JP2020046618A - 電子写真感光体用支持体、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】縞状の濃度ムラが抑制された画像が形成される電子写真感光体が得られる電子写真感光体用支持体を提供する。【解決手段】外周面が切削面である筒状の切削管からなり、前記外周面における軸方向の算術平均うねりWaが0.15μm以下、前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが100以上990以下である電子写真感光体用支持体。【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真感光体用支持体、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
特許文献1には、積層型有機電子写真感光体において、導電性支持体が、最大高さ(Ry)0.8〜1.4μm、平均山間隔(Sm)5〜30μm、中心平均粗さ(Ra)0.10〜0.15μm、十点平均粗さ(Rz)0.7〜1.3μm、ピークカウント(Pc(−0.2〜0.2μm))60〜100の各条件を満足する表面を有し、かつ感光体の最表面層において平均粒子径1nm以上300nm以下の無機粒子が特定の関係式を満足する状態で均一に分散している積層型有機電子写真感光体が開示されている。
特許文献2には、円筒状の支持体および支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体において、支持体の外表面を触針式表面粗さ計により軸方向に測定長さ6.0mmにて測定した際の粗さ曲線上に存在する凹のうち、開口距離30μm以上250μm未満かつ深さ1μm以上5μm未満である凹の個数が10個以上100個以下、開口距離250μm以上400μm未満かつ深さ8μm未満である凹の個数が5個以下、開口距離400μm未満かつ深さ5μm以上8μm未満である凹の個数が5個以下、かつ、開口距離400μm以上または深さ8μm以上である凹の個数が0個である電子写真感光体が開示されている。
電子写真感光体用支持体としては、例えば、素管の外周面を切削した切削管が用いられる。上記切削管は、切削加工により外周面に切削面が形成される過程において、例えばNC(Numerically Control)旋盤等により管を回転しながら加工される。そのため、螺旋状の切削加工跡が軸方向におけるうねりとして外周面に残る場合がある。そして、軸方向におけるうねりを外周面に有する切削管を、電子写真感光体の支持体として用いると、得られた画像内に、上記うねりに対応する縞状の濃度ムラが発生することがある。
本発明は、外周面が切削面であり、前記外周面における軸方向の算術平均うねりWaが0.16μm以上又は前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが100未満である電子写真感光体用支持体に比較して、縞状の濃度ムラが抑制された画像が形成される電子写真感光体が得られる電子写真感光体用支持体の提供することを目的とする。
上記課題は、以下の手段により解決される。
<1>
外周面が切削面である筒状の切削管からなり、前記外周面における軸方向の算術平均うねりWaが0.15μm以下、前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが100以上990以下である電子写真感光体用支持体。
<2>
前記外周面における軸方向の最大高さPzが0.4μm以上である<1>に記載の電子写真感光体用支持体。
<3>
前記外周面における軸方向の最大高さPzが0.5μm以上である<2>に記載の電子写真感光体用支持体。
<4>
前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが130以上250以下である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の電子写真感光体用支持体。
<5>
前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが165以上900以下である<4>に記載の電子写真感光体用支持体。
外周面が切削面である筒状の切削管からなり、前記外周面における軸方向の算術平均うねりWaが0.15μm以下、前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが100以上990以下である電子写真感光体用支持体。
<2>
前記外周面における軸方向の最大高さPzが0.4μm以上である<1>に記載の電子写真感光体用支持体。
<3>
前記外周面における軸方向の最大高さPzが0.5μm以上である<2>に記載の電子写真感光体用支持体。
<4>
前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが130以上250以下である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の電子写真感光体用支持体。
<5>
前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが165以上900以下である<4>に記載の電子写真感光体用支持体。
<6>
外周面が周期的なうねりを軸方向に有する筒状の支持体であって、前記外周面における軸方向の算術平均うねりWaが0.15μm以下、前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが100以上990以下である電子写真感光体用支持体。
<7>
<1>〜<6>のいずれか1つに記載の電子写真感光体用支持体と、
前記電子写真感光体用支持体上に設けられた感光層と、
を有する電子写真感光体。
<8>
電子写真感光体の外周面における軸方向の算術平均粗さRaが0.08μm以下である<7>に記載の電子写真感光体。
外周面が周期的なうねりを軸方向に有する筒状の支持体であって、前記外周面における軸方向の算術平均うねりWaが0.15μm以下、前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが100以上990以下である電子写真感光体用支持体。
<7>
<1>〜<6>のいずれか1つに記載の電子写真感光体用支持体と、
前記電子写真感光体用支持体上に設けられた感光層と、
を有する電子写真感光体。
<8>
電子写真感光体の外周面における軸方向の算術平均粗さRaが0.08μm以下である<7>に記載の電子写真感光体。
<9>
<7>又は<8>に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
<10>
<7>又は<8>に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
<7>又は<8>に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
<10>
<7>又は<8>に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
<1>、<2>、又は<3>に係る発明によれば、外周面が切削面であり、前記外周面における軸方向の算術平均うねりWaが0.16μm以上又は前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが100未満である電子写真感光体用支持体に比較して、縞状の濃度ムラが抑制された画像が形成される電子写真感光体が得られる電子写真感光体用支持体が提供される。
<4>に係る発明によれば、前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが130未満である電子写真感光体用支持体に比較して、より縞状の濃度ムラが抑制された画像が形成される電子写真感光体が得られる電子写真感光体用支持体が提供される。
<5>に係る発明によれば、前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが165未満である電子写真感光体用支持体に比較して、さらに縞状の濃度ムラが抑制された画像が形成される電子写真感光体が得られる電子写真感光体用支持体が提供される。
<4>に係る発明によれば、前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが130未満である電子写真感光体用支持体に比較して、より縞状の濃度ムラが抑制された画像が形成される電子写真感光体が得られる電子写真感光体用支持体が提供される。
<5>に係る発明によれば、前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが165未満である電子写真感光体用支持体に比較して、さらに縞状の濃度ムラが抑制された画像が形成される電子写真感光体が得られる電子写真感光体用支持体が提供される。
<6>に係る発明によれば、外周面が周期的なうねりを軸方向に有する筒状の支持体であり、前記外周面における軸方向の算術平均うねりWaが0.16μm以上又は前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが100未満である電子写真感光体用支持体に比較して、縞状の濃度ムラが抑制された画像が形成される電子写真感光体が得られる電子写真感光体用支持体が提供される。
<7>に係る発明によれば、外周面における軸方向の算術平均うねりWaが0.16μm以上又は前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが100未満である電子写真感光体用支持体を有する場合に比べ、縞状の濃度ムラが抑制された画像が形成される電子写真感光体が提供される。
<8>に係る発明によれば、外周面における軸方向の算術平均粗さRaが0.08μmを超える場合に比べ、より縞状の濃度ムラが抑制された画像が形成される電子写真感光体が提供される。
<7>に係る発明によれば、外周面における軸方向の算術平均うねりWaが0.16μm以上又は前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが100未満である電子写真感光体用支持体を有する場合に比べ、縞状の濃度ムラが抑制された画像が形成される電子写真感光体が提供される。
<8>に係る発明によれば、外周面における軸方向の算術平均粗さRaが0.08μmを超える場合に比べ、より縞状の濃度ムラが抑制された画像が形成される電子写真感光体が提供される。
<9>又は<10>に係る発明によれば、外周面における軸方向の算術平均うねりWaが0.16μm以上又は前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが100未満である電子写真感光体用支持体を有する電子写真感光体を備える場合に比べ、縞状の濃度ムラが抑制された画像が形成されるプロセスカートリッジ又は画像形成装置が提供される。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
[電子写真感光体用支持体]
<第1の態様>
第1の態様に係る電子写真感光体用支持体(以下、「支持体」ともいう)は、外周面が切削面である筒状の切削管からなり、前記外周面における軸方向の算術平均うねりWaが0.15μm以下、前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが100以上990以下である。
第1の態様に係る支持体は、上記構成であることにより、縞状の濃度ムラが抑制された画像が形成される電子写真感光体が得られる。
<第1の態様>
第1の態様に係る電子写真感光体用支持体(以下、「支持体」ともいう)は、外周面が切削面である筒状の切削管からなり、前記外周面における軸方向の算術平均うねりWaが0.15μm以下、前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが100以上990以下である。
第1の態様に係る支持体は、上記構成であることにより、縞状の濃度ムラが抑制された画像が形成される電子写真感光体が得られる。
外周面が切削面である切削管は、切削加工により外周面が形成されたものである。切削加工により外周面が形成される過程においては、例えばNC旋盤等により管を回転しながら加工されるため、螺旋状の切削加工跡が軸方向におけるうねりとして外周面に残る場合がある。そして、軸方向におけるうねりを外周面に有する切削管を、電子写真感光体の支持体として用いると、得られた画像内に、上記うねりに対応する縞状の濃度ムラが発生することがある。特に、小粒子径化されたトナーを含む現像剤を用いて形成された画像においては、縞状の濃度ムラが発生すると粒状性が悪化しやすく、ざらついた画質となりやすい。
上記濃度ムラは、支持体上に形成された感光層の膜厚が、支持体の軸方向において周期的に変動することで、電場のかかり方も軸方向において周期的に異なった状態となることで起こると考えられる。具体的には、相対的に感光層の膜厚が薄い領域において対応する画像の濃度が高くなるため、支持体の軸方向に周期的な濃淡が生じることで、縞状の濃度ムラを有する画像が得られると推測される。
上記濃度ムラは、支持体上に形成された感光層の膜厚が、支持体の軸方向において周期的に変動することで、電場のかかり方も軸方向において周期的に異なった状態となることで起こると考えられる。具体的には、相対的に感光層の膜厚が薄い領域において対応する画像の濃度が高くなるため、支持体の軸方向に周期的な濃淡が生じることで、縞状の濃度ムラを有する画像が得られると推測される。
これに対して、第1の態様では、支持体の外周面における軸方向の算術平均うねりWaが0.15μm以下、前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが100以上990以下である。つまり、第1の態様では、支持体の外周面におけるうねりの高さを低くしつつ、単位長さ当たりの細かい凸部の数をむしろ従来よりも多くしている。その結果、支持体の外周面が粗くても、支持体の外周面に設けられた感光層の膜厚における周期的な変動が小さくなり、膜厚の変動による濃度差が見かけ上認識されにくくなることで、縞状の濃度ムラが抑制され、濃度ムラに起因する粒状性の悪化も抑制されると推測される。
そのため、第1の態様では、支持体の外周面における表面粗さを小さくするための加工方法を用いる必要がなく、低コストかつ高い生産性で、縞状の濃度ムラが抑制される電子写真感光体が得られる支持体が提供される。
ここで、算術平均うねりWaは、JIS B0601(2013)で規定されている、基準長さにおけるうねり曲線の高さの絶対値の平均であり、表面粗さ測定機(サーフコム、東京精密製)によって測定される値である。
また、ピークカウントPPcは、JIS B0601(2013)で規定されている「断面曲線要素に基づくピークカウント数」であり、表面粗さ測定機(サーフコム、東京精密製)によって測定される断面曲線の長さL(L:4mm)に含まれるピークの数である。
また、ピークカウントPPcは、JIS B0601(2013)で規定されている「断面曲線要素に基づくピークカウント数」であり、表面粗さ測定機(サーフコム、東京精密製)によって測定される断面曲線の長さL(L:4mm)に含まれるピークの数である。
算術平均うねりWa及びピークカウントPPcの測定は以下のように行う。
支持体の軸方向における外周面を軸方向の一端から他端まで走査して表面形状(断面曲線)を測定する。なお、軸方向における走査は周方向に10°毎、計36回行う。
なお、測定は、表面粗さ測定機(サーフコム、東京精密製)を用い、測定長さ:4mm、カットオフ波長λc:0.8mm、測定速度:0.60mm/sの条件で行う。
算術平均うねりWa及びピークカウントPPcは、上記走査により得られた断面曲線に基づき算出される。
なお、外周面の少なくとも一部に感光層等の層が形成されている支持体について測定する場合、例えば、層を除去した後に測定を行ってもよい。
支持体の軸方向における外周面を軸方向の一端から他端まで走査して表面形状(断面曲線)を測定する。なお、軸方向における走査は周方向に10°毎、計36回行う。
なお、測定は、表面粗さ測定機(サーフコム、東京精密製)を用い、測定長さ:4mm、カットオフ波長λc:0.8mm、測定速度:0.60mm/sの条件で行う。
算術平均うねりWa及びピークカウントPPcは、上記走査により得られた断面曲線に基づき算出される。
なお、外周面の少なくとも一部に感光層等の層が形成されている支持体について測定する場合、例えば、層を除去した後に測定を行ってもよい。
第1の態様において、支持体の外周面における軸方向の算術平均うねりWa及びピークカウントPPcを上記範囲とする手段は特に限定されるものではなく、例えば、切削加工に用いるバイト(すなわち、刃)として先端が湾曲したものを用い、かつ、バイトの湾曲した面を支持体の外周面に接触しながら切削加工を行う方法等が挙げられる。
<第2の態様>
第2の態様に係る電子写真感光体用支持体(以下、「支持体」ともいう)は、外周面が周期的なうねりを軸方向に有する筒状の支持体であって、前記外周面における軸方向の算術平均うねりWaが0.15μm以下、前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが100以上990以下である。
第2の態様に係る支持体は、上記構成であることにより、縞状の濃度ムラが抑制された画像が形成される電子写真感光体が得られる。
第2の態様に係る電子写真感光体用支持体(以下、「支持体」ともいう)は、外周面が周期的なうねりを軸方向に有する筒状の支持体であって、前記外周面における軸方向の算術平均うねりWaが0.15μm以下、前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが100以上990以下である。
第2の態様に係る支持体は、上記構成であることにより、縞状の濃度ムラが抑制された画像が形成される電子写真感光体が得られる。
ここで、「外周面が周期的なうねりを軸方向に有する」とは、前記外周面における軸方向の算術平均うねりWaが0.15μm以上であることをいう。
外周面が周規定なうねりを軸方向に有する筒状の支持体としては、例えば、外周面が切削面である筒状の切削管が挙げられる。
外周面が周規定なうねりを軸方向に有する筒状の支持体としては、例えば、外周面が切削面である筒状の切削管が挙げられる。
外周面が周期的なうねりを軸方向に有する筒状の支持体を、電子写真感光体の支持体として用いると、得られた画像内に、上記うねりに対応する縞状の濃度ムラが発生することがある。上記濃度ムラの発生機構は、前述の通りである。
そして、第2の態様では、支持体の外周面における軸方向の算術平均うねりWaが0.15μm以下、前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが100以上990以下である。つまり、第2の態様では、支持体の外周面が周期的なうねりを軸方向に有しつつも、うねりの高さを低くし、かつ、単位長さ当たりの細かい凸部の数をむしろ従来よりも多くしている。その結果、支持体の外周面が粗くても、支持体の外周面に設けられた感光層の膜厚における周期的な変動が小さくなり、膜厚の変動による濃度差が見かけ上認識されにくくなることで、縞状の濃度ムラが抑制されると推測される。
なお、算術平均うねりWa及びピークカウントPPcの定義及び測定方法は前述の通りである。
そして、第2の態様では、支持体の外周面における軸方向の算術平均うねりWaが0.15μm以下、前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが100以上990以下である。つまり、第2の態様では、支持体の外周面が周期的なうねりを軸方向に有しつつも、うねりの高さを低くし、かつ、単位長さ当たりの細かい凸部の数をむしろ従来よりも多くしている。その結果、支持体の外周面が粗くても、支持体の外周面に設けられた感光層の膜厚における周期的な変動が小さくなり、膜厚の変動による濃度差が見かけ上認識されにくくなることで、縞状の濃度ムラが抑制されると推測される。
なお、算術平均うねりWa及びピークカウントPPcの定義及び測定方法は前述の通りである。
第2の態様において、支持体の外周面における軸方向の算術平均うねりWa及びピークカウントPPcを上記範囲とする手段は特に限定されるものではなく、例えば、支持体が切削管である場合、切削加工に用いるバイト(すなわち、刃)として先端が湾曲したものを用い、かつ、バイトの湾曲した面を支持体の外周面に接触しながら切削加工を行う方法等が挙げられる。
以下、第1の態様及び第2の態様の総称として、「本実施形態」という場合がある。
以下、本実施形態に係る支持体について詳細に説明する。
以下、第1の態様及び第2の態様の総称として、「本実施形態」という場合がある。
以下、本実施形態に係る支持体について詳細に説明する。
<支持体>
支持体を構成する材料としては、例えば金属が挙げられ、具体的には、例えば、アルミニウム、鉄、銅等の純金属;ステンレス鋼、アルミニウム合金等の合金;が挙げられる。
支持体を構成する金属としては、軽いこと及び加工性に優れる観点から、アルミニウムを含む金属が好ましく、純アルミニウム又はアルミニウム合金がより好ましい。アルミニウム合金としては、アルミニウムが主成分である合金であれば特に制限されず、アルミニウムのほかに、例えば、Si、Fe、Cu、Mn、Mg、Cr、Zn、Ti等を含むアルミニウム合金が挙げられる。ここで「主成分」とは、合金に含まれる元素の中で最も含有割合(質量基準)が高い元素をいう。
支持体を構成する材料としては、例えば金属が挙げられ、具体的には、例えば、アルミニウム、鉄、銅等の純金属;ステンレス鋼、アルミニウム合金等の合金;が挙げられる。
支持体を構成する金属としては、軽いこと及び加工性に優れる観点から、アルミニウムを含む金属が好ましく、純アルミニウム又はアルミニウム合金がより好ましい。アルミニウム合金としては、アルミニウムが主成分である合金であれば特に制限されず、アルミニウムのほかに、例えば、Si、Fe、Cu、Mn、Mg、Cr、Zn、Ti等を含むアルミニウム合金が挙げられる。ここで「主成分」とは、合金に含まれる元素の中で最も含有割合(質量基準)が高い元素をいう。
支持体の形状は、筒状であれば特に限定されるものではない。
支持体の厚み(肉厚)としては、例えば0.2mm以上1.5mm以下が挙げられ、0.9mm以上1.5mm以下が好ましい。
支持体の径及び軸方向長さは、特に限定されず、用途等によって変わる値である。支持体の径としては例えば20mm以上90mm以下の範囲が挙げられ、支持体の軸方向長さとしては例えば215mm以上400mm以下の範囲が挙げられる。
支持体の厚み(肉厚)としては、例えば0.2mm以上1.5mm以下が挙げられ、0.9mm以上1.5mm以下が好ましい。
支持体の径及び軸方向長さは、特に限定されず、用途等によって変わる値である。支持体の径としては例えば20mm以上90mm以下の範囲が挙げられ、支持体の軸方向長さとしては例えば215mm以上400mm以下の範囲が挙げられる。
外周面における軸方向の算術平均うねりWaは、0.15μm以下であり、0.01μm以上0.13μm以下であることが好ましく、0.02μm以上0.075μm以下であることがより好ましい。
外周面における軸方向のピークカウントPPcは、100以上990以下であり、130以上960以下であることが好ましく、165以上900以下であることがより好ましい。
外周面における軸方向のピークカウントPPcは、100以上990以下であり、130以上960以下であることが好ましく、165以上900以下であることがより好ましい。
また、外周面における軸方向の最大高さPzは、0.4μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましく、0.5μm以上2.0μm以下であることがさらに好ましい。
本実施形態では、外周面における軸方向の最大高さPzが上記範囲であっても、外周面における軸方向の算術平均うねりWa及びピークカウントが前記範囲であるため、縞状の濃度ムラが抑制される電子写真感光体が得られる。
ここで、最大高さPzは、JIS B0601(2013)で規定されている、「断面曲線の最大高さPz」であり、表面粗さ測定機(サーフコム、東京精密製)によって測定される値である。最大高さPcの測定方法は、前述の算術平均うねりWa及びピークカウントPPcの測定方法と同様である。
本実施形態では、外周面における軸方向の最大高さPzが上記範囲であっても、外周面における軸方向の算術平均うねりWa及びピークカウントが前記範囲であるため、縞状の濃度ムラが抑制される電子写真感光体が得られる。
ここで、最大高さPzは、JIS B0601(2013)で規定されている、「断面曲線の最大高さPz」であり、表面粗さ測定機(サーフコム、東京精密製)によって測定される値である。最大高さPcの測定方法は、前述の算術平均うねりWa及びピークカウントPPcの測定方法と同様である。
支持体は、導電性支持体であることが好ましい。ここで、「導電性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm未満であることを意味する。
<支持体の製造方法>
支持体の製造方法の一例について説明する。
先ず、例えば、押出装置を用いてアルミニウム合金(JIS A6063合金)の固形物を押し出し、引抜装置を用いて押出装置によって押し出されたアルミニウム合金を引き抜くことで、素管を形成する。
次に、保持治具を素管の軸方向両端における内周面に接触させて素管を保持させた状態で、保持治具と共に素管を軸線周りに回転させながら、素管の外周面を軸方向の一端から他端まで切削する。これにより、支持体が製造される。
なお、必要に応じて、外周面を切削する前又は後に素管の両端部をインロー加工(中ぐり切削)することで、内周面の切削を行ってもよい。具体的には、例えば、素管を素管の軸線周りに回転させ、バイトを用いて素管の内周面を端部から削り始め、バイトを軸方向内側へ移動させることで内周面を切削する。
支持体の製造方法の一例について説明する。
先ず、例えば、押出装置を用いてアルミニウム合金(JIS A6063合金)の固形物を押し出し、引抜装置を用いて押出装置によって押し出されたアルミニウム合金を引き抜くことで、素管を形成する。
次に、保持治具を素管の軸方向両端における内周面に接触させて素管を保持させた状態で、保持治具と共に素管を軸線周りに回転させながら、素管の外周面を軸方向の一端から他端まで切削する。これにより、支持体が製造される。
なお、必要に応じて、外周面を切削する前又は後に素管の両端部をインロー加工(中ぐり切削)することで、内周面の切削を行ってもよい。具体的には、例えば、素管を素管の軸線周りに回転させ、バイトを用いて素管の内周面を端部から削り始め、バイトを軸方向内側へ移動させることで内周面を切削する。
ここで、素管の外周面を切削する装置としては、例えば、基体加工用旋盤等が挙げられる。図6に基体加工用旋盤の一例を示す。
図6に示す旋盤600において、602は主軸、604はテール、608は刃物台606に載置された旋削刃、610は制御盤である。また、主軸602には主軸側押さえ部材612が、テール604にはテール側押さえ部材614が、それぞれ配されている。
前記薄肉管は、主軸602−テール604間に挟持される状態で保持された上で、管の軸を中心として主軸駆動で高速回転させ、該薄肉管表面に当接した単結晶あるいは多結晶のダイヤモンドバイトを用いた旋削刃608が、薄肉管長手方向(矢印A方向)に移動することで、その表面が旋削される。
前記薄肉管の主軸602−テール604間への一般的な保持方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。具体的には、防振材に金属等からなるシャフトを挿通させた部材を円筒状被加工物に挿通させた上で、その一方を主軸側押さえ部材612に嵌合させ、制御盤610のボタン操作によりテール604を主軸602側(矢印B側)に移動させて、その圧力で円筒状被加工物を挟み込むことにより他の一方をテール側押さえ部材614にしっかりと嵌合させて、円筒状被加工物を主軸602−テール604間に保持する。
図6に示す旋盤600において、602は主軸、604はテール、608は刃物台606に載置された旋削刃、610は制御盤である。また、主軸602には主軸側押さえ部材612が、テール604にはテール側押さえ部材614が、それぞれ配されている。
前記薄肉管は、主軸602−テール604間に挟持される状態で保持された上で、管の軸を中心として主軸駆動で高速回転させ、該薄肉管表面に当接した単結晶あるいは多結晶のダイヤモンドバイトを用いた旋削刃608が、薄肉管長手方向(矢印A方向)に移動することで、その表面が旋削される。
前記薄肉管の主軸602−テール604間への一般的な保持方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。具体的には、防振材に金属等からなるシャフトを挿通させた部材を円筒状被加工物に挿通させた上で、その一方を主軸側押さえ部材612に嵌合させ、制御盤610のボタン操作によりテール604を主軸602側(矢印B側)に移動させて、その圧力で円筒状被加工物を挟み込むことにより他の一方をテール側押さえ部材614にしっかりと嵌合させて、円筒状被加工物を主軸602−テール604間に保持する。
[電子写真感光体]
本実施形態に係る電子写真感光体は、上記実施形態の支持体である導電性支持体と、前記導電性支持体上に設けられた感光層と、を備える。
図1は、電子写真感光体7Aの層構成の一例を示す模式断面図である。図1に示す電子写真感光体7Aは、導電性支持体4上に、下引層1、電荷発生層2及び電荷輸送層3がこの順序で積層された構造を有し、電荷発生層2及び電荷輸送層3が感光層5を構成している。
図2及び図3はそれぞれ本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の他の例を示す模式断面図である。
図2及び図3に示す電子写真感光体7B,7Cは、図1に示す電子写真感光体7Aと同様に、電荷発生層2と電荷輸送層3とに機能が分離された感光層5を備えるものであり、最外層として保護層6が形成されている。図2に示す電子写真感光体7Bは導電性支持体4上に下引層1、電荷発生層2、電荷輸送層3及び保護層6が順次積層された構造を有する。図3に示す電子写真感光体7Cは、導電性支持体4上に下引層1、電荷輸送層3、電荷発生層2、保護層6が順次積層された構造を有する。
本実施形態に係る電子写真感光体は、上記実施形態の支持体である導電性支持体と、前記導電性支持体上に設けられた感光層と、を備える。
図1は、電子写真感光体7Aの層構成の一例を示す模式断面図である。図1に示す電子写真感光体7Aは、導電性支持体4上に、下引層1、電荷発生層2及び電荷輸送層3がこの順序で積層された構造を有し、電荷発生層2及び電荷輸送層3が感光層5を構成している。
図2及び図3はそれぞれ本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の他の例を示す模式断面図である。
図2及び図3に示す電子写真感光体7B,7Cは、図1に示す電子写真感光体7Aと同様に、電荷発生層2と電荷輸送層3とに機能が分離された感光層5を備えるものであり、最外層として保護層6が形成されている。図2に示す電子写真感光体7Bは導電性支持体4上に下引層1、電荷発生層2、電荷輸送層3及び保護層6が順次積層された構造を有する。図3に示す電子写真感光体7Cは、導電性支持体4上に下引層1、電荷輸送層3、電荷発生層2、保護層6が順次積層された構造を有する。
なお、各電子写真感光体7A乃至7Cは、下引層1は必ずしも設けられなくともよい。また、各電子写真感光体7A乃至7Cは、電荷発生層2と電荷輸送層3との機能が一体化した単層型感光層であってもよい。
本実施形態に係る電子写真感光体の外周面における軸方向の算術平均粗さRaは、縞状の濃度ムラ抑制の観点から、0.08μm以下であることが好ましく、0.02μm以上0.07μm以下であることがより好ましく、0.04μm以上0.06μm以下であることがさらに好ましい。
ここで、算術平均粗さRaは、JIS B0601(2013)で規定されている、基準長さにおける粗さ曲線の高さの絶対値の平均であり、表面粗さ測定機(サーフコム、東京精密製)によって測定される値である。算術平均粗さRaの測定方法は、前述の支持体における外周面の算術平均うねりWa及びピークカウントPPcの測定方法と同様である。
ここで、算術平均粗さRaは、JIS B0601(2013)で規定されている、基準長さにおける粗さ曲線の高さの絶対値の平均であり、表面粗さ測定機(サーフコム、東京精密製)によって測定される値である。算術平均粗さRaの測定方法は、前述の支持体における外周面の算術平均うねりWa及びピークカウントPPcの測定方法と同様である。
以下、電子写真感光体の各層について詳細に説明する。なお、符号は省略して説明する。
(下引層)
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
無機粒子としては、例えば、粉体抵抗(体積抵抗率)102Ωcm以上1011Ωcm以下の無機粒子が挙げられる。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子のBET法による比表面積は、例えば、10m2/g以上がよい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
無機粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上80質量%以下である。
無機粒子は、表面処理が施されていてもよい。無機粒子は、表面処理の異なるもの、又は、粒子径の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が好ましく、アミノ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シランカップリング剤は、2種以上混合して使用してもよい。例えば、アミノ基を有するシランカップリング剤と他のシランカップリング剤とを併用してもよい。この他のシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面処理剤による表面処理方法は、公知の方法であればいかなる方法でもよく、乾式法又は湿式法のいずれでもよい。
表面処理剤の処理量は、例えば、無機粒子に対して0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
ここで、下引層は、無機粒子と共に電子受容性化合物(アクセプター化合物)を含有することが、電気特性の長期安定性、キャリアブロック性が高まる観点からよい。
電子受容性化合物としては、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;等の電子輸送性物質等が挙げられる。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
電子受容性化合物は、下引層中に無機粒子と共に分散して含まれていてもよいし、無機粒子の表面に付着した状態で含まれていてもよい。
電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着させる方法としては、例えば、乾式法、又は、湿式法が挙げられる。
乾式法は、例えば、無機粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接又は有機溶媒に溶解させた電子受容性化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させて、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。電子受容性化合物の滴下又は噴霧するときは、溶剤の沸点以下の温度で行うことがよい。電子受容性化合物を滴下又は噴霧した後、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に制限されない。
湿式法は、例えば、攪拌、超音波、サンドミル、アトライター、ボールミル等により、無機粒子を溶剤中に分散しつつ、電子受容性化合物を添加し、攪拌又は分散した後、溶剤除去して、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。溶剤除去方法は、例えば、ろ過又は蒸留により留去される。溶剤除去後には、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に限定されない。湿式法においては、電子受容性化合物を添加する前に無機粒子の含有水分を除去してもよく、その例として溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法が挙げられる。
なお、電子受容性化合物の付着は、表面処理剤による表面処理を無機粒子に施す前又は後に行ってよく、電子受容性化合物の付着と表面処理剤による表面処理と同時に行ってもよい。
電子受容性化合物の含有量は、例えば、無機粒子に対して0.01質量%以上20質量%以下がよく、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下である。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これらの中でも、下引層に用いる結着樹脂としては、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適であり、特に、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂が好適である。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
下引層には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
添加剤としてのシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物としては、例えば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの添加剤は、単独で、又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
下引層は、ビッカース硬度が35以上であることがよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、ケトン系溶剤、ケトンアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
下引層形成用塗布液を調製するときの無機粒子の分散方法としては、例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が挙げられる。
下引層形成用塗布液を支持体上に塗布する方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
下引層の膜厚は、例えば、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上50μm以下の範囲内に設定される。
(中間層)
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
これらの中でも、中間層は、ジルコニウム原子又はケイ素原子を含有する有機金属化合物を含む層であることが好ましい。
中間層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた中間層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上3μm以下の範囲に設定される。なお、中間層を下引層として使用してもよい。
(電荷発生層)
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
これらの中でも、近赤外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、金属フタロシアニン顔料、又は無金属フタロシアニン顔料を用いることが好ましい。具体的には、例えば、特開平5−263007号公報、特開平5−279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン;特開平5−98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン;特開平5−140472号公報、特開平5−140473号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン;特開平4−189873号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンがより好ましい。
一方、近紫外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;チオインジゴ系顔料;ポルフィラジン化合物;酸化亜鉛;三方晶系セレン;特開2004−78147号公報、特開2005−181992号公報に開示されたビスアゾ顔料等が好ましい。
450nm以上780nm以下に発光の中心波長があるLED,有機ELイメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合にも、上記電荷発生材料を用いてもよいが、解像度の観点より、感光層を20μm以下の薄膜で用いるときには、感光層中の電界強度が高くなり、基体からの電荷注入による帯電低下、いわゆる黒点と呼ばれる画像欠陥を生じやすくなる。これは、三方晶系セレン、フタロシアニン顔料等のp−型半導体で暗電流を生じやすい電荷発生材料を用いたときに顕著となる。
これに対し、電荷発生材料として、縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、アゾ顔料等のn−型半導体を用いた場合、暗電流を生じ難く、薄膜にしても黒点と呼ばれる画像欠陥を抑制し得る。n−型の電荷発生材料としては、例えば、特開2012−155282号公報の段落[0288]〜[0291]に記載された化合物(CG−1)〜(CG−27)が挙げられるがこれに限られるものではない。
なお、n−型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn−型とする。
なお、n−型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn−型とする。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択され、また、結着樹脂としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択してもよい。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、質量比で10:1から1:10までの範囲内であることが好ましい。
電荷発生層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷発生層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷発生層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。なお、電荷発生層の形成は、電荷発生材料の蒸着により行ってもよい。電荷発生層の蒸着による形成は、特に、電荷発生材料として縮環芳香族顔料、ペリレン顔料を利用する場合に好適である。
電荷発生層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等が挙げられる。これら溶剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いる。
電荷発生層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式等が挙げられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷発生層形成用塗布液を下引層上(又は中間層上)に塗布する方法としては、例えばブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上5.0μm以下、より好ましくは0.2μm以上2.0μm以下の範囲内に設定される。
(電荷輸送層)
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物;キサントン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;シアノビニル系化合物;エチレン系化合物等の電子輸送性化合物が挙げられる。電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送性化合物も挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種を単独で又は2種以上で用いられるが、これらに限定されるものではない。
電荷輸送材料としては、電荷移動度の観点から、下記一般式(a−1)で示されるトリアリールアミン系電荷輸送材料(以下「トリアリールアミン系電荷輸送材料(a−1)」ともいう)、トリアリールアミン系電荷輸送材料の一例である下記一般式(CT1)で示される電荷輸送材料(以下「ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)ともいう)、及び下記一般式(CT2)で示される電荷輸送材料(以下「ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)」ともいう)が好ましい。
また、電荷輸送材料として、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)とベンジジン系電荷輸送材料(CT2)とを併用してもよい。
また、電荷輸送材料として、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)とベンジジン系電荷輸送材料(CT2)とを併用してもよい。
トリアリールアミン系電荷輸送材料(a−1)について説明する。
トリアリールアミン系電荷輸送材料(a−1)は、下記一般式(a−1)で示される電荷輸送材料である。
トリアリールアミン系電荷輸送材料(a−1)は、下記一般式(a−1)で示される電荷輸送材料である。
一般式(a−1)中、ArT1、ArT2、及びArT3は、各々独立に置換若しくは無置換のアリール基、−C6H4−C(RT4)=C(RT5)(RT6)、又は−C6H4−CH=CH−CH=C(RT7)(RT8)を示す。RT4、RT5、RT6、RT7、及びRT8は各々独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を示す。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)について説明する。
ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)は、下記一般式(CT1)で示される電荷輸送材料である。
ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)は、下記一般式(CT1)で示される電荷輸送材料である。
一般式(CT1)中、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数1以上20以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上30以下のアリール基を表し、隣接する2つの置換基同士が結合して炭化水素環構造を形成してもよい。
n及びmは、各々独立に、0、1又は2を表す。
n及びmは、各々独立に、0、1又は2を表す。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すアルキル基としては、炭素数1以上20以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、イソウンデシル基、sec−ウンデシル基、tert−ウンデシル基、ネオウンデシル基、イソドデシル基、sec−ドデシル基、tert−ドデシル基、ネオドデシル基、イソトリデシル基、sec−トリデシル基、tert−トリデシル基、ネオトリデシル基、イソテトラデシル基、sec−テトラデシル基、tert−テトラデシル基、ネオテトラデシル基、1−イソブチル−4−エチルオクチル基、イソペンタデシル基、sec−ペンタデシル基、tert−ペンタデシル基、ネオペンタデシル基、イソヘキサデシル基、sec−ヘキサデシル基、tert−ヘキサデシル基、ネオヘキサデシル基、1−メチルペンタデシル基、イソヘプタデシル基、sec−ヘプタデシル基、tert−ヘプタデシル基、ネオヘプタデシル基、イソオクタデシル基、sec−オクタデシル基、tert−オクタデシル基、ネオオクタデシル基、イソノナデシル基、sec−ノナデシル基、tert−ノナデシル基、ネオノナデシル基、1−メチルオクチル基、イソイコシル基、sec−イコシル基、tert−イコシル基、ネオイコシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、イソウンデシル基、sec−ウンデシル基、tert−ウンデシル基、ネオウンデシル基、イソドデシル基、sec−ドデシル基、tert−ドデシル基、ネオドデシル基、イソトリデシル基、sec−トリデシル基、tert−トリデシル基、ネオトリデシル基、イソテトラデシル基、sec−テトラデシル基、tert−テトラデシル基、ネオテトラデシル基、1−イソブチル−4−エチルオクチル基、イソペンタデシル基、sec−ペンタデシル基、tert−ペンタデシル基、ネオペンタデシル基、イソヘキサデシル基、sec−ヘキサデシル基、tert−ヘキサデシル基、ネオヘキサデシル基、1−メチルペンタデシル基、イソヘプタデシル基、sec−ヘプタデシル基、tert−ヘプタデシル基、ネオヘプタデシル基、イソオクタデシル基、sec−オクタデシル基、tert−オクタデシル基、ネオオクタデシル基、イソノナデシル基、sec−ノナデシル基、tert−ノナデシル基、ネオノナデシル基、1−メチルオクチル基、イソイコシル基、sec−イコシル基、tert−イコシル基、ネオイコシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すアルコキシ基としては、炭素数1以上20以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基、イソウンデシルオキシ基、sec−ウンデシルオキシ基、tert−ウンデシルオキシ基、ネオウンデシルオキシ基、イソドデシルオキシ基、sec−ドデシルオキシ基、tert−ドデシルオキシ基、ネオドデシルオキシ基、イソトリデシルオキシ基、sec−トリデシルオキシ基、tert−トリデシルオキシ基、ネオトリデシルオキシ基、イソテトラデシルオキシ基、sec−テトラデシルオキシ基、tert−テトラデシルオキシ基、ネオテトラデシルオキシ基、1−イソブチル−4−エチルオクチルオキシ基、イソペンタデシルオキシ基、sec−ペンタデシルオキシ基、tert−ペンタデシルオキシ基、ネオペンタデシルオキシ基、イソヘキサデシルオキシ基、sec−ヘキサデシルオキシ基、tert−ヘキサデシルオキシ基、ネオヘキサデシルオキシ基、1−メチルペンタデシルオキシ基、イソヘプタデシルオキシ基、sec−ヘプタデシルオキシ基、tert−ヘプタデシルオキシ基、ネオヘプタデシルオキシ基、イソオクタデシルオキシ基、sec−オクタデシルオキシ基、tert−オクタデシルオキシ基、ネオオクタデシルオキシ基、イソノナデシルオキシ基、sec−ノナデシルオキシ基、tert−ノナデシルオキシ基、ネオノナデシルオキシ基、1−メチルオクチルオキシ基、イソイコシルオキシ基、sec−イコシルオキシ基、tert−イコシルオキシ基、ネオイコシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基、イソウンデシルオキシ基、sec−ウンデシルオキシ基、tert−ウンデシルオキシ基、ネオウンデシルオキシ基、イソドデシルオキシ基、sec−ドデシルオキシ基、tert−ドデシルオキシ基、ネオドデシルオキシ基、イソトリデシルオキシ基、sec−トリデシルオキシ基、tert−トリデシルオキシ基、ネオトリデシルオキシ基、イソテトラデシルオキシ基、sec−テトラデシルオキシ基、tert−テトラデシルオキシ基、ネオテトラデシルオキシ基、1−イソブチル−4−エチルオクチルオキシ基、イソペンタデシルオキシ基、sec−ペンタデシルオキシ基、tert−ペンタデシルオキシ基、ネオペンタデシルオキシ基、イソヘキサデシルオキシ基、sec−ヘキサデシルオキシ基、tert−ヘキサデシルオキシ基、ネオヘキサデシルオキシ基、1−メチルペンタデシルオキシ基、イソヘプタデシルオキシ基、sec−ヘプタデシルオキシ基、tert−ヘプタデシルオキシ基、ネオヘプタデシルオキシ基、イソオクタデシルオキシ基、sec−オクタデシルオキシ基、tert−オクタデシルオキシ基、ネオオクタデシルオキシ基、イソノナデシルオキシ基、sec−ノナデシルオキシ基、tert−ノナデシルオキシ基、ネオノナデシルオキシ基、1−メチルオクチルオキシ基、イソイコシルオキシ基、sec−イコシルオキシ基、tert−イコシルオキシ基、ネオイコシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表すアリール基としては、炭素数6以上30以下(好ましくは6以上20以下、より好ましくは6以上16以下)のアリール基が挙げられる。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニリル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニリル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
なお、一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、上記例示した原子および基(例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基など)が挙げられる。
一般式(CT1)において、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16の隣接する二つの置換基同士(例えばRC11及びRC12同士、RC13及びRC14同士、RC15及びRC16同士)が連結した炭化水素環構造における、当該置換基同士を連結する基としては、単結合、2,2’−メチレン基、2,2’−エチレン基、2,2’−ビニレン基などが挙げられ、これらの中でも単結合、2,2’−メチレン基が好ましい。
ここで、炭化水素環構造として具体的には、例えば、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造、シクロアルカンポリエン構造等が挙げられる。
ここで、炭化水素環構造として具体的には、例えば、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造、シクロアルカンポリエン構造等が挙げられる。
一般式(CT1)において、n及びmは、1であることが好ましい。
一般式(CT1)において、電荷輸送能の高い感光層(電荷輸送層)形成の点から、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が水素原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、又は炭素数1以上20以下のアルコキシ基を表し、m及びnが1又は2を表することが好ましく、RC11、RC12、RC13、RC14、RC15、及びRC16が水素原子を表し、m及びnが1を表すことがより好ましい。
つまり、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)は、下記構造式(CT1A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT1−3))であることがより好ましい。
つまり、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)は、下記構造式(CT1A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT1−3))であることがより好ましい。
以下に、ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)の具体例を示すが、これに限定されるわけではない。
なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。また、置換基の前に付す番号は、ベンゼン環に対する置換位置を示している。
・CH3:メチル基
・OCH3:メトキシ基
・CH3:メチル基
・OCH3:メトキシ基
ブタジエン系電荷輸送材料(CT1)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)について説明する。
ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)は、下記一般式(CT2)で示される電荷輸送材料である。
ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)は、下記一般式(CT2)で示される電荷輸送材料である。
一般式(CT2)中、RC21、RC22、及びRC23は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は、炭素数6以上10以下のアリール基を表す。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアルキル基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
直鎖状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアルコキシ基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表すアリール基としては、炭素数6以上10以下(好ましくは6以上9以下、より好ましくは6以上8以下)のアリール基が挙げられる。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
なお、一般式(CT2)において、RC21、RC22、及びRC23が表す上記各置換基は、さらに置換基を有する基も含む。この置換基としては、上記例示した原子および基(例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基など)が挙げられる。
一般式(CT2)において、電荷輸送能の高い感光層(電荷輸送層)形成の点から、RC21、RC22、及びRC23が、各々独立に、水素原子、又は、炭素数1以上10以下のアルキル基を表すことが好ましく、RC21、及びRC23が水素原子を表し、RC22が炭素数1以上10以下のアルキル基(特に、メチル基)を表すことがより好ましい。
具体的には、ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)は、下記構造式(CT2A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT2−2))であることが特に好ましい。
具体的には、ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)は、下記構造式(CT2A)で示される電荷輸送材料(例示化合物(CT2−2))であることが特に好ましい。
以下に、ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)の具体例を示すが、これに限定されるわけではない。
なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。また、置換基の前に付す番号は、ベンゼン環に対する置換位置を示している。
・CH3:メチル基
・C2H5:エチル基
・OCH3:メトキシ基
・OC2H5:エトキシ基
・CH3:メチル基
・C2H5:エチル基
・OCH3:メトキシ基
・OC2H5:エトキシ基
ベンジジン系電荷輸送材料(CT2)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
高分子電荷輸送材料としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の電荷輸送性を有する公知のものが用いられる。特に、特開平8−176293号公報、特開平8−208820号公報等に開示されているポリエステル系の高分子電荷輸送材は特に好ましい。なお、高分子電荷輸送材料は、単独で使用してよいが、結着樹脂と併用してもよい。
電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの中でも、結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂が好適である。これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上で用いる。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
電荷輸送層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷輸送層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
電荷輸送層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状又は直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層の上に塗布する際の塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は、例えば、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下の範囲内に設定される。
(保護層)
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
1)反応性基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に有する反応性基含有電荷輸送材料を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり当該反応性基含有電荷輸送材料の重合体又は架橋体を含む層)
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
反応性基含有電荷輸送材料の反応性基としては、連鎖重合性基、エポキシ基、−OH、−OR[但し、Rはアルキル基を示す]、−NH2、−SH、−COOH、−SiRQ1 3−Qn(ORQ2)Qn[但し、RQ1は水素原子、アルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、RQ2は水素原子、アルキル基、トリアルキルシリル基を表す。Qnは1〜3の整数を表す]等の周知の反応性基が挙げられる。
連鎖重合性基としては、ラジカル重合しうる官能基であれば特に限定されるものではなく、例えば、少なくとも炭素二重結合を含有する基を有する官能基である。具体的には、ビニル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、ビニルフェニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基等が挙げられる。なかでも、その反応性に優れることから、連鎖重合性基としては、ビニル基、ビニルフェニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基であることが好ましい。
反応性基含有電荷輸送材料の電荷輸送性骨格としては、電子写真感光体における公知の構造であれば特に限定されるものではなく、例えば、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の含窒素の正孔輸送性化合物に由来する骨格であって、窒素原子と共役している構造が挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン骨格が好ましい。
これら反応性基及び電荷輸送性骨格を有する反応性基含有電荷輸送材料、非反応性の電荷輸送材料、反応性基含有非電荷輸送材料は、周知の材料から選択すればよい。
保護層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
保護層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた保護層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱等の硬化処理することで行う。
保護層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ系溶剤;イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
なお、保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
なお、保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
保護層形成用塗布液を感光層(例えば電荷輸送層)上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
保護層の膜厚は、例えば、好ましくは1μm以上20μm以下、より好ましくは2μm以上10μm以下の範囲内に設定される。
(単層型感光層)
単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、電荷発生材料と電荷輸送材料と、必要に応じて、結着樹脂、及びその他周知の添加剤と、を含む層である。なお、これら材料は、電荷発生層及び電荷輸送層で説明した材料と同様である。
そして、単層型感光層中、電荷発生材料の含有量は、全固形分に対して0.1質量%以上10質量%以下がよく、好ましくは0.8質量%以上5質量%以下である。また、単層型感光層中、電荷輸送材料の含有量は、全固形分に対して5質量%以上50質量%以下がよい。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。
単層型感光層の膜厚は、例えば、5μm以上50μm以下がよく、好ましくは10μm以上40μm以下である。
単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、電荷発生材料と電荷輸送材料と、必要に応じて、結着樹脂、及びその他周知の添加剤と、を含む層である。なお、これら材料は、電荷発生層及び電荷輸送層で説明した材料と同様である。
そして、単層型感光層中、電荷発生材料の含有量は、全固形分に対して0.1質量%以上10質量%以下がよく、好ましくは0.8質量%以上5質量%以下である。また、単層型感光層中、電荷輸送材料の含有量は、全固形分に対して5質量%以上50質量%以下がよい。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。
単層型感光層の膜厚は、例えば、5μm以上50μm以下がよく、好ましくは10μm以上40μm以下である。
[画像形成装置(及びプロセスカートリッジ)]
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段を備える装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー像の転写後、帯電前の電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー像の転写後、帯電前に電子写真感光体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;電子写真感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための電子写真感光体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、電子写真感光体を備える部分が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。なお、プロセスカートリッジには、電子写真感光体以外に、例えば、帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図4は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図4に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図4に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
図4におけるプロセスカートリッジ300は、ハウジング内に、電子写真感光体7、帯電装置8(帯電手段の一例)、現像装置11(現像手段の一例)、及びクリーニング装置13(クリーニング手段の一例)を一体に支持している。クリーニング装置13は、クリーニングブレード(クリーニング部材の一例)131を有しており、クリーニングブレード131は、電子写真感光体7の表面に接触するように配置されている。なお、クリーニング部材は、クリーニングブレード131の態様ではなく、導電性又は絶縁性の繊維状部材であってもよく、これを単独で、又はクリーニングブレード131と併用してもよい。
なお、図4には、画像形成装置として、潤滑材14を電子写真感光体7の表面に供給する繊維状部材132(ロール状)、及び、クリーニングを補助する繊維状部材133(平ブラシ状)を備えた例を示してあるが、これらは必要に応じて配置される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の各構成について説明する。
−帯電装置−
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
−露光装置−
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
−現像装置−
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像装置11に使用される現像剤は、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。これら現像剤は、周知のものが適用される。
−クリーニング装置−
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
−転写装置−
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
−中間転写体−
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図5は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図5に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
図5に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りがない限り、「部」は、「質量部」を意味する。
<導電性支持体の作製>
−導電性支持体(1)の作製−
まず、アルミニウム合金(JIS A6063合金)を押出し及び抽伸工法によりパイプ(素管)を作成し、そのパイプの外周面における切削加工を行ない、外径30mm、全長365mmの導電性支持体を作製した。上記パイプの外周面における切削加工に用いた旋盤及び加工条件は以下の通りである。なお、仕上げ加工バイトのパイプに対する逃げ角等の調整により、外周面における算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、及び最大高さPz等を調整した。
・感光ドラム外径仕上CNC旋盤 RL−550EX(株式会社エグロ製)
・粗加工バイト仕様:多結晶ダイヤモンド
・仕上げ加工バイト仕様:単結晶ダイヤモンド
・粗加工速度:主軸回転数=4000rpm、送り速度=0.45mm/rev
・仕上げ加工速度:主軸回転数=4000rpm、送り速度=0.45mm/rev
得られた導電性支持体の外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、及び最大高さPzを表1に示す。
−導電性支持体(1)の作製−
まず、アルミニウム合金(JIS A6063合金)を押出し及び抽伸工法によりパイプ(素管)を作成し、そのパイプの外周面における切削加工を行ない、外径30mm、全長365mmの導電性支持体を作製した。上記パイプの外周面における切削加工に用いた旋盤及び加工条件は以下の通りである。なお、仕上げ加工バイトのパイプに対する逃げ角等の調整により、外周面における算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、及び最大高さPz等を調整した。
・感光ドラム外径仕上CNC旋盤 RL−550EX(株式会社エグロ製)
・粗加工バイト仕様:多結晶ダイヤモンド
・仕上げ加工バイト仕様:単結晶ダイヤモンド
・粗加工速度:主軸回転数=4000rpm、送り速度=0.45mm/rev
・仕上げ加工速度:主軸回転数=4000rpm、送り速度=0.45mm/rev
得られた導電性支持体の外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、及び最大高さPzを表1に示す。
−導電性支持体(2)の作製−
外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、及び最大高さPzが表1に示す値となるように、パイプの外周面における切削加工に用いたバイトのパイプに対する逃げ角を調整した以外は、導電性支持体(1)と同様にして導電性支持体を作製した。
得られた導電性支持体の外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、最大高さPzを表1に示す。
外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、及び最大高さPzが表1に示す値となるように、パイプの外周面における切削加工に用いたバイトのパイプに対する逃げ角を調整した以外は、導電性支持体(1)と同様にして導電性支持体を作製した。
得られた導電性支持体の外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、最大高さPzを表1に示す。
−導電性支持体(3)の作製−
外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、及び最大高さPzが表1に示す値となるように、パイプの外周面における切削加工に用いたバイトのパイプに対する逃げ角を調整した以外は、導電性支持体(1)と同様にして導電性支持体を作製した。
得られた導電性支持体の外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、最大高さPzを表1に示す。
外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、及び最大高さPzが表1に示す値となるように、パイプの外周面における切削加工に用いたバイトのパイプに対する逃げ角を調整した以外は、導電性支持体(1)と同様にして導電性支持体を作製した。
得られた導電性支持体の外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、最大高さPzを表1に示す。
−導電性支持体(4)の作製−
外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、及び最大高さPzが表1に示す値となるように、パイプの外周面における切削加工に用いたバイトのパイプに対する逃げ角を調整した以外は、導電性支持体(1)と同様にして導電性支持体を作製した。
得られた導電性支持体の外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、最大高さPzを表1に示す。
外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、及び最大高さPzが表1に示す値となるように、パイプの外周面における切削加工に用いたバイトのパイプに対する逃げ角を調整した以外は、導電性支持体(1)と同様にして導電性支持体を作製した。
得られた導電性支持体の外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、最大高さPzを表1に示す。
−導電性支持体(5)の作製−
外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、及び最大高さPzが表1に示す値となるように、パイプの外周面における切削加工に用いたバイトのパイプに対する逃げ角を調整した以外は、導電性支持体(1)と同様にして導電性支持体を作製した。
得られた導電性支持体の外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、最大高さPzを表1に示す。
外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、及び最大高さPzが表1に示す値となるように、パイプの外周面における切削加工に用いたバイトのパイプに対する逃げ角を調整した以外は、導電性支持体(1)と同様にして導電性支持体を作製した。
得られた導電性支持体の外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、最大高さPzを表1に示す。
−導電性支持体(6)の作製−
外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、及び最大高さPzが表1に示す値となるように、パイプの外周面における切削加工に用いたバイトのパイプに対する逃げ角を調整した以外は、導電性支持体(1)と同様にして導電性支持体を作製した。
得られた導電性支持体の外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、最大高さPzを表1に示す。
外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、及び最大高さPzが表1に示す値となるように、パイプの外周面における切削加工に用いたバイトのパイプに対する逃げ角を調整した以外は、導電性支持体(1)と同様にして導電性支持体を作製した。
得られた導電性支持体の外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、最大高さPzを表1に示す。
−導電性支持体(C1)の作製−
外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、及び最大高さPzが表1に示す値となるように、パイプの外周面における切削加工に用いたバイトのパイプに対する逃げ角を調整した以外は、導電性支持体(1)と同様にして導電性支持体を作製した。
得られた導電性支持体の外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、最大高さPzを表1に示す。
外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、及び最大高さPzが表1に示す値となるように、パイプの外周面における切削加工に用いたバイトのパイプに対する逃げ角を調整した以外は、導電性支持体(1)と同様にして導電性支持体を作製した。
得られた導電性支持体の外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、最大高さPzを表1に示す。
−導電性支持体(C2)の作製−
外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、及び最大高さPzが表1に示す値となるように、パイプの外周面における切削加工に用いたバイトのパイプに対する逃げ角を調整した以外は、導電性支持体(1)と同様にして導電性支持体を作製した。
得られた導電性支持体の外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、最大高さPzを表1に示す。
外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、及び最大高さPzが表1に示す値となるように、パイプの外周面における切削加工に用いたバイトのパイプに対する逃げ角を調整した以外は、導電性支持体(1)と同様にして導電性支持体を作製した。
得られた導電性支持体の外周面における軸方向の算術平均うねりWa、ピークカウントPPc、最大高さPzを表1に示す。
<感光体の作製>
得られた導電性支持体(1)〜(6)及び(C1)〜(C2)を用いて、それぞれ感光体(1)〜(6)及び(C1)〜(C2)を得た。
具体的には、以下のようにして、導電性支持体上に、下引層、電荷発生層、及び電荷輸送層を形成した。
得られた感光体の外周面における軸方向の算術平均粗さRaを表1に示す。
得られた導電性支持体(1)〜(6)及び(C1)〜(C2)を用いて、それぞれ感光体(1)〜(6)及び(C1)〜(C2)を得た。
具体的には、以下のようにして、導電性支持体上に、下引層、電荷発生層、及び電荷輸送層を形成した。
得られた感光体の外周面における軸方向の算術平均粗さRaを表1に示す。
(下引層の形成)
酸化亜鉛(商品名:MZ300、テイカ株式会社製)100質量部をテトラヒドロフラン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM503:信越化学工業製)1.3質量部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間)焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛を得た。
酸化亜鉛(商品名:MZ300、テイカ株式会社製)100質量部をテトラヒドロフラン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM503:信越化学工業製)1.3質量部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間)焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛を得た。
前記シランカップリング処理酸化亜鉛110質量部を500質量部のテトラヒドロフランと攪拌混合し、アリザリン0.6質量部を50質量部のテトラヒドロフランに溶解させた溶液を添加し、50℃にて5時間攪拌した。その後、減圧ろ過にてアリザリンを付与させた酸化亜鉛をろ別し、さらに60℃で減圧乾燥を行いアリザリン付与酸化亜鉛を得た。
このアリザリン付与酸化亜鉛60質量部と硬化剤(ブロック化イソシアネート スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)13.5質量部とブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学工業製)15質量部をメチルエチルケトン85質量部に混合した混合液38質量部とメチルエチルケトン25質量部とを混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い、分散液を得た。
このアリザリン付与酸化亜鉛60質量部と硬化剤(ブロック化イソシアネート スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)13.5質量部とブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学工業製)15質量部をメチルエチルケトン85質量部に混合した混合液38質量部とメチルエチルケトン25質量部とを混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い、分散液を得た。
得られた分散液に、触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部と、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)45質量部と、を添加し、下引層形成用塗布液を得た。
この下引層形成用塗布液を用いて、浸漬塗布法にて上記の各導電性支持体上に塗布し、下端内面の拭き取り工程を経たのち、180℃、30分の乾燥硬化を行い、厚さ25μmの下引層を得た。
この下引層形成用塗布液を用いて、浸漬塗布法にて上記の各導電性支持体上に塗布し、下端内面の拭き取り工程を経たのち、180℃、30分の乾燥硬化を行い、厚さ25μmの下引層を得た。
(電荷発生層の形成)
電荷発生物質としてのCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3°、16.0°、24.9°、28.0°の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部、結着樹脂としての塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(VMCH、株式会社NUC製)10質量部、n−酢酸ブチル200質量部からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液にn−酢酸ブチル175質量部、メチルエチルケトン180質量部を添加し、攪拌して電荷発生層形成用の塗布液を得た。
この電荷発生層形成用の塗布液を下引層上に浸漬塗布し、100℃で5分間乾燥して、膜厚0.20μmの電荷発生層を形成した。
電荷発生物質としてのCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3°、16.0°、24.9°、28.0°の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部、結着樹脂としての塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(VMCH、株式会社NUC製)10質量部、n−酢酸ブチル200質量部からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液にn−酢酸ブチル175質量部、メチルエチルケトン180質量部を添加し、攪拌して電荷発生層形成用の塗布液を得た。
この電荷発生層形成用の塗布液を下引層上に浸漬塗布し、100℃で5分間乾燥して、膜厚0.20μmの電荷発生層を形成した。
(電荷輸送層の形成)
次に、下記構造式(CT1A)で示される電荷輸送材料12質量部、下記構造式(CT2A)で示される電荷輸送材料28質量部、及びビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(分子量4万)60質量部を、テトラヒドロフラン340重量部に加えて溶解し、電荷輸送層形成用塗布液を得た。
得られた電荷輸送層形成用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、150℃、40分の乾燥を行うことにより膜厚34μmの電荷輸送層を形成した。
次に、下記構造式(CT1A)で示される電荷輸送材料12質量部、下記構造式(CT2A)で示される電荷輸送材料28質量部、及びビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(分子量4万)60質量部を、テトラヒドロフラン340重量部に加えて溶解し、電荷輸送層形成用塗布液を得た。
得られた電荷輸送層形成用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、150℃、40分の乾燥を行うことにより膜厚34μmの電荷輸送層を形成した。
以上の工程を経て、実施例1〜6及び比較例1〜2の感光体を得た。
<評価>
−縞状の濃度ムラ評価−
得られた感光体を電子写真方式の画像形成装置(富士ゼロックス社製:DocuPrint CP500d)に搭載し、A4サイズの用紙に、画像濃度50%の全面ハーフトーン画像(Cyan色の全面ハーフトーン画像)を1枚出力した。
得られた画像をEPSON社製スキャナES10000にて読み取り、一定周期濃度差を定量化した。具体的には、感光体の軸方向に周期的に現れる濃度変動におけるΔL*値を求めた。結果を表1に示す。なお、ΔL*値が2.0を超える場合、目視にて縞状の濃度ムラが確認されるレベルであると判定した。
−縞状の濃度ムラ評価−
得られた感光体を電子写真方式の画像形成装置(富士ゼロックス社製:DocuPrint CP500d)に搭載し、A4サイズの用紙に、画像濃度50%の全面ハーフトーン画像(Cyan色の全面ハーフトーン画像)を1枚出力した。
得られた画像をEPSON社製スキャナES10000にて読み取り、一定周期濃度差を定量化した。具体的には、感光体の軸方向に周期的に現れる濃度変動におけるΔL*値を求めた。結果を表1に示す。なお、ΔL*値が2.0を超える場合、目視にて縞状の濃度ムラが確認されるレベルであると判定した。
−粒状性評価−
得られた感光体を電子写真方式の画像形成装置(富士ゼロックス社製:DocuPrint CP500d)に搭載し、A4サイズの用紙に、画像濃度50%の全面ハーフトーン画像(Red色/Green色/Blue色の全面ハーフトーン画像)を1枚出力した。
得られた画像を目視で確認し、以下の基準で粒状性を評価した。結果を表1に示す。
A:良好
B:実用上問題ないレベル
C:実用上問題となるレベル
得られた感光体を電子写真方式の画像形成装置(富士ゼロックス社製:DocuPrint CP500d)に搭載し、A4サイズの用紙に、画像濃度50%の全面ハーフトーン画像(Red色/Green色/Blue色の全面ハーフトーン画像)を1枚出力した。
得られた画像を目視で確認し、以下の基準で粒状性を評価した。結果を表1に示す。
A:良好
B:実用上問題ないレベル
C:実用上問題となるレベル
上記結果から、本実施例は、比較例に比べ、感光体の軸方向に対応し周期的に現れる縞状の濃度ムラが抑制されており、粒状性も良好であることがわかる。
1 下引層、2 電荷発生層、3 電荷輸送層、4 導電性支持体、5 感光層、6 保護層、7 電子写真感光体、7A 電子写真感光体、7B 電子写真感光体、7C 電子写真感光体、8 帯電装置、9 露光装置、11 現像装置、13 クリーニング装置、14 潤滑材、40 転写装置、50 中間転写体、100 画像形成装置、120 画像形成装置、131 クリーニングブレード、132 繊維状部材(ロール状)、133 繊維状部材(平ブラシ状)、300 プロセスカートリッジ
Claims (10)
- 外周面が切削面である筒状の切削管からなり、前記外周面における軸方向の算術平均うねりWaが0.15μm以下、前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが100以上990以下である電子写真感光体用支持体。
- 前記外周面における軸方向の最大高さPzが0.4μm以上である請求項1に記載の電子写真感光体用支持体。
- 前記外周面における軸方向の最大高さPzが0.5μm以上である請求項2に記載の電子写真感光体用支持体。
- 前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが130以上960以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体用支持体。
- 前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが165以上900以下である請求項4に記載の電子写真感光体用支持体。
- 外周面が周期的なうねりを軸方向に有する筒状の支持体であって、前記外周面における軸方向の算術平均うねりWaが0.15μm以下、前記外周面における軸方向のピークカウントPPcが100以上990以下である電子写真感光体用支持体。
- 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の電子写真感光体用支持体と、
前記電子写真感光体用支持体上に設けられた感光層と、
を有する電子写真感光体。 - 電子写真感光体の外周面における軸方向の算術平均粗さRaが0.08μm以下である請求項7に記載の電子写真感光体。
- 請求項7又は請求項8に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。 - 請求項7又は請求項8に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
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