JP3960592B2 - 電荷輸送性ポリマー粒子及びそれを用いる電子写真感光体、電子写真方法、電子写真装置及び電子写真装置用プロセスカートリッジ - Google Patents

電荷輸送性ポリマー粒子及びそれを用いる電子写真感光体、電子写真方法、電子写真装置及び電子写真装置用プロセスカートリッジ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は特定化学構造の電荷輸送性ポリマー粒子を用いる電子写真感光体、電子写真方法、電子写真装置及び電子写真装置用プロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式において使用される電子写真感光体(以下、単に感光体と言うことがある)の光導電体としては大きく分けて種々の無機及び有機光導電体が知られている。ここにいう「電子写真方式」とは一般に、光導電性の感光体をまず暗所で、例えばコロナ放電によって帯電させ、次いで像露光し、露光部のみの電荷を選択的に逸散させて静電潜像を得て、この潜像部を染料、顔料などの着色剤と高分子材料などで構成されるトナーで現像し、可視化して画像を形成するようにした、いわゆるカールソンプロセスとよばれる画像形成プロセスである。有機の光導電体を用いた感光体は無機光導電体のものに比べ、感光波長域の自由度、成膜性、可撓性、膜の透明性、量産性、毒性やコスト面等において利点を持つため、現在ではほとんどの感光体には有機光導電体が用いられている。またこの電子写真方式および類似プロセスにおいてくり返し使用される感光体には、感度、受容電位、電位保持性、電位安定性、残留電位、分光感度特性に代表される静電特性が優れていることが要求される。
【0003】
近年ではこの電子写真方式を用いた情報処理システム機の発展は目覚ましいものがある。特に情報をデジタル信号に変換して光によって情報記録をおこなうデジタル記録方式を用いたプリンターは、そのプリント品質、信頼性において向上が著しい。またこのデジタル記録方式はプリンターのみならず通常の複写機にも応用され、所謂デジタル複写機が開発されている。さらに、このデジタル複写機は、種々様々な情報処理機能が付加されるため今後その需要性が益々高まっていくと予想される。
【0004】
現在これらの方式に用いられる電子写真感光体は一般的には導電性支持体上に直接または中間層を介して電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送層を設けたいわゆる機能分離型積層感光体が主流である。さらには、機械的、もしくは化学的耐久性向上のため感光体最表面に表面保護層を形成する。この機能分離型積層感光体において、表面が帯電された感光体が露光されたとき、光は電荷輸送層を透過し、電荷発生層中の電荷発生材料に吸収される。電荷発生材料はこの光を吸収して電荷担体を発生する。発生した電荷担体は電荷輸送層に注入され帯電によって生じている電界に沿って電荷輸送層を移動して感光体の表面電荷を中和する。その結果感光体の表面に静電潜像が形成される。よって、機能分離型積層感光体には主として近赤外部から可視部に吸収を持つ電荷発生材料と、電荷発生材料の吸収光の透過を妨げない、すなわち可視部(黄色光域)から紫外部に吸収を持つ電荷輸送材料との組みあわせが多く用いられている。このようなデジタル記録方式に対応させる光源としては、例えば、小型で安価な信頼性の高い半導体レーザー(LD)や発光ダイオード(LED)が多く使われている。現在最もよく使用されているLDの発振波長域は780〜800nm付近の近赤外光領域にある。また、代表的なLEDの発光波長は740nmにある。
【0005】
一方、最近ではこのデジタル記録方式に対応させる書込光源として400〜450nmに発振波長を有する紫色から青色の短波長LD、LEDが開発、上場されるにおよんでいる。たとえば発振波長が従来からの近赤外域LDに比べ約半分近くとなる短波長LDを書込光源として用いた場合、下記式1)で示されるように、感光体上におけるレーザービームのスポット径を理論上かなり小さくすることが可能である。したがってこれらは潜像の書込密度すなわち解像度を上げることに非常に有利なものである。
【0006】
【数1】
d∝(π/4)(λf/D)・・・ 1)
(式中dは感光体上のスポット径、λはレーザー光の波長、fはfθレンズの焦点距離、Dはレンズ径)
【0007】
またこの短波長LD、LEDにより光学系を含む電子写真装置のコンパクト化、電子写真方式の高速化がはかれるなどの利点があるため、これら約400〜450nmのLDもしくはLED発振光源に対応した高感度、高安定な電子写真感光体が要求されている。
【0008】
現在電子写真方式を用いた電子写真プリンター、電子写真複写機等の高速化、小型化、高画質化が進んでいるが、それに伴い感光体が小径化され電子写真プロセスでの使用条件はますます厳しくなりつつある。特に感光体周りでの帯電ローラの設置やゴムブレード等によるクリーニング等により感光体の摩耗が促進され、電位変動、感度変動が生じ、それによる異常画像、カラー画像の色バランスがくずれ、色再現性に問題が発生するなどの不具合が生じる。また長時間使用することで帯電時に発生するオゾンによるバインダー樹脂及び電荷輸送材料の酸化劣化や、帯電時に生成するイオン性化合物、例えば硝酸イオン、硫酸イオン、アンモニウムイオン、有機酸化合物等が感光体表面に蓄積することによる、画質低下が発生し問題となる。このため、感光体の一層の高耐久化とその表面層の性質の改良が重要となってきている。
【0009】
このような状況下、画質低下の問題に対してこれまでは、感光層にポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリジメチルシロキサン等のシリコン系樹脂等を添加して、表面エネルギーを低下させることが試みられている。この手段は、感光体の耐久性の向上及び感光体表面層に付着するイオン性化合物の量を軽減させることを企図している。例えば、フッ素樹脂の微粒子を感光体表面層に含有させるもの(特開平4−368953号公報)、シロキサン共重合ポリカーボネートをバインダー樹脂として感光体表面層に含有させ、感光体表面層に潤滑性を付与してクリーニング性を改良し、トナー、紙粉等の吸湿性物質のフィルミングの発生を防止するもの(特開平5−113670号公報)が提案されている。
【0010】
また、感光体表面に保護層を形成させることにより、画質低下を防止する試みも検討されている。例えば、種々の樹脂にシリカゲル、酸化スズ等のフィラーを感光体表面層に含有せしめて感光体表面層の耐摩耗性を向上する方法が提案されており(特開昭57−30843号公報、特開平1−205171号公報、特開平3−155558号公報、特開平7−333881号公報、特開平8−15887号公報、特開平8−123053号公報、特開平8−146641号公報、特開平8−179542号公報)、3官能アルコキシシランと4官能アルコキシシランの共加水分解縮合体からなる架橋ポリシロキサンからなる表面保護層を施すことも提案されている(特公平5−046940号公報)。
【0011】
しかしながら、ポリテトラフロロエチレン等のフッ素系樹脂は、汎用の溶媒に対する溶解性が極めて悪く、光学的に均一な分散は困難であることや、樹脂に添加した場合フッ素系樹脂は相溶性が悪いため、凝集して光散乱を与えると共に、多くの場合、これら添加された樹脂粒子は感光体表面にブリードするという欠点があった。また、ポリシロキサンを添加した場合にも、同様にブリードする傾向が強く、その効果は永続しないという欠点もあった。ポリシロキサンにより保護層を形成した場合、一般にはポリシロキサンは優れた絶縁性を有するポリマーであることから、感光体の電荷輸送性に支障を来すという不都合があった。
【0012】
また汎用のフィラーを含有する樹脂を保護層とした場合には、表面硬度は向上するものの、一般的には表面エネルギーが高くなり、クリーニング性が不良となりかつ粒子が凝集して光散乱を生じる等の問題があった。さらに、長期連続繰り返し使用において明部電位が上昇し、画像濃度低下や画像解像力低下などの画像劣化が発生し問題もあった。
【0013】
感光体の高耐久化、高画質化の維持を図るためには黒点、白点等の画質欠陥の発生を抑制することも必須となる。その解決手段として導電性支持体と感光層の間に中間層を設けることが数多く検討されている。しかし絶縁性樹脂を導電性支持体上に設けた場合は、明部電位が上昇し問題となる。また吸湿性を有するナイロン樹脂やポリビニルアルコール樹脂等を中間層として用い、イオン導電性により明部電位を下げること(特開平2−47666号公報記載等)も検討させているが、湿度の低下に伴い明部電位が上昇する等の欠点がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような従来の欠点や問題点を解消し、特定化学構造の電荷輸送性ポリマー粒子を中間層及び電荷輸送層に含有させることで耐久性、帯電安定性に優れ、黒点、白点等の画質欠陥の発生がなく、高画質を維持する電子写真感光体、前記電荷輸送性ポリマー粒子を含有する電子写真感光体を用いた電子写真方法、前記電荷輸送性ポリマー粒子を含有する電子写真感光体を用いた電子写真装置及びこの電子写真装置に用いるプロセスカートリッジを提供することをその目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、高耐久な特定化学構造の電荷輸送性ポリマー粒子を含有する、積層型感光層の中間層及び電荷輸送層、さらに保護層を形成することによって、通常用いられている780〜800nm付近の発振波長域の書込み光源を用いた場合は勿論のこと、400〜450nmの発振波長域のLD、LED書込み光源を用いた場合でも、耐久性、帯電安定性に優れ、黒点、白点等の画質欠陥の発生がなく、高画質を維持する電子写真感光体、この電子写真感光体を用いた電子写真方法、この電子写真感光体を有する電子写真装置及びこの電子写真装置に用いるプロセスカートリッジとすることができるということを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0016】
すなわち、本発明では、下記一般式(1)及び(2)で表される構成単位からなり、一般式(1)で表される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表される構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表される電荷輸送性ポリマー粒子を中間層及び電荷輸送層に含有させた電子写真感光体を最も主要な特徴とする。
【0017】
一般式(1)
【化17】
Figure 0003960592
〔式中、R10は水素原子又は炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基、R11、R12、R13はハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基(R11、R12、R13が各々複数個存在するときは同一であっても別異であってもよい)、R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示し、a、b、cは各々0〜4の整数を示す。〕
【0018】
一般式(2)
【化18】
Figure 0003960592
〔式中、Xは炭素数2〜20の無置換もしくは置換脂肪族炭化水素2価基、無置換もしくは置換脂環式炭化水素2価基、炭素数6〜20の無置換もしくは置換芳香族炭化水素2価基、またはこれら2価基が結合した2価基、又は下記式で表される2価基を示す。〕
【0019】
【化19】
Figure 0003960592
〔式中、R101、R102、R103、R104はハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基又は無置換もしくは置換のアリール基(R101、R102、R103、R104が各々複数個存在するときは、同一であっても別異であってもよい)、o、pは0〜4の整数、q、rは0〜3の整数、Yは単結合、炭素数2〜12の直鎖状のアルキレン基、炭素数3〜12の無置換もしくは置換分岐状アルキレン基、一つ以上の炭素数1〜10のアルキレン基と一つ以上の酸素原子及び硫黄原子から構成される2価基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−COO−又は下記式
【0020】
【化20】
Figure 0003960592
(式中、Zは炭素数2〜20の無置換もしくは置換脂肪族炭化水素2価基又は無置換もしくは置換アリレン基を示し、Zは炭素数2〜20の無置換もしくは置換脂肪族炭化水素2価基又は無置換もしくは置換アリレン基を示し、R105はハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコキシ基又は無置換もしくは置換アリール基を示し、R106、R107は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコキシ基又は無置換もしくは置換アリール基を示し、またR106、R107が結合して炭素数5〜12の炭素環を形成してもよく、R108、R109、R110、R111は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコキシ基又は無置換もしくは置換アリール基を示し、R112はハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコシキ基又は無置換もしくは置換アリール基を示し、R113、R114は単結合又は炭素数1〜4のアルキレン基を表し、R115、R116は炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基又は無置換もしくは置換アリール基を示し、sは0〜4の整数、tは1又は2、uは0〜4の整数、vは0〜20の整数、wは0〜2000の整数を示す)で表される2価基を示す。〕
【0021】
更に、前記一般式(1)の組成に代えて備えた組成を前記一般式(2)と組み合わせて備えることで、中間層及び電荷輸送層に含有させる種々の電荷輸送性ポリマー粒子を提供する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に用いる電荷輸送性を有するポリマー粒子について説明する。ず電荷輸送性ポリマー粒子の原料として用いられる高分子型電荷輸送材料について説明する。高分子型電荷輸送材料は下記一般式(1)及び下記一般式(2)で表される構成単位からなり、一般式(1)で表される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表される構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表される高分子型電荷輸送材料である。
【0023】
一般式(1)
【化21】
Figure 0003960592
〔式中、R10は水素原子又は炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基、R11、R12、R13はハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基(R11、R12、R13が各々複数個存在するときは同一であっても別異であってもよい)、R14、R15は無置換もしくは置換のアリール基を示し、a、b、cは各々0〜4の整数を示す。〕
【0024】
一般式(2)
【化22】
Figure 0003960592
〔式中、Xは炭素数2〜20の無置換もしくは置換脂肪族炭化水素2価基、無置換もしくは置換脂環式炭化水素2価基、炭素数6〜20の無置換もしくは置換芳香族炭化水素2価基、またはこれら2価基が結合した2価基、又は下記式で表される2価基を示す。〕
【0025】
【化23】
Figure 0003960592
【0026】
〔式中、R101、R102、R103、R104はハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基又は無置換もしくは置換アリール基(R101、R102、R103、R104が各々複数個存在するときは、同一であっても別異であってもよい)、o、pは0〜4の整数、q、rは0〜3の整数、Yは単結合、炭素数2〜12の直鎖状のアルキレン基、炭素数3〜12の無置換もしくは置換分岐状アルキレン基、一つ以上の炭素数1〜10のアルキレン基と一つ以上の酸素原子及び硫黄原子から構成される2価基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−COO−又は下記式
【0027】
【化24】
Figure 0003960592
【0028】
(式中、Zは炭素数2〜20の無置換もしくは置換脂肪族炭化水素2価基又は無置換もしくは置換アリレン基を示し、Zは炭素数2〜20の無置換もしくは置換脂肪族炭化水素2価基又は無置換もしくは置換アリレン基を示し、R105はハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコキシ基又は無置換もしくは置換アリール基を示し、R106、R107は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコキシ基又は無置換もしくは置換アリール基を示し、またR106、R107が結合して炭素数5〜12の炭素環を形成してもよく、R108、R109、R110、R111は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコキシ基又は無置換もしくは置換アリール基を示し、R112はハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコシキ基又は無置換もしくは置換アリール基を示し、R113、R114は単結合又は炭素数1〜4のアルキレン基を表し、R115、R116は炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基又は無置換もしくは置換アリール基を示し、sは0〜4の整数、tは1又は2、uは0〜4の整数、vは0〜20の整数、wは0〜2000の整数を示す)で表される2価基を示す。〕
【0029】
以下各置換基の具体例を示すが、特に断りのない限り、本明細書中、同一表記については他の一般式中でも同定義である。
【0030】
一般式(1)においてR10で示される炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基としては、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が挙げられ、これらのアルキル基は、フッ素原子、シアノ基、フェニル基もしくはハロゲン原子又は炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基で置換されたフェニル基を含有していてもよい。
【0031】
具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
【0032】
11、R12、R13で示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0033】
14、R15で示される無置換もしくは置換のアリール基(芳香族炭化水素基及び不飽和複素環基)の具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a、d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基、又は
【0034】
【化25】
Figure 0003960592
〔ここで、Wは−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−又は以下の2価基から選ばれる。
【0035】
【化26】
Figure 0003960592
(ここで、R120は、水素原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基、炭素数1〜6の無置換のもしくは置換のアルコキシ基、ハロゲン原子、無置換もしくは置換のアリール基、置換もしくは無置換のアリールアミノ基、ニトロ基、シアノ基を表し、R121は、水素原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基、無置換もしくは置換のアリール基を表し、hは1〜12の整数、iは1〜3の整数を表す。)〕
【0036】
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0037】
上記のアリール基は以下の(1)〜(7)に示す群から選ばれた基を置換基として有してもよい。
【0038】
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
【0039】
(2)炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基。
【0040】
(3)炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコキシ基。(炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルコキシ基としては、前記定義のアルキル基をアルコキシ基に代えたものであり、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。)
【0041】
(4)アリールオキシ基。(アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するものが挙げられる。これは、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコキシ基、又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。)
【0042】
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基。(置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。)
【0043】
(6)アルキル置換アミノ基。(具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(p−トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる。)
【0044】
(7)アシル基。(アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。)
【0045】
また一般式(2)のXで示される炭素数2〜20の無置換もしくは置換脂肪族炭化水素2価基、無置換もしくは置換脂環式炭化水水素2価基の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ぺンタンジオール、3−メチル−1,5−ぺンタンジオール、1,6−へキサンジオール、1,5−へキサンジオール、1,7−へプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオぺンチルグリコール、2−エチル−1,6−へキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、キシリレンジオール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)べンゼン、1,4−ビス(3−ヒドロキシプロピル)べンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシブチル)べンゼン、1,4−ビス(5−ヒドロキシぺンチル)べンゼン、1,4−ビス(6−ヒドロキシヘキシル)べンゼン、イソホロンジオール等のジオールからヒドロキシ基を2個除いた2価基を挙げることができる。
【0046】
Xで示される炭素数6〜20の無置換もしくは置換芳香族2価基としては上記無置換もしくは置換のアリール基から誘導される2価基を挙げることができ、無置換もしくは置換アルキレン基としては、上記無置換もしくは置換アルキル基から誘導される2価基を挙げることができる。
【0047】
Yで示される一つ以上の炭素数1〜10のアルキレン基と一つ以上の酸素原子及び硫黄原子から構成される2価基に特に制限はないが、例えは具体例として、OCHCHO、OCHCHOCHCHO、OCHCHOCHCHOCHCHO、OCHCHCHO、OCHCHCHCHO、OCHCHCHCHCHCHO、OCHCHCHCHCHCHCHCHO、CHO、CHCHO、CHEtOCHEtO、CHCHO、SCHOCHS、CHOCH、OCHOCHO、SCHCHOCHOCHCHS、OCHCHCHOCHCHCHO、SCHS、SCHCHS、SCHCHCHS、SCHCHCHCHS、SCHCHCHCHCHCHS、SCHCHSCHCHS、SCHCHOCHCHOCHCHS等が挙げられる。
【0048】
炭素原子数3〜12の分岐状のアルキレン基に修飾する置換基としては、無置換もしくは置換アリール基、又はハロゲン原子が挙げられる。
【0049】
、Zが無置換もしくは置換脂肪族の2価基である場合としては、Xが脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基である場合のジオールからヒドロキシ基を除いた2価基を挙げることができる。
【0050】
また、Z、Zが無置換もしくは置換アリレン基である場合として、上記無置換もしくは置換アリール基から誘導される2価基を挙げることができる。
【0051】
Xが芳香族の2価基である場合の好ましい具体例としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジメチルプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ぺンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルぺンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)へキサン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)へプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)へキサフルオロプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロぺンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノルボルナン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル、エチレングリコールビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ケトン、3,3,3’,3’−テトラメチル−6,6’−ジヒドロキシスピロ(ビス)インダン、3,3’,4,4’−テトラヒドロ−4,4,4’,4’−テトラメチル−2,2’−スピロビ(2H−1−べンゾピラン)−7,7’−ジオール、トランス−2,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ブテン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)キサンテン、1,6−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,6−へキサンジオン、α,α,α’,α’−テトラメチル−α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラメチル−α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−キシレン、2,6−ジヒドロキシジベンゾ−p−ジオキシン、2,6−ジヒドロキシチアントレン、2,7−ジヒドロキシフェノキサチイン、9,10−ジメチル−2,7−ジヒドロキシフェナジン、3,6−ジヒドロキシジベンゾフラン、3,6−ジヒドロキシジベンゾチオフェン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,4−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシピレン、ハイドロキノン、レゾルシン、4−ヒドロキシフェニル−4−ヒドロキシベンゾエート、エチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、ジエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、トリエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、p−フェニレン−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、1,6−ビス(4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−1H,1H,6H,6H−パーフルオロヘキサン、1,4−ビス(4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−1H,1H,4H,4H−パーフルオロブタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)テトラメチルジシロキサン等で示されるジオールからヒドロキシ基を2個除いた2価基が挙げられる。
【0052】
また高分子型電荷輸送材料は下記一般式(3)〜(14)で表される構成単位と前記一般式(2)で表される構成単位からなり、一般式(3)〜(14)で表される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表される構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表される高分子型電荷輸送材料である。
【0053】
一般式(3)
【化27】
Figure 0003960592
〔式中、R16は水素原子又は炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基、無置換もしくは置換のアリール基、Ar11、Ar12、Ar13は無置換もしくは置換のアリレン基を示す。R14、R15は前記定義と同一である。〕
【0054】
一般式(4)
【化28】
Figure 0003960592
〔式中、R14、R15、Ar11、Ar12、Ar13は前記定義と同一である。〕
【0055】
一般式(5)
【化29】
Figure 0003960592
〔式中、dは1〜5の整数を示す。R14、R15、Ar11、Ar12、Ar13は前記定義と同一である。〕
【0056】
一般式(6)
【化30】
Figure 0003960592
〔式中、Ar14、Ar15、Ar16は無置換もしくは置換のアリレン基、X、Xは無置換もしくは置換のエチレン基、又は無置換もしくは置換のビニレン基を示す。R14、R15は前記定義と同一である。〕
【0057】
一般式(7)
【化31】
Figure 0003960592
〔式中、R17、R18は無置換もしくは置換のアリール基、Ar17、Ar18、Ar19は無置換もしくは置換のアリレン基、Y、Y、Yは単結合、無置換もしくは置換のアルキレン基、無置換もしくは置換のシクロアルキレン基、無置換もしくは置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし同一であっても異なってもよい。R14、R15、Ar13は前記定義と同一である。〕
【0058】
一般式(8)
【化32】
Figure 0003960592
〔式中、R14、R15、Ar13、Ar14、Ar15は前記定義と同一である。〕
一般式(9)
【0059】
【化33】
Figure 0003960592
〔式中、R14、Ar11、Ar12、Ar14、Ar15は前記定義と同一である。〕
【0060】
一般式(10)
【化34】
Figure 0003960592
〔式中、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23、Ar24は同一または異なるアリレン基を示す。R14、R15、R17、R18は前記定義と同一である。〕
【0061】
一般式(11)
【化35】
Figure 0003960592
〔式中、R14、R15、Ar13、Ar14、Ar15は前記定義と同一である。〕
【0062】
一般式(12)
【化36】
Figure 0003960592
〔式中、R14、Ar14、Ar15は前記定義と同一である。〕
【0063】
一般式(13)
【化37】
Figure 0003960592
〔式中、R14、R16、Ar11、Ar12、Ar14、Ar15は前記定義と同一である。〕
【0064】
一般式(14)
【化38】
Figure 0003960592
〔式中、R19、R20は直鎖または分岐鎖のアルキレン基、Yは無置換もしくは置換のアリレン基、又は−Ar25−Y−Ar25−(Ar25は無置換もしくは置換のアリレン基、YはO、S、無置換もしくは置換のアリレン基を示す。)、eは0または1を示す。R14、R15、Ar11、Ar12、Ar14、Ar15は前記定義と同一である。〕
【0065】
一般式(3)においてAr11、Ar12、Ar13で示される置換もしくは無置換のアリレン基としては、先に定義された置換もしくは無置換のアリール基から誘導される2価基を挙げることができる。
【0066】
また一般式(14)においてAr25で示される無置換もしくは置換のアリレン基としてはフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基、ターフェニリレン基等が挙げられ、これらは無置換もしくは置換のアルキル基、無置換置換のアルコキシ基、ハロゲン原子を置換基として有していてもよい。
【0067】
以上高分子型電荷輸送材料の構成単位の具体例を説明したが、これらは以下に示す特許等にその詳細が述べられている。
【0068】
例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アセトフェノン誘導体(特開平7−325409号公報に記載)、ジスチリルベンゼン誘導体、ジフェネチルベンゼン誘導体(特開平9−127713号公報に記載)、α−フェニルスチルベン誘導体(特開平9−297419号公報に記載)、ブタジエン誘導体(特開平9−80783号公報に記載)、水素化ブタジエン(特開平9−80784号公報に記載)、ジフェニルシクロヘキサン誘導体(特開平9−80772号公報に記載)、ジスチリルトリフェニルアミン誘導体(特開平9−222740号公報に記載)、ジフェニルジスチリルベンゼン誘導体(特開平9−265197号、同9−265201号公報に記載)、スチルベン誘導体(特開平9−211877号公報に記載)、m−フェニレンジアミン誘導体(特開平9−304956号、同9−304957号公報に記載)、レゾルシン誘導体(特開平9−329907号公報に記載)、トリアリールアミン誘導体(特開昭64−9964号、特開平7−199503号、特開平8−176293号、特開平8−208820号、特開平8−253568号、特開平8−269446号、特開平3−221522号、特開平4−11627号、特開平4−183719号、特開平4−124163号、特開平4−320420号、特開平4−316543号、特開平5−310904号、特開平7−56374号、特開平8−62864号各公報、米国特許5,428,090号、同5,486,439号各明細書に記載)などが挙げられる。
【0069】
これら高分子型電荷輸送材料の一例を挙げるが、形式は単重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体の形式であっても、これに限定されるものではない。
【0070】
例示高分子型電荷輸送材料
【化39】
Figure 0003960592
【0071】
【化40】
Figure 0003960592
【0072】
【化41】
Figure 0003960592
【0073】
【化42】
Figure 0003960592
【0074】
【化43】
Figure 0003960592
【0075】
【化44】
Figure 0003960592
【0076】
【化45】
Figure 0003960592
【0077】
高分子型電荷輸送材料は、公知の方法で合成でき、その製造法については例えばポリカーボネート樹脂ハンドブック(編者:本間精一、発行:日刊工業新聞社)等に記載されている。
【0078】
さらに高分子型電荷輸送材料を用い、電荷輸送性ポリマー粒子(以下単にポリマー粒子と言うことがある)を製造する方法も、公知の方法にて製造でき、その具体例としては、粉砕法、乳化分散法、乳化重合法、懸濁重合法、段階重合法、分散重合法等が挙げられる。粉砕法とは、ポリマーの塊、または、粒子径の大きな粉を機械的な力で粉砕することによりポリマー粒子を製造する方法である。乳化分散法とは、ポリマーを有機溶媒に溶解するか、加熱溶融し、分散媒中で乳化し、溶媒と必要に応じ分散媒を除去することによってポリマー粒子を製造する方法である。この方法によれば、ポリマー粒子は、分散媒中に分散された状態、または、分散媒を除去して粉体の状態で得ることができる。
【0079】
例えば、高分子型電荷輸送材料を有機溶媒に溶解し、これを水性溶媒に乳化分散した後、有機溶媒を除去することにより平均粒径0.01〜10μmのポリマー粒子を得ることができる。得られたポリマー粒子は、通常の洗浄操作、ろ過操作を経て粒子単体として取り出すことができる。また溶媒置換を行った後に分散溶液状態で使用することもできる。
【0080】
高分子型電荷輸送材料の溶解に用いられる有機溶媒としては、酢酸エチル、塩化メチレン、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン等、水性媒体と混和しないものが好ましい。また高分子型電荷輸送材料を含む有機相を乳化分散するために、水性媒体中に予め保護コロイドを含有させてもよいし、水性媒体には、適時界面活性剤を含有させることもできる。本発明の電荷輸送性ポリマー粒子は、架橋して硬化させることもできる。ポリマー粒子を架橋させることにより、耐溶剤性が向上し、感光体の塗布溶剤の選択の幅が広がる利点がある。
【0081】
次に本発明及び参考例の電子写真感光体の具体的な概略断面図の例を図2〜図5に示す。図2は、参考例の電子写真感光体の概略断面図の例である。図2に示す電子写真感光体は、単層感光体であり、導電性支持体1上に電荷発生物質3を電荷輸送媒体4中に分散せしめた感光層2'が形成されているものである。本発明の電荷輸送性ポリマー粒子は、この感光層2'中に含有される。
【0082】
図3に示す本発明の電子写真感光体の概略図は、導電性支持体1上に電荷発生物質3を主体とする電荷発生層5と、電荷輸送媒体を有する電荷輸送層4との積層からなる感光層2''が形成されたものである。本発明のポリマー粒子は、電荷輸送層4中に含有される。
【0083】
図4に示す本発明の電子写真感光体の概略図は、電荷輸送層4−1上に保護層4−2を形成したものであり、感光層2'''を形成している。保護層4−2中には、本発明のポリマー粒子が含有され、また必要に応じて他のフィラーを含有させることもできる。
【0084】
図5に示す参考例の電子写真感光体の概略図は、図3の電荷発生層5と電荷輸送層4の積層順を逆にしたものであり、感光層2''''を形成している。電荷発生層5の上に本発明のポリマー粒子を含有する保護層6を形成し、必要に応じて他のフィラーを含有させることもできる。
【0085】
これら図2〜図5に示す電子写真感光体には、導電性支持体1と感光層2’〜2’’’’との間に、黒点、白点等の画質欠陥の発生を抑え、高画質を維持し、レーザー書込光の干渉光によるモアレ画像防止などを目的として中間層(図示せず)を形成し、その層中に本発明の電荷輸送性ポリマー粒子が含有される。
【0086】
本発明の一つは導電性支持体上に、電荷輸送性ポリマー粒子を含有した中間層と電荷輸送層を形成する電子写真感光体である。このポリマー粒子は高耐久性を有し、かつ電荷輸送能をする有機フィラーとして機能するものであり、従って、電荷輸送層にこれらポリマー粒子を含有させた場合に、その高耐久性が発揮させるからである。また同時に、このポリマー粒子は電荷輸送能を有していることから、感光体の長期使用による帯電低下や明部電位上昇の防止にも効果がある。
【0087】
ポリマー粒子の平均粒径は、通常は、0.05〜1.0μm、好ましくは、0.05〜0.8μmである。これは合成された平均粒径の異なるポリマー粒子を感光層に添加して実験した結果、0.05μm未満では、耐摩耗性に効果が見られなかったこと、また1.0μmを越えると、ポリマー粒子を含有する表面の凹凸が大きくなり、ポリマー粒子がクリーニングブレードを傷つけ、クリーニング不良が発生し、望ましくない結果を得たことによる。
【0088】
本発明は、電荷輸送性ポリマー粒子を電荷輸送層、さらに保護層に含有させることによって、感光体の高耐久化が達成されるのであるが、機械的耐久性を調節するために汎用のフィラーをさらに含有させることができる。これにより一層の耐摩耗性の向上、高画質の維持を図り、また電荷輸送性ポリマー粒子を含有することから繰り返し使用しても電位変動のない電子写真感光体とすることができる。
【0089】
用いられる汎用のフィラーとしては、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、窒化ケイ素、酸化カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、カーボンブラック、フッ素系樹脂微粉末、ポリシロキサン系樹脂微粉末、ポリエチレン系樹脂微、粉末、コア−シェル構造を有するグラフト共重合体等が挙げられる。
【0090】
これらフィラーは、分散性向上等のために無機物、有機物で表面処理されていてもよい。一般に、撥水性処理としてシランカップリング剤で処理したもの又はフッ素系シランカップリング剤処理したもの、高級脂肪酸処理したものがあり、無機物処理としては、フィラー表面をアルミナ、ジルコニア、酸化スズ、シリカ処理したものが挙げられる。
【0091】
フィラー含有量は、フィラーを含有させる層に対し、重量基準で通常は、5〜50%、好ましくは、10〜40%である。5%未満では、摩耗性の向上が十分に図れないことがあり、50%を越えると、感光層全体の透明性が損なわれることがあるので望ましくない。
【0092】
フィラーの平均粒径は、通常は、0.05〜1.0μm、好ましくは、0.05〜0.8μmである。前述のポリマー粒子の平均粒径の場合と同様の理由から選択される。
【0093】
本発明の全ての電子写真感光体においては、導電性支持体と感光層との間に中間層を形成するこの中間層に本発明の電荷輸送性ポリマー粒子が含有される。
【0094】
中間層における電荷輸送性ポリマー粒子の含有量は、重量基準で通常は、1〜70%、好ましくは、10〜60%である。含有量が1%より少ないと電荷輸送性向上の効果が少なく、結果として感光体の明部電位上昇を抑制しきれない。また70%より多いと、導電性支持体との接着性が不足し、機械的強度が低下するため望ましくない。中間層に含有される電荷輸送性ポリマー粒子の平均粒径は、通常は、0.05〜5.0μm、より好ましくは0.05〜2.0μmであり、感光層等に添加する場合に比べ粒径は大きくてもよい。但し上記範囲より粒径が大きくなると均一な膜の形成が困難になり、また光の散乱、回折等により画像の鮮鋭さが悪化する。
【0095】
本発明は中間層に電荷輸送性ポリマー粒子が含有したものであるため、レーザー等のコヒーレントな光源による露光方式の電子写真装置で発生する干渉模様を防止するための光の散乱層としての役割を果たすこともできる。また、電荷輸送性ポリマー粒子により中間層の表面粗さを粗くすることができ、この場合の電荷輸送性ポリマー粒子の粒子径は2次粒子径で0.1〜1.0μmの範囲が最適である。また、電荷輸送性ポリマー粒子と結着樹脂との屈折率差による回折を利用することもできる。以上のことから本発明の中間層は、接着性の向上とモワレ等の防止、上層の塗工性の改良と残留電位の低減が達成される。
【0096】
中間層に、電荷輸送性ポリマー粒子と共に用いられる樹脂は、その上に感光層を溶剤を用いて塗布することから、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、モアレ防止、抵抗値のさらなる最適化等のために、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物等の微粉末を加えてもよい。
【0097】
この中間層は、後記の感光層の場合と同様、適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。さらに、中間層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えばゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層とすることも有用である。この他に中間層には、Alを陽極酸化によって形成したもの、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作製法によって形成したものも好適に使用することができる。中間層の膜厚は、通常は、0.01〜20μmであり、好ましくは、0.05〜15μm、さらに好ましくは0.05〜5.0μmである。
【0098】
本発明においては電荷輸送層に電荷輸送機能を付与するために電荷輸送物質を添加する。電荷輸送物質は、本発明の電荷輸送性ポリマー粒子、他の電荷輸送物質を混合して用いてもよい
【0099】
この電荷輸送物質のうち、正孔輸送物質としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体(特開昭52−139065号公報、同52−139066公報に記載)、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体(特開平3−285960号公報に記載)、ベンジジン誘導体(特公昭58−32372号公報に記載)、α−フェニルスチルベン誘導体(特開昭57−73075号公報に記載)、ヒドラゾン誘導体(特開昭55−154955号、同55−156954号公報、同55−52063号公報、同56−81850号公報に記載)、トリフェニルメタン誘導体(特公昭5−10983号公報に記載)、アントラセン誘導体(特開昭51−94829号公報に記載)、スチリル誘導体(特開昭56−29245号公報、同58−198043号各公報に記載)、カルバゾール誘導体(特開昭58−58552号公報に記載)、ピレン誘導体(特開平2−94812号公報に記載)等を挙げることができる。
【0100】
高分子型正孔輸送物質としては電荷輸送性ポリマー粒子の原料として先に示した、高分子型電荷輸送材料をそのまま用いることができる。
【0101】
電荷輸送物質のうち、電子輸送物質としては、ジフェノキノン誘導体、ベンゾキン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、テトラシアノエチレン誘導体、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン誘導体、ジニトロベンゼン誘導体、ジニトロアントラセン誘導体、ジニトロアクリジン誘導体、ニトロアントラキノン誘導体、ジニトロアントラキノ誘導体、無水コハク酸誘導体、無水マレイン酸誘導体、ジブロモ無水マレイン酸誘導体等が挙げられる。
【0102】
これら電荷輸送物質の含有量は、バインダー樹脂(結着樹脂)1重量部に対して、0.2〜3重量部、好ましくは0.4〜1.5重量部である。
【0103】
本発明の電子写真感光体、電子写真感光体を用いた電子写真方法、電子写真感光体を有する電子写真装置及び電子写真装置に用いるプロセルカートリッジにおける書込光源としては、従来から使用されている780〜800nm付近に発振波長を有する半導体レーザー(LD)や、740nmに発光波長を有する代表的な発光ダイオード(LED)等が用いられる。また書込み密度、解像度を上げることができるデジタル記録方式にも対応できる400〜450nmの範囲に発振波長を有する半導体レーザー(LD)もしくは発光ダイオード(LED)が用いられ、これらの光源は光強度波長分布が極めて狭いものではあるが、温度環境、製造ロット等によって発振ピーク波長が数nm波長ほど長波長もしくは短波長側に波長変動するため、光源にこれら短波長の半導体レーザー(LD)もしくは発光ダイオード(LED)を用いる場合は電子写真感光体の電荷輸送層は390〜460nmの範囲の光を充分透過させるものであることが好ましい。また、これらLD、LEDは光強度波長分布が極めて狭いので、電荷輸送層は390〜460nmの波長全域の光を透過する必要はなく、この領域において少なくとも一つの所望の単色光を透過できればよい。この場合、照射光の透過率が50%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。
【0104】
電荷輸送層は実際のところドラム、シート状などの感光体形状、または製造上の問題から、全くの平面性、平滑性を有するものではないため、書き込み光の散乱あるいは反射による光量減少は少なくない。本発明でいう透過率とは単純にこのような電荷輸送層内部での散乱や反射光を差し引いた光、すなわち電荷輸送層表面に入射した光とその反体面から出てくる光との比を意味する。
【0105】
例えば図1に電荷輸送層の透過スペクトルの模式図を示す。図1から390〜460nm波長領域内で波長λ(nm)光における透過率は下記式2)から求められる。
【0106】
【数2】
透過率(%)=T/T×100・・・2)
(式中、Tは390〜460nm波長領域内での波長λより短い波長λ光における透過率、また同様にTは波長λにおける透過率を示す。)
【0107】
本発明における導電性支持体1は、体積抵抗1010Ω以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄等の金属又は酸化スズ、酸化インジウム等の酸化物を蒸着もしくはスパッタリングによりフィルム状、円筒状のプラスチック、紙等に被覆したものあるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板及びこれらを押出し、引き抜き等の工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨等により表面処理した管等からなるものである。
【0108】
本発明において電荷輸送層に用いられるバインダー樹脂(結着樹脂)としては、光源とする波長域の光を透過するものから選択される。例えばポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0109】
本発明において電荷輸送層は可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ハロゲン化パラフィン、ジメチルナフタリン、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、バインダー樹脂に対して0〜30重量%程度が適当である。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいは、オリゴマーが使用され、その使用量はバインダー樹脂に対して、0〜1重量%が適当である。
【0110】
電荷輸送層を形成する場合の塗工方法としては浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が採用される。
【0111】
電荷輸送層4及び4−1の膜厚は3〜50μm程度とすることが好ましい。また、保護層4−2の膜厚は0.15〜10μmが好ましく、より好ましくは0.5〜5μmである。
【0112】
本発明において電荷発生層に含有される電荷発生物質3としては、例えば、セレン、セレン−テルル、硫化カドミウム、硫化カドミウム−セレン、α−シリコン等の無機材料、例えば、シーアイピグメントブルー25(カラーインデックスCI21180)、シーアイピグメントレッド41(CI21200)、シーアイアシッドレッド52(CI45100)、シーアイベーシックレッド3(CI45210)、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−95033号公報に記載)、ジスチリルベンゼン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−133445号公報)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−132347号公報に記載)、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−21728号公報に記載)、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−12742号公報に記載)、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−22834号公報に記載)、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−17733号公報に記載)、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−2129号公報に記載)、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−14967号公報に記載)等のアゾ顔料、例えば、シーアイピグメントブルー16(CI74100)等のフタロシアニン系顔料、例えば、シーアイバットブラウン5(CI73410)、シーアイバットダイ(CI73030)等のインジゴ系顔料、アルゴスカーレットB(バイエル社製)、インダンスレンスカーレットR(バイエル社製)等のペリレン系顔料等の有機材料が挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0113】
これら電荷発生物質の中でも、特にフタロシアニン系顔料と組み合わせたものは、高感度で、かつ高耐久性を有する電子写真感光体を得ることができるものである。
【0114】
フタロシアニン顔料としては、下記一般式(化46)
【0115】
【化46】
Figure 0003960592
で表されるフタロシアニン骨格を有する化合物が挙げられる。ここに、Mは、金属又は無金属(水素)である。M(中心金属)は、H、Li、Be、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Ba、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、TI、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Th、Pa、U、Np、Am等の単体又は酸化物、塩化物、フッ化物、水酸化物、臭化物等の2種以上の元素からなるが、これらの元素に限定されるものではない。
【0116】
このフタロシアニン骨格を有する電荷発生物質は、上記一般式(化46)に示す基本骨格を有していればよく、2量体、3量体等の多量体構造を有するもの、さらに高次の高分子構造を有するものであってもよい。また、上記基本骨格には、各種々の置換基が存在していてもよい。
【0117】
このようなフタロシアニンのうち、中心金属MにTiOを有するオキソチタニウムフタロシアニン、Hを有する無金属フタロシアニンは、感光体特性的に特に好ましいものである。また、これらフタロシアニンは、様々な結晶系を持つことも知られており、例えば、オキソチタニウムフタロシアニンの場合、α、β、γ、m、y型等、銅フタロシアニンの場合、α、β、γ等の結晶多系を有している。同じ中心金属を持つフタロシアニンにおいても、結晶系が変わることことにより、種々の特性も変化する。その中で、感光体特性も、このような結晶系変化に伴い、変化することが報告されている(電子写真学会誌 第29巻第14号(1990))。このことから、各フタロシアニンは、感光体特性的に、最適な結晶系が存在し、特にオキソチタニウムフタロシアニンにおいては、Y型の結晶系が好ましい。
【0118】
さらに、これら電荷発生物質は、フタロシアニン骨格を有する電荷発生物質を2種以上混合して用いてもよい。電荷発生層は、電荷発生物質と適当な溶媒に、必要に応じてバインダー樹脂を加え溶解もしくは分散し、塗布して乾燥させるキャスティング法により設けることができる。
【0119】
バインダー樹脂としては、絶縁性がよい従来から知られているバインダー樹脂であれば何でも使用でき、特に限定はない。例えば、ポリエチレン、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリスチレン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリプロピレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹脂等の付加重合型樹脂、重付加型樹脂、重縮合型樹脂、ならびにこれらの樹脂の繰り返し単位のうち2つ以上を含む共重合体樹脂、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂等の絶縁性樹脂のほか、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらのバインダーは単独または2種類以上の混合物として用いることが出来る。バインダー樹脂の量は、電荷発生物質1重量部に対し0〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部が適当である。
【0120】
電荷発生層の分散液或いは溶液を調整する際に使用する溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン、1,2−ジクロルエタン、1,1,1−トリクロルエタン、ジクロルメタン、1,1,2−トリクロルエタン、トリクロルエチレン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジオキサン等を挙げることができる。
【0121】
電荷発生層用分散液の分散方法としては、例えば、ボールミル、超音波、ホモミキサー、アトライター、サンドミルを用いた方法が挙げられ、また塗布手段としては、ディッピング塗工法、ブレード塗工法、スプレー塗工法、ビートコート法等が挙げられる。
【0122】
電荷発生物質を分散し、感光層を形成する場合、層中への分散性を良くするために、その電荷発生物質は2μm以下、好ましくは1μm以下の平均粒径のものが好ましい。ただし、上記の粒径があまりに小さいとかえって凝集しやすく、層の抵抗が上昇したり、結晶欠陥が増えて感度及び繰り返し特性が低下したり、或いは微細化する上で限界があるから、平均粒径の下限を0.01μmとするのが好ましい。電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
【0123】
導電性支持体1に電荷発生層5を形成する方法としては、前記溶液分散系からのキャスティング法によって形成する方法以外に真空薄膜作製法によって形成する方法がある。真空薄膜作製法による方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が採用される。いずれの方法もさらに必要であれば、バフ研磨等の方法によって表面仕上げ、膜厚調整等を行って電荷発生層5を形成する。また保護層6の厚さは通常0.15〜10μm、好ましくは1〜10μmである。
【0124】
上記全ての場合において、電荷輸送性ポリマー粒子を含有層を形成する場合、用いる分散溶媒としては、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族類、クロロベンゼン、ジクロルメタン等のハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類が挙げられ、ボールミル、サンドミル、振動ミル等のを用いて分散、粉砕する。
【0125】
塗工方法としては、浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が採用される。
【0126】
また、本発明の電子写真感光体においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、酸化防止剤を用いることができる。酸化防止剤は、有機物を含む層であればいずれに添加してもよいが、電荷輸送物質を含む層に添加することにより良好な結果を得ることができる。
【0127】
酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のモノフェノール系化合物、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のビスフェノール系化合物、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコールエステル、トコフェロ−ル類等の高分子フェノール系化合物、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミン等のパラフェニレンジアミン類、2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノン等のハイドロキノン類、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネ−ト、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネ−ト等の有機硫黄化合物類、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィン等の有機燐化合物類等を挙げることができる。
【0128】
これらの化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類等の酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。本発明における酸化防止剤の添加量は、重量基準で電荷輸送物質100部に対して、通常は、0.01〜100部、好ましくは、0.1〜30部である。
【0129】
本発明は次に、上記の電子写真感光体を用い、帯電、像露光及び転写を行うことを特徴とする電子写真方法を提供する。そしてまた、上記の電子写真感光体を有すると共に、帯電手段、像露光手段及び転写手段を備えたことを特徴とする電子写真装置を提供する。さらに上記の電子写真感光体と帯電手段、像露光手段、現像手段、転写手段及クリーニング手段から選ばれた少なくとも一つの手段とを一体的に形成し、電子写真装置本体に着脱自在としたことを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリッジを提供する。図面に基づいて、この電子写真方法、電子写真装置及び電子写真装置用プロセスカートリッジについて説明する。
【0130】
図6は、本発明の電子写真装置及び電子写真装置用プロセスカートリッジの概略図である。感光体1はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。帯電チャージャ3、転写前チャージャ7、転写チャージャ10、分離チャージャ11、クリーニング前チャージャ13には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、図に示されるように転写チャージャ10と分離チャージャ11を併用したものが効果的である。
【0131】
画像露光部5と除電ランプ2等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等の発光物全般を用いることができ、特に画像露光部5には400〜450nmの範囲に発振波長を有するLDもしくはLEDが好適に用いられる。この時像露光部、書込光源のビームスポット径は1200〜2400dpi相当の高解像度を達成するために10〜30μmであることが好ましい。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。かかる光源等は、第5図に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。
【0132】
現像ユニット6(現像手段)により感光体1上に現像されたトナーは、レジストローラ8により送られる転写紙9に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体1上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、ファーブラシ14およびブレード15により、感光体1より除去される。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
【0133】
電子写真感光体1に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体1表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0134】
図7は、本発明の他の電子写真装置の概略図である。感光体21は本発明の感光体であり、駆動ローラ22a、22bにより駆動され、帯電器23による帯電、光源24による像露光、現像(図示せず)、帯電器25を用いる転写、光源26によるクリーニング前露光、ブラシ27によるクリーニング、光源28による除電が繰返し行なわれる。図7においては、感光体21(この場合は支持体が透光性である)に支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行なわれる。
【0135】
上記に図示した電子写真方法及び電子写真装置は、本発明における実施様態を例示したものであって、他の実施様態も可能である。例えば、図7においては、支持体側よりクリーニング前露光を行っているが、これは感光層側から行ってもよく、また、像露光、除電光の照射を支持体側から行ってもよい。
【0136】
また、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、およびその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行なうこともできる。
【0137】
このようにしておこなう画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態によりそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1つの装置であり、また部品である。プロセスカートリッジの形状等については数多く挙げられるが、ここでは、図8にその1例を示す。このプロセスカートリッジは、本発明の電子写真感光体16、帯電チャージャ17、クリーニングブラシ18、画像露光部19、現像ローラ20からなるものである。
【0138】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によってなんら限定されるものではない。なお下記実施例において部とあるのはすべて重量部である。
【0139】
製造例1:
前記した例示高分子型電荷輸送材料の内の(P9)の材料10g、トリメチロールプロパンキシリデンジイソシアネート3モル付加物(タケネートD110N、武田薬品工業社製)1.0gをトルエン100gに溶解させた。得られた混合液を、水性媒体としてポリビニルアルコール1.0%水溶液500gに加え、8000rpmの回転数にて乳化分散を行った後、60℃の恒温槽にて3時間常圧にてトルエンを除去し、蒸留水で洗浄した後、凍結乾燥を行い、平均粒径0.2μmの架橋された電荷輸送性ポリマー粒子を10g得た。
【0140】
製造例2〜12:
高分子化合物を、前記例示高分子型電荷輸送材料の内の材料(P12)、(P15)、(P16)、(P18)、(P19)、(P20)、(P21)、(P22)、(P23)、(P24)、及び(P25)にかえて、同様の操作にて対応する電荷輸送性ポリマー粒子をそれぞれ製造した。
【0141】
参考例1)
オイルフリーアルキッド樹脂(大日本インキ化学製:ベッコライトM6401) 1.5部、メラミン樹脂(大日本インキ化学製:スーパーベッカミンG−821) 1部、二酸化チタン〔石原産業(株)製:タイペークCR−EL〕 5部、2−ブタノン 22.5部の混合物をボールミルポットに取り、φ10mmのアルミナボールを使用し、48時間ボールミリングして中間層塗工液を調製した。この塗工液をアルミニウム支持体上に塗工し、厚さ約4μmの中間層を形成した。
【0142】
次にY型オキソチタニウムフタロシアニン顔料粉末0.5部、ポリカーボネート樹脂(帝人化成社製:PCX−5)0.9部及びテトラヒドロフラン8.1部の混合物をボールミリングした後、顔料組成として2重量%、ポリカーボネート樹脂(帝人化成社製:PCX−5)が50重量%、電荷輸送材料としての下記構造式(f)で示されるアミノビフェニル化合物が28重量%、製造例1の電荷輸送性ポリマー粒子が電荷輸送材料に対して20重量%となるように電荷輸送材料、電荷輸送性ポリマー粒子10重量%のポリカーボネート樹脂溶液を加え、十分に撹拌し感光層塗工液を調整した。この塗工液を塗工後、乾燥後の膜厚が15μmになるよう感光層を形成し、単層型電子写真感光体を作成した。
【0143】
【化47】
Figure 0003960592
【0144】
参考例2)
参考例1と同様にアルミニウム支持体上に中間層を形成した。次に下記構造式(g)で示されるビスアゾ化合物7.5部およびポリエステル樹脂[(株)東洋紡績製バイロン200]2.5部の0.5%テトラヒドロフラン溶液500部をボールミル中で粉砕混合し、得られた分散液を前記中間層上に塗工し、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0145】
【化48】
Figure 0003960592
【0146】
次に、電荷輸送材料として前記構造式(f)で示されるアミノビフェニル化合物7部、例示高分子型電荷輸送材料(P18)由来の電荷輸送性ポリマー粒子を3部とポリアリレート樹脂(ユニチカ社製:U−6000)10部をテトラヒドロフランに溶解し、この電荷輸送層塗工液を前記電荷発生層上に塗工し、膜厚24μmの電荷輸送層を形成し感光体を作成した。
【0147】
参考例3)
参考例2と同様にアルミニウム支持体上に中間層、電荷発生層を順次形成した。次に電荷輸送材料として下記構造式(h)で示される電荷輸送材料7部とポリカーボネート樹脂[(株)帝人製パンライトC−1400]10部をテトラヒドロフランに溶解し、この電荷輸送層塗工液を前記電荷発生層上に塗工し、膜厚約20μmの電荷輸送層を形成した。
【0148】
次に、下記構造式(h)で示される電荷輸送材料3部、例示高分子型電荷輸送材料(P18)由来の電荷輸送性ポリマー粒子を1部、ポリカーボネート樹脂[(株)帝人製パンライトC−1400]5部、THF40部及びシクロヘキサノン140部の保護層塗工液を電荷輸送層上に塗工し、厚さ約5μmの保護層を形成し感光体を作成した。
【0149】
【化49】
Figure 0003960592
【0150】
参考例4)
参考例1で作成した感光体上に参考例3で用いた保護層塗工液を用い、感光層上に塗工し、厚さ約5μmの保護層を形成し感光体を作成した。
【0151】
参考例5)
参考例3と同様にアルミニウム支持体上に中間層、電荷発生層、電荷輸送層を順次形成した。次に下記構造式(i)で示される電荷輸送材料3部、例示高分子型電荷輸送材料(P16)由来の電荷輸送性ポリマー粒子を1部、ポリスチレン樹脂(三洋化成工業製:SBM−700)5部、フィラーとして酸化チタン微粒子(石原産業社製CR97)2部、THF40部及びシクロヘキサノン140部の保護層塗工液を電荷輸送層上に塗工し、厚さ約5μmの保護層を形成し感光体を作成した。
【0152】
【化50】
Figure 0003960592
【0153】
参考例6)
参考例1と同様にアルミニウム支持体上に中間層を形成した。次にY型オキソチタニウムフタロシアニン1.5部およびポリエステル樹脂[(株)東洋紡績製バイロン200]1部の0.5%ジクロロメタン溶液500部をボールミル中で粉砕混合し、得られた分散液を前記中間層上に塗工し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0154】
次に、電荷輸送材料として前記構造式(i)で示されるアミノビフェニル化合物7部とポリカーボネート樹脂(帝人化成社製:PCX−5)10部をテトラヒドロフランに溶解し、この電荷輸送層塗工液を前記電荷発生層上に塗工し、厚さ約20μmの電荷輸送層を形成した。
【0155】
次に、前記構造式(i)で示される電荷輸送材料3部、例示高分子型電荷輸送材料(P12)由来の電荷輸送性ポリマー粒子を1部、ポリカーボネート樹脂5部(帝人化成社製:PCX−5)、フィラーとして酸化チタン微粒子(石原産業社製CR97)2部、THF40部及びシクロヘキサノン140部の保護層塗工液を電荷輸送層上に塗工し、厚さ約5μmの保護層を形成し、感光体を作成した。
【0156】
参考例7)
参考例1で作成した感光体上に参考例6で用いた保護層塗工液を用い、感光層上に塗工し、厚さ約5μmの保護層を形成し感光体を作成した。
【0157】
(比較例1〜7)
参考例1〜7中の電荷輸送性ポリマー粒子を添加しない塗工液を作製し、各々参考例1〜7と対応する比較例1〜7の感光体を作製した。
【0158】
上記参考例1〜7及び比較例1〜7で作成した電子写真感光体をテーバー摩耗試験機(東洋精機社製)にて摩耗輪CS−5を使用し、荷重1kgで回転速度60rpmの条件にて1000回転摩耗させ、摩耗試験前と試験後の感光体サンプルの重量差を摩耗量(mg)とした。結果を表1に示す。
【0159】
【表1】
Figure 0003960592
【0160】
表1から明らかなように本発明の参考例1〜7の感光体はそれぞれ電荷輸送性ポリマー粒子を含有しない対応する比較例1〜7の感光体に比べ摩耗量が小さいことがわかる。すなわち本発明によって電子写真感光体の高耐久化が図られる。
【0161】
また参考例2の電荷輸送層塗工液を用いてポリエステルフィルム上に、同様に操作して電荷輸送層膜のみを形成した。ポリエステルフィルム上から電荷輸送層膜を剥離し、得られた電荷輸送層膜の透過スペクトルを分光光度計にて測定し、波長435nmでの透過率(%)を前記式(2)より求めたところ84%であった。
【0162】
(実施例
オイルフリーアルキッド樹脂(大日本インキ化学製:ベッコライトM6401)1.5部、メラミン樹脂(大日本インキ化学製:スーパーベッカミンG−821)1部、例示化合物(P18)由来の電荷輸送性ポリマー粒子5部、2−ブタノン22.5部の混合物をボールミルポットに取り、φ10mmのアルミナボールを使用し、48時間ボールミリングして中間層塗工液を調製した。この塗工液をアルミニウム・シリンダー上に塗工し、厚さ約4μmの中間層を形成した。
【0163】
次に参考例2で用いた電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を順次塗布、乾燥し、実施例の積層感光体ドラムを作製した。
【0164】
(参考例8)
また実施例と同様にアルミニウム・シリンダー上に中間層塗工液、電荷発生層塗工液を形成し、その上に電荷輸送層塗工液及び保護層塗工液を参考例3のものに代えて参考例8の積層感光体ドラムを作製した。
【0165】
実施例の電子写真感光体、帯電手段として帯電ローラ、像露光手段として光源に発振波長405nmの半導体レーザを搭載しビーム系をアパーチャーで調節できる光学系、現像手段として2成分の現像ユニット及びパターンジェネレーターを取り付けた作像実験機により30μmのビームスポット系で得られる孤立ドットを感光体上に形成させ、それを接着テープに転写させ、CCDカメラにより読み取り、画像解析した。感光体の初期帯電電位は600Vで行い、トナーは平均粒径6μm磁性トナーを使用した。孤立ドットの形状、再現性を目視により評価したところ、実施例1の感光体においてもドットがコントラスト良く形成再現された。
【0166】
また実施例の感光体をレーザープリンター(IPSiO NX410、リコー製)に搭載した。プリントサンプルをとり、画質評価を行ったところ、感光体を装着した場合も、白点および黒点ともに発生していなく、良好な画質の画像が得られた。
【0167】
【発明の効果】
本発明によれば、耐久性に優れた特定化学構造の電荷輸送性ポリマー粒子を中間層及び電荷輸送層に含有させることで、黒点、白点等の画質欠陥の発生がなく、高画質を維持する電子写真感光体、前記電荷輸送性ポリマー粒子を含有する電子写真感光体を用いた電子写真方法、前記電荷輸送性ポリマー粒子を含有する電子写真感光体を用いた電子写真装置及びこの電子写真装置に用いるプロセスカートリッジが提供される。そして本発明は電子写真プリンター、電子写真複写機等の電子写真プロセスに使用される機械、機器等の設計、製作分野において多大の寄与をなすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】電荷輸送層の透過スペクトルの模式図である。
【図2】本発明の参考例の電子写真感光体の概略断面である。
【図3】本発明の電子写真感光体の概略断面図である。
【図4】本発明の電子写真感光体の概略断面図である。
【図5】本発明の参考例の電子写真感光体の概略断面図である。
【図6】本発明の電子写真装置及び電子写真装置用プロセスカートリッジの概略図である。
【図7】本発明の他の電子写真装置の概略図である。
【図8】プロセスカートリッジの形状例を示す概略図である。
【符号の説明】
(図2〜図5において)
1 導電性支持体
2’〜2’’’’ 感光層
3 電荷発生物質
4、4−1 電荷輸送層
4−2、6 保護層
5 荷電発生層
(図6〜図8において)
1 電子写真感光体
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ(帯電手段)
6 現像ユニット(現像手段)
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
10 転写チャージャ(転写手段)
11 分離チャージャ(転写手段)
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 ブレード
17 帯電チャージャ(帯電手段)
18 クリーニングブラシ
19 画像露光部
20 現像ローラ(現像手段)
22a、22b 駆動ローラ
23 帯電チャージャ(帯電手段)
24 光源(像露光手段)
25 帯電器
26 光源
27 ブラシ
28 光源

Claims (9)

  1. 導電性支持体上に中間層、電荷発生層、電荷輸送層をこの順に順次設けた積層型電子写真感光体において、該電荷輸送層及び中間層が共に下記の(A)〜(N)の電荷輸送性ポリマー粒子を少なくとも一種含有することを特徴とする電子写真感光体。
    電荷輸送性ポリマー粒子(A);
    下記一般式(1)及び(2)で表される構成単位からなり、一般式(1)で表される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表される構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表される電荷輸送性ポリマー粒子。
    一般式(1)
    Figure 0003960592
    〔式中、R 10 は水素原子又は炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基、R 11 、R 12 、R 13 はハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基(R 11 、R 12 、R 13 が各々複数個存在するときは同一であっても別異であってもよい)、R 14 、R 15 は無置換もしくは置換のアリール基を示し、a、b、cは各々0〜4の整数を示す。〕
    一般式(2)
    Figure 0003960592
    〔式中、Xは炭素数2〜20の無置換もしくは置換脂肪族炭化水素2価基、無置換もしくは置換脂環式炭化水素2価基、炭素数6〜20の無置換もしくは置換芳香族炭化水素2価基、またはこれら2価基が結合した2価基、又は下記式で表される2価基を示す。〕
    Figure 0003960592
    〔式中、R 101 、R 102 、R 103 、R 104 はハロゲン原子、炭素数1〜6の無置 換もしくは置換のアルキル基又は無置換もしくは置換のアリール基(R 101 、R 102 、R 103 、R 104 が各々複数個存在するときは、同一であっても別異であってもよい)、o、pは0〜4の整数、q、rは0〜3の整数、Yは単結合、炭素数2〜12の直鎖状のアルキレン基、炭素数3〜12の無置換もしくは置換分岐状アルキレン基、一つ以上の炭素数1〜10のアルキレン基と一つ以上の酸素原子及び硫黄原子から構成される2価基、−O−、−S−、−SO−、−SO −、−CO−、−COO−又は下記式
    Figure 0003960592
    (式中、Z は炭素数2〜20の無置換もしくは置換脂肪族炭化水素2価基又は無置換もしくは置換アリレン基を示し、Z は炭素数2〜20の無置換もしくは置換脂肪族炭化水素2価基又は無置換もしくは置換アリレン基を示し、R 105 はハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコキシ基又は無置換もしくは置換アリール基を示し、R 106 、R 107 は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコキシ基又は無置換もしくは置換アリール基を示し、またR 106 、R 107 が結合して炭素数5〜12の炭素環を形成してもよく、R 108 、R 109 、R 110 、R 111 は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコキシ基又は無置換もしくは置換アリール基を示し、R 112 はハロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコシキ基又は無置換もしくは置換アリール基を示し、R 113 、R 114 は単結合又は炭素数1〜4のアルキレン基を表し、R 115 、R 116 は炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基又は無置換もしくは置換アリール基を示し、sは0〜4の整数、tは1又は2、uは0〜4の整数、vは0〜20の整数、wは0〜2000の整数を示す)で表される2価基を示す。〕
    電荷輸送性ポリマー粒子(B);
    下記一般式(3)及び前記一般式(2)で表される構成単位からなり、一般式(3)で表される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表される構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表される電荷輸送性ポリマー粒子。
    一般式(3)
    Figure 0003960592
    〔式中、R 16 は水素原子又は炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基、無置換もしくは置換のアリール基、Ar 11 、Ar 12 、Ar 13 は無置換もしくは置換のアリレン基を示す。R 14 、R 15 は前記定義と同一である。〕
    電荷輸送性ポリマー粒子(C);
    下記一般式(4)及び前記一般式(2)で表される構成単位からなり、一般式(4)で表される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表される構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表されることを特徴とする電荷輸送性ポリマー粒子。
    一般式(4)
    Figure 0003960592
    〔式中、R 14 、R 15 、Ar 11 、Ar 12 、Ar 13 は前記定義と同一である。〕
    電荷輸送性ポリマー粒子(D);
    下記一般式(5)及び前記一般式(2)で表される構成単位からなり、一般式(5)で表される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表される構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表される電荷輸送性ポリマー粒子。
    一般式(5)
    Figure 0003960592
    〔式中、dは1〜5の整数を示す。R 14 、R 15 、Ar 11 、Ar 12 、Ar 13 は前記定義と同一である。〕
    電荷輸送性ポリマー粒子(E);
    下記一般式(6)及び前記一般式(2)で表される構成単位からなり、一般式(6)で 表される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表される構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表される電荷輸送性ポリマー粒子。
    一般式(6)
    Figure 0003960592
    〔式中、Ar 14 、Ar 15 、Ar 16 は無置換もしくは置換のアリレン基、X 、X は無置換もしくは置換のエチレン基、又は無置換もしくは置換のビニレン基を示す。R 14 、R 15 は前記定義と同一である。〕
    電荷輸送性ポリマー粒子(F);
    下記一般式(7)及び前記一般式(2)で表される構成単位からなり、一般式(7)で表される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表される構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表される電荷輸送性ポリマー粒子。
    一般式(7)
    Figure 0003960592
    〔式中、R 17 、R 18 は無置換もしくは置換のアリール基、Ar 17 、Ar 18 、Ar 19 は無置換もしくは置換のアリレン基、Y 、Y 、Y は単結合、無置換もしくは置換のアルキレン基、無置換もしくは置換のシクロアルキレン基、無置換もしくは置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし同一であっても異なってもよい。R 14 15 、Ar 13 は前記定義と同一である。〕
    電荷輸送性ポリマー粒子(G);
    下記一般式(8)及び前記一般式(2)で表される構成単位からなり、一般式(8)で表される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表される構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表される電荷輸送性ポリマー粒子。
    一般式(8)
    Figure 0003960592
    〔式中、R 14 、R 15 、Ar 13 、Ar 14 、Ar 15 は前記定義と同一である。〕
    電荷輸送性ポリマー粒子(H);
    下記一般式(9)及び前記一般式(2)で表される構成単位からなり、一般式(9)で表される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表される構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表されることを特徴とする電荷輸送性ポリマー粒子。
    一般式(9)
    Figure 0003960592
    〔式中、R 14 、Ar 11、 Ar 12 、Ar 14 、Ar 15 は前記定義と同一である。〕
    電荷輸送性ポリマー粒子(J);
    下記一般式(10)及び前記一般式(2)で表される構成単位からなり、一般式(10)で表される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表される構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表される電荷輸送性ポリマー粒子。
    一般式(10)
    Figure 0003960592
    〔式中、Ar 20 、Ar 21 、Ar 22 、Ar 23 、Ar 24 は無置換もしくは置換のアリレン基を示す。R 14 、R 15 、R 17 、R 18 は前記定義と同一である。〕
    電荷輸送性ポリマー粒子(K);
    下記一般式(11)及び前記一般式(2)で表される構成単位からなり、一般式(11)で表される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表される構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表される電荷輸送性ポリマー粒子。
    一般式(11)
    Figure 0003960592
    〔式中、R 14 、R 15 、Ar 13 、Ar 14 、Ar 15 は前記定義と同一である。〕
    電荷輸送性ポリマー粒子(L);
    下記一般式(12)及び前記一般式(2)で表される構成単位からなり、一般式(12)で表される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表される構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表される電荷輸送性ポリマー粒子。
    一般式(12)
    Figure 0003960592
    〔式中、R 14 、Ar 14 、Ar 15 は前記定義と同一である。〕
    電荷輸送性ポリマー粒子(M);
    下記一般式(13)及び前記一般式(2)で表される構成単位からなり、一般式(13)で表される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表される構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表される電荷輸送性ポリマー粒子。
    一般式(13)
    Figure 0003960592
    〔式中、R 14 、R 16 、Ar 11 、Ar 12 、Ar 14 、Ar 15 は前記定義と同一である。〕
    電荷輸送性ポリマー粒子(N);
    下記一般式(14)及び前記一般式(2)で表される構成単位からなり、一般式(14)で表される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表される構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表される電荷輸送性ポリマー粒子。
    一般式(14)
    Figure 0003960592
    〔式中、R 19 、R 20 は直鎖または分岐鎖のアルキレン基、Y は無置換もしくは置換のアリレン基、又は−Ar 25 −Y −Ar 25 −(Ar 25 は無置換もしくは置換のアリレン基、Y はO、S、無置換もしくは置換のアリレン基を示す。)、eは0または1を示す。R 14 、R 15 、Ar 11 、Ar 12 、Ar 14 、Ar 15 は前記定義と同一である。〕
  2. 前記電荷輸送層の上に保護層が設けられ、該保護層が上記のA〜Nの電荷輸送性ポリマー粒子を少なくとも一種含有することを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 電荷輸送層または保護層が390〜460nm波長領域の単色光を透過することを特徴とする請求項1または2記載の電子写真感光体。
  4. 電荷輸送層または保護層が390〜460nm波長領域の単色光に対して50%以上の透過率を示すことを特徴とする請求項記載の電子写真感光体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体を用い、帯電、像露光、現像及び転写を行うことを特徴とする電子写真方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体を有すると共に、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を備えたことを特徴とする電子写真装置。
  7. 像露光手段における書込光源のビームスポット系が10〜30μmであることを特徴とする請求項記載の電子写真装置。
  8. 像露光手段における書込光源の波長が400〜450nmの範囲に発振波長を有する半導体レーザーもしくは発光ダイオードであることを特徴とする請求項または記載の電子写真装置。
  9. 請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段及びクリーニング手段から選ばれた少なくとも一つの手段とを一体的に形成し、電子写真装置本体に着脱自在としたことを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリッジ。
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