JP4407097B2 - カラーフィルター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はハロゲン化金属フタロシアニン顔料を含む緑色画素部を有するカラーフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置に用いられるカラーフィルターは、ガラス等の透明基板上に赤色、緑色、青色の3色の各画素部が形成されたものであり、緑色の画素部を形成するためには、一般にハロゲン化銅フタロシアニン染料やハロゲン化銅フタロシアニン顔料が使用されている。
【0003】
カラーフィルターの緑色画素部を構成する緑色の着色剤としては、フタロシアニン分子1個当たり8個以上のハロゲン原子がフタロシアニン分子のベンゼン環に結合したハロゲン化金属フタロシアニンの構造を有する染料又は顔料が使用されている。しかしながら、平版インキ、塗料、成形品着色等の汎用用途と異なるカラーフィルター分野においては、単なる着色にとどまらない、たとえば以下の(1)〜(2)の、より高度な特性が要求される。
【0004】
(1)特定の波長の光だけを通す高い選択性を有すること
(2)特定の波長の光を極力高い透過率で通すこと
【0005】
この様な緑色染料着色剤として、特開昭63−286801号公報には、オクタクロロ銅フタロシアニンスルホン酸染料、オクタクロロニッケルフタロシアニンスルホン酸染料、オクタクロロコバルトフタロシアニンスルホン酸染料等のハロゲン化金属フタロシアニンスルホン酸染料と黄色有機染料とを併用する技術が開示されている。
【0006】
また、特開平11−302283号公報には、オクタフェニル銅フタロシアニンスルホン酸染料、オクタフェニル亜鉛フタロシアニンスルホン酸染料、オクタフェニルアルミニウムフタロシアニンスルホン酸染料等のフェニル化金属フタロシアニンスルホン酸染料と黄色有機染料とを併用する技術が開示されている。
【0007】
さらに、特開平9−291240号公報には、スルホン酸基とモノアゾ染料残基とを有する銅フタロシアニン緑色染料やスルホン酸基とモノアゾ染料残基とを有する亜鉛フタロシアニン緑色染料等を用いる技術が開示されている。
【0008】
しかしながら、これら染料は、耐光性等の諸耐久性が劣るという欠点がある。
【0009】
一方、前記した欠点の少ない緑色顔料として、通常、フタロシアニン分子1個当たり4個のベンゼン環上の計16個の水素原子のうちの8個以上を、臭素、塩素等のハロゲン原子によって置換したハロゲン化銅フタロシアニン顔料が使用されている。このハロゲン化銅フタロシアニン顔料は、様々な比率で水素原子が臭素原子および/または塩素原子で置換されたハロゲン化銅フタロシアニン顔料の混合物である。
【0010】
カラーフィルターの緑色画素部には、通常、より黄味が強くより明るい緑色顔料が要求されている。従来、黄味が強く明るい緑色を発色させるためには、ハロゲン化銅フタロシアニン1分子のベンゼン環に結合させるハロゲン原子数を多くすることが好ましいとされてきた。さらにハロゲン化銅フタロシアニン1分子当たりに結合したハロゲン原子のうち臭素原子数が多いほど、より黄味を帯びた緑色を発色させることができることが知られている。例えば、特開平9−68607号公報には、C.I.Pigment GREEN 36の様な、フタロシアニン分子1個当たり4個のベンゼン環上の計16個の水素原子が高い割合で臭素原子に置換された高臭素含有率のハロゲン化銅フタロシアニンを多く含有するハロゲン化銅フタロシアニン顔料をカラーフィルターの緑色画素部に使用する方法が提案されている。
【0011】
また、特開平10−160928号公報等には、色相等をより黄味を帯びた緑色に改良する目的で、C.I.Pigment GREEN 36等の緑色顔料に、C.I.Pigment YELLOW 150、同185等の黄色顔料を添加し黄味を強くする方法が提案されている。
【0012】
しかしながら、現在、液晶表示装置のバックライト光源としては、緑色光の主輝線が概ね545nmである三波長管が使用されており、この光源を用いた液晶表示装置に、前記した従来技術によって得られたカラーフィルターを適用した場合、つぎのような問題点がある。
【0013】
即ち、前記した特開昭63−286801号公報等に代表される緑色染料を用いたカラーフィルターは、いずれも、耐光性に劣り、色相が長期使用により退色するという根本的な欠点がある。
【0014】
また、特開平9−68607号公報に記載の緑色顔料のC.I.Pigment GREEN 36を用いて製造されたカラーフィルターの緑色画素部は、組み合わせて用いられる赤色画素部と青色画素部に適合する様な、意図した色度や色相とならない。
さらに、特開平10−160928号公報等に代表される様に、C.I.Pigment GREEN 36に黄色顔料を添加して用い、緑色画素部を意図した色度や色相に近づける提案がなされているが、この目的達成のために緑色顔料への黄色顔料の添加量が増える結果、画素部内で意図した色度や色相とならない部位が生ずることがある。これは画素部を形成するのに用いる後述する様な光硬化性組成物の貯蔵時に併用した黄色顔料と緑色顔料が、色別れを起こすからである。
【0015】
結果的に、このような画素部を有するカラーフィルターは、液晶表示において不十分な明るさしかもたらさず、満足いく表示をするために、大きな光量を発するバックライト光源を使用しなければならないという欠点があったり、または画素部内で意図した色度や色相とならない部位が生ずるという欠点がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、染料系カラーフィルターよりも耐久性に優れ、かつ、緑色光の主輝線が概ね545nmである三波長管を光源として用いた液晶表示装置に適用した場合に、黄味が強く、明るい緑色を呈し、少ない光量のバックライト光源でも明るい液晶表示を可能とする緑色画素部を有するカラーフィルターを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、カラーフィルターの緑色画素部を形成するための従来のハロゲン化銅フタロシアニン顔料を凌ぐ特性を有する、種々のハロゲン化金属フタロシアニン顔料を合成し、それぞれについて分光透過スペクトルを測定し、緑色画素部としての適性を検討した。
実際の液晶表示装置に使用されている三波長管は、個々のカラーフィルターと適合する様に発光波長も最適化がなされる場合もあり、それを取り出して本発明の評価に用いることは煩雑な作業となる。そこでこれら三波長管の緑色光の主輝線が、概ね545nmであることに鑑みて、実際の液晶表示装置に使用されている三波長管に代えて、同じ三波長管の一種に分類される、545nmに主輝線を有する日本工業規格(JIS) Z8719で規定する3波長域発光形の蛍光ランプF10光源を使用して評価を行った結果、分光透過スペクトルの520〜590nmに最大透過率を示す特定のハロゲン化金属フタロシアニン顔料を緑色画素部を形成するための着色剤として用いると、黄味が強く、明るい緑色を呈し、明るい液晶表示装置を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0018】
すなわち、本発明は、透明基板上に赤色、緑色及び青色の各画素部を有するカラーフィルターにおいて、前記緑色画素部が、(1)フタロシアニン分子1個当たり8〜16個のハロゲン原子がフタロシアニン分子のベンゼン環に結合したハロゲン化金属フタロシアニン顔料を含有し、かつ、(2)可視光の全域での分光透過スペクトルにおいて、520〜590nmに最大透過率を示すことを特徴とするカラーフィルターを提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明は前記(1)と(2)の要件を満たすものである。
以下のこれらの要件につき、順に説明する。
【0020】
前記(1)の要件を満たす本発明で用いる顔料とは、フタロシアニン分子(構造)を化学構造中に含み、フタロシアニン分子(構造)1個当たり4個のベンゼン環に、合計で8〜16個のハロゲン原子が結合した構造の物質からなる顔料である。以下、これを、本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料という。本発明で用いる好適なハロゲン化金属フタロシアニン顔料としては、次の2つの群のハロゲン化金属フタロシアニン顔料が挙げられる。
【0021】
(第一群)
Al、Si、Sc、Ti、V、Mg、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、In、Sn及びPbからなる群から選ばれる金属を中心金属として有し、フタロシアニン分子1個当たり8〜16個のハロゲン原子がフタロシアニン分子のベンゼン環に結合したハロゲン化金属フタロシアニン顔料であり、その中心金属が三価の場合には、その中心金属には1つのハロゲン原子、水酸基又はスルホン酸基(−SO3H)のいずれかが結合しており、中心金属が四価金属の場合には、その中心金属には1つの酸素原子又は同一でも異なっていても良い2つのハロゲン原子、水酸基又はスルホン酸基のいずれかが結合しているハロゲン化金属フタロシアニン顔料。
【0022】
(第二群)
Al、Sc、Ga、Y及びInからなる群から選ばれる三価金属を中心金属とし、フタロシアニン分子1個当たり8〜16個のハロゲン原子がフタロシアニン分子のベンゼン環に結合したハロゲン化金属フタロシアニンの2分子を構成単位とし、これら構成単位の各中心金属が酸素原子、硫黄原子、スルフィニル(−SO−)及びスルホニル(−SO2−)からなる群から選ばれる二価原子団を介して結合したハロゲン化金属フタロシアニン二量体からなる顔料。
【0023】
本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料において、ベンゼン環に結合するハロゲン原子は、全て同一であっても、それぞれ異なっていてもよい。また、ひとつのベンゼン環に異なるハロゲン原子が結合していてもよい。ベンゼン環に結合するハロゲン原子数を一定とした場合には、ハロゲン原子としてはヨウ素>臭素>塩素>フッ素の順に、左側ほど黄味が強くなる。
【0024】
ここで、フタロシアニン分子1個当たり8〜16個のハロゲン原子のうち9〜15個の臭素原子がフタロシアニン分子のベンゼン環に結合した、本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料は、黄味を帯びた明るい緑色を呈し、カラーフィルターの緑色画素部への使用に最適である。本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料は、水や有機溶媒に不溶または難溶である。本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料には、後述する仕上げ処理が行われていない顔料(粗顔料とも呼ばれる)も、仕上げ処理が行われた顔料も、いずれも包含される。
【0025】
前記第一群および第二群に属するハロゲン化金属フタロシアニン顔料は、下記一般式1で表すことが出来る。
【0026】
【化1】
【0027】
第一群に属するハロゲン化金属フタロシアニン顔料は、前記一般式1において、次の通りである。
【0028】
一般式1において、X1〜X16は、水素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。ひとつのベンゼン環に結合した4個のXの原子は同一でも異なっていても良い。4個のベンゼン環に結合したX1〜X16のうち、8〜16個は塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。Mは中心金属を表す。後述するY及びそれの個数mが同一であるハロゲン化金属フタロシアニン顔料の範囲において、16個のX1〜X16のうち塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子の合計が8未満の顔料は青色であり、同様に16個のX1〜X16のうち塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子の合計が8以上の顔料で前記合計値が大きいほど黄味が強くなる。中心金属Mに結合するYはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素のいずれかのハロゲン原子、酸素原子、水酸基及びスルホン酸基からなる群から選ばれる一価原子団であり、mは中心金属Mに結合するYの数を表し、0〜2の整数である。
【0029】
中心金属Mの原子価により、mの値が決定される。中心金属Mが、Al、Sc、Ga、Y、Inの様に原子価が3価の場合、m=1であり、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、水酸基及びスルホン酸基からなる群から選ばれる基の一つが中心金属に結合する。中心金属Mが、Si、Ti、V、Ge、Zr、Snの様に原子価が4価の場合は、m=2であり、酸素の一つが中心金属に結合するか、またはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、水酸基及びスルホン酸基からなる群から選ばれる基の二つが中心金属に結合する。中心金属Mが、Mg、Fe、Co、Ni、Zn、Zr、Sn、Pbの様に原子価が2価の場合は、Yは存在しない。
【0030】
また、第二群に属するハロゲン化金属フタロシアニン顔料は、前記一般式1において次の通りである。
前記一般式1において、X1〜X16については、前記定義と同義であり、中心金属MはAl、Sc、Ga、Y及びInからなる群から選ばれる三価金属を表し、mは1を表す。Yは次の原子団を表す。
【0031】
【化2】
【0032】
なお、原子団Yの化学構造中、中心金属Mは前記した定義と同義であり、X17〜X32については、一般式1において前記したX1〜X16の定義と同義である。Aは、酸素原子、硫黄原子、スルフィニル(−SO−)及びスルホニル(−SO2−)からなる群から選ばれる二価原子団を表す。一般式1中のMと原子団YのMとは、二価原子団Aを介して結合していることを表す。
【0033】
即ち、第二群に属するハロゲン化金属フタロシアニン顔料は、ハロゲン化金属フタロシアニンの2分子を構成単位とし、これらが前記二価原子団を介して結合したハロゲン化金属フタロシアニン二量体である。
【0034】
一般式1で表わされるハロゲン化金属フタロシアニン顔料としては、具体的には、次の▲1▼〜▲4▼が挙げられる。
【0035】
▲1▼ ハロゲン化錫フタロシアニン顔料、ハロゲン化ニッケルフタロシアニン顔料、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の様な、Mg、Fe、Co、Ni、Zn、Zr、Sn及びPbからなる群から選ばれる二価金属を中心金属として有し、かつフタロシアニン分子1個当たり4個のベンゼン環に8〜16個のハロゲン原子が結合したハロゲン化金属フタロシアニン顔料。
【0036】
▲2▼ ハロゲン化クロロアルミニウムフタロシアニンの様な、Al、Sc、Ga、Y及びInからなる群から選ばれる三価金属を中心金属として有し、中心金属には1つのハロゲン原子、水酸基又はスルホン酸基のいずれかを有し、かつフタロシアニン分子1個当たり4個のベンゼン環に8〜16個のハロゲン原子が結合したハロゲン化金属フタロシアニン顔料。
【0037】
▲3▼ ハロゲン化オキシチタニウムフタロシアニン、ハロゲン化オキシバナジウムフタロシアニンの様な、Si、Ti、V、Ge、Zr及びSnからなる群から選ばれる四価金属を中心金属として有し、中心金属には1つの酸素原子又は同一でも異なっていても良い2つのハロゲン原子、水酸基又はスルホン酸基のいずれかを有し、かつフタロシアニン分子1個当たり4個のベンゼン環に8〜16個のハロゲン原子が結合したハロゲン化金属フタロシアニン顔料。
【0038】
▲4▼ ハロゲン化されたμ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体、ハロゲン化されたμ−チオ−アルミニウムフタロシアニン二量体の様な、Al、Sc、Ga、Y及びInからなる群から選ばれる三価金属を中心金属とし、フタロシアニン分子1個当たり4個のベンゼン環に8〜16個のハロゲン原子が結合したハロゲン化金属フタロシアニンの2分子を構成単位とし、これら構成単位の各中心金属が酸素原子、硫黄原子、スルフィニル及びスルホニルからなる群から選ばれる二価原子団を介して結合したハロゲン化金属フタロシアニン二量体からなる顔料。
【0039】
本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料から、緑色画素部及びカラーフィルターを製造する方法、並びに当該緑色画素部の分光透過スペクトルの測定方法は、後述する。
本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料を含有する緑色画素部は、後述する方法で測定される可視光全域(380〜780nm)での分光透過スペクトルにおける最大透過率を示す波長(以下、Tmaxという。)が、より長波長側にあり545nmに近く、かつTmaxにおける透過率が大きいことで、従来のハロゲン化銅フタロシアニン顔料よりも更に黄味の緑色と優れた明るさをも兼備する緑色画素部を有するカラーフィルターが得られる。尚、より明るい液晶表示ができる液晶表示装置とするためには、前記Tmaxにおける透過率が高いほど好ましく、その値は70%以上であることが好ましい。
本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料の中でも、ハロゲン化クロロアルミニウムフタロシアニン顔料、ハロゲン化μ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体顔料、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料がより好ましい。これらの顔料を含有する緑色画素部は、前記三波長管の緑色光の波長545nmに近い波長領域に、Tmaxを有し、そのTmaxにおける透過率が85%以上であるので、当該三波長管を用いた液晶表示装置に適用した場合に、少ない光量の光源でも明るい表示ができる。
図1および図3からわかる様に、ハロゲン化クロロアルミニウムフタロシアニン顔料またはハロゲン化μ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体顔料を含有する緑色画素部は、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料を含有する緑色画素部より、可視光全域での分光透過スペクトルにおける透過率が高い波長範囲がより広いため、緑色光が545nmでない光源を用いた場合でも高い透過率を示すから、高輝度化の対象となる装置のカラーフィルターに好適に使用できる。
【0040】
また、図2および図3からわかる様に、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を含有する緑色画素部は、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料を含有する緑色画素部より、可視光全域での分光透過スペクトルにおける透過率が高い波長範囲がより狭いため、高色域化の対象となる装置のカラーフィルターに好適に使用できる。
即ちハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を含有する緑色画素部は、当該顔料の一次粒子の平均粒子径を小さくしていくとTmaxをより高い波長とし、かつ、Tmaxにおける透過率も高くすることが可能である。このハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を含有する緑色画素部は、当該顔料の一次粒子の平均粒子径が大きくても、Tmaxが従来のハロゲン化銅フタロシアニン顔料を含有する緑色画素部に比べ高波長側にあり、しかも分光透過スペクトルの曲線をTmaxにおける透過率の1/2の透過率で内挿した際の曲線上の2点間の距離(半値幅)が90〜110nmと非常にシャープであるので、高色純度であって、黄色顔料と混色した場合においても緑色領域の光透過量も多くなり、明るい画面が得られ、映像のコントラストが良く、高色純度カラーフィルターに好適に使用できる。
【0041】
尚、一般的には、測定対象とした複数のカラーフィルターの着色樹脂皮膜の膜厚を一定にした場合の対比において、CIE発色系色度(Y、x、y)のy値が大きいものを「色純度が高い」ということが出来るし、x、y値が一定となるように複数の測定対象であるカラーフィルターの着色樹脂皮膜の膜厚を決めた場合の対比において、膜厚が薄いものを「色濃度が高い」といい、Y値が大きいものを「透明性が高い」ということが出来る。
【0042】
また、同一の一次粒子の平均粒子径での対比において、このハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料は、従来のハロゲン化銅フタロシアニン顔料に比べて、着色力が10%以上高いという特徴も有している。これは、同一着色樹脂皮膜厚において同一透過率のカラーフィルター緑色画素部を得る場合に着色剤含有率を低減出来るという長所を有している。逆に言えば、本発明で用いるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料は、カラーフィルターの緑色画素部の薄膜化により適していると言える。
【0043】
また、カラーフィルター緑色画素部としては、650〜700nmにおける分光透過率が5%以下である領域がより広く、最大透過率がより大きいものが好ましい。この波長領域の分光透過率が低いことは、緑色画素部にあっても赤色光の透過が少ない優れたカラーフィルターであることを意味している。
【0044】
本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料としては、中心金属の種類、中心金属に結合する基の種類や個数、フタロシアニン分子1個当たり4個のベンゼン環に結合したハロゲン原子の種類やその結合個数等が一定の、単一のハロゲン化金属フタロシアニン顔料一種のみからなっているもの使用するのが好ましいが、前記した中心金属等が異なる各ハロゲン化金属フタロシアニン顔料の二種以上の混合物であってもよい。例えば、ハロゲン化クロロアルミニウムフタロシアニン顔料は、ハロゲン化μ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体顔料と同様の効果を有するものと推定される。よってこれらは併用することが出来る。
【0045】
このような本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料は、例えば“The Phthalocyanines Volume II Manufacture and Applications”(CRC Press,Inc.1983年)等に記載されているクロルスルホン酸法、ハロゲン化フタロニトリル法、溶融法等の方法で製造することができる。
【0046】
クロルスルホン酸法としては、Al、Si、Sc、Ti、V、Mg、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、In、Sn及びPbからなる群から選ばれる中心金属を有するフタロシアニン顔料を、クロロスルホン酸等の硫黄酸化物系の溶媒に溶解し、これに塩素ガス、臭素、ヨウ素を仕込みハロゲン化する方法が挙げられる。この際の反応は、温度20〜120℃かつ1〜10時間の範囲で行われる。
【0047】
ハロゲン化フタロニトリル法としては、“The Phthalocyanines Volume II Manufacture and Applications”にある様に、例えば、ベンゼン環の水素原子の一部または全部が臭素の他、塩素、ヨウ素等のハロゲン原子で置換されたフタル酸やフタロジニトリルと、Al、Si、Sc、Ti、V、Mg、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、In、Sn及びPbからなる群から選ばれる金属又は金属塩とを適宜出発原料として使用して、対応するハロゲン化金属フタロシアニン顔料を合成する方法が挙げられる。この場合、必要に応じてモリブデン酸アンモニウム等の触媒を用いてもよい。この際の反応は、温度100〜300℃かつ1〜30時間の範囲で行われる。
【0048】
溶融法としては、特開昭51−64534号公報(米国特許第4077974号明細書)にある様に、例えば、塩化アルミニウム、臭化アルミニウムの様なハロゲン化アルミニウム、四塩化チタンの様なハロゲン化チタン、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム等の様なアルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物〔以下、アルカリ(土類)金属ハロゲン化物という〕、塩化チオニル等、各種のハロゲン化の際に溶媒となる化合物の一種または二種以上の混合物からなる10〜170℃程度の溶融物中で、Al、Si、Sc、Ti、V、Mg、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、In、Sn及びPbからなる群から選ばれる金属フタロシアニン顔料をハロゲン化剤にてハロゲン化する方法が挙げられる。
【0049】
溶融法において好適に使用されるハロゲン化アルミニウムは、塩化アルミニウムである。前記方法におけるハロゲン化アルミニウムの添加量は、金属フタロシアニン顔料に対して、通常は、3倍モル以上であり、好ましくは10〜20倍モルである。
【0050】
本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料である前記二量体顔料は、例えば、前記の様にして得た中心金属と結合した水酸基またはチオール基を有する、中心金属が三価のハロゲン化金属フタロシアニン顔料を、脱水反応或いは脱硫化水素反応させることにより製造することが出来る。本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料は、原料として、1−クロロナフタレン溶液とした時650〜750nmに光の吸収を有する金属フタロシアニン顔料を用いて製造するのが好ましい。
【0051】
本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料の中で、一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.10μmのハロゲン化金属フタロシアニン顔料を本発明のカラーフィルターの緑色画素部に用いることが好ましい。
【0052】
この様な平均粒子径のハロゲン化金属フタロシアニン顔料は、顔料凝集も比較的弱く、後述するカラーフィルター画素部を形成するため光硬化性組成物への顔料分散が容易であり、カラーフィルターの画素部を形成するための光硬化性組成物を硬化する際に多用される365nmにおける遮光性が低下することがなく(即ち透過性が高く)、光硬化性組成物の光硬化感度の低下がなく、現像時の膜へりやパターン流れも起こり難くなるので好ましい。そのため、近年要求されている鮮明度と明度とのいずれもが高い画素部を有するカラーフィルターがより簡便に得られる。
【0053】
なお、本発明における一次粒子の平均粒子径とは、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子株式会社製)で視野内の粒子を撮影し、二次元画像上の、凝集体を構成する顔料一次粒子の50個につき、その長い方の径(長径)を各々求め、それを平均した値である。この際、試料である前記顔料は、これを溶媒に超音波分散させてから顕微鏡で撮影する。また、透過型電子顕微鏡の代わりに走査型電子顕微鏡を使用してもよい。
【0054】
本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料は、必要に応じて、アトライター、ボールミル、振動ミル、振動ボールミル等の粉砕機内で乾式摩砕し、ついで、ソルベントソルトミリング法やソルベントボイリング法等の仕上げ処理をすることによって、一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.10μmのハロゲン化金属フタロシアニン顔料とすることができる。この様に処理されたハロゲン化金属フタロシアニン顔料は、仕上げ処理前よりは、分散性や着色力に優れ、かつ、より黄味を帯びたより明るい緑色を発色する顔料が得られる。
【0055】
この仕上げ処理の方法には特に制限はなく、公知慣用の方法がいずれも採用できるが、例えば、本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料を多量の有機溶剤中でさらに加熱攪拌するソルベント処理よりも、容易に結晶成長を抑制でき、かつ比表面積の大きい(すなわちより微細な)顔料粒子が得られる点で、ソルベントソルトミリング処理を採用するのが好ましい。
【0056】
このソルベントソルトミリングとは、合成直後またはその後に摩砕を行った、仕上げ処理を経ていないハロゲン化金属フタロシアニン粗顔料と、無機塩と、有機溶剤とを混練摩砕することを意味する。この際の混練手段としては、例えば、ニーダーやミックスマーラー等が挙げられる。
【0057】
本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料の中で、前記仕上げ処理を行って前記平均粒子径としたものは、従来のハロゲン化銅フタロシアニン顔料に比べて一次粒子の凝集力が弱く、より解れやすい性質を有する。電子顕微鏡写真により、従来の顔料では観察できない、顔料一次粒子を観察することができる。
【0058】
本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料の一次粒子は、更に縦横のアスペクト比が1〜3であると、後述する光硬化性組成物中における粘度特性が向上し、光硬化性組成物の流動性がより高くなる結果、カラーフィルターのための透明基板への塗布性もより良好となる。アスペクト比を求めるには、まず、一次粒子の平均粒子径を求める場合と同様に、透過型電子顕微鏡または走査型電子顕微鏡で視野内の粒子を撮影する。そして、二次元画像上の、凝集体を構成する一次粒子の50個につき長い方の径(長径)と、短い方の径(短径)の平均値を求め、これらの値を用いて算出する。
【0059】
本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料から得られたカラーフィルターの緑色画素部は、目視評価の結果から、従来のハロゲン化銅フタロシアニン顔料から得た緑色画素部よりも更に黄味の緑色と優れた明るさを示す。
【0060】
また、本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料は、Tmaxが、より長波長側にあり545nmに近く、かつその最大透過率が大きいことで、従来のハロゲン化銅フタロシアニン顔料よりも更に黄味の緑色と優れた明るさをも兼備する緑色画素部を有するカラーフィルターが得られる。
【0061】
即ち、本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料によれば、従来のハロゲン化銅フタロシアニン顔料では達成できなかった、Tmaxが520〜590nmで、前記Tmaxにおける透過率が70%以上、かつ、波長650〜700nmにおける前記分光透過スペクトルの透過率が20%以下である緑色画素部を有するカラーフィルターを、初めて、より簡便にかつより安価に得ることができる。
【0062】
本発明のカラーフィルターは、前記した特性を有するものであるが、より好適なのは、前記した通り、Tmaxが520〜590nmであり、前記Tmaxにおける透過率が85%を越えて99%、かつ、波長650〜700nmにおける前記分光透過スペクトルの透過率が0〜20%のものである。
【0063】
このような好適なカラーフィルターは、本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料の中で、一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.10μmである、前記した、ハロゲン化クロロアルミニウムフタロシアニン顔料、ハロゲン化μ−オキソ−アルミニウムフタロシアニンダイマー顔料及びこれらの混合物か、或いはハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を用いることで、製造することが出来る。
【0064】
なお、本発明のカラーフィルターを得るには、カラーフィルターの緑色画素部を形成するために、本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料に、黄味つけのために各種黄色顔料を併用することが好ましい。即ち、この併用により、緑色画素部の波長400〜500nmにおける同分光透過スペクトルの透過率を低下させることが可能であり、例えば前記波長域における透過率を50%以下となすことが出来る。
【0065】
ここで併用できる黄色顔料としては、例えば、C.I.Pigment YELLOW 83、同110、同138、同139、同150、同180、同185等の黄色有機顔料が挙げられる。
本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料と黄色顔料との併用割合は、例えば、本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料の100質量部当たり、黄色顔料が10〜65質量部である。
【0066】
また、本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料で緑色画素部を製造すれば、従来は不可欠であった黄色顔料を調色のために特段に併用することなく、或いはハロゲン化金属フタロシアニン顔料に黄色顔料を併用するにしても、より少量の併用ですむので好ましい。従来のカラーフィルター緑色画素部と同じ色の緑色画素部を有するカラーフィルターを得る場合には、ハロゲン化金属フタロシアニン顔料に併用すべき同一黄色顔料を30質量%以上、最大50質量%程度削減することが出来る。特に、フタロシアニン分子1個当たりの4つのベンゼン環に臭素原子が9個以上結合したハロゲン化金属フタロシアニン顔料から、カラーフィルターの緑色画素部を得る場合には、可視光の全域における透過率の低下も最小限に防止できる。
【0067】
本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料によれば、それに黄色顔料を併用する場合でも少量なので、調色のために2種以上の異なる色の顔料を混色する従来の場合に比べて、再凝集が起こりがたく濁りの少ない、色純度に優れ、かつ明るい画素部を有するカラーフィルターとすることが出来る。前記した様な画素部内で意図した色度や色相となる部位と、そうならない部位が形成されてしまうという欠点も極めて起こりにくくなる。
【0068】
例えば、従来のC.I.Pigment GREEN 36の様な緑色顔料に、前記した黄色顔料を併用した混合顔料を用いた場合に比べて、本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料を黄色顔料と併用した場合のほうが、液晶表示装置とした時の、液晶表示の明るさの低下がより小さくなるし、緑色領域の光の透過量もより大きくなる。
【0069】
これらの効果は、本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料が、前記した仕上げ処理を行い、かつ、一次粒子の平均粒子径が前記範囲の、フタロシアニン分子1個当たりの4つのベンゼン環に臭素原子が9個以上結合したハロゲン化金属フタロシアニン顔料である場合に最も顕著である。
【0070】
本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料は、公知の方法でのカラーフィルターの緑色画素部の形成に用いることが出来る。本発明のカラーフィルターを製造するに当たっては、顔料分散法が好適に採用できる。
【0071】
この方法で代表例な方法は、フォトリソグラフィー法であり、これは、後述する光硬化性組成物を、カラーフィルター用の透明基板のブラックマトリックスを設けた側の面に塗布、加熱乾燥(プリベーク)した後、フォトマスクを介して紫外線を照射することでパターン露光を行って、画素部に対応する箇所の光硬化性化合物を硬化させた後、未露光部分を現像液で現像し、非画素部を除去して画素部を透明基板に固着させる方法である。この方法では、光硬化性組成物の硬化着色皮膜からなる画素部が透明基板上に形成される。
【0072】
赤色、緑色、青色の各色ごとに、後述する光硬化性組成物を調製して、前記した操作を繰り返すことにより、所定の位置に赤色、緑色、青色の各画素を有するカラーフィルターを製造することができる。本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料からは、緑色画素部が形成される。なお、赤色画素部および青色画素部を形成するための光硬化性組成物を調製するには、公知の赤色顔料と青色顔料を使用することができる。赤色画素部を形成するための顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 177、同209、同254等が、青色画素部を形成するための顔料としては、例えばC.I.Pigment Blue 15、同60等が挙げられる。これら赤色画素部と青色画素部の形成には、黄色顔料や紫色顔料を併用することも出来る。その後必要に応じて、未反応の光硬化性化合物を熱硬化させるために、カラーフィルター全体を加熱処理(ポストベーク)することもできる。
【0073】
後述する光硬化性組成物をガラス等の透明基板上に塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、インクジェット法等が挙げられる。
【0074】
透明基板に塗布した光硬化性組成物の塗膜の乾燥条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、通常、50〜150℃で、1〜15分間程度である。この加熱処理を一般に「プリベーク」という。また、光硬化性組成物の光硬化に用いる光としては、200〜500nmの波長範囲の紫外線あるいは可視光を使用するのが好ましい。この波長範囲の光を発する各種光源が使用できる。
【0075】
現像方法としては、例えば、液盛り法、ディッピング法、スプレー法等が挙げられる。光硬化性組成物の露光、現像の後に、必要な色の画素部が形成された透明基板は水洗し乾燥させる。こうして得られたカラーフィルターは、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により、100〜280℃で、所定時間加熱処理(ポストベーク)することによって、塗膜中の揮発性成分を除去すると同時に、光硬化性組成物の硬化着色皮膜中に残存する未反応の光硬化性化合物が熱硬化し、カラーフィルターが完成する。
【0076】
カラーフィルターの画素部を形成するための前記した光硬化性組成物(顔料分散フォトレジストとも呼ばれる)は、本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料と、分散剤と、光硬化性化合物と、有機溶剤とを必須成分とし、必要に応じて熱可塑性樹脂を用いて、これらを混合することで調製できる。画素部を形成する着色樹脂皮膜に、カラーフィルターの実生産で行われるベーキング等に耐え得る強靱性等が要求される場合には、前記光硬化性組成物を調製するに当たって、光硬化性化合物だけでなく、この熱可塑性樹脂を併用することが不可欠である。熱可塑性樹脂を併用する場合には、有機溶剤としては、それを溶解するものを用いるのが好ましい。
【0077】
前記光硬化性組成物の製造方法としては、本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料と、有機溶剤と分散剤とを必須成分として用いこれらを混合し均一となる様に攪拌分散を行って、まずカラーフィルターの画素部を形成するための顔料分散液(着色ペーストと呼ばれることがある)を調製してから、そこに、光硬化性化合物と、必要に応じて熱可塑性樹脂や光重合開始剤等を加えて前記光硬化性組成物とする方法が一般的である。
【0078】
ここで分散剤としては、例えば、ビックケミー社のディスパービック130、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック170、エフカ社のエフカ46、エフカ47等が挙げられる。また、レベリング剤、カップリング剤、カチオン系の界面活性剤なども併せて使用可能である。
【0079】
有機溶剤としては、例えばトルエンやキシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物のようなカルバミン酸エステル等が挙げられる。有機溶剤としては、特にプロピオネート系、アルコール系、エーテル系、ケトン系、窒素化合物系、ラクトン系等の極性溶媒で水可溶のものが適している。水可溶の有機溶剤を用いる場合には、それに水を併用することも出来る。
【0080】
光硬化性組成物の調製に使用する熱可塑性樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド酸系樹脂、ポリイミド系樹脂、スチレンマレイン酸系樹脂、スチレン無水マレイン酸系樹脂等が挙げられる。光硬化性化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ビス(アクリロキシエトキシ)ビスフェノールA、3−メチルペンタンジオールジアクリレート等のような2官能モノマー、トリメチルロールプロパトントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の比較的分子量の小さな多官能モノマー、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート等のような比較的分子量の大きな多官能モノマーが挙げられる。
【0081】
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、ベンゾイルパーオキサイド、2−クロロチオキサントン、1,3−ビス(4'−アジドベンザル)−2−プロパン、1,3−ビス(4'−アジドベンザル)−2−プロパン−2'−スルホン酸、4,4'−ジアジドスチルベン−2,2'−ジスルホン酸等が挙げられる。
【0082】
前記した様な各材料を用いて、本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料100質量部当たり、300〜1000質量部の有機溶剤と、0〜100質量部の分散剤とを、均一となる様に攪拌分散して前記顔料分散液を得ることができる。次いでこの顔料分散液に、本発明で用いるハロゲン化金属フタロシアニン顔料の1質量部当たり、熱可塑性樹脂と光硬化性化合物の合計が3〜20質量部、光硬化性化合物1質量部当たり0.05〜3質量部の光重合開始剤と、必要に応じてさらに有機溶剤を添加し、均一となる様に攪拌分散してカラーフィルターの緑色画素部を形成するための光硬化性組成物を得ることができる。
【0083】
現像液としては、公知慣用の有機溶剤やアルカリ水溶液を用いることができる。特に前記光硬化性組成物に、熱可塑性樹脂又は光硬化性化合物が含まれており、これらの少なくとも一方が酸価を有しアルカリ可溶性を呈する場合には、アルカリ水溶液での洗浄が画素部の形成に効果的である。
【0084】
顔料分散法のうちフォトリソグラフィー法によるカラーフィルターの製造方法について、詳述したが、本発明のカラーフィルターは、その他の、電着法、転写法、ミセル電解法、PVED(Photovoltaic Electrodeposition)法等の方法で画素部を形成して、カラーフィルターを製造してもよい。
【0085】
本発明のカラーフィルターは、前記のようにして得られるカラーフィルターであって、その緑色画素部における可視光の全域での分光透過スペクトルにおいて、520〜590nmに最大透過率(Tmax)を示すものである。
【0086】
本発明における分光透過スペクトルのTmax及びTmaxにおける透過率の測定方法については次の通りである。従来の液晶表示装置のバックライト光源には、概ね545nmに主輝線を有する緑色光を発する三波長管が用いられている。そこで三波長管の一種に分類される、ほぼ同じ545nmに主輝線を有する日本工業規格(JIS) Z8719で規定する3波長域発光形の蛍光ランプF10光源を評価光源として使用して評価を行った。
【0087】
本発明における分光透過スペクトルは、日本工業規格(JIS) Z 8722(色の測定方法−反射及び透過物体色)の第一種分光測光器に準じて求められるもので、ガラス基板等の透明基板上に所定膜厚に製膜した顔料を含む樹脂皮膜について所定波長領域の光を走査照射して、各波長における各透過率値をプロットしたものである。本発明においては、この所定波長が可視光となる。顔料を含む樹脂皮膜の製膜には、光硬化性化合物や熱可塑性樹脂を用いることが出来、透過率の測定に当たっては、いずれにしても乾燥着色樹脂皮膜または硬化着色樹脂皮膜を形成する。このために、簡便には、前記した様なカラーフィルターの画素部を形成させるための光硬化性組成物を用いることができる。光硬化性組成物に含まれる顔料以外の成分は着色樹脂皮膜となった時に、520〜590nmには光吸収性がないか或いはあっても極少ないので、測定された透過率の絶対値への、これら成分の存否の影響は小さい。
【0088】
こうして分光透過スペクトルから、Tmax及びTmaxにおける透過率を求めることができる。カラーフィルターとしての透過率は、例えば、前記樹脂のみで同一膜厚となした皮膜について同様に求めた分光透過スペクトルで補正すること(ベースライン補正等)によって、より精度良く求めることが出来る。
【0089】
【実施例】
次に本発明を実施例を示して具体的に説明する。以下、断りのない限り、%は質量%、部は質量部を意味する。
【0090】
[製造例1]
無水フタル酸、尿素、塩化アルミニウムを原料としてクロロアルミニウムフタロシアニンを製造した。これの1−クロロナフタレン溶液は、650〜750nmに光の吸収を有していた。
【0091】
ハロゲン化剤として、塩化チオニル3.2部、無水塩化アルミニウム3.8部、塩化ナトリウム0.5部を40℃で混合し、臭素2.7部を滴下したものを用意した。これにクロロアルミニウムフタロシアニン1部を加え、90℃で15時間反応させた後、その後反応混合物を水に投入し、ハロゲン化クロロアルミニウムフタロシアニン粗顔料を析出させた。この水性スラリーを濾取し、60℃の湯、1%硫酸水素ナトリウム水、60℃の湯の順で洗浄を行い、90℃で乾燥させて、精製されたハロゲン化クロロアルミニウムフタロシアニン粗顔料2.7部を得た。
【0092】
このハロゲン化クロロアルミニウムフタロシアニン粗顔料1部、粉砕した塩化ナトリウム7部、ジエチレングリコール1部、キシレン0.09部を双腕型ニーダーに仕込み、100℃で6時間混練した。混練後、混練物を80℃の水100部に取り出し、1時間攪拌後、濾取、湯洗、乾燥、粉砕して、ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料▲1▼を得た。
【0093】
このハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料▲1▼は、フラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成AlClPcBr14Cl1Hであった。(なお、Pcとは前記一般式1からM及びYを除いた化学構造を示す。以下同様である。そしてこの平均組成は、一般式1においてM=Al、Y=Clかつm=1、X1〜X16のうちの14個のXが臭素原子、1個のXが塩素原子、かつ1個のXが水素原子であるハロゲン化クロロアルミニウムフタロシアニン顔料と、一般式1においてM=Al、m=1、Yの中心金属M=Alであり、X17〜X32のうちの14個のXが臭素原子、1個のXが塩素原子、かつ1個のXが水素原子であり、Aが酸素原子である、ハロゲン化μ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体顔料とを含んでいると推定された。)
【0094】
[製造例2]
無水フタル酸、尿素、五酸化バナジウムを原料としてオキシバナジウムフタロシアニンを製造した。これの1−クロロナフタレン溶液は、650〜750nmに光の吸収を有していた。
【0095】
ハロゲン化剤として、塩化チオニル3.1部、無水塩化アルミニウム3.7部、塩化ナトリウム0.5部を40℃で混合し、臭素2.6部を滴下したものを用意した。これにオキシバナジウムフタロシアニン1部を加え、90℃で15時間反応させた後、反応混合物を水に投入し、ハロゲン化バナジルフタロシアニン粗顔料を析出させた。この水性スラリーを濾取し、60℃の湯、1%硫酸水素ナトリウム水、7%のトルエンを含んだアセトン、60℃の湯の順で洗浄を行い、90℃で乾燥させて、精製されたハロゲン化バナジルフタロシアニン粗顔料2.6部を得た。
【0096】
このハロゲン化オキシバナジウムフタロシアニン粗顔料1部、粉砕した塩化ナトリウム7部、ジエチレングリコール1部を双腕型ニーダーに仕込み、80℃で8時間混練した。混練後、混練物を80℃の水100部に取り出し、1時間攪拌後、濾取、湯洗、乾燥、粉砕して、ハロゲン化オキシバナジウムフタロシアニン顔料▲2▼を得た。
【0097】
このハロゲン化オキシバナジウムフタロシアニン顔料▲2▼は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成VOPcBr13Cl2Hであった。(前記一般式1において、M=V、Y=Oかつm=1、X1〜X16のうちの13個のXが臭素原子、2個のXが塩素原子、かつ1個のXが水素原子である。)
【0098】
[製造例3]
フタロジニトリル、塩化亜鉛を原料として亜鉛フタロシアニンを製造した。これの1−クロロナフタレン溶液は、650〜750nmに光の吸収を有していた。
【0099】
ハロゲン化剤として、塩化チオニル3.1部、無水塩化アルミニウム3.7部、塩化ナトリウム0.5部を40℃で混合し、臭素2.6部を滴下したものを用意した。これに亜鉛フタロシアニン1部を加え、90℃で15時間反応させた後、反応混合物を水に投入し、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料を析出させる。この水性スラリーを濾過し、60℃の湯、1%硫酸水素ナトリウム水、7%のトルエンを含んだアセトン、60℃の湯の順で洗浄を行い、90℃で乾燥させて、精製されたハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料2.6部を得た。
【0100】
このハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料1部、粉砕した塩化ナトリウム7部、ジエチレングリコール1部、キシレン0.09部を双腕型ニーダーに仕込み、100℃で6時間混練した。混練後、混練物を80℃の水100部に取り出し、1時間攪拌後、濾取、湯洗、乾燥、粉砕して、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料▲3▼を得た。
【0101】
このハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料▲3▼は、質量分析によるハロゲン含有量分析から、平均組成ZnPcBr14Cl1Hであった。(前記一般式1において、M=Zn、m=0、X1〜X16のうちの14個のXが臭素原子、1個のXが塩素原子、かつ1個のXが水素原子である。)
【0102】
[製造例4]
フタロジニトリル、4塩化チタンを原料としてオキシチタニウムフタロシアニンを製造した。これの1−クロロナフタレン溶液は、650〜750nmに光の吸収を有していた。
【0103】
ハロゲン化剤として、塩化チオニル3.1部、無水塩化アルミニウム3.7部、塩化ナトリウム0.5部を40℃で混合し、臭素2.6部を滴下したものを用意した。これにオキシチタニウムフタロシアニン1部を加え、90℃で15時間反応させた後、反応混合物を水に投入し、ハロゲン化オキシチタニウムフタロシアニン粗顔料を析出させた。この水性スラリーを濾取し、60℃の湯洗、1%硫酸水素ナトリウム水、7%のトルエンを含んだアセトン、60℃の湯の順で洗浄を行い、90℃で乾燥させて、精製されたハロゲン化オキシチタニウムフタロシアニン粗顔料2.6部を得た。
【0104】
このハロゲン化オキシチタニウムフタロシアニン粗顔料1部、粉砕した塩化ナトリウム7部、ジエチレングリコール1部、キシレン0.09部を双腕型ニーダーに仕込み、100℃で6時間混練した。混練後、混練物を80℃の水100部に取り出し、1時間攪拌後、濾取、湯洗、乾燥、粉砕して、ハロゲン化チタニルフタロシアニン顔料▲4▼を得た。
【0105】
このハロゲン化オキシチタニウムフタロシアニン顔料▲4▼は、フラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成TiOPcBr10Cl5Hであった。(前記一般式1において、M=Ti、Y=Oかつm=1、X1〜X16のうちの10個のXが臭素原子、5個のXが塩素原子、かつ1個のXが水素原子である。)
【0106】
[製造例5]
フタロジニトリル、塩化ニッケルを原料としてニッケルフタロシアニンを製造した。これの1−クロロナフタレン溶液は、650〜750nmに光の吸収を有していた。
【0107】
ハロゲン化剤として、塩化チオニル3.1部、無水塩化アルミニウム3.7部、塩化ナトリウム0.5部を40℃で混合し、臭素2.6部を滴下したものを用意した。これにニッケルフタロシアニン1部を加え、90℃で15時間反応させた後、反応混合物を水に投入し、ハロゲン化ニッケルフタロシアニン粗顔料を析出させた。この水性スラリーを濾取し、60℃の湯、1%硫酸水素ナトリウム水、7%のトルエンを含んだアセトン、60℃の湯の順で洗浄を行い、90℃で乾燥させて、精製されたハロゲン化ニッケルフタロシアニン粗顔料2.6部を得た。
【0108】
このハロゲン化ニッケルフタロシアニン粗顔料1部、粉砕した塩化ナトリウム7部、ジエチレングリコール1部、キシレン0.09部を双腕型ニーダーに仕込み、100℃で6時間混練した。混練後、混練物を80℃の水100部に取り出し、1時間攪拌後、濾取、湯洗、乾燥、粉砕して、ハロゲン化ニッケルフタロシアニン顔料▲5▼を得た。
【0109】
このハロゲン化ニッケルフタロシアニン顔料▲5▼は、フラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成NiPcBr13Cl2H1であった。(前記一般式1において、M=Ni、m=0、X1〜X16のうちの13個のXが臭素原子、2個のXが塩素原子、かつ1個のXが水素原子である。)
【0110】
[製造例6]
フタロジニトリル、塩化スズを原料としてスズフタロシアニンを製造した。これの1−クロロナフタレン溶液は、650〜750nmに光の吸収を有していた。
【0111】
ハロゲン化剤として、塩化チオニル3.1部、無水塩化アルミニウム3.7部、塩化ナトリウム0.5部を40℃で混合し、臭素2.6部を滴下したものを用意した。これにスズフタロシアニン1部を加え、90℃で15時間反応させた後、反応混合物を水に投入し、ハロゲン化スズフタロシアニン粗顔料を析出させた。この水性スラリーを濾取し、60℃の湯、1%硫酸水素ナトリウム水、7%のトルエンを含んだアセトン、60℃の湯の順で洗浄を行い、90℃で乾燥させて、精製されたハロゲン化スズフタロシアニン粗顔料2.6部を得た。
【0112】
このハロゲン化スズフタロシアニン粗顔料1部、粉砕した塩化ナトリウム7部、ジエチレングリコール1部、キシレン0.09部を双腕型ニーダーに仕込み、100℃で6時間混練した。混練後、混練物を80℃の水100部に取り出し、1時間攪拌後、濾取、湯洗、乾燥、粉砕して、ハロゲン化スズフタロシアニン顔料▲6▼を得た。
【0113】
このハロゲン化スズフタロシアニン顔料▲6▼は、フラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成SnPcBr10Cl5Hであった。(前記一般式1において、M=Sn、m=0、X1〜X16のうちの10個のXが臭素原子、5個のXが塩素原子、かつ1個のXが水素原子である。)。
【0114】
[製造例7]
製造例3において、一次粒子の平均粒子径が0.03μmとなる様に条件を変更した以外は、製造例3と同様にしてハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料▲7▼を得た。
【0115】
[比較製造例1]
無水フタル酸、尿素、塩化第一銅を原料として銅フタロシアニンを製造した。これの1−クロロナフタレン溶液は、650〜750nmに光の吸収を有していなかった。
【0116】
この銅フタロシアニンを用い、かつ、製造例1と同一のハロゲン化剤を用いて、製造例1と同様な操作を行って臭素化して、臭素化銅フタロシアニン顔料▲8▼を得た(前記一般式1で仮に説明するとM=Cu、m=0、X1〜X16のうちの15個のXが臭素原子、かつ1個のXが水素原子のものに相当する。)。
【0117】
[実施例1〜6]
前記の製造例で得られた各顔料▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼及び▲6▼を緑色顔料として用い、フォトリソグラフィーによりカラーフィルターの緑色画素部▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼及び▲6▼を製造した。
【0118】
カラーフィルター緑色画素部の製造方法としては、各顔料14部、C.I.Pigment Yellow 150(調色用黄色有機顔料)3部、N,N'−ジメチルホルムアミド(有機溶剤)2.5部、ディスパービック161(ビックケミー社製分散剤)17.0部、ユーカーエステルEEP(ユニオン・カーバイド社製有機溶剤)63.5部を0.5mmφセプルビーズを加え、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で1時間分散し、顔料分散液(着色ペースト)を得た。この顔料分散液75.00部とアロニックスM7100(東亜合成化学工業株式会社製ポリエステルアクリレート。光硬化性化合物に相当する。)5.50部、KAYARAD DPHA(日本化薬株式会社製ジぺンタエリスレートヘキサアクリレート。光硬化性化合物に相当する。)5.00部、KAYACURE BP−100(日本化薬株式会社製ベンゾフェノン。光重合開始剤に相当する。)1.00部及びユーカーエステルEEP 13.5部を分散攪拌機で攪拌し、カラーフィルター緑色画素部を形成するための光硬化性組成物を得た。この組成物は1mm厚ガラスに乾燥膜厚1μmとなるように塗布した。
【0119】
次いでフォトマスクを介して紫外線によるパターン露光を行った後、未露光部分を有機溶剤で洗浄することによりカラーフィルター用緑色画素部とした。
【0120】
各顔料の一次粒子の平均粒子径については、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子株式会社製)で測定した結果から求めた。
【0121】
これらの顔料▲1▼〜▲6▼から製造したカラーフィルター用緑色画素部▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼及び▲6▼の色み、並びに明るさを目視評価した。また、日本工業規格(JIS) Z 8722に規定する第一種分光測光器(分光光度計)を用いて、可視光全域における分光透過スペクトルを測定し透過率が最大となる波長(Tmax)、前記Tmaxにおける透過率、波長650〜700nmにおける最大透過率を測定した。またカラーフィルター用緑色画素部▲1▼及び▲3▼については、分光透過スペクトルの曲線と最大透過率値の50%に相当する透過率値の内挿線とが形成する2交点間の距離(半値幅)を測定した(図中←→の距離をnm単位で表した。)。その結果を表1に示した。実施例1及び実施例3で得た各カラーフィルター用緑色画素部の分光透過スペクトルを図1及び図2に各々示した。
【0122】
顔料▲1▼に代えて、それと同様の一次粒子の平均粒子径としたC.I.Pigment Red 254(ジケトピロロピロール系赤色有機顔料)及びC.I.Pigment Blue 15:6(ε型銅フタロシアニン系青色有機顔料)を用いた以外は、緑色画素部と同様にして、赤色と青色各々の光硬化性組成物を調製し、赤色画素部と青色画素部を各々形成させ、RGBの各画素部が設けられたカラーフィルターを得た。
【0123】
[比較例1]
実施例1において、ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料▲1▼に代えて、臭素化銅フタロシアニン顔料▲8▼を用いた以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルター用緑色画素部▲8▼を製造した。
【0124】
また、実施例1と同様にして顔料▲8▼の一次粒子の平均粒子径、顔料▲8▼から製造したカラーフィルター用緑色画素部▲8▼の色み、および明るさを目視評価した。また、分光光度計を用いてTmax、前記Tmaxにおける透過率、波長650〜700nmにおける最大透過率を測定した。さらに分光透過スペクトルの曲線と最大透過率値の50%に相当する透過率値の内挿線とが形成する2交点間の距離(半値幅)を測定した。その結果を表1に示す。横軸を波長、縦軸を透過率としたカラーフィルター用緑色画素部の分光透過スペクトルを図3に示した。
【0125】
【表1】
表 1
【0126】
【表2】
表 1(つづき)
【0127】
【表3】
表 1(つづき)
【0128】
表1中、略号は以下の内容を示す。
色み
○…かなり黄味を帯びた緑色
×…黄味帯びた緑色
明るさ
○…非常に明るい
△…やや暗い
【0129】
表1から明らかなように、Al、V、Zn、Ti、Ni、Snを中心金属に用いたハロゲン化金属フタロシアニン顔料▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼及び▲6▼を使用したカラーフィルター用緑色画素部▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼及び▲6▼は、目視評価の結果、より黄味を帯びた明るいものであった。
【0130】
一方、銅を中心金属に用いたハロゲン化銅フタロシアニン顔料▲8▼から製造したカラーフィルター用緑色画素部▲8▼は、黄味が不十分な緑色であり、明るさもやや暗いものであった。
【0131】
[実施例7]
実施例3において、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料▲3▼に代えて、前記ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料▲7▼を用いた以外は、実施例3と同様にして、カラーフィルター用緑色画素部▲7▼を形成して、前記と同様な測定を行った。この実施例7の結果を表2にまとめた。
【0132】
【表4】
表 2
【0133】
実施例3とこの実施例7との対比から、一次粒子の平均粒子径をより小さくしたハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料▲7▼から得た緑色画素部は、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料▲3▼に比べて、目視評価における明るさに優ると共に、Tmaxがより545nmに近づいており、Tmaxにおける透過率も高くなっていることがわかる。
【0134】
顔料▲7▼及び▲8▼を用いて、JIS K5101−1991(日本工業規格「顔料試験方法」)に従って作製した各試験片について、データーカラー社製測色分光器で各々のL値を求めて、これらを着色力の尺度とした。比較例1のハロゲン化銅フタロシアニン顔料▲8▼を用いて測定したL値を100としたところ、このハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料▲7▼のL値は99に相当し、着色力が10%高かった。尚、各実施例で得た緑色画素部は、目視観察では、いずれも画素部内で意図した色度や色相とならない部位の存在は観察されなかった。
【0135】
【発明の効果】
本発明のカラーフィルターは、フタロシアニン分子1個当たり8〜16個のハロゲン原子がフタロシアニン分子のベンゼン環に結合したハロゲン化金属フタロシアニン顔料を含み、かつ可視光での分光透過スペクトルにおいて、520〜590nmに最大透過率を示す緑色画素部を有するので、従来のハロゲン化銅フタロシアニンを用いた緑色画素部を有するカラーフィルターに比べて、より黄味を帯びたより明るい緑色を発色するという格別顕著な効果を奏する。また、同じ色の画素部内で意図した色度や色相となる部位と、意図した色度や色相とならない部位が混在して形成されてしまうという欠点も起こりにくいという格別顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得たカラーフィルター緑色画素部の分光透過スペクトルである。
【図2】実施例3で得たカラーフィルター緑色画素部の分光透過スペクトルである。
【図3】比較例1で得たカラーフィルター緑色画素部の分光透過スペクトルである。
Claims (10)
- 透明基板上に赤色、緑色及び青色の各画素部を有するカラーフィルターにおいて、前記緑色画素部が、(1)フタロシアニン分子1個当たり8〜16個のハロゲン原子がフタロシアニン分子のベンゼン環に結合した、Ti,Zn,Snからなる群から選ばれる金属を中心金属として有するハロゲン化金属フタロシアニン顔料を含有し、かつ、(2)可視光の全域での分光透過スペクトルにおいて、520〜590nmに最大透過率を示すことを特徴とするカラーフィルター。
- ハロゲン化金属フタロシアニン顔料の、 中心金属が四価の場合には、その中心金属には1つの酸素原子又は同一でも異なっていても良い2つのハロゲン原子、水酸基又はスルホン酸基のいずれかが結合しているハロゲン化金属フタロシアニンである請求項1記載のカラーフィルター。
- 前記フタロシアニン分子のベンゼン環に結合した8〜16個のハロゲン原子のうち、9個以上が臭素原子である請求項1に記載のカラーフィルター。
- 透明基板上に赤色、緑色及び青色の各画素部を有するカラーフィルターにおいて、前記緑色画素部が、(1)フタロシアニン分子1個当たり8〜16個のハロゲン原子がフタロシアニン分子のベンゼン環に結合したハロゲン化金属フタロシアニン顔料を含有し、このハロゲン化金属フタロシアニン顔料が、フタロシアニン分子1個当たり8〜16個のハロゲン原子がフタロシアニン分子のベンゼン環に結合した、Ti,Zn,Snからなる群から選ばれる金属を中心金属として有するハロゲン化金属フタロシアニン顔料のみからなり、かつ、(2)可視光の全域での分光透過スペクトルにおいて、520〜590nmに最大透過率を示すことを特徴とするカラーフィルター。
- 前記最大透過率を示す波長における前記緑色画素部の透過率が70%以上である請求項1〜4に記載のカラーフィルター。
- 前記最大透過率を示す波長における前記緑色画素部の透過率が85%以上である請求項1〜4に記載のカラーフィルター。
- 透明基板上に赤色、緑色及び青色の各画素部を有するカラーフィルターにおいて、前記緑色画素部が、(1)フタロシアニン分子1個当たり8〜16個のハロゲン原子がフタロシアニン分子のベンゼン環に結合したハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を含有し、かつ、(2)可視光の全域での分光透過スペクトルにおいて、520〜590nmに最大透過率を示すことを特徴とするカラーフィルター。
- 透明基板上に赤色、緑色及び青色の各画素部を有するカラーフィルターにおいて、前記緑色画素部が、(1)フタロシアニン分子1個当たり8〜16個のハロゲン原子がフタロシアニン分子のベンゼン環に結合したハロゲン化金属フタロシアニン顔料を含有し、このハロゲン化金属フタロシアニン顔料が、フタロシアニン分子1個当たり8〜16個のハロゲン原子がフタロシアニン分子のベンゼン環に結合したハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料のみからなり、かつ、(2)可視光の全域での分光透過スペクトルにおいて、520〜590nmに最大透過率を示すことを特徴とするカラーフィルター。
- 可視光全域での分光透過スペクトルの最大透過率を示す波長における透過率の1/2の透過率を内挿した際の前記曲線上の2点間の距離(半値幅)が、90〜110nmである請求項8に記載のカラーフィルター。
- 前記最大透過率を示す波長における前記緑色画素部の透過率が85%以上である請求項8に記載のカラーフィルター。
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