JP4432167B2 - 薄肉円筒体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄肉の金属円筒体の製造方法に関し、さらに詳しくは円筒形の金属素管又は円筒形状の金属素管から、しごき加工法による薄肉円筒体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
円筒形素管から表面平滑で真円度が高い、複写機やプリンター等の画像形成装置に使用される感光ドラム基材等の薄肉円筒体を作成する方法として、素管の一方の開口端に、中心角が90度程度の断面長さが短いカール部を形成して、パンチの先端部をカール部に押し当てて、しごき加工を単独のダイスによって行う方法が提案されている(特開平7−68326号公報)。この方法は、上記公報の実施例に記載のような素管の肉厚が3.0mmと厚く、しごき加工後の円筒体の肉厚も1.1mm(圧下率:62.3%)と比較的厚い場合には、パンチ表面を粗面化する等して満足な製品を得ることができる。
【0003】
しかしながら最近、可撓性の感光ドラムを複写機等の画像形成装置に使用することが提案されている(例えば特開平10−10823号公報)。この場合、肉厚が薄く(例えば20〜200μm)、かつ比較的長い(例えば約25〜50cm)薄肉円筒体の感光ドラム基材を用いることになる。
このように極薄の薄肉円筒体をしごき加工によって製造するために、素管の肉厚を薄くしたり、1回のしごき率を大きくしたりすると、しごき加工時にパンチ先端部による負荷にカール部が耐えられず、カール部が変形してパンチが抜けてしまい、工具の破損や生産停止を招いて生産性が低下するという問題を生じ易い。
【0004】
更に上記のように形成される薄肉円筒体が長い場合には、上記特開平7−68326号公報に示されるように、薄肉円筒体の開口端面にストリッピング装置(図6のストッパ3)を係合させてパンチを抜き取る際に、抜き出し抵抗が大きいので、開口部近傍が座屈したり、真円度が低下して、開口部近傍のトリム長さが大きくなって、製品歩留まりが低下したり、感光ドラムとしての規定の長さが得られないという問題を生じ易い。また上記のようにしごき加工を単独のダイスによって行う場合は、仮に満足に抜き出しができたとしても、薄肉円筒体毎の真円度のばらつきが大きいという問題があることが判明した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、金属素管および形成される薄肉円筒体の肉厚が薄い場合でも、工具の破損や生産停止を招くおそれがない、金属素管からしごき加工法により比較的長い薄肉円筒体を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、さらに形成された薄肉円筒体からパンチを抜き出す際に開口部近傍が座屈するおそれがない、金属素管からしごき加工法により比較的長い薄肉円筒体を製造する方法を提供することを次の目的とする。
本発明は、次に製造された薄肉円筒体毎の真円度のばらつきが小さい、金属素管からしごき加工法により比較的長い薄肉円筒体を製造する方法を提供することを他の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係わる発明の薄肉円筒体の製造方法は、円筒形の金属素管の一方の開口端の内面側に、又は一方の開口部に内向きフランジ部を有する円筒形状の金属素管の該開口部の内面側に、円環状の空間部を有する折り返し部を形成し、空間部にしごきパンチの中空円筒形状の突起部を挿入して、折り返し部に係合させてしごきパンチを前進させ、前側しごきリングと後側しごきリングを有し、前側しごきリングでしごき加工中に、後側しごきリングでしごき加工が行われるように前側しごきリングと後側しごきリングが配設されたダブル・しごきリングのみ、または最前端に配置されたダブル・しごきリングと1個以上のしごきリングとの協同によりしごき加工を行ってしごき成形体を形成し、しごき成形体からしごきパンチを抜き出した後、しごき成形体の両端部をトリムすることを特徴とする。
【0007】
金属としては、アルミニウム、アルミニウム合金、低炭素鋼、ぶりき、ニッケルめっき鋼板、ステンレス鋼、銅、真鍮、ニッケル等が適宜採用される。
内向きフランジ部を有する円筒形状の金属素管は、例えば後述の段落番号0052の実施例2に記載のように、ブランクより形成された絞り成形体又は再絞り成形体の底部に円形孔を形成することによって得ることができる。
折り返し部とは、その先端部(端面)が、断面直線の側壁部の下端を結ぶ平面上、またはこの平面よりも他方の開口端又は開口部側に位置するまで、内部に空間部を有するように、皺を生じない範囲で折り返された部分をいう。
薄肉円筒体の肉厚は、通常0.05〜1.0mmである。
【0008】
請求項1に係わる発明の場合、空間部にしごきパンチの中空円筒形状の突起部を挿入して、折り返し部に係合させてしごき加工を行なうのであるが、折り返し部の肉厚は、金属素管又はブランクの厚さに等しいので厚く、しかも折り返し部の断面係数は大きい。従ってしごき加工の際に、折り返し部がしごきパンチの突起部の負荷によって変形することが起こり難いので、この変形によるしごきパンチの抜けが生じ難い。そのためパンチの抜けによる工具の破損や生産停止が
起こり難い。
【0009】
しごき成形体は折り返し部を備えているので、しごき成形体を形成した後、折り返し部の端面にストリッパー装置のフィンガーを係合させて、しごき成形体からしごきパンチを抜き出すことができる。折り返し部は厚く、かつ断面係数が大きいので、しごきパンチをしごき成形体から抜き出す時の摩擦抵抗が大きい場合でも、抜き出しは可能である。この場合フィンガーはしごき成形体の開口端面に係合しないので、抜き出し抵抗が大きい場合でも、開口端部が座屈することはない。
【0010】
前側しごきリングと後側しごきリングを有し、前側しごきリングでしごき加工中に、後側しごきリングでしごき加工が行われるように前側しごきリングと後側しごきリングが配設されたダブル・しごきリングのみ、または最前端に配置されたダブル・しごきリングと1個以上のしごきリングとの協同によりしごき加工を行う。すなわち前側しごきリングでしごき加工中に、後側しごきリングでしごき加工が行われるので、前側しごきリングのアプローチ部入口側におけるしごき成形体の円周方向の材料の流れが、後側しごきリングによって抑制され、上記流れが主として軸方向に向かう。そのためしごき成形体の真円度が良好になると共に、真円度の各薄肉円筒体毎のばらつきが小さくなる。真円度は0ではないので、横断面は通常極く僅かに楕円状になるが、高さ方向の各横断面において楕円の長軸方向がほぼ揃う。そのためと思われるが、薄肉円筒体を画像形成装置に取り付けるための中間部材として、端部体(図20の60参照)を両開口端部に嵌入した時の真円度が良好になり、かつ各薄肉円筒体毎の真円度のばらつきも小さくなる。
【0011】
請求項1に係わる発明は、折り返し部が、環状溝部よりなる薄肉円筒体の製造方法である。環状溝部とは、折り返し部の先端部(端面)が、断面直線の側壁部の下端を結ぶ平面上にある場合をいう。環状溝部の断面形状は、半円形、半楕円形等適宜の形状をとることができる。環状溝部は、カール部よりも断面係数が大きい。
請求項2に係わる発明は、折り返し部が、環状溝部及び環状溝部に連接する短円筒形状部又は台形部よりなる請求項1記載の薄肉円筒体の製造方法である。短円筒形状とは、短円筒形又は短円筒形に近い形状をいう。環状溝部に短円筒形状部又は台形部が連接しているので、請求項1に係わる発明の場合よりも断面係数が大きい。短円筒形状部が連接している場合は、台形部が連接している場合よりも断面係数が大きい。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、金属素管の上方の端部に折り返し部を形成するための第1の工程を行う前の状態を示す図面である。図1において、1は長尺の金属パイプから所定の長さに、軸方向直角に切断された金属素管である。2はダイであって、円筒形の台部2aと、台部2aに固着された成形部2bよりなっている。成形部2bは、高さが素管1の高さの半分より僅かに大きい円筒形基部2b1と、基部2b1に接続する先細のテーパ部2b2よりなっている。円筒形基部2b1の外周面は、金属素管1がほぼぴったりと外挿されるように、外径が金属素管1の内径より極く僅かに小さく定められている。テーパ部2b2のテーパ角は極く小さく、1〜5度程度である。成形部2bの先端に、テーパ部2b2を外周面とする環状突起部2cが形成されている。環状突起部2cは、テーパ部2b2に連接する断面半円形の曲率部2c1と、曲率部2c1の内側端部に接続する短円筒形部2c2を備えている。
【0013】
上下動可能の曲げ工具3は、凹部3aおよび凹部3aの上部に形成されたエア抜き用透孔3bを備えている。凹部3aは、下方から金属素管1の導入を容易にするためのテーパ角が大きいテーパ部3a1、テーパ部3a1に接続するテーパ角が極く小さい円筒形状部3a2、円筒形状部3a2に接続する曲率部3a3および曲率部3a3に接続する僅かに半径方向上方に傾斜して、透孔3bの周面下端まで延びる環状上面部3a4よりなっている。金属素管1,ダイ2および曲げ工具3は、図示されない装置によって、金属素管1が中間に位置するように図示のように同軸に配設されている。
【0014】
図示されない装置によって、金属素管1を降下させてダイ2の成形部2bに外挿した後、図示されない装置によって、曲げ工具3を降下させて、凹部3aを素管1の上端部に外挿し、上端部を、曲率部3a3および環状上面部3a4によって上端部が半径方向内方に向かう内向きフランジ部4が形成されるまで、押圧具(図示されない)によって押圧する。図2は、押圧が終了した後の状態を示したものであり、素管1の上部に内向きフランジ部4が形成されている。
【0015】
図3は、金属素管の上方の端部に折り返し部を形成するための最終の工程を行う前の状態を示す図面である。2は、図1に示すダイであり、その上方に内向きフランジ部4を形成された素管1が、図示されない装置によって支持されて配設されている。金属素管1の上方に折り返し部形成工具5が配設されている。
【0016】
折り返し部形成工具5は、折り返し部形成用凹部6を備えている。折り返し部形成用凹部6は、折り返し部形成工具5の下面から上方に極く僅かなテーパ角度で延びる導入用台形部6a、台形部6aの上方端部に接続する断面半円形の曲率部6b、曲率部6bの内側端部に接続する短円筒部6cおよび短円筒部6cに曲率部を介して接続する軸方向に垂直な平面部6dを備えている。平面部6dの中央を通って、エア抜き孔6eが軸方向に延びている。台形部6a上端の内径は、金属素管1の外径に実質的に等しく定められている。曲率部6bの曲率半径は、(ダイ2の曲率部2c1の曲率半径+金属素管1の肉厚)に等しく定められている。短円筒部6cの長さは、形成される折り返し部7bの皺が生じない範囲内の短円筒部7b2の最大長さよりも若干長いことが望ましい。
【0017】
図示されない装置によって、内向きフランジ部4を形成された金属素管1を降下させてダイ2の成形部2bに外挿した後、図示されない装置によって、折り返し部形成工具5を降下させて、凹部6を素管1の上端部に外挿した後、押圧具(図示されない)によって押圧して、フランジ部4を、ダイ2の環状突起部2cと折り返し部形成工具5の短円筒部6cの協同によりフランジ部4を垂下するまで折り曲げて、曲率部7b1と短円筒部7b2よりなる折り返し部7b、および側壁部7aを有するしごき素体7を形成する。
【0018】
押圧が終了した後の状態を示した図4では、金属素管1が、曲率部7b1と短円筒部7b2よりなる折り返し部7bと、側壁部7aを有するしごき素体7に形成されている。図5は、図4に示すしごき素体7をダイ2から抜き出して、折り返し部7bが下部になるように倒立させて示したものである。側壁部7aの下方部と折り返し部7bとの間に、空間部7cが形成されている。
【0019】
しごき素体7のしごき加工は、しごき装置のパンチのストロークが十分に長い場合は、1工程で行うことができる。例えばダブル・しごきリング55のみでしごき加工を行う場合は1工程で行う。しかし上記ストロークが短い場合は、数工程に分けてしごき加工を行ってもよい。この場合、ダブル・しごきリング55でのしごき加工は最後の工程で行う。
次に2工程でしごき加工を行う場合の例について説明する。図6は、第1工程でしごき素体7をしごき加工する直前の状態を示す図面である。上方から第1のしごきパンチ10、しごき素体7、第1のしごきリング11,第2のしごきリング12、第3のしごきリング13および第1のストリッパー装置14が同軸に配設されている。各しごきリング11,12,13は、各しごきリングに対応する冷却潤滑液噴射装置を備える保持装置(図示されない)によって保持されている。なおしごきリングの数は、各しごきリングによるしごき率及び全しごき率、並びにしごき装置のストローク長さ等に応じて適宜に定められる。
【0020】
第1のしごきパンチ10の胴部10aの外径は、胴部10aがしごき素体7の側壁部7aにほぼぴったりと嵌入できるように、しごき素体7の側壁部7aの内径より極く僅かに小さく定められている。第1のしごきパンチ10の下端部は中空円筒形状の突起部10bとなっている。第1のしごきパンチ10の上記嵌入が容易に行われるように、突起部10bの外面10b1は、僅かに下細の逆台形となっている。突起部10bの下端部は、しごき素体7の空間部7cにほぼぴったりと入るように、空間部7cと実質的に同形,同寸になるように定められている。突起部10bの内面10b3の高さは、しごき素体7の折り返し部7bの接地面からの高さより大きく定められている。
【0021】
図示できる図面のサイズの都合で、各しごきリング11,12,13間の間隔L1およびL2は、図6では小さくなっているが、実際は上記間隔は図示の夫れよりも遙かに大きい。すなわち間隔L1は、しごき素体7が第1のしごきリング11のしごき部11b(所謂短円筒形のランド部)を通過し終わった後に、第2のしごきリング12のしごき部12bに入るように定められている。同様にして、間隔L2は、第2のしごきリング12で形成された中間しごき成形体(図示されない)が、第2のしごきリング12のしごき部12bを通過し終わった後に、第3のしごきリング13のしごき部13bに入るように定められている。第3のしごきリング13とストリッパー装置14の支持体19上面間の間隔L3も、第3のしごきリング13で形成された中間しごき成形体21(図7参照)の高さより大きく定められている。
【0022】
図7は、第2工程で中間しごき成形体21をしごき加工する直前の状態を示す図面である。上方から第2のしごきパンチ100、中間しごき成形体21、第4のしごきリング54,ダブル・しごきリング55の後側しごきリング56,前側しごきリング57および第2のストリッパー装置114が同軸に配設されている。各しごきリング54,56,57は、各しごきリングに対応する冷却潤滑液噴射装置を備える保持装置(図示されない)によって保持されている。なおしごきリングの数は、各しごきリングによるしごき率及び全しごき率、並びにしごき装置のストローク長さ、並びに形成される最終しごき成形体28の長さ等に応じて適宜に定められる。例えば第4のしごきリング54とダブル・しごきリング55の間に第5のしごきリング(図示されない)を設けてもよい。
【0023】
第2のしごきパンチ100は、中間しごき成形体21の内径がしごき素体7の内径より小さいのに応じて、その胴部10aの外径が小さい点を除いては、形状、構造等は、第1のパンチ10と同様である。すなわち第1のパンチ10の記号と同一の部分は同様な部分を示す。第4のしごきリング54とダブル・しごきリング55間の間隔L4は、中間しごき成形体21が第4のしごきリング54のしごき部54bを通過し終わった後に、後側しごきリング56のしごき部56bに入るように定められている。しごき加工を1工程で行う場合は、第3のしごきリング13と第4のしごきリング54間の間隔は、中間しごき成形体21が第3のしごきリング13のしごき部13bを通過し終わった後に、第4のしごきリング54のしごき部54bに入るように定められている。
【0024】
後側しごきリング56と前側しごきリング57間の間隔L5は、前側しごきリング57のしごき部57bによって最終しごき加工が行われている間に、後側しごきリング56のしごき部56bでもしごき加工が行われる程度に小さい、好ましくは後側しごきリング56と前側しごきリング57の間で、最終しごき成形体28に冷却潤滑液を噴射することが可能の範囲でできるだけ小さいことが望ましい。しごき部56bとしごき部57b間の間隔L6が小さい程、前側しごきリング57のアプローチ部57aにおける中間しごき成形体21の円周方向の材料の流れが後側しごきリング56によって抑制され易くなり、上記流れが主として軸方向に向かうようになる。そのため最終しごき成形体28の真円度が良好になると共に、真円度の各最終しごき成形体28毎のばらつきが小さくなるからである。
【0025】
しごき部56bとしごき部57b間の間隔L6は、通常好ましくは10〜50mmである。第2のストリッパー装置114において、第1のストリッパー装置14と同一の記号の部分は同様の部分を示す。前側しごきリング57とストリッパー装置114の支持体19上面間の間隔L7も、ダブル・しごきリング55で形成された最終しごき成形体28の高さより大きく定められている。
【0026】
金属素管がアルミニウムまたはアルミニウム合金よりなる場合は、破断防止等のため、40℃における動粘度が15〜150mm2/秒の潤滑剤を冷却潤滑液として用いるのが好ましい。水エマルジョン又は水溶液を冷却潤滑液として用いる場合は、動粘度が30〜300mm2/秒の潤滑剤を希釈して冷却潤滑液とするのが好ましい。
【0027】
かつ上記の場合は、各しごきリングのアプローチ部のアプローチ角α(図7参照)が2〜10度であるのがしごき加工中の破断防止等の観点から望ましい。また前側しごきリング57でのしごき率が20〜50%、後側しごきリング56でのしごき率が10〜50%であるのが好ましい。前側しごきリング57でのしごき率が20%より小さいと、最終しごき成形体28の真円度が悪くなり、一方50%より大きいと、破断を生じ易くなるからである。同様に、後側しごきリング56でのしごき率が10%より小さいと、最終しごき成形体28の真円度が悪くなり、一方50%より大きいと、破断を生じ易くなるからである。
【0028】
図8は、しごきパンチ100の突起部10bが折り返し部7bと係合し、矢印方向に前進して、中間しごき成形体21が最終しごき成形体28に形成される過程を示す。すなわち図8、▲1▼は、中間しごき成形体21がしごき部56bおよび57bによって同時にしごき加工を受けている状態を示す。この状態では、前側しごきリング57のアプローチ部57aにおけるしごき成形体21の円周方向の材料の流れが後側しごきリング56によって抑制され易くなり、上記流れが主として軸方向に向かうようになるため、最終しごき成形体28の真円度が良好になると共に、真円度の各最終しごき成形体28毎のばらつきが小さくなる。
【0029】
図8、▲2▼は、しごきパンチ100が矢印方向に更に前進して、中間しごき成形体21の端面21aがしごき部56bを離れようとする時点の状態を示す。この状態では、アプローチ部57aにおけるしごき成形体21の円周方向の材料の流れを後側しごきリング56が殆ど抑制しなくなるので、この状態でしごき加工された最終しごき成形体28の部分の真円度が低下し、また各最終しごき成形体28毎にこの部分の真円度のばらつきが大きくなる。
【0030】
図8、▲3▼は、端面21aがしごき部56bを離れ、しごき部57に接近している状態を示す。この場合も、この状態以後にしごき加工された最終しごき成形体28の部分の真円度が低下し、また各最終しごき成形体28毎にこの部分の真円度のばらつきが大きくなる。従って最終しごき成形体28の開口端部側のトリムは、図8、▲2▼において、しごき部57bに接触している部分より若干前方の位置58において行うのが好ましい。
【0031】
ダブル・しごきリングは、図9に示すように一体構造になっているものでもよい。この場合ダブル・しごきリング65の冷却潤滑液の噴射孔66の上の部分67が後側しごきリングになり、下の部分が前側しごきリング68になる。67bは、後側しごきリングのしごき部であり、68bは、前側しごきリング68のしごき部である。
【0032】
図6において、ストリッパー装置14は、複数(n)個(本実施の形態ではn=8)のフィンガー15,フィンガー15によって包囲され、上下動可能の漏斗状の中子16,フィンガー15を中子16に対して半径方向内方に弾性的に押圧するリングばね17およびフィンガー15の主部15dを保持する円筒函状の保持具18を備えている。保持具18の底部中央には、中子挿通用の透孔18bが形成されている。
【0033】
図10および図11に明示されるように、中子16は、上方の逆円錐台状部16aと、逆円錐台状部16aの下端に接続するロッド部16bを備えている。逆円錐台状部16aの周面にはn個の縦浅溝16a1が周方向に等間隔に形成されている。ロッド部16bは、支持体19の透孔19aを通って、(図示されない)シリンダーのピストンロッド20によって、適切なタイミングで上下動するようになっている。従って逆円錐台状部16aも適切なタイミングで上下動する。
フィンガー15は、縦浅溝16a1にほぼぴったりと係合して、摺動可能な部分を有する内方凸部15a、外周が円弧形で、下面が平坦な爪部15b1となる上部外方突出部15bを備えている。フィンガー15が拡開した状態(図10の状態)で、爪部15b1が折り返し部7bの端面7dに係合するように、フィンガー15の形状、寸法が定められている。
【0034】
上部外方突出部15bの直下に、リングばね17挿入用の環状溝15cが設けられている。環状溝15cの下部は、外周面の断面が円弧形の主部15dとなっており、中子16が下降して、フィンガー15が拡開した時に主部15dの外周面と保持具18の側壁部18aの内面が接触するように構成されている。この接触、およびピストンロッドによる中子16を押し下げる力のため、爪部15b1に押し上げ力が加わっても、爪部15b1は上昇しない。
【0035】
図6の状態より、しごき素体7からの薄肉円筒体22の形成は次のようにして行われる。なお図6においては、中子16は上昇位置にあって、フィンガー15は収縮していて、爪部15b1の先端部直径は、折り返し部の短円筒部7b2の内径より極く僅かに小さくなっている。先ず第1のパンチ10が降下、前進して突起部10bがしごき素体7の空間部7cに挿入される。この状態のままパンチ10の前進は続いて、しごき素体7の側壁部7aは、第1のしごきリング11、第2のしごきリング12および第3のしごきリング13によってしごかれて肉厚が次第に減少し、かつ長くなって、中間しごき成形体21が形成され、折り返し部7bはストリッパー装置14に接近する。しかし図12に示すように、折り返し部7bの肉厚は元の厚さを保って厚いままである。
【0036】
第1のパンチ10が更に前進して下死点に達すると、図13に示すように、折り返し部7bの接地部が支持体19の上面19aに接近する。同時に中子16が降下してフィンガー15が拡開して、爪部15b1が折り返し部の端面7dの上方に来る。直ちにパンチ10が上昇を開始すると、爪部15b1と折り返し部の端面7dが係合して(図10)、折り返し部7はこの位置に止まるので、図14に示すように、第1のパンチ10は中間しごき成形体21から容易に抜き出される。その後、フィンガー15は収縮して中間しごき成形体21は引き上げられる。
【0037】
次にしごき成形体21は、図7に示す装置で、段落番号0035〜0036に記載の方法と同様にしてしごき成形され、中間しごき成形体21より長く、かつ径の小さい最終しごき成形体28が形成される。最終しごき成形体28は、開口端部近傍と折り返し部7b近傍の側壁部をトリムされて、図15に示されるような薄肉円筒体22となる。トリムは、ワイヤ放電加工法その他機械的の公知の方法で行われる。
【0038】
ストリッパー装置114を用いることなく、図16に示すような、絞りーしごき缶成形の際に用いられる公知のストリッパー装置23(例えば特公昭60−133号公報に記載のもの)を用いて、そのフィンガー24を最終しごき成形体28の開口部端面28aに係合させてパンチ10の抜き出す場合は、次のような問題が起こる。最終しごき成形体28の側壁部28bが極く薄く(例えば約0.1〜0.3mm)、かつ比較的長い(例えば約35〜50cm)時は、抜き出し抵抗が大きいため、開口端部28cに座屈変形が生じたり、真円度が低下したりし易いので、開口端部28c近傍のトリム長さが大きくなるため、歩留まりが低下するのみならず、製品の規定長さが得られなくなるおそれがある。また開口端部28cが第2のしごきパンチ100とフィンガー24の間に食い込んでストリッパー装置23が破損して生産が停止するおそれがある。
【0039】
図17に示すように、突起部30bの外径、および形成される薄肉円筒体22’の開口端部に対応する部分30cの外径を主部30aの外径より若干小さくした最終しごきパンチ30を用いることによって、両開口端部が比較的肉厚で、変形抵抗が改善された薄肉円筒体22’を形成することができる。なお1点鎖線で示す31および32は、しごきパンチ30をしごき成形体28’から抜き出した後にトリムする部分を示す。
【0040】
図18に示すように、しごきパンチ10および中子16にそれぞれ、同軸で同径の貫通孔10cおよび16c、並びに貫通孔10c、16cをぴったりと挿通して所定のタイミングで上下動可能の心棒25を設け、パンチ10を抜き出す時に、心棒25がパンチ10を案内、支持するようにして、片持ち支持のパンチ10の揺れを防止して、しごき成形体21に歪みが生じないようにすることができる。パンチ10が降下中は、図10に示すように心棒25の上端は中子16の上面より僅か上方に位置し、パンチ10が上昇を開始する時点には、図12に示すように心棒25の上端は貫通孔10cの下部に挿通し始め、以降心棒25はパンチ10より速い速度で上昇して、パンチ10を支持する。このように心棒25を設けることは、しごき成形機が横置きタイプで、パンチ10が重力で撓み易い場合に特に有効である。
【0041】
なお26は中子16の下端に着設されたフランジ部、37はフランジ部26の下面に着設された複数のピストンロッド、38はシリンダー、39は、その上面にピストンロッド37が着設されるディスク、39aはOリング,40は心棒25が挿通する、シリンダー38に設けられた中央孔である。上記の構成が、図7の第2工程にも採用できることはいうまでもない。
【0042】
【実施例】
実施例1:押出し、引抜き加工によって形成された長さが70.5mm、内径が66.1mm、肉厚が1.2mmのアルミニウム合金管(JIS H 4080 合金番号3003 H14)を円筒形素管1として用いた。
この素管1から図1,図3に示す工具を用いて、図2、図4に示す方法で、しごき素体7を形成した。折り返し部7bの曲率部7b1の内面曲率半径r1は2.7mm、短円筒部7b2の高さhは5.0mmであった(図5参照)。このしごき素体7を図6および図7に示すしごき装置で2工程のしごき加工を行った。2回に分けたのは、使用したプレスのストロークの制約のためである。
【0043】
第1工程のしごき加工に用いたパンチ10の胴部10a(表面粗さは、最大高さRy=0.26μm)の外径は66.05mm、突起部10bの曲率部10b2の曲率半径は2.7mm、内面10b3の接地部からの高さは28mmであった。第1しごきリング11のしごき部11b、第2しごきリング12のしごき部12bおよび第3しごきリング13のしごき部13bの内径はそれぞれ、67.86mm、67.41mmおよび67.07mmであった。第1しごきリング11と第2しごきリング12間の間隔L1は150mm、第2しごきリング12と第3しごきリング13間の間隔L2は230mmであった。第1のしごきリング11、第2のしごきリング12および第3のしごきリング13のアプローチ角αは8度であった。
【0044】
第2工程のしごき加工に用いたパンチ100の胴部10a(表面粗さは、最大高さRy=0.26μm)の外径は65.95mm、突起部10bの曲率部100b2の曲率半径は2.4mm、内面10b3の接地部からの高さは28mmであった。第4しごきリング54のしごき部54b、後側しごきリング56のしごき部56bおよび前側しごきリング57のしごき部57bの内径はそれぞれ、66.62mm、66.40mmおよび66.25mmであった。第4しごきリング54と後側しごきリング56間の間隔L4は、375mm、後側しごきリング56と前側しごきリング57間の間隔L5は6mmであり、しごき部56bとしごき部57b間の間隔L6は25mmであった。第4のしごきリング54のアプローチ角αは8度であり、後側しごきリング56と前側しごきリング57のアプローチ角αは4度であった。後側しごきリング56および前側しごきリング57でのしごき率はそれぞれ、32.8%および33.3%であった。
【0045】
しごき加工の際に用いた冷却潤滑液は、日本クエーカーケミカル(株)製、「J 602A(製品番号:40℃での動粘度:68mm2/秒)」であった。上記の条件で、第1工程および第2工程のしごき加工を行った。
パンチ100から抜き出れた最終しごき成形体28の高さは約370mmであった。最終しごき成形体28は、底部からの高さ約320mmより上部の部分は、ダブル・しごきリング55によるしごき加工が行われないので、高さ315mmの位置でワイヤ放電加工法によってトリムした。また底部側も同様にしてトリムして長さ295mmの薄肉円筒体22を製造した。薄肉円筒体22の平均肉厚は0.15mmで、偏肉(肉厚のばらつき)は0.010mmであった。
【0046】
上記の条件で10個(No.1〜10)の薄肉円筒体22のサンプルを作成した。図19に示すフリー状態、および図20に示す両開口端部にフランジ部60a付き端部体60(薄肉円筒体22を軸部に着設するためのもの)を嵌入した(嵌入深さd=10mm)状態で、位置A(図19の左側の開口端部から27.5mmの位置)、B(同87.5mmの位置)、C(同147.5mmの位置)、D(同207.5mmの位置)およびE(同267.5mmの位置)において真円度を測定した。測定器としては、(株)ミツトヨ製の非接触型真円度円筒測定器RL-101を用いた。結果を表1に示す。更に各サンプルについて表面粗さを、東京精密(株)製表面粗さ形状測定器575Aー3DFを用いて測定したが、何れのサンプルについても最大高さRyは1μm以下であった。
【0047】
【表1】
Figure 0004432167
【0048】
表1において、「最大値」とは、各サンプルの位置A、B、C、D、Eの真円度の中の最大の真円度をいい、単位はmmである。例えばサンプルNo.1のフリー状態の場合、位置Eにおいて、最大の真円度が得られ、その値が0.08mmであることを示す。「評価」については、10個のサンプルの最大値が全て0.10mm以下の場合を○とし、1個のサンプルでも最大値が0.10mmを越えるものが有った場合は、×とした。
【0049】
比較例1:第2工程で、ダブル・しごきリング55の後側しごきリング56と前側しごきリング57を、両者の間隔L5が230mmになるように離し、かつ第4のしごきリング54と後側しごきリング56の間隔L4を150mmとした点以外は、実施例1と同様にしてしごき加工を行い、最終しごき成形体28を形成し、実施例1と同様にしてトリムして長さ295mmの薄肉円筒体22を製造した。薄肉円筒体22の平均肉厚は0.15mmで、偏肉は0.009mmであった。
【0050】
実施例1と同様にして10個(No.11〜20)の薄肉円筒体22のサンプルを作成し、真円度を測定した。結果を表2に示す。真円度のばらつきが実施例1の場合よりも大きく、評価は×であった。各サンプルについて表面粗さを、東京精密(株)製表面粗さ形状測定器575Aー3DFを用いて測定したが、何れのサンプルについても最大高さRyは1μm以下であった。
【0051】
【表2】
Figure 0004432167
【0052】
実施例2:厚さが0.95mmのアルミニウム合金板(JIS H 4000 合金番号3004 H12)から、直径161mmのブランクを打抜き、このブランクを内径87mmの絞り成形体に絞り加工した後、内径66.1mmに再絞り加工して得た再絞り成形体の底部に、直径46mmの円形孔を中心が軸心と一致するように形成し、開口端をトリムして、図2の内向きフランジ部4を有する金属素管1と同様の形状の、高さが76mm、側壁部の平均厚さが0.95mmの円筒形状の素管を作成した。内向きフランジ部4の厚さは、元厚と変わらず0.95mmであった。
【0053】
この円筒形状の素管から、図3に示す工具を用いて、図4に示す方法で、しごき素体7を形成した。折り返し部7bの曲率部7b1の内面曲率半径r1は2.7mm、短円筒部7b2の高さhは5.0mmであった(図5参照)。このしごき素体7を、第1工程で第3しごきリング13を用いない点以外は、実施例1と同様にして最終しごき成形体28を形成し、両端をトリムして長さ295mmの薄肉円筒体22を作成した。薄肉円筒体22の平均肉厚は0.15mmで、偏肉は0.007mmであった。
【0054】
実施例1と同様にして10個(No.21〜30)の薄肉円筒体22のサンプルを作成し、真円度を測定した。結果を表3に示す。真円度のばらつきが小さく、実施例1の場合と同等であった。すなわち評価は○であった。各サンプルについて表面粗さを、東京精密(株)製表面粗さ形状測定器575Aー3DFを用いて測定したが、何れのサンプルについても最大高さRyは1μm以下であった。
【0055】
【表3】
Figure 0004432167
【0056】
比較例2:折り返し部7bを形成する代わりに、中心角が90度で、端面がほぼ軸心方向に延びている断面円弧状のカール部を形成して得たしごき素体を用いた点以外は、実施例1と同様の材料および装置を用いてしごき加工を行った。しかし1回目のしごき加工の際に、しごき加工時のパンチ10の突起部10bによる負荷にカール部が耐えず、パンチ10がしごき加工中のしごき素体から突き出て成形ができず、作業を中断した。
【0057】
【発明の効果】
請求項1に係わる発明は次の効果を奏する。
(イ)金属素管および形成される薄肉円筒体の肉厚が薄い場合でも、工具の破損や生産停止を招くおそれがなく、金属素管からしごき加工法により比較的長い薄肉円筒体を製造することができる。
(ロ)形成された薄肉円筒体からパンチを抜き出す際に開口部近傍が座屈するおそれがなく、金属素管からしごき加工法により比較的長い薄肉円筒体を製造するすることができる。
(ハ)金属素管からしごき加工法により製造された比較的長い薄肉円筒体の真円度が良好で、しかも薄肉円筒体毎の真円度のばらつきが小さい。さらに薄肉円筒体の両開口端部に端部体を嵌入した後でも、薄肉円筒体の真円度が良好で、薄肉円筒体毎の真円度のばらつきが小さい。
請求項2に係わる発明は、折り返し部の断面係数が大きいので、請求項1に係わる発明の(イ)、(ロ)の効果を奏するのに寄与する。
請求項3に係わる発明は、請求項2に係わる発明の場合よりも、折り返し部の断面係数が大きいので、請求項1に係わる発明の(イ)、(ロ)の効果を奏するのに更に一層寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における、円筒形の金属素管に折り返し部を形成する第1工程開始前の、装置と金属素管の配置を示す要部縦断面図である。
【図2】図1の装置を用いて、第1工程が終了した直後の状態を示す縦断面図である。
【図3】円筒形の金属素管に折り返し部を形成する第2工程開始前の、装置と第1工程を経た金属素管の配置を示す要部縦断面図である。
【図4】図3の装置を用いて、第2工程が終了して折り返し部が形成された直後の状態を示す縦断面図である。
【図5】第2の工程で形成された折り返し部を有するしごき素体の縦断面図である。
【図6】本発明のしごき加工を行う第1工程で、しごき加工直前の状態を示す説明用縦断面図である。
【図7】本発明のしごき加工を行う第2工程で、しごき加工直前の状態を示す説明用縦断面図である。
【図8】本発明において、ダブル・しごきリングでしごき加工が行われる過程を示す説明用縦断面図である。
【図9】図8に示すダブル・しごきリングと異なる態様の、ダブル・しごきリングの例を示す縦断面図である。
【図10】本発明において、パンチが下死点より極く僅かに上昇して折り返し部とストリッパー装置が係合し始めた時点の状態を示す縦断面図である。
【図11】図10のXI-XI線に沿う横断面図である。
【図12】本発明において、しごき加工が終わり、パンチがストリッパー装置に接近した状態を示す説明用縦断面図である。
【図13】本発明において、パンチが下死点に達した状態を示す説明用縦断面図である。
【図14】本発明において、パンチがしごき成形体から抜き出された状態を示す説明用縦断面図である。
【図15】本発明の方法により形成された薄肉円筒体の縦断面図である。
【図16】従来の方法により、パンチがしごき成形体から抜き出される直前の状態を示す説明用縦断面図である。
【図17】図6に示すしごきパンチと異なる態様の本発明のしごきパンチと、このしごきパンチを用いて形成された、しごきパンチが抜き出される前のしごき成形体を示す縦断面図である。
【図18】図6に示すしごきパンチと更に異なる態様の本発明のしごきパンチが、しごき成形体から抜き出されている途中の状態を示す説明用縦断面図である。
【図19】本発明の方法により製造された薄肉円筒体の、真円度を測定する位置の例を示す縦断面図である。
【図20】 本発明の方法により製造された薄肉円筒体の両開口端部に端部体を嵌入した後に、真円度を測定する位置の例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 金属素管
7b 折り返し部
7b1 曲率部(環状溝部)
7b2 短円筒部(短円筒形状部)
7c 空間部
10 しごきパンチ(第1のしごきパンチ)
10b 突起部
21 しごき成形体(中間しごき成形体)
22 薄肉円筒体
28 しごき成形体(最終しごき成形体)
55 ダブル・しごきリング
56 後側しごきリング
57 前側しごきリング
100 しごきパンチ(第2のしごきパンチ)

Claims (2)

  1. 円筒形の金属素管の一方の開口端の内面側に、又は一方の開口部に内向きフランジ部を有する円筒形状の金属素管の該開口部の内面側に、円環状の空間部を有する折り返し部を形成し、空間部にしごきパンチの中空円筒形状の突起部を挿入して、折り返し部に係合させてしごきパンチを前進させ、前側しごきリングと後側しごきリングを有し、前側しごきリングでしごき加工中に、後側しごきリングでしごき加工が行われるように前側しごきリングと後側しごきリングが配設されたダブル・しごきリングのみ、または最前端に配置されたダブル・しごきリングと1個以上のしごきリングとの協同によりしごき加工を行ってしごき成形体を形成し、しごき成形体からしごきパンチを抜き出した後、しごき成形体の両端部をトリムする薄肉円筒体の製造方法であって、
    前記折り返し部が、環状溝部よりなることを特徴とする薄肉円筒体の製造方法。
  2. 円筒形の金属素管の一方の開口端の内面側に、又は一方の開口部に内向きフランジ部を有する円筒形状の金属素管の該開口部の内面側に、円環状の空間部を有する折り返し部を形成し、空間部にしごきパンチの中空円筒形状の突起部を挿入して、折り返し部に係合させてしごきパンチを前進させ、前側しごきリングと後側しごきリングを有し、前側しごきリングでしごき加工中に、後側しごきリングでしごき加工が行われるように前側しごきリングと後側しごきリングが配設されたダブル・しごきリングのみ、または最前端に配置されたダブル・しごきリングと1個以上のしごきリングとの協同によりしごき加工を行ってしごき成形体を形成し、しごき成形体からしごきパンチを抜き出した後、しごき成形体の両端部をトリムする薄肉円筒体の製造方法であって、
    前記折り返し部が、環状溝部及び環状溝部に連接する短円筒形状部又は台形部よりなることを特徴とする薄肉円筒体の製造方法。
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