JP2017037280A - 画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献3には、感光体の作製において、インパクト加工した薄肉円筒管の両端部を切り落とし、加工時のビレットが配置された側と反対側を把持して表面塗料の浸漬塗布を実施することが開示されている。
特許文献5には、感光体基材として、スラグをインパクト加工した円筒管であり、プロセス部材軸線中心が基材軸線中心に対してスラグが配置された側とは反対にシフトしている円筒管が開示されている。
表面に点在した複数の凹部を有し、前記凹部の開口の平均長径が50μm以上500μm以下である導電性基体と、前記導電性基体上に配置された感光層と、を有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記電子写真感光体の表面に接触し、前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードであって、少なくとも前記電子写真感光体との接触部がJIS−A硬度が60以上75以下のクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、
を備える画像形成装置。
前記凹部の単位面積あたりの数密度が、10個/cm2以上100個/cm2以下である請求項1に記載の画像形成装置。
前記導電性基体の厚さが、0.25mm以上0.8mm以下である請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
前記感光層が、下記一般式(CT1)で示される電荷輸送材料と、下記一般式(CT2)で示される電荷輸送材料と、分子量300以上のヒンダードフェノール系酸化防止剤およびベンゾフェノン系紫外線吸収剤よりなる群から選択される少なくとも1種と、を含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(一般式(CT1)中、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基同士が結合して炭化水素環構造を形成してもよい。n及びmは、各々独立に、0、1又は2を表す。)
(一般式(CT2)中、RC21、RC22、及びRC23は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上10以下のアリール基を表す。)
表面に点在した複数の凹部を有し、前記凹部の開口の平均長径が50μm以上500μm以下である導電性基体と、前記導電性基体上に配置された感光層と、を有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面に接触し、前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードであって、少なくとも前記電子写真感光体との接触部がJIS−A硬度が60以上75以下のクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
請求項2に係る発明によれば、前記凹部の単位面積あたりの数密度が、10個/cm2未満の場合に比べ、クリーニング部材の鳴きの発生を抑制する画像形成装置が提供される。
請求項3に係る発明によれば、表面に点在した複数の凹部を有する導電性基体と、導電性基体上に配置された感光層と、を有する電子写真感光体と、帯電手段と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、電子写真感光体の表面に接触して電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、を備える画像形成装置において、導電性基体の表面に点在した複数の凹部の開口の平均長径が50μmm未満である場合、又は、クリーニングブレードの少なくとも電子写真感光体との接触部のJIS−A硬度が60未満若しくは75を超える場合に比べ、前記導電性基体の厚さが、0.25mm以上0.8mm以下であっても、クリーニング部材の鳴きの発生を抑制し、かつ良好なクリーニング性を有する画像形成装置が提供される。
請求項5に係る発明によれば、表面に点在した複数の凹部を有する導電性基体と、導電性基体上に配置された感光層と、を有する電子写真感光体と、電子写真感光体の表面に接触して電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、を備え、画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジにおいて、導電性基体の表面に点在した複数の凹部の開口の平均長径が50μmm未満である場合、又は、クリーニングブレードの少なくとも電子写真感光体との接触部のJIS−A硬度が60未満若しくは75を超える場合に比べ、クリーニング部材の鳴きの発生を抑制し、かつ良好なクリーニング性を有するプロセスカートリッジが提供される。
本実施形態に係る画像形成装置は、導電性基体と、導電性基体上に配置された感光層と、を有する電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により、電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、電子写真感光体の表面に接触し、電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、を備える。
そして、前記導電性基体は、表面に点在した複数の凹部を有し、凹部の開口の平均長径が50μm以上500μm以下である。また、前記クリーニングブレードは、少なくとも電子写真感光体との接触部がJIS−A硬度が60以上75以下である。
以下では、JIS−A硬度が60以上75以下のクリーニングブレードを「低硬度のクリーニングブレード」と表記し、JIS−A硬度が75を超えるクリーニングブレードを「高硬度のクリーニングブレード」と表記して説明する。
一方、クリーニングブレードとして、低硬度のクリーニングブレードを用いると、局所的な欠けが抑制されるものの、感光体との摩擦が高まりやすくなり、この摩擦の高まりに起因して、クリーニングブレードが振動しやすくなり、クリーニングブレードの鳴きという現象が生じることがある。
ここで、感光体としては、導電性基体上に感光層を配置したものが一般的に使用されるが、この導電性基体は、低価格化及び低軽量化の観点から、薄肉化される傾向がある。導電性基体を薄肉化する方法としては、例えば、抽伸加工(引き抜き加工)により薄肉化する方法、インパクト加工により薄肉化する方法が挙げられる。
この薄肉化された導電性基体を有する感光体を、クリーニングブレードでクリーニングすると、クリーニングブレードは振動しやすくなり、クリーニングブレードの鳴きが発生しやすくなる。この鳴きの発生は、導電性基体が薄肉化される程、発生しやすくなる傾向がある。
これに対し、本実施形態に係る画像形成装置では、表面に複数の凹部を点在させると共に、これら凹部の開口の平均長径を特定の範囲とした導電性基体を有する感光体と、低硬度クリーニングブレードと、を組み合わせて採用する。これにより、クリーニングブレードの鳴きの発生が抑制され、かつ良好なクリーニング性が得られる。
この理由は、定かではないが以下の理由によるものと推測される。
本実施形態では、導電性基体の表面に、特定の平均長径を有する複数の凹部を点在させることにより、導電性基体上に配置される感光層表面も前記複数の凹部に追従した形状(以下、「凹部形状」とも称する)となり、感光体表面も凹部形状となる。本実施形態では、感光体表面が凹部形状であるがゆえ、クリーニングブレードとして、感光体との摩擦が高まりやすい低硬度のクリーニングブレードを採用しても、クリーニングする際のクリーニングブレードと感光体との摩擦が低減されやすくなる。この結果、クリーニングブレードが振動しにくくなり、クリーニングブレードの鳴きの発生が抑制される。
加えて、本実施形態では、表面が凹部形状である感光体を、低硬度のクリーニングブレードを用いてクリーニングするため、クリーニングブレードを感光体表面の凹部形状に追従させながらクリーニングすることが可能となる。つまり、クリーニングブレードの中でも低硬度のクリーニングブレードを採用することで、クリーニングブレードとしてのクリーニング性を確保する。
以上のことから、本実施形態に係る画像形成装置によれば、クリーニングブレードの振動が抑制され、クリーニングブレードの鳴きの発生が抑制されると共に、良好なクリーニング性が得られることとなる。
なお、本実施形態では、クリーニングブレードと感光体との摩擦が低減されやすくなるため、クリーニングブレードの摩耗も抑制される。
本実施形態に係るプロセスカートリッジにおいて、電子写真感光体は、表面に点在した複数の凹部を有し、凹部の開口の平均長径が50μm以上500μm以下である導電性基体と、導電性基体上に配置された感光層と、を有する。また、クリーニング手段は、電子写真感光体の表面に接触し、電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードであって、少なくとも電子写真感光体との接触部がJIS−A硬度が60以上75以下のクリーニングブレードを有する。
なお、プロセスカートリッジには、電子写真感光体及びクリーニング手段以外に、例えば、帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図1に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
クリーニング装置13は、感光体7の表面に接触して、残留トナーをクリーニングするクリーニングブレード131を有するブレード方式の装置である。
クリーニングブレード131は、クリーニングブレードの鳴きの発生を抑制し、かつ良好なクリーニング性を得る観点から、少なくとも感光体7との接触部が、JIS−A硬度が60以上75以下であり、62以上75以下が好ましく、65以上73以下がより好ましい。
JIS−A硬度は、JIS K 7311に示される硬さ試験法に従い、JIS K 7215に規定されるタイプAデュロメータを用いて測定された値をいう。
クリーニングブレードのJIS−A硬度が上記範囲であることにより、クリーニングブレードを感光体表面の凹部形状に追従させながらクリーニングすることが可能となり、クリーニング性が良好となる。
なお、接触部とは、感光体7の回転が停止しているときにクリーニングブレード131が感光体7と接触している部分、および感光体7が回転しているときにクリーニングブレード131が感光体7と接触している部分の双方の部分を含む領域である。
ゴム基材は、その全体にゴムを含む。ゴムとしては、例えば、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム等が挙げられる。なお、特にポリウレタンゴムが好ましく、更には高結晶化されたポリウレタンゴムがより好ましい。
ここで、「ハードセグメント」および「ソフトセグメント」とは、ポリウレタンゴム中で、前者を構成する材料の方が、後者を構成する材料よりも相対的に硬い材料からなり、後者を構成する材料の方が前者を構成する材料よりも相対的に柔らかい材料からなるセグメントを意味する。
まず、ソフトセグメント材料としては、ポリオールとして、ジオールと二塩基酸との脱水縮合で得られるポリエステルポリオール、ジオールとアルキルカーボネートの反応により得られるポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。なお、ソフトセグメント材料として用いられる上記ポリオールの市販品としては、例えば、ダイセル社製のプラクセル205やプラクセル240などが挙げられる。
また、ハードセグメント材料としては、イソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する樹脂を用いることが好ましい。また、柔軟性のある樹脂であることが好ましく、柔軟性の点から直鎖構造を有する脂肪族系の樹脂であることがより好ましい。具体例としては、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂や、2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂、2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂等を用いることが好ましい。
2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂の市販品としては、例えば、出光興産社製、R−45HT等が挙げられる。
また、物性面では、従来のエポキシ樹脂と比べて、分子量に比して粘度が低いエポキシ樹脂が好適である。具体的には、重量平均分子量が900±100の範囲内であり、25℃における粘度が15000±5000mPa・sの範囲内であることが好ましく、15000±3000mPa・sの範囲内であることがより好ましい。この特性を有するエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、DIC製、EPLICON EXA−4850−150等が挙げられる。
ハードセグメント材料比が、10質量%以上であることにより、耐摩耗性が得られる。一方、ハードセグメント材料比が30質量%以下であることにより、硬くなり過ぎることがなく、柔軟性や伸張性が得られ、欠けの発生が抑制される。
ポリウレタンゴムの合成に用いられるポリイソシアネートとしては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、1,6−ヘキサンジイソシアネート(HDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)および3,3−ジメチルフェニル−4,4−ジイソシアネート(TODI)などが挙げられる。
なお、求められる大きさ(粒子径)のハードセグメント凝集体の形成し易さという点から、ポリイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)がより好ましい。
20質量部以上であることにより、ウレタン結合量が多く確保されてハードセグメント成長し、求められる硬度が得られる。一方40質量部以下であることにより、ハードセグメントが大きくなり過ぎず、伸張性が得られ、摺擦部材の欠けの発生が抑制される。
架橋剤としては、ジオール(2官能)、トリオール(3官能)、テトラオール(4官能)等が挙げられ、これらを併用してもよい。また、架橋剤としてアミン系化合物を用いてもよい。なお、3官能以上の架橋剤を用いて架橋されたものであることが好ましい。3官能の架橋剤としては、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。
ゴムの一例であるポリウレタンゴムを含むゴム基材の製造は、プレポリマー法やワンショット法など、ポリウレタンの一般的な製造方法が用いられる。プレポリマー法は強度、耐摩耗性に優れるポリウレタンが得られるため好適であるが、製法により制限されるものではない。
ゴム基材に含有されるゴムがポリウレタンゴムである場合、ポリウレタンゴムの重量平均分子量は、1000以上4000以下の範囲内であることが好ましく、1500以上3500以下の範囲内であることがより好ましい。
クリーニングブレード131の少なくとも感光体7との接触部のJIS−A硬度を60以上75以下とするためには、例えば、ハードセグメント材料とソフトセグメント材料との組み合わせを調整する方法;ハードセグメント材料とソフトセグメント材料との材料比(配合比)を調整する方法;ゴム基材形成用の組成物(クリーニングブレード成形用組成物)の硬化条件(例えば熟成時間、熟成温度)を調整する方法;が挙げられる。
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図2に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
以下、電子写真感光体について図面を参照して説明する。
図3は、電子写真感光体7Aの層構成の一例を示す模式断面図である。図3に示す電子写真感光体7Aは、導電性基体4上に、下引層1、電荷発生層2及び電荷輸送層3がこの順序で積層された構造を有し、電荷発生層2及び電荷輸送層3が感光層5を構成している。
図4及び図5はそれぞれ本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の他の例を示す模式断面図である。
図4及び図5に示す電子写真感光体7B,7Cは、図3に示す電子写真感光体7Aと同様に、電荷発生層2と電荷輸送層3とに機能が分離された感光層5を備えるものであり、最外層として保護層6が形成されている。図4に示す電子写真感光体7Bは導電性基体4上に下引層1、電荷発生層2、電荷輸送層3及び保護層6が順次積層された構造を有する。図5に示す電子写真感光体7Cは、導電性基体4上に下引層1、電荷輸送層3、電荷発生層2、保護層6が順次積層された構造を有する。
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金
属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
これらの中でも、アルミニウム合金が好ましい。アルミニウム合金としては、アルミニウムのほかに、例えばSi、Fe、Cu、Mn、Mg、Cr、Zn、Tiを含むアルミニウム合金が挙げられる。アルミニウム合金は、いわゆる1000系合金が望ましく、加工性の観点から、アルミニウム含有率(質量比)が99.5%以上であることが望ましく、99.7%以上がより望ましい。
導電性基体表面の凹部の開口の平均長径が上記範囲であることにより、感光体表面に適度な凹部形状が形成されやすくなる。これにより、クリーニングブレードとして、感光体との摩擦が高まりやすい低硬度のクリーニングブレードを採用しても、クリーニングする際のクリーニングブレードと感光体との摩擦が低減されやすくなる。この結果、クリーニングブレードが振動しにくくなり、クリーニングブレードの鳴きの発生が抑制されると共に、クリーニング性が良好となる。
導電性基体表面の凹部の単位面積あたりの数密度(以下、単に「数密度」とも称する)は、クリーニングブレードの鳴きの発生を抑制し、かつ良好なクリーニング性を得る観点から、10個/cm2以上100個/cm2以下が好ましく、15個/cm2以上80個/cm2以下がより好ましく、20個/cm2以上75個/cm2以下がさらに好ましい。
凹部の開口の平均長径は、導電性基体表面に点在した複数の凹部の中から選んだ100個の凹部をレーザー顕微鏡(オリンパス社製:型番OLS1100)により表面観察して画像を撮影し、凹部ごとの最長径を測定し、その平均値を算出することで求める。
凹部の平均深さは、導電性基体表面に点在した複数の凹部の中から選んだ100個の凹部を上記レーザー顕微鏡により断面観察して画像を撮影し、凹部ごとの最大深さを測定し、その平均値を算出することで求める。
凹部の数密度については、導電性基体表面から選んだ0.2cm×0.2cmの領域(面積)を上記レーザー顕微鏡により表面観察して、0.2cm×0.2cmの面積中に存在する凹部の個数を測定する。これを前記面積(0.2cm×0.2cm)で割る。この操作を10箇所で行い、その平均値を凹部の数密度として算出する。
なお、凹部の形状は、特に制限されないが、断面形状において、例えば、楕円形状等の円形状;ひし形状、長方形状等の多角形状;不定形状;が挙げられる。
特に、導電性基体をインパクトプレス加工で作製する場合は、導電性基体を作製するための金属の塊、つまり被加工材料(以下「スラグ」という場合がある)の表面に予め傷(凹部)を付与することにより、表面に上記凹部が形成された導電性基体が得られる。
なお、導電性基体の凹部の開口の平均長径、及び数密度を上記範囲に調整する方法については後述する。
本実施形態では、導電性基体の厚さが上記範囲と薄く、クリーニングブレードが振動しやすくなるが、上述したように表面が凹部形状である感光体と、低硬度のクリーニングブレードとを組み合わせることにより、クリーニングブレードが振動しにくくなり、クリーニングブレードの鳴きの発生が抑制される。また、クリーニングブレードのクリーニング性も確保される。
まず、潤滑材を塗布したアルミニウム又はアルミニウム合金のスラグ30を用意し、図6(A)に示すようにダイ(雌型)20に設けられている円形孔24にセットする。
ここで、スラグ30には、特定の範囲の平均長径、平均深さ、及び数密度を有する傷(凹部)を予め付与する。
次いで、図6(B)に示すように、ダイ20にセットしたスラグ30を円柱状のパンチ(雄型)21によりプレスする。これによりスラグ30がダイ20の円形孔からパンチ21の周囲を覆うように円筒状に伸びて成形される。
成形後、図6(C)に示すように、パンチ21を引き上げてストリッパー22の中央孔23を通すことによりパンチ21が引き抜かれて円筒状の成形体4Aが得られる。
成形体4A表面の凹部の開口の平均長径、及び数密度は、スラグ30の表面に予め付与する凹部の大きさ(例えば深さ、長さ、太さ)や、数(数密度)などによって調整される。例えば、スラグ30の表面に予め付与する凹部の数を多くすれば、円筒状の成形体4Aに成形したときの凹部の数密度が増えやすい。また、スラグ30の表面に予め付与する凹部の長さを大きくすれば、円筒状の成形体4Aに成形したときの凹部の開口の平均長径が大きくなりやすい。
具体的に、成形体4A表面の凹部の開口の平均長径を上記範囲とするためには、例えば、スラグ表面に予め付与する凹部の開口の平均長径を、好ましくは10μm以上100μm以下、より好ましくは15μm以上50μm以下とし、スラグ表面に予め付与する凹部の平均深さを、好ましくは1μm以上10μm以下、より好ましくは1.5μm以上5μm以下とすればよい。また、成形体4A表面の凹部の数密度を上記範囲とするためには、例えば、スラグ表面に予め付与する凹部の数密度を、好ましくは1000個/cm2以上20000個/cm2以下、より好ましくは1000個/cm2以上15000個/cm2以下とすればよい。
なお、スラグ表面に予め付与する凹部の開口の平均長径、凹部の平均深さ、及び凹部の数密度は、上述した導電性基体表面の凹部の開口の平均長径、凹部の平均深さ、及び凹部の数密度と同様の測定方法で測定する。
スラグ表面から選んだ0.1cm×0.1cmの領域(面積)を上記レーザー顕微鏡により表面観察して、0.1cm×0.1cmの面積中に存在する凹部の個数を測定し、これを前記面積(0.1cm×0.1cm)で割る。この操作を10箇所で行い、その平均値を凹部の数密度として算出する。
次に、図7(A)に示すように、必要に応じて、インパクトプレス加工によって成形した円筒状の成形体4Aを、内部から円柱状のパンチ31によりダイス32に押し込んでしぼり加工を施して径を小さくした後、図7(B)に示すように、さらに径を小さくしたダイス33間に押し込んでしごき加工を施す。これにより、径が小さくなった成形体4Bが得られる。
なお、しぼり加工を経ずにしごき加工を施してもよいし、しごき加工を複数段階に分けて行ってもよい。また、しごき加工を施す前に、焼き鈍しを施して応力を開放してもよい。
また、インパクトプレス加工後、しぼり加工後、しごき加工後、又は焼き鈍し後に、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、ブラスト(例えばサンドブラスト)、湿式ホーニングなどの方法を適用して成形体4A,4Bの表面の凹部の開口の平均長径、及び数密度を調整してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から(1/2)λまでに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
なお、n−型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn−型とする。
特に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料としては、例えば、600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおいて、810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がより優れた分散性が得られる観点から好ましい。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)について説明する。
ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)は、下記一般式(CT1)で示される電荷輸送材料である。
n及びmは、各々独立に、0、1又は2を表す。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、イソウンデシル基、sec−ウンデシル基、tert−ウンデシル基、ネオウンデシル基、イソドデシル基、sec−ドデシル基、tert−ドデシル基、ネオドデシル基、イソトリデシル基、sec−トリデシル基、tert−トリデシル基、ネオトリデシル基、イソテトラデシル基、sec−テトラデシル基、tert−テトラデシル基、ネオテトラデシル基、1−イソブチル−4−エチルオクチル基、イソペンタデシル基、sec−ペンタデシル基、tert−ペンタデシル基、ネオペンタデシル基、イソヘキサデシル基、sec−ヘキサデシル基、tert−ヘキサデシル基、ネオヘキサデシル基、1−メチルペンタデシル基、イソヘプタデシル基、sec−ヘプタデシル基、tert−ヘプタデシル基、ネオヘプタデシル基、イソオクタデシル基、sec−オクタデシル基、tert−オクタデシル基、ネオオクタデシル基、イソノナデシル基、sec−ノナデシル基、tert−ノナデシル基、ネオノナデシル基、1−メチルオクチル基、イソイコシル基、sec−イコシル基、tert−イコシル基、ネオイコシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基、イソウンデシルオキシ基、sec−ウンデシルオキシ基、tert−ウンデシルオキシ基、ネオウンデシルオキシ基、イソドデシルオキシ基、sec−ドデシルオキシ基、tert−ドデシルオキシ基、ネオドデシルオキシ基、イソトリデシルオキシ基、sec−トリデシルオキシ基、tert−トリデシルオキシ基、ネオトリデシルオキシ基、イソテトラデシルオキシ基、sec−テトラデシルオキシ基、tert−テトラデシルオキシ基、ネオテトラデシルオキシ基、1−イソブチル−4−エチルオクチルオキシ基、イソペンタデシルオキシ基、sec−ペンタデシルオキシ基、tert−ペンタデシルオキシ基、ネオペンタデシルオキシ基、イソヘキサデシルオキシ基、sec−ヘキサデシルオキシ基、tert−ヘキサデシルオキシ基、ネオヘキサデシルオキシ基、1−メチルペンタデシルオキシ基、イソヘプタデシルオキシ基、sec−ヘプタデシルオキシ基、tert−ヘプタデシルオキシ基、ネオヘプタデシルオキシ基、イソオクタデシルオキシ基、sec−オクタデシルオキシ基、tert−オクタデシルオキシ基、ネオオクタデシルオキシ基、イソノナデシルオキシ基、sec−ノナデシルオキシ基、tert−ノナデシルオキシ基、ネオノナデシルオキシ基、1−メチルオクチルオキシ基、イソイコシルオキシ基、sec−イコシルオキシ基、tert−イコシルオキシ基、ネオイコシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニリル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
ここで、炭化水素環構造として具体的には、例えば、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造、シクロアルカンポリエン構造等が挙げられる。
つまり、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)は、下記構造式(CT1A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT1−3))であることがより好ましい。
・CH3:メチル基
・OCH3:メトキシ基
ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)は、下記一般式(CT2)で示される電荷輸送材料である。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
具体的には、ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)は、下記構造式(CT2A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT2−2))であることが特に好ましい。
・CH3:メチル基
・C2H5:エチル基
・OCH3:メトキシ基
・OC2H5:エトキシ基
ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、ヒンダードフェノール環を有し、且つ分子量が300以上の化合物であることが好ましい。
1)ヒンダードフェノール環を1つ有する酸化防止剤、
2)ヒンダードフェノール環を2つ以上4つ以下有し、且つ直鎖又は分岐状の2価以上4価以下の脂肪族炭化水素基からなる連結基、又は2価以上4価以下の脂肪族炭化水素基の炭素−炭素の結合間に、エステル結合(−C(=O)O−)及びエーテル結合(−O−)の少なくとも一方が介在した連結基で、2つ以上4つ以下のヒンダードフェノール環が連結された酸化防止剤
3)2つ以上4つ以下のヒンダードフェノール環と、一つのベンゼン環(未置換、又はアルキル基等で置換された置換ベンゼン環)又はイソシアヌレート環とを有し、2つ以上4つ以下のヒンダードフェノール環が、各々、ベンゼン環又はイソシアヌレート環とアルキレン基を介して連結された酸化防止剤
等が挙げられる。
RH3、及びRH4は、各々独立に、水素原子、又は、炭素数1以上10以下のアルキル基を表す。
RH5は、炭素数1以上10以下のアルキレン基を表す。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、tert−ブチル基、tert−ペンチル基が好ましく、tert−ブチル基がより好ましい。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルキレン基として具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、n−ヘプチレン基、n−オクチレン基、n−ノニレン基、n−デシレン基等が挙げられる。
分岐状のアルキレン基として具体的には、イソプロピレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基、イソヘキシレン基、sec−ヘキシレン基、tert−ヘキシレン基、イソヘプチレン基、sec−ヘプチレン基、tert−ヘプチレン基、イソオクチレン基、sec−オクチレン基、tert−オクチレン基、イソノニレン基、sec−ノニレン基、tert−ノニレン基、イソデシレン基、sec−デシレン基、tert−デシレン基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、ブチレン基等の低級アルキレン基が好ましい。
具体的には、ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、例示化合物(HP−3)で示されるヒンダードフェノール系酸化防止剤が特に好ましい。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン骨格を有する化合物である。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
具体的には、紫外線吸収剤は、下記構造式(BPA)で示されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例示化合物(BP−3))であることが特に好ましい。
・CH3:メチル基
・C2H5:エチル基
・(CH2)7−CH3:オクチル基
・OCH3:メトキシ基
・OH:ヒドロキシ基
ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)の含有量は、電荷輸送能の高い感光層(電荷輸送層)形成の点から、CT1と結着樹脂との配合比(質量比 CT1:結着樹脂)で0.1:9.9から4.0:6.0までの範囲内であることが好ましく、0.4:9.6から3.5:6.5までの範囲内であることがより好ましく、0.6:9.4から3.0:7.0の範囲内であることが更に好ましい。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
なお、保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、電荷発生材料と電荷輸送材料と、必要に応じて、結着樹脂、及びその他周知の添加剤と、を含む層である。なお、これら材料は、電荷発生層及び電荷輸送層で説明した材料と同様である。
そして、単層型感光層中、電荷発生材料の含有量は、全固形分に対して10質量%以上85質量%以下がよく、好ましくは20質量%以上50質量%以下である。また、単層型感光層中、電荷輸送材料の含有量は、電荷輸送層中での含有量と同様である。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。
単層型感光層の膜厚は、例えば、5μm以上50μm以下がよく、好ましくは10μm以上40μm以下である。
(導電性基体(1)の作製)
潤滑材を塗布したアルミニウム純度99.5%以上のJIS呼称1050合金のスラグを用意した。次にブラスト装置を用いてスラグの表面に平均深さ3μm、平均長径30μm、及び数密度が4520個/cm2の凹部を形成した。その後インパクト加工によりΦ32mm、肉厚(厚さ)0.5mmのアルミ製円筒管を作製した。その後、Φ30のダイスとΦ29のパンチを用いて、しごき加工を行い、Φ30mm、厚さ0.4mmの円筒形のアルミニウム基材を作製した後、アルミニウム基材の両端をカットし長さ253mmの導電性基体(1)を作製した。このようにして作製された導電性基体(1)の表面を、既述の方法によりレーザー顕微鏡で観察したところ、表面に存在する凹部は、数密度が28個/cm2で平均長径が150μmであった。以下の導電性基体の表面に存在する凹部の数密度及び平均長径についても同様の方法で求めた。
ブラスト装置を用いてスラグの表面に平均深さ5μm、平均長径50μm、及び数密度が1560個/cm2の凹部を形成した以外は導電性基体(1)と同様に導電性基体(2)を作製した。導電性基体(2)の表面に存在する凹部は、数密度が10個/cm2で平均長径は250μmであった。
ブラスト装置を用いてスラグの表面に平均深さ2μm、平均長径20μm、及び数密度が14520個/cm2の凹部を形成した以外は導電性基体(1)と同様に導電性基体(3)を作製した。導電性基体(3)の表面に存在する凹部は、数密度が100個/cm2で平均長径は100μmであった。
ブラスト装置を用いてスラグの表面に平均深さ3μm、平均長径30μm、及び数密度が1250個/cm2の凹部を形成した以外は導電性基体(1)と同様に導電性基体(4)を作製した。導電性基体(4)の表面に存在する凹部は、数密度が8個/cm2で平均長径は150μmであった。
潤滑材を塗布したアルミニウム純度99.5%以上のJIS呼称1050合金のスラグを用意した。次にブラスト装置を用いてスラグの表面に平均深さ3μm、平均長径30μm、及び数密度が3280個/cm2の凹部を形成した。その後インパクト加工によりΦ32mm、厚さ1.0mmのアルミ製円筒管を作製した。その後、Φ30のダイスとΦ28のパンチを用いて、しごき加工を行い、Φ30mm、厚さ0.8mmの円筒形のアルミニウム基材を作製した後、アルミニウム基材の両端を切断し長さ253mmの導電性基体(5)を作製した。導電性基体(5)の表面に存在する凹部は、数密度が21個/cm2で平均長径が140μmであった。
従来の抽伸管で作製したアルミ製円筒管の表面を切削し、Φ30mm、厚さ0.7mmのアルミニウム基材(導電性基体(6))を作製した。導電性基体(6)の表面に凹部は存在しなかった。
導電性基体(6)を作製した後、ブラスト装置を用いて導電性基体(6)の表面に平均深さ10μm、平均長径100μm、及び数密度が32個/cm2の凹部を形成し、導電性基体(7)を作製した。
ブラスト装置を用いてスラグの表面に平均深さ3μm、平均長径30μm、及び数密度が18320個/cm2の凹部を形成した以外は導電性基体(1)と同様に導電性基体(8)を作製した。導電性基体(8)の表面に存在する凹部は、数密度が120個/cm2で平均長径は150μmであった。
ブラスト装置を用いてスラグの表面に平均深さ9μm、平均長径90μm、及び数密度が7240個/cm2の凹部を形成した以外は導電性基体(1)と同様に導電性基体(9)を作製した。導電性基体(9)の表面に存在する凹部は、数密度が52/cm2で平均長径は480μmであった。
ブラスト装置を用いてスラグの表面に平均深さ13μm、平均長径130μm、及び数密度が4810個/cm2の凹部を形成した以外は導電性基体(1)と同様に導電性基体(10)を作製した。導電性基体(10)の表面に存在する凹部は、数密度が30個/cm2で平均長径は550μmであった。
ブラスト装置を用いてスラグの表面に平均深さ1μm、平均長径10μm、及び数密度が13800個/cm2の凹部を形成した以外は導電性基体(1)と同様に導電性基体(11)を作製した。導電性基体(11)の表面に存在する凹部は、数密度が90個/cm2で平均長径は45μmであった。
(電子写真感光体(1)の作製)
−下引層の形成−
酸化亜鉛:(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m2/g)100質量部をトルエン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(商品名:KBM603:信越化学工業社製、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)1.3質量部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛を得た。
前記表面処理を施した酸化亜鉛110質量部を500質量部のテトラヒドロフランと攪拌混合し、アリザリン0.6質量部を50質量部のテトラヒドロフランに溶解させた溶液を添加し、50℃にて5時間攪拌した。その後、減圧ろ過にてアリザリンを付与させた酸化亜鉛をろ別し、さらに60℃で減圧乾燥を行いアリザリン付与酸化亜鉛を得た。
このアリザリン付与酸化亜鉛60質量部と硬化剤(ブロック化イソシアネート、商品名:スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製):13.5質量部と、ブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−1、積水化学工業社製)15質量部と、をメチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部と、メチルエチルケトン:25質量部と、を混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い、分散液を得た。
得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート:0.005質量部、及びシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール145、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):40質量部を添加し、下引層形成用塗布液を得た。この下引層形成用塗布液を浸漬塗布法にて導電性基体(1)上に塗布し、170℃、40分の乾燥硬化を行い、厚さ20μmの下引層を得た。
電荷発生物質としてのCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(商品名:VMCH、日本ユニカー社製)10質量部、n−酢酸ブチル200質量部からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液にn−酢酸ブチル175質量部、メチルエチルケトン180質量部を添加し、攪拌して電荷発生層形成用塗布液を得た。この電荷発生層形成用塗布液を下引層上に浸漬塗布し、常温(25℃)で乾燥して、厚さ0.18μmの電荷発生層を形成した。
電荷輸送材料としてのブタジエン系電荷輸送材料(CT1)「例示化合物(CT1−3)8質量部と、ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)「例示化合物(CT2−2):N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン」32質量部と、結着樹脂としてのビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZの単独重合型ポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量4万)58質量部と、酸化防止剤としてのヒンダードフェノール系酸化防止剤「例示化合物(HP−1)、分子量775」2質量部(全電荷輸送材料合計量に対して5質量%)と、をテトラヒドロフラン340質量部に加えて溶解し、電荷輸送層形成用塗布液を得た。
得られた電荷輸送層形成用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、145℃、30分の乾燥を行うことにより、厚さ24μmの電荷輸送層(CTL−1)を形成した。これにより、電子写真感光体(1)を得た。
電子写真感光体(1)において、表1に示す導電性基体(表1中、「基体」と表記)を用いたこと以外は、電子写真感光体(1)と同様の方法により電子写真感光体(2)〜(7)、(10)、(12)、(13)、(14)を得た。
電子写真感光体(1)において、電荷輸送層(CTL−1)の代わりに電荷輸送層(CTL−2)を用いたこと以外は、電子写真感光体(1)と同様の方法により電子写真感光体(8)を得た。
なお、電荷輸送層(CTL−2)は以下の方法により形成した。
−電荷輸送層(CTL−2)の形成−
電荷輸送材料としてのベンジジン系電荷輸送材料(CT2)「例示化合物(CT2−2)」40部と、結着樹脂としてのビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZの単独重合型ポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量4万)60部と、をテトロヒドロフラン280部及びトルエン120部に十分に溶解混合した後、4フッ化エチレン樹脂粒子10部を加え、さらに混合した。その後、ガラスビーズを用いたサンドグラインダーにて分散し、電荷輸送層形成用塗布液を得た。得られた電荷輸送層形成用塗布液を、上記電荷輸送層(CTL−1)形成用塗布液と同様の手順で電荷発生層上に浸漬塗布し、145℃、30分の乾燥を行うことにより、厚さ24μmの電荷輸送層(CTL−2)を形成した。
電子写真感光体(1)において、導電性基体(6)を用いたこと以外は、電子写真感光体(1)と同様の方法により、導電性基体(6)上に下引層、電荷発生層、及び電荷輸送層を形成した。その後ブラスト装置を用い電荷輸送層の表面に平均深さ8μm、平均長径80μm、及び数密度が12個/cm2の凹部を形成して電子写真感光体(9)を得た。
電子写真感光体(1)において、電荷輸送層(CTL−1)の代わりに電荷輸送層(CTL−3)を用いたこと以外は、電子写真感光体(1)と同様の方法により電子写真感光体(11)を得た。
なお、電荷輸送層(CTL−3)は以下の方法により形成した。
−電荷輸送層(CTL−3)の形成−
電荷輸送層(CTL−1)において、ヒンダードフェノール系酸化防止剤「例示化合物(HP−1)、分子量775」1質量部(全電荷輸送材料合計量に対して2.5質量%)と共に、更に、紫外線吸収剤として、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤「例示化合物(BP−1)」1質量部(全電荷輸送材料合計量に対して2.5質量%)を使用した以外はCTL−1と同様にし、電荷輸送層形成用塗布液を得た。得られた電荷輸送層形成用塗布液を、上記電荷輸送層(CTL−1)形成用塗布液と同様の手順で電荷発生層上に浸漬塗布し、145℃、30分の乾燥を行うことにより、厚さ24μmの電荷輸送層(CTL−3)を形成した。
(クリーニングブレードA(BLD−A)の作製)
まず、ポリカプロラクトンポリオール(ダイセル社製、商品名:プラクセル205、平均分子量529、水酸基価212KOHmg/g)およびポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化製、商品名:プラクセル240、平均分子量4155、水酸基価27KOHmg/g)と、をポリオール成分のハードセグメント材料として用いた。また、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂(綜研化学社製、商品名:アクトフローUMB−2005B)をソフトセグメント材料として用い、上記ハードセグメント材料およびソフトセグメント材料を8:2(質量比)の割合で混合した。
次に、このハードセグメント材料とソフトセグメント材料との混合物100部に対して、イソシアネート化合物として4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名:ミリオネートMT)を6.26部加えて、窒素雰囲気下で65℃で3時間反応させた。尚、この反応で使用したイソシアネート化合物量は、反応系に含まれる水酸基に対するイソシアネート基の比(イソシアネート基/水酸基)が0.5となるよう選択したものである。
続いて、上記イソシアネート化合物を更に34.3部加え、窒素雰囲気下で65℃で3時間反応させて、プレポリマーを得た。尚、プレポリマーの使用に際して利用したイソシアネート化合物の全量は40.56部であった。
次に、このプレポリマーを100℃に昇温し、減圧下で1時間脱泡した。その後、プレポリマー100部に対して、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとの混合物(質量比=60/40)を7.14部加え、3分間泡を含まないように混合し、クリーニングブレード形成用組成物A1を調製した。
次いで、150℃に金型を調整した遠心成形機に上記クリーニングブレード形成用組成物A1を流し込み、1時間硬化反応させた。次いで、120℃で24時間熟成加熱し、冷却した後切断して、長さ8mm、厚さ2mmのクリーニングブレードAを得た。
クリーニングブレードAの硬度(JIS−A)を既述の方法に従いJIS−A硬度計を用いて、クリーニングブレードAの感光体との接触面(接触部)を軸方向に3点測定し、平均値を求めたところ、クリーニングブレードAの硬度(JIS−A)は70であった。以下のクリーニングブレードの硬度(JIS−A)についても同様の方法で測定した。
クリーニングブレードAにおいて、熟成時間を32時間とした以外は、クリーニングブレードAの作製と同様の方法により、クリーニングブレードBを得た。クリーニングブレードBの硬度(JIS−A)は60であった。
クリーニングブレードAにおいて、熟成温度を110℃とした以外は、クリーニングブレードAの作製と同様の方法により、クリーニングブレードCを得た。クリーニングブレードCの硬度(JIS−A)は75であった。
クリーニングブレードAにおいて、熟成温度を100℃とした以外は、クリーニングブレードAの作製と同様の方法により、クリーニングブレードDを得た。クリーニングブレードDの硬度(JIS−A)は80であった。
クリーニングブレードAにおいて、熟成温度を80℃とした以外は、クリーニングブレードAの作製と同様の方法により、クリーニングブレードEを得た。クリーニングブレードEの硬度(JIS−A)は90であった。
クリーニングブレードAにおいて、熟成時間を40時間とした以外は、クリーニングブレードAの作製と同様の方法により、クリーニングブレードFを得た。クリーニングブレードFの硬度(JIS−A)は55であった。
クリーニングブレードAにおいて、熟成温度を105℃とした以外は、クリーニングブレードAの作製と同様の方法により、クリーニングブレードGを得た。クリーニングブレードGの硬度(JIS−A)は77であった。
表3に示す電子写真感光体(表3中、「感光体」と表記)とクリーニングブレードとの組み合わせを実施例1〜実施例12、及び比較例1〜比較例8とした。
(画像欠陥(点欠陥))
22℃/55%RHの環境下において、A4サイズの用紙に、白紙(画像濃度0%)およびベタ画像(画像濃度100%)を1枚ずつ出力し、感光体起因の点欠陥の有無を以下の基準に従って評価した。
−基準−
A:200μm以上の点欠陥なし
B:200μm以上300μm未満の点欠陥が5個以下、かつ300μm以上の点欠陥が未発生
C:300μm以上の点欠陥が発生
5枚のA4サイズの用紙に各々の大きさが200mm×290mmのトナー画像(画像濃度100%)を形成したときに相当するトナー画像を、未転写のままクリーニングブレードでクリーニングした。そして、クリーニング後の感光体表面におけるトナーのすり抜け具合を観察し、以下の基準に従って評価した。
−基準−
A:良好
B:部分的な(全体の10%以下)トナーのすり抜けあり
C:広範な領域にトナーのすり抜けあり
28℃/85%RHの環境下において、A4サイズの用紙に、ハーフトーン画像(画像濃度1%)を100枚出力し、その際のクリーニングブレードが振動することにより発生する高周波の異音の大きさを、以下の基準に従って評価した。
−基準−
A:装置駆動音のみ聞こえる
B:装置駆動音以外わずかにクリーニングブレードの鳴きが聞こえる程度
C:クリーニングブレードの鳴きがひどく誰が確認しても耳障りと判断される水準
高温高湿(28℃、85%RH)、低温低湿(10℃、15%RH)、および中温中湿(22℃、55%RH)のそれぞれの環境において、中央部に画像濃度100%の部分と、これを挟むように2箇所の画像濃度30%の部分とが存在し、かつ全体の画像密度が7.5%の画像(当該画像の概略を図8に示す)を、A4サイズの用紙にプリント枚数5枚の繰り返しで10,000回実施(計50,000枚)し、総計150,000枚(50,000枚×3環境)の出力を行った。
上記試験後、クリーニングブレードの端部の欠け、及び摩耗の発生の有無について観察し、以下の基準に従って評価した。
−基準−
A:感光体との接触面(接触部)をレーザー顕微鏡で観察し、端部の欠け及び摩耗の発生無し
B:微小な端部の欠け及び摩耗の少なくとも一方が発生したが、画像上問題なし。
C:端部の欠け及び摩耗の少なくとも一方が発生し、縦筋の画像不良が発生。
また、本実施例は、比較例に比べ、クリーニングブレードの損傷、つまり、クリーニングブレードの端部の欠け及び摩耗の少なくとも一方の発生が抑制されたことがわかる。
また、本実施例は、感光体起因の点欠陥も抑制されたことがわかる。
Claims (5)
- 表面に点在した複数の凹部を有し、前記凹部の開口の平均長径が50μm以上500μm以下である導電性基体と、前記導電性基体上に配置された感光層と、を有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記電子写真感光体の表面に接触し、前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードであって、少なくとも前記電子写真感光体との接触部がJIS−A硬度が60以上75以下のクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、
を備える画像形成装置。 - 前記凹部の単位面積あたりの数密度が、10個/cm2以上100個/cm2以下である請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記導電性基体の厚さが、0.25mm以上0.8mm以下である請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記感光層が、下記一般式(CT1)で示される電荷輸送材料と、下記一般式(CT2)で示される電荷輸送材料と、分子量300以上のヒンダードフェノール系酸化防止剤およびベンゾフェノン系紫外線吸収剤よりなる群から選択される少なくとも1種と、を含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(一般式(CT1)中、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基同士が結合して炭化水素環構造を形成してもよい。n及びmは、各々独立に、0、1又は2を表す。)
(一般式(CT2)中、RC21、RC22、及びRC23は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上10以下のアリール基を表す。) - 表面に点在した複数の凹部を有し、前記凹部の開口の平均長径が50μm以上500μm以下である導電性基体と、前記導電性基体上に配置された感光層と、を有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面に接触し、前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードであって、少なくとも前記電子写真感光体との接触部がJIS−A硬度が60以上75以下のクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
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