JP2000338721A - 静電荷像現像剤 - Google Patents

静電荷像現像剤

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JP2000338721A
JP2000338721A JP11152948A JP15294899A JP2000338721A JP 2000338721 A JP2000338721 A JP 2000338721A JP 11152948 A JP11152948 A JP 11152948A JP 15294899 A JP15294899 A JP 15294899A JP 2000338721 A JP2000338721 A JP 2000338721A
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Masanobu Nakamura
正延 中村
Toshiro Furukawara
俊郎 古川原
Hideki Karibayashi
秀樹 鳫林
Katsunori Oba
克則 大場
Yoshinori Shimane
義憲 島根
Ryozo Sugawara
良三 菅原
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Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】より広範囲な温度領域において良好な定着特
性、耐オフセット性を示す正帯電性静電荷像現像剤。 【解決手段】少なくとも、バインダー樹脂、着色剤、離
型剤及び正帯電性電荷制御剤とを含有してなる着色樹脂
粒子と、樹脂被覆磁性キャリアからなる静電荷像現像剤
であって、前記バインダー樹脂が、 (A)2価以上のエポキシ化合物 (B)2価以上の多塩基酸及び/又は酸無水物及び/又
はこれらの低級アルキルエステルから選ばれる多塩基酸
化合物 (C)2価以上の多価アルコールを主構成成分とするポ
リエステル樹脂からなり、前記離型剤としてカルナウバ
ワックス、モンタン系エステルワックス及び/又はライ
スワックスを含有することを特徴とする正帯電性静電荷
像現像剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、あるいは静電印刷法に用いる静電荷像現像剤に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真法としては、米国特許第2,2
97,691号、特公昭42−23910号公報及び特
公昭43−24748号公報などに各種の方法が記載さ
れているが、通常は、光導電性感光体等の静電潜像担持
体上に帯電、露光により静電潜像を形成し、次いでこの
静電潜像を、バインダー樹脂中に着色剤を含有するトナ
ー組成物によって現像し、得られたトナー像を転写紙な
どの支持体に転写、定着して可視画像を形成する方法が
一般的である。
【0003】また、電子写真法における現像方法として
は多くの方法が知られているが、大別すると、鉄粉、フ
ェライト、ニッケル、ガラス等の微粒子(20〜500
μm)からなるキャリアとトナーとの混合物を現像剤と
して用いる二成分現像法と、トナーのみからなる現像剤
を用いる一成分現像法とがある。
【0004】二成分現像法の代表例としては、米国特許
第2,618,552号記載のカスケード法、及び米国
特許2,874,063号記載の磁気ブラシ法がある。
これらの方法はキャリアが現像剤の攪拌、搬送、帯電な
どの機能を分担しておりキャリアとトナーの機能分離が
明確になっている。そのためトナーの帯電制御や現像剤
層の形成が比較的容易で、高速化にも対応可能なことか
ら現在広く用いられている。
【0005】ところで、近年における情報化社会の発展
に伴い、電子写真、静電記録、静電印刷の各分野におい
ても印刷画像の高品質化、記録の高速化、高密度化、長
期保存安定性等の要求が高まり、静電潜像を非印刷媒体
上に記録するトナー特性の改善に寄せられる期待は多大
なものとなっている。特に、高速印刷に適した二成分現
像剤用トナーにおいては、キャリアとの摩擦に耐える力
学的強度、ヒートロール定着方式における広い温度領域
での安定した定着挙動、多部数印刷における安定した帯
電挙動、長期間の使用においてもマシン内部を汚染しな
い飛散トナーの解消等が重要な課題であり、これらの課
題はトナー組成物に用いられるバインダー樹脂、離型
剤、電荷制御剤の特性に負うところが非常に大きい。
【0006】これまでトナー用のバインダー樹脂として
は、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重
合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル、
エポキシ樹脂、ポリブチラール樹脂、キシレン樹脂、ク
マロンインデン樹脂等が研究使用され、これらの樹脂の
設計においては、用途に応じて種々の提案が為されてい
る。
【0007】一般的には、バインダー樹脂に求められる
特性としては、帯電、定着特性等、種々の特性がある
が、特に、ヒートロール定着用途のトナーに用いられる
バインダー樹脂には、転写紙への定着性能と耐オフセッ
ト性能の向上が要求されている。ヒートロール定着で
は、転写紙上に静電的に付着したトナー粒子は、加圧、
加熱された熱ロール間を通過することにより溶融して転
写紙に定着する。ところが、その際にロールの表面温度
が低すぎると、トナー粒子層全体が充分に加熱されず、
加熱ロールに接触した面のみが軟化して加熱ロールに付
着する。転写紙側のトナーは軟化していないため付着力
が生じず、結局、転写紙上のトナー層は転写紙に定着す
ることなく、ほとんどが定着ロール側に移行する。これ
をコールドオフセットと呼んでいる。
【0008】逆に、ロール表面の温度が高すぎると、溶
融したトナーの粘度が低下する。それに伴い、溶融した
トナー層の内部凝集力も急激に低下して加熱ロールへの
付着力を下回る。その結果、溶融したトナー層は破断し
て転写紙、及び定着ロール双方に移行する。これをホッ
トオフセットと呼び加熱ロールの汚染の原因となってい
る。ヒートロールに付着したトナーは転写紙に再転写し
て非画像部を汚し、印刷品質の低下をもたらす。
【0009】耐オフセット性能とは、トナーがある温度
においてコールドオフセット、あるいはホットオフセッ
トを生じない能力を有することを意味し、トナー用のバ
インダー樹脂には広い温度領域で耐オフセット性能を有
し、なおかつ優れた定着特性を有することが求められて
いる。
【0010】以上の目的を達成するため数多くの設計例
が提唱されており、中でも加熱溶融時の粘弾性を維持す
る目的で、あるいは温度変動に対する粘度変化を抑える
目的で、分子量分布の拡大、架橋構造の付与、ゴム弾性
材料の適用等の手段が施された技術が検討されてきた。
これまでの研究でポリエステル樹脂がヒートロール定着
用樹脂として用い得ることは広く知られている。たとえ
ば、特公昭52−25420号、同53−17496
号、同55−49305号、特開昭55−38524
号、同57−37353号、同58−11952号等の
各公報がある。しかしながら、従来提案されているこれ
らの発明では、現在求められている広い温度領域での耐
オフセット性能、定着性能を十分に満足するポリエステ
ル樹脂は得られていない。
【0011】また、一方で定着時におけるヒートロール
からの剥離性を付与し、オフセットの発生を防止するた
めにトナー中に離型剤を含有させる技術も並行して研究
されてきた。これまでは、ポリプロピレンワックス、ポ
リエチレンワックス等の合成ワックスが主として検討さ
れてきたが、特開平1−238672号、特開平3−5
764号、特開平5−119509号、等にはモンタン
ワックス、カルナバワックス、ライスワックス等の天然
ワックスを用いた例が提示されている。
【0012】電荷制御剤についてもこれまで種々検討さ
れており、高速、高耐久のセレン感光体を用いたマシン
に用いられる正帯電性トナーに用いられる電荷制御剤と
してはニグロシン系染料、4級アンモニウム塩化合物等
が知られている。これらの正帯電性電荷制御剤を単独で
あるいは組み合わせて用いた例としては特開平1−25
9371号、特開平3−7948号、特開平5−119
509号、特開平10−246991号、等がある。
【0013】しかしながら、これらの各号報には前述し
た高速印刷用トナーに要求されるすべての特性を満足す
る発明は開示されていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ヒートロー
ル定着性及び耐オフセット性に優れ、飛散トナーを発生
することなく多部数印刷における安定した帯電挙動を示
し、耐摩耗性に優れた高画質画像が得られる高耐久性・
長寿命の正帯電性静電荷像現像剤を提供することを目的
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達し
た。
【0016】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、少なくとも、バインダー樹脂、着色剤、離型剤及び
正帯電性電荷制御剤とを含有してなる着色樹脂粒子と、
樹脂被覆磁性キャリアからなる静電荷像現像剤であっ
て、前記バインダー樹脂が、 (A)2価以上のエポキシ化合物 (B)2価以上の多塩基酸及び/又は酸無水物及び/又
はこれらの低級アルキルエステルから選ばれる多塩基酸
化合物 (C)2価以上の多価アルコール を主構成成分とするポリエステル樹脂からなり、前記離
型剤としてカルナウバワックス、モンタン系エステルワ
ックス及び/又はライスワックスを含有することを特徴
とする正帯電性静電荷像現像剤を提供するものである。
【0017】本発明では、まず、少なくとも、バインダ
ー樹脂、着色剤、離型剤、帯電制御剤とを含有してなる
着色樹脂粒子を用いる。本発明におけるバインダー樹脂
は、ポリエステル樹脂であり、以下の原料より得られ
る。
【0018】本発明に用いられる2価以上のエポキシ化
合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジ
ルエーテル、N,N−ジグリシジルアニリン、グリセリ
ントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパント
リグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリ
シジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジ
ルエーテル、テトラキス1,1,2,2(p−ヒドロキ
シフェニル)エタンテトラグリシジルエーテル、クレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック
型エポキシ樹脂、エポキシ基を有するビニル化合物の重
合体、あるいは共重合体、エポキシ化レゾルシノール−
アセトン縮合物、部分エポキシ化ポリブタジエン、エポ
キシ基を有するビニル化合物の重合体、あるいは共重合
体、半乾性もしくは乾性脂肪酸エステルエポキシ化合物
の一種以上のもの等が挙げられる。
【0019】これらの中でも、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾー
ルノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型
エポキシ樹脂、グリセリントリグリシジルエーテル、ト
リメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメ
チロールエタントリグリシジルエーテル、ペンタエリス
リトールテトラグリシジルエーテルがより好適に用いら
れる。
【0020】具体的には、ビスフェノールA型エポキシ
樹脂の例として大日本インキ化学工業(株)製エピクロ
ン850、エピクロン1050、エピクロン2055、
エピクロン3050等が、ビスフェノールF型エポキシ
樹脂の例として大日本インキ化学工業(株)製エピクロ
ン830、エピクロン520等が、オルソクレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂の例として大日本インキ化学工
業(株)製エピクロンN-660,N-665,N-667,N-670,N-67
3,N-680,N-690,N-695等が、フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂の例としては大日本インキ化学工業(株)製
エピクロンN-740,N-770,N-775,N-865等が挙げられる。
エポキシ基を有するビニル化合物の重合体、あるいは共
重合体としてはグリシジル(メタ)アクリレートのホモ
ポリマー、あるいはアクリル共重合体、スチレンとの共
重合体が挙げられる。
【0021】これらの中でも、特に5価以上のエポキシ
化合物を含んだ、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、およびフェノールノボラック型エポキシ樹脂がより
好適に用いられる。
【0022】また、上記エポキシ化合物は2種以上併用
して用いることもでき、さらに、以下に記載するモノエ
ポキシ化合物を併せて用いることもできる。同時に使用
しうるモノエポキシ化合物としては、例えばフェニルグ
リシジルエーテル、アルキルフェニルグリシジルエーテ
ル、アルキルグリシジルエーテル、アルキルグリシジル
エステル、アルキルフェノールアルキレンオキサイド付
加物のグリシジルエーテル、α−オレフィンオキサイ
ド、モノエポキシ脂肪酸アルキルエステル等が挙げられ
る。
【0023】これらのモノエポキシ化合物を併用するこ
とにより定着性、高温での耐オフセット性が向上する。
これらの中でも、特にアルキルグリシジルエーテルがよ
り好適に用いられる。
【0024】本発明で用いられる、2価以上の多塩基酸
及び/又は酸無水物及び/又はこれらの低級アルキルエ
ステルから選ばれる多塩基酸化合物としては、例えば無
水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタ
ル酸、アジピン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ヘキサヒドロ無水フ
タル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサンジ
カルボン酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸等のジカルボン酸又はその誘導体又
はそのエステル化物が、また、例えばトリメリット酸、
無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリッ
ト酸等の三官能以上の多価カルボン酸又はその誘導体又
はそのエステル化物挙げられる。
【0025】また、2価以上の多価アルコールとして
は、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタン
ジオール、ヘキサンジオール、ビスフェノールA、ポリ
オキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン及びその誘導体、ポリオキシ
プロピレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.
2)−ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロ
ピレン−(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポ
リオキシプロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン
−(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン及びその誘導体、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド−
プロピレンオキサイドランダム共重合体ジオール、エチ
レンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合
体ジオール、エチレンオキサイド−テトラハイドロフラ
ン共重合体ジオール、ポリカプロカクトンジオール等の
ジオールが、また、ソルビトール、1,2,3,6−ヘ
キサンテトラオール、1,4−ソルビタン、ペンタエリ
スリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,
5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロ
パントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリ
オール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、1,3,5−トリメチロールベンゼン、等の三官能
以上の多価アルコールが挙げられる。
【0026】本発明においては、2価以上のアルコール
として、例えばポリオキシエチレン−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパンや、ポリオキシプロピレン−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの様な、ビスフ
ェノールAポリオキシアルキレンオキサイド付加物を必
須成分として用いて得たポリエステル樹脂をバインダー
樹脂として選択すると、得られた着色樹脂粒子からなる
トナーは、粒子強度がより大きくできる。結果的に、こ
の様なトナーを含む静電荷像現像剤が現像装置内での攪
拌などの機械的応力を受けても、より長時間破壊されな
いことに繋がり、長期の耐久性を向上できたり、定着画
像がより大きな摩擦力でもより剥離しにくくなることに
なるので、好ましい。
【0027】本発明においては、ポリオキシエチレン−
(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシエチレン−(2.2)−ポリオキ
シエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−(6)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポ
リオキシエチレン−(2.2)−2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−
(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシエチレン−(3.3)−2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びその誘導
体、の様なビスフェノールAエチレンオキサイド付加物
をポリオキシエチレン−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンと称する。
【0028】本発明においては、例えばポリオキシプロ
ピレン−(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポ
リオキシプロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン
−(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン及びその誘導体、の様なビスフェノールA
プロピレンオキサイド付加物をポリオキシプロピレン−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと称する。
【0029】強いて、ポリオキシエチレン−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパンを主成分となる様に用い
て得たポリエステル樹脂と、ポリオキシプロピレン−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを主成分となる
様に用いて得たポリエステル樹脂とを対比するならば、
得られた着色樹脂粒子からなるトナーは、後者のほう
が、より粒子強度がより大きくできる。結果的に、上記
した応力に対する長期の耐久性や、画像の摩擦耐久性
も、後者のほうがより好ましい結果をもたらし得る。
【0030】本発明におけるポリエステル樹脂は、例え
ば触媒の存在下で上記の原料成分(A)(B)(C)を
用いて脱水縮合反応或いはエステル交換反応を行うこと
により得ることができる。この際の反応温度及び反応時
間は、特に限定されるものではないが、通常150〜3
00℃で2〜24時間である。
【0031】上記反応を行う際の触媒としては、例えば
酸化亜鉛、酸化第一錫、ジブチル錫オキサイド、ジブチ
ル錫ジラウレート、パラトルエンスルホン酸等を適宜使
用する事が出来る。
【0032】本発明におけるポリエステル樹脂は、例え
ば下記タイプ1〜2の工程により製造することができ
る。
【0033】<タイプ1>;(A)、(B)、(C)各成分を一
括で仕込み反応させる(一括反応) <タイプ2>;(A)、(B)反応後(C)を、あるいは(A)、
(C)反応後(B)を反応させる(二段反応)
【0034】従来技術の方法としては、以下の方法があ
る。 <タイプ3>;(B)、(C)の反応によるポリエステル主鎖
の製造後に(A)を反応させる(二段反応)
【0035】本発明で採用するタイプ1及びタイプ2の
方法で得た樹脂と、従来法で得た樹脂との化学構造上ま
たはトナーとした場合の効果上の相違点は以下の通りで
ある。
【0036】上記3つのタイプの反応により製造された
樹脂の骨格は若干異なる。タイプ1、およびタイプ2に
おいては架橋剤であるエポキシ化合物がカルボン酸単量
体、及び、又はアルコールの単量体と反応した後に主鎖
延長の反応が起きる。したがって、この場合、主鎖延長
の反応が起きる前にカルボン酸、あるいはアルコール単
量体の1分子と、これら単量体の価数に応じた分子数、
つまり2分子以上のエポキシ架橋剤が反応するケースが
生じる。極端なケースではこのような反応が連鎖的に起
きることにより非常に高密度にエポキシ架橋剤が存在す
る部分が生じることになる。
【0037】特に本発明で用いるようなエポキシ化合物
は1ヶのエポキシ基がカルボキシル基あるいは水酸基と
反応することにより2級水酸基が発生し、この水酸基が
さらに他のカルボキシル基と反応する。つまり1ヶのエ
ポキシ基は2価の基として作用するので、タイプ1、及
びタイプ2の反応におけるポリエステル樹脂は非常に高
い密度の架橋構造を採ることになる。
【0038】一方、架橋剤が集中して密の部分が生じる
と言うことは、逆に、その後の主鎖延長反応において架
橋密度が疎の部分を生じることになる。つまり、タイプ
1、およびタイプ2においては樹脂中に高架橋密度部分
と低架橋密度部分が生じて架橋密度のばらつきが発生す
ることになる。
【0039】ところで、トナーはバインダー樹脂の低分
子量成分が溶融して紙に浸透、あるいは隣接トナー粒子
と融着することにより定着する。また、バインダー樹脂
の高分子量成分が高温時においても弾性を保持して定着
ロールへのオフセットを防止する。したがって、バイン
ダー樹脂中に架橋密度の疎密を持つと言うことは分子量
分布が非常に広くなることを意味し、より広範囲な温度
領域において良好な定着特性、耐オフセット性が得られ
ることになる。また、高架橋密度成分を保有するトナー
は現像装置内でのキャリアとの摩擦に十分耐える力学的
強度を有している。
【0040】一方、タイプ3の反応は先にカルボン酸と
アルコールを反応させて主鎖を形成してからエポキシ架
橋剤を反応させる方法である。この場合、ポリエステル
主鎖の両末端にエポキシ化合物が反応することになるの
で、タイプ1、およびタイプ2において生じたエポキシ
架橋剤が非常に近接した構造をとる確率は非常に低くな
る。
【0041】以上の理由により本発明のポリエステル樹
脂の製造に際しては上記タイプ1、およびタイプ2の反
応方式を用いることがより好ましい。また、特に製造工
程の短縮、簡略化の観点からタイプ1の反応形式を用い
ることが最も好ましい。
【0042】また、本発明におけるポリエステル樹脂
は、前記(A)成分の一部または全部に不飽和二塩基酸
を用いることにより、エポキシ化合物による架橋と不飽
和二重結合による架橋の両方が起きている状態の架橋ポ
リエステルとすることもできる。この場合、通常は、不
飽和二塩基酸の不飽和二重結合が解裂しない様に、分子
内二重結合を含む前駆体のポリエステル樹脂を製造して
から、この分子内二重結合を解裂させるようにして重合
し架橋せしめる方法が用いられる。
【0043】不飽和二重結合による架橋反応は、通常の
ポリエステル主鎖製造後に、さらに加熱又は重合開始剤
を用いることにより行う。加熱の場合は230〜260℃の温
度で3〜15時間位行い、重合開始剤の存在下では130℃〜
250℃の温度で0.5〜15時間位反応させる。
【0044】上記重合開始剤としては、例えばターシャ
リーブチルハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロ
パーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイ
ド、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート、ジク
ミルパーオキサイド、ターシャリーブチルクミルパーオ
キサイド等が挙げられる。重合開始剤の量としては、ポ
リエステル樹脂の0.01〜5重量%、好ましくは0.02〜2重
量%の範囲である。
【0045】本発明に用いられるポリエステル樹脂のガ
ラス転移温度(Tg)は55℃以上のものが好ましい
が、なかでも、そのTgが55〜85℃のものが特に好
ましい。
【0046】また、本発明に使用されるポリエステル樹
脂の軟化点としては、90℃以上、なかでも、90℃〜
180℃の範囲のものが好ましい、より好ましくは、1
10℃〜150℃の範囲である。軟化点が90℃未満の
場合は、トナーが凝集現象を生じやすく、保存時や印字
の際にトラブルになりやすく、180℃を越える場合に
は定着性が悪くなることが多い。
【0047】本発明のポリエステル樹脂の酸価として
は、20mgKOH/g以下であることが、トナーの耐
湿性が良好となる点で好ましい。
【0048】本発明で使用することのできる着色剤とし
ては、周知のものがあげられる。黒の着色剤としては製
法により分類されるファーネスブラック、チャンネルブ
ラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ラン
プブラック、等のカーボンブラックが、青系の着色剤と
してはフタロシアニン系のC.I.PigmentBl
ue 15−3、インダンスロン系のC.I.Pigm
ent Blue 60等が、赤系の着色剤としてはキナ
クリドン系のC.I.Pigment Red 122、
アゾ系のC.I.Pigment Red 22、C.
I.Pigment Red 48:1、C.I.Pig
ment Red 48:3、C.I.Pigment
Red 57:1等が、黄系の着色剤としてはアゾ系の
C.I.Pigment Yellow 12、C.I.
Pigment Yellow 13、C.I.Pigm
ent Yellow 14、C.I.Pigment
Yellow 17、C.I.Pigment Yell
ow 97、C.I.Pigment Yellow 1
55、イソインドリノン系のC.I.Pigment
Yellow 110、ベンズイミダゾロン系のC.
I.Pigment Yellow 151、C.I.P
igment Yellow 154、C.I.Pigm
ent Yellow 180、等がある。着色剤の含有
量は、バインダー樹脂100重量部当たり、1重量部か
ら20重量部の範囲内にある。これらの着色剤は1種又
は2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0049】また、本発明のトナ−に使用される離型剤
はカルナウバワックス、モンタン系エステルワックス及
び/又はライスワックスである。
【0050】カルナウバワックスとしては、精製により
遊離脂肪酸を除去した、脱遊離脂肪酸型カルナウバワッ
クスを用いることが好ましい。脱遊離脂肪酸型カルナウ
バワックスの酸価としては8以下が好ましく、より好ま
しくは酸価5以下である。脱遊離脂肪酸型カルナウバワ
ックスは従来のカルナウバワックスより微結晶となりポ
リエステル樹脂中での分散性が向上する。
【0051】モンタン系エステルワックスは、鉱物より
精製されたものであり、精製によりカルナウバワックス
と同様に微結晶となりポリエステル樹脂中での分散性が
向上する。モンタン系エステルワックスでは酸価として
特に30以下であることが好ましい。
【0052】また、ライスワックスは米ぬかロウを精製
したものであり、酸価は13以下であることが好まし
い。
【0053】また、上記ワックスは単独で用いても組み
合わせて用いても良く、バインダー樹脂100重量部に
対して0.3〜15重量部、好ましくは1〜5重量部含
有させることにより良好な定着オフセット性能が得られ
る。0.3重量部より少ないと耐オフセット性が不充分
となりやすく、15重量部より多いとトナーの流動性が
悪くなりやすく、また、キャリア表面に付着することに
よりスペントキャリアが発生しやすく、トナーの帯電特
性に悪影響を与えることが多い。
【0054】また、ポリプロピレンワックス、ポリエチ
レンワックス等の合成ワックスも本発明の趣旨を損なわ
ない範囲で必要に応じて上記のワックスと併用して用い
ることができる。
【0055】本発明に用いられる正帯電性電荷制御剤と
しては、例えばトリフェニルメタン系染料、ニグロシン
系染料、4級アンモニウム塩、4級アンモニウム基及び
/又はアミノ基を含有する樹脂、等を用いることができ
るが、ニグロシン系染料、及び/又は4級アンモニウム
塩を用いるのが好ましく、特にニグロシン系染料と4級
アンモニウム塩化合物を併用するのがより望ましい。
【0056】4級アンモニウム塩化合物としては、下記
構造の化合物(1)または(2)の中から選ばれる少な
くとも一種であることが特に好ましい。(1)の構造の
化合物にはボントロンP−51;(オリエント化学製)
が、(2)の化合物にはTP−302、TP−415、
TP−610;(保土谷化学製)がある。
【0057】化合物(1)
【0058】
【化3】
【0059】[式中、R1〜R3はCnH2+1基を表
す。但し、nは1〜10の整数を示す。また、R1〜R3
は同じであっても異なっていてもよい。]
【0060】化合物(2)
【0061】
【化4】
【0062】[式中、R4、R5、R6およびR7はそれぞ
れ独立に水素原子、炭素数1〜22個のアルキル基ある
いはアルケニル基、炭素数1〜20個の未置換あるいは
置換芳香族基、炭素数7〜20個のアラルキル基を表
し、A-はモリブデン酸アニオンあるいはタングステン
酸アニオン、モリブデンあるいはタングステン原子を含
むヘテロポリ酸アニオンを表す。]
【0063】より具体的には以下の各化合物がある。
【0064】
【化5】
【0065】
【化6】
【0066】
【化7】
【0067】
【化8】
【0068】
【化9】
【0069】
【化10】
【0070】
【化11】
【0071】
【化12】
【0072】
【化13】
【0073】
【化14】
【0074】
【化15】
【0075】
【化16】
【0076】ニグロシン系染料と4級アンモニウム塩化
合物を併用する場合の使用比率は1/9〜9/1(重量
比)であることが好ましく、2/8〜8/2であること
がより好ましい。ニグロシン系染料は一般に正帯電付与
能力が高いが、帯電の均一性・安定性が劣り、単独で使
用するとカブリが発生しやすくシャープネスが不足した
印刷画像となりやすい。反面、4級アンモニウム塩化合
物は正帯電付与能力が低く所期の帯電量が得られにく
い。しかしながら、両者を併用することにより帯電の均
一性・安定性が得られ、連続印刷時にカブリのない鮮明
な印刷画像が安定して得られる。
【0077】ニグロシン系染料の使用比率が1より低い
とトナーに十分な帯電が得られにくく、ベタ部が不均一
で画線の輪郭が不鮮明な低画質画像となりやすい。ま
た、使用比率が9より多いと帯電量が高くなりすぎ、不
安定な帯電挙動を示す現像剤となりやすい。このように
どちらかが多すぎても少なすぎても目的の帯電量が得ら
れにくく、結果として低濃度・低画質の印刷となりトナ
ー飛散が多く発生する現像剤となりやすい。
【0078】両者の比率を適宜調節する事により最適の
帯電量が得られ、かぶりが無く、画線の輪郭がはっきり
とした高濃度かつ高品位の印刷が可能な、トナー飛散の
無い長寿命の現像剤を得ることができる。
【0079】電荷制御剤の含有量はバインダー樹脂10
0重量部当たり0.3〜10重量部用いることが好まし
く、より好ましくは1〜5重量部である。
【0080】本発明における着色樹脂粒子は、トナーと
して機能し、上記の様なポリエステル樹脂からなるバイ
ンダー樹脂、着色剤、離型剤、帯電制御剤を必須成分と
して構成されるが、着色樹脂粒子には、その他の添加剤
を含める様にしても良い。
【0081】一例として、例えば金属石鹸、ステアリン
酸亜鉛等の滑剤が、研磨剤として、例えば酸化セリウ
ム、炭化ケイ素等が使用できる。
【0082】本発明のトナーは、特定の製造方法によら
ず極めて一般的な製造方法に依って得る事ができるが、
例えば樹脂と着色剤と帯電制御剤とを、樹脂の融点(軟
化点)以上で溶融混練した後、粉砕し、分級することに
より得ることが出来る。
【0083】具体的には例えば、上記の樹脂、着色剤、
離型剤、及び帯電制御剤とを必須成分として、2本ロー
ル、3本ロール、加圧ニーダー、又は2軸押し出し機等
の混練手段により混合する。この際、樹脂中に、着色剤
等が均一に分散すればよく、その溶融混練の条件は特に
限定されるものではないが、通常80〜180℃で30
秒〜2時間である。着色剤は樹脂中に均一に分散するよ
うにあらかじめフラッシング処理、あるいは樹脂と高濃
度で溶融混練したマスターバッチを用いても良い。
【0084】次いで、それを冷却後、ターボミル、クリ
プトロン等の機械式粉砕機、渦巻き式ジェットミル、カ
ウンタージェットミル、衝突板式ジェットミル等のエア
ー式粉砕機で微粉砕し、風力分級機等により分級すると
いう方法が挙げられる。
【0085】トナー母体を構成する粒子の平均粒径は、
特に制限されないが、通常5〜15μmとなる様に調整
される。
【0086】通常、この様にして得られたトナー母体に
対しては、外添剤が、例えばヘンシェルミキサー等の混
合機を用いて混合される。
【0087】外添剤は、例えばトナーの流動性向上、帯
電特性改良などトナー母体の表面改質のために用いられ
るもので、二酸化珪素、酸化チタン、アルミナ等の無機
微粉体及びそれらをシリコーンオイルなどの疎水化処理
剤で表面処理したもの、樹脂微粉体等が用いられる。
【0088】シリカとしては、二酸化珪素のうちで疎水
性等を有するものが挙げられ、二酸化珪素を各種のポリ
オルガノシロキサンやシランカップリング剤等で表面処
理したものが挙げられる。例えば、次のような商品名で
市販されているものがある。
【0089】AEROSIL R972,R974,R
202,R805,R812,RX200,RY20
0、 R809,RX50,RA200HS,RA20
0H〔日本アエロジル(株)〕 WACKER HDK H2000、H2050EP HDK H3050EP、HVK2150〔ワッカーケ
ミカルズイーストアジア(株)〕 Nipsil SS−10、SS−15,SS−2
0,SS−50,SS−60,SS−100、SS−5
0B,SS−50F,SS−10F、SS−40、SS
−70,SS−72F、〔日本シリカ工業(株)〕 CABOSIL TG820F〔キャボット・スペシャ
ルティー・ケミカルズ・インク〕
【0090】これらのシリカは、異なる平均粒子径の2
種以上を併用してもよい。また、シリカの使用割合はト
ナー母体に対して、通常0.05〜5重量%、好ましく
は0.1〜3重量%である。
【0091】本発明の静電荷像現像剤は、着色樹脂粒子
を含むトナーと、表面に樹脂被覆した磁性キャリアとか
らなる。
【0092】本発明に用いられるキャリアの芯材は、通
常の二成分現像方式に用いられる鉄粉、マグネタイト、
フェライト等が使用できるが、中でも真比重が低く、高
抵抗であり、環境安定性に優れ、球形にし易いため流動
性が良好なフェライト、またはマグネタイトが好適に用
いられる。芯材の形状は球形、不定形等、特に差し支え
なく使用できる。平均粒径は一般的には10〜500μ
であるが、高解像度画像を印刷するためには30〜80
μが好ましい。
【0093】また、これらの芯材を被覆するコーティン
グ樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニル
アセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラ
ール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリ
ビニルエーテルポリビニルケトン、塩化ビニル/酢酸ビ
ニル共重合体、スチレン/アクリル共重合体、オルガノ
シロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂あるい
はその変性品、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポ
リエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、フェノ
ール樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミ
ン樹脂、ユリア樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂等が使
用できる。これらの中でも、特にシリコン樹脂、フッ素
樹脂、(メタ)アクリル樹脂が帯電安定性、被覆強度等
に優れ、より好適に使用し得る。
【0094】つまり、本発明で用いられる樹脂被覆磁性
キャリアは、芯材としてフェライト、あるいはマグネタ
イトを用い、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、(メタ)ア
クリル樹脂から選ばれる1種以上の樹脂で前記芯材が被
覆された樹脂被覆磁性キャリアであることが好ましい。
【0095】キャリア芯材表面への樹脂の被覆方法は特
に手段を選ぶものではないが、被覆樹脂の溶液中に浸漬
する浸漬法、被覆樹脂溶液をキャリア芯材表面へ噴霧す
るスプレー法、あるいはキャリアを流動エアーにより浮
遊させた状態で噴霧する流動床法、ニーダーコーター中
でキャリア芯材と被覆樹脂溶液を混合し、溶剤を除去す
るニーダーコーター法などが挙げられる。
【0096】被覆樹脂溶液中に使用される溶剤は被覆樹
脂を溶解するものであれば特に限定されるものではない
が、例えば、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエ
チルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が使用
できる。キャリア表面への被覆層の厚さは、通常0.1
〜3.0μである。
【0097】着色樹脂粒子を含むトナーと、樹脂被覆磁
性キャリアとの重量割合は特に制限されるものではない
が、通常キャリア100重量部当たり、トナー0.5〜
5重量部である。
【0098】こうして得られた本発明の静電荷像現像剤
は、公知慣用の方法で被記録媒体上に現像され定着され
るが、定着方式としては、ヒートロール定着方式を採用
するのが好ましい。ヒートロールとしては、トナーを溶
融定着しうる温度に加熱できる円筒体の表面を、例えば
シリコーン樹脂やフッ素樹脂等の離型性と耐熱性を兼備
するコーティング樹脂で被覆したものが用いられる。
【0099】ヒートロール定着方式では、上記した様な
ヒートロールを少なくとも一つ有する、適当な圧力にて
押圧された二つのロール間に、未定着のトナー画像が設
けられた被記録媒体を通過させることにより、定着が行
われる。
【0100】本発明の静電荷像現像剤の格別顕著な技術
的効果は、現像され、より高速でヒートロール定着が行
われる定着現像装置において、発揮される。なぜなら
ば、より短い時間の攪拌で現像に要する帯電性を得るに
当たり、キャリアとの混合に際し強い応力が必要となっ
たり、同一定着温度なら、定着のために要する時間が短
いほど、現像に必要なヒートロールと定着が必要なトナ
ー画像とが接触している時間をより短くしなければなら
なくなる結果、ロール間の押圧力をより大きくしなけれ
ばならないこと、単位時間当たりの印刷速度が速くなる
ことにより、単位時間当たりの個々の被印刷媒体同士の
接触による摩擦力がより大きくなること等が挙げられ
る。
【0101】本発明における静電荷像現像剤ヒートロー
ル定着の速度は、特に制限されないが、200〜20m
/分、好ましくは180〜30m/分である。この範囲
であると、本発明の静電荷像現像剤と従来のそれとの優
位差は、より顕著に発現する。上記した好ましい定着速
度は、A4版枚葉紙(縦方向)への印字速度に換算すれ
ば、600〜100枚/分に相当する。
【0102】本発明における被記録媒体としては、公知
慣用のものがいずれも使用できるが、例えば、普通紙、
樹脂コート紙等の紙類、PETフィルム、OHPシート
等の合成樹脂フィルムやシート等が挙げられる。
【0103】
【発明の実施形態】本発明の静電荷像現像剤は、次の発
明を包含する。 1. 少なくとも、バインダー樹脂、着色剤、離型剤
及び正帯電性電荷制御剤とを含有してなる着色樹脂粒子
と、樹脂被覆磁性キャリアからなる静電荷像現像剤であ
って、前記バインダー樹脂が、 (A)2価以上のエポキシ化合物 (B)2価以上の多塩基酸及び/又は酸無水物及び/又
はこれらの低級アルキルエステルから選ばれる多塩基酸
化合物 (C)2価以上の多価アルコール を主構成成分とするポリエステル樹脂からなり、前記離
型剤としてカルナウバワックス、モンタン系エステルワ
ックス及び/又はライスワックスを含有することを特徴
とする正帯電性静電荷像現像剤。
【0104】2. 前記バインダー樹脂が前記構成成
分(A)〜(C)を一括反応させるか、(A)と(C)
を反応後さらに(B)を反応させるか、または(A)と
(B)を反応後さらに(C)を反応させるかして得られ
るポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1記
載の正帯電性静電荷像現像剤。
【0105】3. 前記バインダー樹脂のガラス転移
温度が55℃〜85℃で、かつ軟化点が90℃〜180
℃であることを特徴とする請求項1および2記載の正帯
電性静電荷像現像剤。
【0106】4. 前記正帯電性電荷制御剤としてニ
グロシン系染料及び4級アンモニウム塩化合物を含有す
ることを特徴とする請求項1記載の正帯電性静電荷像現
像剤。
【0107】5. 前記4級アンモニウム塩化合物が
下記構造の化合物(1)または(2)の中から選ばれる
少なくとも一種であることを特徴とする請求項4記載の
正帯電性静電荷像現像剤。
【0108】化合物(1)
【0109】
【化17】
【0110】[式中、R1〜R3はCnH2+1基を表
す。但し、nは1〜10の整数を示す。また、R1〜R3
は同じであっても異なっていてもよい。]
【0111】化合物(2)
【0112】
【化18】
【0113】[式中、R4、R5、R6およびR7はそれぞ
れ独立に水素原子、炭素数1〜22個のアルキル基ある
いはアルケニル基、炭素数1〜20個の未置換あるいは
置換芳香族基、炭素数7〜20個のアラルキル基を表
し、A-はモリブデン酸アニオンあるいはタングステン
酸アニオン、モリブデンあるいはタングステン原子を含
むヘテロポリ酸アニオンを表す。]
【0114】6. 前記樹脂被覆磁性キャリアが、シ
リコーン樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂から
選ばれる1種以上の樹脂で被覆された樹脂被覆磁性キャ
リアである請求項1記載の正帯電性静電荷像現像剤。
【0115】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて、本発明を
更に詳細に説明する。なお、以下において、組成表内の
数値は『重量部』を表わす。最初にトナーを調製するに
あたって用いたバインダー樹脂の合成例を下記に示す。
【0116】(樹脂合成例1)ポリオキシプロピレン
(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン527重
量部、テレフタル酸301重量部、エピクロンN−695
(大日本インキ化学工業(株)製:一分子中に2個より
多いエポキシ基を持つ多官能クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂であって、一分子中に5個エポキシ基を持つ
5官能クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を含む)75
重量部、テトラブチルチタネート2.5重量部をガラス製2
Lの四ツ口フラスコに入れ温度計、攪拌棒及び窒素導入
管を取り付け、電熱マントルヒーター中で、常圧窒素気
流下にて240℃で10時間反応後、順次減圧し、10mmHgで
反応を続行した。反応はASTM・E28-517に準じる軟化点
により追跡し、軟化点が132℃に達した時反応を終了し
た。
【0117】得られた重合体は、無色の固体であり、酸
価3KOHmg、DSC測定法ガラス転移温度65℃、軟化点が138
℃であった。
【0118】(樹脂合成例2)ポリオキシプロピレン
(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン92
0重量部、エピクロンN−695(一分子中に2個より
多いエポキシ基を持つ多官能クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂)20重量部、テレフタル酸300重量部、無水
マレイン酸35重量部、ジブチル錫オキサイド1.5重量部
をガラス製2リットルの四ツ口フラスコに入れ、窒素気
流下にて徐々に昇温し、240℃で10時間反応させた。こ
のポリエステル樹脂は酸価10であった。
【0119】更に、この樹脂を180℃に降温し、ジター
シャリーブチルパーオキサイド5重量部を添加し30分攪
拌後、温度を240℃に昇温し、3時間攪拌して更に重合
せしめてトナー用樹脂を得た。得られた樹脂は、常温固
体で、酸価7、DSC測定法ガラス転移温度62℃、軟化
点(環球法)138℃であった。
【0120】(樹脂合成例3)ポリオキシプロピレン
(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン527重
量部、テレフタル酸301重量部、ペンタエリスリトール
テトラグリシジルエーテル35重量部、テトラブチルチタ
ネート2.5重量部をガラス製2Lの四ツ口フラスコに入れ
温度計、攪拌棒及び窒素導入管を取り付け、電熱マント
ルヒーター中で、常圧窒素気流下にて240℃で10時間反
応後、順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応はAS
TM・E28-517に準じる軟化点により追跡し、軟化点が135
℃に達した時反応を終了した。
【0121】得られた重合体は、無色の固体であり、酸
価5KOHmg、DSC測定法ガラス転移温度63℃、軟化点が136
℃であった。
【0122】(樹脂合成例4)合成例3におけるペンタ
エリスリトールテトラグリシジルエーテルをエピクロン
850(大日本インキ化学工業(株)製ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、エポキシ当量190)52重量部に変
え、また、テレフタル酸を283重量部とし、新たに20重
量部の無水マレイン酸を用いる以外は合成例3と同様に
合成を行った結果、酸価4KOHmg、DSC測定法ガラス転移
温度62℃、軟化点が134℃の無色の樹脂が得られた。
【0123】(樹脂合成例5)ポリオキシプロピレン
(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン1140重
量部、テレフタル酸498重量部、エピクロンN−695
(大日本インキ化学工業(株)製:一分子中に2個より
多いエポキシ基を持つ多官能クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂であって、一分子中に5個エポキシ基を持つ
5官能クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を含む)20
重量部、カージュラE(シェルジャパン製:アルキルグ
リシジルエーテル)10重量部、テトラブチルチタネート
5重量部をガラス製2Lの四ツ口フラスコに入れ温度計、
攪拌棒及び窒素導入管を取り付け、電熱マントルヒータ
ー中で、常圧窒素気流下にて240℃で10時間反応後、10m
mHgの減圧下で反応を続行した。反応はASTM・E28-517に
準じる軟化点により追跡し、軟化点が133℃に達した時
反応を終了した。
【0124】得られた重合体は、無色の固体であり、酸
価4KOHmg、DSC測定法ガラス転移温度64℃、軟化点が136
℃であった。
【0125】(樹脂合成例6)合成例5におけるエピク
ロンN−695をエピクロン850(大日本インキ化学
工業(株)製ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキ
シ当量190)30重量部に変える以外は合成例5と同様
に合成を行った結果、酸価6KOHmg、DSC測定法ガラス転
移温度63℃、軟化点が135℃の無色の樹脂が得られた。
【0126】(樹脂合成例7)ポリオキシプロピレン
(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン527重
量部、エピクロンN−695を75重量部、三フッ化硼素
2.5重量部をガラス製2Lの四ツ口フラスコに入れ温度
計、攪拌棒及び窒素導入管を取り付け、電熱マントルヒ
ーター中で、常圧窒素気流下にて240℃で5時間反応後、
テレフタル酸301部を添加してさらに10時間反応を行っ
た。その後順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応
はASTM・E28-517に準じる軟化点により追跡し、軟化点
が133℃に達した時点で反応を終了した。
【0127】得られた重合体は、無色の固体であり、酸
価6KOHmg、DSC測定法ガラス転移温度62℃、軟化点が135
℃であった。
【0128】(樹脂合成例8)ポリオキシプロピレン
(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン527重
量部、テレフタル酸301重量部、テトラブチルチタネー
ト2.5重量部をガラス製2Lの四ツ口フラスコに入れ温度
計、攪拌棒及び窒素導入管を取り付け、電熱マントルヒ
ーター中で、常圧窒素気流下にて240℃で10時間反応
後、エピクロンN−695を75重量部添加してさらに5
時間反応を行った。その後順次減圧し、10mmHgで反応を
続行した。反応はASTM・E28-517に準じる軟化点により
追跡し、軟化点が133℃に達した時反応を終了した。
【0129】得られた重合体は、無色の固体であり、酸
価6KOHmg、DSC測定法ガラス転移温度63℃、軟化点が136
℃であった。
【0130】(樹脂合成例9)合成例1におけるエピク
ロンN−695を使用せずにテレフタル酸を283重量
部、無水トリメリット酸を45重量部とした以外は合成例
1と同様に合成を行った結果、酸価5KOHmg、DSC測定法
ガラス転移温度63℃、軟化点が135℃の無色の樹脂が得
られた。
【0131】(樹脂合成例10)テレフタル酸332重量
部、イソフタル酸332重量部、ポリオキシプロピレン
(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン1
500重量部を攪拌器、コンデンサー、温度計をセットし
た四つ口フラスコに入れ、窒素ガス気流下、4重量部の
テトラブチルチタネートを添加し、脱水縮合により生成
した水を除去しながら、240℃にて10時間常圧で反応さ
せた。その後順次減圧し10mmHgで反応を続行した。反応
はASTM・E28-517に準じる軟化点により追跡し、軟化点
が95℃に達した時反応を終了した。得られた線状ポリエ
ステルの軟化点は96℃、酸価は4、DSC測定法によるT
gは63℃であった。
【0132】(樹脂合成例11)テレフタル酸332重量
部、イソフタル酸332重量部、ポリオキシプロピレン
(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン70
0重量部、トリメチロールプロパン80重量部、エチレン
グリコール130重量部を攪拌器、コンデンサー、温度計
をセットした四つ口フラスコに入れ、窒素ガス気流下、
4重量部のテトラブチルチタネートを添加し、脱水縮合
により生成した水を除去しながら、240℃にて10時間常
圧で反応させた。その後順次減圧し10mmHgで反応を続行
した。反応はASTM・E28-517に準じる軟化点により追跡
し、軟化点が151℃に達した時反応を終了した。得られ
た架橋ポリエステルの軟化点は153℃、酸価は4、DSC
測定法によるTgは65℃であった。
【0133】
【表1】表1.合成例一覧表
【0134】
【表2】表1.合成例一覧表(つづき)
【0135】表中の表示は以下の通り。 BPA(2,2)PO:ビスフェノールAプロピレンオキサイド2,
2モル付加物 TPA:テレフタル酸 MA:無水マレイン酸 IPA:イソフタル酸 PETGE:ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル TMA:無水トリメリット酸 TPM:トリメチロールフ゜ロハ゜ン EG:エチレンク゛リコールカーシ゛ュラ E:シェルジャパン製アルキルグリシジルエーテ
ルエヒ゜クロン N-695:大日本インキ化学工業(株)製多官能型
クレゾールノボラックエポキシ樹脂(エポキシ当量:22
0)
【0136】反応:タイプ1−(A)、(B)、(C)各成分同
時に反応させる(一括反応)*(A)が無い場合には(B)、
(C)成分を同時に反応させる。 タイプ2−(A)、(B)反応後(C)を、あるいは(A)、(C)反
応後(B)を反応させる(二段反応) タイプ3−(B)、(C)の反応によるポリエステル主鎖の製
造後に(A)を反応させる(二段反応)
【0137】 (実施例1) <トナーの製造> ・合成例1の樹脂 100重量部 ・カーボンブラック ブラックパールズ460(キャホ゛ット・スヘ゜シャルティー・ケミカルス゛・インク製) 5重量部 ・帯電制御剤(正帯電制御剤) ボントロン N−04(オリエント化学工業(株)製) 1.5重量部 4級アンモニウム塩化合物(2−1) 1.5重量部 ・ワックス 精製カルナウバワックスNo.1 (酸価5、セラリカNODA(株)製) 2重量部 をヘンシェルミキサーで混合し、2軸混練機で混練す
る。このようにして得た混練物を粉砕、分級して体積平
均粒子径10.1ミクロンのトナー原体A’を得た。
【0138】 ・上記トナー原体A’ 100重量部 ・シリカHDK3050EP(ワッカーケミカルズ(株)) 1重量部 をヘンシェルミキサーで混合の後、篩いかけをして、ト
ナーA”得た。
【0139】 <現像剤の調整> ・上記トナーA” 5重量部 ・キャリア(シリコン樹脂被覆フェライトキャリア) 95重量部 を混合攪拌して現像剤Aを調整した。
【0140】以下同様に表2の配合にてトナーを製造し
現像剤A(実施例1)〜現像剤J(実施例10)、及び
現像剤K(比較例1)〜現像剤M(比較例3)を製造し
た。
【0141】
【表3】表2.配合表
【0142】
【表4】表2.配合表(つづき)
【0143】
【表5】表2.配合表(つづき)
【0144】カルナウバワックス;カルナウバワックス
No.1(酸価5)セラリカNODA(株)製 モンタンワックス ;ヘキストワックスE(酸価20)
クラリアントジャパン(株)製 ライスワックス ;ライスワックスF−1(酸価8)
セラリカNODA(株)製 ビスコール550P;三洋化成(株)製ポリプロピレン
ワックス
【0145】上記実施例及び比較例で得られた現像剤に
ついて、定着開始温度、ホットオフセット開始温度、印
刷テストを以下の通り行った。
【0146】(ヒートロール定着・オフセット性能評
価)市販複写機改造機にてA−4紙サイズの未定着画像
サンプルを作成し、下記仕様のヒートロール定着ユニッ
トを用いて、定着開始温度、およびオフセット現象の有
無を確認した。
【0147】 上ロール荷重 : 15kg 上/下ロールニップ幅 : 8mm 紙送り速度 : 350mm/sec
【0148】定着強度は次式で計算される画像濃度残存
比率で判定した。画像濃度はマクベス画像濃度計RD−
918にて測定した。
【0149】画像濃度残存比率=堅牢度試験後画像濃度
/同左試験前画像濃度 ここで、堅牢度試験後画像濃度とは、学振型摩擦堅牢度
試験機(荷重:200g,擦り操作:5ストローク)を用い
て測定した。
【0150】定着強度としては、残存比率80%以上で実
用上問題ないレベルとし、その最低温度を定着開始温度
とした。オフセット開始温度は定着画像サンプルを観察
し、目視にてオフセット現象が認められる温度とした。
【0151】(印刷テスト)市販のレーザービームプリ
ンター(セレン感光体搭載)を用いて連続プリントによる
印字品質を評価すると共に、現像剤の帯電量を測定し
た。なお、帯電量はブローオフ帯電量測定機で測定し
た。画像濃度はマクベス濃度計RD−918で測定、地
汚れは白地部濃度からプリント前白紙濃度を差し引いて
求めた。
【0152】(トナー飛散量)50KP(5万枚)印刷
後のマシン内部を観察し感光体、現像装置周辺部等に飛
散トナーによる汚れがほとんどない場合を○、やや汚れ
が発生した場合を△、激しい汚れが発生した場合を×と
した。
【0153】以上の評価結果を表3に示す。
【0154】
【表6】
【0155】
【表7】
【0156】
【表8】
【0157】
【表9】
【0158】
【表10】
【0159】
【表11】
【0160】表中の表示は次の通り。 *「帯電量」; μC/g *「地汚れ評価」○:0.01未満、△:0.01〜0.03未満,
×:0.03以上 *「トナー飛散」;50KP(5万枚)印刷後の目視観
察 ○:飛散ほとんどなし △:やや飛散による汚れが発生 ×:激しい飛散が発生
【0161】表3から明らかな通り、本発明による(A)
エポキシ化合物を用いた架橋ポリエステル、及びニグロ
シン系染料と4級アンモニウム塩化合物を併用し、カル
ナウバワックス、モンタンワックス、ライスワックスか
ら選ばれた一種以上を使用した現像剤は、(A)エポキシ
化合物を用いない架橋ポリエステルを使用した比較例
1、及び比較例2の現像剤と比較して定着性、高温での
耐オフセット性の両方が優れている。
【0162】また、合成ワックスを用いた比較例3と比
較すると、地汚れ、及びトナー飛散が発生せず帯電の安
定した現像剤となっている。比較例3で用いたトナー中
のポリプロピレンワックスの分散状態を顕微鏡にて観察
したところ、本発明で用いたワックスの分散と比較して
非常に大きな分散粒子となっていることが判った。
【0163】また、50KP印刷後のキャリア表面には
ポリプロピレンの付着がありスペントキャリアの発生が
認められたことから、ワックスの分散性の違いが地汚
れ、トナー飛散、現像剤寿命の差として現れていること
が推察される。本発明による実施例ではスペントキャリ
アの発生は認められなかった。
【0164】
【発明の効果】本発明によれば、2価以上のエポキシ化
合物により架橋されたポリエステル、正帯電性電荷制御
剤、及びカルナウバワックス、モンタンワックス、ライ
スワックスから選ばれた一種以上のワックスを使用する
事により、より広範囲な温度領域において良好な定着特
性、耐オフセット性を示す現像剤が得られる。
【0165】また、同時に十分な力学的強度および安定
した帯電挙動を有するため現像装置内でのキャリアとの
摩擦に耐え、スペントキャリアおよびトナー飛散を発生
することなく、カブリのない高濃度かつ高品位の印刷画
像が安定して得ることができる現像剤を提供することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大場 克則 栃木県小山市乙女3−12−21 エミネンス 小山1−306 (72)発明者 島根 義憲 千葉県市川市鬼高3−12−18−415 (72)発明者 菅原 良三 千葉県袖ヶ浦市福王台2−16−7 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 BA06 CA02 CA08 CA11 CA12 CA14 CA21 CA28 DA03 EA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、バインダー樹脂、着色剤、離
    型剤及び正帯電性電荷制御剤とを含有してなる着色樹脂
    粒子と、樹脂被覆磁性キャリアからなる静電荷像現像剤
    であって、前記バインダー樹脂が、 (A)2価以上のエポキシ化合物 (B)2価以上の多塩基酸及び/又は酸無水物及び/又
    はこれらの低級アルキルエステルから選ばれる多塩基酸
    化合物 (C)2価以上の多価アルコール を主構成成分とするポリエステル樹脂からなり、前記離
    型剤としてカルナウバワックス、モンタン系エステルワ
    ックス及び/又はライスワックスを含有することを特徴
    とする正帯電性静電荷像現像剤。
  2. 【請求項2】前記バインダー樹脂が前記構成成分(A)
    〜(C)を一括反応させるか、(A)と(C)を反応後
    さらに(B)を反応させるか、または(A)と(B)を
    反応後さらに(C)を反応させるかして得られるポリエ
    ステル樹脂であることを特徴とする請求項1記載の正帯
    電性静電荷像現像剤。
  3. 【請求項3】前記バインダー樹脂のガラス転移温度が5
    5℃〜85℃で、かつ軟化点が90℃〜180℃である
    ことを特徴とする請求項1および2記載の正帯電性静電
    荷像現像剤。
  4. 【請求項4】前記正帯電性電荷制御剤としてニグロシン
    系染料及び4級アンモニウム塩化合物を含有することを
    特徴とする請求項1記載の正帯電性静電荷像現像剤。
  5. 【請求項5】前記4級アンモニウム塩化合物が下記構造
    の化合物(1)または(2)の中から選ばれる少なくと
    も一種であることを特徴とする請求項4記載の正帯電性
    静電荷像現像剤。 化合物(1) 【化1】 [式中、R1〜R3はCnH2+1基を表す。但し、nは
    1〜10の整数を示す。また、R1〜R3は同じであって
    も異なっていてもよい。] 化合物(2) 【化2】 [式中、R4、R5、R6およびR7はそれぞれ独立に水素
    原子、炭素数1〜22個のアルキル基あるいはアルケニ
    ル基、炭素数1〜20個の未置換あるいは置換芳香族
    基、炭素数7〜20個のアラルキル基を表し、A-はモ
    リブデン酸アニオンあるいはタングステン酸アニオン、
    モリブデンあるいはタングステン原子を含むヘテロポリ
    酸アニオンを表す。]
  6. 【請求項6】前記樹脂被覆磁性キャリアが、シリコーン
    樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂から選ばれる
    1種以上の樹脂で被覆された樹脂被覆磁性キャリアであ
    る請求項1記載の正帯電性静電荷像現像剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017054115A (ja) * 2015-09-09 2017-03-16 三洋化成工業株式会社 トナーバインダーおよびトナー

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