JP2002055473A - 電子写真感光体、電子写真方法、電子写真装置及び電子写真装置用プロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、電子写真方法、電子写真装置及び電子写真装置用プロセスカートリッジ

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JP2002055473A
JP2002055473A JP2000240463A JP2000240463A JP2002055473A JP 2002055473 A JP2002055473 A JP 2002055473A JP 2000240463 A JP2000240463 A JP 2000240463A JP 2000240463 A JP2000240463 A JP 2000240463A JP 2002055473 A JP2002055473 A JP 2002055473A
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一清 永井
Tomoyuki Shimada
知幸 島田
Michihiko Nanba
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 390〜460nm波長領域の単色照射光を
効率よく透過する電荷輸送層を用いることにより、前記
400〜450nmの範囲に発振波長を有するLD,L
ED書込光源に対して高感度であり、高解像度で優れた
画質を維持し、繰り返し使用によっても電位変動のな
い、また優れた機械的耐久性を有する電子写真感光体、
この電子写真感光体を用いた電子写真方法、この電子写
真感光体を有する電子写真装置及びこの電子写真装置に
用いるプロセスカートリッジを提供すること。 【解決手段】 導電性支持体上に直接または中間層を介
して電荷発生層、電荷輸送層を順次設けた積層型電子写
真感光体において、該電子写真感光体が書込光として4
00〜450nmの波長を有する半導体レーザー光を照
射され、且つ該電荷輸送層が少なくとも高分子型電荷輸
送材料を含有し、且つ390〜460nm波長領域の単
色光を透過することを特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体、電
子写真方法、電子写真装置及び電子写真装置用プロセス
カートリッジに関し、詳しくは、400〜450nm波
長領域の書込光源を使用した場合において、高感度かつ
高解像度であり、その優れた画質を維持し、繰り返し使
用しても電位変動のない、また優れた機械的耐久性を有
する電子写真感光体、電子写真方法、電子写真装置及び
電子写真装置用プロセスカートリッジに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式において使用される
電子写真感光体(以下、単に感光体ということがある)
の光導電体としては、大きく分けて種々の無機及び有機
光導電体が知られている。ここにいう「電子写真方式」
とは一般に、光導電性の感光体をまず暗所で、例えばコ
ロナ放電によって帯電させ、次いで像露光し、露光部の
みの電荷を選択的に逸散させて静電潜像を得て、この潜
像部を染料、顔料などの着色剤と高分子材料などで構成
されるトナーで現像し、可視化して画像を形成するよう
にした、いわゆるカールソンプロセスとよばれる画像形
成プロセスである。有機の光導電体を用いた感光体は無
機光導電体のものに比べ、感光波長域の自由度、成膜
性、可撓性、膜の透明性、量産性、毒性やコスト面等に
おいて利点を持つため、現在ではほとんどの感光体には
有機光導電体が用いられている。また、この電子写真方
式および類似プロセスにおいてくり返し使用される感光
体には、感度、受容電位、電位保持性、電位安定性、残
留電位、分光感度特性に代表される静電特性が優れてい
ることが要求される。
【0003】近年では、この電子写真方式を用いた情報
処理システム機の発展は目覚ましいものがある。特に、
情報をデジタル信号に変換して光によって情報記録を行
なうデジタル記録方式を用いたプリンターは、そのプリ
ント品質、信頼性において向上が著しい。また、このデ
ジタル記録方式は、プリンターのみならず通常の複写機
にも応用され、所謂デジタル複写機が開発されている。
さらに、このデジタル複写機は、種々様々な情報処理機
能が付加されるため、今後その需要性が益々高まってい
くと予想される。
【0004】現在これらの方式に用いられる電子写真感
光体は、一般的には導電性支持体上に直接または中間層
を介して電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送層を設
けたいわゆる機能分離型積層感光体が主流である。さら
には、機械的、もしくは化学的耐久性向上のため感光体
最表面に表面保護層を形成する。この機能分離型積層感
光体において、表面が帯電された感光体が露光されたと
き、光は電荷輸送層を透過し、電荷発生層中の電荷発生
材料に吸収される。電荷発生材料は、この光を吸収して
電荷担体を発生する。発生した電荷担体は、電荷輸送層
に注入され、帯電によって生じている電界に沿って電荷
輸送層を移動して感光体の表面電荷を中和する。その結
果、感光体の表面に静電潜像が形成される。よって、機
能分離型積層感光体には、主として近赤外部から可視部
に吸収を持つ電荷発生材料と、電荷発生材料の吸収光の
透過を妨げない、すなわち可視部(黄色光域)から紫外
部に吸収を持つ電荷輸送材料との組みあわせが多く用い
られている。このようなデジタル記録方式に対応させる
光源としては、例えば、小型で安価な信頼性の高い半導
体レーザー(LD)や発光ダイオード(LED)が多く
使われている。現在、最もよく使用されているLDの発
振波長域は780〜800nm付近の近赤外光領域にあ
る。また、代表的なLEDの発光波長は740nmにあ
る。そして、そのビームスポット径は、約150〜60
μm程度である。このため、現行の電子写真装置は30
0〜600dpi程の解像度であり、写真調の高解像度
としては十分でなかった。これを1200dpi相当の
ドット径約30μm又は2400dpi相当のドット径
約15μmに絞り込むためには、超高精度な光学部品や
大きな光学部材が必要になりコスト的にも、スペース的
にも実用化できるものではなかった。この解決には光源
波長を短くすることが有効と考えられており、特開平5
−19598号公報には、短波長レーザを使用した電子
写真装置が提案されている。
【0005】一方、最近ではこのデジタル記録方式に対
応させる書込光源として、GaN系半導体に代表される
400〜450nmに発振波長を有する紫色から青色の
短波長LD、LEDが開発、上場されるに及んでいる。
例えば、発振波長が従来からの近赤外域LDに比べ約半
分近くとなる短波長LDを書込光源として用いた場合、
下記式(1)で示されるように、感光体上におけるレー
ザービームのスポット径を理論上かなり小さくすること
が可能である。従って、これらは潜像の書込密度すなわ
ち解像度を上げることに非常に有利なものである。
【0006】
【数1】 d∝(π/4)(λf/D) …(1) (式中、dは感光体上のスポット径、λはレーザー光の
波長、fはfθレンズの焦点距離、Dはレンズ径)
【0007】また、この短波長LD、LEDにより光学
系を含む電子写真装置のコンパクト化や、熱的クロスト
ークが小さいためマルチビーム書込による電子写真方式
の高速化などの利点があるため、これら約400〜45
0nmのLDもしくはLED発振光源に対応した高感
度、高解像度かつ高安定な電子写真感光体が要求されて
いる。
【0008】先に述べたように、電子写真感光体の主流
は、機能分離型積層感光体である。この層構成の場合、
電荷輸送層が電荷発生層の上部にあるので、高感度を発
現させるには、書き込み光である短波長LD、LED照
射光を効率よく電荷輸送層を通して電荷発生層に送り込
む必要がある。すなわち、電荷輸送層がこれらの光をな
るべく吸収しないことが重要になってくる。一般的な電
荷輸送層は、低分子型電荷輸送材料をバインダー樹脂中
に分子を分散させた約10〜30μm程度の固溶体膜で
ある。また、このバインダー樹脂としてほとんどの電子
写真感光体においてビスフェノール系ポリカーボネート
樹脂、もしくはそれと他の樹脂との共重合体が用いられ
ている。このビスフェノール系ポリカーボネート樹脂
は、390〜460nmの波長域において分光吸収を持
たないため、書き込み光透過の大きな妨げとはならな
い。
【0009】一方、従来から商品化されている電荷輸送
材料としては、1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェ
ニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン(特
開昭62−30255号公報)、5−〔4−(N,N−
ジ−p−トリルアミノ)ベンジリデン〕−5H−ジベン
ゾ〔a,d〕シクロヘプテン(特開昭63−22566
0号公報)、ピレン−1−アルデヒド 1,1−ジフェ
ニルヒドラゾン(特開昭58−159536号公報)な
どが開示されているが、これら電荷輸送材料は390〜
460nmの波長域に吸収を有しており、上記短波長L
D、LED書込み光は電荷輸送層の表面近傍において吸
収されてしまい、電荷発生層には到達できず、原理上感
度を示さなくなってしまう。さらに、特開昭55−67
778号公報、特開平9−190054号公報には、電
荷輸送層に吸収される波長域の光を使用すると、繰返し
使用の場合、帯電性の低下や残留電位の上昇が記載され
ており、電荷輸送材料の光吸収は、感度低下のみならず
繰り返し疲労に対しても悪影響を与える。
【0010】さらに、これら低分子型電荷輸送材料とバ
インダー樹脂からなる電荷輸送層は一般に脆く、耐久性
に劣ることが知られている。電子写真プロセスにおいて
繰り返し使用された場合に、現像システムやクリーニン
グシステムによる感光体表面への機械的負荷により、膜
削れや感光体表面に傷が生じ、画像に地汚れや欠陥を伴
いやすいという問題を抱えている。そのため、今後40
0〜450nmに発振波長を有する短波長LD、LED
を光源として用いた電子写真装置やそれを用いるプロセ
スカートリッジの開発において、電子写真感光体はさら
なる機械的耐久性の向上が求められる。
【0011】また、発振波長が400〜500nmのL
Dを光源として用いた電子写真装置が、特開平9−24
0051号公報に開示されている。しかしながら、この
電子写真装置に用いられる電子写真感光体の層構成は、
高解像度を目的として、導電性支持体上に電荷輸送層、
電荷発生層を順次積層させた本発明とは逆の層構成とな
っている。この感光体層構成の場合、脆弱かつ薄膜の電
荷発生層が最表面に形成されるため、これが帯電、現
像、転写、クリーニング手段により機械的、化学的なハ
ザードを受けやすくなり、繰り返し使用による感光体の
劣化が著しいので実用的ではない。また、同時に単層構
成の電子写真感光体も開示されているが、これは感光体
の構成材料設計や前記機能分離型積層感光体程の高感度
を実現することは難しいという問題を抱えている。
【0012】また、先にも述べたように、現在電子写真
方式を用いた電子写真プリンター、電子写真複写機等の
高速化、小型化、高画質化が進んでいるが、それに伴
い、感光体が小径化され電子写真プロセスでの使用条件
はますます厳しくなりつつある。これは、今後400〜
450nmに発振波長を有する短波長LD、LEDを光
源として用いた電子写真方法が確立されていく上で大き
な問題となってくる。特に、感光体周りでの帯電ローラ
の設置やゴムブレード等によるクリーニング等により、
感光体の摩耗が促進され、電位変動、感度変動が生じ、
それによる異常画像、カラー画像の色バランスがくず
れ、色再現性に問題が発生するなどの不具合が生じる。
また、長時間使用することで、帯電時に発生するオゾン
によるバインダー樹脂及び電荷輸送材料の酸化劣化や、
帯電時に生成するイオン性化合物、例えば硝酸イオン、
硫酸イオン、アンモニウムイオン、有機酸化合物等が感
光体表面に蓄積することによる、画質低下が発生し問題
となる。このため、感光体のさらなる高耐久化とその表
面層の物性改良がより重要となっている。
【0013】感光体の機械的な耐久性向上を目的とし
て、これまで電荷輸送能を有する高分子材料の検討が広
くなされている。例えば、トリフェニルアミン構造を有
するアクリル系樹脂〔M.Stolka et al,
J.Polym.Sci.,vol 21,969(1
983)〕、ヒドラゾン構造を有するビニル重合体(J
apan HardCopy‘89P.67)等が挙げ
られるが、実用化には到っていない。
【0014】また、M.A.Abkowitzらは、テ
トラアリールベンジジン誘導体をモデル化合物として低
分散型と高分子化されたポリカーボネートとの比較を行
なっているが、高分子系はドリフト移動度が一桁低いと
の結果を得ている〔Physical Review
B46 6705(1992)〕。この原因については
明らかではないが、高分子化することにより機械的強度
は改善されるものの、感度、残留電位等電気的特性に課
題があることを示唆している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の欠点や問題点を解消し、390〜460nm波長
領域の単色照射光を効率よく透過する電荷輸送層を用い
ることにより、前記400〜450nmの範囲に発振波
長を有するLD,LED書込光源に対して高感度であ
り、高解像度で優れた画質を維持し、繰り返し使用によ
っても電位変動のない、また優れた機械的耐久性を有す
る電子写真感光体、この電子写真感光体を用いた電子写
真方法、この電子写真感光体を有する電子写真装置及び
この電子写真装置に用いるプロセスカートリッジを提供
することをその課題とすることである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために電荷輸送層に着目して鋭意検討を重ね
た結果、少なくとも高分子型電荷輸送物質を含有し、か
つ390〜460nm波長領域の単色照射光を効率よく
透過する電荷輸送層を形成することによって、400〜
450nmの範囲に発振波長を有するLD,LED書込
光源に対して高感度であり、高解像度で優れた画質を維
持し、繰り返し使用に対しても電位変動のない、優れた
機械的耐久性を有する電子写真感光体、この電子写真感
光体を用いた電子写真方法、この電子写真感光体を有す
る電子写真装置及びこの電子写真装置に用いるプロセス
カートリッジとすることができるということを見出し、
この知見に基づいて本発明を完成するに到った。
【0017】即ち、前記課題は、本発明の(1)「導電
性支持体上に直接または中間層を介して電荷発生層、電
荷輸送層を順次設けた積層型電子写真感光体において、
該電子写真感光体が書込光として400〜450nmの
波長を有する半導体レーザー光を照射され、且つ該電荷
輸送層が少なくとも高分子型電荷輸送材料を含有し、且
つ390〜460nm波長領域の単色光を透過すること
を特徴とする電子写真感光体」、(2)「電荷輸送層が
少なくとも電荷輸送材料からなる層の上に、少なくとも
高分子型電荷輸送材料からなる層を順次設けた積層で構
成されることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子
写真感光体」、(3)「上記高分子型電荷輸送材料が下
記一般式(1)及び(2)で表わされる構成単位からな
り、一般式(1)で表わされる構成単位の組成比をk、
一般式(2)で表わされる構成単位の組成比をjとした
とき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表わさ
れる高分子型電荷輸送材料であることを特徴とする前記
第(1)項または第(2)項に記載の電子写真感光体、
【0018】
【化16】 〔式中、R10は水素原子または炭素数1〜6の無置換も
しくは置換のアルキル基、R11、R12、R13はハロゲン
原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基
(R11、R12、R13が各々複数個存在するときは同一で
あっても別異であってもよい)、R14、R15は無置換も
しくは置換のアリール基を示し、a、b、cは各々0〜
4の整数を示す。〕
【0019】
【化17】 〔式中、Xは炭素数2〜20の無置換もしくは置換脂肪
族炭化水素2価基、無置換もしくは置換脂環式炭化水素
2価基、炭素数6〜20の無置換もしくは置換芳香族炭
化水素2価基、またはこれら2価基が結合した2価基、
または下記表3で表わせる2価基を示す。〕
【0020】
【表3】 〔式中、R101、R102、R103、R104はハロゲン原子、
炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基または
無置換もしくは置換のアリール基(R101、R102、R
103、R104が各々複数個存在するときは、同一であって
も別異であってもよい)、o、pは0〜4の整数、q、
rは0〜3の整数、Yは単結合、炭素数2〜12の直鎖
状のアルキレン基、炭素数3〜12の無置換もしくは置
換分岐状アルキレン基、一つ以上の炭素数1〜10のア
ルキレン基と一つ以上の酸素原子及び硫黄原子から構成
される2価基、−O−、−S−、−SO−、−SO
2−、−CO−、−COO−または下記表4
【0021】
【表4】 (式中、Z1は炭素数2〜20の無置換もしくは置換脂
肪族炭化水素2価基または無置換もしくは置換アリレン
基を示し、Z2は炭素数2〜20の無置換もしくは置換
脂肪族炭化水素2価基または無置換もしくは置換アリレ
ン基を示し、R10 5はハロゲン原子、炭素数1〜6の無
置換もしくは置換アルキル基、炭素数1〜6の無置換も
しくは置換のアルコキシ基または無置換もしくは置換ア
リール基を示し、R106、R107は水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基、炭
素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコキシ基または
無置換もしくは置換アリール基を示し、またR106、R
107が結合して炭素数5〜12の炭素環を形成してもよ
く、R108、R109、R110、R111は水素原子、ハロゲン
原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基、
炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコキシ基また
は無置換もしくは置換アリール基を示し、R112はハロ
ゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル
基、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコシキ基
または無置換もしくは置換アリール基を示し、R113
114は単結合または炭素数1〜4のアルキレン基を表
わし、R115、R116は炭素数1〜6の無置換もしくは置
換アルキル基または無置換もしくは置換アリール基を示
し、sは0〜4の整数、tは1または2、uは0〜4の
整数、vは0〜20の整数、wは0〜2000の整数を
示す)で表わせる2価基を示す。〕」、(4)「上記高
分子型電荷輸送材料が下記一般式(3)及び前記一般式
(2)で表わされる構成単位からなり、一般式(3)で
表わされる構成単位の組成比をk、一般式(2)で表わ
される構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合
が0<k/(k+j)≦1で表わされる高分子型電荷輸
送材料であることを特徴とする前記第(1)項または第
(2)項に記載の電子写真感光体、
【0022】
【化18】 〔式中、R16は水素原子または炭素数1〜6の無置換も
しくは置換のアルキル基、無置換もしくは置換のアリー
ル基、Ar11、Ar12、Ar13は無置換もしくは置換の
アリレン基を示す。R14、R15は前記定義と同一であ
る。〕」、(5)「上記高分子型電荷輸送材料が下記一
般式(4)及び前記一般式(2)で表わされる構成単位
からなり、一般式(4)で表わされる構成単位の組成比
をk、一般式(2)で表わされる構成単位の組成比をj
としたとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で
表わされる高分子型電荷輸送材料であることを特徴とす
る前記第(1)項または第(2)項に記載の電子写真感
光体、
【0023】
【化19】 〔式中、R14、R15、Ar11、Ar12、Ar13は前記定
義と同一である。〕」、(6)「上記高分子型電荷輸送
材料が下記一般式(5)及び前記一般式(2)で表わさ
れる構成単位からなり、一般式(5)で表わされる構成
単位の組成比をk、一般式(2)で表わされる構成単位
の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<k/(k
+j)≦1で表わされる高分子型電荷輸送材料であるこ
とを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載
の電子写真感光体、
【0024】
【化20】 〔式中、dは1〜5の整数を示す。R14、R15、A
11、Ar12、Ar13は前記定義と同一である。〕」、
(7)「上記高分子型電荷輸送材料が下記一般式(6)
及び前記一般式(2)で表わされる構成単位からなり、
一般式(6)で表わされる構成単位の組成比をk、一般
式(2)で表わされる構成単位の組成比をjとしたと
き、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表わされ
る高分子型電荷輸送材料であることを特徴とする前記第
(1)項または第(2)項に記載の電子写真感光体、
【0025】
【化21】 〔式中、Ar14、Ar15、Ar16は無置換もしくは置換
のアリレン基、X1、X2は無置換もしくは置換のエチレ
ン基、または無置換もしくは置換のビニレン基を示す。
14、R15は前記定義と同一である。〕」、(8)「上
記高分子型電荷輸送材料が下記一般式(7)及び前記一
般式(2)で表わされる構成単位からなり、一般式
(7)で表わされる構成単位の組成比をk、一般式
(2)で表わされる構成単位の組成比をjとしたとき、
組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表わされる高
分子型電荷輸送材料であることを特徴とする前記第
(1)項または第(2)項に記載の電子写真感光体、
【0026】
【化22】 〔式中、R17、R18は無置換もしくは置換のアリール
基、Ar17、Ar18、Ar 19は無置換もしくは置換のア
リレン基、Y1、Y2、Y3は単結合、無置換もしくは置
換のアルキレン基、無置換もしくは置換のシクロアルキ
レン基、無置換もしくは置換のアルキレンエーテル基、
酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし同一であって
も異なってもよい。R14、R15、Ar13は前記定義と同
一である。〕」、(9)「上記高分子型電荷輸送材料が
下記一般式(8)及び前記一般式(2)で表わされる構
成単位からなり、一般式(8)で表わされる構成単位の
組成比をk、一般式(2)で表わされる構成単位の組成
比をjとしたとき、組成比の割合が0<k/(k+j)
≦1で表わされる高分子型電荷輸送材料であることを特
徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載の電子
写真感光体、
【0027】
【化23】 〔式中、R14、R15、Ar13、Ar14、Ar15は前記定
義と同一である。〕」、(10)「上記高分子型電荷輸
送材料が下記一般式(9)及び前記一般式(2)で表わ
される構成単位からなり、一般式(9)で表わされる構
成単位の組成比をk、一般式(2)で表わされる構成単
位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<k/
(k+j)≦1で表わされる高分子型電荷輸送材料であ
ることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に
記載の電子写真感光体、
【0028】
【化24】 〔式中、R14、Ar11、Ar12、Ar14、Ar15は前記
定義と同一である。〕」、(11)「上記高分子型電荷
輸送材料が下記一般式(10)及び前記一般式(2)で
表わされる構成単位からなり、一般式(10)で表わさ
れる構成単位の組成比をk、一般式(2)で表わされる
構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<
k/(k+j)≦1で表わされる高分子型電荷輸送材料
であることを特徴とする前記第(1)項または第(2)
項に記載の電子写真感光体、
【0029】
【化25】 〔式中、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23、Ar24は無
置換もしくは置換のアリレン基を示す。R14、R15、R
17、R18は前記定義と同一である。〕」、(12)「上
記高分子型電荷輸送材料が下記一般式(11)及び前記
一般式(2)で表わされる構成単位からなり、一般式
(11)で表わされる構成単位の組成比をk、一般式
(2)で表わされる構成単位の組成比をjとしたとき、
組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表わされる高
分子型電荷輸送材料であることを特徴とする前記第
(1)項または第(2)項に記載の電子写真感光体、
【0030】
【化26】 〔式中、R14、R15、Ar13、Ar14、Ar15は前記定
義と同一である。〕」、(13)「上記高分子型電荷輸
送材料が下記一般式(12)及び前記一般式(2)で表
わされる構成単位からなり、一般式(12)で表わされ
る構成単位の組成比をk、一般式(2)で表わされる構
成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<k
/(k+j)≦1で表わされる高分子型電荷輸送材料で
あることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項
に記載の電子写真感光体、
【0031】
【化27】 〔式中、R14、Ar14、Ar15は前記定義と同一であ
る。〕」、(14)「上記高分子型電荷輸送材料が下記
一般式(13)及び前記一般式(2)で表わされる構成
単位からなり、一般式(13)で表わされる構成単位の
組成比をk、一般式(2)で表わされる構成単位の組成
比をjとしたとき、組成比の割合が0<k/(k+j)
≦1で表わされる高分子型電荷輸送材料であることを特
徴とする請求項1または2記載の電子写真感光体、
【0032】
【化28】 〔式中、R14、R16、Ar11、Ar12、Ar14、Ar15
は前記定義と同一である。〕」、(15)「上記高分子
型電荷輸送材料が下記一般式(14)及び前記一般式
(2)で表わされる構成単位からなり、一般式(14)
で表わされる構成単位の組成比をk、一般式(2)で表
わされる構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割
合が0<k/(k+j)≦1で表わされる高分子型電荷
輸送材料であることを特徴とする前記第(1)項または
第(2)項に記載の電子写真感光体、
【0033】
【化29】 〔式中、R19、R20は直鎖または分岐鎖のアルキレン
基、Y4は無置換もしくは置換のアリレン基、または
【0034】
【化30】 (Ar25は無置換もしくは置換のアリレン基、Y5
O、S、無置換もしくは置換のアリレン基を示す。)、
eは0または1を示す。R14、R15、Ar11、Ar 12
Ar14、Ar15は前記定義と同一である。〕」によって
達成される。
【0035】また、前記課題は、本発明の(16)「前
記第(1)乃至第(15)項のいずれか1に記載の電子
写真感光体を用い、帯電、像露光、現像及び転写を行な
うことを特徴とする電子写真方法」、(17)「像露光
手段における書込光源の波長が400〜450nmの範
囲に発振波長を有する半導体レーザーもしくは発光ダイ
オードであることを特徴とする前記第(16)項に記載
の電子写真方法」によって達成される。
【0036】また、前記課題は、本発明の(18)「前
記第(1)項乃至第(15)項のいずれか1に記載の電
子写真感光体を有すると共に、帯電手段、像露光手段、
現像手段及び転写手段を備えたことを特徴とする電子写
真装置」、(19)「像露光手段における書込光源のビ
ーム系が10〜30μmであることを特徴とする前記第
(18)項に記載の電子写真装置」、(20)「像露光
手段における書込光源の波長が、400〜450nmの
範囲に発振波長を有する半導体レーザーもしくは発光ダ
イオードであることを特徴とする前記第(18)項また
は第(19)項に記載の電子写真装置」によって達成さ
れる。
【0037】さらにまた、前記課題は、本発明の(2
1)「前記第(1)項乃至第(15)項のいずれか1に
記載の電子写真感光体と、帯電手段、像露光手段、現像
手段及び転写手段及びクリーニング手段から選ばれた少
なくとも一つの手段とを一体的に形成し、電子写真装置
本体に着脱自在としたことを特徴とする電子写真装置用
プロセスカートリッジ」、(22)「像露光手段におけ
る書込光源の波長が、400〜450nmの範囲に発振
波長を有する半導体レーザーもしくは発光ダイオードで
あることを特徴とする前記第(21)項に記載の電子写
真装置用プロセスカートリッジ」によって達成される。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明での電子写真感光体、電子
写真感光体を用いた電子写真方法、電子写真感光体を有
する電子写真装置及び電子写真装置に用いるプロセスカ
ートリッジにおける書込光源としては、400〜450
nmの範囲に発振波長を有する半導体レーザー(L
D)、もしくは発光ダイオード(LED)が用いられ
る。これらの光源は光強度波長分布が極めて狭いもので
はあるが、温度環境、製造ロット等によって発振ピーク
波長が数nm波長ほど長波長、もしくは短波長側に波長
変動するため、電子写真感光体の電荷輸送層は390〜
460nmの範囲の光を充分透過させるものであること
が好ましい。また、これらLDは光強度波長分布が極め
て狭いので、電荷輸送層は390〜460nm波長全域
の光を透過する必要はなく、この領域において少なくと
も一つの所望の単色光を透過できればよい。この場合、
照射光の透過率が50%以上であることが好ましく、よ
り好ましくは90%以上である。
【0039】電荷輸送層は実際のところドラム、シート
状などの感光体形状、または製造上の問題から、全くの
平面性、平滑性を有するものではないため、書き込み光
の散乱あるいは反射による光量減少は少なくない。本発
明でいう透過率とは単純にこのような電荷輸送層内部で
の散乱や反射光を差し引いた光、すなわち電荷輸送層表
面に入射した光とその反対面から出てくる光との比を意
味する。たとえば、図1に電荷輸送層膜の透過スペクト
ルの模式図を示した。図1から390〜460nm波長
領域内での波長λ2(nm)光における透過率は以下の
式(2)から求められる。
【0040】
【数2】 透過率(%)=T2/T1×100 …(2)
【0041】図2及び図3に本発明の電子写真感光体の
断面を概略的に示す。図2においては(1)の導電性支
持体上に電荷発生材料を主成分とする電荷発生層(2)
と、高分子型電荷輸送材料(以下、本件樹脂ということ
がある)を必須成分とする電荷輸送層(3)(以下、電
荷輸送層と電荷発生層を併せて、またはどちらか一方を
指して感光層ということがある)が積層された構成をと
っている。また、図3においては電荷輸送材料を主成分
とする電荷輸送層(4)上に、本件樹脂を必須成分とす
る電荷輸送層(5)が積層された構成をとっている。こ
れら、電荷発生層(2)、電荷輸送層(3)〜(5)に
は感光体作成用塗工液の分散性および感光層強度向上等
の目的のため、本件樹脂以外のバインダー樹脂が含まれ
ていてもよい。さらに導電性支持体(1)と電荷発生層
(2)との間に帯電性向上、接着性向上、もしくはレー
ザー書込光の干渉光によるモアレ画像防止などを目的と
して中間層(図示せず)が形成されていてもよい。
【0042】次に、本件樹脂について詳細に説明する。
本件樹脂は、下記一般式(1)及び下記一般式(2)で
表わされる構成単位からなり、一般式(1)で表わされ
る構成単位の組成比をk、一般式(2)で表わされる構
成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0<k
/(k+j)≦1で表わされる高分子型電荷輸送材料で
ある。
【0043】
【化31】 〔式中、R10は水素原子または炭素数1〜6の無置換も
しくは置換のアルキル基、R11、R12、R13はハロゲン
原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基
(R11、R12、R13が各々複数個存在するときは同一で
あっても別異であってもよい)、R14、R15は無置換も
しくは置換のアリール基を示し、a、b、cは各々0〜
4の整数を示す。〕
【0044】
【化32】 〔式中、Xは炭素数2〜20の無置換もしくは置換脂肪
族炭化水素2価基、無置換もしくは置換脂環式炭化水素
2価基、炭素数6〜20の無置換もしくは置換芳香族炭
化水素2価基、またはこれら2価基が結合した2価基、
または下記表5で表わせる2価基を示す。〕
【0045】
【表5】 〔式中、R101、R102、R103、R104はハロゲン原子、
炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基または無
置換もしくは置換アリール基(R101、R102、R 103
104が各々複数個存在するときは、同一であっても別
異であってもよい)、o、pは0〜4の整数、q、rは
0〜3の整数、Yは単結合、炭素数2〜12の直鎖状の
アルキレン基、炭素数3〜12の無置換もしくは置換分
岐状アルキレン基、一つ以上の炭素数1〜10のアルキ
レン基と一つ以上の酸素原子及び硫黄原子から構成され
る2価基、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−
CO−、−COO−または下記表6
【0046】
【表6】 (式中、Z1は炭素数2〜20の無置換もしくは置換脂
肪族炭化水素2価基または無置換もしくは置換アリレン
基を示し、Z2は炭素数2〜20の無置換もしくは置換
脂肪族炭化水素2価基または無置換もしくは置換アリレ
ン基を示し、R10 5はハロゲン原子、炭素数1〜6の無
置換もしくは置換アルキル基、炭素数1〜6の無置換も
しくは置換のアルコキシ基または無置換もしくは置換ア
リール基を示し、R106、R107は水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基、炭
素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコキシ基または
無置換もしくは置換アリール基を示し、またR106、R
107が結合して炭素数5〜12の炭素環を形成してもよ
く、R108、R109、R110、R111は水素原子、ハロゲン
原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基、
炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコキシ基また
は無置換もしくは置換アリール基を示し、R112はハロ
ゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル
基、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコシキ基
または無置換もしくは置換アリール基を示し、R113
114は単結合または炭素数1〜4のアルキレン基を表
わし、R115、R116は炭素数1〜6の無置換もしくは置
換アルキル基または無置換もしくは置換アリール基を示
し、sは0〜4の整数、tは1または2、uは0〜4の
整数、vは0〜20の整数、wは0〜2000の整数を
示す)で表わせる2価基を示す。〕
【0047】以下、各置換基の具体例を示すが、特に断
りのない限り、同一表記については他の一般式中でも同
定義である。一般式(1)においてR10で示される炭素
数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基としては、
直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基が挙げられ、これ
らのアルキル基は、フッ素原子、シアノ基、フェニル基
もしくはハロゲン原子または炭素数1〜6の直鎖、分岐
鎖もしくは環状のアルキル基で置換されたフェニル基を
含有していてもよい。
【0048】具体的には、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル
基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル
基、2−シアノエチル基、ベンジル基、4−クロロベン
ジル基、4−メチルベンジル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基等を挙げることができる。R11、R12
13で示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩
素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。R14、R
15で示される無置換もしくは置換のアリール基(芳香族
炭化水素基及び不飽和複素環基)の具体例としては以下
のものを挙げることができ、同一であっても異なっても
よい。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多
環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル
基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニ
ル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル
基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ
[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多
環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基、または
【0049】
【化33】 〔ここで、Wは−O−、−S−、−SO−、−SO
2−、−CO−または以下の2価基から選ばれる。
【0050】
【化34】
【0051】
【化35】 (ここで、R120は、水素原子、炭素数1〜6の無置換
もしくは置換のアルキル基、炭素数1〜6の無置換のも
しくは置換のアルコキシ基、ハロゲン原子、無置換もし
くは置換のアリール基、置換もしくは無置換のアリール
アミノ基、ニトロ基、シアノ基を表わし、R121は、水
素原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル
基、無置換もしくは置換のアリール基を表わし、hは1
〜12の整数、iは1〜3の整数を表わす。)]で表わ
せる2価基を示す。
【0052】複素環基としては、チエニル基、ベンゾチ
エニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル
基などが挙げられる。上記のアリール基は以下に示す基
を置換基として有してもよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ
基、ニトロ基。 (2)炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル
基。 (3)炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコキシ
基。炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルコキシ基と
しては、前記定義のアルキル基をアルコキシ基に代えた
ものであり、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ
基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、2−ヒドロキシ
エトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ
基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキ
シ基等が挙げられる。 (4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、
アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するもの
が挙げられる。これは、炭素数1〜6の無置換もしくは
置換のアルキル基、炭素数1〜6の無置換もしくは置換
のアルコキシ基、またはハロゲン原子を置換基として含
有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチ
ルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノ
キシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノ
キシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げら
れる。 (5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基。
置換メルカプト基またはアリールメルカプト基として
は、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニル
チオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。 (6)アルキル置換アミノ基。具体的には、ジエチルア
ミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−
ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(p−トリル)アミノ
基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ
基、ユロリジル基等が挙げられる。 (7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチ
ル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベン
ゾイル基等が挙げられる。
【0053】また一般式(2)のXで示される炭素数2
〜20の無置換もしくは置換脂肪族炭化水素2価基、無
置換もしくは置換脂環式炭化水素2価基の具体例として
は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテ
トラメチレンエーテルグリコール、1,3−プロパンジ
オール、1,4−ブタンジオール、1,5−ぺンタンジ
オール、3−メチル−1,5−ぺンタンジオール、1,
6−へキサンジオール、1,5−へキサンジオール、
1,7−へプタンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオー
ル、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカ
ンジオール、ネオぺンチルグリコール、2−エチル−
1,6−へキサンジオール、2−メチル−1,3−プロ
パンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオー
ル、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、
1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノー
ル、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プ
ロパン、キシリレンジオール、1,4−ビス(2−ヒド
ロキシエチル)べンゼン、1,4−ビス(3−ヒドロキ
シプロピル)べンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシ
ブチル)べンゼン、1,4−ビス(5−ヒドロキシぺン
チル)べンゼン、1,4−ビス(6−ヒドロキシヘキシ
ル)べンゼン、イソホロンジオール等のジオールからヒ
ドロキシ基を2個除いた2価基を挙げることができる。
【0054】Xで示される炭素数6〜20の無置換もし
くは置換芳香族2価基としては、上記無置換もしくは置
換のアリール基から誘導される2価基を挙げることがで
き、無置換もしくは置換アルキレン基としては、上記無
置換もしくは置換アルキル基から誘導される2価基を挙
げることができる。
【0055】Yで示される一つ以上の炭素数1〜10の
アルキレン基と一つ以上の酸素原子及び硫黄原子から構
成される2価基に特に制限はないが、例えば具体例とし
て、OCH2CH2O、OCH2CH2OCH2CH2O、O
CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2O、OCH2CH2
CH2O、OCH2CH2CH2CH2O、OCH2CH2
2CH2CH2CH2O、OCH2CH2CH2CH2CH2
CH2CH2CH2O、CH2O、CH2CH2O、CHEt
OCHEtO、CHCH3O、SCH2OCH2S、CH2
OCH2、OCH2OCH2O、SCH2CH2OCH2OC
2CH2S、OCH2CHCH3OCH2CHCH3O、S
CH2S、SCH2CH2S、SCH2CH2CH2S、SC
2CH2CH2CH2S、SCH2CH2CH2CH2CH2
CH2S、SCH2CH2SCH2CH2S、SCH2CH2
OCH2CH2OCH2CH2S等が挙げられる。
【0056】炭素原子数3〜12の分岐状のアルキレン
基に修飾する置換基としては、無置換もしくは置換アリ
ール基、またはハロゲン原子が挙げられる。Z1、Z2
無置換もしくは置換脂肪族の2価基である場合として
は、Xが脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基である場
合のジオールからヒドロキシ基を除いた2価基を挙げる
ことができる。また、Z1、Z2が無置換もしくは置換ア
リレン基である場合として、上記無置換もしくは置換ア
リール基から誘導される2価基を挙げることができる。
【0057】Xが芳香族の2価基である場合の好ましい
具体例としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジ
メチルプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−
(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ぺンタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メ
チルぺンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)へキサン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)へプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ノナン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソ
プロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3
−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジ
メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5
−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)へキサフルオロプ
ロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロぺンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,
5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
プタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノル
ボルナン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ア
ダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフ
ェニルエーテル、エチレングリコールビス(4−ヒドロ
キシフェニル)エーテル、1,3−ビス(4−ヒドロキ
シフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−ヒドロキ
シフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニルスルフィド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’,5,5’
−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキ
シド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒド
ロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジフェニル−
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’
−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(3
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ケトン、3,3,
3’,3’−テトラメチル−6,6’−ジヒドロキシス
ピロ(ビス)インダン、3,3’,4,4’−テトラヒ
ドロ−4,4,4’,4’−テトラメチル−2,2’−
スピロビ(2H−1−べンゾピラン)−7,7’−ジオ
ール、トランス−2,3−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−2−ブテン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)キサンテン、1,6−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1,6−へキサンジオン、α,α,α’,α’
−テトラメチル−α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラメ
チル−α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m
−キシレン、2,6−ジヒドロキシジベンゾ−p−ジオ
キシン、2,6−ジヒドロキシチアントレン、2,7−
ジヒドロキシフェノキサチイン、9,10−ジメチル−
2,7−ジヒドロキシフェナジン、3,6−ジヒドロキ
シジベンゾフラン、3,6−ジヒドロキシジベンゾチオ
フェン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,4−
ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシピレ
ン、ハイドロキノン、レゾルシン、4−ヒドロキシフェ
ニル−4−ヒドロキシベンゾエート、エチレングリコー
ル−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、ジエチレン
グリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、ト
リエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエ
ート)、p−フェニレン−ビス(4−ヒドロキシベンゾ
エート)、1,6−ビス(4−ヒドロキシベンゾイルオ
キシ)−1H,1H,6H,6H−パーフルオロヘキサ
ン、1,4−ビス(4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)
−1H,1H,4H,4H−パーフルオロブタン、1,
3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)テトラメチルジシ
ロキサン等で示されるジオールからヒドロキシ基を2個
除いた2価基が挙げられる。
【0058】また、本件樹脂は下記一般式(3)〜(1
4)で表わされる構成単位と前記一般式(2)で表わさ
れる構成単位からなり、一般式(3)〜(14)で表わ
される構成単位の組成比をk、一般式(2)で表わされ
る構成単位の組成比をjとしたとき、組成比の割合が0
<k/(k+j)≦1で表わされる高分子型電荷輸送材
料である。
【0059】
【化36】 〔式中、R16は水素原子または炭素数1〜6の無置換も
しくは置換のアルキル基、無置換もしくは置換のアリー
ル基、Ar11、Ar12、Ar13は無置換もしくは置換の
アリレン基を示す。R14、R15は前記定義と同一であ
る。〕
【0060】
【化37】 〔式中、R14、R15、Ar11、Ar12、Ar13は前記定
義と同一である。〕
【0061】
【化38】 〔式中、dは1〜5の整数を示す。R14、R15、A
11、Ar12、Ar13は前記定義と同一である。〕
【0062】
【化39】 〔式中、Ar14、Ar15、Ar16は無置換もしくは置換
のアリレン基、X1、X2は無置換もしくは置換のエチレ
ン基、または無置換もしくは置換のビニレン基を示す。
14、R15は前記定義と同一である。〕
【0063】
【化40】 〔式中、R17、R18は無置換もしくは置換のアリール
基、Ar17、Ar18、Ar 19は無置換もしくは置換のア
リレン基、Y1、Y2、Y3は単結合、無置換もしくは置
換のアルキレン基、無置換もしくは置換のシクロアルキ
レン基、無置換もしくは置換のアルキレンエーテル基、
酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし同一であって
も異なってもよい。R14、R15、Ar13は前記定義と同
一である。〕
【0064】
【化41】 〔式中、R14、R15、Ar13、Ar14、Ar15は前記定
義と同一である。〕
【0065】
【化42】 〔式中、R14、Ar11、Ar12、Ar14、Ar15は前記
定義と同一である。〕
【0066】
【化43】 〔式中、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23、Ar24は同
一または異なるアリレン基を示す。R14、R15、R
17、R18は前記定義と同一である。〕
【0067】
【化44】 〔式中、R14、R15、Ar13、Ar14、Ar15は前記定
義と同一である。〕
【0068】
【化45】 〔式中、R14、Ar14、Ar15は前記定義と同一であ
る。〕
【0069】
【化46】 〔式中、R14、R16、Ar11、Ar12、Ar14、Ar15
は前記定義と同一である。〕
【0070】
【化47】 〔式中、R19、R20は直鎖または分岐鎖のアルキレン
基、Y4は無置換もしくは置換のアリレン基、または
【0071】
【化48】 (Ar25は無置換もしくは置換のアリレン基、Y5
O、S、無置換もしくは置換のアリレン基を示す。)、
eは0または1を示す。R14、R15、Ar11、Ar 12
Ar14、Ar15は前記定義と同一である。〕
【0072】一般式(3)において、Ar11、Ar12
Ar13で示される置換もしくは無置換のアリレン基とし
ては、先に定義された置換もしくは無置換のアリール基
から誘導される2価基を挙げることができる。
【0073】また一般式(14)において、Ar25で示
される無置換もしくは置換のアリレン基としてはフェニ
レン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基、ターフェニ
リレン基等が挙げられ、これらは無置換もしくは置換の
アルキル基、無置換のアルコキシ基、ハロゲン原子を置
換基として有していてもよい。
【0074】以上、本件樹脂の構成単位を説明してた
が、これらは以下に示す特許公報等にその詳細が述べら
れている。また、本件樹脂は、先に具体的に例を挙げた
構成単位からなるもの以外にも、導電性支持体上に直接
または中間層を介して電荷発生層、電荷輸送層を順次設
けた積層型電子写真感光体において、該電子写真感光体
が書込光として400〜450nmの波長を有する半導
体レーザー光を照射され、且つ390〜460nm波長
領域の単色光を透過することを特徴とする電子写真感光
体の該電荷輸送層に用いられる、上記所望の特性を満足
する高分子型電荷輸送材料であれば従来公知のものを用
いることができる。それらも併せて以下に示す。
【0075】例えば、ポリ−N−カルバゾール誘導体、
ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート誘導体、ピ
レン−ホルムアルデヒド縮合物誘導体、ポリビニルピレ
ン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、
イミダゾール誘導体、アセトフェノン誘導体(特開平7
−325409号公報に記載)、ジスチリルベンゼン誘
導体、ジフェネチルベンゼン誘導体(特開平9−127
713号公報に記載)、α−フェニルスチルベン誘導体
(特開平9−297419号公報に記載)、ブタジエン
誘導体(特開平9−80783号公報に記載)、水素化
ブタジエン(特開平9−80784号公報に記載)、ジ
フェニルシクロヘキサン誘導体(特開平9−80772
号公報に記載)、ジスチリルトリフェニルアミン誘導体
(特開平9−222740号公報に記載)、ジフェニル
ジスチリルベンゼン誘導体(特開平9−265197号
公報、特開平9−265201号公報に記載)、スチル
ベン誘導体(特開平9−211877号公報に記載)、
m−フェニレンジアミン誘導体(特開平9−30495
6号公報、特開平9−304957号公報等に記載)、
レゾルシン誘導体(特開平9−329907号公報に記
載)、トリアリールアミン誘導体(特開昭64−996
4号公報、特開平7−199503号公報、特開平8−
176293号公報、特開平8−208820号公報、
特開平8−253568号公報、特開平8−26944
6号公報、特開平3−221522号公報、特開平4−
11627号公報、特開平4−183719号公報、特
開平4−124163号公報、特開平4−320420
号公報、特開平4−316543号公報、特開平5−3
10904号公報、特開平7−56374号公報、特開
平8−62864号公報、米国特許5,428,090
号明細書、米国特許5,486,439号明細書等に記
載)などが挙げられる。
【0076】これら高分子型電荷輸送材料の一例とし
て、下記一般式(P1)〜(P27)を挙げるが、形式
は単重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロッ
ク共重合体の形式であっても、これに限定されるもので
はない。
【0077】
【化49】
【0078】
【化50】
【0079】
【化51】
【0080】
【化52】
【0081】
【化53】
【0082】
【化54】
【0083】
【化55】
【0084】
【化56】
【0085】
【化57】
【0086】
【化58】
【0087】
【化59】
【0088】
【化60】
【0089】
【化61】
【0090】
【化62】
【0091】
【化63】
【0092】
【化64】
【0093】
【化65】
【0094】
【化66】
【0095】
【化67】
【0096】
【化68】
【0097】
【化69】
【0098】
【化70】
【0099】
【化71】
【0100】
【化72】
【0101】
【化73】
【0102】
【化74】
【0103】
【化75】
【0104】本発明で用いられる高分子型電荷輸送材料
は従来ポリカーボネート樹脂の製造法として、公知のビ
スフェノールと炭酸誘導体との重合と同様の方法で製造
できる。例えば、請求項3に記載の電子写真感光体に用
いられる一般式(1)及び(2)で表わされる構成単位
を有する高分子型電荷輸送材料の製造法を例に挙げる。
すなわち、出発物質として下記一般式(A)及び(B)
で表わされるジオールを使用し、ビスアリールカーボネ
ートとのエステル交換法やホスゲン等のハロゲン化カル
ボニル化合物との溶液または界面重合法等を用いて重合
するとき、製造される本件樹脂はランダム共重合体、ま
たはブロック共重合体となる。あるいは、ジオールから
誘導されるビスクロロホーメート等のクロロホーメート
を用いる方法等により製造される場合、製造される本件
樹脂は交互共重合体となる。これら公知の製造法につい
ては、例えばポリカーボネート樹脂ハンドブック(編
者:本間精一、発行:日刊工業新聞社)等に記載されて
いる。
【0105】
【化76】
【0106】
【化77】 これらの製造法は一般式(3)〜(14)で表わされる
構成単位と前記一般式(2)で表わされる構成単位から
なる高分子型電荷輸送材料についても同様である。
【0107】以上、すべての重合操作において分子量を
調節するために分子量調節剤として末端停止剤を用いる
ことが望ましく、従って、本発明で使用される本件樹脂
の末端部には、停止剤にもとづく置換基が結合してもよ
い。使用される末端停止剤は、従来公知の1価の芳香族
ヒドロキシ化合物、1価の芳香族ヒドロキシ化合物のハ
ロホーメート誘導体、1価のカルボン酸または1価のカ
ルボン酸のハライド誘導体等でよい。これらの末端封止
剤は単独で使用してもよく、また、複数併用してもよ
い。好ましい末端停止剤は、1価の芳香族ヒドロキシ化
合物であり、フェノール、p−tert−ブチルフェノ
ール、またはp−クミルフェノール等、またはクロロギ
酸フェニルを使用することができる。本発明の電子写真
感光体に有効な成分として使用される本件樹脂の好まし
い分子量は、ポリスチレン換算数平均分子量で1000
〜1000000であり、より好ましくは2000〜5
00000である。分子量が小さすぎる場合は機械的強
度が弱くなり、成膜時にひびが入ったりして実用性に乏
しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は、一般溶媒
への溶解性が悪くなったり、溶液の粘度が高くなって塗
工が困難になったりしてやはり実用性に乏しくなる。
【0108】また、機械的特性等を改良するために重合
時に分岐化剤を少量加えることもできる。分岐化剤とし
ては、芳香族性ヒドロキシ基、ハロホーメート基、カル
ボン酸基、カルボン酸ハライド基または活性なハロゲン
原子等から選ばれる反応基を3つ以上(同種でも異種で
もよい)有する化合物である。これらの分岐化剤は単独
で使用してもよく、また、複数併用してもよい。
【0109】以上のようにして得られた本件樹脂は、重
合中に使用した触媒や酸化防止剤、未反応のジオールや
末端停止剤、また、重合中に発生した無機塩等の不純物
を除去して本発明の感光層に使用される。これら精製操
作も前記ポリカーボネート樹脂ハンドブック(編者:本
間精一、発行:日刊工業新聞社)等に記載されている従
来公知の方法を使用できる。
【0110】本件樹脂は、電荷輸送層に用いられる高分
子型電荷輸送材料であり、導電性支持体上から最も離れ
た部位に含有させることが好ましい。すなわち、感光体
の最表層に本件樹脂を含有させた場合、特に優れた機械
的耐久性を有することから、電子写真感光体の高耐久化
が可能になるものである。
【0111】また、本発明の電荷輸送層は、390〜4
60nm波長域範囲の単色光を効率よく透過するもので
ある。従って電荷輸送層に用いられる本件樹脂を選択す
る基準として、この波長域の光を効率よく透過する材料
であることが挙げられる。この場合、形成された電荷輸
送層は390〜460nm波長全域の光を透過する必要
はなく、この領域において少なくとも一つの所望の単色
光を透過できればよい。この場合、照射光の透過率が5
0%以上であることが好ましく、より好ましくは90%
以上である。
【0112】このように選ばれた高分子型電荷輸送材料
を電荷輸送層に用いることで、400〜450nmの範
囲に発振波長を有するLD,LED書込光源に対応した
電子写真感光体が提供される。この電子写真感光体は、
現在最も広く使用されている780〜800nm付近の
近赤外光領域にある発振波長を有するLDを書込光源に
対応した感光体では達成困難であった、高解像度が得ら
れること、優れた画質を維持し、長時間にわたる繰り返
し使用に対しても電位変動のないこと、残留電位の少な
いこと等の課題が解決できる感光体である。また、この
感光体は、最表層に本件樹脂を含有させていることか
ら、同時に機械的な耐久性にも優れた電子写真感光体と
なる。さらに400〜450nmの範囲に発振波長を有
するLD,LED書込光源を用いることで、電子写真方
式の高速化、光学系を含む電子写真装置、電子写真装置
用プロセスカートリッジのコンパクト化も達成できる。
【0113】以上、電荷輸送層に用いられる高分子型電
荷輸送材料について説明してきたが、電荷輸送能の向
上、帯電の安定性、残留電位の低減等、電気的特性の向
上を目的として、低分子型電荷輸送材料を電荷輸送層に
含有させてもよい。それには従来公知の低分子型電荷輸
送材料を用いることができ、これらの電荷輸送材料は単
独または2種類以上混合して用いることができる。但
し、本発明の電荷輸送層は390〜460nm波長域範
囲の単色光を透過するものである。そのため、併用でき
る低分子型電荷輸送材料としては、この波長域の光を透
過するものである必要がある。低分子型電荷輸送材料と
しては、以下の一般式(化1)〜(化23)で示される
化合物がある。
【0114】
【化78】 (式中、R1はメチル基、エチル基、2−ヒドロキシエ
チル基または2−クロルエチル基を表わし、R2はメチ
ル基、エチル基、ベンジル基またはフェニル基を表わ
し、R3は水素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜
4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ジアル
キルアミノ基またはニトロ基を表わす。)
【0115】
【化79】 (式中、Arはナフタレン環、アントラセン環、ピレン
環及びそれらの置換体あるいはピリジン環、フラン環、
チオフェン環を表わし、Rはアルキル基、フェニル基ま
たはベンジル基を表わす。)
【0116】
【化80】 (式中、R1はアルキル基、ベンジル基、フェニル基ま
たはナフチル基を表わし、R2は水素原子、炭素数1〜
3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ジアル
キルアミノ基、ジアラルキルアミノ基またはジアリール
アミノ基を表わし、nは1〜4の整数を表わし、nが2
以上のときはR2は同じでも異なっていてもよい。R3
水素原子またはメトキシ基を表わす。)
【0117】
【化81】 (式中、R1は炭素数1〜11のアルキル基、置換もし
くは無置換のフェニル基または複素環基を表わし、
2、R3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素
原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル
基、クロルアルキル基または置換もしくは無置換のアラ
ルキル基を表わし、また、R2とR3は互いに結合し、窒
素を含む複素環を形成していてもよい。 R4は同一でも
異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキ
ル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表わす。)
【0118】
【化82】 (式中、Rは水素原子またはハロゲン原子を表わし、A
rは置換もしくは無置換のフェニル基、ナフチル基、ア
ントリル基またはカルバゾリル基を表わす。)
【0119】
【化83】 (式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭
素数1〜4のアルコキシ基または炭素数1〜4のアルキ
ル基を表わし、Arは
【0120】
【化84】
【0121】
【化85】 を表わし、R2は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、
3は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキ
ル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはジアルキルア
ミノ基を表わし、nは1または2であって、nが2のと
きはR3は同一でも異なっていてもよく、R4、R5は水
素原子、炭素数1〜4の置換もしくは無置換のアルキル
基または置換もしくは無置換のベンジル基を表わす。)
【0122】
【化86】 (式中、Rはカルバゾリル基、ピリジル基、チエニル
基、インドリル基、フリル基あるいはそれぞれ置換もし
くは非置換のフェニル基、スチリル基、ナフチル基、ま
たはアントリル基であって、これらの置換基がジアルキ
ルアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシ基
またはそのエステル、ハロゲン原子、シアノ基、アラル
キルアミノ基、N−アルキル−N−アラルキルアミノ
基、アミノ基、ニトロ基及びアセチルアミノ基からなる
群から選ばれた基を表わす。)
【0123】
【化87】 (式中、R1は低級アルキル基、置換もしくは無置換の
フェニル基、またはベンジル基を表わし、R2は水素原
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原
子、ニトロ基、アミノ基あるいは低級アルキル基または
ベンジル基で置換されたアミノ基を表わし、nは1また
は2の整数を表わす。)
【0124】
【化88】 (式中、R1は水素原子、アルキル基、アルコキシ基ま
たはハロゲン原子を表わし、R2およびR3はアルキル
基、置換もしくは無置換のアラルキル基あるいは置換も
しくは無置換のアリール基を表わし、R4は水素原子、
低級アルキル基または置換もしくは無置換のフェニル基
を表わし、また、Arは置換もしくは無置換のフェニル
基またはナフチル基を表わす。)
【0125】
【化89】 (式中、nは0または1の整数、R1は水素原子、アル
キル基または置換もしくは無置換のフェニル基を表わ
し、Ar1は置換もしくは未置換のアリール基を表わ
し、R5は置換アルキル基を含むアルキル基、あるいは
置換もしくは無置換のアリール基を表わし、Aは
【0126】
【化90】 9−アントリル基または置換もしくは無置換のカルバゾ
リル基を表わし、ここでR2は水素原子、アルキル基、
アルコキシ基、ハロゲン原子または
【0127】
【化91】 (ただし、R3およびR4はアルキル基、置換もしくは無
置換のアラルキル基または置換もしくは無置換のアリー
ル基を示し、R3およびR4は同じでも異なっていてもよ
く、R4は環を形成してもよい)を表わし、mが2以上
のときはR2は同一でも異なってもよい。また、nが0
のとき、AとR1は共同で環を形成してもよい。)
【0128】
【化92】 (式中、R1、R2およびR3は水素原子、低級アルキル
基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子またはジアルキル
アミノ基を表わし、nは0または1を表わす。)
【0129】
【化93】 (式中、R1およびR2は置換アルキル基を含むアルキル
基、または置換もしくは未置換のアリール基を表わし、
Aは置換アミノ基、置換もしくは未置換のアリール基ま
たはアリル基を表わす。)
【0130】
【化94】 (式中、Xは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン
原子を表わし、Rは置換アルキル基を含むアルキル基、
または置換もしくは無置換のアリール基を表わし、Aは
置換アミノ基または置換もしくは無置換のアリール基を
表わす。)
【0131】
【化95】 (式中、R1は低級アルキル基、低級アルコキシ基また
はハロゲン原子を表わし、R2、R3は同じでも異なって
いてもよく、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキ
シ基またはハロゲン原子を表わし、l、m、nは0〜4
の整数を表わす。)
【0132】
【化96】 (式中、R1、R3およびR4は水素原子、アミノ基、ア
ルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、メ
チレンジオキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、
ハロゲン原子または置換もしくは無置換のアリール基
を、R2は水素原子、アルコキシ基、置換もしくは無置
換のアルキル基またはハロゲン原子を表わす。ただし、
1、R2、R3およびR4がすべて水素原子である場合は
除く。また、k,l,mおよびnは1、2、3または4
の整数であり、それぞれが2、3または4の整数のとき
は、前記R1、R2、R3およびR4は同じでも異なってい
てもよい。)
【0133】
【化97】 (式中、Arは置換基を有してもよい炭素数18個以下
の縮合多環式炭化水素基を表わし、また、R1およびR2
は水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアル
キル基、アルコキシ基、置換もしくは無置換のフェニル
基を表わし、それぞれ同じでも異なっていてもよい。n
は1もしくは2の整数を表わす。)
【0134】
【化98】 (式中、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基
を表わし、Aは
【0135】
【化99】 (ただし、Ar’は置換もしくは無置換の芳香族炭化水
素基を表わし、R1およびR2は置換もしくは無置換のア
ルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基であ
る。)を表わす。)
【0136】
【化100】 (式中、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基
を、Rは水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、
または置換もしくは無置換のアリール基を表わす。nは
0または1、mは1または2であって、n=0、m=1
の場合、ArとRは共同で環を形成してもよい。)
【0137】一般式(化1)で表わされる化合物には、
例えば、9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド−1
−メチル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチルカルバ
ゾール−3−アルデヒド−1−ベンジル−1−フェニル
ヒドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド
−1,1−ジフェニルヒドラゾンなどがある。また、一
般式(化2)で表わされる化合物には、例えば、4−ジ
エチルアミノスチリル−β−アルデヒド−1−メチル−
1−フェニルヒドラゾン、4−メトキシナフタレン−1
−アルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン
などがある。一般式(化3)で表わされる化合物には、
例えば、4−メトキシベンズアルデヒド−1−メチル−
1−フェニルヒドラゾン、2,4−ジメトキシベンズア
ルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4
−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニ
ルヒドラゾン、4−メトキシベンズアルデヒド−1−
(4−メトキシ)フェニルヒドラゾン、4−ジフェニル
アミノベンズアルデヒド−1−ベンジル−1−フェニル
ヒドラゾン、4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−
1,1−ジフェニルヒドラゾンなどがある。また、一般
式(化4)で表わされる化合物には、例えば、1,1−
ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、トリ
ス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、1,1−ビ
ス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、2,
2’−ジメチル−4,4’−ビス(ジエチルアミノ)−
トリフェニルメタンなどがある。一般式(化5)で表わ
される化合物には、例えば、9−(4−ジエチルアミノ
スチリル)アントラセン、9−ブロム−10−(4−ジ
エチルアミノスチリル)アントラセンなどがある。ま
た、一般式(化6)で表わされる化合物には、例えば、
9−(4−ジメチルアミノベンジリデン)フルオレン、
3−(9−フルオレニリデン)−9−エチルカルバゾー
ルなどがある。また、一般式(化9)で表わされる化合
物には、例えば、1,2−ビス(4−ジエチルアミノス
チリル)ベンゼン、1,2−ビス(2、4−ジメトキシ
スチリル)ベンゼンなどがある。
【0138】一般式(化10)で表わされる化合物に
は、例えば、3−スチリル−9−エチルカルバゾール、
3−(4−メトキシスチリル)−9−エチルカルバゾー
ルなどがある。一般式(化11)で表わされる化合物に
は、例えば、4−ジフェニルアミノスチルベン、4−ジ
ベンジルアミノスチルベン、4−ジトリルアミノスチル
ベン、1−(4−ジフェニルアミノスチリル)ナフタレ
ン、1−(4−ジエチルアミノスチリル)ナフタレンな
どがある。一般式(化12)で表わされる化合物には、
例えば、4’−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチル
ベン、4’−ビス(4−メチルフェニル)アミノ−α−
フェニルスチルベンなどがある。一般式(化15)で表
わされる化合物には、例えば、1−フェニル−3−(4
−ジエチルアミノスチリル)−5−(4−ジエチルアミ
ノフェニル)ピラゾリンなどがある。
【0139】一般式(化16)で表わされる化合物に
は、例えば、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニ
ル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−N,N−ジ
フェニルアミノ−5−(4−ジエチルアミノフェニル)
−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4−ジメチル
アミノフェニル)−5−(4−ジエチルアミノフェニ
ル)−1,3,4−オキサジアゾールなどがある。一般
式(化17)で表わされる化合物には、例えば、2−
N,N−ジフェニルアミノ−5−(N−エチルカルバゾ
ール−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール、2
−(4−ジエチルアミノフェニル)−5−(N−エチル
カルバゾール−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾ
ールなどがある。一般式(化18)で表わされるベンジ
ジン化合物には、例えば、N,N’−ジフェニル−N,
N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフ
ェニル]−4,4’−ジアミン、3,3’−ジメチル−
N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニ
ル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン
などがある。また、一般式(化19)で表わされるビフ
ェニリルアミン化合物には、例えば、4’−メトキシ−
N,N−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4−
アミン、4’−メチル−N,N−ビス(4−メチルフェ
ニル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン、4’
−メトキシ−N,N−ビス(4−メチルフェニル)−
[1,1’−ビフェニル]−4−アミン、N,N−ビス
(3,4−ジメチルフェニル)−[1,1’−ビフェニ
ル]−4−アミンなどがある。
【0140】また、一般式(化20)で表わされるトリ
アリールアミン化合物には、例えば、1−ジフェニルア
ミノピレン、1−ジ(p−トリルアミノ)ピレン、N,
N−ジ(p−トリル)−1−ナフチルアミン、N,N−
ジ(p−トリル)−1−フェナントリルアミン、9,9
−ジメチル−2−(ジ−p−トリルアミノ)フルオレ
ン、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェ
ニル)−フェナントレン−9,10−ジアミン、N,
N,N’,N’−テトラキス(3−メチルフェニル)−
m−フェニレンジアミンなどがある。また、一般式(化
21)で表わされるジオレフィン芳香族化合物には、例
えば、1,4−ビス(4−ジフェニルアミノスチリル)
ベンゼン、1,4−ビス[4−ジ(p−トリル)アミノ
スチリル]ベンゼンなどがある。また、一般式(化2
3)で表わされるスチリルピレン化合物には、例えば、
1−(4−ジフェニルアミノスチリル)ピレン、1−
[4−ジ(p−トリル)アミノスチリル]ピレンなどが
ある。低分子型電荷輸送材料の量は本件樹脂1重量部に
対し、0〜3重量部、好ましくは0〜1.5重量部が適
当である。
【0141】電荷輸送層の塗工方法としては浸漬法、ス
プレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラ
ビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が採
用される。電荷輸送層(3)及び(4)の膜厚は5〜3
0μm程度とすることが好ましい。また、電荷輸送層
(5)の膜厚は0.5〜10μmで、好ましくは0.5
〜5μmである。本発明において、電荷輸送層は機械的
耐久性等を調節する目的で、本件樹脂以外にバインダー
樹脂を併用することができる。本発明の電荷輸送層は、
390〜460nm波長域範囲の単色光を透過するもの
である。そのため、併用できるバインダー樹脂として
は、この波長域の光を透過するものである必要がある。
例えば、具体的にポリスチレン、スチレン−アクリロニ
トリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチ
レン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩
化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキ
シ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、
エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポ
キシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹
脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が
挙げられる。
【0142】本発明において、電荷輸送層は可塑剤やレ
ベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチ
ルフタレート、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の
可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、
その使用量は、本件樹脂に対して0〜30重量%程度が
適当である。レベリング剤としては、ジメチルシリコー
ンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリ
コーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有
するポリマーあるいは、オリゴマーが使用され、その使
用量は本件樹脂に対して、0〜2重量%が適当である。
【0143】電荷発生材料としては、例えば、セレン、
セレン−テルル、硫化カドミウム、硫化カドミウム−セ
レン、α−シリコンなどの無機材料、有機材料として
は、例えば、シーアイピグメントブルー25(カラーイ
ンデックスCI21180)、シーアイピグメントレッ
ド41(CI21200)、シーアイアシッドレッド5
2(CI45100)、シーアイベーシックレッド3
(CI45210)、カルバゾール骨格を有するアゾ顔
料(特開昭53−95033号公報に記載)、ジスチリ
ルベンゼン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−133
445号公報に記載)、トリフェニルアミン骨格を有す
るアゾ顔料(特開昭53−132347号公報に記
載)、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料(特開
昭54−21728号公報に記載)、オキサジアゾール
骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−12742号公報
に記載)、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料(特開昭
54−22834号公報に記載)、ビススチルベン骨格
を有するアゾ顔料(特開昭54−17733号公報に記
載)、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔
料(特開昭54−2129号公報に記載)、ジスチリル
カルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−14
967号公報に記載)などのアゾ顔料、例えば、シーア
イピグメントブルー16(CI74100)などのフタ
ロシアニン系顔料、例えば、シーアイバットブラウン5
(CI73410)、シーアイバットダイ(CI730
30)などのインジゴ系顔料、アルゴスカーレットB
(バイエル社製)、インダンスレンスカーレットR(バ
イエル社製)などのペリレン系顔料などが挙げられる。
なお、これらの電荷発生材料は単独で用いられても2種
以上が併用されてもよい。
【0144】電荷発生層は、電荷発生材料と適当な溶媒
に、必要に応じてバインダー樹脂を加え溶解もしくは分
散し、塗布して乾燥させることにより設けることができ
る。バインダー樹脂としては、絶縁性がよい従来から知
られているバインダー樹脂であれば何でも使用でき、特
に限定はない。例えば、ポリエチレン、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルホルマール、ポリスチレン樹脂、フ
ェノキシ樹脂、ポリプロピレン、アクリル樹脂、メタク
リル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ
樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステ
ル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
アミド樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹脂等の付加重合
型樹脂、重付加型樹脂、重縮合型樹脂、ならびにこれら
の樹脂の繰り返し単位のうち2つ以上を含む共重合体樹
脂、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン
−アクリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マ
レイン酸共重合体樹脂等の絶縁性樹脂のほか、ポリ−N
−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられ
る。これらのバインダーは単独または2種類以上の混合
物として用いることができる。バインダー樹脂の量は、
電荷発生材料1重量部に対し0〜5重量部、好ましくは
0.1〜3重量部が適当である。
【0145】電荷発生層の分散液或いは溶液を調整する
際に使用する溶媒としては、例えば、N,N−ジメチル
ホルムアミド、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼ
ン、1,2−ジクロルエタン、1,1,1−トリクロル
エタン、ジクロルメタン、1,1,2−トリクロルエタ
ン、トリクロルエチレン、テトラヒドロフラン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジオキサン等を挙げる
ことができる。
【0146】電荷発生層用分散液の分散方法としては、
例えば、ボールミル、超音波、ホモミキサー等が挙げら
れ、また塗布手段としては、ディッピング塗工法、ブレ
ード塗工法、スプレー塗工法等が挙げられる。
【0147】電荷発生材料を分散し、感光層を形成する
場合、層中への分散性をよくするために、その電荷発生
材料は2μm以下、好ましくは1μm以下の平均粒径の
ものが好ましい。ただし、上記の粒径があまりに小さい
とかえって凝集しやすく、層の抵抗が上昇したり、結晶
欠陥が増えて感度及び繰り返し特性が低下したり、或い
は微細化する上で限界があるから、平均粒径の下限を
0.01μmとするのが好ましい。電荷発生層の膜厚
は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは
0.1〜2μmである。さらに、上記感光層中には、帯
電性の向上等を目的に、フェノール化合物、ハイドロキ
ノン化合物、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダード
アミン化合物、ヒンダードアミンとヒンダードフェノー
ルが、同一分子中に存在する化合物などを添加すること
ができる。
【0148】本発明の感光体製造において導電性支持体
には、以下のものが使用することができる。すなわち体
積抵抗1010Ω以下の導電性を示すもの、例えばアルミ
ニウム、ニッケル、チタン、クロム、ニクロム、銅、
銀、金、白金、鉄などの金属、また酸化スズ、酸化イン
ジウムなどの酸化物を蒸着またはスパッタリングにより
フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙等に被覆
したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、
ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押出し、
引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨
などで表面処理した管などが挙げられる。
【0149】導電性支持体上に中間層を設けることがで
きる。中間層は導電性支持体と感光層との接着性を向上
する、モワレなどを防止する、上層の塗工性を改良す
る、残留電位を低減するなどの目的で設けられる。
【0150】中間層は一般に樹脂を主成分とするが、こ
れらの樹脂はその上に感光層を溶剤でもって塗布するこ
とを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い
樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、
ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナト
リウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチ
ル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタ
ン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキ
シ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが
挙げられる。また、モアレ防止、抵抗値の最適化等のた
めに酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウ
ム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化
物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を加
えてもよい。これらの中間層は、適当な溶媒、塗工法を
用いて形成することができる。更に、シランカップリン
グ剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等
を使用することもできる。
【0151】この他に、本発明の中間層には、Al23
を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パ
リレン)等の有機物や、SiO,SnO2,TiO2,I
TO,CeO2等の無機物を真空薄膜作製法にて設けた
ものも良好に使用できる。中間層の膜厚は0〜5μmが
適当である。
【0152】また、本発明の感光体においては、耐環境
性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇
を防止する目的で、酸化防止剤を添加することができ
る。酸化防止剤は、有機物を含む層ならばいずれに添加
してもよいが、電荷輸送材料を含む層に添加すると良好
な結果を得ることができる。
【0153】酸化防止剤としてはモノフェノール系化合
物として、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、
ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチ
ル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネートなど。
【0154】ビスフェノール系化合物として、2,2’
−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−
6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’
−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)など。
【0155】高分子フェノール系化合物として、1,
1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−
t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル
−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレ
ン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,
3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェ
ニル)ブチリックアッシド]グリコールエステル、トコ
フェロール類など。
【0156】パラフェニレンジアミン類として、N−フ
ェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミ
ン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジ
アミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェ
ニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フ
ェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ
−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
【0157】ハイドロキノン類として、2,5−ジ−t
−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイド
ロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル
−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−
メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−
5−メチルハイドロキノンなど。
【0158】有機硫黄化合物類として、ジラウリル−
3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,
3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,
3’−チオジプロピオネートなど。
【0159】有機燐化合物類として、トリフェニルホス
フィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジ
ノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィ
ン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンな
ど。これらの化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類な
どの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入
手できる。本発明における酸化防止剤の添加量は、電荷
輸送材料100重量部に対して0.1〜100重量部、
好ましくは0.1〜30重量部である。
【0160】本発明は次に、上記の電子写真感光体を用
い、帯電、像露光及び転写を行なうことを特徴とする電
子写真方法を提供する。そしてまた、上記の電子写真感
光体を有すると共に、帯電手段、像露光手段及び転写手
段を備えたことを特徴とする電子写真装置を提供する。
さらに、上記の電子写真感光体と帯電手段、像露光手
段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段から選ば
れた少なくとも一つの手段とを一体的に形成し、電子写
真装置本体に着脱自在としたことを特徴とする電子写真
装置用プロセスカートリッジを提供する。図面に基づい
て、この電子写真方法、電子写真装置及び電子写真装置
用プロセスカートリッジについて説明する。
【0161】図4は、本発明の電子写真装置及び電子写
真装置用プロセスカートリッジの概略図である。感光体
(11)はドラム状の形状を示しているが、シート状、
エンドレスベルト状のものであってもよい。帯電チャー
ジャ(13)、転写前チャージャ(17)、転写チャー
ジャ(20)、分離チャージャ(21)、クリーニング
前チャージャ(23)には、コロトロン、スコロトロ
ン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ
ー)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられ
る。転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できる
が、図に示されるように転写チャージャーと分離チャー
ジャーを併用したものが効果的である。
【0162】画像露光部(15)には400〜450n
mの範囲に発振波長を有するLDもしくはLEDが用い
られる。また、除電ランプ(12)等の光源には、蛍光
灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナ
トリウム灯、LED、LD、エレクトロルミネッセンス
素子(EL)などの発光物全般を用いることができる。
そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャ
ープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外
カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フ
ィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルター
を用いることもできる。この時像露光部、書込光源のビ
ーム系は1200〜2400dpi相当の高解像度を達
成するために10〜30μmであることが好ましい。か
かる光源等は、図4に示される工程の他に、光照射を併
用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるい
は前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が
照射される。
【0163】現像ユニット(16)により感光体(1
1)上に現像されたトナーは、転写紙(19)に転写さ
れるが、全部が転写されるわけではなく、感光体(1
1)上に残存するトナーも生ずる。このようなトナー
は、ファーブラシ(24)およびブレード(25)によ
り、感光体より除去される。クリーニングは、クリーニ
ングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニング
ブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとす
る公知のものが用いられる。
【0164】電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画
像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜
像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微
粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正
(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られ
る。かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、
また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0165】図5は、本発明の他の電子写真装置の概略
図である。感光体(31)は本発明の感光体であり、駆
動ローラ(32a),(32b)により駆動され、帯電
器(33)による帯電、光源(34)による像露光、現
像(図示せず)、帯電器(35)を用いる転写、光源
(36)によるクリーニング前露光、ブラシ(37)に
よるクリーニング、光源(38)による除電が繰返し行
なわれる。図6においては、感光体(21)(勿論この
場合は支持体が透光性である)に支持体側よりクリーニ
ング前露光の光照射が行なわれる。
【0166】上記に図示した電子写真方法及び電子写真
装置は、本発明における実施様態を例示したものであっ
て、他の実施様態も可能である。例えば、図5において
は、支持体側よりクリーニング前露光を行なっている
が、これは感光層側から行なってもよく、また、像露
光、除電光の照射を支持体側から行なってもよい。ま
た、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電
露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプ
レ露光、およびその他公知の光照射工程を設けて、感光
体に光照射を行なうこともできる。
【0167】このようにして行なう画像形成手段は、複
写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込
まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態によ
りそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカート
リッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手
段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段
を含んだ1つの装置であり、また部品である。プロセス
カートリッジの形状等については数多く挙げられるが、
ここでは、図6にその1例を示す。このプロセスカート
リッジは、本発明の電子写真感光体(26)、帯電チャ
ージャ(27)、クリーニングブラシ(28)、画像露
光部(29)、現像ローラ(30)からなるものであ
る。
【0168】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例によってなんら限定され
るものではない。なお、下記実施例において部とあるの
はすべて重量部である。 (実施例1)オイルフリーアルキッド樹脂(大日本イン
キ化学製:ベッコライトM6401)1.5部、メラミ
ン樹脂(大日本インキ化学製:スーパーベッカミンG−
821)1部、二酸化チタン〔石原産業(株)製:タイ
ペークCR−EL〕〕5部、2−ブタノン 22.5部
の混合物をボールミルポットに取り、φ10mmのアル
ミナボールを使用し、48時間ボールミリングして中間
層塗布液を調製した。この塗布液をアルミ板支持体上に
塗布後、130℃で20分間乾燥し、厚さ約4μmの中
間層を形成した。
【0169】次に下記構造式(a)で示されるビスアゾ
化合物7.5部およびポリエステル樹脂[(株)東洋紡
績製バイロン200]2.5部の0.5%テトラヒドロ
フラン溶液500部をボールミル中で粉砕混合し、得ら
れた分散液を前記中間層上にウエットギャップ約35μ
mにてドクターブレードで塗布し、自然乾燥して電荷発
生層を形成した。
【0170】
【化101】
【0171】次に電荷輸送材料として、前記例示化合物
(P9)で表わされる高分子型電荷輸送材料10部をテ
トラヒドロフラン50部に溶解し、この電荷輸送層塗工
液を前記電荷発生層上にドクターブレードで塗布し、8
0℃で2分間、ついで130℃で20分間乾燥して厚さ
約25μmの電荷輸送層を形成し感光体を作成した。ま
た、上記電荷輸送層塗工液を用いてポリエステルフィル
ム上に、同様に操作して電荷輸送層膜のみを形成した。
ポリエステルフィルム上から電荷輸送層膜を剥離し、得
られた電荷輸送層膜の透過スペクトルを分光光度計にて
測定し、各波長の透過率(%)を前記式(2)より求め
た。結果を表7に示す。
【0172】得られた電子写真感光体の短波長LD,L
ED発振波長域での分光感度をEPA−8100(川口
電気製作所製)にて測定した。光源としてはキセノンラ
ンプを用い、モノクロメーター(ニコン社製)にて分光
を行なった。まず、コロナ放電により感光体を−800
(V)以上に帯電させた後、帯電を停止し、それぞれの
単色光による露光を行ない表面電位が−800(V)か
ら−100(V)までに要する時間を求め、それぞれの
波長の照射光強度(μW/cm2)から露光量(μJ/
cm2)を算出した。このときの光減衰電位差700
(V)を上記露光量で割り、得られた値を分光感度値
(V・cm2/μJ)とした。ただし光減衰時には暗減
衰による電位低下が含まれるため、光感度測定の前に各
感光体の暗減衰量を測定し、この値を用いて各分光感度
値の補正を行なった。結果を表7に示す。
【0173】また作成した電子写真感光体をテーバー摩
耗試験機(東洋精機社製)にて摩耗輪CS−5を使用
し、荷重1kgで回転速度60rpmの条件にて100
0回転摩耗させ、摩耗試験前と試験後の感光体サンプル
の重量差を摩耗量(mg)とした。結果を表7に示す。
【0174】(実施例2〜13)実施例1の高分子型電
荷輸送材料を各々表1に示す例示化合物に変えた以外は
同様に操作して感光体作製し、透過率及び分光感度の測
定、テーバー摩耗試験を行なった。結果を表7に示す。
【0175】(実施例14)実施例1と同様にアルミ板
支持体上に中間層、電荷発生層を順次形成した。次に、
電荷輸送材料として下記構造式(b)で示される電荷輸
送材料7部とポリカーボネート樹脂[(株)帝人製パン
ライトC−1400]10部をテトラヒドロフランに溶
解し、この第一電荷輸送層塗工液を前記電荷発生層上に
ドクターブレードで塗布し、80℃で2分間、ついで1
30℃で20分間乾燥して厚さ約20μmの第一電荷輸
送層を形成した。
【0176】次に、例示化合物(P9)で示される高分
子型電荷輸送材料8部をTHF40部に溶解し、この第
二電荷輸送層塗工液を第一電荷輸送層上にドクターブレ
ードで塗布し、80℃で2分間、ついで130℃で20
分間乾燥して厚さ約5μmの第二電荷輸送層を形成し感
光体を作成した。透過率及び分光感度の測定、テーバー
摩耗試験を行なった。結果を表7に示す。
【0177】
【化102】
【0178】(実施例15〜17)実施例14と同様に
アルミ板支持体上に中間層、電荷発生層、第一電荷輸送
層を順次形成した。次に、実施例14の第二電荷輸送層
に用いられる高分子型電荷輸送材料を各々表1に示す例
示化合物に変えた以外は、実施例14と同様に操作して
感光体を作製し、透過率及び分光感度の測定、テーバー
摩耗試験を行なった。結果を表7に示す。
【0179】(比較例1)実施例1と同様にアルミ板支
持体上に中間層、電荷発生層を順次形成した。次に、電
荷輸送材料として前記構造式(b)で示されるアミノビ
フェニル化合物7部とポリカーボネート樹脂[(株)帝
人製パンライトC−1400]10部をテトラヒドロフ
ランに溶解し、この電荷輸送層塗工液を前記電荷発生層
上にドクターブレードで塗布し、80℃で2分間、つい
で130℃で20分間乾燥して厚さ約25μmの電荷輸
送層を形成し感光体を作成した。透過率及び分光感度の
測定、テーバー摩耗試験を行なった結果を表7に示す。
【0180】(比較例2)比較例1の電荷輸送材料を下
記構造式(c)で表わされるブタジエン化合物に変えた
以外は同様に操作して感光体を作製し、透過率及び分光
感度の測定、テーバー摩耗試験を行なった。結果を表7
に示す。
【0181】
【化103】
【0182】
【表7】 表7から本発明(実施例1〜17)の電荷輸送層は、い
ずれもこの領域において良好な光透過特性を示し、電子
写真感光体は高い感度を有していることがわかる。一
方、短波長LDもしくはLEDの発振波長領域にある4
00〜450nmの単色光を透過しない電荷輸送層を有
する比較例2の電子写真感光体は、この領域において感
度を示さないことがわかる。また、本発明の電子写真感
光体(実施例1〜17)は比較例1及び2に比べ摩耗量
が小さいことから、機械的耐久性にも優れた感光体とい
える。
【0183】(実施例18、19及び比較例3、4)ア
ルミニウム・シリンダー上に実施例1で用いた中間層塗
工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、
順次塗布・乾燥し、実施例1と同様の積層感光体ドラム
を作製した(実施例18の感光体)。また、感光層塗工
液を実施例15もしくは比較例1のものに代えた以外
は、実施例18と同様に操作して実施例19および比較
例3の感光体ドラムを作製した。
【0184】上記、電子写真感光体ドラムを図4に示し
た電子写真プロセスに装着し(ただし、画像露光光源を
405nmに発光を持つLDとした(ポリゴン・ミラー
による画像書き込み)、また、現像直前の感光体の表面
電位が測定できるように表面電位計のプローブを挿入し
た。連続して一万枚の印刷を行ない、そのときの画像露
光部と画像非露光部の表面電位を初期と一万枚後に測定
した。結果を表8に示す。また、上記装置の画像露光光
源部を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラー
による画像書き込み)に交換して、実施例18の感光体
を用い、同様に連続して一万枚の印刷を行ない、そのと
きの画像露光部と画像非露光部の表面電位を初期と一万
枚後に測定した(比較例4)。結果を表8に示す。
【0185】
【表8】
【0186】(実施例20及び比較例5)電鋳ニッケル
・ベルト上に下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗
工液、および電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥し、
膜厚が中間層約6μm、電荷発生層約0.3μm、電荷
輸送層24μmの積層感光体を作製した。 中間層塗工液 二酸化チタン(TA−300) 5部 共重合ポリアミド樹脂(東レ製CM−8000) 4部 メタノール 50部 イソプロパノール 20部 電荷発生層塗工液 Y型オキソチタニウムフタロシアニン顔料粉末 4部 ポリビニルブチラール 2部 シクロヘキサノン 50部 テトラヒドロフラン 100部 電荷輸送層塗工液 例示化合物(P12)の高分子型電荷輸送材料 10部 テトラヒドロフラン 60部
【0187】このようにして作製した電子写真感光体ベ
ルトを、図5に示す電子写真プロセス(ただし、クリー
ニング前露光はなし)に装着し、画像露光光源を450
nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書
き込み)として、現像直前の感光体の表面電位が測定で
きるように表面電位計のプローブを挿入した。連続して
八千枚の印刷を行ない、そのときの画像露光部と画像非
露光部の表面電位を初期と八千枚後に測定した。結果を
表9に示す。また、上記装置の画像露光光源部を780
nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書
き込み)に交換して、実施例20の感光体を用い、同様
に連続して八千枚の印刷を行ない、そのときの画像露光
部と画像非露光部の表面電位を初期と八千枚後に測定し
た(比較例5)。結果を表9に示す。
【0188】
【表9】
【0189】(実施例21及び比較例6)アルミニウム
シリンダー表面を陽極酸化処理した後、封孔処理を行な
った。この上に、下記電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗
工液を、順次塗布・乾燥して各々膜厚0.2μmの電荷
発生層、20μmの電荷輸送層を形成し、本発明の電子
写真感光体を作製した。 電荷発生層塗工液 τ型無金属フタロシアニン顔料粉末 3部 前記構造式(a)で示される電荷発生材料 3部 ポリビニルブチラール樹脂(BM−S) 1部 シクロヘキサノン 250部 メチルエチルケトン 50部 電荷輸送層塗工液 例示化合物(P14)の高分子型電荷輸送材料 10部 テトラヒドロフラン 60部
【0190】このようにしてなる電子写真感光体を、図
6に示す電子写真用プロセスカートリッジに装着した
後、画像形成装置に搭載した。ただし、画像露光光源を
発振波長435nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラ
ーによる画像書き込み)として、現像直前の感光体の表
面電位が測定できるように表面電位計のプローブを挿入
した。連続して五千枚の印刷を行ない、そのときの画像
露光部と画像非露光部の表面電位を初期と五千枚後に測
定した。結果を表10に示す。また上記装置の画像露光
光源部を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラ
ーによる画像書き込み)に交換して、実施例21の感光
体を用い、同様に連続して五千枚の印刷を行ない、その
ときの画像露光部と画像非露光部の表面電位を初期と五
千枚後に測定した(比較例6)。結果を表10に示す。
【0191】
【表10】 表8〜10から、本発明の電子写真感光体は400〜4
50nmの範囲に発振波長を有するLD,LED書込光
源に対して高感度であり、780nmの半導体レーザー
を書込光源に用いた場合に比べ、繰り返し使用によって
も電位変動のない電子写真感光体であることがわかる。
そして本発明の電子写真感光体を用いた電子写真方法、
電子写真感光体を有する電子写真装置及びこの電子写真
装置に用いるプロセスカートリッジが提供される。
【0192】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、本発明によれば、青色半導体レーザーもしく
は発光ダイオードの発振波長領域においても高感度、高
解像度かつ機械的耐久性に優れ、高画質が得られる電子
写真感光体、この電子写真感光体を用いた電子写真方
法、この電子写真感光体を有する電子写真装置およびこ
の電子写真装置に用いられるプロセスカートリッジが提
供される。そして、本発明は電子写真プリンター、電子
写真複写機等の電子写真プロセスに使用される機械、機
器等の設計、製作分野において多大の寄与をなすという
極めて優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における電荷輸送層膜の透過スペクトル
の模式図である。
【図2】本発明の電子写真感光体の断面を概略的に示し
た図である。
【図3】本発明の電子写真感光体の断面を概略的に示し
た別の図である。
【図4】本発明の電子写真装置及び電子写真装置用プロ
セスカートリッジの概略図である。
【図5】本発明の他の電子写真装置の概略図である。
【図6】本発明のプロセスカートリッジを示す別の図で
ある。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 電荷発生層 3 電荷輸送層 4 電荷輸送層 5 電荷輸送層 11 感光体 12 除電ランプ 13 帯電チャージャ 14 イレーサ 15 画像露光部 16 現像ユニット 17 転写前チャージャ 18 レジストローラ 19 転写紙 20 転写チャージャ 21 分離チャージャ 22 分離爪 23 クリーニングチャージャ 24 ファーブラシ 26 感光体 27 帯電チャージャ 28 クリーニングブラシ 29 画像露光部 30 現像ローラ 31 感光体 32a 駆動ローラ 32b 駆動ローラ 33 帯電チャージャ 34 像露光源 35 転写チャージャ 36 クリーニング前露光 37 クリーニングブラシ 38 除電光源
フロントページの続き (72)発明者 島田 知幸 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 南場 通彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H068 AA39 BB25 BB26 BB49 FA01 FA03 FA13 FA27 FB07 2H076 AB02 AB05 AB09 AB42 DA37 4J029 AA09 AB01 AC01 AC02 AC03 AE04 AE17 BA01 BA02 BA03 BA04 BA05 BA07 BA10 BB06A BB09A BB12A BB12C BC03A BC09 BD03A BD04A BD05C BD07A BD10 BE04 BE07 BF09 BF13 BF18 BF21 BF25 BG08Y BH01 BH02 BH04 DA02 DA09 DB06 DB07 DB11 DB13 GA01 HA01 HC01 HC02 HC05A

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に直接または中間層を介
    して電荷発生層、電荷輸送層を順次設けた積層型電子写
    真感光体において、該電子写真感光体が書込光として4
    00〜450nmの波長を有する半導体レーザー光を照
    射され、且つ該電荷輸送層が少なくとも高分子型電荷輸
    送材料を含有し、且つ390〜460nm波長領域の単
    色光を透過することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 電荷輸送層が少なくとも電荷輸送材料か
    らなる層の上に、少なくとも高分子型電荷輸送材料から
    なる層を順次設けた積層で構成されることを特徴とする
    請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 上記高分子型電荷輸送材料が下記一般式
    (1)及び(2)で表わされる構成単位からなり、一般
    式(1)で表わされる構成単位の組成比をk、一般式
    (2)で表わされる構成単位の組成比をjとしたとき、
    組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表わされる高
    分子型電荷輸送材料であることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の電子写真感光体。 【化1】 〔式中、R10は水素原子または炭素数1〜6の無置換も
    しくは置換のアルキル基、R11、R12、R13はハロゲン
    原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基
    (R11、R12、R13が各々複数個存在するときは同一で
    あっても別異であってもよい)、R14、R15は無置換も
    しくは置換のアリール基を示し、a、b、cは各々0〜
    4の整数を示す。〕 【化2】 〔式中、Xは炭素数2〜20の無置換もしくは置換脂肪
    族炭化水素2価基、無置換もしくは置換脂環式炭化水素
    2価基、炭素数6〜20の無置換もしくは置換芳香族炭
    化水素2価基、またはこれら2価基が結合した2価基、
    または下記表1で表わせる2価基を示す。〕 【表1】 〔式中、R101、R102、R103、R104はハロゲン原子、
    炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基または
    無置換もしくは置換のアリール基(R101、R102、R
    103、R104が各々複数個存在するときは、同一であって
    も別異であってもよい)、o、pは0〜4の整数、q、
    rは0〜3の整数、Yは単結合、炭素数2〜12の直鎖
    状のアルキレン基、炭素数3〜12の無置換もしくは置
    換分岐状アルキレン基、一つ以上の炭素数1〜10のア
    ルキレン基と一つ以上の酸素原子及び硫黄原子から構成
    される2価基、−O−、−S−、−SO−、−SO
    2−、−CO−、−COO−または下記表2 【表2】 (式中、Z1は炭素数2〜20の無置換もしくは置換脂
    肪族炭化水素2価基または無置換もしくは置換アリレン
    基を示し、Z2は炭素数2〜20の無置換もしくは置換
    脂肪族炭化水素2価基または無置換もしくは置換アリレ
    ン基を示し、R10 5はハロゲン原子、炭素数1〜6の無
    置換もしくは置換アルキル基、炭素数1〜6の無置換も
    しくは置換のアルコキシ基または無置換もしくは置換ア
    リール基を示し、R106、R107は水素原子、ハロゲン原
    子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基、炭
    素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコキシ基または
    無置換もしくは置換アリール基を示し、またR106、R
    107が結合して炭素数5〜12の炭素環を形成してもよ
    く、R108、R109、R110、R111は水素原子、ハロゲン
    原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基、
    炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコキシ基また
    は無置換もしくは置換アリール基を示し、R112はハロ
    ゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル
    基、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコシキ基
    または無置換もしくは置換アリール基を示し、R113
    114は単結合または炭素数1〜4のアルキレン基を表
    わし、R115、R116は炭素数1〜6の無置換もしくは置
    換アルキル基または無置換もしくは置換アリール基を示
    し、sは0〜4の整数、tは1または2、uは0〜4の
    整数、vは0〜20の整数、wは0〜2000の整数を
    示す)で表わせる2価基を示す。〕
  4. 【請求項4】 上記高分子型電荷輸送材料が下記一般式
    (3)及び前記一般式(2)で表わされる構成単位から
    なり、一般式(3)で表わされる構成単位の組成比を
    k、一般式(2)で表わされる構成単位の組成比をjと
    したとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表
    わされる高分子型電荷輸送材料であることを特徴とする
    請求項1または2に記載の電子写真感光体。 【化3】 〔式中、R16は水素原子または炭素数1〜6の無置換も
    しくは置換のアルキル基、無置換もしくは置換のアリー
    ル基、Ar11、Ar12、Ar13は無置換もしくは置換の
    アリレン基を示す。R14、R15は前記定義と同一であ
    る。〕
  5. 【請求項5】 上記高分子型電荷輸送材料が下記一般式
    (4)及び前記一般式(2)で表わされる構成単位から
    なり、一般式(4)で表わされる構成単位の組成比を
    k、一般式(2)で表わされる構成単位の組成比をjと
    したとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表
    わされる高分子型電荷輸送材料であることを特徴とする
    請求項1または2に記載の電子写真感光体。 【化4】 〔式中、R14、R15、Ar11、Ar12、Ar13は前記定
    義と同一である。〕
  6. 【請求項6】 上記高分子型電荷輸送材料が下記一般式
    (5)及び前記一般式(2)で表わされる構成単位から
    なり、一般式(5)で表わされる構成単位の組成比を
    k、一般式(2)で表わされる構成単位の組成比をjと
    したとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表
    わされる高分子型電荷輸送材料であることを特徴とする
    請求項1または2に記載の電子写真感光体。 【化5】 〔式中、dは1〜5の整数を示す。R14、R15、A
    11、Ar12、Ar13は前記定義と同一である。〕
  7. 【請求項7】 上記高分子型電荷輸送材料が下記一般式
    (6)及び前記一般式(2)で表わされる構成単位から
    なり、一般式(6)で表わされる構成単位の組成比を
    k、一般式(2)で表わされる構成単位の組成比をjと
    したとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表
    わされる高分子型電荷輸送材料であることを特徴とする
    請求項1または2に記載の電子写真感光体。 【化6】 〔式中、Ar14、Ar15、Ar16は無置換もしくは置換
    のアリレン基、X1、X2は無置換もしくは置換のエチレ
    ン基、または無置換もしくは置換のビニレン基を示す。
    14、R15は前記定義と同一である。〕
  8. 【請求項8】 上記高分子型電荷輸送材料が下記一般式
    (7)及び前記一般式(2)で表わされる構成単位から
    なり、一般式(7)で表わされる構成単位の組成比を
    k、一般式(2)で表わされる構成単位の組成比をjと
    したとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表
    わされる高分子型電荷輸送材料であることを特徴とする
    請求項1または2に記載の電子写真感光体。 【化7】 〔式中、R17、R18は無置換もしくは置換のアリール
    基、Ar17、Ar18、Ar 19は無置換もしくは置換のア
    リレン基、Y1、Y2、Y3は単結合、無置換もしくは置
    換のアルキレン基、無置換もしくは置換のシクロアルキ
    レン基、無置換もしくは置換のアルキレンエーテル基、
    酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし同一であって
    も異なってもよい。R14、R15、Ar13は前記定義と同
    一である。〕
  9. 【請求項9】 上記高分子型電荷輸送材料が下記一般式
    (8)及び前記一般式(2)で表わされる構成単位から
    なり、一般式(8)で表わされる構成単位の組成比を
    k、一般式(2)で表わされる構成単位の組成比をjと
    したとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表
    わされる高分子型電荷輸送材料であることを特徴とする
    請求項1または2に記載の電子写真感光体。 【化8】 〔式中、R14、R15、Ar13、Ar14、Ar15は前記定
    義と同一である。〕
  10. 【請求項10】 上記高分子型電荷輸送材料が下記一般
    式(9)及び前記一般式(2)で表わされる構成単位か
    らなり、一般式(9)で表わされる構成単位の組成比を
    k、一般式(2)で表わされる構成単位の組成比をjと
    したとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1で表
    わされる高分子型電荷輸送材料であることを特徴とする
    請求項1または2に記載の電子写真感光体。 【化9】 〔式中、R14、Ar11、Ar12、Ar14、Ar15は前記
    定義と同一である。〕
  11. 【請求項11】 上記高分子型電荷輸送材料が下記一般
    式(10)及び前記一般式(2)で表わされる構成単位
    からなり、一般式(10)で表わされる構成単位の組成
    比をk、一般式(2)で表わされる構成単位の組成比を
    jとしたとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1
    で表わされる高分子型電荷輸送材料であることを特徴と
    する請求項1または2に記載の電子写真感光体。 【化10】 〔式中、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23、Ar24は無
    置換もしくは置換のアリレン基を示す。R14、R15、R
    17、R18は前記定義と同一である。〕
  12. 【請求項12】 上記高分子型電荷輸送材料が下記一般
    式(11)及び前記一般式(2)で表わされる構成単位
    からなり、一般式(11)で表わされる構成単位の組成
    比をk、一般式(2)で表わされる構成単位の組成比を
    jとしたとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1
    で表わされる高分子型電荷輸送材料であることを特徴と
    する請求項1または2に記載の電子写真感光体。 【化11】 〔式中、R14、R15、Ar13、Ar14、Ar15は前記定
    義と同一である。〕
  13. 【請求項13】 上記高分子型電荷輸送材料が下記一般
    式(12)及び前記一般式(2)で表わされる構成単位
    からなり、一般式(12)で表わされる構成単位の組成
    比をk、一般式(2)で表わされる構成単位の組成比を
    jとしたとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1
    で表わされる高分子型電荷輸送材料であることを特徴と
    する請求項1または2に記載の電子写真感光体。 【化12】 〔式中、R14、Ar14、Ar15は前記定義と同一であ
    る。〕
  14. 【請求項14】 上記高分子型電荷輸送材料が下記一般
    式(13)及び前記一般式(2)で表わされる構成単位
    からなり、一般式(13)で表わされる構成単位の組成
    比をk、一般式(2)で表わされる構成単位の組成比を
    jとしたとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1
    で表わされる高分子型電荷輸送材料であることを特徴と
    する請求項1または2記載の電子写真感光体。 【化13】 〔式中、R14、R16、Ar11、Ar12、Ar14、Ar15
    は前記定義と同一である。〕
  15. 【請求項15】 上記高分子型電荷輸送材料が下記一般
    式(14)及び前記一般式(2)で表わされる構成単位
    からなり、一般式(14)で表わされる構成単位の組成
    比をk、一般式(2)で表わされる構成単位の組成比を
    jとしたとき、組成比の割合が0<k/(k+j)≦1
    で表わされる高分子型電荷輸送材料であることを特徴と
    する請求項1または2に記載の電子写真感光体。 【化14】 〔式中、R19、R20は直鎖または分岐鎖のアルキレン
    基、Y4は無置換もしくは置換のアリレン基、または 【化15】 (Ar25は無置換もしくは置換のアリレン基、Y5
    O、S、無置換もしくは置換のアリレン基を示す。)、
    eは0または1を示す。R14、R15、Ar11、Ar 12
    Ar14、Ar15は前記定義と同一である。〕
  16. 【請求項16】 請求項1乃至15のいずれか1に記載
    の電子写真感光体を用い、帯電、像露光、現像及び転写
    を行なうことを特徴とする電子写真方法。
  17. 【請求項17】 像露光手段における書込光源の波長が
    400〜450nmの範囲に発振波長を有する半導体レ
    ーザーもしくは発光ダイオードであることを特徴とする
    請求項16に記載の電子写真方法。
  18. 【請求項18】 請求項1乃至15のいずれか1に記載
    の電子写真感光体を有すると共に、帯電手段、像露光手
    段、現像手段及び転写手段を備えたことを特徴とする電
    子写真装置。
  19. 【請求項19】 像露光手段における書込光源のビーム
    系が10〜30μmであることを特徴とする請求項18
    に記載の電子写真装置。
  20. 【請求項20】 像露光手段における書込光源の波長
    が、400〜450nmの範囲に発振波長を有する半導
    体レーザーもしくは発光ダイオードであることを特徴と
    する請求項18または19に記載の電子写真装置。
  21. 【請求項21】 請求項1乃至15のいずれか1に記載
    の電子写真感光体と、帯電手段、像露光手段、現像手段
    及び転写手段及びクリーニング手段から選ばれた少なく
    とも一つの手段とを一体的に形成し、電子写真装置本体
    に着脱自在としたことを特徴とする電子写真装置用プロ
    セスカートリッジ。
  22. 【請求項22】 像露光手段における書込光源の波長
    が、400〜450nmの範囲に発振波長を有する半導
    体レーザーもしくは発光ダイオードであることを特徴と
    する請求項21に記載の電子写真装置用プロセスカート
    リッジ。
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