JP2019207400A - トナーバインダー - Google Patents

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Abstract

【課題】低温定着性、耐ホットオフセット性、保存安定性及び光沢性に優れたトナーに用いるトナーバインダーを提供することを目的とする。【解決手段】単量体(a)を必須構成単量体とするビニル樹脂(A)を含有するトナーバインダーであって、(a)が炭素数18〜36の鎖状炭化水素基とビニル基とを有し、(A)のDSC測定による融解ピーク温度Tmが40〜100℃であり、トナーバインダーの重量を基準として(A)の重量割合が21〜99重量%であり、(A)を構成する単量体の合計重量を基準として(a)の重合割合が15〜90重量%であり、(A)の酸価が19.9mgKOH/g以下であり、(A)の(Tm−10)℃における損失正接tanδ(Tm−10)が0.01〜2.0であり、(A)の(Tm+20)℃における損失正接tanδ(Tm+20)が0.5〜30.0であることを特徴とするトナーバインダーを用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、トナーバインダーに関する。
複写機、プリンター等における画像の定着方式として一般的に採用されている熱定着方式用のトナーバインダーは、低温定着性、耐ホットオフセット性及び保存安定性等を両立させることが要求されている。このため、トナーバインダーは、定着温度より低い温度では貯蔵弾性率が高く、定着し始める温度では短時間で貯蔵弾性率が低くなり、また高い温度まで一定の貯蔵弾性率を維持するというように、定着温度前後で貯蔵弾性率が適切な値に変化することが求められる。
上述の適切な貯蔵弾性率変化を達成するために、従来のトナーバインダーに結晶性樹脂を使用することで、結晶性樹脂の溶融特性から、トナーの低温定着性や光沢性が向上することが知られている。
しかしながら、従来のトナーバインダーに用いられる非晶性樹脂に対して結晶性樹脂の含有量を増やすと樹脂強度が低下する場合があり、また粉砕法でトナーを製造する場合、溶融混練時に結晶性樹脂と非晶性樹脂の相溶化により、トナーの融点及び/又はガラス転移点が低下することで低温定着性と耐ホットオフセット性や保存性との両立に課題が生じる。
これに対し、溶融混練工程後に加熱処理を行い結晶性樹脂の結晶性を再現させる方法(特許文献1)、ポリエステル樹脂とビニル樹脂のハイブリット化と架橋により低温定着性と耐ホットオフセット性を両立する方法(特許文献2)が提案されている。
しかし、ポリエステル樹脂を主成分とするトナーバインダーは、低温定着と耐ホットオフセット性の両立のために光沢性が犠牲になるケースが多く、モノクロ用途以外のカラー用途で求められる光沢を出すには、定着時のニップ圧を上げるなどの措置が必要となり、本来の低温定着性及び耐ホットオフセット性を満足することが難しい。
特開2005−308995号公報 特開2012−002976号公報
本発明の目的は、低温定着性、耐ホットオフセット性、保存安定性及び光沢性に優れたトナーに用いるトナーバインダーを提供することにある。
本発明者らは、これらの問題点を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、単量体(a)を必須構成単量体とするビニル樹脂(A)を含有するトナーバインダーであって、単量体(a)が炭素数18〜36の鎖状炭化水素基とビニル基とを有し、ビニル樹脂(A)のDSC測定による融解ピーク温度Tmが40〜100℃であり、トナーバインダーの重量を基準としてビニル樹脂(A)の重合割合が21〜99重量%であり、ビニル樹脂(A)を構成する単量体の合計重量を基準として単量体(a)の重合割合が15〜90重量%であり、ビニル樹脂(A)の酸価が19.9mgKOH/g以下であり、ビニル樹脂(A)の(Tm−10)℃における損失正接tanδ(Tm−10)が0.01〜2.0であり、ビニル樹脂(A)の(Tm+20)℃における損失正接tanδ(Tm+20)が0.5〜30.0であることを特徴とするトナーバインダーである。
本発明により、低温定着性、耐ホットオフセット性、保存安定性及び光沢性に優れたトナーに用いるトナーバインダーを提供することができる。
以下、本発明を詳述する。
本発明のトナーバインダーは、単量体(a)を必須構成単量体とするビニル樹脂(A)を含有するトナーバインダーであって、単量体(a)が炭素数18〜36の鎖状炭化水素基とビニル基とを有し、ビニル樹脂(A)のDSC測定による融解ピーク温度Tmが40〜100℃であり、トナーバインダーの重量を基準としてビニル樹脂(A)の重量割合が21〜99重量%であり、ビニル樹脂(A)を構成する単量体の合計重量を基準として単量体(a)の重合割合が15〜90重量%であり、ビニル樹脂(A)の酸価が19.9mgKOH/g以下であり、ビニル樹脂(A)の(Tm−10)℃における損失正接tanδ(Tm−10)が0.01〜2.0であり、ビニル樹脂(A)の(Tm+20)℃における損失正接tanδ(Tm+20)が0.5〜30.0である。
前記の単量体(a)は、炭素数18〜36の鎖状炭化水素基とビニル基とを有する単量体である。炭素数18〜36の鎖状炭化水素基とビニル基とを有する単量体としては、炭素数18〜36の鎖状炭化水素基を有する(メタ)アクリレート及び炭素数18〜36の鎖状炭化水素基を有するビニルエステルが挙げられる。なお、本発明において「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」及び/又は「メタクリレート」を意味する。
炭素数18〜36の鎖状炭化水素基を有する(メタ)アクリレートとしては、炭素数18〜36の直鎖のアルキル基を有する(メタ)アクリレート[例えばオクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、アラキジル(メタ)アクリレート、ヘンエイコサニル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、リグノセリル(メタ)アクリレート、セリル(メタ)アクリレート、モンタニル(メタ)アクリレート、ミリシル(メタ)アクリレート及びドトリアコンタ(メタ)アクリレート等]及び炭素数18〜36の分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリレート[2−デシルテトラデシル(メタ)アクリレート等]等が挙げられる。
炭素数18〜36の鎖状炭化水素基を有するビニルエステルとしては、炭素数18〜36の直鎖のアルキル基を有するビニルエステル[例えば、ステアリン酸ビニル、ベヘン酸ビニル、トリアコンタン酸ビニル及びヘキサトリアコンタン酸ビニル等]及び炭素数18〜36の分岐のアルキル基を有するビニルエステル等が挙げられる。
これらの内、(A)の低温定着性やトナーの保存安定性の観点から好ましくは炭素数18〜36の直鎖のアルキル基を有する(メタ)アクリレートであり、より好ましくは炭素数18〜30の直鎖のアルキル基を有する(メタ)アクリレートであり、さらに好ましくは、18〜24の直鎖のアルキル基を有する(メタ)アクリレートであり、特に好ましくは20〜24の直鎖のアルキル基を有する(メタ)アクリレートであり、最も好ましいのはアラキジルアクリレート、ベヘニルアクリレート及びリグノセリルアクリレートである。
単量体(a)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ビニル樹脂(A)を構成する単量体中の単量体(a)の重量割合は、ビニル樹脂(A)を構成する単量体の合計重量を基準として、低温定着性、耐ホットオフセット性の観点から15〜90重量%である。好ましくは18〜80重量%であり、より好ましくは20〜70重量%であり、さらに好ましくは23〜60重量%であり、特に好ましくは25〜50重量%である。単量体(a)の重量割合が15重量%未満であると低温定着性が悪化し、90重量%より大きいと耐ホットオフセット性が悪化する。
ビニル樹脂(A)は構成単量体としてさらに、トナーの耐ホットオフセット性の観点から、エステル基、カルボキシル基、ニトリル基、ウレタン基、ウレア基、アミド基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体であって前記単量体(a)以外の単量体(b)を含むことが好ましい。
単量体(b)が有する官能基は、凝集度が高い官能基であったり、極性が高い官能基であるので、単量体(b)を用いることで、ビニル樹脂(A)の融解ピーク温度Tmを上げて保存安定性を向上させたり、高温弾性を上げることでトナーの定着幅、耐ホットオフセット性を上げることができる。
前記の単量体(b)としては、エステル基を有する単量体(b1)、カルボキシル基を有する単量体(b2)、ニトリル基を有する単量体(b3)、ウレタン基を有する単量体(b4)、ウレア基を有する単量体(b5)及びアミド基を有する単量体(b6)が挙げられる。単量体(b)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
エステル基を有する単量体(b1)としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル(2−ヒドロキシプロピルエステル及び2−ヒドロキシ−1−メチルエチルエステル等が挙げられる。
カルボキシル基を有する単量体(b2)としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル及びシトラコン酸モノアルキルエステル、2−プロペン酸、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、5−ヘキセン酸、6−ヘプテン酸、7−オクテン酸、8−ノネン酸、9−デセン酸、10−ウンデセン酸及び11−トリデセン酸等が挙げられる。
ニトリル基を有する単量体(b3)としては、アクリロニトリル及びメタクリロニトリル等が挙げられる。
ウレタン基を有する単量体(b4)としては、エチレン性不飽和結合を有するアルコールと、イソシアネートとを公知の方法で反応させた単量体、及びアルコールと、エチレン性不飽和結合を有するイソシアネートとを公知の方法で反応させた単量体であり、例えばメタノールと2−イソシアナトエチルメタクリレートの反応物等が挙げられる。
ウレア基を有する単量体(b5)としては、エチレン性不飽和結合を有するアミンと、イソシアネートとを公知の方法で反応させた単量体、及びアミンと、エチレン性不飽和結合を有するイソシアネートとを公知の方法で反応させた単量体であり、例えばジブチルアミンと2−イソシアナトエチルメタクリレートの反応物等が挙げられる。
アミド基を有する単量体(b6)としては、アンモニア又は炭素数1〜8のアミンとアクリル酸又はメタクリル酸とを公知の方法で反応させた単量体等が挙げられる。
上記単量体(b)のうち低温定着性と保存性の両立の観点から好ましくは、アクリル酸メチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、プロピオン酸ビニル、メタノールと2−イソシアナトエチルメタクリレートの反応物及び(メタ)アクリルアミドであり、さらに好ましくはアクリル酸メチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、プロピオン酸ビニル、メタノールと2−イソシアナトエチルメタクリレートの反応物及び(メタ)アクリルアミドである。
ビニル樹脂(A)を構成する単量体中の単量体(b)の重量割合は、低温定着性や耐ホットオフセット性の観点から、ビニル樹脂(A)を構成する単量体の合計重量を基準として、好ましくは10〜85重量%であり、より好ましくは20〜78重量%であり、さらに好ましくは30〜75重量%であり、特に好ましくは40〜72重量%であり、最も好ましくは50〜70重量%である。
ビニル樹脂(A)を構成する単量体(a)と単量体(b)との重量比{(a):(b)}は低温定着性や保存安定性の観点から好ましくは98:2〜15:85であり、より好ましくは60:40〜15:85であり、さらに好ましくは40:60〜15:85である。
ビニル樹脂(A)は構成単量体として前記単量体(a)及び単量体(b)以外に、(a)及び(b)以外の単量体(c)を含んでもよい。単量体(c)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
単量体(c)としては、単量体(a)、単量体(b)以外の単量体であれば特に制限はないが、スチレン及びアルキル基の炭素数が1〜3のアルキルスチレン(例えばα−メチルスチレン及びp−メチルスチレン等)等が挙げられる。これらのうちトナーとしたときの保存安定性の観点から好ましくはスチレンである。
ビニル樹脂(A)を構成する単量体中に単量体(c)を含む場合、単量体(c)の重量割合は保存安定性の観点から、ビニル樹脂(A)を構成する単量体の合計重量を基準として、好ましくは5重量%以下である。
本発明におけるビニル樹脂(A)は、単量体(a)と必要に応じて単量体(b)と必要に応じて単量体(c)とを含有する単量体組成物を公知の方法(特開平5−117330号公報等に記載の方法等)で重合することで製造できる。例えば、前記単量体を溶媒(トルエン等)中でラジカル開始剤(ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、アゾビスイソブチロニトリル等)とともに反応させる溶液重合法により合成することが出来る。
本発明におけるビニル樹脂(A)の酸価は19.9mgKOH/g以下である。酸価が19.9mgKOH/gより大きいと吸湿性が上がることで保存安定性が悪化する。ビニル樹脂(A)の酸価は、好ましくは0〜15mgKOH/gであり、より好ましくは0〜10mgKOH/gである。
ビニル樹脂(A)の酸価は、カルボキシル基を有する単量体(b2)の含有量で調整できる。(A)の酸価は、例えばJIS K 0070などの方法で測定される。
本発明においてビニル樹脂(A)のDSC測定による融解ピーク温度(Tm)は、トナーとした際の結晶性、低温定着性及び保存安定性の観点から、好ましくは40〜100℃であり、より好ましくは45〜85℃、さらに好ましくは50〜70である。融解ピーク温度が40℃以上の場合は結晶性及び保存安定性が良好となり、100℃以下の場合は低温定着性が良好となる。
Tmは(A)を構成する単量体の種類や構成比率(例えば、ビニル樹脂(A)を構成する単量体(a)の炭素数を調整すること及び(A)を構成する単量体(a)の重量比率を調整する等)、重量平均分子量(例えば、ビニル樹脂(A)の重量平均分子量を10,000〜1,000,000とする等)などで調整することができる。例えば(a)の炭素数を増やす、(a)の重量比率を増やす等の方法によりTmを上げることができる。
本発明におけるDSC測定は、示差走査熱量計{セイコーインスツルメンツ(株)製、DSC210等}を用いて以下の条件で測定される値である。
<測定条件>
(1)30℃で10分間保持
(2)10℃/分で150℃まで昇温
(3)150℃で10分間保持
(4)10℃/分で0℃まで冷却
(5)0℃で10分間保持
(6)10℃/分で150℃まで昇温
(7)(6)の過程にて測定される示差走査熱量曲線の各吸熱ピークを解析する。
本発明におけるビニル樹脂(A)の重量平均分子量は、低温定着性及びトナーの耐ホットオフセット性の観点から、好ましくは10,000〜1,000,000、より好ましくは101,000〜800,000である。ビニル樹脂(A)の重量平均分子量は、重合温度、ラジカル重合開始剤量、連鎖移動剤などで調整できる。
本発明におけるビニル樹脂(A)の数平均分子量は、低温定着性及びトナーの耐ホットオフセット性の観点から、好ましくは1,000〜500,000、より好ましくは3,000〜400,000、最も好ましくは4,500〜85,000である。ビニル樹脂(A)の重量平均分子量は、重合温度、ラジカル重合開始剤量、連鎖移動剤などで調整できる。
本発明におけるビニル樹脂(A)の数平均分子量と重量平均分子量との比[Mw/Mn]は、低温定着性及びトナーの耐ホットオフセット性の観点から、2.2以上が好ましく、より好ましくは2.2〜40.0、最も好ましくは2.6〜32.3である。[Mw/Mn]は架橋剤の使用による架橋点間分子量の増減によって調整できる。
ビニル樹脂(A)の重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミネーションクロマトグラフィー(以降GPCと略記)を用いて以下の条件で測定する。
装置(一例) : HLC−8120 〔東ソー(株)製〕
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液(不溶解分をアパチャー1μmのPTFEフィルターでろ過したものを用いる)
移動相 : テトラヒドロフラン(重合禁止剤を含まない)
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(重量平均分子量: 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000) 〔東ソー(株)製〕
ビニル樹脂(A)の(Tm−10)℃における損失正接tanδ(Tm−10)は0.01〜2.0であり、好ましくは0.05〜2.0である。
ビニル樹脂(A)の(Tm+20)℃における損失正接tanδ(Tm+20)は0.5〜30.0であり、好ましくは0.8〜20.0である。
ここで、損失正接tanδとは、損失弾性率(G’’)と貯蔵弾性率(G’)の比(G’’/G’)で示される物性である。
一般的に、貯蔵弾性率(G’)(単位Pa)は弾性を表し、外部から受けた力で変形した時に戻ろうと貯蔵する力の指標である。一方、損失弾性率(G’’)(単位Pa)は粘性を表し、外部から受けた力で変形した時に受けた力に追従し熱として損失する力の指標である。そのため損失正接tanδとは粘性と弾性のバランスを表す指標であると言える。
ビニル樹脂(A)の損失正接tanδ(Tm−10)が0.01〜2.0であるとトナーの低温定着性と保存性が良好となる。0.01未満であると粘性に対して弾性が高すぎるため加熱時のローラーによる変形が起こりにくく低温定着性が悪化し、2.0より大きいと変形が生じやすくなるため保存性が悪化する。例えば、ビニル樹脂(A)の分子量を上げることでビニル樹脂(A)の結晶化度を上げること、アニーリングなどの手法でビニル樹脂(A)の結晶化度を上げること、単量体(b)を併用すること、単量体(b)の重量比率を増やすこと等の方法により損失正接tanδ(Tm−10)を下げることができる。
ビニル樹脂(A)の損失正接tanδ(Tm+20)が0.5〜30.0であるとトナー定着画像の平滑性(光沢性)及び耐ホットオフセット性に対して粘性と弾性のバランスが良いことを表している。
損失正接tanδ(Tm+20)が0.5未満であると粘性に対して弾性が高すぎるため光沢性が悪化し、損失正接tanδが30.0を超えると粘性に対して弾性が低すぎるため耐ホットオフセット性が悪化する。例えば、ビニル樹脂(A)の分子量を上げる、分子量分布を上げる、単量体(a)の比率を上げる等の方法により損失正接tanδ(Tm+20)を下げることができる。
本発明においてビニル樹脂(A)は、トナーにした際の保存安定性と低温定着性の観点から、関係式(1)を満たすことが好ましい。
関係式(1):1.6≦ln(G’Tm−10)/ln(G’Tm+30)≦3.4
但し、計算値は小数点第2桁を四捨五入して求めるものとする。
より好ましくは関係式(1−1)、さらに好ましくは関係式(1−2)を満たすものである。
関係式(1−1):1.6≦ln(G’Tm−10)/ln(G’Tm+30)≦3.0
関係式(1−2):1.6≦ln(G’Tm−10)/ln(G’Tm+30)≦2.7
関係式(1)、(1−1)、(1−2)において、G’Tm−10は、ビニル樹脂(A)の温度が(Tm−10)℃である時の(A)の貯蔵弾性率(Pa)であり、G’Tm+30は、(A)の温度が(Tm+30)℃である時の(A)の貯蔵弾性率(Pa)である。 ln(G’Tm−10)/ln(G’Tm+30)は、(A)の重量平均分子量や単量体(a)、(b)及び(c)の種類又は量で調整することができる。例えば、(A)の重量平均分子量を減らす、(a)の量を増やす、(b)や(c)の量を減らす等の方法によりln(G’Tm−10)/ln(G’Tm+30)を上げることができる。
本発明におけるビニル樹脂(A)の損失正接tanδ、貯蔵弾性率G’及び 損失弾性率G’’並びに後記するトナーバインダーの貯蔵弾性率G’及び損失弾性率G’’は、下記粘弾性測定装置を用いて、以下の条件で測定される値である。
装置 :ARES−24A(レオメトリック社製)
治具 :25mmパラレルプレート
周波数 :1Hz
歪み率 :5%
昇温速度:5℃/min
本発明のトナーバインダーは、ビニル樹脂(A)以外のトナーバインダー用重合体として非晶性ポリエステル樹脂(B)を含有することが保存安定性の観点から好ましい。非晶性ポリエステル樹脂(B)はアルコール成分(x)とカルボン酸成分(y)とを必須成分とする非晶性ポリエステル樹脂であることが好ましく、後述する軟化点が90〜144℃であればその樹脂の組成は特に限定されない。本発明において、「非晶性」とは、示差走査熱量計を用いてビニル樹脂(A)の場合と同様の条件で試料の転移温度測定を行った場合に、融解ピーク温度が存在しないことを意味する。
アルコール成分(x)としては、ジオール及び3価以上のポリオールが挙げられる。(x)は単独でも二種以上を併用してもよい。
ジオールとしては、炭素数2〜36のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、及び1,12−ドデカンジオール等)、炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコール等)、炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールA等)、上記脂環式ジオールの(ポリ)アルキレンオキサイド付加物(好ましくは付加モル数1〜30)、及び芳香族ジオール〔単環2価フェノール(例えばハイドロキノン)及びビスフェノール類〕のアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
ビスフェノール構造を有するアルキレンオキサイド付加物は、ビスフェノール類にアルキレンオキサイド(以下AOと略記することがある)を付加して得られる。ビスフェノール類としては、下記一般式(1)で示されるものが挙げられる。
HO−Ar−P−Ar−OH (1)
[式中、Pは炭素数1〜3のアルキレン基、−SO−、−O−、−S−、又は直接結合を表し、Arは、水素原子がハロゲン又は炭素数1〜30のアルキル基で置換されていてもよいフェニレン基を表す。]
ビスフェノール類とは、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールB、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、トリクロロビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、ジブロモビスフェノールF、2−メチルビスフェノールA、2,6−ジメチルビスフェノールA、2,2’−ジエチルビスフェノールFが挙げられ、これらは2種以上を併用することもできる。
これらビスフェノール類に付加するアルキレンオキサイドとしては、炭素数が2〜4のアルキレンオキサイドが好ましく、具体的には、エチレンオキサイド(以下、「エチレンオキサイド」をEOと略記することがある。)、プロピレンオキサイド(以下、「プロピレンオキサイド」をPOと略記することがある。)、1,2−、2,3−、1,3−又はiso−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン(以下THFと略記)、並びにこれらの2種以上の併用が挙げられる。
耐熱保存性及び低温定着性の観点から、ビスフェノール類のAO付加物を構成するAOは、好ましくはEO及び/又はPOである。AOの付加モル数は、耐熱保存性及び低温定着性の観点から、好ましくは2〜30モル、より好ましくは2〜10モルである。
ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物のうち、トナーの定着性の観点から好ましいものは、ビスフェノールAのEO及び/又はPO付加物(付加モル数は好ましくは2〜4、より好ましくは2〜3)である。
3価以上のポリオールとしては、炭素数3〜36の3価以上の脂肪族多価アルコール(アルカンポリオール及びその分子内又は分子間脱水物、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリン及びジペンタエリスリトール等)、糖類及びその誘導体(例えばショ糖及びメチルグルコシド等)、上記脂肪族多価アルコールのAO付加物(付加モル数は好ましくは1〜30)、トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)のAO付加物(付加モル数は好ましくは2〜30)、ノボラック樹脂(フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等が含まれ、平均重合度として好ましくは3〜60)のAO付加物(付加モル数は好ましくは2〜30)等が挙げられる。
アルコール成分(x)のうち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のAO付加物(付加モル数は好ましくは2〜30)、炭素数3〜36の3価以上の脂肪族多価アルコール及びノボラック樹脂(フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等が含まれ、平均重合度として好ましくは3〜60)のAO付加物(付加モル数は好ましくは2〜30)であり、保存安定性の観点からより好ましいものは、炭素数2〜10のアルキレングリコール、ビスフェノール類のAO付加物(付加モル数は好ましくは2〜5)、3〜4価の脂肪族多価アルコール及びノボラック樹脂(フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等が含まれ、平均重合度として好ましくは3〜60)のAO付加物(付加モル数は好ましくは2〜30)であり、さらに好ましくは、炭素数2〜6のアルキレングリコール及びビスフェノールAのAO付加物(付加モル数は好ましくは2〜5)であり、特に好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール及びビスフェノールAのAO付加物(付加モル数は好ましくは2〜3)である。
本発明における非晶性ポリエステル樹脂(B)は、耐久性や画質安定性の観点からアルコール成分(x)中にビスフェノール類のAO付加物を、(x)のモル数に基づいて好ましくは70モル%以上、更に好ましくは90モル%以上含有することが好ましい。
カルボン酸成分(y)としては、ジカルボン酸及び3価以上のポリカルボン酸が挙げられる。(y)は単独でも二種以上を併用してもよい。
ジカルボン酸としては、炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、レパルギン酸及びセバシン酸等)、炭素数4〜50のアルケンジカルボン酸(ドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸及びグルタコン酸等)、炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸等)、不飽和カルボン酸のビニル重合体[数平均分子量(以下Mnと記載、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による):450〜10,000](α−オレフィン/マレイン酸共重合体等)等が挙げられる。
3価以上のポリカルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸及びピロメリット酸等)、炭素数6〜36の脂肪族トリカルボン酸(ヘキサントリカルボン酸等)、不飽和カルボン酸のビニル重合体[Mn:450〜10,000](スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸共重合体及びスチレン/フマル酸共重合体等)等が挙げられる。
(y)としては、(y)の無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル及びイソプロピルエステル等)を用いてもよいし、これらのカルボン酸は併用してもよい。
カルボン酸成分(y)のうち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から好ましいのは、炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸、炭素数4〜50のアルケンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸及び炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸であり、保存安定性の観点からより好ましいのは、アジピン酸、炭素数16〜50のアルケニルコハク酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びこれらの併用であり、さらに好ましいのは、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、及びこれらの併用である。これらの酸の無水物や低級アルキルエステルも、同様に好ましい。
本発明における非晶性ポリエステル樹脂(B)は、ポリカルボン酸成分(y)中に芳香族ジカルボン酸と芳香族ポリカルボン酸とを構成成分とすることが好ましい。芳香族ジカルボン酸の含有率は、トナーとして用いたときの低温定着性の観点から(y)のモル数に基づいて好ましくは70〜100モル%、より好ましくは80〜100モル%である。
本発明に用いる非晶性ポリエステル樹脂(B)の軟化点は90〜144℃であり、トナーとして用いたときの耐ホットオフセット性と低温定着性の両立の観点から、好ましくは90〜130℃、より好ましくは90〜120℃である。
本発明における軟化点は、以下の方法で測定することができる。
<軟化点の測定方法>
高化式フローテスター{例えば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)を軟化点とする。
本発明における非晶性ポリエステル樹脂(B)は、好ましくは酸価と水酸基価との合計が10mgKOH/g以上80mgKOH/g以下であり、より好ましくは15mgKOH/g以上75mgKOH/g以下である。酸価と水酸基価との合計が10mgKOH/g以上であると、トナーとして用いた時の耐ホットオフセット性が良好となり、80mgKOH/g以下であると、トナーとして用いた時の低温定着性が良好となる。
非晶性ポリエステル樹脂(B)の酸価は好ましくは5〜70mgKOH/gであり、トナーとして用いたときの帯電安定性、耐熱保存性の観点から、より好ましくは6〜45mgKOH/gである。
非晶性ポリエステル樹脂(B)の水酸基価は、トナーとして用いたときの帯電安定性、耐熱保存性の観点から、好ましくは0〜70mgKOH/gであり、より好ましくは0〜50mgKOH/gである。
なお、本発明における酸価及び水酸基価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定する。
非晶性ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは45〜80℃であり、より好ましくは50〜80℃である。(A)のガラス転移温度が80℃以下であるとトナーとして用いたときの低温定着性が向上し、45℃以上であると耐ホットオフセット性が向上する。
なお、本発明のガラス転移温度は、セイコーインスツル(株)製DSC20、SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定することができる。
非晶性ポリエステル樹脂(B)の重量平均分子量は、トナーの耐久性と低温定着性の両立の観点から、好ましくは3,500〜18,000、より好ましくは3,700〜15,000、さらに好ましくは4,000〜12,000である。
非晶性ポリエステル樹脂(B)の重量平均分子量は、GPCを用いて測定することができ、GPC測定は、ビニル樹脂(A)と同様の条件で測定することができる。
非晶性ポリエステル樹脂(B)の数平均分子量は、トナーの耐久性と低温定着性の両立の観点から、好ましくは1,500〜9,000、より好ましくは1,800〜7,500、さらに好ましくは2,000〜6,000である。
非晶性ポリエステル樹脂(B)の数平均分子量は、GPCを用いて測定することができ、GPC測定は、ビニル樹脂(A)と同様の条件で測定することができる。
非晶性ポリエステル樹脂(B)のTHF可溶分のピークトップ分子量は、トナーの耐久性と低温定着性の両立の観点から、好ましくは3,500〜18,000、より好ましくは3,700〜15,000、さらに好ましくは4,000〜12,000である。
非晶性ポリエステル樹脂(B)のピークトップ分子量は、GPCを用いて測定することができ、GPC測定は、ビニル樹脂(A)と同様の条件で測定することができる。なお、Mpとは、得られたクロマトグラム上の最大のピーク高さを示す分子量を意味する。
本発明において、非晶性ポリエステル樹脂(B)は公知のポリエステルと同様にして製造することができる。
例えば、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、反応温度が好ましくは150〜280℃、より好ましくは160〜250℃、さらに好ましくは170〜235℃で構成成分を反応させることにより行うことができる。また反応時間は、重縮合反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、より好ましくは2〜40時間である。
このとき必要に応じてエステル化触媒を使用することができる。エステル化触媒の例には、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド等)、三酸化アンチモン、チタン含有触媒[例えばチタンアルコキシド(テトライソプロポキシチタネート及びテトラブトキシチタネート等)、シュウ酸チタン酸カリウム、テレフタル酸チタン、テレフタル酸チタンアルコキシド、特開2006−243715号公報に記載の触媒{チタニウムジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)、チタニルビス(トリエタノールアミネート)及びそれらの分子内重縮合物等}及び特開2007−11307号公報に記載の触媒(チタントリブトキシテレフタレート、チタントリイソプロポキシテレフタレート及びチタンジイソプロポキシジテレフタレート等)等]、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル等)及び酢酸亜鉛等が挙げられる。これらの中で好ましくはチタン含有触媒である。反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
本発明のトナーバインダーは低温定着性の観点から、トナーバインダーの合計重量を基準として前記ビニル樹脂(A)の重量割合が21〜99重量%である。好ましくは30〜99重量%、より好ましくは45〜99重量%、さらに好ましくは80〜99重量%である。
本発明のトナーバインダーは低温定着性の観点から、トナーバインダーの合計重量を基準として前記非晶性ポリエステル樹脂(B)の重量割合が1〜79重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜70重量%、さらに好ましくは1〜55重量%、特に好ましくは1〜20重量%である。
本発明においてトナーバインダーの軟化点(Tsp)は、トナーとした際の低温定着性及び保存安定性の観点から、好ましくは45〜110℃であり、より好ましくは45〜100℃、さらに好ましくは50〜90℃である。軟化点Tspが40℃以上の場合は結晶性及び保存安定性が良好となり、110℃以下の場合は低温定着性が良好となる。
トナーバインダーの軟化点(Tsp)はトナーバインダー中の(A)の重量比率、(A)を構成する単量体の種類や構成比率(例えば、ビニル樹脂(A)を構成する単量体(a)の炭素数を調整すること及び(A)を構成する単量体(a)の重量比率を調整する等)、重量平均分子量などで調整することができる。例えば(A)の重量比を減らす、(a)の炭素数を増やす、(a)の重量比率を減らす、(A)の重量平均分子量を増やす等の方法により、Tspを上げることができる。
本発明におけるトナーバインダーの軟化点(Tsp)は非晶性ポリエステル樹脂(B)の軟化点と同様の条件で測定される。
トナーバインダーのDSC測定による融解ピーク温度Tmは、40〜100℃であることが好ましく、より好ましくは45〜85℃であり、さらに好ましくは50〜75℃である。
40℃以上ではトナーとした際の保存安定性が良好となる。一方で100℃以下であると低温定着性が良好となる。
なお、トナーバインダーの融解ピーク温度Tmは、ビニル樹脂(A)の融解ピーク温度Tmの説明で述べた方法と同様の方法で測定することができる。
トナーバインダーの融解ピーク温度Tmは、ビニル樹脂(A)を構成する単量体(a)の炭素数を調整すること及び(A)を構成する単量体(a)の重量比率を調整することにより、上記の好ましい範囲に調整することができる。例えば(a)の炭素数を増やす、(a)の重量比率を増やす、(A)の重量平均分子量を増やす等の方法により、Tmを上げることができる。また、(A)の含有量が少ない場合は、その他の樹脂(B)との|ΔSP値|を上げることでTmを下げずに維持できる。
樹脂のSP値は、コンピュータソフトウェア「HSPiP4.1.0」に付属のPolymersの推算法を用いることにより求められる。
トナーバインダーは、トナーにした際の保存安定性と低温定着性の観点から、関係式(2)を満たすことが好ましい。
関係式(2):1.6≦ln(G’Tm−10)/ln(G’Tm+30)≦3.4
但し、計算値は小数点第2桁を四捨五入して求めるものとする。
より好ましくは関係式(2−1)を満たすものであり、さらに好ましくは関係式(2−2)を満たすものである。
関係式(2−1):1.6≦ln(G’Tm−10)/ln(G’Tm+30)≦3.1
関係式(2−2):1.7≦ln(G’Tm−10)/ln(G’Tm+30)≦2.7
関係式(2)、(2−1)及び(2−2)において、G’Tm−10は、トナーバインダーの温度が(Tm−10)℃である時のトナーバインダーの貯蔵弾性率(Pa)であり、G’Tm+30は、トナーバインダーの温度が(Tm+30)℃である時のトナーバインダーの貯蔵弾性率(Pa)である。
ln(G’Tm−10)/ln(G’Tm+30)は、ビニル樹脂(A)の重量平均分子量や単量体(b)又は単量体(c)の種類及び量で調整することができる。例えば、ビニル樹脂(A)の重量平均分子量を減らす、(a)の量を増やす、(b)の量を減らす等の方法により、ln(G’Tm−10)/ln(G’Tm+30)を上げることができる。
なお、トナーバインダーの貯蔵弾性率G’及び損失弾性率G’’は、上記粘弾性測定装置を用いて、ビニル樹脂(A)の説明で述べた方法と同様の方法で測定することができる。
本発明のトナーバインダーの製造方法について説明する。
本発明のトナーバインダーは、ビニル樹脂(A)と非晶性ポリエステル樹脂(B)等とを、単に公知の機械的混合方法を用いることによって均一混合することで製造する方法、及び(A)と非晶性ポリエステル樹脂(B)等とを、溶剤中に同時に溶解して均一化し、その後溶剤を除去することで製造する方法等で得ることができる。
機械的混合方法において、粉体混合する場合の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー及びバンバリーミキサー等が挙げられ、溶融混合する場合の混合装置としては、バッチ式混合装置及び連続式混合装置が挙げられる。メカニカルスターラーやマグネティックスターラーを用いた反応槽等の連続式混合装置としては、二軸混練機、スタティックミキサー、エクストルーダー、コンティニアスニーダー及び3本ロール等が挙げられる。
機械的混合方法を用いる場合の混合時の温度としては、50〜200℃であることが好ましい。また、混合時間としては、0.5〜24時間であることが好ましい。
溶剤に溶解する方法を用いる場合は、溶剤としては特に制限はなく、トナーバインダーを構成する全ての樹脂を好適に溶解するものであればよい(テトラヒドロフラン、トルエン及びアセトン等)。
溶剤を除去する時の温度は50〜200℃であることが好ましいく、必要に応じて減圧や排風することで溶剤の除去を促進することができる。
本発明のトナーバインダー及びビニル樹脂(A)の蒸発後固形分量は、以下の方法で求めたものである。
トナーバインダー等の試料約2.00gをはかりとり、130℃で5kPa以下の減圧度で1時間の条件で乾燥する。乾燥後の試料を取り出し重量を小数点第2位まで測定し、(乾燥後の試料の重量/乾燥前の試料の重量)×100から蒸発後固形分量を算出する。
本発明のトナーバインダーをトナーとして用いる場合は、必要により着色剤、離型剤、荷電制御剤及び流動化剤等を含有してもよい。
着色剤としては、トナー用着色剤として使用されている染料、顔料等のすべてを使用することができる。カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、ピグメントレッド、イルガシンレッド、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、ピグメントイエロー、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB及びオイルピンクOP等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また、必要により磁性粉(鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。
着色剤の含有量は、本発明のトナーバインダー100部に対して、好ましくは1〜40部、より好ましくは3〜10部である。なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150部、より好ましくは40〜120部である。上記及び以下において、部は重量部を意味する。
離型剤としては、軟化点Tspが50〜170℃のものが好ましく、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス及びそれらの酸化物、カルナバワックス、モンタンワックス、及びそれらの脱酸ワックス、脂肪酸エステルワックス等のエステルワックス、脂肪酸アミド類、脂肪酸類、高級アルコール類、脂肪酸金属塩等が挙げられる。
なお、離型剤の軟化点Tspはビニル樹脂(A)の軟化点Tspと同様の条件で測定される。
ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセン及びこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるもの及びそれをさらに熱減成して得られるものを含む]、(例えば低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンポリエチレン共重合体)、オレフィンの(共)重合体の酸素及び/又はオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[マレイン酸及びその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル及びマレイン酸ジメチル等)変性物等]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸及び無水マレイン酸等]及び/又は不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル及びマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体、及びサゾールワックス等が挙げられる。
パラフィンワックスとしては、例えば、日本精蝋(株)製のParaffin WAX−155、Paraffin WAX−150、Paraffin WAX−145、Paraffin WAX−140、Paraffin WAX−135、HNP−3、HNP−5、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12、HNP−51等が挙げられる。
高級アルコールとしては、炭素数30〜50の脂肪族アルコールなどであり、例えばトリアコンタノールが挙げられる。脂肪酸としては、炭素数30〜50の脂肪酸などであり、例えばトリアコンタンカルボン酸が挙げられる。
上記の中では低温定着性や耐ホットオフセット性の観点から好ましくは、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、カルナバワックス及びエステルワックス、アミドワックスが好ましい。
荷電制御剤としては、正帯電性荷電制御剤及び負帯電性荷電制御剤のいずれを含有していてもよくニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、ポリアミン、イミダゾール誘導体、4級アンモニウム塩基含有重合体、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸金属塩、ベンジル酸のホウ素錯体、スルホン酸基含有重合体、含フッ素系重合体及びハロゲン置換芳香環含有重合体等が挙げられる。
流動化剤としては、シリカ、チタニア、アルミナ、炭酸カルシウム、脂肪酸金属塩、シリコーン樹脂粒子及びフッ素樹脂粒子等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。トナーの帯電性の観点からシリカが好ましい。また、シリカは、トナーの転写性の観点から疎水性シリカであることが好ましい。
トナー中のトナーバインダーの含有量はトナーの重量に基づき、好ましくは30〜97重量%、より好ましくは40〜95重量%、さらに好ましくは45〜92重量%である。着色剤の含有量はトナー重量に基づき、好ましくは0.05〜60重量%、より好ましくは0.1〜55重量%、さらに好ましくは0.5〜50重量%である。離型剤の含有量はトナー重量に基づき、好ましくは0〜30重量%、より好ましくは0.5〜20重量%、さらに好ましくは1〜10重量%である。荷電制御剤の含有量はトナー重量に基づき、好ましくは0〜20重量%、より好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜7.5重量%である。流動化剤の含有量はトナー重量に基づき、好ましくは0〜10重量%、より好ましくは0〜5重量%、さらに好ましくは0.1〜4重量%である。また、着色剤、離型剤、荷電制御剤及び流動化剤の合計含有量はトナー重量に基づき、好ましくは3〜70重量%、より好ましくは4〜58重量%、さらに好ましくは5〜50重量%である。トナーの組成比率を上記の範囲とすることで帯電性が良好なトナーを容易に得ることができる。
本発明のトナーバインダーをトナーとして用いる場合のトナーの製造方法は特に限定されず、混練粉砕法、乳化転相法、乳化重合法、懸濁重合法、溶解懸濁法及び乳化凝集法等の公知のいずれの方法により得られたものであってもよい。
これらの製造方法のうち、生産性、低温定着性及び保存性の観点から混練粉砕法及び溶解懸濁法が好ましい。
例えば、混練粉砕法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分をヘンシェルミキサー、ナウターミキサー及びバンバリーミキサー等で乾式ブレンドした後、二軸混練機、エクストルーダー、コンティニアスニーダー及び3本ロール等の連続式の混合装置で溶融混練し、その後ミル機等で粗粉砕し、最終的に気流式微粉砕機(例えば、超音速ジェット粉砕機等)等を用いて微粒子化して、さらに気流分級機等の分級機で粒度分布を調整することにより、トナー粒子[好ましくは体積平均粒径(D50)が5〜20μmの粒子]とした後、流動化剤を混合して製造することができる。なお、体積平均粒径(D50)はコールターカウンター[例えば、商品名:マルチサイザーIII(ベックマン・コールター(株)製)]を用いて測定される。
また、乳化転相法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶剤に溶解又は分散後、水を添加する等によりエマルジョン化し、次いで分離、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒径は、3〜15μmが好ましい。
乳化重合法及び懸濁重合法は、公知の方法[特公昭36−10231号公報、特公昭47−518305号公報、特公昭51−14895号公報等に記載の方法]を用いることができる。
溶解懸濁法及び乳化凝集法は、公知の方法[特許第3596104号公報、特許第3492748号公報等に記載の方法]を用いることができる。
本発明のトナーバインダーに用いられるトナーは、必要に応じて鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライト、マグネタイト及び樹脂(アクリル重合体、及びシリコーン重合体等)により表面をコーティングしたフェライト等のキャリアー粒子と混合されて電気的潜像の現像剤として用いられる。トナーとキャリアー粒子との重量比は、1/99〜100/0である。また、キャリアー粒子の代わりに帯電ブレード等の部材と摩擦し、電気的潜像を形成することもできる。
本発明のトナーバインダーを含有するトナーは、電子写真用トナーとして複写機及びプリンター等により支持体(紙及びポリエステルフィルム等)に定着して記録材料とされる。支持体に定着する方法としては、公知の熱ロール定着方法及びフラッシュ定着方法等が適用できる。
本発明のトナーバインダーを用いて作成されたトナーは電子写真法、静電記録法や静電印刷法等において、静電荷像又は磁気潜像の現像に用いられる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り部は重量部を示す。
<製造例1>
オートクレーブにトルエン30部を仕込み、窒素で置換した後、撹拌下密閉状態で105℃まで昇温した。ベヘニルアクリレート[日油(株)製、以下同様]30部、酢酸ビニル[ナカライテクス(株)製、以下同様]69部、メタクリル酸[ナカライテクス(株)製、以下同様]1部、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート[パーブチルO、日油(株)、以下同様]0.35部、及びトルエン10部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を105℃にコントロールしながら、1時間かけて滴下し重合を行った。更に同温度で4時間保ち重合を完結させたのち、130℃にて脱溶剤を行い、蒸発後固形分量が99.90%以上になった時点で取り出し、ビニル樹脂(A1)を得た。
表1に組成及び物性を示した。
<製造例2〜18、21〜23>
表1及び表2に記載の単量体及びその他の原料を指定の重量部としたこと以外は製造例1と同様にしてビニル樹脂(A2〜A18、A21〜A23)を得た。物性はそれぞれ表1及び表2に示した。
<製造例19>
・2−イソシアナトエチルメタクリレートとメタノールの反応物の合成
オートクレーブに2−イソシアナトエチルメタクリレート[カレンズMOI、昭和電工(株)製、以下同様]を83部と、メタノール[ナカライテクス(株)製、以下同様]17部、触媒[ネオスタンU−600、日東化成工業(株)、以下同様]0.5部、脱水トルエン100部を仕込み、窒素で置換した後、撹拌下密閉状態で90℃で12時間反応を行い、2−イソシアナトエチルメタクリレートとメタノールの反応物を得た。蒸発後固形分量は50%であった。
・ビニル樹脂(A19)の合成
オートクレーブにトルエン30部を仕込み、窒素で置換した後、撹拌下密閉状態で105℃まで昇温した。ベヘニルアクリレート30部、スチレン30.6部、酢酸ビニル35部、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート0.35部、上記の2−イソシアナトエチルメタクリレートとメタノールの反応物 6.8部、及びトルエン6.6部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を105℃にコントロールしながら、1時間かけて滴下し重合を行った。更に同温度で4時間保ち重合を完結させた。その後130℃にて脱溶剤を行い、蒸発後固形分量が99.90%以上になった時点で取り出し、ビニル樹脂(A19)を得た。物性は表2に示した。
<製造例20>
・2−イソシアナトエチルメタクリレートとジブチルアミンの反応物の合成
3つ口フラスコに2−イソシアナトエチルメタクリレートを68部と、脱水トルエン100部を仕込み、窒素で置換した後、氷浴で冷却しながら窒素通気の撹拌下で、温度を50℃以下に保ちながらジブチルアミン[ナカライテクス(株)製、以下同様]32部を滴下し、2−イソシアナトエチルメタクリレートとジブチルアミンの反応物を得た。蒸発後固形分量は50%であった。
・ビニル樹脂(A20)の合成
表2に記載の単量体の組成に基づきそれぞれの単量体を指定の重量部としたこと以外は製造例19のビニル樹脂合成と同様にしてビニル樹脂(A20)を得た。物性は表2に示した。
<比較製造例1〜8>
比較製造例1〜8は表3に記載の単量体及びその他の原料を指定の重量部としたこと以外は製造例1と同様にしてビニル樹脂(A’1〜A’8)を得た。物性はそれぞれ表3に示した。
Figure 2019207400
Figure 2019207400
Figure 2019207400
<製造例24>
反応槽中に、ビスフェノールAのプロピレンオキシド2モル付加物697部、テレフタル酸297部、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、0.5〜2.5kPaの減圧下220℃で反応させ、生成する水を留去しながら10時間反応させ、酸価が1mgKOH/g以下になった後、180℃まで冷却した。無水トリメリット酸10部を加え、1時間反応させたのち、スチールベルトクーラーを使用して非晶性ポリエステル樹脂(B1)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂(B1)の物性は表4に示した。
Figure 2019207400
<実施例1〜25及び比較実施例1〜8>
製造例1〜24と比較製造例1〜8で得たビニル樹脂(A1)〜(A23)、(A’1)〜(A’8)及びポリエステル樹脂(B1)を表5〜表7の通りの組成比率でテトラヒドロフランと混和して蒸発後固形分量が50%の均一溶液とした。続けて80℃にて溶剤除去を行い、蒸発後固形分量が99.90%以上の樹脂混合物を得てこれを電子写真用トナーバインダー(D1)〜(D25)及び(D’1〜D’8)として以下に記載の方法でトナー(Ts1〜Ts25、Tf1、Ts’1〜Ts’8)を得た。トナーバインダーの融解ピーク温度(Tm)、軟化点(Tsp)及び粘弾性評価を行った結果は表5〜表7に示した。
Figure 2019207400
Figure 2019207400
Figure 2019207400
<溶解懸濁法によるトナー(Ts1)の製造>
[微粒子分散液1の製造]
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩[エレミノールRS−30、三洋化成工業社製]11部、ビニルベンゼン139部、メタクリル酸138部、アクリル酸ブチル184部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で5時間熟成してビニルポリマー(ビニルベンゼン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置[LA−920、株式会社堀場製作所製]で測定した体積平均粒径は、0.15μmであった。
[ワックス分散液1の製造]
冷却管、温度計及び撹拌機を備えた反応容器に、カルナウバワックス15部及び酢酸エチル85部を投入し、80℃に加熱して溶解し、1時間かけて30℃まで冷却し、カルナウバワックスを微粒子状に晶析させ、更に「ウルトラビスコミル」(アイメックス製)で湿式粉砕し[ワックス分散液1]を作製した。
[顔料マスターバッチの製造]
水1200部、カーボンブラック(キャボット社製、リーガル400R)40部、製造例18で製造したビニル樹脂(A18)20部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を3本ロールを用いて90℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕して顔料マスターバッチ[MB1]を得た。
[水相s1の製造]
攪拌棒をセットした容器に、水955部、[微粒子分散液1]15部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム水溶液(エレミノールMON7、三洋化成工業製)30部を投入し、乳白色の液体[水相s1]を得た。
[トナー(Ts1)の製造]
・粒子化
ビーカー内にトナーバインダー(D1)191部、顔料マスターバッチ[MB1]25部、[ワックス分散液1]67部、酢酸エチル124部を投入して溶解・混合均一化し、[油相s1]を得た。この[油相s1]中に[水相s1]600部を添加し、TKホモミキサー(特殊機化工業社製)を使用し、回転数12000rpmで25℃で1分間分散操作を行い、さらにフィルムエバポレータで減圧度−0.05MPa(ゲージ圧)、温度40℃、回転数100rpmの条件で30分間脱溶剤し、水性着色重合体分散体(X1)を得た。
・分級
(X1)100部を遠心分離し、更に水60部を加えて遠心分離して固液分離する工程を2回繰り返した後、35℃で1時間乾燥した後に、分級機としてエルボジェット分級機[(株)マツボウ製、EJ−L−3(LABO)型]で、3.17μm以下の微粉が12個数%以下、8.0μm以上の粗粉が3体積%以下となるように、微粉及び粗粉を除去して着色重合体粒子[Cs1]を得た。
・外添処理
次に、得られた着色粉体の着色重合体粒子[Cs1]100部に対し、疎水性シリカ[アエロジルR972、日本アエロジル(株)製]を1部添加し、周速を15m/secとして30秒混合、1分間休止を5サイクル行い、トナー(Ts1)を得た。
<溶解懸濁法によるトナー(Ts2)〜(Ts25)及び(Ts’1)〜(Ts’8)の製造>
トナーバインダー(D1)に変えて(D2)〜(D25)及び(D’1)〜(D’8)を用いること以外はトナー(Ts1)と同様の手順でそれぞれ[油相s2]〜[油相s25]を得て、表8〜表10に記載の組成でトナー(Ts2)〜(Ts25)及び(Ts’1)〜(Ts’8)を得た。
<実施例26:混練粉砕法によるトナー(Tf1)の製造>
・混練
バインダー樹脂(D1)85部、顔料のカーボンブラックMA−100[三菱ケミカル(株)製]6部、離型剤のカルナウバワックス4部、荷電制御剤[T−77、保土谷化学工業(株)製]4部を下記の方法でトナー化した。まず、ヘンシェルミキサー[日本コークス工業(株)製 FM10B]を用いて各々の原料を予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。
・粉砕、分級
ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製 LJ型]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、着色樹脂粒子(FP1)を得た。
・外添処理
ついで、着色樹脂粒子(FP1)100部に流動化剤として疎水性シリカ[アエロジルR972、日本アエロジル(株)製]1部をサンプルミルにて混合して、トナー(Tf1)を得た。
実施例1〜26で得たトナー(Ts1)〜(Ts25)及び(Tf1)並びに比較例1〜8で得られた比較用のトナー(Ts’1)〜(Ts’8)について、粒子径、低温定着性(MFT)、耐ホットオフセット性(ホットオフセット温度)及び保存安定性試験(ブロッキング試験)を下記の方法で評価した。結果を表8〜表10に示す。
Figure 2019207400
Figure 2019207400
Figure 2019207400
<粒子径>
トナーの粒子径は以下の方法で測定した。
トナーのサンプル約0.1gをビーカーに秤量し、分散剤としてドライウェル(富士フイルム社製)2mLとイオン交換水4mLを加え、20W以上の超音波分散機で3分間分散させた後、更にアイソトンIIを10〜30mL加え、再び20W以上の超音波分散機で3分間分散させた後、速やかに粒径測定機(ベックマン・コールター社製、商品名:マルチサイザーIII)を用いて、アパーチャー径;100μm、媒体;電解液(アイソトンII)、測定粒子個数;100,000個の条件下で、体積平均粒径(Dv50)と粒度分布(Dv50/Dn50)を測定し、この値をトナーの粒子径(μm)及び粒度分布とした。
<低温定着性と耐ホットオフセット性>
トナーを紙面上に0.6mg/cmとなるよう均一に載せる。このとき粉体を紙面に載せる方法は、熱定着機を外したプリンターを用いた。この紙を加圧ローラーに定着速度(加熱ローラ周速)213mm/sec、定着圧力(加圧ローラ圧)5kg/cmの条件で通した時の最低定着温度(MFT)とホットオフセット温度を測定した。MFTが低いほど、低温定着性に優れることを意味する。また、表10中、MFT又はホットオフセット温度が「定着しない」とあるものは、MFT又はホットオフセット温度が測定できなかったことを意味する。
<保存安定性(ブロッキング試験)>
・ブロッキング試験1
50℃、湿度50%に温調調湿された乾燥機に粒子状トナーを15時間静置し、ブロッキングの有無を目視で判断し、下記の基準で評価を行った。
1−◎:ブロッキングは発生しておらず目視での流動性に変化なし
1−○:ブロッキングが発生しているが容器を揺すると凝集がほどけて流動する
1−×:ブロッキングが発生している
・ブロッキング試験2
50℃、湿度80%に温調調湿された乾燥機に粒子状トナーを15時間静置し、ブロッキングの有無を目視で判断し、下記の基準で耐熱保存安定性を評価した。
2−◎:ブロッキングは発生しておらず目視での流動性に変化なし
2−○:ブロッキングが発生しているが容器を揺すると凝集がほどけて流動する
2−×:ブロッキングが発生している
保存安定性はブロッキング試験1、2の結果の組合せから以下の判定基準で6段階で評価した。
1:1−×かつ2−×
2:1−○かつ2−×
3:1−◎かつ2−×
4:1−○かつ2−○
5:1−◎かつ2−○
6:1−◎かつ2−◎
<光沢>
低温定着性と同様に定着評価を行う。
画像の下に白色の厚紙を敷き、光沢度計(株式会社堀場製作所製、「IG−330」)を用いて、入射角度60度にて、印字画像の光沢度(%)を測定し、145℃での光沢度を光沢の値として採用した。
光沢の値が高いほど、光沢性に優れることを意味する。この評価条件では一般に5以上が必要とされる
表8〜表10の評価結果から明らかなように、本発明のトナーバインダーを含有するトナー(Ts1)〜(Ts25)及び(Tf1)は、低温定着性、耐ホットオフセット性及び保存安定性が良好である。
一方で、比較用のトナーバインダーを含有するトナー(Ts’1)〜、(Ts’8)は、低温定着性(MFT)、耐ホットオフセット性(ホットオフセット温度)及び保存安定性のうち、少なくとも1つで評価結果が劣っていた。
本発明のトナーバインダーを用いたトナーは、低温定着性、耐ホットオフセット性及び保存安定性に優れるため、電子写真、静電記録及び静電印刷等に用いる静電荷像現像用トナーとして有用である。

Claims (5)

  1. 単量体(a)を必須構成単量体とするビニル樹脂(A)を含有するトナーバインダーであって、
    単量体(a)が炭素数18〜36の鎖状炭化水素基とビニル基とを有し、
    ビニル樹脂(A)のDSC測定による融解ピーク温度Tmが40〜100℃であり、
    トナーバインダーの重量を基準としてビニル樹脂(A)の重量割合が21〜99重量%であり、
    ビニル樹脂(A)を構成する単量体の合計重量を基準として単量体(a)の重合割合が15〜90重量%であり、
    ビニル樹脂(A)の酸価が19.9mgKOH/g以下であり、
    ビニル樹脂(A)の(Tm−10)℃における損失正接tanδ(Tm−10)が0.01〜2.0であり、
    ビニル樹脂(A)の(Tm+20)℃における損失正接tanδ(Tm+20)が0.5〜30.0であることを特徴とするトナーバインダー。
  2. ビニル樹脂(A)が、関係式(1)を満たす請求項1に記載のトナーバインダー。
    関係式(1):1.6≦ln(G’Tm−10)/ln(G’Tm+30)≦3.4
    [関係式(1)において、G’Tm−10は、ビニル樹脂(A)の温度が(Tm−10)℃である時のビニル樹脂(A)の貯蔵弾性率(Pa)であり、G’Tm+30は、ビニル樹脂(A)の温度が(Tm+30)℃である時のビニル樹脂(A)の貯蔵弾性率(Pa)である。]
  3. ビニル樹脂(A)の重量平均分子量が10,000〜1,000,000であり、かつ数平均分子量と重量平均分子量との比[Mw/Mn]が2.2以上である請求項1又は2に記載のトナーバインダー。
  4. トナーバインダーがアルコール成分(x)とカルボン酸成分(y)とを必須構成単量体とする非晶性ポリエステル樹脂(B)を含有し、非晶性ポリエステル樹脂(B)の軟化点が90〜144℃である請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナーバインダー。
  5. ビニル樹脂(A)が、さらに単量体(a)以外の単量体(b)を構成単量体として含み、単量体(b)がエステル基、カルボキシル基、ニトリル基、ウレタン基、ウレア基、アミド基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体である請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナーバインダー。
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