JP5583353B2 - 固体撮像素子用着色硬化性組成物、カラーフィルタ、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
さらに、本発明の他の目的は、本発明の着色硬化性組成物を用いてなる、解像力に優れた着色パターンを備える個体撮像素子用カラーフィルタ、及び、該カラーフィルタを高い生産性で製造しうるカラーフィルタの製造方法を提供することにある。
<2> 前記(C)重合性化合物がエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド構造を含有する重合性化合物である<1>記載の固体撮像素子用着色硬化性組成物。
<3> 前記(B)オキシム系光開始剤が、下記一般式(I)で表される化合物である<1>又は<2>に記載の固体撮像素子用着色硬化性組成物。
<4> 前記一般式(I)におけるR3、R4及びR7が水素原子であり、R5が-SR8で示される基であり、ここで、R8はフェニル基を表し、且つ、R6が水素原子であるか、もしくは、R5とR6とが互いに結合して硫黄原子を含む複素環を形成する基である<3>記載の固体撮像素子用着色硬化性組成物。
<5> 後述する高分子化合物P−1〜高分子化合物P−5及び実施例で用いた高分子化合物P−6からなる群より選択される顔料分散樹脂をさらに含有する<1>〜<4>のいずれか1項記載の固体撮像素子用着色硬化性組成物。
<7> 支持体上に、<1>から<5>のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物を塗布して着色硬化性組成物層を形成する工程と、着色硬化性組成物層をパターン露光する工程と、露光後の着色硬化性組成物層を現像して着色パターンを形成する工程と、を含む固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法。
さらに、本発明によれば、前記本発明の着色硬化性組成物を用いることで、解像力、分光、塗布膜厚均一性に優れた着色パターンを備えるカラーフィルタ、及び、該カラーフィルタを高い生産性で製造しうる製造方法を提供することができる。
[固体撮像素子用着色硬化性組成物]
本発明の固体撮像素子用着色硬化性組成物(以下、単に「硬化性組成物」と称することがある)は、(A)ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料、(B)オキシム系光開始剤及び(C)重合性化合物を含有することを特徴とする。
[着色硬化性組成物]
本発明の着色硬化性組成物は、少なくとも、(A)ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料と、C.I.ピグメント イエロー139を前記(A)ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料100質量部に対して50質量部〜60質量部と、を着色剤として含有し、光重合開始剤として(B)オキシム系光開始剤を固形分換算で6.0質量%以上15.0質量%以下含有し、さらに(C)重合性化合物を含有する。
先ず、本発明の着色硬化性組成物の必須成分である、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料について説明する。
<(A)ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料>
ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料は、フタロシアニン分子(構造)1個当たり、塩素原子及び/又は臭素原子の合計が、最大で16個結合した構造の顔料である。分子中に結合した塩素原子及び/又は臭素原子の数が増すと、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の色相は青色から緑色となる。ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料が緑色となるためには、分子に結合したハロゲン原子として、臭素原子は8個以上有することが好ましく、なかでも臭素原子が12個以上有することが、一層黄味を帯びた明度の高い緑色を発色する点でより好ましい。塩素原子に比べて臭素原子がより多く含有されていることが、より黄味の緑色を得る上では好ましい。
なかでも、X1〜X16のうち、の8個以上が臭素原子で置換されたものが、明度の高い緑色を呈することから、カラーフィルタの緑色画素(着色パターン)への使用に好適であり、臭素原子の置換数としては、10〜14個であることがより好ましい。
本発明における平均一次粒子径とは、透過型電子顕微鏡で視野内の粒子を撮影し、二次元画像上の、凝集体を構成するハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の一次粒子の100個につき、その長い方の径(長径)と短い方の径(短径)の平均値を各々求め、それを平均した値である。
好ましい態様としては、臭素原子を16個含有するフタロシアニン顔料と、臭素原子を15個と塩素原子を1個含有するフタロシアニン顔料との組み合わせなどが挙げられる。また、両者の割合としては、80:20〜100:0の範囲であることが好ましい。
本発明に好適に用いうるポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料は、特開2007−320986公報、特開2008−19383号公報に記載の方法により製造することができる。
このようなソルベントソルトミリング処理を行う場合、合成直後のものを用いるより、後者の粗顔料を用いるほうが好ましい。具体的には、粗顔料と、無機塩と、ミリングに使用する無機塩を溶解しない有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練摩砕を行う。この際の混練機としては、例えばニーダーやミックスマーラー等が使用できる。
本発明における前記した好ましい粒子径のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンを得るに当たっては、ソルベントソルトミリング処理における、粗顔料に対する無機塩使用量を高くするのが好ましく、より具体的には、無機塩の使用量は、粗顔料1質量部に対して5〜20質量部とするのが好ましく、7〜15質量部とするのがより好ましい。
このフタロシアニン誘導体は、顔料の分散性向上に有用であり、ソルベントソルトミリング処理において適用する添加方法の他、粗顔料の合成時に添加する方法、顔料化の後に添加する方法のいずれの方法で加えてもよいが、ソルベントソルトミリング処理などの顔料化工程の前に加えることが、顔料分散時の粘度上昇をより抑制できる観点から好ましい。フタロシアニン誘導体を加えることによってカラーフィルタ用着色硬化性組成物における粘度特性の向上と顔料の分散安定性の向上が達成できる。
P−(A−Z)n・・・(3)
また、Yにおいて、第1アミノ基、2級アミノ基としては、例えば、モノメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等が挙げられる。また、前記カルボン酸基やスルホン酸基と塩を形成する塩基や金属としては、例えばアンモニアや、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンの様な有機塩基、カリウム、ナトリウム、カルシウム、ストロンチウム、アルミニウムの様な金属が挙げられ、Aで示される二価の連結基としては、例えば炭素数1〜3のアルキレン基、−CO2−、−SO2−,−SO2NH(CH2)M−等の二価の連結基が挙げられる。そして、Zとしては、例えばフタルイミド基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基等が挙げられる。
このようなポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物を後述する特定の光開始剤と組み合わせて用いることにより、近年要求されている鮮明度と明度とのいずれもが高いカラーフィルタ緑色画素部がより簡便に得られる。
(その他の顔料)
本発明の硬化性組成物には、前記ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料に加え、目的に応じて他の顔料を含むことができる。
例えば、緑色顔料であるポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の他に、特性を出現させるため調色用に黄色顔料を使用することが好ましい。
ここで併用できる黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメント イエロー 83、同110、同138、同139、同150、同180、同185等の黄色有機顔料が挙げられるが、本発明においては、C.I.ピグメント イエロー139と併用され、このため、特に塗布膜厚均一性が良好となる。
本発明に係るポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物と必須の黄色顔料であるC.I.ピグメント イエロー139の併用割合は、前記ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物100質量部当たり、C.I.ピグメント イエロー139が、50重量部〜60重量部である。
顔料分散液の製造方法としては、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物と有機溶剤と必要に応じて分散剤を用いて分散液を調製する方法が一般的である。
本発明の硬化性組成物においては、顔料の分散性を向上させる観点から、分散剤を添加することが好ましく、分散剤と顔料とを含む顔料分散液を予め調製することが好ましい。
高分子分散剤は、その構造からさらに直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
具体的には、高分子分散剤を用いる場合であれば、その使用量としては、顔料100質量部に対して、5〜70質量部の範囲が好ましく、10〜50質量部の範囲がより好ましい。また、顔料誘導体を使用する場合であれば、その使用量としては、顔料に対し1〜30質量部の範囲にあることが好ましく、3〜20質量の範囲にあることがより好ましく、5〜15質量部の範囲にあることが特に好ましい。
このため硬化性組成物の全固形分中、顔料の総含有量は40〜80質量%であることが好ましく、43.0〜75質量%がより好ましく、44.0〜70質量%が更に好ましい。
本発明の着色硬化性組成物は、上記の分散剤の他、さらに顔料分散樹脂を用いて顔料を分散することが、顔料の凝集抑制による経時安定性向上の観点より好ましい。
この顔料分散樹脂としては、一般に知られる線状有機ポリマーを特に制限なく使用することができる。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とするために、水あるいは弱アルカリ水に可溶性又は膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。
本発明で使用しうる顔料分散樹脂は、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよい。
さらに本発明における顔料分散樹脂は、酸価が5〜200mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは7〜150mgKOH/g、更に好ましくは10〜100mgKOH/gの範囲であることが好ましい。酸価が200MgKOH/gを超えると現像時におけるパターン剥離が発生する傾向がある。また、5mgKOH/g未満ではアルカリ現像性が著しく低下する。
尚、前記樹脂の質量平均分子量は、例えば、GPCによって測定することができる。
本発明の着色硬化性組成物としてオキシム系開始剤を使用することで、塗布膜厚均一性を良好とすることができる。好ましいオキシム系開始剤として、下記一般式(I)で表される化合物が挙げられる。
また、ここで、アルキル基、アリール基及びアシル基に導入可能な置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、クロロ基、ブロモ基等が挙げられる。
また、R3、R4、R5、R6及びR7が1価の有機基を表す場合の好ましい有機基としては、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、チオフェノキシ基が挙げられ、なかでも、フェノキシ基、チオフェノキシ基が好ましい。
なお、R3、R4、R6及びR7は水素原子であることが好ましい。R5は-SR8で示される基であることが好ましく、ここで、R8は置換基を有していてもよいフェニル基を示す。より好適なR5は下記式で表される基である。
一般式(3)中、A0で表される二価の有機基としては、炭素数1以上12以下のアルキレン、シクロヘキシレン、アルキニレンが挙げられる。
なかでも、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、Arは置換又は無置換のフェニル基が好ましい。
本発明の個体撮像素子用着色硬化性組成物には、重合性化合物を含有する。重合性化合物は、ラジカルを開始種として重合硬化する、不飽和二重結合を分子内に少なくとも1つ有する化合物であれば、特に制限はないが、代表的なものとしてラジカル重合性モノマーが挙げられる。
次にラジカル重合性モノマーについて説明する。ラジカル重合性モノマーとしては、常圧下で100℃以上の沸点を有し、少なくとも1つの付加重合可能なエチレン性不飽和基を持つ化合物が好ましい。
更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用できる。
本発明に用いられる重合性化合物としては、エチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド構造を含む重合性化合物であることが好ましく、特に、エチレンオキシド構造を5個以上含有するモノマーがより好ましく、エチレンオキシド構造を7個以上含有するモノマーが特に好ましい。
また、特公昭48-41708号、特開昭51-37193号、特公平2-32293号、特公平2-16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58-49860号、特公昭56-17654号、特公昭62-39417号、特公昭62-39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63-277653号、特開昭63-260909号、特開平1-105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS-10、UAB-140(山陽国策パルプ社製)、UA-7200」 (新中村化学社製、DPHA-40H(日本化薬社製)、UA-306H、UA-306T、UA-306I、AH-600、T-600、AI-600(共栄社製)などが挙げられる。
また、酸基を有するエチレン性不飽和化合物類も好適であり、市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製のカルボキシル基含有3官能アクリレートであるTO-756、及びカルボキシル基含有5官能アクリレートであるTO-1382などが挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、オキシム系以外の光重合開始剤を併用してもよい。
本発明における光重合開始剤は、光により分解し、(C)エチレン性不飽和結合を含有する化合物の重合を開始、促進する化合物であり、波長300〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。
<(D)増感剤>
本発明の硬化性組成物は、ラジカル開始剤のラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、(D)増感剤を含有していてもよい。本発明に用いることができる増感剤としては、前記した光重合開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ330nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
例えば、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、9,10−ジアルコキシアントラセンのような多核芳香族類、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガルのようなキサンテン類、チオキサントン類、シアニン類、メロシアニン類、フタロシアニン類、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルーのようなチアジン類、アクリジン類、アントラキノン類、スクアリウム類、クマリン類、フェノチアジン類、フェナジン類、スチリルベンゼン類、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン類、カルバゾール類、ポルフィリン、スピロ化合物、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトンなどの芳香族ケトン化合物、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物などが挙げられる。
本発明の硬化性組成物中における増感剤の含有量は、深部への光吸収効率と開始分解効率の観点から、固形分換算で、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。
本発明の硬化性組成物においては、皮膜特性向上などの目的で、必要に応じて、さらにバインダーポリマーを使用することができる。バインダーとしては線状有機ポリマーを用いることが好ましい。好適に用いられるバインダーポリマーは、前出の顔料分散樹脂と同様である。
本発明の硬化性組成物は、共増感剤を含有することも好ましい。本発明において共増感剤は、増感色素や開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
この様な共増感剤の例としては、アミン類、例えばM. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
本発明においては、硬化性組成物の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる熱重合防止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
さらに、本発明においては、硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤や、可塑剤、感光層表面のインク着肉性を向上させうる感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
可塑剤としては例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物と結合剤との合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
次に、本発明のカラーフィルタ及びその製造方法について説明する。
本発明のカラーフィルタは、支持体上に、本発明の硬化性組成物を用いてなる着色パターンを有することを特徴とする。
以下、本発明のカラーフィルタについて、その製造方法(本発明のカラーフィルタの製造方法)を通じて詳述する。
以下、本発明の製造方法における各工程について説明する。
硬化性組成物層形成工程では、支持体上に、本発明の硬化性組成物を塗布して硬化性組成物層を形成する。
また、これらの支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
露光工程では、前記硬化性組成物層形成工程において形成された硬化性組成物層を、パターン状に露光する。パターン露光は、走査露光でもよく、所定のマスクパターンを有するマスクを介して露光してもよいが、解像度の観点からマスクパターンを介する露光が好ましい。
本工程は、塗布膜のパターン露光の好ましい態様である所定のマスクパターンを介して露光し、光照射された塗布膜部分だけを硬化させる工程であり、その後、後述する現像工程において、現像液で現像して、各色(3色あるいは4色)の画素からなるパターン状皮膜を形成することに着色パターン形成が行なわれる。
露光に際して用いることができる放射線としては、特に、g線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。照射量は30〜1500mJ/cm2が好ましく50〜1000mJ/cm2がより好ましく、80〜500mJ/cm2が最も好ましい。
次いでアルカリ現像処理を行う現像工程を実施することにより、上記露光により光未照射部分をアルカリ水溶液に溶出させ、光硬化した部分だけが残る。
現像液としては、下地の回路などにダメージを起さない、有機アルカリ現像液が望まし い。現像条件は適宜選択されるが、通常、現像温度としては20℃〜30℃であり、現像時間は20秒〜180秒の範囲である。
次いで、余剰の現像液を洗浄除去し、乾燥を施した後に加熱処理(ポストベーク)を行う。このように各色ごとに前記工程を順次繰り返して硬化皮膜を製造することができる。
これによりカラーフィルタが得られる。
ポストベークは、硬化を完全なものとするための現像後の加熱処理であり、通常100℃〜240℃の熱硬化処理を行う。基板がガラス基板又はシリコン基板の場合は上記温度範囲の中でも200℃〜240℃が好ましい。
このポストベーク処理は、現像後の塗布膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行うことができる。
<1−1.顔料分散液の調製>
−GReen顔料分散液P1の調製−
顔料として、部分臭素化した亜鉛フタロシアニン顔料であるC.I.ピグメント・グリーン58とC.I.ピグメント イエロー139との100/55(質量比)混合物12.6部と、分散剤としてBYK2001(Disperbyk:ビックケミー(BYK)社製、固形分濃度45.1質量%)5.2部と、顔料分散樹脂(下記「組成」にてアルカリ可溶性樹脂と記載)としてP−1を3.9部と、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート78.3部とからなる混合液を、ビーズミルにより15時間混合・分散して、Green顔料分散液を調製した。
このGreen顔料分散液について、顔料の体積平均粒径を動的光散乱法により測定したところ、20nmであった。
上記のGreen顔料分散液を用い、下記組成となるように混合、撹拌して着色硬化性組成物A−1を調製した。
<組成>
・前記Green顔料分散液 83.4部
・OXE−01 1.6部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;オキシム系光重合開始剤)
・モノマー1:化合物M−1 1.3部
・モノマー2:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 1.4部
・アルカリ可溶性樹脂P−1 0.72部
・p−メトキシフェノール 0.001部
・ポリエチレングリコールメチルエーテルアセテート 7.4部
〔PGMEA(以下、同様に略記する);溶媒〕
・界面活性剤(商品名:F−781、大日本インキ化学工業(株)製)
のPGMEA0.2%溶液 4.2部
本評価のように塗布膜厚1.0umの場合は、中心部と周辺部での膜厚差が50nm以内であることが好ましい。
下記組成の成分を混合して溶解し、下塗り用レジスト液を調製した。
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 19.20部
(PGMEA)
・乳酸エチル 36.67部
・樹脂〔メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸−2−
ヒドロキシエチル共重合体(モル比=60:20:20)の
40%PGMEA溶液〕 30.51部
・KAYARAD DPHA(日本化薬製、重合性化合物) 12.20部
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール) 0.0061部
・フッ素系界面活性剤 0.83部
(F−475、大日本インキ化学工業(株)製)
・光重合開始剤 0.586部
(TAZ−107(トリハロメチルトリアジン系の光重合開始剤)、みどり化学社製)
6inchシリコンウエハを、オーブン中で200℃下で30分間、加熱処理した。次いで、このシリコンウエハ上に前記下塗り用レジスト液を乾燥膜厚が1μmになるように塗布し、更に230℃のホットプレート上で5分間加熱乾燥させて下塗り層を形成し、下塗り層付シリコンウエハを作製した。
前記1−4.において調製された着色硬化性組成物A−1を、前記1−3.で得られた下塗り層付シリコンウエハの下塗り層上に塗布し、光硬化性の塗布膜を形成した。そして、この塗布膜の乾燥膜厚が1.0μmになるように、100℃のホットプレートを用いて180秒間加熱処理(プリベーク)を行なった。次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を使用して、365nmの波長で1.0μm四方のベイヤーパターンマスクを通して100〜2500mJ/cm2にて照射した(50mJ/cm2ずつ露光量を変化)。その後、照射された塗布膜が形成されているシリコンウエハをスピン・シャワー現像機(DW−30型;(株)ケミトロニクス製)の水平回転テーブル上に載置し、CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の50%希釈液を用いて23℃で180秒間パドル現像を行ない、シリコンウエハに着色パターンを形成した。
次に、200℃のホットプレートにて5分間加熱してポストベークを行い、着色パターンが形成されたカラーフィルタを得た。
上記より得たカラーフィルタに対してパターンを、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて20,000倍で観察し、下記の評価基準にしたがって未露光部の残渣の程度(現像性)を評価した。
<評価基準>
◎:未露光部が完全に除去されていた。
○:やや残渣あるものの、問題のない範囲内であった。
△:残渣あるものの、実用上許容範囲内であった。
×:残渣が多く許容範囲外であった。
××:残渣の発生が顕著であった。
別途、ガラス基板上にて、前記パターン露光を、マスクを介さずに行う全面露光に変更した以外は前記と同様にして着色硬化膜を形成した。このポストベーク後の着色硬化膜が形成された基板を、分光光度計(大塚電子(株)製;MCPD3000)により、輝度Y値を測定した。
Green顔料として、部分臭素化した亜鉛フタロシアニン顔料であるPigmentGreen58に換えて、本発明の範囲外であるPigmentGreen36を使用した以外は、実施例1と同様にして形成した着色硬化膜の輝度(Y値)を同様に測定したところ、55.4であり、PigmentGreen58を使用した実施例1が61.1であるのに比較し、劣ることがわかった。
実施例1において、顔料分散液作製時の各種顔料とその比率、分散樹脂の種類、モノマーの種類と量、開始剤の種類及びこれらの比率を下記表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして評価を実施した。評価結果は下記表1に示す。
<Red顔料分散液の調製>
−Red顔料分散液P2の調製−
顔料としてC.I.ピグメント・レッド254とC.I.ピグメント・イエロー139との100/45(質量比)混合物12.1部と、分散剤としてBYK2001(Disperbyk:ビックケミー(BYK)社製、固形分濃度45.1質量%)10.4部と、分散樹脂としてP−2を3.8部と、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート73.7部とからなる混合液を、ビーズミルにより15時間混合・分散して、Red顔料分散液を調製した。
−Blue顔料分散液P3の調製−
顔料としてC.I.ピグメント・ブルー15:6とC.I.ピグメント・バイオレット23との100/25(質量比)混合物14部と、分散剤としてBYK2001(Disperbyk:ビックケミー(BYK)社製、固形分濃度45.1質量%)4.7部と、分散樹脂としてP−2を3.5部と、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート77.8部とからなる混合液を、ビーズミルにより15時間混合・分散して、Blue顔料分散液を調製した。
1−2.において使用した顔料分散液を、上記P2及びP3に変更すること以外は、前記Green用着色硬化性組成物と同様にして、Red用着色硬化性組成物、Blue用着色硬化性組成物を調製した。
あらかじめ公知の方法によりデバイスが形成されたシリコンウエハ上に、まず、前記1−3.〜1−5.記載の方法と同様の工程を行うことにより、Green画素(着色パターン)を有するデバイスを形成した。その後、露光パターンをアイランドに変更し、上記Red着色硬化性組成物を塗布して同様の工程を繰り返し、Greenパターン間の半分にRed画素(着色パターン)を形成し、さらにBlue着色硬化性組成物を塗布して同様の工程を繰り返し、Blue画素(着色パターン)を形成し、本発明の硬化性組成物により形成されたGreen着色パターンを含むR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の各色相の画素を有するカラーフィルタを形成し、このデバイスを用いて常法により固体撮像素子を得た。
得られた固体撮像素子においてシグナルとノイズの比(一般にS/N比という)を確認したところ、実施例1のGreenを使用した場合のS/N比は63であり、良好であることがわかる。なお、前記対照例と同様に、Green顔料としてPigmentGreen36を使用した場合は、70であり、これに比較しS/N比が小さく、個体撮像素子として良好な性能を有することが確認された。
Claims (7)
- (A)ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料、(B)オキシム系光開始剤を固形分換算で6.0質量%以上15.0質量%以下、(C)重合性化合物、及び、C.I.ピグメント イエロー139を前記(A)ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料100質量部に対して50質量部〜60質量部含有する固体撮像素子用着色硬化性組成物。
- 前記(C)重合性化合物がエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド構造を含む重合性化合物である請求項1に記載の固体撮像素子用着色硬化性組成物。
- 前記(B)オキシム系光開始剤が、下記一般式(I)で表される化合物である請求項1又は請求項2に記載の固体撮像素子用着色硬化性組成物。
前記一般式(I)中、R1は置換基を有してもよいアルキル基又はアリール基を表す。R2は置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、又は、置換基を有してもよいアセチル基を表す。R3、R4、R5、R6及びR7は、互いに独立して、水素原子もしくは1価の有機基を表す。R3、R4、R5、R6及びR7は互いに結合して5員環又は6員環を形成してもよい。 - 前記一般式(I)におけるR3、R4、及びR7が水素原子であり、R5が−SR8で示される基であり、ここで、R8はフェニル基を表し、且つ、R6が水素原子であるか、もしくは、R5とR6とが互いに結合して硫黄原子を含む複素環を形成する基である請求項3記載の固体撮像素子用着色硬化性組成物。
- 下記高分子化合物P−1〜高分子化合物P−6からなる群より選択される顔料分散樹脂をさらに含有する請求項1から請求項4のいずれか1項記載の固体撮像素子用着色硬化性組成物。
- 支持体上に、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物を塗布し、パターン露光した後、現像して形成された着色領域を有する固体撮像素子用カラーフィルタ。
- 支持体上に、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物を塗布して着色硬化性組成物層を形成する工程と、着色硬化性組成物層をパターン露光する工程と、露光後の着色硬化性組成物層を現像して着色パターンを形成する工程と、を含む固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法。
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