JP2001166518A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置

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JP2001166518A
JP2001166518A JP35330799A JP35330799A JP2001166518A JP 2001166518 A JP2001166518 A JP 2001166518A JP 35330799 A JP35330799 A JP 35330799A JP 35330799 A JP35330799 A JP 35330799A JP 2001166518 A JP2001166518 A JP 2001166518A
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electrophotographic photosensitive
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JP35330799A
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Shoji Amamiya
昇司 雨宮
Akio Maruyama
晶夫 丸山
Hironori Uematsu
弘規 植松
Norihiro Kikuchi
憲裕 菊地
Michiyo Sekiya
道代 関谷
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返し使用時の残留電位が小さく、かつ繰
り返し使用の耐久においても削れが少なく、傷の入りに
くい導電性粒子を含有した保護層を有する電子写真感光
体、その電子写真感光体を有するプロセスカートリジ及
び電子写真装置を提供することにある。 【解決手段】 導電性支持体上に感光層及び保護層を有
する電子写真感光体において、該保護層が同一分子内に
2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送機能を有
する硬化性樹脂及び導電性粒子を含有しており、該硬化
性樹脂の硬化を電子線照射により行うことを特徴とする
電子写真感光体、その電子写真感光体を有するプロセス
カートリジ及び電子写真装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体、
プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関し、詳しく
は、特定の保護層を有する電子写真感光体、その電子写
真感光体を有するプロセスカートリッジ及び帯電が注入
帯電である電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、電子写真装置(複写機・
プリンター等)や静電記録装置等の画像形成装置におい
て、電子写真感光体・静電記録誘電体等の像担持体(被
帯電体)を所用の極性・電位に一様に帯電処理(除電処
理も含む)する帯電装置としては、コロナ帯電器(コロ
ナ放電器)が広く使用されていた。
【0003】コロナ帯電器は非接触型の帯電装置であ
り、ワイヤ電極等の放電電極と該放電電極を囲むシール
ド電極を備え、放電開口部を被帯電体である像担持体に
対向させて非接触に配設し、放電電極とシールド電極に
高圧を印加することにより生じる放電電流(コロナシャ
ワー)に像担持体面をさらすことで像担持体面を所定に
帯電させるものである。
【0004】近時は、中低速機種の画像形成装置にあっ
ては、像担持体等の被帯電体の帯電装置として、コロナ
帯電器に比べて低オゾン・低電力等の利点があることか
ら接触帯電装置が多く提案され、また実用化されてい
る。
【0005】接触帯電装置は、像担持体等の被帯電体
に、ローラ型(帯電ローラ)、ファーブラシ型、磁気ブ
ラシ型、ブレード型等の導電性の帯電部材(接触帯電部
材・接触帯電器)を接触させ、この接触帯電部材に所定
の帯電バイアスを印加して被帯電体面を所定の極性・電
位に帯電させるものである。
【0006】接触帯電の帯電機構(帯電のメカニズム、
帯電原理)には、放電帯電系と注入帯電系の2種類
の帯電機構が混在しており、どちらが支配的であるかに
より各々の特性が現れる。
【0007】放電帯電系 接触帯電部材と被帯電体との微小間隙に生じる放電現象
により被帯電体表面が帯電する系である。放電帯電系
は、接触帯電部材と被帯電体に一定の放電しきい値を有
するため、帯電電位より大きな電圧を接触帯電部材に印
加する必要がある。また、コロナ帯電器に比べれば発生
量は少ないが放電生成物は生じる。つまり、機外への排
出の点ではコロナ帯電器より有利であるが、後述するよ
うに、オゾンや活性イオンにより電子写真感光体が受け
るダメージは大きい。
【0008】注入帯電系 接触帯電部材から被帯電体に直接に電荷が注入されるこ
とで被帯電体表面が帯電する系である。注入帯電あるい
は直接帯電と称される。より詳しくは、中抵抗の接触帯
電部材が被帯電体表面に接触して、放電現象を介さず
に、つまり放電を基本的に用いないで被帯電体表面に直
接電荷注入を行うものである。よって、接触帯電部材へ
の印加電圧が放電閾値以下の印加電圧であっても、被帯
電体を印加電圧相当の電位に帯電することができる。
【0009】この帯電系は、イオンの発生を伴わないた
め放電生成物による弊害は生じない。しかし、接触帯電
部材の被帯電体への接触性が帯電性に大きく効いてく
る。そこで接触帯電部材はより密に構成し、また被帯電
体との速度差を多く持ち、より高い頻度で被帯電体に接
触する構成をとる必要がある。
【0010】代表的な接触帯電プロセスとしては、以下
の(A)〜(C)の方法等が提案され実用化等されてい
る。
【0011】(A)ローラ帯電 接触帯電装置は、接触帯電部材として導電ローラ(帯電
ローラ)を用いたローラ帯電方式が帯電の安定性という
点で好ましく、広く用いられている。このローラ帯電
は、その帯電機構は前記の放電帯電系が支配的であ
る。
【0012】帯電ローラは、導電あるいは中抵抗のゴム
材あるいは発泡体を用いて作製される。更に、これらを
積層して所望の特性を得たものもある。帯電ローラは、
被帯電体(以下、感光体と記す)との一定の接触状態を
得るために弾性を持たせているが、そのため摩擦抵抗が
大きく、多くの場合、電子写真感光体に従動あるいは若
干の速度差をもって駆動される。従って、直接帯電しよ
うとしても、絶対的帯電能力の低下や接触性の不足やロ
ーラ状のムラや電子写真感光体の付着物による帯電ムラ
は避けられないため、従来のローラ帯電ではその帯電機
構は放電帯電系が支配的である。
【0013】図2は、接触帯電における帯電効率例を表
わしたグラフである。横軸に接触帯電部材に印加したバ
イアス、縦軸はその時得られた感光体帯電電位を表わす
ものである。ローラ帯電の場合の帯電特性は、Aで表わ
される。即ち、およそ−500Vの放電閾値を過ぎてか
ら帯電が始まる。従って、−500Vに帯電する場合は
−1000Vの直流電圧を印加するか、あるいは、−5
00V直流の帯電電圧に加えて、放電閾値以上の電位差
を常に持つようにピーク間電圧1200Vの交流電圧を
印加して感光体電位を帯電電位に収束させる方法が一般
的である。
【0014】より具体的に説明すると、厚さ25μmの
有機電子写真感光体に対して帯電ローラを加圧当接させ
た場合には、約640V以上の電圧を印加すれば電子写
真感光体の表面電位が上昇し始め、それ以降は印加電圧
に対して傾き1で線形に感光体表面電位が増加する。こ
の閾値電圧を帯電開始電圧Vthと定義する。
【0015】つまり、電子写真に必要とされる感光体表
面電位Vdを得るためには、帯電ローラにはVd+Vt
hという必要とされる以上のDC電圧が必要となる。こ
のようにしてDC電圧のみを接触帯電部材に印加して帯
電を行う方法を「DC帯電方式」と称する。
【0016】しかし、DC帯電においては、環境変動等
によって接触帯電部材の抵抗値が変動するため、また電
子写真感光体が削れることによって膜厚が変化するとV
thが変動するため、電子写真感光体の電位を所望の値
にすることが難しかった。
【0017】このため、更なる帯電の均一化を図るため
に特開昭63−149669号公報に開示されるよう
に、所望のVdに相当するDC電圧に2×Vth以上の
ピーク間電圧を持つAC成分を重畳した電圧を接触帯電
部材に印加する「AC帯電方式」が用いられる。これ
は、ACによる電位のならし効果を目的としたものであ
り、被帯電体の電位はAC電圧のピークの中央であるV
dに収束し、環境等の外乱には影響されることはない。
【0018】当然、この方式も接触帯電部材から電子写
真感光体への放電現象を利用した帯電法である。この方
式においては、帯電部材に印加する電圧にAC成分があ
るため、感光体表面電位との間に放電しきい値以上の電
圧値が印可され、DC帯電のみで帯電を行う方式より、
放電を積極的に利用した帯電法となるため、それに伴い
オゾン等の放電生成物量は多くなる。
【0019】ローラ帯電方式とコロナ帯電方式を比較す
ると、ローラ帯電方式は微小空間の放電現象を利用した
帯電であるため、放電電流が電子写真感光体表面と帯電
ローラ表面の間の空間に流れており、非常に高エネルギ
ーな電子やイオン等の粒子が電子写真感光体表面に衝突
を繰り返す。また、放電している空間が狭いため、放電
生成物の密度の非常に高い環境に電子写真感光体表面を
さらしていることと同義となり、電子写真感光体表面の
酸化反応が起こり易い。つまり、この方式では、電子写
真感光体表面が受けるダメージは非常に大きく、電子写
真感光体は削れ易くなり、傷も入り易くなることで、耐
久性が著しく低下するという問題があった。
【0020】また、先記したようにローラ帯電において
は、DC帯電方式よりAC帯電方式の方が放電を積極的
に利用していることから、AC帯電方式における電子写
真感光体表面が受けるダメージは大きい。更に、AC帯
電方式の問題点として、AC電圧の電界による接触帯電
部材と電子写真感光体の振動騒音(AC帯電音)の発生
等の問題があることも確認されている。
【0021】(B)ファーブラシ帯電 ファーブラシ帯電は、接触帯電部材として導電性繊維の
ブラシ部を有する部材(ファーブラシ帯電器)を用い、
その導電性繊維ブラシ部を被帯電体としての電子写真感
光体に接触させ、所定の帯電バイアスを印加して電子写
真感光体面を所定の極性・電位に帯電させるものであ
る。
【0022】このファーブラシ帯電もその帯電機構は、
前記の放電帯電系が支配的である。ファーブラシ帯電
器は、固定タイプとロールタイプが実用化されている。
中抵抗の繊維を基布に折り込みパイル状に形成したもの
を電極に接着したものが固定タイプで、ロールタイプは
パイルを芯金に巻き付けて形成する。繊維密度として
は、100本/mm2程度のものが比較的容易に得られ
るが、注入帯電により十分均一な帯電を行うにはそれで
も接触性は不十分であり、注入帯電により十分均一な帯
電を行うには電子写真感光体に対し機械構成としては困
難なほどに速度差を持たせる必要がある。
【0023】このファーブラシ帯電の直流電圧印加時の
帯電特性は、図2のBに示される特性をとる。従って、
ファーブラシ帯電の場合も、固定タイプ、ロールタイプ
のどちらも、多くは高い帯電バイアスを印加し放電によ
る帯電を用いて帯電を行っている。
【0024】(C)磁気ブラシ帯電 磁気ブラシ帯電は、接触帯電部材として導電性磁性粒子
をマグネットロール等で磁気拘束してブラシ状に形成し
た磁気ブラシ部を有する部材(磁気ブラシ帯電器)を用
い、その磁気ブラシ部を被帯電体としての電子写真感光
体に接触させ、所定の帯電バイアスを印加して電子写真
感光体面を所定の極性・電位に帯電させるものである。
この磁気ブラシ帯電の場合は、その帯電機構は前記の
注入帯電系が支配的である。
【0025】磁気ブラシ部を構成させる導電性磁性粒子
として粒径5〜50μmのものを用い、電子写真感光体
と十分速度差を設けることで、均一な注入帯電を可能に
する。図2の帯電特性グラフのCにあるように、印加バ
イアスとほぼ比例した帯電電位を得ることが可能にな
る。しかしながら、磁気ブラシ部を構成している導電性
粒子が脱落して電子写真感光体に付着する等の他の弊害
もある。
【0026】前記(A)〜(C)の代表的な接触帯電プ
ロセスの改善法として、特公平7−99442号公報に
接触帯電部材に対し粉末を塗布する提案が開示されてい
る。これは接触帯電装置について、帯電ムラを防止し安
定した均一帯電を行うために、接触帯電部材に被帯電体
面との接触面に粉末を塗布する構成であり、接触帯電部
材が被帯電体に従動回転であり、スコロトロン等のコロ
ナ帯電器と比べるとオゾン生成物の発生は格段に少なく
なっているものの、帯電原理は前述のローラ帯電の場合
と同様に依然として放電による帯電を主としている。特
に、より安定した帯電均一性を得るためにはDC電圧に
AC電圧を重畳した電圧を印加するために、放電による
オゾン生成物の発生はより多くなってしまう。よって、
長期に装置を使用した場合や、装置構成上クリーニング
手段を除いた、クリーナーレスシステムでの画像形成装
置を長期に使用した場合において、オゾン生成物による
画像流れ等の弊害が現れ易い。
【0027】以上述べたように、接触帯電部材として帯
電ローラやファーブラシを用いた簡易な構成で注入帯電
することは難しく、画像形成装置にあっては絶対的帯電
不良による画像のかぶり(反転現像の場合には白地部が
現像される)や帯電ムラ等が生じる。
【0028】接触帯電部材の被帯電体面との接触面に粉
末を塗布し、接触帯電部材が従動で、放電帯電を主とす
る接触帯電装置構成では、長期に装置を使用した場合
や、クリーナーレスの画像形成装置を長期に使用した場
合に、オゾン生成物が蓄積することにより画像流れが生
じ易くなる。
【0029】ゆえに、従来では注入帯電を行う場合の接
触帯電装置構成は、磁気ブラシ帯電方式が一般的であ
る。しかし、この方式においても、電位的には確認しづ
らい、微視的な注入不良による、画像欠陥が生じる。
【0030】この問題を解決するために、電子写真感光
体と帯電部材との接触頻度を向上させる目的で、帯電磁
性粒子を小さくしていくと、磁性粒子が電子写真感光体
表面に付着してしまい、電子写真感光体との接触部材で
ある帯電器自身、クリーニングブレード、転写部材、マ
テリアル等により帯電磁性粒子が電子写真感光体に押し
つけられ、電子写真感光体の傷や削れの問題が発生す
る。また、電子写真感光体と帯電部材との接触頻度を向
上させる目的で、電子写真感光体に対する帯電部材の機
械構成として、両者間に非常に大きな速度差を持たせた
場合も、帯電磁性粒子の電子写真感光体への衝突頻度が
大きくなることから、電子写真感光体の傷や削れの問題
が発生する。ゆえに、注入不良対策として、帯電部材以
外の面からのアプローチが求められていた。
【0031】近年、電子写真感光体の方面から接触注入
帯電性の改良法が、検討されており、具体的には電子写
真感光体表面に電荷を積極的に注入できる層を設ける等
が提案されている。
【0032】例えば、有機光導電材料を用いた電子写真
感光体の場合は、樹脂に導電性粉体として金属酸化物を
添加することにより、中抵抗に抵抗制御された保護層を
設けることが提案されており、無機系の電子写真感光体
の場合は、表面にシリコンカーバイド層を設けること
で、これを達成できることが知られている。
【0033】有機光導電材料を用いた電子写真感光体の
系で、樹脂に導電性粉体を分散することにより、保護層
の電気抵抗を制御し、注入帯電を可能にし、更に電子写
真プロセスの繰り返しによる残留電位の増加を防止する
ためには、その適切な抵抗値は1010〜1015(Ω/c
2)にすることが必要である。また、電気抵抗値は環
境により変動することが知られている。低湿環境下で
は、保護層の電気抵抗が上昇し、電子写真感光体の残留
電位が上昇し、また高湿環境下では、保護層の電気抵抗
が低下し、画像ボケや流れが発生する。ゆえにその抵抗
変動分を考慮した上で、保護層を上記した抵抗範囲内に
納める様、保護層内に含有させる導電性粉体の量を決定
する必要がある。
【0034】しかし、抵抗制御を行うために必要な導電
性粉体を保護層に含有させることにより、以下に示すよ
うな弊害が生じる。
【0035】それは導電性粉体を含有しているものと、
含有していないものとの間には、表面硬度において差が
あり、導電性粉体を保護層に含有させることは、耐削れ
性、耐傷性を低下させてしまうという事象である。ゆえ
に、上記問題に対して、特開平4−226469号公報
に示されるように、耐久性を向上する目的で、電子写真
感光体の保護層に用いる樹脂として、硬化性樹脂を使用
し紫外線照射により硬化、架橋し、機械的強度アップ、
繰り返し使用時の耐削れ性、耐傷性の向上を図る技術の
提案がなされている。
【0036】しかし本発明者らは、上記した技術では現
状より、高耐久、高精細な電子写真装置を成立させるに
は、以下に示される点で問題があることを、検討により
見いだした。
【0037】1つ目には、保護層の電荷輸送能の樹脂に
対する依存度は大きく、例えば硬度の非常に高い先記硬
化性樹脂では、電荷輸送能が十分でなく、繰り返し使用
時の残留電位の上昇が起こり、電子写真感光体への露光
量と電子写真感光体の表面電位との関係が直線的でなく
なり、特に低電位側での電位変化率が緩慢になってしま
うという現象である。このため先に述べたような、硬化
性樹脂を保護層に用いる系の画像は、電子写真感光体の
表面電位に対するトナーの現像濃度直線性が悪く、良好
なコピー濃度階調性を発現することができず、高精細な
画像を得られないという問題があった。
【0038】2つ目には、硬化性樹脂を使用していて
も、抵抗制御を行うために必要な導電性粉体を含有させ
てしまうと、含有していないものに比べ、表面硬度が低
くなってしまうという現象である。つまり、従来は硬化
性樹脂のもつ性能を十分にひきだすことができずに、耐
削れ性、耐傷性に関し、そこそこのレベルにあるものを
保護層として使用していたため、より高耐久な電子写真
装置を成立させることはできなかった。
【0039】ゆえに、放電生成物レスが可能である注入
帯電装置用の電子写真感光体として、表面層に導電性粒
子を含有し、繰り返し使用時の残留電位の上昇が無く、
高硬度な表面をもつ保護層が求められていた。
【0040】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、繰り
返し使用時の残留電位が小さく、かつ繰り返し使用の耐
久においても削れが少なく、傷の入りにくい導電性粒子
を含有した保護層を有する電子写真感光体を提供するこ
とにある。
【0041】本発明の別の目的は、上記電子写真感光体
を有するプロセスカートリッジを提供することにある。
【0042】本発明の更に別の目的は、上記電子写真感
光体と帯電部材として低印加電圧でオゾンレスが可能
で、帯電均一性に優れかつ長期にわたり安定した注入帯
電性を有する電子写真装置を提供することにある。
【0043】
【課題を解決するための手段】本発明に従って、接触帯
電部材によって注入帯電される電子写真感光体であっ
て、導電性支持体上に感光層及び保護層を有する電子写
真感光体において、該保護層が同一分子内に2つ以上の
連鎖重合性官能基を有する正孔輸送機能を有する硬化性
樹脂及び導電性粒子を含有しており、該硬化性樹脂の硬
化を電子線照射により行うことを特徴とする電子写真感
光体が提供される。
【0044】また、本発明に従って、上記電子写真感光
体及び該電子写真感光体に接触配置され、電圧を印加さ
れることにより該電子写真感光体を帯電する帯電部材を
一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であること
を特徴とするプロセスカートリッジが提供される。
【0045】更に、本発明に従って、上記電子写真感光
体、該電子写真感光体に接触配置され、電圧を印加され
ることにより該電子写真感光体を帯電する帯電部材、露
光手段、現像手段及び転写手段を備えた電子写真装置に
おいて、該帯電が注入帯電であることを特徴とする電子
写真装置が提供される。
【0046】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。
【0047】本発明の電子写真感光体の構成は、導電性
支持体上に感光層及び保護層を有しており、保護層が少
なくとも同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有
する正孔輸送機能をもった硬化性樹脂及び導電性粒子を
含有しているものであり、硬化性樹脂の硬化は電子線照
射により行われる。
【0048】保護層に用いられる導電性粒子としては、
金属、金属酸化物及びカーボンブラック等が挙げられ
る。金属としては、アルミニウム、亜鉛、銅、ニッケ
ル、銀及びステンレス等、又はこれらの金属をプラスチ
ックの粒子の表面に蒸着したもの等が挙げられる。金属
酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸
化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズを
ドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをド
ープした酸化スズ及びアンチモンをドープした酸化ジル
コニウム等が挙げられる。これらは単独で用いること
も、2種以上を組み合わせて用いることもできる。2種
以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合しても、固
溶体や融着させた形にしてもよい。
【0049】本発明において用いられる導電性粒子の平
均粒径は、保護層の透明性の点で0.3μm以下が好ま
しく、特には0.1μm以下が好ましい。また、本発明
においては、上述した導電性粒子の中でも透明性の点で
金属酸化物を用いることが特に好ましい。
【0050】更に、保護層には電子写真感光体表面の滑
り性を向上させるために、フッ素原子含有樹脂粒子を分
散させることもできる。フッ素原子含有樹脂粒子として
は、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹
脂、六フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹
脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化ニ塩化エチレン樹
脂及びこれらの共重合体の中から、1種あるいは2種以
上を適宜選択するのが好ましいが、特には四フッ化エチ
レン樹脂フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。樹脂粒子の
分子量や粒子の粒径は適宜選択することができ、特に制
限されるものではない。
【0051】このフッ素原子含有樹脂を導電性粒子と共
に樹脂溶液中で相互の粒子を凝集させないように、導電
性粒子の表面をフッ素原子含有化合物で表面処理しても
よい。表面処理を行うことにより、樹脂溶液中での導電
性粒子とフッ素原子含有樹脂粒子の分散性を向上させる
ことができ、更に経時的に発生する二次粒子形成等がな
く、分散安定性をも向上させることができる。
【0052】更に、本発明の保護層には他の電荷輸送材
料を混入させることも可能である。電荷輸送化合物は感
光層に含有するものと同種であっても、異なる材料を用
いてもよい。使用可能な電荷輸送化合物は、後述する電
荷輸送層の構成物例に記載されたものと同様の材料を用
いることができるが、例示化合物に限定されることはな
く、他の電荷輸送化合物を使用することも可能である。
【0053】本発明における、保護層を形成する同一分
子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性
機能をもった硬化性樹脂に関し、以下に説明する。
【0054】本発明における連鎖重合とは、高分子物の
生成反応を大きく連鎖重合と逐次重合に分けた場合の前
者の重合反応形態を示し、詳しくは例えば技報堂出版
三羽忠広著の「基礎 合成樹脂の化学(新版)」199
5年7月25日(1版8刷)24頁に説明されているよ
うに、その形態が主にラジカルあるいはイオン等の中間
体を経由して反応が進行する不飽和重合、開環重合そし
て異性化重合等のことをいう。前記一般式(1)におけ
る連鎖重合性官能基とは、前述の反応形態のうち不飽和
重合が可能な官能基を意味し、下記に不飽和重合性官能
基の具体例を示す。
【0055】不飽和重合とは、ラジカル、イオン等によ
って不飽和基、例えばC=C、C≡C、C=O、C=
N、C≡N等が重合する反応であるが、主にはC=Cで
ある。不飽和重合性官能基の具体例を表1に示すがこれ
らに限定されるものではない。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】表中、Rは置換基を有しても良いメチル
基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル
基、置換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、
ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のア
ラルキル基、置換基を有しても良いフェニル基、ナフチ
ル基及びアンスリル等のアリール基又は水素原子を示
す。
【0059】上記で説明したような本発明に係わる連鎖
重合性官能基の中でも、下記一般式(11)で示される
ものが好ましい。
【0060】
【化14】
【0061】式中、Eは水素原子、フッ素、塩素及び臭
素等のハロゲン原子、置換基を有しても良いメチル基、
エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、置
換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフチ
ルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキ
ル基、置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、
アンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基及びフリル
基等のアリール基、CN基、ニトロ基、メトキシ基、エ
トキシ基及びプロポキシ基等のアルコキシ基、−COO
26又は−CONR2728を示す。
【0062】Wは置換基を有しても良いフェニレン基、
ナフチレン基及びアントラセニレン基等のアリーレン
基、置換基を有しても良いメチレン基、エチレン基及び
ブチレン基等のアルキレン基、−COO−、−CH
2−、−O−、−OO−、−S−又は−CONR29−で
示される。
【0063】R26〜R29は水素原子、フッ素、塩素及び
臭素等のハロゲン原子、置換基を有しても良いメチル
基、エチル基及びプロピル基等のアルキル基、置換基を
有しても良いベンジル基及びフェネチル基等のアラルキ
ル基又は置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基
及びアンスリル基等のアリール基を示し、R27とR28
互いに同一であっても異なっても良い。また、fは0又
は1を示す。
【0064】E及びW中で有してもよい置換基として
は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素等のハロゲン原子;
ニトロ基、シアノ基、水酸基;メチル基、エチル基、プ
ロピル基及びブチル基等のアルキル基;メトキシ基、エ
トキシ基及びプロポキシ基等のアルコキシ基;フェノキ
シ基及びナフトキシ基等のアリールオキシ基;ベンジル
基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及
びチエニル基等のアラルキル基;又はフェニル基、ナフ
チル基、アンスリル基及びピレニル基等のアリール基等
が挙げられる。
【0065】また、上記一般式(11)の中でも、特に
好ましい連鎖重合性官能基としては、下記一般式(1
2)〜一般式(16)で示されるものが挙げられる。
【0066】
【化15】
【0067】更に、上記一般式(12)〜一般式(1
6)の中でも、一般式(12)のアクリロイルオキシ基
及び一般式(13)のメタクリロイルオキシ基が、重合
特性等の点から好ましい。
【0068】本発明における、一般式(1)で示される
連鎖重合性官能基を有する化合物は、その構造単位の繰
り返しより、モノマーとオリゴマーに大別される。モノ
マーとは、一般式(1)で示される連鎖重合性官能基を
有する構造単位の繰り返しが無く、比較的分子量の小さ
いものを示し、オリゴマーとは一般式(1)で示される
連鎖重合性官能基を有する構造単位の繰り返し数が2〜
20程度の重合体である。また、ポリマー又はオリゴマ
ーの末端のみに一般式(1)で示される連鎖重合性官能
基を有するマクロノマーも、本発明の保護層用の硬化性
化合物として使用可能である。
【0069】本発明では、電子写真感光体の耐久性と電
気的な特性の両立という点からモノマーを使用すること
が好ましい。また、上記一般式(1)で示される官能基
を有するモノマーにおいては、同一分子中の官能基数に
おいて更に分類が可能であり、同一分子に官能基が1つ
のものは単官能モノマーと呼ばれ、2つ以上の場合には
多官能モノマーと呼ぶ。本発明において、電子写真感光
体の表面層の硬度を十分に確保するために多官能モノマ
ーを使用することが好ましく、更に好ましくは同一分子
中に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する多官能モノマ
ーを使用することが好ましい。
【0070】一般式(1)で示される連鎖重合性官能基
をもつオリゴマーとしては、表1の化合物例に示される
ようにその繰り返し構造単位中に一般式(1)で示され
る連鎖重合性官能基を持てばよい。但し、本発明におい
て感光層の硬度と電子写真感光体特性の両立を計る上
で、オリゴマーはモノマーと混合して使用することが好
ましい。
【0071】本発明で『連鎖重合性官能基を有する正孔
輸送性化合物』とは、上記で説明した連鎖重合性官能基
が上記で説明した正孔輸送性化合物に官能基として2つ
以上の化学結合している化合物を示す。この場合、それ
らの連鎖重合性官能基は全て同一でも異なったものであ
ってもよい。
【0072】それらの連鎖重合性官能基を少なくとも2
つ有する正孔輸送性化合物としては下記一般式(1)で
ある場合が好ましい。
【0073】
【化16】
【0074】式中、P1及びP2は連鎖重合性官能基を示
し、P1とP2は同一でも異なっても良い。Zは置換基を
有しても良い有機基を示す。a、b及びdは0又は1以
上の整数を示し、a+b×dは2以上の整数を示す。ま
た、aが2以上の場合P1は同一でも異なっても良く、
d が2以上の場合P2は同一でも異なっても良く、また
bが2以上の場合、Z及びP2は同一でも異なっても良
い。
【0075】なおここで、『aが2以上の場合P1は同
一でも異なっても良く』とは、それぞれ異なるn種類の
連鎖重合性官能基をP11、P12、P13、P14、P15・・
・・P1nと示した場合、例えばa=3のとき正孔輸送性
化合物Aに直接結合する重合性官能基P1は3つとも同
じものでも、2つ同じで1つは違うもの(例えば、P1 1
とP11とP12とか)でも、それぞれ3つとも異なるもの
(例えば、P12とP15とP17とか)でも良いということ
を意味するものである(『dが2以上の場合P2は同一
でも異なっても良く』というのも、『bが2以上の場
合、Z及びP2は同一でも異なっても良い』というのも
これと同様なことを意味するものである)。
【0076】上記一般式(1)のAは正孔輸送性基を示
し、正孔輸送性を示すものであればいずれのものでもよ
く、P1やZとの結合部位を水素原子に置き換えた水素
付加化合物(正孔輸送化合物)として示せば、例えば、
オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダ
ゾール誘導体、トリフェニルアミン等のトリアリールア
ミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アン
トラセン、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェ
ニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラ
ゾリン、フェニルヒドラゾン類、チアゾール誘導体、ト
リアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導
体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、
チオフェン誘導体及びN−フェニルカルバゾール誘導体
等が挙げられる。
【0077】更に、上記正孔輸送化合物の中でも、下記
一般式(2)、(3)、(4)、(5)及び(7)で示
されるものが好ましい。その中でも、一般式(2)、
(3)及び(4)が特に好ましい。
【0078】
【化17】
【0079】上記一般式(2)中、R1、R2及びR3
置換基を有しても良いメチル基、エチル基、プロピル基
及びブチル基等の炭素数10以下のアルキル基、置換基
を有しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフチルメ
チル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基
又は置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、ア
ンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェ
ニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキ
ノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベン
ゾフリル基及びベンゾチオフェニル基等のアリール基を
示す。
【0080】但し、R1、R2及びR3のうち少なくとも
2つはアリール基を示し、R1、R2及びR3はそれぞれ
同一であっても異なっていてもよい。更に、その中でも
1、R2及びR3のすべてがアリール基であるものが特
に好ましい。また、上記一般式(2)のR1又はR2又は
3のうち任意の2つはそれぞれ直接もしくは結合基を
介して結合しても良く、その結合基としては、メチレン
基、エチレン基及びプロピレン基等のアルキレン基、酸
素及び硫黄原子等のヘテロ原子又はCH=CH基等が挙
げられる。
【0081】
【化18】
【0082】上記一般式(3)中、R4、R5、R8及び
9は置換基を有しても良いメチル基、エチル基、プロ
ピル基及びブチル基等の炭素数10以下のアルキル基、
置換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフ
チルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラル
キル基又は置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル
基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チ
オフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベ
ンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル
基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾ
フリル基及びジベンゾチオフェニル基等のアリール基を
示し、R4、R5、R8及びR9はそれぞれ同一であっても
異なっていてもよい。R6及びR7は置換基を有しても良
いメチレン基、エチレン基及びプロピレン基等の炭素数
10以下のアルキレン基、又は置換基を有しても良いア
リーレン基(ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フ
ェナンスレン、ピレン、チオフェン、フラン、ピリジ
ン、キノリン、ベンゾキノリン、カルバゾール、フェノ
チアジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾ
フラン及びジベンゾチオフェン等より2個の水素を取り
除いた基)を示し、R6及びR7は同一であっても異なっ
ていてもよい。Qは置換基を有しても良い有機基を示
す。
【0083】更にその中でも、上記一般式(3)中のR
4、R5、R8及びR9のうち少なくとも2つが置換基を有
しても良いアリール基であり、かつR6及びR7は置換基
を有しても良いアリーレン基である場合が好ましく、更
にR4、R5、R8及びR9が4つとも全てアリール基であ
る場合が特に好ましい。また、上記一般式(3)のR 4
又はR5又はR6のうち任意の2つあるいはR7又はR8
はR9のうち任意の2つはそれぞれ直接もしくは結合基
を介して結合しても良く、その結合基としては、メチレ
ン基、エチレン基及びプロピレン基等のアルキレン基、
酸素及び硫黄原子等のヘテロ原子又はCH=CH基等が
挙げられる。
【0084】
【化19】
【0085】上記一般式(4)中、m1は0又は1を示
し、m1=1である場合が好ましく、R10〜R13は置換
基を有しても良いメチル基、エチル基、プロピル基及び
ブチル基等の炭素数10以下のアルキル基、置換基を有
しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル
基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基又は
置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、アンス
リル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル
基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリ
ル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフ
リル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフリル基及び
ジベンゾチオフェニル基等のアリール基を示し、R10
13はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
【0086】Ar1は置換基を有してもよいアリーレン
基(ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナンス
レン、ピレン、チオフェン、フラン、ピリジン、キノリ
ン、ベンゾキノリン、カルバゾール、フェノチアジン、
ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン及び
ジベンゾチオフェン等より2個の水素を取り除いた基)
を示し、Ar2はm1=0の場合、置換基を有してもよい
フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリ
ル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリジ
ル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル
基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオ
フェニル基、ジベンゾフリル基及びジベンゾチオフェニ
ル基等のアリール基を示し、m1=1の場合は上記Ar1
と同様なアリーレン基を示す。なお、m1=1の場合
は、Ar1とAr2は同一であっても異なっていてもよ
い。
【0087】更にその中でも、上記一般式(4)中のR
10及びR11が置換基を有しても良いアリール基である場
合が好ましく、R10〜R13が4つとも全てアリール基で
ある場合が特に好ましい。また、上記一般式(4)のR
10とR11又はR12とR13又はAr1とAr2はそれぞれ直
接もしくは結合基を介して結合しても良く、その結合基
としては、メチレン基、エチレン基及びプロピレン等の
アルキレン基、カルボニル基、酸素及び硫黄原子等のヘ
テロ原子又はCH=CH基等が挙げられる。
【0088】
【化20】
【0089】但し上記一般式(5)中、Ar3、Ar4
びR14のうち少なくとも一つは、下記一般式(6)で示
される基を少なくとも一つ有する。
【0090】
【化21】
【0091】上記一般式(5)及び(6)中、Ar3
Ar4及びAr5は置換基を有しても良いフェニル基、ナ
フチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル
基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル
基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジ
ニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベ
ンゾフリル基及びジベンゾチオフェニル基等のアリール
基を示し、R14、R15及びR16は置換基を有しても良い
メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等の炭素
数10以下のアルキル基、置換基を有しても良いベンジ
ル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基
及びチエニル基等のアラルキル基、置換基を有しても良
いフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンス
リル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリ
ジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル
基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオ
フェニル基、ジベンゾフリル基及びジベンゾチオフェニ
ル基等のアリール基又は水素原子を示す(但し、R14
水素原子である場合は除く)。なお、Ar3及びAr4
15及びR16は、それぞれ同一であっても異なっていて
もよい。
【0092】更にその中でも、R14及びR16がアリール
基である場合が特に好ましい。また、R14又はAr3
はAr4のうち任意の2つ、又はAr5及びR16はそれぞ
れ直接もしくは結合基を介して結合しても良く、その結
合基としては、メチレン基、エチレン基及びプロピレン
基等のアルキレン基、酸素及び硫黄原子等のヘテロ原子
又はCH=CH基等が挙げられる。n1は0〜2の整数
を示す。
【0093】
【化22】
【0094】但し、上記一般式(7)は、下記一般式
(8)で示される基を少なくとも一つ有する。
【0095】
【化23】
【0096】上記一般式(7)及び(8)中、Ar6
びAr7は置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル
基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チ
オフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベ
ンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル
基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾ
フリル基及びジベンゾチオフェニル基等のアリール基を
示し、R17、R18、R19及びR20は置換基を有しても良
いメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等の炭
素数10以下のアルキル基、置換基を有しても良いベン
ジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル
基及びチエニル基等のアラルキル基、置換基を有しても
良いフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナン
スリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピ
リジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリ
ル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチ
オフェニル基、ジベンゾフリル基及びジベンゾチオフェ
ニル基等のアリール基又は水素原子を示す(但し、R17
及びR18が水素原子である場合は除く)。なお、R17
18及びR19とR20は、それぞれ同一であっても異なっ
ていてもよい。
【0097】その中でも、R20がアリール基である場合
が好ましく、更にR17とR18がアリール基である場合が
特に好ましい。また、R17又はR18又はAr6のうち任
意の2つ、又はAr7及びR20はそれぞれ直接もしくは
結合基を介して結合しても良く、その結合基としては、
メチレン基、エチレン基及びプロピレン基等のアルキレ
ン基、酸素及び硫黄原子等のヘテロ原子又はCH=CH
基等が挙げられる。n 2は0〜2の整数を示す。
【0098】また、上記一般式(1)中のZ及び上記一
般式(3)中のQは、置換基を有しても良いアルキレン
基、置換基を有しても良いアリーレン基、CR21=CR
22(R21及びR22はアルキル基、アリール基又は水素原
子を示し、R21及びR22は同一でも異なっても良い)、
C=O、S=O、SO2、酸素原子又は硫黄原子より一
つあるいは任意に組み合わされた有機基を示す。その中
でも下記一般式(9)で示されるものが好ましく、特に
は下記一般式(10)で示されるものが好ましい。
【0099】
【化24】
【0100】
【化25】
【0101】上記一般式(9)中、X1〜X3は置換基を
有しても良いメチレン基、エチレン基及びプロピレン基
等の炭素数20以下のアルキレン基、(CR23=C
24m2、C=O、S=O、SO2、酸素原子又は硫黄
原子を示し、Ar8及びAr9は置換基を有しても良いア
リーレン基(ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フ
ェナンスレン、ピレン、チオフェン、フラン、ピリジ
ン、キノリン、ベンゾキノリン、カルバゾール、フェノ
チアジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾ
フラン及びジベンゾチオフェン等より2個の水素原子を
取り除いた基)を示す。R23及びR24は置換基を有して
も良いメチル基、エチル基及びプロピル基等のアルキル
基、置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基及び
チオフェニル基等のアリール基又は水素原子を示し、R
23及びR24は同一でも異なっても良い。m2は1〜5の
整数、p〜tは0〜10の整数を示す(但し、p〜tは
同時に0であることはない)。
【0102】上記一般式(10)中、X4及びX5は(C
2m3、(CH=CR25m4、C=O、又は酸素原子
を示し、Ar10は置換基を有しても良いアリーレン基
(ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレ
ン、ピレン、チオフェン、フラン、ピリジン、キノリ
ン、ベンゾキノリン、カルバゾール、フェノチアジン、
ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン及び
ジベンゾチオフェン等より2個の水素原子を取り除いた
基)を示す。R25は置換基を有しても良いメチル基、エ
チル基及びプロピル基等のアルキル基、置換基を有して
も良いフェニル基、ナフチル基及びチオフェニル基等の
アリール基又は水素原子を示す。m3は1〜10の整
数、m4は1〜5の整数、u〜wは0〜10の整数を示
す(特に、0〜5の整数の時が特に好ましい。但し、u
〜wは同時に0であることはない)。
【0103】なお、上述の一般式(3)〜(11)のR
4〜R29、Ar1〜Ar10、X1〜X5、Z及びQがそれぞ
れ有しても良い置換基としてはフッ素、塩素、臭素及び
ヨウ素等のハロゲン原子;ニトロ基、シアノ基、水酸
基;メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等の
アルキル基;メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基
等のアルコキシ基;フェノキシ基及びナフトキシ基等の
アリールオキシ基;ベンジル基、フェネチル基、ナフチ
ルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキ
ル基;又はフェニル基、ナフチル基、アンスリル基及び
ピレニル基等のアリール基が挙げられる。また、一般式
(2)のR1〜R3が有しても良い置換基としてはアリー
ル基を除いた上記置換基及びジフェニルアミノ基及びジ
(p−トリル)アミノ基等のジアリールアミノ基が挙げ
られる。
【0104】また、本発明における同一分子内に二つ以
上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は、酸
化電位が1.2(V)以下であることが好ましく、特に
は0.4〜1.2(V)であることが好ましい。それ
は、酸化電位が1.2(V)超えると電荷発生材料より
の電荷(正孔)の注入が起こり難く残留電位の上昇、感
度悪化及び繰り返し使用時の電位変動が大きくなる等の
問題が生じ易い、また0.4(V)未満では帯電能の低
下等の問題の他に、化合物自体が容易に酸化されるため
に劣化し易く、それに起因した感度悪化、画像ボケ及び
繰り返し使用時の電位変動が大きくなる等の問題が生じ
易くなるためである。
【0105】なお、ここで述べている酸化電位は、以下
の方法によって測定される。
【0106】(酸化電位の測定法)飽和カロメル電極を
参照電極とし、電解液に0.1N(n−Bu)4+ClO
4 -アセトニトリル溶液を用い、ポテンシャルスイーパに
よって作用電極(白金)に印加する電位をスイープし、
得られた電流−電位曲線がピークを示したときの電位を
酸化電位とした。詳しくは、サンプルを0.1N(n−
Bu)4+ClO4 -アセトニトリル溶液に5〜10mm
ol%程度の濃度になるように溶解する。そして、この
サンプル溶液に作用電極によって電圧を加え、電圧を低
電位(0V)から高電位(+1.5V)に直線的に変化
させた時の電流変化を測定し、電流−電位曲線を得る。
この電流−電位曲線において電流値がピーク(ピークが
複数ある場合には最初のピーク)を示したときのピーク
トップの位置の電位を酸化電位とした。
【0107】また更に、上記連鎖重合性官能基を有する
正孔輸送性化合物は正孔輸送能として1×10-7(cm2
/V.sec)以上のドリフト移動度を有しているもの
が好ましい(但し、印加電界:5×104V/cm)。
1×10-7(cm2/V.sec)未満では、電子写真感
光体として露光後現像までに正孔が十分に移動できない
ため見かけ上感度が低減し、残留電位も高くなってしま
う問題が発生する場合がある。
【0108】以下に本発明に係わる、連鎖重合性官能基
を有する正孔輸送性化合物の代表例を挙げるがこれらに
限定されるものではない。
【0109】
【化26】
【0110】
【化27】
【0111】
【化28】
【0112】
【化29】
【0113】
【化30】
【0114】
【化31】
【0115】
【化32】
【0116】
【化33】
【0117】
【化34】
【0118】
【化35】
【0119】
【化36】
【0120】
【化37】
【0121】
【化38】
【0122】
【化39】
【0123】
【化40】
【0124】
【化41】
【0125】
【化42】
【0126】
【化43】
【0127】
【化44】
【0128】
【化45】
【0129】
【化46】
【0130】
【化47】
【0131】
【化48】
【0132】
【化49】
【0133】
【化50】
【0134】
【化51】
【0135】
【化52】
【0136】
【化53】
【0137】
【化54】
【0138】
【化55】
【0139】
【化56】
【0140】
【化57】
【0141】
【化58】
【0142】
【化59】
【0143】
【化60】
【0144】
【化61】
【0145】
【化62】
【0146】
【化63】
【0147】
【化64】
【0148】
【化65】
【0149】
【化66】
【0150】
【化67】
【0151】
【化68】
【0152】
【化69】
【0153】
【化70】
【0154】
【化71】
【0155】
【化72】
【0156】
【化73】
【0157】
【化74】
【0158】
【化75】
【0159】
【化76】
【0160】
【化77】
【0161】
【化78】
【0162】
【化79】
【0163】
【化80】
【0164】
【化81】
【0165】
【化82】
【0166】
【化83】
【0167】
【化84】
【0168】
【化85】
【0169】
【化86】
【0170】
【化87】
【0171】
【化88】
【0172】
【化89】
【0173】
【化90】
【0174】
【化91】
【0175】
【化92】
【0176】
【化93】
【0177】
【化94】
【0178】
【化95】
【0179】
【化96】
【0180】
【化97】
【0181】
【化98】
【0182】
【化99】
【0183】本発明において、連鎖重合性官能基を有す
る正孔輸送性化合物の代表的な合成方法を以下に示す。
【0184】(合成例1:化合物例No.6の合成)以
下のルートに従い合成した。
【0185】
【化100】
【0186】1(50g:0.47mol)、2(40
6g:1.4 mol)、無水炭酸カリウム(193
g)及び銅粉(445g)を1,2−ジクロロベンゼン
1200gと共に180〜190℃で加熱撹拌を15時
間行った。反応液を濾過後、減圧下で溶媒を除去し、残
留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い3を1
32 g得た。
【0187】3(120g:0.28mol)をメチル
セルソルブ1500gに加え室温で撹拌しながらナトリ
ウムメチラート(150g)をゆっくり添加した。添加
終了後、そのまま室温で1時間の撹拌後に、更に70〜
80℃で10時間加熱撹拌を行った。反応液を水にあけ
希塩酸で中和後、酢酸エチルで抽出し有機層を無水硫酸
ナトリウムで乾燥後、減圧下で溶媒を除去した。残留物
をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い4を78g
得た。
【0188】4(70g:0.2mol )及びトリエ
チルアミン( 40g:0.4mol)を、乾燥テトラヒ
ドロフラン(THF)400mlに加え0〜5℃に冷却
後、塩化アクリロイル(55g: 0.6mol)をゆ
っくり滴下した。滴下終了後、ゆっくり室温に戻し室温
でそのまま4時間撹拌を行った。反応液を水にあけ中和
後、酢酸エチルで抽出し有機層を無水硫酸ナトリウムで
乾燥後、溶媒を除去した。残留物をシリカゲルカラムを
用いカラム精製を行い5(化合物例No.6)を42g
得た(酸化電位:0.83V)。
【0189】(合成例2:化合物例No.52の合成)
上記合成例1で得られた4(10g:29mmol)を
乾燥THF50mlに加え、0〜5℃に冷却後、油性水
素化ナトリウム(約60%) 3.5gをゆっくり添加し
た。添加終了後、室温に戻し1時間の撹拌後に再び0〜
5℃に冷却し、アリルブロマイド(17.5g:145
mmol)をゆっくり滴下した。滴下終了後、そのまま
1時間の撹拌後に室温に戻し、更に5時間撹拌を行っ
た。反応液を水にあけ中和後、トルエンで抽出し有機層
を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を除去した。残留
物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い目的化合
物(化合物例No.52)を5.6g得た(酸化電位:
0.81V)。
【0190】(合成例3:化合物例No.114の合
成)以下のルートに従い合成した。
【0191】
【化101】
【0192】1(70g:0.35mol)、2(98
g:0.42 mol)、無水炭酸カリウム(73g)
及び銅粉(111g)を1,2−ジクロロベンゼン60
0gと共に180〜190℃で加熱撹拌を10時間行っ
た。反応液を濾過後、減圧下で溶媒を除去し、残留物を
シリカゲルカラムを用いカラム精製を行い3を86.2
g得た。
【0193】3(80g:0.26mol)をN,N−
ジメチルフォルムアミド(DMF)300gに加え室温
で撹拌しながらエタンチオールナトリウム塩(約90
%:62g)をゆっくり添加した。添加終了後、そのま
ま室温で1時間撹拌後、更に還流下で3時間加熱撹拌を
行った。冷却後、反応液を水にあけ希塩酸で弱酸性に
し、酢酸エチルで抽出し有機層を更に1.2mol/l
の水酸化ナトリウム水溶液で抽出し、水層を希塩酸で酸
性にして酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥後、減圧下で溶媒を除去した。残留物をシリカゲルカ
ラムを用いカラム精製を行い4を64g得た。
【0194】4を(60g:0.21 mol)をN,
N−ジメチルフォルムアミド300gに加え室温で撹拌
しながら苛性ソーダ(8.3g)をゆっくり添加した。
添加終了後、そのまま室温で30分間撹拌後、1,2−
ジヨードエタン(31.7g:0.1mol)をゆっく
り滴下した。滴下終了後、30分間撹拌後、更に70℃
で5時間の加熱撹拌を行った。反応液を水にあけトルエ
ンで抽出を行い、有機層を更に水洗後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥し減圧下で溶媒を除去した。残留物をシリカ
ゲルカラムを用いカラム精製を行い5を49.1g得
た。
【0195】DMF182gを0〜5℃に冷却後、オキ
シ塩化リン63.6gを10℃を超えないようにゆっく
り滴下した。滴下終了後、15分間そのまま撹拌後、5
(42.2g:0.07mol)/DMF102g溶液
をゆっくり滴下した。滴下終了後、そのまま30分間撹
拌後、室温に戻し2時間撹拌し更に80〜85℃に加熱
し15時間撹拌を行った。反応液を約15%の酢酸ナト
リウム水溶液1500gにあけ12時間撹拌を行った。
それを中和後、トルエンを用い抽出し有機層を無水硫酸
ナトリウムで乾燥後溶媒を除去し、残留物をシリカゲル
カラムを用いカラム精製を行い6を23g得た。
【0196】乾燥THF100mlに水素化リチウムア
ルミニウム0.89gを加え室温で撹拌しているところ
へ6(15g:0.023mol)/乾燥THF100
ml溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後、室温で4時
間の撹拌後、5%塩酸水溶液200mlをゆっくり滴下
した。滴下終了後、トルエンで抽出し有機層を無水硫酸
ナトリウムで乾燥後溶媒を除去し、残留物をシリカゲル
カラムを用いカラム精製を行い7を13.6g得た。
【0197】7( 10g:0.015mol)及びト
リエチルアミン( 6.1g:0.06mol)を、乾燥
THF120 mlに加え0〜5℃に冷却後、塩化アク
リロイル( 4.1g:0.045mol )をゆっくり
滴下した。滴下終了後、ゆっくり室温に戻し室温でその
まま6時間撹拌を行った。反応液を水にあけ中和後、酢
酸エチルで抽出し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後
溶媒を除去した。残留物をシリカゲルカラムを用いカラ
ム精製を行い8(化合物例No.114)を6.4 g
得た(酸化電位:0.88V)。
【0198】(合成例4:化合物例No.208の合
成)以下のルートに従い合成した。
【0199】
【化102】
【0200】1(50g:0.123mol)、2(6
2.4g:0.369mol)、無水炭酸カリウム(2
5.5g)及び銅粉(32g)を1,2−ジクロロベン
ゼン200gと共に180〜190℃で加熱撹拌を18
時間行った。反応液を濾過後、減圧下で溶媒を除去し、
残留物をトルエン/メタノール混合溶媒で2回再結晶を
行い3を60.2g得た。
【0201】DMF242gを0〜5℃に冷却後、オキ
シ塩化リン(84.8g:553.2mmol)を10
℃を超えないようにゆっくり滴下した。滴下終了後、1
5分間そのまま撹拌後、3(45.0g:92.2mm
ol)/DMF135g溶液をゆっくり滴下した。滴下
終了後、そのまま30分間の撹拌後に室温に戻し、2時
間撹拌し更に80〜85℃に加熱し8時間撹拌を行っ
た。反応液を約15%の酢酸ナトリウム水溶液2500
gにあけ12時間撹拌を行った。それを中和後、トルエ
ンを用い抽出し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後に
溶媒を除去し、残留物をシリカゲルカラムを用いカラム
精製を行い4を40.5g得た。
【0202】乾燥THF100mlに水素化リチウムア
ルミニウム0.89gを加え室温で撹拌しているところ
へ4(37g:68mmol)/乾燥THF600ml
溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後、室温で4時間撹
拌後、5%塩酸水溶液500mlをゆっくり滴下した。
滴下終了後、トルエンで抽出し有機層を無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥後溶媒を除去し、残留物をシリカゲルカラム
を用いカラム精製を行い5を26.3g得た。
【0203】5(20g:36mmol )及びトリエ
チルアミン(12.8g:126mol)を、乾燥TH
F130 mlに加え0〜5℃に冷却後、塩化アクリロ
イル( 9.8g:108mmol )をゆっくり滴下し
た。滴下終了後、ゆっくり室温に戻し室温でそのまま6
時間撹拌を行った。反応液を水にあけ中和後、酢酸エチ
ルで抽出し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒
を除去した。残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精
製を行い6(化合物例No.208)を11.2g得た
(酸化電位:0.80V)。
【0204】保護層を形成するための硬化性樹脂が溶解
した液は、その溶剤としてはトルエン、キシレンあるい
はモノクロロベンゼン等の芳香族系溶剤のほか、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエ
ーテル類、溶質によってはケトン類、飽和炭化水素類等
も使用可能である。本発明においては、この溶解液中に
導電性粒子が均一に分散している必要があり、導電性粒
子と化合物との混合割合は導電性粒子の粒径や抵抗率に
より大きく変化し、その組合せにより適宜選択される。
【0205】上述した、導電性粒子が均一に分散した、
連鎖重合性官能基を有する化合物よりなる溶解液は、後
述する感光層上に塗布後、硬化反応を行い保護層として
形成されるのが一般的である。しかし前もって溶解液を
反応させて硬化物を得た後に再度溶剤中に分散あるいは
溶解させたものを用いて、塗布、形成することも可能で
ある。塗布する方法は、例えば、浸漬コーテイング法、
スプレイコーテイング法、カーテンコーテイング法、ス
ピンコーテイング法等が知られている。
【0206】本発明においては、前述のように連鎖重合
性官能基を有する化合物を電子線照射によって硬化す
る。電子線照射をする場合、加速器としてはスキャニン
グ型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パル
ス型及びラミナー型等いずれの形式も使用することがで
きる。電子線を照射する場合に、本発明の電子写真感光
体においては電気特性及び耐久性能を発現させる上で照
射条件が非常に重要である。本発明において、加速電圧
は250KV以下が好ましく、最適には150KV以下
である。また、線量は好ましくは1Mrad〜100M
radの範囲、より好ましくは3Mrad〜50Mra
dの範囲である。加速電圧が250KVを超えると感光
体特性に対する電子線照射のダメージが顕著になり易
い。また、照射線量が1Mradよりも少ない場合には
硬化が不十分となり易く、線量が100Mradより多
すぎる場合には感光体特性の劣化が起こり易い。
【0207】上記方法により形成される保護層の膜厚
は、1〜50μmであることが好ましく、特には1〜3
0μmであることが好ましい。
【0208】なぜ、導電性粒子を含有した連鎖重合性官
能基を有する正孔輸送機能をもった樹脂で形成される保
護層を電子線照射によって硬化した場合に良好な残留電
位特性を示すかに関しては、明確な理由は判明していな
い。
【0209】ただ、一つには、感光層においては良好な
残留電位特性を発現させる上で極性の強い物質又は酸化
電位の低い物質は大きな弊害となることが知られている
ことより、従来の系で硬化樹脂で作製された保護層と比
較して本発明の保護層では、そのような極性の強い物質
又は酸化電位の低い物質が硬化反応の過程で生じない
か、又は非常に少ないことは想像できる。また、本発明
における、同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を
有する正孔輸送機能をもった硬化性樹脂が、保護層中の
電子、正孔のキャリアの中和に関し、促進させうるよう
な効果をもっていることで、残留電位の良化が発現した
可能性も考えられる。
【0210】更に、硬化方法の違いについて考えると、
紫外線で硬化する場合には、光反応開始剤の添加が必要
となり、これが残留電位の増加や感度の低下と行った感
光体特性を劣化させることが分かっている。ゆえに、本
発明の電子線による硬化方法は、低温で反応開始剤を用
いずに硬化を行うことができるため、良好な感光体特性
を発現するに至ったと考えられる。
【0211】また、耐削れ性、耐傷性の良化に関しても
明確な理由は判明していないが、熱又は紫外線による硬
化方法と比較して、電子線による硬化方法がもつメリッ
トから以下のように考えている。
【0212】熱硬化の場合は、保護層を完全に硬化する
ための熱量は、かなり大きなものとなり、その熱が保護
層下に存在する感光層自体を劣化させてしまうため、現
状では十分な熱量を与えられないまま保護層は形成され
るため、保護層硬度が不十分なものとなっている。
【0213】紫外線を用いた場合には、導電性粒子が紫
外線を吸収してしまい、導電性粒子付近の樹脂の硬化を
阻害してしまう。このため、従来は導電性粒子を分散し
た保護層の系では、保護層内のミクロな部分での未硬化
な部分が多数生じ、保護層の中での3次元的な架橋反応
が止まってしまうことで、保護層全体のマクロな表面硬
度も電子線照射硬化による硬度と比較すると低下してし
まう。
【0214】つまり、電子線照射硬化は、照射エネルギ
ーも紫外線に比べ、非常に大きく、電子線の試料に対す
る、透過深さも非常に深いため、導電性粒子付近の樹脂
の硬化も進み、保護層の高表面硬度化を達成できている
ものと考えている。
【0215】また、紫外線照射硬化系に対し、電子線照
射硬化系が優れている理由として、以下の事象も考えら
れる。
【0216】先記したように、紫外線照射により硬化を
するためには樹脂に対して、重合開始剤を併用する必要
があり、更に導電性粒子等が混入している様な系では、
大量の重合開始剤を添加しなければ硬度を高くすること
ができないことが、本発明者らの検討で明らかになって
いる。一方、導電性粒子の無い樹脂に必要以上の重合開
始剤が多量に混入している系は、その表面硬度は低下し
てしまうため、過剰な重合開始剤混入が3次元的な架橋
を阻害する傾向にあることがわかっている。ゆえに、導
電性粒子を分散した保護層において、電子線照射硬化系
は、紫外線照射硬化系のように重合開始剤を添加する必
要がないため表面を高硬度にするためには有利であると
考えている。
【0217】以下に、本発明で用いた電子写真感光体の
感光層以下の構成について説明する。
【0218】本発明に係わる感光層以下の構成は、導電
性支持体上に電荷発生材料を含有する電荷発生層及び電
荷輸送材料を含有する電荷輸送層をこの順に積層した構
成あるいは逆に積層した構成、また電荷発生材料と電荷
輸送材料が同一層内に混合分散した単層からなる構成の
いずれかの構成をとることも可能である。
【0219】但し、電子写真感光体としての特性である
残留電位等の特性を鑑みると、電荷発生層と電荷輸送層
とをこの順に積層した構成の機能分離型の電子写真感光
体が特に好ましい。
【0220】以下に電荷発生層と電荷輸送層とをこの順
に積層した機能分離型の電子写真感光体の詳細について
述べる。
【0221】本発明の電子写真感光体を製造する場合、
導電性支持体としてはアルミニウム、ステンレス等の金
属や合金、紙、プラスチック等が用いられるが、その形
状は円筒状シリンダー又はフィルム等適用される電子写
真装置に応じて任意のものとすることができる。また、
非導電性支持体上に導電層を蒸着法やその他の方法で、
別に設けることにより導電性支持体として用いてもよ
い。
【0222】本発明においては導電性支持体の上には、
バリアー機能と接着機能をもつ下引き層を設けることが
できる。下引き層は、感光層の接着性改良、塗工性改
良、支持体の保護、支持体上の欠陥の被覆、支持体から
の電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護等
のために形成される。
【0223】下引き層の材料としては、例えば、ポリビ
ニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリ
エチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アク
リル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシ
メチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ及びゼラ
チン等が挙げられる。これらは、それぞれに適した溶剤
に溶解されて導電性支持体上に塗布される。その際の膜
厚としては0.1〜2μm程度が好ましい。
【0224】本発明の電荷発生層に用いる電荷発生材料
としては、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウ
ム系染料、各種の中心金属及び結晶系、具体的には例え
ばα、β、γ、ε、X型等の結晶型を有するフタロシア
ニン化合物、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキ
ノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスア
ゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔
料、非対称キノシアニン顔料、キノシアニンあるいは特
開昭54−143645号公報に記載のアモルファスシ
リコン等が挙げられる。
【0225】電荷発生層は、前記の電荷発生材料を0.
3〜4倍量の結着樹脂及び溶剤と共にホモジナイザー、
超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミ
ル、アトライター及びロールミル等の方法でよく分散
し、分散液を塗布、乾燥して形成されるか、又は前記電
荷発生材料の蒸着膜等、単独組成の膜として形成され
る。その膜厚は5μm以下が好ましく、特には0.1〜
2μmの範囲であることが好ましい。
【0226】電荷輸送材料としては、電子輸送材料と正
孔輸送材料に大別される。電子輸送材料としては、例え
ば、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,
5,7−テトラニトロフルオレノン、クローラニル及び
テトラシアノキノジメタン等の電子吸引性材料やこれら
の電子吸引性材料を高分子化したもの等が挙げられる。
正孔輸送材料としては、ピレン及びアントラセン等の多
環芳香族化合物;カルバゾール系、インドール系、イミ
ダゾール系、オキサゾール系、チアゾール系、オキサジ
アゾール系、ピラゾール系、ピラゾリン系、チアジアゾ
ール系及びトリアゾール系化合物等の複素環化合物;p
−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニ
ルヒドラゾン及びN,N−ジフェニルヒドラジノ−3−
メチリデン−9−エチルカルバゾール等のヒドラゾン系
化合物;α−フェニル−4’−N,N−ジフェニルアミ
ノスチルベン及び5−[4−(ジ−p−トリルアミノ)
ベンジリデン]−5H−ジベンゾ[a,b]シクロヘプ
テン等のスチリル系化合物;ベンジジン系化合物;トリ
アリールメタン系化合物;トリフェニルアミン系化合
物;あるいは、これらの化合物から誘導される基を主鎖
又は側鎖に有するポリマー(例えば、ポリ−N−ビニル
カルバゾール及びポリビニルアントラセン)等が挙げら
れる。これらの有機電荷輸送材料の他にセレン、セレン
−テルル、アモルファスシリコン及び硫化カドミウム等
の無機材料も用いることができる。また、これらの電荷
輸送材料は、単独で用いても2種以上組み合わせても良
く、また本発明は上記化合物に限定されるものでなく、
上記以外の化合物を使用することも可能である。
【0227】電荷発生層上に形成する電荷輸送層は、先
記した電荷輸送材料と適当な樹脂を溶剤に溶解すること
によって得られた溶解液を塗布、乾燥し形成することが
好ましい。上記樹脂としては、広範囲な結着樹脂から選
択でき、市販の樹脂、例えばポリカーボネート樹脂、ポ
リアリレート樹脂及びポリスチレン樹脂等を用いること
が可能であるが、これらに限定されるものではない。こ
れらは、単独又は共重合体ポリマーとして1種又は2種
以上混合して用いてもよい。
【0228】次に、電荷発生層上に形成する電荷輸送層
の電荷輸送材料と結着樹脂との混合割合、溶剤、またこ
の溶解液を塗布する方法等について述べる。
【0229】電荷輸送材料と結着樹脂との混合割合は
2:1〜1:4(質量比)程度が好ましく、またその溶
剤としてはトルエン、キシレン及びモノクロロベンゼン
等の芳香族系溶剤のほか、ジオキサン、テトラヒドロフ
ラン及びテトラヒドロピラン等のエーテル類、溶質によ
ってはケトン類、飽和炭化水素類等も使用可能である。
この溶解液を塗布する方法は、例えば、浸漬コーテイン
グ法、スプレイコーテイング法、カーテンコーテイング
法及びスピンコーテイング法等が知られている。電子写
真感光体を効率よく大量生産するには浸漬コーテイング
法が最良であり、本発明においも浸漬塗布は可能であ
る。
【0230】図1に本発明の電子写真感光体を有するプ
ロセスカートリッジを用いた電子写真装置の概略構成を
示す。
【0231】図において、1はドラム状の本発明の電子
写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速
度で回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程に
おいて、帯電手段3によりその周面に正又は負の所定電
位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザー
ビーム走査露光等の露光手段(不図示)から出力される
目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応し
て強調変調された露光光4を受ける。こうして電子写真
感光体1の周面に対し、目的の画像情報に対応した静電
潜像が順次形成されていく。
【0232】形成された静電潜像は、次いで現像手段5
によりトナー現像され、不図示の給紙部から電子写真感
光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と
同期して取り出されて給紙された転写材7に、電子写真
感光体1の表面に形成担持されているトナー画像が転写
手段6により順次転写されていく。
【0233】トナー画像の転写を受けた転写材7は、電
子写真感光体面から分離されて像定着手段8へ導入され
て像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コ
ピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0234】像転写後の電子写真感光体1の表面は、ク
リーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受け
て清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露
光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に
使用される。電子写真感光体1の均一帯電手段3として
は、注入帯電装置が用いられる。
【0235】本発明においては、上述の電子写真感光体
1、帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9等
の構成要素のうち、複数のものを容器11に納めてプロ
セスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプ
ロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンタ
ー等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成しても
よい。例えば、帯電手段3、現像手段5及びクリーニン
グ手段9の少なくとも一つを電子写真感光体1と共に一
体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール等
の案内手段12を用いて装置本体に着脱自在なプロセス
カートリッジとすることができる。
【0236】また、露光光4は、電子写真装置が複写機
やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過
光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、こ
の信号に従って行われるレーザービームの走査、LED
アレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動等により
照射される光である。
【0237】本発明の電子写真感光体は、電子写真複写
機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、
CRTプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶プ
リンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広
く用いることができる。
【0238】本発明における露光手段、現像手段、転写
手段及びクリーニング手段等の、通常の電子写真プロセ
スを行うために必要な手段は何ら限定されるものでな
く、装置構成上クリーニング手段を除いた、クリーナー
レスシステムでの電子写真装置の構成をとること等も可
能である。
【0239】以下に注入帯電装置に使用されている、帯
電部材に関し説明する。
【0240】本発明は、帯電形態が注入帯電系が支配的
であれば良く、どのような帯電器構成のものを用いても
良いが、従来技術の項で述べたように導電性粉体を用い
た帯電部材が好適である。また、導電性液体等による帯
電器構成も好適と考えられるが、先にも述べたように、
これらに限定されるものでは無い。
【0241】以下に、導電性粉体を用いた帯電器構成に
ついて述べる。
【0242】従来技術の項で述べたように、磁気ブラシ
帯電は、帯電部材と電子写真感光体の表面との接触面積
を大きくすることが可能なため、電荷の注入性に優れて
おり、帯電機構としては、注入帯電系が支配的となる。
マグネット棒の周りにブラシ状に配した帯電部材形状
は、帯電均一性及びハンドリングの容易さの点で優れて
いる。また、このような帯電器形状によれば、帯電部材
を電子写真感光体に対して周速差をもって回転させるこ
ともでき、電子写真感光体表面に接触する帯電部材の接
触面積を増加させることが可能となり、その結果、電荷
注入性を、更に向上させることができる。特に、帯電部
材と電子写真感光体が、それらの接触部分において逆方
向に回転していると、一層効果的である。
【0243】本発明中で使用される磁性粉体は、一般的
な磁性材料を用いており、その粒径は体積分布50%径
で10〜60μmのものを使用するのが好ましい。
【0244】本発明においては、帯電部材の抵抗が1×
104〜1×109(Ω/cm2)であることが好まし
い。帯電部材の抵抗が1×109(Ω/cm2)を超える
と帯電不良が発生し易く、1×104(Ω/cm2) に
満たないと電子写真感光体のピンホール周辺における帯
電不良やピンホールの拡大、帯電部材の通電破壊が生じ
易くなる。
【0245】本発明における帯電部材の抵抗は、以下の
ように測定することができる。
【0246】まず、帯電部材を直径30mmのアルミニ
ウムシリンダーにニップ幅が3mmとなるように接触配
置する。次に、この帯電部材の電圧印加部分(実際の電
子写真装置において帯電部材に電圧を印加する場所。例
えば帯電ローラの芯金)に外部より100VのDC電圧
を印加し、帯電部材とアルミニウムシリンダーの間を流
れる電流を測定する。この電流値をI(A)とし、下記
式から得られる値を帯電部材の抵抗値とした。
【0247】帯電部材の抵抗(Ω/cm2)=100
(V)/I(A)×ニップ面積(cm2) {ニップ面積(cm2)=0.3(cm)×帯電部材と
アルミニウムシリンダーの接触長さ(cm)}
【0248】
【実施例】以下に、実施例を示して本発明をより詳細に
説明する。なお、実施例中の「部」は質量部を示す。
【0249】(実施例1)まず、導電層用の塗料を以下
の手順で調製した。10質量%の酸化アンチモンを含有
する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50部、
フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタ
ノール5部及びシリコーンオイル(ポリジメチルシロキ
サンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量300
0)0.002部をφ1mmガラスビーズを用いたサン
ドミル装置で2時間分散して調製した。この塗料をφ3
0mmのアルミニウムシリンダー上に浸漬塗布方法で塗
布し、140℃で30分間乾燥することによって、膜厚
が20μmの導電層を形成した。
【0250】次に、N−メトキシメチル化ナイロン5部
をメタノール95部中に溶解し、中間層用塗料を調製し
た。この塗料を前記の導電層上に浸漬塗布方法によって
塗布し、100℃で20分間乾燥することによって、膜
厚が0.6μmの中間層を形成した。
【0251】次に、CuKαの特性X線回折におけるブ
ラッグ角(2θ±0.2度)が9.0度、14.2度、
23.9度及び27.1度に強いピークを有するオキシ
チタニウムフタロシアニンを3部、ポリビニルブチラー
ル(商品名:エスレックBM2、積水化学(株)製)2
部及びシクロヘキサノン35部をφ1mmガラスビーズ
を用いたサンドミル装置で2時間分散して、その後に酢
酸エチル60部を加えて電荷発生層用塗料を調製した。
この塗料を前記の中間層の上に浸漬塗布方法で塗布し
て、100℃で15分間乾燥することによって、膜厚が
0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0252】次いで、下記構造式(42)のスチリル化
合物である電荷輸送材料10部、及びポリカーボネート
樹脂(重量平均分子量46000)10部を、ジクロロ
メタン30部/モノクロロベンゼン60部の混合溶媒中
に溶解して溶液を作製し、この溶液を電荷発生層表面に
浸漬塗布し、110℃で60分間乾燥することによっ
て、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
【0253】
【化103】
【0254】次に、化合物例No.6の構造式で示され
る化合物35部と、下記構造式(43)で表面処理した
(処理量7%)アンチモンドープした酸化スズ超微粒子
50部
【0255】
【化104】 をモノクロロベンゼン420部/ジクロロメタン140
部の混合溶媒に溶解し、サンドミルにて66時間かけて
酸化スズ超微粒子を分散し保護層用塗料を調製した。こ
の塗料を前記の電荷輸送層上にスプレー塗布方法で塗布
し、120℃で60分間乾燥した後、加速電圧150K
V、線量30Mradの条件にて電子線を照射し樹脂を
硬化することによって、膜厚が3μmの保護層を形成
し、電子写真感光体を作製した。
【0256】作製した電子写真感光体を図1に示される
構成の注入帯電により一次帯電を行うことができる電子
写真装置であるレーザビームプリンタに搭載した。本例
の磁気ブラシ帯電器は、スリーブ回転タイプのものであ
り非磁性導電性スリーブ(帯電スリーブ)と、この帯電
スリーブ内に固定配置された磁界発生手段としてのマグ
ネットロールと、帯電スリーブの外周面に内部のマグネ
ットロールの磁力で磁気吸着させて保持させた帯電磁性
粒子(導電性磁性粒子、磁性キャリア)の磁気ブラシ部
からなり、磁気ブラシ部を電子写真感光体面に所定幅で
接触させて帯電に必要なニップ部を形成している。
【0257】帯電磁性粒子には、Zn−Cuフェライト
粒子を中抵抗樹脂層でコートしたものを用いた。粒径は
体積分布径で求め、レーザー回折式粒度分布測定装置H
EROS{日本電子(株)製}を用いて、0.05μm
〜200μmの範囲を32対数分割して測定した。本実
施例で使用した帯電磁気粒子は、体積分布50%径で3
3.2μm、50%径と5%径の比は1.64であっ
た。
【0258】この被覆磁性粒子をスリーブ上に、厚さ:
1mmでコートして、電子写真感光体との間に幅:約5
mmの帯電ニップを形成した。また、該磁性粒子保持ス
リーブと電子写真感光体との間隔は約500μmとし
た。更に、スリーブ表面は、電子写真感光体表面の周速
に対して、その2倍の早さで逆方向に摺擦するように、
回転され、電子写真感光体と磁気ブラシとが均一に接触
するようにした。このとき帯電部材の抵抗は5×105
(Ω/cm2)であった。なお、現像器は2成分現像器
を用いた。
【0259】評価は初期の電子写真感光体特性である暗
部電位Vd、感度Vl(暗部電位−500V設定で−2
00Vに光減衰させるために必要な露光量)、残留電位
Vsl(電位減衰カーブの裾部の飽和電位)の測定と、
10000枚の画像出し耐久を行った。なお、削れ量
は、渦電流式膜厚測定器(FISCHER社製、PER
MASCOPE TYRE E111)を用いて測定し
た。結果を表2に示す。
【0260】表2に示されるように電子写真感光体の初
期電位特性は良好であった。また、表2に示されるよう
に、10000枚の画像出し耐久結果を見ても、削れ量
が少なく傷等の発生もなく、良好な画像を出し続けるこ
とができた。
【0261】(実施例2)実施例1における保護層中
に、更にポリテトラフルオロエチレン微粒子(平均粒径
0.18μm)を5部加えて分散した他は、実施例1と
同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を
表2に示す。
【0262】その結果、初期の電子写真感光体特性であ
る暗部電位Vd、感度Vl、残留電位Vslも実用上問
題のないレベルで良好であり、かつ10000枚の画像
出し耐久においても良好な画像を出し続けることができ
た。
【0263】(比較例1)実施例1における、保護層を
設けず、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製
し、評価した。結果を表2に示す。
【0264】その結果、初期の電子写真感光体特性であ
る暗部電位Vdの載りが悪く、他の感度Vl、残留電位
Vslを評価することはできなかった。これを、上記L
BPにて画像出しを行ったところ、初期画像としてカブ
リ、黒ポチの非常に多いものしか得ることができず、1
0000枚の画像出し耐久評価をすることができなかっ
た。
【0265】(比較例2)実施例2の保護層用塗料に光
重合開始剤として、2−メチルチオキサントン6部を溶
解し調合液とした。これを実施例1と同様にして、電荷
輸送層上にスプレー塗布法により、膜を形成し、メタル
ハライド灯にて、800mW/cm2の紫外線で、60
秒間照射し保護層の硬化を行った。その後、120℃で
2時間の熱風乾燥して保護層を得た。それ以外は、実施
例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行っ
た。結果を表2に示す。
【0266】その結果、初期の電子写真感光体特性であ
る感度Vl、残留電位Vslが若干悪いものとなった。
上記LBPにて画像出しを行ったところ、トナーの現像
濃度の直線性は得られず、コピー濃度階調性も電位なり
に若干悪いものとなった。これを10000枚の画像出
し耐久評価した結果、耐久での表面層の削れが実施例1
に比べ大きく、耐久枚数10000枚に達する前に、傷
による画像黒スジが軽微ではあるが確認された。
【0267】(実施例3)実施例1における正孔輸送性
化合物である化合物例No.6の量を20部とし、更に
下記構造式(44)のアクリル系モノマーを10部添加
した以外は、実施例1と同様にして保護層を形成し、電
子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
【0268】
【化105】
【0269】その結果、初期の電子写真感光体特性であ
る暗部電位Vd、感度Vl、残留電位Vslも実用上問
題のないレベルで良好であり、かつ10000枚の画像
出し耐久においても良好な画像を出し続けることができ
た。
【0270】(比較例3)実施例1における正孔輸送性
化合物である化合物例No.6の代わりに、特開平5−
216249号公報に開示されている下記構造式(4
5)の化合物を用いた以外は実施例1と同様にして、保
護層を形成し、電子写真感光体を作製し、評価した。結
果を表2に示す。
【0271】
【化106】
【0272】その結果、初期の電子写真感光体特性であ
る暗部電位Vd、感度Vl、残留電位Vsl、いずれも
実用上問題のないレベルであった。しかし、これを10
000枚の画像出し耐久評価した結果、耐久での表面層
の削れが実施例1に比べ大きく、耐久枚数10000枚
に達する前に、傷による画像黒スジが軽微ではあるが確
認された。
【0273】(実施例4〜8)保護層を塗布後の電子線
照射条件を表3に示す条件に変更した以外は、実施例1
と同様にして実施例4〜8に対応する電子写真感光体を
作製し、評価した。結果を表2に示す。
【0274】表2に見られるように電子線の加速電圧が
250KVを超えると、及び線量が50Mradを超え
ると感度低下及び残留電位の増加の傾向が見られたが、
実用に耐えうるレベルであった。10000枚の画像出
し耐久においては削れ量、傷等の点で、大きな違いはみ
られず、どれも良好な画像を出し続けることができた。
【0275】(実施例9〜13)実施例1における正孔
輸送性化合物No.6を表4に示される様な、化合物例
中の化合物に代えた以外は、実施例1と同様にして電子
写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
【0276】その結果、初期の電子写真感光体特性であ
る暗部電位Vd、感度Vl、残留電位Vslも実用に耐
えうるレベルであった。10000枚の画像出し耐久に
おいては削れ量、傷等の点で、大きな違いはみられず、
どれも良好な画像を出し続けることができた。
【0277】
【表3】
【0278】
【表4】
【0279】
【表5】
【0280】
【発明の効果】本発明の、導電性支持体上に感光層及び
保護層を有しており、保護層が少なくとも同一分子内に
2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送機能をも
った硬化性樹脂及び導電性粒子を含有しており、該化合
物の硬化を電子線照射により行うことで得られる電子写
真感光体に接触配置され、電圧を印加されることにより
該電子写真感光体を帯電する帯電部材、露光手段、現像
手段及び転写手段を有する電子写真装置において、該帯
電が注入帯電であることを特徴とする電子写真装置によ
れば、良好な注入帯電を行うことができ、電子写真感光
体の残留電位も小さく、かつ高耐久においても電子写真
感光体の削れ、傷による画像欠陥も発生しないため、初
期及び耐久後も非常に高品質の画像を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカー
トリッジを用いる電子写真装置の概略構成の例を示す図
である。
【図2】ローラ帯電、ファーブラシ帯電及び磁気ブラシ
帯電の各場合の帯電特性を示す図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体 2 軸 3 帯電手段 4 露光光 5 現像手段 6 転写手段 7 転写材 8 定着手段 9 クリーニング手段 10 前露光光 11 プロセスカートリッジ容器 12 案内手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植松 弘規 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 菊地 憲裕 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 関谷 道代 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA02 AA03 AA05 AA37 BB05 BB10 BB14 BB17 BB31 BB44 BB60 CA37 FA03 FA27 FC01

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接触帯電部材によって注入帯電される電
    子写真感光体であって、導電性支持体上に感光層及び保
    護層を有する電子写真感光体において、該保護層が同一
    分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送
    機能を有する硬化性樹脂及び導電性粒子を含有してお
    り、該硬化性樹脂の硬化を電子線照射により行うことを
    特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送
    性化合物が、下記一般式(1)である請求項1に記載の
    電子写真感光体。 【化1】 (式中、Aは正孔輸送性基を示す。P1及びP2は連鎖重
    合性官能基を示す。P1とP2は同一でも異なっても良
    い。Zは置換基を有しても良い有機基を示す。a、b及
    びdは0又は1以上の整数を示し、a+b×dは2以上
    の整数を示す。また、aが2以上の場合P1は同一でも
    異なっても良く、dが2以上の場合P2は同一でも異な
    っても良く、またbが2以上の場合、Z及びP2は同一
    でも異なっても良い)
  3. 【請求項3】 上記一般式(1)で、AとP1及びZと
    の結合部位を水素原子に置き換えた正孔輸送性化合物が
    下記一般式(2)で示される請求項1又は2に記載の電
    子写真感光体。 【化2】 (式中、R1、R2及びR3は置換基を有しても良いアル
    キル基、置換基を有しても良いアラルキル基又は置換基
    を有しても良いアリール基を示す。但し、少なくともそ
    のうち2つはアリール基を示す。また、R1、R2及びR
    3はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい)
  4. 【請求項4】 上記一般式(1)で、AとP1及びZと
    の結合部位を水素原子に置き換えた正孔輸送性化合物が
    下記一般式(3)で示される請求項1又は2に記載の電
    子写真感光体。 【化3】 (式中、R4、R5、R8及びR9は置換基を有しても良い
    アルキル基、置換基を有しても良いアラルキル基又は置
    換基を有しても良いアリール基を示し、R4、R5、R8
    及びR9はそれぞれ同一であっても異なっていてもよ
    い。R6及びR7は置換基を有しても良いアルキレン基又
    は置換基を有しても良いアリーレン基を示し、R6及び
    7は同一であっても異なっていてもよい。Qは置換基
    を有しても良い有機基を示す)
  5. 【請求項5】 上記一般式(1)で、AとP1及びZと
    の結合部位を水素原子に置き換えた正孔輸送性化合物が
    下記一般式(4)で示される請求項1又は2に記載の電
    子写真感光体。 【化4】 (式中、R10、R11、R12及びR13は置換基を有しても
    良いアルキル基、置換基を有しても良いアラルキル基又
    は置換基を有しても良いアリール基を示す。また、
    10、R11、R12及びR13はそれぞれ同一であっても異
    なっていてもよい。Ar1及びAr2は置換基を有しても
    良いアリーレン基を示し、それぞれ同一でも異なっても
    良い。m1は0又は1を示す)
  6. 【請求項6】 上記一般式(1)で、AとP1及びZと
    の結合部位を水素原子に置き換えた正孔輸送性化合物が
    下記一般式(5)で示される請求項1又は2に記載の電
    子写真感光体。 【化5】 (式中、Ar3及びAr4は置換基を有しても良いアリー
    ル基を示し、Ar3及びAr4は同一でも異なっても良
    い。R14は置換基を有しても良いアルキル基、置換基を
    有しても良いアラルキル基又は置換基を有しても良いア
    リール基を示す)但し、Ar3、Ar4及びR14のうち少
    なくとも一つは、下記一般式(6)で示される基を少な
    くとも一つ有する。 【化6】 (式中、R15及びR16は置換基を有しても良いアルキル
    基、置換基を有しても良いアラルキル基、置換基を有し
    ても良いアリール基又は水素原子を示し、R15及びR16
    は同一であっても異なってもよい。Ar5は置換基を有
    しても良いアリール基を示す。n1は0〜2の整数を示
    す)
  7. 【請求項7】 上記一般式(1)で、AとP1及びZと
    の結合部位を水素原子に置き換えた正孔輸送性化合物が
    下記一般式(7)で示される請求項1又は2に記載の電
    子写真感光体。 【化7】 (式中、R17及びR18は置換基を有しても良いアルキル
    基、置換基を有しても良いアラルキル基又は置換基を有
    しても良いアリール基を示し、R17及びR18は同一でも
    異なっても良い。Ar6は置換基を有しても良いアリー
    ル基を示す)但し、上記一般式(7)は、下記一般式
    (8)で示される基を少なくとも一つ有する。 【化8】 (式中、R19及びR20は置換基を有しても良いアルキル
    基、置換基を有しても良いアラルキル基、置換基を有し
    ても良いアリール基又は水素原子を示し、R19及びR20
    は同一であっても異なってもよい。Ar7は置換基を有
    しても良いアリール基を示す。n2は0〜2の整数を示
    す)
  8. 【請求項8】 上記一般式(1)のZ又は一般式(3)
    のQが置換基を有しても良いアルキレン基、置換基を有
    しても良いアリーレン基、CR21=CR22(R21及びR
    22は置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有して
    も良いアリール基又は水素原子を示し、R21及びR22
    同一でも異なっても良い)、C=O、S=O、SO2
    酸素原子又は硫黄原子より一つあるいは任意に組み合わ
    された有機基を示す請求項2〜7のいずれかに記載の電
    子写真感光体。
  9. 【請求項9】 上記一般式(1)のZ又は一般式(3)
    のQが下記一般式(9)で示される請求項2〜7のいず
    れかに記載の電子写真感光体。 【化9】 (式中、X1〜X3は置換基を有しても良いアルキレン
    基、(CR23=CR24m2、 C=O、S=O、SO2
    酸素原子又は硫黄原子を示し、Ar8及びAr9は置換基
    を有しても良いアリーレン基を示す。{R23及びR24
    置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良
    いアリール基又は水素原子を示し、R23及びR24は同一
    でも異なっても良い。m2は1〜5の整数}p〜tは0
    〜10の整数を示す。但し、p〜tは同時に0であるこ
    とはない)
  10. 【請求項10】 上記一般式(1)のZ又は一般式
    (3)のQが下記一般式(10)で示される請求項2〜
    7のいずれかに記載の電子写真感光体。 【化10】 (式中、Ar10は置換基を有しても良いアリーレン基を
    示す。X4及びX5は(CH2m3、(CH=C
    25m4、C=O、又は酸素原子を示す。{R25は置換
    基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いア
    リール基又は水素原子を示し、m3は1〜10の整数、
    4は1〜5の整数}u〜wは0〜10の整数を示す。
    但し、u〜wは同時に0であることはない)
  11. 【請求項11】 上記一般式(2)のR1、R2及びR3
    が置換基を有しても良いアリール基である請求項3、
    8、9及び10のいずれかに記載の電子写真感光体。
  12. 【請求項12】 上記一般式(3)のR4、R5、R8
    びR9のうち少なくとも2つが置換基を有しても良いア
    リール基であり、かつR6及びR7は置換基を有しても良
    いアリーレン基である請求項4、8、9及び10のいず
    れかに記載の電子写真感光体。
  13. 【請求項13】 上記一般式(3)のR4、R5、R8
    びR9が置換基を有しても良いアリール基である請求項
    12に記載の電子写真感光体。
  14. 【請求項14】 上記一般式(4)のR10及びR11が置
    換基を有しても良いアリール基である請求項5、8、9
    及び10のいずれかに記載の電子写真感光体。
  15. 【請求項15】 上記一般式(4)のm1が1であり、
    かつR10、R11、R1 2及びR13が置換基を有しても良い
    アリール基である請求項14に記載の電子写真感光体。
  16. 【請求項16】 上記一般式(5)のR14が置換基を有
    しても良いアリール基である請求項6、8、9及び10
    のいずれかに記載の電子写真感光体。
  17. 【請求項17】 上記一般式(6)のR16が置換基を有
    しても良いアリール基である請求項16に記載の電子写
    真感光体。
  18. 【請求項18】 上記一般式(7)のR17及びR18が置
    換基を有しても良いアリール基である請求項7、8、9
    及び10のいずれかに記載の電子写真感光体。
  19. 【請求項19】 上記一般式(8)のR20が置換基を有
    しても良いアリール基である請求項18に記載の電子写
    真感光体。
  20. 【請求項20】 連鎖重合性官能基P1、P2の一方又は
    両方が下記一般式(11)で示される不飽和重合性官能
    基である請求項2〜19のいずれかに記載の電子写真感
    光体。 【化11】 (式中、Eは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有して
    も良いアルキル基、置換基を有しても良いアリール基、
    シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR 26{R
    26は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いア
    ルキル基、置換基を有しても良いアラルキル基又は置換
    基を有しても良いアリール基}又は−CONR27
    28{R27及びR28は水素原子、ハロゲン原子、置換基を
    有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアラル
    キル基又は置換基を有しても良いアリール基を示し、互
    いに同一であっても異なっていてもよい}を示し、Wは
    置換基を有しても良いアリーレン基、置換基を有しても
    良いアルキレン基、−COO−、−CH2−、−O−、
    −OO−、−S−又は−CONR29−{R29は水素原
    子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、
    置換基を有しても良いアラルキル基又は置換基を有して
    も良いアリール基}を示す。fは0又は1を示す)
  21. 【請求項21】 連鎖重合性官能基P1、P2の一方又は
    両方が下記一般式(12)〜一般式(16)のいずれか
    である請求項2〜19のいずれかに記載の電子写真感光
    体。 【化12】
  22. 【請求項22】 連鎖重合性官能基P1、P2の一方又は
    両方が下記一般式(12)あるいは一般式(13)であ
    る請求項21に記載の電子写真感光体。 【化13】
  23. 【請求項23】 同一分子内に二つ以上の連鎖重合性官
    能基を有する正孔輸送性化合物の酸化電位が0.4〜
    1.2(V)である請求項1〜22のいずれかに記載の
    電子写真感光体。
  24. 【請求項24】 電子線の加速電圧が250KV以下で
    ある請求項1〜23のいずれかに記載の電子写真感光
    体。
  25. 【請求項25】 電子線の線量が1〜100Mradで
    ある請求項24に記載の電子写真感光体。
  26. 【請求項26】 前記感光層が電荷発生層/電荷輸送層
    の順に積層された構成になっている請求項1〜25のい
    ずれかに記載の電子写真感光体。
  27. 【請求項27】 前記導電性粒子が金属酸化物である請
    求項1〜26のいずれかに記載の電子写真装置。
  28. 【請求項28】 前記保護層が四フッ化エチレン樹脂、
    三フッ化エチレン樹脂、六フッ化エチレンプロピレン樹
    脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ
    化二塩化エチレン樹脂及びこれらの共重合体等からなる
    フッ素原子含有樹脂粒子の中から、1種あるいは2種以
    上を含有している請求項1〜27のいずれかに記載の電
    子写真感光体。
  29. 【請求項29】 請求項1〜28のいずれかに記載の電
    子写真感光体及び該電子写真感光体に接触配置され、電
    圧を印加されることにより該電子写真感光体を注入帯電
    する帯電部材を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱
    自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  30. 【請求項30】 請求項1〜28のいずれかに記載の電
    子写真感光体、該電子写真感光体に接触配置され、電圧
    を印加されることにより該電子写真感光体を帯電する帯
    電部材、露光手段、現像手段及び転写手段を備えた電子
    写真装置において、該帯電が注入帯電であることを特徴
    とする電子写真装置。
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