JP2000181138A - 静電荷像現像剤 - Google Patents

静電荷像現像剤

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JP2000181138A
JP2000181138A JP36251798A JP36251798A JP2000181138A JP 2000181138 A JP2000181138 A JP 2000181138A JP 36251798 A JP36251798 A JP 36251798A JP 36251798 A JP36251798 A JP 36251798A JP 2000181138 A JP2000181138 A JP 2000181138A
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resin
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acid
reaction
toner
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JP36251798A
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Masanobu Nakamura
正延 中村
Toshiro Furukawara
俊郎 古川原
Hideki Karibayashi
秀樹 鳫林
Yoshinori Shimane
義憲 島根
Ryozo Sugawara
良三 菅原
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ヒートロール定着方式での定着性及び耐オフセ
ット性に優れ、かつ、連続印刷においても安定な帯電挙
動を示し、良好な高画質画像が得られる耐久性に優れた
静電荷像現像剤を提供する。 【解決手段】(1)2〜4価のエポキシ化合物の一種また
はそれ以上 (2)2価以上の多塩基酸及び/又は酸無水物及び/又は
これらの低級アルキルエス テルから選ばれる多塩基
酸化合物 (3)2価以上の多価アルコール とを重合して得られるポリエステル樹脂をバインダー樹
脂として用いたトナーよりなる静電荷像現像剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、あるいは静電印刷法に用いる静電荷像現像剤に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真法としては、米国特許第2,2
97,691号、特公昭42−23910号公報及び特
公昭43−24748号公報などに各種の方法が記載さ
れているが、通常は、光導電性感光体等の静電潜像担持
体上に帯電、露光により静電潜像を形成し、次いでこの
静電潜像を、バインダー樹脂中に着色剤を含有するトナ
ー組成物によって現像し、得られたトナー像を転写紙な
どの支持体に転写、定着して可視画像を形成する方法が
一般的である。
【0003】また、電子写真法における現像方法として
は多くの方法が知られているが、大別すると、鉄粉、フ
ェライト、ニッケル、ガラス等の微粒子(20〜500
μm)からなるキャリアとトナーとの混合物を現像剤と
して用いる二成分現像法と、トナーのみからなる現像剤
を用いる一成分現像法とがある。
【0004】二成分現像法の代表例としては、米国特許
第2,618,552号記載のカスケード法、及び米国
特許2,874,063号記載の磁気ブラシ法がある。
これらの方法はキャリアが現像剤の攪拌、搬送、帯電な
どの機能を分担しておりキャリアとトナーの機能分離が
明確になっている。そのためトナーの帯電制御や現像剤
層の形成が比較的容易で、高速化にも対応可能なことか
ら現在広く用いられている。
【0005】ところで、近年における情報化社会の発展
に伴い、電子写真、静電記録、静電印刷の各分野におい
ても印刷画像の高品質化、記録の高速化、高密度化、長
期保存安定性等の要求が高まり、静電潜像を非印刷媒体
上に記録するトナーの特性改善に寄せられる期待は多大
なものとなっている。特に、高速印刷に適した二成分現
像剤におけるトナーにおいては、キャリアとの摩擦に耐
える強度、ヒートロール定着方式における広い温度領域
での安定した定着挙動等が重要な特性であり、これらの
特性はトナー組成物に用いられるバインダー樹脂の特性
に負うところが非常に大きい。
【0006】これまでトナー用のバインダー樹脂として
は、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重
合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル、
エポキシ樹脂、ポリブチラール樹脂、キシレン樹脂、ク
マロンインデン樹脂等が研究使用され、これらの樹脂の
設計においては、用途に応じて種々の提案が為されてい
る。
【0007】一般的には、バインダー樹脂に求められる
特性としては、帯電、定着特性等、種々の特性がある
が、特に、ヒートロール定着用途のトナーに用いられる
バインダー樹脂には、転写紙への定着性能と耐オフセッ
ト性能の向上が要求されている。ヒートロール定着で
は、転写紙上に静電的に付着したトナー粒子は、加圧、
加熱された熱ロール間を通過することにより溶融して転
写紙に定着する。ところが、その際にロールの表面温度
が低すぎると、トナー粒子層全体が充分に加熱されず、
加熱ロールに接触した面のみが軟化して加熱ロールに付
着する。転写紙側のトナーは軟化していないため付着力
が生じず、結局、転写紙上のトナー層は転写紙に定着す
ることなく、ほとんどが定着ロール側に移行する。これ
をコールドオフセットと呼んでいる。
【0008】逆に、ロール表面の温度が高すぎると、溶
融したトナーの粘度が低下する。それに伴い、溶融した
トナー層の内部凝集力も急激に低下して加熱ロールへの
付着力を下回る。その結果、溶融したトナー層は破断し
て転写紙、及び定着ロール双方に移行する。これをホッ
トオフセットと呼び加熱ロールの汚染の原因となってい
る。ヒートロールに付着したトナーは転写紙に再転写し
て非画像部を汚し、印刷品質の低下をもたらす。
【0009】耐オフセット性能とは、トナーがある温度
においてコールドオフセット、あるいはホットオフセッ
トを生じない能力を有することを意味し、トナー用のバ
インダー樹脂には広い温度領域で耐オフセット性能を有
し、なおかつ優れた定着特性を有することが求められて
いる。
【0010】以上の目的を達成するため数多くの設計例
が提唱されており、中でも加熱溶融時の粘弾性を維持す
る目的で、あるいは温度変動に対する粘度変化を抑える
目的で、分子量分布の拡大、架橋構造の付与、ゴム弾性
材料の適用等の手段が施された技術が検討されてきた。
これまでの研究でポリエステル樹脂がヒートロール定着
用樹脂として用い得ることは広く知られている。たとえ
ば、特公昭52−25420号、同53−17496
号、同55−49305号、特開昭55−38524
号、同57−37353号、同58−11952号等の
各公報がある。しかしながら、従来提案されているこれ
らの発明では、現在求められている広い温度領域での耐
オフセット性能、定着性能を十分に満足するポリエステ
ル樹脂は得られていない。
【0011】特開昭60−98444号公報には、バイ
ンダー樹脂としてポリエステル樹脂を用いる静電荷像現
像剤として、 (A)2〜4価のエポキシ化合物 (B)芳香族ジカルボン酸単位を少なくとも80モル%含
むジカルボン酸単位 (C)対象性グリコール単位を少なくとも80モル%含む
グリコール単位 (D)3価若しくは4価のカルボン酸又はその酸無水物ま
たはそれらの混合物 を用いて、(B)と(C)の反応後(D)を反応させ、さらに(A)
を反応させて得られるポリエステル樹脂であることを特
徴とする静電荷像現像剤が記載されている。
【0012】しかしながら、特に高速印刷における現像
装置内でのシェアに耐え、低温での十分な定着強度を有
し、さらに高温での耐オフセット性能を有する樹脂は未
だかつて見出されていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、定着性及び
耐オフセット性に優れ、かつ、連続印刷した際も安定な
帯電挙動を示し、良好な高画質画像が得られる耐久性に
優れた静電荷像現像剤を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達し
た。
【0015】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、少なくとも、バインダー樹脂と着色剤と帯電制御剤
とを含有してなる着色樹脂粒子及び樹脂被覆磁性キャリ
アからなる静電荷像現像剤において、前記バインダー樹
脂が、 (1)2〜4価のエポキシ化合物の一種またはそれ以上 (2)2価以上の多塩基酸及び/又は酸無水物及び/又は
これらの低級アルキルエステルから選ばれる多塩基酸化
合物 (3)2価以上の多価アルコール を用いて、これら(1)〜(3)を一括仕込みで反応させる
か、(1)と(3)反応後さらに(2)を反応させるか、または
(1)と(2)反応後さらに(3)を反応させるかして得られる
ポリエステル樹脂であることを特徴とする静電荷像現像
剤を提供するものである。
【0016】本発明では、まず、少なくとも、バインダ
ー樹脂と着色剤と帯電制御剤とを含有してなる着色樹脂
粒子を用いる。本発明におけるバインダー樹脂は、ポリ
エステル樹脂であり、以下の原料より得られる。
【0017】本発明に用いられる2〜4価のエポキシ化
合物(1)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂、エチレングリコールジ
グリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテ
ル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、
トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、ペンタ
エリスリトールテトラグリシジルエーテル、ハイドロキ
ノンジグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジルアニ
リン、テトラキス1,1,2,2(p−ヒドロキシフェ
ニル)エタンテトラグリシジルエーテル、エポキシ基を
有するビニル化合物の重合体、あるいは共重合体、エポ
キシ化レゾルシノール−アセトン縮合物、部分エポキシ
化ポリブタジエン、半乾性もしくは乾性脂肪酸エステル
エポキシ化合物の一種以上のものが挙げられる。
【0018】これらの中でも、クレゾールノボラック型
エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、
グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプ
ロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールエタン
トリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラ
グリシジルエーテルがより好適に用いられる。
【0019】本発明で用いられる、2価以上の多塩基酸
及び/又は酸無水物及び/又はこれらの低級アルキルエ
ステルから選ばれる多塩基酸化合物〔以下、多塩基酸化
合物(2)と略記する。〕としては、例えば無水フタル
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ア
ジピン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸、シトラコン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、
テトラヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン
酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アゼライン酸、
セバシン酸等のジカルボン酸又はその誘導体又はそのエ
ステル化物が、また、例えばトリメリット酸、無水トリ
メリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸等の
三官能以上の多価カルボン酸又はその誘導体又はそのエ
ステル化物挙げられる。
【0020】これら多塩基酸化合物(2)には、上記した
通り、マレイン酸やフマル酸等の付加重合性を有する多
塩基酸化合物と、テレフタル酸やアジピン酸等の非付加
重合性の多塩基酸化合物があるが、本発明においては、
多塩基酸化合物(2)として非付加重合性の多塩基酸化合
物のみを用いるのが好ましい。
【0021】また、2価以上の多価アルコール(3)とし
ては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタン
ジオール、ヘキサンジオール、ビスフェノールA、ポリ
オキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン及びその誘導体、ポリオキシ
プロピレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.
2)−ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロ
ピレン−(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポ
リオキシプロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン
−(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン及びその誘導体、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド−
プロピレンオキサイドランダム共重合体ジオール、エチ
レンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合
体ジオール、エチレンオキサイド−テトラハイドロフラ
ン共重合体ジオール、ポリカプロカクトンジオール等の
ジオールが、また、ソルビトール、1,2,3,6−ヘ
キサンテトラオール、1,4−ソルビタン、ペンタエリ
スリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,
5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロ
パントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリ
オール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、1,3,5−トリメチロールベンゼン、等の三官能
以上の多価アルコールが挙げられる。
【0022】本発明においては、例えばポリオキシプロ
ピレン−(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポ
リオキシプロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン
−(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン及びその誘導体、の様なビスフェノールA
プロピレンオキサイド付加物をポリオキシプロピレン−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと称する。
【0023】本発明に用いる2価以上のアルコールとし
ては、ポリオキシプロピレン−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパンを含むことが好ましい。
【0024】本発明におけるポリエステル樹脂は、例え
ば触媒の存在下で上記の原料成分(1)(2)(3)を用いて脱
水縮合反応或いはエステル交換反応を行うことにより得
ることができる。この際の反応温度及び反応時間は、特
に限定されるものではないが、通常150〜300℃で
2〜24時間である。
【0025】上記反応を行う際の触媒としては、例えば
酸化亜鉛、酸化第一錫、モノブチル錫オキサイド、ジブ
チル錫オキサイド、ジブチル錫ジラウレート、パラトル
エンスルホン酸等を適宜使用する事が出来る。
【0026】本発明におけるポリエステル樹脂は、例え
ば下記タイプ1〜2の工程により製造することができ
る。 <タイプ1>;(1)、(2)、(3)各成分を一括で仕込み反
応させる(一括反応) <タイプ2>;(1)、(2)反応後(3)を、あるいは(1)、
(3)反応後(2)を反応させる(二段反応)
【0027】従来技術の方法としては、以下の方法があ
る。 <タイプ3>;(2)、(3)の反応によるポリエステル主鎖
の製造後に(1)を反応させる(二段反応)
【0028】本発明で採用するタイプ1及びタイプ2の
方法で得た樹脂と、従来法で得た樹脂との化学構造上ま
たはトナーとした場合の効果上の相違点は以下の通りで
ある。
【0029】上記3つのタイプの反応により製造された
樹脂の骨格は若干異なる。タイプ1、およびタイプ2に
おいては架橋剤であるエポキシ化合物がカルボン酸単量
体、及び、又はアルコールの単量体と反応した後に主鎖
延長の反応が起きる。したがって、この場合、主鎖延長
の反応が起きる前にカルボン酸、あるいはアルコール単
量体の1分子と、これら単量体の価数に応じた分子数、
つまり2分子以上のエポキシ架橋剤が反応するケースが
生じる。極端なケースではこのような反応が連鎖的に起
きることにより非常に高密度にエポキシ架橋剤が存在す
る部分が生じることになる。
【0030】特に本発明で用いるようなエポキシ化合物
は1ヶのエポキシ基がカルボキシル基あるいは水酸基と
反応することにより2級水酸基が発生し、この水酸基が
さらに他のカルボキシル基と反応する。つまり1ヶのエ
ポキシ基は2価の基として作用するので、タイプ1、及
びタイプ2の反応におけるポリエステル樹脂は非常に高
い密度の架橋構造を採ることになる。
【0031】一方、架橋剤が集中して密の部分が生じる
と言うことは、逆に、その後の主鎖延長反応において架
橋密度が疎の部分を生じることになる。つまり、タイプ
1、およびタイプ2においては樹脂中に高架橋密度部分
と低架橋密度部分が生じて架橋密度のばらつきが発生す
ることになる。
【0032】ところで、トナーはバインダー樹脂の低分
子量成分が溶融して紙に浸透、あるいは隣接トナー粒子
と融着することにより定着する。また、バインダー樹脂
の高分子量成分が高温時においても弾性を保持して定着
ロールへのオフセットを防止する。したがって、バイン
ダー樹脂中に架橋密度の疎密を持つと言うことは分子量
分布が非常に広くなることを意味し、より広範囲な温度
領域において良好な定着特性、耐オフセット性が得られ
ることになる。また、高架橋密度成分を保有するトナー
は現像装置内でのキャリアとの摩擦に十分耐える力学的
強度を有している。
【0033】一方、タイプ3の反応は先にカルボン酸と
アルコールを反応させて主鎖を形成してからエポキシ架
橋剤を反応させる方法である。この場合、ポリエステル
主鎖の両末端にエポキシ化合物が反応することになるの
で、タイプ1、およびタイプ2において生じたエポキシ
架橋剤が非常に近接した構造をとる確率は非常に低くな
る。
【0034】本発明においては2〜4価のエポキシ化合
物が必須であるので、タイプ3の方法でもかなりの架橋
密度が得られ、分子量分布が広くなるが、タイプ1、お
よびタイプ2には及ばない。
【0035】以上の理由により本発明のポリエステル樹
脂の製造に際しては上記タイプ1、およびタイプ2の反
応方式を用いることがより好ましい。また、特に製造工
程の短縮、簡略化の観点からタイプ1の反応形式を用い
ることが最も好ましい。
【0036】本発明に用いられるポリエステル樹脂のガ
ラス転移温度(Tg)は55℃以上のものが好ましい
が、なかでも、そのTgが55〜85℃のものが特に好
ましい。
【0037】また、本発明に使用されるポリエステル樹
脂の軟化点としては、90℃以上、なかでも、90℃〜
180℃の範囲のものが好ましい、より好ましくは、1
10℃〜150℃の範囲である。軟化点が90℃未満の
場合は、トナーが凝集現象を生じやすく、保存時や印字
の際にトラブルになりやすく、180℃を越える場合に
は定着性が悪くなることが多い。
【0038】本発明に用いられるバインダー樹脂として
は、Tgが55〜85℃かつ軟化点が90℃〜180℃
のものが特に好ましい。
【0039】従って、本発明で用いるバインダー樹脂と
しては、ガラス転移温度が55℃〜85℃で、かつ軟化
点が90℃〜180℃であるものが最も好ましい。
【0040】本発明のポリエステル樹脂の酸価として
は、20mgKOH/g以下であることが、トナーの耐
湿性が良好となる点で好ましい。
【0041】本発明で使用することのできる着色剤とし
ては、周知のものがあげられる。黒の着色剤としては製
法により分類されるファーネスブラック、チャンネルブ
ラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ラン
プブラック、等のカーボンブラックが、青系の着色剤と
してはフタロシアニン系のC.I.PigmentBl
ue 15−3、インダンスロン系のC.I.Pigm
ent Blue 60等が、赤系の着色剤としてはキナ
クリドン系のC.I.Pigment Red 122、
アゾ系のC.I.Pigment Red 22、C.
I.Pigment Red 48:1、C.I.Pig
ment Red 48:3、C.I.Pigment
Red 57:1等が、黄系の着色剤としてはアゾ系の
C.I.Pigment Yellow 12、C.I.
Pigment Yellow 13、C.I.Pigm
ent Yellow 14、C.I.Pigment
Yellow 17、C.I.Pigment Yell
ow 97、C.I.Pigment Yellow 1
55、イソインドリノン系のC.I.Pigment
Yellow 110、ベンズイミダゾロン系のC.
I.Pigment Yellow 151、C.I.P
igment Yellow 154、C.I.Pigm
ent Yellow 180、等がある。着色剤の含有
量は、1重量部から20重量部の範囲内にある。これら
の着色剤は1種又は2種以上の組み合わせで使用するこ
とができる。
【0042】本発明に用いられる帯電制御剤としては、
公知慣用の正負いずれの帯電制御剤を用いることもでき
るが、例えば正帯電制御剤としてニグロシン系染料、4
級アンモニウム塩、4級アンモニウム塩及び/又はアミ
ノ基を含有する樹脂、負帯電制御剤としてトリメチルエ
タン系染料、サリチル酸の金属錯塩、ベンジル酸の金属
錯塩、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、ア
ゾ系顔料、金属錯塩アゾ系染料、アゾクロムコンプレッ
クス等の重金属含有酸性染料、カリックスアレン型のフ
ェノール系縮合物、環状ポリサッカライド、カルボキシ
ル基及び/又はスルホニル基を含有する樹脂、等が必要
に応じて用いられる。本発明の着色樹脂粒子では、正帯
電制御剤を含めるのがよい。これらの帯電制御剤はバイ
ンダー樹脂100重量部当たり0.5〜5重量部用いる
事が望ましい。
【0043】本発明における着色樹脂粒子は、トナーと
して機能し、上記の様なポリエステル樹脂からなるバイ
ンダー樹脂、着色剤、帯電制御剤を必須成分として構成
されるが、着色樹脂粒子には、その他の添加剤を含める
様にしても良い。
【0044】更にヒートロール定着用途では、トナーの
ヒートロール付着汚れ(オフセット)によるトラブル防
止を目的として、離型効果を高める助剤として、種々の
ワックス類が必要に応じて使用され、例えばモンタン酸
エステルワックスの如き天然ワックス、高圧法ポリエチ
レン、ポリプロピレンの如きポリオレフィン系ワックス
が使用出来る。
【0045】滑剤としては、例えば金属石鹸、ステアリ
ン酸亜鉛等が、研磨剤としては、例えば酸化セリウム、
炭化ケイ素等も使用できる。
【0046】本発明のトナーは、特定の製造方法によら
ず極めて一般的な製造方法に依って得る事ができるが、
例えば樹脂と着色剤と帯電制御剤とを、樹脂の融点(軟
化点)以上で溶融混練した後、粉砕し、分級することに
より得ることが出来る。
【0047】具体的には例えば、上記の樹脂と着色剤と
帯電制御剤とを必須成分として、2本ロール、3本ロー
ル、加圧ニーダー、又は2軸押し出し機等の混練手段に
より混合する。この際、樹脂中に、着色剤等が均一に分
散すればよく、その溶融混練の条件は特に限定されるも
のではないが、通常80〜180℃で30秒〜2時間で
ある。着色剤は樹脂中に均一に分散するようにあらかじ
めフラッシング処理、あるいは樹脂と高濃度で溶融混練
したマスターバッチを用いても良い。
【0048】次いで、それを冷却後、ジェットミル等の
粉砕機で微粉砕し、風力分級機等により分級するという
方法が挙げられる。
【0049】トナー母体を構成する粒子の平均粒径は、
特に制限されないが、通常5〜15μmとなる様に調整
される。
【0050】通常、この様にして得られたトナー母体に
対しては、外添剤が、例えばヘンシェルミキサー等の混
合機を用いて混合される。
【0051】外添剤は、例えばトナーの流動性向上、帯
電特性改良などトナー母体の表面改質のために用いられ
るもので、二酸化珪素、酸化チタン、アルミナ等の無機
微粉体及びそれらをシリコーンオイルなどの疎水化処理
剤で表面処理したもの、樹脂微粉体等が用いられる。
【0052】シリカとしては、二酸化珪素のうちで疎水
性等を有するものが挙げられ、二酸化珪素を各種のポリ
オルガノシロキサンやシランカップリング剤等で表面処
理したものが挙げられる。例えば、次のような商品名で
市販されているものがある。
【0053】AEROSIL R972,R974,R
202,R805,R812,RX200,RY20
0、 R809,RX50〔日本アエロジル(株)〕 WACKER HDK H2000、H2050EP
〔ワッカーケミカルズイーストアジア(株)〕 Nipsil SS−10、SS−15,SS−20,
SS−50,SS−60,SS−100、SS−50
B,SS−50F,SS−10F、SS−40、SS−
70,SS−72F、〔日本シリカ工業(株)〕
【0054】このシリカは、異なる平均粒子径の2種以
上を併用するのが好ましい場合が多い。また、シリカの
使用割合はトナー母体に対して、通常0.05〜5重量
%、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0055】本発明の静電荷像現像剤は、着色樹脂粒子
を含むトナーと、表面に樹脂被覆した磁性キャリアとか
らなる。
【0056】本発明に用いられるキャリアのコア剤は通
常の二成分現像方式に用いられる鉄粉、マグネタイト、
フェライト等が使用できるが、中でも真比重が低く、高
抵抗であり、環境安定性に優れ、球形にし易いため流動
性が良好なフェライト、またはマグネタイトが好適に用
いられる。コア剤の形状は球形、不定形等、特に差し支
えなく使用できる。平均粒径は一般的には10〜500
μであるが、高解像度画像を印刷するためには30〜8
0μが好ましい。
【0057】また、これらのコア剤を被覆するコーティ
ング樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニル
アセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラ
ール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリ
ビニルエーテルポリビニルケトン、塩化ビニル/酢酸ビ
ニル共重合体、スチレン/アクリル共重合体、オルガノ
シロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂あるい
はその変性品、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポ
リエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、フェノ
ール樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミ
ン樹脂、ユリア樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂等が使
用できる。これらの中でも、特にシリコン樹脂、フッ素
樹脂、(メタ)アクリル樹脂が帯電安定性、被覆強度等
に優れ、より好適に使用し得る。
【0058】つまり本発明で用いられる樹脂被覆キャリ
アは、コア剤としてフェライト、あるいはマグネタイト
を用い、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリ
ル樹脂から選ばれる1種以上の樹脂で被覆された樹脂被
覆磁性キャリアであることが好ましい。
【0059】キャリア芯材表面への樹脂の被覆方法は特
に手段を選ぶものではないが、被覆樹脂の溶液中に浸漬
する浸漬法、被覆樹脂溶液をキャリア芯材表面へ噴霧す
るスプレー法、あるいはキャリアを流動エアーにより浮
遊させた状態で噴霧する流動床法、ニーダーコーター中
でキャリア芯材と被覆樹脂溶液を混合し、溶剤を除去す
るニーダーコーター法などが挙げられる。
【0060】被覆樹脂溶液中に使用される溶剤は被覆樹
脂を溶解するものであれば特に限定されるものではない
が、例えば、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエ
チルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が使用
できる。キャリア表面への被覆層の厚さは、通常0.1
〜3.0μである。
【0061】着色樹脂粒子を含むトナーと、樹脂被覆磁
性キャリアとの重量割合は特に制限されるものではない
が、通常キャリア100重量部当たり、トナー0.5〜
5重量部である。
【0062】
【発明の実施形態】
【0063】1. 少なくとも、バインダー樹脂と着色
剤と帯電制御剤とを含有してなる着色樹脂粒子及び樹脂
被覆磁性キャリアからなる静電荷像現像剤であって、前
記バインダー樹脂が、 (1)2〜4価のエポキシ化合物の一種またはそれ以上 (2)2価以上の多塩基酸及び/又は酸無水物及び/又は
これらの低級アルキルエステルから選ばれる多塩基酸化
合物 (3)2価以上の多価アルコール を用いて、これら(1)〜(3)を一括仕込みで反応させる
か、(1)と(3)反応後さらに(2)を反応させるか、または
(1)と(2)反応後さらに(3)を反応させるかして得られる
ポリエステル樹脂であることを特徴とする静電荷像現像
剤。
【0064】2. 多塩基酸化合物が、非付加重合性の
多塩基酸化合物である上記1記載の静電荷像現像剤。
【0065】3. 前記バインダー樹脂のガラス転移温
度が55℃〜85℃で、かつ軟化点が90℃〜180℃
であることを特徴とする上記1または2記載の静電荷像
現像剤。
【0066】4. 帯電制御剤が、正帯電制御剤である
上記1、2または3記載の静電荷像現像剤。
【0067】5. 樹脂被覆磁性キャリアが、シリコー
ン樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂から選ばれ
る1種以上の樹脂で被覆された樹脂被覆磁性キャリアで
ある上記1、2、3または4記載の静電荷像現像剤。
【0068】6.2価以上の多価アルコールが、ポリオ
キシプロピレン−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パンを含む上記1、2、3、4または5記載の静電荷像
現像剤。
【0069】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて、本発明を
更に詳細に説明する。なお、以下において、組成表内の
数値は『重量部』を表わす。最初にトナーを調製するに
あたって用いたバインダー樹脂の合成例を下記に示す。
【0070】(樹脂合成例1)ポリオキシプロピレン
(2,2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン527
部、テレフタル酸283部、ペンタエリスリトールテトラ
グリシジルエーテル25部、無水トリメリット酸20部、テ
トラブチルチタネート2.5部をガラス製2Lの四ツ口フラ
スコに入れ温度計、攪拌棒及び窒素導入管を取り付け、
電熱マントルヒーター中で、常圧窒素気流下にて240℃
で15時間反応後、順次減圧し、10mmHgで反応を続行し
た。反応はASTM・E28-517に準じる軟化点(以下、同
様。環球法)により追跡し、軟化点が135℃に達した時
反応を終了した。
【0071】得られた重合体は、無色の固体であり、酸
価6KOHmg、DSC測定法ガラス転移温度61℃、軟化点が137
℃であった。
【0072】(樹脂合成例2)合成例1におけるテレフ
タル酸を301部、ペンタエリスリトールテトラグリシジ
ルエーテルを35部として無水トリメリット酸を用いない
以外は合成例1と同様に合成を行った結果、酸価5KOHm
g、DSC測定法ガラス転移温度63℃、軟化点が136℃の無
色の樹脂が得られた。
【0073】(樹脂合成例3)合成例1におけるエピク
ロンN−695をエピクロン850(大日本インキ化学
工業(株)製ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキ
シ当量190)52部とした以外は合成例1と同様に合成
を行った結果、酸価4KOHmg、DSC測定法ガラス転移温度6
2℃、軟化点が134℃の無色の樹脂が得られた。
【0074】(樹脂合成例4)ポリオキシプロピレン
(2,2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン527
部、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルを
35部、テトラブチルチタネート2.5部をガラス製2Lの四
ツ口フラスコに入れ温度計、攪拌棒及び窒素導入管を取
り付け、電熱マントルヒーター中で、常圧窒素気流下に
て240℃で5時間反応後、テレフタル酸301部を添加して
さらに10時間反応を行った。その後順次減圧し、10mmHg
で反応を続行した。反応は上記した軟化点により追跡
し、軟化点が135℃に達した時点で反応を終了した。
【0075】得られた重合体は、無色の固体であり、酸
価7KOHmg、DSC測定法ガラス転移温度64℃、軟化点が137
℃であった。
【0076】(樹脂合成例5)テレフタル酸301部、ペ
ンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルを35部、
テトラブチルチタネート2.5部をガラス製2Lの四ツ口フ
ラスコに入れ温度計、攪拌棒及び窒素導入管を取り付
け、電熱マントルヒーター中で、常圧窒素気流下にて24
0℃で5時間反応後、ポリオキシプロピレン(2,2)-2,2-ビ
ス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン527部を添加してさ
らに10時間反応を行った。その後順次減圧し、10mmHgで
反応を続行した。反応は上記した軟化点により追跡し、
軟化点が133℃に達した時点で反応を終了した。
【0077】得られた重合体は、無色の固体であり、酸
価6KOHmg、DSC測定法ガラス転移温度62℃、軟化点が135
℃であった。
【0078】(樹脂合成例6)ポリオキシプロピレン
(2,2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン527
部、テレフタル酸301部、テトラブチルチタネート2.5部
をガラス製2Lの四ツ口フラスコに入れ温度計、攪拌棒
及び窒素導入管を取り付け、電熱マントルヒーター中
で、常圧窒素気流下にて240℃で10時間反応後、ペンタ
エリスリトールテトラグリシジルエーテルを35部添加し
てさらに5時間反応を行った。その後順次減圧し、10mmH
gで反応を続行した。反応は上記した軟化点により追跡
し、軟化点が132℃に達した時反応を終了した。
【0079】得られた重合体は、無色の固体であり、酸
価5KOHmg、DSC測定法ガラス転移温度63℃、軟化点が134
℃であった。
【0080】(樹脂合成例7)合成例2におけるペンタ
エリスリトールテトラグリシジルエーテルを使用せずに
無水トリメリット酸を45gとした以外は合成例1と同様
に合成を行った結果、酸価5KOHmg、DSC測定法ガラス転
移温度63℃、軟化点が135℃の無色の樹脂が得られた。
【0081】
【表1】表1.合成例一覧表
【表2】表1.合成例一覧表(つづき)
【0082】表中の表示は以下の通り。 PETGE:ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル BPA(2,2)PO:ポリオキシプロピレン(2,2)-2,2-ビス(4-
ヒドロキシフェニル)プロパン TPA:テレフタル酸 TMA:無水トリメリット酸 反応:タイプ1−(1)、(2)、(3)各成分同時に反応させ
る(一括反応) タイプ2−(1)、(2)反応後(3)を、あるいは(1)、(3)反
応後(2)を反応させる(二段反応) タイプ3−(2)、(3)の反応によるポリエステル主鎖の製
造後に(1)を反応 させる(二段反応)
【0083】 (実施例1) <トナーの製造> ・樹脂製造例1の樹脂 91重量部 ・カーボンブラック ブラックパールズ460(キャホ゛ット・スヘ゜シャルティー・ケミカルス゛・インク製) 5重量部 ・帯電制御剤(正帯電制御剤) ボントロン N−04(オリエント化学工業(株)製) 2重量部 ・ワックス ビスコール550P(三洋化成工業(株)製) 2重量部 をヘンシェルミキサーで混合し、2軸混練機で混練す
る。このようにして得た混練物を粉砕、分級してトナー
原体A’を得た。
【0084】 ・上記トナー原体A’ 100重量部 ・シリカHDK3050EP(クラリアントシ゛ャハ゜ン(株)) 1重量部 をヘンシェルミキサーで混合の後、篩いかけをして、ト
ナーA”得た。
【0085】 <現像剤の調整> ・上記トナーA” 5重量部 ・キャリア(シリコン樹脂被覆フェライトキャリア) 95重量部 を混合攪拌して現像剤Aを調整した。
【0086】(実施例2)実施例1における合成例1の
樹脂の代わりに、合成例2の樹脂を用いた以外は、実施
例1と同様にして現像剤Bを得た。
【0087】(実施例3)実施例1における合成例1の
樹脂の代わりに、合成例3の樹脂を用いた以外は、実施
例1と同様にして現像剤Cを得た。
【0088】(実施例4)実施例1における合成例1の
樹脂の代わりに、合成例4の樹脂を用いた以外は、実施
例1と同様にして現像剤Dを得た。
【0089】(実施例5)実施例1における合成例1の
樹脂の代わりに、合成例5の樹脂を用いた以外は、実施
例1と同様にして現像剤Eを得た。
【0090】(比較例1)実施例1における合成例1の
樹脂の代わりに、合成例6の樹脂を用いた以外は、実施
例1と同様にして比較用現像剤1を得た。
【0091】(比較例2)実施例1における合成例1の
樹脂の代わりに、合成例7の樹脂を用いた以外は、実施
例1と同様にして比較用現像剤2を得た。
【0092】上記実施例及び比較例で得られた現像剤に
ついて、定着開始温度、ホットオフセット開始温度、印
刷テストを以下の通り行った。
【0093】(ヒートロール定着・オフセット性能評
価)市販複写機改造機にてA−4紙サイズの未定着画像
サンプルを作成し、下記仕様のヒートロール定着ユニッ
トを用いて、定着開始温度、およびオフセット現象の有
無を確認した。
【0094】
【0095】定着強度は次式で計算される画像濃度残存
比率で判定した。画像濃度はマクベス画像濃度計RD−
918にて測定した。
【0096】画像濃度残存比率=堅牢度試験後画像濃度
/同左試験前画像濃度 ここで、堅牢度試験後画像濃度とは、学振型摩擦堅牢度
試験機(荷重:200g,擦り操作:5ストローク)を用い
て測定した。
【0097】定着強度としては、残存比率80%以上で実
用上問題ないレベルとし、その最低温度を定着開始温度
とした。オフセット開始温度は定着画像サンプルを観察
し、目視にてオフセット現象が認められる温度とした。
【0098】(印刷テスト)市販のレーザービームプリ
ンター(セレン感光体搭載)を用いて連続プリントによる
印字品質を評価すると共に、現像剤の帯電量を測定し
た。なお、帯電量はブローオフ帯電量測定機で測定し
た。画像濃度はマクベス濃度計RD−918で測定、地
汚れは白地部濃度からプリント前白紙濃度を差し引いて
求めた。
【0099】以上の評価結果を表2に示す。
【0100】
【表3】表2.評価結果
【0101】
【表4】表2.評価結果
【0102】
【表5】表2.評価結果(つづき)
【0103】表中の表示は次の通り。 *「帯電量」; μC/g *「地汚れ評価」○:0.01未満、△:0.01〜0.03未満,
×:0.03以上
【0104】表2から明らかな通り、本発明によるポリ
エステル樹脂を用いた現像剤では、ポリエステル主鎖の
製造後にエポキシ化合物を反応させる比較例1及びエポ
キシ架橋剤を含まない比較例2の現像剤と比較してより
低温で定着し、高温での耐オフセット性も優れている。
また、連続印刷テストにおいても本発明によるポリエス
テル樹脂を用いた現像剤は安定した帯電挙動を示し、地
汚れが無く十分な画像濃度の印刷が可能であった。一
方、比較例1及び比較例2の現像剤では印刷枚数の増加
と共に帯電量が低下し、画像濃度の低下、地汚れの発生
が確認された。50KP印刷後のキャリア表面にはトナ
ーのバインダー成分が付着し、スペントキャリアの発生
が認められた。
【0105】
【発明の効果】本発明によれば、バインダー樹脂とし
て、2〜4価のエポキシ化合物を2価以上の多塩基酸及
び2価以上の多価アルコールと特定反応順序にて反応さ
せたポリエステル樹脂を用いていることにより、ポリエ
ステル主鎖を合成後にエポキシ化合物により架橋させた
ポリエステル樹脂、あるいはエポキシ化合物を全く用い
ないポリエステル樹脂に比べて、より広範囲な温度領域
において良好な定着特性、耐オフセット性を得ることが
できる。また、同時に十分な力学的強度を有するため現
像装置内でのキャリアとの摩擦に耐え、スペントキャリ
アを発生することなく高濃度の高品位画像の連続印刷が
可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島根 義憲 千葉県市川市鬼高3−12−18−415 (72)発明者 菅原 良三 千葉県袖ヶ浦市福王台2−16−7 Fターム(参考) 2H005 AA01 BA06 CA02 CA07 CA08 CA11 CA12 DA03 DA06 DA10 EA03 FA01 FB02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、バインダー樹脂と着色剤と帯
    電制御剤とを含有してなる着色樹脂粒子及び樹脂被覆磁
    性キャリアからなる静電荷像現像剤であって、前記バイ
    ンダー樹脂が、 (1)2〜4価のエポキシ化合物の一種またはそれ以上 (2)2価以上の多塩基酸及び/又は酸無水物及び/又は
    これらの低級アルキルエステルから選ばれる多塩基酸化
    合物 (3)2価以上の多価アルコール を用いて、これら(1)〜(3)を一括仕込みで反応させる
    か、(1)と(3)反応後さらに(2)を反応させるか、または
    (1)と(2)反応後さらに(3)を反応させるかして得られる
    ポリエステル樹脂であることを特徴とする静電荷像現像
    剤。
  2. 【請求項2】多塩基酸化合物が、非付加重合性の多塩基
    酸化合物である請求項1記載の静電荷像現像剤。
  3. 【請求項3】前記バインダー樹脂のガラス転移温度が5
    5℃〜85℃で、かつ軟化点が90℃〜180℃である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の静電荷像現像
    剤。
  4. 【請求項4】帯電制御剤が、正帯電制御剤である請求項
    1、2または3記載の静電荷像現像剤。
  5. 【請求項5】樹脂被覆磁性キャリアが、シリコーン樹
    脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂から選ばれる1
    種以上の樹脂で被覆された樹脂被覆磁性キャリアである
    請求項1、2、3または4記載の静電荷像現像剤。
  6. 【請求項6】2価以上の多価アルコールが、ポリオキシ
    プロピレン−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
    を含む請求項1、2、3、4または5記載の静電荷像現
    像剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003107798A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Dainippon Ink & Chem Inc 電子写真用トナー
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