JP2003043712A - 電子写真装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真装置及びプロセスカートリッジ

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JP2003043712A
JP2003043712A JP2001229900A JP2001229900A JP2003043712A JP 2003043712 A JP2003043712 A JP 2003043712A JP 2001229900 A JP2001229900 A JP 2001229900A JP 2001229900 A JP2001229900 A JP 2001229900A JP 2003043712 A JP2003043712 A JP 2003043712A
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JP2001229900A
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Hiroshi Saito
宏 齊藤
Hiroyuki Omori
弘之 大森
Hirofumi Kumoi
郭文 雲井
Shinji Takagi
進司 高木
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 いかなる環境下でも画像ボケ、カブリ、帯電
不良、転写不良のない高品質な画像を得られる電子写真
装置及びプロセスカートリッジを提供する。 【解決手段】 感光体、帯電手段、情報書込手段、現像
手段、転写手段、該帯電手段より上流に位置し感光体面
上の現像剤を帯電する現像剤帯電量制御手段、該制御手
段より上流かつ転写手段より下流に位置し現像剤像を転
写材に転写した後の感光体面上の残留現像剤像を均一化
する残留現像剤像均一化手段とを有し、現像剤像転写後
の残留現像剤像を該均一化手段で均一化し、その均一化
された残留現像剤を該制御手段で正規極性に帯電処理
し、該帯電手段で感光体面を帯電すると同時に適正帯電
量にする電子写真装置において、感光体表面層の水に対
する接触角が90°以上、トナー粒子が0.920〜
0.995の平均円形度の球形トナーで、更に吸水量が
300〜5000ppmである電子写真装置及びプロセ
スカートリッジ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クリーナレスシス
テムの転写式電子写真装置及びプロセスカートリッジに
関し、より詳しくは、特定の電子写真感光体、転写工程
後の電子写真感光体上に残余する現像剤(トナー)を現
像装置において現像兼クリーニングで像担持体上から除
去・回収し、再利用するようにしてクリーニング装置を
廃したクリーナレス方式の電子写真装置及びプロセスカ
ートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、転写型の電子写真方式を用いた複
写機・プリンタ・ファクシミリ等の転写方式電子写真装
置は、回転ドラム型を一般的とする像担持体である電子
写真感光体、その感光体を所定の極性・電位に一様に帯
電処理する帯電装置(帯電工程)、帯電処理された感光
体に静電潜像を形成する情報書き込み手段としての露光
装置(露光工程)、感光体上に形成された静電潜像を現
像剤であるトナーにより顕像化する現像装置(現像工
程)、上記トナー画像を感光体面から紙等の転写材に転
写する転写装置(転写工程)、転写工程後の感光体上に
多少ながら残余するトナーを除去して感光体面を清掃す
るクリーニング装置(クリーニング工程)、転写材上の
トナー画像を定着させる定着装置(定着工程)等から構
成されており、感光体は繰り返して電子写真プロセス
(帯電・露光・現像・転写・クリーニング)が適用され
て作像に供される。
【0003】転写工程後の感光体上に残余するトナー
は、クリーニング装置により感光体面から除去されてク
リーニング装置内に溜って廃トナーとなるが、環境保全
や資源の有効利用等の点からそのような廃トナーは発生
しないことが望ましい。
【0004】そこで、クリーニング装置にて回収されて
いる転写残トナー、いわゆる廃トナーを現像装置に戻し
て再利用する電子写真装置がある。また、クリーニング
装置を廃し、転写工程後の感光体上の転写残トナーを現
像で感光体上から除去・回収し、再利用するようにした
クリーナレス方式の電子写真装置がある。
【0005】現像兼クリーニングは、転写後の感光体上
の転写残トナーを次工程以降の現像工程時、すなわち引
き続き感光体を帯電し、露光して静電潜像を形成し、該
静電潜像の現像工程過程時にかぶり取りバイアス(現像
装置に印加する直流電圧と感光体の表面電位間の電位差
であるかぶり取り電位差Vback)によって、トナー
で現像されるべきではない感光体面部分上(非画像部)
に存在する転写残トナーは現像装置に回収されて次工程
以降の静電潜像の現像に再利用されるため、廃トナーを
無くし、またメンテナンスに手を煩わせることも少なく
することができる。また、独立したクリーニング手段を
持たない、所謂クリーナレスであることで電子写真装置
の小型化にも有利である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】a)上述したような、
転写工程後の感光体上の転写残トナーを現像装置におい
て現像兼クリーニングで除去・回収し再用するクリーナ
レス方式の電子写真装置において、感光体の帯電装置が
感光体に当接して感光体面を帯電処理する接触帯電装置
であるときには、感光体上の転写残トナーが感光体と接
触帯電装置の接触ニップ部である帯電部を通過する際
に、転写残トナー中の特に帯電極性が正規極性とは逆極
性に反転しているトナーが接触帯電装置に付着して接触
帯電装置を許容以上にトナー汚染させて帯電不良の原因
となってしまう。
【0007】すなわち、現像剤としてのトナーには、量
的には少ないけれども、帯電極性がもともと正規極性と
は逆極性に反転しているトナーが混在している。また、
帯電極性が正規極性のトナーであっても転写バイアスや
剥離放電等に影響されて帯電極性が反転するものや、除
電されて帯電量が少なくなるものもある。
【0008】従って、転写残トナーには、帯電極性が正
規極性のもの、逆極性の反転トナー、帯電量が少ないも
のが混在しており、その内の反転トナーや帯電量が少な
いトナーが感光体と接触帯電装置の接触ニップ部である
帯電部を通過する際に接触帯電装置に付着し易い。
【0009】b)また、感光体上の転写残トナーを現像
装置の現像兼クリーニングにて除去・回収するために
は、帯電部を通過して現像部に持ち運ばれる感光体上の
転写残トナーの帯電極性が正規極性であり、かつその帯
電量が現像装置によって感光体の静電潜像を現像できる
トナーの帯電量であることが必要である。反転トナーや
帯電量が適切でないトナーについては、感光体上から現
像装置に除去・回収できず、不良画像の原因となってし
まう。
【0010】c)上記a)の接触帯電装置へのトナーの
付着は、転写部から帯電部へ持ち運ばれる、帯電極性が
正規極性のもの、逆極性のもの、帯電量が少ないものが
混在している感光体上の転写残トナーをトナー帯電量制
御手段によって正規極性へと帯電付与して帯電極性を正
規極性に揃えると共に帯電量を均一化することにより防
止することができる。
【0011】しかしながら、接触帯電装置へのトナーの
付着を防止するためにトナー帯電量制御手段によって帯
電付与された転写残トナーは、感光体の静電潜像を現像
できるトナーの帯電量に比べて大きいため、現像装置に
おいて現像兼クリーニングにて除去・回収されにくいの
である。このような場合、感光体に残留するトナーは次
の画像へと重なり、不良画像を起こしてしまうのであ
る。
【0012】また、近年のユーザニーズの多様化に伴
い、写真画像等といった高印字率な画像の連続印字動作
や、カラー化に伴い感光体上への多重現像方式等によ
り、一度に大量の転写残トナーの発生により、上述のよ
うな問題を更に助長させてしまうのである。
【0013】そこで、転写工程後の像担持体上の転写残
現像剤を現像兼クリーニングで除去・回収し再用するク
リーナレス方式の電子写真装置について、帯電手段への
転写残現像剤の付着を防止する共に、現像手段での転写
残現像剤の回収も効率的になされるようにするために現
像剤像転写後の電子写真感光体上に残留する残留現像剤
像を前記残留現像剤像均一化手段で均一化し、その均一
化された電子写真感光体上の残留現像剤を前記現像剤帯
電量制御手段で正規極性に帯電処理し、前記帯電手段で
前記電子写真感光体面を帯電すると同時に、適正帯電量
にすることで帯電不良や不良画像を防止することが提案
されている。
【0014】以上は電子写真装置本体に関する改良であ
るが、一方、消耗品である電子写真感光体及びトナーの
側にも、前述の不良画像の発生を抑制するための改良が
要求されている。
【0015】電子写真感光体における具体的な改良とし
ては、前記の残留トナー及びその構成成分による感光体
上への融着やフィルミングの発生という問題に対して、
感光体の表面層の離型性を向上することが求められてい
る。また、電子写真感光体は上述のような電気的及び機
械的外力すなわち摺擦による表面の磨耗や傷の発生、又
は、帯電時に感光体に流れる電流による表面層の劣化
や、帯電時に発生するオゾンやNOx等の活性物質の付
着という問題に対して、表面層の耐久性を向上させるこ
とが要求される。
【0016】また、トナーが電子写真感光体の表面層に
影響を与える場合がある。すなわちトナーの水分量の値
によっては、静電潜像形成、転写、クリーニングの各工
程においてトナーと電子写真感光体とが接触する際にト
ナーと表面層との間で水分が移動し、それが各種帯電処
理工程時に表面層上に介在することにより、オゾンやN
Ox等の前記活性物質の発生が更に増加し、感光体の耐
久性、離型性の低下を引き起こす。特に、高温高湿の環
境下においてその現象は顕著である。
【0017】更に、本発明の電子写真装置のような所謂
クリーナレスシステムにおいては、従来のクリーナ付き
システムに比べてトナーと電子写真感光体が接触する時
間が長く、感光体がトナーの含有する水分の影響をより
受け易い傾向にあるため、前記問題をより増大させてし
まうのである。
【0018】本発明の目的は、いかなる環境下において
も画像ボケ、カブリ、帯電不良、転写不良のない高品質
な画質を安定して供給できる電子写真装置及びプロセス
カートリッジを提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明に従って、電子写
真感光体と、電子写真感光体面を帯電する帯電手段と、
帯電処理された電子写真感光体に静電潜像を形成する情
報書き込み手段と、静電潜像に現像剤を供給し静電潜像
を可視化する現像手段と、可視化した現像剤像を転写材
に転写する転写手段と、該帯電手段より上流に位置して
いて、電子写真感光体上の現像剤を帯電する現像剤帯電
量制御手段と、該現像剤帯電量制御手段より上流かつ該
転写手段より下流に位置していて、該現像剤像を転写材
に転写した後の電子写真感光体面上に残留する残留現像
剤像を均一化する残留現像剤像均一化手段と、を有し、
現像剤像転写後の電子写真感光体上に残留する残留現像
剤像を該残留現像剤像均一化手段で均一化し、その均一
化された電子写真感光体上の残留現像剤を該現像剤帯電
量制御手段で正規極性に帯電処理し、該帯電手段で前記
電子写真感光体面を帯電すると同時に、適正帯電量にす
る電子写真装置において、該電子写真感光体の表面層の
純水に対する接触角が90°以上であり、かつ該トナー
粒子が0.920〜0.995の平均円形度を有する球
形トナーであり、更に該トナー粒子の吸水量が300p
pm〜5000ppmであることを特徴とする電子写真
装置が提供される。
【0020】また、本発明に従って、上記電子写真装置
に用いられる電子写真感光体、帯電手段、現像手段、残
留現像剤像均一化手段、現像剤帯電量制御手段からなる
群より選択される少なくとも一つの手段を一体に支持
し、電子写真装置本体と着脱自在であることを特徴とす
るプロセスカートリッジが提供される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。
【0022】本発明の電子写真装置を以下に説明する。
【0023】図1は本発明における電子写真装置の断面
図である。本電子写真装置は、主に電子写真感光体1、
導電性弾性ローラ2(以降、帯電ローラと称する)、現
像手段と転写残トナー回収手段を兼ねる現像装置4、転
写残トナーを均一化/正規極性化するための転写残トナ
ー均一化手段8及びトナー帯電量制御手段7、その他露
光装置3、転写ローラ5、定着ローラ6から構成され
る。本例の電子写真装置はクリーナレスであり、転写材
Pに対するトナー画像転写後の感光ドラム1面に若干量
残留する転写残トナーを除去する専用のクリーニング装
置は具備させていない。転写後の感光ドラム1面上の転
写残トナーは、引き続く感光ドラム1の回転に伴いe、
fにて転写残トナー均一化手段8及びトナー帯電量制御
手段7により除電/正規極性化されたのち、帯電部aに
て帯電ローラにより適正帯電化され、露光部bを通って
現像部cに持ち運ばれて、現像装置4により現像兼クリ
ーニング(回収)される(クリーナレスシステム)。
【0024】次に、本電子写真装置の主たる構成部材に
ついて述べる。
【0025】a)帯電ローラ 帯電ローラ2は、芯金2aの両端部をそれぞれ不図示の
軸受け部材により回転自在に保持させると共に、押し圧
ばね2eによって感光体方向に付勢して感光体1の表面
に対して所定の押圧力を持って圧接させており、感光体
1の回転に従動して回転する。感光体1と帯電ローラ2
との圧接部が帯電部(帯電ニップ部)aである。
【0026】帯電ローラ2の芯金2aには、電源S1よ
り所定の条件の帯電バイアス電圧が印加されることによ
り回転感光ドラム1の周面が所定の極性・電位に接触帯
電処理される。本例において、帯電ローラ2に対する帯
電バイアス電圧は直流電圧(Vdc)と交流電圧(Va
c)とを重畳した振動電圧である。
【0027】より具体的には、 直流電圧;−500V 交流電圧;周波数f1000Hz、ピーク間電圧Vpp
1400V、正弦波とを重畳した振動電圧であり、感光
ドラム1の周面は−500V(暗電位Vd)に一様に接
触帯電処理される。
【0028】帯電ローラ2の長手長さは320mmであ
り、図2の層構成を示す模式図のように、芯金(支持部
材)2aの外回りに、下層2bと、中間層2cと、表層
2dを下から順次に積層した3層構成である。下層2b
は帯電音を軽減するための発泡スポンジ層であり、中間
層2cは帯電ローラ全体として均一な抵抗を得るための
導電層であり、表層2dは感光体1上にピンホール等の
欠陥があってもリークが発生するのを防止するために設
けている保護層である。
【0029】b)現像装置 4は感光体1上の静電潜像に現像剤(トナー)を供給し
静電潜像を可視化する現像手段としての現像装置、かつ
トナーが現像されるべきではない感光体1上の転写残ト
ナーの回収手段としての転写残トナー回収装置であり、
本例は二成分磁気ブラシ現像方式の反転現像装置であ
る。また、本例において、現像スリーブ4bに対する現
像バイアス電圧は直流電圧(Vdc)と交流電圧(Va
c)とを重畳した振動電圧である。より具体的には、 直流電圧;−350V 交流電圧;1600V とを重畳した振動電圧である。
【0030】c)トナー帯電量制御手段7及び転写残ト
ナー均一化手段8 感光ドラム1面上の転写残トナーの現像装置3による現
像兼クリーニングを効果的に行なわせるためには、現像
部cに持ち運ばれる感光体上の転写残トナーの帯電極性
が正規極性であり、かつその帯電量が現像装置によって
感光体の静電潜像を現像できるトナーの帯電量であるこ
とが必要である。反転トナーや帯電量が適切でないトナ
ーについては、感光体上から現像装置に除去・回収でき
ず、不良画像の原因となってしまう。
【0031】そこで本例においては、転写部dよりも感
光体回転方向下流側の位置において、感光体1上の転写
残トナーを均一化するための、転写残トナー(残留現像
剤像)均一化手段8を設け、この転写残トナー均一化手
段8よりも感光体回転下流側で、帯電部aよりも感光体
回転方向上流側の位置において、転写残トナーの帯電極
性を正規極性である負極性に揃えるためのトナー(現像
剤)帯電量制御手段7を設けている。
【0032】転写残トナー均一化手段8を設けることに
より、転写部dからトナー帯電量制御手段7へ持ち運ば
れる感光ドラム1上のパターン状の転写残トナーはトナ
ー量が多くても、そのトナーが感光ドラム1面に分散安
定化され、非パターン化されるので、トナー帯電量制御
手段7の一部にトナーが集中することがなくなり、該ト
ナー帯電量制御手段7による転写残トナーの全体的な正
規極性帯電化処理が常に十分になされて、転写残トナー
の帯電ローラ2への付着防止が効果的になされる。
【0033】本例では、上記の転写残トナー均一化手段
8とトナー帯電量制御手段7は、適度の導電性を持った
ブラシ状部材であり、ブラシ部を感光体1面に接触させ
て配設してある。fは転写残トナー均一化手段8と感光
体1面の接触部である。eはトナー帯電量制御手段7と
感光体1面の接触部である。
【0034】転写残トナー均一化手段8は、アース接地
もしくは必要に応じてバイアスを印加できるよう設定さ
れており、トナー帯電量制御手段7には負極性の電圧が
電源S4より印加されている。より具体的には、トナー
帯電量制御手段7への印加電圧は−800Vとした。
【0035】かくして、転写部dから帯電部aへ持ち運
ばれる感光体1上の転写残トナーのトリボをトナー帯電
量制御手段7で正規極性である負極性に揃えて帯電処理
することで転写残トナーの帯電ローラ2への付着を防止
しつつ、帯電ローラ2で感光体1を所定の電位に帯電す
ると同時に、上記のトナー帯電量制御手段7で正規極性
である負極性に帯電処理された転写残トナーの帯電量
を、現像装置4によって感光体の静電潜像を現像できる
適切な帯電量に制御することで現像装置での転写残トナ
ーの回収も効率的になされるもので、これにより、帯電
不良や不良画像がなく、しかもクリーナレスシステムの
メリットを生かした電子写真装置を提供するものであ
る。
【0036】次に、本発明に用いられる電子写真感光体
について説明する。
【0037】本発明における電子写真感光体の支持体と
しては、導電性を有するものであればいずれのものでも
よく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、
亜鉛、ステンレス、バナジウム、モリブデン、クロム、
チタン、ニッケル及びインジウム等の金属をドラム状又
はシート状に成形したもの、アルミニウムや銅等の金属
箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アル
ミニウム、酸化インジウム及び酸化スズ等をプラスチッ
クフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独又は結着
樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチック
フィルム及び紙等が挙げられる。支持体の形状として
は、ドラム状、シート状及びベルト状等が挙げられる
が、適用される電子写真装置に最も適した形状にするこ
とが好ましい。
【0038】次に、本発明における電子写真感光体の感
光層について説明する。感光層の構成は電荷発生材料と
電荷輸送材料の双方を同一の層に含有する単層型と、電
荷発生層と電荷輸送層を有する積層型に大別されるが、
電子写真特性的には積層型が好ましい。
【0039】感光層が積層型の場合、電荷発生材料とし
ては、セレン、セレン−テルル及びアモルファスシリコ
ン等の無機系電荷発生材料;ピリリウム系染料、チアピ
リリウム系染料、アズレニウム系染料、チアシアニン系
染料及びキノシアニン系染料等のカチオン染料;スクエ
アリウム塩系顔料;フタロシアニン系顔料;アントアン
トロン系顔料、ジベンズピレンキノン系顔料及びピラン
トロン系顔料等の多環キノン顔料;インジゴ系顔料;キ
ナクリドン系顔料;及びアゾ系顔料等が挙げられる。電
荷発生層は、これらの電荷発生材料を真空蒸着装置によ
って蒸着層として形成したり、あるいは結着樹脂に分散
又は溶解した塗工液を塗布し、乾燥することによって塗
布層として形成することができる。
【0040】結着樹脂としては広範な絶縁性樹脂から選
択でき、また、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びポリ
ビニルピレン等の有機光導電性ポリマーから選択でき
る。好ましくは、ポリビニルブチラール、ポリアリレー
ト(ビスフェノールAとフタル酸の縮重合体等)、ポリ
カーボネート、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、アクリ
ル樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアミド、セルロース
系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリビニルア
ルコール等の樹脂が挙げられる。
【0041】電荷発生層中に含有する結着樹脂は、電荷
発生層全質量に対して80質量%以下であることが好ま
しく、特には50質量%以下であることが好ましい。電
荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特
には0.01〜1μmであることが好ましい。
【0042】電荷輸送層は、主として電荷輸送材料と結
着樹脂としての本発明にかかるポリアリレート樹脂、も
しくはポリアリレート樹脂とシリコーン変性ポリカーボ
ネート樹脂とこれらを溶解させる適当な溶媒に溶解させ
た塗料を塗工/乾燥して形成する。
【0043】本発明におけるポリアリレート樹脂の構成
単位としては、以下にその構造単位例を示すが、本発明
はこれらに限定されるものではない。しかし、本発明で
は構成単位例6で表される構造のものが好ましい。
【0044】
【化3】
【0045】本発明に用いられるシリコーン変性ポリカ
ーボネート樹脂について式(2)で示される構成単位を
有する重合体と式(2)、(3)及び(4)で示される
構成単位を有する共重合体の割合は、耐ソルベントクラ
ック性、耐久性及び電気特性に対する環境安定性、溶液
安定性に依存する製造安定性を考慮して制御しなければ
ならないが、式(2)、(3)及び(4)で示される構
成単位を有する共重合体が式(2)で示される構成単位
を有する重合体に対して質量割合で0.1〜95%の範
囲であることが好ましく、0.5〜80%の範囲が特に
好ましい。
【0046】特に、式(2)及び(3)で示される構成
単位の質量をαとし、式(4)で示される構成単位をβ
としたときに、β/(α+β)の値が0.01〜0.1
の範囲であるときは、前記重合体の割合は1〜15質量
%の範囲であることが好ましく、3〜10質量%の範囲
が特に好ましい。
【0047】また、式(2)及び(4)で示される構成
単位の質量をγとし、式(3)で示される構成単位をδ
としたときに、δ/(γ+δ)の値が0.3〜0.8の
範囲であることが好ましく、0.4〜0.8の範囲が特
に好ましい。
【0048】本発明においてポリアリレート樹脂とシリ
コーン変性ポリカーボネート樹脂とを混合する場合は、
それぞれの質量をA、BとしたときA/B≧1とするこ
とが好ましい。
【0049】シリコーン変性ポリカーボネート樹脂は発
泡性を持っているため、混合量を多くしてゆくと成膜が
うまくできなくなってしまうので、上記混合比の範囲で
使用することが好ましい。
【0050】本発明に用いられる電荷輸送材料として
は、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、ス
チルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合
物、トリアリールメタン化合物及びチアゾール化合物等
の低分子化合物が挙げられる。電荷輸送層の結着樹脂と
しては、本発明にかかるポリアリレート樹脂とシリコー
ン変性ポリカーボネート樹脂の他に、ポリカーボネート
樹脂をブレンドしたり、その他の樹脂、例えば、ポリア
クリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹
脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメ
タクリル酸エステル樹脂又はスチレン−メタクリル酸エ
ステル共重合体樹脂等を更に混合してもよい。電荷輸送
材は0.5〜2倍量の結着樹脂と組み合わされ塗工、乾
燥し電荷輸送層を形成する。電荷輸送層の膜厚は5〜4
0μmが好ましく、特には15〜40μmが好ましい。
【0051】本発明の電子写真感光体の表面層に用いら
れるシリコーン系粉末潤滑材としては、感光体の表面の
滑り性を向上させ、電子写真特性を悪化させないもので
あればどのようなものを使ってもかまわないが、特には
東亞合成化学工業(株)製の商品名「アロンGS−10
1CP」が好ましい。
【0052】更に、電荷輸送層中には酸化防止剤、紫外
線吸収剤及び可塑剤等の添加剤を必要に応じ添加するこ
ともできる。
【0053】感光層が単層型の場合、感光層は前記電荷
発生材料及び電荷輸送材料を前記結着樹脂中に分散及び
溶解した溶液を支持体上に塗布し、乾燥することによっ
て形成することができる。
【0054】本発明においては、支持体と感光層の間に
バリアー機能と接着機能をもつ下引層を設けることもで
きる。下引層の材料としては、ポリビニルアルコール、
ポリエチレンオキシド、ニトロセルロース、エチルセル
ロース、メチルセルロース、エチレン−アクリル酸コポ
リマー、アルコール可溶アミド、ポリアミド、ポリウレ
タン、カゼイン、ニカワ及びゼラチン等が挙げられる。
下引層は、これらの材料を適当な溶剤に溶解した溶液を
支持体上に塗布し、乾燥することによって形成すること
ができる。その膜厚は5μm以下であることが好まし
く、特には0.2μm〜3μmであることが好ましい。
【0055】露光がレーザー光の場合は、干渉縞の防止
のために下引層と支持体の間に導電層を設けることが好
ましい。導電層は、カーボンブラック及び金属粒子等の
導電性粉体を結着樹脂中に分散した溶液を支持体上に塗
布し、乾燥することによって形成することができる。導
電層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特に
は5〜30μmであることが好ましい。
【0056】上述した各種層は、適当な有機溶剤を用
い、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、ビ
ームコーティング法、スピンナーコーティング法、ロー
ラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法及び
ブレードコーティング法等のコーティング法によって形
成することができる。
【0057】本発明における電子写真感光体の表面層
は、純水に対する接触角が90°以上であることが必須
である。接触角が90°未満であると、低表面エネルギ
ー特性を有さないことから転写不良等の画像欠陥を引き
起こすことがある。
【0058】本発明におけるトナー粒子は、0.920
〜0.995の平均円形度を有する円形トナーである。
トナー粒子が0.920未満であるとトナー表面上で外
添剤が偏在し、結果として、画像濃度が不安定になるこ
とがあり、0.995を超えるとトナー表面上に外添剤
が保持されにくくなり、結果として帯電が不均一となり
カブリが発生することがある。また、トナー粒子は、吸
水量が300ppm〜5000ppmでもある。吸水量
が300ppm未満であると、低温低湿の環境下におい
てトナー同士の摩擦により電荷が局在化してトナーに適
正な電荷量が与えられず、カブリ等の画像欠陥を発生す
ることがあり、5000ppmを超えると、高温高湿の
環境下においてトナーから感光体上へ多量の水分が移動
して帯電時における活性物質の発生を増大させ、それが
感光体の表面層の接触角を低下させることにより、転写
不良等の画像欠陥を発生することがある。
【0059】本発明における球形トナーとは、粉砕分級
法によって製造された不定形トナーを球形化処理したも
のや、懸濁重合法や分散重合法によって製造されたも
の、熱気流、流動造粒法によって製造されたもの等を含
む。
【0060】球形トナーの円相当径の円形度分布は、フ
ロー式粒子像分布装置FPIA−1000(東亜医用電
子社製)を用いて以下の通り測定される。
【0061】測定は、フィルターを通して微細なごみを
取り除き、その結果として10-3cm3の水中に測定範
囲(例えば、円相当径0.60μm以上159.21μ
m未満)の粒子数が20個以下のイオン交換水に界面活
性剤(好ましくは和光純薬製コンタミノン)を0.1〜
0.5質量%加えて調製した溶液約10ml(20℃)
に、測定試料を約0.02g加えて均一に分散させて調
製した。分散させる手段としては、株式会社エスエムテ
ー社製の超音波分散機UH−50(振動子はφ5mmの
チタン合金チップ)を用いた。分散時間は5分間以上と
し、その際、分散媒の温度が40℃以上にならないよう
に適宜冷却した。上記フロー式粒子像測定装置を用い、
0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有
する粒子の粒度分布及び円形度分布を測定する。
【0062】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。なお、以下に示す「%」及び「部」は、それぞれ
「質量%」及び「質量部」を意味する。
【0063】(実施例1) <感光体例1>φ30mm×357.5mmのアルミニ
ウムシリンダーを支持体とし、それに以下の材料より構
成される塗料を支持体上に浸漬コーティング法で塗布
し、140℃で30分熱硬化することによって、膜厚が
15μmの導電層を形成した。
【0064】 導電性顔料:酸化スズコート処理酸化チタン 10部 抵抗調節用顔料:酸化チタン 10部 結着樹脂:フェノール樹脂 10部 レベリング剤:シリコーンオイル 0.001部 溶剤:メタノール/メチルセロソルブ=1/1(質量比) 20部
【0065】この上にN−メトキシメチル化ナイロン3
部と共重合ナイロン3部とをメタノール65部/n−ブ
タノール30部とに溶解した溶液を浸漬コーティング法
で塗布することによって、膜厚が0.5μmの下引き層
を形成した。
【0066】この上に、CuKα特性X線回折における
ブラッグ角(2θ±0.2°)の7.4°及び28.2
°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシア
ニン結晶3.5部とポリビニルブチラール樹脂(商品
名:エスレックBH−S、積水化学工業(株)製)1部
をシクロヘキサノン120部に添加し、1mmφガラス
ビーズを用いたサンドミルで3時間分散し、これにメチ
ルエチルケトン120部を加えて希釈して電荷発生層用
塗料を調製した。下引き層上に、この電荷発生層用塗料
を浸漬塗布し、100℃で10分間乾燥して、膜厚が
0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0067】その上に、下記式(5)で示される電荷輸
送材料8部、
【0068】
【化4】 式(1)の構成単位からなるポリアリレート樹脂(重量
平均分子量Mw=11万)10部を、ジメトキシメタン
33部/モノクロロベンゼン60部の混合溶媒に溶解さ
せて電荷輸送層用塗布液とした。この塗料で浸漬塗布に
て塗膜を形成し、120℃で1時間乾燥し20μm(中
心付近)の電荷輸送層を形成した。
【0069】このとき得られた感光体を、滴下式の接触
角計により感光体表面層の純水に対する接触角を測定し
たところ90°であった。接触角を測定する方法として
は、図2に示すように感光体表面層21上に水滴22を
注射器を用いて一定の大きさにし感光体表面層21と、
水滴22の接触角θを測定する方法にて行った。
【0070】<トナー例1>0.1MのNaPO4水溶
液と1MのCaCl2水溶液を用意する。TK式ホモミ
キサー(特殊機化工業製)の2リットルフラスコ内に
0.1MのNaPO4を322gとイオン交換水850
gを投入し、12000rpmで攪拌した。1MのCa
Cl2水溶液48.4gを、60℃に加温した上記ホモ
ミキサー攪拌下に徐々に加え、Ca3(PO42を含む
分散媒を得た。
【0071】 スチレン 180g n−ブチルアクリレート 20g パラフィンワックス(m.p.70℃) 60g C.Iピグメントブルー15:3 10g 変性ポリエステル樹脂 10g ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物 1g 上記処方のうち、変性ポリエステル樹脂、C.I.ピグ
メントブルー15:3、ジ−tert−ブチルサリチル
酸クロム化合物とスチレン100gだけをアトライター
(三井三池製)を用いて予備分散し、着色剤分散液を調
製した。
【0072】次に、着色剤分散液に上記処方全てを添加
し、70℃に加温し、溶解、分散して重合性単量体混合
物とし、更に、70℃に保持しながら、開始剤2,2−
アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10g及
びジメチル2,2−アゾビスイソブチレート1gを加え
て溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0073】前記ホモミキサーの2リットルフラスコ内
で調製した分散媒に、上記重合性単量体組成物を投入し
た。70℃で、窒素雰囲気としたTKホモミキサーを用
いて、10000rpmで20分間攪拌し、重合性単量
体組成物を造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつ
つ70℃で6時間反応させた後、90℃で10時間重合
させた。
【0074】反応終了後、懸濁液を冷却し、塩酸を加え
てCa3(PO42を溶解し、ろ過、水洗、乾燥してシ
ャープな粒度分布を持つ重量平均径=8.2μm、平均
円形度0.950の重合トナーを得た。このトナー粒子
を45℃、50mmHgの減圧下で、12時間脱気処理
を行った。このとき得られたトナーの吸水量を測定した
ところ630ppmであった。
【0075】トナー粒子の吸水量測定は、0.5±0.
1gのサンプルを用い、23℃/50%の環境下におい
て、微量水分測定装置(AQ−6 平沼産業株式会社)
にて測定した(滴定用試薬ハイドラナールアクアライト
RS)。サンプルの加熱は、AQ−6とインターフェイ
スで接続し自動水分気化装置(SE−24平沼産業株式
会社)にて行った(110℃設定、N2ガス0.25リ
ットル)。
【0076】以上の感光体例1及びトナー例1を、図1
に示す電子写真装置に装着して画像評価を行った。
【0077】評価として、15℃/10%、30℃/8
0%の各環境下における初期画像を見た。なお画像評価
は、◎:優、○:良、△:可で評価した。それぞれの結
果を表1に示す。
【0078】(実施例2)実施例1において、感光体を
下記感光体例2に変更した以外は、実施例1と全く同様
に行った。結果を表1に示す。
【0079】<感光体例2>感光体例1において、電荷
輸送層塗布液中のポリアリレート樹脂10部を9.5部
に代え、更に式(2)、(3)及び(4)の構成単位か
らなるシリコーン変性ポリカーボネート樹脂0.5部を
加えた以外は、感光体例1と全く同様にして感光体を作
製した。得られた感光体の接触角を測定したところ10
0°であった。
【0080】(実施例3)実施例1において、感光体を
下記感光体例3に変更した以外は、実施例1と全く同様
に行った。結果を表1に示す。
【0081】<感光体例3>感光体例2において、電荷
輸送層塗布液にシリコーン系粉末潤滑材(商品名:アロ
ンGS−101CP、東亞合成化学工業(株)製)を
0.1部添加した以外は、感光体例2と全く同様にして
感光体を作製した。得られた感光体の接触角を測定した
ところ105°であった。
【0082】(実施例4)実施例1において、トナーを
下記トナー例2に変更した以外は、実施例1と全く同様
に行った。結果を表1に示す。
【0083】<トナー例2>トナー例1において、重合
反応終了後のトナーの脱気条件を45℃、10時間に変
更した以外は、トナー例1と全く同様にトナーを作製し
た。得られたトナーの吸水量を測定したところ、150
0ppmであった。
【0084】(比較例1)実施例1において、トナーを
下記トナー例3に変更した以外は、実施例1と全く同様
に行った。結果を表1に示す。
【0085】<トナー例3>トナー例1において、重合
反応終了後のトナーの脱気条件を50℃、24時間に変
更した以外は、トナー例1と全く同様にしてトナーを作
製した。得られたトナーの吸水量を測定したところ10
0ppmであった。
【0086】(比較例2)実施例1において、トナーを
下記トナー例4に変更した以外は、実施例1と全く同様
に行った。結果を表1に示す。
【0087】<トナー例4>トナー例1において、重合
反応終了後のトナーの脱気条件を40℃、6時間に変更
した以外は、トナー例1と全く同様にしてトナーを作製
した。得られたトナーの吸水量を測定したところ100
00ppmであった。
【0088】(比較例3)実施例1において、感光体を
下記感光体例5に変更した以外は、実施例1と全く同様
に行った。結果を表1に示す。
【0089】<感光体例5>感光体例1において、電荷
輸送層塗布液中のポリアリレート樹脂10部に代えて、
ポリカーボネートA型樹脂(商品名:テイジンパンライ
トL−1250、帝人化成(株)製)10部を用いた以
外は、感光体例1と全く同様にして感光体を作製した。
得られた感光体の接触角を測定したところ80°であっ
た。
【0090】
【表1】
【0091】実施例1〜4においては、感光体例1〜3
のいずれの感光体も表面層の純水に対する接触角が90
°以上という値から低表面エネルギー特性を有している
ことが分かる。また、トナー例1からの水分の移動も少
ないため帯電時における活性物質の発生も少なく、従っ
て使用環境に係らず常に安定した画像を得ることができ
た。
【0092】これに対し、比較例1においては感光体例
1が低表面エネルギー特性を有しているにも係らず、ト
ナー例3の吸水量が100ppmと、本発明で規定した
トナーの水分量に比べて小さい値を有していたため、低
温低湿の環境下においてトナー同士の摩擦により電荷が
局在化してトナーに適正な電荷量が与えられず、結果と
してカブリ等の画像欠陥を発生した。
【0093】比較例2においては、感光体例1が低表面
エネルギー特性を有しているにも係らず、トナー例4の
吸水量が10000ppmと、本発明で規定したトナー
の水分量に比べて大きい値を有していたため、高温高湿
の環境下においてトナーから感光体上へ多量の水分が移
動して帯電時における活性物質の発生を増大させ、それ
が感光体の表面層の接触角を低下させることにより、結
果として転写不良等の画像欠陥を発生した。
【0094】比較例3においては、トナー例1が適切な
水分量を有しているにもかかわらず、感光体例4の接触
角が80°という値から低表面エネルギー特性を有さな
いことが分かり、結果として転写不良等の画像欠陥を発
生した。
【0095】
【発明の効果】上述してきたように、本発明によって、
いかなる環境下においても画像ボケ、カブリ、帯電不
良、転写不良のない高品質な画像を安定して供給できる
電子写真装置及びプロセスカートリッジを提供すること
が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真装置の概略構成を模式的に示
した図である。
【図2】電子写真感光体表面の純水に対する接触角の測
定方法に示した図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体 2 帯電ローラ(帯電手段) 3 露光装置(レーザビームスキャナ) 4 現像装置(現像手段) 5 転写ローラ 6 定着装置 7 トナー帯電量制御手段(現像剤帯電量制御手段) 8 転写残トナー均一化手段(残留現像剤均一化手
段) S1〜S4 バイアス電圧印加電源 21 電子写真感光体表面層 22 水滴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/08 507 G03G 21/00 21/00 15/08 507B (72)発明者 雲井 郭文 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 高木 進司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA15 EA10 2H068 AA13 AA14 AA21 AA28 AA35 BB26 BB27 BB33 BB54 FA11 FA15 FA27 2H077 AA37 AC16 AD00 AD06 AD31 DB14 EA03 2H134 GA01 GB02 HF13 KG01 KG07 KG08 MA02 MA11 2H200 FA08 FA14 GA23 GA45 GB14 GB37 HA03 HA28 HB12 HB22

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真感光体と、電子写真感光体面を
    帯電する帯電手段と、帯電処理された電子写真感光体に
    静電潜像を形成する情報書き込み手段と、静電潜像に現
    像剤を供給し静電潜像を可視化する現像手段と、可視化
    した現像剤像を転写材に転写する転写手段と、該帯電手
    段より上流に位置していて、電子写真感光体上の現像剤
    を帯電する現像剤帯電量制御手段と、該現像剤帯電量制
    御手段より上流かつ該転写手段より下流に位置してい
    て、該現像剤像を転写材に転写した後の電子写真感光体
    面上に残留する残留現像剤像を均一化する残留現像剤像
    均一化手段と、を有し、現像剤像転写後の電子写真感光
    体上に残留する残留現像剤像を該残留現像剤像均一化手
    段で均一化し、その均一化された電子写真感光体上の残
    留現像剤を該現像剤帯電量制御手段で正規極性に帯電処
    理し、該帯電手段で電子写真感光体面を帯電すると同時
    に、適正帯電量にする電子写真装置において、該電子写
    真感光体の表面層の純水に対する接触角が90°以上で
    あり、かつトナー粒子が0.920〜0.995の平均
    円形度を有する球形トナーであり、更に該トナー粒子の
    吸水量が300ppm〜5000ppmであることを特
    徴とする電子写真装置。
  2. 【請求項2】 電子写真感光体が下記式(1)の構成単
    位からなるポリアリレート樹脂を含有する請求項1に記
    載の電子写真装置。 【化1】
  3. 【請求項3】 電子写真感光体が下記式(2)、(3)
    及び(4)で示されるポリカーボネート樹脂又はポリカ
    ーボネート変性体を構成単位とする共重合体を含有する
    請求項1又は2に記載の電子写真装置。 【化2】
  4. 【請求項4】 電子写真感光体に含有されるポリアリレ
    ート樹脂と共重合体の質量を各々A、Bとしたとき、A
    及びBがA/B≧1の関係で表される請求項1〜3のい
    ずれかに記載の電子写真装置。
  5. 【請求項5】 表面層にシリコーン系粉末潤滑剤を含有
    する請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真装置。
  6. 【請求項6】 電子写真感光体の表面層の純水に対する
    接触角が100°以上であり、かつトナー粒子の吸水量
    が500ppm〜2000ppmである請求項1〜5の
    いずれかに記載の電子写真装置。
  7. 【請求項7】 帯電手段は接触帯電方式である請求項1
    〜6のいずれかに記載の電子写真装置。
  8. 【請求項8】 残留現像剤像均一化手段が電子写真感光
    体に対して電位差を有する電極部から構成されている請
    求項1〜7のいずれかに記載の電子写真装置。
  9. 【請求項9】 現像手段は電子写真感光体上に残留する
    現像剤を回収するクリーニング手段を兼ねる請求項1〜
    8のいずれかに記載の電子写真装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の電子写真装置に用い
    られる電子写真感光体、帯電手段、現像手段、残留現像
    剤像均一化手段、現像剤帯電量制御手段からなる群より
    選択される少なくとも一つの手段を一体に支持し、電子
    写真装置本体と着脱自在であることを特徴とするプロセ
    スカートリッジ。
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