JP2001166516A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置Info
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Abstract
耐傷性を向上させ、かつ耐析出性が良好で、繰り返し使
用や環境の変動によらず、安定して優れた電位特性を示
し、カブリ等の画像欠陥のない良好な画質を与え、更に
転写メモリーやフォトメモリーの極めて小さい優れた電
子写真感光体、その電子写真感光体を用いたプロセスカ
ートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。 【解決手段】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
真感光体において、該電子写真感光体の最表面層が、同
一分子内に二つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸
送性化合物を重合した化合物を含有し、かつ該最表面層
が示差走査熱分析での発熱量が60mj/mg以下であ
る電子写真感光体、その電子写真感光体を有するプロセ
スカートリッジ及び電子写真装置。
Description
ロセスカートリッジ及び電子写真装置に関し、詳しく
は、特定の正孔輸送化合物を感光層に有する電子写真感
光体、その電子写真感光体を有するプロセスカートリッ
ジ及び電子写真装置に関する。
電材料としては、セレン、硫化カドミウム及び酸化亜鉛
等の無機材料が知られていた。他方、有機材料であるポ
リビニルカルバゾール、フタロシアニン及びアゾ顔料等
は高生産性や無公害性等の利点が注目され、無機材料と
比較して光導電特性や耐久性等の点で劣る傾向にあるも
のの、広く用いられるようになってきた。
械的特性の双方を満足するために電荷発生層と電荷輸送
層を積層した機能分離型の電子写真感光体として利用さ
れる場合が多い。一方、当然のことながら電子写真感光
体には適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気
的特性、更には光学的特性を備えていることが要求され
る。
にあっては、その電子写真感光体の表面には帯電、画像
露光、トナー現像、紙への転写、クリーニング処理とい
った電気的、機械的外力が直接加えられるため、それら
に対する耐久性が要求される。具体的には、摺擦による
表面の磨耗や傷の発生に対する耐久性、帯電による表面
劣化(例えば転写効率や滑り性の低下)、更には感度低
下、電位低下等の電気特性の劣化に対する耐久性も要求
される。
であり、樹脂の特性が非常に重要である。上述の諸条件
をある程度満足する樹脂として、近年、アクリル樹脂や
ポリカーボネート樹脂等が実用化されているが、前述し
たような特性の全てがこれらの樹脂で満足されるわけで
はなく、特に電子写真感光体の高耐久化を図る上では樹
脂の被膜硬度は十分高いとは言い難い。これらの樹脂を
表面層形成用の樹脂として用いた場合でも繰り返し使用
時において表面層の磨耗が起こり、更に傷が発生すると
いう問題点があった。
化に対する要求から電荷輸送材料等の低分子量化合物が
比較的大量に添加される場合が多いが、この場合それら
低分子量材料の可塑剤的な作用により膜強度が著しく低
下し、一層繰り返し使用時の表面層の磨耗や傷発生が問
題となっている。また、電子写真感光体を長期にわたっ
て保存する際に前述の低分子量成分が析出してしまい、
層分離するといった問題も発生している。
化性の樹脂を電荷輸送層用の樹脂として用いる試みが、
例えば特開平2-127652号公報に開示されてい
る。このように、電荷輸送層用の樹脂に硬化性の樹脂を
用い電荷輸送層を硬化、架橋することによって機械的強
度が増し、繰り返し使用時の耐削れ性及び耐傷性は大き
く向上する。しかしながら硬化性樹脂を用いても、低分
子量成分はあくまでも結着樹脂中において可塑剤として
作用するので、先に述べたような析出や層分離の問題の
根本的な解決にはなっていない。
成される電荷輸送層においては、電荷輸送能の樹脂に対
する依存度が大きく、例えば硬度が十分に高い硬化性樹
脂では電荷輸送能が十分ではなく繰り返し使用時に残留
電位の上昇が見られる等、両者を満足させるまでには至
っていない。また、特開平5−216249号公報、特
開平7−72640号公報等においては、電荷移動層に
炭素−炭素二重結合を有するモノマーを含有させ、電荷
移動材の炭素−炭素二重結合と熱あるいは光のエネルギ
ーによって反応させて電荷移動層硬化膜を形成した電子
写真感光体が開示されているが、電荷輸送材はポリマー
主骨格にペンダント状に固定化されているだけであり、
先の可塑的な作用を十分に排除できないため機械的強度
が十分ではない。また、電荷輸送能の向上のために電荷
輸送材の濃度を高くすると、架橋密度が低くなり十分な
機械的強度を確保することができない。更には、重合時
に必要とされる開始剤類の電子写真特性への影響も懸念
されていた。
-248649号公報においては、熱可塑性高分子主鎖
中に電荷輸送能を有する基を導入し電荷輸送層を形成さ
せた電子写真感光体が開示されているが、従来の分子分
散型の電荷輸送層と比較して析出や層分離に対しては効
果があり、機械的強度も向上するが、あくまでも熱可塑
性樹脂であり、その機械的強度には限界があり、樹脂の
溶解性等を含めたハンドリングや生産性の面で十分であ
るとは言い難い。
機械的強度と電荷輸送能の両立が達成されていなかっ
た。
の樹脂を表面層として使用した電子写真感光体の有して
いた問題点を解決し、膜強度を高くすることによって耐
磨耗性及び耐傷性を向上させ、かつ耐析出性が良好な電
子写真感光体を提供することにある。
の変動によらず、安定して優れた電位特性を示し、カブ
リ等の画像欠陥のない良好な画質を与え、更に転写メモ
リーやフォトメモリーの極めて小さい優れた電子写真感
光体を提供することにある。
光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を
提供することにある。
支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該
電子写真感光体の最表面層が、同一分子内に二つ以上の
連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合した
化合物を含有し、かつ該最表面層が示差走査熱分析での
発熱量が60mj/mg以下であることを特徴とする電
子写真感光体が提供される。
体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置が提
供される。
を説明する。
ついて説明する。本発明における連鎖重合とは、高分子
物の生成反応を大きく連鎖重合と逐次重合に分けた場合
の前者の重合反応形態を示し、詳しくは例えば技報堂出
版 三羽忠広著の「基礎 合成樹脂の化学(新版)」1
995年7月25日(1版8刷)24頁に説明されてい
るように、その形態が主にラジカルあるいはイオン等の
中間体を経由して反応が進行する不飽和重合、開環重合
そして異性化重合等のことをいう。
基P1及びP2とは、前述の反応形態が可能な官能基を意
味するが、ここではその大半を占め応用範囲の広い不飽
和重合あるいは開環重合性官能基の具体例を示す。
って不飽和基、例えばC=C、C≡C、C=O、C=
N、C≡N等が重合する反応であるが、主にはC=Cで
ある。不飽和重合性官能基の具体例を表1に示すがこれ
らに限定されるものではない。
基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル
基、置換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、
ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のア
ラルキル基、置換基を有しても良いフェニル基、ナフチ
ル基及びアンスリル基等のアリール基又は水素原子を示
す。
ヘテロ環等のひずみを有した不安定な環状構造が触媒の
作用で活性化され、開環すると同時に重合を繰り返し鎖
状高分子物を生成する反応であるが、この場合、基本的
にはイオンが活性種として作用するものが大部分であ
る。開環重合性官能基の具体例を表2に示すがこれらに
限定されるものではない。
基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル
基、置換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、
ナフチルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のア
ラルキル基、置換基を有しても良いフェニル基、ナフチ
ル基及びアンスリル基等のアリール基又は水素原子を示
す。
重合性官能基の中でも、下記の一般式(11)〜一般式
(13)で示されるものが好ましい。
素等のハロゲン原子、置換基を有しても良いメチル基、
エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、置
換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフチ
ルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキ
ル基、置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、
アンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基及びフリル
基等のアリール基、CN基、ニトロ基、メトキシ基、エ
トキシ基及びプロポキシ基等のアルコキシ基、−COO
R26又は−CONR27R28を示す。
ナフチレン基及びアントラセニレン基等のアリーレン
基、置換基を有しても良いメチレン基、エチレン基及び
ブチレン基等のアルキレン基、−COO−、−CH
2−、−O−、−OO−、−S−又は−CONR29−で
示される。
臭素等のハロゲン原子、置換基を有しても良いメチル
基、エチル基及びプロピル基等のアルキル基、置換基を
有しても良いベンジル基及びフェネチル基等のアラルキ
ル基又は置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基
及びアンスリル基等のアリール基を示し、R27とR28は
互いに同一であっても異なっても良い。また、fは0又
は1を示す。
は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素等のハロゲン原子;
ニトロ基、シアノ基、水酸基;メチル基、エチル基、プ
ロピル基及びブチル基等のアルキル基;メトキシ基、エ
トキシ基及びプロポキシ基等のアルコキシ基;フェノキ
シ基及びナフトキシ基等のアリールオキシ基;ベンジル
基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基及
びチエニル基等のアラルキル基;又はフェニル基、ナフ
チル基、アンスリル基及びピレニル基等のアリール基等
が挙げられる。
有しても良いメチル基、エチル基プロピル基及びブチル
基等のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基及
びフェネチル基等のアラルキル基、又は置換基を有して
も良いフェニル基及びナフチル基等のアリール基を示
し、nは1〜10の整数を示す。
有しても良いメチル基、エチル基、プロピル基及びブチ
ル基等のアルキル基、置換基を有しても良いベンジル基
及びフェネチル基等のアラルキル基、又は置換基を有し
ても良いフェニル基及びナフチル基等のアリール基を示
し、nは0〜10の整数を示す。
R30〜R33が有しても良い置換基としてはフッ素、塩
素、臭素及びヨウ素等のハロゲン原子;メチル基、エチ
ル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基;メトキ
シ基、エトキシ基及びプロポキシ基等のアルコキシ基;
フェノキシ基及びナフトキシ基等のアリールオキシ基;
ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフ
リル基及びチエニル基等のアラルキル基;又はフェニル
基、ナフチル基、アンスリル基及びピレニル基等のアリ
ール基等が挙げられる。
3)の中でも、更に特に好ましい連鎖重合性官能基とし
ては、下記一般式(14)〜一般式(20)で示される
ものが挙げられる。
0)の中でも、一般式(14)のアクリロイルオキシ基
及び一般式(15)のメタクリロイルオキシ基が重合特
性等の点から特に好ましい。
輸送性化合物』とは、上記で説明した連鎖重合性官能基
が上記で説明した正孔輸送性化合物に官能基として2つ
以上の化学結合している化合物を示す。この場合、それ
らの連鎖重合性官能基は全て同一でも異なったものであ
ってもよい。
る正孔輸送性化合物としては、下記の一般式(1)であ
る場合が好ましい。
P2は連鎖重合性官能基を示し、P1とP2は同一でも異
なっても良い。Zは置換基を有しても良い有機基を示
す。a、b及びdは0又は1以上の整数を示し、a+b
×dは2以上の整数を示す。また、aが2以上の場合P
1は同一でも異なっても良く、d が2以上の場合P2は
同一でも異なっても良く、またbが2以上の場合、Z及
びP2は同一でも異なっても良い。
一でも異なっても良く』とは、それぞれ異なるn種類の
連鎖重合性官能基をP11、P12、P13、P14、P15・・
・・P1nと示した場合、例えばa=3のとき正孔輸送性
化合物Aに直接結合する重合性官能基P1は3つとも同
じものでも、2つ同じで一つは違うもの(例えば、P1 1
とP11とP12とか)でも、それぞれ3つとも異なるもの
(例えば、P12とP15とP17とか)でも良いということ
を意味するものである(『dが2以上の場合P 2は同一
でも異なっても良く』というのも、『bが2以上の場
合、Z及びP2は同一でも異なっても良い』というのも
これと同様なことを意味するものである)。
し、正孔輸送性を示すものであればいずれのものでもよ
く、P1やZとの結合部位を水素原子に置き換えた水素
付加化合物(正孔輸送化合物)として示せば、例えば、
オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダ
ゾール誘導体及びトリフェニルアミン等のトリアリール
アミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)ア
ントラセン、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフ
ェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピ
ラゾリン、フェニルヒドラゾン類、チアゾール誘導体、
トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘
導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導
体、チオフェン誘導体及びN−フェニルカルバゾール誘
導体等が挙げられる。
一般式(2)、(3)、(4)、(5)及び(7)から
選ばれる一般式で示される化合物、あるいは下記一般式
(8)で示される基を有する縮合環炭化水素又は下記一
般式(8)で示される基を有する縮合複素環であるもの
が好ましい。その中でも、一般式(2)、(3)及び
(4)で示される化合物である場合が特に好ましい。
置換基を有しても良いメチル基、エチル基、プロピル基
及びブチル基等の炭素数10以下のアルキル基、置換基
を有しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフチルメ
チル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基
又は置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、ア
ンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェ
ニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキ
ノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベン
ゾフリル基及びベンゾチオフェニル基等のアリール基を
示す。
2つはアリール基を示し、R1、R2及びR3はそれぞれ
同一であっても異なっていてもよい。更に、その中でも
R1、R2及びR3の全てがアリール基であるものが特に
好ましい。また、上記一般式(2)のR1又はR2又はR
3のうち任意の2つはそれぞれ直接もしくは結合基を介
して結合しても良く、その結合基としては、メチレン
基、エチレン基及びプロピレン基等のアルキレン基、酸
素及び硫黄原子等のヘテロ原子又はCH=CH基等が挙
げられる。
R9は置換基を有しても良いメチル基、エチル基、プロ
ピル基及びブチル基等の炭素数10以下のアルキル基、
置換基を有しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフ
チルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラル
キル基又は置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル
基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チ
オフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベ
ンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル
基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾ
フリル基及びジベンゾチオフェニル基等のアリール基を
示し、R4、R5、R8及びR9はそれぞれ同一であっても
異なっていてもよい。R6及びR7は置換基を有しても良
いメチレン基、エチレン基及びプロピレン基等の炭素数
10以下のアルキレン基、又は置換基を有しても良いア
リーレン基(ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フ
ェナンスレン、ピレン、チオフェン、フラン、ピリジ
ン、キノリン、ベンゾキノリン、カルバゾール、フェノ
チアジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾ
フラン及びジベンゾチオフェン等より2個の水素を取り
除いた基)を示し、R6及びR7は同一であっても異なっ
ていてもよい。Qは置換基を有しても良い有機基を示
す。
4、R5、R8及びR9のうち少なくとも2つが置換基を有
しても良いアリール基であり、かつR6及びR7は置換基
を有しても良いアリーレン基である場合が好ましく、更
にR4、R5、R8及びR9が4つとも全てアリール基であ
る場合が特に好ましい。また、上記一般式(3)のR 4
又はR5又はR6のうち任意の2つあるいはR7又はR8又
はR9のうち任意の2つはそれぞれ直接もしくは結合基
を介して結合しても良く、その結合基としては、メチレ
ン基、エチレン基及びプロピレン基等のアルキレン基、
酸素及び硫黄原子等のヘテロ原子又はCH=CH基等が
挙げられる。
し、m1=1であることが好ましく、R10〜R13は置換
基を有しても良いメチル基、エチル基、プロピル基及び
ブチル基等の炭素数10以下のアルキル基、置換基を有
しても良いベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル
基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキル基又は
置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、アンス
リル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル
基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリ
ル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフ
リル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフリル基及び
ジベンゾチオフェニル基等のアリール基を示し、R10〜
R13はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
基(ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナンス
レン、ピレン、チオフェン、フラン、ピリジン、キノリ
ン、ベンゾキノリン、カルバゾール、フェノチアジン、
ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン及び
ジベンゾチオフェン等より2個の水素を取り除いた基)
を示し、Ar2はm1=0の場合、置換基を有してもよい
フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリ
ル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリジ
ル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル
基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオ
フェニル基、ジベンゾフリル基及びジベンゾチオフェニ
ル基等のアリール基を示し、m1=1の場合は上記Ar1
と同様なアリーレン基を示す。なお、m1=1の場合
は、Ar1とAr2は同一であっても異なっていてもよ
い。
10及びR11が置換基を有しても良いアリール基である場
合が好ましく、R10〜R13が4つとも全てアリール基で
ある場合が特に好ましい。また、上記一般式(4)のR
10とR11又はR12とR13又はAr1とAr2はそれぞれ直
接もしくは結合基を介して結合しても良く、その結合基
としては、メチレン基、エチレン基及びプロピレン基等
のアルキレン基、カルボニル基、酸素及び硫黄原子等の
ヘテロ原子又はCH=CH基等が挙げられる。
びR14のうち少なくとも一つは、下記一般式(6)で示
される基を少なくとも一つ有する。
Ar4及びAr5は置換基を有しても良いフェニル基、ナ
フチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル
基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル
基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジ
ニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベ
ンゾフリル基及びジベンゾチオフェニル基等のアリール
基を示し、R14、R15及びR16は置換基を有しても良い
メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等の炭素
数10以下のアルキル基、置換基を有しても良いベンジ
ル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基
及びチエニル基等のアラルキル基、置換基を有しても良
いフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンス
リル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリ
ジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル
基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオ
フェニル基、ジベンゾフリル基及びジベンゾチオフェニ
ル基等のアリール基を示し、R15及びR16はこれらのア
ルキル基、アラルキル基及びアリール基に加えて水素原
子を示す。なお、Ar3及びAr4とR15及びR16はそれ
ぞれ同一であっても異なっていてもよい。
基である場合が特に好ましい。また、R14又はAr3又
はAr4のうち任意の2つ、又はAr5及びR16はそれぞ
れ直接もしくは結合基を介して結合しても良く、その結
合基としては、メチレン基、エチレン基及びプロピレン
基等のアルキレン基、酸素及び硫黄原子等のヘテロ原子
又はCH=CH基等が挙げられる。n1は0〜2の整数
を示す。
(8)で示される基を少なくとも一つ有する。
びAr7は置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル
基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チ
オフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベ
ンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル
基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾ
フリル基及びジベンゾチオフェニル基等のアリール基を
示し、R17、R18、R19及びR20は置換基を有しても良
いメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等の炭
素数10以下のアルキル基、置換基を有しても良いベン
ジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル
基及びチエニル基等のアラルキル基、置換基を有しても
良いフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナン
スリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピ
リジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリ
ル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチ
オフェニル基、ジベンゾフリル基及びジベンゾチオフェ
ニル基等のアリール基を示し、R19及びR20はこれらの
アルキル基、アラルキル基及びアリール基に加えて水素
原子を示す。なお、R17とR18及びR19とR20はそれぞ
れ同一であっても異なっていてもよい。
が好ましく、更にR17とR18がアリール基である場合が
特に好ましい。また、R17又はR18又はAr6のうち任
意の2つ、又はAr7及びR20はそれぞれ直接もしくは
結合基を介して結合しても良く、その結合基としては、
メチレン基、エチレン基及びプロピレン基等のアルキレ
ン基、酸素及び硫黄原子等のヘテロ原子又はCH=CH
基等が挙げられる。n 2は0〜2の整数を示す。
する化合物としては、置換基を有してもよい、ナフタレ
ン基、アントラセン基、フェナンスレン基、ペレン基、
フルオレン基、フルオランセン基、アズレン基、インデ
ン基、ペリレン基、クリセン基及びコロネン基等の縮合
環炭化水素又は置換基を有しても良いベンゾフラン基、
インドール基、カルバゾール基、ベンズカルバゾール
基、アクリジン基、フェノチアジン基及びキノリン基等
の縮合複素環が挙げられる。
般式(3)中のQは、置換基を有しても良いアルキレン
基、置換基を有しても良いアリーレン基、CR21=CR
22(R21及びR22はアルキル基、アリール基又は水素原
子を示し、R21及びR22は同一でも異なっても良い)、
C=O、S=O、SO2、酸素原子又は硫黄原子より一
つあるいは任意に組み合わされた有機基を示す。その中
でも下記一般式(9)で示されるものが好ましく、特に
は下記一般式(10)で示されるものが好ましい。
有しても良いメチレン基、エチレン基及びプロピレン基
等の炭素数20以下のアルキレン基、(CR23=C
R24)m2、C=O、S=O、SO2、酸素原子又は硫黄
原子を示し、Ar8及びAr9は置換基を有しても良いア
リーレン基(ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フ
ェナンスレン、ピレン、チオフェン、フラン、ピリジ
ン、キノリン、ベンゾキノリン、カルバゾール、フェノ
チアジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾ
フラン、ジベンゾチオフェン等より2個の水素原子を取
り除いた基)を示す。R23及びR24は置換基を有しても
良いメチル基、エチル基及びプロピル基等のアルキル
基、置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基及び
チオフェニル基等のアリール基又は水素原子を示し、R
23及びR24は同一でも異なっても良い。m 2は1〜5の
整数、p〜tは0〜10の整数を示す(但し、p〜tは
同時に0であることはない)。
H2)m3、(CH=CR25)m4、C=O、又は酸素原子
を示し、Ar10は置換基を有しても良いアリーレン基
(ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレ
ン、ピレン、チオフェン、フラン、ピリジン、キノリ
ン、ベンゾキノリン、カルバゾール、フェノチアジン、
ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジ
ベンゾチオフェン等より2個の水素原子を取り除いた
基)を示す。R25は置換基を有しても良いメチル基、エ
チル基及びプロピル基等のアルキル基、置換基を有して
も良いフェニル基、ナフチル基及びチオフェニル基等の
アリール基又は水素原子を示す。m3は1〜10の整
数、m4は1〜5の整数、u〜wは0〜10の整数を示
す(特に0又は1〜5の整数の時が特に好ましい。但
し、u〜wは同時に0であることはない)。
4〜R25、Ar1〜Ar10、X1〜X5、Z及びQがそれぞ
れ有しても良い置換基としてはフッ素、塩素、臭素及び
ヨウ素等のハロゲン原子;ニトロ基、シアノ基、水酸
基;メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等の
アルキル基;メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基
等のアルコキシ基;フェノキシ基及びナフトキシ基等の
アリールオキシ基;ベンジル基、フェネチル基、ナフチ
ルメチル基、フルフリル基及びチエニル基等のアラルキ
ル基;フェニル基、ナフチル基、アンスリル基及びピレ
ニル基等のアリール基が挙げられる。また、一般式
(2)のR1〜R5が有しても良い置換基としてはアリー
ル基を除いた上記置換基及びジフェニルアミノ基及びジ
(p−トリル)アミノ基等のジアリールアミノ基が挙げ
られる。
上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は、酸
化電位が1.2(V)以下であることが好ましく、特に
は0.4〜1.2(V)であることが好ましい。それ
は、酸化電位が1.2(V)超えると電荷発生材料から
の電荷(正孔)の注入が起こり難く残留電位の上昇、感
度悪化及び繰り返し使用時の電位変動が大きくなる等の
問題が生じ易く、また0.4(V)未満では帯電能の低
下等の問題の他に、化合物自体が容易に酸化されるため
に劣化し易く、それに起因した感度悪化、画像ボケ及び
繰り返し使用時の電位変動が大きくなる等の問題が生じ
易くなるためである。
の方法によって測定される。
参照電極とし、電解液に0.1N(n−Bu)4N+Cl
O 4 -アセトニトリル溶液を用い、ポテンシャルスイーパ
によって作用電極(白金)に印加する電位をスイープ
し、得られた電流−電位曲線がピークを示したときの電
位を酸化電位とした。詳しくは、サンプルを0.1N
(n−Bu)4N+ClO 4 -アセトニトリル溶液に5〜1
0mmol%程度の濃度になるように溶解する。そして
このサンプル溶液に作用電極によって電圧を加え、電圧
を低電位(0V)から高電位(+1.5V)に直線的に
変化させた時の電流変化を測定し、電流−電位曲線を得
る。この電流−電位曲線において、電流値がピーク(ピ
ークが複数ある場合には最初のピーク)を示したときの
ピークトップの位置の電位を酸化電位とした。
正孔輸送性化合物は正孔輸送能として1×10-7(cm
2/V.sec)以上のドリフト移動度を有しているもの
が好ましい(但し、印加電界:5×104V/cm)。
1×10-7(cm2/V.sec)未満では、電子写真感
光体として露光後現像までに正孔が十分に移動できない
ため見かけ上感度が低減し、残留電位も高くなってしま
う問題が発生する場合がある。
を有する正孔輸送性化合物の代表例を挙げるがこれらに
限定されるものではない。
る正孔輸送性化合物の代表的な合成方法を以下に示す。
下のルートに従い合成した。
6g:1.4mol)、無水炭酸カリウム(193g)
及び銅粉(445g)を1,2−ジクロロベンゼン12
00gと共に180〜190℃で加熱撹拌を15時間行
った。反応液を濾過後、減圧下で溶媒を除去し、残留物
をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い3を132
g得た。
セルソルブ1500gに加え室温で撹拌しながらナトリ
ウムメチラート(150g)をゆっくり添加した。添加
終了後、そのまま室温で1時間撹拌後、更に70〜80
℃で10時間加熱撹拌を行った。反応液を水にあけ希塩
酸で中和後、酢酸エチルで抽出し有機層を無水硫酸ナト
リウムで乾燥後、減圧下で溶媒を除去した。残留物をシ
リカゲルカラムを用いカラム精製を行い4を78g得
た。
ルアミン( 40g:0.4mol)を、乾燥テトラヒド
ロフラン(THF)400mlに加え0〜5℃に冷却
後、塩化アクリロイル(55g:0.6mol)をゆっ
くり滴下した。滴下終了後、ゆっくり室温に戻し室温で
そのまま4時間撹拌を行った。反応液を水にあけ中和
後、酢酸エチルで抽出し有機層を無水硫酸ナトリウムで
乾燥後溶媒を除去した。残留物をシリカゲルカラムを用
いカラム精製を行い5(化合物例No.6)を42g得
た。
上記合成例1で得られた4(10g:29mmol)を
乾燥THF50mlに加え、0〜5℃に冷却後、油性水
素化ナトリウム(約60%)3.5gをゆっくり添加し
た。添加終了後、室温に戻し1時間撹拌後再び0〜5℃
に冷却し、アリルブロマイド(17.5g:145mm
ol)をゆっくり滴下した。滴下終了後、そのまま1時
間撹拌後に室温に戻し、更に5時間撹拌を行った。反応
液を水にあけ中和後、トルエンで抽出し有機層を無水硫
酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除去した。残留物をシリカ
ゲルカラムを用いカラム精製を行い目的化合物(化合物
例No.71)を5.6g得た。
上記合成例2で得られた化合物No.71 3.0gを
ジクロロメタン20mlに溶解後0〜5℃に冷却し、m
−クロロ過安息香酸(〜70%)5.2gをゆっくり添
加し、そのまま1時間撹拌後に室温に戻し12時間撹拌
を行った。反応液を水にあけジクロロメタンで抽出を行
った。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除去
し、残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い
目的化合物(化合物例No.55)を2.1g得た。 (合成例4:化合物例No.152の合成)以下のルー
トに従い合成した。
g:0.42 mol)、無水炭酸カリウム(73g)
及び銅粉(111g)を1,2−ジクロロベンゼン60
0gと共に180〜190℃で加熱撹拌を10時間行っ
た。反応液を濾過後、減圧下で溶媒を除去し、残留物を
シリカゲルカラムを用いカラム精製を行い3を86.2
g得た。
−ジメチルフォルムアミド(DMF)300gに加え室
温で撹拌しながらエタンオールナトリウム塩(約90
%:62g)をゆっくり添加した。添加終了後、そのま
ま室温で1時間撹拌後、更に還流下で3時間加熱撹拌を
行った。冷却後、反応液を水にあけ希塩酸で弱酸性に
し、酢酸エチルで抽出し有機層を更に1.2mol/l
の水酸化ナトリウム水溶液で抽出し、水層を希塩酸で酸
性にして酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥後減圧下で溶媒を除去した。残留物をシリカゲルカラ
ムを用いカラム精製を行い4を64g得た。
N−ジメチルフォルムアミド300gに加え室温で撹拌
しながら苛性ソーダ(8.3g)をゆっくり添加した。
添加終了後、そのまま室温で30分間撹拌後、1,2−
ジヨードエタン(31.7g:0.1mol)をゆっく
り滴下した。滴下終了後、30分間の撹拌後に更に70
℃で5時間加熱撹拌を行った。反応液を水にあけトルエ
ンで抽出を行い、有機層を更に水洗後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥し減圧下で溶媒を除去した。残留物をシリカ
ゲルカラムを用いカラム精製を行い5を49.1 g得
た。
シ塩化リン63.6gを10℃を超えないようにゆっく
り滴下した。滴下終了後、15分間そのまま撹拌後、5
(42.2g:0.07mol)/DMF102g溶液
をゆっくり滴下した。滴下終了後、そのまま30分間撹
拌した後に室温に戻し2時間撹拌し、更に80〜85℃
に加熱し15時間撹拌を行った。反応液を約15質量%
の酢酸ナトリウム水溶液1500gにあけ12時間撹拌
を行った。それを中和後、トルエンを用い抽出し有機層
を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除去し、残留物を
シリカゲルカラムを用いカラム精製を行い6を23g得
た。
ルミニウム0.89gを加え室温で撹拌しているところ
へ6(15g:0.023mol)/乾燥THF100
ml溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後、室温で4時
間撹拌後、5質量%塩酸水溶液200mlをゆっくり滴
下した。滴下終了後、トルエンで抽出し有機層を無水硫
酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除去し、残留物をシリカゲ
ルカラムを用いカラム精製を行い7を13.6g得た。
リエチルアミン(6.1g:0.06mol)を、乾燥
THF120 mlに加え0〜5℃に冷却後、塩化アク
リロイル( 4.1g:0.045mol)をゆっくり
滴下した。滴下終了後、ゆっくり室温に戻し室温でその
まま6時間撹拌を行った。反応液を水にあけ中和後、酢
酸エチルで抽出し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後
溶媒を除去した。残留物をシリカゲルカラムを用いカラ
ム精製を行い8(化合物例No.152)を6.4g得
た(酸化電位:0.88V)。 (合成例5:化合物例No.263の合成)以下のルー
トに従い合成した。
(62.4 g:0.369mol)、無水炭酸カリウ
ム(25.5g)及び銅粉(32g)を1,2−ジクロ
ロベンゼン200gと共に180〜190℃で加熱撹拌
を18時間行った。反応液を濾過後、減圧下で溶媒を除
去し、残留物をトルエン/メタノール混合溶媒で2回再
結晶を行い3を60.2g得た。
シ塩化リン(84.8g:553.2mmol)を10
℃を超えないようにゆっくり滴下した。滴下終了後、1
5分間そのまま撹拌後、3(45.0g:92.2mm
ol)/DMF135g溶液をゆっくり滴下した。滴下
終了後、そのまま30分間撹拌した後に室温に戻し2時
間撹拌し、更に80〜85℃に加熱し8時間撹拌を行っ
た。反応液を約15質量%の酢酸ナトリウム水溶液25
00gにあけ12時間撹拌を行った。それを中和後、ト
ルエンを用い抽出し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥
後溶媒を除去し、残留物をシリカゲルカラムを用いカラ
ム精製を行い4を40.5g得た。
ルミニウム0.89gを加え室温で撹拌しているところ
へ4(37g:68mmol)/乾燥THF600ml
溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後、室温で4時間撹
拌後、5質量%塩酸水溶液500mlをゆっくり滴下し
た。滴下終了後、トルエンで抽出し有機層を無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後溶媒を除去し、残留物をシリカゲルカ
ラムを用いカラム精製を行い5を26.3g得た。
ルアミン(12.8g:126mol)を、乾燥THF
130mlに加え0〜5℃に冷却後、塩化アクリロイル
(9.8g:108mmol)をゆっくり滴下した。滴
下終了後、ゆっくり室温に戻し室温でそのまま6時間撹
拌を行った。反応液を水にあけ中和後、酢酸エチルで抽
出し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除去し
た。残留物をシリカゲルカラムを用いカラム精製を行い
6(化合物例No.263)を11.2g得た(酸化電
位:0.80V)。
以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重
合することで、感光層中において、正孔輸送能を有する
化合物は二つ以上の架橋点をもって3次元架橋構造を形
成する。前記正孔輸送性化合物はそれのみを重合させ
る、あるいは他の連鎖重合性官能基を有する化合物と混
合させることのいずれもが可能であり、その種類/比率
は全て任意である。ここでいう他の連鎖重合性官能基を
有する化合物とは、連鎖重合性官能基を有する単量体あ
るいはオリゴマー/ポリマーのいずれもが含まれる。
重合性化合物の官能基が同一の基あるいは互いに重合可
能な基である場合には、両者は共有結合を介した共重合
3次元架橋構造をとることが可能である。両者の官能基
が互いに重合しない官能基である場合には、感光層は二
つ以上の3次元硬化物の混合物あるいは主成分の3次元
硬化物中に他の連鎖重合性化合物単量体あるいはその硬
化物を含んだものとして構成されるが、その配合比率/
製膜方法をうまくコントロールすることで、IPN(I
nter Penetrating Network)
すなわち相互進入網目構造を形成することも可能であ
る。
官能基を有しない単量体あるいはオリゴマー/ポリマー
や連鎖重合官能性以外の重合性官能基を有する単量体あ
るいはオリゴマー/ポリマー等から感光層を形成しても
よい。
学結合的に組み込まれないすなわち連鎖重合性官能基を
有しない正孔輸送性化合物を含有することも可能であ
る。また、その他の各種添加剤、フッ素原子含有樹脂微
粒子等の潤剤その他を含有してもよい。
支持体上に感光層として、少なくとも電荷発生材料を含
有する電荷発生層及び少なくとも電荷輸送材料を含有す
る電荷輸送層をこの順に積層した構成である。
有する正孔輸送性化合物を重合・硬化した化合物を含有
しており、その電荷輸送層の膜厚は1μm〜50μmが
好ましく、特に好ましくは5〜30μmであり、後述の
第2の電荷輸送層として使用する場合は、その膜厚は1
〜20μmが好ましく、特には1〜6μmが好ましい。
方法を具体的に示す。
有するものであればよく、例えば、アルミニウム、銅、
クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレス等の金属や合金
をドラム又はシート状に成形したもの、アルミニウム及
び銅等の金属箔をプラスチックフィルムにラミネートし
たもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化錫等を
プラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性材料を単
独又は結着樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プ
ラスチックフィルム及び紙等が挙げられる。
バリアー機能と接着機能をもつ下引き層を設けることが
できる。下引き層は、感光層の接着性改良、塗工性改
良、支持体の保護、支持体上の欠陥の被覆、支持体から
の電荷注入性改良、また感光層の電気的破壊に対する保
護等のために形成される。
コール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレン
オキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共
重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化
6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ及びゼラチン等が
知られている。これらは、それぞれに適した溶剤に溶解
されて支持体上に塗布される。その際の膜厚としては
0.1〜2μmが好ましい。
び電荷輸送層を積層する機能分離型の電子写真感光体で
ある。電荷発生層に用いる電荷発生材料としては、セレ
ン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、また
各種の中心金属及び結晶系、具体的には例えばα、β、
γ、ε及びX型等の結晶型を有するフタロシアニン化合
物、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔
料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔
料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、
非対称キノシアニン顔料、キノシアニン及び特開昭54
−143645号公報に記載のアモルファスシリコン等
が挙げられる。
〜4倍量の結着樹脂及び溶剤と共ににホモジナイザー、
超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミ
ル、アトライター及びロールミル等の方法で良く分散
し、分散液を塗布し、乾燥されて形成されるか、又は前
記電荷発生材料の蒸着膜等、単独組成の膜として形成さ
れる。その膜厚は5μm以下であることが好ましく、特
には0.1〜2μmの範囲であることが好ましい。
酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタク
リル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチ
レン、等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネ
ート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオ
キサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール
樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂及びエポキシ樹脂等が
挙げられる。
する正孔輸送性化合物を重合した化合物は、前述した電
荷発生層上に電荷輸送層として、もしくは電荷発生層上
に連鎖重合性官能基を有さない電荷輸送材料と結着樹脂
からなる電荷輸送層を形成した後に第2の電荷輸送層と
して用いることができる。いずれの場合も前記表面層の
形成方法は、前記正孔輸送性化合物を含有する溶液を塗
布後、重合させるのが一般的であるが、前もって該正孔
輸送性化合物を含む溶液を反応させて硬化物を得た後に
再度溶剤中に分散あるいは溶解させたもの等を用いて、
表面層を形成することも可能である。
漬コーティング法、スプレイコーティング法、カーテン
コーティング法及びスピンコーティング法等が知られて
いるが、効率性/生産性の点からは浸漬コーティング法
が好ましい。また、蒸着、プラズマその他の公知の製膜
方法が適宜選択できる。
正孔輸送性化合物は、熱、可視光や紫外線等の光、更に
電子線により重合することができる。従って、本発明に
おける感光層の形成は、感光層用の塗工液に前記連鎖重
合性官能基を有する正孔輸送性化合物と必要によっては
重合開始剤を含有させ、塗工液を用いて形成した塗工膜
に熱、光又は電子線を照射することによって連鎖重合性
官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させる。なお、
本発明においては、その中でも電子線によって連鎖重合
性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合することが好
ましい。電子線による重合の最大の利点は、重合開始剤
を必要としない点であり、これにより非常に高純度な3
次元感光層の作製が可能となり、良好な電子写真特性が
確保される点である。また、短時間でかつ効率的な重合
反応であるがゆえに生産性も高く、更には電子線の透過
性の良さから、厚膜時や添加剤等の遮蔽物質が膜中に存
在する際の硬化阻害の影響が非常に小さいこと等が挙げ
られる。但し、連鎖重合性官能基の種類や中心骨格の種
類によっては重合反応が進行しにくい場合があり、その
際には影響のない範囲内での重合開始剤の添加は可能で
ある。
キャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム
型及びパルス型及びラミナー型等いずれの形式も使用す
ることができる。電子線を照射する場合に、本発明の電
子写真感光体においては電気特性及び耐久性能を発現さ
せる上で照射条件が非常に重要である。本発明におい
て、加速電圧は250KV以下が好ましく、最適には1
50KV以下である。また、線量は好ましくは1Mra
d〜100Mradの範囲、より好ましくは3Mrad
〜50Mradの範囲である。加速電圧が250KVを
超えると電子写真感光体特性に対する電子線照射のダメ
ージが増加する傾向にある。また、線量が1Mradよ
りも少ない場合には硬化が不十分となり易く、線量が1
00Mradを超えた場合には電子写真感光体特性の劣
化が起こり易いので注意が必要である。
化合物を電荷輸送層として用いた場合の前記正孔輸送性
化合物の量は、重合硬化後の電荷輸送層膜の全質量に対
して、前記一般式(1)で示される連鎖重合性官能基を
有する正孔輸送性基Aの水素付加物が20質量%以上が
好ましく、特には40質量%以上含有されていることが
好ましい。20質量%未満であると電荷輸送能が低下
し、感度低下及び残留電位の上昇等の問題点が生じ易
い。
輸送層上に第2の電荷輸送層として用いた場合、その下
層に当たる電荷輸送層は適当な電荷輸送材料、例えば、
ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリスチリルアントラ
セン等の複素環や縮合多環芳香族を有する高分子化合物
や、ピラゾリン、イミダゾール、オキサゾール、トリア
ゾール、カルバゾール等の複素環化合物、トリフェニル
メタン等のトリアリールアルカン誘導体、トリフェニル
アミン等のトリアリールアミン誘導体、フェニレンジア
ミン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体、スチル
ベン誘導体、ヒドラゾン誘導体等の低分子化合物等を適
当な結着樹脂(前述の電荷発生層用樹脂の中から選択で
きる)と共に溶剤に分散/溶解した溶液を前述の公知の
方法によって塗布、乾燥して形成することができる。こ
の場合の電荷輸送材料と結着樹脂の比率は、両者の全質
量を100とした場合に電荷輸送材料の質量が30〜1
00が好ましく、より好ましくは50〜100の範囲で
適宜選択される。電荷輸送材料の量がそれ以下である
と、電荷輸送能が低下し、感度低下及び残留電位の上昇
等の問題点が生じ易い。
を有する正孔輸送性化合物を重合・硬化した電荷輸送層
は下記の方法で示唆熱分析を行った場合、発熱量が60
mj/mg以下が好ましく、特に好ましくは40mj/
mg以下である。この発熱は、主に電荷輸送層中の未反
応の連鎖重合性官能基の反応による物と推定されるが、
この発熱量の値が電子写真感光体の耐磨耗性は勿論、繰
り返し使用や環境の変動による電位変動、更には転写メ
モリーやフォトメモリー等の各種メモリーにも極めて相
関があり、上記値の場合が極めて良好な特性を発現する
ことが判明した。
ラムの電荷輸送層を、最表面からある特定の深さの成分
に偏ることなく均等に削り取り、これを乳鉢等ですりつ
ぶして小さな均一な粒子とした物を試料とした。なお、
試料は電子写真感光体ドラムの任意の3ヶ所からそれぞ
れ採取し、それらを下記の方法で測定を行い、3点の平
均を取って本発明の発熱量とした。
た試料数mgをアルミニウム製容器の底部に一様に入
れ、ふたをクリンプして測定サンプルを作製した。同様
に、何も入れていないアルミニウム製容器にふたをクリ
ンプしたものをリファレンスとした。これらを示差走査
熱量測定装置にセットし、1分間あたり10℃ずつ昇温
させ、50分間で500℃昇温させた(尚、サンプル周
辺の雰囲気を制御するために、測定中は窒素ガスを50
ml/minでフローして行った)。このときに現れる
発熱ピークを測定し、発熱ピーク面積から発熱量を決定
した。
加剤を添加することができる。該添加剤としては、酸化
防止剤及び紫外線吸収剤等の劣化防止剤や、フッ素原子
含有樹脂微粒子等の潤剤等が挙げられる。
ロセスカートリッジを用いた電子写真装置の概略構成を
示す。
写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速
度で回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程に
おいて、一次帯電手段3によりその周面に正又は負の所
定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレー
ザービーム走査露光等の露光手段(不図示)から出力さ
れる目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対
応して強調変調された露光光4を受ける。こうして電子
写真感光体1の周面に対し、目的の画像情報に対応した
静電潜像が順次形成されていく。
によりトナー現像され、不図示の給紙部から電子写真感
光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と
同期して取り出されて給紙された転写材7に、電子写真
感光体1の表面に形成担持されているトナー画像が転写
手段6により順次転写されていく。
子写真感光体面から分離されて像定着手段8へ導入され
て像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コ
ピー)として装置外へプリントアウトされる。
リーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受け
て清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露
光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に
使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ローラー等を
用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必
要ではない。
1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段
9等の構成要素のうち、複数のものを容器11に納めて
プロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、こ
のプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリ
ンター等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成し
てもよい。例えば、一次帯電手段3、現像手段5及びク
リーニング手段9の少なくとも一つを電子写真感光体1
と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体の
レール等の案内手段12を用いて装置本体に着脱自在な
プロセスカートリッジとすることができる。
やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過
光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、こ
の信号に従って行われるレーザービームの走査、LED
アレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動等により
照射される光である。
機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、
CRTプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶プ
リンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広
く用いることができる。
明する。なお、実施例中の「部」は質量部を示す。
手順で調製した。10質量%の酸化アンチモンを含有す
る酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50部、フ
ェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノ
ール5部及びシリコーン化合物(ポリジメチルシロキサ
ンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量300
0)0.002部をφ1mmガラスビーズを用いたサン
ドミル装置で2時間分散して調製した。この塗料をφ3
0mmのアルミニウムシリンダー上に浸漬塗布方法で塗
布し、150℃で30分間乾燥することによって、膜厚
が18μmの導電層を形成した。
をメタノール95部中に溶解し、中間層用塗料を調製し
た。この塗料を前記の導電層上に浸漬コーティング法に
よって塗布し、100℃で20分間乾燥することによっ
て、膜厚が0.5μmの中間層を形成した。
ラッグ角(2θ±0.2度)が9.0度、14.2度、
23.9度及び27.1度に強いピ−クを有するオキシ
チタニウムフタロシアニンを3部、ポリビニルブチラ−
ル(商品名:エスレックBM2、積水化学(株)製)
3.5部及びシクロヘキサノン35部をφ1mmガラス
ビ−ズを用いたサンドミル装置で2時間分散して、その
後に酢酸エチル60部を加えて電荷発生層用塗料を調製
した。この塗料を前記の中間層の上に浸漬塗布方法で塗
布して90℃で10分間乾燥することによって、膜厚が
0.2μmの電荷発生層を形成した。
合物60部をモノクロロベンゼン50部/ジクロロメタ
ン30部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用塗料を調
整した、この塗料を前記の電荷発生層上にコーティング
し、加速電圧150KV、線量7Mradの条件で電子
線を照射し樹脂を硬化することによって、膜厚が15μ
mの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を得た。
ンター(Laser Writer16/600PS:
Apple社製)の改造機に装着し、常温常湿下(23
℃/55%RH)(N/N)で、初期暗部電位(Vd)
が−700(V)になるように帯電設定をし、これに波
長780(nm)のレーザー光を照射して−700
(V)の電位を−200(V)まで下げるのに必要な光
量(EΔ500)を測定し感度とした。更に、20(μ
J/cm2)の光量を照射した場合の電位を残留電位
(Vr)として初期特性を測定した。なお、その他の条
件は、転写電流:+5.5μA、プロセススピード:9
6mm/secで行った。その後、環境を高温高湿下
(32℃/85%RH)(H/H)に代え、Vlの常温
常湿下からの変動量(ΔVl)を測定した。
電子写真感光体を、上記と同様の改造機に装着して常温
低湿環境下(23℃/10%RH)(N/L)で連続5
000枚の通紙耐久を行って、初期と耐久直後の暗部電
位と明部電位の変動量をΔVd1とΔVl1を測定した。
更に、その電子写真感光体の削れ量をケットで測定を行
った。
及びフォトメモリーの測定を行った。転写メモリーの測
定は、新たに上記と同様の方法で作製した電子写真感光
体を、上記と同様の改造機に装着し N/Nで、転写電
流OFF時の一次帯電電位を した。更に、白色光に対するフォトメモリーの測定とし
て、新たに上記と同様の方法で作製した電子写真感光体
を上記と同様の改造機に装着し(低温低湿環境下N/
N)で、初期暗部電位(Vd)/初期明部電位(Vl)
が−700(V)/−200(V)になるように帯電及
び露光光量を設定し、次に、この電子写真感光体に暗部
と明部ができるようにマスキングし、蛍光灯下で300
0lux、20分間光照射した後、5分間放置し、同様
に電位を測定し暗部電位の初期との変化量の絶対値(Δ
Vd4)をフォトメモリーとして測定した。
感光体ドラムの電荷輸送層部分を先に示した方法でサン
プリングし示差走査熱量測定を行った。上記のそれぞれ
の結果を表3に示す。
孔輸送性化合物、電子線の照射線量を表3及び表4のよ
うに代えた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光
体を作製し、評価した。結果を表3及び表4に示す。
層迄を形成した後、下記構造式のトリアリールアミン化
合物(A)20部及びポリカーボネート樹脂Z型(平均
分子量2万)10部をモノクロロベンゼン50部及びジ
クロロメタン20部の混合溶媒中に溶解して調製した電
荷輸送層用塗料を用いて、前記電荷発生層上に電荷輸送
層を形成し電子写真感光体を得た。このときの電荷輸送
層の膜厚は18μmであった。この電子写真感光体を実
施例1と同様にして評価し、結果を表4に示す。
物を下記のスチリル系化合物(B)に代えた以外は、比
較例21と同様な方法で電子写真感光体を作製し、同様
な評価を行った。結果を表4に示す。
層迄を形成した後、特開平8-248649号公報の1
0〜11頁に記載されている製造法に従って合成した下
記構造式のポリカーボネート樹脂(C)20部をテトラ
ヒドロフラン80部に溶解して調製した電荷輸送層用塗
料を用いて、前記電荷発生層上に電荷輸送層を形成し
た。このときの電荷輸送層の膜厚は18μmであった。
この電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。
結果を表4に示す。
の電子写真感光体では高感度、低残留電位であり、各種
環境での電位変動も極めて小さく、安定した特性を有し
ている。更に、転写メモリーやフォトメモリー等も極め
て小さく優れた特性を発現することが明らかである。な
お、これらの特性は電荷輸送層の示差走査熱量測定の発
熱量と相関が見られ、発熱量が60mj/mg以下の場
合が良好で、40mj/mg以下の場合が特に良好であ
ることが明確である。
の手順で調製した。10%の酸化アンチモンを含有する
酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50部、フェ
ノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノー
ル5部及びシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサン
ポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)
0.002部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミ
ル装置で2時間分散して調製した。この塗料をφ30m
mのアルミニウムシリンダー上に浸漬塗布方法で塗布
し、140℃で30分間乾燥することによって、膜厚が
20μmの導電層を形成した。
をメタノール95部中に溶解し、中間層用塗料を調製し
た。この塗料を前記の導電層上に浸漬コーティング法に
よって塗布し、100℃で20分間乾燥することによっ
て、膜厚が0.65μmの中間層を形成した。
ルブチラール樹脂2部及びシクロヘキサノン60部を、
φ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で24時
間分散し、更にテトラヒドロフラン60部を加えて電荷
発生層用塗料とした。この塗料を前記の中間層の上に浸
漬コーティング法で塗布して、100℃で15分間乾燥
することによって、膜厚が0.25μmの電荷発生層を
形成した。
性化合物60部をモノクロロベンゼン50部/ジクロロ
メタン30部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用塗料
を調製した、この塗料を前記の電荷発生層上にコーティ
ングし、加速電圧150KV、線量30Mradの条件
で電子線を照射し樹脂を硬化することによって、膜厚が
13μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を得
た。
パルス変調装置を搭載しているキヤノン製プリンターL
BP−2000に装着し、以下の画像評価を行った。
d=−650V、明部電位Vl=−200Vに設定し、
1ドット1スペース画像と文字(5ポイント)画像の出
力を行った。
55%RH)(N/N)で、初期に、ドラム一周分適当
な文字パターンを印字し、その後全面ハーフトーン画像
を取りゴースト現象が出ているかどうかを確認した。次
に、下記耐久パターンを2000枚連続プリントし耐久
後に全面ハーフトーン画像を取り耐久後のゴースト現象
が出ているかどうかを確認した。耐久パターンは約2m
m幅の線を縦横7mmおきに印字した。画像サンプルは
全面黒と、1ドット1スペースのドット密度の画像を用
い、機械の現像ヴォリューム、F5(中心値)とF9
(濃度薄い)で各々サンプリングした。評価基準はゴー
ストが見えないものをランク5とし、1ドット1スペー
スF9で見えるものをランク4、1ドット1スペースF
5で見えるものをランク3、全面黒F9で見えるものを
ランク2、全面黒F5で見えるものをランク1とした。
感光体ドラムの電荷輸送層部分を先に示した方法でサン
プリングし示差走査熱量測定を行った。上記の結果を以
下の表5に示す。
8)正孔輸送性化合物、電子線の照射線量を表5のよう
に代えた以外は、実施例35と同様にして電子写真感光
体を作製し、評価した。結果を表5に示す。
生層迄を形成した後、比較例21と全く同じ処方で電荷
輸送層を作製し(但し膜厚は13μm)電子写真感光体
を作製し、実施例35と同様にして評価した。結果を表
5に示す。
生層迄を形成した後、比較例23と全く同じ処方で電荷
輸送層を作製し(但し膜厚は13μm)電子写真感光体
を作製し、実施例35と同様にして評価した。結果を表
5に示す。
体は、ドットの再現性や文字の再現性に優れ高解像度の
出力画像が得られることがわかる。また、欠陥がなく鮮
明な画像が安定して得られた。これらの結果は、電荷輸
送層の示差走査熱量測定の発熱量と相関が見られ、発熱
量が60mj/mg以下の場合が良好で、40mj/m
g以下の場合が特に良好であることが明確である。
層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光体
の最表面層が、同一分子内に二つ以上の連鎖重合性官能
基を有する正孔輸送性化合物を重合した化合物を含有
し、かつその最表面層が示差熱分析での発熱量が60m
j/mg以下である本発明の電子写真感光体は、耐磨耗
性が極めて良好であるばかりか、繰り返し使用や環境の
変動によらず、安定して優れた電位特性を示し、転写メ
モリーやフォトメモリー等のメモリーも小さく、かつカ
ブリ等の画像欠陥のない良好な画質を与えることができ
る。
トリッジを用いる電子写真装置の概略構成の例を示す図
である。
Claims (31)
- 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
真感光体において、該電子写真感光体の最表面層が、同
一分子内に二つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸
送性化合物を重合した化合物を含有し、かつ該最表面層
が示差走査熱分析での発熱量が60mj/mg以下であ
ることを特徴とする電子写真感光体。 - 【請求項2】 前記最表面層が示差走査熱分析での発熱
量が40mj/mg以下である請求項1に記載の電子写
真感光体。 - 【請求項3】 前記連鎖重合性官能基を有する正孔輸送
性化合物が、下記一般式(1)で示される請求項1又は
2に記載の電子写真感光体。 【化1】 (式中、Aは正孔輸送性基を示す。P1及びP2は連鎖重
合性官能基を示す。P1とP2は同一でも異なっても良
い。Zは置換基を有しても良い有機基を示す。a、b及
びdは0又は1以上の整数を示し、a+b×dは2以上
の整数を示す。また、aが2以上の場合P1は同一でも
異なっても良く、dが2以上の場合P2は同一でも異な
っても良く、またbが2以上の場合、Z及びP2は同一
でも異なっても良い) - 【請求項4】 上記一般式(1)で、AとP1及びZと
の結合部位を水素原子に置き換えた正孔輸送性化合物が
下記一般式(2)で示される請求項1〜3のいずれかに
記載の電子写真感光体。 【化2】 (式中、R1、R2及びR3は置換基を有しても良いアル
キル基、置換基を有しても良いアラルキル基又は置換基
を有しても良いアリール基を示す。但し、少なくともそ
のうち2つはアリール基を示す。また、R1、R2及びR
3はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい) - 【請求項5】 上記一般式(1)で、AとP1及びZと
の結合部位を水素原子に置き換えた正孔輸送性化合物が
下記一般式(3)で示される請求項1〜3のいずれかに
記載の電子写真感光体。 【化3】 (式中、R4、R5、R8及びR9は置換基を有しても良い
アルキル基、置換基を有しても良いアラルキル基又は置
換基を有しても良いアリール基を示し、R4、R5、R8
及びR9はそれぞれ同一であっても異なっていてもよ
い。R6及びR7は置換基を有しても良いアルキレン基又
は置換基を有しても良いアリーレン基を示し、R6及び
R7は同一であっても異なっていてもよい。Qは置換基
を有しても良い有機基を示す) - 【請求項6】 上記一般式(1)で、AとP1及びZと
の結合部位を水素原子に置き換えた正孔輸送性化合物が
下記一般式(4)で示される請求項1〜3のいずれかに
記載の電子写真感光体。 【化4】 (式中、R10、R11、R12及びR13は置換基を有しても
良いアルキル基、置換基を有しても良いアラルキル基又
は置換基を有しても良いアリール基を示す。また、
R10、R11、R12及びR13はそれぞれ同一であっても異
なっていてもよい。Ar1及びAr2は置換基を有しても
良いアリーレン基を示し、それぞれ同一でも異なっても
良い。m1は0又は1を示す) - 【請求項7】 上記一般式(1)で、AのP1及びZと
の結合部位を水素原子に置き換えた正孔輸送性化合物が
下記一般式(5)で示される請求項1〜3のいずれかに
記載の電子写真感光体。 【化5】 {(式中、Ar3及びAr4は置換基を有しても良いアリ
ール基を示し、Ar3及びAr4は同一でも異なっても良
い。R14は置換基を有しても良いアルキル基、置換基を
有しても良いアラルキル基又は置換基を有しても良いア
リール基を示す)但し、Ar3、Ar4及びR14のうち少
なくとも一つは、下記一般式(6)で示される基を少な
くとも一つ有する。 【化6】 (式中、R15及びR16は置換基を有しても良いアルキル
基、置換基を有しても良いアラルキル基、置換基を有し
ても良いアリール基又は水素原子を示し、R15及びR16
は同一であっても異なってもよい。Ar5は置換基を有
しても良いアリール基を示す。n1は0〜2の整数を示
す)} - 【請求項8】 上記一般式(1)で、AとP1及びZと
の結合部位を水素原子に置き換えた正孔輸送性化合物
が、縮合環炭化水素、縮合複素環又は下記一般式(7)
で示される請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感
光体。 【化7】 (式中、R17及びR18は置換基を有しても良いアルキル
基、置換基を有しても良いアラルキル基又は置換基を有
しても良いアリール基を示し、R17及びR18は同一でも
異なっても良い。Ar6は置換基を有しても良いアリー
ル基を示す)但し、上記縮合環炭化水素、縮合複素環及
び一般式(7)は、下記一般式(8)で示される基を少
なくとも一つ有する。 【化8】 (式中、R19及びR20は置換基を有しても良いアルキル
基、置換基を有しても良いアラルキル基、置換基を有し
ても良いアリール基又は水素原子を示し、R19及びR20
は同一であっても異なってもよい。Ar7は置換基を有
しても良いアリール基を示す。n2は0〜2の整数を示
す)} - 【請求項9】 上記一般式(1)のZ又は一般式(3)
のQが置換基を有しても良いアルキレン基、置換基を有
しても良いアリーレン基、CR21=CR22(R21及びR
22は置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有して
も良いアリール基又は水素原子を示し、R21及びR22は
同一でも異なっても良い)、C=O、S=O、SO2、
酸素原子又は硫黄原子より一つあるいは任意に組み合わ
された有機基を示す請求項3〜8のいずれかに記載の電
子写真感光体。 - 【請求項10】 上記一般式(1)のZ又は一般式
(3)のQが下記一般式(9)で示される請求項3〜8
のいずれかに記載の電子写真感光体。 【化9】 (式中、X1〜X3は置換基を有しても良いアルキレン
基、(CR23=CR24)m2、C=O、S=O、SO2、
酸素原子又は硫黄原子を示し、Ar8及びAr9は置換基
を有しても良いアリーレン基を示す。R23及びR24は置
換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良い
アリール基又は水素原子を示し、R23及びR 24は同一で
も異なっても良い。m2は1〜5の整数、p〜tは0又
は1〜10の整数を示す。但し、p〜tは同時に0であ
ることはない) - 【請求項11】 上記一般式(1)のZ又は一般式
(3)のQが下記一般式(10)で示される請求項3〜
8のいずれかに記載の電子写真感光体。 【化10】 (式中、Ar10は置換基を有しても良いアリーレン基を
示す。X4及びX5は(CH2)m3、(CH=C
R25)m4、C=O又は酸素原子を示す。R25は置換基を
有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアリー
ル基又は水素原子を示し、m3は1〜10の整数、m4は
1〜5の整数、u〜wは0〜10の整数を示す。但し、
u〜wは同時に0であることはない) - 【請求項12】 上記一般式(2)のR1、R2及びR3
が置換基を有しても良いアリール基である請求項4、
9、10及び11のいずれかに記載の電子写真感光体。 - 【請求項13】 上記一般式(3)のR4、R5、R8及
びR9のうち少なくとも2つが置換基を有しても良いア
リール基であり、かつR6及びR7は置換基を有しても良
いアリーレン基である請求項5、9、10及び11のい
ずれかに記載の電子写真感光体。 - 【請求項14】 上記一般式(3)のR4、R5、R8及
びR9が置換基を有しても良いアリール基である請求項
13に記載の電子写真感光体。 - 【請求項15】 上記一般式(4)のR10及びR11が置
換基を有しても良いアリール基である請求項6、9、1
0及び11のいずれかに記載の電子写真感光体。 - 【請求項16】 上記一般式(4)のm1が1であり、
かつR10、R11、R1 2及びR13が置換基を有しても良い
アリール基である請求項15に記載の電子写真感光体。 - 【請求項17】 上記一般式(5)のR14が置換基を有
しても良いアリール基である請求項7、9、10及び1
1のいずれかに記載の電子写真感光体。 - 【請求項18】 上記一般式(6)のR16が置換基を有
しても良いアリール基である請求項17に記載の電子写
真感光体。 - 【請求項19】 上記一般式(7)のR17及びR18が置
換基を有しても良いアリール基である請求項8、9、1
0及び11のいずれかに記載の電子写真感光体。 - 【請求項20】 上記一般式(8)のR20が置換基を有
しても良いアリール基である請求項19に記載の電子写
真感光体。 - 【請求項21】 連鎖重合性官能基P1、P2の一方又は
両方が下記式(11)で示される不飽和重合性官能基で
ある請求項3〜20のいずれかに記載の電子写真感光
体。 【化11】 (式中、Eは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有して
も良いアルキル基、置換基を有しても良いアリール基、
シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR 26{R
26は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いア
ルキル基、置換基を有しても良いアラルキル基又は置換
基を有しても良いアリール基}又は−CONR27R
28{R27及びR28は水素原子、ハロゲン原子、置換基を
有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアラル
キル基又は置換基を有しても良いアリール基を示し、互
いに同一であっても異なっていてもよい}を示し、Wは
置換基を有しても良いアリーレン基、置換基を有しても
良いアルキレン基、−COO−、−CH2−、−O−、
−OO−、−S−又は−CONR29−{R29は水素原
子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、
置換基を有しても良いアラルキル基又は置換基を有して
も良いアリール基}を示す。fは0又は1を示す} - 【請求項22】 連鎖重合性官能基P1、P2の一方又は
両方が下記式(12)で示される環状エーテル基である
請求項3〜20のいずれかに記載の電子写真感光体。 【化12】 (式中、R30及びR31は水素原子、置換基を有しても良
いアルキル基、置換基を有しても良いアラルキル基又は
置換基を有しても良いアリール基を示し、nは1〜10
の整数を示す) - 【請求項23】 連鎖重合性官能基P1、P2の一方又は
両方が下記一般式(13)で示される脂環式エポキシ基
である請求項3〜20のいずれかに記載の電子写真感光
体。 【化13】 (式中、R32及びR33は水素原子、置換基を有しても良
いアルキル基、置換基を有しても良いアラルキル基又は
置換基を有しても良いアリール基を示し、nは0〜10
の整数を示す) - 【請求項24】 連鎖重合性官能基P1、P2の一方又は
両方が下記一般式(14)〜一般式(20)の何れかで
ある請求項3〜20のいずれかに記載の電子写真感光
体。 【化14】 - 【請求項25】 連鎖重合性官能基P1、P2の一方又は
両方が下記一般式(14)又は一般式(15)である請
求項24に記載の電子写真感光体。 【化15】 - 【請求項26】 同一分子内に二つ以上の連鎖重合性官
能基を有する正孔輸送性化合物の化合物の酸化電位が
0.4〜1.2(V)である請求項1〜25のいずれか
に記載の電子写真感光体。 - 【請求項27】 重合が電子線によって行われる請求項
1〜26のいずれかに記載の電子写真感光体。 - 【請求項28】 電子線の加速電圧が250KV以下で
ある請求項27に記載の電子写真感光体。 - 【請求項29】 電子線の線量が1〜100Mradで
ある請求項27又は28に記載の電子写真感光体。 - 【請求項30】 請求項1〜29のいずれかに記載の電
子写真感光体を、該電子写真感光体を帯電させる帯電手
段、静電潜像の形成された電子写真感光体をトナーで現
像する現像手段、及び転写工程後の電子写真感光体上に
残余するトナーを回収するクリーニング手段からなる群
より選ばれた少なくとも一つの手段と共に一体に支持
し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とす
るプロセスカートリッジ。 - 【請求項31】 請求項1〜29のいずれかに記載の電
子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電手
段、帯電した電子写真感光体に対し露光を行い静電潜像
を形成する露光手段、静電潜像の形成された電子写真感
光体にトナーで現像する現像手段、及び電子写真感光体
上のトナー像を転写材上に転写する転写手段を備えるこ
とを特徴とする電子写真装置。
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JP35322799A JP4136238B2 (ja) | 1999-12-13 | 1999-12-13 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 |
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