JP7353954B2 - マゼンタトナー - Google Patents
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Description
低温での定着を可能にするための手法としては、トナー中の結着樹脂のガラス転移点(Tg)を低下させることが挙げられる。しかしながら、Tgを低下させることは、トナーの耐熱保存性を低下させることにつながるため、この手法においては、トナーの低温定着性と耐熱保存性を両立させることは困難であるとされている。
そこで、トナーの低温定着性と耐熱保存性を両立させるために、トナーの結着樹脂に結晶性樹脂を用いることで低温定着性と耐熱保存性を両立させる技術が知られている。結晶性樹脂には、結晶性ポリエステルに代表される、主鎖が結晶化する主鎖結晶性樹脂と、長鎖アルキルアクリレート重合体に代表される、側鎖が結晶化する側鎖結晶性樹脂が知られている。中でも、側鎖結晶性樹脂は結晶化度を高めやすいために、優れた低温定着性を示すことが知られており、広く検討されている。
特許文献1や特許文献2には、炭素数が18以上の長鎖(以降、長鎖と略す)のアルキル基を有する重合性単量体と、非晶性の重合性単量体を共重合した側鎖結晶性樹脂をコアに使用したトナーが提案されている。それにより、低温定着性と耐熱保存性の両立が図られるとしている。
一方、着色力を補う手段としてマゼンタ染料を用いることもできるが、その場合、耐光性が悪化するという欠点がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものである。具体的には、低温定着性と耐熱保存性に優れ、かつ定着画像において彩度が高く、耐光性に優れたマゼンタトナーを提供することにある。
該結着樹脂が、第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニット、及び該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニットを有する重合体Aを含有し、
該第一の重合性単量体が、炭素数18以上36以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであり、該重合体A中の該第一のモノマーユニットの含有割合が、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、5.0モル%以上60.0モル%以下であり、
該重合体A中の該第二のモノマーユニットの含有割合が、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、20.0モル%以上90.0モル%以下であり、
該第一のモノマーユニットのSP値をSP11(J/cm3)0.5とし、該第二のモノマーユニットのSP値をSP21(J/cm3)0.5としたとき、下記式(1)を満たし、
3.00≦(SP21-SP11)≦25.00 式(1)
該顔料は、アセトン濡れ性試験におけるアセトン濡れ性(W)が下記式(2)を満たし、該顔料のXRD測定において、3°<2θ<60°の範囲内の最大強度を有するピークにおいて算出される結晶子サイズDが下記式(3)を満たすことを特徴とする。
5.5≦W≦10.0 式(2)
1.0nm≦D≦7.0nm 式(3)
また、本発明は、結着樹脂、顔料を含有するトナー粒子を有するマゼンタトナーであって、
該結着樹脂が、第一の重合性単量体、及び該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体を含有する組成物の重合体である重合体Aを含有し、
該第一の重合性単量体が、炭素数18以上36以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであり、該組成物中の該第一の重合性単量体の含有割合が、該組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、5.0モル%以上60.0モル%以下であり、
該組成物中の該第二の重合性単量体の含有割合が、該組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、20.0モル%以上90.0モル%以下であり、
該第一の重合性単量体のSP値をSP12(J/cm3)0.5とし、該第二の重合性単量体のSP値をSP22(J/cm3)0.5としたとき、下記式(4)を満たし、0.60≦(SP22-SP12)≦15.00 ・・・(4)
該顔料は、アセトン濡れ性試験におけるアセトン濡れ性(W)が下記式(2)を満たし、該顔料のXRD測定において、3°<2θ<60°の範囲内の最大強度を有するピークにおいて算出される結晶子サイズDが下記式(3)を満たすことを特徴とする。
5.5≦W≦10.0 式(2)
1.0nm≦D≦7.0nm 式(3)
(1)極性が低い長鎖のアルキル基部位と通常のマゼンタ顔料表面との馴染みが悪いため、結着樹脂内に顔料が取り込めず、結果として顔料が排斥されやすくなった。
(2)通常のマゼンタ顔料の結晶子サイズが大きいため、結着樹脂内に顔料が取り込めず、結果として顔料が排斥されやすくなった。
が考えられ、これにより、結着樹脂中にマゼンタ顔料が凝集した状態で存在することにより、彩度が低下したと推察した。
(1)マゼンタ顔料を結着樹脂中に均一に分散させること
(2)彩度と耐光性を両立させること
について鋭意検討したところ、マゼンタ顔料の顔料表面と結着樹脂の結晶性を示すための構成材料となる第一のモノマーユニットとの親和性を高め、且つ定着時における顔料同士の凝集を抑え、且つ結着樹脂中に顔料が取り込めるようにするために、マゼンタ顔料の結晶子サイズDを1.0nm≦D≦7.0nmの範囲に制御することによって、定着画像上での彩度が高く、耐光性に優れたマゼンタトナーが得られることを見出した。
5.5≦W≦10.0 式(2)
を満たし、且つマゼンタ顔料のXRD測定において、3°<2θ<60°の範囲内の最大強度を有するピークにおいて算出される結晶子サイズDが、
1.0nm≦D≦7.0nm 式(3)
を満足する。
マゼンタ顔料の結晶成長を制御するために、顔料合成時の反応速度や混晶により、マゼンタ顔料の結晶子サイズを制御すること
マゼンタ顔料のアセトンに対する濡れ性を制御するために、マゼンタ顔料粒子製造後において、溶媒加熱処理等による顔料表面処理を行うこと
の(1)、(2)の工程を経る方法等を挙げることができる。
R22は、水素、または炭素数1以上4以下のアルキル基の何れかを示す。
R23は、炭素数1以上4以下のアルキル基または炭素数1以上4以下のアルコキシ基の何れかを示す。
R24は、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、シアノ基、ニトロ基の何れかを示す。)
3.00≦(SP21-SP11)≦25.00 (1)
0.60≦(SP22-SP12)≦15.00 (4)
SP11=(SP111×A+SP112×(100-A))/100
である。第一のモノマーユニットの要件を満たすモノマーユニットが3以上含まれる場合も同様に計算する。一方、SP12も同様に、それぞれの第一の重合性単量体のモル比率で算出した平均値を表す。
ヒドロキシ基を有する単量体;例えば、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル等。
炭素数1以上26以下のアルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、t-ブチルアルコール、ペンタノール、ヘプタノール、オクタノール、2-エチルヘキサノール、ノナノール、デカノール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、ドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セタノール、ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、エライジルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ノナデシルアルコール、ヘンエイコサノール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール等)と、エチレン性不飽和結合を有する炭素数2以上30以下のイソシアネート[2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2-(0-[1’-メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル、2-[(3,5-ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチル(メタ)アクリレート及び1,1-(ビス(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等]とを公知の方法で反応させた単量体等。
R1は、ニトリル基(-C≡N)、
アミド基(-C(=O)NHR10(R10は水素原子、若しくは炭素数1以上4以下のアルキル基))、
ヒドロキシ基、
-COOR11(R11は炭素数1以上6以下(好ましくは1以上4以下)のアルキル基若しくは炭素数1以上6以下(好ましくは1以上4以下)のヒドロキシアルキル基)、
ウレタン基(-NHCOOR12(R12は炭素数1以上4以下のアルキル基))、
ウレア基(-NH-C(=O)-NH(R13)2(R13はそれぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1以上6以下(好ましくは1以上4以下)のアルキル基))、
-COO(CH2)2NHCOOR14(R14は炭素数1以上4以下のアルキル基)、又は
-COO(CH2)2-NH-C(=O)-NH(R15)2(R15はそれぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1以上6以下(好ましくは1以上4以下)のアルキル基)
であり、R2は、炭素数1以上4以下のアルキル基であり、R3は、それぞれ独立して水素原子又はメチル基である。)
重合体Aを得るための重合開始剤としては、特段の制限なく公知の重合開始剤を用いることができる。
2,2’-アゾビス-(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等に代表されるアゾ系またはジアゾ系重合開始剤が挙げられる。
トナーは荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては、特段の制限なく従来公知の荷電制御剤を用いることができる。具体的には、負帯電制御剤として以下の、サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸等の芳香族カルボン酸の金属化合物又は上記芳香族カルボン酸の金属化合物を有する重合体若しくは共重合体;
スルホン酸基、スルホン酸塩基若しくはスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体;
アゾ染料若しくはアゾ顔料の金属塩又は金属錯体;
ホウ素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン等が挙げられる。
トナー粒子はワックスを含有してもよい。ワックスは、例えば以下のものが挙げられる。
ベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ステアリル、パルミチン酸パルミチル等の1価アルコールとモノカルボン酸とのエステル類;
セバシン酸ジベヘニル等の2価カルボン酸とモノアルコールのエステル類;
エチレングリコールジステアレート、ヘキサンジオールジベヘネート等の2価アルコールとモノカルボン酸とのエステル類;
グリセリントリベヘネート等の3価アルコールとモノカルボン酸とのエステル類;
ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート等の4価アルコールとモノカルボン酸とのエステル類;
ジペンタエリスリトールヘキサステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテート等の6価アルコールとモノカルボン酸とのエステル類;
ポリグリセリンベヘネート等の多官能アルコールとモノカルボン酸とのエステル類;カルナバワックス、ライスワックス等の天然エステルワックス類;
トナーは、外部添加剤を含有してもよい。外部添加剤としては特段の制限なく従来公知の外部添加剤を用いることができる。具体的には、湿式製法シリカ、乾式製法シリカ等の原体シリカ微粒子又はそれら原体シリカ微粒子にシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイル等の処理剤により表面処理を施したシリカ微粒子、フッ化ビニリデン微粒子、ポリテトラフルオロエチレン微粒子等の樹脂微粒子等が挙げられる。
重合体A中の各種重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合の測定は、1H-NMRにより以下の条件にて行う。
・測定装置 :FT NMR装置 JNM-EX400(日本電子社製)
・測定周波数:400MHz
・パルス条件:5.0μs
・周波数範囲:10500Hz
・積算回数 :64回
・測定温度 :30℃
・試料 :測定試料50mgを内径5mmのサンプルチューブに入れ、溶媒として重クロロホルム(CDCl3)を添加し、これを40℃の恒温槽内で溶解させて調製する。
第一の重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合(モル%)=
{(S1/n1)/((S1/n1)+(S2/n2)+(S3/n3))}×100
第二の重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合(モル%)=
{(S2/n2)/((S1/n1)+(S2/n2)+(S3/n3))}×100
第三の重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合(モル%)=
{(S3/n3)/((S1/n1)+(S2/n2)+(S3/n3))}×100
SP12、SP22及びSPwは、Fedorsによって提案された算出方法に従い、以下のようにして求める。
SP3={4.184×(Σj×ΣΔei)/(Σj×ΣΔvi)}0.5 (4)
重合体AのTHF可溶分の分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
・装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
・カラム:Shodex KF-801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
・溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
・流速:1.0ml/min
・オーブン温度:40.0℃
・試料注入量:0.10ml
トナーの重合体Aの融解に由来する吸熱ピークの吸熱量は、DSC Q1000(TA Instruments社製)を使用して以下の条件にて測定を行う。
昇温速度:10℃/min
測定開始温度:20℃
測定終了温度:180℃
本発明における重合体A及びワックスの融点は、DSC Q1000(TA Instruments社製)を使用して以下の条件にて測定を行う。
昇温速度:10℃/min
測定開始温度:20℃
測定終了温度:180℃
本件顔料の結晶子サイズおよびアセトン濡れ性の測定においては、以下の方法でトナーから顔料を単離し、測定することができる。
顔料のアセトン濡れ性Wは粉体濡れ性試験機を用いて以下のような方法で測定を行った。顔料は、前述した方法によってトナーより単離し、下記装置および測定条件で測定を行った。
測定装置:WET101P(株式会社レスカ製)
顔料の結晶子サイズは、X線回折(XRD)を用いて、以下のような方法で測定した。顔料は、前述した方法によってトナーより単離し、下記装置および測定条件で測定を行った。
測定装置:RINT-TTR II(リガク社製)
管球:Cu
開始角度:3°
終了角度:60°
サンプリング幅:0.02°
スキャンスピード:4.00°/min
電圧:50kV
電流:300mA
平行ビーム光学系
発散スリット:開放
発散縦スリット:10mm
散乱スリット:開放
受光スリット:開放
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。本発明における酸価は、JIS K 0070-1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
滴定装置:電位差滴定装置AT-510(京都電子工業(株)製)
電極:複合ガラス電極ダブルジャンクション型(京都電子工業(株)製)
滴定装置用制御ソフトウエア:AT-WIN
滴定解析ソフト:Tview
滴定時における滴定パラメーター並びに制御パラメーターは下記のように行う。
滴定パラメーター
滴定モード:ブランク滴定
滴定様式:全量滴定
最大滴定量:20mL
滴定前の待ち時間:30秒
滴定方向:自動
制御パラメーラー
終点判断電位:30dE
終点判断電位値:50dE/dmL
終点検出判断:設定しない
制御速度モード:標準
ゲイン:1
データ採取電位:4mV
データ採取滴定量:0.1mL
測定サンプル0.100gを250mLのトールビーカーに精秤し、トルエン/エタノール(3:1)の混合溶液150mLを加え、1時間かけて溶解する。前記電位差滴定装置を用い、前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液を用いて滴定する。
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(3:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
A=[(C-B)×f×5.611]/S
(式中、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。)
動的光散乱式マイクロトラック粒度分布測定装置[UPA-150](日機装(株))を用い、樹脂分散液の粒度分布を算出する。測定に用いる水系媒体と測定セル温度が同じになるように、セルの温調を行ないながら測定を行う。粒径測定は、温度25℃で行う。
(1)セル内部にRO水:3.0gを入れた後、Back ground checkを行う。サンプルローディングが、0.0010以下になるのを確認する。
(2)セル内部にRO水:3.0gを入れた後、Set Zeroを行う。Set Z
eroの条件は、時間:60秒で行う。
(3)以下の条件を入力する。
測定時間:30s、測定回数:2回
粒子条件:透過性、屈折率:1.62、形状:非球形、密度:3.17
溶媒条件:WATERを選択
屈折率:1.333
高温時粘度:0.797(30℃)、低温時粘度:1.002(20℃)
表示設定:標準を選択
分布表示:体積を選択
(4)測定セルに乳化粒子を含有する水系媒体:3.0gを入れ、測定を開始する。
(5)測定データを装置付属の専用ソフトにて解析を行い、個数平均粒径(D1)を算出する。
トナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター(株)製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター(株)製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター(株)製)を用いることができる。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス(株)製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50,000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)を算出する。なお、前記専用ソフトで「グラフ/体積%」と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。また、前記専用ソフトで「グラフ/個数%」と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
(ジアゾ化合物含有溶液の調製)
ジアゾ化合物含有溶液に、19gの酢酸ナトリウムを加えて、pHを4.5にして、10℃に冷却した。その後、カップリング反応水溶液を1時間かけて滴下し、反応液が10℃以上に上がらないように冷却しながら反応させた。その際に、pHが4.9に維持されるように、12Nの塩酸(キシダ化学(株)製)を随時添加した。その後、20℃で4時間反応させた。その後、固形分をろ過、水洗した後、乾燥させて式(C1)と式(C2)を70:30で含有する未処理のマゼンタ顔料1を得た。
・アセトン 1000部
・マゼンタ顔料1 100部
上記材料を撹拌・混合し、マゼンタ顔料1をアセトンに懸濁させた。液温を60℃に昇温した後、温度を保ったまま1時間撹拌した。室温に降温した後、ろ別し、100部の蒸留水によって洗浄した後乾燥し、マゼンタ顔料1を得た。
アミド化合物(F1)、アミド化合物(F2)の添加量、アゾカップリング反応における12Nの塩酸添加後の反応温度、溶媒加熱処理によるマゼンタ顔料表面特性調整に用いる溶媒を表1に記載の通りに変更する以外は、マゼンタ顔料1と同様の方法により、マゼンタ顔料2~11を得た。
(ロジン処理によるマゼンタ顔料表面特性調整)
・蒸留水 1000部
・マゼンタ顔料7 100部
上記材料を撹拌・混合し、マゼンタ顔料7を水中に懸濁させた。その後、テトラヒドロアビエチン酸15.0部、アビエチン酸5.0部および33%濃度の水酸化ナトリウム水溶液30部を添加した。液温を98℃に昇温した後、温度を保ったまま1時間撹拌した。65℃に降温した後、12Nの塩酸(キシダ化学(株)製)を添加して樹脂を沈殿させた。沈殿した組成物をろ別し、蒸留水によって洗浄した後乾燥し、マゼンタ顔料12を得た。
マゼンタ顔料としてC.I.PigmentRed122を用いた。
マゼンタ顔料としてC.I.PigmentRed269を用いた。
マゼンタ顔料としてC.I.PigmentRed150を用いた。
(ウレタン基含有単量体)
メタノール50.0部を反応容器に仕込んだ。その後、撹拌下、40℃にてカレンズMOI[2-イソシアナトエチルメタクリレート](昭和電工株式会社)5.0部を滴下した。滴下終了後、40℃を維持しながら2時間撹拌を行った。その後、エバポレーターにて未反応のメタノールを除去することで、ウレタン基含有単量体を調製した。
ジブチルアミン50.0部を反応容器に仕込んだ。その後、撹拌下、室温にてカレンズMOI[2-イソシアナトエチルメタクリレート]5.0部を滴下した。滴下終了後、2時間撹拌を行った。その後、エバポレーターにて未反応のジブチルアミンを除去することで、ウレア基含有単量体を調製した。
還流冷却管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、下記材料を投入した。
・溶媒 トルエン 100.0部
・スチレン 91.7部
・メタクリル酸メチル 2.5部
・メタクリル酸 3.3部
・メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル 2.5部
・重合開始剤 t-ブチルパーオキシピバレート(日油社製:パーブチルPV)5.0部
上記反応容器内を200rpmで撹拌しながら、70℃に加熱して12時間重合反応を行い、単量体組成物の重合体がトルエンに溶解した溶解液を得た。続いて、上記溶解液を25℃まで降温した後、1000.0部のメタノール中に上記溶解液を撹拌しながら投入し、メタノール不溶分を沈殿させた。得られたメタノール不溶分をろ別し、更にメタノールで洗浄後、40℃で24時間真空乾燥して非晶性樹脂1を得た。非晶性樹脂1は、重量平均分子量は13500、酸価は21.3mgKOH/g、ガラス転移温度は93℃、SP値は20.3(J/cm3)0.5であった。
温度計を備えた反応容器に下記の材料を秤量した。
・イオン交換水 350.0部
・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5.0部
・ラウリン酸ナトリウム 10.0部
上記反応容器内を高速撹拌装置T.K.ロボミックス(プライミクス製)を用いて7000rpmで撹拌しながら、90℃に昇温して水系媒体S1を得た。別途、トルエン 100.0部に非晶性樹脂1:100.0部を90℃で溶解した。得られた非晶性樹脂1のトルエン溶液を、上記条件の撹拌下、水系媒体S1に投入し、上記条件で撹拌した。さらに、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)用いて200MPaの圧力で乳化した。
還流冷却管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、下記材料を投入した。
・溶媒 トルエン 100.0部
・単量体組成物 100.0部
(単量体組成物は以下のアクリル酸ベヘニル(モノマーユニットSP値:18.25、単量体SP値:17.69)・メタクリロニトリル(モノマーユニットSP値:25.96、単量体SP値:21.97)・スチレン(モノマーユニットSP値:20.11、単量体SP値:17.94)を以下に示す割合で混合したものとする)
・アクリル酸ベヘニル(炭素数22) 67.0部(28.9モル%)
・メタクリロニトリル 22.0部(53.8モル%)
・スチレン 11.0部(17.3モル%)
・重合開始剤 t-ブチルパーオキシピバレート(日油社製:パーブチルPV)0.5部
上記反応容器内を200rpmで撹拌しながら、70℃に加熱して12時間重合反応を行い、単量体組成物の重合体がトルエンに溶解した溶解液を得た。続いて、上記溶解液を25℃まで降温した後、1000.0部のメタノール中に上記溶解液を撹拌しながら投入し、メタノール不溶分を沈殿させた。得られたメタノール不溶分をろ別し、更にメタノールで洗浄後、40℃で24時間真空乾燥して重合体A0を得た。重合体A0の重量平均分子量は68400、酸価は0.0mgKOH/g、融点は62℃であった。
・単量体組成物 100.0部
(単量体組成物は以下のアクリル酸ベヘニル(モノマーユニットSP値:18.25、単量体SP値:17.69)・メタクリロニトリル(モノマーユニットSP値:25.96、単量体SP値:21.97)・スチレン(モノマーユニットSP値:20.11、単量体SP値:17.94)を以下に示す割合で混合したものとする)
・アクリル酸ベヘニル 67.0部(28.9モル%)
・メタクリロニトリル 22.0部(53.8モル%)
・スチレン 11.0部(17.3モル%)
・マゼンタ顔料1 7.0部
・非晶性樹脂1 5.0部
・ワックス パラフィンワックス 20.0部
(日本精蝋社製:HNP-51 融点Tm:74℃)
・トルエン 100.0部
からなる混合物を調製した。上記混合物をアトライター(日本コークス社製)に投入し、直径5mmのジルコニアビーズを用いて、200rpmで2時間分散することで原材料分散液を得た。
使用する材料を表2に記載のように変更する以外はトナー1の製造例と同様にしてトナー5~39を得た。なお、トナー17、19、26の製造例においては、反応液を95℃に昇温する前に、反応液にt-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート(日油社製:パーブチルO)を1.5部添加した。トナーの物性を表3に示す。また、用いた単量体のSP値を表4に示す。なお、トナー粒子及びトナーは、分級により重量平均粒径(D4)を6.5μmにそろえた。
<トナーコア分散液の製造>
<トナーコア分散液1(乳化凝集法)>
[重合体微粒子分散液G1の製造]
温度計を備えた反応容器に下記の材料を秤量した。
・イオン交換水 350.0部
・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5.0部
・ラウリン酸ナトリウム 10.0部
上記反応容器内を高速撹拌装置T.K.ロボミックス(プライミクス製)を用いて7000rpmで撹拌しながら、90℃に昇温して水系媒体E1を得た。別途、トルエン 100.0部に重合体A0:100.0部を90℃で溶解した。得られた重合体A0のトルエン溶液を、上記条件の撹拌下、水系媒体に投入し、上記条件で撹拌した。さらに、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)用いて200MPaの圧力で乳化した。
温度計を備えた反応容器に下記の材料を秤量した。
・ワックス パラフィンワックス 100.0部
(日本精蝋社製:HNP-51 融点Tm:74℃)
・アニオン性界面活性剤 5.0部
(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)
・イオン交換水 395.0部
上記反応容器内を高速撹拌装置T.K.ロボミックス(プライミクス製)を用いて7000rpmで撹拌しながら、90℃に加熱して分散処理を60分間行った。
・マゼンタ顔料1 50.0部
・アニオン界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬製) 7.5部
・イオン交換水 442.5部
上記材料を秤量・混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて約1時間分散して、着色剤を分散させてなる着色剤微粒子の濃度10質量%の水系分散液(着色剤微粒子分散液G1)を得た。
温度計を備えた反応容器に下記材料を秤量した。
・重合体微粒子分散液G1(20質量%) 500.0部
・ワックス微粒子分散液G1(20質量%) 50.0部
・着色剤微粒子分散液G1(10質量%) 70.0部
・イオン交換水 160.0部
上記材料を反応容器中で、ホモジナイザー ウルトラタラックスT50(IKA社製)を用いて5000r/minで10分間分散した。1.0%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した後、加熱用ウォーターバス中で撹拌翼を用いて、混合液が撹拌されるような回転数を適宜調節しながらで58℃まで加熱した。形成された凝集粒子の重量平均粒径(D4)が6.0μmである凝集粒子が形成された。5%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、撹拌を継続しながら、75℃まで加熱した。そして、75℃で1時間保持することで凝集粒子を融合させた。
・イオン交換水 395.0部
・トナーコア1 100.0部
・アニオン性界面活性剤 5.0部
(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)
上記材料をビーカーに入れ、ディスパー(特殊機化社製)を用い3000rpmで3分間撹拌し、トナーコア分散液1を得た。
[トナーコアの製造]
・結着樹脂 重合体A0 100.0部
・マゼンタ顔料1 7.0部
・ワックス パラフィンワックス 20.0部
(日本精蝋社製:HNP-51 融点Tm:74℃)
上記材料をヘンシェルミキサー(日本コークス社製)で前混合した後、二軸混練押し出し機(池貝鉄工社製:PCM-30型)によって、溶融混練した。
・イオン交換水 395.0部
・トナーコア2 100.0部
・アニオン性界面活性剤 5.0部
(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)
上記材料をビーカーに入れ、ディスパー(特殊機化社製)を用い3000rpmで3分間撹拌し、トナーコア分散液2を得た。
[微粒子分散液Y1の作製]
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、下記材料を投入した。
・水 683.0部
・メタクリル酸EO付加物硫酸エステルのナトリウム塩 11.0部
(三洋化成工業社製:エレミノールRS-30)
・スチレン 130.0部
・メタクリル酸 138.0部
・アクリル酸-n-ブチル 184.0部
・過硫酸アンモニウム 1.0部
上記反応容器内を400rpmで15分間撹拌したところ、白色の懸濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30.0部を加え、75℃にて5時間熟成してビニル重合体の微粒子分散液Y1を得た。微粒子分散液Y1の体積平均粒径は0.15μmであった。
・マゼンタ顔料1 100.0部
・酢酸エチル 150.0部
・ガラスビーズ(1mm) 200.0部
上記材料を耐熱性のガラス容器に投入し、ペイントシェーカーにて5時間分散を行い、ナイロンメッシュでガラスビーズを取り除き、着色剤分散液Y1を得た。
・ワックス パラフィンワックス 20.0部
(日本精蝋社製:HNP-51 融点Tm:74℃)
・酢酸エチル 80.0部
上記を密閉できる反応容器に投入し、80℃で加熱撹拌した。ついで、系内を50rpmで緩やかに撹拌しながら3時間かけて25℃にまで冷却し、乳白色の液体を得た。
・重合体A0 100.0部
・酢酸エチル 85.0部
上記材料をビーカーに入れ、ディスパー(特殊機化社製)を用い3000rpmで1分間撹拌した。
・ワックス分散液Y1(固形分20質量%) 100.0部
・着色剤分散液Y1(固形分40質量%) 15.0部
・酢酸エチル 5.0部
さらに上記材料をビーカーに入れ、ディスパー(特殊機化社製)を用い6000rpmで3分間撹拌し、油相Y1を調製した。
・微粒子分散液Y1 15.0部
・ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム水溶液 30.0部
(三洋化成工業社製:エレミノールMON7)
・イオン交換水 955.0部
上記材料をビーカーに入れ、ディスパー(特殊機化社製)を用い3000rpmで3分間撹拌し、水相Y1を調製した。
水相Y1に油相Y1を投入し、TKホモミキサー(特殊機化社製)にて回転数10000rpmで10分間分散した。その後、30℃、50mmHgの減圧下にて30分間脱溶剤した。次いで、ろ過を行い、ろ別とイオン交換水への再分散の操作をスラリーの電導度が100μSとなるまで繰り返すことで、界面活性剤の除去を行い、ろ過ケーキを得た。
・イオン交換水 395.0部
・トナーコア3 100.0部
・アニオン性界面活性剤 5.0部
(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)
上記材料をビーカーに入れ、ディスパー(特殊機化社製)を用い3000rpmで3分間撹拌し、トナーコア分散液3を得た。
温度計を備えた反応容器に下記材料を秤量した。
・トナーコア分散液1(20質量%) 500.0部
・非晶性樹脂微粒子分散液1(20質量%) 25.0部
上記材料を反応容器中で、ホモジナイザー ウルトラタラックスT50(IKA社製)を用いて5000rpmで10分間分散した。1.0%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した後、加熱用ウォーターバス中で撹拌翼を用いて、混合液が撹拌されるような回転数を適宜調節しながらで58℃まで加熱して、非晶性樹脂微粒子1をトナーコアに付着させた。形成された凝集粒子の重量平均粒径(D4)が6.5μmである粒子が形成されたところで、5%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、撹拌を継続しながら、75℃まで加熱した。そして、75℃で1時間保持することで凝集粒子を融合させた。
使用するトナーコア分散液1を、トナーコア分散液2、トナーコア分散液3に変更する以外はトナー1の製造例と同様にしてトナー3、4を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。また、用いた単量体のSP値を表4に示す。なお、トナー粒子及びトナーは、分級により重量平均粒径(D4)を6.5μmにそろえた。
上記トナー1~39を、それぞれ下記の方法で評価を行った。
評価に際しては、評価機としてLBP712Ci(キヤノン社製)の改造機を使用した。本体のプロセススピードを240mm/secに改造した。そして、この条件で画像形成が可能となるように必要な調整を行った。また、マゼンタカートリッジからトナーを除去し、代わりにトナーを140g充填した。
140gのトナーが充填されたプロセスカートリッジを常温常湿(N/N)環境(23℃、60%RH)にて48時間放置した。定着器を外しても動作するように改造したLBP-712Ciを用いて、10mm×10mmの四角画像が転写紙全体に均等に9ポイント配列された画像パターンの未定着画像を出力した。転写紙上のトナー乗り量は、0.80mg/cm2とし、定着開始温度を評価した。なお、転写紙は、Fox River Bond(90g/m2)を使用した。
[評価基準]
A:定着開始温度が100℃
B:定着開始温度が110℃
C:定着開始温度が120℃
D:定着開始温度が130℃以上
保存時の安定性を評価するために耐熱保存性の評価を実施した。6gのトナーを100mlの樹脂製カップに入れ、温度50℃、湿度20%環境下で10日放置した後、トナーの凝集度を以下のようにして測定し、下記の基準にて評価を行った。
(1)デジタル表示式振動計の変位の値を0.60mm(peak-to-peak)になるように振動台の振動幅を予め調整した。
(2)上記のように10日放置したトナーを、予め23℃、60%RH環境下において24時間放置し、そのうちトナー5gを精秤し、最上段の目開き150μmの篩上に静かにのせた。
(3)篩を15秒間振動させた後、各篩上に残ったトナーの質量を測定して、下式に基づき凝集度を算出した。評価結果を表5に示す。
凝集度(%)={(目開き150μmの篩上の試料質量(g))/5(g)}×100
+{(目開き75μmの篩上の試料質量(g))/5(g)}×100×0.6
+{(目開き38μmの篩上の試料質量(g))/5(g)}×100×0.2
[評価基準]
A:凝集度が20%未満
B:凝集度が20%以上25%未満
C:凝集度が25%以上30%未満
D:凝集度が30%以上
得られたトナーを用いて、画像サンプルを出力し画質評価した。
尚、画像特性の比較に際し、トナーが充填されたプロセスカートリッジを常温常湿(N/N)環境(23℃、60%RH)にて48時間放置した。定着器を外しても動作するように改造したLBP-712Ciを用いて、メディア(GF-C081、坪量81.4g/m2)上に、縦2.0cm横15.0cmの未定着のトナー画像(0.40mg/cm2)を、通紙方向に対し上端部から1.0cmの部分に形成した。
[評価基準]
A:C*が75.0以上、300°≦h≦355°
B:C*が72.0以上、300°≦h≦355°
C:C*が69.0以上、300°≦h≦355°
D:C*が69.0未満
スーパー蛍光灯フェードメーター FL(スガ試験機社製)中にて強度80000(lux)の光を300時間照射し、光照射前後の画像濃度の残存率を求めた。その残存率の値から、以下の評価基準に基づき耐光性の評価を行った。
[評価基準]
A:画像濃度残存率が90%以上であり、耐光性に非常に優れる。
B:画像濃度残存率が85%以上90%未満であり、耐光性に優れる。
C:画像濃度残存率が75%以上85%未満であり、耐光性が良い。
D:画像濃度残存率が75%未満であり、耐光性が劣る。
トナーの耐久性評価は、スジ画像の有無により判定を実施した。スジ画像は、外添剤による部材汚染やトナー劣化により発生する0.5mm程度の縦スジであり、全面ハーフトーン画像を出力した際に観察されやすい画像不良である。
[評価基準]
A:スジやトナー塊が未発生。
B:斑点状のスジはないが、1~3個所の小さなトナー塊がある。
C:端部に斑点状スジが若干ある、又は4、5個所の小さなトナー塊がある。
D:全面に斑点状のスジある、又は5個所以上小さなトナー塊若しくは明らかなトナー塊がある。
Claims (7)
- 結着樹脂、顔料を含有するトナー粒子を有するマゼンタトナーであって、
該結着樹脂が、第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニット、及び該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニットを有する重合体Aを含有し、
該第一の重合性単量体が、炭素数18以上36以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであり、該重合体A中の該第一のモノマーユニットの含有割合が、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、5.0モル%以上60.0モル%以下であり、
該重合体A中の該第二のモノマーユニットの含有割合が、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、20.0モル%以上90.0モル%以下であり、
該第一のモノマーユニットのSP値をSP11(J/cm3)0.5とし、該第二のモノマーユニットのSP値をSP21(J/cm3)0.5としたとき、下記式(1)を満たし、
3.00≦(SP21-SP11)≦25.00 式(1)
該顔料は、アセトン濡れ性試験におけるアセトン濡れ性(W)が下記式(2)を満たし、該顔料のXRD測定において、3°<2θ<60°の範囲内の最大強度を有するピークにおいて算出される結晶子サイズDが下記式(3)を満たすことを特徴とするマゼンタトナー。
5.5≦W≦10.0 式(2)
1.0nm≦D≦7.0nm 式(3) - 結着樹脂、顔料を含有するトナー粒子を有するマゼンタトナーであって、
該結着樹脂が、第一の重合性単量体、及び該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体を含有する組成物の重合体である重合体Aを含有し、
該第一の重合性単量体が、炭素数18以上36以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであり、該組成物中の該第一の重合性単量体の含有割合が、該組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、5.0モル%以上60.0モル%以下であり、
該組成物中の該第二の重合性単量体の含有割合が、該組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、20.0モル%以上90.0モル%以下であり、
該第一の重合性単量体のSP値をSP12(J/cm3)0.5とし、該第二の重合性単量体のSP値をSP22(J/cm3)0.5としたとき、下記式(4)を満たし、ことを特徴とする
0.60≦(SP22-SP12)≦15.00 式(4)
該顔料は、アセトン濡れ性試験におけるアセトン濡れ性(W)が下記式(2)を満たし、該顔料のXRD測定において、3°<2θ<60°の範囲内の最大強度を有するピークにおいて算出される結晶子サイズDが下記式(3)を満たすことを特徴とするマゼンタトナー。
5.5≦W≦10.0 式(2)
1.0nm≦D≦7.0nm 式(3) - 前記重合体A中の前記第二のモノマーユニットの含有割合、又は前記組成物中の前記第二の重合性単量体の含有割合が、前記重合体A中の全モノマーユニットの総モル数、又は前記組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、40.0モル%以上90.0モル%以下である請求項1または2に記載のマゼンタトナー。
- 前記第一の重合性単量体が、炭素数18以上36以下の直鎖のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであることを特徴とする請求項1~3いずれか一項に記載のマゼンタトナー。
- 前記第二の重合性単量体が、下記式(A)及び(B)からなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項1~4のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
R1は、ニトリル基(-C≡N)、
アミド基(-C(=O)NHR10(R10は水素原子、若しくは炭素数1以上4以下のアルキル基))、
ヒドロキシ基、
-COOR11(R11は炭素数1以上6以下のアルキル基若しくは炭素数1以上6以下のヒドロキシアルキル基)、
ウレタン基(-NHCOOR12(R12は炭素数1以上4以下のアルキル基))、
ウレア基(-NH-C(=O)-NH(R13)2(R13はそれぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1以上6以下のアルキル基))、
-COO(CH2)2NHCOOR14(R14は炭素数1以上4以下のアルキル基)、又は
-COO(CH2)2-NH-C(=O)-NH(R15)2(R15はそれぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1以上6以下のアルキル基)
であり、R2は、炭素数1以上4以下のアルキル基であり、R3は、それぞれ独立して水素原子又はメチル基である。) - 前記トナーを示差走査熱量計で測定した際の、前記重合体Aの融解に由来する吸熱ピークの吸熱量が、20(J/g)以上100(J/g)以下である請求項1~5のいずれか一項に記載のマゼンタトナー。
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