JP2953126B2 - 新規なフェニレンジアミン化合物およびそれを用いた感光体 - Google Patents

新規なフェニレンジアミン化合物およびそれを用いた感光体

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JP2953126B2
JP2953126B2 JP19176491A JP19176491A JP2953126B2 JP 2953126 B2 JP2953126 B2 JP 2953126B2 JP 19176491 A JP19176491 A JP 19176491A JP 19176491 A JP19176491 A JP 19176491A JP 2953126 B2 JP2953126 B2 JP 2953126B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェニレンジアミン構
造を有する新規な化合物に関する。該フェニレンジアミ
ン化合物は、感光材料として利用することができ、さら
に具体的には感光体あるいはエレクトロルミネセンス素
子の電荷輸送物質として利用することができる。
【0002】
【従来の技術】感光材料や電荷輸送材料として使用可能
な有機化合物は、従来より、例えばアントラセン誘導
体、アントラキノン誘導体、イミダゾール誘導体、カル
バゾール誘導体、スチリル誘導体等種々知られており、
また特開平1−142642号公報には下記一般式:
【化2】 [式中、R1〜R5は、上記公報中に記載のものを示す]で
表わされる化合物、特開平1−142647号公報には
下記一般式:
【化3】 [式中、R1〜R6は上記公報中に記載のものを示す]で表
わされる化合物、特開平1−200360号公報には下
記一般式:
【化4】 [式中、R1およびR2は上記公報中に記載のものを示す]
が開示されている。
【0003】しかし、上述した材料を、例えば感光体に
適用する場合、感光性あるいは電荷輸送性等に優れてい
ることを基本的に要求されるが、さらに他の部材との適
合性、耐久性、耐候性等も要求され、このような特性を
満足する材料は殆ど無いのが実情である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みなされたものであり、上記したいずれの構造とも異
なり、かつ新規なフェニレンジアミン化合物を提供する
ことを目的とする。本発明は、さらに該新規なフェニレ
ンジアミン化合物を使用した感光体を提供することを目
的とする。本発明は、さらに該新規なフェニレンジアミ
ン化合物を電荷輸送層に使用したエレクトロルミネセン
ス素子を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
[I]:
【化5】 で表わされるフェニレンジアミン化合物を提供する。
【0006】本発明のフェニレンジアミンの構造的特徴
は、構造の中心にメタフェニレン基を有し、両端にジフ
ェニル基を有する点にある。メタフェニレン基を中心に
有することにより、オルトフェニレン基、パラフェニレ
ン基を中心に有する場合に比べ結晶化が生じにくく、電
荷輸送材料として使用しやすいものとすることができ
る。両端に有するジフェニル基は、樹脂との相溶性、移
動度、感度向上に有効である。
【0007】一般式[I]中、R1、R2およびR3は、そ
れぞれ水素原子、アルキル基、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基あるいはブチル基等、アルコキシ基、例
えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基あるいはブ
トキシ基等、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭
素原子等)を示す。樹脂との相溶性の点からはアルキル
基が好ましい。Ar1およびAr2はそれぞれ複素環基、例
えばチエニル基、フリル基、チアゾリル基あるいはビチ
エニル基を表わす。それらの基は、アルキル基、例えば
メチル基、エチル基あるいはプロピル基等、ハロゲン原
子(塩素原子、臭素原子等)、アルコキシ基、例えばメト
キシ基あるいはエトキシ基等の置換基を有していてもよ
い。
【0008】一般式[I]で表わされる構造を有する化合
物の具体例としては、下記構造式のものを挙げることが
できる。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【化10】
【0013】
【化11】
【0014】
【化12】
【0015】上記化合物例中、[4]が特に好ましい。
【0016】一般式[I]で表わされるフェニレンジアミ
ン化合物は、通常の方法により合成することができる。
例えば、下記一般式[II]:
【化13】 [式中、R1は一般式[I]のそれと同意義]で表わされる
ヨウ化物と、下記一般式[III]および[IV]:
【化14】 [式中、R2とR3、Ar1とAr2は一般式[I]のそれと同
意義]で表わされるアミン化合物とを塩基性化合物また
は遷移金属化合物触媒の存在下、適当な溶媒中で、Ull
mann反応により合成することができる。
【0017】また、一般式[IV]:
【化15】 [式中、R1は一般式[I]中のそれと同じ]で表わされる
ジアミン化合物と、下記一般式[VI]、[VII]、[V
III]および[IX]:
【化16】 [式中、R1〜R2およびAr1〜Ar2は、一般式[I]中の
それと同意義]で表わされるヨウ化物を、塩基性化合物
または遷移金属化合物触媒の存在下、適当な溶媒中でU
llmann反応により合成することもできる。
【0018】別な手順として一般式[V]で表わされる化
合物をアセチル化した後、一旦、まず一般式[VI]、
[VII]のヨウ化物を縮合させる。その後、脱アセチル
化して、得られた化合物と一般式[VIII]および[I
X]のヨウ化物を縮合させてもよい。
【0019】本発明のフェニレンジアミン化合物の合成
に用いられる塩基性化合物としては、アルカリ金属の水
酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、アルコラートなどが一般
的に用いられるが、第4級アンモニウム化合物や脂肪族
アミンや芳香族アミンのような有機塩基を用いることも
可能である。このなかでアルカリ金属や第4級アンモニ
ウムの炭酸塩や炭酸水素塩が好ましいものとして用いら
れる。更に、反応速度および熱安定性という観点からア
ルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素塩が最も好ましい。
【0020】本発明のフェニレンジアミン化合物の合成
に用いられる遷移金属または遷移金属化合物としては、
例えばCu、Fe、Co、Ni、Cr、V、Pd、Pt、Ag等
の金属およびそれらの化合物が用いられるが、収率の点
から銅およびパラジウムとそれらの化合物が好ましい。
銅化合物としては特に限定はなく、ほとんどの銅化合物
が用いられるが、ヨウ化第一銅、塩化第一銅、酸化第一
銅、臭化第一銅、シアン化第一銅、硫酸第一銅、硫酸第
二銅、塩化第二銅、水酸化第二銅、酸化第二銅、臭化第
二銅、リン酸第二銅、硝酸第一銅、硝酸第二銅、炭酸
銅、酢酸第一銅、酢酸第二銅などが好ましい。その中で
も特にCuCl、CuCl2、CuBr、CuBr2、CuI、Cu
O、CuO2、CuSO4、Cu(OCOCH3)2は容易に入
手可能である点で好適である。パラジウム化合物として
も、ハロゲン化合物、硫酸塩、硝酸塩、有機酸塩などを
用いることができる。遷移金属およびその化合物の使用
量は、反応させるヨウ化物の0.5〜500モル%であ
る。
【0021】本合成において用いられる溶媒は、一般的
に用いられる溶媒であればよい。ニトロベンゼン、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル
ピロリドン等の非プロトン性溶媒が好ましく用いられ
る。
【0022】本発明の反応は、一般的には常圧下100
〜250℃での温度で行なわれるが、加圧下で行っても
もちろん構わない。反応終了後、反応液中に析出した固
形物を除去した後、溶媒を除去し生成物を得ることがで
きる。
【0023】このようにして得られた本発明の一般式
[I]で表わされるフェニレンジアミン化合物は、適度な
結晶性を有するため再結晶精製により、容易に高純度に
することができる。
【0024】これらのフェニレンジアミン化合物は、単
独で用いても混合してもよい。また、他の電荷輸送物
質、例えばヒドラゾン化合物と混合して使用することも
可能である。
【0025】一般式[I]で表わされるフェニレンジアミ
ン化合物は、光感度、電荷の輸送性に優れており、光導
電性材料として極めて有効に使用することができ、特に
電荷輸送性に優れている。
【0026】本発明の一般式[I]で表わされるフェニレ
ンジアミン化合物は、感光体の感光材料、特に電荷輸送
物質として利用することができる。また、その電荷輸送
性を利用してエレクトロルミネセンス素子の電荷輸送層
に利用することができる。
【0027】まず、一般式[I]で表わされるフェニレン
ジアミン化合物を感光体の電荷輸送材料として利用する
場合について説明する。感光体としては、各種の形態の
感光体が知られており、本発明のフェニレンジアミン化
合物は、そのいずれの形態の感光体にも適用できる。例
えば、支持体上に電荷発生材料と、電荷輸送材料を結着
樹脂に分散させて成る感光層を設けた単層感光体や、支
持体上に電荷発生材料を主成分とする電荷発生層を設
け、その上に電荷輸送層を設けたいわゆる積層型感光体
等がある。本発明のフェニレンジアミン化合物1種また
は2種以上を電荷輸送材料に用いる。該フェニレンジア
ミン化合物は電荷輸送物質として作用し、光を吸収する
ことにより発生した電荷担体を、極めて効率よく輸送す
ることができる。
【0028】また、本発明のフェニレンジアミン化合物
は、耐オゾン性、光安定性に優れているので、耐久性に
優れた感光体を得ることができる。さらに、本発明のフ
ェニレンジアミン化合物は、結着樹脂との相溶性がよ
く、結晶が析出しにくく、感度、繰り返し特性の向上に
寄与している。
【0029】電荷発生材料としては、ビスアゾ系顔料、
トリアリールメタン系染料、チアジン系染料、オキサジ
ン系染料、キサンテン系染料、シアニン系色素、スチリ
ル色素、ピリリウム系染料、アゾ系顔料、キナクリドン
系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン
系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、インダスロン
系顔料、スクアリウム塩系顔料、アズレン系色素、フタ
ロシアニン系顔料等の有機物質や、セレン、セレン・テ
ルル、セレン・砒素などのセレン合金、硫化カドミウ
ム、セレン化カドミウム、酸化亜鉛、アモルアァスシリ
コン等の無機物質が挙げられる。これ以外でも、光を吸
収し極めて高い確率で電荷担体を発生する材料であれ
ば、いずれの材料であっても使用することができる。
【0030】適当な結着剤樹脂の例は、これに限定され
るものではないが、飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド
樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、イオ
ン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、スチレン−
ブタジエンブロック共重合体、ポリカーボネート、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロースエステル、ポ
リイミド、スチロール樹脂等の熱可塑性樹脂;エポキシ
樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、熱
硬化アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂;光硬化性樹脂;ポリ
ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルア
ントラセン、ポリビニルピロール等の光導電性樹脂であ
る。これらは単独で、または組合せて使用することがで
きる。これら電気絶縁性樹脂は単独で測定して1×10
12Ω・cm以上の体積抵抗を有することが望ましい。
【0031】単層型感光体を作製するためには、電荷発
生材料の微粒子を樹脂溶液もしくは電荷輸送材料と樹脂
を溶解した溶液中に分散せしめ、これを導電性支持体上
に塗布乾燥すればよい。この時の感光層の厚さは3〜3
0μm、好ましくは5〜20μmがよい。使用する電荷発
生材料の量が少な過ぎると感度が悪く、多過ぎると帯電
性が悪くなったり、感光層の機械的強度が弱くなったり
するため、感光層中に占める割合は樹脂1重量部に対し
て0.01〜2重量部、好ましくは、0.2〜1.2重
量部の範囲がよい。電荷輸送材料としての一般式[I]
で表されるフェニレンジアミン化合物は結着樹脂1重量
部に対して0.01〜2重量部、好ましくは0.1〜
1.5重量部、より好ましくは0.2〜1.2重量部で
ある。0.01重量部より少ないと感度が悪く、2重量
部より多いと成膜性が悪く、感光層の機械的強度も弱く
なる。
【0032】積層型感光体を作製するには、導電性支持
体上に電荷発生材料を真空蒸着するか、あるいは、適当
な溶媒に溶解せしめて塗布するか、顔料を適当な溶剤も
しくは必要があれば結着樹脂を溶解させた溶液中に分散
させて作製した塗布液を塗布乾燥した後、その上に電荷
輸送材料および結着樹脂を含む溶液を塗布乾燥して得ら
れる。このときの電荷発生層の厚みは4μm以下、好ま
しくは2μm以下がよく、電荷輸送層の厚みは3〜50
μm、好ましくは5〜30μmがよい。電荷輸送層中の電
荷輸送材料の割合は結着樹脂1重量部に対して0.2〜
2重量部、好ましくは、0.3〜1.3重量部である。
【0033】本発明の感光体は結着樹脂とともに、ハロ
ゲン化パラフイン、ポリ塩化ビフエニル、ジメチルナフ
タレン、ジブチルフタレート、O−ターフエニルなどの
可塑剤やクロラニル、テトラシアノエチレン、2,4,7
−トリニトロフルオレノン、5,6−ジシアノベンゾキ
ノン、テトラシアノキノジメタン、テトラクロル無水フ
タル酸、3,5−ジニトロ安息香酸等の電子吸引性増感
剤、メチルバイオレット、ローダミンB、シアニン染
料、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の増感剤を使用
してもよい。本発明において使用される電気絶縁性のバ
インダー樹脂としては、電気絶縁性であるそれ自体公知
の熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂や
光導電性樹脂等の結着剤を使用できる。本発明の感光体
に用いられる導電性支持体としては、銅、アルミニウ
ム、銀、鉄、ニッケル等の箔ないしは板をシート状又は
ドラム状にしたものが使用され、あるいはこれらの金属
を、プラスチックフイルム等に真空蒸着、無電解メッキ
したもの、あるいは導電性ポリマー、酸化インジウム、
酸化錫等の導電性化合物の層を同じく紙あるいはプラス
チックフィルムなどの支持体上に塗布もしくは蒸着によ
って設けられたものが用いられる。
【0034】本発明のフェニレンジアミン化合物を用い
た感光体の構成例を図1から図5に模式的に示す。図1
は、基体(1)上に光電荷発生材料(3)と電荷輸送材料
(2)を結着剤に配合した感光層(4)が形成された感光体
であり、電荷輸送材料として本発明のフェニレンジアミ
ン化合物が用いられている。図2は、感光層として電荷
発生層(6)と、電荷輸送層(5)を有する機能分離型感光
体であり、電荷発生層(6)の表面に電荷輸送層(5)が形
成されている。電荷輸送層(5)中に本発明のフェニレン
ジアミン化合物が配合されている。図3は、図2と同様
に電荷発生層(6)と、電荷輸送層(5)を有する機能分離
型感光体であるが、図2とは逆に電荷輸送層(5)の表面
に電荷発生層(6)が形成されている。図4は、図1の感
光体の表面にさらに表面保護層(7)を設けたものであ
り、感光層(4)は電荷発生層(6)と、電荷輸送層(5)を
有する機能分離型感光体であってもよい。図5は、基体
(1)と感光層(4)の間に中間層(8)を設けたものであ
り、中間層(8)は接着性の改良、塗工性の向上、基体の
保護、基体からの感光層への電荷注入性改善のために設
けることができる。
【0035】中間層に用いられる材料としては、ポリイ
ミド、ポリアミド、ニトロセルロース、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルアルコール、酸化アルミニウムなど
が適当で、また膜厚は1μm以下が望ましい。
【0036】本発明の一般式[I]で表されるフェニレ
ンジアミン化合物はその電荷輸送性を利用してエレクト
ロルミネセンス素子の電荷輸送層にも適用可能である。
以下、本発明のフェニレンジアミン化合物をエレクトロ
ルミネセンス素子の電荷輸送層へ適用する場合について
説明する。
【0037】有機エレクトロルミネセンス素子は電極間
に少なくとも有機発光層とフェニレンジアミン化合物を
含んだ電荷輸送層で構成されている。図6にエレクトロ
ルミネセンス素子の断面を模式的に示した。図中、(1
1)は陽極であり、その上に、電荷輸送層(12)と有機
発光層(13)および陰極(14)が順次積層された構成を
とっており、該電荷輸送層に上記一般式[I]で表され
るフェニレンジアミン化合物を含有する。陽極(11)と
陰極(14)に電圧を印加することにより有機発光層(1
3)が発色する。
【0038】有機エレクトロルミネセンス素子の陽極
(11)として使用される導電性物質としては4eVより
も大きい仕事関数をもつものがよく、炭素、アルミニウ
ム、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、
タングステン、銀、スズ、金などおよびそれらの合金、
酸化スズ、酸化インジウムが用いられる。陰極(14)を
形成する金属としては4eVよりも小さい仕事関数をも
つものがよく、マグネシウム、カルシウム、チタニウ
ム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、イッテル
ビウム、ルテニウム、マンガン、およびそれらの合金が
用いられる。
【0039】有機エレクトロルミネセンス素子において
は、発光が見られるように、少なくとも陽極(11)ある
いは陰極(14)は透明電極とする。この際、陰極に透明
電極を使用すると、透明性が損なわれやすいので、陽極
を透明電極とすることが好ましい。透明電極を形成する
場合、透明基板上に、上記したような導電性物質を用
い、蒸着、スパッタリング等の手段で所望の透光性が確
保されるように形成すればよい。透明基板としては、適
度の強度を有し、エレクトロルミネセンス素子作製時、
蒸着等による熱に悪影響を受けず、透明なものであれば
特に限定されないが、係るものを例示すると、ガラス基
板、透明な樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケ
トン等を使用することも可能である。ガラス基板上に透
明電極が形成されたものとしてはITO、NESA等の
市販品が知られており、それを使用してもよい。
【0040】電荷輸送層(12)は、前記した一般式[I]
で表されるフェニレンジアミン化合物を蒸着して形成し
てもよいし、該フェニレンジアミン化合物の適当な溶液
または樹脂溶液をスピンコートして形成してもよい。蒸
着法で形成する場合、その厚さは、通常0.01〜0.3
μmであり、スピンコート法で形成する場合は、フェニ
レンジアミン化合物が結着樹脂に対して20〜500重
量%程度の含有量となるように、厚さ0.05〜1.0μ
m程度に形成すればよい。
【0041】このように形成された電荷輸送層(12)の
上には、有機発光層を形成する。有機発光層に用いられ
る有機発光体としては、公知のものを使用可能で、たと
えばエピドリジン、2,5−ビス[5,7−ジ−t−ペンチ
ル−2−ベンゾキサゾリル]チオフェン、2,2'−(1,
4−フェニレンジビニレン)ビスベンゾチアゾール、2,
2’−(4,4'−ビフェニレン)ビスベンゾチアゾール、
5−メチル−2−{2−[4−(5−メチル−2−ベンゾ
キサゾリル)フェニル]ビニル}ベンゾオキサゾール、2,
5−ビス(5−メチル−2−ベンゾキサゾリル)チオフェ
ン、アントラセン、ナフタレン、フェナントレン、ピレ
ン、クリセン、ペリレン、ペリノン、1,4−ジフェニ
ルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、
マクリジンスチルベン、2−(4−ビフェニル)−6−フ
ェニルベンゾオキサゾール、アルミニウムトリスオキシ
ン、マグネシウムビスオキシン、ビス(ベンゾ−8−キ
ノリノール)亜鉛、ビス(2−メチル−8キノリノラー
ト)アルミニウムオキサイド、インジウムトリスオキシ
ン、アルミニウムトリス(5−メチルオキシン)、リチウ
ムオキシン、ガリウムトリオキシン、カルシウムビス
(5−クロロオキシン)、ポリ亜鉛−ビス(8−ヒドロキ
シ−5−キノリノニル)メタン)ジリチウムエピンドリジ
オン、亜鉛ビスオキシン、1,2−フタロペリノン、1,
2−ナフタロペリノンなどを挙げることができる。ま
た、一般的な蛍光染料、例えば蛍光クマリン染料、蛍光
ペリレン染料、蛍光ピラン染料、蛍光チオピラン染料、
蛍光ポリメチン染料、蛍光メロシアニン染料、蛍光イミ
ダゾール染料等も使用できる。このうち、特に好ましい
ものとしてはキレート化オキシノイド化合物が挙げられ
る。有機発光層は上記した発光物質の単層構成でもよい
し、発光の色、発光の強度等の特性を調整するために、
多層構成としてもよい。次に、有機発光層の上に、前記
した陰極を形成する。
【0042】以上、陽極(11)上に電荷輸送層(12)、
発光層(13)および陰極(14)を順次積層して有機ルミ
ネセンス素子を形成する場合について説明したが、陰極
(14)上に発光層(13)、電荷輸送層(12)および陽極
を順次積層してもよい。
【0043】1組の透明電極は各電極にニクロム線、金
線、銅線、白金線等の適当なリード線(15)を接続し、
有機ルミネセンス素子は両電極に適当な電圧(Vs)を印
加することにより発光する。
【0044】本発明の有機エレクトロルミネセンス素子
は各種の表示装置、あるいはディスプレイ装置等に適用
可能である。以下、具体的実施例を挙げながら本発明を
説明する。なお、以下の実施例中、「部」とあるのは、
特に断らない限り、「重量部」を意味するものとする。
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】実施例1 銅フタロシアニン50部とテトラニトロ銅フタロシアニ
ン0.2部を98%濃硫酸500部に十分撹拌しながら
溶解させ、それを水5000部にあけ、銅フタロシアニ
ンとテトラニトロ銅フタロシアニンの光導電性材料組成
物を析出させた後、濾過、水洗し、減圧下120℃で乾
燥した。こうして得られた光導電性組成物10部を熱硬
化性アクリル樹脂(アクリディクA405;大日本インク
社製)22.5部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンJ
820;大日本インク社製)7.5部、フェニレンジアミ
ン化合物[4]15部を、メチルエチルケトンとキシレン
を同量に混合した混合溶剤100部とともにボールミル
ポットに入れて48時間分散して感光性塗液を調製し、
この塗液をアルミニウム基体上に塗布、乾燥して厚さ約
15μmの感光層を形成させ感光体を作製した。こうし
て得られた感光体を市販の電子写真複写機(ミノルタカ
メラ社製;EP−470Z)の改造機を用い、+6Kvで
コロナ帯電させ、初期表面電位V0(V)、初期電位を1
/2にするために要した露光量E1/2(lux・sec)、1秒
間暗中に放置したときの初期電位の減衰率DDR1(%)
を測定した。
【0054】
【0055】比較例1〜4 実施例1と同様の方法で同一の構成のもの、但し実施例
1で用いたフェニレンジアミン化合物の代わりに下記化
合物[C]、[D]、[E]、[F]を各々用いる以外は実施例
1と全く同様にして感光体を作製した。
【化19】 こうして得られた感光体について、実施例1と同様の方
法でV0、E1/2、DDR1を測定した。
【0056】比較例5〜7 実施例1と同様の方法で同一の構成のもの、但し実施例
1で用いたフェニレンジアミン化合物の代わりに下記化
合物[G]、[H]、[I]を各々用いる以外は実施例1と全
く同様にして感光体を作製した。
【化20】 比較例1〜7においては、化合物[E]、[F]、[G]、
[H]および[I]を用いた感光性塗液については感光層塗
布時に、一部結晶が析出したことが観測された。こうし
て得られた感光体について、実施例1と同様の方法でV
0、E1/2、DDR1を測定した。実施例1、比較例1〜
7で得られた感光体のV0、E1/2、DDR1の測定結果
を表2にまとめて示す。
【表2】
【0057】表2からわかるように、本発明の感光体は
電荷保持能が充分あり、暗減衰率も感光体としては充分
使用可能な程度に小さく、また、感度においても優れて
いる。更に、市販の電子写真複写機(ミノルタカメラ社
製;EP−350Z)による正帯電時の繰り返し実写テス
トを実施例1の感光体において行なったが、1000枚
のコピーを行なっても、初期、最終画像において階調性
が優れ、感度変化が無く、鮮明な画像が得られ、本発明
の感光体は繰り返し特性も安定していることがわかる。
【0058】
【発明の効果】本発明は、新規なフェニレンジアミン化
合物を提供した。本発明が提供したフェニレンジアミン
化合物は、感光体、エレクトロルミネセンス素子の電荷
輸送層に使用することができる。本発明のフェニレンジ
アミン化合物を電荷輸送層に適用した感光体は、感度、
電荷輸送性、初期表面電位、暗減衰率の感光体特性に優
れ、繰り返し使用に対する光疲労も少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 導電性支持体上に感光層を積層してなる分散
型感光体の概略断面図である。
【図2】 導電性支持体上に電荷発生層および電荷輸送
層を積層してなる機能分離型感光体の概略断面図であ
る。
【図3】 導電性支持体上に電荷輸送層および電荷発生
層を積層してなる機能分離型感光体の概略断面図であ
る。
【図4】 導電性支持体上に感光層および表面保護層を
形成した感光体の概略断面図である。
【図5】 導電性支持体上に中間層および感光層を形成
した感光体の概略断面図である。
【図6】 エレクトロルミネセンス素子の概略断面図を
表わす。
【符号の説明】
1 基体 2 電荷輸送材料 3 電荷発生材料 4 感光層 5 電荷輸送層 6 電荷発生層 7 表面保護層 8 中間層 11 陽極 12 電荷輸送層 13 有機発光層 14 陰極

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[I]: 【化1】 [式中、R1、R2およびR3は、それぞれ水素原子、アル
    キル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表わす; A
    r1およびAr2は、それぞれ置換基を有していてもよい複
    素環基を表わす。]で表わされるフェニレンジアミン化
    合物。
  2. 【請求項2】 導電性支持体上に、請求項1に化1とし
    て記載の一般式[I]で表わされるフェニレンジアミン化
    合物を含有する感光層を有する感光体。
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