JP2005162641A - アミン化合物およびその製造方法、ならびに該アミン化合物を用いた電子写真感光体およびそれを備える画像形成装置 - Google Patents

アミン化合物およびその製造方法、ならびに該アミン化合物を用いた電子写真感光体およびそれを備える画像形成装置 Download PDF

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Abstract


【課題】高い電荷輸送能力を有し、地球環境への負荷の大きいリン系の反応試薬を使用することなく製造することのできるアミン化合物、ならびに電気特性、環境安定性、電気的および機械的耐久性に優れる電子写真感光体を提供する。
【解決手段】一般式(1)で示されるアミン化合物を電荷輸送物質として電子写真感光体の電荷輸送層に含有させる。
Figure 2005162641

Ar〜Arは、アリール基又は1価の複素環残基。Arは、アリーレン基又は2価の複素環残基。Rは、アルキル基、アリール基、1価の複素環残基又はアラルキル基。nは1又は2の整数。
【選択図】なし

Description

本発明は、アミン化合物およびその製造方法、ならびに該アミン化合物を用いた電子写真感光体およびそれを備える画像形成装置に関する。
電子写真技術を用いて画像を形成する電子写真方式の画像形成装置(以下、電子写真装置と称する)は、複写機、プリンタまたはファクシミリ装置などとして多用されている。電子写真装置では、以下のような電子写真プロセスを経て画像を形成する。まず、装置に備わる電子写真感光体(以下、単に感光体とも称する)の感光層を、帯電ローラなどの帯電手段によって所定の電位に一様に帯電させ、露光手段によって画像情報に応じた露光を施し、静電潜像を形成する。形成された静電潜像に対して現像剤を供給し、感光体の表面に現像剤の成分であるトナーを付着させることによって静電潜像を現像し、トナー画像として顕像化する。形成されたトナー画像を、転写手段によって感光体の表面から記録紙などの転写材上に転写し、定着手段によって定着させる。またトナー画像が転写された後の感光体に対して、クリーニングブレードなどを備えるクリーニング手段によってクリーニングを施し、転写動作時に転写材上に転写されずに感光体表面に残留するトナーなどを除去する。その後、除電器などによって感光層表面を除電し、静電潜像を消失させる。
近年、電子写真技術は、複写機などの画像形成装置の分野に限らず、従来では写真技術が使われていた印刷版材、スライドフィルムまたはマイクロフィルムなどの分野においても利用されており、レーザ、発光ダイオード(Light Emitting Diode;略称:LED)または陰極線管(Cathode Ray Tube;略称:CRT)などを光源とする高速プリンタにも応用されている。電子写真技術の応用範囲の拡大に伴い、電子写真感光体に対する要求は、高度で幅広いものになりつつある。
電子写真感光体は、導電性材料から成る導電性支持体上に、光導電性材料を含有する感光層が積層されて構成される。電子写真感光体としては、従来から、セレン、酸化亜鉛またはカドミウムなどの無機光導電性材料を主成分とする感光層を備える無機感光体が広く用いられている。無機感光体は、感光体としての基礎特性をある程度は備えているけれども、感光層の成膜が困難で可塑性が悪い、製造原価が高いなどの問題がある。また無機光導電性材料は一般に毒性が強く、製造上および取扱い上、大きな制約がある。
このように無機光導電性材料およびそれを用いた無機感光体には多くの欠点があることから、有機光導電性材料の研究開発が進んでいる。有機光導電性材料を用いた有機感光体は、感光層の成膜性がよく、可撓性も優れている上に、軽量で、透明性もよく、適当な増感方法によって広範囲の波長域に対して良好な感度を示す感光体を容易に設計できるなどの利点を有しているので、次第に電子写真感光体の主力として開発されてきている。また有機光導電性材料は、近年、幅広く研究開発され、電子写真感光体に利用されるだけでなく、静電記録素子、センサ材料または有機エレクトロルミネセント(Electro
Luminescent;略称:EL)素子などに応用され始めている。
有機感光体は、初期には感度および耐久性に欠点を有していたけれども、これらの欠点は電荷発生機能と電荷輸送機能とを別々の物質にそれぞれ分担させた機能分離型電子写真感光体の開発によって著しく改善されている。また機能分離型感光体は、有機感光体の有する前述の利点に加え、感光層を構成する材料の選択範囲が広く、任意の特性を有する電子写真感光体を比較的容易に作製できるという利点も有している。機能分離型感光体には積層型と単層型とがあり、積層型の機能分離型感光体では、電荷発生機能を担う電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送機能を担う電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とが積層されて構成される積層型の感光層が設けられる。電荷発生層および電荷輸送層は、通常、電荷発生物質および電荷輸送物質がそれぞれ結着剤であるバインダ樹脂中に分散された形で形成される。また単層型の機能分散型感光体では、電荷発生物質と電荷輸送物質とがバインダ樹脂中に共に分散されて成る単層型の感光層が設けられる。
機能分離型感光体に用いられる電荷発生物質としては、フタロシアニン顔料、スクアリリウム色素、アゾ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、シアニン色素、スクアリン酸染料およびピリリウム塩系色素などの多種の物質が検討され、耐光性が強く電荷発生能力の高い種々の材料が提案されている。
また、電荷輸送物質としては、たとえばピラゾリン化合物(たとえば、特許文献1参照)、ヒドラゾン化合物(たとえば、特許文献2〜4参照)、トリフェニルアミン化合物(たとえば、特許文献5〜7参照)およびスチルベン化合物(たとえば、特許文献8〜14参照)などの種々の化合物が提案されている。
電荷輸送物質には、
(1)光および熱に対して安定であること、
(2)感光体を帯電させる際のコロナ放電によって発生するオゾン、窒素酸化物(化学式:NOx)および硝酸などの活性物質に対して安定であること、
(3)高い電荷輸送能力を有すること、
(4)有機溶剤およびバインダ樹脂との相溶性が高いこと、
(5)製造が容易で安価であること
などが要求される。しかしながら、前述の特許文献1〜14などに開示の電荷輸送物質は、これらの要求の一部を満足するけれども、すべてを高いレベルで満足するには至っていない。
また、近年では、デジタル複写機およびプリンタなどの電子写真装置に対する小型化および高速化の要求に対応し、感光体特性として高感度化が要求されており、電荷輸送物質には、特に高い電荷輸送能力が求められている。また高速の電子写真プロセスでは、露光から現像までの時間が短いので、光応答性に優れる感光体が求められる。感光体の光応答性が悪い、すなわち露光による感光層の表面電位の減衰速度が遅いと、残留電位が上昇し、表面電位が充分に減衰していない状態で繰返し使用されることになるので、消去されるべき部分の表面電荷が露光によって充分に消去されず、画像濃度が低下するなどの画質の低下が早期に生じる。機能分離型感光体では、光吸収によって電荷発生物質で発生した電荷が電荷輸送物質によって感光層表面に輸送されることによって、光が照射された部分の感光層の表面電荷が消去されるので、光応答性は電荷輸送物質の電荷輸送能力に依存する。したがって、光応答性が高く、高速の電子写真プロセスにおいても高品質の画像を形成することのできる感光体を実現するという観点からも、電荷輸送物質には高い電荷輸送能力が求められる。
また、電子写真装置の高耐久化を実現するためには、電子写真感光体が、電気的および機械的外力に対する耐久性に優れ、長期間安定して動作し得ることが重要となる。そこで、感光体の機械的耐久性を向上させるために、電荷輸送物質には、高い電荷輸送能力が求められる。
感光体が電子写真装置に搭載されて使用される際、感光体の表面層は、クリーニングブレードまたは帯電ローラなどの接触部材によってその一部が削り取られることを余儀なくされる。感光体の表面層の膜減り量が多いと、感光体の帯電保持能が低下し、高品質の画像を提供することができなくなるので、電子写真装置の高耐久化のためには、前述の接触部材に対して強い表面層、すなわち膜減り量の少ない耐刷性の高い表面層を有する機械的耐久性の高い感光体が求められる。表面層の耐刷性を高くして感光体の機械的耐久性を向上させるためには、一般に表面層として用いられる電荷輸送層中のバインダ樹脂の含有率を高くすることが必要である。しかしながら、バインダ樹脂の含有率を高くすると、相対的に電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有率が低下するので、電荷輸送層の電荷輸送能力が低下し、光応答性が低下するという問題が生じる。感光体の光応答性は、前述のように電荷輸送物質の電荷輸送能力に依存するので、光応答性を低下させることなく、バインダ樹脂の含有率を高めて感光体の機械的耐久性を向上させるためにも、電荷輸送物質には特に高い電荷輸送能力が求められる。
しかしながら、前述の特許文献1〜14に開示の電荷輸送物質の電荷輸送能力は充分でなく、これらの電荷輸送物質を用いても、充分な感度および光応答性を有する感光体を実現することはできない。特に低温環境下では充分な感度および光応答性が得られず、実使用上充分な画像濃度を有する画像を形成することはできない。
また、電子写真装置に搭載される感光体は、メンテナンス時などに外光に曝されるので、感光体には、外光に曝されても感光体としての諸特性が低下しないことが求められる。
また、近年では、化学物質による地球環境の破壊が問題になっており、感光体の製造過程および感光体を構成する材料の製造過程において生じる廃液などを適切に処理することが厳しく求められている。特に、前述の特許文献8〜14に開示のスチルベン化合物の製造過程において多用されているリン系の反応試薬、たとえば芳香族化合物、複素環化合物またはオレフィン類などにホルミル基を導入するためのフィルスマイヤー反応に用いられるオキシ塩化リン試薬、カルボニル化合物をオレフィンに変換するためのウィッティッヒ反応に用いられるトリフェニルホスフィンまたは亜リン酸トリエチルなどのリン試薬は、地球環境への負荷が大きいので、これらの試薬を用いる場合には、廃液の処理が煩雑となる。したがって、感光体および感光体を構成する電荷輸送物質などの材料には、製造過程において、地球環境への負荷の大きい溶媒および試薬などを極力使用しないことが求められる。
特公昭52−4188号公報 特開昭54−150128号公報 特公昭55−42380号公報 特開昭55−52063号公報 特公昭58−32372号公報 特開平2−190862号公報 特開平7−48324号公報 特開昭54−151955号公報 特開昭58−198043号公報 特公平3−39306号公報 特公平4−66023号公報 特開昭59−95540号公報 特開昭59−97148号公報 特開昭59−191057号公報
本発明の目的は、高い電荷輸送能力を有するとともに、地球環境への負荷の大きいリン系の反応試薬を使用することなく製造することのできるアミン化合物およびその製造方法を提供することである。
また本発明の他の目的は、前記アミン化合物を用いることによって、帯電性、感度および光応答性などの電気特性に優れ、かつ温度および湿度などの周囲の環境が変化しても、繰返し使用されても、また外光に曝されても良好な電気特性が低下せず、また機械的耐久性に優れ、低温環境下で用いられた場合であっても、高速の電子写真プロセスに用いられた場合であっても、形成される画像に長期間に亘って画質低下を生じることのない信頼性の高い電子写真感光体およびそれを備える画像形成装置を提供することである。
本発明は、下記一般式(1)で示されるアミン化合物である。
Figure 2005162641
(式中、Ar、ArおよびArは、それぞれ置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよい1価の複素環残基を示す。Arは、置換基を有してもよいアリーレン基または置換基を有してもよい2価の複素環残基を示す。Rは、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい1価の複素環残基または置換基を有してもよいアラルキル基を示す。RおよびRは、それぞれ水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい1価の複素環残基または置換基を有してもよいアラルキル基を示す。nは1または2の整数を示す。nが2のとき、2個のRは同一でも異なってもよく、2個のRは同一でも異なってもよい。)
また本発明は、下記一般式(2)で示されるアミン−ブタジエン化合物であることを特徴とする。
Figure 2005162641
(式中、Rは、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、−NR(RおよびRは、それぞれ置換基を有してもよいアルキル基を示す)で表されるジアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリール基、ハロゲン原子または水素原子を示す。mは1〜6の整数を示す。mが2以上のとき、複数のRは、同一でも異なってもよく、互いに結合して環構造を形成してもよい。Ar、Ar、ArおよびRは、一般式(1)において定義したものと同義である。)
また本発明は、導電性材料から成る導電性支持体と、前記導電性支持体上に設けられ電荷発生物質および電荷輸送物質を含有する感光層とを有する電子写真感光体において、
前記電荷輸送物質は、前記アミン化合物を含むことを特徴とする電子写真感光体である。
また本発明は、前記電荷発生物質は、オキソチタニウムフタロシアニン化合物を含むことを特徴とする。
また本発明は、前記オキソチタニウムフタロシアニン化合物は、Cu−Kα特性X線(波長:1.54Å)に対するX線回折スペクトルにおいて少なくともブラッグ角2θ(誤差:2θ±0.2°)27.2°に明確な回折ピークを示す結晶構造を有するオキソチタニウムフタロシアニン化合物であることを特徴とする。
また本発明は、前記感光層は、前記電荷発生物質を含有する電荷発生層と、前記電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とが積層されて構成されることを特徴とする。
また本発明は、前記電荷輸送層は、さらにバインダ樹脂を含有し、
前記電荷輸送層における一般式(1)で示されるアミン化合物の重量Aと前記バインダ樹脂の重量Bとの比率A/Bは、10/30以上10/12以下であることを特徴とする。
また本発明は、前記導電性支持体と前記感光層との間に、さらに中間層を有することを特徴とする。
また本発明は、前記電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、
帯電された前記電子写真感光体に対して露光を施す露光手段と、
露光によって形成される静電潜像を現像する現像手段とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
また本発明は、前記アミン化合物の製造方法であって、
下記一般式(3)
Figure 2005162641
(式中、Ar、ArおよびArは、一般式(1)において定義したものと同義である。)で示されるアミン化合物と、下記一般式(4−1)
Figure 2005162641
(式中、Xはハロゲン原子を示し、Rは一般式(1)において定義したものと同義である。)で示されるハロゲン化アシルまたは下記一般式(4−2)
Figure 2005162641
(式中、Rは一般式(1)において定義したものと同義である。)で示されるカルボン酸無水物とを、ルイス酸の存在下に反応させ、下記一般式(5)
Figure 2005162641
(式中、Ar、Ar、ArおよびRは、一般式(1)において定義したものと同義である。)で示されるアミン−カルボニル中間体を合成する工程と、
得られた一般式(5)で示されるアミン−カルボニル中間体に、下記一般式(6−1)
Figure 2005162641
(式中、Xはハロゲン原子を示し、Ar、RおよびRは、一般式(1)において定義したものと同義である。)または下記一般式(6−2)
Figure 2005162641
(式中、Xはハロゲン原子を示し、Ar、RおよびRは、一般式(1)において定義したものと同義である。)で示されるアリルハライドと金属マグネシウムとから調製されるグリニヤール試薬を反応させる工程とを含むことを特徴とするアミン化合物の製造方法である。
本発明によれば、一般式(1)で示されるアミン化合物、特に一般式(2)で示されるアミン−ブタジエン化合物は、高い電荷輸送能力を有する。したがって、一般式(1)で示されるアミン化合物、好ましくは一般式(2)で示されるアミン−ブタジエン化合物を電荷輸送物質として電子写真感光体の感光層に含有させることによって、帯電性、感度および光応答性などの電気特性に優れ、かつ温度および湿度などの周囲の環境が変化しても、繰返し使用されても、また外光に曝されても良好な電気特性が低下しない信頼性の高い電子写真感光体を実現することができる。また一般式(1)で示されるアミン化合物、好ましくは一般式(2)で示されるアミン−ブタジエン化合物をセンサ材料、EL素子または静電記録素子などに用いることによって、応答性の優れたデバイスを提供することができる。
また、一般式(1)で示されるアミン化合物を電子写真感光体の感光層に含有させることによって、感光層に優れた耐摩耗特性を付与し、感光層の耐刷性を向上させることができるので、機械的耐久性に優れる電子写真感光体が実現される。一般式(1)で示されるアミン化合物を含有させることによって感光層に優れた耐摩耗特性を付与することができるのは、一般式(1)で示されるアミン化合物自体の機械的強度が高いことによると推察される。すなわち、一般式(1)で示されるアミン化合物は、多重結合末端部分の置換パターンが一置換(=CH−Ar)であるので、分子の密に詰まった理想的な重なり状態のスタッキング構造が実現される。したがって、一般式(1)で示されるアミン化合物の機械的強度は高く、一般式(1)で示されるアミン化合物を感光層に含有させることによって、感光層に優れた耐摩耗特性が付与されるものと考えられる。
このように、一般式(1)で示されるアミン化合物、好ましくは一般式(2)で示されるアミン−ブタジエン化合物を感光層に含有させることによって、電気特性、環境安定性、ならびに電気的および機械的耐久性に優れる信頼性の高い電子写真感光体を実現することができる。このような電子写真感光体を用いることによって、低温環境下においても、また高速の電子写真プロセスにおいても、長期間に亘って、画質低下を生じることなく、高品質の画像を形成することができる。
また、一般式(1)で示されるアミン化合物は、一般式(3)で示されるアミン化合物の一般式(4−1)で示されるハロゲン化アシルまたは一般式(4−2)で示されるカルボン酸無水物を用いたフリーデル−クラフトアシル化反応によって一般式(5)で示されるアミン−カルボニル中間体を合成し、次いで、得られた一般式(5)で示されるアミン−カルボニル中間体と、一般式(6−1)または一般式(6−2)で示されるアリルハライドと金属マグネシウムとから調製されるグリニヤール試薬とのグリニヤール反応を行うことによって製造することができる。
このように、一般式(1)で示されるアミン化合物は、地球環境への負荷の大きいリン系の反応試薬を使用することなく、製造することができるので、一般式(1)で示されるアミン化合物の製造過程において生じる廃液は、地球環境への負荷が小さく、処理が容易であり、また廃液処理に必要な費用も少ない。このため、一般式(1)で示されるアミン化合物の製造原価は低い。また一般式(1)で示されるアミン化合物の中でも、一般式(2)で示されるアミン−ブタジエン化合物は、合成の最も容易なナフタレンアミン−末端一置換ブタジエン構造を有するので、製造原価がさらに低い。したがって、一般式(1)で示されるアミン化合物、好ましくは一般式(2)で示されるアミン−ブタジエン化合物を電荷輸送物質として用いることによって、前述のように電気特性、環境安定性、ならびに電気的および機械的耐久性に優れる信頼性の高い電子写真感光体を低い製造原価で製造することができる。
また本発明によれば、電子写真感光体の感光層には、一般式(1)で示されるアミン化合物、好ましくは一般式(2)で示されるアミン−ブタジエン化合物が電荷輸送物質として含有される。このことによって、帯電性、感度および光応答性などの電気特性に優れ、かつ温度および湿度などの周囲の環境が変化しても、繰返し使用されても、また外光に曝されても良好な電気特性が低下せず、また機械的耐久性に優れ、低温環境下で用いられた場合であっても、高速の電子写真プロセスに用いられた場合であっても、形成される画像に長期間に亘って画質低下を生じることのない信頼性の高い電子写真感光体を得ることができる。
また本発明によれば、電子写真感光体の感光層には、電荷発生物質として、オキソチタニウムフタロシアニン化合物、好ましくはCu−Kα特性X線(波長:1.54Å)に対するX線回折スペクトルにおいて少なくともブラッグ角2θ(誤差:2θ±0.2°)27.2°に明確な回折ピークを示す結晶構造を有するオキソチタニウムフタロシアニン化合物が含有される。オキソチタニウムフタロシアニン化合物は、高い電荷発生効率と高い電荷注入効率とを有する電荷発生物質であるので、光を吸収することによって多量の電荷を発生するとともに、発生した電荷をその内部に蓄積することなく、電荷輸送物質に効率よく注入する。感光層には、電荷輸送物質として、電荷輸送能力の高い一般式(1)で示されるアミン化合物が含有されるので、光吸収によってオキソチタニウムフタロシアニン化合物で発生する電荷は、一般式(1)で示されるアミン化合物に効率的に注入され、感光層表面に円滑に輸送される。したがって、前述のように、一般式(1)で示されるアミン化合物と共に、オキソチタニウムフタロシアニン化合物、好ましくは前記特定の結晶構造を有するオキソチタニウムフタロシアニン化合物を感光層に含有させることによって、高感度かつ高解像度の電子写真感光体を得ることができる。
また本発明によれば、電子写真感光体の感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、一般式(1)で示されるアミン化合物を含む電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とが積層されて構成される。このように、電荷発生機能と電荷輸送機能とを別々の層に担わせることによって、各層を構成する材料として電荷発生機能および電荷輸送機能それぞれに最適な材料を選択することが可能となるので、帯電性、感度および光応答性などの電気特性に特に優れ、さらに繰返し使用時の安定性も増した耐久性の特に高い電子写真感光体を得ることができる。
また本発明によれば、電荷輸送層における一般式(1)で示されるアミン化合物の重量Aとバインダ樹脂の重量Bとの比率A/Bは、30分の10(10/30)以上12分の10(10/12)以下である。このことによって、電荷輸送層の耐刷性を向上させることができるので、一般式(1)で示されるアミン化合物を含有させることによって付与される電荷輸送層の優れた耐摩耗特性との相乗効果によって、電子写真感光体の機械的耐久性が一層向上される。また一般式(1)で示されるアミン化合物は、高い電荷輸送能力を有するので、前述のように前記比率A/Bを10/12以下として電荷輸送層におけるバインダ樹脂の比率を高くしても、電子写真感光体は充分に高い光応答性を示す。すなわち、光応答性を低下させることなく、前記比率A/Bを10/30以上10/12以下とすることができるので、光応答性が高く、かつ機械的耐久性に特に優れる電子写真感光体を得ることができる。
また本発明によれば、導電性支持体と感光層との間には中間層が設けられる。このことによって、導電性支持体からの感光層への電荷の注入を防止することができるので、感光層の帯電性の低下を防ぐことができ、露光される部分以外での表面電荷の減少を抑え、画像にかぶりなどの欠陥が発生することを防止することができる。また導電性支持体表面の欠陥を被覆して均一な表面を得ることができるので、感光層の成膜性を高めることができる。また中間層が導電性支持体と感光層との接着剤として機能するので、感光層の導電性支持体からの剥離を抑えることができる。
また本発明によれば、画像形成装置に備わる電子写真感光体は、前述のように、帯電性、感度および光応答性などの電気特性に優れ、かつ温度および湿度などの周囲の環境が変化しても、繰返し使用されても良好な電気特性が低下せず、また機械的耐久性にも優れるので、各種の環境下において長期間に亘って安定して画質低下のない画像形成が可能な信頼性の高い画像形成装置を得ることができる。また画像形成装置に備わる電子写真感光体は、高速の電子写真プロセスに用いられた場合であっても、形成される画像に画質低下を生じることがないので、高品質の画像を高速で形成することのできる画像形成装置を実現することができる。また画像形成装置に備わる電子写真感光体の電気特性は、外光に曝されても低下しないので、メンテナンス時などに電子写真感光体が外光に曝されることに起因する画質の低下が抑えられる。
本発明のアミン化合物は、下記一般式(1)で表される。
Figure 2005162641
一般式(1)において、Ar、ArおよびArは、それぞれ置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよい1価の複素環残基を示す。Arは、置換基を有してもよいアリーレン基または置換基を有してもよい2価の複素環残基を示す。Rは、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい1価の複素環残基または置換基を有してもよいアラルキル基を示す。RおよびRは、それぞれ水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい1価の複素環残基または置換基を有してもよいアラルキル基を示す。nは1または2の整数を示す。nが2のとき、2個のRは同一でも異なってもよく、2個のRは同一でも異なってもよい。
一般式(1)で示されるアミン化合物のうち、好ましいものとしては、下記一般式(2)で示されるアミン−ブタジエン化合物を挙げることができる。
Figure 2005162641
一般式(2)において、Rは、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、−NR(RおよびRは、それぞれ置換基を有してもよいアルキル基を示す)で表されるジアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリール基、ハロゲン原子または水素原子を示す。mは1〜6の整数を示す。mが2以上のとき、複数のRは、同一でも異なってもよく、互いに結合して環構造を形成してもよい。Ar、Ar、ArおよびRは、一般式(1)において定義したものと同義である。
一般式(1)で示される本発明のアミン化合物、特に一般式(2)で示されるアミン−ブタジエン化合物は、高い電荷輸送能力を有する。したがって、一般式(1)で示されるアミン化合物、好ましくは一般式(2)で示されるアミン−ブタジエン化合物を電荷輸送物質として電子写真感光体の感光層に含有させることによって、帯電性、感度および光応答性などの電気特性に優れ、かつ温度および湿度などの周囲の環境が変化しても、繰返し使用されても、また外光に曝されても良好な電気特性が低下しない信頼性の高い電子写真感光体を実現することができる。また一般式(1)で示されるアミン化合物、好ましくは一般式(2)で示されるアミン−ブタジエン化合物をセンサ材料、EL素子または静電記録素子などに用いることによって、応答性の優れたデバイスを提供することができる。
また、一般式(1)で示されるアミン化合物を電子写真感光体の感光層に含有させることによって、感光層に優れた耐摩耗特性を付与し、感光層の耐刷性を向上させることができるので、機械的耐久性に優れる電子写真感光体が実現される。一般式(1)で示されるアミン化合物を含有させることによって感光層に優れた耐摩耗特性を付与することができるのは、一般式(1)で示されるアミン化合物自体の機械的強度が高いことによると推察される。すなわち、一般式(1)で示されるアミン化合物は、多重結合末端部分の置換パターンが一置換(=CH−Ar)であるので、分子の密に詰まった理想的な重なり状態のスタッキング構造が実現される。したがって、一般式(1)で示されるアミン化合物の機械的強度は高く、一般式(1)で示されるアミン化合物を感光層に含有させることによって、感光層に優れた耐摩耗特性が付与されるものと考えられる。
このように、一般式(1)で示されるアミン化合物、好ましくは一般式(2)で示されるアミン−ブタジエン化合物を感光層に含有させることによって、電気特性、環境安定性、ならびに電気的および機械的耐久性に優れる信頼性の高い電子写真感光体を実現することができる。このような電子写真感光体を用いることによって、低温環境下においても、また高速の電子写真プロセスにおいても、長期間に亘って、画質低下を生じることなく、高品質の画像を形成することができる。
また、一般式(1)で示されるアミン化合物は、後述するように、地球環境への負荷の大きいリン系の反応試薬を使用することなく、製造することができるので、一般式(1)で示されるアミン化合物の製造過程において生じる廃液は、地球環境への負荷が小さく、処理が容易であり、また廃液処理に必要な費用も少ない。このため、一般式(1)で示されるアミン化合物の製造原価は低い。また一般式(1)で示されるアミン化合物の中でも、一般式(2)で示されるアミン−ブタジエン化合物は、合成の最も容易なナフタレンアミン−末端一置換ブタジエン構造を有するので、製造原価がさらに低い。したがって、一般式(1)で示されるアミン化合物、好ましくは一般式(2)で示されるアミン−ブタジエン化合物を電荷輸送物質として用いることによって、前述のように電気特性、環境安定性、ならびに電気的および機械的耐久性に優れる信頼性の高い電子写真感光体を低い製造原価で製造することができる。
本明細書において、アリール基としては、たとえばフェニル、ナフチル、ビフェニリル、ターフェニル、ピレニルおよびアントリルなどを挙げることができる。アリール基の有することのできる置換基としては、たとえばメチル、エチルおよびプロピルなどのアルキル基、トリフルオロメチルなどのハロアルキル基、2−プロペニルおよびスチリルなどのアルケニル基、メトキシ、エトキシおよびプロポキシなどのアルコキシ基、メチルアミノ、エチルアミノなどのアルキルアミノ基、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピルアミノなどのジアルキルアミノ基、フッ素原子、塩素原子および臭素原子などのハロゲン原子、フェノキシなどのアリールオキシ基、ならびにフェニルチオなどのアリールチオ基などを挙げることができる。置換基を有するアリール基としては、たとえばトリル、メトキシフェニル、フェノキシフェニル、p−(フェニルチオ)フェニルおよびp−スチリルフェニルなどを挙げることができる。
1価の複素環残基としては、たとえばフリル、チエニル、チアゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリルおよびベンゾピラニルなどのヘテロ原子として、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子またはテルル原子など、好ましくは酸素原子、窒素原子または硫黄原子を有する5員、6員または縮合環、好ましくは5員の複素環基を挙げることができる。1価の複素環残基の有することのできる置換基としては、前述のアリール基の有することのできる置換基と同様のものを挙げることができる。置換基を有する1価の複素環残基としては、たとえばN−メチルインドリルおよびN−エチルカルバゾリルなどを挙げることができる。
アリーレン基としては、たとえばp−フェニレン、1,4−ナフチレン、ピレニレンおよび4,4’−ビフェニリレンなどを挙げることができる。アリーレン基の有することのできる置換基としては、前述のアリール基の有することのできる置換基と同様のものを挙げることができる。置換基を有するアリーレン基としては、たとえば2−メチル−1,4−フェニレンおよび2−メトキシ−1,4−フェニレンなどを挙げることができる。
2価の複素環残基としては、たとえば1,4−フリレン、1,4−チエニレン、1,4−チアゾリレンおよび4,5−カルバゾリレンなどのヘテロ原子として、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子またはテルル原子など、好ましくは酸素原子、窒素原子または硫黄原子を有する5員、6員または縮合環、好ましくは5員の複素環基を挙げることができる。2価の複素環残基の有することのできる置換基としては、前述のアリール基の有することのできる置換基と同様のものを挙げることができる。置換基を有する2価の複素環残基としては、たとえばN−エチル−4,5−カルバゾリレンなどを挙げることができる。
アルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルおよびt−ブチルなどの鎖状アルキル基、ならびにシクロヘキシルおよびシクロペンチルなどのシクロアルキル基などを挙げることができる。アルキル基の有することのできる置換基としては、前述のアリール基が有することのできる置換基と同様のものを挙げることができる。置換基を有するアルキル基としては、たとえばトリフルオロメチル、フルオロメチルおよび2,2,2−トリフルオロエチルなどのハロアルキル基、1−メトキシエチルおよびメトキシメチルなどのアルコキシアルキル基、ならびに2−チエニルメチルなどの1価の複素環残基で置換されたアルキル基などを挙げることができる。
アラルキル基としては、たとえばベンジルおよび1−ナフチルメチルなどを挙げることができる。アラルキル基の有することのできる置換基としては、前述のアリール基の有することのできる置換基と同様のものを挙げることができる。置換基を有するアラルキル基としては、たとえばp−メトキシベンジルなどを挙げることができる。
アルコキシ基としては、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、たとえばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシおよびイソプロポキシなどを挙げることができる。アルコキシ基の有することのできる置換基としては、前述のアリール基の有することのできる置換基と同様のものを挙げることができる。
−NRで表されるジアルキルアミノ基としては、たとえばジメチルアミノ、ジエチルアミノおよびジイソプロピルアミノなどを挙げることができ、これらの中でも、RおよびRが炭素数1〜4のアルキル基であるものが好ましい。
ハロゲン原子としては、たとえばフッ素原子および塩素原子などを挙げることができる。
一般式(1)で示されるアミン化合物のうち、特性、原価および生産性などの観点から特に優れた化合物としては、ArおよびArがp−トリルまたはp−メトキシフェニルであり、Arがフェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル、α−ナフチル、1−フリル、2−ベンゾフリルまたは1−チエニルであり、Arがp−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2−メトキシ−1,4−フェニレン、4,4’−ビフェニリレンまたは1,4−ナフチレンであり、Rがメチルであり、RおよびRが水素原子であり、nが1であるものを挙げることができる。
一般式(1)で示される本発明のアミン化合物の具体例としては、たとえば以下の表1〜表4に示す例示化合物No.1〜No.40を挙げることができるけれども、本発明のアミン化合物は、これに限定されるものではない。なお、表1〜表4では、各例示化合物を一般式(1)の各基に対応する基で表している。たとえば、表1に示す例示化合物No.1は、下記構造式(1−1)で示されるアミン化合物である。
Figure 2005162641
Figure 2005162641
Figure 2005162641
Figure 2005162641
Figure 2005162641
次に、一般式(1)で示される本発明のアミン化合物の製造方法について説明する。一般式(1)で示される本発明のアミン化合物は、種々の方法で製造され得る。しかしながら、炭素鎖延長に必要なカルボニル基の導入に際して、従来から多用されているフィルスマイヤー反応によってアルデヒド基を導入しようとすると、リン系の反応試薬であるオキシ塩化リンを用いなければならない。またカルボニル基を導入して得られるカルボニル化合物をウィッティッヒ反応によってオレフィンに変換しようとすると、リン系の反応試薬であるトリフェニルホスフィンまたは亜リン酸トリエチルなどを用いなければならない。そこで、本発明のアミン化合物の製造方法では、炭素鎖延長に必要なカルボニル基の導入に際して、リン系の反応試薬を使用しないフリーデル−クラフトアシル化反応を用いるとともに、カルボニル化合物のオレフィン化に際しても、リン系の反応試薬を使用しないグリニヤール反応を用いる。具体的には、以下のようにして、一般式(1)で示されるアミン化合物を製造する。
まず、下記一般式(3)で示されるアミン化合物をフリーデル−クラフトアシル化反応によってアシル化する。具体的には、下記一般式(3)で示されるアミン化合物と、下記一般式(4−1)で示されるハロゲン化アシルまたは下記一般式(4−2)で示されるカルボン酸無水物とを、ルイス酸の存在下に反応させ、下記一般式(5)で示されるアミン−カルボニル中間体を製造する。
Figure 2005162641
(式中、Ar、ArおよびArは、一般式(1)において定義したものと同義である。)
Figure 2005162641
(式中、Xはハロゲン原子を示し、Rは一般式(1)において定義したものと同義である。)
Figure 2005162641
(式中、Rは一般式(1)において定義したものと同義である。)
Figure 2005162641
(式中、Ar、Ar、ArおよびRは、一般式(1)において定義したものと同義である。)
このフリーデル−クラフトアシル化反応は、たとえば以下のようにして行う。適当な溶媒中に、ルイス酸を加え、冷却下、一般式(4−1)で示されるハロゲン化アシルまたは一般式(4−2)で示されるカルボン酸無水物を加えて0.5〜1時間程度撹拌し、フリーデル−クラフトアシル化試薬を調製する。使用される溶媒としては、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類、ニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素類などが挙げられる。ルイス酸としては、塩化アルミニウム、塩化スズ、塩化亜鉛などが挙げられる。ルイス酸は、一般式(4−1)で示されるハロゲン化アシルに対しては、1.0〜1.2モル当量用いられ、一般式(4−2)で示されるカルボン酸無水物に対しては、2.0〜2.2モル当量用いられる。
このようにしてフリーデル−クラフトアシル化試薬が調製された溶液中に、冷却下、一般式(3)で示されるアミン化合物を加え、温度マイナス(−)40℃〜30℃で、2〜8時間撹拌する。反応終了後、この反応溶液を必要に応じて放冷し、冷却下、1〜8規定(N)のアルカリ性水溶液で加水分解を行う。これによって、一般式(5)で示されるアミン−カルボニル中間体を高収率で製造することができる。フリーデル−クラフトアシル化試薬の原料である一般式(4−1)で示されるハロゲン化アルキルは、一般式(3)で示されるアミン化合物に対して、1.0〜1.2モル当量用いられることが好ましく、一般式(4−2)で示されるカルボン酸無水物は、一般式(3)で示されるアミン化合物に対して、1.0〜1.2モル当量用いられることが好ましい。加水分解に用いられるアルカリ性水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液および水酸化カリウム水溶液などを挙げることができる。
次いで、得られた一般式(5)で示されるアミン−カルボニル中間体と、下記一般式(6−1)または一般式(6−2)で示されるアリルハライドを金属マグネシウムで処理することによって得られるグリニヤール試薬とを反応させることによって、一般式(1)で示される本発明のアミン化合物を製造する。このグリニヤール反応において、一般式(6−1)で示されるアリルハライドを用いれば、一般式(1)で示されるアミン化合物のうち、nが1であるアミン−ブタジエン化合物を製造することができ、一般式(6−2)で示されるアリルハライドを用いれば、一般式(1)で示されるアミン化合物のうち、nが2であるアミン−ヘキサトリエン化合物を製造することができる。
Figure 2005162641
(式中、Xはハロゲン原子を示し、Ar、RおよびRは、一般式(1)において定義したものと同義である。)
Figure 2005162641
(式中、Xはハロゲン原子を示し、Ar、RおよびRは、一般式(1)において定義したものと同義である。)
このグリニヤール反応は、たとえば以下のようにして行う。適当な溶媒中に、一般式(6−1)または一般式(6−2)で示されるアリルハライドと金属マグネシウムとを略等モル量ずつ加え、グリニヤール試薬を調製する。使用される溶媒としては、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(
Tetrahydrofuran;略称:THF)、エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類などが挙げられる。これらの溶媒は、金属ナトリウムなどで脱水して用いることが好ましい。このようにしてグリニヤール試薬が調製された溶液中に、冷却下、一般式(5)で示されるアミン−カルボニル中間体を加え、室温下または30℃〜60℃の加熱下で、2〜8時間撹拌する。グリニヤール試薬の原料である一般式(6−1)または一般式(6−2)で示されるアリルハライドは、一般式(5)で示されるアミン−カルボニル中間体に対して、1.1〜1.2モル当量用いられることが好ましい。以上のようにして、一般式(1)で示されるアミン化合物を高収率で製造することができる。
このように、本発明のアミン化合物の製造方法では、地球環境への負荷の大きいリン系の反応試薬を用いることなく、一般式(1)で示されるアミン化合物を製造することができるので、製造過程において生じる廃液は、地球環境への負荷が小さく、処理が容易であり、また廃液処理に必要な費用も少ない。したがって、前述のように、一般式(1)で示されるアミン化合物の製造原価を低くすることができる。
なお、一般式(1)で示される本発明のアミン化合物は、通常の分離手段、たとえば溶媒抽出法、再結晶法またはカラムクロマトグラフィーなどによって反応混合物から容易に単離精製でき、高純度のものとして得ることができる。
本発明による電子写真感光体(以下、単に感光体とも称する)は、以上に述べた一般式(1)で示される本発明のアミン化合物、好ましくは一般式(2)で示されるアミン−ブタジエン化合物を電荷輸送物質として用いるものであり、種々の実施形態がある。以下、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明による電子写真感光体の実施の第1の形態である電子写真感光体1の構成を簡略化して示す部分断面図である。本実施形態の電子写真感光体1は、導電性材料から成る円筒状の導電性支持体11と、導電性支持体11の外周面上に積層される層であって電荷発生物質を含有する電荷発生層12と、電荷発生層12の上にさらに積層される層であって電荷輸送物質を含有する電荷輸送層13とを含む。電荷発生層12と電荷輸送層13とは、感光層14を構成する。すなわち、感光体1は、積層型感光体である。
導電性支持体11は、感光体1の電極としての役割を果たすとともに他の各層12,13の支持部材としても機能する。なお導電性支持体11の形状は、感光体1では円筒状であるけれども、これに限定されることなく、円柱状、シート状または無端ベルト状などであってもよい。
導電性支持体11を構成する導電性材料としては、たとえばアルミニウム、銅、亜鉛、チタンなどの金属単体、アルミニウム合金、ステンレス鋼などの合金を用いることができる。またこれらの金属材料に限定されることなく、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンもしくはポリスチレンなどの高分子材料、硬質紙またはガラスなどの表面に、金属箔をラミネートしたもの、金属材料を蒸着したもの、または導電性高分子、酸化スズ、酸化インジウムなどの導電性化合物の層を蒸着もしくは塗布したものなどを用いることもできる。これらの導電性材料は所定の形状に加工されて使用される。
導電性支持体11の表面には、必要に応じて、画質に影響のない範囲内で、陽極酸化皮膜処理、薬品もしくは熱水などによる表面処理、着色処理、または表面を粗面化するなどの乱反射処理を施してもよい。レーザを露光光源として用いる電子写真プロセスでは、レーザ光の波長が揃っているので、感光体表面で反射されたレーザ光と感光体内部で反射されたレーザ光とが干渉を起こし、この干渉による干渉縞が画像上に現れて画像欠陥となることがある。導電性支持体11の表面に前述のような処理を施すことによって、この波長の揃ったレーザ光の干渉による画像欠陥を防止することができる。
電荷発生層12は、光を吸収することによって電荷を発生する電荷発生物質を主成分として含有する。電荷発生物質として有効な物質としては、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料およびトリスアゾ系顔料などのアゾ系顔料、インジゴおよびチオインジゴなどのインジゴ系顔料、ペリレンイミドおよびペリレン酸無水物などのペリレン系顔料、アントラキノンおよびピレンキノンなどの多環キノン系顔料、金属フタロシアニンおよび無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩類およびチオピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素などの有機光導電性材料、ならびにセレンおよび非晶質シリコンなどの無機光導電性材料などを挙げることができる。これらの電荷発生物質は、1種が単独で使用されてもよく、または2種以上が組合わされて使用されてもよい。
前述の電荷発生物質の中でも、下記一般式(A)で示されるオキソチタニウムフタロシアニン化合物を用いることが好ましい。
Figure 2005162641
一般式(A)において、R,R,RおよびR10は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を示し、r,s,yおよびzは、それぞれ0〜4の整数を示す。
一般式(A)で示されるオキソチタニウムフタロシアニン化合物は、特定の結晶構造を有することが好ましく、特に、Cu−Kα特性X線(波長:1.54Å)に対するX線回折スペクトルにおいて少なくともブラッグ角2θ(誤差:2θ±0.2°)27.2°に明確な回折ピークを示す結晶構造を有するオキソチタニウムフタロシアニン化合物を用いることが最適である。なお、本明細書において、ブラッグ角2θとは、入射X線と回折X線との成す角度のことであり、いわゆる回折角を表す。
一般式(A)で示されるオキソチタニウムフタロシアニン化合物は、高い電荷発生効率と高い電荷注入効率とを有する電荷発生物質であるので、光を吸収することによって多量の電荷を発生するとともに、発生した電荷をその内部に蓄積することなく、電荷輸送層13に含有される電荷輸送物質に効率よく注入する。また前述のように、電荷輸送層13に含有される電荷輸送物質には、電荷輸送能力の高い一般式(1)で示される本発明のアミン化合物が用いられるので、光吸収によって一般式(A)で示されるオキソチタニウムフタロシアニン化合物で発生する電荷は、一般式(1)で示される本発明のアミン化合物に効率的に注入され、感光層14表面に円滑に輸送される。したがって、このように、電荷発生物質として一般式(A)で示されるオキソチタニウムフタロシアニン化合物を用い、電荷輸送物質として一般式(1)で示される本発明のアミン化合物を用いることによって、高感度かつ高解像度の感光体1が実現される。
一般式(A)で示されるオキソチタニウムフタロシアニン化合物は、たとえばモーザ(Moser)およびトーマス(Thomas)による「フタロシアニン化合物(Phthalocyanine
Compounds)」に記載されている方法などの従来公知の製造方法によって製造することができる。たとえば、一般式(A)で示されるオキソチタニウムフタロシアニン化合物のうち、R,R,RおよびR10が水素原子であるオキソチタニウムフタロシアニンは、フタロニトリルと四塩化チタンとを、加熱融解するかまたはα−クロロナフタレンなどの適当な溶剤中で加熱反応させることによってジクロロチタニウムフタロシアニンを合成した後、塩基または水で加水分解することによって得られる。またイソインドリンとテトラブトキシチタンなどのチタニウムテトラアルコキシドとを、N−メチルピロリドンなどの適当な溶剤中で加熱反応させることによっても、オキソチタニウムフタロシアニンを製造することができる。
電荷発生物質は、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルーおよびビクトリアブルーなどに代表されるトリフェニルメタン系染料、エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、アクリジンオレンジおよびフラペオシンなどに代表されるアクリジン染料、メチレンブルーおよびメチレングリーンなどに代表されるチアジン染料、カプリブルーおよびメルドラブルーなどに代表されるオキサジン染料、シアニン染料、スチリル染料、ピリリウム塩染料またはチオピリリウム塩染料などの増感染料と組合わされて使用されてもよい。
電荷発生層12の形成方法としては、前述の電荷発生物質を導電性支持体11の表面に真空蒸着する方法、または前述の電荷発生物質を適当な溶剤中に分散して得られる電荷発生層用塗布液を導電性支持体11の表面に塗布する方法などが用いられる。これらの中でも、結着剤であるバインダ樹脂を溶剤中に混合して得られるバインダ樹脂溶液中に、電荷発生物質を従来公知の方法によって分散して電荷発生層用塗布液を調製し、得られた塗布液を導電性支持体11の表面に塗布する方法が好適に用いられる。以下、この方法について説明する。
電荷発生層12に用いられるバインダ樹脂としては、たとえばポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂およびポリビニルホルマール樹脂などの樹脂、ならびにこれらの樹脂を構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂などを挙げることができる。共重合体樹脂の具体例としては、たとえば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂およびアクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂などの絶縁性樹脂などを挙げることができる。バインダ樹脂はこれらに限定されるものではなく、一般に用いられる樹脂をバインダ樹脂として使用することができる。これらの樹脂は、1種が単独で使用されてもよく、また2種以上が混合されて使用されてもよい。
電荷発生層用塗布液の溶剤には、たとえばジクロロメタンもしくはジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトンもしくはシクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチルもしくは酢酸ブチルなどのエステル類、テトラヒドロフラン(THF)もしくはジオキサンなどのエーテル類、1,2−ジメトキシエタンなどのエチレングリコールのアルキルエーテル類、ベンゼン、トルエンもしくはキシレンなどの芳香族炭化水素類、またはN,N−ジメチルホルムアミドもしくはN,N−ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶媒などが用いられる。これらの溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。これらの溶剤は、1種が単独で使用されてもよく、2種以上が混合されて混合溶剤として使用されてもよい。
電荷発生物質とバインダ樹脂とを含んで構成される電荷発生層12において、電荷発生物質の重量W1とバインダ樹脂の重量W2との比率W1/W2は、100分の10(10/100)以上100分の99(99/100)以下であることが好ましい。前記比率W1/W2が10/100未満であると、感光体1の感度が低下する。前記比率W1/W2が99/100を超えると、電荷発生層12の膜強度が低下するだけでなく、電荷発生物質の分散性が低下して粗大粒子が増大するので、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷が減少し、画像欠陥、特に白地にトナーが付着し微小な黒点が形成される黒ぽちと呼ばれる画像のかぶりが多くなる。したがって、前記比率W1/W2の好適な範囲を、10/100以上、99/100以下とした。
電荷発生物質は、バインダ樹脂溶液中に分散される前に、予め粉砕機によって粉砕処理されてもよい。粉砕処理に用いられる粉砕機としては、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミルおよび超音波分散機などを挙げることができる。
電荷発生物質をバインダ樹脂溶液中に分散させる際に用いられる分散機としては、ペイントシェーカ、ボールミルおよびサンドミルなどを挙げることができる。このときの分散条件としては、用いる容器および分散機を構成する部材の摩耗などによる不純物の混入が起こらないように適当な条件を選択する。
電荷発生層用塗布液の塗布方法としては、スプレイ法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法および浸漬塗布法などを挙げることができる。これらの塗布方法のうちから、塗布の物性および生産性などを考慮に入れて最適な方法を選択することができる。これらの塗布方法の中でも、特に浸漬塗布法は、塗布液を満たした塗工槽に基体を浸漬した後、一定速度または逐次変化する速度で引上げることによって基体の表面上に層を形成する方法であり、比較的簡単で、生産性および原価の点で優れているので、電子写真感光体を製造する場合に多く利用されている。なお、浸漬塗布法に用いる装置には、塗布液の分散性を安定させるために、超音波発生装置に代表される塗布液分散装置を設けてもよい。
電荷発生層12の膜厚は、0.05μm以上5μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以上1μm以下である。電荷発生層12の膜厚が0.05μm未満であると、光吸収の効率が低下し、感光体1の感度が低下する。電荷発生層12の膜厚が5μmを超えると、電荷発生層12内部での電荷移動が感光層14表面の電荷を消去する過程の律速段階となり、感光体1の感度が低下する。したがって、電荷発生層12の膜厚の好適な範囲を、0.05μm以上、5μm以下とした。
電荷発生層12上には電荷輸送層13が設けられる。電荷輸送層13は、電荷発生層12に含まれる電荷発生物質が発生した電荷を受入れ、これを輸送する能力を有する電荷輸送物質と、電荷輸送物質を結着させるバインダ樹脂とを含んで構成することができる。電荷輸送物質としては、前述のように、一般式(1)で示される本発明のアミン化合物、好ましくは一般式(2)で示されるアミン−ブタジエン化合物が用いられる。
このように一般式(1)で示される本発明のアミン化合物、好ましくは一般式(2)で示されるアミン−ブタジエン化合物を電荷輸送物質として電荷輸送層13に含有させることによって、前述のように、帯電性、感度および光応答性などの電気特性に優れ、かつ温度および湿度などの周囲の環境が変化しても、繰返し使用されても、また外光に曝されても良好な電気特性が低下しない信頼性の高い感光体1を実現することができる。また電荷輸送層13に優れた耐摩耗特性を付与し、感光層14の耐刷性を向上させることができるので、感光体1は機械的耐久性にも優れる。したがって、感光体1は、低温環境下で用いられた場合であっても、高速の電子写真プロセスに用いられた場合であっても、形成される画像に長期間に亘って画質低下を生じることがない。
また、前述のように、一般式(1)で示されるアミン化合物、特に一般式(2)で示されるアミン−ブタジエン化合物の製造原価は低いので、一般式(1)で示されるアミン化合物、好ましくは一般式(2)で示されるアミン−ブタジエン化合物を電荷輸送物質として用いることによって、前述のように電気特性、環境安定性、ならびに電気的および機械的耐久性に優れる信頼性の高い感光体1を低い製造原価で製造することができる。
一般式(1)で示されるアミン化合物は、たとえば前述の表1〜表4に示す例示化合物からなる群から選ばれる1種が単独でまたは2種以上が混合されて使用される。
また一般式(1)で示されるアミン化合物は、他の電荷輸送物質と混合されて使用されてもよい。一般式(1)で示されるアミン化合物と混合されて使用される他の電荷輸送物質としては、エナミン−スチリル誘導体、エナミン−ヒドラゾン誘導体、エナミン−ブタジエン誘導体およびエナミン−ヘキサトリエン誘導体などのエナミン化合物、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、多環芳香族化合物、インドール誘導体、ピラゾリン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、トリアリールメタン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ならびにベンジジン誘導体などを挙げることができる。また、これらの化合物から生じる基を主鎖または側鎖に有するポリマー、たとえばポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリ(1−ビニルピレン)およびポリ(9−ビニルアントラセン)なども挙げられる。
電荷輸送層13を構成するバインダ樹脂には、電荷輸送物質との相溶性に優れるものが選ばれる。具体例としては、たとえばポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などのビニル重合体樹脂およびこれらを構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂、ならびにポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂およびフェノール樹脂などが挙げられる。またこれらの樹脂を部分的に架橋した熱硬化性樹脂も挙げられる。これらの樹脂は、1種が単独で使用されてもよく、また2種以上が混合されて使用されてもよい。前述の樹脂の中でも、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂またはポリフェニレンオキサイドは、体積抵抗率が1013Ω・cm以上であって電気絶縁性に優れており、また皮膜性および電位特性などにも優れているので、好適に用いられる。
電荷輸送層13において、電荷輸送物質として含有される一般式(1)で示されるアミン化合物の重量Aとバインダ樹脂の重量Bとの比率A/Bは、30分の10(10/30)以上12分の10(10/12)以下であることが好ましい。前記比率A/Bを10/30以上10/12以下とし、バインダ樹脂を高い比率で電荷輸送層13に含有させることによって、電荷輸送層13の耐刷性を向上させることができる。したがって、一般式(1)で示されるアミン化合物を含有させることによって付与される電荷輸送層13の優れた耐摩耗特性との相乗効果によって、感光体1の機械的耐久性が一層向上される。
このように、前記比率A/Bを10/12以下とし、バインダ樹脂の比率を高くすると、結果として電荷輸送物質として含有される一般式(1)で示されるアミン化合物の比率が低下する。従来公知の電荷輸送物質を用いた場合に、電荷輸送層13における電荷輸送物質の重量とバインダ樹脂の重量との比率(電荷輸送物質/バインダ樹脂)を同様に10/12以下とすると、光応答性が不足し、画像欠陥の生じることがある。しかしながら、一般式(1)で示されるアミン化合物は、高い電荷輸送能力を有するので、前記比率A/Bを10/12以下として電荷輸送層13におけるバインダ樹脂の比率を高くしても、感光体1は、充分に高い光応答性を示し、高品質の画像を提供することができる。すなわち、光応答性を低下させることなく、前記比率A/Bを10/30以上10/12以下とすることができるので、光応答性が高く、かつ機械的耐久性に特に優れる感光体1を実現することができる。
なお、前記比率A/Bが10/30未満であり、バインダ樹脂の比率が高くなり過ぎると、感光体1の感度が低下する。また電荷輸送層13を浸漬塗布法によって形成する場合には、塗布液の粘度が増大し、塗布速度が低下するので、生産性が著しく悪くなる。また塗布液の粘度の増大を抑えるために塗布液中の溶剤の量を多くすると、ブラッシング現象が発生し、形成された電荷輸送層13に白濁が発生する。また前記比率A/Bが10/12を超え、バインダ樹脂の比率が低くなり過ぎると、感光層14の耐刷性が低下して膜減り量が増加し、感光体1の帯電性が低下する。したがって、前記比率A/Bの好適な範囲を、10/30以上、10/12以下とした。
電荷輸送層13には、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。たとえば、成膜性、可撓性または表面平滑性を向上させるために、可塑剤またはレベリング剤などを電荷輸送層13に添加してもよい。可塑剤としては、たとえばフタル酸エステルなどの二塩基酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、塩素化パラフィンおよびエポキシ型可塑剤などを挙げることができる。レベリング剤としては、たとえばシリコーン系レベリング剤などを挙げることができる。
また電荷輸送層13には、機械的強度の増強および電気特性の向上を図るために、無機化合物または有機化合物の微粒子を添加してもよい。
電荷輸送層13は、前述の電荷発生層12を塗布によって形成する場合と同様に、たとえば適当な溶媒中に、一般式(1)で示されるアミン化合物を含む電荷輸送物質およびバインダ樹脂、ならびに必要な場合には前述の添加剤を溶解または分散させて電荷輸送層用塗布液を調製し、得られた塗布液を電荷発生層12上に塗布することによって形成される。
電荷輸送層用塗布液の溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレンおよびモノクロルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、ジクロロメタンおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサンおよびジメトキシメチルエーテルなどのエーテル類、ならびにN,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒などを挙げることができる。これらの溶媒は、1種が単独で使用されてもよく、また2種以上が混合されて使用されてもよい。また前述の溶剤に、必要に応じてアルコール類、アセトニトリルまたはメチルエチルケトンなどの溶剤をさらに加えて使用することもできる。これらの溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。
電荷輸送層用塗布液の塗布方法としては、スプレイ法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法および浸漬塗布法などを挙げることができる。これらの塗布方法の中でも、特に浸漬塗布法は、前述のように種々の点で優れているので、電荷輸送層13を形成する場合にも好適に用いられる。
電荷輸送層13の膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以上40μm以下である。電荷輸送層13の膜厚が5μm未満であると、感光体表面の帯電保持能が低下する。電荷輸送層13の膜厚が50μmを超えると、感光体1の解像度が低下する。したがって、電荷輸送層13の膜厚の好適な範囲を、5μm以上、50μm以下とした。
以上のようにして形成される電荷発生層12と電荷輸送層13とが積層されて、感光層14が構成される。このように、電荷発生機能と電荷輸送機能とを別々の層に担わせることによって、各層を構成する材料として電荷発生機能および電荷輸送機能それぞれに最適な材料を選択することが可能となるので、帯電性、感度および光応答性などの電気特性に特に優れ、さらに繰返し使用時の安定性も増した耐久性の特に高い感光体1が実現される。
感光層14の各層、すなわち電荷発生層12および電荷輸送層13には、感度の向上を図り、繰返し使用による残留電位の上昇および疲労などを抑えるために、電子受容物質および色素などの増感剤を1種または2種以上添加してもよい。
電子受容物質としては、たとえば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、4−クロルナフタル酸無水物などの酸無水物、テトラシアノエチレン、テレフタルマロンジニトリルなどのシアノ化合物、4−ニトロベンズアルデヒドなどのアルデヒド類、アントラキノン、1−ニトロアントラキノンなどのアントラキノン類、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノンなどの多環もしくは複素環ニトロ化合物、またはジフェノキノン化合物などの電子吸引性材料などを用いることができる。またこれらの電子吸引性材料を高分子化したものなどを用いることもできる。
色素としては、たとえばキサンテン系色素、チアジン色素、トリフェニルメタン色素、キノリン系顔料または銅フタロシアニンなどの有機光導電性化合物を用いることができる。これらの有機光導電性化合物は光学増感剤として機能する。
また感光層14の各層12,13には、酸化防止剤または紫外線吸収剤などを添加してもよい。特に電荷輸送層13には、酸化防止剤または紫外線吸収剤などを添加することが好ましい。これによって、電位特性を向上させることができる。また各層を塗布によって形成する際の塗布液の安定性を高めることができる。また感光体1の繰返し使用による疲労劣化を軽減し、電気的耐久性を向上させることができる。
酸化防止剤としては、フェノール系化合物、ハイドロキノン系化合物、トコフェロール系化合物またはアミン系化合物などが用いられる。これらの中でも、ヒンダードフェノール誘導体もしくはヒンダードアミン誘導体、またはこれらの混合物が好適に用いられる。これらの酸化防止剤の使用量は、合計で、電荷輸送物質100重量部当たり、0.1重量部以上50重量部以下であることが好ましい。酸化防止剤の電荷輸送物質100重量部当たりの使用量が0.1重量部未満であると、塗布液の安定性の向上および感光体の電気的耐久性の向上に充分な効果を得ることができず、また50重量部を超えると、感光体特性に悪影響を及ぼす。したがって、酸化防止剤の使用量の好適な範囲を、電荷輸送物質100重量部当たり、0.1重量部以上50重量部以下とした。
図2は、本発明による電子写真感光体の実施の第2の形態である電子写真感光体2の構成を簡略化して示す部分断面図である。本実施形態の電子写真感光体2は、図1に示す実施の第1形態の電子写真感光体1に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
電子写真感光体2において注目すべきは、導電性支持体11と感光層14との間に、中間層15が設けられていることである。
導電性支持体11と感光層14との間に中間層15がない場合、導電性支持体11から感光層14に電荷が注入され、感光層14の帯電性が低下し、露光される部分以外の表面電荷が減少し、画像にかぶりなどの欠陥の発生することがある。特に、反転現像プロセスを用いて画像を形成する場合には、露光によって表面電荷の減少した部分にトナーが付着してトナー画像が形成されるので、露光以外の要因で表面電荷が減少すると、白地にトナーが付着し微小な黒点が形成される黒ぽちと呼ばれる画像のかぶりが発生し、画質の著しい劣化の生じることがある。すなわち、導電性支持体11と感光層14との間に中間層15がない場合、導電性支持体11または感光層14の欠陥に起因して微小な領域での帯電性の低下が生じ、黒ぽちなどの画像のかぶりが発生し、著しい画像欠陥となることがある。
本実施形態の感光体2では、前述のように導電性支持体11と感光層14との間に中間層15が設けられているので、導電性支持体11からの感光層14への電荷の注入を防止することができる。したがって、感光層14の帯電性の低下を防ぐことができ、露光される部分以外での表面電荷の減少を抑え、画像にかぶりなどの欠陥が発生することを防止することができる。
また中間層15を設けることによって、導電性支持体11表面の欠陥を被覆して均一な表面を得ることができるので、感光層14の成膜性を高めることができる。また中間層15が導電性支持体11と感光層14との接着剤として機能するので、感光層14の導電性支持体11からの剥離を抑えることができる。
中間層15には、各種樹脂材料から成る樹脂層またはアルマイト層などが用いられる。
樹脂層を構成する樹脂材料としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂およびポリアミド樹脂などの樹脂、ならびにこれらの樹脂を構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂などを挙げることができる。また、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコールおよびエチルセルロースなども挙げられる。これらの樹脂の中でも、ポリアミド樹脂を用いることが好ましく、特にアルコール可溶性ナイロン樹脂が好適に用いられる。好ましいアルコール可溶性ナイロン樹脂としては、たとえば6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、11−ナイロン、2−ナイロンおよび12−ナイロンなどを共重合させた、いわゆる共重合ナイロン、ならびにN−アルコキシメチル変性ナイロンおよびN−アルコキシエチル変性ナイロンのように、ナイロンを化学的に変性させた樹脂などを挙げることができる。
中間層15は、金属酸化物粒子などの粒子を含有してもよい。中間層15にこれらの粒子を含有させることによって、中間層15の体積抵抗値を調節し、導電性支持体11からの感光層14への電荷の注入を防止する効果を高めることができるとともに、各種の環境下において感光体2の電気特性を維持することができる。
金属酸化物粒子としては、たとえば酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムおよび酸化スズなどの粒子を挙げることができる。
中間層15は、たとえば前述の樹脂を適当な溶剤中に溶解または分散させて中間層用塗布液を調製し、この塗布液を導電性支持体11の表面に塗布することによって形成される。中間層15に前述の金属酸化物粒子などの粒子を含有させる場合には、たとえば前述の樹脂を適当な溶剤に溶解させて得られる樹脂溶液中に、これらの粒子を分散させて中間層用塗布液を調製し、この塗布液を導電性支持体11の表面に塗布することによって中間層15を形成することができる。
中間層用塗布液の溶剤には、水もしくは各種有機溶剤、またはこれらの混合溶剤が用いられる。たとえば、水、メタノール、エタノールもしくはブタノールなどの単独溶剤、または水とアルコール類、2種類以上のアルコール類、アセトンもしくはジオキソランなどとアルコール類、ジクロロエタン、クロロホルムもしくはトリクロロエタンなどの塩素系溶剤とアルコール類などの混合溶剤が用いられる。これらの溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。
前述の粒子を樹脂溶液中に分散させる方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル、超音波分散機またはペイントシェーカなどを用いる一般的な方法を使用することができる。
中間層用塗布液中において、樹脂および金属酸化物の合計重量Cと、中間層用塗布液に使用されている溶剤の重量Dとの比率C/Dは、1/99〜40/60であることが好ましく、より好ましくは2/98〜30/70である。また樹脂の重量Eと金属酸化物の重量Fとの比率E/Fは、90/10〜1/99であることが好ましく、より好ましくは70/30〜5/95である。
中間層用塗布液の塗布方法としては、スプレイ法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法および浸漬塗布法などを挙げることができる。これらの中でも、特に浸漬塗布法は、前述のように、比較的簡単で、生産性および原価の点で優れているので、中間層15を形成する場合にも好適に用いられる。
中間層15の膜厚は、0.01μm以上20μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.05μm以上10μm以下である。中間層15の膜厚が0.01μmよりも薄いと、実質的に中間層15として機能しなくなり、導電性支持体11の欠陥を被覆して均一な表面性を得ることができず、導電性支持体11からの感光層14への電荷の注入を防止することができなくなり、感光層14の帯電性の低下が生じる。中間層15の膜厚を20μmよりも厚くすることは、中間層15を浸漬塗布法によって形成する場合に、中間層15の形成が困難になるとともに、中間層15上に感光層14を均一に形成することができず、感光体2の感度が低下するので好ましくない。したがって、中間層15の膜厚の好適な範囲を、0.01μm以上、20μm以下とした。
なお、本実施の形態においても、電荷輸送層13には、実施の第1形態と同様に、可塑剤、レベリング剤、または無機化合物もしくは有機化合物の微粒子などの各種添加剤を添加してもよい。また感光層14の各層12,13には、電子受容物質もしくは色素などの増感剤、酸化防止剤、または紫外線吸収剤などの添加剤を添加してもよい。
図3は、本発明による電子写真感光体の実施の第3の形態である電子写真感光体3の構成を簡略化して示す部分断面図である。本実施形態の電子写真感光体3は、図2に示す実施の第2形態の電子写真感光体2に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
電子写真感光体3において注目すべきは、感光層140が、電荷発生物質と電荷輸送物質とを含有する単一の層で構成されていることである。すなわち、感光体3が、単層型感光体であることである。
本実施の形態の単層型感光体3は、オゾン発生の少ない正帯電型画像形成装置用の感光体として好適であり、また塗布されるべき感光層140が一層のみであるので、製造原価および歩留が実施の第1形態および第2形態の積層型感光体1,2に比べて優れている。
なお、本実施の形態においても、感光層140には、実施の第1形態による感光層14と同様に、可塑剤、レベリング剤、無機化合物もしくは有機化合物の微粒子、電子受容物質もしくは色素などの増感剤、酸化防止剤、または紫外線吸収剤などの各種添加剤を添加してもよい。
感光層140は、実施の第1形態の感光体1に設けられる電荷輸送層13と同様の方法で形成される。たとえば、前述の電荷発生物質と、一般式(1)で示されるアミン化合物、好ましくは一般式(2)で示されるアミン−ブタジエン化合物を含む電荷輸送物質と、バインダ樹脂と、必要な場合には前述の添加剤とを、前述の電荷輸送層用塗布液と同様の適当な溶剤に溶解または分散させて感光層用塗布液を調製し、この感光層用塗布液を浸漬塗布法などによって中間層15上に塗布することによって、感光層140を形成することができる。
感光層140における一般式(1)で示されるアミン化合物の重量A’とバインダ樹脂の重量B’との比率A’/B’は、実施の第1形態の電荷輸送層13における一般式(1)で示されるアミン化合物の重量Aとバインダ樹脂の重量Bとの比率A/Bと同様の理由から、10/30以上10/12以下であることが好ましい。
感光層140の膜厚は、5μm以上100μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以上50μm以下である。感光層140の膜厚が5μm未満であると、感光体表面の帯電保持能が低下する。感光層140の膜厚が100μmを超えると、生産性が低下する。したがって、感光層140の膜厚の好適な範囲を、5μm以上、100μm以下とした。
本発明による電子写真感光体は、以上に述べた図1〜図3に示す実施の第1形態〜第3形態の電子写真感光体1,2,3の構成に限定されるものではなく、一般式(1)で示される本発明のアミン化合物を感光層に含有するものであれば、他の異なる構成であってもよい。
たとえば、感光層14または140の表面に、表面保護層が設けられる構成であってもよい。感光層14または140の表面に表面保護層を設けることによって、感光体1,2,3の機械的耐久性が一層向上される。また感光体表面を帯電させる際のコロナ放電によって発生するオゾンおよび窒素酸化物(NOx)などの活性ガスの感光層14,140への化学的悪影響を防止し、感光体1,2,3の電気的耐久性を向上させることができる。
表面保護層には、たとえば樹脂、無機フィラー含有樹脂または無機酸化物などから成る層が用いられる。
次に、本発明による電子写真感光体を備える画像形成装置について説明する。なお、本発明による画像形成装置は、以下の記載内容に限定されるものではない。
図4は、本発明による画像形成装置の実施の一形態である画像形成装置100の構成を簡略化して示す配置側面図である。図4に示す画像形成装置100は、本発明による電子写真感光体の実施の第1形態である前述の図1に示す感光体1を搭載する。以下図4を参照して画像形成装置100の構成および画像形成動作について説明する。
画像形成装置100は、図示しない装置本体に回転自在に支持される前述の感光体1と、感光体1を回転軸線44まわりに矢符41方向に回転駆動させる図示しない駆動手段とを備える。駆動手段は、たとえば動力源としてモータを備え、モータからの動力を図示しない歯車を介して感光体1の芯体を構成する支持体に伝えることによって、感光体1を所定の周速度で回転駆動させる。
感光体1の周囲には、帯電器32と、露光手段30と、現像器33と、転写器34と、クリーナ36とが、矢符41で示される感光体1の回転方向の上流側から下流側に向かってこの順序で設けられる。クリーナ36は、図示しない除電ランプと共に設けられる。
帯電器32は、感光体1の表面43を負または正の所定の電位に一様に帯電させる帯電手段である。帯電器32は、たとえば帯電ローラなどの接触式の帯電手段である。
露光手段30は、たとえば半導体レーザなどを光源として備え、光源から画像情報に応じて出力されるレーザビームなどの光31で、帯電された感光体1の表面43を露光し、これによって感光体1の表面43に静電潜像を形成させる。
現像器33は、感光体1の表面43に形成された静電潜像を現像剤によって現像し、可視像であるトナー画像を形成する現像手段であり、感光体1に対向して設けられ感光体1の表面43にトナーを供給する現像ローラ33aと、現像ローラ33aを感光体1の回転軸線44と平行な回転軸線まわりに回転可能に支持するとともにその内部空間にトナーを含む現像剤を収容するケーシング33bとを備える。
転写器34は、感光体1の表面43に形成されたトナー画像を、感光体1の表面43から転写材である記録紙51上に転写させる転写手段である。転写器34は、たとえば、コロナ放電器などの帯電手段を備え、記録紙51にトナーと逆極性の電荷を与えることによってトナー画像を記録紙51上に転写させる非接触式の転写手段である。
クリーナ36は、トナー画像が転写された後の感光体1の表面をクリーニングするクリーニング手段であり、感光体表面43に押圧され、転写器34による転写動作後に感光体1の表面43に残留するトナーを前記表面43から剥離させるクリーニングブレード36aと、クリーニングブレード36aによって剥離されたトナーを収容する回収用ケーシング36bとを備える。
また、感光体1と転写器34との間を通過した後に記録紙51が搬送される方向には、転写された画像を定着させる定着手段である定着器35が設けられる。定着器35は、図示しない加熱手段を有する加熱ローラ35aと、加熱ローラ35aに対向して設けられ加熱ローラ35aに押圧されて当接部を形成する加圧ローラ35bとを備える。
画像形成装置100による画像形成動作について説明する。まず、図示しない制御部からの指示に応じて、感光体1が駆動手段によって矢符41方向に回転駆動され、露光手段30からの光31の結像点よりも感光体1の回転方向の上流側に設けられる帯電器32によって、その表面43が正または負の所定電位に一様に帯電される。
次いで、制御部からの指示に応じて、露光手段30から、帯電された感光体1の表面43に対して光31が照射される。光源からの光31は、画像情報に基づいて、主走査方向である感光体1の長手方向に繰返し走査される。感光体1を回転駆動させ、光源からの光31を画像情報に基づいて繰返し走査することによって、感光体1の表面43に対して画像情報に対応する露光を施すことができる。この露光によって、光31が照射された部分の表面電荷が減少し、光31が照射された部分の表面電位と光31が照射されなかった部分の表面電位とに差異が生じ、感光体1の表面43に静電潜像が形成される。また、感光体1への露光と同期して、記録紙51が、搬送手段によって矢符42方向から転写器34と感光体1との間の転写位置に供給される。
次いで、光源からの光31の結像点よりも感光体1の回転方向の下流側に設けられる現像器33の現像ローラ33aから、静電潜像の形成された感光体1の表面43にトナーが供給される。これによって、静電潜像が現像され、感光体1の表面43に可視像であるトナー画像が形成される。感光体1と転写器34との間に記録紙51が供給されると、転写器34によってトナーと逆極性の電荷が記録紙51に与えられ、これによって感光体1の表面43に形成されたトナー画像が記録紙51上に転写される。
トナー画像の転写された記録紙51は、搬送手段によって定着器35に搬送され、定着器35の加熱ローラ35aと加圧ローラ35bとの当接部を通過する際に加熱および加圧される。これによって、記録紙51上のトナー画像が記録紙51に定着されて堅牢な画像となる。このようにして画像が形成された記録紙51は、搬送手段によって画像形成装置100の外部へ排紙される。
一方、トナー画像が記録紙51に転写された後、さらに矢符41方向に回転する感光体1は、その表面43がクリーナ36に備わるクリーニングブレード36aによって擦過され、清掃される。このようにしてトナーが除去された感光体1の表面43は、除電ランプからの光によって電荷が除去され、これによって感光体1の表面43上の静電潜像が消失する。その後、感光体1はさらに回転駆動され、再度感光体1の帯電から始まる一連の動作が繰返される。以上のようにして、連続的に画像が形成される。
画像形成装置100に備わる感光体1は、前述のように、一般式(1)で示される本発明のアミン化合物、好ましくは一般式(2)で示されるアミン−ブタジエン化合物を電荷輸送物質として感光層14に含有するので、帯電性、感度および光応答性などの電気特性に優れ、かつ温度および湿度などの周囲の環境が変化しても、繰返し使用されても良好な電気特性が低下せず、また機械的耐久性にも優れる。したがって、各種の環境下において長期間に亘って安定して画質低下のない画像形成を行うことのできる信頼性の高い画像形成装置100が実現される。また感光体1は、高速の電子写真プロセスに用いられた場合であっても、形成される画像に画質低下を生じることがないので、画像形成装置100は、高品質の画像を高速で形成することが可能である。また感光体1の電気特性は、外光に曝されても低下しないので、メンテナンス時などに感光体1が外光に曝されることに起因する画質の低下が抑えられる。
本発明による画像形成装置は、以上に述べた図4に示す画像形成装置100の構成に限定されるものではなく、本発明に係る感光体を使用することができるものであれば、他の異なる構成であってもよい。
たとえば、本実施形態の画像形成装置100では、帯電器32は、接触式の帯電手段であるけれども、これに限定されることなく、コロナ放電器などの非接触式の帯電手段であってもよい。また転写器34は、押圧力を用いずに転写を行う非接触式の転写手段であるけれども、これに限定されることなく、押圧力を利用して転写を行う接触式の転写手段であってもよい。接触式の転写手段としては、たとえば、転写ローラを備え、感光体1の表面43に当接する記録紙51の当接面の反対面側から転写ローラを感光体1に対して押圧させ、感光体1と記録紙51とを圧接させた状態で、転写ローラに電圧を印加することによって、トナー画像を記録紙51上に転写させるものなどを用いることができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するけれども、本発明はこれに限定されるものではない。
[製造例]
(製造例1)例示化合物No.1の製造
(製造例1−1)アミン−カルボニル中間体の製造
塩化アルミニウム8.0g(1.2モル当量)を懸濁させた無水ジクロロメタン100mL中に、氷冷下、塩化アセチル4.70g(1.2モル当量)を徐々に加え、約30分間攪拌し、フリーデル−クラフトアセチル化試薬を調製した。この溶液中に、氷冷下、下記構造式(7)で示されるアミン化合物16.17g(1.0モル当量)を徐々に加えた。その後、徐々に加熱して反応温度を30℃まで上げ、30℃を保つように加熱しながら3時間攪拌した。反応溶液を放冷した後、氷冷下、4規定(N)の水酸化ナトリウム水溶液400mL中に徐々に加え、沈殿を生じさせた。生じた沈殿を濾別し、充分に水洗した後、エタノールと酢酸エチルとの混合溶媒で再結晶することによって、黄色粉末状化合物19.7gを得た。
Figure 2005162641
得られた化合物を液体クロマトグラフィー−質量分析法(Liquid Chromatography−
Mass Spectrometry;略称:LC−MS)で分析した結果、下記構造式(8)で示されるアミン−カルボニル中間体(分子量の計算値:365.18)にプロトンが付加した分子イオン[M+H]に相当するピークが366.2に観測されたことから、得られた化合物が構造式(8)で示されるアミン−カルボニル中間体であることが確認された(収率:92%)。また、LC−MSの分析結果から、得られたアミン−カルボニル中間体の純度は98.1%であることが判った。
Figure 2005162641
(製造例1−2)例示化合物No.1の製造
無水THF20mL中に、下記構造式(9)で示されるシンナミルブロマイド1.94g(1.2モル当量)と金属マグネシウムパウダー240mg(1.2モル当量)とを加え、グリニヤール試薬を調製した。この溶液中に、0℃下、製造例1−1で得られた構造式(8)で示されるアミン−カルボニル中間体3.0g(1.0モル当量)を徐々に加えた。次いで、室温で1時間放置した後、40℃まで加熱し、40℃を保つように加熱しながら5時間撹拌した。反応溶液を放冷した後、過剰のメタノール中に注いだ。析出物を回収し、トルエンに溶解させてトルエン溶液とした。このトルエン溶液を分液ロートに移し、水洗した後、有機層を取出し、取出した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥後、固形物を取除いた有機層を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを行うことによって、黄色結晶3.46gを得た。
Figure 2005162641
得られた結晶をLC−MSで分析した結果、目的とする表1に示す例示化合物No.1のアミン−ブタジエン化合物(分子量の計算値:465.25)にプロトンが付加した分子イオン[M+H]に相当するピークが466.3に観測されたことから、得られた結晶が例示化合物No.1のアミン−ブタジエン化合物であることが確認された(収率:91%)。また、LC−MSの分析結果から、得られた例示化合物No.1のアミン−ブタジエン化合物の純度は99.5%であることが判った。
以上のように、構造式(7)で示されるアミン化合物の塩化アセチルを用いたフリーデル−クラフトアシル化反応によって構造式(8)で示されるアミン−カルボニル中間体合成し、次いで、得られた構造式(8)で示されるアミン−カルボニル中間体と、構造式(9)で示されるシンナミルブロマイドと金属マグネシウムとから調製されたグリニヤール試薬とのグリニヤール反応を行うことによって、リン系の反応試薬を用いることなく、例示化合物No.1のアミン−ブタジエン化合物を得ることができた。
(製造例2)例示化合物No.30の製造
構造式(9)で示されるシンナミルブロマイド(1.2モル当量)に代えて、下記構造式(10)で示される1−フェニル−1,3−ペンタジエニルブロマイド2.2g(1.2モル当量)を用いる以外は、製造例1と同様にして、フリーデル−クラフトアシル化反応およびグリニヤール反応を行い、黄色粉末状化合物3.46gを得た。
Figure 2005162641
得られた化合物をLC−MSで分析した結果、目的とする表3に示す例示化合物No.30のアミン−ヘキサトリエン化合物(分子量の計算値:491.26)にプロトンが付加した分子イオン[M+H]に相当するピークが492.3に観測されたことから、得られた化合物が例示化合物No.30のアミン−ヘキサトリエン化合物であることが確認された。また、LC−MSの分析結果から、得られた例示化合物No.30のアミン−ヘキサトリエン化合物の純度は99.1%であることが判った。
以上のように、フリーデル−クラフトアシル化反応およびグリニヤール反応の2段階の反応を行うことによって、リン系の反応試薬を用いることなく、例示化合物No.30のアミン−ヘキサトリエン化合物を得ることができた(2段階収率85.0%)。
[実施例]
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
電荷発生物質として下記構造式(11)で示されるアゾ化合物1重量部を、THF99重量部にフェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製:PKHH)1重量部を溶解させて得た樹脂溶液に加えた後、ペイントシェーカで2時間分散させ、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を、膜厚80μmのポリエステルフィルムの表面にアルミニウムを蒸着して成る導電性支持体のアルミニウム上に、ベーカアプリケータにて塗布した後、乾燥させ、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
Figure 2005162641
次に、電荷輸送物質として表1に示す例示化合物No.1のアミン−ブタジエン化合物8重量部と、バインダ樹脂としてポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製:C−1400)10重量部とを、THF80重量部に溶解させ、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を、先に形成した電荷発生層上にベーカアプリケータにて塗布した後、乾燥させ、膜厚10μmの電荷輸送層を形成した。
以上のようにして、図1に示す層構成の積層型の電子写真感光体を作製した。
(実施例2,3)
電荷輸送物質として、例示化合物No.1のアミン−ブタジエン化合物に代えて、表1に示す例示化合物No.9または表2に示すNo.14のアミン−ブタジエン化合物を用いる以外は、実施例1と同様にして、2種類の電子写真感光体を作製した。
(実施例4)
電荷輸送物質として、例示化合物No.1のアミン−ブタジエン化合物に代えて、表3に示す例示化合物No.30のアミン−ヘキサトリエン化合物を用いる以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(比較例1)
電荷輸送物質として、例示化合物No.1のアミン−ブタジエン化合物に代えて、下記構造式(12)で示される比較化合物Aを用いる以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
Figure 2005162641
(比較例2)
電荷輸送物質として、例示化合物No.1のアミン−ブタジエン化合物に代えて、下記構造式(13)で示される比較化合物Bを用いる以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
Figure 2005162641
[評価1]
以上の実施例1〜4および比較例1,2で作製した各電子写真感光体について、表面分析装置(理研計器株式会社製:AC−1)を用いてイオン化ポテンシャルを測定した。また、各電子写真感光体の電荷輸送層の表面に金を蒸着し、室温、減圧下で、飛行時間(
Time−of−Flight)法によって電荷輸送物質の電荷移動度を測定した。測定結果を表5に示す。なお、表5に示す電荷移動度の値は、電界強度が2.5×10V/cmのときの値である。
Figure 2005162641
実施例1〜4と比較例1との比較から、一般式(1)で示される本発明のアミン化合物は、従来公知の電荷輸送物質である比較化合物Aなどのアミン−スチリル化合物に比べ、1桁以上高い電荷移動度を有することが判った。
実施例1〜4と比較例2との比較から、一般式(1)で示される本発明のアミン化合物は、従来公知の電荷輸送物質である比較化合物Bなどのトリフェニルアミンダイマー(
Triphenylamine dimer;略称:TPD)に比べ、2桁以上高い電荷移動度を有することが判った。
実施例1と実施例2〜4との比較から、一般式(2)で示されるアミン−ブタジエン化合物は、一般式(1)で示されるアミン化合物の中でも、特に高い電荷移動度を有することが判った。
(実施例5)
酸化アルミニウム(化学式:Al)と二酸化ジルコニウム(化学式:ZrO)とで表面処理された樹枝状の酸化チタン(石原産業株式会社製:TTO−D−1)9重量部と、共重合ナイロン樹脂(東レ株式会社製:CM8000)9重量部とを、1,3−ジオキソラン41重量部とメタノール41重量部との混合溶剤に加え、ペイントシェーカを用いて12時間分散させ、中間層用塗布液を調製した。調製した中間層用塗布液を、厚み0.2mmのアルミニウム製板状導電性支持体上に、ベーカアプリケータにて塗布した後、乾燥させ、膜厚1μmの中間層を形成した。
次いで、電荷発生物質として下記構造式(14)で示されるアゾ化合物2重量部を、THF97重量部にポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製:BX−1)1重量部を溶解させて得た樹脂溶液に加えた後、ペイントシェーカで10時間分散させ、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を、先に形成した中間層上に、ベーカアプリケータにて塗布した後、乾燥させ、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
Figure 2005162641
次いで、電荷輸送物質として表1に示す例示化合物No.1のアミン−ブタジエン化合物10重量部と、バインダ樹脂としてポリカーボネート樹脂(三菱瓦斯化学株式会社製:Z200)14重量部と、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.2重量部とを、THF80重量部に溶解させ、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を、先に形成した電荷発生層上に、ベーカアプリケータにて塗布した後、乾燥させ、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
以上のようにして、図2に示す層構成の積層型の電子写真感光体を作製した。
(実施例6,7)
電荷輸送物質として、例示化合物No.1のアミン−ブタジエン化合物に代えて、表1に示す例示化合物No.9または表2に示すNo.19のアミン−ブタジエン化合物を用いる以外は、実施例5と同様にして、2種類の電子写真感光体を作製した。
(実施例8)
電荷輸送物質として、例示化合物No.1のアミン−ブタジエン化合物に代えて、表3に示す例示化合物No.33のアミン−ヘキサトリエン化合物を用いる以外は、実施例5と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(比較例3,4)
電荷輸送物質として、例示化合物No.1のアミン−ブタジエン化合物に代えて、構造式(12)で示される比較化合物Aまたは構造式(13)で示される比較化合物Bを用いる以外は、実施例5と同様にして、2種類の電子写真感光体を作製した。
(実施例9)
実施例5と同様にして、厚み0.2mmのアルミニウム製板状導電性支持体上に、膜厚1μmの中間層を形成した。
次に、電荷発生物質として構造式(14)で示されるアゾ化合物1重量部と、バインダ樹脂としてポリカーボネート樹脂(三菱瓦斯化学株式会社製:Z−400)12重量部と、電荷輸送物質として表1に示す例示化合物No.1のアミン−ブタジエン化合物10重量部と、3,5−ジメチル−3′,5′−ジ−t−ブチルジフェノキノン5重量部と、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.5重量部と、THF65重量部とを、ボールミルで12時間分散し、感光層用塗布液を調製した。この感光層用塗布液を、先に形成した中間層上に、ベーカアプリケータによって塗布した後、温度110℃で1時間熱風乾燥させ、膜厚20μmの感光層を形成した。
以上のようにして、図3に示す層構成の単層型の電子写真感光体を作製した。
(実施例10)
電荷発生物質として、構造式(14)で示されるアゾ化合物に代えて、X型無金属フタロシアニンを用いる以外は、実施例5と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例11,12)
電荷発生物質として、構造式(14)で示されるアゾ化合物に代えて、X型無金属フタロシアニンを用い、電荷輸送物質として、例示化合物No.1のアミン−ブタジエン化合物に代えて、表2に示す例示化合物No.13またはNo.24のアミン−ブタジエン化合物を用いる以外は、実施例5と同様にして、2種類の電子写真感光体を作製した。
(実施例13)
電荷発生物質として、構造式(14)で示されるアゾ化合物に代えて、X型無金属フタロシアニンを用い、電荷輸送物質として、例示化合物No.1のアミン−ブタジエン化合物に代えて、表3に示す例示化合物No.36のアミン−ヘキサトリエン化合物を用いる以外は、実施例5と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(比較例5,6)
電荷発生物質として、構造式(14)で示されるアゾ化合物に代えて、X型無金属フタロシアニンを用い、電荷輸送物質として、例示化合物No.1のアミン−ブタジエン化合物に代えて、構造式(12)で示される比較化合物Aまたは構造式(13)で示される比較化合物Bを用いる以外は、実施例5と同様にして、2種類の電子写真感光体を作製した。
[評価2]
以上の実施例5〜13および比較例3〜6で作製した各電子写真感光体について、静電複写紙試験装置(株式会社川口電機製作所製:EPA−8200)を用いて、初期および繰返し使用後の特性を評価した。評価は、温度22℃、相対湿度65%の常温/常湿(N/N:Normal Temperature/Normal Humidity)環境下および温度5℃、相対湿度20%の低温/低湿(L/L:Low Temperature/Low Humidity)環境下のそれぞれの環境下において、以下のようにして行なった。
感光体にマイナス(−)5kVの電圧を印加することによって感光体表面を帯電させ、このときの感光体の表面電位を帯電電位V(V)として測定した。ただし、実施例9の単層型感光体の場合には、プラス(+)5kVの電圧を印加することによって感光体表面を帯電させた。
次に、帯電された感光体表面に対して露光を施した。このとき、感光体の表面電位を帯電電位Vから半減させるのに要した露光エネルギを半減露光量E1/2(μJ/cm)として測定し、感度の評価指標とした。また露光開始から10秒間経過した時点の感光体の表面電位を残留電位V(V)として測定し、光応答性の評価指標とした。なお、露光には、電荷発生物質として、構造式(14)で示されるアゾ化合物を用いた実施例5〜9および比較例3,4の感光体の場合には、露光エネルギ1μW/cmの白色光を用い、X型無金属フタロシアニンを用いた実施例10〜13および比較例5,6の感光体の場合には、モノクロメータにて分光して得られた波長780nm、露光エネルギ1μW/cmの単色光を用いた。
これらの測定結果を初期の測定結果とした。
次に、前述の帯電および露光の操作を1サイクルとして5000回繰返した後、初期と同様にして、帯電電位V、半減露光量E1/2および残留電位Vを測定した。これらの測定結果を繰返し使用後の測定結果とした。
以上の初期および繰返し使用後の測定結果を表6に示す。
Figure 2005162641
実施例5〜8と比較例3,4との比較および実施例10〜13と比較例5,6との比較から、電荷輸送物質として一般式(1)で示される本発明のアミン化合物を用いた実施例5〜8および10〜13の感光体は、電荷輸送物質として比較化合物AまたはBを用いた比較例3〜6の感光体に比べ、N/N環境下およびL/L環境下のいずれにおいても、半減露光量E1/2が小さく高感度であり、また残留電位Vの絶対値が小さく光応答性に優れることが判った。
また表6から、電荷輸送物質として一般式(1)で示される本発明のアミン化合物を用いた実施例5〜13の感光体は、N/N環境下の測定結果とL/L環境下の測定結果との差が小さく環境安定性に優れ、L/L環境下においても充分な感度および光応答性を有するのに対し、電荷輸送物質として比較化合物AまたはBを用いた比較例3〜6の感光体は、N/N環境下の測定結果とL/L環境下の測定結果との差が大きく、L/L環境下では充分な感度および光応答性が得られないことが判った。また実施例5〜13の感光体は、N/N環境下およびL/L環境下のいずれにおいても、初期の測定結果と繰返し使用後の測定結果との差が小さく、電気的耐久性に優れることが判った。
また、実施例5〜8と実施例9との比較から、実施例5〜8の積層型感光体の方が、実施例9の単層型感光体よりも、半減露光量E1/2が小さく高感度であり、また残留電位Vの絶対値が小さく光応答性に優れることが判った。
(実施例14)
酸化アルミニウム(Al)と二酸化ジルコニウム(ZrO)とで表面処理された樹枝状の酸化チタン(石原産業株式会社製:TTO−D−1)9重量部と、共重合ナイロン樹脂(東レ株式会社製:CM8000)9重量部とを、1,3−ジオキソラン41重量部とメタノール41重量部との混合溶剤に加えた後、ペイントシェーカにて8時間分散処理し、中間層用塗布液を調製した。この中間層塗布液を塗工槽に満たし、直径40mm、長さ340mmのアルミニウム製円筒状導電性支持体を浸漬した後引上げ、乾燥させ、膜厚1.0μmの中間層を導電性支持体上に形成した。
次いで、電荷発生物質として、Cu−Kα特性X線(波長:1.54Å)に対するX線回折スペクトルにおいて少なくともブラッグ角2θ(誤差:2θ±0.2°)27.2°に明確な回折ピークを示す結晶構造を有するオキソチタニウムフタロシアニン(一般式(A)において、R,R,RおよびR10が水素原子であるもの)2重量部と、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製:エスレックBM−S)1重量部と、メチルエチルケトン97重量部とを混合し、ペイントシェーカにて分散処理して電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を、先に形成した中間層と同様の浸漬塗布法にて中間層上に塗布し、乾燥させ、膜厚0.4μmの電荷発生層を形成した。
次いで、電荷輸送物質として表1に示す例示化合物No.1のアミン−ブタジエン化合物10重量部と、バインダ樹脂としてポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製:ユーピロンZ200)20重量部と、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール1重量部と、ジメチルポリシロキサン(信越化学工業株式会社製:KF−96)0.004重量部とを、THF110重量部に溶解させ、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を、先に形成した中間層と同様の浸漬塗布法にて、先に形成した電荷発生層上に塗布した後、温度110℃で1時間乾燥させ、膜厚23μmの電荷輸送層を形成した。
以上のようにして、図2に示す層構成の積層型の電子写真感光体を作製した。
(実施例15,16)
電荷輸送物質として、例示化合物No.1のアミン−ブタジエン化合物に代えて、表2に示す例示化合物No.19のアミン−ブタジエン化合物または表3に示す例示化合物No.30のアミン−ヘキサトリエン化合物を用いる以外は、実施例14と同様にして、2種類の電子写真感光体を作製した。
(比較例7)
電荷輸送物質として、例示化合物No.1のアミン−ブタジエン化合物に代えて、構造式(13)で示される比較化合物Bを用いる以外は、実施例14と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(比較例8)
電荷輸送物質として、例示化合物No.1のアミン−ブタジエン化合物に代えて、下記構造式(15)で示される比較化合物Cを用いる以外は、実施例14と同様にして、電子写真感光体を作製した。
Figure 2005162641
(実施例17)
電荷輸送層の形成に際し、バインダ樹脂であるポリカーボネート樹脂の量を25重量部とする以外は、実施例14と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例18,19)
電荷輸送層の形成に際し、バインダ樹脂であるポリカーボネート樹脂の量を25重量部とし、電荷輸送物質として、例示化合物No.1のアミン−ブタジエン化合物に代えて、表2に示す例示化合物No.22のアミン−ブタジエン化合物または表3に示す例示化合物No.35のアミン−ヘキサトリエン化合物を用いる以外は、実施例14と同様にして、2種類の電子写真感光体を作製した。
(比較例9)
電荷輸送層の形成に際し、バインダ樹脂であるポリカーボネート樹脂の量を25重量部とし、電荷輸送物質として、例示化合物No.1のアミン−ブタジエン化合物に代えて、構造式(13)で示される比較化合物Bを用いる以外は、実施例14と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(比較例10)
電荷輸送層の形成に際し、バインダ樹脂であるポリカーボネート樹脂の量を25重量部とし、電荷輸送物質として、例示化合物No.1のアミン−ブタジエン化合物に代えて、構造式(15)で示される比較化合物Cを用いる以外は、実施例14と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例20)
電荷輸送層の形成に際し、バインダ樹脂であるポリカーボネート樹脂の量を10重量部とする以外は、実施例14と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(比較例11)
電荷輸送層の形成に際し、バインダ樹脂であるポリカーボネート樹脂の量を10重量部とし、電荷輸送物質として、例示化合物No.1のアミン−ブタジエン化合物に代えて、構造式(15)で示される比較化合物Cを用いる以外は、実施例14と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(参考例)
電荷輸送層の形成に際し、バインダ樹脂であるポリカーボネート樹脂の量を31重量部とする以外は、実施例14と同様にして、電子写真感光体を作製した。
ただし、実施例14と同量のTHFではポリカーボネート樹脂が完全に溶解した電荷輸送層用塗布液を調製することができなかったので、THFを追加し、ポリカーボネート樹脂が完全に溶解した電荷輸送層用塗布液を調製し、これを用いて電荷輸送層を形成した。
しかしながら、円筒状の感光体の長手方向端部にブラッシング現象による白濁が生じ、特性評価を行うことができなかった。このブラッシング現象は、電荷輸送層用塗布液中の溶剤の量が過剰であったことが原因であると考えられる。
[評価3]
市販のデジタル複写機(シャープ株式会社製:AR−C150)を印刷速度が毎秒117mmになるように改造した試験用複写機に、以上の実施例14〜20および比較例7〜11で作製した各感光体をそれぞれ搭載し、各感光体の耐刷性および環境安定性を以下のようにして評価した。なお、前述のデジタル複写機AR−C150は、感光体表面の帯電を負帯電プロセスで行う負帯電型の画像形成装置である。
<耐刷性>
試験用複写機を用い、所定のパターンのテスト画像を記録紙4万枚に形成した後、搭載した感光体を取出して感光層の膜厚d1を測定し、この値(d1)と作製時の感光層の膜厚d0との差を膜減り量Δd(=d0−d1)として求め、耐刷性の評価指標とした。なお、膜厚の測定は、光干渉法による瞬間マルチ測光システムMCPD−1100(大塚電子株式会社製)で行なった。
<環境安定性>
試験用複写機から現像器を取外し、代わりに現像部位に表面電位計(ジェンテック社製:CATE751)を設けた。この複写機を用い、温度22℃、相対湿度65%の常温/常湿(N/N)環境下において、レーザ光による露光を施さなかった場合の感光体の表面電位を帯電電位V0(V)として測定した。また、レーザ光によって露光を施した場合の感光体の表面電位を露光電位VL(V)として測定し、これをN/N環境下における露光電位VLとした。帯電電位V0の絶対値が大きい程、帯電性に優れると評価し、露光電位VLの絶対値が小さい程、光応答性に優れると評価した。
また、温度5℃、相対湿度20%の低温/低湿(L/L)環境下において、N/N環境下と同様にして、露光電位VL(V)を測定し、これをL/L環境下における露光電位VLとした。N/N環境下における露光電位VLと、L/L環境下における露光電位VLとの差の絶対値を、電位変動ΔVL(=|VL−VL|)として求めた。電位変動ΔVLが小さい程、環境安定性に優れると評価した。
これらの評価結果を表7に示す。
Figure 2005162641
実施例14〜16と比較例7との比較および実施例17〜19と比較例9との比較から、電荷輸送物質として一般式(1)で示される本発明のアミン化合物を用いた実施例14〜19の感光体は、電荷輸送物質として比較化合物Bを用いた比較例7および9の感光体に比べ、N/N環境下の露光電位VLの絶対値が小さく、高い比率でバインダ樹脂を加えた場合であっても光応答性に優れることが判った。また実施例14〜19の感光体は、比較例7および9の感光体に比べ、電位変動ΔVLの値が小さく環境安定性に優れ、L/L環境下においても充分な光応答性を示すことが判った。
また、実施例14〜16と比較例8との比較、実施例17〜19と比較例10との比較、および実施例20と比較例11との比較から、電荷輸送物質の重量とバインダ樹脂の重量との比率(電荷輸送物質/バインダ樹脂)が等しい場合、電荷輸送物質として一般式(1)で示される本発明のアミン化合物を用いた実施例14〜20の感光体の方が、電荷輸送物質として比較化合物Cを用いた比較例8、10および11の感光体よりも、膜減り量Δdが小さく、耐刷性に優れることが判った。この違いは、実施例14〜20の感光体の感光層に含有される一般式(1)で示される本発明のアミン化合物自体の機械的強度が高いことによると推察される。すなわち、一般式(1)で示される本発明のアミン化合物は、多重結合末端部分の置換パターンが一置換(=CH−Ar)であるので、分子の密に詰まった理想的な重なり状態のスタッキング構造が実現される。したがって、一般式(1)で示されるアミン化合物の機械的強度は高く、一般式(1)で示されるアミン化合物を感光層に含有させることによって、感光層に優れた耐摩耗特性が付与され、感光層の耐刷性が高くなったものと考えられる。
また、実施例14〜20の感光体と比較例8,10,11の感光体とは、電荷輸送物質の重量とバインダ樹脂の重量との比率(電荷輸送物質/バインダ樹脂)が10/20または10/10である場合には、電気特性に大差は無いけれども、電荷輸送物質/バインダ樹脂が10/25である実施例17〜19と比較例10とを比較すると、実施例17〜19の感光体の方が、比較例10の感光体よりもN/N環境下の露光電位VLの絶対値が小さく、光応答性に優れることが判った。このことから、一般式(1)で示される本発明のアミン化合物の方が、比較化合物Cよりも電荷輸送能力が高いと推察される。
また、実施例14〜19と実施例20との比較から、一般式(1)で示されるアミン化合物の重量Aとバインダ樹脂の重量Bとの比率A/Bが10/30〜10/12の範囲にある実施例14〜19の感光体の方が、前記比率A/Bが10/12を超え、バインダ樹脂の比率の低い実施例20の感光体よりも、膜減り量Δdが小さく、耐刷性が高いことが判った。
以上のように、一般式(1)で示される本発明のアミン化合物、特に一般式(2)で示されるアミン−ブタジエン化合物は、高い電荷輸送能力を有することが判った。
また、一般式(1)で示される本発明のアミン化合物を電荷輸送物質として感光層に含有させることによって、電気特性、環境安定性、ならびに電気的および機械的耐久性に優れる電子写真感光体を得ることができた。
また、電荷輸送物質として、一般式(1)で示される本発明のアミン化合物を用いることによって、光応答性を低下させることなく、電荷輸送層における電荷輸送物質の重量とバインダ樹脂の重量との比率(電荷輸送物質/バインダ樹脂)を10/30以上10/12以下としてバインダ樹脂の比率を高くし、電荷輸送層の耐刷性を向上させることができた。
本発明による電子写真感光体の実施の第1の形態である電子写真感光体1の構成を簡略化して示す部分断面図である。 本発明による電子写真感光体の実施の第2の形態である電子写真感光体2の構成を簡略化して示す部分断面図である。 本発明による電子写真感光体の実施の第3の形態である電子写真感光体3の構成を簡略化して示す部分断面図である。 本発明による画像形成装置の実施の一形態である画像形成装置100の構成を簡略化して示す配置側面図である。
符号の説明
1,2,3 電子写真感光体
11 導電性支持体
12 電荷発生層
13 電荷輸送層
14,140 感光層
15 中間層
30 露光手段
31 露光手段からの光
32 帯電器
33 現像器
33a 現像ローラ
33b ケーシング
34 転写器
35 定着器
35a 加熱ローラ
35b 加圧ローラ
36 クリーナ
36a クリーニングブレード
36b 回収用ケーシング
51 記録紙
100 画像形成装置

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で示されるアミン化合物。
    Figure 2005162641
    (式中、Ar、ArおよびArは、それぞれ置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよい1価の複素環残基を示す。Arは、置換基を有してもよいアリーレン基または置換基を有してもよい2価の複素環残基を示す。Rは、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい1価の複素環残基または置換基を有してもよいアラルキル基を示す。RおよびRは、それぞれ水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい1価の複素環残基または置換基を有してもよいアラルキル基を示す。nは1または2の整数を示す。nが2のとき、2個のRは同一でも異なってもよく、2個のRは同一でも異なってもよい。)
  2. アミン化合物は、下記一般式(2)で示されるアミン−ブタジエン化合物であることを特徴とする請求項1記載のアミン化合物。
    Figure 2005162641
    (式中、Rは、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、−NR(RおよびRは、それぞれ置換基を有してもよいアルキル基を示す)で表されるジアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリール基、ハロゲン原子または水素原子を示す。mは1〜6の整数を示す。mが2以上のとき、複数のRは、同一でも異なってもよく、互いに結合して環構造を形成してもよい。Ar、Ar、ArおよびRは、一般式(1)において定義したものと同義である。)
  3. 導電性材料から成る導電性支持体と、前記導電性支持体上に設けられ電荷発生物質および電荷輸送物質を含有する感光層とを有する電子写真感光体において、
    前記電荷輸送物質は、請求項1または2記載のアミン化合物を含むことを特徴とする電子写真感光体。
  4. 前記電荷発生物質は、オキソチタニウムフタロシアニン化合物を含むことを特徴とする請求項3記載の電子写真感光体。
  5. 前記オキソチタニウムフタロシアニン化合物は、Cu−Kα特性X線(波長:1.54Å)に対するX線回折スペクトルにおいて少なくともブラッグ角2θ(誤差:2θ±0.2°)27.2°に明確な回折ピークを示す結晶構造を有するオキソチタニウムフタロシアニン化合物であることを特徴とする請求項4記載の電子写真感光体。
  6. 前記感光層は、前記電荷発生物質を含有する電荷発生層と、前記電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とが積層されて構成されることを特徴とする請求項3〜5のうちのいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  7. 前記電荷輸送層は、さらにバインダ樹脂を含有し、
    前記電荷輸送層における一般式(1)で示されるアミン化合物の重量Aと前記バインダ樹脂の重量Bとの比率A/Bは、10/30以上10/12以下であることを特徴とする請求項6記載の電子写真感光体。
  8. 前記導電性支持体と前記感光層との間に、さらに中間層を有することを特徴とする請求項3〜7のうちのいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  9. 請求項3〜8のいずれかに記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、
    帯電された前記電子写真感光体に対して露光を施す露光手段と、
    露光によって形成される静電潜像を現像する現像手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1または2記載のアミン化合物の製造方法であって、
    下記一般式(3)
    Figure 2005162641
    (式中、Ar、ArおよびArは、一般式(1)において定義したものと同義である。)で示されるアミン化合物と、下記一般式(4−1)
    Figure 2005162641
    (式中、Xはハロゲン原子を示し、Rは一般式(1)において定義したものと同義である。)で示されるハロゲン化アシルまたは下記一般式(4−2)
    Figure 2005162641
    (式中、Rは一般式(1)において定義したものと同義である。)で示されるカルボン酸無水物とを、ルイス酸の存在下に反応させ、下記一般式(5)
    Figure 2005162641
    (式中、Ar、Ar、ArおよびRは、一般式(1)において定義したものと同義である。)で示されるアミン−カルボニル中間体を合成する工程と、
    得られた一般式(5)で示されるアミン−カルボニル中間体に、下記一般式(6−1)
    Figure 2005162641
    (式中、Xはハロゲン原子を示し、Ar、RおよびRは、一般式(1)において定義したものと同義である。)または下記一般式(6−2)
    Figure 2005162641
    (式中、Xはハロゲン原子を示し、Ar、RおよびRは、一般式(1)において定義したものと同義である。)で示されるアリルハライドと金属マグネシウムとから調製されるグリニヤール試薬を反応させる工程とを含むことを特徴とするアミン化合物の製造方法。
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