JP2011158578A - 感光性着色組成物、これを用いた赤色画素、カラーフィルタ、及び液晶表示装置 - Google Patents

感光性着色組成物、これを用いた赤色画素、カラーフィルタ、及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】近時求められる液晶表示装置等の画像関連機器における高い要求特性に応えることができる、高いコントラストと高い輝度とを両立した感光性着色組成物、これを用いた赤色画素、カラーフィルタ、及び液晶表示装置を提供する。
【解決手段】赤色顔料としてピグメントレッド(Pigment Red)146とピグメントレッド(Pigment Red)254とを含有するカラーフィルタ用感光性着色組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性着色組成物、これを用いた赤色画素、カラーフィルタ、及び液晶表示装置に関する。
液晶表示素子(LCD等)や固体撮像素子(CCD、CMOS等)に用いられるカラーフィルタ用の色材として顔料微粒子を用いることが提案されている。顔料を用いることにより、染料を用いたときの問題点であった耐光性や耐熱性が改善され、耐久性の高い製品とすることができる。他方、顔料を用いたカラーフィルタでは、コントラスト向上が課題となり、その実現のためにより微小な粒子サイズの顔料が求められる。また、製造適性を考慮して、感光性着色組成物の低粘度化や分散安定性の向上が試みられている。こうした点に関して改良を加えた良好な特性を有する感光性着色組成物がこれまで種々提案されてきた(特許文献1,2等参照)
ところで、近年の環境適合性への高い要求に対し、この種の液晶表示装置を始めとした精密画像関連機器についても一層の省エネルギー化が求められている。これは工業的なニーズにとどまらず、店頭で販売される市販製品においても、エネルギー消費量の低減幅が購買動向に大きく影響を与えるほどになってきている。いわゆる省エネ化(エコ)は、画像再現性等の基本性能ととともに、この種製品の性能において大きな位置を占めるに至っている。その課題に対して、カラーフィルタの赤色画素に使用される色材の奏する輝度が重要な開発項目として挙げられる。
現在カラーフィルタの赤(R)画素に主に使用されているピグメントレッド177(PR177)とピグメントレッド254(PR254)との混合色材は、高いコントラストを示すが、一方でY値(輝度)が低くなってしまう。特に、カラーフィルタは3色(R,G,B)で用いられるところ、緑画素及び青画素に比し、上記混合色材による赤画素はその輝度が相対的に低くなる。その結果、液晶表示装置であれば、カラー画像の十分な色再現性及び鮮明さを実現するために、上記赤画素の輝度に合わせて、高出力のバックライトを用いなければならない。逆にいえば、上記赤画素のコントラストを落とさずに、高い輝度のものとすることができれば、バックライトの輝度を落とし消費電力量を低減することができる。具体的に赤色顔料の輝度及びコントラストを高める目的で、PR254に、比表面積の大きいピグメントレッド176(PR176)を用いたものが提案されている(特許文献3参照)。
特開2007−262378号公報 特開2009−84417号公報 特開2009−237462号公報
上記の点に鑑み、本発明は、近時求められる液晶表示装置等の精密画像関連機器における高い要求特性に応えることができる、高コントラストと高輝度(Y値)とを両立した感光性着色組成物、これを用いた赤色画素、カラーフィルタ、及び液晶表示装置の提供を目的とする。
前記課題は以下の手段により解決された。
(1)赤色顔料としてピグメントレッド(Pigment Red)146とピグメントレッド(Pigment Red)254とを含有することを特徴とするカラーフィルタ用感光性着色組成物。
(2)さらに黄色顔料を含有してなる(1)に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
(3)前記ピグメントレッド146が微粒子状とされ、その平均一次粒径が50nm以下であり、かつその結晶子サイズが2〜20nmであることを特徴とする(1)又は(2)に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
(4)質量基準で赤色顔料の40%以上100%未満が前記ピグメントレッド146であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
(5)前記黄色顔料がピグメントイエロー(Pigment Yellow)150又はピグメントイエロー(Pigment Yellow)138であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
(6)さらに重合性化合物を含有する有機溶媒を媒体とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
(7)(6)に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物を用いて形成したカラーフィルタ用赤色画素。
(8)(7)に記載の赤色画素を具備するカラーフィルタ。
(9)(8)に記載のカラーフィルタを備えた液晶表示装置。
本発明の感光性着色組成物は、近時求められる液晶表示装置等の精密画像関連機器における高い要求特性に応えることができ、カラーフィルタとしたときに高コントラストと高輝度とを両立して発揮するという優れた作用効果を奏する。さらにまた、上記の特性を有する感光性着色組成物を用いた赤色画素、カラーフィルタ、及び液晶表示装置は、十分な画像再現性を実現しつつ、バックライトの消費電力を低減することができ、環境適合性に優れる。
本発明のカラーフィルタ用途に特に適した感光性着色組成物は、ピグメントレッド(Pigment Red)146とピグメントレッド(Pigment Red)254とを含有し、好ましくはさらに黄色顔料を含有することを特徴とする。
まず、従来の色材に関する制約について説明すると以下のとおりである。PR254は特に輝度に優れる顔料であり、着色力も高いためカラーフィルタ用の色材として広く用いられてきた。他方、PR254は微細化後の耐熱性が低く着色塗膜としたときにコントラストが低下してしまう。この点を補うために、コントラストの高いPR177を混合して顔料組成物とすることは一般に行われている。しかしながら、今度は逆にPR177は輝度・着色力が低いため、含有率を上げることができない。その結果、輝度及びコントラストの双方における性能の向上には限界があった。
本発明によれば、上述した複数の顔料の組合せにより、従来の色材(PR254とPR177との組合せ)では困難であった、コントラスト及び輝度の一層高いレベルでの両立を実現することができる。このような顕著な効果を奏する理由(作用機序)については未解明の点もあるが、PR146微粒子は光の吸収ピークと吸収が0になる波長が非常に近く、吸収する光と透過する光の切り替わりがはっきりしているためと考えられる。
[顔料]
本発明には、赤色顔料にピグメントレッド(Pigment Red)146とピグメントレッド(Pigment Red)254とが用いられる。両者の含有率は特に限定されないが、カラーフィルタ用途の一般的な色調等を考慮すると、PR254 100質量部に対して、PR146が10〜300質量部であることが好ましく、67〜300質量部であることがより好ましい。前記両顔料を上記の範囲で組み合わせて用いることにより、良好なコントラストに加え、とりわけ高い輝度が得られ好ましい。顔料全量に占めるPR146の割合としていえば、含有率40質量%以上100質量%未満であることが好ましく、50質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
本発明においては、さらに黄色顔料を組み合わせて用いることが好ましく、黄色顔料としてはPY150又はPY138が挙げられる。黄色顔料の含有率は特に限定されないが、PR254 100質量部に対して、1〜30質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。黄色顔料を上記範囲で組み合わせて用いることにより、色材としての調色性はもとより、感光性着色組成物の輝度が一層高まるため好ましい。
本発明の感光性着色組成物における顔料の総含有率は、その全固形分成分に対して、10質量%〜70質量%が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましく、30質量%〜50質量%が最も好ましい。上記下限値以上とすることで、微細化され表面積の増えた顔料微粒子を安定分散させることができ、上記上限値以下とすることで顔料誘導体の過剰添加による色価低下を防ぐことができる。なお、本発明においては、その所望の効果を損ねない範囲で、上記以外の顔料をさらに組み合わせて用いることが妨げられるものではない。
○ 顔料微粒子
本発明において顔料微粒子(一次粒子)の平均粒径は100nm以下が好ましく、75nm以下がより好ましく、50nm以下であることが特に好ましい。下限値は特にないが、1nm以上であることが実際的である。また、粒子の均一性(単分散性)を表す指標として、本発明においては、特に断りのない限り、CVを用いる。CVは数平均粒径LとLの標準偏差σの比(σ/L)で表される。本発明において顔料微粒子(一次粒子)の単分散度、つまりCVは30%以下であることが好ましく、20%以下であることが特に好ましい。本発明において顔料微粒子の結晶子径は特に限定されないが、2nm以上であることが好ましく、3nm以上であることがより好ましい。上限は特に限定されないが、20nm以下であることが実際的である。上記粒径、結晶子径の測定方法としては、特に断らない限り、実施例で採用した方法により測定したものをいう。なお、上記有機顔料微粒子の好ましい範囲は、少なくともPR146が上記範囲であることが好ましく、含まれるすべての顔料微粒子が上記範囲であることがより好ましい。
○ 粉砕法
本発明に用いる顔料微粒子は、特に微粒化方法に制限はないが、粉砕法等のブレイクダウン法によって調製することができる。その際には、必要により各種溶剤、樹脂、ワニス等を混合して、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、アトライター等で分散することにより得ることができる。またニーダーなどの混練装置を用いて、有機顔料を無機塩で摩砕して、有機顔料の一次粒子径を更に微細になるようにソルトミリング処理したものを用いることもできる。後述する特定の高分子化合物やその他の顔料分散剤は、すべての成分を混合してから分散してもよいが、初めに顔料と特定の高分子化合物(特定重合体)等、顔料のみ、あるいは顔料と顔料分散剤のみを分散し、次いで、他の成分を添加して再度分散を行ってもよい。また微粒化処理の際に添加してもよい。
また、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、アトライター等で分散を行う前に、ニーダー、3本ロールミル等の練肉混合機を使用した前分散、2本ロールミル等による固形分散、または顔料への塩基性基を有するシナジスト及び/または分散剤の処理を行ってもよい。また、ハイスピードミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ロールミル、石臼式ミル、超音波分散機等の分散機や混合機を利用することができる。
○ 再沈法
本発明において、有機顔料粒子は、有機顔料を良溶媒(以下、これを第1溶媒ということがある)に溶解した有機顔料の溶解液と、前記良溶媒に対して相溶性を有し、有機顔料に対して貧溶媒(以下、これを第2溶媒ということがある)となる溶媒とを混合することにより生成させたものを用いることができる。詳細は例えば特開2008−291193号公報、特開2007−262378号公報、2004−43776号公報、2008−231415号公報等を参照することができる。
[重合性化合物]
本発明においては重合性化合物を用いてもよい。重合性化合物としては、例えば、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物を挙げることができる。具体的には、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られているものであり、本発明においてはこれらを特に限定なく用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの(共)重合体などの化学的形態のいずれであってもよい。
モノマー及びその(共)重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)やそのエステル類、アミド類、並びにこれらの(共)重合体が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、及び不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類、並びにこれらの(共)重合体である。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物や、単官能若しくは多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更に、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、例えば、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等が挙げられる。
また、メタクリル酸エステルとして、例えば、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等が挙げられる。
更に、イタコン酸エステルとして、例えば、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が、また、クロトン酸エステルとして、例えば、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等が、イソクロトン酸エステルとして、例えば、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が、また、マレイン酸エステルとして、例えば、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報に記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載の、1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(A)で表される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R’)OH …(A)
〔一般式(A)中、R及びR’は、それぞれ独立に、H又はCHを表す。〕
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、感光性着色組成物の最終的な性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、感度の観点では、1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合は2官能以上が好ましい。また、着色硬化膜の強度を高める観点では、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。また、感光性着色組成物に含有される他の成分(例えば、光重合開始剤、着色剤(顔料)、バインダーポリマー等)との相溶性、分散性に対しても、重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、支持体などの硬質表面との密着性を向上させる観点で特定の構造を選択することもあり得る。
感光性着色組成物の全固形分中における重合性化合物の含有量(2種以上の場合は総含有量)としては、特に限定はなく、本発明の効果をより効果的に得る観点から、10質量%〜80質量%が好ましく、15質量%〜75質量%がより好ましく、20質量%〜60質量%が特に好ましい。
[光重合開始剤]
本発明の感光性着色組成物は光重合開始剤を含有していてもよい。これはインクジェットインクとして利用するタイプのカラーレジストの場合は必ずしも必要ではなく、後述する塗布法において重合開始剤を含有するカラーレジストとすることが好ましい。光重合開始剤は、上述の重合性化合物を重合させ得るものであれば、特に制限はなく、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれるのが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、ハロメチルオキサジアゾール化合物及びハロメチル−s−トリアジン化合物から選択される少なくとも1つの活性ハロゲン化合物、3−アリール置換クマリン化合物、ロフィン2量体、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物及びその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体及びその塩、オキシム系化合物、等が挙げられる。光重合開始剤の具体例については、特開2004−295116号公報の段落〔0070〕〜〔0077〕に記載のものが挙げられる。中でも、重合反応が迅速である点等から、オキシム系化合物が好ましい。
前記オキシム系化合物(以下、「オキシム系光重合開始剤」ともいう)としては、特に限定はなく、例えば、特開2000−80068号公報、WO02/100903A1、特開2001−233842号公報等に記載のオキシム系化合物が挙げられる。
具体的な例としては、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ペンタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ヘキサンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ヘプタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(エチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(ブチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−メチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−プロピル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−ブチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノンなどが挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
これらのうち、より少ない露光量で形状(特に、固体撮像素子の場合はパターンの矩形性)の良好なパターンが得られる点で、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン等のオキシム−O−アシル系化合物が特に好ましく、具体的には、例えば、CGI−124、CGI−242(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)等が挙げられる。
また、本発明においては、感度、径時安定性、後加熱時の着色の観点から、オキシム系化合物として、下記一般式(1)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2011158578
上記一般式(1)中、R及びXは、各々独立に、1価の置換基を表し、Aは、2価の有機基を表し、Arは、アリール基を表す。nは、1〜5の整数である。
Rとしては、高感度化の点から、アシル基が好ましく、具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、トルイル基が好ましい。
Aとしては、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、無置換のアルキレン基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基)で置換されたアルキレン基、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基)で置換されたアルキレン基、アリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基、スチリル基)で置換されたアルキレン基が好ましい。
Arとしては、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、置換又は無置換のフェニル基が好ましい。置換フェニル基の場合、その置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基が好ましい。
Xとしては、溶剤溶解性と長波長領域の吸収効率向上の点から、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオキシ基、置換基を有してもよいアリールチオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基が好ましい。
また、一般式(1)におけるnは1〜2の整数が好ましい。
また、本発明の感光性着色組成物には、上記の光重合開始剤のほかに、特開2004−295116号公報の段落〔0079〕に記載の他の公知の光重合開始剤を使用してもよい。光重合開始剤は、1種単独で或いは2種以上を組み合わせて含有することができる。感光性着色組成物の全固形分中における光重合開始剤の含有量(2種以上の場合は総含有量)は、本発明の効果をより効果的に得る観点から、3質量%〜20質量%が好ましく、4質量%〜19質量%がより好ましく、5質量%〜18質量%が特に好ましい。
[有機溶剤]
本発明の感光性着色組成物は有機溶剤を媒体とすることが好ましい。有機溶剤は、並存する各成分の溶解性や感光性着色組成物としたときの塗布性を満足できる連続相をなすものであれば、基本的には特に制限はなく、特に、バインダーの溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。有機溶剤としては下記エステル化合物(類)溶媒、エーテル化合物(類)溶媒、及び炭化芳香族水素化合物(類)溶媒からなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
有機溶剤としては、エステル類として、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸アルキルエステル類(例:オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル(具体的には、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等が挙げられる。))、3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等(具体的には、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等が挙げられる。))、2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル等(具体的には、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル等が挙げられる。))、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル(具体的には、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル等が挙げられる。)、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等が挙げられる。
また、エーテル類としては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等が挙げられる。
ケトン類としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等が挙げられる。
芳香族炭化水素類としては、例えば、トルエン、キシレン等が好適に挙げられる。
これらの有機溶剤は、前述の各成分の溶解性、及びアルカリ可溶性バインダーを含む場合はその溶解性、塗布面状の改良などの観点から、2種以上を混合することも好ましい。この場合、特に好ましくは、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選択される2種以上で構成される混合溶液である。
有機溶剤の感光性着色組成物における含有量としては、組成物中の全固形分濃度が10質量%〜80質量%になる量が好ましく、15質量%〜60質量%になる量がより好ましい。
[他の成分]
○ アルカリ可溶性バインダー
本発明の感光性着色組成物は、上述の各成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で更にアルカリ可溶性バインダーを含んでいてもよい。アルカリ可溶性バインダーは、アルカリ可溶性を有すること以外は特に限定はなく、好ましくは、耐熱性、現像性、入手性等の観点から選択することができる。アルカリ可溶性バインダーとしては、線状有機高分子重合体であり、且つ、有機溶剤に可溶で、弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられ、同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。
上述したものの他、本発明におけるアルカリ可溶性バインダーとしては、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等や、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリ(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、等も有用である。また、線状有機高分子重合体は、親水性を有するモノマーを共重合したものであってもよい。この例としては、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2級若しくは3級のアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルトリアゾール、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、分岐若しくは直鎖のプロピル(メタ)アクリレート、分岐若しくは直鎖のブチル(メタ)アクリレート、又は、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。その他、親水性を有するモノマーとしては、テトラヒドロフルフリル基、燐酸基、燐酸エステル基、4級アンモニウム塩基、エチレンオキシ鎖、プロピレンオキシ鎖、スルホン酸基及びその塩由来の基、モルホリノエチル基等を含んでなるモノマー等も有用である。
また、アルカリ可溶性バインダーは、架橋効率を向上させるために、重合性基を側鎖に有してもよく、例えば、アリル基、(メタ)アクリル基、アリルオキシアルキル基等を側鎖に含有するポリマー等も有用である。上述の重合性基を含有するポリマーの例としては、市販品のKSレジスト−106(商品名、大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(商品名、ダイセル化学工業(株)製)等が挙げられる。また、硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロルヒドリンとのポリエーテル等も有用である。
これら各種アルカリ可溶性バインダーの中でも、耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
前記アクリル系樹脂としては、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等から選ばれるモノマーからなる共重合体や、市販品のKSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等が好ましい。
アルカリ可溶性バインダーは、現像性、液粘度等の観点から、重量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)が1000〜2×10の重合体が好ましく、2000〜1×10の重合体がより好ましく、5000〜5×10の重合体が特に好ましい。
○ 架橋剤
本発明の感光性着色組成物に補足的に架橋剤を用い、感光性着色組成物を硬化させてなる着色硬化膜の硬度をより高めることもできる。架橋剤としては、架橋反応により膜硬化を行なえるものであれば、特に限定はなく、例えば、(a)エポキシ樹脂、(b)メチロール基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物又はヒドロキシアントラセン化合物、が挙げられる。中でも、多官能エポキシ樹脂が好ましい。架橋剤の具体例などの詳細については、特開2004−295116号公報の段落〔0134〕〜〔0147〕の記載を参照することができる。
○ その他の添加剤
感光性着色組成物には、必要に応じて、各種添加剤、例えば、充填剤、上記以外の高分子化合物、ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することができる。これらの添加物としては、特開2004−295116号公報の段落〔0155〕〜〔0156〕に記載のものを挙げることができる。本発明の感光性着色組成物においては、特開2004−295116号公報の段落〔0078〕に記載の増感剤や光安定剤、同公報の段落〔0081〕に記載の熱重合防止剤を含有することができる。
また、非露光領域のアルカリ溶解性を促進し、感光性着色組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、該組成物に有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸の添加を行なうことが好ましい。
具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
[感光性着色組成物の調製及び特性]
本発明の感光性着色組成物は、前述の必須成分と、必要に応じて、任意成分とを混合することで調製することができる。なお、顔料の分散性向上のため予め顔料を分散した顔料分散液を調製しておき、この顔料分散液を用いて感光性着色組成物を調製してもよい。
本発明の感光性着色組成物は、保存安定性に優れ、更に、顔料を用いたことによる利点としての耐光性が一層引き上げられ、とりわけ工業的に生産されるカラーフィルタ用の色材として優れた着色硬化膜を形成することができ好ましい。例えば、液晶表示素子(LCD)や固体撮像素子(例えば、CCD、CMOS等)に用いられるカラーフィルタなどの着色画素形成用として有用性が高い。また、印刷インキ、インクジェットインキ、及び塗料などの作製用途として好適に用いることができる。さらにはCCD、及びCMOS等の液晶表示素子用の着色画素形成用として好適に用いることができる。
[カラーフィルタ及びその製造方法]
○ 塗布法
カラーフィルタの製造方法においては、既述の感光性着色組成物を用いることができる。その一実施態様に係る製造方法としては、基材(支持体もしくは仮支持体)上に、既述の感光性着色組成物を塗布して感光性着色組成物層を形成する工程(以下、塗布工程と称する。)と、マスクを介して該感光性着色組成物層を露光した後、現像して着色パターンを形成するする工程(以下、露光・現像工程と称する。)と、を有する。以下、塗布工程、及び露光・現像工程について説明する。
・塗布工程
塗布工程では、支持体上に、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により感光性着色組成物を塗布する。塗布された膜には、プリベークが行われ、感光性着色組成物層が形成される。形成された感光性着色組成物層の厚みとしては、1.0μm〜5.0μmの範囲が好ましく、特に液晶表示素子用のカラーフィルタの薄層化や色再現性の観点から、1.0μm〜4.0μmの範囲がより好ましく、1.0μm〜3.0μmの範囲がより好ましい。
支持体としては、例えば、液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えば、シリコン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)基板などが挙げられる。これらの基板は、各画素を隔離するブラックストライプが形成されている場合もある。また、これらの支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止、或いは表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
・露光工程
続いて、支持体上に形成された感光性着色組成物層には、マスクを介した露光が行われる。この露光に適用し得る光若しくは放射線としては、g線、h線、i線等の紫外線が好ましい。露光は、プロキシミティ方式、ミラープロジェクション方式、及びステッパー方式のいずれの方式で露光を行なってもよいが、特に、ステッパー方式(縮小投影露光機を用いた縮小投影露光方式)で露光を行なうのが好ましい。ステッパー方式は、露光量を段階的に変動しながら露光を行なうことによってパターンを形成するものであり、ステッパー露光を行なった際に特にパターンの矩形性を良好にすることができる。また、ステッパー露光に用いる露光装置としては、例えば、i線ステッパー(商品名:FPA−3000i5+、キャノン(株)製)等を用いることができる。また、露光時の露光量としては、特に制限はないが、50mJ/cm〜1000mJ/cmが好ましい。
・現像工程
続いて、露光後の感光性着色組成物層に対し、現像を行う。現像は、現像液を用いて行なうことができる。現像液としては、感光性着色組成物層の未硬化部(未露光部)を溶解する一方、硬化部(露光部)を溶解しない組成よりなるものであればいずれのものも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組み合わせやアルカリ性の水溶液を用いることができる。有機溶剤としては、感光性着色組成物を調製する際に使用される前述の有機溶剤が挙げられる。アルカリ性の水溶液としては、例えば、アルカリ性化合物を、濃度が0.001質量%〜10質量%、好ましくは0.01質量%〜1質量%となるように溶解してなるアルカリ性水溶液が好適である。アルカリ性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−〔5.4.0〕−7−ウンデセン等が挙げられる。なお、アルカリ性水溶液を現像液として使用した場合、一般に現像後に水で洗浄が行われる。
・その他(加熱処理等)
上述のように、塗布工程、露光・現像工程を経ることで着色パターンを形成することができる。得られた着色パターンには、更に、加熱処理を行なってもよい。形成された着色パターンを加熱(いわゆる、ポストベーク)することにより、更に硬化させることができる。加熱処理は、例えば、ホットプレート、各種ヒーター、オーブンなどのパターンの加熱が行なえる方法により行なうことができる。
加熱処理の温度としては、硬化を効率よく行なう点で、160℃〜260℃が好ましく、180℃〜220℃がより好ましい。加熱処理の時間は、加熱温度で異なるが、一般に3分間〜10分間行なうことが好ましい。
上記のカラーフィルタの製造方法においては、塗布工程、露光・現像工程、及び必要に応じて加熱工程を、所望の色数に合わせて繰り返すことにより、所望数の色相の着色パターン(画素)を有するカラーフィルタを得ることができる。
○ インクジェット法
本発明においてはインクジェット法によりカラーフィルタを作製してもよい。そのインクジェットインクとして、本発明における実施態様としては特に限定されないが例えば特開2002−201387号に記載される方法などを好ましく用いることができる。当該インクジェットインクは上記感光性着色組成物で、光重合開始剤ないしは光重合開始剤系を用いないことが好ましい。
インクジェットインクについては、粘度の変動幅が±5%以内になるようインク温度を制御することが好ましい。射出時の粘度は5〜25mPa・sであることが好ましく、8〜22mPa・sであることがより好ましく、10〜20mPa・sであることが特に好ましい(本発明において粘度は、特に断らない限り25℃のときの値である。)。前記射出温度の設定以外に、インクに含有させる成分の種類と添加量を調節することで、粘度の調整をすることができる。前記粘度は、例えば、円錐平板型回転粘度計やE型粘度計などの通常の装置により測定することができる。
また、射出時のインクの表面張力は15〜40mN/mであることが、画素の平坦性向上の観点から好ましい(本発明において表面張力は、特に断らない限り23℃のときの値である。)。より好ましくは、20〜35mN/m、最も好ましくは、25〜30mN/mである。表面張力は、界面活性剤の添加や、溶剤の種類により調整することができる。前記表面張力は、例えば、表面張力測定装置(協和界面科学株式会社製、CBVP−Z)や、全自動平衡式エレクトロ表面張力計ESB−V(協和科学社製)などの測定器を用いて白金プレート方法により測定することができる。
カラーフィルタ用インクジェットインクの吹き付けとしては、帯電したインクを連続的に噴射し電場によって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、インクを加熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等、各種の方法を採用できる。また、各画素形成のために用いるインクジェット法に関しては、インクを熱硬化させる方法、光硬化させる方法、あらかじめ基板上に透明な受像層を形成しておいてから打滴する方法など、通常の方法を用いることができる。
本発明においては、カラーフィルタ用インクジェットインクを用いて画素を形成する前に、予め隔壁を作製し、該隔壁に囲まれた部分にインクを付与することが好ましい。この隔壁はどのようなものでもよいが、カラーフィルタを作製する場合は、ブラックマトリクスの機能を持った遮光性を有する隔壁(以下、単に「隔壁」とも言う。)であることが好ましい。該隔壁は通常のカラーフィルタ用ブラックマトリクスと同様の素材、方法により作製することができる。
その後、前記「加熱処理等」の項で説明したような加熱処理を行い、上記吹き付けたインクジェットインクの層を固形化することが好ましい。
○ カラーフィルタの性能
本発明のカラーフィルタの製造方法により得られたカラーフィルタ(本発明のカラーフィルタ)は、本発明の感光性着色組成物を用いていることから、耐光性に優れたものとなる。そのため、本発明のカラーフィルタは、液晶表示素子やCCD等の固体撮像素子に用いることができる。
[液晶表示素子]
本発明のカラーフィルタは、テレビ用として用いる場合は、F10光源による、レッド(R)、グリーン(G)、及びブルー(B)のそれぞれ全ての単色の色度が、下表に記載の値(以下、本発明において「目標色度」という。)との差(ΔE)で5以内の範囲であることが好ましく、更に3以内であることがより好ましく、2以内であることが特に好ましい。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
x y
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
R 0.660 0.3
G 0.293 0.634
B 0.146 0.088
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
本発明において色度は、顕微分光光度計(オリンパス光学社製;OSP100又は200[商品名])により測定し、F10光源視野2度の結果として計算して、xyz表色系のxyY値で表す。また、目標色度との差は、La表色系の色差で表す。
本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置はコントラストが高く、黒のしまり等の描写力に優れ、とくにVA方式であることが好ましい。ノートパソコン用ディスプレイやテレビモニター等の大画面の液晶表示装置等としても好適に用いることができる。また、本発明のカラーフィルタはCCDデバイスに用いることができ、優れた性能を発揮する。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は共に質量基準である。
〔製造例1〕
顔料C.I.ピグメントレッド146(クラリアント社、Permanent Carmine FBB02[商品名])1質量部、粉砕した塩化ナトリウム7質量部、ジエチレングリコール1.6質量部を双腕型ニーダーに仕込み、100℃で4時間混練した。混練後80℃の水100質量部に取り出し、1時間攪拌後、濾過し、80℃の湯洗浄を行い、90℃で乾燥させ、ハンマーミルで粉砕し顔料粉体Aを得た。
顔料粉体Aを用い、下記組成の有機顔料分散組成物Aを調整した。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
顔料粉体A 12.0g
Disperbyk 2155(商品名、ビックケミー社製) 6.0g
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 32.0g
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
上記組成の有機顔料分散組成物をモーターミルM−50(商品名、アイガー・ジャパン社製)で、直径0.5mmのジルコニアビーズを用い、2000rpmで1時間、次いで直径0.1mmのジルコニアビーズを用い、2000rpmで4時間分散し、有機顔料分散組成物Aを得た。分散組成物Aの顔料微粒子の平均粒子径及び単分散度の測定は以下のように行った。
電子顕微鏡(日本電子社製、JEM−1200EX(商品名)で観察撮影した写真画像を用い、200個の粒子において円相当直径を算定しその数平均を一次粒子の平均粒径、200個の粒径の標準偏差/平均粒径をCVとした。また結晶子サイズはジクロロジケトピロール顔料に関して、CuKα線を用いた粉末X線回折測定を行った。測定は、日本工業規格JIS K03131(X線回折分析通則)に準じ、ブラッグ角(2θ)が、23°から30°の範囲で行った。得られたX線回折パターンから、バックグラウンドを除去した回折パターンを求めた。ここでバックグラウンドの除去方法は、上記測定パターンの低角側のブラッグ角(2θ)=23.3°付近のすそと高角側のブラッグ角(2θ)=29.7°付近のすそとに接する直線を引き、この直線で表されるX線回折強度の値をバックグラウンドとし、元のパターンから差し引きしたものバックグラウンドを除去したX線回折パターンとする。
得たバックグラウンドを除去したX線回折パターンから、23.0°〜30.0°で最大の回折強度を与えるピークに対し、半値幅および回折ピークのブラッグ角(2θ)を求める。半値幅の算出は、上記測定範囲に存在する回折ピークそれぞれを市販のデータ解析ソフトを用いてピーク分離を行うことにより算出可能となる。実施例においては、Wave Metorics社製データ解析ソフト Igor Proを用い、ピーク形状をVoigt関数としてフィッティングを行い算出される半値幅の値を用いることとする。
算出した回折ピーク半値幅および下記シェラーの式により結晶子サイズを算出する。
D=Kλ/(10×B×cosA)
B=Bobs−b
ここで、
D:結晶子サイズ(nm)
Bobs:(2)で算出した半値幅(rad)
b:X線回折装置角度分解能補正係数であり、標準シリコン結晶測定時の半値幅(rad)。本発明では下記装置構成および測定条件で標準シリコン結晶を測定し、b=0.2とした。
A:回折ピークブラッグ角2θ(rad)
K:シェラー定数(K=0.94と定義する)
λ:X線波長(Å)(CuKα線であるため、λ=1.54)
測定条件の詳細は下記であった。
X線回折装置:(株)リガク社製RINT2500
ゴニオメーター:(株)リガク社製RINT2000縦型ゴニオメーター
サンプリング幅:0.01°
ステップ時間:1秒
発散スリット:2°
散乱スリット:2°
受光スリット:0.6mm
管球:Cu
管電圧:55KV
管電流:280mA
測定した結果、下表のとおりであった。
〔製造例2〜10〕
製造例1のピグメントレッド146に変えて、下記各顔料を用いた以外は製造例1と同様にして、有機顔料分散組成物B〜Jを得た。
〔製造例11〕
ジメチルスルホキシド(和光純薬社製)20質量部に、顔料C.I.ピグメントレッド146(クラリアント社、Permanent Carmine FBB02[商品名])1質量部を分散させ、ここにナトリウムメトキシド28%メタノール溶液0.5質量部を滴下して顔料溶液を調製した。この顔料溶液を、ビスコメイトVM−10A−L(商品名、CBCマテリアルズ社製)を用いて粘度を測定した結果、顔料溶液の液温が24.5℃の時の粘度が12.3mPa・sであった。これとは別に貧溶媒として、1mol/l塩酸(和光純薬社製)160gを含有した水1000mlを用意した。
ここで、10℃に温度コントロールし、GK−0222−10型ラモンドスターラー(商品名、藤沢薬品工業社製)により500rpmで攪拌した貧溶媒1000mlに、顔料溶液をNP−KX−500型大容量無脈流ポンプ(商品名、日本精密化学社製)を用いて、流路径1.1mmの送液配管から流速400ml/minで100ml注入することにより、有機顔料粒子を形成し、有機顔料ナノ粒子分散液Kを調製した。
上記の手順で調製した、有機顔料ナノ粒子分散液Kを(株)コクサン社製H−112型遠心濾過機および敷島カンバス(株)社製P89C型ロ布を用いて5000rpmで90分濃縮した。得られたペーストを水で塩が除去できるまで水洗した後、有機顔料ナノ粒子濃縮ペーストKを回収した。
この有機顔料ナノ粒子濃縮ペーストKをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで3倍に希釈し、(株)コクサン社製H−112型遠心濾過機および敷島カンバス(株)社製P89C型ロ布を用いて14000rpmで90分濃縮した。この操作を含水率が1%以下となるまで繰り返し行い、有機顔料ナノ粒子濃縮ペーストK(ナノ粒子濃度32.2%)を得た。
有機顔料ナノ粒子濃縮ペーストKを用い、下記組成の有機顔料分散組成物Kを調製した。
有機顔料ナノ粒子濃縮ペーストK 37.3g
Disperbyk 2155(商品名、ビックケミー社製) 6.0g
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.7g
上記組成の有機顔料分散組成物をモーターミルM−50(アイガー・ジャパン社製)で、直径0.5mmのジルコニアビーズを用い、2000rpmで1時間、次いで直径0.1mmのジルコニアビーズを用い、2000rpmで4時間分散し、有機顔料分散組成物Kを得た。
Figure 2011158578
(実施例1)
製造例1で得られた有機顔料分散組成物A 7.5質量部、製造例3で得られた有機顔料分散組成物C 7.5質量部、アルカリ可溶性樹脂A(メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸(=75/25[質量比])共重合体(重量平均分子量:12,000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分30%))17質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート15質量部を混合し、カラーフィルタ用着色組成物101aを得た。これを調製された着色感光性組成物(カラーレジスト液)を、100mm×100mmのガラス基板(1737、コーニング社製)上に、色濃度の指標となるx値が0.650となるように塗布し、90℃のオーブンで60秒間乾燥させ、カラーフィルタ用赤色画素部101を得た。
(実施例2)
製造例1で得られた有機顔料分散組成物A 11.1質量部、製造例3で得られた有機顔料分散組成物C 1.6質量部、製造例8で得られた有機顔料分散組成物H 2.2質量部、アルカリ可溶性樹脂A17質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート15質量部を混合し、カラーフィルタ用着色組成物102aを得た。これを調製された着色感光性組成物(カラーレジスト液)を、100mm×100mmのガラス基板(1737、コーニング社製)上に、色濃度の指標となるx値が0.660、y値が0.320となるように塗布し、90℃のオーブンで60秒間乾燥させ、カラーフィルタ用赤色画素部102を得た。
(実施例3)
実施例2の有機顔料分散組成物Aに変えて、製造例11の有機顔料分散組成物K 11.1質量部とした以外は実施例2と同様にして、カラーフィルタ用赤色画素部103を得た。
(実施例4)
実施例2の有機顔料分散組成物Aの混合量を10.6質量部とし、さらに有機顔料分散組成物Hに変えて、製造例9の有機顔料分散組成物I 2.8質量部とした以外は実施例2と同様にして、カラーフィルタ用赤色画素部104を得た。
(比較例1)
製造例1で得られた有機顔料分散組成物A 15質量部、アルカリ可溶性樹脂A(メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸(=75/25[質量比])共重合体(重量平均分子量:12,000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分30%))17質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート15質量部を混合し、カラーフィルタ用着色組成物c01aを得た。これを調製された着色感光性組成物(カラーレジスト液)を、100mm×100mmのガラス基板(1737、コーニング社製)上に、色濃度の指標となるx値が0.660、y値が0.320となるように塗布し、90℃のオーブンで60秒間乾燥させ、カラーフィルタ用赤色画素部c01を得た。
(比較例2)
実施例1の有機顔料分散組成物Aに変えて、製造例2の有機顔料分散組成物B 6.9質量部とし、有機顔料分散組成物Cの混合量を8.1質量部と変えた以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用赤色画素部c02を得た。
(比較例3)
実施例2の有機顔料分散組成物Aに変えて、製造例2の有機顔料分散組成物B 7.2質量部とし、有機顔料分散組成物Cの混合量を7.6質量部とし、有機顔料分散組成物Hの混合量を0.2質量部と変えた以外は実施例2と同様にして、カラーフィルタ用赤色画素部c03を得た。
(比較例4)
実施例1の有機顔料分散組成物Aの混合量を8.8質量部とし、さらに有機顔料分散組成物Cに変えて、製造例4の有機顔料分散組成物D6.2質量部とした以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用赤色画素部c04を得た。
(比較例5)
実施例1の有機顔料分散組成物Cに変えて、製造例5の有機顔料分散組成物E 5質量部とした以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用赤色画素部c05を得た。
(比較例6)
実施例1の有機顔料分散組成物Aの混合量を7.0質量部とし、さらに有機顔料分散組成物Cに変えて、製造例6の有機顔料分散組成物F 8.0質量部とした以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用赤色画素部c06を得た。
(比較例7)
実施例1の有機顔料分散組成物Aの混合量を1.5質量部とし、さらに有機顔料分散組成物Cに変えて、製造例7の有機顔料分散組成物G 13.5質量部とした以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用赤色画素部c07を得た。
(比較例8)
実施例1の有機顔料分散組成物Aに変えて有機顔料分散組成物Jを用いた以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ用赤色画素部c08を得た。このとき、顔料分散組成物J(PR176)のBET比表面積は80m/g以上であった。
〔カラーフィルタ赤色画素部の評価方法〕
○ コントラスト
カラーフィルタの着色パターン上に偏光板を置いて着色パターンを挟み込み、偏光板が平行時の輝度と直交時の輝度とをトプコン社製のBM−5(商品名)を用いて測定し、平行時の輝度を直交時の輝度で除して得られる値(=平行時の輝度/直交時の輝度)を、コントラストを評価するための指標とした。値が大きいほど高コントラストであることを示す。
○ Y値の測定
得られた、カラーフィルタ用赤色画素部を用いて各種カラーフィルタ特性を評価した。色相(x、y)および輝度(Y値)は大塚電子(株)製の顕微分光光度計MCPD−3000(商品名)を使用して求めた。カラーフィルタ用赤色画素部それぞれについてF10光源測色における色度座標x値とy値およびCIE発色系色度におけるY値を測定した。輝度Y値が17以上であれば、実用上優れたカラーフィルタ赤色画素部と言える。
Figure 2011158578
比較例1と5は所望の色(x=0.660、y=0.320)を出すこと自体できなかった。また表からわかるように、R146とR254の組み合わせのものはそれ以外の組み合わせのものと比較して最小でも0.4以上輝度が高く(比較例6、実施例1対比参照)、最大で約1.7の差があり(比較例7、実施例2参照)、カラーフィルタ用の色材として極めて優位であった。

Claims (9)

  1. 赤色顔料としてピグメントレッド(Pigment Red)146とピグメントレッド(Pigment Red)254とを含有することを特徴とするカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  2. さらに黄色顔料を含有してなる請求項1に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  3. 前記ピグメントレッド146が微粒子状とされ、その平均一次粒径が50nm以下であり、かつその結晶子サイズが2〜20nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  4. 質量基準で赤色顔料の40%以上100%未満が前記ピグメントレッド146であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  5. 前記黄色顔料がピグメントイエロー(Pigment Yellow)150又はピグメントイエロー(Pigment Yellow)138であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  6. さらに重合性化合物を含有する有機溶媒を媒体とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  7. 請求項6に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物を用いて形成したカラーフィルタ用赤色画素。
  8. 請求項7に記載の赤色画素を具備するカラーフィルタ。
  9. 請求項8に記載のカラーフィルタを備えた液晶表示装置。
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