JP2002268241A - 電子写真感光体並びにこれを使用した画像形成方法、画像形成装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体並びにこれを使用した画像形成方法、画像形成装置およびプロセスカートリッジ

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JP2002268241A
JP2002268241A JP2001068461A JP2001068461A JP2002268241A JP 2002268241 A JP2002268241 A JP 2002268241A JP 2001068461 A JP2001068461 A JP 2001068461A JP 2001068461 A JP2001068461 A JP 2001068461A JP 2002268241 A JP2002268241 A JP 2002268241A
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JP2001068461A
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Shinichi Kawamura
慎一 河村
Kazukiyo Nagai
一清 永井
Tomoyuki Shimada
知幸 島田
Michihiko Nanba
通彦 南場
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高解像度であり、かつ表面エネルギーも
低くその効果が長期にわたって持続されることで、優れ
た画質を長期にわたって維持し、繰り返し使用しても電
位変動のない、機械的かつ化学的耐久性を有する電子写
真感光体、 【解決手段】 導電性支持体1と感光層2からなる電子
写真感光体において、最表面から支持体側へ1±0.3
μm離れた位置における感光層の純水に対する接触角が
85゜以上であり、かつ感光層の膜厚が4μm以上24
μm以下であるような感光層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式にお
いて使用される電子写真感光体並びにこれを使用した画
像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセス
カートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式において使用される
電子写真感光体(以下、単に感光体と言うことがある)
の光導電体としては大きく分けて種々の無機及び有機光
導電体が知られている。ここにいう「電子写真方式」と
は一般に、光導電性の感光体をまず暗所で、例えばコロ
ナ放電によって帯電させ、次いで像露光し、露光部のみ
の電荷を選択的に逸散させて静電潜像を得て、この潜像
部を染料、顔料などの着色剤と高分子材料などで構成さ
れるトナーで現像し、可視化して画像を形成するように
した、いわゆるカールソンプロセスとよばれる画像形成
プロセスである。有機の光導電体を用いた感光体は無機
光導電体のものに比べ、感光波長域の自由度、成膜性、
可撓性、膜の透明性、量産性、毒性やコスト面等におい
て利点を持つため、現在ではほとんどの感光体には有機
光導電体が用いられている。またこの電子写真方式およ
び類似プロセスにおいてくり返し使用される感光体に
は、感度、受容電位、電位保持性、電位安定性、残留電
位、分光感度特性に代表される静電特性が優れているこ
とが要求される。
【0003】近年ではこの電子写真方式を用いた情報処
理システム機の発展は目覚ましいものがある。特に情報
をデジタル信号に変換して光によって情報記録をおこな
うデジタル記録方式を用いたプリンターは、そのプリン
ト品質、信頼性において向上が著しい。またこのデジタ
ル記録方式はプリンターのみならず通常の複写機にも応
用され、所謂デジタル複写機が開発されている。さら
に、このデジタル複写機は、種々様々な情報処理機能が
付加されるため今後その需要性が益々高まっていくと予
想される。
【0004】さらに現在この電子写真方式を用いた電子
写真プリンター、電子写真複写機等の高速化、小型化、
高画質化が進んでいるが、それに伴い感光体が小径化さ
れ電子写真プロセスでの使用条件はますます厳しくなり
つつある。特にクリーニング部ではゴムブレードが使用
され十分にクリーニングするためにはゴム硬度の上昇と
当接圧力の上昇が余儀なくされ、そのために感光体の摩
耗が促進され、電位変動、感度変動が生じ、それによる
異常画像やカラー画像の色バランスのくずれが生じた
り、色再現性に問題が発生するなどの不具合が生じる。
また長時間使用することで帯電時に発生するオゾンによ
るバインダー樹脂及び電荷移動材の酸化劣化や、帯電時
に生成するイオン性化合物、例えば硝酸イオン、硫酸イ
オン、アンモニウムイオン等が感光体表面に蓄積するこ
とによる画質低下が発生し問題となる。このため、感光
体のさらなる高耐久化とその表面層の物性改良がより重
要となっている。
【0005】このような状況下、画質低下の問題に対し
てこれまでは、感光層にポリテトラフルオロエチレン等
のフッ素系樹脂、ポリジメチルシロキサン等のシリコン
系樹脂等を添加して、表面エネルギーを低下させること
が試みられている。この手段は、感光体の耐久性の向上
及び感光体表面層に付着するイオン性化合物の量を軽減
させることを企図している。例えば、フッ素樹脂の微粒
子を感光体表面層に含有させるもの(特開平4−368
953号公報)、シロキサン共重合ポリカーボネートを
バインダー樹脂として感光体表面層に含有させ、感光体
表面層に潤滑性を付与してクリーニング性を改良し、ト
ナー、紙粉等の吸湿性物質のフィルミング発生を防止す
るもの(特開平5−113670号公報)が提案されて
いる。
【0006】また、感光体表面に保護層を形成させるこ
とにより、画質低下を防止する試みも検討されている。
例えば、種々の樹脂にシリカゲル、酸化スズ等のフィラ
ーを感光体表面層に含有せしめて感光体表面層の耐摩耗
性を向上する方法が提案されており(特開昭57−30
843号公報、特開平1−205171号公報、特開平
3 −155558号公報、特開平7−333881号
公報、特開平8−15887号公報、特開平8−123
053号公報、特開平8−146641号公報、特開平
8−179542号公報)、3官能アルコキシシランと
4官能アルコキシシランの共加水分解縮合体からなる架
橋ポリシロキサンからなる表面保護層を施すことも提案
されている(特公平5−046940号公報)。
【0007】しかしながら、ポリテトラフルオロエチレ
ン等のフッ素系樹脂は、汎用の溶媒に対する溶解性が極
めて悪く、光学的に均一な分散は困難であることや、樹
脂に添加した場合フッ素系樹脂は相溶性が悪いため、凝
集して光散乱を与えると共に、多くの場合、これら添加
された樹脂粒子は感光体表面にブリードするという欠点
があった。また、ポリシロキサンを添加した場合にも、
同様にブリードする傾向が強く、その効果は永続しない
という欠点もあった。ポリシロキサンにより保護層を形
成した場合、一般にはポリシロキサンは優れた絶縁性を
有するポリマーであることから、感光体の電荷輸送性に
支障を来すという不都合があった。フィラーを含有する
樹脂を保護層とした場合には、表面硬度は向上するもの
の、一般的には表面エネルギーが高くなり、クリーニン
グ性が不良となりかつ粒子が凝集して光散乱を生じる等
の問題があった。さらに、長期連続繰り返し使用におい
て明部電位が上昇し、画像濃度低下や画像解像力低下な
どの画像劣化が発生し問題もあった。
【0008】また積層型感光体において高解像度達成の
ためには感光体膜厚の薄膜化が必要になる。一方薄膜化
のためには感光体の高耐久化がより一層大きな課題とな
ってくる。特開平11−65134号公報には、感光層
の最表面から1μm以上離れた位置の純水に対する接触
角が90°以上であり、感光層の膜厚が25μm以上で
あることを特徴とする電子写真感光体が提案されてい
る。しかしこの方法では感光体の厚膜化が必須であり、
それゆえ高耐久化においては有利ではあるが、高解像度
を達成するには明らかに不利となる。
【0009】現在提案されている方法は上記のようにど
れも一長一短があり、これからの高速化、小型化、高画
質化に向けた電子写真感光体の開発において、上記の全
ての特性をバランスよく満足する解決手段が未だ見出さ
れてないのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の実情に鑑みてなされたものであって、高解像度であ
り、かつ表面エネルギーも低くその効果が長期にわたっ
て持続されることで、優れた画質を長期にわたって維持
し、繰り返し使用しても電位変動のない、機械的かつ化
学的耐久性を有する電子写真感光体、この電子写真感光
体を用いた画像形成方法、この電子写真感光体を有する
画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ
を提供することをその目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために、電子写真感光体を構成する最表層、特
に最表層を構成する材料と物性とに着目し、鋭意検討を
重ねた。その結果、最表面から支持体側へ1±0.3μ
m離れた位置における感光層の純水に対する接触角が8
5゜以上であり、かつ感光層の膜厚が4μm以上24μ
m以下であるような感光層を形成することにより、高解
像度であり、かつ表面エネルギーも低くその効果が長期
にわたって持続され、優れた画質を長期にわたって維持
し、繰り返し使用しても電位変動のない、機械的かつ化
学的耐久性を有する電子写真感光体が得られることを見
出し、この知見に基づいて本発明を完成するに到った。
【0012】即ち、本発明は以下の(1)から(16)
の態様からなる。 (1)導電性支持体上に感光層を設けた電子写真感光体
において、該感光層の最表面から支持体側へ1±0.3
μm離れた位置における感光層の純水に対する接触角が
85゜以上であり、かつ感光層の膜厚が4μm以上24
μm以下であることを特徴とする電子写真感光体。 (2)感光層が少なくともケイ素またはフッ素原子を有
するバインダー樹脂を含有することを特徴とする上記
(1)記載の電子写真感光体。 (3)感光層が少なくとも下記一般式(1)で表される
構成単位を有するポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂
又はポリカーボネート樹脂からなることを特徴とする上
記(1)記載の電子写真感光体。
【0013】
【化2】
【0014】〔式中、R、Rはハロゲン原子、炭素
数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基、炭素数1
〜6の無置換もしくは置換のアルコキシ基、又は無置換
もしくは置換のアリール基を示し(R、Rが各々複
数個存在するときは同一であっても別異であってもよ
い)、Rは炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアル
キル基、又は下記一般式(2) −(CHCH (2) [式中、Nは8〜27の整数を表す。]で表されるアル
キル基を示し、a、bは各々0〜4の整数を示し、Nは
8〜27の整数を示す。〕
【0015】(4)導電性支持体上に少なくとも電荷発
生層、電荷輸送層を順次設けた積層型電子写真感光体に
おいて、該電荷輸送層の最表面から支持体側へ1±0.
3μm以上離れた位置における感光層の純水に対する接
触角が85゜以上であり、かつ電荷輸送層の膜厚が2μ
m以上20μm以下であることを特徴とする電子写真感
光体。 (5)電荷輸送層が少なくとも電荷輸送材料とケイ素ま
たはフッ素原子を有するバインダー樹脂を含有すること
を特徴とする上記(4)記載の電子写真感光体。 (6)電荷輸送層が少なくとも電荷輸送材料と上記一般
式(1)で表される構成単位を有するポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂又はポリカーボネート樹脂からな
ることを特徴とする上記(4)記載の電子写真感光体。 (7)電荷輸送層が少なくとも電荷輸送材料からなる層
の上に、少なくともケイ素またはフッ素原子を有するバ
インダー樹脂からなる層を順次設けた積層構造で構成さ
れることを特徴とする上記(4)記載の電子写真感光
体。 (8)電荷輸送層が少なくとも電荷輸送材料からなる層
の上に、少なくとも上記一般式(1)で表される構成単
位を有するポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂又はポ
リカーボネート樹脂からなる層を順次設けた積層構造で
構成されることを特徴とする上記(4)記載の電子写真
感光体。 (9)電荷輸送層が少なくとも電荷輸送材料からなる層
の上に、少なくともケイ素またはフッ素原子を有するバ
インダー樹脂及びフィラーからなる層を順次設けた積層
構造で構成されることを特徴とする上記(4)記載の電
子写真感光体。 (10)電荷輸送層が少なくとも電荷輸送材料からなる
層の上に、少なくとも上記一般式(1)で表される構成
単位を有するポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂又は
ポリカーボネート樹脂及びフィラーからなる層を順次設
けた積層構造で構成されることを特徴とする上記(4)
記載の電子写真感光体。 (11)フィラーが酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、
酸化ジルコニウム、酸化インジウム、窒化ケイ素、酸化
カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、コロイダルシリ
カ、アルミナ、カーボンブラック、フッ素系樹脂微粉
末、ポリシロキサン系樹脂微粉末、ポリエチレン系樹脂
微粉末、コア−シェル構造を有するグラフト共重合体か
ら選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする上記
(9)または(10)記載の電子写真感光体。 (12)電子写真感光体の表面における純水に対する接
触角が85゜以上であることを特徴とする上記(1)〜
(11)のいずれかに記載の電子写真感光体。 (13)上記(1)〜(12)のいずれかに記載の電子
写真感光体を用いて、帯電、像露光、現像及び転写を行
うことを特徴とする画像形成方法。 (14)上記(1)〜(12)のいずれかに記載の電子
写真感光体を有すると共に、帯電手段、像露光手段、現
像手段及び転写手段を備えたことを特徴とする画像形成
装置。 (15)像露光手段における書込光源の波長が400〜
450Nmの範囲に発振波長を有する半導体レーザーも
しくは発光ダイオードであることを特徴とする上記(1
4)記載の画像形成装置。 (16)上記(1)〜(12)のいずれかに記載の電子
写真感光体と、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転
写手段及びクリーニング手段から選ばれた少なくとも一
つの手段とを一体的に形成し、画像形成装置本体に着脱
自在としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカ
ートリッジ。
【0016】以下、本発明の構成及び効果について詳細
に説明する。電子写真感光体の層構成について まず、本発明の電子写真感光体の層構成を図面に基づい
て説明する。図1〜図3は本発明の電子写真感光体の断
面を概略的に示したものである。
【0017】図1に示したものは、感光層が単層構造と
なっており、導電性支持体1上に電荷発生材料と電荷輸
送性材料とバインダー樹脂とを主成分とする感光層2
(以下、電荷輸送層と電荷発生層を併せたもの、または
どちらか一方を指して感光層と言うことがある)を設け
た構成をとっている。
【0018】図2に示したものは、感光層が積層構造と
なっており、導電性支持体1上に電荷発生材料を主成分
とする電荷発生層3と、電荷輸送材料及びバインダー樹
脂を必須成分とする電荷輸送層4とが積層された構成を
とっている。また導電性支持体1上に電荷輸送層4、電
荷発生層3の順に積層して逆層型の電子写真感光体とす
ることもできる。
【0019】図3に示されたものは、感光層が積層構造
となっている他の例であり、導電性支持体1上に電荷発
生材料を主成分とする電荷発生層3と電荷輸送材料を主
成分とする電荷輸送層5とこの上の電荷輸送層6とが積
層された構成をとっている。また電荷輸送層6にはフィ
ラーが含有されていてもよい。さらに導電性支持体1と
感光層2または電荷発生層3との間に帯電性向上、接着
性向上もしくはレーザー書込光の干渉光によるモアレ画
像防止などを目的として中間層(図示せず)が形成され
ていてもよい。
【0020】次に感光層を形成する成分であるバインダ
ー樹脂について述べる。バインダー樹脂について 本発明に用いられるバインダー樹脂は、感光層の最表面
から支持体側へ1±0.3μm離れた位置における感光
層の純水に対する接触角が85゜以上を満足するもので
あるならば、化学構造的には何ら限定されるものではな
い。中でもケイ素原子又はフッ素原子を有するものが好
ましく用いられる。ケイ素原子を含有するものとして
は、例えば下記のごときものが挙げられる。
【0021】
【化3】
【0022】フッ素原子を含有するものとしては、例え
ば下記のごときものが挙げられる。
【0023】
【化4】
【0024】また、フッ素置換パラフィン系ポリマーと
ポリカーボネートとの共重合体が使用でき、その代表的
な例としてはポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニ
ル、エチレン−四フッ化エチレンコポリマー、四フッ化
エチレン−六フッ化プロピレンコポリマーなどとポリカ
ーボネートとの共重合体が挙げられる。さらに、下記一
般式(1)で表される構成単位を有するポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂又はポリカーボネート樹脂も好ま
しく用いられる。
【0025】
【化5】
【0026】〔式中、R、Rはハロゲン原子、炭素
数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基、炭素数1
〜6の無置換もしくは置換のアルコキシ基、又は無置換
もしくは置換のアリール基を示し(R、Rが各々複
数個存在するときは同一であっても別異であってもよ
い)、Rは炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアル
キル基、又は下記一般式(2) −(CHCH …(2) [式中、Nは8〜27の整数を表す。]で表されるアル
キル基を示し、a、bは各々0〜4の整数を示し、Nは
8〜27の整数を示す。〕
【0027】R、Rで示されるハロゲン原子として
は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙
げられる。R、Rで示される炭素数1〜6の無置換
もしくは置換アルキル基としては、直鎖、分岐鎖又は環
状のアルキル基が挙げられ、これらのアルキル基は、フ
ッ素原子、シアノ基、フェニル基もしくはハロゲン原子
又は炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキ
ル基で置換されたフェニル基を含有していてもよい。具
体的には、メチル基、エチル基、N−プロピル基、i−
プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、N−ブチル
基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−シアノ
エチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メ
チルベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基
等を挙げることができる。
【0028】R、Rで示される炭素数1〜6の無置
換もしくは置換アルコキシ基とは、上記のアルキル基を
アルコキシ基に代えたものであり、メトキシ基、エトキ
シ基、N−プロポキシ基、i−プロポキシ基、N−ブト
キシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキ
シ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ
基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、
トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0029】R、Rで示される無置換もしくは置換
アリール基は、複素環基を含めた基を表し、フェニル
基、ナフチル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、
ピレニル基、フルオレニル基、9 ,9−ジメチル−2
−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリ
フェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェ
ニル基、5H−ジベンゾ〔a ,d 〕シクロヘプテニリ
デンフェニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリ
ル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基、ピリジニル
基、ピロリジル基、オキサゾリル基等が挙げられ、これ
らの基は、上記アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン
原子を置換基として有していてもよい。
【0030】Rで表される炭素数1〜6の無置換もし
くは置換アルキル基は、上記と同義である。一般式
(1)で表される構成単位を有するポリウレタン樹脂、
ポリエステル樹脂又はポリカーボネート樹脂は、下記一
般式(3)で表される基を有していてもよい。
【0031】
【化6】
【0032】〔式中、Xはイミノカルボニルオキシ
基、オキシカルボニル基又はオキシカルボニルオキシ基
を示し、Xは炭素数2〜20の無置換もしくは置換脂肪
族炭化水素2価基、無置換もしくは置換脂環式炭化水素
2価基、炭素数6〜20の無置換もしくは置換芳香族炭
化水素2価基、これら2価基が結合した2価基、下記式
(4)、(5)、もしくは(6)を示す。〕
【0033】
【化7】
【0034】
【化8】
【0035】
【化9】
【0036】〔式中、R、R、R、Rはハロゲ
ン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル基
又は無置換もしくは置換アリール基を示し(R
、R、Rが各々複数個存在するときは、同一で
あっても別異であってもよい)、c、dは0〜4の整数
を示し、e、fは0〜3の整数を示し、Yは単結合、炭
素数2〜12の直鎖状のアルキレン基、炭素数3〜12
の無置換もしくは置換分岐状アルキレン基、一つ以上の
炭素数1〜10のアルキレン基と一つ以上の酸素原子及
び硫黄原子から構成される2価基、−O−、−S−、−
SO−、−SO−、−CO−、−COO−又は下記式
(7)〜(18)の中から選ばれた一種を示す。
【0037】
【化10】
【0038】
【化11】
【0039】
【化12】
【0040】
【化13】
【0041】
【化14】
【0042】
【化15】
【0043】
【化16】
【0044】
【化17】
【0045】
【化18】
【0046】
【化19】
【0047】(式中、Zは炭素数2〜20の無置換も
しくは置換脂肪族炭化水素2価基又は無置換もしくは置
換アリレン基を示し、Zは炭素数2〜20の無置換も
しくは置換脂肪族炭化水素2価基又は無置換もしくは置
換アリレン基を示し、Rはハロゲン原子、炭素数1〜
6の無置換もしくは置換アルキル基、炭素数1〜6の無
置換もしくは置換のアルコキシ基又は無置換もしくは置
換アリール基を示し、R 、R10は水素原子、ハロゲ
ン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキル
基、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコキシ基
又は無置換もしくは置換アリール基を示し、またR
10が結合して炭素数5〜12の炭素環を形成しても
よく、R11、R12、R13、R14は水素原子、ハ
ロゲン原子、炭素数1〜6の無置換もしくは置換アルキ
ル基、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコキシ
基又は無置換もしくは置換アリール基を示し、R15
ハロゲン原子、炭素数1 〜6の無置換もしくは置換ア
ルキル基、炭素数1〜6の無置換もしくは置換のアルコ
シキ基又は無置換もしくは置換アリール基を示し、R
、R17は単結合又は炭素数1〜4のアルキレン基を
表し、R18、R19は炭素数1〜6の無置換もしくは
置換アルキル基又は無置換もしくは置換アリール基を示
し、gは0〜4の整数、hは1 又は2、i は0〜4の
整数、j は0〜20の整数、kは0〜2000の整数
を示す)
【0048】Xで示される無置換もしくは置換脂肪族炭
化水素2価基、無置換もしくは置換脂環式炭化水水素2
価基の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレン
グリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ぺンタンジオール、3−メチル−1,5−ぺン
タンジオール、1,6−へキサンジオール、1,5−へ
キサンジオール、1,7−へプタンジオール、1,8−
オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10
−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、
1,12−ドデカンジオール、ネオぺンチルグリコー
ル、2−エチル−1,6−へキサンジオール、2−メチ
ル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−
プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパ
ンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4
−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−
ジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘ
キシル)プロパン、キシリレンジオール、1,4−ビス
(2−ヒドロキシエチル)べンゼン、1,4−ビス(3
−ヒドロキシプロピル)べンゼン、1,4−ビス(4−
ヒドロキシブチル)べンゼン、1,4−ビス(5−ヒド
ロキシぺンチル)べンゼン、1,4−ビス(6−ヒドロ
キシヘキシル)べンゼン、イソホロンジオール等のジオ
ールからヒドロキシ基を2個除いた2価基を挙げること
ができる。Xで示される無置換もしくは置換芳香族2価
基としては上記無置換もしくは置換アリール基から誘導
される2価基を挙げることができ、無置換もしくは置換
アルキレン基としては、上記無置換もしくは置換アルキ
ル基から誘導される2価基を挙げることができる。
【0049】Yで示される一つ以上の炭素数1〜10の
アルキレン基と一つ以上の酸素原子及び硫黄原子から構
成される2価基に特に制限はないが、例えば具体例とし
て、OCHCHO、 OCHCHOCHCHO、 OCHCH
OCHCHOCHCHO、 OCH CHCHO、 OCHCH
CHCHO、 OCHCHCHCHCHCHO、 OCHCH
CHCHCHCHCHCHO、 CHO、 CHCH
O、 CHEtOCHEtO、 CHCHO、 SCHOCHS、 CH
OCH、 OCHOCHO、 SCHCHOCHOCHCH
S、 OCHCHCHOCHCHCHO、 SCHS、 SCHC
HS、 SCHCHCHS、 SCHCHCHCHS、 SC
HCHCHCHCHCHS、 SCHCHSCHCH S、
SCHCHOCHCHOCHCHS 等が挙げられる。
【0050】炭素原子数3〜12の分岐状のアルキレン
基に修飾する置換基としては、無置換もしくは置換アリ
ール基、又はハロゲン原子が挙げられる。Z、Z
無置換もしくは置換脂肪族の2価基である場合として
は、Xが脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基である場
合のジオールからヒドロキシ基を除いた2価基を挙げる
ことができる。また、Z、Zが無置換もしくは置換
アリレン基である場合として、上記無置換もしくは置換
アリール基から誘導される2価基を挙げることができ
る。
【0051】Xが芳香族の2価基である場合の好ましい
具体例としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジ
メチルプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−
(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ぺンタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メ
チルぺンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)へキサン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)へプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ノナン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソ
プロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロ
ヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−
クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)へキサフルオロプロパン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロぺンタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−
ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘプタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノルボルナ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマン
タン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニ
ルエーテル、エチレングリコールビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エーテル、1,3−ビス(4−ヒドロキシフ
ェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−ヒドロキシフ
ェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルスルフィド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒド
ロキシジフェニルスルフィド、3,3’,5,5’−テ
トラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフ
ィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシ
ド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロ
キシジフェニルスルホン、3,3’−ジフェニル−4,
4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジ
クロロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(3−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)ケトン、3,3,
3’,3’−テトラメチル−6,6’−ジヒドロキシス
ピロ(ビス)インダン、3,3’,4,4’−テトラヒ
ドロ−4,4,4’,4’−テトラメチル−2,2’−
スピロビ(2H−1−べンゾピラン)−7,7’−ジオ
ール、トランス−2,3−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−2−ブテン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)キサンテン、1,6−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1,6−へキサンジオン、α,α,α’,α’
−テトラメチル−α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラメ
チル−α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m
−キシレン、2,6−ジヒドロキシジベンゾ−p−ジオ
キシン、2,6−ジヒドロキシチアントレン、2,7−
ジヒドロキシフェノキサチイン、9,10−ジメチル−
2,7−ジヒドロキシフェナジン、3,6−ジヒドロキ
シジベンゾフラン、3,6−ジヒドロキシジベンゾチオ
フェン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,4−
ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシピレ
ン、ハイドロキノン、レゾルシン、4−ヒドロキシフェ
ニル−4−ヒドロキシベンゾエート、エチレングリコー
ル−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、ジエチレン
グリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、ト
リエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエ
ート)、p − フェニレン − ビス(4 − ヒドロキシ
ベンゾエート)、1 ,66 − ビス(4 − ヒドロキシ
ベンゾイルオキシ)− 1H , 1H , 6H ,6H − パー
フルオロヘキサン、1 , 4 − ビス(4 −ヒドロキシ
ベンゾイルオキシ)− 1H , 1H , 4H ,4H − パー
フルオロブタン、 1,3−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)テトラメチルジシロキサン等で示されるジオール
からヒドロキシ基を2個除いた2価基が挙げられる。な
お、同一表記のものは、上記と同義である。
【0052】本発明において用いるポリウレタン樹脂
は、上記一般式(1)で表される構成単位を有する樹脂
であり、ジオールとジイソシアネートとの重付加やジア
ミンとビスクロロホーメートの重縮合等、公知の方法に
よって製造することができる(高分子学会編、共立出版
(株)、「新高分子実験学3 、高分子の合成・反応
(2)縮合系高分子の合成」、p117〜119、p2
29〜233)。ジオールとジイソシアネートとの重合
反応においては、分子量を調節するために、分子量調節
剤として末端停止剤を用いることが望ましい。したがっ
て、本発明で使用されるポリウレタン樹脂の末端部に
は、末端停止剤に起因する置換基が結合してもよい。使
用される末端停止剤には、公知の1価の芳香族ヒドロキ
シ化合物、1価の芳香族ヒドロキシ化合物のハロホーメ
ート誘導体、1価のカルボン酸又は1価のカルボン酸の
ハライド誘導体等がある。
【0053】これらの末端封止剤は単独で使用してもよ
く、複数を併用してもよい。好ましい末端停止剤として
は、1価の芳香族ヒドロキシ化合物であるフェノール、
p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノー
ル等又はクロロギ酸フェニル等を挙げることができる。
このようにして得られたポリウレタン樹脂は、重合中に
使用した触媒や酸化防止剤、未反応のジオールや末端停
止剤又は重合中に生成した無機塩等の不純物を除去して
使用に供される。
【0054】本発明において用いるポリエステル樹脂
は、上記一般式(1)で表される構成単位を有する樹脂
であり、ジオール(ビスフェノールを含む)とジカルボ
ン酸誘導体との求核アシル置換重合、ジカルボン酸塩と
脂肪族炭化水素ジハライドとの求核脂肪族炭化水素基置
換重合等によって製造することができる(高分子学会
編、共立出版(株)、「新高分子実験学3 、高分子の
合成・反応(2)縮合系高分子の合成」、p49〜54
、p77〜95)。反応温度溶媒、触媒、分子量調節
剤等についても、公知の条件が採用できる。ジオールと
ジカルボン酸誘導体の重合反応においては、分子量を調
節するために、分子量調節剤として末端停止剤を用いる
ことが望ましい。したがって、本発明で使用されるポリ
エステル樹脂の末端部には、末端停止剤に起因する置換
基が結合してもよい。
【0055】本発明において用いるポリカーボネート樹
脂は、上記一般式(1)で表される構成単位を有する樹
脂であり、ビスフェノールと炭酸誘導体との重合反応に
よって製造することができる(編者本間清一、日刊工業
新聞社「ポリカーボネート樹脂ハンドブック」)。少な
くともジオールの1種を使用するビスアリールカーボネ
ートとのエステル交換法、ジオールとホスゲン等のハロ
ゲン化カルボニル化合物との溶液重合法又は界面重合
法、ジオールから誘導されるビスクロロホーメート等を
用いる方法等により製造することができる。また、機械
的特性を調節するために、共重合ポリカーボネート樹脂
を使用することもできる。反応温度溶媒、触媒、分子量
調節剤等についても、公知の条件が採用できる。ジオー
ルとジカルボン酸誘導体の重合反応においては、分子量
を調節するために、分子量調節剤として末端停止剤を用
いることが望ましい。したがって、本発明で使用される
ポリカーボネート樹脂の末端部には、末端停止剤に起因
する置換基が結合してもよい。
【0056】本発明の電子写真感光体に使用されるポリ
ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂又はポリカーボネート
樹脂の分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で1
000〜1000000であり、好ましくは、2000
〜500000である。この分子量が1000未満で
は、機械的強度が小さくなり、成膜時にひびが入ったり
して実用性に乏しくなり、1000000を越えると、
一般溶媒に対する溶解性が悪くなったり、溶液の粘度が
高くなって塗工が困難になったりして実用上、その取扱
いに不都合を生じることとなる。機械的特性等を改良す
るために、重合時に分岐化剤を少量加えることもでき、
分岐化剤としては、芳香族ヒドロキシル基、ハロホーメ
ート基、カルボン酸基、カルボン酸ハライド基又は活性
なハロゲン原子等から選ばれる反応基を3個(同種でも
異種でもよい)以上有する化合物が挙げられる。これら
の分岐化剤は単独で使用してもよく、複数を併用しても
よい。
【0057】これらの樹脂は、バインダー樹脂として機
能するものであり、電荷輸送層に含有され、導電性支持
体上から最も離れた部位に存在させることが好ましい。
すなわち、感光体の最表層にこれらの樹脂を含有させた
場合、表面エネルギーを低下させる効果を奏するからで
ある。
【0058】その理由は、構成単位の分子構造内に、必
ず一個の長鎖アルキル基が存在することに由来する。一
般に、分子内に長鎖アルキル基を有するものは、臨界表
面張力がシロキサン系樹脂と同様に小さいことが知られ
ている。このため、本件樹脂を最表層に用いた場合、感
光体の表面摩擦抵抗が小さくなり、高耐久化が可能にな
るものである。また同時に、画質低下の原因と考えられ
るイオン性化合物が表面に付着する量を軽減する作用を
持っているため、高画質が長時間にわたって維持される
という効果をも奏することとなる。
【0059】さらに長鎖アルキル基部位の長鎖数は幅広
く選択できるため、合成の自由度が高く、また、所望の
表面物性に容易に調整できるという利点を有している。
しかし通常は、長鎖アルキル基が上記一般式(1)にお
いて、Nが7以下の場合は十分に臨界表面表力が小さく
ならないこと、Nが28以上の場合はモノマーの結晶性
が増し、樹脂の製造が困難となることから、本発明にお
いては、Nが8 〜27のものが採用されるのである。
【0060】一般式(1)で表される構成単位を有する
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂又はポリカーボネ
ート樹脂において、一般式(1)の構成単位の含有する
割合は、1モル%以上、好ましくは5モル%以上、より
好ましくは20モル%以上である。この割合が1モル%
未満では、臨界表面張力が過大となり、実質的にその効
果を示さない。
【0061】感光層の純水に対する接触角について 従来公知の低表面エネルギーユニットをもつバインダー
樹脂を用いた感光層は、表面配向により純水に対する接
触角は初期的には100゜以上の優れた撥水性を示すも
のもある。しかしながら、最表層が機械的摩耗等のため
削れていくのに伴い、接触角は通常大幅に低下すること
も知られている。例えば低表面エネルギーバインダ−樹
脂として知られているシロキサン共重合ポリカーボネー
トをバインダー樹脂として用いた場合、減耗後の接触角
は通常85゜以下である。減耗後も低表面エネルギー状
態を保つためには感光層のバルクとして低表面エネルギ
ーユニットを多く有していることが必要である。本発明
は低表面エネルギーバインダーの中でも特に低表面エネ
ルギーユニットの含有率の高いものが望ましく用いられ
る。
【0062】また感光層のバルクの純水に対する接触角
は、実機中で感光体が1±0.3μm減耗した表面の接
触角として定義される。最表面ではなく、感光体が1μ
m近くまで減耗した後は、接触角は一定となるので、1
±0.3μm減耗した個所の値を測定すればよい。これ
を測定するには実用に供されている複写機に感光体を装
填して、実写テストを行なって摩耗させるのが実用的で
ある。しかし摩耗のさせ方として、例えば20℃、50
%RHの環境下で、荷重1000g、摩耗輪CS−5、
回転速度60rpmの条件でテーバー摩耗試験器(東洋
精機社製)にて1000回転程度させて表面を削っても
良い。純水に対する接触角の測定は、接触角計CA−W
型(協和界面科学社製)を用い、液滴法にて測定するこ
とができる。そして本発明のように電子写真感光体の最
表面から1±0.3μm離れた位置の純水に対する接触
角が85゜以上であることが好ましい。より好ましくは
95゜以上である。純水に対する接触角が85゜以上の
時、感光体の表面エネルギーの低下が達成される。感光
体表面の純水に対する接触角が85゜未満の場合、電子
写真プロセスによる繰り返し使用によって表面に帯電生
成物やトナーや紙からもたらされる脱落物が付着し易
く、クリーニング不良や表面抵抗の低下による潜像の劣
化(画像流れ)を生じやすい。一方純水に対する接触角
が大きすぎても、今度は感光体との接着が不十分となる
ので140゜以下が好ましい。
【0063】特開平11−65134号公報記載には、
導電性支持体上に感光層を設けてなる電子写真感光体に
おいて、該感光層の最表面から1μm以上離れた位置の
純水に対する接触角が90°以上であり、感光層の膜厚
が25μm以上であることを特徴とする電子写真感光体
が提案されている。この明細書の中では、バルクの接触
角が大きいとクラック等が問題となり、その解決手段と
して感光層の膜厚が25μm以上に厚膜化することが記
載されている。
【0064】一方本発明が解決しようとする課題は高解
像度であり、同時に表面エネルギーも低くその効果が長
期にわたって持続されることを目的とした電子写真感光
体を提供することにあり、前記の発明とは課題が異な
る。本発明者らは鋭意検討した結果、高解像度を達成す
るための成立用件として、感光層の膜厚が4μm以上2
4μm以下、また電荷輸送層の膜厚が2μm以上20μ
m以下に薄膜化することと、同時に低表面エネルギー状
態が長期にわたって維持されるために、感光体の最表面
から支持体側へ1±0.3μm離れた位置における純水
に対する接触角が85゜以上の感光体であれば良いこと
を見いだした。すなわち以上の構成用件を同時に満たす
感光体構成をとることで本発明の課題が初めて達成され
る。
【0065】フィラーについて 本発明の電子写真感光体は、機械的耐久性を調節するた
めにフィラーを含有させることができる。フィラーとし
ては、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ジルコニ
ウム、酸化インジウム、窒化ケイ素、酸化カルシウム、
硫酸バリウム、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、
カーボンブラック、フッ素系樹脂微粉末、ポリシロキサ
ン系樹脂微粉末、ポリエチレン系樹脂微粉末、コア−シ
ェル構造を有するグラフト共重合体等が挙げられる。こ
れらフィラーは、分散性向上等のために無機物、有機物
で表面処理されていてもよい。一般に、撥水性処理とし
てシランカップリング剤で処理したもの又はフッ素系シ
ランカップリング剤処理したもの、高級脂肪酸処理した
ものがあり、無機物処理としては、フィラー表面をアル
ミナ、ジルコニア、酸化スズ、シリカ処理したものが挙
げられる。
【0066】フィラー含有量は、フィラーを含有させる
層に対し、重量基準で通常は、5〜50%、好ましく
は、10〜40%である。5%未満では、摩耗性の向上
が十分に図れないことがあり、50%を越えると、電荷
輸送層全体の透明性が損なわれることがあるので望まし
くない。フィラーの平均粒径は、通常は、0.05 〜
1.0μm 、好ましくは、0.05〜0.8μmであ
る。0.05μm未満では、耐摩耗性の向上が望めず、
1.0μmを越えると、フィラーを含有する表面の凹凸
が大きくなり、フィラーがクリーニングブレードを傷つ
け、クリーニング不良が発生することがあるので望まし
くない。
【0067】分散溶媒としてはメチルエチルケトン、ア
セトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンの
ケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセ
ロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの
芳香族類、クロロベンゼン、ジクロルメタンなどのハロ
ゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類が使
用される。粉砕工程を加える場合はボールミル、サンド
ミル、振動ミルなどを用いる。塗工方法としては浸漬
法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ
法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷
法等が採用される。
【0068】電荷輸送層について 電荷輸送層に用いられる電荷輸送材料には従来公知の電
荷輸送物質を用いることができ、これらの電荷輸送材料
は単独または2種類以上混合して用いられる。電荷輸送
材料のうち低分子型正孔輸送材料としては、以下の一般
式で示される化合物がある。
【0069】
【化20】
【0070】(式中、Rはメチル基、エチル基、2−
ヒドロキシエチル基または2−クロルエチル基を表し、
はメチル基、エチル基、ベンジル基またはフェニル
基を表し、Rは水素原子、塩素原子、臭素原子、炭素
数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、
ジアルキルアミノ基またはニトロ基を表す。)
【0071】
【化21】
【0072】(式中、Arはナフタレン環、アントラセ
ン環、ピレン環及びそれらの置換体あるいはピリジン
環、フラン環、チオフェン環を表し、Rはアルキル基、
フェニル基またはベンジル基を表す。)
【0073】
【化22】
【0074】(式中、Rはアルキル基、ベンジル基、
フェニル基またはナフチル基を表し、Rは水素原子、
炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ
基、ジアルキルアミノ基、ジアラルキルアミノ基または
ジアリールアミノ基を表し、Nは1〜4の整数を表し、
Nが2以上のときはRは同じでも異なっていても良
い。 Rは水素原子またはメトキシ基を表す。)
【0075】
【化23】
【0076】(式中、 Rは炭素数1〜11のアルキ
ル基、置換もしくは無置換のフェニル基または複素環基
を表し、 R、Rはそれぞれ同一でも異なっていて
もよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロ
キシアルキル基、クロルアルキル基または置換もしくは
無置換のアラルキル基を表し、また、 RとRは互
いに結合し窒素を含む複素環を形成していても良い。
は同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数
1〜4のアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子
を表す。)
【0077】
【化24】
【0078】(式中、Rは水素原子またはハロゲン原子
を表し、Arは置換もしくは無置換のフェニル基、ナフ
チル基、アントリル基またはカルバゾリル基を表す。)
【0079】
【化25】
【0080】(式中、 Rは水素原子、ハロゲン原
子、シアノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基または炭素
数1〜4のアルキル基を表し、Arは
【0081】
【化26】
【0082】
【化27】
【0083】を表し、 Rは炭素数1〜4のアルキル
基を表し、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜
4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはジ
アルキルアミノ基を表し、Nは1または2であって、N
が2のときはRは同一でも異なっていてもよく、
、Rは水素原子、炭素数1〜4の置換もしくは無
置換のアルキル基または置換もしくは無置換のベンジル
基を表す。)
【0084】
【化28】
【0085】(式中、Rはカルバゾリル基、ピリジル
基、チエニル基、インドリル基、フリル基あるいはそれ
ぞれ置換もしくは非置換のフェニル基、スチリル基、ナ
フチル基、またはアントリル基であって、これらの置換
基がジアルキルアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、
カルボキシ基またはそのエステル、ハロゲン原子、シア
ノ基、アラルキルアミノ基、N−アルキル−N−アラル
キルアミノ基、アミノ基、ニトロ基及びアセチルアミノ
基からなる群から選ばれた基を表す。)
【0086】
【化29】
【0087】(式中、Rは低級アルキル基、置換もし
くは無置換のフェニル基、またはベンジル基を表し、R
は水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハ
ロゲン原子、ニトロ基、アミノ基あるいは低級アルキル
基またはベンジル基で置換されたアミノ基を表し、Nは
1または2の整数を表す。)
【0088】
【化30】
【0089】(式中、 Rは水素原子、アルキル基、
アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、 Rおよび
はアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基
あるいは置換もしくは無置換のアリール基を表し、 R
は水素原子、低級アルキル基または置換もしくは無置
換のフェニル基を表し、また、Arは置換もしくは無置
換のフェニル基またはナフチル基を表す。)
【0090】
【化31】
【0091】(式中、Nは0または1の整数、 R
水素原子、アルキル基または置換もしくは無置換のフェ
ニル基を表し、Arは置換もしくは未置換のアリール
基を表し、Rは置換アルキル基を含むアルキル基、あ
るいは置換もしくは無置換のアリール基を表し、Aは
【0092】
【化32】
【0093】9−アントリル基または置換もしくは無置
換のカルバゾリル基を表し、ここでRは水素原子、ア
ルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子または
【0094】
【化33】
【0095】(ただし、RおよびRはアルキル基、
置換もしくは無置換のアラルキル基または置換もしくは
無置換のアリール基を示し、 RおよびRは同じで
も異なっていてもよく、 Rは環を形成しても良い)
を表し、mが2以上の時はRは同一でも異なっても良
い。また、Nが0の時、AとRは共同で環を形成して
も良い。)
【0096】
【化34】
【0097】(式中、R、RおよびRは水素原
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子
またはジアルキルアミノ基を表し、Nは0または1を表
す。)
【0098】
【化35】
【0099】(式中、 RおよびRは置換アルキル
基を含むアルキル基、または置換もしくは未置換のアリ
ール基を表し、 Aは置換アミノ基、置換もしくは未置換
のアリール基またはアリル基を表す。)
【0100】
【化36】
【0101】(式中、Xは水素原子、低級アルキル基ま
たはハロゲン原子を表し、Rは置換アルキル基を含むア
ルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表
し、 Aは置換アミノ基または置換もしくは無置換のアリ
ール基を表す。)
【0102】
【化37】
【0103】(式中、 Rは低級アルキル基、低級ア
ルコキシ基またはハロゲン原子を表し、R、Rは同
じでも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル
基、低級アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、l、
m、Nは0〜4の整数を表す。)
【0104】
【化38】
【0105】(式中、 R、RおよびRは水素原
子、アミノ基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリ
ールオキシ基、メチレンジオキシ基、置換もしくは無置
換のアルキル基、ハロゲン原子または置換もしくは無置
換のアリール基を、Rは水素原子、アルコキシ基、置
換もしくは無置換のアルキル基またはハロゲン原子を表
す。ただし、 R、R、RおよびRはすべて水
素原子である場合は除く。また、k,l,mおよびNは
1、2、3または4の整数であり、それぞれが2、3ま
たは4の整数の時は、前記R、R、RおよびR
は同じでも異なっていても良い。)
【0106】
【化39】
【0107】(式中、Arは置換基を有してもよい炭素
数18個以下の縮合多環式炭化水素基を表し、また、
およびRは水素原子、ハロゲン原子、置換もしく
は無置換のアルキル基、アルコキシ基、置換もしくは無
置換のフェニル基を表し、それぞれ同じでも異なってい
ても良い。Nは1もしくは2の整数を表す。)
【0108】
【化40】
【0109】(式中、Arは置換もしくは無置換の芳香
族炭化水素基を表し、Aは
【0110】
【化41】
【0111】(ただし、Ar’は置換もしくは無置換の
芳香族炭化水素基を表し、 RおよびRは置換もし
くは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換の
アリール基である。)を表す。)
【0112】
【化42】
【0113】(式中、Arは置換もしくは無置換の芳香
族炭化水素基を、Rは水素原子、置換もしくは無置換の
アルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を
表す。Nは0または1、mは1または2であって、N=
0、m=1の場合、ArとRは共同で環を形成しても良
い。)
【0114】一般式(4)で表される化合物には、例え
ば、9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド−1−メ
チル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチルカルバゾー
ル−3−アルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒド
ラゾン、9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド−
1、1−ジフェニルヒドラゾンなどがある。
【0115】また、一般式(5)で表される化合物に
は、例えば、4−ジエチルアミノスチリル−β−アルデ
ヒド−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、4−メト
キシナフタレン−1−アルデヒド−1−ベンジル−1−
フェニルヒドラゾンなどがある。
【0116】一般式(6)で表される化合物には、例え
ば、4−メトキシベンズアルデヒド−1−メチル−1−
フェニルヒドラゾン、2、4−ジメトキシベンズアルデ
ヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4−ジ
エチルアミノベンズアルデヒド−1、1−ジフェニルヒ
ドラゾン、4−メトキシベンズアルデヒド−1−(4−
メトキシ)フェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノ
ベンズアルデヒド−1−ベンジル−1−フェニルヒドラ
ゾン、4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−1、1
−ジフェニルヒドラゾンなどがある。また、
【0117】一般式(7)で表される化合物には、例え
ば、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プ
ロパン、トリス(4−ジエチルアミノフェニル)メタ
ン、1、1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プ
ロパン、2,2’−ジメチル−4,4’−ビス(ジエチ
ルアミノ)−トリフェニルメタンなどがある。一般式
(8)で表される化合物には、例えば、9−(4−ジエ
チルアミノスチリル)アントラセン、9−ブロム−10
−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンなどが
ある。また、一般式(9)で表される化合物には、例え
ば、9−(4−ジメチルアミノベンジリデン)フルオレ
ン、3−(9−フルオレニリデン)−9−エチルカルバ
ゾールなどがある。
【0118】また、一般式(12)で表される化合物に
は、例えば、1,2−ビス(4−ジエチルアミノスチリ
ル)ベンゼン、1,2−ビス(2,4−ジメトキシスチ
リル)ベンゼンなどがある。一般式(13)で表される
化合物には、例えば、3−スチリル−9−エチルカルバ
ゾール、3−(4−メトキシスチリル)−9−エチルカ
ルバゾールなどがある。一般式(14)で表される化合
物には、例えば、4−ジフェニルアミノスチルベン、4
−ジベンジルアミノスチルベン、4−ジトリルアミノス
チルベン、1−(4−ジフェニルアミノスチリル)ナフ
タレン、1−(4−ジエチルアミノスチリル)ナフタレ
ンなどがある。一般式(15)で表される化合物には、
例えば、4’−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチル
ベン、4’−ビス(4−メチルフェニル)アミノ−α−
フェニルスチルベンなどがある。
【0119】一般式(18)で表される化合物には、例
えば、1−フェニル−3−(4−ジエチルアミノスチリ
ル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン
などがある。一般式(19)で表される化合物には、例
えば、2、5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−
1,3,4−オキサジアゾール、2−N、N−ジフェニ
ルアミノ−5−(4−ジエチルアミノフェニル)−1,
3,4−オキサジアゾール、2−(4−ジメチルアミノ
フェニル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)−
1,3,4−オキサジアゾールなどがある。一般式(2
0)で表される化合物には、例えば、2−N、N−ジフ
ェニルアミノ−5−(N−エチルカルバゾール−3−イ
ル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4−ジエ
チルアミノフェニル)−5−(N−エチルカルバゾール
−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾールなどがあ
る。
【0120】一般式(21)で表されるベンジジン化合
物には、例えば、N,N’−ジフェニル− N,N’−
ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニ
ル]−4,4’−ジアミン、3,3’−ジメチル−N,
N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−
[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンなどが
ある。また、一般式(22)で表されるビフェニリルア
ミン化合物には、例えば、4’−メトキシ− N,N−
ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン、
4’−メチル− N,N−ビス(4−メチルフェニル)
−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン、4’−メト
キシ− N,N−ビス(4−メチルフェニル)−[1,
1’−ビフェニル]−4−アミン、N,N−ビス(3,
4−ジメチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−
4−アミンなどがある。また、
【0121】一般式(23)で表されるトリアリールア
ミン化合物には、例えば、1−ジフェニルアミノピレ
ン、1−ジ(p−トリルアミノ)ピレン、N,N−ジ
(p−トリル)−1−ナフチルアミン、N,N−ジ(p
−トリル)−1−フェナントリルアミン、9,9−ジメ
チル−2−(ジ−p−トリルアミノ)フルオレン、N,
N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−
フェナントレン−9,10−ジアミン、N,N,N’,
N’−テトラキス(3−メチルフェニル)−m−フェニ
レンジアミンなどがある。また、一般式(24)で表さ
れるジオレフィン芳香族化合物には、例えば、1、4−
ビス(4−ジフェニルアミノスチリル)ベンゼン、1、
4−ビス[4−ジ(p−トリル)アミノスチリル]ベン
ゼンなどがある。また、一般式(26)で表されるスチ
リルピレン化合物には、例えば、1−(4−ジフェニル
アミノスチリル)ピレン、1− [4−ジ(p−トリ
ル)アミノスチリル]ピレンなどがある。
【0122】また高分子型正孔輸送材料としては例え
ば、ポリ−N−カルバゾール誘導体、ポリ−γ−カルバ
ゾリルエチルグルタメート誘導体、ピレン−ホルムアル
デヒド縮合物誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフ
ェナントレン、オキサゾール誘導体、イミダゾール誘導
体、アセトフェノン誘導体(特開平7−325409号
公報に記載)、ジスチリルベンゼン誘導体、ジフェネチ
ルベンゼン誘導体(特開平9−127713号公報に記
載)、α−フェニルスチルベン誘導体(特開平9−29
7419号公報に記載)、ブタジエン誘導体(特開平9
−80783号公報に記載)、水素化ブタジエン(特開
平9−80784号公報に記載)、ジフェニルシクロヘ
キサン誘導体(特開平9−80772号公報に記載)、
ジスチリルトリフェニルアミン誘導体(特開平9−22
2740号公報に記載)、ジフェニルジスチリルベンゼ
ン誘導体(特開平9−265197号、同9−2652
01号公報に記載)、スチルベン誘導体(特開平9−2
11877号公報に記載)、m−フェニレンジアミン誘
導体(特開平9−304956号、同9−304957
号公報に記載)、レゾルシン誘導体(特開平9−329
907号公報に記載)、トリアリールアミン誘導体(特
開昭64−9964号、特開平7−199503号、特
開平8−176293号、特開平8−208820号、
特開平8−253568号、特開平8−269446
号、特開平3−221522号、特開平4−11627
号、特開平4−183719号、特開平4−12416
3号、特開平4−320420号、特開平4−3165
43号、特開平5−310904号、特開平7−563
74号、特開平8−62864号各公報、米国特許5,
428,090号、同5,486,439号各明細書)
などが挙げられる。
【0123】電荷輸送物質のうち、電子輸送物質として
は従来公知の電子輸送材料が使用される。例えば、クロ
ルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テト
ラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−
フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フ
ルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサント
ン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,
8−トリニトロ−インデノ4H−インデノ[1、2−
b]チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジ
ベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどを挙げる
ことができ、さらに下記(27)、(28)、(29)
式に挙げる電子輸送材料を好適に使用することができ
る。これらの電荷輸送材料は単独または2種類以上混合
して用いられる。
【0124】
【化43】
【0125】
【化44】
【0126】
【化45】
【0127】電荷輸送材料の量はバインダー樹脂1重量
部に対し、0〜3重量部、好ましくは0〜1.5重量部
が適当である。電荷輸送層の塗工方法としては浸漬法、
スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グ
ラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が
採用される。電荷輸送層4及び5の膜厚は2μm以上2
0μm以下が好ましい。また、電荷輸送層6の膜厚は
0.5〜10μmで好ましくは0.5〜5μmである。
本発明において電荷輸送層は可塑剤やレベリング剤を添
加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、
ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使
用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、
バインダー樹脂に対して0〜30重量%程度が適当であ
る。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイ
ル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーン
オイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポ
リマーあるいは、オリゴマーが使用され、その使用量は
バインダー樹脂に対して、0〜2重量%が適当である。
【0128】電荷発生層について 電荷発生材料としては、例えばセレン、セレン−テル
ル、硫化カドミウム、硫化カドミウム−セレン、α−シ
リコンなどの無機材料、有機材料としては例えばシーア
イピグメントブルー25(カラーインデックスCI21
180)、シーアイピグメントレッド41(CI212
00)、シーアイアシッドレッド52(CI4510
0)、シーアイベーシックレッド3(CI4521
0)、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭53
−95033号公報に記載)、ジスチリルベンゼン骨格
を有するアゾ顔料(特開昭53−133445号公
報)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料(特開
昭53−132347号公報に記載)、ジベンゾチオフ
ェン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−21728号
公報に記載)、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料
(特開昭54−12742号公報に記載)、フルオレノ
ン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−22834号公
報に記載)、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料(特
開昭54−17733号公報に記載)、ジスチリルオキ
サジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−21
29号公報に記載)、ジスチリルカルバゾール骨格を有
するアゾ顔料(特開昭54−14967号公報に記載)
などのアゾ顔料、例えばシーアイピグメントブルー16
(CI74100)などのフタロシアニン系顔料、例え
ばシーアイバットブラウン5(CI73410)、シー
アイバットダイ(CI73030)などのインジゴ系顔
料、アルゴスカーレットB(バイエル社製)、インダン
スレンスカーレットR(バイエル社製)などのペリレン
系顔料などが挙げられる。なお、これらの電荷発生材料
は単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。
【0129】電荷発生層は、電荷発生材料と適当な溶媒
に、必要に応じてバインダー樹脂を加え溶解もしくは分
散し、塗布して乾燥させることにより設けることができ
る。バインダー樹脂としては、本件樹脂以外にも絶縁性
がよい、従来から知られているバインダー樹脂であれば
何でも使用でき特に限定はない。従来公知のバインダー
樹脂としては例えば、ポリエチレン、ポリビニルブチラ
ール、ポリビニルホルマール、フェノキシ樹脂、ポリプ
ロピレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル
樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹
脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹
脂、ポリアミド樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹脂等の
付加重合型樹脂、重付加型樹脂、重縮合型樹脂、ならび
にこれらの樹脂の繰り返し単位のうち2つ以上を含む共
重合体樹脂、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、
スチレン−アクリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
−無水マレイン酸共重合体樹脂等の絶縁性樹脂のほか、
ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が
挙げられる。これらのバインダーは単独または2種類以
上の混合物として用いることが出来る。バインダー樹脂
の量は、電荷発生材料1重量部に対し0〜5重量部、好
ましくは0.1〜3重量部が適当である。
【0130】電荷発生層の分散液或いは溶液を調整する
際に使用する溶媒としては、例えば、N,N−ジメチル
ホルムアミド、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼ
ン、1,2−ジクロルエタン、1,1,1−トリクロル
エタン、ジクロルメタン、1,1,2−トリクロルエタ
ン、トリクロルエチレン、テトラヒドロフラン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジオキサン等を挙げる
ことができる。
【0131】電荷発生層用分散液の分散方法としては、
例えば、ボールミル、超音波、ホモミキサー等が挙げら
れ、また塗布手段としては、ディッピング塗工法、ブレ
ード塗工法、スプレー塗工法等が挙げられる。電荷発生
材料を分散し、感光層を形成する場合、層中への分散性
を良くするために、その電荷発生材料は2μm以下、好
ましくは1μm以下の平均粒径のものが好ましい。ただ
し、上記の粒径があまりに小さいとかえって凝集しやす
く、層の抵抗が上昇したり、結晶欠陥が増えて感度及び
繰り返し特性が低下したり、或いは微細化する上で限界
があるから、平均粒径の下限を0.01μmとするのが
好ましい。電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度
が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。さら
に上記感光層中には、帯電性の向上等を目的に、フェノ
ール化合物、ハイドロキノン化合物、ヒンダードフェノ
ール化合物、ヒンダードアミン化合物、ヒンダードアミ
ンとヒンダードフェノールが、同一分子中に存在する化
合物などを添加することが出来る。
【0132】導電性支持体について 本発明の感光体製造において導電性支持体には以下のも
のが使用することができる。すなわち体積抵抗1010
Ω以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッ
ケル、チタン、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、
鉄などの金属、また酸化スズ、酸化インジウムなどの酸
化物を蒸着またはスパッタリングによりフィルム状もし
くは円筒状のプラスチック、紙等に被覆したもの、ある
いはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステ
ンレスなどの板およびそれらを押出し、引き抜きなどの
工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨などで表面処理
した管などが挙げられる。
【0133】中間層について 導電性支持体上に中間層を設けることができる。中間層
は導電性支持体と感光層との接着性を向上する、モワレ
などを防止する、上層の塗工性を改良する、残留電位を
低減するなどの目的で設けられる。中間層は一般に樹脂
を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶
剤でもって塗布することを考えると、一般の有機溶剤に
対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。この
ような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイ
ン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合
ナイロン、メトキシメチル化ナイロン、等のアルコール
可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド
−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形
成する硬化型樹脂などが挙げられる。また、モアレ防
止、抵抗値の最適化等のために酸化チタン、シリカ、ア
ルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム
等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属
窒化物などの微粉末を加えてもよい。これらの中間層
は、適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができ
る。更にシランカップリング剤、チタンカップリング
剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。
【0134】この他に本発明の中間層には Al
を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パ
リレン)等の有機物や、SiO,SNO,TiO
ITO,CeO等の無機物を真空薄膜作製法にて設け
たものも良好に使用できる。中間層の膜厚は0〜5μm
が適当である。
【0135】酸化防止剤について 本発明の感光体においては、化学的耐久性の更なる向上
の目的で、とりわけ感度低下、残留電位の上昇を防止す
る目的で、酸化防止剤を添加することができる。酸化防
止剤は、有機物を含む層ならばいずれに添加してもよい
が、電荷輸送材料を含む層に添加すると良好な結果を得
ることができる。酸化防止剤にはその機能、作用から連
鎖反応開始阻害剤、ラジカル連鎖反応禁止剤及び過酸化
物分解剤に分類される。
【0136】連鎖反応開始阻害剤としてはフェニルサリ
チレート、モノグリコールサリチレート、2−ヒドロキ
シ−4−メトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロ
キシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、レ
ゾルシノールモノベンゾエート、N−サリシロイル−
N’−アルデヒドヒドラジン、N,N’−ジフェニルオ
キサミド、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−
1,2−ジヒドロキノリン、N−フェニル−N’−イソ
プロピル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
またラジカル連鎖反応禁止剤としては、2,6−ジ−t
−ブチル−p−クレゾ−ル、2,6−ジ−t−ブチルフ
ェノール、ブチル化ヒドロキシアニソ−ル、2,6−ジ
−t−ブチル−4−エチルフェノ−ル、ステアリル−β
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネ−ト、2,2’−メチレン−ビス−(4
−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、2,2’−メ
チレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノ−
ル)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブ
チルフェノ−ル)、4,4’−ブチリデンビス−(3−
メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、1,1,3−ト
リス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチル
フェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,
6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネ−ト]メタン、ビス[3,3’−ビス
(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチ
リックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロ−ル
類、2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6
−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキ
ノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−
t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−
オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノン、フェニ
ル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、フェノ
チアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジア
ミンなどが挙げられる。過酸化物分解剤としてはジラウ
リル−3,3’−チオジプロピオネ−ト、ジステアリル
−3,3’−チオジプロピオネ−ト、ジテトラデシル−
3,3’−チオジプロピオネ−ト、ラウリルステアリル
チオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネ
ート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、トリフェニ
ルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、ト
リ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホス
フィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィ
ン、トリデシルホスフィン、トリオクタデシルホスフィ
ンなどが挙げられる。
【0137】これらの化合物は、ゴム、プラスチック、
油脂類などの酸化防止剤として知られており、酸化防止
剤ハンドブック(大成社)にその詳細が記載されてい
る。また市販品を容易に入手できる。本発明における酸
化防止剤の添加量は、電荷輸送材料100重量部に対し
て0.05〜100重量部、好ましくは0.1〜30重
量部である。
【0138】画像形成方法及び装置並びにプロセスカー
トリッジについて 本発明は次に、上記の電子写真感光体を用い、帯電、像
露光及び転写を行うことを特徴とする画像形成方法を提
供する。そしてまた、上記の電子写真感光体を有すると
共に、帯電手段、像露光手段及び転写手段を備えたこと
を特徴とする画像形成装置を提供する。さらに上記の電
子写真感光体と帯電手段、像露光手段、現像手段、転写
手段及クリーニング手段から選ばれた少なくとも一つの
手段とを一体的に形成し、画像形成装置本体に着脱自在
としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカート
リッジを提供する。以下図面に基づいて、この画像形成
方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカート
リッジについて説明する。
【0139】図4は、本発明の画像形成装置の概略図で
ある。感光体1はドラム状の形状を示しているが、シー
ト状、エンドレスベルト状のものであっても良い。帯電
チャージャ3、転写前チャージャ7、転写チャージャ1
0、分離チャージャ11、クリーニング前チャージャ1
3には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリ
ッド・ステート・チャージャ)、帯電ローラを始めとす
る公知の手段が用いられる。
【0140】転写手段には、一般に上記の帯電器が使用
できるが、図に示されるように転写チャージャと分離チ
ャージャを併用したものが効果的である。画像露光部5
と除電ランプ2等の光源には、蛍光灯、タングステンラ
ンプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、LE
D、LD、エレクトロルミネッセンス素子(EL)など
の発光物全般を用いることができる。
【0141】特に高解像度を得るためには画像露光部5
に400〜450Nmの範囲に発振波長を有するLDも
しくはLEDが用いられる。これらの光源は光強度波長
分布が極めて狭いものではあるが、温度環境、製造ロッ
ト等によって発振ピーク波長が数Nm波長ほど長波長も
しくは短波長側に波長変動するため、電子写真感光体の
電荷輸送層は390〜460Nmの範囲の光を充分透過
させるものであることが好ましい。この場合、照射光の
透過率が50%以上であることが好ましく、より好まし
くは90%以上である。
【0142】そして、所望の波長域の光のみを照射する
ために、シャープカットフィルター、バンドパスフィル
ター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィル
ター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各
種フィルターを用いることもできる。この時像露光部、
書込光源のビーム系は1200〜2400dpi相当の
高解像度を達成するためには10〜30μmであること
が好ましい。かかる光源等は、図4に示される工程の他
に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング
工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、
感光体に光が照射される。
【0143】現像ユニット6により感光体1上に現像さ
れたトナーは、転写紙9に転写されるが、全部が転写さ
れるわけではなく、感光体1上に残存するトナーも生ず
る。このようなトナーは、ファーブラシ14およびクリ
ーニングブレード15により、感光体より除去される。
クリーニングは、クリーニングブラシだけで行なわれる
こともあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マ
グファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
【0144】電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画
像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜
像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微
粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正
(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られ
る。かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、
また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0145】図5は、本発明の他の画像形成装置の概略
図である。感光体21は本発明の感光体であり、駆動ロ
ーラ22a,22bにより駆動され、帯電チャージャ2
3による帯電、像露光源24による像露光、現像(図示
せず)、転写チャージャ25を用いる転写、光源26に
よるクリーニング前露光、クリーニングブラシ27によ
るクリーニング、除電光源28による除電が繰返し行な
われる。第5図においては、感光体21(勿論この場合
は支持体が透光性である)に支持体側よりクリーニング
前露光の光照射が行なわれる。
【0146】上記に図示した画像形成方法及び画像形成
装置は、本発明における実施様態を例示したものであっ
て、他の実施様態も可能である。例えば、図5において
は、支持体側よりクリーニング前露光を行っているが、
これは感光層側から行ってもよく、また、像露光、除電
光の照射を支持体側から行ってもよい。また、光照射工
程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示さ
れているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、およ
びその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を
行うこともできる。
【0147】このようにして行う画像形成手段は、複写
装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込ま
れていてもよいが、プロセスカートリッジの形態により
それら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリ
ッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、
現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含
んだ1つの装置であり、また部品である。プロセスカー
トリッジの形状等については数多く挙げられるが、ここ
では、図6にその1例を示す。このプロセスカートリッ
ジは、本発明の電子写真感光体16、帯電チャージャ1
7、クリーニングブラシ18、画像露光部19、現像ロ
ーラ20からなるものである。
【0148】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれら実施例によってなんら限定される
ものではない。なお下記実施例において部とあるのはす
べて重量部である。
【0149】<実施例1>中間層の形成 オイルフリーアルキッド樹脂 1.5部 (大日本インキ化学製:ヘ゛ッコライトM6401) メラミン樹脂 1部 (大日本インキ化学製:スーハ゜ーヘ゛ッカミンG− 821) 二酸化チタン 5部 (石原産業(株)製:タイペークCR−EL) 2−ブタノン 22.5部 上記成分の混合物をボールミルポットに取り、φ10m
mのアルミナボールを使用し、48時間ボールミリング
して中間層塗工液を調製した。この塗工液をアルミニウ
ム・シリンダー上に塗工し、厚さ約4μmの中間層を形
成した。
【0150】感光層の形成(単層) Y型オキソチタニウムフタロシアニン顔料粉末 0.5部 前記例示化合物(p1)で表される樹脂 0.9部 テトラヒドロフラン 8.1部 の混合物をボールミリングした後、これを顔料組成とし
て2重量%、同じく前記例示化合物(p1)で表される
樹脂が50重量%、電荷輸送材料としての下記構造式
(a)で示されるアミノビフェニル化合物が28重量
%、10重量%の同樹脂溶液を加え、十分に撹拌し感光
層塗工液を調製した。この塗工液を塗工後、乾燥後の膜
厚が15μmになるよう感光層を形成し、単層型電子写
真感光体ドラムを作成した。
【0151】
【化46】
【0152】<実施例2>実施例1の例示化合物(p
1)で表される樹脂を下記構造式(b)で示されるポリ
カーボネート樹脂に変えた以外は実施例1と同様に操作
して感光体ドラムを作製した。
【0153】
【化47】
【0154】<実施例3>実施例1と同様にアルミニウ
ム・シリンダー上に中間層を形成した。次に下記構造式
(c)で示されるビスアゾ化合物7.5部およびポリエ
ステル樹脂[(株)東洋紡績製バイロン200]2.5
部の0.5%テトラヒドロフラン溶液500部をボール
ミル中で粉砕混合し、得られた分散液を前記中間層上に
塗工し、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。次に
電荷輸送材料として前記構造式(a)で示されるアミノ
ビフェニル化合物7部と前記例示化合物(p6)で表さ
れる樹脂10部をテトラヒドロフランに溶解し、この電
荷輸送層塗工液を前記電荷発生層上に塗工し、膜厚15
μmの電荷輸送層を形成し感光体ドラムを作成した。
【0155】
【化48】
【0156】<実施例4>実施例3の例示化合物(p
6)で表される樹脂を下記構造式(d)で示されるポリ
アリレート樹脂に変えた以外は実施例3と同様に操作し
て感光体ドラムを作製した。
【0157】
【化49】
【0158】<実施例5>実施例3と同様にアルミニウ
ム・シリンダー上に中間層、電荷発生層を順次形成し
た。次に、電荷輸送材料として下記構造式(e)で示さ
れる電荷輸送材料7部とポリカーボネート樹脂[(株)
帝人製パンライトC−1400]10部をテトラヒドロ
フランに溶解した。この第一電荷輸送層塗工液を前記電
荷発生層上に塗工し、厚さ15μmの第一電荷輸送層を
形成した。次に、下記構造式(e)で示される電荷輸送
材料3部とポリカーボネート樹脂[(株)帝人製パンラ
イトC−1400]4部とパーフルオロアルキルアクリ
レート樹脂(ダイキン工業(株)製ユニダインTG−6
56)1部、THF40部及びシクロヘキサノン140
部の第二電荷輸送層塗工液を第一電荷輸送層上に塗工
し、厚さ3μmの第二電荷輸送層を形成し感光体ドラム
を作成した。
【0159】
【化50】
【0160】<実施例6>実施例5の第二電荷輸送層塗
工液に用いられたポリカーボネート樹脂とパーフルオロ
アルキルアクリレート樹脂を下記構造式(f)で示され
るポリカーボネート樹脂に変えた以外は実施例5と同様
に操作して感光体ドラムを作製した。
【0161】
【化51】
【0162】<実施例7>実施例1と同様にアルミニウ
ム・シリンダー上に中間層を形成した。次にY型オキソ
チタニウムフタロシアニン1.5部およびポリエステル
樹脂[(株)東洋紡績製バイロン200]1部の0.5
%ジクロロメタン溶液500部をボールミル中で粉砕混
合し、得られた分散液を前記中間層上に塗工し、膜厚
0.2μmの電荷発生層を形成した。次に、電荷輸送材
料として下記構造式(g)で示されるアミノビフェニル
化合物7部とポリカーボネート樹脂(帝人化成社製:p
CX−5)10部をテトラヒドロフランに溶解し、この
第一電荷輸送層塗工液を前記電荷発生層上に塗工し、厚
さ12μmの第一電荷輸送層を形成した。次に下記構造
式(g)で示される電荷輸送材料3部、前記例示化合物
(p1)で表される樹脂5部、フィラーとして酸化チタ
ン微粒子(石原産業社製CR97)2部、THF40部
及びシクロヘキサノン140部の第二電荷輸送層塗工液
を第一電荷輸送層上に塗工し、厚さ5μmの第二電荷輸
送層を形成し、感光体ドラムを作成した。
【0163】
【化52】
【0164】<実施例8>実施例7の第二電荷輸送層塗
工液に用いられたバインダー樹脂を下記構造式(h)で
示されるポリカーボネート樹脂に変えた以外は実施例7
と同様に操作して感光体ドラムを作製した。
【0165】
【化53】
【0166】<実施例9>実施例7の第二電荷輸送層塗
工液に用いられたバインダー樹脂をポリカーボネート樹
脂(帝人化成社製:pCX−5)に変えた以外は実施例
7と同様に操作して感光体ドラムを作製した。
【0167】<比較例1>実施例1の感光層塗工液に用
いられた例示化合物(p1)で表される樹脂をポリカー
ボネート樹脂((株)帝人製パンライトC−1400)
に変えた以外は実施例1と同様に操作して感光体ドラム
を作製した。
【0168】<比較例2>実施例3の電荷輸送層塗工液
に用いられた例示化合物(p6)で表される樹脂をポリ
カーボネート樹脂((株)帝人製パンライトC−140
0)に変えた以外は実施例3と同様に操作して感光体ド
ラムを作製した。
【0169】<比較例3>電荷輸送層の膜厚を30μm
に形成した以外は実施例3と同様に操作して感光体ドラ
ムを作製した。
【0170】<比較例4>実施例6の第二電荷輸送層塗
工液に用いられた前記構造式(f)で表されるポリカー
ボネート樹脂をポリカーボネート樹脂(出光興産(株)
製タフゼットG−700)に変えた以外は実施例6と同
様に操作して感光体ドラムを作製した。
【0171】<比較例5>実施例7の第二電荷輸送層塗
工液に用いられた前記例示化合物(p1)で表される樹
脂をポリカーボネート樹脂((株)帝人製パンライトC
−1400)に変えた以外は実施例7と同様に操作して
感光体ドラムを作製した。
【0172】実施例1〜9、比較例1〜5についての評
上記実施例1〜9、および比較例1〜5で作製した電子
写真感光体ドラムを第5図に示した電子写真プロセスに
装着し(ただし、画像露光光源を780Nmに発光を持
つLDとした(ポリゴン・ミラーによる画像書き込
み))、また、現像直前の感光体の表面電位が測定でき
るように表面電位計のプローブを挿入した。連続して五
千枚の印刷を行い、その時の画像露光部と画像非露光部
の表面電位を初期と五千枚後に測定した。結果を表1に
示す。
【0173】また感光体表面の純水に対する接触角を初
期と五千枚の印刷後に測定した。五千枚印刷後のドラム
の膜厚を測定し、初期との差から減耗膜厚を算出した。
さらに実施例1〜9、および比較例1〜5の電子写真感
光体、帯電手段として帯電ローラ、像露光手段として光
源に発振波長405Nmの半導体レーザを搭載しビーム
系をアパーチャーで調節できる光学系、現像手段として
2成分の現像ユニット及びパターンジェネレーターを取
り付けた作像実験機により30μmのビーム系で得られ
る孤立ドットを感光体上に形成させ、それを接着テープ
に転写させ、CCDカメラにより読み取り、画像解析し
た。感光体の初期帯電電位は600Vで行い、トナーは
平均粒径6μm磁性トナーを使用した。孤立ドットの形
状を目視により評価した。これら一連の評価結果を表2
に示す。
【0174】
【表1】
【0175】
【表2】
【0176】表1及び2から本発明の感光体は、比較例
の感光体に比べ、繰り返し使用においても電位変動のな
い電子写真感光体であることが分かる。さらに表2から
本発明の電子写真感光体は、印刷後も高い水接触角を維
持していること、感光体の膜厚減少が同一層構成の比較
例の感光体に比べ小さいことから、低表面エネルギー状
態が持続されていることが分かる。さらに実施例の感光
体は全ての場合において、良好なドット形成、再現性を
示す。
【0177】<実施例10、11、12>及び<比較例
6、7>導電性支持体をアルミニウムシリンダ−から電
鋳ニッケル・ベルトに変えて、この上に実施例4で用い
た中間層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層
塗工液を、順次塗布・乾燥し、実施例4と同様の積層感
光体を作製した(実施例10の感光体)。また感光層塗
工液を実施例5もしくは9、比較例2もしくは5のもの
に代えた以外は実施例10と同様に操作してそれぞれ実
施例11、12および比較例6、7の感光体を作製し
た。このようにして作製した電子写真感光体ベルトを第
5図に示す電子写真プロセス(ただし、クリーニング前
露光は無し)に装着し、画像露光光源を655Nmの半
導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)
として、現像直前の感光体の表面電位が測定できるよう
に表面電位計のプローブを挿入した。連続して八千枚の
印刷を行い、その時の画像露光部と画像非露光部の表面
電位を初期と八千枚後に測定した。結果を表3に示す。
【0178】
【表3】
【0179】<実施例13、14>及び<比較例8、9
>アルミニウムシリンダ−表面を陽極酸化処理した後封
孔処理をおこなった。この上に実施例3で用いた中間層
塗工液、電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液を、順次
塗布、乾燥し、実施例3と同様の積層感光体ドラムを作
製した(実施例13の感光体)。また感光層塗工液を実
施例8及び比較例2もしくは5のものに代えた以外は実
施例13と同様に操作してそれぞれ実施例14および比
較例8、9の感光体を作製した。
【0180】このようにしてなる電子写真感光体を第6
図に示す電子写真用プロセスカートリッジに装着した
後、画像形成装置に搭載した。ただし、画像露光光源を
発振波長405Nm の半導体レーザー(ポリゴン・ミ
ラーによる画像書き込み) として、現像直前の感光体
の表面電位が測定できるように表面電位計のプローブを
挿入した。連続して一万枚の印刷を行い、その時の画像
露光部と画像非露光部の表面電位を初期と一万枚後に測
定した。結果を表4に示す。
【0181】
【表4】
【0182】表3及び4から本発明の感光体は、比較例
の感光体に比べ、繰り返し使用においても電位変動のな
い電子写真感光体であることが分かる。さらに表4から
本発明の電子写真感光体は、400〜450Nmの範囲
に発振波長を有するLD,LED書込光源を用いた場合
にも適用される。そして本発明の電子写真感光体を用い
た電子写真方法、電子写真感光体を有する電子写真装置
及びこの電子写真装置に用いるプロセスカートリッジが
提供される。
【0183】
【発明の効果】本発明によれば、高解像度であり、かつ
表面エネルギーも低くその効果が長期にわたって持続さ
れることで、優れた画質を長期にわたって維持し、繰り
返し使用しても電位変動のない、機械的かつ化学的耐久
性を有する電子写真感光体、この電子写真感光体を用い
た画像形成方法、この電子写真感光体を有する画像形成
装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジが提供さ
れる。そして本発明は電子写真プリンター、電子写真複
写機等の電子写真プロセスに使用される機械、機器等の
設計、製作分野において多大の寄与をなすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光体の層構造を示す図
【図2】本発明の感光体の他の層構造を示す図
【図3】本発明の感光体の他の層構造を示す図
【図4】本発明の画像形成装置の概略図
【図5】本発明の他の画像形成装置の概略図
【図6】本発明のプロセスカートリッジの概略図
【符号の説明】
1、21 感光体 2 除電ランプ 3、17、23 帯電チャージャ 5 画像露光部 6 現像ユニット 7 転写前チャージャ 9 転写紙 10、25 転写チャージャ 11 分離チャージャ 13 クリーニング前チャージャ 14 ファーブラシ 15 クリーニングブレード 16 電子写真感光体 18、27 クリーニングブラシ 19 画像露光部 20 現像ローラ 22a 駆動ローラ 22b 駆動ローラ 24 像露光源 26 クリーニング前露光源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島田 知幸 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 南場 通彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H068 AA13 AA14 AA28 AA35 AA37 AA39 BB04 BB23 BB25 BB31 BB33 BB40 BB61 CA02 CA06 CA22 CA33 CA37 CA40 CA60 FA27 FB07 FB08

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を設けた電子写
    真感光体において、該感光層の最表面から支持体側へ1
    ±0.3μm離れた位置における感光層の純水に対する
    接触角が85゜以上であり、かつ感光層の膜厚が4μm
    以上24μm以下であることを特徴とする電子写真感光
    体。
  2. 【請求項2】 感光層が少なくともケイ素またはフッ素
    原子を有するバインダー樹脂を含有することを特徴とす
    る請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 感光層が少なくとも下記一般式(1)で
    表される構成単位を有するポリウレタン樹脂、ポリエス
    テル樹脂又はポリカーボネート樹脂からなることを特徴
    とする請求項1記載の電子写真感光体。 【化1】 〔式中、R、Rはハロゲン原子、炭素数1〜6の無
    置換もしくは置換のアルキル基、炭素数1〜6の無置換
    もしくは置換のアルコキシ基、又は無置換もしくは置換
    のアリール基を示し(R、Rが各々複数個存在する
    ときは同一であっても別異であってもよい)、Rは炭
    素数1〜6の無置換もしくは置換のアルキル基、又は下
    記一般式(2) −(CHCH (2) [式中、Nは8〜27の整数を表す。]で表されるアル
    キル基を示し、a、bは各々0〜4の整数を示し、Nは
    8〜27の整数を示す。〕
  4. 【請求項4】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生
    層、電荷輸送層を順次設けた積層型電子写真感光体にお
    いて、該電荷輸送層の最表面から支持体側へ1±0.3
    μm以上離れた位置における感光層の純水に対する接触
    角が85゜以上であり、かつ電荷輸送層の膜厚が2μm
    以上20μm以下であることを特徴とする電子写真感光
    体。
  5. 【請求項5】 電荷輸送層が少なくとも電荷輸送材料と
    ケイ素またはフッ素原子を有するバインダー樹脂を含有
    することを特徴とする請求項4記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 電荷輸送層が少なくとも電荷輸送材料と
    上記一般式(1)で表される構成単位を有するポリウレ
    タン樹脂、ポリエステル樹脂又はポリカーボネート樹脂
    からなることを特徴とする請求項4記載の電子写真感光
    体。
  7. 【請求項7】 電荷輸送層が少なくとも電荷輸送材料か
    らなる層の上に、少なくともケイ素またはフッ素原子を
    有するバインダー樹脂からなる層を順次設けた積層構造
    で構成されることを特徴とする請求項4記載の電子写真
    感光体。
  8. 【請求項8】 電荷輸送層が少なくとも電荷輸送材料か
    らなる層の上に、少なくとも上記一般式(1)で表され
    る構成単位を有するポリウレタン樹脂、ポリエステル樹
    脂又はポリカーボネート樹脂からなる層を順次設けた積
    層構造で構成されることを特徴とする請求項4記載の電
    子写真感光体。
  9. 【請求項9】 電荷輸送層が少なくとも電荷輸送材料か
    らなる層の上に、少なくともケイ素またはフッ素原子を
    有するバインダー樹脂及びフィラーからなる層を順次設
    けた積層構造で構成されることを特徴とする請求項4記
    載の電子写真感光体。
  10. 【請求項10】 電荷輸送層が少なくとも電荷輸送材料
    からなる層の上に、少なくとも上記一般式(1)で表さ
    れる構成単位を有するポリウレタン樹脂、ポリエステル
    樹脂又はポリカーボネート樹脂及びフィラーからなる層
    を順次設けた積層構造で構成されることを特徴とする請
    求項4記載の電子写真感光体。
  11. 【請求項11】 フィラーが酸化チタン、酸化スズ、酸
    化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、窒化ケイ
    素、酸化カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、コロイダ
    ルシリカ、アルミナ、カーボンブラック、フッ素系樹脂
    微粉末、ポリシロキサン系樹脂微粉末、ポリエチレン系
    樹脂微粉末、コア−シェル構造を有するグラフト共重合
    体から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする
    請求項9または10記載の電子写真感光体。
  12. 【請求項12】 電子写真感光体の表面における純水に
    対する接触角が85゜以上であることを特徴とする請求
    項1〜11のいずれかに記載の電子写真感光体。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載の電
    子写真感光体を用いて、帯電、像露光、現像及び転写を
    行うことを特徴とする画像形成方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜12のいずれかに記載の電
    子写真感光体を有すると共に、帯電手段、像露光手段、
    現像手段及び転写手段を備えたことを特徴とする画像形
    成装置。
  15. 【請求項15】 像露光手段における書込光源の波長が
    400〜450Nmの範囲に発振波長を有する半導体レ
    ーザーもしくは発光ダイオードであることを特徴とする
    請求項14記載の画像形成装置。
  16. 【請求項16】 請求項1〜12のいずれかに記載の電
    子写真感光体と、帯電手段、像露光手段、現像手段及び
    転写手段及びクリーニング手段から選ばれた少なくとも
    一つの手段とを一体的に形成し、画像形成装置本体に着
    脱自在としたことを特徴とする画像形成装置用プロセス
    カートリッジ。
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