JP4280953B2 - 静電荷像現像用トナー組成物及び現像剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、あるいは静電印刷法に用いる静電荷像現像剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法としては、米国特許第2,297,691号、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公報などに各種の方法が記載されているが、通常は、光導電性感光体等の静電潜像担持体上に帯電、露光により静電潜像を形成し、次いでこの静電潜像を、バインダー樹脂中に着色剤を含有するトナー組成物によって現像し、得られたトナー像を転写紙などの支持体に転写、定着して可視画像を形成する方法が一般的である。
【0003】
また、電子写真法における現像方法としては多くの方法が知られているが、大別すると、鉄粉、フェライト、ニッケル、ガラス等の微粒子(20〜500μm)からなるキャリアとトナーとの混合物を現像剤として用いる二成分現像法と、トナーのみからなる現像剤を用いる一成分現像法とがある。
【0004】
二成分現像法の代表例としては、米国特許第2,618,552号記載のカスケード法、及び米国特許2,874,063号記載の磁気ブラシ法がある。これらの方法はキャリアが現像剤の攪拌、搬送、帯電などの機能を分担しておりキャリアとトナーの機能分離が明確になっている。そのためトナーの帯電制御や現像剤層の形成が比較的容易で、高速化にも対応可能なことから現在広く用いられている。
【0005】
ところで、近年における情報化社会の発展に伴い、電子写真、静電記録、静電印刷の各分野においても印刷画像の高品質化、記録の高速化、高密度化、長期保存安定性等の要求が高まり、静電潜像を非印刷媒体上に記録するトナーの特性改善に寄せられる期待は多大なものとなっている。特に、高速印刷に適した二成分現像剤におけるトナーにおいては、キャリアとの摩擦に耐える強度、ヒートロール定着方式における広い温度領域での安定した定着挙動等が重要な特性であり、これらの特性はトナー組成物に用いられるバインダー樹脂の特性に負うところが非常に大きい。
【0006】
又、一成分現像方法としては、例えば、電気絶縁性磁性トナーを用いて現像する磁性一成分現像方法が米国特許4,336,318号明細書に記載されている。その方法においては、トナー粒子とトナー担持体及びトナー薄層化部材との間の摩擦帯電、又は、トナー粒子同士の摩擦帯電によりトナーに電荷が注入されて、感光体上の静電潜像に付着する。
【0007】
この現像方法は、キャリアを使用しないこと、及びキャリアとトナーとの混合比を制御する装置が不要なことから、現像装置が小型になるという利点を有する。
【0008】
同方式では金属スリーブ上にトナーの磁気ブラシを形成するために、トナー自体に適当な磁気特性を持たせる必要が有り、その為、マグネタイト、フェライト等の磁性材料をトナー中に含有させることが必須となっている。これら磁性材料の含有量は、現像条件、材料の種類等で多少異なるが、30〜60重量%が一般的である。
【0009】
したがって、2成分現像方式のトナーと比べてトナー中に含有されるバインダー樹脂の割合が少ないことは定着性能面で不利となる。そのような事情から、磁性一成分現像方式においてはバインダー樹脂の含有比率が少なくても十分な定着性能を示すことのできるバインダー樹脂の開発が切望されている。
【0010】
一方で、このような磁性トナーを用いた一成分現像方法の問題点を解決するために、トナーに磁気特性を必要としない非磁性一成分現像方法が提案されている。このような方法としては種々の装置が検討されているが、その多くは現像スリーブ等に対し静電気力でトナーを付着させ、潜像面へトナーを搬送させて現像せしめるものである。
【0011】
非磁性一成分現像方法では、バインダー樹脂と着色剤と帯電制御剤とを必須成分として含む電子写真用粉体トナーが用いられるが、同方式に用いられるバインダー樹脂においても、他の現像方式に用いられるバインダー樹脂と同様に、帯電の安定性、連続印字の際の耐久性、及び幅広い温度領域における安定した定着挙動が求められている。
【0012】
これまでトナー用のバインダー樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリブチラール樹脂、キシレン樹脂、クマロンインデン樹脂等が研究使用され、これらの樹脂の設計においては、用途に応じて種々の提案が為されている。
【0013】
一般的には、バインダー樹脂に求められる特性としては、帯電、定着特性等、種々の特性があるが、特に、ヒートロール定着用途のトナーに用いられるバインダー樹脂には、転写紙への定着性能と耐オフセット性能の向上が要求されている。ヒートロール定着では、転写紙上に静電的に付着したトナー粒子は、加圧、加熱された熱ロール間を通過することにより溶融して転写紙に定着する。ところが、その際にロールの表面温度が低すぎると、トナー粒子層全体が充分に加熱されず、加熱ロールに接触した面のみが軟化して加熱ロールに付着する。転写紙側のトナーは軟化していないため付着力が生じず、結局、転写紙上のトナー層は転写紙に定着することなく、ほとんどが定着ロール側に移行する。これをコールドオフセットと呼んでいる。
【0014】
逆に、ロール表面の温度が高すぎると、溶融したトナーの粘度が低下する。それに伴い、溶融したトナー層の内部凝集力も急激に低下して加熱ロールへの付着力を下回る。その結果、溶融したトナー層は破断して転写紙、及び定着ロール双方に移行する。これをホットオフセットと呼び加熱ロールの汚染の原因となっている。ヒートロールに付着したトナーは転写紙に再転写して非画像部を汚し、印刷品質の低下をもたらす。
【0015】
耐オフセット性能とは、トナーがある温度においてコールドオフセット、あるいはホットオフセットを生じない能力を有することを意味し、トナー用のバインダー樹脂には広い温度領域で耐オフセット性能を有し、なおかつ優れた定着特性を有することが求められている。
【0016】
以上の目的を達成するため数多くの設計例が提唱されており、中でも加熱溶融時の粘弾性を維持する目的で、あるいは温度変動に対する粘度変化を抑える目的で、分子量分布の拡大、架橋構造の付与、ゴム弾性材料の適用等の手段が施された技術が検討されてきた。これまでの研究でポリエステル樹脂がヒートロール定着用樹脂として用い得ることは広く知られている。たとえば、特公昭52−25420号、同53−17496号、同55−49305号、特開昭55−38524号、同57−37353号、同58−11952号等の各公報がある。しかしながら、従来提案されているこれらの発明では、現在求められている広い温度領域での耐オフセット性能、定着性能を十分に満足するポリエステル樹脂は得られていない。
【0017】
特開昭62−295068号公報には、バインダー樹脂としてポリエステル樹脂を用いる静電荷像現像剤として、
(1)5価のエポキシ化合物
(2)2価以上の多塩基酸及び/又は酸無水物及び/又はこれらの低級アルキルエステルから選ばれる多塩基酸化合物
(3)2価以上の多価アルコール
を用いて、(2)と(3)の反応後(1)を反応して得られるポリエステル樹脂であることを特徴とする静電荷像現像剤が記載されている。
【0018】
しかしながら、特に高速印刷における現像装置内でのシェアに耐え、低温での十分な定着強度を有し、さらに高温での耐オフセット性能を有する樹脂は未だかつて見出されていない。
【0019】
また、一方で定着時におけるヒートロールからの剥離性を付与し、オフセットの発生を防止するためにトナー中に離型剤を含有させる技術も並行して研究されてきた。これまでは、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックスが主として検討されてきたが、特開平1−238672号、特開平3−5764号、特開平5−119509号、等にはモンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス等の天然ワックスを用いた例が提示されている。
【0020】
帯電制御剤についてもこれまで種々検討されており、それぞれの現像方式、感光体の極性に応じて正帯電性の帯電制御剤、負帯電性の帯電制御剤が選択されてきた。例えば高速、高耐久のセレン感光体を用いたマシンに用いられる正帯電性トナーに用いられる帯電制御剤としてはニグロシン系染料、4級アンモニウム塩化合物等が知られている。これらの正帯電性帯電制御剤を単独で、あるいは組み合わせて用いた例としては特開平1−259371号、特開平3−7948号、特開平5−119509号、特開平10−246991号、等がある。
【0021】
しかしながら、これらの各号報にも前述した現像方式において要求されるすべての特性を満足する発明は開示されていない。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、定着性及び耐オフセット性に優れ、かつ、連続印刷した際も安定な帯電挙動を示し、良好な高画質画像が得られる耐久性に優れた静電荷像現像剤を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。
【0024】
即ち、本発明は上記課題を解決するために、少なくとも、バインダー樹脂と着色剤と帯電制御剤とからなる着色樹脂粒子を含有するトナー組成物であって、前記バインダー樹脂が、
(1)5価以上のエポキシ化合物
(2)2価以上の多塩基酸及び/又は酸無水物及び/又はこれらの低級アルキルエステルから選ばれる多塩基酸化合物
(3)2価以上の多価アルコール
を用いて、これら(1)〜(3)を一括仕込みで反応させるか、(1)と(3)反応後さらに(2)を反応させるか、または(1)と(2)反応後さらに(3)を反応させるかして得られるポリエステル樹脂であることを特徴とする静電荷像現像用トナー組成物、及び少なくとも、バインダー樹脂と着色剤と帯電制御剤とを含有してなる着色樹脂粒子及び磁性キャリアからなる静電荷像現像剤であって、前記バインダー樹脂が、
(1)5価以上のエポキシ化合物
(2)2価以上の多塩基酸及び/又は酸無水物及び/又はこれらの低級アルキルエステルから選ばれる多塩基酸化合物
(3)2価以上の多価アルコール
を用いて、これら(1)〜(3)を一括仕込みで反応させるか、(1)と(3)反応後さらに(2)を反応させるか、または(1)と(2)反応後さらに(3)を反応させるかして得られるポリエステル樹脂であることを特徴とする静電荷像現像剤を提供するものである。
【0025】
なお本明細書中で2価、2〜4価、5価のエポキシ化合物と記載したものは、それぞれ1分子中に2個、2〜4個、5個のエポキシ基を有する化合物を意味している。以下、任意の価数nを持つエポキシ化合物についても、その意味は1分子中にn個のエポキシ基を有する化合物を現わすものとする。
【0026】
本発明では、まず、少なくとも、バインダー樹脂、着色剤、帯電制御剤、好ましくは離型剤とからなる着色樹脂粒子を含有したトナー組成物を作製し、さらに、これに適宜、該着色樹脂粒子よりも小さい粒径の微粒子を付着せしめたトナー組成物を用いる。本発明におけるバインダー樹脂は、ポリエステル樹脂であり、以下の原料より得られる。
【0027】
本発明に用いられる5価以上のエポキシ化合物(1)としては、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ基を有するビニル化合物の重合体、あるいは共重合体、エポキシ化レゾルシノール−アセトン縮合物、部分エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。
【0028】
具体的には、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂の例として、大日本インキ化学工業(株)製エピクロンN-660,N-665,N-667,N-670,N-673,N-680,N-690,N-695等が挙げられる。フェノールノボラック型エポキシ樹脂の例としては、例えば大日本インキ化学工業(株)製エピクロンN-740,N-770,N-775,N-865等が挙げられる。エポキシ基を有するビニル化合物の重合体、あるいは共重合体としてはグリシジル(メタ)アクリレートのホモポリマー、あるいはアクリル共重合体、スチレンとの共重合体が挙げられる。
【0029】
これらの中でも、5価以上のエポキシ化合物を含んだ、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、およびフェノールノボラック型エポキシ樹脂がより好適に用いられる。
【0030】
また、上記エポキシ化合物は2種以上併用して用いることもでき、さらに、以下に記載するモノエポキシ化合物を併せて用いることもできる。同時に使用しうるモノエポキシ化合物としては、例えばフェニルグリシジルエーテル、アルキルフェニルグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエステル、アルキルフェノールアルキレンオキサイド付加物のグリシジルエーテル、α−オレフィンオキサイド、モノエポキシ脂肪酸アルキルエステル等が挙げられる。
【0031】
これらのモノエポキシ化合物を併用することにより定着性、高温での耐オフセット性が向上する。これらの中でも、特にアルキルグリシジルエステルがより好適に用いられる。
【0032】
さらに適宜、2〜4価のエポキシ化合物を併用することも可能である。同時に使用しうる2〜4価のエポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0033】
本発明で用いられる、2価以上の多塩基酸及び/又は酸無水物及び/又はこれらの低級アルキルエステルから選ばれる多塩基酸化合物〔以下、多塩基酸化合物(2)と略記する。〕としては、例えば無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、アジピン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸等のジカルボン酸又はその誘導体又はそのエステル化物が、また、例えばトリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸等の三官能以上の多価カルボン酸又はその誘導体又はそのエステル化物挙げられる。
【0034】
これら多塩基酸化合物(2)には、上記した通り、マレイン酸やフマル酸等の付加重合性を有する多塩基酸化合物と、テレフタル酸やアジピン酸等の非付加重合性の多塩基酸化合物があるが、本発明においては、多塩基酸化合物(2)として非付加重合性の多塩基酸化合物のみを用いるのが好ましい。
【0035】
また、2価以上の多価アルコール(3)としては、例えば1,4−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ビスフェノールA、ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びその誘導体、ポリオキシプロピレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びその誘導体、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドランダム共重合体ジオール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合体ジオール、エチレンオキサイド−テトラハイドロフラン共重合体ジオール、ポリカプロカクトンジオール等のジオールが、また、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトラオール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリメチロールベンゼン、等の三官能以上の多価アルコールが挙げられる。
【0036】
本発明においては、例えばポリオキシプロピレン−(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びその誘導体、の様なビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物をポリオキシプロピレン−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと称する。
【0037】
本発明で用いることのできる2価以上の多価アルコールには芳香族系多価アルコールと脂肪族系多価アルコールがある。
【0038】
以上に記載した多価アルコールを分類すれば以下のようになる。
【0039】
本発明で用いることのできる芳香族系多価アルコールには次の3タイプに分類される各化合物がある。
【0040】
(A)ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(本発明ではポリオキシエチレン−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと称する)として、ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−(2.2)−ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びその誘導体、等。
【0041】
(B)ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(本発明ではポリオキシプロピレン−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと称する)として、ポリオキシプロピレン−(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びその誘導体、等。
【0042】
(C)3価以上の芳香族系多価アルコールとして、1,3,5−トリメチロールベンゼン等がある。
【0043】
また、脂肪族系多価アルコールには、脂肪族系ジオールとして、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドランダム共重合体ジオール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合体ジオール、エチレンオキサイド−テトラハイドロフラン共重合体ジオール、ポリカプロラクトンジオール等が、また、3価以上の脂肪族系多価アルコールとして、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトラオール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、等が挙げられる。
【0044】
本発明における2価以上の多価アルコールを用いた実施形態には以下の2通りがある。
【0045】
(1)芳香族系多価アルコールを主成分として用いるケース
2価以上の多価アルコールとして、例えばポリオキシエチレン−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンや、ポリオキシプロピレン−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの様な、ビスフェノールAポリオキシアルキレンオキサイド付加物を必須成分として用いたポリエステル樹脂をバインダー樹脂として選択することによりトナーの力学的強度をより大きくできる。その結果として、長期間の印刷において現像装置内での攪拌等の機械的シェアに耐え、また定着後は摩擦や折り曲げに耐えうるより強靱で強固なトナー被膜を形成しうるトナーが得られる。
【0046】
強いて、ポリオキシエチレン−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを主成分となる様に用いて得たポリエステル樹脂と、ポリオキシプロピレン−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを主成分となる様に用いて得たポリエステル樹脂とを対比するならば、後者を用いて得られたトナーの方が、より粒子強度が大きくなり、したがって耐久性、耐摩擦力、折り曲げ性に勝ったものとなる。
【0047】
このケースにおいて脂肪族系ジオールを併用する場合は、全アルコール成分に対する脂肪族系ジオールの割合を30モル%以下とすることが望ましい。より好ましくは20モル%以下である。
【0048】
(2)脂肪族系多価アルコールを主成分として用いるケース
脂肪族系多価アルコールを用いることによりポリエステル樹脂のワックス類との相溶性が良好となり、耐オフセット性が改良される。また、ポリエステル主鎖が軟質化することにより低温での定着性が改善される。
【0049】
また、この場合、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物と共に用いる多価カルボン酸及び多価アルコールの組み合わせとしては芳香族ジカルボン酸と主鎖にエーテル結合を持った脂肪族ジオールであることが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、例えば無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸等が、また、主鎖にエーテル結合を持った脂肪族ジオールとしては、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドランダム共重合体ジオール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合体ジオール、エチレンオキサイド−テトラハイドロフラン共重合体ジオール、ポリカプロカクトンジオール等のジオールがある。芳香族ジカルボン酸を用いる量は全酸成分の60モル%以上であることが望ましく、より望ましくは70モル%以上である。主鎖にエーテル結合を持った脂肪族ジオールを用いる量は全アルコール成分のうち5〜50モル%、より好ましくは10〜40モル%であることが望ましい。このような組み合わせ、及び使用量にすることにより、より低温での定着性能が向上し、またワックスの分散性が良好となることから耐オフセット性も改善される。
【0050】
このケースにおいて前記芳香族ジオールを併用する場合は、全アルコール成分に対する芳香族ジオールの割合を30モル%以下とすることが望ましい。より好ましくは20モル%以下である。
【0051】
本発明におけるポリエステル樹脂は、例えば触媒の存在下で上記の原料成分(1)(2)(3)を用いて脱水縮合反応或いはエステル交換反応を行うことにより得ることができる。この際の反応温度及び反応時間は、特に限定されるものではないが、通常150〜300℃で2〜24時間である。
【0052】
上記反応を行う際の触媒としては、例えば酸化亜鉛、酸化第一錫、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジラウレート、パラトルエンスルホン酸等を適宜使用する事が出来る。
【0053】
なおテトラブチルチタネートを使用することもできる。
【0054】
従来の静電荷像現像トナー用ポリエステル樹脂は、2〜4価のエポキシ化合物を用いるのに対して、本発明においては5価以上のエポキシ化合物を用いるので、トナーとして、より優れた特性を発現する。
【0055】
本発明におけるポリエステル樹脂は、例えば下記タイプ1〜2の工程により製造することができる。
<タイプ1>;(1)、(2)、(3)各成分を一括で仕込み反応させる(一括反応)
<タイプ2>;(1)、(2)反応後(3)を、あるいは(1)、(3)反応後(2)を反応させる(二段反応)
従来技術の方法としては、以下の方法がある。
<タイプ3>;(2)、(3)の反応によるポリエステル主鎖の製造後に(1)を反応させる(二段反応)
【0056】
本発明で採用するタイプ1及びタイプ2の方法で得た樹脂と、従来法で得た樹脂との化学構造上またはトナーとした場合の効果上の相違点は以下の通りである。
【0057】
上記3つのタイプの反応により製造された樹脂の骨格は若干異なる。
タイプ1、およびタイプ2においては架橋剤であるエポキシ化合物がカルボン酸単量体、及び、又はアルコールの単量体と反応した後に主鎖延長の反応が起きる。したがって、この場合、主鎖延長の反応が起きる前にカルボン酸、あるいはアルコール単量体の1分子と、これら単量体の価数に応じた分子数、つまり2分子以上のエポキシ架橋剤が反応するケースが生じる。極端なケースではこのような反応が連鎖的に起きることにより非常に高密度にエポキシ架橋剤が存在する部分が生じることになる。
【0058】
特に本発明で用いるようなエポキシ化合物は1個のエポキシ基がカルボキシル基あるいは水酸基と反応することにより2級水酸基が発生し、この水酸基がさらに他のカルボキシル基と反応する。つまり1個のエポキシ基は2価の基として作用するので、タイプ1、及びタイプ2の反応におけるポリエステル樹脂は非常に高い密度の架橋構造を採ることになる。
【0059】
一方、架橋剤が集中して密の部分が生じると言うことは、逆に、その後の主鎖延長反応において架橋密度が疎の部分を生じることになる。つまり、タイプ1、およびタイプ2においては樹脂中に高架橋密度部分と低架橋密度部分が生じて架橋密度のばらつきが発生することになる。
【0060】
ところで、トナーはバインダー樹脂の低分子量成分が溶融して紙に浸透、あるいは隣接トナー粒子と融着することにより定着する。また、バインダー樹脂の高分子量成分が高温時においても弾性を保持して定着ロールへのオフセットを防止する。したがって、バインダー樹脂中に架橋密度の疎密を持つと言うことは分子量分布が非常に広くなることを意味し、より広範囲な温度領域において良好な定着特性、耐オフセット性が得られることになる。また、高架橋密度成分を保有するトナーは現像装置内でのキャリアとの摩擦に十分耐える力学的強度を有している。
【0061】
一方、タイプ3の反応は先にカルボン酸とアルコールを反応させて主鎖を形成してからエポキシ架橋剤を反応させる方法である。この場合、ポリエステル主鎖の両末端にエポキシ化合物が反応することになるので、タイプ1、およびタイプ2において生じたエポキシ架橋剤が非常に近接した構造をとる確率は非常に低くなる。
【0062】
本発明においては5価以上のエポキシ化合物が必須であるので、この方法でもかなりの架橋密度が得られ、分子量分布が広くなるが、タイプ1、およびタイプ2には及ばない。
【0063】
以上の理由により本発明のポリエステル樹脂の製造に際しては上記タイプ1、およびタイプ2の反応方式を用いることがより好ましい。また、特に製造工程の短縮、簡略化の観点からタイプ1の反応形式を用いることが最も好ましい。
【0064】
また、本発明におけるポリエステル樹脂は、前記(2)成分の一部または全部に不飽和二塩基酸を用いることにより、エポキシ化合物による架橋と不飽和二重結合による架橋の両方が起きている状態の架橋ポリエステルとすることもできる。この場合、通常は、不飽和二塩基酸の不飽和二重結合が解裂しない様に、分子内二重結合を含む前駆体のポリエステル樹脂を製造してから、この分子内二重結合を解裂させるようにして重合し架橋せしめる方法が用いられる。
【0065】
不飽和二塩基酸としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸等が挙げられる。
【0066】
不飽和二重結合による架橋反応は、通常のポリエステル主鎖製造後に、さらに加熱又は重合開始剤を用いることにより行う。加熱の場合は230〜260℃の温度で3〜15時間位行い、重合開始剤の存在下では130℃〜250℃の温度で0.5〜15時間位反応させる。
【0067】
上記重合開始剤としては、例えばターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、ターシャリーブチルクミルパーオキサイド等が挙げられる。重合開始剤の量としては、ポリエステル樹脂の0.01〜5重量%、好ましくは0.02〜2重量%の範囲である。
【0068】
本発明に用いられるポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は55℃以上のものが好ましいが、なかでも、そのTgが55〜85℃のものが特に好ましい。Tgが55℃以下ではトナーが保存、運搬、あるいはマシンの現像装置内部で高温下に晒された場合にブロッキング現象(熱凝集)を生じやすい。
【0069】
また、本発明におけるポリエステル樹脂はGPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が10以上、及びGPCで測定した分子量10万に相当する位置の相対強度(I10)と分子量1万に相当する位置の相対強度(I01)の比(I10/I01)が0.1〜0.4の樹脂が好ましい。
【0070】
さらに、(Mw/Mn)が15以上60以下、及びGPCで測定した分子量10万に相当する位置の相対強度(I10)と分子量1万に相当する位置の相対強度(I01)の比(I10/I01)が0.1〜0.4の樹脂を用いることがより好ましい。
【0071】
本発明における樹脂の分子量とはテトラヒドロフランにより溶解する成分をGPCにより測定した値である。
【0072】
Mw/Mnが10未満、あるいは(I10/I01)が0.1未満であると高温での耐オフセット性が悪化し、(I10/I01)が0.4を越えると低温での定着性が悪化する。
【0073】
更に好ましい実施態様として、ポリエステル樹脂の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw) と数平均分子量(Mn) の比(Mw/Mn)が10以上、及びゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した分子量10万に相当する位置の相対強度(I10)と分子量1万に相当する位置の相対強度(I01)の比(I10/I01)が0.1〜0.4であり、なおかつ分子量100万に相当する位置の相対強度(I100)と分子量1万に相当する位置の相対強度(I01)の比(I100/I01)が0.05〜0.3であることが、低温定着性と耐オフセット性のバランスの上から更に好ましい。
この値(I100/I01)が0.05未満であると耐オフセット性が悪くなり、
0.3を越えると低温定着性が悪くなる。
【0074】
尚、本発明におけるポリエステル樹脂の各分子量は、いずれもポリスチレン換算の分子量を言う。
【0075】
本発明において重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、ポリスチレンの分子量に相当する位置の相対強度(I10、I01)の値は、以下の測定条件によって測定されたものである。
Figure 0004280953
【0076】
図1に、本発明で用いた結着樹脂に関して測定されたGPCデータを表すチャートの概略を示した。
【0077】
また、本発明に使用されるポリエステル樹脂の軟化点としては、90℃以上、なかでも、90℃〜180℃の範囲のものが好ましい、より好ましくは、110℃〜150℃の範囲である。軟化点が90℃未満の場合は、トナーが凝集現象を生じやすく、保存時や印字の際にトラブルになりやすく、180℃を越える場合には定着性が悪くなることが多い。
【0078】
本発明に用いられるバインダー樹脂としては、Tgが55〜85℃かつ軟化点が90℃〜180℃のものが特に好ましい。
【0079】
本発明のポリエステル樹脂の酸価としては、20mgKOH/g以下であることが、トナーの耐湿性が良好となる点で好ましい。
【0080】
本発明で使用することのできる着色剤としては、周知のものがあげられる。黒の着色剤としては製法により分類されるファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック、等のカーボンブラックが、青系の着色剤としてはフタロシアニン系のC.I.Pigment Blue 15−3、インダンスロン系のC.I.Pigment Blue 60等が、赤系の着色剤としてはキナクリドン系のC.I.Pigment Red 122、アゾ系のC.I.Pigment Red 22、C.I.Pigment Red 48:1、C.I.Pigment Red 48:3、C.I.Pigment Red 57:1等が、黄系の着色剤としてはアゾ系のC.I.Pigment Yellow 12、C.I.Pigment Yellow 13、C.I.Pigment Yellow 14、C.I.Pigment Yellow 17、C.I.Pigment Yellow 97、C.I.Pigment Yellow 155、イソインドリノン系のC.I.Pigment Yellow 110、ベンズイミダゾロン系のC.I.Pigment Yellow 151、C.I.Pigment Yellow 154、C.I.Pigment Yellow 180、等がある。着色剤の含有量は、バインダー樹脂100重量部に対して1重量部から20重量部の範囲内にある。これらの着色剤は1種又は2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0081】
本発明に用いられる帯電制御剤としては、例えば正帯電制御剤としてニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、4級アンモニウム基及び/又はアミノ基を含有する樹脂等が、負帯電制御剤としてトリメチルエタン系染料、サリチル酸の金属錯塩、ベンジル酸の金属錯塩、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、金属錯塩アゾ系染料、アゾクロムコンプレックス等の重金属含有酸性染料、カリックスアレン型のフェノール系縮合物、環状ポリサッカライド、等が必要に応じて用いられる。本発明の着色樹脂粒子では、正帯電制御剤を含めるのがよい。これらの帯電制御剤はバインダー樹脂100重量部当たり0.5〜5重量部用いる事が望ましい。
【0082】
以上例示した化合物の中でも、正帯電性トナーとして用いる場合には正帯電性帯電制御剤として、ニグロシン系染料、または4級アンモニウム塩を用いるのが好ましく、特に両者を併用するのがより望ましい。4級アンモニウム塩化合物としては、下記構造の化合物(1)または(2)の中から選ばれる少なくとも一種であることが特に好ましい。(1)の構造の化合物にはボントロンP−51;(オリエント化学製)が、(2)の化合物にはTP−302、TP−415、TP−610;(保土谷化学製)がある。
【0083】
また、構造は必ずしも明確ではないが、4級アンモニウム塩系の正帯電性帯電制御剤として、コピーチャージPSY(クラリアントジャパン製)も同様、好適に用いることが出来る。
【0084】
....化合物(1)
【化3】
Figure 0004280953
[式中、R1〜R3はCnH2+1基を表す。但し、nは1〜10の整数を示す。また、R1〜R3は同じであっても異なっていてもよい。]
【0085】
....化合物(2)
【化4】
Figure 0004280953
[式中、R4、R5、R6およびR7はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜22個のアルキル基あるいはアルケニル基、炭素数1〜20個の未置換あるいは置換芳香族基、炭素数7〜20個のアラルキル基を表し、A-はモリブデン酸アニオンあるいはタングステン酸アニオン、モリブデンあるいはタングステン原子を含むヘテロポリ酸アニオンを表す。]
【0086】
より具体的には以下の各化合物がある。
【0087】
....(1−1)
【化5】
Figure 0004280953
【0088】
....(2−1)
【化6】
Figure 0004280953
【0089】
....(2−2)
【化7】
Figure 0004280953
【0090】
....(2−3)
【化8】
Figure 0004280953
【0091】
....(2−4)
【化9】
Figure 0004280953
【0092】
....(2−5)
【化10】
Figure 0004280953
【0093】
....(2−6)
【化11】
Figure 0004280953
【0094】
....(2−7)
【化12】
Figure 0004280953
【0095】
....(2−8)
【化13】
Figure 0004280953
【0096】
....(2−9)
【化14】
Figure 0004280953
【0097】
....(2−10)
【化15】
Figure 0004280953
【0098】
....(2−11)
【化16】
Figure 0004280953
【0099】
ニグロシン系染料と4級アンモニウム塩化合物を併用する場合の使用比率は1/9〜9/1(重量比)であることが好ましく、2/8〜8/2(重量比)であることがより好ましい。ニグロシン系染料は一般に正帯電付与能力が高いが、帯電の均一性・安定性が劣り、単独で使用するとカブリが発生しやすくシャープネスが不足した印刷画像となりやすい。反面、4級アンモニウム塩化合物は正帯電付与能力が低く所期の帯電量が得られにくい。しかしながら、両者を併用することにより帯電の均一性・安定性が得られ、連続印刷時にカブリのない鮮明な印刷画像が安定して得られる。ニグロシン系染料の使用比率が1より低いとトナーに十分な帯電が得られにくく、ベタ部が不均一で画線の輪郭が不鮮明な低画質画像となりやすい。また、使用比率が9より多いと帯電量が高くなりすぎ、不安定な帯電挙動を示す現像剤となりやすい。このようにどちらかが多すぎても少なすぎても目的の帯電量が得られず、結果として低濃度・低画質の印刷となりトナー飛散が多く発生する現像剤となる。両者の比率を適宜調節する事により最適の帯電量が得られ、かぶりが無く、画線の輪郭がはっきりとした高濃度かつ高品位の印刷が可能な、トナー飛散の無い長寿命の現像剤を得ることができる。
【0100】
正の帯電制御剤の含有量はバインダー樹脂100重量部当たり0.3〜10重量部用いることが好ましく、より好ましくは1〜5重量部である。
【0101】
本発明における着色樹脂粒子は、トナーとして機能し、上記の様なポリエステル樹脂からなるバインダー樹脂、着色剤、帯電制御剤を主成分として構成されるが、着色樹脂粒子には、その他の添加剤を含める様にしても良い。
【0102】
一例として、滑剤としては、例えば金属石鹸、ステアリン酸亜鉛等が、研磨剤としては、例えば酸化セリウム、炭化ケイ素等が使用できる。
【0103】
また、着色剤の一部もしくは全部を磁性粉に置き換えた場合には磁性一成分現像用トナーとして用いることができる。磁性粉としては、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属、もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの合金や化合物の粉末が用いられる。これらの磁性粉は、必要に応じて有機珪素あるいはチタン化合物等により疎水化処理したものも好適に用いられる。磁性粉の含有量はトナー重量に対して15〜70重量%が良い。
【0104】
更にヒートロール定着用途では、トナーのヒートロール付着汚れ(オフセット)によるトラブル防止を目的として、離型効果を高める助剤として、種々のワックス類が必要に応じて使用され、例えばモンタン酸エステルワックスの如き天然ワックス、高圧法ポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレフィン系ワックス、ポリアミド系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、合成エステル系ワックス等が使用出来る。
【0105】
以上の中でも特に本発明では、カルナウバワックス、モンタン系エステルワックス、ライスワックス及び/又はカイガラムシワックスを用いることが特に好ましい。これらのワックスは本発明による構造のポリエステル樹脂に最も良好な分散性を示し、定着性、耐オフセット性の改善が顕著である。
【0106】
カルナウバワックスとしては精製により遊離脂肪酸を除去した脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスを用いることが好ましい。脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスの酸価としては8以下が好ましく、より好ましくは酸価5以下である。脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスは従来のカルナウバワックスより微結晶となりポリエステル樹脂中での分散性が向上する。モンタン系エステルワックスは鉱物より精製されたものであり、精製によりカルナウバワックスと同様に微結晶となりポリエステル樹脂中での分散性が向上する。モンタン系エステルワックスでは酸価として特に30以下であることが好ましい。また、ライスワックスは米ぬかロウを精製したものであり、酸価は13以下であることが好ましい。カイガラムシワックスはカイガラムシ(別名イボタロウムシ)の幼虫が分泌する蝋状成分を、例えば、熱湯に溶かし、上層を分離後冷却固化して、あるいはそれを繰り返すことにより得ることができる。このような手段により精製されたカイガラムシワックスは固体状態において白色であり、極めてシャープな融点を示し本発明におけるトナー用ワックスとして適している。精製により酸価は10以下となり、トナー用として好ましいのは5以下である。
【0107】
上記ワックスは単独で用いても組み合わせて用いても良く、バインダー樹脂に対して0.3〜15重量部、好ましくは1〜5重量部含有させることにより良好な定着オフセット性能が得られる。0.3重量部より少ないと耐オフセット性が損なわれ、15重量部より多いとトナーの流動性が悪くなり、また、キャリア表面に付着することによりスペントキャリアが発生し、トナーの帯電特性に悪影響を与えることになる。
【0108】
また、上記の天然ワックス以外では合成エステルワックスも好適に使用できる。合成エステルワックスの中にはエルクトールWEP−5(日本油脂製)等がある。なお、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックスも併用して用いることができる。
【0109】
本発明のトナーは、特定の製造方法によらず極めて一般的な製造方法に依って得る事ができるが、例えば樹脂と着色剤と帯電制御剤とを、樹脂の融点(軟化点)以上で溶融混練した後、粉砕し、分級することにより得ることが出来る。
【0110】
具体的には例えば、上記の樹脂と着色剤と帯電制御剤とを必須成分として、2本ロール、3本ロール、加圧ニーダー、又は2軸押し出し機等の混練手段により混合する。この際、樹脂中に、着色剤等が均一に分散すればよく、その溶融混練の条件は特に限定されるものではないが、通常80〜180℃で30秒〜2時間である。着色剤は樹脂中に均一に分散するようにあらかじめフラッシング処理、あるいは樹脂と高濃度で溶融混練したマスターバッチを用いても良い。
【0111】
次いで、それを冷却後、ジェットミル等の粉砕機で微粉砕し、風力分級機等により分級するという方法が挙げられる。
【0112】
トナー母体を構成する粒子の平均粒径は、特に制限されないが、通常5〜15μmとなる様に調整される。
【0113】
通常、この様にして得られたトナー母体に対しては、トナー母体よりも小さい粒径の微粒子(以下、外添剤と呼ぶ)が、例えばヘンシェルミキサー等の混合機を用いて混合される。
【0114】
本発明で用いられる外添剤は、例えばトナーの流動性向上、帯電特性改良などトナー母体の表面改質のために用いることができるものであれば特に材質、種類を限定するものではないが、例えば二酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミ、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム等の無機微粉体及びそれらをシリコーンオイル、シランカップリング剤などの疎水化処理剤で表面処理したもの、ポリスチレン、アクリル、スチレンアクリル、ポリエステル、ポリオレフィン、セルロース、ポリウレタン、ベンゾグアナミン、メラミン、ナイロン、シリコン、フェノール、フッ化ビニリデン、テフロン等の樹脂微粉体等が用いられる。
【0115】
外添剤の粒子径は母体トナーである着色微粒子の直径の1/3以下であることが望ましく、特に好適には1/10以下である。
【0116】
また、これらのシリカ等の外添剤は、異なる平均粒子径の2種以上を併用してもよい。また、その使用割合はトナー母体100重量部に対して、通常0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0117】
これらの中でも各種のポリオルガノシロキサンやシランカップリング剤等で表面を疎水化処理した二酸化珪素(シリカ)が特に好適に用いることができる。そのようなものとして、例えば、次のような商品名で市販されているものがある。
Figure 0004280953
【0118】
本発明における静電荷像現像剤は、着色樹脂粒子を含むトナー組成物と、磁性キャリアとからなる。磁性キャリアの表面は樹脂により被覆されたものであることが望ましい。表面を樹脂で被覆することにより現像剤の帯電が安定する。
【0119】
本発明に用いられるキャリアは通常の二成分現像方式に用いられる鉄粉キャリア、マグネタイトキャリア、フェライトキャリアが使用できるが、中でも真比重が低く、高抵抗であり、環境安定性に優れ、球形にし易いため流動性が良好なフェライト、またはマグネタイトキャリアが好適に用いられる。キャリアの形状は球形、不定形等、特に差し支えなく使用できる。平均粒径は一般的には10〜500μであるが、高解像度画像を印刷するためには30〜80μが好ましい。
【0120】
また、これらのキャリアを樹脂で被覆したコーティングキャリアも好適に使用でき、被覆樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテルポリビニルケトン、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、スチレン/アクリル共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂あるいはその変性品、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂等が使用できる。これらの中でも、特にシリコン樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂が帯電安定性、被覆強度等に優れ、より好適に使用し得る。つまり本発明では、磁性キャリアが、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂から選ばれる1種以上の樹脂で被覆された樹脂被覆磁性キャリアであることが好ましい。
【0121】
キャリア芯材表面への樹脂の被覆方法は特に手段を選ぶものではないが、被覆樹脂の溶液中に浸漬する浸漬法、被覆樹脂溶液をキャリア芯材表面へ噴霧するスプレー法、あるいはキャリアを流動エアーにより浮遊させた状態で噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリア芯材と被覆樹脂溶液を混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法などが挙げられる。
【0122】
被覆樹脂溶液中に使用される溶剤は被覆樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が使用できる。キャリア表面への被覆層の厚さは、通常0.1〜3.0μである。
【0123】
着色樹脂粒子を含むトナーと、磁性キャリアとの重量割合は特に制限されるものではないが、通常キャリア100重量部当たり、トナー0.5〜10重量部である。
【0124】
こうして得られた本発明の静電荷像現像用トナー組成物及び現像剤は、公知慣用の方法で被記録媒体上に現像され定着されるが、定着方式としては、ヒートロール定着方式を採用するのが好ましい。
【0125】
ヒートロールとしては、トナーを溶融定着しうる温度に加熱できる円筒体の表面を、例えばシリコーン樹脂やフッ素樹脂等の離型性と耐熱性を兼備するコーティング樹脂で被覆したものが用いられる。
【0126】
ヒートロール定着方式では、上記した様なヒートロールを少なくとも一つ有する適当な圧力にて押圧された二つのロール間を被印刷媒体が通過することによりトナーの定着が行われる。
【0127】
本発明の静電荷像現像用トナー組成物の格別顕著な技術的効果は、より高速で現像及びヒートロール定着が行われる現像定着装置において発揮される。
【0128】
より高速の現像定着装置においては現像装置内部での現像剤の攪拌速度が非常に高速となり、トナーとキャリアとの間に相当なシェアが生じる。また、現像後の被印刷媒体がより短時間で定着装置を通過することになることから、強固なトナーの定着画像を得るために定着ロール間の押圧をより強く設定する必要が生じる。その際にトナーは短時間で溶融して定着可能な粘度になり、なおかつ適度な弾性を維持してオフセット現象の発生を防がねばならない。さらに、印刷速度の高速化により被印刷媒体上に定着したトナー画像はトナー画像同志、あるいはマシン内部の搬送部材と擦れ、その際の摩擦に耐えねばならない。本発明による静電荷像現像用トナー組成物は十分な力学的強度、弾性、耐摩耗性を保有しているところから、以上のような条件下での使用、つまり、より高速で現像定着が行われる装置に最適である。
【0129】
本発明における静電荷像現像用トナー組成物のヒートロール定着の速度は、特に制限されないが、200〜20m/分、好ましくは180〜30m/分である。この範囲であると、本発明の静電荷像現像剤と従来のそれとの優位差は、より顕著に発現する。上記した好ましい定着速度は、A4版枚葉紙への印字速度に換算すれば、600〜100枚/分に相当する。
【0130】
本発明における被記録媒体としては、公知慣用のものがいずれも使用できるが、例えば、普通紙、樹脂コート紙等の紙類、PETフィルム、OHPシート等の合成樹脂フィルムやシート等が挙げられる。
【0131】
【発明の実施形態】
本発明は以下の発明及び実施形態を包含する。
【0132】
1.少なくとも、バインダー樹脂と着色剤と帯電制御剤とからなる着色樹脂粒子を含有するトナー組成物であって、前記バインダー樹脂の主構成成分が、
(1)5価以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物
(2)2価以上の多塩基酸及び/又は酸無水物及び/又はこれらの低級アルキルエステルから選ばれる多塩基酸化合物
(3)2価以上の多価アルコール
を用いて、これら(1)〜(3)を一括仕込みで反応させるか、(1)と(3)反応後さらに(2)を反応させるか、または(1)と(2)反応後さらに(3)を反応させるかして得られるポリエステル樹脂であることを特徴とする静電荷像現像用トナー組成物。
【0133】
2.少なくとも、バインダー樹脂と着色剤と帯電制御剤とを含有してなる着色樹脂粒子、及び磁性キャリアとからなる静電荷像現像剤であって、前記バインダー樹脂の主構成成分が、
(1)5価以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物
(2)2価以上の多塩基酸及び/又は酸無水物及び/又はこれらの低級アルキルエステルから選ばれる多塩基酸化合物
(3)2価以上の多価アルコール
を用いて、これら(1)〜(3)を一括仕込みで反応させるか、(1)と(3)反応後さらに(2)を反応させるか、または(1)と(2)反応後さらに(3)を反応させるかして得られるポリエステル樹脂であることを特徴とする静電荷像現像剤。
【0134】
3.多塩基酸化合物が、非付加重合性の多塩基酸化合物である請求項1記載の静電荷像現像用トナー組成物、及び上記2記載の静電荷像現像剤。
【0135】
4.前記バインダー樹脂のガラス転移温度が55℃〜85℃で、かつ軟化点が90℃〜180℃であることを特徴とする上記1または3記載の静電荷像現像用トナー組成物および上記2または3記載の静電荷像現像剤。
【0136】
5.帯電制御剤が、正帯電制御剤である上記1、3または4記載の静電荷像現像用トナー組成物、及び上記2、3または4記載の静電荷像現像剤。
【0137】
6.前記正帯電性電荷制御剤が少なくともニグロシン系染料及び4級アンモニウム塩化合物を含有することを特徴とする上記1、3または5記載の静電荷像現像用トナー組成物、及び上記2乃至5記載の静電荷像現像剤。
【0138】
7.前記4級アンモニウム塩化合物が下記構造の化合物(1)または(2)の中から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記1または3乃至6記載の静電荷像現像用トナー組成物、及び上記2乃至6記載の静電荷像現像剤。
【0139】
化合物(1)
【化17】
Figure 0004280953
[式中、R1〜R3はCnH2n+1基を表す。但し、nは1〜10の整数を示す。また、R1〜R3は同じであっても異なっていてもよい。]
【0140】
化合物(2)
【化18】
Figure 0004280953
[式中、R4、R5、R6およびR7はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜22個のアルキル基あるいはアルケニル基、炭素数1〜20個の未置換あるいは置換芳香族基、炭素数7〜20個のアラルキル基を表し、A-はモリブデン酸アニオンあるいはタングステン酸アニオン、モリブデンあるいはタングステン原子を含むヘテロポリ酸アニオンを表す。]
【0141】
8.更に離型剤として、少なくともカルナウバワックス、モンタン系エステルワックス、ライスワックス及び/又はカイガラムシワックスを含有することを特徴とする上記1、3、または7記載の静電荷像現像用トナー組成物、及び上記2乃至7記載の静電荷像現像剤。
【0142】
9.磁性キャリアが、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂から選ばれる1種以上の樹脂で被覆された樹脂被覆磁性キャリアである上記2乃至8記載の静電荷像現像剤。
【0143】
10.2価以上の多価アルコールが、ポリオキシプロピレン−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを含む上記1、3または8記載の静電荷像現像用トナー組成物、及び上記2または9記載の静電荷像現像剤。
【0144】
11.ポリエステル樹脂の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw) と数平均分子量(Mn) の比(Mw/Mn)が10以上、及び/または、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定したポリスチレン換算の分子量10万に相当する位置の相対強度(I10)と分子量1万に相当する位置の相対強度(I01)の比(I10/I01)が0.1〜0.4である上記1、3または8記載の静電荷像現像用トナー組成物、及び上記2乃至9記載の静電荷像現像剤。
【0145】
12.ポリエステル樹脂の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw) と数平均分子量(Mn) の比(Mw/Mn)が15〜60であり、及び/または、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定したポリスチレン換算の分子量10万に相当する位置の相対強度(I10)と分子量1万に相当する位置の相対強度(I01)の比(I10/I01)が0.1〜0.4である上記1、3または8記載の静電荷像現像用トナー組成物、及び上記2乃至9記載の静電荷像現像剤。
【0146】
13.ポリエステル樹脂の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw) と数平均分子量(Mn) の比(Mw/Mn)が10以上、及びゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定したポリスチレン換算の分子量10万に相当する位置の相対強度(I10)と分子量1万に相当する位置の相対強度(I01)の比(I10/I01)が0.1〜0.4であり、更にポリスチレン換算の分子量100万に相当する位置の相対強度(I100)と分子量1万に相当する位置の相対強度(I01)の比(I100/I01)が0.05〜0.3である上記1、3、または8記載の静電荷像現像用トナー組成物、及び上記2乃至9記載の静電荷像現像剤。
【0147】
14.着色剤として磁性粉を含むことを特徴とする上記1、3または8記載の静電荷像現像用トナー組成物。
【0148】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を用いて、本発明を更に詳細に説明する。なお、以下において、組成表内の数値は『重量部』を表わす。最初にトナーを調製するにあたって用いたバインダー樹脂の合成例を下記に示す。
【0149】
(樹脂合成例1)
ポリオキシプロピレン(2,2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン527g、テレフタル酸283g、エピクロンN−695(大日本インキ化学工業(株)製:1分子中に有するエポキシ基の数に分布があり、1分子中に有するエポキシ基の数が2個以上であり、平均が5個以上である多官能クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)53g、無水トリメリット酸20g、テトラブチルチタネート2.5gをガラス製2Lの四ツ口フラスコに入れ温度計、攪拌棒及び窒素導入管を取り付け、電熱マントルヒーター中で、常圧窒素気流下にて240℃で15時間反応後、順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応はASTM・E28-517に準じる軟化点により追跡し、軟化点が132℃に達した時反応を終了した。
【0150】
得られた重合体は、無色の固体であり、酸価4KOHmg、DSC測定法ガラス転移温度63℃、軟化点が138℃であった。
【0151】
(樹脂合成例2)
合成例1におけるテレフタル酸を301g、エピクロンN−695を75gとして無水トリメリット酸を用いない以外は合成例1と同様に合成を行った結果、酸価3KOHmg、DSC測定法ガラス転移温度65℃、軟化点が138℃の無色の樹脂が得られた。
【0152】
(樹脂合成例3)
合成例1におけるエピクロンN−695をエピクロンN−775(大日本インキ化学工業(株)製:一分子中に2個より多いエポキシ基を持つ多官能フェノールノボラック型エポキシ樹脂であって、一分子中に5個エポキシ基を持つ5官能クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を含む)48gとした以外は合成例1と同様に合成を行った結果、酸価5KOHmg、DSC測定法ガラス転移温度62℃、軟化点が136℃の無色の樹脂が得られた。
【0153】
(樹脂合成例4)
テレフタル酸301g、エピクロンN−695を75g、テトラブチルチタネート2.5gをガラス製2Lの四ツ口フラスコに入れ温度計、攪拌棒及び窒素導入管を取り付け、電熱マントルヒーター中で、常圧窒素気流下にて240℃で5時間反応後、ポリオキシプロピレン(2,2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン527gを添加してさらに10時間反応を行った。その後順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応はASTM・E28-517に準じる軟化点により追跡し、軟化点が134℃に達した時点で反応を終了した。
【0154】
得られた重合体は、無色の固体であり、酸価4KOHmg、DSC測定法ガラス転移温度64℃、軟化点が137℃であった。
【0155】
(樹脂合成例5)(比較例用樹脂合成例1)
ポリオキシプロピレン(2,2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン527g、テレフタル酸301g、テトラブチルチタネート2.5gをガラス製2Lの四ツ口フラスコに入れ温度計、攪拌棒及び窒素導入管を取り付け、電熱マントルヒーター中で、常圧窒素気流下にて240℃で10時間反応後、エピクロンN−695を75g添加してさらに5時間反応を行った。その後順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応はASTM・E28-517に準じる軟化点により追跡し、軟化点が133℃に達した時反応を終了した。
【0156】
得られた重合体は、無色の固体であり、酸価6KOHmg、DSC測定法ガラス転移温度63℃、軟化点が136℃であった。
【0157】
(樹脂合成例6)(比較例用樹脂合成例2)
合成例1におけるエピクロンN−695を使用せずに無水トリメリット酸を45gとした以外は合成例1と同様に合成を行った結果、酸価5KOHmg、DSC測定法ガラス転移温度63℃、軟化点が135℃の無色の樹脂が得られた。
【0158】
以下に樹脂合成例の一覧表を示す。
【0159】
Figure 0004280953
【表1】
Figure 0004280953
【0160】
表中の表示は以下の通り。
BPA(2,2)PO:ビスフェノールAプロピレンオキサイド2,2モル付加物
TPA:テレフタル酸
TMA:無水トリメリット酸
エピクロンN-695:大日本インキ化学工業(株)製多官能型クレゾールノボラックエポキシ樹脂(エポキシ当量:220)
エピクロンN-775:大日本インキ化学工業(株)製多官能型フェノールノボラックエポキシ樹脂(エポキシ当量:190)
反応:タイプ1−(1)、(2)、(3)各成分同時に反応させる(一括反応)
タイプ2−(1)、(2)反応後(3)を、あるいは(1)、(3)反応後(2)を反応させる(二段反応)
タイプ3−(2)、(3)の反応によるポリエステル主鎖の製造後に(1)を反応させる(二段反応)
【0161】
合成例のGPC測定結果を表2に示す。
【0162】
Figure 0004280953
【表2】
Figure 0004280953
【0163】
(実施例1)
<トナーの製造>
・樹脂合成例1の樹脂 91重量部
・カーボンブラック
ブラックパールズ460(キャボット・スペシャルティー・ケミカルズ・インク製) 5重量部
・帯電制御剤(正帯電制御剤)
ボントロン N−04(オリエント化学工業(株)製) 2重量部
・ワックス
ビスコール550P(三洋化成工業(株)製) 2重量部
をヘンシェルミキサーで混合し、2軸混練機で混練する。このようにして得た混練物を粉砕、分級してトナー原体A’を得た。
【0164】
・上記トナー原体A’ 100重量部
・シリカHDK3050EP(クラリアントジャパン(株)) 1重量部
をヘンシェルミキサーで混合の後、篩いかけをして、トナーA”得た。
【0165】
<現像剤の調整>
・上記トナーA” 5重量部
・キャリア(シリコン樹脂被覆フェライトキャリア) 95重量部
を混合攪拌して現像剤Aを調整した。
【0166】
(実施例2)
実施例1における合成例1の樹脂の代わりに、合成例2の樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして現像剤Bを得た。
【0167】
(実施例3)
実施例1における合成例1の樹脂の代わりに、合成例3の樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして現像剤Cを得た。
【0168】
(実施例4)
実施例1における合成例1の樹脂の代わりに、合成例4の樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして現像剤Dを得た。
【0169】
(実施例5)
下記のトナー原体を用いる以外は実施例1と同様にして現像剤Eを得た。
・樹脂合成例1の樹脂 91重量部
・カーボンブラック
ブラックパールズ460(キャボット・スペシャルティー・ケミカルズ・インク製) 5重量部
・帯電制御剤(正帯電制御剤)
ボントロン N−04(オリエント化学工業(株)製) 1重量部
4級アンモニウム塩化合物(2−1) 1重量部
・ワックス
精製カルナウバワックスNo.1
(酸価5、セラリカNODA(株)製) 2重量部
【0170】
(実施例6)
・樹脂合成例1の樹脂 56重量部
・着色剤(磁性粉)
BL−200(チタン工業製) 40重量部
・帯電制御剤(正帯電制御剤)
ボントロン N−04(オリエント化学工業(株)製) 1重量部
4級アンモニウム塩化合物(2−1) 1重量部
・ワックス
精製カルナウバワックスNo.1
(酸価5、セラリカNODA(株)製) 2重量部
をヘンシェルミキサーで混合し、2軸混練機で混練する。このようにして得た混練物を粉砕、分級してトナー原体Fを得た。
【0171】
・上記トナー原体F 100重量部
・シリカHDK3050EP(クラリアントジャパン(株)) 1重量部
をヘンシェルミキサーで混合の後、篩いかけをして、磁性一成分現像用トナーFを得た。
【0172】
(比較例1)
実施例1における合成例1の樹脂の代わりに、合成例5の樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして比較用現像剤Gを得た。
【0173】
(比較例2)
実施例1における合成例1の樹脂の代わりに、合成例6の樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして比較用現像剤Hを得た。
【0174】
表3に実施例、及び比較例の現像剤の配合の一覧を示す。
【0175】
Figure 0004280953
【表3】
Figure 0004280953
【0176】
*実施例6を除くすべての現像剤に着色剤としてブラックパールズ460(キャボット・ スペシャルティー・ケミカルズ・インク製)を5重量部配合。
ワックスについては以下の通りの製品を使用した。
カルナウバワックス ;カルナウバワックスNo.1(酸価5)セラリカNODA(株)製
ビスコール550P ;三洋化成(株)製ポリプロピレンワックス
【0177】
上記実施例及び比較例で得られた現像剤について、定着開始温度、ホットオフセット開始温度、印刷テストを以下の通り行った。
【0178】
(ヒートロール定着・オフセット性能評価)
市販の二成分現像方式複写機改造機にてA−4紙サイズの未定着画像サンプルを作製し、下記仕様のヒートロール定着ユニットを用いて、下記3種類のテスト条件にて定着開始温度、およびオフセット現象の有無を確認した。
【0179】
実施例6のトナーについては、市販の磁性一成分現像用プリンタを改造して未定着画像サンプルを作製した。
Figure 0004280953
【0180】
(条件A)
上ロール荷重 : 15kg
上/下ロールニップ幅 : 8mm
紙送り速度 : 300mm/sec
(条件B)
上ロール荷重 : 15kg
上/下ロールニップ幅 : 8mm
紙送り速度 : 350mm/sec
(条件C)
上ロール荷重 : 25kg
上/下ロールニップ幅 : 10mm
紙送り速度 : 800mm/sec
【0181】
定着強度は次式で計算される画像濃度残存比率で判定した。画像濃度はマクベス画像濃度計RD−918にて測定した。
【0182】
画像濃度残存比率=堅牢度試験後画像濃度/同左試験前画像濃度
【0183】
ここで、堅牢度試験後画像濃度とは、学振型摩擦堅牢度試験機(荷重:200g,擦り操作:5ストローク)を用いて定着画像に摩擦を加えた後の画像濃度をマクベス画像濃度計で測定したものである。
【0184】
定着強度としては、残存比率80%以上で実用上問題ないレベルとし、その最低温度を定着開始温度とした。オフセット開始温度は定着画像サンプルを観察し、目視にてオフセット現象が認められる温度とした。
【0185】
結果を表4に示す。
【0186】
Figure 0004280953
【表4】
Figure 0004280953
【0187】
(印刷テスト)
市販のレーザービームプリンター(セレン感光体搭載)を用いて連続プリントによる印字品質を評価すると共に、現像剤の帯電量を測定した。連続プリント時のトナーの補給はシリカ添加後のトナーをマシンの補給トナー用ホッパーに充填することにより、連続プリント時に自動で行われるようにした。
【0188】
なお、帯電量はブローオフ帯電量測定機で測定した。画像濃度はマクベス濃度計RD−918で測定、地汚れは白地部濃度からプリント前白紙濃度を差し引いて求めた。
【0189】
実施例6のトナーについては、市販の磁性一成分現像用プリンタを改造して試験を行った。帯電量については各印字枚数毎にトナーを現像装置内部から採取して、トナー/キャリア(シリコン樹脂被覆フェライトキャリア)=5/95(重量比)にてデベロッパーを作製して他の二成分現像剤と同様に測定した。
【0190】
(印刷画像の耐摩耗性)
前記の改造テスト機で作製した未定着画像サンプルを、前記の定着装置により条件C、160℃にて定着させ、定着画像を下記の方法で摩擦した際の画像濃度残存比率を求めることで耐摩耗性の指標とした。
画像濃度残存比率=堅牢度試験後画像濃度/同左試験前画像濃度
*画像濃度はマクベス画像濃度計RD−918にて測定した。
ここで、堅牢度試験後画像濃度とは、学振型摩擦堅牢度試験機(荷重:200g,擦り操作:10ストローク)を用いて定着画像を擦った後の画像濃度を、マクベス画像濃度計で測定したものである。
耐摩耗性としては、残存比率95%以上を◎、95%未満〜90%を○、90%未満〜80%を△、80%未満を×とした。
【0191】
(トナー飛散量)
50KP(5万枚)印刷後のマシン内部を観察し感光体、現像装置周辺部等に飛散トナーによる汚れがほとんどない場合を○、やや汚れが発生した場合を△、激しい汚れが発生した場合を×とした。
【0192】
以上の評価結果を表5に示す。
【0193】
Figure 0004280953
【表5】
Figure 0004280953
【0194】
表中の表示は次の通り。
*「帯電量」; μC/g
*「地汚れ評価」○:0.01未満、△:0.01〜0.03未満,×:0.03以上
*「トナー飛散」;50KP(5万枚)印刷後の目視観察
○:飛散ほとんどなし
△:やや飛散による汚れが発生
×:激しい飛散が発生
【0195】
表4から明らかな通り、本発明によるポリエステル樹脂を用いた現像剤では、ポリエステル主鎖の製造後にエポキシ化合物を反応させる比較例1及びエポキシ架橋剤を含まない比較例2の現像剤と比較してより低温で定着し、高温での耐オフセット性も優れている。また、表5より明らかなように、連続印刷テストにおいても本発明によるポリエステル樹脂を用いた現像剤は安定した帯電挙動を示し、地汚れが無く十分な画像濃度の印刷が可能であった。一方、比較例1及び比較例2の現像剤では印刷枚数の増加と共に帯電量が低下し、画像濃度の低下、地汚れの発生が確認された。50KP(5万枚)印刷後のキャリア表面にはトナーのバインダー成分が付着し、スペントキャリアの発生が認められ、マシン内部には感光体及び現像装置周辺部等にトナー飛散による汚れが観察された。
【0196】
また、本発明の実施例の中で4級アンモニウム塩化合物をニグロシン系帯電制御剤と併用し、特定の天然ワックスを用いた実施例5、6は50KP印刷において最も安定した帯電挙動を示している。さらに、50KP印刷後のマシン内部を観察すると、他の実施例では感光体、現像装置周辺部等に若干のトナー飛散による汚れが観察されたが実施例5、6ではトナー飛散が全く観察されなかった。また、同一の樹脂を用いた実施例5と実施例1とを比較すると実施例5では定着性、耐オフセット性の改善が見られた。
【0197】
【発明の効果】
上記実施例に示したように、本発明によれば、バインダー樹脂として、5価以上のエポキシ化合物により架橋したポリエステル樹脂を使用するため、1〜4価のエポキシ化合物により架橋したポリエステル樹脂に比べて、より広範囲な温度領域において良好な定着特性、耐オフセット性を得ることができる。また、同時に十分な力学的強度を有するため現像装置内でのキャリアとの摩擦に耐え、スペントキャリアを発生することなく高濃度の高品位画像の連続印刷が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で用いた結着樹脂に関して測定されたGPC測定データを表すチャート図である。

Claims (14)

  1. 少なくとも、バインダー樹脂と着色剤と帯電制御剤とからなる着色樹脂粒子を含有するトナー組成物であって、前記バインダー樹脂の主構成成分が、
    (1)5価以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物
    (2)2価以上の多塩基酸及び/又は酸無水物及び/又はこれらの低級アルキルエステルから選ばれる多塩基酸化合物
    (3)2価以上の多価アルコール
    を用いて、これら(1)〜(3)を一括仕込みで反応させるか、(1)と(3)反応後さらに(2)を反応させるか、または(1)と(2)反応後さらに(3)を反応させるかして得られるポリエステル樹脂であることを特徴とする静電荷像現像用トナー組成物。
  2. 少なくとも、バインダー樹脂と着色剤と帯電制御剤とを含有してなる着色樹脂粒子、及び磁性キャリアとからなる静電荷像現像剤であって、前記バインダー樹脂の主構成成分が、
    (1)5価以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物
    (2)2価以上の多塩基酸及び/又は酸無水物及び/又はこれらの低級アルキルエステルから選ばれる多塩基酸化合物
    (3)2価以上の多価アルコール
    を用いて、これら(1)〜(3)を一括仕込みで反応させるか、(1)と(3)反応後さらに(2)を反応させるか、または(1)と(2)反応後さらに(3)を反応させるかして得られるポリエステル樹脂であることを特徴とする静電荷像現像剤。
  3. 多塩基酸化合物が、非付加重合性の多塩基酸化合物である請求項1記載の静電荷像現像用トナー組成物。
  4. 前記バインダー樹脂のガラス転移温度が55℃〜85℃で、かつ軟化点が90℃〜180℃であることを特徴とする請求項1または3記載の静電荷像現像用トナー組成物。
  5. 帯電制御剤が、正帯電制御剤である請求項1、3または4記載の静電荷像現像用トナー組成物。
  6. 前記正帯電性電荷制御剤が少なくともニグロシン系染料及び4級アンモニウム塩化合物を含有することを特徴とする請求項5記載の静電荷像現像用トナー組成物。
  7. 前記4級アンモニウム塩化合物が下記構造の化合物(1)または(2)の中から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項6記載の静電荷像現像用トナー組成物。
    化合物(1)
    Figure 0004280953
    [式中、R〜RはC2n+1基を表す。但し、nは1〜10の整数を示す。また、R〜Rは同じであっても異なっていてもよい。]
    化合物(2)
    Figure 0004280953
    [式中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜22個のアルキル基あるいはアルケニル基、炭素数1〜20個の未置換あるいは置換芳香族基、炭素数7〜20個のアラルキル基を表し、A−はモリブデン酸アニオンあるいはタングステン酸アニオン、モリブデンあるいはタングステン原子を含むヘテロポリ酸アニオンを表す。]
  8. 更に離型剤として、少なくともカルナウバワックス、モンタン系エステルワックス、ライスワックス及び/又はカイガラムシワックスを含有することを特徴とする請求項1及び請求項3〜7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー組成物。
  9. 磁性キャリアが、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂から選ばれる1種以上の樹脂で被覆された樹脂被覆磁性キャリアである請求項2に記載の静電荷像現像剤。
  10. 2価以上の多価アルコールが、ポリオキシプロピレン−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを含む請求項1及び請求項3〜8のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー組成物。
  11. ポリエステル樹脂の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が10以上、及び/または、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定したポリスチレン換算の分子量10万に相当する位置の相対強度(I10)と分子量1万に相当する位置の相対強度(I01)の比(I10/I01)が0.1〜0.4である請求項1、請求項3〜8及び請求項10のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー組成物。
  12. ポリエステル樹脂の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が15〜60であり、及び/または、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定したポリスチレン換算の分子量10万に相当する位置の相対強度(I10)と分子量1万に相当する位置の相対強度(I01)の比(I10/I01)が0.1〜0.4である請求項1、請求項3〜8及び請求項10のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー組成物。
  13. ポリエステル樹脂の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が10以上、及びゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定したポリスチレン換算の分子量10万に相当する位置の相対強度(I10)と分子量1万に相当する位置の相対強度(I01)の比(I10/I01)が0.1〜0.4であり、更にポリスチレン換算の分子量100万に相当する位置の相対強度(I100)と分子量1万に相当する位置の相対強度(I01)の比(I100/I01)が0.05〜0.3である請求項1、請求項3〜8及び請求項10のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー組成物。
  14. 着色剤として磁性粉を含むことを特徴とする請求項1、請求項3〜8及び請求項10のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー組成物。
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