を形成した。その後インパクト加工によりΦ32mm、厚さ1.0mmのアルミ製円筒管を作製した。その後、Φ30のダイスとΦ28のパンチを用いて、しごき加工を行い、Φ30mm、厚さ0.8mmの円筒形のアルミニウム基材を作製した後、アルミニウム基材の両端を切断し長さ253mmの導電性基体(5)を作製した。導電性基体(5)の表面に存在する凹部は、数密度が21個/cmで平均長径が140μmであった。
(導電性基体(6)の作製)
従来の抽伸管で作製したアルミ製円筒管の表面を切削し、Φ30mm、厚さ0.7mmのアルミニウム基材(導電性基体(6))を作製した。導電性基体(6)の表面に凹部は存在しなかった。
(導電性基体(7)の作製)
導電性基体(6)を作製した後、ブラスト装置を用いて導電性基体(6)の表面に平均深さ10μm、平均長径100μm、及び数密度が32個/cmの凹部を形成し、導電性基体(7)を作製した。
(導電性基体(8)の作製)
ブラスト装置を用いてスラグの表面に平均深さ3μm、平均長径30μm、及び数密度が18320個/cmの凹部を形成した以外は導電性基体(1)と同様に導電性基体(8)を作製した。導電性基体(8)の表面に存在する凹部は、数密度が120個/cmで平均長径は150μmであった。
(導電性基体(9)の作製)
ブラスト装置を用いてスラグの表面に平均深さ9μm、平均長径90μm、及び数密度が7240個/cmの凹部を形成した以外は導電性基体(1)と同様に導電性基体(9)を作製した。導電性基体(9)の表面に存在する凹部は、数密度が52/cmで平均長径は480μmであった。
(導電性基体(10)の作製)
ブラスト装置を用いてスラグの表面に平均深さ13μm、平均長径130μm、及び数密度が4810個/cmの凹部を形成した以外は導電性基体(1)と同様に導電性基体(10)を作製した。導電性基体(10)の表面に存在する凹部は、数密度が30個/cmで平均長径は550μmであった。
(導電性基体(11)の作製)
ブラスト装置を用いてスラグの表面に平均深さ1μm、平均長径10μm、及び数密度が13800個/cmの凹部を形成した以外は導電性基体(1)と同様に導電性基体(11)を作製した。導電性基体(11)の表面に存在する凹部は、数密度が90個/cmで平均長径は45μmであった。
<電子写真感光体の作製>
(電子写真感光体(1)の作製)
−下引層の形成−
酸化亜鉛:(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m/g)100質量部をトルエン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(商品名:KBM603:信越化学工業社製、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)1.3質量部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛を得た。
前記表面処理を施した酸化亜鉛110質量部を500質量部のテトラヒドロフランと攪拌混合し、アリザリン0.6質量部を50質量部のテトラヒドロフランに溶解させた溶液を添加し、50℃にて5時間攪拌した。その後、減圧ろ過にてアリザリンを付与させた酸化亜鉛をろ別し、さらに60℃で減圧乾燥を行いアリザリン付与酸化亜鉛を得た。
このアリザリン付与酸化亜鉛60質量部と硬化剤(ブロック化イソシアネート、商品名:スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製):13.5質量部と、ブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−1、積水化学工業社製)15質量部と、をメチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部と、メチルエチルケトン:25質量部と、を混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い、分散液を得た。
得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート:0.005質量部、及びシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール145、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):40質量部を添加し、下引層形成用塗布液を得た。この下引層形成用塗布液を浸漬塗布法にて導電性基体(1)上に塗布し、170℃、40分の乾燥硬化を行い、厚さ20μmの下引層を得た。
−電荷発生層の形成−
電荷発生物質としてのCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(商品名:VMCH、日本ユニカー社製)10質量部、n−酢酸ブチル200質量部からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液にn−酢酸ブチル175質量部、メチルエチルケトン180質量部を添加し、攪拌して電荷発生層形成用塗布液を得た。この電荷発生層形成用塗布液を下引層上に浸漬塗布し、常温(25℃)で乾燥して、厚さ0.18μmの電荷発生層を形成した。
−電荷輸送層(CTL−1)の形成−
電荷輸送材料としてのブタジエン系電荷輸送材料(CT1)「例示化合物(CT1−3)8質量部と、ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)「例示化合物(CT2−2):N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン」32質量部と、結着樹脂としてのビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZの単独重合型ポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量4万)58質量部と、酸化防止剤としてのヒンダードフェノール系酸化防止剤「例示化合物(HP−1)、分子量775」2質量部(全電荷輸送材料合計量に対して5質量%)と、をテトラヒドロフラン340質量部に加えて溶解し、電荷輸送層形成用塗布液を得た。
得られた電荷輸送層形成用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、145℃、30分の乾燥を行うことにより、厚さ24μmの電荷輸送層(CTL−1)を形成した。これにより、電子写真感光体(1)を得た。
(電子写真感光体(2)〜(7)、(10)、(12)、(13)、(14)の作製)
電子写真感光体(1)において、表1に示す導電性基体(表1中、「基体」と表記)を用いたこと以外は、電子写真感光体(1)と同様の方法により電子写真感光体(2)〜(7)、(10)、(12)、(13)、(14)を得た。
(電子写真感光体(8)の作製)
電子写真感光体(1)において、電荷輸送層(CTL−1)の代わりに電荷輸送層(CTL−2)を用いたこと以外は、電子写真感光体(1)と同様の方法により電子写真感光体(8)を得た。
なお、電荷輸送層(CTL−2)は以下の方法により形成した。
−電荷輸送層(CTL−2)の形成−
電荷輸送材料としてのベンジジン系電荷輸送材料(CT2)「例示化合物(CT2−2)」40部と、結着樹脂としてのビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZの単独重合型ポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量4万)60部と、をテトロヒドロフラン280部及びトルエン120部に十分に溶解混合した後、4フッ化エチレン樹脂粒子10部を加え、さらに混合した。その後、ガラスビーズを用いたサンドグラインダーにて分散し、電荷輸送層形成用塗布液を得た。得られた電荷輸送層形成用塗布液を、上記電荷輸送層(CTL−1)形成用塗布液と同様の手順で電荷発生層上に浸漬塗布し、145℃、30分の乾燥を行うことにより、厚さ24μmの電荷輸送層(CTL−2)を形成した。
(電子写真感光体(9)の作製)
電子写真感光体(1)において、導電性基体(6)を用いたこと以外は、電子写真感光体(1)と同様の方法により、導電性基体(6)上に下引層、電荷発生層、及び電荷輸送層を形成した。その後ブラスト装置を用い電荷輸送層の表面に平均深さ8μm、平均長径80μm、及び数密度が12個/cmの凹部を形成して電子写真感光体(9)を得た。
(電子写真感光体(11)の作製)
電子写真感光体(1)において、電荷輸送層(CTL−1)の代わりに電荷輸送層(CTL−3)を用いたこと以外は、電子写真感光体(1)と同様の方法により電子写真感光体(11)を得た。
なお、電荷輸送層(CTL−3)は以下の方法により形成した。
−電荷輸送層(CTL−3)の形成−
電荷輸送層(CTL−1)において、ヒンダードフェノール系酸化防止剤「例示化合物(HP−1)、分子量775」1質量部(全電荷輸送材料合計量に対して2.5質量%)と共に、更に、紫外線吸収剤として、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤「例示化合物(BP−1)」1質量部(全電荷輸送材料合計量に対して2.5質量%)を使用した以外はCTL−1と同様にし、電荷輸送層形成用塗布液を得た。得られた電荷輸送層形成用塗布液を、上記電荷輸送層(CTL−1)形成用塗布液と同様の手順で電荷発生層上に浸漬塗布し、145℃、30分の乾燥を行うことにより、厚さ24μmの電荷輸送層(CTL−3)を形成した。
表1に、電子写真感光体(表1中、「感光体」と表記)、電荷輸送層、及び導電性基体の詳細をまとめて示す。
<クリーニングブレードの作製>
(クリーニングブレードA(BLD−A)の作製)
まず、ポリカプロラクトンポリオール(ダイセル社製、商品名:プラクセル205、平均分子量529、水酸基価212KOHmg/g)およびポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化製、商品名:プラクセル240、平均分子量4155、水酸基価27KOHmg/g)と、をポリオール成分のハードセグメント材料として用いた。また、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂(綜研化学社製、商品名:アクトフローUMB−2005B)をソフトセグメント材料として用い、上記ハードセグメント材料およびソフトセグメント材料を8:2(質量比)の割合で混合した。
次に、このハードセグメント材料とソフトセグメント材料との混合物100部に対して、イソシアネート化合物として4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名:ミリオネートMT)を6.26部加えて、窒素雰囲気下で65℃で3時間反応させた。尚、この反応で使用したイソシアネート化合物量は、反応系に含まれる水酸基に対するイソシアネート基の比(イソシアネート基/水酸基)が0.5となるよう選択したものである。
続いて、上記イソシアネート化合物を更に34.3部加え、窒素雰囲気下で65℃で3時間反応させて、プレポリマーを得た。尚、プレポリマーの使用に際して利用したイソシアネート化合物の全量は40.56部であった。
次に、このプレポリマーを100℃に昇温し、減圧下で1時間脱泡した。その後、プレポリマー100部に対して、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとの混合物(質量比=60/40)を7.14部加え、3分間泡を含まないように混合し、クリーニングブレード形成用組成物A1を調製した。
次いで、150℃に金型を調整した遠心成形機に上記クリーニングブレード形成用組成物A1を流し込み、1時間硬化反応させた。次いで、120℃で24時間熟成加熱し、冷却した後切断して、長さ8mm、厚さ2mmのクリーニングブレードAを得た。
クリーニングブレードAの硬度(JIS−A)を既述の方法に従いJIS−A硬度計を用いて、クリーニングブレードAの感光体との接触面(接触部)を軸方向に3点測定し、平均値を求めたところ、クリーニングブレードAの硬度(JIS−A)は70であった。以下のクリーニングブレードの硬度(JIS−A)についても同様の方法で測定した。
(クリーニングブレードB(BLD−B)の作製)
クリーニングブレードAにおいて、熟成時間を32時間とした以外は、クリーニングブレードAの作製と同様の方法により、クリーニングブレードBを得た。クリーニングブレードBの硬度(JIS−A)は60であった。
(クリーニングブレードC(BLD−C)の作製)
クリーニングブレードAにおいて、熟成温度を110℃とした以外は、クリーニングブレードAの作製と同様の方法により、クリーニングブレードCを得た。クリーニングブレードCの硬度(JIS−A)は75であった。
(クリーニングブレードD(BLD−D)の作製)
クリーニングブレードAにおいて、熟成温度を100℃とした以外は、クリーニングブレードAの作製と同様の方法により、クリーニングブレードDを得た。クリーニングブレードDの硬度(JIS−A)は80であった。
(クリーニングブレードE(BLD−E)の作製)
クリーニングブレードAにおいて、熟成温度を80℃とした以外は、クリーニングブレードAの作製と同様の方法により、クリーニングブレードEを得た。クリーニングブレードEの硬度(JIS−A)は90であった。
(クリーニングブレードF(BLD−F)の作製)
クリーニングブレードAにおいて、熟成時間を40時間とした以外は、クリーニングブレードAの作製と同様の方法により、クリーニングブレードFを得た。クリーニングブレードFの硬度(JIS−A)は55であった。
(クリーニングブレードG(BLD−G)の作製)
クリーニングブレードAにおいて、熟成温度を105℃とした以外は、クリーニングブレードAの作製と同様の方法により、クリーニングブレードGを得た。クリーニングブレードGの硬度(JIS−A)は77であった。
表2に、クリーニングブレード(BLD−A)〜(BLD−E)の詳細をまとめて示す。
<実施例1〜12及び比較例1〜8>
表3に示す電子写真感光体(表3中、「感光体」と表記)とクリーニングブレードとの組み合わせを実施例1〜実施例12、及び比較例1〜比較例8とした。
表3に示す電子写真感光体とクリーニングブレードとの組み合わせで画像形成装置(富士ゼロックス社製:Docu Print P350d)に搭載し、以下の要領で各評価を行った。
<評価>
(画像欠陥(点欠陥))
22℃/55%RHの環境下において、A4サイズの用紙に、白紙(画像濃度0%)およびベタ画像(画像濃度100%)を1枚ずつ出力し、感光体起因の点欠陥の有無を以下の基準に従って評価した。
−基準−
A:200μm以上の点欠陥なし
B:200μm以上300μm未満の点欠陥が5個以下、かつ300μm以上の点欠陥が未発生
C:300μm以上の点欠陥が発生
(トナーすり抜け)
5枚のA4サイズの用紙に各々の大きさが200mm×290mmのトナー画像(画像濃度100%)を形成したときに相当するトナー画像を、未転写のままクリーニングブレードでクリーニングした。そして、クリーニング後の感光体表面におけるトナーのすり抜け具合を観察し、以下の基準に従って評価した。
−基準−
A:良好
B:部分的な(全体の10%以下)トナーのすり抜けあり
C:広範な領域にトナーのすり抜けあり
(クリーニングブレードの鳴き)
28℃/85%RHの環境下において、A4サイズの用紙に、ハーフトーン画像(画像濃度1%)を100枚出力し、その際のクリーニングブレードが振動することにより発生する高周波の異音の大きさを、以下の基準に従って評価した。
−基準−
A:装置駆動音のみ聞こえる
B:装置駆動音以外わずかにクリーニングブレードの鳴きが聞こえる程度
C:クリーニングブレードの鳴きがひどく誰が確認しても耳障りと判断される水準
(クリーニングブレードの損傷(端部の欠け又は摩耗))
高温高湿(28℃、85%RH)、低温低湿(10℃、15%RH)、および中温中湿(22℃、55%RH)のそれぞれの環境において、中央部に画像濃度100%の部分と、これを挟むように2箇所の画像濃度30%の部分とが存在し、かつ全体の画像密度が7.5%の画像(当該画像の概略を図8に示す)を、A4サイズの用紙にプリント枚数5枚の繰り返しで10,000回実施(計50,000枚)し、総計150,000枚(50,000枚×3環境)の出力を行った。
上記試験後、クリーニングブレードの端部の欠け、及び摩耗の発生の有無について観察し、以下の基準に従って評価した。
−基準−
A:感光体との接触面(接触部)をレーザー顕微鏡で観察し、端部の欠け及び摩耗の発生無し
B:微小な端部の欠け及び摩耗の少なくとも一方が発生したが、画像上問題なし。
C:端部の欠け及び摩耗の少なくとも一方が発生し、縦筋の画像不良が発生。
各例の詳細と共に、評価結果を下記表3に示す。なお、表3において、クリーニングブレードの鳴きを「ブレード鳴き」と表記し、クリーニングブレードの損傷を「ブレード損傷」と表記する。
上記結果から、本実施例は、比較例に比べ、クリーニングブレードの鳴きの発生が抑制され、かつトナーのすり抜けが抑制されたことからクリーニング性も良好であることがわかる。
また、本実施例は、比較例に比べ、クリーニングブレードの損傷、つまり、クリーニングブレードの端部の欠け及び摩耗の少なくとも一方の発生が抑制されたことがわかる。
また、本実施例は、感光体起因の点欠陥も抑制されたことがわかる。
1 下引層、2 電荷発生層、3 電荷輸送層、4 導電性基体、5 感光層、6 保護層、7 電子写真感光体、8 帯電装置、9 露光装置、11 現像装置、13 クリーニング装置、14 潤滑材、40 転写装置、50 中間転写体、100 画像形成装置、120 画像形成装置、131 クリーニングブレード、132 繊維状部材(ロール状)、133 繊維状部材(平ブラシ状)、300 プロセスカートリッジ

Claims (3)

  1. 表面に点在した複数の凹部を有し、前記凹部の開口の平均長径が100μm以上400μm以下である導電性基体と、前記導電性基体上に配置された感光層と、を有する電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    前記電子写真感光体の表面に接触し、前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードであって、少なくとも前記電子写真感光体との接触部がJIS−A硬度が60以上75以下のクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、
    を備え
    前記凹部の単位面積あたりの数密度が10個/cm 以上100個/cm 以下であり、
    前記導電性基体の厚さが0.4mm以上0.7mm以下である画像形成装置。
  2. 前記感光層が、下記一般式(CT1)で示される電荷輸送材料と、下記一般式(CT2)で示される電荷輸送材料と、分子量300以上のヒンダードフェノール系酸化防止剤およびベンゾフェノン系紫外線吸収剤よりなる群から選択される少なくとも1種と、を含む請求項1に記載の画像形成装置。


    (一般式(CT1)中、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基同士が結合して炭化水素環構造を形成してもよい。n及びmは、各々独立に、0、1又は2を表す。)


    (一般式(CT2)中、RC21、RC22、及びRC23は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上10以下のアリール基を表す。)
  3. 表面に点在した複数の凹部を有し、前記凹部の開口の平均長径が100μm以上400μm以下である導電性基体と、前記導電性基体上に配置された感光層と、を有する電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面に接触し、前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードであって、少なくとも前記電子写真感光体との接触部がJIS−A硬度が60以上75以下のクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、を備え、
    前記凹部の単位面積あたりの数密度が10個/cm 以上100個/cm 以下であり、
    前記導電性基体の厚さが0.4mm以上0.7mm以下である画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
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