JP2006227178A - 画像形成方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、安定した現像特性が得られ、高画質画像を形成し、耐久性を向上させることが可能な画像形成方法及び該画像形成方法で画像を形成することが可能なプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
【解決手段】 画像形成方法については、感光体は、少なくとも、三官能以上のモノマー及び電荷輸送性構造を有する単官能のモノマーを重合することにより形成される層を表面に有し、現像剤は、磁性体粒子からなるキャリアを含有し、キャリアの重量平均粒子径は、22μm以上32μm以下であり、キャリアの形状係数SF1は、100以上130以下であり、キャリアの形状係数SF2は、100以上120以下である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、画像形成方法及びプロセスカートリッジに関する。
近年、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成技術の発達は著しく、中でも電子写真方式による画像形成方法が最も広く用いられている。その理由に、電子写真方式による画像形成方法は、高画質画像を高速で得られること、モノクロだけでなくカラー画像形成も可能なこと、長期間の使用にも耐えられ、安定性を有していることが挙げられる。この電子写真方式における感光体としては、有機光導電性物質を含有する有機感光体が最も一般的に用いられている。このような感光体は、通常、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる導電性支持体に、有機電荷発生物質と結着樹脂とを溶剤中で混合した塗布液を塗布して電荷発生層を形成し、その上に有機電荷輸送物質と結着樹脂とを溶剤中で混合した塗布液を塗布して電荷輸送層を形成する方法で製造されている。有機感光体は、可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が開発し易いこと、環境汚染のない材料を選択できること、製造コストが安いこと等、他の無機感光体等の感光体に対して有利な点を有するが、化学的又は機械的な強度が弱く、多数枚の複写やプリント時に感光体の劣化や傷が発生しやすいという問題がある。
感光体は、帯電装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置等により、電気的、機械的な外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要求され、特に摺擦による感光体表面の摩耗や傷の発生、異物の混入や紙詰まり処理時の衝撃等による膜剥がれに対する機械的耐久性が要求される。
感光層の耐摩耗性を改良する技術としては、架橋型電荷輸送層に硬化性樹脂を用いたもの(特許文献1参照)、高分子型電荷輸送物質を用いたもの(特許文献2参照)等が挙げられる。特許文献1に開示された技術は、硬化性樹脂と電荷輸送物質との相溶性が悪いという問題がある。また、特許文献2に開示された技術は、耐摩耗性を向上させることが可能であるが、有機感光体に求められている耐久性を満足させるまでには至っていない。
これらに代わる感光層の耐摩耗技術としては、炭素−炭素二重結合を有するモノマーと、炭素−炭素二重結合を有する電荷輸送物質及び結着樹脂からなる塗工液を用いて形成した電荷輸送層を設ける技術が知られている(特許文献3参照)。しかしながら、架橋密度が希薄となるため、耐摩耗性が不十分であった。
また、同一分子内に二つ以上の重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を硬化した化合物を含有する感光層も知られている(特許文献4参照)。しかしながら、嵩高い正孔輸送性化合物が二つ以上の重合性官能基を有するため、硬化物中に歪みが発生して内部応力が高くなり、クラックや剥がれが発生しやすいという問題がある。
一方、解像度アップ、ハイライト再現性、均一性(粒状性)向上、カラー化等に対応するため、潜像の最小単位(1ドット)の極小化、高密度化が図られており、特に、これらの潜像(ドット)を、忠実に現像できる現像システムが重要な課題となってきている。このため、プロセス条件、現像剤(トナー、キャリア)両面から種々の提案がなされている。
安定した現像特性が得られ、高画質画像を得ることが可能な技術として、50%平均粒子径(D50)が15〜45μmであり、粒子径が22μmより小さい粒子を1〜20%含有しており、粒子径が16μmより小さい粒子を3%以下含有しており、粒子径が62μm以上である粒子を2〜15%含有しており、粒子径が88μm以上である粒子を2%以下含有し、式
S2={(6/ρ)×D50}×104(ρ:キャリアの比重)
により算出される比表面積S2に対する空気透過法によって測定される比表面積S1の比が1.2以上2.0以下である電子写真用キャリアが知られている(特許文献5参照)。しかしながら、磁気ブラシが緻密であるために、キャリアと感光体の表面が接触することが多くなり、感光体の表面へのダメージが大きくなるという問題がある。
特開昭56−48637号公報 特開昭64−1728号公報 特許第3194392号公報 特開2000−66425号公報 特許第3029180号公報(請求項1、第8頁右欄第12行目〜第29行目)
本発明は、上記の従来技術が有する問題に鑑み、安定した現像特性が得られ、高画質画像を形成し、耐久性を向上させることが可能な画像形成方法及び該画像形成方法で画像を形成することが可能なプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、感光体に形成された潜像を現像剤で現像する工程を有する画像形成方法において、前記感光体は、少なくとも、三官能以上のモノマー及び電荷輸送性構造を有する単官能のモノマーを共重合することにより得られる共重合体を含有する層を表面に有し、前記現像剤は、磁性体粒子からなるキャリアを含有し、前記キャリアの重量平均粒子径は、22μm以上32μm以下であり、前記キャリアの形状係数SF1は、100以上130以下であり、前記キャリアの形状係数SF2は、100以上120以下であることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、前記感光体は、少なくとも、三官能以上のモノマー及び電荷輸送性構造を有する単官能のモノマーを共重合することにより得られる共重合体を含有する層を表面に有し、前記現像剤は、磁性体粒子からなるキャリアを含有し、前記キャリアの重量平均粒子径は、22μm以上32μm以下であり、前記キャリアの形状係数SF1は、100以上130以下であり、前記キャリアの形状係数SF2は、100以上120以下であるので、安定した現像特性が得られ、高画質画像を形成し、耐久性を向上させることが可能な画像形成方法を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成方法において、前記層の膜厚は、1μm以上10μm以下であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、前記層の膜厚は、1μm以上10μm以下であるので、耐久性を向上させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成方法において、前記三官能以上のモノマーは、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の少なくとも一方を有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、前記三官能以上のモノマーは、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の少なくとも一方を有するので、安定した現像特性が得られ、高画質画像を形成し、耐久性を向上させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成方法において、前記電荷輸送性構造を有する単官能のモノマーは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、前記電荷輸送性構造を有する単官能のモノマーは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有するので、安定した現像特性が得られ、高画質画像を形成し、耐久性を向上させることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成方法において、前記キャリアの個数平均粒子径に対する重量平均粒子径の比は、1以上1.2以下であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、前記キャリアの個数平均粒子径に対する重量平均粒子径の比は、1以上1.2以下であるので、キャリア付着を抑制することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成方法において、前記キャリアは、粒子径が20μmより小さい粒子を0重量%以上7重量%以下含有し、粒子径が36μmより小さい粒子を90重量%以上100重量%以下含有することを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、前記キャリアは、粒子径が20μmより小さい粒子を0重量%以上7重量%以下含有し、粒子径が36μmより小さい粒子を90重量%以上100重量%以下含有するので、キャリア付着を抑制することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像形成方法において、前記キャリアは、粒子径が44μmより小さい粒子を98重量%以上100重量%以下含有することを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、前記キャリアは、粒子径が44μmより小さい粒子を98重量%以上100重量%以下含有するので、キャリア付着を抑制することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像形成方法において、1kOeの磁界を印加したときの前記キャリアの磁化は、50emu/g以上150emu/g以下であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、1kOeの磁界を印加したときの前記キャリアの磁化は、50emu/g以上150emu/g以下であるので、キャリア付着を抑制することができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の画像形成方法において、前記磁性体粒子は、Mn−Mg−Sr系フェライト、Mn系フェライト又はマグネタイトであることを特徴とする。
請求項9に記載の発明によれば、前記磁性体粒子は、Mn−Mg−Sr系フェライト、Mn系フェライト又はマグネタイトであるので、キャリア付着を抑制することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の画像形成方法において、前記キャリアの嵩密度は、2.1g/cm以上2.6g/cm以下であることを特徴とする。
請求項10に記載の発明によれば、前記キャリアの嵩密度は、2.1g/cm以上2.6g/cm以下であるので、キャリア付着を抑制することができる。
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の画像形成方法において、前記キャリアの体積抵抗率は、1×1011Ω・cm以上1×1016Ω・cm以下であることを特徴とする。
請求項11に記載の発明によれば、前記キャリアの体積抵抗率は、1×1011Ω・cm以上1×1016Ω・cm以下であるので、キャリア付着を抑制することができる。
請求項12に記載の発明は、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の画像形成方法において、前記磁性体粒子は、樹脂を含有する層を表面に有することを特徴とする。
請求項12に記載の発明によれば、前記磁性体粒子は、樹脂を含有する層を表面に有するので、耐久性を向上させることができる。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の画像形成方法において、前記樹脂は、アミノシランカップリング剤及びシリコーン樹脂を反応させることにより生成する生成物を含有することを特徴とする。
請求項13に記載の発明によれば、前記樹脂は、アミノシランカップリング剤及びシリコーン樹脂を反応させることにより生成する生成物を含有するので、耐久性を向上させることができる。
請求項14に記載の発明は、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の画像形成方法において、前記現像剤は、現像スリーブに担持されており、前記現像スリーブは、前記感光体に対向すると共に前記感光体との距離が0.4mm以下になるように設けられ、現像バイアスとして、直流電圧及び交流電圧の少なくとも一方を印加することを特徴とする。
請求項14に記載の発明によれば、前記現像剤は、現像スリーブに担持されており、前記現像スリーブは、前記感光体に対向すると共に前記感光体との距離が0.4mm以下になるように設けられ、現像バイアスとして、直流電圧及び交流電圧の少なくとも一方を印加するので、キャリア付着を抑制すると共に高画質画像を得ることができる。
請求項15に記載の発明は、少なくとも感光体及び現像手段を具備するプロセスカートリッジにおいて、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の画像形成方法を用いて画像を形成することを特徴とする。
請求項15に記載の発明によれば、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の画像形成方法を用いて画像を形成するので、安定した現像特性が得られ、高画質画像を形成し、耐久性を向上させること可能なプロセスカートリッジを提供することができる。
本発明によれば、安定した現像特性が得られ、高画質画像を形成し、耐久性を向上させることが可能な画像形成方法及び該画像形成方法で画像を形成することが可能なプロセスカートリッジを提供することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に説明する。
図1は、本発明で用いられる感光体の一部を示す断面図であり、導電性支持体11上に、電荷発生機能を有する電荷発生層12と、電荷輸送機能を有する電荷輸送層13と、少なくとも、三官能以上のモノマー及び電荷輸送性構造を有する単官能のモノマーを共重合することにより得られる共重合体を含有する架橋型電荷輸送層14が積層された構造を有する。
導電性支持体の体積抵抗率は、1×1011Ω・cm以下であることが好ましい。導電性支持体としては、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属又は酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を蒸着又はスパッタリングすることにより、フィルム状又は円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの又はアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板及びこれらの板を押し出し、引き抜き等の工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨等の表面処理を施した管等を使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。この他、上記の導電性支持体上に導電性粉体を結着樹脂に分散させた導電層を有するものも、導電性支持体として用いることができる。
導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック;アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀等の金属粉;導電性酸化スズ、ITO等の金属酸化物粉体等が挙げられる。また、結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。導電層は、導電性粉体と結着樹脂をテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエン等の溶媒に分散させて塗布することにより設けることができる。
さらに、導電性粉体を含有する熱収縮チューブを用いて、円筒基体上に導電層を設けたものも、導電性支持体として、用いることができる。熱収縮チューブの素材としては、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)等が挙げられる。
電荷発生層は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じて、結着樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料及び有機系材料を用いることができる。
無機系材料としては、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル化合物、セレン−テルル−ハロゲン化合物、セレン−ヒ素化合物、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンとしては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが用いられる。
有機系材料としては、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料等が挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。中でも、一般式
Figure 2006227178
で示されるオキシチタニウムフタロシアニンが好ましい。ここで、X、X、X及びXは、それぞれ独立にCl又はBrであり、h、i、j及びkは、それぞれ独立に0〜4の整数である。本発明において、オキシチタニウムフタロシアニンは、特に限定されないが、CuKα線を用いた特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の9.0°、14.2°、23.9°及び27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン並びに9.6°及び27.3°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンのいずれかであることが、感度特性の点から、より好ましい。
電荷発生層に必要に応じて用いられる結着樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアクリルアミド等が挙げられる。これらの結着樹脂は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
また、この他の結着樹脂として、電荷輸送機能を有する高分子電荷輸送物質を用いることができる。高分子電荷輸送物質としては、アリールアミン骨格、ベンジジン骨格、ヒドラゾン骨格、カルバゾール骨格、スチルベン骨格、ピラゾリン骨格等を有するポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリシロキサン、アクリル樹脂等の高分子材料;ポリシラン骨格を有する高分子材料等が挙げられる。
前者の高分子材料の具体例は、特開平01−001728号公報、特開平01−009964号公報、特開平01−013061号公報、特開平01−019049号公報、特開平01−241559号公報、特開平04−011627号公報、特開平04−175337号公報、特開平04−183719号公報、特開平04−225014号公報、特開平04−230767号公報、特開平04−320420号公報、特開平05−232727号公報、特開平05−310904号公報、特開平06−234836号公報、特開平06−234837号公報、特開平06−234838号公報、特開平06−234839号公報、特開平06−234840号公報、特開平06−234841号公報、特開平06−239049号公報、特開平06−236050号公報、特開平06−236051号公報、特開平06−295077号公報、特開平07−056374号公報、特開平08−176293号公報、特開平08−208820号公報、特開平08−211640号公報、特開平08−253568号公報、特開平08−269183号公報、特開平09−062019号公報、特開平09−043883号公報、特開平09−71642号公報、特開平09−87376号公報、特開平09−104746号公報、特開平09−110974号公報、特開平09−110976号公報、特開平09−157378号公報、特開平09−221544号公報、特開平09−227669号公報、特開平09−235367号公報、特開平09−241369号公報、特開平09−268226号公報、特開平09−272735号公報、特開平09−302084号公報、特開平09−302085号公報、特開平09−328539号公報等に記載されている。
また、後者の高分子材料の具体例は、特開昭63−285552号公報、特開平05−19497号公報、特開平05−70595号公報、特開平10−73944号公報等に記載されている。
また、電荷発生層は、低分子電荷輸送物質を含有することができる。低分子電荷輸送物質には、電子輸送物質及び正孔輸送物質がある。
電子輸送物質としては、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ[1,2−b]チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
正孔輸送物質としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等の電子供与性物質が挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層を形成する方法には、真空薄膜作製法、溶液分散系からのキャスティング法等が挙げられる。
真空薄膜作製法としては、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が挙げられる。
キャスティング法は、電荷発生物質を、必要に応じて結着樹脂と共に、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、クロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒中で、ボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等を用いて分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、電荷発生層を形成する方法が挙げられる。また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法、リングコート法等を用いて行うことができる。
電荷発生層の膜厚は、通常、0.01〜5μm程度であり、0.05〜2μmが好ましい。
電荷輸送層は、電荷輸送機能を有する層で、電荷輸送機能を有する電荷輸送物質及び結着樹脂を溶媒に溶解又は分散させ、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成することができる。
電荷輸送物質としては、電荷発生層で用いられる電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質を用いることができる。高分子電荷輸送物質は、架橋型電荷輸送層の塗工液を塗布する際の溶解を抑制することができるため、有用である。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の添加量は、通常、結着樹脂100重量部に対して、20〜300重量部であり、40〜150重量部が好ましい。ただし、高分子電荷輸送物質を用いる場合は、単独で用いてもよい。
電荷輸送層の塗工に用いられる溶媒としては、電荷発生層と同様なものが使用できるが、電荷輸送物質及び結着樹脂を良好に溶解するものが適している。これらの溶媒は、単独又は2種以上混合して用いることができる。また、電荷輸送層の形成には電荷発生層と同様な塗工法が可能である。
また、必要に応じて、電荷輸送層には、可塑剤、レベリング剤を添加することもできる。
可塑剤としては、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル等の公知の可塑剤を使用することができ、その添加量は、結着樹脂100重量部に対して、0〜30重量部程度が好ましい。
レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー又はオリゴマーが使用され、その添加量は、結着樹脂100重量部に対して、0〜1重量部程度が好ましい。
電荷輸送層の膜厚は、通常、5〜40μm程度であり、10〜30μm程度が好ましい。このようにして形成された電荷輸送層上に、架橋型電荷輸送層の塗工液を塗布、必要に応じて乾燥後、熱や光照射の外部エネルギーにより硬化させ、架橋型電荷輸送層が形成される。
架橋型電荷輸送層は、電荷輸送機能を有すると共に架橋されている層で、少なくとも、3官能以上のモノマーと電荷輸送性構造を有する単官能のモノマーを溶媒に溶解又は分散させ、これを電荷輸送層上に塗布した後、重合することにより形成することができる。
3官能以上のモノマーとは、重合性を有する官能基を3個以上有するモノマーを意味し、トリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾール等が有する正孔輸送性構造又は縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環等が有する電子輸送性構造を有さないことが好ましい。重合性を有する官能基は、炭素−炭素二重結合を有し、ラジカル重合性を有する官能基であることが好ましい。ラジカル重合性を有する官能基としては、一般式
CH=CH−X
で示される官能基が挙げられる。ここで、Xは、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、カルボニル基、−COO−基、−CON(R11)−基又は硫黄原子であり、R11は、水素、メチル基、エチル基等のアルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基である。具体的には、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基等が挙げられる。
また、一般式
CH=C(Y)−X
で示される官能基もラジカル重合性を有する官能基として、用いることができる。ここで、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基又はエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR12基又は−CONR1213であり、R12は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、R12及びR13は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基である。また、Xは、Xと同様である。具体的には、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノビニルフェニル基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。
なお、X、X及びYが置換される置換基としては、それぞれ独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
ラジカル重合性を有する官能基の中では、特に、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用である。アクリロイルオキシ基を3個以上有する化合物は、水酸基を3個以上有する化合物とアクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル反応又はエステル交換反応させることにより得ることができる。また、3個以上のメタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。また、モノマー中のラジカル重合性を有する官能基は、同一でも異なっていてもよい。
3官能以上のモノマーとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、グリセロールトリアクリレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、PO変性グリセロールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、2,2,5,5−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレート等が挙げられ、単独又は2種類以上を混合して用いることができる。
また、3官能以上のモノマーは、架橋型電荷輸送層中に緻密な架橋を形成するために、モノマー中の官能基数に対する分子量の割合は、250以下であることが好ましい。この割合が250より大きい場合、架橋型電荷輸送層の耐摩耗性が低下するため、HPA、EO、PO等の変性基を有するモノマーにおいては、極端に長い変性基を有するものを単独で使用することは好ましくない。また、3官能以上のモノマーの割合は、架橋型電荷輸送層の全量に対して、通常、20〜80重量%であり、30〜70重量%が好ましい。この割合が20重量%未満では架橋型電荷輸送層の耐摩耗性が低下し、80重量%より大きくなると、電荷輸送機能が低下する。
電荷輸送性構造を有する単官能のモノマーとは、トリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾール等が有する正孔輸送性構造及び縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環等が有する電子輸送構造の少なくとも一方を有すると共に、重合性を有する官能基を1個有するモノマーを意味する。重合性を有する官能基は、3官能以上のモノマーにおける重合性を有する官能基と同様であり、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用である。また、電荷輸送性構造としては、トリアリールアミンが有する正孔輸送性構造の効果が高く、一般式(1)
Figure 2006227178
で示される化合物又は一般式(2)
Figure 2006227178
で示される化合物を用いた場合、感度、残留電位等の電気的特性が良好になる。ここで、Rは、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR14、ハロゲン化カルボニル基又は−CONR1516であり、R14は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基であり、R15及びR16は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基である。Ar及びArは、それぞれ独立に置換基を有してもよいアリーレン基であり、Ar及びArは、それぞれ独立に置換基を有してもよいアリール基である。Xは、単結合、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいシクロアルキレン基、置換基を有してもよいアルキレンオキシ基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基である。Zは、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルキレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基である。m及びnは、それぞれ独立に0〜3の整数である。
のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていてもよい。Rとして、特に好ましいものは、水素原子、メチル基である。
Ar及びArのアリール基としては、それぞれ独立に縮合多環式炭化水素基、非縮合環式炭化水素基及び複素環基が挙げられる。
縮合多環式炭化水素基としては、環を形成する炭素数が18個以下であるものが好ましく、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基等が挙げられる。
非縮合環式炭化水素基としては、ベンゼン、ジフェニルエーテル、ポリエチレンジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル、ジフェニルスルホン等の単環式炭化水素化合物の1価基、ビフェニル、ポリフェニル、ジフェニルアルカン、ジフェニルアルケン、ジフェニルアルキン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン、1,1−ジフェニルシクロアルカン、ポリフェニルアルカン、ポリフェニルアルケン等の非縮合多環式炭化水素化合物の1価基、9,9−ジフェニルフルオレン等の環集合炭化水素化合物の1価基が挙げられる。
複素環基としては、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、チアジアゾール等の1価基が挙げられる。
また、Ar及びArのアリール基の置換基としては、それぞれ独立にハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基;アルキル基(−R17);アルコキシ基(−OR18);アリールオキシ基;アルキルメルカプト基、アリールメルカプト基;−NR1920;アルキレンジオキシ基、アルキレンジチオ基;置換基を有してもよいスチリル基置換基を有してもよいβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等が挙げられる。
アルキル基(−R17)の炭素数は、通常、1〜12であり、1〜8が好ましく、1〜4がさらに好ましい。また、フッ素原子、水酸基、シアノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基若しくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
アルコキシ基(−OR18)のR18は、R17と同様のアルキル基である。このようなアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アリール基は、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。このようなアリールオキシ基としては、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
アルキルメルカプト基としては、メチルチオ基、エチルチオ基等が挙げられ、アリールメルカプト基としては、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
−NR1920のR19及びR20は、それぞれ独立に水素原子、R17と同様のアルキル基又はアリール基である。アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基又はナフチル基が挙げられ、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。なお、R19及びR20は、結合されて環を形成してもよい。−NR1920基としては、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジトリルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
アルキレンジオキシ基としては、メチレンジオキシ基等が挙げられ、アルキレンジチオ基としては、メチレンジチオ基等が挙げられる。
Ar及びArは、それぞれ独立にAr又はArから誘導されるアリーレン基である。
は、単結合、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいシクロアルキレン基、置換基を有してもよいアルキレンオキシ基、酸素原子、硫黄原子又はビニレン基である。
アルキレン基の炭素数は、通常、1〜12であり、1〜8が好ましく、1〜4がさらに好ましい。また、アルキレン基は、フッ素原子、水酸基、シアノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基若しくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。このようなアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、i−プロピレン基、n−ブチレン基、s−ブチレン基、t−ブチレン基、トリフルオロメチレン基、2−ヒドロキエチレン基、2−エトキシエチレン基、2−シアノエチレン基、2−メトキシエチレン基、ベンジリデン基、フェニルエチレン基、4−クロロフェニルエチレン基、4−メチルフェニルエチレン基、4−ビフェニルエチレン基等が挙げられる。
シクロアルキレン基は、炭素数5〜7の環状アルキレン基であり、フッ素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基を有していてもよい。このようなシクロアルキレン基としては、シクロヘキシリデン基、シクロへキシレン基、3,3−ジメチルシクロヘキシリデン基等が挙げられる。
アルキレンオキシ基としては、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、エチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ基、
−OCHCHOCHCHO−基、
−OCHCHOCHCHOCHCHOCHCHO−基、
−OCHCH(CH)OCHCH(CH)OCHCH(CH)O−基
等が挙げられ、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基等の置換基を有していてもよい。
ビニレン基は、一般式
Figure 2006227178
で示され、Rは、水素、アルキル基又はアリール基であり、アルキル基は、R17と同様であり、アリール基は、Ar及びArと同様である。aは、1又は2、bは、1〜3の整数である。
のアルキレン基及びアルキレンオキシ基は、それぞれXのアルキレン基及びアルキレンオキシ基と同様である。アルキレンオキシカルボニル基としては、カプロラクトン変性基が挙げられる。
また、電荷輸送性構造を有する単官能のモノマーとしては、一般式(3)
Figure 2006227178
で示される化合物であることがさらに好ましい。ここで、o、p及びqは、それぞれ独立に0又は1の整数であり、Rは、水素原子又はメチル基であり、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基である。s及びtは、それぞれ独立に0〜3の整数である。Zは、単結合、メチレン基、エチレン基又は化学構造式
Figure 2006227178
で示される官能基である。R及びRは、それぞれ独立にメチル基又はエチル基であることが好ましい。
一般式(1)及び(2)、特に(3)で示されるトリアリールアミン誘導体を有する単官能のモノマーを、3官能以上のモノマーと共重合させて得られる共重合体中では、側鎖のトリアリールアミン誘導体は、嵩高い構造であるが、主鎖部分に直接結合していないため、立体的位置取りに融通性を有する。これにより、トリアリールアミン誘導体は、共重合体中で相互に隣接する空間配置を取ることが可能となり、感光体の表面層において、電荷輸送経路の断絶を抑制すると考えられる。
電荷輸送性構造を有する単官能のモノマーとしては、例示化合物No.1〜160
Figure 2006227178
Figure 2006227178
Figure 2006227178
Figure 2006227178
Figure 2006227178
Figure 2006227178
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Figure 2006227178
Figure 2006227178
Figure 2006227178
Figure 2006227178
Figure 2006227178
Figure 2006227178
Figure 2006227178
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Figure 2006227178
Figure 2006227178
Figure 2006227178
Figure 2006227178
Figure 2006227178
Figure 2006227178
で示される化合物が挙げられる。電荷輸送性構造を有する単官能のモノマーは、架橋型電荷輸送層の電荷輸送機能を付与するために重要であり、添加量は、通常、架橋型電荷輸送層に対して、20〜80重量%であり、30〜70重量%が好ましい。添加量が20重量%未満では、架橋型電荷輸送層の電荷輸送性能が充分に保てず、繰り返しの使用で感度低下、残留電位上昇等の電気特性の劣化が発生する。また、80重量%以上では、架橋密度が低下し、耐摩耗性が低下する。
架橋型電荷輸送層は、少なくとも、3官能以上のモノマーと電荷輸送性構造を有する単官能のモノマーを共重合させたものであるが、これ以外に塗工時の粘度調整、架橋型電荷輸送層の応力緩和、低表面エネルギー化、摩擦係数低減等の機能を付与するために、単官能及び2官能のモノマー及び重合性を有するオリゴマーを共重合させてもよい。
単官能のモノマーとしては、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、アクリル酸3−メトキシブチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸イソブチル、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、アクリル酸セチル、アクリル酸イソステアリル、アクリル酸ステアリル、スチレン等が挙げられる。また、機能性モノマーとして、アクリル酸オクタフルオロペンチル、アクリル酸2−パーフルオロオクチルエチル、メタクリル酸2−パーフルオロオクチルエチル、アクリル酸2−パーフルオロイソノニルエチル等のフッ素原子で置換されたもの、特公平5−60503号公報、特公平6−45770号公報に記載されているシロキサン繰り返し単位が20〜70であるアクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、メタクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、アクリロイルポリジメチルシロキサンプロピル、アクリロイルポリジメチルシロキサンブチル、ジアクリロイルポリジメチルシロキサンジエチル等のポリシロキサン基を有するビニルモノマー、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルを用いることができる。
2官能のモノマーとしては、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、EO変性ビスフェノールFジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等が挙げられる。
重合性を有するオリゴマーとしては、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系オリゴマーが挙げられる。
ただし、単官能及び2官能のモノマーや重合性を有するオリゴマーを多量に添加すると、架橋型電荷輸送層の架橋密度が低下し、耐摩耗性が低下する。このため、これらのモノマー及びオリゴマーの添加量は、通常、3官能以上のモノマーに対して、50重量%以下であり、30重量%以下が好ましい。
さらに、架橋型電荷輸送層において、電荷輸送性構造を有する2官能以上のモノマーを共重合させてもよい。電荷輸送性構造を有する2官能以上のモノマーの添加量は、電荷輸送性構造を有する単官能のモノマーに対して、10重量%以下にすることが好ましい。添加量が10重量%を超えると、嵩高い電荷輸送性構造体が複数の結合により架橋構造中に固定されるため歪みを生じやすく、微小な硬化物の集合体となりやすい。このことが原因で耐溶剤性が低下することがある。
また、架橋型電荷輸送層における、重合反応を効率よく進行させるために、必要に応じて、架橋型電荷輸送層の塗布液中に重合開始剤を添加してもよい。
熱重合開始剤としては、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等の過酸化物系開始剤、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸等のアゾ系開始剤が挙げられる。
光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のアセトフェノン系又はケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニルエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン等のベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤が挙げられる。その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物が挙げられる。また、光重合促進効果を有する化合物を単独又は光重合開始剤と併用して用いることもできる。このような化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの重合開始剤は、単独又は2種以上を混合して用いることができる。重合開始剤の添加量は、通常、重合性を有する化合物100重量部に対して、0.5〜40重量部であり、1〜20重量部が好ましい。
さらに、架橋型電荷輸送層の塗工液には、必要に応じて、各種可塑剤(応力緩和や接着性向上の目的)、レベリング剤、ラジカル反応性を有さない低分子電荷輸送物質等の添加剤を添加してもよい。これらの添加剤は、公知のものが使用可能であり、可塑剤としては、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル等の一般の樹脂に使用されているものが利用可能で、その添加量は、通常、塗工液の総固形分に対して、20重量%以下であり、10%以下が好ましい。また、レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー又はオリゴマーが利用でき、その添加量は、塗工液の総固形分に対して、3重量%以下であることが好ましい。
架橋型電荷輸送層は、少なくとも、3官能以上のモノマーと電荷輸送性構造を有する単官能のモノマーを含有する塗工液を電荷輸送層上に塗布した後、共重合させることにより形成されるが、塗工液は、モノマーが液体である場合、これに他の成分を溶解させて塗布することも可能であるが、必要に応じて、溶媒により希釈して塗布することが好ましい。溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテル等のエーテル;ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ系等が挙げられる。これらの溶媒は、単独又は2種以上を混合して用いてもよい。溶媒による希釈率は、組成物の溶解性、塗工法、目的とする膜厚に応じて、適宜調整することができる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法等を用いて行うことができる。
本発明においては、架橋型電荷輸送層の塗工液を塗布した後、外部からエネルギーを与えることにより共重合させ、架橋型電荷輸送層を形成することができるが、このとき用いられるエネルギーとしては、熱、光、放射線が挙げられる。
熱エネルギーを加える方法としては、空気、窒素等の気体、蒸気又は各種熱媒体、赤外線、電磁波を用いて塗工表面の側又は支持体の側から加熱する方法が挙げられる。加熱温度は、100℃以上170℃以下であることが好ましい。100℃未満では、反応速度が遅く、重合反応が進行しにくい。170℃より高温では、重合反応が不均一に進行し、架橋型電荷輸送層中に大きな歪みや多数の未反応残基、反応停止末端が発生する。重合反応を均一に進行させるためには、100℃未満で加熱した後、100℃以上に加温し、重合させることが好ましい。
光エネルギーとしては、主に紫外線領域に発光波長を有する高圧水銀灯、メタルハライドランプ等のUV照射光源が利用できるが、重合性を有する化合物や光重合開始剤の吸収波長に応じて、可視光光源を使用することも可能である。照射光量は、50mW/cm以上1000mW/cm以下が好ましい。照射光量が50mW/cm未満では、重合に時間を要し、1000mW/cmより大きいと、反応の進行が不均一となり、架橋型電荷輸送層の表面に局部的な皺が発生したり、多数の未反応残基、反応停止末端が発生したりする。また、急激な架橋により、内部応力が大きくなり、クラックや膜剥がれの原因となる。
放射線エネルギーとしては、電子線が挙げられる。
これらのエネルギーの中で、反応速度の制御の容易さ、装置の簡便さから、熱及び光のエネルギーを用いたものが有用である。
架橋型電荷輸送層の膜厚は、1μm以上10μm以下であることが好ましく、2μm以上8μm以下がさらに好ましい。膜厚が10μmより大きい場合、クラックや膜剥がれが発生しやすくなり、8μm以下では、架橋密度をさらに高くすることが可能で、耐摩耗性を向上させる材料選択や硬化条件の設定が可能となる。一方、ラジカル重合反応は、酸素阻害を受けやすく、大気に接した表面では酸素によるラジカルトラップの影響で重合が進まなくなり、不均一になりやすい。この影響が顕著に現れるのは表層1μm未満であるため、架橋型電荷輸送層の膜厚が1μm未満であると、耐摩耗性の低下や不均一な摩耗が発生しやすい。また、架橋型電荷輸送層の塗工時に、下層の電荷輸送層の成分が層全体に拡がるため、重合反応の阻害や架橋密度の低下をもたらす。このため、架橋型電荷輸送層は、1μm以上の膜厚で良好な耐摩耗性、耐傷性を有するが、繰り返しの使用において、局部的に下層の電荷輸送層まで削れた部分ができると、その部分の摩耗が増加し、帯電性や感度変動から中間調画像の濃度むらが発生しやすい。したがって、より長寿命、高画質化のためには、架橋型電荷輸送層の膜厚を2μm以上にすることが望ましい。
架橋型電荷輸送層の塗工液の組成物としては、3官能以上のモノマー及び電荷輸送性構造を有する単官能のモノマー以外に、重合性官能基を有さない結着樹脂、酸化防止剤、可塑剤等の添加剤を添加してもよい。添加量は、塗工液の総固形分に対して、添加物の総含有量の20重量%以下であることが好ましい。添加量が20重量%を超えると、架橋密度の低下、重合反応により生じた架橋樹脂と添加物との相分離が生じ、耐溶剤性が低下する。さらに、電荷発生層、電荷輸送層、架橋型電荷輸送層を順次積層した構成において、最表面の架橋型電荷輸送層の耐溶剤性を向上させることが、耐摩耗性、耐傷性が達成させるため、好ましい。架橋型電荷輸送層の耐溶剤性を向上させるためには、架橋型電荷輸送層の塗工液の組成物及びそれらの含有割合の調整、架橋型電荷輸送層の塗工液の希釈溶媒及び固形分濃度の調整、架橋型電荷輸送層の塗工方法の選択、架橋型電荷輸送層の硬化条件の制御、下層の電荷輸送層の耐溶剤性の向上等が重要である。
架橋型電荷輸送層の塗工液の希釈溶媒としては、揮発性の高い溶媒を用いることが好ましい。具体的には、テトラヒドロフラン、テトラヒドロフランとメタノールの混合溶媒、酢酸エチル、メチルエチルケトン、エチルセロソルブ等が有用であるが、塗工法に応じて、適宜選択される。揮発性の低い溶媒を用いると、残留する溶媒が硬化を妨げたり、下層成分の混入量を増加させたりするため、耐溶剤性が低下する。また、塗工液の固形分濃度に関しては、同様な理由で低過ぎる場合、耐溶剤性が低下する。一方、架橋型電荷輸送層の膜厚、塗工液の粘度の制限から、固形分濃度は、上限を有し、具体的には、10〜50重量%の範囲で用いることが望ましい。架橋型電荷輸送層の塗工方法としては、同様な理由で塗工膜形成時の溶媒含有量、溶媒との接触時間を少なくする方法が好ましく、スプレーコート法、塗工液量を規制したリングコート法が好ましい。また、電荷輸送層の成分の混入を抑制するためには、電荷輸送物質として高分子電荷輸送物質を用いること、架橋型電荷輸送層の塗工溶媒に対する溶解性が低い中間層を設けることも有効である。
架橋型電荷輸送層の作成条件としては、加熱又は光照射のエネルギーが低いと重合反応が進行しにくくなり、耐溶剤性が低下する。また、非常に高いエネルギーにより重合させた場合、重合反応が不均一に起こり、未架橋部やラジカル停止部の増加により、微小な架橋樹脂の集合体となりやすいため、耐溶剤性が低下する。耐溶剤性を向上させるためには、熱重合の条件としては、100〜170℃で10分〜3時間重合させることが好ましく、UV光照射による重合条件としては、50〜1000mW/cmの光量で5秒〜5分照射すると共に、温度上昇を50℃以下に制御し、不均一な重合反応を抑制することが好ましい。
以下に、架橋型電荷輸送層の耐溶剤性を向上させる方法を例示する。
アクリロイルオキシ基を有する3官能のモノマーと、アクリロイルオキシ基を有する単官能のトリアリールアミン誘導体(モノマー)を使用する場合、これらの重量比は7:3〜3:7であり、また、重合開始剤をこれらモノマーの全量に対して、3〜20重量%添加し、さらに溶媒を加えて塗工液を調製する。また、架橋型電荷輸送層の下層となる電荷輸送層において、電荷輸送物質として、トリアリールアミン系ドナー、結着樹脂として、ポリカーボネート樹脂を使用し、架橋型電荷輸送層をスプレー塗工により形成する場合、架橋型電荷輸送層の塗工液の溶媒は、テトラヒドロフラン、2−ブタノン、酢酸エチル等であることが好ましく、その添加重量は、モノマー全量の3〜10倍であることが好ましい。
次に、アルミシリンダー等の支持体上に、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を順次積層した感光体上に、架橋型電荷輸送層の塗工液をスプレー等により塗布する。その後、自然乾燥又は25〜80℃で1〜10分間乾燥し、UV照射又は加熱して重合させる。
UV照射の場合、メタルハライドランプ等を用いるが、200mW/cmのUV光を照射する場合、重合に際し、複数のランプからドラム周方向を均一に30秒程度照射すればよい。このときドラム温度は50℃を超えないように制御する。
熱重合の場合、加熱手段として、送風型オーブンを用いて、加熱温度を150℃に設定した場合、加熱時間は20分〜3時間である。
重合反応が終了した後は、さらに残留溶媒を低減させるために、100〜150℃で10〜30分加熱して、感光体を得ることができる。
感光体は、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段の一連のプロセスが繰り返される環境で使用され、この過程で感光体が摩耗したり傷が発生したりすることにより、画像劣化が発生するが、この摩耗、傷をもたらす要因としては、帯電、除電時の放電による感光体の表面組成物の分解及び酸化性ガスによる化学的劣化、現像時におけるキャリア付着、転写時における紙との摩擦、クリーニング時におけるクリーニングブラシ、クリーニングブレード、介在するトナー、付着キャリア等との摩擦等が挙げられる。これらに耐性を有する感光体を設計するためには、表面層を高硬度、高弾性にすると共に、均一にすることが重要で、緻密で均質な架橋構造を形成することが望ましい。
本発明において、架橋型電荷輸送層は、少なくとも、3官能以上のモノマー及び電荷輸送性構造を有する単官能のモノマーを共重合することにより得られる共重合体を含有するため、架橋密度が高く、高硬度、高弾性の表面層が得られ、高い耐摩耗性、耐傷性が達成される。このように、感光体の表面の架橋密度を増加させることが重要であるが、重合反応において瞬時に多数の結合を形成させるため、体積収縮による内部応力が発生する。この内部応力は、架橋型電荷輸送層の膜厚が厚くなる程、増加するため電荷輸送層全体を架橋させると、クラックや膜剥がれが発生しやすくなる。この問題を解決するためには、架橋型電荷輸送層に高分子成分を導入すること、単官能及び2官能のモノマーを添加すること、柔軟性基を有する多官能モノマーを用いること等が挙げられるが、いずれも架橋密度が低下し、耐摩耗性が低下する。これに対し、本発明で用いられる感光体は、電荷輸送層上に架橋型電荷輸送層を1μm以上10μm以下の膜厚で設けることで、クラックや膜剥がれの発生を抑制すると共に、高い耐摩耗性が達成される。架橋型電荷輸送層の膜厚を2μm以上8μm以下の膜厚にすることにより、さらに架橋密度を向上させることができる材料を選択することが可能となる。クラックや膜剥がれを抑制することができる理由としては、架橋型電荷輸送層が薄膜であるために内部応力が抑制されること、下層に電荷輸送層を有するために表面の架橋型電荷輸送層の内部応力が緩和されること等が挙げられる。このため、架橋型電荷輸送層に高分子材料を多量に添加する必要が無くなり、高分子材料と、少なくとも、3官能以上のモノマー及び電荷輸送性構造を有する単官能のモノマーの共重合体との相溶性不良が原因の傷やトナーフィルミングも発生しにくくなる。さらに、架橋型電荷輸送層を光エネルギー照射により形成する場合に、電荷輸送性構造による光吸収の影響を抑制することができるため、架橋型電荷輸送層の内部においても重合反応が進行し、高い耐摩耗性が維持される。
また、架橋型電荷輸送層の形成においては、電荷輸送性構造を有する単官能のモノマーは、3官能以上のモノマーと共重合される。これに対し、重合性を有さない低分子電荷輸送物質を架橋型電荷輸送層中に添加した場合、相溶性の低さから低分子電荷輸送物質の析出や白濁現象が発生し、架橋型電荷輸送層の機械的強度も低下する。また、電荷輸送性構造を有する2官能以上のモノマーを主成分として用いた場合は、架橋密度は、高くなるが、電荷輸送性構造が非常に嵩高いため、架橋樹脂の歪みが大きくなり、架橋型電荷輸送層の内部応力が高くなる。
さらに、本発明で用いられる感光体は、良好な電気的特性を有し、このため長期間に亘り、高画質画像を形成することができる。これは、架橋型電荷輸送層の構成材料として、電荷輸送性構造を有する単官能のモノマーを用い、主鎖中にペンダント状に固定化したことに起因する。重合性を有さない低分子電荷輸送物質を用いた場合、析出、白濁現象が起こり、感度の低下、残留電位の上昇等、繰り返し使用時に電気的特性の劣化が発生する。また、電荷輸送性構造を有する2官能以上のモノマーを主成分として用いた場合は、複数の結合で架橋構造中に固定されるため、電荷輸送時の中間体構造(カチオンラジカル)が安定して保てず、電荷のトラップによる感度の低下、残留電位の上昇が発生しやすい。これらの電気的特性が劣化すると、画像濃度の低下、文字の細り等が発生する。さらに、本発明で用いられる感光体においては、下層の電荷輸送層として、電荷トラップの少ない高移動度の設計を適用することができ、架橋型電荷輸送層の電気的副作用を抑制することができる。
本発明においては、電荷輸送層と架橋型電荷輸送層の間に、架橋型電荷輸送層への電荷輸送層成分の混入を抑制する目的又は両層間の接着性を改善する目的で中間層を設けることが可能である。このため、中間層としては、架橋型電荷輸送層の塗工液に対する溶解性が低いものが適しており、一般に、結着樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド樹脂、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール等が挙げられる。中間層の形成法としては、公知の塗工法が用いられる。なお、中間層の厚さは、0.05〜2μm程度が適当である。
本発明においては、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は、一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂は、下引き層の上に感光層の塗工液を塗布するため、耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層には、モアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物の微粉末顔料を添加してもよい。
下引き層は、公知の塗工法を用いて形成することができる。さらに、下引き層には、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を添加することもできる。この他、下引き層には、陽極酸化を用いて設けられたアルミナや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やシリカ、酸化スズ(IV)、酸化チタン(IV)、ITO(Indium Tin Oxide)、酸化セリウム(IV)等の無機物が真空薄膜作成法を用いて設けられたものも良好に使用できる。この他にも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は、0〜5μmが適当である。
本発明においては、耐環境性の改善、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を抑制する目的で、架橋型電荷輸送層、電荷輸送層、電荷発生層、下引き層、中間層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、トコフェロール類等のフェノール系化合物;N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミン等のパラフェニレンジアミン類;2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノン等のハイドロキノン類;3,3’−チオジプロピオン酸ジラウリル、3,3’−チオジプロピオン酸ジステアリル、3,3’−チオジプロピオン酸ジテトラデシル等の有機硫黄化合物類;トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィン等の有機リン化合物類が挙げられる。これらの化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類等の酸化防止剤として知られている。なお、酸化防止剤の添加量は、添加する層の総重量に対して、0.01〜10重量%が好ましい。
電荷輸送性構造を有する単官能のモノマーは、特許第3164426号公報に記載されている方法を用いて合成することができ、以下、具体例を示す。
(電荷輸送性構造を有する単官能のモノマーの合成例)
化学構造式
Figure 2006227178
で示されるメトキシ基置換トリアリールアミン化合物113.85g(0.3mol)と、ヨウ化ナトリウム138g(0.92mol)にスルホラン240mlを加え、窒素気流中で60℃に加温した。この液中にトリメチルクロロシラン99g(0.91mol)を1時間かけて滴下し、約60℃の温度で4時間半撹拌し反応を終了させた。この反応液にトルエン約1.5Lを加え室温まで冷却し、水と炭酸ナトリウム水溶液で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーを用いて精製した。なお、カラムクロマトグラフィーの吸着媒体としては、シリカゲルを用い、展開溶媒としては、体積比20/1のトルエン/酢酸エチル混合溶媒を用いた。得られた淡黄色オイルにシクロヘキサンを加え、結晶を析出させた。このようにして、化学構造式
Figure 2006227178
で示されるヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物の白色結晶88.1g(収率=80.4%)を得た。融点は、64.0〜66.0℃であった。なお、元素分析値(%)を表1に示す。
Figure 2006227178
得られたヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物82.9g(0.227mol)をテトラヒドロフラン400mlに溶解させ、窒素気流中で1.24g/Lの水酸化ナトリウム水溶液を滴下した。この溶液を5℃に冷却し、アクリル酸クロライド25.2g(0.272mol)を40分かけて滴下した。その後、5℃で3時間撹拌し、反応を終了させた。この反応液を水に注ぎ、トルエンで抽出した。この抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液と水で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーを用いて精製した。なお、カラムクロマトグラフィーの吸着媒体としては、シリカゲルを用い、展開溶媒としては、トルエンを用いた。得られた無色のオイルにn−ヘキサンを加え、結晶を析出させた。このようにして、アクリロイルオキシ基置換トリアリールアミン化合物(例示化合物No.54)の白色結晶80.73g(収率=84.8%)を得た。融点は、117.5〜119.0℃であった。なお、元素分析値(%)を表2に示す。
Figure 2006227178
(電荷輸送性構造を有する2官能のモノマーの合成例)
4,4’−ジヒドロキメチルトリフェニルアミンは、公知の方法
Figure 2006227178
を用いて合成することができる。
(A)においては、温度計、冷却管、攪拌装置、滴下ロートの付いたフラスコに、トリフェニルアミン49gとオキシ塩化リン184gを仕込み、加熱溶解させた。次に、滴下ロートから、ジメチルホルムアミド117gを徐々に滴下し、その後、液温を85〜95℃に保ち、約15時間攪拌を行った。次に、反応液を大過剰の温水に徐々に注いだ後、攪拌しながらゆっくり冷却した。析出した結晶を濾過、乾燥した後、シリカゲル等による不純物吸着及びアセトニトリル中での再結晶により精製を行い、4,4’−ジホルミルトリフェニルアミンを得た。収量は、30gであった。
(B)においては、4,4’−ジホルミルトリフェニルアミン30gとエタノール100mlをフラスコに投入し、攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム1.9gを徐々に添加した後、液温を40〜60℃に保ち、約2時間攪拌を行った。次に、反応液を約300mlの水に徐々に注ぎ、攪拌して結晶を析出させた。濾過した後、水洗、乾燥し、4,4’−ジヒドロキメチルトリフェニルアミンを得た。収量は、30gであった。
得られた4,4’−ジヒドロキメチルトリフェニルアミンに、上記と同様にアクリロイルオキシ基を導入することにより、4,4’−ジアクリロイルオキシメチルトリフェニルアミンを得ることができる。
本発明において、キャリアの重量平均粒子径は、22〜32μmであり、23μm〜30μmが好ましい。重量平均粒子径が32μmより大きいと、キャリア付着が発生しにくくなるが、潜像に対して、トナーが忠実に現像されにくくなって、ドット径のバラツキが大きくなり粒状性が低下する。また、トナー濃度が高いと、地汚れしやすくなる。
キャリア付着は、静電潜像の画像部又は地肌部にキャリアが付着する現象を意味する。現像バイアスとして印加する電界が強い程、キャリア付着が発生しやすくなる。キャリア付着は、感光体ドラムや定着ローラーの傷の原因となる等の不都合を生じるので好ましくない。画像部は、トナーが現像されることにより電界が弱められるため、地肌部に比べ、キャリア付着は発生しにくい。
また、キャリアの個数平均粒子径に対する重量平均粒子径の比が1.20より大きいと、微粒子の比率が大きくなり、キャリア付着しやすくなる。
キャリアの重量平均粒子径が22μmより小さくなると、粒子間の摩擦力が大きくなって、キャリアの流動性が悪くなり、現像スリーブのトルクが大きくなる。また、キャリアの形状及び表面平滑性も大きく影響するようになる。すなわち、キャリアの形状が真球から外れ、表面の凹凸が大きくなると、現像スリーブのトルクが増大すると共に、現像スリーブへトナーが固着したり、現像スリーブの表面が削れたりするため、現像剤の汲み上げ量が変化し、画像濃度が変動する。また、キャリアへのトナースペントも多くなり、トナーの帯電量の低下を引き起こす。さらに、現像領域における磁気ブラシの均一性が低下するため、キャリア付着も発生しやすくなる。キャリアとして、表面が樹脂で被覆されている磁性体粒子(以下、コートキャリアという)を用いる場合、凹凸が大きいと、場所により被覆樹脂の膜厚が異なるため、帯電量及び抵抗の不均一化が発生しやすくなり、経時での耐久性、キャリア付着等に影響を及ぼす。
さらに、形状係数SF1が100〜130であり、SF2が100〜120であるキャリアを、本発明で用いられる感光体に使用することにより、高画質の画像を形成すると共に、感光体の耐久性を向上させることができる。
キャリアの球形度は、形状係数SF1で示すことができ、キャリアの表面の平滑度は、形状係数SF2で示すことができる。SF1が130より大きいと、キャリアの形状が真球から外れてくる。また、SF2が120より大きくなると、表面の凹凸が大きくなる。SF1が130より大きく、SF2が120より大きくなると、本発明で用いられる感光体を用いた場合でも、キャリアによる感光体の表面への摺擦が無視できないレベルになり、感光体の耐久性を向上させることは困難になる。
キャリアのSF1及びSF2は、それぞれ100〜120及び100〜110であることがさらに好ましい。
キャリアの形状係数SF1及びSF2は、式
SF1=π(L/2)/A×100
SF2=π(P/2π)/A×100
から算出される値を意味する。なお、L、P及びAは、例えば、日立製作所社製FE−SEM(S−800)を用いて300倍に拡大したキャリアの像を100個無作為にサンプリングし、インターフェースを介して、例えば、ニレコ社製画像解析装置(Luzex AP)に導入して解析することにより得られ、Lは、キャリアの像の最大絶対長の平均値、Pは、キャリアの像の周囲長の平均値、Aは、キャリアの像の面積の平均値である。
キャリアの像が円形から離れると、SF1の値は、大きくなる。また、キャリアの像の表面の凹凸の起伏が激しくなると、SF2の値は、大きくなる。逆に、それぞれの値は、真円に近付くにつれて、100に近い値となる。
キャリアの粒子径が小さくなると、磁気ブラシが密になり画像の粒状性を向上させる効果がある。この状態をミクロ的に見ると、感光体の表面の単位面積あたりのキャリアとの接触割合が高くなっている。
現像時には、磁気ブラシと感光体の表面は、接触しながらお互いに駆動し、感光体の表面が摺擦されていく。そして、摺擦による傷も原因の一つとして感光体の表面を徐々に劣化させる。粒子径が小さいキャリアを使用すると、高画質画像を形成することができるが、感光体の表面と磁気ブラシとの接触割合が高くなるため、磁気ブラシの感光体表面に対する影響が強くなり、磁気ブラシを構成しているキャリアの形状及び表面平滑性が感光体の表面劣化に与える影響の寄与が大きくなる。
キャリアの感光体表面に対する摺擦を弱くするためには、柔らかい磁気ブラシを形成することが好ましい。このためには、磁気ブラシ中のキャリアの運動に適度な自由度を持たせる必要がある。
キャリアの運動に自由度を持たせる方法としては、現像スリーブの磁力を弱くする方法があるが、この方法では、キャリアの現像スリーブ方向への引力が弱くなるために、磁気ブラシが切れやすくなる。また、キャリアも現像スリーブ上から遊離しやすくなり、キャリア付着の原因となるため、好ましくない。
そこで、キャリアの形状及び表面の平滑性を制御することが有効な方法となる。キャリアの形状を真球に近付けることで、キャリアの運動方向に偏りがなくなり、自由度が増す。また、キャリアの表面の平滑性を高くすることでキャリア同士の摩擦が減少し、運動の自由度が増す。さらに、キャリアの表面の平滑性を高くすることにより、磁気ブラシが感光体の表面を摺擦しにくくなり、感光体の耐久性を向上させる効果があると考えられる。
このような効果は、特に、感光体の表面が高弾性、高硬度のものである場合に顕著になる。すなわち、本発明で用いられる感光体に、球形度、平滑度の高いキャリアを使用することで、感光体の耐久性を向上させることができる。これは、弾性、硬度が高くない感光体では、球形度、平滑度の高いキャリアを用いた場合でも、感光体の表面の摺擦による影響が無視できないレベルとなってしまうのに対し、高弾性、高硬度の感光体では球形度、平滑度の高いキャリアを用いると、キャリアの摺擦による感光体への影響がほとんど無視できるレベルとなるためと考えられる。
本発明において、キャリアは、粒子径が20μmより小さい粒子を0重量%以上7重量%以下含有することが好ましく、5重量%以下がより好ましく、3重量%以下が特に好ましい。粒子径が20μmより小さい粒子が7重量%より多くなると、磁気ブラシに磁化の小さい粒子が存在するようになり、キャリア付着が発生しやすくなる。また、キャリアは、粒子径が20μmより小さい粒子を0.5重量%以上含有することが好ましい。これにより、コストを削減することが可能となる。
キャリアは、粒子径が36μmより小さい粒子を90重量%以上100重量%以下含有することが好ましく、92重量%以上がより好ましい。さらに、粒子径が44μmより小さい粒子を98重量%以上100重量%以下含有すると共に樹脂で被覆されたキャリアは、キャリアの磁化のばらつきが小さくなり、キャリア付着が発生しにくくなる。
キャリアの重量平均粒子径Dwは、式
Dw=Σ(nD)/Σ(nD
で表され、キャリアの粒度分布に基づいて算出することができる。ここで、Dは、各チャネルに存在する粒子の代表粒子径(μm)であり、nは、各チャネルに存在する粒子の総数である。なお、チャネルとは、粒度分布図において、粒子径を等分に分割するための範囲である。また、各チャネルに存在する粒子の代表粒子径としては、各チャネルの粒子径の下限値を採用した。
また、キャリアの個数平均粒子径Dnは、式
Dn=Σ(nD)/Σn
で表され、Dwと同様に、キャリアの粒度分布に基づいて算出することができる。
本発明において、粒度分布を測定するための粒度分析計としては、マイクロトラック粒度分析計HRA9320−X100(Honewell社製)を用いることができる。測定条件としては、粒子径の範囲を8〜100μmとし、チャネル幅を2μmとし、チャネル数を46とし、屈折率を2.42とすることができる。
キャリアに用いられる磁性体粒子は、磁性材料を解砕又は粉砕した粒子を所定の粒子径が得られるように分級することにより得られる。なお、磁性体粒子の表面に樹脂被膜を形成してもよい。
分級には、風力分級、ふるい分級(ふるい分け)等が包含されるが、磁性体粒子の製造には、振動ふるいが好ましい。特に、ふるい機を用いて粒子を分級する際に、金網に超音波振動を加えることにより、粒子径が20μm未満の粒子を効率よく、除去することができる。
超音波振動は、高周波電流をコンバータに供給して超音波振動に変換することにより得ることができる。この場合のコンバータは、PZT振動子を用いたものである。コンバータが発生する超音波振動を、金網に固定した共振部材に伝達して、共振部材を共振させることにより、共振部材に固定されている金網を振動させることができる。金網を振動させる周波数は、通常、20〜50kHzであり、30〜40kHzが好ましい。
この場合の共振部材の形状は、金網を振動させるのに適していればよく、通常は、リング状である。金網を振動させる方向は、鉛直方向であることが好ましい。
図2に、超音波発振器付振動ふるい機の一例を示す。超音波発振器付振動ふるい機は、円筒容器21は、スプリング22を介して、ベース(支持台)23に固定されている。高周波電流ケーブル26を介して、高周波電流をコンバータ27に供給すると、コンバータ27に供給された高周波電流は、超音波振動に変換される。コンバータ27で発生した超音波振動は、コンバータ27が固定されている共振リング25及びそれに連設するリング状フレーム28を鉛直方向に振動させる。この振動により、共振リング25とリング状フレーム28に固定されている金網24が鉛直方向に振動する。
磁性体粒子は、磁性材料の粉砕物粒子を分級することにより得ることができるが、フェライト、マグネタイト等の場合には、焼成前の一次造粒品を作った段階で分級し、さらに焼成、分級して磁性体粒子を得ることもできる。さらに、磁性体粒子の表面に樹脂被膜を形成した後、分級することもできる。なお、分級には、超音波発振器付きの振動ふるい機を用いることが好ましい。
本発明において、1kOeの磁界を印加したときの磁性体粒子の磁化は、50emu/g以上であることが好ましく、70emu/g以上がより好ましい。これにより、キャリア付着が発生しにくくなる。磁性体粒子の磁化の上限値は、通常、150emu/g程度である。
本発明のキャリアを構成する磁性体粒子の材料としては、従来公知の各種の磁性材料を用いることができるが、1kOeの磁界を印加したときの磁化が50emu/g以上となる磁性体粒子としては、鉄、コバルト等の強磁性体、マグネタイト、ヘマタイト、Li系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Ba系フェライト、Mn系フェライト等が挙げられる。また、1kOeの磁界を印加したときの磁化が70emu/g以上となる磁性体粒子としては、鉄系、マグネタイト系、Mn−Mg−Sr系フェライト、Mn系フェライト等が挙げられる。
フェライトとは、一般式
(MO)x(NO)y(Fe)z
で示される焼結体である。ただし、x、y及びzは、金属酸化物の組成を表し、M及びNは、それぞれNi、Cu、Zn、Mg、Mn、Sr、Ca等の2価の金属であり、フェライトは、2価の金属酸化物及び酸化鉄(III)から構成されている。
キャリアの磁化は、以下のようにして測定することができる。B−HトレーサーBHU−60(理研電子社製)を使用し、円筒のセルにキャリア1gを詰めて装置にセットする。磁界を徐々に大きくし、3kOeまで変化させ、次に徐々に小さくして0Oeにした後、逆向きの磁界を徐々に大きくして3kOeとする。さらに、徐々に磁界を小さくして0Oeにした後、最初と同じ方向に磁界を印加する。このようにして、得られたB−H曲線から、1kOeの磁界を印加したときの磁化を算出する。
SF1が100〜130と球形に近く、SF2が100〜120である平滑な磁性体粒子は、焼成条件、熱による後処理、組成の調整等により得られる。例えば、US2003/0209820A1に記載されているように、粉砕処理した不定形のフェライト粒子又はフェライト化反応させるための原材料をプラズマにさらすことによっても表面の平滑化及び球形化が可能である。このような方法を組み合わせることにより、さらに表面性が平滑で真球に近いフェライト粒子が得られる。
また、振動を利用したフィーダーでは、流動性の良好な粒子が速く搬送される。真球に近く、表面平滑性の良好な粒子は、流動性が良好であるため、例えば、電磁フィーダーを使用すると、その搬送速度の違いにより、流動性の異なる粒子を選別することが可能である。繰り返し電磁フィーダーを通過させることにより、表面平滑性が良く、真球に近い粒子を得ることができる。
キャリアの嵩密度は、2.1g/cm以上であることが好ましく、2.35g/cm以上がさらに好ましい。これにより、キャリア付着を抑制することができる。嵩密度が小さいキャリアは、多孔性又は表面の凹凸が大きい。
嵩密度が小さいと、磁化(emu/g)が大きくても、1粒子当たりの磁化が小さくなるため、キャリア付着に対して不利である。
嵩密度を大きくするためには、焼成温度を高くすること等が挙げられるが、磁性体粒子同士が融着して、解砕し難くなるため、キャリアの嵩密度は、2.6g/cm以下であることが好ましい。したがって、キャリアの嵩密度は、2.1〜2.6g/cmであることが好ましく、2.35〜2.60g/cmがさらに好ましく、2.35〜2.50g/cmが特に好ましい。
キャリアの嵩密度は、金属粉−見掛け密度試験方法(JIS−Z−2504)に従って、以下のように求めることができる。直径2.5mmのオリフィスからキャリアを自然に流出させ、その直下においた25cmのステンレス製の円柱状の容器にキャリアを溢れるまで流し込んだ後、非磁性の水平なへらを用いて容器の上端に沿って一回の操作で平らにかきとる。もし、直径2.5mmのオリフィスでは流れ難い場合は、直径5mmのオリフィスからキャリアを自然流出させる。この操作により、容器に流入したキャリアの重量を、容器の体積25cmで割ることにより、キャリアの嵩密度を求めることができる。
本発明において、キャリアの体積抵抗率は、1×1011〜1×1016Ω・cmであることが好ましく、1×1012〜1×1014Ω・cmがさらに好ましい。体積抵抗率が1×1011Ω・cmより小さくなると、現像ギャップ(感光体と現像スリーブ間の最近接距離)が小さい場合、キャリアが誘電分極し、キャリア付着が発生し易くなる。通常、カラートナー現像用キャリアは、充分なトナー付着量を得るため、体積抵抗率の低いものが使用されるが、適正なトナー帯電量のもとで使用することにより、充分な画像濃度が得られる。
また、キャリアの体積抵抗率が1×1016Ω・cmより大きいと、トナーと反対極性の電荷が溜まりやすくなり、キャリア付着が発生しやすくなる。
キャリアの体積抵抗率は、以下の方法により、測定することができる。図3に示すように、電極間距離2mm、表面積2×4cmの電極31を収容したフッ素樹脂製容器からなるセルにキャリア32を充填し、電極間に100Vの直流電圧を印加し、ハイレジスタンスメーター4329A(4329A+LJK 5HVLVWDQFH OHWHU;横川ヒューレットパッカード社製)を用いて直流抵抗を測定し、体積抵抗率を算出する。
キャリアは、セルに溢れるまで入れ、セル全体を20回タッピングした後、非磁性の水平なへらを用いて、セルの上端に沿って一回の操作で平らにかきとることにより、充填する。
キャリアの体積抵抗率は、磁性体粒子を被覆する樹脂の体積抵抗率、膜厚により制御することができる。また、キャリアの体積抵抗率を調整するために、導電性微粉末を被覆樹脂に添加して使用することも可能である。導電性微粉末としては、導電性ZnO、Al等の金属又は金属酸化物粉、種々の方法で調製されたSnO又は種々の元素をドープしたSnO、TiB、ZnB、MoB等のホウ化物、炭化ケイ素、ポリアセチレン、ポリ(p−フェニレン)、ポリ(p−フェニレンスルフィド)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子、ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック等が挙げられる。
導電性微粉末は、コーティングに使用する溶媒又は被覆樹脂溶液に添加した後、ボールミル、ビーズミル等のメディアを使用した分散機又は高速回転する羽根を備えた攪拌機を使用することにより、均一に分散することができる。
キャリアとして、コートキャリアを用いる場合、被覆樹脂としては、従来公知の各種のものを用いることができる。特に、一般式
Figure 2006227178
で示される繰り返し単位を有するシリコーン樹脂が好ましく用いられる。ここで、Rは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メトキシ基、炭素数1〜4の低級アルキル基、又はフェニル基、トリル基等のアリール基であり、Rは、炭素数1〜4のアルキレン基、又はフェニレン基等のアリーレン基である。
アリール基の炭素数は、通常、6〜20であり、6〜14が好ましい。アリール基には、ベンゼン由来のフェニル基の他、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニル、ターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
本発明においては、シリコーン樹脂として、直鎖状のシリコーン樹脂を用いることができる。具体的には、KR271、KR272、KR282、KR252、KR255、KR152(信越化学工業社製)、SR2400、SR2406(東レダウコーニングシリコーン社製)等が挙げられる。
また、シリコーン樹脂として、変性シリコーン樹脂を用いることができる。変性シリコーン樹脂としては、エポキシ変性シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、フェノール変性シリコーン樹脂、ウレタン変性シリコーン樹脂、ポリエステル変性シリコーン樹脂、アルキッド変性シリコーン樹脂等が挙げられる。エポキシ変性シリコーン樹脂の具体例としては、ES−1001N(信越化学工業社製)、SR2115(東レダウコーニングシリコーン社製)等、アクリル変性シリコーン樹脂としては、KR−5208(信越化学工業社製)等、ウレタン変性シリコーン樹脂としては、KR−305(信越化学工業社製)等、ポリエステル変性シリコーン樹脂としては、KR−5203(信越化学工業社製)等、アルキッド変性シリコーン樹脂としては、KR−206(信越化学工業社製)、SR2110(東レダウコーニングシリコーン社製)等が挙げられる。
さらに、シリコーン樹脂をアミノシランカップリング剤と反応させて被覆樹脂を形成することにより、さらに耐久性の良好なキャリアを得ることができる。
本発明で用いられるアミノシランカップリング剤としては、化学構造式
N(CHSi(OCH
N(CHSi(OC
N(CHSi(CH(OC
N(CHSi(CH)(OC
N(CHNHCHSi(OCH
N(CHNH(CHSi(CH)(OCH
N(CHNH(CHSi(OCH
(CHN(CHSi(CH)(OC
(CN(CHSi(OCH
で示される化合物が挙げられ、被覆樹脂に対して、0.001〜30重量%添加することが好ましい。
コートキャリアに用いることができるシリコーン樹脂以外の被覆樹脂としては、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸フェニル共重合体等のスチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等のスチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロロアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、キシレン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上の混合物として用いることができ、シリコーン樹脂と混合して用いることもできる。
磁性体粒子を樹脂で被覆する方法としては、スプレードライ法、浸漬法、パウダーコーティング法等の公知の方法が使用できる。特に、流動床型コーティング装置を用いる方法は、均一な塗付膜を形成するのに有効である。
磁性体粒子を被覆する樹脂層の膜厚は、通常、0.02〜1μmであり、0.03〜0.8μmが好ましい。
本発明で用いられる現像剤において、トナーによるキャリアの被覆率は、10〜90%であることが好ましく、20〜80%がさらに好ましい。また、トナーによるキャリアの被覆率が50%のときのトナーの帯電量は、10〜50μC/gであることが好ましく、15〜35μC/gがより好ましい。帯電量が10μC/gより小さいと、地汚れ及びトナー飛散が多くなる。また、50μC/gより大きいと、キャリア付着が発生しやすくなる。
図4に、トナーの帯電量を測定する方法を示す。一定量の現像剤を、両端に金属メッシュを備えた導体容器(ケージ)41に入れる。金属メッシュは、目開きがトナー42とキャリア43の粒子径の中間となるようなものを選び、トナー42がメッシュを通過するようにする。具体的には、目開き20μmのステンレス製メッシュ等を用いることができる。ノズルから1kgf/cmの窒素等の圧縮ガスを60秒間吹き付けて、トナー42をゲージ41の外へ飛び出させると、ケージ41内にトナー42の電荷と反対の電荷を有するキャリア43が残される。その電荷量Qと、飛び出したトナー42の質量Mを測定し、単位質量当たりの電荷量を帯電量Q/Mとして算出することができる。
なお、トナーによるキャリアの被覆率は、式
被覆率=(1/4)・(Wt/Wc)・(ρc/ρt)・(Dc/Dt)×100
から算出される。ここで、Dcは、キャリアの重量平均粒子径、Dtは、トナーの重量平均粒子径、Wtは、トナーの重量、Wcは、キャリアの重量、ρtは、トナーの真密度、ρcは、キャリアの真密度である。
本発明の現像剤に使用されるトナーは、熱可塑性樹脂を主成分とする結着樹脂中に、着色剤、微粒子、帯電制御剤、離型剤等を含有させたものであり、従来公知の各種のトナーを用いることができる。このトナーは、重合法、造粒法等の各種のトナー製法によって作製することができ、不定形であっても球形であってもよい。また、磁性トナー及び非磁性トナーのいずれでもよい。
本発明において、前述のキャリアと、前述の感光体を用いると共に、現像スリーブと感光体の距離を0.4mm以下(0mmを含まない)とし、現像バイアスとして、交流電圧を印加することで、キャリア付着が少なく、また、高画質な画像を得ることができる。
本発明においては、前述の現像剤を用いて潜像を現像する。この方法においては、現像バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳させた交流電圧を印加すると、充分な画像濃度が得られる。特に、ハイライトの粒状性が良好となる。
さらに、現像バイアスとして、直流電圧のみを印加すると、キャリア付着、エッジ効果が大幅に改善され、また、地汚れに対する余裕度が大きくなるため、キャリアに対するトナーの被覆率を上げられること並びにトナーの帯電量及び現像バイアスを下げることが可能となり、画像濃度を向上させることができる。
図5に、本発明の画像形成方法を用いた現像装置の一例を示す。潜像担持体である感光体ドラム51に対向して配設された現像装置は、現像剤担持体としての現像スリーブ52、現像剤収容部材53、規制部材としてのドクターブレード54、支持ケース55等から主に構成されている。
感光体ドラム51側に開口を有する支持ケース55には、内部にトナー56を収容するトナー収容部としてのトナーホッパー57が接合されている。トナーホッパー57に隣接した、トナー56とキャリア58とからなる現像剤を収容する現像剤収容部59には、トナー56とキャリア58を撹拌し、トナーに摩擦/剥離電荷を付与するための、現像剤撹拌機構60が設けられている。
トナーホッパー57の内部には、図示しない駆動手段によって回動されるトナー供給手段としてのトナーアジテータ61及びトナー補給機構62が配設されている。トナーアジテータ61及びトナー補給機構62は、トナーホッパー57内のトナー56を現像剤収容部59に撹拌しながら供給する。
感光体ドラム51と現像剤収容部59との間の空間には、現像スリーブ52が配設されている。図示しない駆動手段で図の矢印方向に回転駆動される現像スリーブ52は、キャリア58による磁気ブラシを形成するために、その内部に現像装置に対して相対位置不変に配設された、磁界発生手段としての磁石を有する。
現像剤収容部材53の、支持ケース55に取り付けられた側と対向する側には、ドクターブレード54が一体的に取り付けられている。ドクターブレード54は、この例では、その先端と現像スリーブ52の外周面との間に一定の隙間を保った状態で配設されている。
本発明の画像形成方法は、このような装置を用いて画像を形成することができる。上記構成により、トナーホッパー57の内部からトナーアジテータ61及びトナー補給機構62により、トナー56は、現像剤収容部59へ供給され、現像剤撹拌機構60で撹拌されることによって、所望の摩擦/剥離電荷が付与され、キャリア58と共に現像剤として、現像スリーブ52に担持されて感光体ドラム51の外周面と対向する位置まで搬送され、トナー56が感光体ドラム51上に形成された静電潜像と静電的に結合することにより、感光体ドラム51上にトナー像が形成される。
図6に、このような現像装置を有する画像形成装置の一例を示す。感光体ドラム51の周囲に、帯電装置63、像露光系64、現像装置65、転写装置66、クリーニング装置67、除電ランプ68が配置されている。帯電装置63の表面は、感光体51の表面とは、約0.2mmの距離を置いて非接触状態にあり、帯電装置63により感光体51に帯電を施す際、帯電装置63に図示しない電圧印加手段によって直流成分に交流成分を重畳した電界により感光体51を帯電させることにより、帯電ムラを低減することができる。
画像形成の一連のプロセスは、ネガ−ポジプロセスで説明を行うことができる。感光体51は、除電ランプ68で除電され、帯電チャージャ、帯電ローラ等の帯電装置63で均一にマイナスに帯電され、レーザー光学系等の像露光系64より照射されるレーザー光で潜像が形成される。
レーザー光は、半導体レーザーから発せられて、高速で回転する多角柱の多面鏡(ポリゴン)等により、感光体51の表面を、感光体51の回転軸方向に走査する。このようにして形成された潜像が、現像装置65の現像スリーブ52上に供給されたトナー56及びキャリア58からなる現像剤により現像され、トナー像が形成される。潜像の現像時には、電圧印加機構(図示せず)から、現像スリーブ52と、感光体51との間に、直流電圧又はこれに交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される。
一方、紙等の転写媒体69が、給紙機構(図示せず)から給送され、上下一対のレジストローラ(図示せず)で画像先端と同期をとって感光体51と転写装置66との間に給送され、トナー像が転写される。このとき、転写装置66には、転写バイアスとして、トナーが帯電している極性と逆極性の電位が印加されることが好ましい。その後、転写媒体69は、感光体51から分離され、転写像が得られる。
また、感光体51上に残存するトナー56は、クリーニング装置67のクリーニングブレード70により、クリーニング装置67内のトナー回収室71へ回収される。
回収されたトナー56は、トナーリサイクル手段(図示せず)により、現像剤収容部59及び/又はトナーホッパー57に搬送され、再使用されてもよい。
画像形成装置は、現像装置65を複数配置し、転写媒体69上へトナー像を順次転写した後、定着機構へ送り、熱等によってトナーを定着する装置であってもよく、一端、中間転写媒体上へ複数のトナー像を転写し、これを一括して転写媒体69に転写した後、定着する装置であってもよい。
図7に、本発明の画像形成方法を用いた画像形成装置の一例を示す。感光体51は、駆動ローラ72により駆動され、帯電装置63による帯電、像露光系64による像露光、現像装置65による現像、転写装置66を用いる転写、光源73によるクリーニング前露光、クリーニング装置67及びクリーニングブレード70によるクリーニング、除電ランプ68による除電が繰返し行われる。
図8に、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す。このプロセスカートリッジは、感光体51と、近接型の帯電装置63、現像装置65、クリーニング装置67を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジである。このため、本発明の画像形成方法を用いて、画像を形成することができる。
以下に、本発明を実施例及び比較例を用いて説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下、部は、重量部を意味する。
(感光体製造例1)
アルキッド樹脂ベッコゾール1307−60−EL(大日本インキ化学工業社製)6部、メラミン樹脂スーパーベッカミン G−821−60(大日本インキ化学工業社製)4部、酸化チタンCR97(石原産業社製)40部及びメチルエチルケトン50部からなる下引き層用塗工液を作製した。
化学構造式
Figure 2006227178
で示されるビスアゾ顔料2.5部、ポリビニルブチラールXYHL(UCC社製)0.5部、シクロヘキサノン200部及びメチルエチルケトン80部からなる電荷発生層用塗工液を作製した。
ビスフェノールZポリカーボネートのパンライトTS−2050(帝人化成社製)10部、化学構造式
Figure 2006227178
で示される低分子電荷輸送物質7部、テトラヒドロフラン100部、シリコーンオイル1%含有テトラヒドロフラン溶液KF50−100CS(信越化学工業社製)0.2部及び酸化防止剤3,3’−チオジプロピオン酸ジステアリル0.02部からなる電荷輸送層用塗工液を作製した。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーとして、分子量296のトリメチロールプロパントリアクリレートのカヤラッドTMPTA(日本化薬社製)10部、電荷輸送性構造を有する単官能のラジカル重合性モノマー(例示化合物No.54)10部、光重合開始剤として、(1−ヒドロキシシクロヘキシル)フェニルケトンのイルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)1部及びテトラヒドロフラン100部からなる架橋型電荷輸送層用塗工液を作製した。
直径30mmのアルミニウムシリンダー上に、下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥することにより、膜厚3.5μmの下引き層、膜厚0.2μmの電荷発生層、膜厚10μmの電荷輸送層を形成した。この電荷輸送層上に架橋型電荷輸送層用塗工液をスプレー塗工し、160W/cmのメタルハライドランプを用いて、照射距離120mm、照射強度200mW/cm、照射時間60秒の条件で光照射を行い、さらに130℃で30分乾燥して、膜厚11μmの架橋型電荷輸送層を設け、感光体1を得た。
(感光体製造例2)
電荷輸送層及び架橋型電荷輸送層の膜厚を、それぞれ19μm及び2μmとしたこと以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体2を得た。
(感光体製造例3)
10部のカヤラッドTMPTA、電荷輸送性構造を有する単官能のラジカル重合性モノマー(例示化合物No.127)10部、1部のイルガキュア184及びテトラヒドロフラン100部からなる架橋型電荷輸送層用塗工液を作製した。
上記の架橋型電荷輸送層塗工液を用いた以外は、感光体製造例2と同様にして、感光体3を製造した。
(感光体製造例4)
10部のパンライトTS−2050、化学構造式
Figure 2006227178
で示される低分子電荷輸送物質7部、7部の酸化チタンCR97、テトラヒドロフラン100部、0.2部のKF50−100CS及び3,3’−チオジプロピオン酸ジステアリル0.02部からなる表面保護層用塗工液を作製した。
架橋型電荷輸送層用塗工液の替わりに上記の表面保護層用塗工液を用いた以外は、感光体製造例2と同様にして、感光体4を製造した。
(感光体製造例5)
化学構造式
Figure 2006227178
で示される高分子電荷輸送物質(x/y=36/64)15部、テトラヒドロフラン100部、0.2部のKF50−100CSからなる表面層用塗工液を作製した。
架橋型電荷輸送層用塗工液の替わりに上記の表面層用塗工液を用いた以外は、感光体製造例2と同様にして、感光体5を製造した。
(トナー製造例)
ポリエステル樹脂60部、スチレンアクリル樹脂25部、カルナバワックス1号品5部、カーボンブラック#44(三菱化学社製)9部及びアゾ化合物T−77(保土ヶ谷化学社製)3部をブレンダーで十分に混合した後、2軸式押出し機を用いて溶融混練し、放冷後カッターミルで粗粉砕し、次いでジェット気流式微粉砕機で微粉砕し、さらに風力分級機を用いて分級して、重量平均平均粒子径6.9μm、真比重1.25g/cmのトナー母粒子を得た。さらに、このトナー母粒子100部に対して、疎水性シリカ微粒子R972(日本アエロジル社製)0.7部を加え、ヘンシェルミキサーで混合して、トナーを得た。
(キャリア製造例1)
シリコーン樹脂SR2411(東レダウコーニングシリコーン社製)を希釈して、固形分5%のシリコーン樹脂溶液を得た。この溶液に、化学構造式
N(CHSi(OC
で示されるアミノシランカップリング剤を、シリコーン樹脂の固形分に対して、2.0重量%添加した溶液を、流動床型コーティング装置を用いて、磁性体粒子1の表面に、90℃の雰囲気下で30g/分の割合で塗布し、さらに230℃で2時間加熱して、表3に示した性状を持つキャリア1を得た。
Figure 2006227178
(キャリア製造例2)
磁性体粒子1をそのままキャリア2として使用した。
(キャリア製造例3〜12)
磁性体粒子1の替わりに磁性体粒子2〜11を用いたこと以外は、キャリア製造例1と同様にして、キャリア3〜12を作製した。
(キャリア製造例13)
アミノシランカップリング剤を添加しなかったこと以外は、キャリア製造例1と同様にして、キャリア13を作製した。
(実施例及び比較例)
以上の感光体製造例で得た感光体1〜5をデジタルカラー複写機・プリンター複合機イマジオカラー4000(リコー社製)に搭載した。また、トナー製造例で得たトナーと、キャリア製造例1〜13で得たキャリア1〜13を用いて、現像剤を製造した。現像剤は、キャリアに対するトナーの被覆率が50%となるようにブレンド比を調節し、ボールミルで20分間攪拌して作製した。
得られた現像剤を用いて画像形成を行い、その画像品質の確認及び信頼性試験等の特性試験を行った。なお、現像条件は、現像ギャップ(感光体−現像スリーブ間の距離)を0.35mmとし、ドクターギャップ(現像スリーブ−ドクター間の距離)を0.65mmとし、感光体の表面における線速度を200mm/秒とし、現像スリーブの表面における線速度を360mm/秒とし、書き込み密度を600dpiとし、帯電電位Vdを−600Vとし、画像部(べた原稿)にあたる部分の露光後の電位Vlを−150Vとし、現像バイアスを直流電圧で−500Vとした。
品質評価は転写紙上で実施した。ただし、キャリア付着は、現像後転写前の感光体から粘着テープに転写して観察した。
評価を実施した感光体とキャリアの組み合わせ、その組み合わせにおける評価結果を表4に示す。
Figure 2006227178
なお、これら実施例及び比較例において採用した試験方法を以下に示す。
(1)トナー帯電量
図4に示す装置を用いて、トナーの帯電量を測定した。
(2)画像濃度
30mm×30mmのベタ部の中心をX−Rite938分光測色濃度計で、5個所測定し、平均値を求め、評価した。
(3)地汚れ
転写紙上の地肌部(非画像部)に付着しているトナーの個数を数え、1cm当たりの付着個数に換算して、評価した。トナー付着数(個/cm)が0〜36であるものをランク10、37〜72であるものをランク9、73〜108であるものをランク8、109〜144であるものをランク7、145〜180であるものをランク6、181〜216であるものをランク5、217〜252であるものをランク4、253〜288であるものをランク3、289〜324であるものをランク2、325以上であるものをランク1として、判定した。このとき、実用上問題のないレベルは、ランク5以上である。
(4)ハイライト部の均一性

粒状度=exp(aL+b)∫{WS(f)}1/2VTF(f)df
で定義される粒状度(明度範囲:50〜80)を測定して、評価した。ここで、Lは、平均明度、fは、空間周波数(cycle/mm)、WS(f)は、明度変動のパワースペクトル、VTF(f)は、視覚の空間周波数特性、a、bは、係数である。粒状度が−0.10〜0であるものをランク10、0〜0.05であるものをランク9、0.05〜0.10であるものをランク8、0.10〜0.15であるものをランク7、0.15〜0.20であるものをランク6、0.20〜0.25であるものをランク5、0.25〜0.30であるものをランク4、0.30〜0.40であるものをランク3、0.40〜0.50であるものをランク2、0.50以上であるものをランク1として、判定した。このとき、実用上問題のないレベルは、ランク5以上である。
(5)キャリア付着
副走査方向に2ドットライン(100lpi/inch)の画像パターンを作成し、2ドットラインのライン間(面積100cm)に付着したキャリアを粘着テープで転写し、その個数を評価した。キャリアの個数が0であるものをランク10、1〜10個であるものをランク9、11〜20個であるものをランク8、21〜30個であるものをランク7、31〜50個であるものをランク6、51〜100個であるものをランク5、101〜300個であるものをランク4、301〜600個であるものをランク3、601〜1000個であるものをランク2、1000個以上であるものをランク1として、判定した。このとき、実用上問題のないレベルは、ランク5以上である。
(6)現像画像の経時品質
初期画像出しに使用したトナーを補給しながら、画像面積率6%の文字画像チャートで3万枚のランニングを行った。ランニング後、上記(1)〜(5)の試験を同基準で実施した。この結果を表5に示した。
Figure 2006227178
(7)感光体の経時品質
上記(6)の試験を実施した後、30℃、85%RH環境下にイマジオカラー4000を移し、初期画像出しに使用したトナーを補給しながら、画像面積率6%の文字画像チャートで17万枚のランニングを行い、一昼夜放置した後、上記(2)の試験を同基準で実施した。また、感光体の傷を目視で確認し、さらに感光体の磨耗量を測定した。この結果を表6に示した。
Figure 2006227178
本発明で用いられる感光体の一部を示す断面図である。 超音波発振器付振動ふるい機の一例を示す図である。 体積抵抗率を測定するセルを示す図である。 トナーの帯電量の測定装置を示す図である。 本発明の画像形成方法を適用した現像装置の一例を示す図である。 本発明の画像形成方法を適用した画像形成装置の一例を示す図である。 本発明の画像形成方法を適用した画像形成装置の一例を示す図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例を示す図である。
符号の説明
11 導電性支持体
12 電荷発生層
13 電荷輸送層
14 架橋型電荷輸送層
21 円筒容器
22 スプリング
23 ベース(支持台)
24 金網
25 共振リング
26 高周波電流ケーブル
27 コンバータ
28 リング状フレーム
31 電極
32 キャリア
41 導体容器(ケージ)
42、56 トナー
43、58 キャリア
51 感光体ドラム
52 現像スリーブ
53 現像剤収容部材
54 ドクターブレード
55 支持ケース
57 トナーホッパー
59 現像剤収容部
60 現像剤撹拌機構
61 トナーアジテータ
62 トナー補給機構
63 帯電装置
64 像露光系
65 現像装置
66 転写装置
67 クリーニング装置
68 除電ランプ
69 転写媒体
70 クリーニングブレード
71 トナー回収室
72 駆動ローラ
73 光源

Claims (15)

  1. 感光体に形成された潜像を現像剤で現像する工程を有する画像形成方法において、
    前記感光体は、少なくとも、三官能以上のモノマー及び電荷輸送性構造を有する単官能のモノマーを共重合することにより得られる共重合体を含有する層を表面に有し、
    前記現像剤は、磁性体粒子からなるキャリアを含有し、
    前記キャリアの重量平均粒子径は、22μm以上32μm以下であり、
    前記キャリアの形状係数SF1は、100以上130以下であり、
    前記キャリアの形状係数SF2は、100以上120以下であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記層の膜厚は、1μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記三官能以上のモノマーは、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の少なくとも一方を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 前記電荷輸送性構造を有する単官能のモノマーは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  5. 前記キャリアの個数平均粒子径に対する重量平均粒子径の比は、1以上1.2以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  6. 前記キャリアは、粒子径が20μmより小さい粒子を0重量%以上7重量%以下含有し、粒子径が36μmより小さい粒子を90重量%以上100重量%以下含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  7. 前記キャリアは、粒子径が44μmより小さい粒子を98重量%以上100重量%以下含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  8. 1kOeの磁界を印加したときの前記キャリアの磁化は、50emu/g以上150emu/g以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  9. 前記磁性体粒子は、Mn−Mg−Sr系フェライト、Mn系フェライト又はマグネタイトであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  10. 前記キャリアの嵩密度は、2.1g/cm以上2.6g/cm以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  11. 前記キャリアの体積抵抗率は、1×1011Ω・cm以上1×1016Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  12. 前記磁性体粒子は、樹脂を含有する層を表面に有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  13. 前記樹脂は、アミノシランカップリング剤及びシリコーン樹脂を反応させることにより生成する生成物を含有することを特徴とする請求項12に記載の画像形成方法。
  14. 前記現像剤は、現像スリーブに担持されており、
    前記現像スリーブは、前記感光体に対向すると共に前記感光体との距離が0.4mm以下になるように設けられ、
    現像バイアスとして、直流電圧及び交流電圧の少なくとも一方を印加することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  15. 少なくとも感光体及び現像手段を具備するプロセスカートリッジにおいて、
    請求項1乃至14のいずれか一項に記載の画像形成方法を用いて画像を形成することを特徴とするプロセスカートリッジ。
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