JP2006323208A - 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】 高い耐摩耗性を有し、電気特性に優れ、白斑点等の画像欠陥が生じにくい電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】 少なくとも下記の成分Aをラジカル重合させて得られる硬化被覆組成物を表面に有する電子写真感光体。成分A:分子内に2個のラジカル重合性基と、ラジカル重合性基を含まない置換アミノ基とを有し、前記ラジカル重合性基と直近の置換アミノ基との間が、不飽和結合を含まずに、2個以上の芳香族炭化水素化合物で連結されたラジカル重合性モノマー。該感光体を用いて、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行なう画像形成方法および画像形成装置。該感光体101と、帯電手段102、現像手段104、転写手段106、クリーニング手段107および除電手段を有し、画像形成装置本体に着脱可能としたプロセスカートリッジ。
【選択図】 図3

Description

本発明は、直径100mmの感光体換算で連続200万枚以上の耐刷性を有するような極めて高い耐摩耗性を有し;帯電性、感度、残留電位蓄積性等の電気特性に優れ;白斑点等の画像欠陥が生じにくく、その高画質を長期間にわたり維持でき;さらに青紫レーザー書き込み光源にも対応できるような書き込み光源波長への対応領域が広い電子写真感光体に関する。また、その高耐久性、高信頼性、高性能な感光体を使用した画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジに関する。
近年、有機感光体(OPC)は良好な性能、様々な利点から、無機感光体に換わり複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ及びこれらの複合機に多く用いられている。この理由としては、例えば(1)光吸収波長域の広さ及び吸収量の大きさ等の光学特性、(2)高感度、安定な帯電特性等の電気的特性、(3)材料の選択範囲の広さ、(4)製造の容易さ、(5)低コスト、(6)無毒性、等が挙げられる。一方、最近画像形成装置の小型化から感光体の小径化が進み、機械の高速化やメンテナンスフリーの動きも加わり感光体の高耐久化が切望されるようになってきた。この観点からみると、有機感光体は、電荷輸送層が低分子電荷輸送物質と不活性高分子を主成分としているため一般に柔らかく、電子写真プロセスにおいて繰り返し使用された場合、現像システムやクリーニングシステムによる機械的な負荷により摩耗が発生しやすいという欠点を有している。加えて高画質化の要求からトナー粒子の小粒径化に伴いクリーニング性を挙げる目的でクリーニングブレードのゴム硬度の上昇と当接圧力の上昇が余儀なくされ、このことも感光体の摩耗を促進する要因となっている。この様な感光体の摩耗は、感度の劣化、帯電性の低下などの電気的特性を劣化させ、画像濃度低下、地肌汚れ等の異常画像の原因となる。また摩耗が局所的に発生した傷は、クリーニング不良によるスジ状汚れ画像をもたらす。そこで、下記のような耐摩耗性の改良が行われてきた。
(1)電荷輸送層に硬化性バインダーを用いたもの(例えば、特許文献1参照。)
(2)高分子型電荷輸送物質を用いたもの(例えば、特許文献2参照。)
(3)電荷輸送層に無機フィラーを分散させたもの(例えば、特許文献3参照。)
(4)多官能のアクリレートモノマー硬化物を含有させたもの(例えば特許文献4参照)。
(5)炭素−炭素二重結合を有するモノマーと、炭素−炭素二重結合を有する電荷輸送材及びバインダー樹脂からなる塗工液を用いて形成した電荷輸送層を設けたもの(例えば、特許文献5参照。)
(6)同一分子内に二つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を硬化した化合物を含有させたもの(例えば、特許文献6、7参照。)
これらの改良により耐摩耗性は従来品に比べて向上したが新たな問題が生じてきている。従来の感光体は、表面に異物付着や傷等が生じても摩耗によりリフェースされ、いつまでも画像欠陥を引きずることは無かったが、耐摩耗性の改良された感光体は、一度表面に強固な異物付着や傷が発生するといつまでもその状態が残り、画像欠陥を出しつづける。この様に画像欠陥を発生しやすい問題があった。
特に近年は高画質化及び省エネルギー化の要望からトナーの粒径が小さく、軟化温度が低くなっており、その流動性を確保するためにシリカ等の無機微粒子をトナー中に添加することが良く行われる様になってきている。このシリカ粒子が現像過程でOPC表面に刺さる場合が有り、その周囲にトナーのワックス成分等が堆積して現像できなくなり、白斑点状の画像欠陥が発生する問題が生じている。
また近年のさらなる高画質化、高耐久化に伴い耐摩耗性や残留電位蓄積性をより高度なレベルで両立させる必要が生じている。
特開昭56−48637号公報 特開昭64−1728号公報 特開平4−281461号公報 特許第3262488号公報 特許第3194392号公報 特開2000−66425号公報 特開2004−212959号公報
本発明の目的は、高い耐摩耗性を有し;帯電性、感度、残留電位蓄積性等の電気特性に優れ;白斑点等の画像欠陥が生じにくく、その高画質を長期間にわたり維持でき;さらに青紫レーザー書き込み光源にも対応できるような書き込み光源波長への対応領域が広い電子写真感光体、その高耐久性、高信頼性、高性能な感光体を使用し、長期間にわたり高画質化を実現した画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することである。
請求項1の発明は、少なくとも下記の成分Aをラジカル重合させて得られる硬化被覆組成物を表面に有する電子写真感光体である。
成分A:分子内に2個のラジカル重合性基と、ラジカル重合性基を含まない置換アミノ基とを有するラジカル重合性モノマーであって、前記ラジカル重合性基と直近の置換アミノ基との間が、不飽和結合を含むことなく、2個以上の芳香族炭化水素化合物で連結されたラジカル重合性モノマー。
請求項2の発明は、少なくとも下記の成分Aおよび成分Bの混合物をラジカル重合させて得られる硬化被覆組成物を表面に有する電子写真感光体である。
成分A:分子内に2個のラジカル重合性基と、ラジカル重合性基を含まない置換アミノ基とを有するラジカル重合性モノマーであって、前記ラジカル重合性基と直近の置換アミノ基との間が、不飽和結合を含むことなく、2個以上の芳香族炭化水素化合物で連結されたラジカル重合性モノマー
成分B:ラジカル重合性基を分子内に3個以上有するラジカル重合性モノマー
請求項3の発明は、少なくとも下記の成分A、成分Bおよび成分Cの混合物をラジカル重合させて得られる硬化被覆組成物を表面に有する電子写真感光体である。
成分A:分子内に2個のラジカル重合性基と、ラジカル重合性基を含まない置換アミノ基とを有するラジカル重合性モノマーであって、前記ラジカル重合性基と直近の置換アミノ基との間が、不飽和結合を含むことなく、2個以上の芳香族炭化水素化合物で連結されたラジカル重合性モノマー
成分B:ラジカル重合性基を分子内に3個以上有するラジカル重合性モノマー
成分C:光重合開始剤
請求項4の発明は、前記成分A及び/又は成分Bのラジカル重合性基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体である。
請求項5の発明は、前記成分Aが下記一般式(1)で表されるラジカル重合性モノマーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体である。
Figure 2006323208
(式中、R、Rはそれぞれ水素原子またはメチル基を表し、Ar、Arは、2価の置換基を有しても良い2個以上の芳香族炭化水素基を表し、Arは置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアラルキル基、置換基を有しても良いアリール基、または置換基を有していても良いヘテロ環基を表す。)
請求項6の発明は、前記一般式(1)が、下記一般式(2)で表されることを特徴とする請求項5記載の電子写真感光体である。
Figure 2006323208
(式中、R、Rはそれぞれ水素原子またはメチル基を表し、R、R、R、Rは置換基を有しても良いアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリール基、またはヘテロ環基を表し、Arは置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアラルキル基、置換基を有しても良いアリール基、または置換基を有していても良いヘテロ環基を表す。a、b、c、dは0〜4の整数を表し、同一であっても異なっていても良い。)
請求項7の発明は、前記一般式(1)が、下記一般式(3)で表されることを特徴とする請求項5記載の電子写真感光体である。
Figure 2006323208
(式中、R、R10はそれぞれ水素原子またはメチル基を表し、R11、R12、R13、R14は置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシ基、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアリール基、または置換基を有しても良いヘテロ環基を表し、R15、R16は置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアラルキル基、置換基を有しても良いアリール基、または置換基を有していても良いヘテロ環基を表す。Arは置換基を有しても良い2価のアルキレン基、置換基を有しても良い2価のアリーレン基、または置換基を有していても良い2価のヘテロ環基を表す。e、f、g、hは0〜4の整数を表し、同一であっても異なっていても良い。)
請求項8の発明は、前記一般式(1)が、下記一般式(4)で表されることを特徴とする請求項5記載の電子写真感光体である。
Figure 2006323208
(式中、R17、R18はそれぞれ水素原子またはメチル基を表し、R19、R20、R21、R22、R25、R26は置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシ基、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアリール基、または置換基を有しても良いヘテロ環基を表し、R23、R24は置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアラルキル基、置換基を有しても良いアリール基、または置換基を有していても良いヘテロ環基を表す。i、j、k、l、m、nは0〜4の整数を表し、同一であっても異なっていても良い。)
請求項9の発明は、前記成分Aが下記一般式(5)で表されるラジカル重合性モノマーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体である。
Figure 2006323208
(式中、R27、R28はそれぞれ水素原子またはメチル基を表し、Ar、Arは2価の置換基を有しても良い2個以上の芳香族炭化水素基を表し、Ar、Ar10は置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアラルキル基、置換基を有しても良いアリール基、または置換基を有していても良いヘテロ環基を表し、Arは2価の置換基を有しても良いアルキレン基、2価の置換基を有していても良いアリーレン基、または2価の置換基を有していても良いヘテロ環基を表す。)
請求項10の発明は、前記一般式(5)が、下記一般式(6)で表されることを特徴とする請求項9記載の電子写真感光体である。
Figure 2006323208
(式中、R29、R30はそれぞれ水素原子またはメチル基を表し、R31、R32、R33、R34は置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシ基、ハロゲン原子、置換基を有していても良いアリール基、または置換基を有していても良いヘテロ環基を表し、R35、R36は置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有していても良いアラルキル基、置換基を有しても良いアリール基、または置換基を有していても良いヘテロ環基を表し、Ar11は2価の置換基を有しても良いアルキレン基、2価の置換基を有していても良いアリーレン基、または2価の置換基を有していても良いヘテロ環基を表す。p、q、r、sは0〜4の整数を表し、同一であっても異なっていても良い。)
請求項11の発明は、前記電子写真感光体が、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層及び架橋型電荷輸送層を順次積層した構造を有し、前記架橋型電荷輸送層が前記硬化被覆組成物からなることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の電子写真感光体である。
請求項12の発明は、前記架橋型電荷輸送層の膜厚が1μm以上、10μm以下であることを特徴とする請求項11に記載の電子写真感光体である。
請求項13の発明は、前記架橋型電荷輸送層が有機溶剤に対し不溶性であることを特徴とする請求項11または12に記載の電子写真感光体である。
請求項14の発明は、前記架橋型電荷輸送層に用いられる硬化被覆組成物の成分Bのラジカル重合性官能基数に対する分子量の割合(分子量/官能基数)が、250以下であることを特徴とする請求項11または12に記載の電子写真感光体である。
請求項15の発明は、請求項1〜14のいずれかに記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行なうことを特徴とする画像形成方法である。
請求項16の発明は、請求項1〜14のいずれかに記載の電子写真感光体を有することを特徴とする画像形成装置である。
請求項17の発明は、請求項1〜14のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段および除電手段よりなる群から選ばれた少なくとも一つの手段とを有し、画像形成装置本体に着脱可能としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジである。
本発明によれば、高い耐摩耗性を有し;帯電性、感度、残留電位蓄積性等の電気特性に優れ;白斑点等の画像欠陥が生じにくく、その高画質を長期間にわたり維持でき;さらに青紫レーザー書き込み光源にも対応できるような書き込み光源波長への対応領域が広い電子写真感光体、その高耐久性、高信頼性、高性能な感光体を使用し、長期間にわたり高画質化を実現した画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジが提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明は、特定のラジカル重合性モノマーをラジカル重合させて得られる硬化膜を表面に配した電子写真感光体及びこれを使用した画像形成方法、画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジに関する。ここで言うラジカル重合性モノマーは電荷輸送性機能を発現する構造とラジカル重合性の構造を併せ持っているのが好ましく、重合して得られる硬化膜は電荷輸送性膜として機能する。この様な電荷輸送性機能を発現する構造とラジカル重合性基を持ったラジカル重合性モノマーはこれまで数多く提案されており、例えば前記特許文献7には四百数十種類の化合物例が記載されている。
しかしながら、これら従来のラジカル重合性モノマーでは、高度なレベルで高い耐摩耗性と残留電位の発生が小さい電気特性とを両立させることができなかった。その原因は次の様に考えられる。ほとんど削れ無いような高度な耐摩耗性を実現する為には、架橋密度を十分に上げる必要があることが判ってきたが、その為にはラジカル重合性基の含有割合を上げる必要があり、ラジカル重合性基を多官能化したり電荷輸送性構造の分子量を小さくしたりすることが必要である。しかし、良好な電荷輸送性を発現する構造の低分子量化には限度がある。一方でラジカル重合性基の多官能化は含有割合を上げるには有効であるが、硬化後の電荷輸送性が悪くなる。この原因は良く判っていないが、電荷輸送性構造部の分子運動が何箇所も架橋されることで拘束されて自由に動ける範囲が小さくなり、電荷のホッピング移動性を低下させてしまう為と推定される。
そこで、本発明者らは、高密度なラジカル重合性と電荷輸送性を両立できる新たなラジカル重合性モノマーを検討した。その結果、分子内に2個のラジカル重合性基と、ラジカル重合性基を含まない置換アミノ基とを有するラジカル重合性モノマーであって、前記ラジカル重合性基と直近の置換アミノ基との間が、不飽和結合を含むことなく、2個以上の芳香族炭化水素化合物で連結されたラジカル重合性モノマーが有効であることを見出し、これを使用して硬化させた膜が高密度なラジカル重合性と良好な電荷輸送性を両立できることを見出した。好ましいラジカル重合性モノマーは、架橋密度が高いにもかかわらず電荷輸送性基の分子運動束縛を極力減らすように比較的分子運動しやすい脂肪族構造の架橋部分にバルキーで構造の動きにくい芳香族化合物からなる電荷輸送性基をペンダント状に一箇所のみの結合で容易に回転できる様に連結させたモノマーである。この様な構造の工夫により高密度なラジカル硬化性と良好な電荷輸送性の両立が図れる。
また、従来の多官能性電荷輸送性モノマーを使用した場合は、硬化時の歪が大きくなり、クラック等のひびが生じる問題や多官能にもかかわらず硬化性に不足を生じる問題が発生したが、本発明の特定のラジカル重合性モノマーの硬化では、クラック等の発生も無く十分に架橋硬化した均一で平滑な膜が得られ、良好な感光体表面層として機能する。また、高密度な電荷輸送性硬化膜の形成が可能となった事で、膜強度が十分に高くなり、シリカ微粒子等非常に硬度の高いトナー中の外添剤が感光体に刺さることを防止し、白斑点等の画像欠陥を減らすことができるようになった。
また、高密度な架橋硬化膜の実現には前記成分Aのラジカル重合性モノマーを用いることにより達成される。より好ましくは成分Aに、成分Bであるラジカル重合性基を分子内に3個以上有するラジカル重合性モノマーを混合することが好ましい。また、ラジカル重合開始には従来公知の種々の方法が適用できるが、光重合開始剤を添加して光照射により短時間で硬化させることで架橋密度の高い機械的強度に優れる感光体が得られる。
次にラジカル重合性モノマーについてさらに説明する。
ラジカル重合性基としては従来公知の物がいずれも適用できる。例えば、ビニル基、アリル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリルアミド基等である。特に、重合特性の観点からアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であるのが好ましい。アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基又はこれらの組み合わせを使用することで短時間に十分硬化された平滑な膜の作製が可能となる。
ラジカル重合性基を含まない置換アミノ基としては、前記ビニル基、アリル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリルアミド基等を含まない置換アミノ基であり、前記のように電荷輸送性機能を発現する構造を有するのが好ましい。当該置換アミノ基の前駆体としては、2級のアミノ基が挙げられ、そのアミノ基の具体例としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン等のジアルキルアミン、ジベンジルアミン、ビス(4−メチルベンジル)アミン等のアラルキルアミン、ジフェニルアミン、ジ−p−トリルアミン等のジアリールアミン、ビス(2−チエニル)アミン、ビス(2−フリル)アミン等のジヘテロ環アミン等が挙げられる。
その2級アミノ基を置換基として有する電荷輸送性化合物は、受光により生じた電荷をホッピング伝導等により輸送する性質を有する化合物である。電荷輸送性化合物には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電子輸送物質の具体例としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2 ,4 ,7 −トリニトロ−9 −フルオレノン、2 ,4 ,5 ,7 −テトラニトロ−9 −フルオレノン、2 ,4 ,5 ,7 −テトラニトロキサントン、2 ,4 ,8 −トリニトロチオキサントン、2 ,6 ,8 −トリニトロ−4H −インデノ〔1 ,2 −b 〕チオフェン−4 −オン、1 ,3 ,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5 ,5 −ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。正孔輸送物質の具体例としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。
以上述べた成分Aのラジカル重合性モノマーの内、特に好ましいのが前記一般式(1)、あるいは(5)で表されるものである。更に、一般式(1)、あるいは(5)の中で青紫色レーザー書き込み光源にも良く対応出来るものとして前記一般式(2)、(3)、(4)あるいは(6)で表される化合物がより好ましい材料として挙げられる。
一般式(1)において、R、Rの具体例としては水素原子またはメチル基を挙げることができる。水素原子とメチル基では、ラジカル重合性に違いが生まれるので、使用環境により適宜選択して使用される。また、R、Rは同一でも異なっていても良い。Ar、Arの置換基を有しても良い芳香族炭化水素基の具体例としては、下記式(A−1)〜(A−13)で示されるものを挙げることができる。
Figure 2006323208
(ここでR37は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有して良いアルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基、置換基を有しても良いヘテロ環、ハロゲン原子を表し、tは0〜4の整数を表す。)
37の置換基を有しても良いアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。置換基を有しても良いアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基等が挙げられる。置換基を有しても良いアリール基の具体例としては、フェニル基、o−トリル基、p−トリル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、4−ビフェニル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基が挙げられる。置換基を有していても良いヘテロ環基の具体例としては、2−フリル基、2−チエニル基、5−メチル−2−チエニル基、2−ピリジル基、4−フェニル−2−ピリジル基等のヘテロ環基が挙げられる。ハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。Arの置換基を有しても良いアルキル基の具体例としては、上述のアルキル基を、置換基を有していても良いアラルキル基の具体例としては、ベンジル基、1−ナフチルメチル基、フェネチル基等を、置換基を有しても良いアリール基の具体例としては、上述のアリール基を、置換基を有していても良いヘテロ環基の具体例としては、上述のヘテロ環基を挙げることができる。
一般式(2)においてR、Rも具体例としてはそれぞれ水素原子またはメチル基を挙げることができる。水素原子とメチル基では、ラジカル重合性に違いが生まれるので、使用環境により適宜選択して使用される。また、R、Rは同一でも異なっていても良い。R、R、R、Rの具体例としては、上述の置換基を有しても良いアルキル基、上述の置換基を有しても良いアルコキシ基、上述のハロゲン原子、上述の置換基を有しても良いアリール基、上述の置換基を有しても良いヘテロ環基を挙げることができる。Arの具体例としては、上述の置換基を有しても良いアルキル基、上述の置換基を有しても良いアラルキル基、上述の置換基を有しても良いアリール基、上述の置換基を有していても良いヘテロ環基を挙げることができる。
一般式(3)においてR、R10の具体例としてはそれぞれ水素原子またはメチル基を挙げることができる。水素原子とメチル基では、ラジカル重合性に違いが生まれるので、使用環境により適宜選択して使用される。また、R、R10は同一でも異なっていても良い。R11、R12、R13、R14の具体例としては、上述の置換基を有しても良いアルキル基、上述の置換基を有しても良いアルコキシ基、上述のハロゲン原子、上述の置換基を有しても良いアリール基、上述の置換基を有しても良いヘテロ環基を挙げることができる。R15、R16の具体例としては、上述の置換基を有しても良いアルキル基、上述の置換基を有しても良いアラルキル基、上述の置換基を有しても良いアリール基、上述の置換基を有していても良いヘテロ環基を挙げることができる。Arの具体例としては、下記式(B−1)〜(B−6)に示す置換基を有しても良い2価のアルキレン基、(B−7)〜(B−17)に示す置換基を有しても良い2価のアリーレン基、(B−18)〜(B−23)に示す置換基を有していても良い2価のヘテロ環基を挙げることができる。
Figure 2006323208
(ここでR38は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシ基、置換基を有しても良いアラルキル基、置換基を有しても良いアリール基、置換基を有しても良いヘテロ環、ハロゲン原子を表し、uは0〜2の整数を表す。)
38の具体例としては上述の置換基を有しても良いアルキル基、上述の置換基を有しても良いアルコキシ基、上述の置換基を有しても良いアラルキル基、上述の置換基を有しても良いアリール基、上述の置換基を有しても良いヘテロ環、上述のハロゲン原子を挙げることができる。
一般式(4)においてR17、R18の具体例としてはそれぞれ水素原子またはメチル基を挙げることができる。水素原子とメチル基では、ラジカル重合性に違いが生まれるので、使用環境により適宜選択して使用される。また、R17、R18は同一でも異なっていても良い。R19、R20、R21、R22、R25、R26の具体例としては、上述の置換基を有しても良いアルキル基、上述の置換基を有しても良いアルコキシ基、上述のハロゲン原子、上述の置換基を有しても良いアリール基、上述の置換基を有しても良いヘテロ環基を挙げることができる。R23、R24の具体例としては上述の置換基を有しても良いアルキル基、上述の置換基を有しても良いアラルキル基、上述の置換基を有しても良いアリール基、上述の置換基を有していても良いヘテロ環基を挙げることができる。
一般式(5)においてR27、R28の具体例としてはそれぞれ水素原子またはメチル基を挙げることができる。水素原子とメチル基では、ラジカル重合性に違いが生まれるので、使用環境により適宜選択して使用される。また、R27、R28は同一でも異なっていても良い。Ar、Arの2価の置換基を有しても良い2個以上の芳香族炭化水素基の具体例としては、上記式(A−1)〜(A−13)を挙げることができる。Ar、Ar10の具体例としては、上述の置換基を有しても良いアルキル基、上述の置換基を有しても良いアラルキル基、上述の置換基を有しても良いアリール基、上述の置換基を有していても良いヘテロ環基を挙げることができる。Arの具体例としては、上記式(B−1)〜(B−6)に示す2価の置換基を有しても良いアルキレン基、上記式(B−7)〜(B−17)に示す2価の置換基を有していても良いアリーレン基、上記式(B−18)〜(B−23)に示す2価の置換基を有していても良いヘテロ環基を挙げることができる。
一般式(6)においてR29、R30の具体例としてはそれぞれ水素原子またはメチル基を挙げることができる。水素原子とメチル基では、ラジカル重合性に違いが生まれるので、使用環境により適宜選択して使用される。また、R29、R30は同一でも異なっていても良い。R31、R32、R33、R34の具体例としては、上述の置換基を有しても良いアルキル基、上述の置換基を有しても良いアルコキシ基、上述のハロゲン原子、上述の置換基を有していても良いアリール基、上述の置換基を有していても良いヘテロ環基を挙げることができる。R35、R36の具体例としては上述の置換基を有しても良いアルキル基、上述の置換基を有していても良いアラルキル基、上述の置換基を有しても良いアリール基、上述の置換基を有していても良いヘテロ環基を挙げることができる。
以下に一般式(1)に示す本願発明の具体的な例示化合物を記すが、何らこれらに限定されるものではない。
Figure 2006323208
Figure 2006323208
Figure 2006323208
Figure 2006323208
Figure 2006323208
Figure 2006323208
Figure 2006323208
Figure 2006323208
Figure 2006323208
Figure 2006323208
Figure 2006323208
以下に一般式(5)に示す本願発明の具体的な例示化合物を記すが、何らこれらに限定されるものではない。
Figure 2006323208
Figure 2006323208
Figure 2006323208
Figure 2006323208
前記一般式(1)、または(5)で表されるラジカル重合性モノマーは、新規物質であり、ラジカル重合性基は、例えば以下の方法により容易に得ることができる。
(ヒドロキシ化合物の合成)
Figure 2006323208
上記に示す化合物(E−1)より化合物(E−2)を得る工程は、脱メチル化によるヒドロキシ化合物を得る工程であり、従来知られている方法を用いることでヒドロキシ化合物が合成できる。すなわち、濃塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、トリフルオロ酢酸、ピリジン塩酸塩、ヨウ化マグネシウムエーテラート、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素等の酸を用いる方法、あるいは水酸化カリウム、グリニャール試薬、ナトリウム−ブタノール、リチウム−ビフェニル、ヨウ化リチウム−コリジン、リチウムジフェニルフォスフィド−THF、ナトリウムチオラート−DMFなどの塩基、あるいは有機金属試薬による方法がある。これらの方法の中では、特に三臭化ホウ素、ナトリウムチオラート−DMFを用いた方法が有効であるが、前記中間体であるヒドロキシ化合物を得るための合成方法は、これらに限定されるものではない。
(アクリル化合物、あるいはメタクリル化合物の合成)
Figure 2006323208
上記に示す化合物(E−2)より化合物(E−3)を得る工程は、アクリル化、あるいはメタクリル化工程であり、従来のエステル化と同様にして合成できる。すなわち、アルコール誘導体にアクリル酸、あるいはメタクリル酸、またはこれらカルボン酸のエステル化合物、酸ハロゲン化物、酸無水物を作用させる。例えば、ヒドロキシ化合物とアクリル酸とをp−トルエンスルフォン酸等のエステル化触媒と共に有機溶媒中で脱水しながら加熱撹拌することで合成できる。また、ヒドロキシ化合物とアクリル酸クロリドとを有機溶媒中アルカリ存在下で反応させることでも容易に合成できる。この時用いられるアルカリとしては、例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ、またはその水溶液、トリエチルアミン、ピリジン等のアミン系塩基を使用することができる。反応に用いられる有機溶媒としては、トルエン等の炭化水素系溶媒やテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒や酢酸エチル等のエステル系溶媒、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、クロロホルム等のハロゲン系溶媒等が使用できる。
ラジカル重合性基を分子内に3個以上有するラジカル重合性モノマーとしては、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しておらず、且つラジカル重合性官能基を3個以上有するモノマーを指す。このラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素ニ重結合を有し、ラジカル重合可能な基であれば何れでもよい。これらラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基等が挙げられる。1−置換エチレン官能基としては、例えば以下の式で表される官能基が挙げられる。
CH=CH−X− ・・・・(式1)
(ただし、式中、Xは、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、−CON(R17)−基(R17は、水素、メチル基、エチル基等のアルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表わす。)、またはスルフィド基を表わす。)
これらの置換基の具体例としては、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。また、1,1−置換エチレン官能基としては、例えば以下の式で表される官能基が挙げられる。
CH=C(Y)−X− ・・・・(式2)
(ただし、式中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR18基(R18は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、または−CONR1920(R19およびR20は水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表わし、互いに同一または異なっていてもよい。)を表し、また、Xは上記(式1)のXと同一の置換基、単結合、アルキレン基を表わす。ただし、Y、Xの少なくとも何れか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、及び芳香族環である。)
これらの置換基を具体的に例示すると、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。なお、これらX、X、Yが有していても良い置換基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。これらのラジカル重合性官能基の中では、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用であり、3個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物は、例えば水酸基がその分子中に3個以上ある化合物とアクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル反応あるいはエステル交換反応させることにより得ることができる。また、3個以上のメタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。また、ラジカル重合性官能基を3個以上有する単量体中のラジカル重合性官能基は、同一でも異なっても良い。
ラジカル重合性基を分子内に3個以上有するラジカル重合性モノマーとしては、以下のものが例示されるが、これらの化合物に限定されるものではない。すなわち、本発明において使用する上記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(以降、TMPTAと略記する)、トリメチロールプロパントリメタクリレートトリメチロールプロパンアルキレン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシ変性(以降、EO変性と略記する)トリアクリレート、トリメチロールプロパプロピレンオキシ変性(以降、PO変性と略記する)トリアクリレート、トリメチロールプロパンカプロラクトン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(以降、PETTAと略記する)、グリセロールトリアクリレート、グリセロールエピクロロヒドリン変性(以後ECH変性)トリアクリレート、グリセロールEO変性トリアクリレート、グリセロールPO変性トリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(以降、DPHAと略記する)、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(以降、DTMPTAと略記する)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、リン酸EO変性トリアクリレート、2 ,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられる。これらは、単独又は2種類以上を併用しても差し支えない。
また、本発明に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとしては、架橋型電荷輸送層中に緻密な架橋結合を形成するために、該モノマー中の官能基数に対する分子量の割合(分子量/官能基数)は250以下が望ましい。また、この割合が250より大きい場合、架橋型電荷輸送層は柔らかく耐摩耗性が幾分低下するため、上記例示したモノマー等中、EO、PO、カプロラクトン等の変性基を有するモノマーにおいては、極端に長い変性基を有するものを単独で使用することは好ましくはない。またラジカル重合性基を分子内に3個以上有するラジカル重合性モノマーの成分割合は、硬化被覆組成物全量に対し20〜80質量%、より好ましくは30〜70質量%であり、実質的には、塗工液固形分中のラジカル重合性基を分子内に3個以上有するラジカル重合性モノマーの割合に依存する。前記割合が20質量%未満では架橋型電荷輸送層の3次元架橋結合密度が少なく、従来の熱可塑性バインダー樹脂を用いた場合に比べ飛躍的な耐摩耗性向上が達成されない。また、80質量%を超えると電荷輸送性化合物の含有量が低下し、電気的特性の劣化が生じる。使用されるプロセスによって要求される電気特性や耐摩耗性が異なり、それに伴い本感光体の架橋型電荷輸送層の膜厚も異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると30〜70質量%の範囲が最も好ましい。
光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1 −オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o −エトキシカルボニル)オキシム、等のアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、等のベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン等のベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤、その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物等が挙げられる。また、光重合促進効果を有するものを単独または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。これらの光重合開始剤は1種又は2種以上を混合して用いてもよい。光重合開始剤の好ましい含有量は、ラジカル重合性を有する総ての化合物100質量部に対して0.5〜40質量部、より好ましくは1〜20質量部である。
次に、硬化被覆組成物の形成方法について説明する。
本発明で使用される硬化被覆組成物は、少なくとも成分AとB、あるいは成分AとBとCを含む塗工液を作製し、その塗工液を感光体表面に塗工した後、ラジカル重合させて形成される。成分A,BおよびCを使用する場合は、光重合開始剤の吸収波長に応じた光照射を行ない、重合させることで形成される。
塗工液は、重合性モノマーが液体である場合、これに他の成分を溶解して塗布することも可能であるが、必要に応じて溶媒により希釈して塗布される。この時に用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテル等のエーテル系、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ系などが挙げられる。これらの溶媒は単独または2種以上を混合して用いてもよい。溶媒による希釈率は組成物の溶解性、塗工法、目的とする膜厚により変わり、任意である。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行なうことができる。
また成分Aは、硬化被覆組成物の電荷輸送性能を付与するために重要で、この成分は硬化被覆組成物に対し好ましくは20〜80質量%、更に好ましくは30〜70質量%である。この成分が20質量%未満では電荷輸送性能が充分に保てず、繰り返しの使用で感度低下、残留電位上昇などの電気特性の劣化が現れる。また、80質量%を超えると成分Bの含有量が低下し、架橋結合密度の低下を招き目的の特性が発揮しにくくなる。
塗工液には成分A、成分Bおよび成分C以外に塗工時の粘度調整、架橋型電荷輸送層の応力緩和、低表面エネルギー化や摩擦係数低減などの機能付与の目的で1官能や2官能のラジカル重合性モノマー及びラジカル重合性オリゴマーを併用することができる。これらのラジカル重合性モノマー、オリゴマーとしては、公知のものが利用できる。1官能のラジカルモノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソブチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、セチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ステアリルアクリレート、スチレンモノマー等が挙げられる。2官能のラジカル重合性モノマーとしては、例えば、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートビスフェノールA−EO変性ジアクリレート、ビスフェノールF−EO変性ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが挙げられる。機能性モノマーとしては、例えば、オクタフルオロペンチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、2−パーフルオロイソノニルエチルアクリレートなどのフッ素原子を置換したもの、特公平5−60503号公報、特公平6−45770号公報記載のシロキサン繰り返し単位:20〜70のアクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、メタクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、アクリロイルポリジメチルシロキサンプロピル、アクリロイルポリジメチルシロキサンブチル、ジアクリロイルポリジメチルシロキサンジエチル等のポリシロキサン基を有するビニルモノマー、アクリレート及びメタクリレートが挙げられる。ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系オリゴマーが挙げられる。但し、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーやラジカル重合性オリゴマーを多量に含有させると硬化被覆組成物の3次元架橋結合密度が実質的に低下し、特性の低下を招く。このためこれらのモノマーやオリゴマーの含有量は、成分A100質量部に対し50質量部以下、より好ましくは30質量部以下に制限される。
更に、塗工液は必要に応じて各種可塑剤(応力緩和や接着性向上の目的)、レベリング剤、ラジカル反応性を有しない低分子電荷輸送物質などの添加剤が含有できる。これらの添加剤は公知のものが使用可能であり、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂に使用されているものが利用可能で、その使用量は塗工液の総固形分に対し20質量%以下、より好ましくは10質量%以下に抑えられる。また、レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが利用でき、その使用量は塗工液の総固形分に対し3質量%以下が適当である。
塗工液を塗布後、場合によっては乾燥工程を入れ、光照射等により硬化を行なう。光照射としては主に紫外光に発光波長をもつ高圧水銀灯やメタルハライドランプなどのUV照射光源が利用できるが、ラジカル重合性含有物や光重合開始剤の吸収波長に合わせ可視光光源の選択も可能である。照射光量は50mW/cm以上、2000mW/cm以下が好ましく、50mW/cm未満では硬化反応に時間を要する。2000mW/cmより強いと反応の進行が不均一となり、架橋型電荷輸送層表面に局部的な皺の発生や多数の未反応残基、反応停止末端等が生じる。また、急激な架橋により内部応力が大きくなり、クラックや膜剥がれの原因となる。また、光照射時に窒素置換をして酸素による重合阻害を防止すること、あるいは連続した光照射を行っても良く、間欠的に複数回に分けて照射してもよい。光照射の類似手段として電子線照射を用いることもできる。しかしながら、反応速度制御の容易さ、装置の簡便さから光のエネルギーを用いたものが好ましい。
光照射量が多いほど硬化被覆組成物のゲル分率が上がり、より不溶不融の状態になる。本発明の目的を達成するためには、このゲル分率が95%以上であることが好ましい。ゲル分率は、硬化被覆組成物をテトラヒドロフランのような溶解性の高い有機溶媒中に5日間浸漬し、質量減少量を測定することで見ることができる。
ゲル分率(%)=100×(浸漬乾燥後の硬化被覆組成物質量/硬化被覆組成物初期質量)
ゲル分率95%以上の硬化被覆組成物を形成するためには、10J/cm以上の積算照射エネルギーを照射することが望ましく、より好ましくはゲル分率97%以上まで硬化させることが望ましい。ゲル分率を上げることで、さらにシリカ等の刺さりを防止できる。この場合、20J/cm以上の積算照射エネルギーを照射することが望ましい。
光照射により硬化させた後、80℃〜150℃でアニールを行ない、電子写真感光体として使用される。アニール時間は1分〜60分が好ましい。
次に、電子写真感光体の構成について説明する。
本発明の電子写真感光体は、前記硬化被覆組成物を表面に有するものであり、その構成に制限は無いが、成分Aの好ましいラジカル重合性モノマーとして挙げた一般式(1)及び(5)の化合物特性がホール輸送性のため、負帯電方式の有機感光体表面に形成されるのが好ましい。負帯電方式有機感光体の代表的構成としては、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層を順に積層したものであり、電荷輸送層に前記硬化被覆組成物を適用することができる。しかしながらこの場合、電荷輸送層の膜厚に硬化条件による制約が生じるため、電荷輸送層の上に架橋型電荷輸送層を更に積層した感光体構成とし、架橋型電荷輸送層に前記硬化被覆組成物を適用するのが最も好ましい。
以下、本発明をその最適層構造に従い説明する。
図1は、本発明の電子写真感光体の一態様を表わす断面図であり、導電性支持体(31)上に、電荷発生機能を有する電荷発生層(35)と、電荷輸送機能を有する電荷輸送層(37)とさらに架橋型電荷輸送層(39)が積層された感光層(33)を有する積層構造の感光体である。
導電性支持体(31)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体(31)として用いることができる。この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体(31)として用いることができる。
この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITO等の金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
更に、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体(31)として良好に用いることができる。
電荷発生層(35)は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層(35)に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。また、電荷発生層のバインダー樹脂として上述のバインダー樹脂の他に、電荷輸送機能を有する高分子電荷輸送物質、例えば、アリールアミン骨格やベンジジン骨格やヒドラゾン骨格やカルバゾール骨格やスチルベン骨格やピラゾリン骨格等を有するポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリシロキサン、アクリル樹脂等の高分子材料やポリシラン骨格を有する高分子材料等を用いることができる。
前者の具体的な例としては、特開平01−001728号公報、特開平01−009964号公報、特開平01−013061号公報、特開平01−019049号公報、特開平01−241559号公報、特開平04−011627号公報、特開平04−175337号公報、特開平04−183719号公報、特開平04−225014号公報、特開平04−230767号公報、特開平04−320420号公報、特開平05−232727号公報、特開平05−310904号公報、特開平06−234836号公報、特開平06−234837号公報、特開平06−234838号公報、特開平06−234839号公報、特開平06−234840号公報、特開平06−234841号公報、特開平06−239049号公報、特開平06−236050号公報、特開平06−236051号公報、特開平06−295077号公報、特開平07−056374号公報、特開平08−176293 号公報、特開平08−208820号公報、特開平08−211640号公報、特開平08−253568号公報、特開平08−269183号公報、特開平09−062019号公報、特開平09−043883号公報、特開平09−71642号公報、特開平09−87376号公報、特開平09−104746号公報、特開平09−110974号公報、特開平09−110976号公報、特開平09−157378号公報、特開平09−221544号公報、特開平09−227669号公報、特開平09−235367号公報、特開平09−241369号公報、特開平09−268226号公報、特開平09−272735号公報、特開平09−302084号公報、特開平09−302085号公報、特開平09−328539号公報等に記載の電荷輸送性高分子材料が挙げられる。また、後者の具体例としては、例えば特開昭63−285552号公報、特開平05−19497号公報、特開平05−70595号公報、特開平10−73944号公報等に記載のポリシリレン重合体が例示される。
また、電荷発生層(35)には低分子電荷輸送物質を含有させることができる。電荷発生層(35)に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
正孔輸送物質としては、以下に表わされる電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。正孔輸送物質としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9 −スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層(35)を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することによって形成できる。また、必要に応じてジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行なうことができる。以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0 .01 〜5μm程度が適当であり、より好ましくは0 .05 〜2μmである。
電荷輸送層(37)は電荷輸送機能を有する層で、電荷輸送機能を有する電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層(35)上に塗布、乾燥することにより形成させる。電荷輸送物質としては、前記電荷発生層(35)で記載した電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質を用いることができる。前述したように高分子電荷輸送物質を用いることにより、架橋型電荷輸送層塗工時の下層の溶解性を低減でき、とりわけ有用である。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N −ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。電荷輸送物質の量は結着樹脂100質量部に対し、20〜300質量部、好ましくは40〜150質量部が適当である。但し、高分子電荷輸送物質を用いる場合は、単独でも結着樹脂との併用も可能である。電荷輸送層の塗工に用いられる溶媒としては前記電荷発生層と同様なものが使用できるが、電荷輸送物質及び結着樹脂を良好に溶解するものが適している。これらの溶剤は単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。また、電荷輸送層の下層部分の形成には電荷発生層(35)と同様な塗工法が可能である。
また、必要により可塑剤、レベリング剤を添加することもできる。電荷輸送層に併用できる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般的な樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂100質量部に対して0〜30質量部程度が適当である。電荷輸送層に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、結着樹脂100質量部に対して0〜1質量部程度が適当である。電荷輸送層の膜厚は、5〜40μm程度が適当であり、10〜30μm程度がより好ましい。このようにして形成された電荷輸送層上に、前述の硬化性塗工液を塗布、必要に応じて乾燥後、光照射の外部エネルギーにより硬化反応を開始させ、架橋型電荷輸送層が形成される。
本発明の感光体においては、電荷輸送層と架橋型電荷輸送層の間に、架橋型電荷輸送層への電荷輸送層成分混入を抑える又は両層間の接着性を改善する目的で中間層を設けることが可能である。このため、中間層としては架橋型電荷輸送層塗工液に対し不溶性または難溶性であるものが適しており、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としてはポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく一般に用いられる塗工法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が好ましい。
本発明の感光体においては、導電性支持体(31)と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、アルミナを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やシリカ、酸化スズ、酸化チタン、ITO、セリア等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが好ましい。
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、架橋型電荷輸送層、電荷輸送層、電荷発生層、下引き層、中間層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。本発明に用いることができる酸化防止剤として、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5 −t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類等のフェノール系化合物、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミン等のパラフェニレンジアミン系化合物、2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノン等のハイドロキノン系化合物、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネート等の有機硫黄系化合物、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィン等の有機燐系化合物が挙げられる。これらの化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。本発明における酸化防止剤の添加量は、添加する層の総質量に対して0.01〜10質量%である。
本発明の架橋型電荷輸送層の膜厚は、好ましくは1μm以上、10μm以下、より好ましくは3μm 以上、10μm以下である。10μm より厚い場合、クラックや膜剥がれが発生しやすくなり、光重合開始剤の光開裂によるラジカル重合開始が深部で起こりにくくなるため、架橋密度の高い膜を形成することができにくくなる。一方、ラジカル重合反応は酸素阻害を受けやすく、すなわち大気に接した表面では酸素によるラジカルトラップの影響で架橋が進まないことや、不均一になりやすい。この影響が顕著に現れるのは表層1μm以下で、この膜厚以下の架橋型電荷輸送層は耐摩耗性の低下や不均一な摩耗が起こりやすい。また、架橋型電荷輸送層塗工時において下層の電荷輸送層成分の混入が生ずる。架橋型電荷輸送層の塗布膜厚が薄いと層全体に混入物が拡がり、硬化反応の阻害や架橋密度の低下をもたらす。これらの理由から、本発明の架橋型電荷輸送層は1μm以上の膜厚で高密度な架橋体を形成でき、白斑点防止になる。また、繰り返しの使用において摩耗による膜厚減少は、局部的な帯電性や感度変動を起しやすく、長寿命化の観点から架橋型電荷輸送層の膜厚を3μm以上にすることが望ましい。形成された本発明の架橋型電荷輸送層は有機溶剤に対し不溶性であるのが好ましい。
次に図面に基づいて本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置を詳しく説明する。本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置とは、耐摩耗性及び耐傷性が非常に高く、且つクラックや膜剥がれが生じにくい架橋型電荷輸送層を表面に有する積層型感光体を用い、例えば少なくとも感光体に帯電、画像露光、現像の過程を経た後、画像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写、定着及び感光体表面のクリーニングというプロセスよりなる画像形成方法ならびに画像形成装置である。場合により、静電潜像を直接転写体に転写し現像する画像形成方法等では、感光体に配した上記プロセスを必ずしも有するものではない。
図2は、画像形成装置の一例を示す概略図である。感光体を平均的に帯電させる手段として、帯電チャージャ(3)が用いられる。この帯電手段としては、コロトロンデバイス、スコロトロンデバイス、固体放電素子、針電極デバイス、ローラー帯電デバイス、導電性ブラシデバイス等が用いられ、公知の方式が使用可能である。特に本発明の構成は、接触帯電方式又は非接触近接配置帯電方式のような帯電手段からの近接放電により感光体組成物が分解する様な帯電手段を用いた場合に特に有効である。ここで言う接触帯電方式とは、感光体に帯電ローラー、帯電ブラシ、帯電ブレード等が直接接触する帯電方式である。一方の近接帯電方式とは、例えば帯電ローラーが感光体表面と帯電手段との間に200μm以下の空隙を有するように非接触状態で近接配置したタイプのものである。この空隙は、大きすぎた場合には帯電が不安定になりやすく、また、小さすぎた場合には、感光体に残留したトナーが存在する場合に、帯電部材表面が汚染されてしまう可能性がある。したがって、空隙は10〜200μm、より好ましくは10〜100μmの範囲が適当である。次に、均一に帯電された感光体(1)上に静電潜像を形成するために画像露光部(5)が用いられる。この光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。次に、感光体(1)上に形成された静電潜像を可視化するために現像ユニット(6)が用いられる。現像方式としては、乾式トナーを用いた一成分現像法、二成分現像法、湿式トナーを用いた湿式現像法がある。感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。次に、感光体上で可視化されたトナー像は、レジストローラ(8)を経て搬送された転写体(9)に転写される。この転写のために転写チャージャ(10)が用いられる。また、転写をより良好に行なうために転写前チャージャ(7)を用いてもよい。これらの転写手段としては、転写チャージャ、バイアスローラーを用いる静電転写方式、粘着転写法、圧力転写法等の機械転写方式、磁気転写方式が利用可能である。静電転写方式としては、前記帯電手段が利用可能である。次に、転写体(9)を感光体(1)より分離する手段として分離チャージャ(11)、分離爪(12)が用いられる。その他分離手段としては、静電吸着誘導分離、側端ベルト分離、先端グリップ搬送、曲率分離等が用いられる。分離チャージャ(11)としては、前記帯電手段が利用可能である。次に、転写後感光体上に残されたトナーをクリーニングするためにファーブラシ(14)、クリーニングブレード(15)が用いられる。また、クリーニングをより効率的に行なうためにクリーニング前チャージャ(13)を用いてもよい。その他クリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独又は複数の方式を一緒に用いてもよい。次に、必要に応じて感光体上の潜像を取り除く目的で除電手段が用いられる。除電手段としては除電ランプ(2)、除電チャージャが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段が利用できる。その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが使用できる。
本発明は、このような画像形成手段に本発明に係る電子写真感光体を用いる画像形成方法及び画像形成装置である。この画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態でそれら装置内に組み込まれ、着脱自在としたものであってもよい。プロセスカートリッジの一例を図3に示す。画像形成装置用プロセスカートリッジとは、感光体(101)を内蔵し、他に帯電手段(102)、現像手段(104)、転写手段(106)、クリーニング手段(107)、除電手段(図示せず)の少なくとも一つを具備し、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)である。図3に例示される装置による画像形成プロセスについて示すと、感光体(101)は、矢印方向に回転しながら、帯電手段(102)による帯電、露光手段(103)による露光により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成され、この静電潜像は、現像手段(104)でトナー現像され、該トナー現像は転写手段(106)により、転写体(105)に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段(107)によりクリーニングされ、さらに除電手段(図示せず)により除電されて、再び以上の操作を繰り返すものである。本発明は、耐摩耗性及び耐傷性が非常に高く、且つクラックや膜剥がれが生じにくい架橋型電荷輸送層を表面に有する積層型感光体と帯電、現像、転写、クリーニング、除電手段の少なくとも一つを一体化した画像形成装置用プロセスカートリッジを提供するものである。以上の説明から明らかなように、本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができるものである。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。なお、実施例中において使用する「部」は、すべて質量部を表わす。
<本発明で使用される成分Aの合成例>
合成例1
N,N−ジ−p−トリル−N´,N´−ビス(4´−ヒドロキシビフェニル−4−イル)ベンジジンの合成
攪拌装置、温度計、冷却管をつけた反応容器に、N,N−ジ−p−トリル−N´,N´−ビス(4´−メトキシビフェニル−4−イル)ベンジジン2.73g、塩化メチレン100mlを入れ、氷冷下で1Mの三臭化ホウ素の塩化メチレン溶液10mlを滴下し、更に同温度で3時間反応を行なった。その後、反応液を氷水に注ぎ込み、塩化メチレンで抽出した。有機層を水洗した後、分離し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製した。(収量2.53g)
合成例2
例示化合物(C−35)の合成
攪拌装置、温度計、冷却管、滴下漏斗をつけた反応容器に、N,N−ジ−p−トリル−N´,N´−ビス(4´−ヒドロキシビフェニル−4−イル)ベンジジン2.44g、トリエチルアミン1.22g、テトラヒドロフラン50mlを入れ、室温で攪拌した。そこへ塩化アクリロイル1.0ml、テトラヒドロフラン2.0mlの混合液を滴下した。その後、30分間室温で反応を行った。反応終了後、反応液を氷水へ注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:トルエン単独)により精製して目的物を得た。(収量1.92g。)
合成例3
N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(4´−ヒドロキシビフェニル−4−イル)−3,3´−ジメチルベンジジンの合成
攪拌装置、温度計、冷却管をつけた反応容器に、N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(4´−メトキシビフェニル−4−イル)−3,3´−ジメチルベンジジン6.04g、塩化メチレン200mlを入れ、氷冷下で三臭化ホウ素の塩化メチレン溶液30mlを滴下し、更に同温度で6時間反応を行なった。その後、反応液を氷水に注ぎ込み、クロロホルムで抽出した。有機層を水洗した後、分離し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:トルエン/酢酸エチル=9/1)により精製して目的物を得た。(収量5.47g)
合成例4
例示化合物(D−15)の合成
攪拌装置、温度計、冷却管、滴下漏斗をつけた反応容器に、N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(4´−ヒドロキシビフェニル−4−イル)−3,3´−ジメチルベンジジン4.92g、トリエチルアミン2.19g、テトラヒドロフラン50mlを入れ、室温で攪拌した。そこへ塩化アクリロイル2.2g、テトラヒドロフラン3.0mlの混合液を滴下した。その後、1時間室温で反応を行った。反応終了後、反応液を氷水へ注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:トルエン/シクロヘキサン=7/3)により精製して目的物を得た。(収量4.32g。)
<実施例1>
φ30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μm の電荷発生層、18μmの電荷輸送層を形成した。この電荷輸送層上に下記組成の架橋型電荷輸送層用塗工液をスプレー塗工し、20分自然乾燥した後、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:110mm、照射強度:750mW/cm、照射時間:240秒の条件で光照射を行なうことにより塗布膜を硬化させた。更に130℃で20分乾燥を加え5.0μmの架橋型電荷輸送層を設け、本発明の電子写真感光体を得た。
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂(大日本インキ化学工業製ベッコゾール1307−60−EL)6部
メラミン樹脂(大日本インキ化学工業製スーパーベッカミンG−821−60)4部
酸化チタン40部
メチルエチルケトン50部
〔電荷発生層用塗工液〕
下記式(F−1)で示されるビスアゾ顔料2.5部
Figure 2006323208
ポリビニルブチラール(UCC製XYHL)0.5部
シクロヘキサノン200部
メチルエチルケトン80部
〔電荷輸送層用塗工液〕
ビスフェノールZポリカーボネート(帝人化成製パンライトTS−2050)10部
下記式(F−2)で示される低分子電荷輸送物質7部
Figure 2006323208
テトラヒドロフラン100部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(信越化学工業製KF50−100CS)0.2部
〔架橋型電荷輸送層用塗工液〕
成分A:例示化合物(C−35)10部
成分B:トリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬製KAYARAD TMPTA、分子量:296、官能基数3 官能、分子量/官能基数=99)10部
成分C:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製イルガキュア184)1部+溶媒(テトラヒドロフラン)100部
<実施例2>
実施例1の成分Aを、例示化合物(C−35)5部と例示化合物(D−15)5部の混合物に代えた他は同様にして電子写真感光体を作製した。
<実施例3>
実施例1の成分Aを、例示化合物(D−15)に代えた他は同様にして電子写真感光体を作製した。
<実施例4〜8>
実施例3における架橋型電荷輸送層の膜厚を表1に示す膜厚に変更した他は同様にして電子写真感光体を作製した。
<比較例1>
実施例1における成分Aを下記化合物(G-01)に代えた他は同様にして電子写真感光体を作製した。
Figure 2006323208
<比較例2>
実施例1における成分Aを下記化合物(G-02)に代えた他は同様にして電子写真感光体を作製した。
Figure 2006323208
<比較例3>
実施例1における成分Aを下記化合物に代えた他は同様にして電子写真感光体を作製した。
Figure 2006323208
<比較例4>
実施例1における成分Aを下記化合物に代えた他は同様にして電子写真感光体を作製した。
Figure 2006323208
<比較例5>
実施例1における成分Aを下記化合物に代えた他は同様にして電子写真感光体を作製した。
Figure 2006323208
<比較例6>
実施例1における成分Aを下記化合物に代えた他は同様にして電子写真感光体を作製した。
Figure 2006323208
<比較例7>
実施例1における成分Aを下記化合物に代えた他は同様にして電子写真感光体を作製した。
Figure 2006323208
<比較例8>
実施例1における成分Aを下記化合物に代えた他は同様にして電子写真感光体を作製した。
Figure 2006323208
以上のようにして作製した実施例1〜8、比較例1〜8の電子写真感光体について、外観を目視で観察し、クラック、膜剥がれの有無を判断した。また、各架橋型電荷輸送層のゲル分率を求めた。ゲル分率は、アルミ支持体上に架橋型電荷輸送層塗工液を各実施例及び比較例と同様に直接塗工し、同じ条件で光照射および乾燥した膜を、テトラヒドロフラン溶液に25℃で5日間浸漬させ、ゲル分の質量残率より求めた。その結果を表1に示す。
Figure 2006323208
次に、実施例1〜8、比較例1〜8のうち、架橋型電荷輸送層形成時にクラックが発生した比較例5の感光体を除き、同様に作製したこれらの感光体及びシリカ外添剤入りトナーを用いて、A4サイズ10万枚の通紙試験を実施した。まず、前記感光体を電子写真装置用プロセスカートリッジに装着し、画像露光光源として655nmの半導体レーザーを用いたリコー製imagio Neo 270改造機にて初期暗部電位を−700Vに設定した。そして、初期と5万枚複写後の全層膜厚を測定し、その差から摩耗量を算出し、5万枚複写後の画像を観察し、べた画像部から白斑点の単位面積当りの個数を数えた。また、残留電位蓄積性を見る為に初期と5万枚複写後の露光部電位(VL)を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2006323208
表2に示されるように、本発明の電子写真感光体は耐摩耗性が優れる有機感光体の中でも、より一層耐摩耗性が優れており、その一方で欠陥の少ない画像出力が可能となっている。特にシリカの刺さりによって引き起こされる白斑点が発生しにくく、長期使用に際しても十分な画像安定性を有していた。これらの一番の要因は、本発明で用いられる特定の成分Aによることは比較例との対比で明らかであり、本発明の成分Aをラジカル重合させて得られる硬化被覆組成物を表面に有する電子写真感光体が優れた特性を有することを表している。特に本発明の成分Aと成分Bとの組み合わせは実施例が示す通り、平滑で耐摩耗性に極めて優れており、残留電荷蓄積性が低く、白斑点等の画像欠陥も少ない高耐久な感光体を与える事を示している。実施例では光重合開始剤の存在下で光硬化させた前記組成物の硬化被覆組成物が有効なことも同時に示している。また、架橋型電荷輸送層の膜厚が1〜10μmの範囲で良好な特性を維持しており、1μm未満では、5万枚複写後の摩耗量に対して余裕がほとんど無くなっていること、10μmを越える場合は、ゲル分率の低下が見られ、残留電位蓄積性が悪くなっていることから上記範囲が好ましいことを示している。実施例の硬化条件では、ゲル分率のデータから有機溶媒に対して実質的に不溶であると判断され、その条件下で優れた耐摩耗性や画像安定性を達成できていることを示している。
<実施例9〜12>
実施例1の成分Aを、下記表3に示す例示化合物に代えた他は同様にして電子写真感光体を作製した。架橋型電荷輸送層の膜厚はすべて5.0μmであった。表面観察、並びにゲル分率も実施例1と同様にして行った。その結果を表3に示す。また、これらの感光体及びシリカ外添剤入りトナーを用いて、実施例1と同様の通紙試験を実施した。その結果を表4に示す。
Figure 2006323208
Figure 2006323208
表3、表4に示される結果より、本発明の感光体は前述の実施例と同様、優れた特性を示すことが明らかである。
以上より明らかなように、本発明によれば、少なくとも前記成分Aをラジカル重合させて得られる硬化被覆組成物を表面に有する電子写真感光体とすることで耐摩耗特性且つ電気的特性が共に良好な電子写真感光体にあって、白斑点による画像欠陥が少ない長寿命感光体を提供することが可能である。特に前記成分Aと成分Bとをラジカル重合させて得られる硬化被覆組成物を表面に有することにより従来には無い極めて耐摩耗性に優れながら残留電位の少ない電荷移動性にも優れた電子写真感光体の提供が可能である。特に前記成分A、成分B、成分Cをラジカル重合させて得られる硬化被覆組成物を表面に有する電子写真感光体は、上記のような優れた特性を有する感光体を短時間で容易に製造することができる為に安価に市場に提供することができる。従って、この感光体を用いることにより、長期間にわたり高画質化を実現した画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することができる。
本発明における電子写真感光体の一態様を表わす断面図である。 本発明における画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明における画像形成装置用プロセスカートリッジの一例を示す概略図である。
符号の説明
1 感光体
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
4 イレーサ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 転写体
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
31 導電性支持体
33 感光層
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 架橋型電荷輸送層
101 感光体
102 帯電手段
103 露光手段
104 現像手段
105 転写体
106 転写手段
107 クリーニング手段

Claims (17)

  1. 少なくとも下記の成分Aをラジカル重合させて得られる硬化被覆組成物を表面に有する電子写真感光体。
    成分A:分子内に2個のラジカル重合性基と、ラジカル重合性基を含まない置換アミノ基とを有するラジカル重合性モノマーであって、前記ラジカル重合性基と直近の置換アミノ基との間が、不飽和結合を含むことなく、2個以上の芳香族炭化水素化合物で連結されたラジカル重合性モノマー。
  2. 少なくとも下記の成分Aおよび成分Bの混合物をラジカル重合させて得られる硬化被覆組成物を表面に有する電子写真感光体。
    成分A:分子内に2個のラジカル重合性基と、ラジカル重合性基を含まない置換アミノ基とを有するラジカル重合性モノマーであって、前記ラジカル重合性基と直近の置換アミノ基との間が、不飽和結合を含むことなく、2個以上の芳香族炭化水素化合物で連結されたラジカル重合性モノマー
    成分B:ラジカル重合性基を分子内に3個以上有するラジカル重合性モノマー
  3. 少なくとも下記の成分A、成分Bおよび成分Cの混合物をラジカル重合させて得られる硬化被覆組成物を表面に有する電子写真感光体。
    成分A:分子内に2個のラジカル重合性基と、ラジカル重合性基を含まない置換アミノ基とを有するラジカル重合性モノマーであって、前記ラジカル重合性基と直近の置換アミノ基との間が、不飽和結合を含むことなく、2個以上の芳香族炭化水素化合物で連結されたラジカル重合性モノマー
    成分B:ラジカル重合性基を分子内に3個以上有するラジカル重合性モノマー
    成分C:光重合開始剤
  4. 前記成分A及び/又は成分Bのラジカル重合性基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 前記成分Aが下記一般式(1)で表されるラジカル重合性モノマーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体。
    Figure 2006323208

    (式中、R、Rはそれぞれ水素原子またはメチル基を表し、Ar、Arは、2価の置換基を有しても良い2個以上の芳香族炭化水素基を表し、Arは置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアラルキル基、置換基を有しても良いアリール基、または置換基を有していても良いヘテロ環基を表す。)
  6. 前記一般式(1)が、下記一般式(2)で表されることを特徴とする請求項5記載の電子写真感光体。
    Figure 2006323208

    (式中、R、Rはそれぞれ水素原子またはメチル基を表し、R、R、R、Rは置換基を有しても良いアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリール基、またはヘテロ環基を表し、Arは置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアラルキル基、置換基を有しても良いアリール基、または置換基を有していても良いヘテロ環基を表す。a、b、c、dは0〜4の整数を表し、同一であっても異なっていても良い。)
  7. 前記一般式(1)が、下記一般式(3)で表されることを特徴とする請求項5記載の電子写真感光体。
    Figure 2006323208

    (式中、R、R10はそれぞれ水素原子またはメチル基を表し、R11、R12、R13、R14は置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシ基、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアリール基、または置換基を有しても良いヘテロ環基を表し、R15、R16は置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアラルキル基、置換基を有しても良いアリール基、または置換基を有していても良いヘテロ環基を表す。Arは置換基を有しても良い2価のアルキレン基、置換基を有しても良い2価のアリーレン基、または置換基を有していても良い2価のヘテロ環基を表す。e、f、g、hは0〜4の整数を表し、同一であっても異なっていても良い。)
  8. 前記一般式(1)が、下記一般式(4)で表されることを特徴とする請求項5記載の電子写真感光体。
    Figure 2006323208

    (式中、R17、R18はそれぞれ水素原子またはメチル基を表し、R19、R20、R21、R22、R25、R26は置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシ基、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアリール基、または置換基を有しても良いヘテロ環基を表し、R23、R24は置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアラルキル基、置換基を有しても良いアリール基、または置換基を有していても良いヘテロ環基を表す。i、j、k、l、m、nは0〜4の整数を表し、同一であっても異なっていても良い。)
  9. 前記成分Aが下記一般式(5)で表されるラジカル重合性モノマーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体。
    Figure 2006323208

    (式中、R27、R28はそれぞれ水素原子またはメチル基を表し、Ar、Arは2価の置換基を有しても良い2個以上の芳香族炭化水素基を表し、Ar、Ar10は置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアラルキル基、置換基を有しても良いアリール基、または置換基を有していても良いヘテロ環基を表し、Arは2価の置換基を有しても良いアルキレン基、2価の置換基を有していても良いアリーレン基、または2価の置換基を有していても良いヘテロ環基を表す。)
  10. 前記一般式(5)が、下記一般式(6)で表されることを特徴とする請求項9記載の電子写真感光体。
    Figure 2006323208
    (式中、R29、R30はそれぞれ水素原子またはメチル基を表し、R31、R32、R33、R34は置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシ基、ハロゲン原子、置換基を有していても良いアリール基、または置換基を有していても良いヘテロ環基を表し、R35、R36は置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有していても良いアラルキル基、置換基を有しても良いアリール基、または置換基を有していても良いヘテロ環基を表し、Ar11は2価の置換基を有しても良いアルキレン基、2価の置換基を有していても良いアリーレン基、または2価の置換基を有していても良いヘテロ環基を表す。p、q、r、sは0〜4の整数を表し、同一であっても異なっていても良い。)
  11. 前記電子写真感光体が、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層及び架橋型電荷輸送層を順次積層した構造を有し、前記架橋型電荷輸送層が前記硬化被覆組成物からなることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の電子写真感光体。
  12. 前記架橋型電荷輸送層の膜厚が1μm以上、10μm以下であることを特徴とする請求項11に記載の電子写真感光体。
  13. 前記架橋型電荷輸送層が有機溶剤に対し不溶性であることを特徴とする請求項11または12に記載の電子写真感光体。
  14. 前記架橋型電荷輸送層に用いられる硬化被覆組成物の成分Bのラジカル重合性官能基数に対する分子量の割合(分子量/官能基数)が、250以下であることを特徴とする請求項11または12に記載の電子写真感光体。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行なうことを特徴とする画像形成方法。
  16. 請求項1〜14のいずれかに記載の電子写真感光体を有することを特徴とする画像形成装置。
  17. 請求項1〜14のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段および除電手段よりなる群から選ばれた少なくとも一つの手段とを有し、画像形成装置本体に着脱可能としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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