JP6634741B2 - 画像形成装置用ユニット、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及びクリーニングブレード - Google Patents

画像形成装置用ユニット、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及びクリーニングブレード Download PDF

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Description

本発明は、画像形成装置用ユニット、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及びクリーニングブレードに関する。
電子写真方式の画像形成装置においては、感光体等の像保持体に残留した現像剤を清掃するためにクリーニング装置が設けられている。このクリーニング装置としては、基材としてポリウレタンゴム等の樹脂を用いた弾性を有するクリーニングブレードが一般的である。クリーニングブレードは、感光体に角部(エッジ)が接触するよう設置され、摺擦によりエッジで現像剤を掻き落とす。
ここで、例えば特許文献1には、ウレタンゴム製クリーニングブレードにおいて、被クリーニング部材との接触部分にイソシアネート化合物による硬化処理を行い、プラズマイオン注入・成膜法によりCVD潤滑膜を成膜するクリーニングブレードが開示されている。
また、特許文献2には、気体の通過を阻止するために用いられるシール材であって、ゴムにより形成されるシール材本体の表面が水素及びフッ素を含有する第1のダイヤモンド・ライク・カーボン薄膜で被覆されたシール材が開示されている。
特開2013−80077号公報 特開2006−57008号公報
sp3結合を有する炭素を含む部材は硬度が高いとの特性を有している。そのため、(A)樹脂と、sp3結合を有する炭素と、を含む炭素含有領域を電子写真感光体との接触側に有する基材を備え、炭素含有領域が電子写真感光体との接触部を構成するとの要件、(B)樹脂と、sp3結合を有する炭素と、を含む炭素含有領域を電子写真感光体との接触側に有する基材、及び炭素含有領域の更に電子写真感光体との接触側表面に、樹脂を含まずsp3結合を有する炭素を含む炭素層を備え、炭素層が電子写真感光体との接触部を構成するとの要件、又は、(C)樹脂と、樹脂中の炭素又は水素と置換されたヘテロ原子と、を含むヘテロ原子含有領域を電子写真感光体との接触側に有する基材、及びヘテロ原子含有領域の更に電子写真感光体との接触側表面に、樹脂を含まずsp3結合を有する炭素を含む炭素層を備え、炭素層が電子写真感光体との接触部を構成するとの要件を満たすクリーニングブレードを用いると、感光体表面の摩耗がより進行し易くなることがあった。
本発明は、第1に、この要件を備えるクリーニングブレードを用いた場合であっても、感光体が感光層にヒンダードフェノール系酸化防止剤を含まない場合に比べて、感光体の摩耗を抑制し得る画像形成装置用ユニットを提供することを目的とする。
また本発明は、第2に、下記ヘテロ原子含有領域及び炭素層の少なくとも一方を備えないとの要件を満たす場合に比べ、欠け発生を抑制しうるクリーニングブレードを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、以下の発明が提供される。
に係る発明は、
導電性基体、及び、前記導電性基体上に配置された感光層であって、電荷発生材料と電荷輸送材料と分子量300以上のヒンダードフェノール系酸化防止剤とを含む感光層を有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体に接触して前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードであって、下記(A)、(B)、又は(C)の何れかの要件を満たすクリーニングブレードと、
を備える画像形成装置用ユニット。
(A)樹脂と、sp3結合を有する炭素と、を含む炭素含有領域を前記電子写真感光体との接触側に有する基材を備え、前記炭素含有領域が前記電子写真感光体との接触部を構成する
(B)樹脂と、sp3結合を有する炭素と、を含む炭素含有領域を前記電子写真感光体との接触側に有する基材、及び前記炭素含有領域の更に前記電子写真感光体との接触側表面に、樹脂を含まずsp3結合を有する炭素を含む炭素層を備え、前記炭素層が前記電子写真感光体との接触部を構成する
(C)樹脂と、前記樹脂中の炭素又は水素と置換されたヘテロ原子と、を含むヘテロ原子含有領域を前記電子写真感光体との接触側に有する基材、及び前記ヘテロ原子含有領域の更に前記電子写真感光体との接触側表面に、樹脂を含まずsp3結合を有する炭素を含む炭素層を備え、前記炭素層が前記電子写真感光体との接触部を構成する
に係る発明は、
前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤が、下記一般式(HP)で示される酸化防止剤であるに記載の画像形成装置用ユニット。

(一般式(HP)中、RH1、及びRH2は、各々独立に、炭素数4以上8以下の分岐状のアルキル基を表す。RH3、及びRH4は、各々独立に、水素原子、又は、炭素数1以上10以下のアルキル基を表す。RH5は、炭素数1以上10以下のアルキレン基を表す。)
に係る発明は、
前記電荷輸送材料が、下記一般式(CT1)で示される電荷輸送材料、及び下記一般式(CT2)で示される電荷輸送材料である又はに記載の画像形成装置用ユニット。

(一般式(CT1)中、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基同士が結合して炭化水素環構造を形成してもよい。n及びmは、各々独立に、0、1又は2を表す。)

(一般式(CT2)中、RC21、RC22、及びRC23は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上10以下のアリール基を表す。)
に係る発明は、
のいずれか1項に記載の画像形成装置用ユニットを備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
に係る発明は、
のいずれか1項に記載の画像形成装置用ユニットと、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
に係る発明は、
少なくとも画像形成装置において被クリーニング部材に接触して前記被クリーニング部材の表面をクリーニングするクリーニングブレードであって、
樹脂と、前記樹脂中の炭素又は水素と置換されたヘテロ原子と、を含むヘテロ原子含有領域を前記被クリーニング部材との接触側に有する基材、及び前記ヘテロ原子含有領域の更に前記被クリーニング部材との接触側表面に、樹脂を含まずsp3結合を有する炭素を含む炭素層を備え、前記炭素層が前記被クリーニング部材との接触部を構成するクリーニングブレード。
、及びに係る発明によれば、(A)樹脂と、sp3結合を有する炭素と、を含む炭素含有領域を電子写真感光体との接触側に有する基材を備え、炭素含有領域が電子写真感光体との接触部を構成するとの要件、(B)樹脂と、sp3結合を有する炭素と、を含む炭素含有領域を電子写真感光体との接触側に有する基材、及び炭素含有領域の更に電子写真感光体との接触側表面に、樹脂を含まずsp3結合を有する炭素を含む炭素層を備え、炭素層が電子写真感光体との接触部を構成するとの要件、又は、(C)樹脂と、樹脂中の炭素又は水素と置換されたヘテロ原子と、を含むヘテロ原子含有領域を電子写真感光体との接触側に有する基材、及びヘテロ原子含有領域の更に電子写真感光体との接触側表面に、樹脂を含まずsp3結合を有する炭素を含む炭素層を備え、炭素層が電子写真感光体との接触部を構成するとの要件を満たすクリーニングブレードを用いた場合であっても、感光体が感光層にヒンダードフェノール系酸化防止剤を含まない場合に比べて、感光体の摩耗を抑制し得る画像形成装置用ユニットが提供される。
、及びに係る発明によれば、(A)樹脂と、sp3結合を有する炭素と、を含む炭素含有領域を電子写真感光体との接触側に有する基材を備え、炭素含有領域が電子写真感光体との接触部を構成するとの要件、(B)樹脂と、sp3結合を有する炭素と、を含む炭素含有領域を電子写真感光体との接触側に有する基材、及び炭素含有領域の更に電子写真感光体との接触側表面に、樹脂を含まずsp3結合を有する炭素を含む炭素層を備え、炭素層が電子写真感光体との接触部を構成するとの要件、又は、(C)樹脂と、樹脂中の炭素又は水素と置換されたヘテロ原子と、を含むヘテロ原子含有領域を電子写真感光体との接触側に有する基材、及びヘテロ原子含有領域の更に電子写真感光体との接触側表面に、樹脂を含まずsp3結合を有する炭素を含む炭素層を備え、炭素層が電子写真感光体との接触部を構成するとの要件を満たすクリーニングブレードを用いた場合であっても、感光体が感光層にヒンダードフェノール系酸化防止剤を含まない場合に比べて、感光体の摩耗を抑制し得るプロセスカートリッジ及び画像形成装置が提供される。
に係る発明によれば、前記ヘテロ原子含有領域及び炭素層の少なくとも一方を備えないとの要件を満たす場合に比べ、欠け発生を抑制しうるクリーニングブレードが提供される。
本実施形態に用いられる電子写真感光体の層構成の一例を示す概略部分断面図である。 本実施形態に用いられるクリーニングブレードの一例を示す概略図である。 本実施形態に用いられるクリーニングブレードが駆動している電子写真感光体に接触している状態を示す概略図である。 本実施形態に用いられるクリーニングブレードの一例を示す概略図である。 本実施形態に用いられる他のクリーニングブレードの一例を示す概略図である。 本実施形態に用いられる他のクリーニングブレードの一例を示す概略図である。 本実施形態に用いられる他のクリーニングブレードの一例を示す概略図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略模式図である。 本実施形態におけるクリーニング装置の一例を示す模式断面図である。
以下、本発明の画像形成装置用ユニット、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置の実施形態について詳細に説明する。
<第1の実施形態:画像形成装置用ユニット>
第1の実施形態に係る画像形成装置用ユニットは、少なくとも電子写真感光体(以下単に「感光体」とも称す)と、前記感光体に接触して前記感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードと、を備える。
感光体は、導電性基体と、前記導電性基体上に配置された感光層と、を有し、この感光層は、電荷発生材料と電荷輸送材料と分子量300以上のヒンダードフェノール系酸化防止剤とを含む。
クリーニングブレードは、下記(A)、(B)、又は(C)の何れかの要件を満たす。
(A)樹脂と、sp3結合を有する炭素と、を含む炭素含有領域を前記電子写真感光体との接触側に有する基材を備え、前記炭素含有領域が前記電子写真感光体との接触部を構成する
(B)樹脂と、sp3結合を有する炭素と、を含む炭素含有領域を前記電子写真感光体との接触側に有する基材、及び前記炭素含有領域の更に前記電子写真感光体との接触側表面に、樹脂を含まずsp3結合を有する炭素を含む炭素層を備え、前記炭素層が前記電子写真感光体との接触部を構成する
(C)樹脂と、前記樹脂中の炭素又は水素と置換されたヘテロ原子と、を含むヘテロ原子含有領域を前記電子写真感光体との接触側に有する基材、及び前記ヘテロ原子含有領域の更に前記電子写真感光体との接触側表面に、樹脂を含まずsp3結合を有する炭素を含む炭素層を備え、前記炭素層が前記電子写真感光体との接触部を構成する
ここで、第1の実施形態では画像形成装置における感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードとして、前記(A)、(B)、又は(C)の何れかの要件を満たすクリーニングブレードを用いる。前記炭素含有領域又は前記炭素層が感光体表面に接触することで、前記sp3結合を有する炭素成分が有する低摺擦性や耐摩耗性と、樹脂成分が有する靭性(柔軟性)とが両立され、無機粒子等の異物との衝突などによって発生する局所的な応力集中に対するクリーニングブレードの欠けを抑制しつつ、更にクリーニングブレードと感光体との摺動を繰り返した後においても両者の接触状態の安定性を向上し、つまり接触するクリーニングブレードの姿勢の変化を抑制し得る。
ただし、sp3結合を有する炭素を含む部材は硬度が高いとの特性を有しており、前記の要件を満たすクリーニングブレードを用いると、接触部にsp3結合を有する炭素を含まないクリーニングブレードを用いた場合に比べ、感光体表面の摩耗がより進行し易くなることがあった。
これに対し、第1の実施形態では、前記の要件を満たすクリーニングブレードと、電荷発生材料、電荷輸送材料、及び分子量300以上のヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む感光層を有する感光体と、を備えることで、感光体表面の摩耗が抑制される。
この効果が奏されるのは、必ずしも明確ではないものの以下のように推察される。つまり、感光層がヒンダードフェノール系酸化防止剤を含むことで、感光層における摩耗が均一に近い状態で進行するものと考えられ、つまり局所的に過度な摩耗が進行することでクリーニングブレードから感光体にかかる負荷(押付圧力)に場所によるムラが生じることが抑制される。その結果、感光体に対するクリーニングブレードからの押付圧力が均一に近い状態でかけられ続け、感光体全体としても摩耗の進行が抑制されるものと考えられる。
また、感光体に対してクリーニングブレードの押付圧力が均一に近い状態でかけ続けられる結果、クリーニングブレードの摩耗も抑制されるものと考えられる。
そして、ヒンダードフェノール系酸化防止剤の分子量を300以上とすると、感光層を形成するときの乾燥工程において、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が揮発することが抑制される。つまり、ヒンダードフェノール系酸化防止剤の分子量を300以上とすると、感光層中に上記機能を発現する量でヒンダードフェノール系酸化防止剤が残留すると考えられる。
なお、基材の炭素含有領域の感光体との接触側表面に更に、樹脂を含まずかつsp3結合を有する炭素を含む炭素層を備えること、即ち前記(B)の要件を満たすことが、初期において低摺擦性をより高められるとの観点からより好ましい。ただし、上記炭素層は摺擦がより激しくなり摩擦力が上昇するほど剥がれやすくなる特性を有し、使用し続ける程消失する傾向にある。ただ、炭素層が消失した後であっても、前記(B)の要件を満たす態様では炭素含有領域を有する基材が存在する為、低摺擦性と耐摩耗性とが保たれる。
以下、第1の実施形態に係る画像形成装置用ユニットを構成する電子写真感光体及びクリーニングブレードについて詳細に説明する。
〔電子写真感光体〕
まず、感光体について、図面を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態に用いられる電子写真感光体(感光体)31の層構成の一例を示す概略部分断面図である。図1に示す電子写真感光体31は、導電性基体14上に、下引層11、電荷発生層12及び電荷輸送層13がこの順序で積層された構造を有する。そして、電荷発生層12及び電荷輸送層13が感光層15を構成している。
そして、感光層15は、電荷発生材料と電荷輸送材料と分子量300以上のヒンダードフェノール系酸化防止剤とを含む。
なお、電子写真感光体31は、下引層11が設けられていない層構成であってもよい。また、電子写真感光体31は、電荷発生層12と電荷輸送層13との機能が一体化した単層型感光層であってもよい。
以下、電子写真感光体の各要素について説明する。なお、各要素の符号は、符号は省略して説明する。
(導電性基体)
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
導電性基体の表面は、電子写真感光体がレーザプリンタに使用される場合、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制する目的で、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化されていることが好ましい。なお、非干渉光を光源に用いる場合、干渉縞防止の粗面化は、特に必要ないが、導電性基体の表面の凹凸による欠陥の発生を抑制するため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、例えば、研磨剤を水に懸濁させて支持体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、回転する砥石に導電性基体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が挙げられる。
粗面化の方法としては、導電性基体の表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、導電性基体の表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も挙げられる。
陽極酸化による粗面化処理は、金属製(例えばアルミニウム製)の導電性基体を陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することにより導電性基体の表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、例えば、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、多孔質陽極酸化膜に対して、酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、例えば、0.3μm以上15μm以下が好ましい。この膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
導電性基体には、酸性処理液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
(下引層)
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
無機粒子としては、例えば、粉体抵抗(体積抵抗率)10Ωcm以上1011Ωcm以下の無機粒子が挙げられる。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子のBET法による比表面積は、例えば、10m/g以上がよい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
無機粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上80質量%以下である。
無機粒子は、表面処理が施されていてもよい。無機粒子は、表面処理の異なるもの、又は、粒子径の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が好ましく、アミノ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シランカップリング剤は、2種以上混合して使用してもよい。例えば、アミノ基を有するシランカップリング剤と他のシランカップリング剤とを併用してもよい。この他のシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面処理剤による表面処理方法は、公知の方法であればいかなる方法でもよく、乾式法又は湿式法のいずれでもよい。
表面処理剤の処理量は、例えば、無機粒子に対して0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
ここで、下引層は、無機粒子と共に電子受容性化合物(アクセプター化合物)を含有することが、電気特性の長期安定性、キャリアブロック性が高まる観点からよい。
電子受容性化合物としては、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;等の電子輸送性物質等が挙げられる。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
電子受容性化合物は、下引層中に無機粒子と共に分散して含まれていてもよいし、無機粒子の表面に付着した状態で含まれていてもよい。
電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着させる方法としては、例えば、乾式法、又は、湿式法が挙げられる。
乾式法は、例えば、無機粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接又は有機溶媒に溶解させた電子受容性化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させて、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。電子受容性化合物の滴下又は噴霧するときは、溶剤の沸点以下の温度で行うことがよい。電子受容性化合物を滴下又は噴霧した後、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に制限されない。
湿式法は、例えば、攪拌、超音波、サンドミル、アトライター、ボールミル等により、無機粒子を溶剤中に分散しつつ、電子受容性化合物を添加し、攪拌又は分散した後、溶剤除去して、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。溶剤除去方法は、例えば、ろ過又は蒸留により留去される。溶剤除去後には、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に限定されない。湿式法においては、電子受容性化合物を添加する前に無機粒子の含有水分を除去してもよく、その例として溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法が挙げられる。
なお、電子受容性化合物の付着は、表面処理剤による表面処理を無機粒子に施す前又は後に行ってよく、電子受容性化合物の付着と表面処理剤による表面処理と同時に行ってもよい。
電子受容性化合物の含有量は、例えば、無機粒子に対して0.01質量%以上20質量%以下がよく、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下である。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これらの中でも、下引層に用いる結着樹脂としては、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適であり、特に、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂が好適である。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
下引層には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
添加剤としてのシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物としては、例えば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの添加剤は、単独で、又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
下引層は、ビッカース硬度が35以上であることがよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から(1/2)λまでに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、ケトン系溶剤、ケトンアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
下引層形成用塗布液を調製するときの無機粒子の分散方法としては、例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が挙げられる。
下引層形成用塗布液を導電性基体上に塗布する方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
下引層の膜厚は、例えば、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上50μm以下の範囲内に設定される。
(中間層)
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
これらの中でも、中間層は、ジルコニウム原子又はケイ素原子を含有する有機金属化合物を含む層であることが好ましい。
中間層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた中間層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上3μm以下の範囲に設定される。なお、中間層を下引層として使用してもよい。
(電荷発生層)
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
これらの中でも、近赤外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、金属フタロシアニン顔料、又は無金属フタロシアニン顔料を用いることが好ましい。具体的には、例えば、特開平5−263007号公報、特開平5−279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン;特開平5−98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン;特開平5−140472号公報、特開平5−140473号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン;特開平4−189873号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンがより好ましい。
一方、近紫外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;チオインジゴ系顔料;ポルフィラジン化合物;酸化亜鉛;三方晶系セレン;特開2004−78147号公報、特開2005−181992号公報に開示されたビスアゾ顔料等が好ましい。
450nm以上780nm以下に発光の中心波長があるLED,有機ELイメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合にも、上記電荷発生材料を用いてもよいが、解像度の観点より、感光層を20μm以下の薄膜で用いるときには、感光層中の電界強度が高くなり、基体からの電荷注入による帯電低下、いわゆる黒点と呼ばれる画像欠陥を生じやすくなる。これは、三方晶系セレン、フタロシアニン顔料等のp−型半導体で暗電流を生じやすい電荷発生材料を用いたときに顕著となる。
これに対し、電荷発生材料として、縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、アゾ顔料等のn−型半導体を用いた場合、暗電流を生じ難く、薄膜にしても黒点と呼ばれる画像欠陥を抑制し得る。n−型の電荷発生材料としては、例えば、特開2012−155282号公報の段落[0288]〜[0291]に記載された化合物(CG−1)〜(CG−27)が挙げられるがこれに限られるものではない。
なお、n−型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn−型とする。
これらの中でも、電荷発生材料としては、電荷発生効率の点で、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料であることが好ましく、V型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がより好ましい。
特に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料としては、例えば、600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおいて、810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がより優れた分散性が得られる観点から好ましい。
また、上記の810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、平均粒径が特定の範囲であり、且つ、BET比表面積が特定の範囲であることが好ましい。具体的には、平均粒径が0.20μm以下であることが好ましく、0.01μm以上0.15μm以下であることがより好ましい。一方、BET比表面積が45m/g以上であることが好ましく、50m/g以上であることがより好ましく、55m/g以上120m/g以下であることが特に好ましい。平均粒径は、体積平均粒径(d50平均粒径)でレーザ回折散乱式粒度分布測定装置(LA−700、堀場製作所社製)にて測定した値である。また、BET式比表面積測定器(島津製作所製:フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定した値である。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の最大粒径(一次粒子径の最大値)は、1.2μm以下であることが好ましく、1.0μm以下であることがより好ましく、より好ましくは0.3μm以下である。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、平均粒径が0.2μm以下、最大粒径が1.2μm以下であり、且つ、比表面積値が45m/g以上であることが好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜に回折ピークを有するV型であることが好ましい。
電荷発生材料は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択され、また、結着樹脂としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択してもよい。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、質量比で10:1から1:10までの範囲内であることが好ましい。
電荷発生層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷発生層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷発生層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。なお、電荷発生層の形成は、電荷発生材料の蒸着により行ってもよい。電荷発生層の蒸着による形成は、特に、電荷発生材料として縮環芳香族顔料、ペリレン顔料を利用する場合に好適である。
電荷発生層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等が挙げられる。これら溶剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いる。
電荷発生層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式等が挙げられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷発生層形成用塗布液を下引層上(又は中間層上)に塗布する方法としては、例えばブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上5.0μm以下、より好ましくは0.2μm以上2.0μm以下の範囲内に設定される。
(電荷輸送層)
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。また、第1の実施形態では、感光層に分子量300以上のヒンダードフェノール系酸化防止剤を含むが、特に電荷発生層上に電荷輸送層が積層された機能分離型の感光層である場合、電荷輸送層に分子量300以上のヒンダードフェノール系酸化防止剤を含むことが好ましい。
−電荷輸送材料−
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物;キサントン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;シアノビニル系化合物;エチレン系化合物等の電子輸送性化合物が挙げられる。電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送性化合物も挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種を単独で又は2種以上で用いられるが、これらに限定されるものではない。
なお、電荷輸送材料としては、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)及びベンジジン系電荷輸送材料(CT2)を適用することが好ましい。
ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)について説明する。
ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)は、下記一般式(CT1)で示される電荷輸送材料である。

一般式(CT1)中、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基同士が結合して炭化水素環構造を形成してもよい。
n及びmは、各々独立に、0、1又は2を表す。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すアルキル基としては、炭素数1以上20以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、イソウンデシル基、sec−ウンデシル基、tert−ウンデシル基、ネオウンデシル基、イソドデシル基、sec−ドデシル基、tert−ドデシル基、ネオドデシル基、イソトリデシル基、sec−トリデシル基、tert−トリデシル基、ネオトリデシル基、イソテトラデシル基、sec−テトラデシル基、tert−テトラデシル基、ネオテトラデシル基、1−イソブチル−4−エチルオクチル基、イソペンタデシル基、sec−ペンタデシル基、tert−ペンタデシル基、ネオペンタデシル基、イソヘキサデシル基、sec−ヘキサデシル基、tert−ヘキサデシル基、ネオヘキサデシル基、1−メチルペンタデシル基、イソヘプタデシル基、sec−ヘプタデシル基、tert−ヘプタデシル基、ネオヘプタデシル基、イソオクタデシル基、sec−オクタデシル基、tert−オクタデシル基、ネオオクタデシル基、イソノナデシル基、sec−ノナデシル基、tert−ノナデシル基、ネオノナデシル基、1−メチルオクチル基、イソイコシル基、sec−イコシル基、tert−イコシル基、ネオイコシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すアルコキシ基としては、炭素数1以上20以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基、イソウンデシルオキシ基、sec−ウンデシルオキシ基、tert−ウンデシルオキシ基、ネオウンデシルオキシ基、イソドデシルオキシ基、sec−ドデシルオキシ基、tert−ドデシルオキシ基、ネオドデシルオキシ基、イソトリデシルオキシ基、sec−トリデシルオキシ基、tert−トリデシルオキシ基、ネオトリデシルオキシ基、イソテトラデシルオキシ基、sec−テトラデシルオキシ基、tert−テトラデシルオキシ基、ネオテトラデシルオキシ基、1−イソブチル−4−エチルオクチルオキシ基、イソペンタデシルオキシ基、sec−ペンタデシルオキシ基、tert−ペンタデシルオキシ基、ネオペンタデシルオキシ基、イソヘキサデシルオキシ基、sec−ヘキサデシルオキシ基、tert−ヘキサデシルオキシ基、ネオヘキサデシルオキシ基、1−メチルペンタデシルオキシ基、イソヘプタデシルオキシ基、sec−ヘプタデシルオキシ基、tert−ヘプタデシルオキシ基、ネオヘプタデシルオキシ基、イソオクタデシルオキシ基、sec−オクタデシルオキシ基、tert−オクタデシルオキシ基、ネオオクタデシルオキシ基、イソノナデシルオキシ基、sec−ノナデシルオキシ基、tert−ノナデシルオキシ基、ネオノナデシルオキシ基、1−メチルオクチルオキシ基、イソイコシルオキシ基、sec−イコシルオキシ基、tert−イコシルオキシ基、ネオイコシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すアリール基としては、炭素数6以上30以下(好ましくは6以上20以下、より好ましくは6以上16以下)のアリール基が挙げられる。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニリル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
なお、一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、上記例示した原子及び基(例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基など)が挙げられる。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16の隣接する二つの置換基同士(例えばRC11及びRC12同士、RC13及びRC14同士、RC15及びRC16同士)が連結した炭化水素環構造における、当該置換基同士を連結する基としては、単結合、メチレン基、2,2’−エチレン基、2,2’−ビニレン基などが挙げられ、これらの中でも単結合、メチレン基が好ましい。
ここで、炭化水素環構造として具体的には、例えば、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造、シクロアルカンポリエン構造等が挙げられる。
一般式(CT1)において、n及びmは、1であることが好ましい。
一般式(CT1)において、電荷輸送能の高い感光層(電荷輸送層)形成の点から、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が水素原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、又は炭素数1以上20以下のアルコキシ基を表し、m及びnが1又は2を表することが好ましく、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が水素原子を表し、m及びnが1を表すことがより好ましい。
つまり、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)は、下記構造式(CT1A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT1−3))であることがより好ましい。

以下に、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)の具体例を示すが、これに限定されるわけではない。

なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。また、置換基の前に付す番号は、ベンゼン環に対する置換位置を示している。
・CH:メチル基
・OCH:メトキシ基
ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)について説明する。
ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)は、下記一般式(CT2)で示される電荷輸送材料である。

一般式(CT2)中、RC21、RC22、及びRC23は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上10以下のアリール基を表す。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアルキル基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアルコキシ基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアリール基としては、炭素数6以上10以下(好ましくは6以上9以下、より好ましくは6以上8以下)のアリール基が挙げられる。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
なお、一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、上記例示した原子及び基(例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基など)が挙げられる。
一般式(CT2)において、特に、電荷輸送能の高い感光層(電荷輸送層)形成の点から、RC21、RC22、及びRC23が、各々独立に、水素原子、又は、炭素数1以上10以下のアルキル基を表すことが好ましく、RC21、及びRC23が水素原子を表し、RC22が炭素数1以上10以下のアルキル基(特に、メチル基)を表すことがより好ましい。
具体的には、ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)は、下記構造式(CT2A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT2−2))であることが特に好ましい。

以下に、ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)の具体例を示すが、これに限定されるわけではない。

なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。また、置換基の前に付す番号は、ベンゼン環に対する置換位置を示している。
・CH:メチル基
・C:エチル基
・OCH:メトキシ基
・OC:エトキシ基
ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
−ヒンダードフェノール系酸化防止剤−
ヒンダードフェノール系酸化防止剤について説明する。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、ヒンダードフェノール環を有し、且つ分子量が300以上の化合物である。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、ヒンダードフェノール環は、例えば、炭素数4以上8以下のアルキル基(例えば炭素数4以上8以下の分岐状のアルキル基)が少なくとも一つ置換されたフェノール環である。より具体的には、ヒンダードフェノール環は、例えば、フェノール性水酸基に対してオルトの位置が三級アルキル基(例えばtert−ブチル基)で置換されたフェノール環である。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、
1)ヒンダードフェノール環を1つ有する酸化防止剤、
2)ヒンダードフェノール環を2つ以上4つ以下有し、且つ直鎖又は分岐状の2価以上4価以下の脂肪族炭化水素基からなる連結基、又は2価以上4価以下の脂肪族炭化水素基の炭素−炭素の結合間に、エステル結合(−C(=O)O−)及びエーテル結合(−O−)の少なくとも一方が介在した連結基で、2つ以上4つ以下のヒンダードフェノール環が連結された酸化防止剤
3)2つ以上4つ以下のヒンダードフェノール環と、一つのベンゼン環(未置換、又はアルキル基等で置換された置換ベンゼン環)又はイソシアヌレート環とを有し、2つ以上4つ以下のヒンダードフェノール環が、各々、ベンゼン環又はイソシアヌレート環とアルキレン基を介して連結された酸化防止剤
等が挙げられる。
具体的には、ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、感光体摩耗の抑制の点から、下記一般式(HP)で示される酸化防止剤が好ましい。

一般式(HP)中、RH1、及びRH2は、各々独立に、炭素数4以上8以下の分岐状のアルキル基を表す。
H3、及びRH4は、各々独立に、水素原子、又は、炭素数1以上10以下のアルキル基を表す。
H5は、炭素数1以上10以下のアルキレン基を表す。
一般式(HP)中、RH1、及びRH2が表すアルキル基としては、炭素数4以上8以下(好ましくは炭素数4以上6以下)の分岐状のアルキル基が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、tert−ブチル基、tert−ペンチル基が好ましく、tert−ブチル基がより好ましい。
一般式(HP)中、RH3、及びRH4としては、炭素数1以上10以下(好ましくは炭素数1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(HP)中、RH5は、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状アルキレン基を表す。
直鎖状のアルキレン基として具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、n−ヘプチレン基、n−オクチレン基、n−ノニレン基、n−デシレン基等が挙げられる。
分岐状のアルキレン基として具体的には、イソプロピレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基、イソヘキシレン基、sec−ヘキシレン基、tert−ヘキシレン基、イソヘプチレン基、sec−ヘプチレン基、tert−ヘプチレン基、イソオクチレン基、sec−オクチレン基、tert−オクチレン基、イソノニレン基、sec−ノニレン基、tert−ノニレン基、イソデシレン基、sec−デシレン基、tert−デシレン基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、ブチレン基等の低級アルキレン基が好ましい。
なお、一般式(HP)中、RH1、RH2、RH3、RH4、及びRH5が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子)、アルコキシ基(例えば炭素数1以上4以下のアルコキシ基)、アリール基(例えばフェニル基、ナフチル基等)等が挙げられる。
一般式(HP)において、特に、感光体摩耗の抑制の点から、RH1、及びRH2がtert−ブチル基を表すことが好ましく、RH1、及びRH2がtert−ブチル基を表し、RH3、及びRH4が炭素数1以上3以下のアルキル基(特にメチル基)を示し、RH5が炭素数1以上4以下のアルキレン基(特にメチレン基)を表すことが好ましい。
具体的には、ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、例示化合物(HP−3)で示されるヒンダードフェノール系酸化防止剤が特に好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の分子量は、感光体摩耗の抑制の点から、300以上1000以下が好ましく、300以上900以下がより好ましく、300以上800以下が更に好ましい。
以下に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤の具体例を示すが、これに限定されるわけではない。


ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
−ベンゾフェノン系紫外線吸収剤−
第1の実施形態では、さらに電荷輸送層にベンゾフェノン系紫外線吸収剤を含有してもよい。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン骨格を有する化合物である。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、1)2つのベンゼン環が無置換の化合物、2)2つのベンゼン環に、各々に独立に、水酸基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、及びアリール基よりなる群から選択される少なくとも一つの置換基で置換された化合物が挙げられる。特に、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤は、2つのベンゼン環の一方に、少なくとも水酸基が置換(特に、−C(=O)−基に対してオルトの位置に置換)されている化合物がよい。
具体的には、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、下記一般式(BP)で示される紫外線吸収剤が好ましい。

一般式(BP)中、RB1、及びRB2は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上10以下のアリール基を表す。
B3は、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上10以下のアリール基を表す。
なお、RB3は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上10以下のアリール基を表すことが好ましい。
一般式(BP)において、RB1、RB2、及びRB3が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
一般式(BP)において、RB1、RB2、及びRB3が表すアルキル基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(BP)において、RB1、RB2、及びRB3が表すアルコキシ基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
一般式(BP)において、RB1、RB2、及びRB3が表すアリール基としては、炭素数6以上10以下(好ましくは6以上9以下、より好ましくは6以上8以下)のアリール基が挙げられる。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
なお、一般式(BP)において、RB1、RB2、及びRB3が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、上記例示した原子及び基(例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基など)が挙げられる。
一般式(BP)において、特にRB1、及びRB2が水素原子を表し、RB3が炭素数1以上3以下のアルコキシ基を表すことが好ましい。
具体的には、紫外線吸収剤は、下記構造式(BPA)で示されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例示化合物(BP−3))であることが特に好ましい。

以下に、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(一般式(BP)で示されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤)の具体例を示すが、これに限定されるわけではない。

なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。また、置換基の前に付す番号は、ベンゼン環に対する置換位置を示している。
・CH:メチル基
・C:エチル基
・(CH−CH:オクチル基
・OCH:メトキシ基
・OH:ヒドロキシ基
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
次に、電荷輸送材料、酸化防止剤及び紫外線吸収剤の含有量について説明する。
ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)の含有量は、電荷輸送能の高い感光層(電荷輸送層)形成の点から、CT1と結着樹脂との配合比(質量比 CT1:結着樹脂)で0.1:9.9から4.0:6.0までの範囲内であることが好ましく、0.4:9.6から3.5:6.5までの範囲内であることがより好ましく、0.6:9.4から3.0:7.0の範囲内であることが更に好ましい。
ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)の含有量は、電荷輸送能の高い感光層(電荷輸送層)形成の点から、CT2と結着樹脂の配合比(質量比 CT2:結着樹脂)で1:9から7:3までの範囲内であることが好ましく、2:8から6:4までの範囲内であることがより好ましく、2:8から4:6の範囲内であることが更に好ましい。
ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)の含有量とベンジジン系電荷輸送材料(CT2)の含有量との質量比(ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)の含有量/ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)の含有量)は、電荷輸送能の高い感光層(電荷輸送層)形成の点から、1/9以上5/5以下が好ましく、1/9以上4/6以下がより好ましく、1/9以上3/7以下が更に好ましい。
なお、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)及びベンジジン系電荷輸送材料(CT2)以外の他の電荷輸送材料を併用してもよい。ただし、その場合、全電荷輸送材料に占める他の電荷輸送材料の含有量は、10質量%以下(好ましくは5質量%以下)であることがよい。
ヒンダーフェノール系酸化防止剤の含有量は、感光体摩耗の抑制の点から、全電荷輸送材料量100質量%に対して、0.5質量%以上30.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以上15質量%以下がより好ましく、0.5以上9.0質量%以下が更に好ましい。なお、このヒンダーフェノール系酸化防止剤の含有量は、全電荷輸送材料の含有量を100質量部としたときの部数(質量部)を示している。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の含有量は、全電荷輸送材料量100質量%に対して、0.5質量%以上30.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以上15質量%以下がより好ましく、0.5以上9.0質量%以下が更に好ましい。なお、このベンゾフェノン系紫外線吸収剤の含有量は、全電荷輸送材料の含有量を100質量部としたときの部数(質量部)を示している。
なお、ヒンダーフェノール系酸化防止剤及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤の含有量は、共に、30.0質量%以下とすることで、酸化防止剤及び紫外線吸収剤による電荷輸送材料の電荷輸送能力の阻害が抑制される。つまり、光照射による感光体表面への静電潜像形成の阻害が抑制され、目的とする濃度の画像が得られ易くなる。
電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの中でも、結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂が好適である。これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上で用いる。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
電荷輸送層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷輸送層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
電荷輸送層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状又は直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層の上に塗布する際の塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は、例えば、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下の範囲内に設定される。
(単層型感光層)
単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、電荷発生材料と電荷輸送材料と、必要に応じて、結着樹脂、及びその他周知の添加剤と、を含む層である。なお、これら材料は、電荷発生層及び電荷輸送層で説明した材料と同様である。
そして、単層型感光層中、電荷発生材料の含有量は、全固形分に対して10質量%以上85質量%以下がよく、好ましくは20質量%以上50質量%以下である。また、単層型感光層中、電荷輸送材料の含有量は、全固形分に対して5質量%以上50質量%以下がよい。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。
単層型感光層の膜厚は、例えば、5μm以上50μm以下がよく、好ましくは10μm以上40μm以下である。
〔クリーニングブレード〕
次いで、第1の実施形態に用いられるクリーニングブレードについて、図面を参照して説明する。
第1の実施形態におけるクリーニングブレードは、少なくとも画像形成装置において感光体に接触しながら摺擦されるよう配置して用いられる。図2に示すごとく、クリーニングブレードは、駆動する感光体31に接触して感光体31の表面をクリーニングする接触部(接触角部)3Aと、接触部(接触角部)3Aが1つの辺を構成し且つ前記駆動の方向(矢印A方向)の上流側を向く先端面3Bと、接触部(接触角部)3Aが1つの辺を構成し且つ前記駆動の方向(矢印A方向)の下流側を向く腹面3Cと、先端面3Bと1つの辺を共有し且つ腹面3Cに対向する背面3Dと、先端面3B、腹面3C及び背面3Dとそれぞれ1つの辺を共有する側面3Eと、を有する。
また、接触部(接触角部)3Aと平行な方向を奥行き方向と、接触部(接触角部)3Aから先端面3Bが形成されている側の方向を厚み方向と、接触角部3Aから腹面3Cが形成されている側の方向を幅方向と称す。
なお、図2には便宜上、感光体31が駆動する方向を矢印Aとして描いたが、図2は感光体31が停止している状態を示している。
第1の実施形態におけるクリーニングブレードは、図2に示すごとく、感光体31の表面に接触して配置される。感光体31が駆動すると、図3に示すごとく、クリーニングブレード342と感光体31との接触部に摺動が生じてニップ部Tが形成され、感光体31の表面が清掃される。
そして、クリーニングブレード342は、下記(A)、(B)、又は(C)の何れかの要件を満たす。
(A)樹脂と、sp3結合を有する炭素と、を含む炭素含有領域を感光体31との接触側に有する基材を備え、前記炭素含有領域が感光体31との接触部を構成する
(B)樹脂と、sp3結合を有する炭素と、を含む炭素含有領域を感光体31との接触側に有する基材、及び前記炭素含有領域の更に感光体31との接触側表面に、樹脂を含まずsp3結合を有する炭素を含む炭素層を備え、前記炭素層が感光体31との接触部を構成する
(C)樹脂と、前記樹脂中の炭素又は水素と置換されたヘテロ原子と、を含むヘテロ原子含有領域を感光体31との接触側に有する基材、及び前記ヘテロ原子含有領域の更に感光体31との接触側表面に、樹脂を含まずsp3結合を有する炭素を含む炭素層を備え、前記炭素層が感光体31との接触部を構成する
−第1の態様:(A)の要件を満たすクリーニングブレード−
第1の態様は、前記(A)の要件を満たすクリーニングブレードである。第1の態様に係るクリーニングブレードは、図4に示すごとく、板状形状の基材4Aを有し、且つ樹脂とsp3結合を有する炭素とを含む炭素含有領域5Aを有する。炭素含有領域5Aは感光体31との接触側である接触部(接触角部)3A側に形成され、この炭素含有領域5Aの一部である角部3Aが感光体31との接触部を構成する。
なお、前記(A)の要件を満たすクリーニングブレードにおいて、炭素含有領域5Aは感光体31との接触側に形成されていればよい。したがって、図5に示すごとく、クリーニングブレードにおいて炭素含有領域5Bが感光体31との接触側である先端面3B側に形成されていてもよい。そして、炭素含有領域5Bの一部である角部3Aが感光体31との接触部を構成する。
ここで、第1の態様のクリーニングブレードにおける、各部の構成について説明する。
(基材)
第1の態様におけるクリーニングブレードの基材(炭素含有領域が形成される前の基材)の材質としては、少なくとも炭素含有領域に樹脂を含むものであればよく、さらには基材全体に樹脂を含むことが好ましい。
−樹脂−
第1の態様におけるクリーニングブレードの基材に用いられる樹脂について説明する。
樹脂としてはゴムが望ましく、例えば、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、クロロブレンゴム、ブタジエンゴム等が挙げられる。なお、特にポリウレタンゴムが望ましく、更には高結晶化されたポリウレタンゴムがより望ましい。
ポリウレタンゴムは、通常ポリイソシアネートとポリオールとを重合することで合成される。また、ポリオール以外にイソシアネート基と反応し得る官能基を有する樹脂を用いてもよい。なお、ポリウレタンゴムはハードセグメントとソフトセグメントとを有していることが望ましい。
ここで、「ハードセグメント」及び「ソフトセグメント」とは、ポリウレタンゴム材料中で、前者を構成する材料の方が、後者を構成する材料よりも相対的に硬い材料からなり、後者を構成する材料の方が前者を構成する材料よりも相対的に柔らかい材料からなるセグメントを意味する。
また、上記「ポリイソシアネート」は、合成された樹脂において架橋構造を形成するものでないことが好ましい。
ハードセグメントを構成する材料(ハードセグメント材料)とソフトセグメントを構成する材料(ソフトセグメント材料)との組み合わせとしては、特に限定されず、一方が他方に対して相対的に硬く、他方が一方に対して相対的に柔らかい組み合わせとなるよう公知の樹脂材料から選択し得るが、第1の態様においては、以下の組み合わせが好適である。
・ソフトセグメント材料
まず、ソフトセグメント材料としては、ポリオールとして、ジオールと二塩基酸との脱水縮合で得られるポリエステルポリオール、ジオールとアルキルカーボネートの反応により得られるポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。なお、ソフトセグメント材料として用いられる上記ポリオールの市販品としては、例えば、(株)ダイセル社製のプラクセル205やプラクセル240などが挙げられる。
・ハードセグメント材料
また、ハードセグメント材料としては、イソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する樹脂を用いることが望ましい。また、柔軟性のある樹脂であることが望ましく、柔軟性の点から直鎖構造を有する脂肪族系の樹脂であることがより望ましい。具体例としては、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂や、2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂、2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂等を用いることが望ましい。
2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂の市販品としては、例えば、綜研化学社製のアクトフロー(グレード:UMB−2005B、UMB−2005P、UMB−2005、UME−2005等)が挙げられる。
2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂の市販品としては、例えば、出光興産社製、R−45HT等が挙げられる。
2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂としては、従来の一般的なエポキシ樹脂のごとく硬くて脆い性質を有するものではなく、従来のエポキシ樹脂よりも柔軟強靭性であるものが望ましい。上記エポキシ樹脂としては、例えば、分子構造の面では、その主鎖構造中に、主鎖の可動性を高くし得る構造(柔軟性骨格)を有するものが好適であり、柔軟性骨格としては、アルキレン骨格や、シクロアルカン骨格、ポリオキシアルキレン骨格等が挙げられ、特にポリオキシアルキレン骨格が好適である。
また、物性面では、従来のエポキシ樹脂と比べて、分子量に比して粘度が低いエポキシ樹脂が好適である。具体的には、重量平均分子量が900±100の範囲内であり、25℃における粘度が15000±5000mPa・sの範囲内であることが望ましく、15000±3000mPa・sの範囲内であることがより望ましい。この特性を有するエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、DIC製、EPLICON EXA−4850−150等が挙げられる。
ハードセグメント材料及びソフトセグメント材料を用いる場合、ハードセグメント材料及びソフトセグメント材料の総量に対するハードセグメントを構成する材料の質量比(以下「ハードセグメント材料比」と称す)が10質量%以上30質量%以下の範囲内であることが望ましく、13質量%以上23質量%以下の範囲内であることがより望ましく、15質量%以上20質量%以下の範囲内であることが更に望ましい。
ハードセグメント材料比が、10質量%以上であることにより、耐摩耗性が得られる。一方、ハードセグメント材料比が30質量%以下であることにより、硬くなり過ぎることがなく、柔軟性や伸張性が得られ、欠けの発生が抑制される。
・ポリイソシアネート
ポリウレタンゴムの合成に用いられるポリイソシアネートとしては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、1,6−ヘキサンジイソシアネート(HDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)及び3,3−ジメチルフェニル−4,4−ジイソシアネート(TODI)などが挙げられる。
なお、求められる大きさ(粒子径)のハードセグメント凝集体の形成し易さという点から、ポリイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)がより望ましい。
ポリイソシアネートのイソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する樹脂100質量部に対する配合量は、20質量部以上40質量部以下が望ましく、更には20質量部以上35質量部以下がより望ましく、20質量部以上30質量部以下が更に望ましい。
20質量部以上であることにより、ウレタン結合量が多く確保されてハードセグメント成長し、求められる硬度が得られる。一方40質量部以下であることにより、ハードセグメントが大きくなり過ぎず、伸張性が得られ、クリーニングブレードの欠けの発生が抑制される。
・鎖延長剤
また、ポリウレタンゴムはさらに鎖延長剤が重合された重合体であってもよい。
鎖延長剤としては、従来公知のものであれば特に限定されるものではなく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール,1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール等のグリコール類、ジグリセリン、ペンタエリスリトール等の3価及びこれ以上の多価アルコール、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン等のアミノ多価アルコール等が用いられる。これらの中でもグリコール類及び3価のアルコール類が好ましく、グリコール類がより好ましい。
・架橋剤
また、ポリウレタンゴムは、架橋剤を用いて重合された重合体であってもよい。
架橋剤としては、ジオール(2官能)、トリオール(3官能)、テトラオール(4官能)等が挙げられ、これらを併用してもよい。また、架橋剤としてアミン系化合物を用いてもよい。なお、3官能以上の架橋剤を用いて架橋されたものであることが望ましい。3官能の架橋剤としては、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。
架橋剤の、イソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する樹脂100質量部に対する配合量は2質量部以下が望ましい。2質量部以下であることにより、分子運動が化学架橋で拘束されることなく、熟成によるウレタン結合由来のハードセグメントが大きく成長し、求められる硬度が得やすくなる。
・基材(炭素含有領域が形成される前の基材)の成形方法
第1の態様において樹脂の一種であるポリウレタンゴムを用いた基材(但し炭素含有領域を形成する前の基材)の製造は、プレポリマー法やワンショット法など、ポリウレタンの一般的な製造方法が用いられる。プレポリマー法は強度、耐摩耗性に優れるポリウレタンが得られるため第1の態様には好適であるが、製法により制限されるものではない。
かかるポリウレタンゴムは、上述したポリオールに、ポリイソシアネート、さらには鎖延長剤、架橋剤等を配合し混合して成形する。なお、炭素含有領域を形成する前の基材の成形は、上記方法により調製された基材形成用の組成物を、例えば、遠心成形や押し出し成形等を利用して、シート状に形成し、切断加工等を施すことにより作製される。
ここで、一例を挙げて、炭素含有領域を形成する前の基材の製造方法の詳細を説明する。
まず、ソフトセグメント材料(例えばポリカプロラクトンポリオール)と、ハードセグメント材料(例えば2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂)を、混合(例えば質量比8:2)する。
次に、このソフトセグメント材料とハードセグメント材料との混合物に対して、イソシアネート化合物(例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)を加えて、例えば窒素雰囲気下で反応させる。この際の温度は60℃以上150℃以下であることが望ましく、更には80℃以上130℃以下であることが望ましい。また反応時間は0.1時間以上3時間以下であることが望ましく、更には1時間以上2時間以下であることが望ましい。
続いて、ポリイソシアネートを更に加え、例えば窒素雰囲気下で反応させてプレポリマーを得る。この際の温度は40℃以上100℃以下であることが望ましく、更には60℃以上90℃以下であることが望ましい。また反応時間は30分間以上6時間以下であることが望ましく、更には1時間以上4時間以下であることが望ましい。
次いで、このプレポリマーを昇温し減圧下で脱泡する。この際の温度は60℃以上120℃以下であることが望ましく、更には80℃以上100℃以下であることが望ましい。また反応時間は10分間以上2時間以下であることが望ましく、更には30分間以上1時間以下であることが望ましい。
その後、プレポリマーに対して、鎖延長剤(例えば1,4−ブタンジオール)、架橋剤(例えばトリメチロールプロパン)を加え基材形成用の組成物を調製する。
次いで、遠心成形機の金型に上記基材形成用の組成物を流し込み、硬化反応させる。この際の金型温度は80℃以上160℃以下であることが望ましく、更には100℃以上140℃以下であることが望ましい。また反応時間は20分間以上3時間以下であることが望ましく、更には30分間以上2時間以下であることが望ましい。
更に架橋反応させ、冷却した後に切断し炭素含有領域を形成する前の基材が形成される。この架橋反応の際の熟成加熱の温度は70℃以上130℃以下であることが望ましく、80℃以上130℃以下であることがより望ましく、更には100℃以上120℃以下であることが望ましい。また反応時間は1時間以上48時間以下であることが望ましく、更には10時間以上24時間以下であることが望ましい。
・物性
基材に含まれる樹脂としては、JIS−Aの硬度85度以下のゴムであることが好ましく、該硬度は更に70度以上85度以下がより好ましく、73度以上82度以下が更に好ましい。
なお、上記のJIS−Aの硬度は以下の方法により測定される。
ゴム試料表面に定められた形状の押針を、バネを介して押し付けたときの押込み深さから硬さを求めるデュロメータによる試験方法により測定される。
基材に含有される樹脂がポリウレタンゴムである場合、該ポリウレタンゴムの重量平均分子量は、1000乃至4000の範囲内であることが望ましく、1500乃至3500の範囲内であることがより望ましい。
(炭素含有領域)
第1の態様における基材は、感光体との接触側に樹脂とsp3結合を有する炭素とを含む炭素含有領域を有し、この炭素含有領域が感光体との接触部を構成する。炭素含有領域の形成方法としては、特に限定されるものではないが、例えば全体に樹脂を含んだ基材に対し直接プラズマイオンを注入することで基材内部にsp3結合を有する炭素原子を浸透させる方法が挙げられる。
この炭素含有領域を形成し得る方法としては、特に限定されるものではないが、例えば以下のパルスプラズマイオン注入法が挙げられる。
・パルスプラズマイオン注入法による炭素含有領域の形成
炭素含有領域を形成し得る、パルスプラズマイオン注入法について説明する。
パルスプラズマイオン注入法においては、少なくとも1以上のイオン注入用ガスを用いて、パルスプラズマによるイオン注入プロセスによって、基材の感光体との接触側に炭素含有領域を形成する。また、上記のプロセスの前にパルスプラズマによる表面調整プロセスを設けてもよい。
なお、パルスプラズマイオン注入法では、プラズマを発生させる際に印加する電圧の大きさ等を調整することで、イオンが注入される距離、即ちsp3結合を有する炭素原子が基材中に浸透する距離のピーク位置を調整し得る。
例えば、図4に示すような接触角部3A側に炭素含有領域を有するクリーニングブレードの場合であれば、角部3A側からイオン注入を行うことで、図4に示す炭素含有領域5Aが形成される。また、図5に示すような先端面3B側に炭素含有領域を有するクリーニングブレードの場合であれば、先端面3B側からイオン注入を行うことで、図5に示す炭素含有領域5Bが形成される。
なお、こうして形成される炭素含有領域では、基材中の樹脂の種類を選択することによって該樹脂とsp3結合を有する炭素とが結合され、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)層が形成される。
ここで、より具体的な形成方法について説明する。
プラズマ発生用高周波電源と、高電圧パルス発生用電源とを、共通のフィードスルーを介してチャンバー内の基材に接続しておき、前記プラズマ発生用高周波電源から基材に高周波パルス(パルスRF電圧)を印加して基材の外形に沿って周囲にプラズマを発生させる。そして、そのプラズマ中又はアフターグロープラズマ中に、高電圧パルス発生用電源から基材に負の高電圧パルス(DCパルス電圧)を少なくとも1回印加し、これら高周波パルスの印加と負の高電圧パルスの印加とを繰り返し行う。なお、この高周波パルスの印加と高電圧パルスの印加との繰り返し数は、100回/秒以上5000回/秒以下の範囲が好ましい。sp3結合を有する炭素原子が基材中に浸透する距離(ピーク位置)の調整は、具体的には高電圧パルスの大きさ、印加する回数等を調整することで行われる。
高周波パルス幅は2μs以上200μs以下の短パルスとし、高電圧パルス幅は0.2μs以上50μs以下の短パルスとすることが望ましい。前記高周波パルスの印加後10μs以上300μs以下経過した後に高電圧パルスを印加する。
前記表面調整プロセスに用いるガスとしては、アルゴンとメタン、又は更に水素を含む混合ガスが用いられる。
炭素含有領域を形成する場合、パルスプラズマイオン注入用ガスとしては、メタンガスが好適に用いられる。
なお、高パルス印加電極によって基材の表面の近くに遊離された少なくともCイオンを含むプラズマイオンを、例えば5keV以上30keV以下の運動エネルギーに励起させた状態で基材へ注入させることで、処理温度を50℃以上100℃以下の範囲に抑制しつつ、基材内部に炭素含有領域を形成し得る。
なお、炭素含有領域の浸透を高めるためガス圧を高くし(0.5Pa以上2Pa以下の範囲が好ましい)、高電圧パルスの繰り返し数を可能な限り高くする(2000pps以上10000pps以下の範囲が好ましい)ことが好ましい。
また、炭素含有領域中には、sp3結合を有するC原子に加えて、更にN原子、F原子、及びSi成分等を成分として含んでいてもよい。
N原子を含むことにより、クリーニングブレードにおいて摩擦帯電による粉体の固着が抑制される。また、F原子やSi成分を含むことにより、クリーニングブレードにおける摺擦部分の離型性が向上され粉体の固着が抑制される。
なお、N原子を含有させる際に用いる注入用ガスとしては、例えばアルゴン、水素、酸素と、アンモニアガスを混合させたガス等が挙げられる。
また、F原子を含有させる際に用いる注入用ガスとしては、例えばヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)とアセチレン(C)、フッ化炭素(C)を流量比1:1:0.1の割合で混合したガス等が挙げられる。
Siを含有させる際に用いるガスとしては、例えばヘキサメチルジシロキサンのガス等が挙げられる。
・厚み
前記炭素含有領域のイオン注入側からの厚みとしては、0.1μm以上50μm以下が好ましい。
炭素含有領域の厚みが0.1μm以上であることにより、求められる低摺動性を得るとの点で好ましく、一方厚みが5.0μm以下であることにより、炭素含有領域の樹脂(ゴム)としての靭性(粘弾性)が維持されることによる異物衝突時の破損防止との点で好ましい。
なお、炭素含有領域の厚みは、例えば前述のイオン注入の際における、印加電圧、カレント電流、繰返しパルス数、パルス幅、ディレータイム等の調整によって制御される。
−第2の態様:(B)の要件を満たすクリーニングブレード−
第2の態様は、前記(B)の要件を満たすクリーニングブレードである。第2の態様に係るクリーニングブレードは、図6に示すごとく、板状形状の基材4Cを有し、且つ樹脂とsp3結合を有する炭素とを含む炭素含有領域5Cを有する。炭素含有領域5Cは感光体31との接触側である角部3A側に形成される。また、炭素含有領域5Cの感光体31との接触部に最も近い部分を含む表面に炭素層6Cを備える。炭素層6Cは、sp3結合を有する炭素が炭素含有領域5Cの表面に蒸着され積層されて形成される。この炭素層6Cの一部である角部3Aが感光体31との接触部を構成する。
なお、前記(B)の要件を満たすクリーニングブレードにおいて、炭素含有領域5C及び炭素層6Cは感光体31との接触側に形成されていればよい。したがって、図7に示すごとく、クリーニングブレードにおいて炭素含有領域5D及び炭素層6Dが感光体31との接触側である先端面3B側に形成されていてもよい。そして、炭素層6Dの一部である角部3Aが感光体31との接触部を構成する。
ここで、第2の態様のクリーニングブレードにおける、各部の構成について説明する。
(基材)
第2の態様のクリーニングブレードにおいても、基材(炭素含有領域が形成される前の基材)としては前記第1の態様において列挙したものがそのまま好適に用いられる。
(炭素含有領域及び炭素層)
第2の態様における基材は、感光体との接触側に樹脂とsp3結合を有する炭素を含む炭素含有領域を有する。炭素含有領域の形成方法としては、特に限定されるものではないが、例えば全体に樹脂を含んだ基材に対し直接プラズマイオンを注入することで基材内部にsp3結合を有する炭素原子を浸透させる方法が挙げられる。
また、第2の態様に係るクリーニングブレードは、前記炭素含有領域の更に感光体との接触側表面に、樹脂を含まずかつsp3結合を有する炭素を含む炭素層を備え、この炭素層が感光体との接触部を構成する。炭素層の形成方法としても、特に限定されるものではないが、上記の直接プラズマイオンを注入する方法によって炭素含有領域を形成する際、イオン注入の時間を調整することで前記炭素含有領域の外側にまでsp3結合を有する炭素を積層させる方法が挙げられる。
この炭素含有領域及び炭素層を形成し得る方法としては、特に限定されるものではないが、例えば以下のパルスプラズマイオン注入法が挙げられる。
・パルスプラズマイオン注入法による炭素含有領域の形成、及び炭素層の成膜
炭素含有領域及び炭素層を形成し得る、パルスプラズマイオン注入法について説明する。
パルスプラズマイオン注入法においては、少なくとも1以上のイオン注入用ガスを用いて、パルスプラズマによるイオン注入プロセスと成膜プロセスとを組み合わせた複合プロセスによって、基材の感光体との接触側に炭素含有領域を形成し、さらに該炭素含有領域の感光体との接触側表面に炭素層を成膜する。また、上記の複合プロセスの前にパルスプラズマによる表面調整プロセスを設けてもよい。
なお、前記第1の態様においても説明した通り、パルスプラズマイオン注入法では、プラズマを発生させる際に印加する電圧の大きさ、基材に対してイオン注入させる方向等を調整することで、イオンが注入される距離、即ちsp3結合を有する炭素原子が基材中に浸透する距離のピーク位置が調整され、求められる炭素含有領域を形成し得る。
なお、こうして形成される炭素含有領域では、基材中の樹脂の種類を選択することによって該樹脂とsp3結合を有する炭素とが結合され、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)層が形成される。また、上記方法で形成される炭素層も、sp3結合を有する炭素が積層されてDLC層が形成される。
ここで、より具体的な形成方法について説明する。
プラズマ発生用高周波電源と、高電圧パルス発生用電源とを、共通のフィードスルーを介してチャンバー内の基材に接続しておき、前記プラズマ発生用高周波電源から基材に高周波パルス(パルスRF電圧)を印加して基材の外形に沿って周囲にプラズマを発生させる。そして、そのプラズマ中又はアフターグロープラズマ中に、高電圧パルス発生用電源から基材に負の高電圧パルス(DCパルス電圧)を少なくとも1回印加し、これら高周波パルスの印加と負の高電圧パルスの印加とを繰り返し行う。なお、この高周波パルスの印加と高電圧パルスの印加との繰り返し数は、100回/秒以上5000回/秒以下の範囲が好ましい。sp3結合を有する炭素原子が基材中に浸透する距離(ピーク位置)の調整は、前記第1の態様において説明した通りである。
高周波パルス幅は2μs以上200μs以下の短パルスとし、高電圧パルス幅は0.2μs以上50μs以下の短パルスとすることが望ましい。前記高周波パルスの印加後10μs以上300μs以下経過した後に高電圧パルスを印加する。
前記表面調整プロセスに用いるガスとしては、アルゴンとメタン、又は更に水素を含む混合ガスが用いられる。
炭素含有領域を形成する場合、パルスプラズマイオン注入用ガスとしては、メタンガスが好適に用いられる。
炭素層を成膜する場合、パルスプラズマイオン注入用ガスとしては、メタンガスが好適に用いられる。成膜用ガスとしては、アセチレン、プロパン、ブタン、ヘキサン、ベンゼン、クロルベンゼン、及びトルエンからなる群より選ばれる1種以上のガスが用いられる。
なお、高パルス印加電極によって基材の表面近くに遊離された少なくともCイオンを含むプラズマイオンを、例えば5keV以上30keV以下の運動エネルギーに励起させた状態で基材へ注入させることで、処理温度を50℃以上100℃以下の範囲に抑制しつつ、基材内部に炭素含有領域を形成し得る。また、炭素含有領域の表面に、例えば0.2μm以上1.0μm以下の範囲で炭素層を堆積し得る。
また、炭素含有領域及び炭素層中には、sp3結合を有するC原子に加えて、更にN原子、F原子、Si成分等を成分として含んでいてもよい。
N原子を含むことにより、クリーニングブレードにおいて摩擦帯電による粉体の固着が抑制される。また、F原子やSi成分を含むことにより、クリーニングブレードにおける摺擦部分の離型性が向上され粉体の固着が抑制される。
なお、N原子を含有させる際に用いる注入用ガスとしては、例えばアルゴン、水素、酸素と、アンモニアガスを混合させたガス等が挙げられる。
また、F原子を含有させる際に用いる注入用ガスとしては、例えばヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)とアセチレン(C)、フッ化炭素(C)を流量比1:1:0.1の割合で混合したガス等が挙げられる。
Siを含有させる際に用いるガスとしては、例えばヘキサメチルジシロキサンのガス等が挙げられる。
・厚み
前記炭素含有領域の厚みとしては、前記第1の態様において記載した範囲がそのまま好適に用いられる。
前記炭素層の厚みとしては、0nm以上500nm以下が好ましく、更には10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が更に好ましい。
炭素層の厚みが500nm以下であることにより、炭素層の剥がれが発生した場合であっても発生した剥離片が小さいため、接触する感光体への剥離片による傷付きが抑制されるとの点で好ましい。
なお、炭素層の厚みは、例えばイオン注入の時間の調整によって制御される。
−第3の態様:(C)の要件を満たすクリーニングブレード−
第3の態様は、前記(C)の要件を満たすクリーニングブレードである。第3の態様に係るクリーニングブレードは、第2の態様で説明した態様のように、図6に示すごとく、板状形状の基材4Cを有し、且つ樹脂と前記樹脂中の炭素又は水素と置換されたヘテロ原子と、を含むヘテロ原子含有領域5Cを有する。ヘテロ原子含有領域5Cは感光体31との接触側である角部3A側に形成される。また、ヘテロ原子含有領域5Cの感光体31との接触部に最も近い部分を含む表面に炭素層6Cを備える。炭素層6Cは、sp3結合を有する炭素がヘテロ原子含有領域5Cの表面に蒸着され積層されて形成される。この炭素層6Cの一部である角部3Aが感光体31との接触部を構成する。
なお、前記(C)の要件を満たすクリーニングブレードにおいて、ヘテロ原子含有領域5C及び炭素層6Cは感光体31との接触側に形成されていればよい。したがって、図7に示すごとく、クリーニングブレードにおいてヘテロ原子含有領域5D及び炭素層6Dが感光体31との接触側である先端面3B側に形成されていてもよい。そして、炭素層6Dの一部である角部3Aが感光体31との接触部を構成する。
ここで、第3の態様のクリーニングブレードにおける、各部の構成について説明する。
(基材)
第3の態様のクリーニングブレードにおいても、基材(ヘテロ原子含有領域が形成される前の基材)としては前記第1の態様において列挙したものがそのまま好適に用いられる。
(ヘテロ原子含有領域及び炭素層)
第3の態様における基材は、感光体との接触側に樹脂と、前記樹脂中の炭素又は水素と置換されたヘテロ原子と、を含むヘテロ原子含有領域を有する。
なお、ヘテロ原子とは、樹脂中に含まれる炭素及び水素以外の原子を表し、本実施形態では、基材に含まれる樹脂中において炭素又は水素と置換され得る原子を指す。
ヘテロ原子の具体例としては、基材に含まれる樹脂中において炭素又は水素と置換され得るヘテロ原子であれば特に限定されるものではなく、例えばケイ素、チタン、タングステン、フッ素などのハロゲン元素等が挙げられる。これらの中でも、ヘテロ原子としてはケイ素が好ましい。
ヘテロ原子含有領域の形成方法としては、特に限定されるものではないが、例えば全体に樹脂を含んだ基材に対し直接プラズマイオンを注入することで基材内部にヘテロ原子を浸透させる方法が挙げられる。
また、第3の態様に係るクリーニングブレードは、前記ヘテロ原子含有領域の更に感光体との接触側表面に、樹脂を含まずかつsp3結合を有する炭素を含む炭素層を備え、この炭素層が感光体との接触部を構成する。炭素層の形成方法としても、特に限定されるものではないが、上記の直接プラズマイオンを注入する方法によってヘテロ原子含有領域を形成した後、さらに直接プラズマイオンを注入する方法によって、ヘテロ原子含有領域の外側にsp3結合を有する炭素を積層させる方法が挙げられる。
このヘテロ原子含有領域及び炭素層を形成し得る方法としては、特に限定されるものではないが、例えば以下のパルスプラズマイオン注入法が挙げられる。
・パルスプラズマイオン注入法によるヘテロ原子含有領域の形成、及び炭素層の成膜
ヘテロ原子含有領域及び炭素層を形成し得る、パルスプラズマイオン注入法について説明する。
パルスプラズマイオン注入法においては、少なくとも2以上のイオン注入用ガスを用いて、パルスプラズマによるイオン注入プロセスと成膜プロセスとを組み合わせた複合プロセスによって、基材の感光体との接触側にヘテロ原子含有領域を形成し、さらに該ヘテロ原子含有領域の感光体との接触側表面に炭素層を成膜する。また、上記の複合プロセスの前にパルスプラズマによる表面調整プロセスを設けてもよい。
なお、前記第1の態様においても説明した通り、パルスプラズマイオン注入法では、プラズマを発生させる際に印加する電圧の大きさ、基材に対してイオン注入させる方向等を調整することで、イオンが注入される距離、即ちヘテロ原子が基材中に浸透する距離のピーク位置が調整され、求められるヘテロ原子含有領域を形成し得る。
なお、こうして形成されるヘテロ原子含有領域では、基材中の樹脂の種類を選択することによって該樹脂とヘテロ原子とが結合される。また、上記方法で形成される炭素層も、sp3結合を有する炭素が積層されてDLC層が形成される。
ここで、より具体的な形成方法について説明する。
プラズマ発生用高周波電源と、高電圧パルス発生用電源とを、共通のフィードスルーを介してチャンバー内の基材に接続しておき、前記プラズマ発生用高周波電源から基材に高周波パルス(パルスRF電圧)を印加して基材の外形に沿って周囲にプラズマを発生させる。そして、そのプラズマ中又はアフターグロープラズマ中に、高電圧パルス発生用電源から基材に負の高電圧パルス(DCパルス電圧)を少なくとも1回印加し、これら高周波パルスの印加と負の高電圧パルスの印加とを繰り返し行う。なお、この高周波パルスの印加と高電圧パルスの印加との繰り返し数は、100回/秒以上5000回/秒以下の範囲が好ましい。ヘテロ原子が基材中に浸透する距離(ピーク位置)の調整は、前記第1の態様においてsp3結合を有する炭素原子が浸透する距離についての説明に準ずる。
高周波パルス幅は2μs以上200μs以下の短パルスとし、高電圧パルス幅は0.2μs以上50μs以下の短パルスとすることが望ましい。前記高周波パルスの印加後10μs以上300μs以下経過した後に高電圧パルスを印加する。
前記表面調整プロセスに用いるガスとしては、アルゴンとメタン、又は更に水素を含む混合ガスが用いられる。
ヘテロ原子含有領域を形成する場合、パルスプラズマイオン注入用ガスとしては、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラン等が好適に用いられる。
炭素層を成膜する場合、パルスプラズマイオン注入用ガスとしては、メタンガスが好適に用いられる。成膜用ガスとしては、アセチレン、プロパン、ブタン、ヘキサン、ベンゼン、クロルベンゼン、及びトルエンからなる群より選ばれる1種以上のガスが用いられる。
なお、高パルス印加電極によって基材の表面近くに遊離された少なくともヘテロ原子イオンを含むプラズマイオンを、例えば5keV以上30keV以下の運動エネルギーに励起させた状態で基材へ注入させることで、処理温度を50℃以上100℃以下の範囲に抑制しつつ、基材内部にヘテロ原子含有領域を形成し得る。また、上記ヘテロ原子イオンを炭素イオンに変更することで、ヘテロ原子含有領域の表面に、例えば0.2μm以上1.0μm以下の範囲で炭素層を堆積し得る。
また、ヘテロ原子含有領域及び炭素層中には、ヘテロ原子やsp3結合を有するC原子に加えて、更にN原子、F原子、Si成分等を成分として含んでいてもよい。
N原子を含むことにより、クリーニングブレードにおいて摩擦帯電による粉体の固着が抑制される。また、F原子やSi成分を含むことにより、クリーニングブレードにおける摺擦部分の離型性が向上され粉体の固着が抑制される。
なお、N原子を含有させる際に用いる注入用ガスとしては、例えばアルゴン、水素、酸素と、アンモニアガスを混合させたガス等が挙げられる。
また、F原子を含有させる際に用いる注入用ガスとしては、例えばヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)とアセチレン(C)、フッ化炭素(C)を流量比1:1:0.1の割合で混合したガス等が挙げられる。
Siを含有させる際に用いるガスとしては、例えばヘキサメチルジシロキサンのガス等が挙げられる。
・厚み
前記ヘテロ原子含有領域の厚みとしては、前記第1の態様において炭素含有領域の厚みとして記載した範囲がそのまま好適に用いられる。
前記炭素層の厚みとしては、前記第2の態様において記載した範囲がそのまま好適に用いられる。
<画像形成装及びプロセスカートリッジ>
次に、第1の実施形態に係る画像形成装用ユニットを備える画像形成装置及びプロセスカートリッジについて説明する。
第1の実施形態に係る画像形成装は、前述の第1の実施形態に係る画像形成装置用ユニットと、感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により、感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。
なお、クリーニングブレードを用いたクリーニング手段の構成例としては、感光体側に開口部を有するクリーニングケース内に、接触角部(エッジ)先端が開口部側となるようクリーニングブレードを固定すると共に、クリーニングブレードにより感光体表面から回収された廃トナー等の異物を異物回収容器に導く搬送部材を備えた構成などが挙げられる。
クリーニングブレードを感光体に対して押し当てる力NF(Normal Force)は1.3gf/mm以上2.3gf/mm以下の範囲であることが望ましく、1.6gf/mm以上2.0gf/mm以下の範囲であることがより望ましい。
また、クリーニングブレード先端部が感光体に食込む長さは0.8mm以上1.2mm以下の範囲であることが望ましく、0.9mm以上1.1mm以下の範囲であることがより望ましい。
クリーニングブレードと感光体との接触部における角度W/A(Working Angle)は8°以上14°以下の範囲であることが望ましく、10°以上12°以下の範囲であることがより望ましい。
一方、第1の実施形態のプロセスカートリッジは、前述の第1の実施形態に係る画像形成装用ユニットを備えるものであれば特に限定されず、感光体と、この感光体表面をクリーニングするクリーニングブレードと、を含み画像形成装置に対して脱着自在な態様が挙げられる。加えて、クリーニングブレードの他に、クリーニングブラシ等を併用してもよい。
−画像形成装置の具体例−
次に、第1の実施形態に係る画像形成装置の具体例について、図面を用いてより詳細に説明する。
図8は、第1の実施形態の画像形成装置の一例を示す概略模式図であり、いわゆるタンデム型の画像形成装置について示したものである。
図8中、21は本体ハウジング、22、22a乃至22dは作像ユニット、23はベルトモジュール、24は記録媒体供給カセット、25は記録媒体搬送路、30は各感光体ユニット、31は感光体、33は各現像ユニット、34はクリーニング装置、35、35a乃至35dはトナーカートリッジ、40は露光ユニット、41はユニットケース、42はポリゴンミラー、51は一次転写装置、52は二次転写装置、53はベルトクリーニング装置、61は送出しロール、62は搬送ロール、63は位置合わせロール、66は定着装置、67は排出ロール、68は排紙部、71は手差し供給装置、72は送出しロール、73は両面記録用ユニット、74は案内ロール、76は搬送路、77は搬送ロール、230は中間転写ベルト、231、232は支持ロール、521は二次転写ロール、531はクリーニングブレードを表す。
図8に示すタンデム型画像形成装置は、本体ハウジング21内に四つの色(第1の実施形態ではイエロ、マゼンタ、シアン、ブラック)の作像ユニット22(具体的には22a乃至22d)を配列し、その上方には各作像ユニット22の配列方向に沿って循環搬送される中間転写ベルト230が含まれるベルトモジュール23を配設する一方、本体ハウジング21の下方には用紙等の記録媒体(図示せず)が収容される記録媒体供給カセット24を配設すると共に、この記録媒体供給カセット24からの記録媒体の搬送路となる記録媒体搬送路25を垂直方向に配置したものである。
第1の実施形態において、各作像ユニット22(22a乃至22d)は、中間転写ベルト230の循環方向上流側から順に、例えばイエロ用、マゼンタ用、シアン用、ブラック用(配列は必ずしもこの順番とは限らない)のトナー像を形成するものであり、各感光体ユニット30と、各現像ユニット33と、共通する一つの露光ユニット40とを備えている。
ここで、感光体ユニット30は、例えば感光体31と、この感光体31を予め帯電する帯電装置(帯電ロール)32と、感光体31上の残留トナーを除去するクリーニング装置34とを一体的にサブカートリッジ化したものである。
また、現像ユニット33は、帯電された感光体31上に露光ユニット40にて露光形成された静電潜像を対応する色トナー(第1の実施形態では例えば負極性)で現像するものであり、例えば感光体ユニット30からなるサブカートリッジと一体化されてプロセスカートリッジ(所謂Customer Replaceable Unit)を構成している。
なお、感光体ユニット30を現像ユニット33から切り離して単独のプロセスカートリッジとしてもよいことは勿論である。また、図8中、符号35(35a乃至35d)は各現像ユニット33に各色成分トナーを補給するためのトナーカートリッジである(トナー補給経路は図示せず)。
一方、露光ユニット40は、ユニットケース41内に例えば四つの半導体レーザ(図示せず)、一つのポリゴンミラー42、結像レンズ(図示せず)及び各感光体ユニット30に対応するそれぞれミラー(図示せず)を格納し、各色成分毎の半導体レーザからの光をポリゴンミラー42で偏向走査し、結像レンズ、ミラーを介して対応する感光体31上の露光ポイントに光像を導くよう配置したものである。
また、第1の実施形態において、ベルトモジュール23は、例えば一対の支持ロール(一方が駆動ロール)231,232間に中間転写ベルト230を掛け渡したものであり、各感光体ユニット30の感光体31に対応した中間転写ベルト230の裏面には一次転写装置(本例では一次転写ロール)51が配設され、この一次転写装置51にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することで、感光体31上のトナー像を中間転写ベルト230側に静電的に転写する。更に、中間転写ベルト230の最下流作像ユニット22dの下流側の支持ロール232に対応した部位には二次転写装置52が配設されており、中間転写ベルト230上の一次転写像を記録媒体に二次転写(一括転写)する。
第1の実施形態では、二次転写装置52は、中間転写ベルト230のトナー像保持面側に圧接配置される二次転写ロール521と、中間転写ベルト230の裏面側に配置されて二次転写ロール521の対向電極をなす背面ロール(本例では支持ロール232を兼用)とを備えている。そして、例えば二次転写ロール521が接地されており、また、背面ロール(支持ロール232)にはトナーの帯電極性と同極性のバイアスが印加されている。
更にまた、中間転写ベルト230の最上流作像ユニット22aの上流側にはベルトクリーニング装置53が配設されており、中間転写ベルト230上の残留トナーを除去する。なお、ベルトクリーニング装置53で用いられるクリーニングブレード531として、第1の実施形態に係る画像形成装置用ユニットにおけるクリーニングブレードが用いられている。
また、記録媒体供給カセット24には記録媒体を送り出す送出しロール61が設けられ、この送出しロール61の直後には記録媒体を送出する搬送ロール62が配設されると共に、二次転写部位の直前に位置する記録媒体搬送路25には記録媒体を定められたタイミングで二次転写部位へ供給するレジストレーションロール(位置合わせロール)63が配設されている。一方、二次転写部位の下流側に位置する記録媒体搬送路25には定着装置66が設けられ、この定着装置66の下流側には記録媒体排出用の排出ロール67が設けられており、本体ハウジング21の上部に形成された排紙部68に排出記録媒体が収容される。
更に、第1の実施形態では、本体ハウジング21の側方には手差し供給装置(MSI)71が設けられており、この手差し供給装置71上の記録媒体は送出しロール72及び搬送ロール62にて記録媒体搬送路25に向かって送出される。
更にまた、本体ハウジング21には両面記録用ユニット73が付設されており、この両面記録用ユニット73は、記録媒体の両面に画像記録を行う両面モード選択時に、片面記録済みの記録媒体を排出ロール67を逆転させ、かつ、入口手前の案内ロール74にて内部に取り込み、搬送ロール77にて内部の記録媒体戻し搬送路76に沿って記録媒体を搬送し、再度位置合わせロール63側へと供給するものである。
次に、図8に示すタンデム型画像形成装置内に配置されたクリーニング装置34について詳述する。
図9は、クリーニング装置の一例を示す模式断面図であり、図8中に示すクリーニング装置34と共にサブカートリッジ化された感光体31、帯電ロール32や、現像ユニット33も示した図である。
図9中、32は帯電ロール(帯電装置)、331はユニットケース、332は現像ロール、333はトナー搬送部材、334は搬送パドル、335はトリミング部材、341はクリーニングケース、342はクリーニングブレード、344はフィルムシール、345は搬送部材を表す。
クリーニング装置34は、残留トナーが収容されかつ感光体31に対向して開口するクリーニングケース341を有し、このクリーニングケース341の開口下縁には感光体31に接触配置されるクリーニングブレード342を図示外のブラケットを介して取り付ける一方、クリーニングケース341の開口上縁には感光体31との間が気密に保たれるフィルムシール344を取り付けたものである。なお、符号345はクリーニングケース341内に収容された廃トナーを側方の廃トナー容器に導く搬送部材である。
なお、第1の実施形態では、各作像ユニット22(22a乃至22d)の全てのクリーニング装置34において、クリーニングブレード342として前述のクリーニングブレードが用いられている。
また、第1の実施形態で用いられる現像ユニット(現像装置)33は、例えば図9に示すごとく、現像剤が収容されかつ感光体31に対向して開口するユニットケース331を有している。ここで、このユニットケース331の開口に面した箇所に現像ロール332が配設されると共に、ユニットケース331内には現像剤攪拌搬送のためのトナー搬送部材333が配設されている。更に、現像ロール332とトナー搬送部材333との間には搬送パドル334を配設してもよい。
現像に際しては、現像ロール332に現像剤を供給した後、例えばトリミング部材335にて現像剤を層厚規制した状態で、感光体31に対向する現像領域に搬送される。
第1の実施形態では、現像ユニット33としては、例えばトナーとキャリアとからなる二成分現像剤を使用するが、トナーのみからなる一成分現像剤を使用するものであっても差し支えない。
次に、第1の実施形態に係る画像形成装置の作動を説明する。先ず、各作像ユニット22(22a乃至22d)が各色に対応した単色トナー像を形成すると、各色の単色トナー像は中間転写ベルト230表面に、元の原稿情報と一致するよう順次重ね合わせて一次転写される。続いて、中間転写ベルト230表面に転写されたカラートナー像は、二次転写装置52にて記録媒体表面に転写され、カラートナー像が転写された記録媒体は定着装置66による定着処理を経た後、排紙部68へと排出される。
一方、各作像ユニット22(22a乃至22d)において、感光体31上の残留トナーはクリーニング装置34にて清掃され、また、中間転写ベルト230上の残留トナーはベルトクリーニング装置53にて清掃される。
こうした作像過程において、夫々の残留トナーはクリーニング装置34、ベルトクリーニング装置53によって清掃される。
なお、クリーニングブレード342は、図9に示されるごとくクリーニング装置34内のフレーム部材に直接固定するのではなく、バネ材を介して固定されてもよい。
<第2の実施形態:クリーニングブレード>
次いで、第2の実施形態に係るクリーニングブレードについて説明する。
第2の実施形態に係るクリーニングブレードは、少なくとも画像形成装置において被クリーニング部材に接触して前記被クリーニング部材の表面をクリーニングするクリーニングブレードである。そして、樹脂と、前記樹脂中の炭素又は水素と置換されたヘテロ原子と、を含むヘテロ原子含有領域を前記被クリーニング部材との接触側に有する基材、及び前記ヘテロ原子含有領域の更に前記被クリーニング部材との接触側表面に、樹脂を含まずsp3結合を有する炭素を含む炭素層を備え、前記炭素層が前記被クリーニング部材との接触部を構成する。
従来、画像形成装置において被クリーニング部材に接触して前記被クリーニング部材の表面をクリーニングするクリーニングブレードでは、低摩擦性を持たせる観点で、硬化処理(例えばポリウレタン樹脂等の基材に対してイソシアネート化合物との反応により接触部のみを硬化する等の硬化処理)を施すことがある。
しかし、画像形成装置において二成分現像方式を用いた態様の場合、トナーの摩擦帯電に使用される鉄粉等の異物の一部がクリーニングブレードの接触部(例えばエッジ部等)へ突入して該接触部に衝撃が加わることがある。また、クリーニングブレードに対し記録媒体(例えば用紙等)の端部が衝突することで衝撃が加わることもある。この際、被クリーニング部材との接触部を硬化処理していると接触部の柔軟性が低下し、鉄粉の衝突や記録媒体端部との衝突などによって生じる局所的な応力集中に対して脆くなり、接触部において一部に欠けが生じることがあった。
これに対し、第2の実施形態に係るクリーニングブレードでは、樹脂を含む基材の被クリーニング部材との接触側に樹脂中の炭素又は水素と置換されたヘテロ原子と、を含むヘテロ原子含有領域を有し、かつヘテロ原子含有領域の更に被クリーニング部材との接触側表面に、樹脂を含まずsp3結合を有する炭素を含む炭素層を備える。そして、この炭素層が被クリーニング部材との接触部を構成する。この構成により、炭素層におけるsp3結合を有する炭素成分が有する低摺擦性や耐摩耗性と、ヘテロ原子含有領域の樹脂成分が有する靭性(柔軟性)とが両立され、鉄粉等の異物との衝突などによって発生する局所的な応力集中に対する欠けを抑制しつつ、更に長期的に安定した接触状態が維持される。
・構成
なお、第2の実施形態に係るクリーニングブレードの構成としては、前述の第1の実施形態において説明したクリーニングブレードのうち、第3の態様に係るクリーニングブレード(つまり前記(C)の要件を満たすクリーニングブレード)の構成を満たすものを、そのまま適用し得る。
・用途
第2の実施形態に係るクリーニングブレードによるクリーニングの対象となる被クリーニング部材としては、画像形成装置において表面のクリーニングが要求される部材であれば特に限定されない。例えば、像保持体(感光体)、中間転写体、帯電ロール、転写ロール、被転写材搬送ベルト、用紙搬送ロール、像保持体からトナーを除去するクリーニングブラシからさらにトナーを除去するデトーニングロール等が挙げられる。
中でも、像保持体(感光体)の表面をクリーニングするクリーニングブレードとして好適に用いられる。被クリーニング部材としての像保持体(感光体)の構成としては、特に限定されず、従来公知の像保持体(感光体)の構成が挙げられ、該態様において欠けを抑制しつつかつ長期的に安定した接触状態が維持されるとの効果を奏し得る。例えば、前述の第1の実施形態において説明した電子写真感光体に対しても、第2の実施形態に係るクリーニングブレードは好適に用い得る。
また、第2の実施形態に係るクリーニングブレードを適用した画像形成装及びプロセスカートリッジの態様としても、特に限定されず、従来公知の構成が挙げられ、該態様において欠けを抑制しつつかつ長期的に安定した接触状態が維持されるとの効果を奏し得る。例えば、前述の第1の実施形態において説明した画像形成装及びプロセスカートリッジの構成においても、第2の実施形態に係るクリーニングブレードは好適に用い得る。
以下に、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の説明において「部」は「質量部」を意味する。
<クリーニングブレードの作製>
・クリーニングブレードA1
−炭素含有領域を有さない基材の作製−
まず、ポリカプロラクトンポリオール((株)ダイセル製、プラクセル205、平均分子量529、水酸基価212KOHmg/g)、及びポリカプロラクトンポリオール((株)ダイセル製、プラクセル240、平均分子量4155、水酸基価27KOHmg/g)をポリオール成分のソフトセグメント材料として、プラクセル205及びプラクセル240を6:4(質量比)の割合で用いた。また、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂(綜研化学社製、アクトフローUMB−2005B)をハードセグメント材料として用い、上記ソフトセグメント材料及びハードセグメント材料を8:2(質量比)の割合で混合した。
次に、このソフトセグメント材料とハードセグメント材料との混合物100部に対して、イソシアネート化合物として4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製、ミリオネートMT)を6.26部加えて、窒素雰囲気下で70℃で3時間反応させた。なお、この反応で使用したイソシアネート化合物量は、反応系に含まれる水酸基に対するイソシアネート基の比(イソシアネート基/水酸基)が0.5となるよう選択したものである。
続いて、上記イソシアネート化合物を更に34.3部加え、窒素雰囲気下で70℃で3時間反応させて、プレポリマーを得た。なお、プレポリマーの使用に際して利用したイソシアネート化合物の全量は40.56部であった。
次に、このプレポリマーを100℃に昇温し、減圧下で1時間脱泡した。その後、プレポリマー100部に対して、1,4−ブタンジオール(鎖延長剤)とトリメチロールプロパン(架橋剤)との混合物(質量比=60/40)を7.14部加え、3分間泡を巻きこまないよう混合し、基材形成用組成物Aを調製した。
次いで、140℃に金型を調整した遠心成形機に上記基材形成用組成物Aを流し込み、1時間硬化反応させた。次いで、110℃で24時間熟成加熱し、冷却した後切断して、長さ320mm、幅12mm、厚さ2mmの基材Aを得た。
−炭素含有領域の形成及び炭素層の成膜−
パルスプラズマイオン注入法により、前記基材Aの感光体との接触側(接触角部側)にsp3結合を有する炭素をイオン注入して炭素含有領域を形成し、かつその炭素含有領域の外側(感光体との接触表面)に炭素層を製膜し、図6に示す態様のクリーニングブレードを作製した。以下に具体的なパルスプラズマイオン注入の方法を説明する。
基材Aに対し、チャンバー内をメタンガスで充填させ、高周波電極にてプラズマ化させた状態で高電圧パルス(15kV以上35kV以下)を印加することで、基材Aに主として炭素イオンをイオン注入した。これにより、炭素イオンがゴムからなる基材Aの炭素同士の結合又は炭素と水素との結合を切り、ゴム中の炭素又は水素と置換された。その結果、基材Aの感光体との接触側(接触角部側)から少なくとも0.1μm以上の深さまで炭素原子が注入された炭素含有領域(炭素注入領域)が形成された。
ここで、炭素含有領域の浸透を高めるためガス圧を高くし(0.5Pa以上2Pa以下の範囲)、高電圧パルスの繰り返し数を可能な限り高くした(2000pps以上10000pps以下)。次に、メタンガスのプラズマ中で基材A本体に低電圧パルス(2kV以上5kV以下)を少なくとも1回印加する。これにより、基材Aの炭素含有領域の表面に炭素層が形成された。これにより、図6に示す態様であり、つまり接触角部3A側に炭素含有領域5C及び炭素層6Cを備えるクリーニングブレードA1を作製した。
・クリーニングブレードA2
クリーニングブレードA1において、パルスプラズマイオン注入法による炭素含有領域の形成及び炭素層の成膜の際のパルスプラズマイオン注入方向を調整することで、図7に示す態様であり、つまり先端面3B側に炭素含有領域5D及び炭素層6Dを備えるクリーニングブレードA2を作製した。
・クリーニングブレードA3
クリーニングブレードA1において、パルスプラズマイオン注入法によって炭素含有領域を形成した後、炭素層を成膜しなかったこと以外はクリーニングブレードA1と同様にして、図4に示す態様であり、つまり接触角部3A側に炭素含有領域5Aを備えるクリーニングブレードA3を作製した。
・クリーニングブレードA4
クリーニングブレードA2において、パルスプラズマイオン注入法によって炭素含有領域を形成した後、炭素層を成膜しなかったこと以外はクリーニングブレードA2と同様にして、図5に示す態様であり、つまり先端面3B側に炭素含有領域5Bを備えるクリーニングブレードA4を作製した。
・クリーニングブレードA5
前記基材Aに対し、チャンバー内にケイ素プラズマ(Si)を充填させ、高周波電極にてプラズマ化させた状態で高電圧パルス(15kV以上35kV以下)を印加することにより、基材Aに主としてケイ素イオンのイオン注入を行った。これにより、ケイ素イオンがゴムからなる基材Aの炭素同士の結合又は炭素と水素との結合を切り、ゴム中の炭素又は水素と置換された。その結果、基材Aの感光体との接触側(接触角部側)から少なくとも0.1μm以上の深さまでケイ素原子が注入されたヘテロ原子含有領域(ヘテロ原子注入領域)が形成された。
ここで、ヘテロ原子含有領域の浸透を高めるためガス圧を高くし(0.5Pa以上2Pa以下の範囲)、高電圧パルスの繰り返し数を可能な限り高くした(2000pps以上10000pps以下)。続いてトルエンのプラズマ中で基材A本体に低電圧パルス(2kV以上5kV以下)を少なくとも1回印加する。これにより、基材Aの表面に炭素層が形成された。これにより、接触角部3A側にヘテロ原子含有領域及び炭素層を備えるクリーニングブレードA5を作製した。
・クリーニングブレードA6
クリーニングブレードA5において、パルスプラズマイオン注入法によるヘテロ原子含有領域の形成及び炭素層の成膜の際のパルスプラズマイオン注入方向を調整することで、先端面3B側にヘテロ原子含有領域及び炭素層を備えるクリーニングブレードA6を作製した。
・クリーニングブレードB1
クリーニングブレード1において、パルスプラズマイオン注入を行わず、つまり炭素含有領域の形成及び炭素層の成膜を行わずに基材Aをそのまま用い、これをクリーニングブレードB1とした。
<感光体の作製>
・感光体A1
酸化亜鉛(商品名:MZ 300、テイカ株式会社製)100質量部、シランカップリング剤としてN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランの10質量%のトルエン溶液を10質量部、トルエン200質量部を混合して攪拌を行い、2時間還流を行った。その後10mmHgにてトルエンを減圧留去し、135℃で2時間焼き付けて、シランカップリング剤による酸化亜鉛の表面処理を行った。
表面処理した酸化亜鉛:33質量部、ブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製):6質量部、下記構造式(AK−1)で示される化合物:1質量部、メチルエチルケトン:25質量部を30分間混合し、その後ブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−1、積水化学工業社製):5質量部、シリコーンボール(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):3質量部、レベリング剤としてシリコーンオイル(商品名:SH29PA、東レダウコーニングシリコーン社製):0.01質量部を添加し、サンドミルにて3時間の分散を行い、下引層形成用塗布液を得た。
さらに、浸漬塗布法にて、下引層形成用塗布液を、直径47mm、長さ357mm、肉厚1mmのアルミニウム基材上に塗布し、180℃、30分の乾燥硬化を行い、膜厚25μmの下引層を得た。

次に、電荷発生材料としてのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料「Cukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜の位置に回折ピークを有するV型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長=820nm、平均粒径=0.12μm、最大粒径=0.2μm、比表面積値=60m/g)」、結着樹脂としての塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(商品名:VMCH、日本ユニカー社製)、及びn−酢酸ブチルからなる混合物を、容量100mLガラス瓶中に、充填率50%で1.0mmφガラスビーズと共に入れて、ペイントシェーカーを用いて2.5時間分散処理し、電荷発生層用塗布液を得た。ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂の混合物に対して、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の含有率を55.0体積%とし、分散液の固形分は6.0質量%とした。含有率は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の比重を1.606g/cm、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂の比重1.35g/cmをとして計算した。
得られた電荷発生層形成用塗布液を、下引層上に浸漬塗布し、100℃で5分間乾燥して、膜厚0.20μmの電荷発生層を形成した。
次に、電荷輸送材料として、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)「例示化合物(CT1−1)」8.0質量部及びベンジジン系電荷輸送材料(CT2)「例示化合物(CT2−1)」32.0質量部と、結着樹脂として、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZの単独重合型ポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量4万)60.0質量部と、酸化防止剤として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤「例示化合物(HP−1)、分子量775」3.2質量部(全電荷輸送材料合計量100質量%に対して8.0質量%)とを、テトラヒドロフラン340.0質量部に加えて溶解し、電荷輸送層形成用塗布液を得た。
得られた電荷輸送層形成用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、150℃、40分の乾燥を行うことにより、膜厚34μmの電荷輸送層を形成した。
以上の工程を経て、感光体A1を得た。
・感光体A2〜A7、B1〜B3
表2に従って、電荷輸送材料の種類と量、酸化防止剤の添加の有無及び添加する場合の種類と量、さらに紫外線吸収剤の添加の有無及び添加する場合の種類と量を変更した以外は、感光体A1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
なお、表2の略称等の詳細は以下の通りである。
・CT1−1:ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)の例示化合物(CT1−1)
・CT1−2:ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)の例示化合物(CT1−2)
・CT1−3:ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)の例示化合物(CT1−3)
・CT2−1:ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)の例示化合物(CT2−1)
・CT2−2:ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)の例示化合物(CT2−2)
・HP−1:ヒンダードフェノール系酸化防止剤の例示化合物(HP−1)
・HP−3:ヒンダードフェノール系酸化防止剤の例示化合物(HP−3)
・CAO−1:酸化防止剤の比較化合物(下記構造式(CAO−1)で示されるヒンダードフェノール系酸化防止剤参照)
・CAO−2:酸化防止剤の比較化合物(下記構造式(CAO−2)で示されるヒンダードアミン系酸化防止剤参照)

・BP−1:ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の例示化合物(BP−1)
・BP−3:ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の例示化合物(BP−3)
・CUA−1:紫外線吸収剤の比較化合物(下記構造式(CUA−1)で示されるベンゾエート系紫外線吸収剤参照)

〔実施例及び比較例〕
下記表3に示す感光体とクリーニングブレードとの組合せにより、実施例1〜7及び比較例1〜6を実施した。
〔物性測定及び評価試験〕
・感光体硬度
(株)フィッシャー・インストルメンツ社製、PICODENTOR HM500、ダイヤモンド圧子Berkovich型を用いて、感光体表面の硬度(GPa)を測定した測定。
・ブレードひずみ
クリーニングブレード先端(接触角部)から1mmの部分にひずみゲージ(共和電業製 KFG−02)を取り付けた状態でプロセスカートリッジを組んだ。
なお、クリーニングブレードと感光体とを、押当て力NF(Normal Force)を1.3gf/mm、押当て角度W/A(Working Angle)を11°に設定した。
この初期の状態を歪ゼロとする。前記ゲージをつけたままA4用紙(210×297mm、富士ゼロックス社製、P紙)を用いて画像形成させ、この状態のクリーニングブレードのエッジ先端の歪と初期状態の歪の差をブレードひずみとした。
・エッジ摩耗
前記表3に記載の感光体及びクリーニングブレードを、富士ゼロックス社製DocuCentre−IV C5575に搭載し、押当て力NF(Normal Force)を1.3gf/mm、押当て角度W/A(Working Angle)を11°に設定した。
エッジ摩耗の評価に際しては、高温高湿環境(28℃、85RH%)下にて、感光体の積算回転数が100Kサイクル(100,000回転)になるまでA4用紙(210×297mm、富士ゼロックス社製、P紙)を用いて画像形成させた後のクリーニングブレードの接触角部(エッジ)先端の摩耗と、クリーニング不良とを併せて評価して判断した。
なお、テストに際しては、感光体とクリーニングブレードとの接触部における潤滑効果を小さくした過酷な条件で評価するために、形成する画像の像密度を1%とした。
続いてテスト後のエッジ先端の摩耗深さを、クリーニングブレードの断面側からキーエンス社製、レーザー顕微鏡VK−8510により観察したときに、感光体表面側のエッジ欠落部最大深さを計測した。
また、クリーニング不良の評価は、上記のテスト終了後に、未転写ベタ画像(ベタ画像サイズ:400mm×290mm)が形成されたA3用紙を、感光体とクリーニングブレードとの間に、通常のプロセススピードで給紙して、未定着画像の搬送方向最後端部分が感光体とクリーニングブレードとの接触部を通過し終えた直後に実機を停止し、トナーの擦り抜け有無を目視で確認した。顕著な擦り抜けが認められる場合をクリーニング不良と評価した。
なお、エッジ先端の摩耗や欠けにより、トナーを塞き止める部位が欠落している場合はエッジ摩耗深さや欠け深さが大きい程、上述したテストでクリーニング不良が発生し易くなるため、上記テストはエッジ先端の摩耗や欠けの定性的評価に有用である。
エッジ摩耗の評価基準を下記表に示す。
A:エッジ摩耗評価G0乃至G2
B:エッジ摩耗評価G3乃至G5
・感光体摩耗
感光体摩耗レートは、前記試験前と試験後の感光体の膜厚を渦電流式の膜厚計で計測しその差分にて算出し、感光体1000cycle(1000回転)当りの感光体摩耗レート(nm/k・cycle)として算出した。評価基準を以下に示す。
A:感光体摩耗レート20nm/k・cycle以下
B:感光体摩耗レート20nm/k・cycle超え
3A 接触角部、3B 先端面、3C 腹面、3D 背面、3E 側面、4A乃至4D 基材、5A、5B 炭素含有領域、5C、5D 炭素含有領域又はヘテロ原子含有領域、6C、6D 炭素層、11 下引層、12 電荷発生層、13 電荷輸送層、14 導電性基体、21 本体ハウジング、22、22a乃至22d 作像ユニット、23 ベルトモジュール、24 記録媒体供給カセット、25 記録媒体搬送路、30 感光体ユニット、31 感光体(電子写真感光体)、32 帯電ロール、33 現像ユニット、34 クリーニング装置、35、35a乃至35d トナーカートリッジ、40 露光ユニット、41 ユニットケース、42 ポリゴンミラー、51 一次転写装置、52 二次転写装置、53 ベルトクリーニング装置、61 送出しロール、62 搬送ロール、63 位置合わせロール、66 定着装置、67 排出ロール、68 排紙部、71 手差し供給装置、72 送出しロール、73 両面記録用ユニット、74 案内ロール、76 搬送路、77 搬送ロール、230 中間転写ベルト、231、232 支持ロール、331 ユニットケース、332 現像ロール、333 トナー搬送部材、334 搬送パドル、335 トリミング部材、341 クリーニングケース、342 クリーニングブレード、344 フィルムシール、345 搬送部材、521 二次転写ロール、531 クリーニングブレード

Claims (5)

  1. 導電性基体、及び、前記導電性基体上に配置された感光層であって、電荷発生材料と電荷輸送材料と分子量300以上1000以下のヒンダードフェノール系酸化防止剤とを含む感光層を有する電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体に接触して前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードであって、下記(A)の要件を満たすクリーニングブレードと、
    を備える画像形成装置用ユニット。
    (A)樹脂と、sp3結合を有する炭素と、を含む炭素含有領域を前記電子写真感光体との接触側に有する基材を備え、前記炭素含有領域が前記電子写真感光体との接触部を構成す
  2. 前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤が、下記一般式(HP)で示される酸化防止剤である請求項1に記載の画像形成装置用ユニット。


    (一般式(HP)中、RH1、及びRH2は、各々独立に、炭素数4以上8以下の分岐状のアルキル基を表す。RH3、及びRH4は、各々独立に、水素原子、又は、炭素数1以上10以下のアルキル基を表す。RH5は、炭素数1以上10以下のアルキレン基を表す。)
  3. 前記電荷輸送材料が、下記一般式(CT1)で示される電荷輸送材料、及び下記一般式(CT2)で示される電荷輸送材料である請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置用ユニット。


    (一般式(CT1)中、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基同士が結合して炭化水素環構造を形成してもよい。n及びmは、各々独立に、0、1又は2を表す。)


    (一般式(CT2)中、RC21、RC22、及びRC23は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上10以下のアリール基を表す。)
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置用ユニットを備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置用ユニットと、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    を備える画像形成装置。
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